JP5305770B2 - 空気除菌装置 - Google Patents
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Description
この構成によれば、水受け皿内の電解水に自動的に食塩水が供給されることになる。
また、食塩水タンクをポンプの吸込口からワンタッチで取り外すことができるため、食塩水タンクの取り出しが容易になる。
さらに、除菌空間と比較して湿度の高い水回り空間に食塩水タンク及び供給ノズルを配置することにより、食塩水タンク内の水分の蒸発を遅らせ、食塩水タンク内の食塩水を所定の塩分濃度で収容しておくことができるとともに、供給ノズルでの食塩の析出を防止することができる。
また、供給ノズルを湿度の比較的高い水受け皿の上方に配置することにより、供給ノズルでの食塩の析出を防止することができる。
この構成によれば、湿度の低い空間にポンプを配置することで、ポンプに防湿処理等を施す必要がなくなる。
この構成によれば、供給ノズルを支持する部材を別途に設ける必要がなくなる。
この構成によれば、逆止弁によって、水受け皿の電解水が食塩水タンク内へ逆流するのを防止することができる。また、供給ノズルを水面から離して配置することで、電解水が逆流することを確実に防止することができる。また、逆止弁が電解水に接液していることによる逆止弁内部の腐食を防止することができる。
この構成によれば、食塩水タンク内の圧力を一定の状態に保持することができ、食塩水を所定の塩分濃度で収容しておくことができる。
図1は、本実施の形態に係る空気除菌装置1の斜視図であり、図2は、この空気除菌装置1の背面側斜視図である。この空気除菌装置1は、水を電気分解して所定の活性酸素種を含む電解水を生成し、空気除菌装置1内に吸い込んだ室内の空気をこの電解水を用いて除菌して、除菌後の清浄な空気を室内に送風する装置である。
空気除菌装置1は、図1に示すように、縦長に形成された箱形の筐体11を有し、例えば床置き設置される。筐体11には、この筐体11の両側面の下部に吸込グリル12が形成されるとともに、この筐体11の前面の下端部に吸込口15が形成されている。
また、筐体11の上面には吹出口13が形成され、この吹出口13には空気を吹き出す方向を変化させるためのオートルーバー20が設けられている。このオートルーバー20は、運転停止時に上記吹出口13を閉塞するように構成されている。
また、筐体11の前面には、上下方向に並べられた上側カバー部材18及び下側カバー部材19がそれぞれ着脱自在に配置されており、これら上側カバー部材18及び下側カバー部材19を取り外すと空気除菌装置1の内部構成が露出する。下側カバー部材19は、この下側カバー部材19の下端部に、筐体11の背面側に向けて湾曲した円弧部19Aを備え、この円弧部19Aに上記吸込口15が形成されている。
また、図2に示すように、筐体11の背面上部には空気除菌装置1に給水するための接続口14が形成され、この接続口14に外部の給水源(例えば上水道)に連なる給水配管27が接続される。また、筐体11の背面下部には、空気除菌装置1内の水を外部に排出するための排水配管28が設けられている。
図3は、空気除菌装置1の内部の主要構成を示す斜視図であり、図4は側断面視図である。筐体11には、図3及び図4に示すように、この筐体11の内部を上下に仕切る支持板21が設けられ、上側の室22と下側の室23とに区分けされている。
下側の室23は、仕切板24によって左右に区分けされ、一方の室23Aに送風ファン31及びこの送風ファン31を駆動するファンモータ(図示略)が収容されるとともに、他方の室23Bに上記排水配管28を有する排水部57が収容されている。一方の室23Aの前面側には、下側カバー部材19(図1参照)と対向する位置にプレフィルタ34が配置されている。このプレフィルタ34は、一方の室23Aの開口部に相当する大きさに形成され、この開口部に嵌めこまれて配置されている。下側カバー部材19を外すと、プレフィルタ34が露出し、このプレフィルタ34を簡単に着脱することができる。
プレフィルタ34は、吸込グリル12及び吸込口15を通じて吸い込まれた空気中の塵埃など粒径の大きなものを捕集する粗塵フィルタ25と、この粗塵フィルタ25を通過する、例えば粒径10(μm)以上の物(例えば花粉)を捕集する中性能フィルタ26とを備えて構成される。このプレフィルタ34によって、吸込グリル12及び吸込口15から吸い込まれた空気中に浮遊する花粉や塵埃などが除去される。
気液接触部材53は、この気液接触部材53に吹き付けられた空気に電解水を接触させるための部材である。この気液接触部材53において筐体11内に吸い込まれた空気が所定の活性酸素種を含む電解水に接触することで、空気中に含まれるウィルス等が不活化されることなどにより、空気の除菌が行われる。
ハウジング33と吹出口13との間には、この吹出口13から筐体11内部への異物の進入を防止するため吹出口フィルタ36が配置されている。この吹出口フィルタ36は、気液接触部材53を通過した空気の通風抵抗を著しく増加させないよう、適度に目の粗いものであることが好ましい。
エレメント部には、電解水による劣化が少ない素材、例えば、ポリオレフィン系樹脂(ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等)、PET(ポリエチレン・テレフタレート)樹脂、塩化ビニル樹脂、フッ素系樹脂(PTFE、PFA、ETFE等)又はセラミックス系材料等の素材が使用され、本構成では、PET樹脂を用いるものとする。また、エレメント部には親水性処理が施され、電解水に対する親和性が高められており、これによって、気液接触部材53の電解水の保水性(湿潤性)が保たれ、後述する活性酸素種(活性酸素物質)と室内空気との接触が長時間持続される。
また、気液接触部材53の上面には、散水ボックス51から滴下される電解水をエレメント部に効率よく分散させるため、分流シート(図示略)が配設されている。この分流シートは、液体の浸透性を有する繊維材料からなるシート(織物、不織布等)であり、気液接触部材53の厚み方向断面に沿って一または複数設けられる。
深底部42B1には水位を検出する第1フロートスイッチ43A及び第2フロートスイッチ43Bが配設されている。第1フロートスイッチ43Aは、貯留部42Bの水位が所定の下限水位を下回った場合に動作するスイッチであり、第2フロートスイッチ43Bは、貯留部42Bの水位が所定の上限水位を上回った場合に動作するスイッチである。
この電解槽46は、後述するように複数の電極を内蔵し、これら電極間に、制御部から供給される電圧を印加することにより、水を電解して電解水を生成する。電解槽46の上面には、この電解槽46で生成した電解水を排出する排出口46Aが形成され、この排出口46Aには電解水を貯留部42Bに返送する返送管73が接続されている。
また、第2給水管63の給水口64は、水受け皿42に貯留された水の水面から、この水面に触れることない十分な距離(本実施形態では、水受け皿42の上端面から35mm)を離して配置されている。これによれば、給水部60及び給水配管27の内部が負圧となった場合であっても、水受け皿42に貯留された水が、給水口64を通じて給水部60及び給水配管27内に逆流することが防止される。
さらに、この給水口64は、上記したフィルタ部材74の上方に配置されている。これによれば、給水口64を通じて供給された水は、フィルタ部材74上に滴下されるため、この滴下音を低減することができ、給水時の静音化を図ることができる。
また、貯留部42Bの浅底部42B2の底部には、オーバーフロー管85が接続され、このオーバーフロー管85は、排水弁83と排水部57との間で上記第2排水管84に接続されている。このため、深底部42B1内の水位が上昇し、この水が浅底部42B2に達したとしても、この水はオーバーフロー管85、第2排水管84及び排水部57を通じて外部に排出される。
また、第2排水管84には、この第2排水管84よりも細径のエア抜き管86が接続されている。このエア抜き管86は、排水時に排水弁ユニット81内の空気を外部に排出するためのものであり、このエア抜き管86の先端が水受け皿42よりも十分高い位置となるように配置されている。
上側の室22は、水受け皿42及び板状部材55によってさらに上下に仕切られ、水受け皿42の上方であって湿度の比較的高い高湿空間22Aと、水受け皿42の下方であって湿度の比較的低い低湿空間(空間)22Bとを有している。低湿空間22Bには、上述した電装ボックス39が配置されている。高湿空間22Aには、高湿空間22Aを左右に仕切る隔壁30Aが設けられ、高湿空間22Aは、気液接触部材53を収容する除菌空間22A1と、循環ポンプ44を収容する水回り空間22A2とに仕切られている。水回り空間22A2は、これらの水受け皿42及び隔壁30Aと、水回り空間22A2の側面を覆う水回りカバー30B〜30Dとによって隔離されおり、空気が送風される除菌空間22A1と比較して湿度が高くなっている。
食塩水を貯留する食塩水タンク90は、高湿な水回り空間22A2に配置される。これにより、食塩水タンク90内の水分の蒸発を遅らせ、タンク内の食塩水を所定の塩分濃度で収容しておくことができる。
食塩水タンク90は、食塩水による劣化が少ない素材、例えば、ポリプロピレン樹脂等を用いて形成されている。この食塩水タンク90は、空気除菌装置1のメンテナンス期間(例えば、1年)に対して、十分長い期間供給可能な量の食塩水を貯留できる大きさに形成される。本実施の形態の食塩水タンク90は、その容積を1リットルとすることで、食塩水タンク90のメンテナンス期間を2年としている。
また、食塩水タンク90の上面には、吸込口90Cが設けられ、この吸込口90Cから食塩水タンク90内に吸い込みノズル90Dが延びている。吸込口90Cには、ワンタッチ継ぎ手90Eが取り付けられている。
保持台91は、水回りカバー30Bに水平に固定される矩形状の底面91Aと、底面91Aから立ち上がり、水回りカバー30Bに垂直に固定される側面91B、91Cと、水回りカバー30Bに対して平行に底面91Aから立ち上がる側面91Dとを備えている。食塩水タンク90は、底面91A上に配置されると、側面91B〜91Dに囲われることとなるので、運搬時に空気除菌装置1が多少揺れても、保持台91から脱落しないようになっている。
食塩水タンク90は、保持台91に対してボルト締めなどによって固定されることなく、単に底面91Aに置かれて、ワンタッチ継ぎ手90Eに、ポリウレタン製のチューブ92が接続される。食塩水タンク90を取り出す場合には、このチューブ92をワンタッチ継ぎ手90Eから手指で容易に取り外すことができるため、工具等を使用することなく、メンテナンスを簡単に行うことができる。
供給ノズル94は、逆流を防止する逆止弁94Aを備えている。また、この供給ノズル94は、図6に示すように、水受け皿42に貯留された水の水面から、この水面に触れることのない十分な距離(本実施形態では、水受け皿42の底面からの距離Hが62mm)を離して配置されている。これによれば、チューブ92、93及び食塩水タンク90の内部が負圧となった場合であっても、水受け皿42に貯留された電解水が、供給ノズル94を通じてチューブ92、93及び食塩水タンク90内に逆流することが確実に防止される。このため、逆止弁94Aの内部に、電解水に対して劣化しにくい高価な材料を使用する必要がなくなり、逆止弁94Aのコストアップを抑えることができる。
さらに、供給ノズル94は、水受け皿42の浅底部42B2よりも深底の深底部42B1(貯留部42B)の上方に配置されている。このため、水受け皿42の貯留部42Bの水位が所定の下限水位になっても、食塩水が貯留部42Bの電解水に直接供給されることになり、水受け皿42上で食塩が析出することが防止される。
この図7を参照して、気液接触部材53に対する電解水の供給について説明する。
空気除菌装置1の運転操作がなされると、貯留部42Bの水位が検出され、この水位が所定水位に達していない場合には、給水弁61が開放して水受け皿42に水道水が供給され、この水受け皿42の貯留部42Bの水位が所定水位に達する。
貯留部42B内の水は循環ポンプ44によって汲み上げられて、その一部が電解槽46に供給される。この電解槽46は、図7(B)に示すように、一方が正、他方が負となる対の電極47、48を備え、これら電極47、48間に電圧を印加することにより、電解槽46に流入した水道水が電気分解されて活性酸素種を含む電解水が生成される。ここで、活性酸素種とは、通常の酸素よりも高い酸化活性を持つ酸素と、その関連物質のことであり、スーパーオキシドアニオン、一重項酸素、ヒドロキシルラジカル、或いは過酸化水素といった、いわゆる狭義の活性酸素に、オゾン、次亜ハロゲン酸等といった、いわゆる広義の活性酸素を含めたものとする。
電極47をアノード電極とし、電極48をカソード電極として、外部電源から電極47及び電極48の間に電圧を印加して通電すると、カソード電極としての電極48では、水中の水素イオン(H+)と水酸化物イオン(OH-)とが下記式(1)に示すように反応する。
4H++4e-+(4OH-)→2H2+(4OH-) ・・・(1)
2H2O→4H++O2+4e- ・・・(2)
とともに、電極47においては、水に含まれる塩素イオン(塩化物イオン:Cl-)が下記式(3)に示すように反応し、塩素(Cl2)が発生する。
2Cl-→Cl2+2e- ・・・(3)
さらに、この塩素は下記式(4)に示すように水と反応し、次亜塩素酸(HClO)と塩化水素(HCl)が発生する。
Cl2+H2O→HClO+HCl ・・・(4)
例えば、電極47に正の電位を与えて、電極47及び電極48の間に流れる電流値を、電流密度で20mA(ミリアンペア)/cm2(平方センチメートル)とすると、所定の遊離残留塩素濃度(例えば1mg(ミリグラム)/l(リットル))を発生させる。また、電極47、電極48の間に印加する電圧を変更して、電流値を高くすることで、電解水中の次亜塩素酸の濃度を高い濃度にすることができる。
食塩水を供給する際、ポンプ95は、食塩水の1回あたりの滴下量が1〜2mlとなるように制御部によって制御されている。供給ノズル94には、逆止弁94Aが設けられているため、食塩水が切れよく滴下され、電解槽46に供給する水の塩素濃度に応じた適当な量の食塩水が供給できるようになっている。
本実施の形態の空気除菌装置1は、電気分解する水の塩素イオンを増加させることで、電気分解時に電極47及び電極48の間に流す電流が小さくて済むので、効率的に活性酸素種を生成することができるとともに、電極47、48に生じる負荷が小さくなり、電極47、48を交換する頻度を少なくすることができる。
例えば、上記実施の形態では、空気除菌装置1は、水道水が供給される構成としたが、水道水以外のイオン種が希薄な水(純水、精製水、井戸水を含む)が供給される構成としてもよい。この場合でも、食塩水タンク90から食塩水を供給することにより、十分な空気清浄効果(ウィルス等の不活化、殺菌、脱臭)を発揮できる。
11 筐体
21 支持板
22 上側の室
22A1 除菌空間
22A2 水回り空間
22B 低湿空間(空間)
23 下側の室
30A 隔壁
31 送風ファン
42 水受け皿
44 循環ポンプ
46 電解槽(電解ユニット)
53 気液接触部材
90 食塩水タンク
90B 弁装置
90E ワンタッチ継ぎ手
91 保持台
94 供給ノズル
94A 逆止弁
95 ポンプ
95A 吸込口
95B 吐出口
Claims (5)
- 筐体内を支持板で上下に区分けし、前記筐体の上側の室に、電解ユニットと、前記電解ユニットによって生成された電解水が供給される気液接触部材と、前記電解ユニットによって生成された電解水を貯留すると共に前記気液接触部材から流下する電解水を受ける水受け皿と、前記水受け皿に貯留した電解水を汲み上げて再び前記気液接触部材に供給する循環ポンプとを備え、前記筐体の下側の室に、前記気液接触部材に室内空気を送る送風ファンを備えた空気除菌装置において、前記筐体の上側の室に、前記水受け皿に供給する食塩水を貯留した食塩水タンクを配置し、
前記上側の室を隔壁によって、前記気液接触部材を収容する除菌空間と、前記循環ポンプを収容する水回り空間とに仕切り、
前記食塩水タンクの食塩水を汲み上げるポンプを設け、このポンプの吸込口をワンタッチ継ぎ手を介して前記食塩水タンクに接続すると共に、前記ポンプの吐出口を食塩水の供給ノズルに接続し、
前記水回り空間に前記食塩水タンク及び前記供給ノズルを配置すると共に、前記供給ノズルを前記水受け皿の上方に配置したことを特徴とする空気除菌装置。 - 前記ポンプを水回り空間に隣接した湿度の低い空間に配置したことを特徴とする請求項1に記載の空気除菌装置。
- 前記水受け皿の上方に前記食塩水タンクを載置する保持台を備え、この保持台に前記食塩水の供給ノズルを支持したことを特徴とする請求項1または2のいずれか1つに記載の空気除菌装置。
- 前記水受け皿に食塩水を供給する供給ノズルに逆止弁を設け、前記水受け皿の電解水の水面から前記供給ノズルを離して配置したことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1つに記載の空気除菌装置。
- 前記食塩水タンクにタンク内の内圧を調整する弁装置を設けたことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1つに記載の空気除菌装置。
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