JP5302698B2 - プラグとソケットとの接続構造 - Google Patents

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Description

この発明は、例えば日本工業規格で定められた迅速継手のプラグとソケットとの接続構造に関する。
一般に、プラグをソケットに接続する場合には、プラグを筒状をなすソケット本体にその先端開口部から挿入する。すると、プラグの先端部がソケット本体の内部に設けられた接続筒にシール部材を介して突き当たり、接続筒を第1コイルばねの付勢力に抗して待機位置から接続位置まで移動させる。接続筒が接続位置に達すると、ソケット本体の外周に摺動可能に設けられた操作筒が第2コイルばねによって許容位置から阻止位置まで移動させられる。操作筒は、阻止位置に移動する際にソケット本体の貫通孔に挿入された球体をソケット本体の径方向内側へ移動させ、プラグの外周面に形成された環状の係合溝に入り込ませる。これにより、プラグがソケットに接続される。しかも、プラグの内部が接続筒の内部に気密に連通し、接続筒の内部を介してソケット本体の内部に連通する。
ところで、プラグの先端部に傷が付いていたり、塵埃が付着していたりすると、プラグの先端部とシール部材との間に隙間生じ、その隙間からガスが漏れてしまうことがある。プラグ部の先端部とシール部材との間から漏れたガスは、三つの経路を通って外部に流出する。一つの経路は、ソケット本体とプラグの外周面との間の隙間によって成される経路である。他の二つの経路は、上記経路から貫通孔を通ってソケット本体の外周面と操作筒の内周面との間に至り、そこから操作筒の先端側と後端側とに至る二つの隙間によって形成される経路である。そこで、下記特許文献1に記載のものにおいては、三つの経路を第1〜第3のシール部材によってそれぞれ封止、それによってガス漏れ事故を未然に防止している。
特開2001−295976号公報
しかしながら、三つの経路にそれぞれシール部材を設けた場合には、三つのシール部材が必要になり、部品点数が増える。また、各シール部材を装着するための装着溝の加工、及び各装着溝へのシール部材の装着に手間を要する。この結果、製造費、特にソケットの製造費が増大するという問題があった。
この発明は、上記の問題を解決するために、外周面に環状に延びる係合溝が形成された筒状をなすプラグと、先端開口部から上記プラグが挿入される筒状のソケット本体、このソケット本体の内周に待機位置とこの位置から所定距離だけ後方へ離間した接続位置との間を摺動可能に設けられた接続筒、この接続筒を上記ソケット本体の先端側へ向かって付勢する第1付勢手段、上記接続筒の先端部に設けられたシール部材、上記ソケット本体に形成された貫通孔に上記ソケット本体の径方向へ移動可能に挿入された係合部材、上記ソケット本体の外周面に許容位置とこの許容位置から所定距離だけ前方へ離間した阻止位置との間を摺動可能に設けられた操作筒、この操作筒を上記ソケット本体の先端側へ向かって付勢する第2付勢手段を有するソケットとを接続するために、上記プラグを上記ソケット本体にその開口部から挿入すると、上記プラグの先端部が上記接続筒の先端部に上記シール部材を介して突き当たることにより、上記プラグの内部が上記接続筒を介して上記ソケット本体の内部に接続され、上記接続筒が上記プラグにより上記第1付勢手段の付勢力に抗して上記待機位置から上記接続位置まで移動させられると、上記操作筒が上記第2付勢手段によって上記許容位置から上記阻止位置まで移動させられるとともに、上記操作筒によって上記係合部材が内側へ移動させられて上記係合溝に入り込み、それによって上記プラグと上記ソケットとが気密に接続されるプラグとソケットとの接続構造において、上記貫通孔より後端側に位置する上記ソケット本体の外周面と上記操作筒の内周面との間に、それらの間を気密に封止する環状の第1副シール部材が設けられ、上記ソケット本体の先端部に、内周部が上記プラグの外周面に環状に押圧接触させられ、外周部が上記操作筒の内周面に押圧接触させられる環状の第2副シール部材が設けられ、当該第2副シール部材は、自然状態で、その内径が前記プラグの外径より小径で、且つ、その外径が前記操作筒の内径よりも大径であることを特徴としている。
この場合、上記操作筒が上記許容位置と上記阻止位置との間を移動するときに上記第2副シール部材が押圧接触する上記操作筒の内周面に、前方へ向かって拡径するテーパ孔部が形成されていることが望ましい。
上記構成を有するこの発明によれば、プラグの先端部とシール部材との間からガスが漏れた場合に、そのガスを外部に流出させる三つの通路を、第1及び第2の二つの副シール部材によって封止することができる。したがって、ソケットの製造費を低減することができる。
図1は、この発明の第1実施の形態を、そのプラグ及びソケットを接続する前の状態で示す断面図である。 図2は、同実施の形態を、そのプラグ及びソケットを接続した後の状態で示す断面図である。 図3は、この発明の第2実施の形態を、そのプラグ及びソケットを接続する前の状態で示す断面図である。 図4は、同実施の形態を、そのプラグ及びソケットを接続した後の状態で示す断面図である。 図5は、この発明の第3実施の形態を、そのプラグ及びソケットを接続する前の状態で示す断面図である。 図6は、同実施の形態を、そのプラグ及びソケットを接続した後の状態で示す断面図である。
以下、この発明の最良の実施の形態について図1〜図6を参照して説明する。
図1及び図2は、この発明の第1実施の形態を示す。この実施の形態のプラグ1及びソケット2は、日本工業規格(JIS S 2135)に規定された形状を有している。すなわち、プラグ1は、その先端部にストレートに延びる円筒部11を有している。円筒部11の内部がガス通路12になっている。ガス通路12の内部には、ガス通路12を開閉する弁体(図示せず)が先端側(図1において右側)の閉位置と後端側の開位置との間を摺動可能に設けられている。弁体は、コイルばね等からなる付勢手段(図示せず)により開位置から閉位置に向かって付勢され、プラグ1のソケット2への接続時以外は、閉位置に位置させられている。円筒部11の外周面には、断面台形状をなす係合溝13が環状に形成されている。係合溝13は、円筒部の先端面から後方へ所定距離だけ離間した位置に配置されている。円筒部11の先端面には、環状突出部14及び環状平面15が円筒部11と同軸に形成されている。環状突出部14は、ガス通路12の内周面から所定距離だけ径方向外側に離間して配置されている。環状突出部14の外周面には、環状をなす当接部14aが環状突出部14と同軸に形成されている。当接部14aは、後方へ向かって拡径するテーパ面として形成されている。環状平面15は、円筒部11の軸線と直交する平面として形成されており、円筒部11と同軸に配置されている。
一方、ソケット2は、ソケット本体21を有している。ソケット本体21は、円筒状をなしており、プラグ1側の先端部が開口し、後端部が底部21aによって閉じられている。ソケット本体21の内径は、円筒部11の外径とほぼ同一である。ソケット本体21の内部には、その開口部から円筒部11が挿脱可能に挿入される。円筒部11がソケット本体21に図2に示す所定の係止位置まで挿入されると、後述するように、円筒部11がソケット本体21に脱出不能に係止される。それによって、プラグ1とソケット2とが接続される。
ソケット本体21の周壁部の先端部には、これを径方向に貫通する貫通孔21bが複数形成されている。複数の貫通孔21bは、ソケット本体の先端面から後方へ向かって所定距離だけ離間した円周上に周方向へ互いに等間隔ずつ離間して配置されている。貫通孔21bには、鋼等からなる球体(係合部材)22が挿入されている。球体22の外径は、貫通孔21bの内径とほぼ同一に設定されている。したがって、球体22は、貫通孔21b内をその軸線方向、つまりソケット本体21の径方向へは移動可能であるが、ソケット本体21の軸線方向及び周方向へは移動不能になっている。しかも、球体22の外径は、貫通孔21bが形成された部分におけるソケット本体21の周壁部の厚さより大きくなっている。したがって、球体22の外側の端部がソケット本体21の外周面上に位置すると、球体22の内側の端部がソケット本体21の内周面から内側に突出する。逆に、球体22の内側の端部がソケット本体21の内周面上に位置すると、球体22の外側の端部がソケット本体21の外周面から外側に突出する。
図2に示すように、プラグ1の円筒部11をソケット本体21にその開口部から係止位置まで挿入すると、係合溝13が貫通孔21bと対向し、球体22の内側の端部が係合溝13に入り込む。その結果、円筒部11がソケット本体21に球体22を介してソケット本体21の軸線方向へ移動不能に係止される。つまり、円筒部11がソケット本体21に接続される。この接続状態では、ソケット本体21の底部21aに形成されたロッド21cがガス通路12内にその先端開口部から入りこみ、ガス通路12内に設けられた弁体を付勢手段の付勢力に抗して閉位置から開位置まで移動させる。すると、ガス通路12が開かれ、ガス通路12内のガスが後述する接続筒26を介してソケット本体21内に流入する。ソケット本体21内に流入したガスは、底部21aに回転可能に設けられた継手23及びこの継手23に接続されたガス管(図示せず)を介してガス機器(図示せず)に供給される。球体22をソケット本体21の径方向外側へ移動させて係合溝13から脱出させると、円筒部11がソケット本体21の軸線方向へ移動可能になり、ソケット本体21から抜き出し可能になる。円筒部11をソケット本体21から抜き出すと、ロッド21cがガス通路12から脱出するので、ガス通路12内の弁体が付勢手段によって開位置から閉位置まで移動させられる。これにより、ガス通路12が閉じられる。
なお、プラグ1には、ガス通路12内に弁体が設けられないタイプのものもある。そのようなプラグ1にソケット2を接続する場合には、ロッド21cが不要である。ただし、ガス通路12内に弁体が設けられるタイプのプラグと設けられないタイプのプラグとの両者に対してソケット2を接続することができるよう、ロッド21cを設けておくことが望ましい。ガス通路12に弁体が設けられないタイプのプラグにおいては、ガス通路12がそれより上流側に設けられた開閉弁を手動操作することによって開閉される。
ソケット本体21の外周面の先端部には、操作筒24が外挿されている。操作筒24の内周面には、後端部に小径孔部24aが形成され、後端部に大径孔部24bが形成され、それらの間に押圧孔部24cが形成されている。小径孔部24a、大径孔部24b及び押圧孔部24cは、互いに同軸に配置されている。小径孔部24aの内径は、ソケット本体21の小径孔部24aに挿入された部分の外径とほぼ同一であり、小径孔部24aにはソケット本体21の先端部が相対摺動可能に挿通されている。小径孔部24aの内周面が貫通孔21bと対向しているときには、小径孔部24aの内周面が球体22の外側の端部に突き当たり、球体22の外側の端部をソケット本体21の外周面上に位置させている。この結果、球体22の内側の端部がソケット本体21の内周面から内側に突出させられている。大径孔部24bの内径は、球体22の内側の端部がソケット本体21の内周面上に位置しているとき、球体22の外側の端部がソケット本体21の外周面から突出することを許容するような大きさに設定されている。したがって、大径孔部24bが貫通孔21bと対向しているときには、球体22の外側の端部がソケット本体21の外周面から外側へ突出可能である。押圧孔部24cは、テーパ孔状に形成されており、小径孔部24a側から大径孔部24b側へ向かうにしたがって、つまり先端側へ向かうにしたがって大径になっている。
操作筒24は、コイルばね25(第2付勢手段)によってソケット本体21の先端側へ向かって付勢されている。操作筒24は、コイルばね25以外の弾性部材によって付勢してもよい。図1に示すように、ソケット2にプラグ1が接続されていないとき、つまり円筒部11がソケット本体21に係止位置まで挿入されていないときには、押圧孔部24cの内周面がコイルばね25の付勢力によって球体22の貫通孔21bから突出した外側の端部に突き当てられている。これによって、操作筒24が停止させられている。以下、このときの操作筒24の位置を許容位置という。図2に示すように、ソケット2にプラグ1が接続されているとき、つまり円筒部11がソケット本体21に係止位置まで挿入されているときには、操作筒24がコイルばねに25よってソケット本体21の先端側へ移動させられ、押圧孔部24cの内周面がソケット本体21の先端部外周面に形成された環状突出部21eに突き当てられている。それによって、操作筒24が停止させられている。以下、このときの操作筒24の位置を阻止位置という。操作筒24が阻止位置に位置しているときには、小径孔部24aが貫通孔21bと対向しており、小径孔部24aの内周面が球体22の外側の端部に突き当たっている。したがって、球体22は、貫通孔21bから外側へ突出することができず、球体22の内側の端部がソケット本体21の内周面から内側に突出している。
ソケット本体21の内部には、接続筒26がソケット本体21の軸線方向へ移動可能に設けられている。接続筒26は、コイルばね(第1付勢手段)27によってソケット本体21の先端側に向かって付勢されている。接続筒26は、コイルばね27以外の弾性部材によって付勢してもよい。接続筒26の外周面の先端部には、筒状をなすガイド部材28が接続筒26と同軸に固定されている。ガイド部材28の先端部の外径は、ソケット本体21の内径とほぼ同一であり、ガイド部材28の先端部は、ソケット本体21の内周面に摺動可能に嵌合されている。したがって、接続筒26は、ソケット本体21の内周面にガイド部材28を介して摺動可能に設けられている。接続筒26は、ソケット本体21の内周面に直接摺動可能に設けてもよい。
接続筒26の外周面の後端部には、突出部26aが形成されている。この突出部26aは、図1に示すように、ソケット2にプラグ1が接続されていないときには、ソケット本体21の内周面に形成された突出部21dにコイルばね27の付勢力によって突き当てられている。突出部26aが突出部21dに突き当たると、接続筒26がソケット本体21の先端側へそれ以上移動することができなくなって停止する。以下、このときの接続筒26の位置を待機位置という。円筒部11がソケット本体21に係止位置より所定の距離だけ手前の位置まで挿入されると、プラグ1の当接部14aが後述するシール部材29を介して接続筒26に突き当たる。したがって、円筒部11が係止位置まで挿入されると、図2に示すように、接続筒26がコイルばね27の付勢力に抗して待機位置から所定の位置まで後方へ移動させられる。以下、このときの接続筒26の位置を接続位置という。スライド筒26は、接続位置を越えて後方へ移動可能であるが、実際には接続位置を越えて後方へ移動することがない。
図1に示すように、接続筒26が待機位置に位置しているときには、ガイド部材28の先端部外周面が貫通孔21bと対向し、球体22の内側の端部に接している。したがって、このときには、球体22の外側の端部がソケット本体21の外周面から外側に突出している。球体22の外側の端部には、コイルばね25によって付勢された操作筒24の押圧孔部24cの内周面が押し付けられている。この結果、操作筒24が待機位置に位置させられている。接続筒26が円筒部11によって接続位置まで移動させられると、ガイド部材28が貫通孔21bから後方へ離間する。この結果、球体22がソケット本体21の径方向内側へ移動可能になる。すると、コイルばね25によって付勢された操作筒24が、押圧孔部24cの内周面によって球体22を内側へ移動させつつ前方へ移動する。内側へ移動した球体22の内側の端部は、円筒部11の係合溝13に嵌り込む。これにより、円筒部11がソケット本体21に係止位置において移動不能に係止させられる。操作筒24は、待機位置から阻止位置まで移動して停止する。この状態では、操作筒24の小径孔部24aが貫通孔21bと対向するように位置し、小径孔部24aの内周面が球体22の外側への移動を阻止する。したがって、球体22は係合溝13に嵌り込んだ状態に維持される。この結果、プラグ1のソケット2に対する係止状態が維持される。
操作筒24をコイルばね25の付勢力に抗して阻止位置から許容位置まで後方へ移動させると、大径孔部24bが貫通孔21bと対向するようになり、球体22が外側へ移動することが許容される。したがって、円筒部11をソケット本体21から抜き出すと、球体22が外側へ移動するとともに、接続筒26が前方へ移動させられる。そして、接続筒26が待機位置まで移動させられると、ガイド部材28が球体22の内側への移動を阻止する。その後、操作筒24を自由に移動することができる状態にすると、押圧孔部24cの内周面がコイルばね25により球体22の外側の端部に押し付けられる。その結果、ソケット2全体が図1に示す元の状態に戻る。
接続筒26の先端部外周面とガイド筒28の先端部内周面との間には、環状の空間が接続筒26と同軸に形成されている。この環状の空間には、シール部材29が挿入固定されている。シール部材29は、ゴム等の樹脂その他の密封性を有する材質からなるものであり、先端部が環状の空間から前方に突出させられている。シール部材29は、円筒部11がソケット本体21に係止位置より所定の距離だけ手前の位置まで挿入されると、シール部材29の先端部が当接部14aに突き当たるように配置されている。シール部材29の先端部は、当接部14aに代えて、あるいはそれと共に環状平面15に突き当たるように配置してもよい。図2に示すように、円筒部11が係止位置までさらに挿入されると、つまりプラグ1がソケット2に接続されると、シール部材29がコイルばね27によって当接部14aに押圧接触させられる。これにより、円筒部11の先端部と接続筒26の先端部との間が気密に封止され、プラグ1のガス通路12とソケット本体21の内部とが接続筒26を介して連通させられる。つまり、プラグ1がソケット2に接続される。接続状態では、ガス通路12内のガスが接続筒26を介してソケット本体21内に流入する。
当接部14aに傷が付いていたり、塵埃が付着していたりすると、プラグ1をソケット2に接続したときに、当接部14aとシール部材29との間に微小の隙間が発生し、その隙間からガスが漏れるおそれがある。当接部14aとシール部材29との間から漏れ出たガスは、円筒部11の先端部外周面とソケット本体21の先端部外周面との間に形成される環状の隙間を通って貫通孔21bに達する。貫通孔21bに達したガスの一部は、貫通孔21bをソケット本体21の軸線方向へ通過し、円筒部11の外周面とソケット本体21の内周面との間をさらにソケット本体21の先端側へ移動し、ソケット本体21の先端部から外部に流出する。貫通孔21bに達したガスの残りは、貫通孔21b内に入り込んでその外側の開口部に達する。貫通孔21bの外側の開口部に達したガスの一部は、ソケット本体21の外周面と操作筒24の小径孔部24a、押圧孔部24c及び大径孔部24bの各内周面との間をソケット本体21の先端側へ移動し、ソケット本体21の先端部から外部に流出する。貫通孔21bの外側の開口部に達したガスの残りは、ソケット本体21の外周面と操作筒24の小径孔部24a内周面との間をソケット本体21の後端側へ移動し、操作筒24の後端部から外部に流出する。なお、この実施の形態では、ソケット本体21の外周面にカバー30が嵌合固定されており、カバー30の先端部が操作筒24の後端部を囲っているので、操作筒24の後端部から流出したガスは、操作筒24の外周面とカバー30の内周面との間を通って外部に流出する。
このように、仮に当接部14aとシール部材29との間からガスが漏れ出ると、そのガスは三つの経路を通って外部に流出する。この発明では、ガスが流出する三つの経路を、三つのシール部材ではなく、第1及び第2の二つの副シール部材31,32によって封止するようになっている。
すなわち、操作筒24の小径孔部24aの内周面には、周方向に沿って環状に延びる第1装着溝24dが形成されている。第1装着溝24dは、小径孔部24aの内周面のうち、貫通孔21dより常時後方側に位置している部分に配置されている。第1装着溝24dには、環状をなす第1副シール部材31が装着されている。第1副シール部材31は、ゴムその他の弾性及びシール性に優れた弾性材からなるものであり、第1副シール部材31によってソケット本体21の外周面と操作筒24の小径孔部21aの内周面との間が気密に封止されている。操作筒24に第1装着溝24dを形成する代わりに、ソケット本体21の外周面に第1装着溝を形成するとともに、この第1装着溝に第1副シール部材31に代わる第1副シール部材を装着し、それによって小径孔部24aの内周面とソケット本体21の外周面との間を封止してもよい。
一方、円筒部11の外周面とソケット本体21の外周面を通ってソケット本体2の先端部に開放される通路と、ソケット本体21の外周面と操作筒24の大径孔部24bの内周面との間を通ってソケット本体2の先端部に開放される通路とは、ソケット本体21の先端面より先方に位置するプラグ11の外周面と大径孔部24bの内周面との間の環状の空間を介して外部に開放されている。したがって、ソケット本体21の先端面より先方に位置するプラグ11の外周面と大径孔部24bの内周面との間を封止すれば、二つの経路を同時に封止することができる。このような知見に基づいて次の構成が採用されている。
ソケット本体21の先端面には、周方向に沿って環状に延びる第2装着溝21fが形成されている。この第2装着溝21fには、環状をなす第2副シール部材32の後端部32aが嵌合固定されている。第2副シール部材32は、ゴムその他の弾性及びシール性に優れた弾性材からなるものである。第2副シール部材32の先端部32bは、第2装着溝21fからソケット本体21の後方に向かって外部に突出しており、第2副シール部材32自体の弾性によってソケット本体21の先端面に押圧接触させられている。先端部32bは、「C」字を左右逆向きにした形状を呈しており、ソケット本体21の径方向へ弾性的に拡縮径可能になっている。
先端部32bの内径は、円筒部11の外径より所定の大きさだけ小径になっている。したがって、プラグ1がソケット2に接続された状態においては、先端部32bの内周部が先端部32b自体の弾性によって円筒部11の外周面に押圧接触する。これにより、円筒部11の外周面と先端部32bの内周部との間が気密に封止されている。
先端部32bの外径は、操作筒24の大径孔部24bの内径より大径になっている。したがって、プラグ1がソケット2に接続された状態においては、先端部32bの外周部が、先端部32b自体の弾性によって大径孔部24bの内周面に押圧接触する。これにより、
大径孔部24bの内周面と先端部32bの外周部との間が気密に封止されている。
このようにして、ソケット本体21の先端面より先方に位置するプラグ11の外周面と大径孔部24bの内周面との間が一つの第2副シール部材32によって封止されている。つまり、円筒部11の外周面とソケット本体21の外周面を通ってソケット本体2の先端部に開放される通路と、ソケット本体21の外周面と操作筒24の大径孔部24bの内周面との間を通ってソケット本体2の先端部に開放される通路との二つの通路が、一つの第2副シール部材32によって封止されている。したがって、この発明のプラグとソケットとの接続構造によれば、プラグ1の当接部14aとシール部材29との間から漏れ出たガスを外部まで流出させる経路が三つあるにも拘わらず、当該ガスが外部に流出することを第1及び第2の二つの副シール部材32によって防止することができる。したがって、三つの副シール部材を必要とした従来の接続構造に比して、ソケットの製造費を低減することができる。
次に、この発明の他の実施の形態について説明する。なお、以下の実施の形態については、上記実施の形態と異なる構成のみを説明することとし、同様な構成部分には同一符号を付してその説明を省略する。
図3及び図4は、この発明の第2実施の形態を示す。この実施の形態においては、操作部材24に大径孔部24bに代えてテーパ孔部24eが形成されている。テーパ孔部24eの内径は、その後端部(押圧孔部24cと交差する端部)において上記実施の形態の大径孔部24bの内径とほぼ同一に設定されており、先端部(開口側端部)へ向かうにしたがって大径になっている。
ソケット本体21の先端面には、断面「T」字状をなす装着凸部21gが環状に形成されている。この装着凸部21gには、環状をなす第2副シール部材33が装着されている。第2副シール部材33は、ゴム等の弾性及びシール性に優れた弾性材からなるものであり、断面略「C」字状をなしている。そして、その内部に装着凸部21gが挿入されることにより、第2副シール部材33がソケット本体21に装着されている。しかも、第2副シール部材33は、それ自体の弾性によってソケット本体21の先端面に押圧接触させられている。第2副シール部材33のソケット本体21側の端部の内周面及び外周面には、環状突出部33a,33bがそれぞれ形成されている。環状突出部33aの内径は、円筒部11の外径より小径に設定されている。したがって、環状突出部33aは、第2副シール部材33自体の弾性により、円筒部11の外周面に押圧接触させられている。環状突出部33bの外径は、プラグ1がソケット2に接続されたときに環状突出部33bが対向する部分におけるテーパ孔部24eの内周面の内径より大径に設定されている。したがって、プラグ1がソケット2に接続された状態においては、環状突出部33bが第2副シール部材33自体の弾性によってテーパ孔部24eの内周面に押圧接触する。環状突出部33bの外径は、プラグ1がソケット2に接続されていない状態のときに環状突出部33bが対向する部分におけるテーパ孔部24eの内径より小径であってもよいが、環状突出部33bがテーパ孔部24eの内周面に常時接触するよう、テーパ孔部24eの内周面の当該部分の内径より若干大径にすることが望ましい。
この実施の形態においては、テーパ孔部24eの内径が先端側において大径になっているから、一定の内径を有する大径孔部24bが採用された実施の形態に比して、シール部材33の摩耗を減らすことができ、それによってシール部材33の寿命を延ばすことができる。なお、テーパ孔部24eは、上記第1実施の形態においても採用可能である。
図5及び図6は、この発明の第3実施の形態を示す。この実施の形態においては、第2副シール部材33′が用いられている。第2副シール部材33′は、第2副シール部材33を変形したものであり、ソケット本体21の軸線方向における環状突出部33a,33bの幅が狭くなっている。環状突出部33a,33bの幅が狭くなった分に相当する溝幅を有する環状溝33c、33dが第2副シール部材33′の内周面及び外周面に形成されている。環状溝33c,33dは、環状突出部33a,33bに接するようにしてその先端側にそれぞれ配置されている。
なお、この発明は、上記の実施の形態に限定されるものでなく、その要旨を逸脱しない範囲において各種の実施の形態を採用可能である。
例えば、上記の実施の形態においては、係合溝13に係合する係合部材として球体22が用いられているが、球体22に代えて他の形状の係合部材を用いてもよい。
この発明は、例えば日本工業規格に定められたプラグとソケットとの接続構造に採用することができる。
1 プラグ
2 ソケット
13 係合溝
21 ソケット本体
21b 貫通孔
22 球体(係合部材)
24 操作部材
24e テーパ孔部
25 コイルばね(第2付勢手段)
26 接続筒
27 コイルばね(第1付勢手段)
29 シール部材
31 第1副シール部材
32 第2副シール部材
33 第2副シール部材
33′ 第2副シール部材

Claims (2)

  1. 外周面に環状に延びる係合溝が形成された筒状をなすプラグと、先端開口部から上記プラグが挿入される筒状のソケット本体、このソケット本体の内周に待機位置とこの位置から所定距離だけ後方へ離間した接続位置との間を摺動可能に設けられた接続筒、この接続筒を上記ソケット本体の先端側へ向かって付勢する第1付勢手段、上記接続筒の先端部に設けられたシール部材、上記ソケット本体に形成された貫通孔に上記ソケット本体の径方向へ移動可能に挿入された係合部材、上記ソケット本体の外周面に許容位置とこの許容位置から所定距離だけ前方へ離間した阻止位置との間を摺動可能に設けられた操作筒、この操作筒を上記ソケット本体の先端側へ向かって付勢する第2付勢手段を有するソケットとを接続するために、上記プラグを上記ソケット本体にその開口部から挿入すると、上記プラグの先端部が上記接続筒の先端部に上記シール部材を介して突き当たることにより、上記プラグの内部が上記接続筒を介して上記ソケット本体の内部に接続され、上記接続筒が上記プラグにより上記第1付勢手段の付勢力に抗して上記待機位置から上記接続位置まで移動させられると、上記操作筒が上記第2付勢手段によって上記許容位置から上記阻止位置まで移動させられるとともに、上記操作筒によって上記係合部材が内側へ移動させられて上記係合溝に入り込み、それによって上記プラグと上記ソケットとが気密に接続されるプラグとソケットとの接続構造において、
    上記貫通孔より後端側に位置する上記ソケット本体の外周面と上記操作筒の内周面との間に、それらの間を気密に封止する環状の第1副シール部材が設けられ、
    上記ソケット本体の先端部に、内周部が上記プラグの外周面に環状に押圧接触させられ、外周部が上記操作筒の内周面に押圧接触させられる環状の第2副シール部材が設けられ、
    当該第2副シール部材は、自然状態で、その内径が前記プラグの外径より小径で、且つ、その外径が前記操作筒の内径よりも大径であることを特徴とするプラグとソケットとの接続構造。
  2. 上記操作筒が上記許容位置と上記阻止位置との間を移動するときに上記第2副シール部材が押圧接触する上記操作筒の内周面に、前方へ向かって拡径するテーパ孔部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のプラグとソケットとの接続構造。
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