JP5280272B2 - 移動体の監視装置および監視システム - Google Patents

移動体の監視装置および監視システム Download PDF

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Description

本発明は、移動体に備えられた被制御対象の作動を有効または無効に設定する移動体の監視装置および監視システムに関し、特に、移動体の乗員に危害が加えられ得る状態では被制御対象の作動を抑制できる移動体の監視装置および監視システムに関する。
通常、タクシーや移動型店舗車両などの業務車両には、売上金やお釣などの必要資金、運転員の所持金など一定の金品が積載されている。
近年、このような業務車両において、その運転員を襲って積載された金品を強奪する、いわゆるタクシー強盗などの犯罪行為が増加しており、社会的に問題となっている。
従来、かかる問題に対して、運転席と後部客室との間にパネルなどの間仕切りを設けて運転員を保護する対策が知られるところである。(例えば特許文献1)
特許文献1には、運転席と後部客室との間にアクリル板やワイヤーなどからなる仕切りバーを設けるとともに、非常時には運転員の操作により当該仕切りバーが傾倒して後部客室の乗客を拘束する自動車の防犯装置が開示されている。
特開2006−130951号公報
しかしながら、このような間仕切りパネルによる対策は、運転員がバックミラーにて後方確認する際に障害となったり光の反射を招くおそれがあり、安全な運向を阻害する危険性がある。
すなわち、ワイヤーなどの抑止部材で間仕切りした場合には後方の視界が物理的に阻害され、アクリル板などの透明部材で間仕切りした場合には光の反射により後方が確認しづらくなるという問題がある。
また、運転席の後方にパネルを設置することで、運転席が後方に倒し難くなるために、運転員が休憩を取りづらいといった問題や、運転席と後部客室とを仕切ることにより、前部と後部との間で空気の対流が阻害されて冷暖房が後部客席まで届き難いといった問題が生じるおそれもある。
さらに、後部客室に乗車する乗客からするとパネルが存在することに威圧感を感じるおそれもあり、運転員と乗客とのコミュニケーションが悪化する可能性もある。
そこで、本発明は、運転員の安全な運行を確保するとともに、運転席の可動や空調、乗客との関係を阻害することなく、移動体における強盗行為を抑制できる移動体の監視装置の実現を目的とする。
上記の目的を達成するために本発明による移動体の監視装置は、移動体に備えられた被制御対象の作動を無効または有効に設定する移動体の監視装置であって、前記被制御対象の作動を電気的に禁止する無効状態または該禁止を解除する有効状態とする作動制限部と、前記移動体の利用者に操作される操作部と、前記利用者の生理情報を検出する生理情報検出部と、前記生理情報から前記利用者が緊張状態にあるか否かを判定する緊張判定部と、前記操作部が操作されたとき前記緊張状態でないと判定されると前記作動制限部に解除信号を出力し有効状態とする解除制御部と、を備えたことを特徴とする。
かかる構成において、移動体の監視装置は、利用者の生理情報から緊張の有無を判定して、利用者からの入力操作があったときに緊張状態でなければ、被制御対象の作動禁止を解除する解除信号が出力されて被制御対象の作動を有効状態とするよう作用する。
かかる構成によれば、利用者が緊張状態でないときに被制御対象の作動を有効とすることが可能となるので、運転員などの利用者が何らかの危険を感じていたり心理的に不安定な状況下では被制御対象の作動を禁止して、犯罪行為による不正な作動を抑制することができる。
これにより、前部席と後部客室とを隔てることなく、移動体における犯罪行為を抑止することが可能となる。また、かかる仕組みが広く周知されれば、移動体において犯罪行為を行うリスクが高いことが認知され、一層に犯罪抑制効果の向上を得ることができる。
また、好適には、さらに、前記移動体の内部を撮像する撮像装置から画像データを取得する画像取得部と、遠隔の監視センタと接続される通信部と、前記操作部が操作されたとき前記画像データを前記監視センタへ送出する画像送出部と、を備える。
かかる構成によれば、操作部が操作されたときに画像データを送出することで、被制御対象の作動が有効となるときに、監視センタにて移動体の画像データを監視することが可能となり、このときに何らかの犯罪行為や異常事態が発生すれば監視センタにて即座に対応することができ、また画像記録なども行うことが可能となる。
さらに、好適には、さらに、前記通信部による通信可否を判別する通信判別部と、前記操作部が操作されたときに通信不能と判別された場合、前記画像データを記録する画像記憶部と、を備え、前記画像送出部は、前記通信が可能になると前記画像記憶部に記録されている画像データを前記監視センタに送出する。
かかる構成によれば、通信が不能で画像データの送出が行えないおそれがある状況下においては、被制御対象の作動が有効となるときの画像を保存して、後に通信可能となったときに監視センタに送出することができる。これにより、画像データが送出できなかった状況下の被制御対象作動時の画像を、後に監視センタに送出して確認することができ、セキュリティ性の向上を図ることが可能となる。
また、好適には、前記生理情報検出部が検出する生理情報は、前記利用者の脈拍データ、血圧データ、発汗データ、瞬き回数データ、視線移動データの少なくとも何れかであり、前記緊張判定部は、前記生理情報として検出したデータの大きさに基づき緊張度を算出し、利用者が緊張状態にあるか否かを判定する
かかる構成によれば、利用者の生理情報として脈拍データ、血圧データ、発汗データ、瞬き回数データ、視線移動回数データの少なくとも何れかを検出して、この検出したデータの大きさから緊張度を算出することにより、精神的な緊張と密接に関連するデータから利用者のそのときの緊張度合いを具体的に数値化して定量的に把握することが可能となる。
さらに、好適には、さらに、前記利用者が予め登録された人物であるか判定する照合部を備え、前記解除制御部は、前記操作部が操作されたとき、さらに前記照合部にて前記利用者が予め登録された人物と判定されることを加重条件として前記作動制限部に解除信号を出力する。
かかる構成によれば、移動体の乗員が予め登録された人物であると判定されたときに、被制御対象の作動を有効とすることが可能となり、移動体が盗難された場合や移動体内に不審者が侵入した場合などにおいて、不正に被制御対象を作動させることを防止できる。
また、好適には、前記被制御対象は、一部に開口を有して外部から物品の投入を可能とした車載収納庫であって、前記作動制限部は、前記有効状態になると前記車載収納庫を開放可能とし、前記無効状態になると前記車載収納庫を開放禁止にロックする。
かかる構成によれば、作動を有効状態とすることで開口から投入された物品の取り出しなどのために車載収納庫を開放することが可能となり、作動を無効状態とすると開放が禁止されるように作用する。これにより、お釣りなどの業務必要資金として使用しない高額紙幣を車載収納庫に収納することで、これを強盗等の犯罪行為から保護することが可能となる。
また、本発明の監視システムは、移動体に備えられた被制御対象の作動を有効または無効に設定する移動体の監視装置と前記監視装置と通信する監視センタとを備える移動体の監視システムであって、前記監視装置は、前記被制御対象の作動を電気的に禁止する無効状態または該禁止を解除する有効状態とする作動制限部と、前記移動体の利用者が操作する操作部と、前記利用者の生理情報を検出する生理情報検出部と、前記生理情報から前記利用者が緊張状態にあるか否かを判定する緊張判定部と、前記操作部が操作されたとき前記緊張状態でないと判定されると前記作動制限部に解除信号を出力し有効状態とする解除制御部と、を備え、前記監視センタは、前記監視装置と移動体の情報とを対応付けて記憶する記憶部と、前記監視装置から画像データを受信すると報知出力する報知部と、当該画像データおよび画像送出した監視装置または移動体の情報を表示する表示部と、を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、運転員などの利用者が何らかの危険を感じていたり心理的に不安定な状況下では被制御対象の作動を禁止して、犯罪行為による不正な作動を抑制することができる。
これにより、前部席と後部客室と物理的に隔てることなく、タクシー強盗などの犯罪行為を抑止することができ、また、かかる仕組みが広く周知されることで、移動体において犯罪行為を行うリスクが高いことの認知を図ることができ、一層に犯罪抑制効果の向上を得ることができる。
また、被制御対象の作動が有効となるときの画像を通信状態に応じて外部に送出でき、セキュリティ性の向上を図ることが可能となる。
本発明に係る移動体の監視システムの全体構成を示す図 車載収納庫を示す斜視図 監視装置の構成を示すブロック図 監視装置にて実行される移動体の監視プログラムの動作を示すフローチャート 監視装置にて実行される通信状態の監視プログラムの動作を示すフローチャート
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して具体的に説明する。
図1は、本発明の移動体の監視装置を用いた移動体の監視システムを示す構成図である。移動体の監視システムは、移動体としてのタクシー車両1と、車両内部に搭載される被制御対象としての車載収納庫2と、車両内部に設けられる監視装置3と、監視装置3と無線通信網4を介して接続されたセンタ装置5とを含んで構成される。
本実施形態では、移動体としてタクシー車両1を例に説明する。なお、移動体はこれに限定されず、バスやトラックなど他の車両や船舶や飛行機など、搭乗が可能な乗り物であれば何れであってもよい。
図2は、車載収納庫2を示す斜視図である。車載収納庫2は、車室内1aに固定される固定部21を有して、タクシー車両1の運転席を含み並んで設けられる2つの前席間のセンターコンソールなどに設置される。車載収納庫2には、施錠された収納物取出し扉22が設けられ、収納物取出し扉22を開放した内側には収納部23となる空間が設けられている。また、この車載収納庫には収納部23と外部との内外に連通した紙幣投入口24が設けられている。
タクシー車両1の運転員は、売上金として乗客から受け取った一万円札を、紙幣投入口24から投入し、収納部23に収納する。即ち、一万円札はお釣りとして乗客に渡すこともなく、そのままでは業務上の必要資金として利用されることはない。また、一万円札を不用意に収納しているとタクシー強盗に襲われる原因となってしまう。そこで、本実施形態では一万円札を車載収納庫2に収納し、この車載収納庫2の作動を監視することで収納物を狙った強盗行為を抑制しようとしている。
車載収納庫2は施解錠部25を備え、この施解錠部25により収納物取出し扉22を施解錠する。施解錠部25は、いわゆる電気錠であり、監視装置3と接続されて、この監視装置3により施解錠が制御される。施解錠部25は、通常状態においては車載収納庫2の収納物取出し扉22の作動を禁止して開放禁止とする施錠状態とし、監視装置3からの解除信号を受信すると、扉22が開放可能となる解錠状態となって扉22の作動を有効とする。
監視装置3は、車室内1aにおいて、カメラユニット6や生理情報センサ37より、車載収納庫2の利用者となる運転員の生理情報として当該運転員の画像データや脈拍データなどを取得する。そして、操作部31が運転員に操作されると、監視装置3は入力される生理情報に基づき運転員が緊張しているか否かを算出する。これにより、運転員が緊張状態にあるか否かが判定される。監視装置3は、このように、車載収納庫2の利用時に当該利用者の緊張有無を判別して、緊張状態にないと判定されれば収納庫2の収納物取出し扉22を解錠制御する。
例えば、タクシー1が車庫にもどって売上金を取り出す場合や、収納された一万円札を乗客用のお釣りとして両替などする場合など、運転員が特段の緊張状態にない状況であれば運転員は収納物取出し扉22を解錠状態として収納物を取り出すことが可能となるのである。
また、監視装置3は、操作部31が操作され利用者が収納庫2を開放しようとするときにカメラユニット6により撮像された画像データを無線通信網4を介してセンタ装置5に送信する。これにより、監視センタ50の監視員がタクシー1内の画像データを確認でき、タクシー1内の状況を外部から監視することができる。
監視センタ50は、警備会社やタクシーの運行管理会社などが運営するセンタ装置5を備えた施設である。センタ装置5は、1又は複数のコンピュータで構成されており、本発明に関連する監視センタ50の機能を実現する。監視センタ50では、監視装置3から受信する画像データを記録するとともに、受信する画像データや各種情報をディスプレイに表示し、監視員が監視対象となるタクシー車両を常時監視している。
また、監視センタ50のセンタ装置5は、監視装置3の識別情報や、この監視装置3に対応する車台ナンバーなどのタクシー1の車両情報、運転員の指名や顔画像、運転員の携帯電話番号、タクシー会社情報などを対応付けて記憶管理するデータベースを具備している。また、センタ装置5では、現在勤務している運転員の担当地域、車両1の位置情報なども関連付けて記憶管理される。
センタ装置5のディスプレイには監視装置3から受信した画像データや、これとともに受信する監視装置3の識別情報から該当する車両情報や運転員情報が表示される。また、センタ装置5のディスプレイには監視装置3から受信する位置情報が表示される。センタ装置5は、監視装置3から画像データを受信すると監視員に音や表示でこれを通知する報知手段を有している。
監視員は、かかる画像データを見てタクシー車両1が正常であることを確認する。ここで、万が一不審者による異常が発生していると判断すると、警察や対処員などに対処依頼を行う。また、タクシー車両1に設置されている車両無線により、遠隔から犯行を踏みとどまるよう警告などを行う。
<監視装置>
次に、図3を用いて監視装置3の詳細について説明する。図3は、監視装置3の構成を示すブロック図である。
監視装置3は、操作部31を運転席近傍に配して車両ダッシュボードやインストルメントパネル下などに設置され、車載バッテリより電源供給を受けて作動する。
監視装置3は、カメラユニット6と接続されて車室内の画像データの入力を受ける画像取得部32と、車載収納庫2の施解錠部25と接続される接続部33と、利用者による車載収納庫2の利用開始の操作入力を受け付ける操作部31と、利用者の生理情報を取得する生理情報検出部としての生理情報センサ37と、画像データやプログラムなどを記憶する記憶部34と、無線通信網4を介してセンタ装置5と接続される無線通信部35と、これら各部の制御を行う制御部36とを有して概略構成される。
画像取得部32は、カメラユニット6から画像データの入力を受ける入力I/F(インタフェース)として機能する。カメラユニット6は、車室内1aにおいて車載収納庫2と利用者となる運転員とが撮像できるように広角レンズを備えて車室天井などに設置され、所定間隔(たとえば1/5秒)毎に画像データを出力する。
接続部33は、車載収納庫2の施解錠部25と接続され、後述する制御部36の処理により解除信号や禁止信号を出力し、また、車載収納庫2の施解錠部25から扉開放又は閉鎖、及び解錠又は施錠の検知信号の入力を受ける入出力I/Fとして機能する。
操作部31は、車載収納庫2の利用開始となる操作入力が可能なスイッチである。
記憶部34は、ROMやRAM、又はHDDにて構成され自己を特定するための識別情報と各種プログラムなどを記憶しており、更に利用者を識別するための利用者登録情報とを記憶する。また、記憶部34は、過去所定回数の検出結果である通信可否判別結果が記憶される通信可否情報と、センタ装置5に送信すべき画像データが記憶されていることを示す未送信フラグを記憶する。また、記憶部34は、カメラユニット6から入力される画像データを記録する画像記憶部を有している。
生理情報センサ37は、利用者の皮膚表面に密着して脈拍データを取得する生体情報の測定器であり、取得した脈拍データを制御部36に入力する。本実施形態において生理情報センサ37は、腕時計のように利用者の腕に装着され、近距離無線により計測データを制御部36に入力する。
なお、生理情報センサ37は、これに限定されず、血圧データや発汗データなど、緊張時と平常時でその値が変化することが知られる生理情報を取得するものであれば何れでもよく、また、1に限らず複数の生理情報を取得するものであってもよい。さらに、腕時計タイプに限定されず、監視装置3に設けられたスキャン手段により検出してよく、スキャン手段は操作部31にて具備されていても着座シートに埋め込まれていてもよい。
無線通信部35は、典型的には携帯電話であり、基地局41や無線通信網4を介してセンタ装置5と接続される。無線通信部35は、通信制御部を備え、監視装置3の制御部36とセンタ装置5との間の通信を制御する。具体的には、制御部36から入力される画像データなどの情報をセンタ装置5に送出し、センタ装置5から情報を受信するとこれを制御部36に出力する。
また、無線通信部35は、基地局情報やGPSなどの位置取得手段を備え、取得した現在位置情報を所定間隔毎にセンタ装置5に送信する。現在位置情報を取得して定期的に外部に送信する方法については、既に広く知られるところであるので詳細な説明は省略する。
制御部36は、CPU、ROM、RAM等からなるマイクロコンピュータ及びその周辺回路で構成され、監視装置3の制御を行う。そのために、制御部36は、このマイクロコンピュータ及びマイクロコンピュータ上で実行されるコンピュータプログラムによって実現される機能モジュールとして、通信判別部361と、画像送出部362と、解除制御部363と、生理画像検出部364と、緊張判定部366と、作動制限部365と、照合部367とを有する。なお、上述した記憶部34は制御部36内の記憶回路にて実現されてよい。
通信判別部361は、無線通信部35が基地局41と確実に通信ができる状態にあるか否かを判別する。具体的には、無線通信部35と基地局41とのネゴシエーションが確立するか否かに基づき通信の可否を判断する。基地局41とのネゴシエーションが確立すると、通信可能と判断し、ネゴシエーションが確立せず処理がタイムアウトすると通信不能と判定する。
なお、通信可否の判別処理は、無線通信部35を介して基地局41から受信する電波の受信電界強度に基づき行われてもよい。
通信判別部361は、通信可否の判別処理を行い、その結果を記憶部34の通信可否情報に記憶する。
画像送出部362は、カメラユニット6から順次入力される画像データを画像アナログ/デジタルコンバータにてデジタル信号に変換し、画像圧縮回路により画像圧縮符号化方式としてJPEG規格に準拠した画像データを生成する。画像圧縮符号化方式としては、JPEG2000規格や連続するフレーム間情報を用いたMPEG2Video規格など他の規格であってよい。
そして、画像送出部362は、解除制御部363からの入力に応じて、圧縮符号化された画像データを無線通信部35、または、記憶部34に出力する。無線通信部35は画像データが入力されると記憶部34に記憶された識別情報とともにセンタ装置5に送出し、記憶部34は画像データが入力されると画像記憶部に記憶する。また、画像送出部362は生理画像検出部364に圧縮符号化された画像データを出力する。
解除制御部363は、操作部31から車載収納庫2の利用開始にかかる入力を受けると、生理情報センサ37および生理画像検出部364にて検出される利用者の生理情報より緊張判定部366に緊張度を算出させ緊張状態にあるか否かを判定させる。また、照合部367に乗員が予め登録された利用者であるか否かを判別させる。緊張判定部366による判定結果から利用者が緊張状態にないことが判別でき、且つ、照合部367の判定結果より当該乗員が予め登録された利用者であることが判別できれば、記憶部34に記憶された最新の通信可否判別結果を参照する。その結果、通信可能であれば、画像送出部362に画像データを送出させる。そして、センタ装置5に画像データが送出されると、作動制限部365に解除信号を出力する。そして、作動制限部365から収納物取出し扉22が施錠されたことを示す入力があれば、画像データの送出を終了する。
他方、このとき通信不可であれば、解除制御部363は、画像送出部362に画像データを記憶部34に記憶させるとともに作動制限部365に解除信号を出力する。この場合、解除制御部363は、作動制限部365から収納物取出し扉22が施錠されたことを示す入力があれば、画像データの記憶を終了させる。
生理画像検出部364は、カメラユニット6の画像データから利用者の生理情報を検出する生理情報検出部として機能する。具体的には、本実施形態において生理画像検出部364は、カメラユニット6が撮像し画像送出部362にて圧縮符号化された画像データから、利用者となる運転員の目領域を抽出し、この目領域の単位時間内の変動を検出する。
生理画像検出部364は、入力された画像データについて、予め設定された車両1の窓部分に対応する領域をマスク領域とし、マスクされていない領域中において現在の画像データと予め無人状態で撮影した背景画像データとで互いに対応する画素同士の差分値を算出し差分画像を生成する。そして、生成した差分画像に含まれる各画素の輝度値と所定のしきい値との大小に基づいて差分画像を2値化して、輝度値の変動がしきい値以上となる変動画素を抽出した差分2値画像を生成する。これにより、輝度値の変動がしきい値以上であった変動画素からなる変動領域が抽出される。このとき、膨張・収縮や微小面積除外のフィルタリングによりノイズを除去した2値画像を生成することが好ましい。
生理画像検出部364は、生成した差分2値画像に含まれる略連続した変動画素群を1つの変動領域としてグループ化し、各変動領域に固有のラベルでラベリングする。そして、ラベリングされた各変動領域について所定以上のエッジ強度を持つ画素を抽出してエッジ画像を生成し、エッジ画像に対して予め記憶した顔または頭部テンプレートを用いてテンプレートマッチング処理を行う。生理画像検出部364は、このテンプレートマッチング処理を変動領域ごとに行った結果として、所定以上の類似度となった領域を利用者の顔領域または頭部領域と判定する。そして、生理画像検出部364は、この判定された顔領域(頭部領域)内で肌色でなく略左右対照に存在する楕円領域となる目領域を探索する。
そして、生理画像検出部364は、予め設定された所定フレーム(例えば15フレーム)に渡りこの目領域をトラッキング処理して、目領域中における瞳(白色でない領域)の変動量である移動画素数をフレーム毎に加算して所定フレーム間(15フレーム間)の瞳の総移動画素数を検出する。これは即ち瞳の総移動距離を意味している。
また、生理画像検出部364は、この目領域をトラッキングしている所定フレーム間(15フレーム間)において、目領域又は瞳が検出できないフレーム数を検出する。これは即ち利用者が瞬きした回数を意味する。
生理画像検出部364は、検出した瞳の総移動距離と瞬き回数を緊張判定部366に出力する。また、抽出した顔または頭部に類似する領域を照合部367に出力する。
なお、生理画像検出部364にて検出する対象はこれに限定されず、所定フレーム間での瞳孔面積の変化量など、緊張時と平常時でその値が変化することが知られるものであれば何れであってもよい。
緊張判定部366は、操作部31が操作されたときに解除制御部363の指示により利用者の緊張度を算出して緊張状態か否かを判定する。緊張度は初期値が0で利用者の緊張度合いを表す値である。
緊張判定部366には、生理情報センサ37にて検出された脈拍データ、および、生理画像検出部364にて検出された所定フレーム間での瞳の総移動距離と瞬き回数が入力されており、これらのデータから緊張度を算出する。具体的には、入力される脈拍データ、瞳移動距離、瞬き回数のそれぞれについて、予め設定されたしきい値との比較処理を行い、何れかのデータがしきい値を上回っていれば緊張傾向と判定して緊張度に1を加算し、係る緊張度が2以上になると利用者が緊張状態と判定する。即ち、脈拍データ、瞳移動距離、瞬き回数のうち、何れか2つにて緊張傾向と判定されれば利用者が緊張状態と判定する。
脈拍は緊張により増大することが知られている。一般的に、成人の安静にしている時の脈拍数は、およそ毎分50〜80回程度であり、100回を超える状態は頻脈となる。そこで、本実施形態では、生理情報センサ37にて検出された脈拍データが過去一分間に100回以上(頻脈)であれば、緊張傾向と判定して緊張度に1を加算する。
また、緊張により眼球の動きが早く大きくなることも知られている。瞳の総移動距離を比較するしきい値は、観察時間とフレームレート(本例では1/5秒)、画像データの解像度と画像に写りこむ人物面積とから任意の値に設定されてよい。本実施形態では、SXGAサイズ(1280×1024ピクセル)の画像データにて車室内を撮像した場合に15フレーム(3秒)間で瞳が15ピクセル以上移動すると、緊張傾向と判定して緊張度に1を加算する。
さらに、緊張により瞬きの回数が増大することも知られている。一般的に、成人の安静にしている時の瞬き数は、およそ毎分15〜20回程度である。そこで、本実施形態では、15フレーム(3秒)間で瞬きの回数が3回以上であれば、緊張傾向と判定して緊張度に1を加算する。
緊張判定部366は、以上のように脈拍データ、瞳移動距離、瞬き回数のそれぞれが緊張傾向であるか否かを判定して緊張度を算出し、この緊張度が全体の過半数以上、即ち2以上であれば利用者が緊張状態と判定する。また、1以下であれば緊張状態でないと判定する。緊張状態にあるか否かの判定結果は解除制御部363に出力され、緊張度は初期値にリセットされる。
照合部367は、車両1に搭乗している乗員が予め登録された利用者であるか否かを判定する。具体的には、本実施形態において照合部367は、生理画像検出部364が抽出した顔または頭部に類似する領域について、予め記憶部34に記憶された利用者登録情報に含まれる利用者の顔画像と比較して照合する。顔画像の比較照合は、例えば、比較対象の2つの顔の顔情報の類似度を算出し、その類似度の絶対的評価により、所定のしきい値以上となる領域があれば予め登録された利用者が搭乗していると判定してよく、また他に、既存のどのような技術を適用してもよい。
乗員が予め登録された利用者であるか否かの判定結果は解除制御部363に出力される。またこのとき、照合部367にて車両室内1aに複数の乗員(顔または頭部に類似した領域)が検出されていれば、各乗員ごとに判定結果を出力する。
なお、照合部367による利用者の判定処理は、これに限定されず、他の手段により車両1に搭乗している乗員が予め登録された利用者であるか否かを判定してよい。例えば、操作部31に、指紋などのバイオメトリクス情報や暗証番号、ICカードなどの読み取り機能を設けて、これから入力される情報に基づいて利用者登録情報と比較照合を行うようにしてもよい。この場合、操作部から入力される情報に対応する利用者登録情報を予め記憶しておく。
作動制限部365は、被制御対象となる車載収納庫2の作動を電気的に制限して、収納物取出し扉22の作動、即ち開放を禁止する無効状態またはこの禁止を解除して開放可能とする有効状態に設定する。作動制限部365は、解除制御部363から解除信号の入力を受けると接続部33を介して施解錠部25に解除信号を出力する。
施解錠部25は解除信号の入力を受けると収納物取出し扉22を解錠する。そして、作動制限部365は、収納庫2から受信する扉開または扉閉の信号より収納物取出し扉22の開閉状態を判別し、収納物取出し扉22が一度開放された後閉鎖状態になると収納物取出し扉を22施錠するよう施解錠部25に禁止信号を送信する。また、解除信号を送信後所定の開放許容時間(たとえば2分)を経過しても扉22が開放されない場合は施解錠部25に禁止信号を送信する。施解錠部25は禁止信号の入力を受けると収納物取出し扉22を施錠する。
なお、この施錠制御は、施解錠部25を自動施錠型の電気錠として実現してもよい。この場合、施解錠部25は収納物取出し扉22が一度開放された後閉鎖状態になると収納物取出し扉22を施錠し、また、所定の開放許容時間(2分)を経過しても扉22が開放されない場合は収納物取出し扉22を施錠する。
<動作の説明>
次に、以上のように構成される移動体の監視システムの動作について説明する。図4は、監視装置3にて実行される移動体の監視プログラムの動作を示すフローチャートである。
監視装置3は、起動すると種々の初期設定を行いかかる処理を実行する。監視装置3は、操作部31からの入力を待ち受ける(ステップST1)。操作部31から車載収納庫2の利用開始の入力があると(ステップST1−Yes)、解除制御部363は、緊張判定部366に入力されている生理情報センサ37にて検出された脈拍データ、および、生理画像検出部364にて検出された所定フレーム間での瞳の総移動距離と瞬き回数とから緊張度を算出させる。緊張判定部366は、脈拍データと瞳の総移動距離と瞬き回数を各々対応したしきい値処理を行い、しきい値を上回っているデータについて緊張傾向と判定して緊張度に1を加算する(ステップST2)。そして、緊張判定部366は、係る緊張度が2以上であれば利用者が緊張状態と判定して判定結果を解除制御部363に出力し(ステップST3−Yes)、解除制御部363は処理をステップST14に進めて異常出力を行う。
他方、緊張判定部366は、算出した緊張度が1以下であれば利用者が緊張状態にないと判定し(ステップST3−No)、解除制御部363は、照合部367に利用者の判定処理を実行させて乗員が予め登録された利用者であるか否かを判定する(ステップST4)。
照合部367は、生理画像検出部364が抽出した顔または頭部に類似する領域について、記憶部に記憶している利用者登録情報に含まれる利用者の顔画像と照合する。ここで、生理画像検出部364が抽出した顔または頭部に類似する領域が、予め登録された利用者であると照合できなければ(ステップST5−No)、解除制御部363は、収納物取出し扉22を開放禁止と判断してかかる処理を終了する。このとき、かかる判定結果を監視装置から外部に報知出力してよい。
他方、生理画像検出部364が抽出した顔または頭部に類似する領域が、予め登録された利用者であると照合できれば(ステップST5−Yes)、解除制御部363は、記憶部34の通信可否情報に記憶された最新の通信可否判別結果を参照する(ステップST6)。通信可能であれば(ステップS7−Yes)、解除制御部363は、画像送出部362にカメラユニット6から入力され圧縮符号化された画像データをセンタ装置5に送出させる(ステップST8)。画像データは記憶部34に記憶された識別情報とともにセンタ装置5に送信される。そして、解除制御部363は、センタ装置5から通信接続にかかるレスポンスを待ち受ける(ステップST9)。所定時間経過してもレスポンスデータを受信しなければ、かかる処理を終了する。
他方、解除制御部363は、センタ装置5からレスポンスデータを受信してセンタ装置5との通信が確立し、画像データの送出が開始されると(ステップST9−Yes)、作動制限部365に解除信号を出力する。作動制限部365は、これを受けて、収納庫2の施解錠部25に解除信号を出力し作動が禁止された施錠状態を解除して解錠状態とする(ステップST10)。
作動制限部365は、収納物取出し扉が開放されて閉鎖されたことを検知すると施解錠部25を施錠させる禁止信号を出力する(ステップST11−Yes)。また、解除信号を送信してから扉22が開放されない又は閉鎖されないままに開放許容時間(2分)を経過すると(ステップST12−Yes)、現在扉22が施錠可能か否か、即ち閉鎖しているか否かを判定する(ステップST13)。開放許容時間(2分)を経過しても扉22が開放したままで施錠できない場合は(ステップST13−No)、ブザーなどの警報出力を行い、また無線通信部35よりセンタ装置5に異常信号を出力する(ステップST14)。
他方、扉22が開放されずに開放許容時間(2分)を経過した場合(ステップST13−Yes)、作動制限部365は、施解錠部25を施錠させる禁止信号を出力する(ステップST15)。
そして、解除制御部363は、画像送出部362に画像データの送出処理を終了させ(ステップST16)、かかる処理を終了する。
このように、監視装置3は、運転員からの操作入力に基づき、かかる運転員の脈拍が著しく多いか、眼球の動きが激しいか、瞬きの回数が著しく多いかといった生理状態から運転員が緊張状態にあるか否かを判定し、緊張状態にないことを条件に、収納庫2の施解錠部25に信号送出して収納物取出し扉22が作動できるように解錠させる。これにより、タクシー強盗などの緊急事態により、運転員が緊張状態に陥っている状況下では収納庫に収納した一万円札を取り出すことを禁止して、タクシー強盗などによる不正行為を抑制することが可能となる。
また、車内の人物が予め登録されている乗員と判定された場合に作動制限部365が車載収納庫2を開放可能とすることで、車両盗難や車上荒しが正当な乗員のいない車両内で車載収納庫2を開放することを防止することができる。
さらに、このときの画像データをセンタ装置に送信することにより、遠隔の第三者に監視される状況において収納庫2に収納した一万円札を取り出して両替などの用に供することが可能となり、タクシー強盗などによる不正行為を抑制することが可能となる。
また、ステップST7において通信不能と判定された場合について説明する。解除制御部363は、運転員が緊張状態でないときに車載収納庫2の利用開始の入力があり、このとき通信不能であれば、画像送出部362から画像記憶部に画像データを出力させて画像データの記憶を開始させる(ステップST17)。そして、解除制御部363は、画像データの記憶が開始されると作動制限部365に解除信号を出力する。作動制限部365は、これを受けて、収納庫2の施解錠部25に解除信号を出力し作動が禁止された施錠状態を解除して解錠状態とする(ステップST18)。
作動制限部365は、収納物取出し扉22の開閉と開放許容時間とを監視する。ステップST19〜ST22については、既に説明したステップST11〜ST15と同じ処理であるので重複した説明は省略する。即ち、収納庫2の利用が終了し施錠できる状況であれば収納物取出し扉22を施錠して処理をステップST23へと進め、施錠できないままに開放許容時間が経過するとステップST14にて異常出力が行われる。なお、このとき通信できない状態であれば異常信号の出力を保留し、通信可能になったときに出力する。
解除制御部363は、ステップST23にて画像送出部362から画像記憶部への画像データ出力を終了させて画像データの記憶を終了させる。そして記憶部34の未送信フラグを成立させてかかる処理を終了する(ステップST24)。未送信フラグは、センタ装置5に送信すべき画像データを記憶したことを意味するフラグである。
このように、監視装置3は運転員が緊張状態でない場合であって監視センタ50に車両室内1aの画像データが送出できない状況においては、このときの画像データを記憶する。これにより、第三者から確認できない状況下で車載収納庫2が開放された状況を、記録した画像データから後に確認することが可能となり、証拠性を担保してセキュリティ性を向上させることが可能となる。
次に、通信状態の監視処理について説明する。図5は、監視装置3にて実行される通信状態の監視プログラムの動作を示すフローチャートである。この処理は図4に示した移動体の監視プログラムと並行して実行されてよい。
通信判別部361は、所定間隔ごと(例えば1秒)に無線通信部35が基地局41と通信ができる状態にあるか否かを判別する(ステップST51)。通信不能と判別すると(ステップST52−No)、記憶部34の通信可否情報に現在時刻と通信不能とを記憶して(ステップST53)、処理を終了する。
他方、ステップST52において通信可能と判別できれば(ステップST52−Yes)、通信判別部361は記憶部34の通信可否情報に現在時刻と通信可能とを記憶して(ステップST54)、通信可否情報に記憶された直前回の通信状態が通信不能であったか確認する(ステップST55)。ここで、直前回の通信状態が通信不能であれば(ステップST55−Yes)、通信判別部361は記憶部34の未送信フラグの状態を確認する(ステップST56)。未送信フラグがONであれば、即ち、通信不能であった期間に記録された画像データがあれば(ステップST56−Yes)、画像記憶部に記憶された画像データを無線通信部35よりセンタ装置5に送信させる(ステップST57)。画像データは記憶部34に記憶された識別情報とともにセンタ装置5に送信される。送信が終了すると(ステップST58−Yes)、送信完了した画像データを画像記憶部から消去し(ステップST59)、未送信フラグをOFFして(ステップST60)、処理を終了する。
このように、監視装置3は、監視センタ5に車両室内1aの画像データが送出できない状況において収納物取出し扉22が作動するときに記録された画像データを、後に通信可能になると監視センタ5に送信する。これにより、第三者から確認できない状況下で車載収納庫2が開放された状況を適切に確認することが可能となり、証拠性を担保できる。
以上に、移動体の監視システムの実施形態を示した。
なお、上記実施形態では、被制御対象を車載収納庫とした例について説明したが、これに限定されるものではない。即ち、運転員など移動体における正当な利用者以外により作動させられることが好ましくないものであれば、何れであってもよい。この典型としては、例えば車両イグニッションである。この場合、車両イグニッションを被制御対象として、利用者が緊張状態にないときに限り作動を許可する構成としてよい。
また、上記実施形態では、生理情報検出部として、生理情報センサによる接触型の生理情報の取得と、生理画像検出部による被接触による生理情報の取得とを併用する例について説明したが、これに限定されない。即ち、脈拍や、血圧、発汗など利用者の皮膚に接触して検出されるデータと、瞬きや視線移動、瞳孔の面積変化量など被接触にて検出されるデータの何れかのみを用いて予め設定されたしきい値処理にて緊張状態にあるか否かを判定してよく、少なくとも緊張判定の指標となる1の生理情報を用いていればよい。
その他、当業者は、本発明の範囲内で、実施される形態にあわせて様々な変形例を用いることができる。
1 車両
1a 車両室内
2 車載収納庫
21 固定部
22 収納物取出し扉
23 収納部
24 紙幣挿入口
25 施解錠部
3 監視装置
31 操作部
32 画像取得部
33 接続部
34 記憶部
35 無線通信部
36 制御部
37 生理情報センサ
4 無線通信網
41 基地局

Claims (6)

  1. 移動体に備えられ一部に開口を有して外部から物品の投入を可能とした車載収納庫の作動を無効または有効に設定する移動体の監視装置であって、
    前記車載収納庫の作動を電気的に禁止する無効状態または該禁止を解除する有効状態とする作動制限部と、
    前記移動体の利用者に操作される操作部と、
    前記利用者の生理情報を検出する生理情報検出部と、
    前記生理情報から前記利用者が緊張状態にあるか否かを判定する緊張判定部と、
    前記操作部が操作されたとき前記緊張状態でないと判定されると前記作動制限部に解除信号を出力し有効状態とする解除制御部と、
    を備え
    前記作動制限部は、前記有効状態になると前記車載収納庫を開放可能とし、前記無効状態になると前記車載収納庫を開放禁止にロックすることを特徴とした移動体の監視装置。
  2. さらに、
    前記移動体の内部を撮像する撮像装置から画像データを取得する画像取得部と、
    遠隔の監視センタと接続される通信部と、
    前記操作部が操作されたとき前記画像データを前記監視センタへ送出する画像送出部と、を備える請求項1に記載の移動体の監視装置。
  3. さらに、
    前記通信部による通信可否を判別する通信判別部と、
    前記操作部が操作されたときに通信不能と判別された場合、前記画像データを記録する画像記憶部と、を備え、
    前記画像送出部は、前記通信が可能になると前記画像記憶部に記録されている画像データを前記監視センタに送出する請求項2に記載の移動体の監視装置。
  4. 前記生理情報検出部が検出する生理情報は、前記利用者の脈拍データ、血圧データ、発汗データ、瞬き回数データ、視線移動データの少なくとも何れかであり、
    前記緊張判定部は、前記生理情報として検出したデータの大きさに基づき緊張度を算出し、利用者が緊張状態にあるか否かを判定する請求項1から3の何れかに記載の移動体の監視装置。
  5. さらに、前記利用者が予め登録された人物であるか判定する照合部を備え、
    前記解除制御部は、前記操作部が操作されたとき、さらに、前記照合部にて前記利用者が予め登録された人物と判定されることを加重条件として前記作動制限部に解除信号を出力する請求項1から4の何れかに記載の移動体の監視装置。
  6. 移動体に備えられ一部に開口を有して外部から物品の投入を可能とした車載収納庫の作動を有効または無効に設定する移動体の監視装置と前記監視装置と通信する監視センタとを備える移動体の監視システムであって、
    前記監視装置は、
    前記車載収納庫の作動を電気的に禁止する無効状態または該禁止を解除する有効状態とする作動制限部と、前記移動体の利用者が操作する操作部と、前記利用者の生理情報を検出する生理情報検出部と、前記生理情報から前記利用者が緊張状態にあるか否かを判定する緊張判定部と、前記操作部が操作されたとき前記緊張状態でないと判定されると前記作動制限部に解除信号を出力し有効状態とする解除制御部と、
    を備え、
    前記監視センタは、
    前記監視装置と移動体の情報とを対応付けて記憶する記憶部と、前記監視装置から画像データを受信すると報知出力する報知部と、当該画像データおよび画像送出した監視装置または移動体の情報を表示する表示部と、
    を備え
    前記作動制限部は、前記有効状態になると前記車載収納庫を開放可能とし、前記無効状態になると前記車載収納庫を開放禁止にロックすることを特徴とした移動体の監視システム。
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