JP5267775B2 - チタン酸バリウム微粒子粉末の分散体及びその製造法 - Google Patents

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本発明は、チタン酸バリウム微粒子粉末が、分散媒体中に粒子径の粒度分布が狭いナノオーダーの微粒子として均一に分散していると共に、長期保存における増粘、ゲル化及び沈降分離等の生じない、保存安定性に優れたチタン酸バリウム微粒子粉末の分散体及びその製造法に関する。
チタン酸バリウムは、ペロブスカイト構造を持つ絶縁性強誘電体化合物であり、積層コンデンサ、ポジティブサーミスタ、圧電材料、高周波振動子等の電子部品の誘電材料として広く用いられている。近年、各種電子機器の小型化、高性能化及び軽量化に伴い、電子部品の誘電材料に用いられているチタン酸バリウム粒子粉末についても、凝集がなく分散性に優れていることが要求されている。
また、チタン酸バリウム微粒子粉末の粒子径が分散媒体中で100nm以下、即ち可視領域の波長より十分に小さな粒子径になると、光散乱強度が顕著に減少して透明性が高まるなどの特徴を持つことから、光学インクや液晶のスペーサー等の光学材料に用いられており、粒子径の粒度分布が狭いナノオーダーの一次粒子として分散媒中に分散していると共に、長期保存における増粘、ゲル化及び沈降分離等の生じない、保存安定性に優れていることが求められている。
これまでに、5〜100nmの粒径となるように粉砕した金属酸化物粉末の超微粒子を、シクロヘキサノンを主たる溶媒とする樹脂バインダ中に分散させた超微粒子分散型光学インク(特許文献1)が提案されている。
また、分散液のpHを調整することにより、平均粒子径50nm以下の無機粒子を均一に分散させた分散液(特許文献2)が提案されている。
また、チタン酸バリウムの懸濁液を湿式ジェットミルで処理を行うチタン酸バリウムの分散体の製造法(特許文献3)が提案されている。
また、平均一次粒子径と平均二次粒子径との比が0.7〜6.0の範囲に限定されたチタン酸バリウムの分散体(特許文献4及び特許文献5)が提案されている。
特開2000−26773号公報 特開2007−231213号公報 特開2000−189830号公報 特開2005−289668号公報 特開2007−137759号公報
チタン酸バリウム微粒子粉末が、分散媒体中に粒子径の粒度分布が狭いナノオーダーの微粒子として均一に分散していると共に、長期保存における増粘、ゲル化及び沈降分離等の生じない、保存安定性に優れたチタン酸バリウム微粒子粉末の分散体及びその製造法は、現在最も要求されているところであるが、未だ得られていない。
即ち、特許文献1には、5〜100nmの粒径となるように粉砕した金属酸化物粉末の超微粒子を、シクロヘキサノンを主たる溶媒とする樹脂バインダ中に分散させる方法が記載されているが、溶媒がシクロヘキサノンに限定されていると共に樹脂バインダを必要とすること、また、粉砕機を用いて粉砕及び分散処理を行っているが、処理に50〜350時間も要しており工業的に不利である。更に、本分散によってナノオーダーの粒子サイズに微分散した後に更なる分散が行われていないため、保存安定性に優れたチタン酸バリウム微粒子粉末の分散体を得ることは困難である。
また、特許文献2には、分散液のpHを調整することにより、平均粒子径50nm以下の無機粒子を均一に分散させる方法が記載されているが、前述と同様に、本分散によってナノオーダーの粒子サイズに微分散した後に更なる分散が行われていないため、保存安定性に優れたチタン酸バリウム微粒子粉末の分散体を得ることは困難である。また、溶媒が有機溶剤に限定されていると共にpHを調整する必要があるため、工業的に不利である。
また、特許文献3には、チタン酸バリウムの懸濁液を湿式ジェットミルで処理を行うチタン酸バリウムの分散体の製造法が記載されているが、前述と同様に、本分散によってナノオーダーの粒子サイズに微分散した後に更なる分散が行われていないため、保存安定性に優れたチタン酸バリウム微粒子粉末の分散体を得ることは困難である。また、特許文献3で分散されたチタン酸バリウムは0.41μm乃至0.69μmとサブミクロンオーダーであり、本発明の目的とするナノオーダーのチタン酸バリウム微粒子が均一に分散した分散体とは異なるものである。
また、特許文献4及び特許文献5には、平均一次粒子径と平均二次粒子径との比が0.7〜6.0の範囲に限定されたチタン酸バリウムを用いた分散体が記載されている。しかしながら、平均二次粒子径の測定は分散剤(ヘキサメタリン酸ナトリウム)を添加した水溶液中にチタン酸バリウムが分散された、非常に希薄な系で行われており(「NIKKISO MICROTRAC UPA150:日機装社製」は濃厚系での粒度分布測定ができないため)、実際に作製された分散体における平均二次粒子径についての評価はなされていない。また、分散方法についても特に考慮されておらず、単に分散しただけでは、長期保存における増粘、ゲル化及び沈降分離等の生じない、保存安定性に優れたチタン酸バリウム微粒子粉末の分散体を得ることは困難である。
そこで、本発明は、分散媒体中に、チタン酸バリウム微粒子粉末が粒子径の粒度分布が狭いナノオーダーの微粒子として均一に分散していると共に、長期保存における増粘、ゲル化及び沈降分離等の生じない、保存安定性に優れたチタン酸バリウム微粒子粉末の分散体及びその製造法を提供することを技術課題とする。
前記技術的課題は、次の通りの本発明によって達成できる。
即ち、本発明は、チタン酸バリウム微粒子粉末が分散媒体中に分散しているチタン酸バリウム微粒子粉末の分散体であり、該分散体中のチタン酸バリウムの個数換算平均粒子径が100nm以下であることを特徴とするチタン酸バリウム微粒子粉末の分散体である(本発明1)。
また、本発明は、本発明1の分散体中におけるチタン酸バリウム微粒子粉末の分散到達度が、分散体中におけるチタン酸バリウム微粒子粉末の個数換算分散平均粒子径とチタン酸バリウム微粒子粉末の平均一次粒子径の比として1.50以下であることを特徴とするチタン酸バリウム微粒子粉末の分散体である(本発明2)。
また、本発明は、平均一次粒子径が100nm以下であるチタン酸バリウム微粒子粉末を分散媒体中に予備分散する第一の工程と、該第一の工程で得られたチタン酸バリウム微粒子粉末を含む分散媒体をメディアと共に攪拌して分散する第二の工程と、該第二の工程で得られたチタン酸バリウム微粒子粉末を含む分散媒体を後分散する第三の工程からなることを特徴とする本発明1又は本発明2のチタン酸バリウム微粒子粉末の分散体の製造法である(本発明3)。
また、本発明は、第二の工程で用いるメディアの平均粒子径が100μm未満であることを特徴とする本発明3のチタン酸バリウム微粒子粉末の分散体の製造法である(本発明4)。
本発明によれば、チタン酸バリウム微粒子粉末が、分散媒体中に粒子径の粒度分布が狭いナノオーダーの微粒子として均一に分散していると共に、長期保存における増粘、ゲル化及び沈降分離等の生じない、保存安定性に優れたチタン酸バリウム微粒子粉末の分散体を得ることができる。
以下に、本発明に係るチタン酸バリウム微粒子粉末の分散体について述べる。
本発明に係るチタン酸バリウム微粒子粉末の分散体中におけるチタン酸バリウム微粒子粉末の個数換算分散平均粒子径は、チタン酸バリウム微粒子粉末の平均一次粒子径にもよるが、100nm以下であり、好ましくは90nm、より好ましくは80nm以下である。
本発明に係るチタン酸バリウム微粒子粉末の分散体中におけるチタン酸バリウム微粒子粉末の分散到達度は、分散体中におけるチタン酸バリウム微粒子粉末の個数換算分散平均粒子径とチタン酸バリウム微粒子粉末の平均一次粒子径の比として1.50以下であり、好ましくは1.45以下、より好ましくは1.40以下である。
本発明に係るチタン酸バリウム微粒子粉末の分散体中におけるチタン酸バリウム微粒子粉末の粒度分布は、体積換算分散平均粒子径の幾何標準偏差値として2.0以下であることが好ましく、より好ましくは1.8以下、更により好ましくは1.6以下である。
本発明に係るチタン酸バリウム微粒子粉末の分散体の分散安定性は、後述する粘度の変化率において10%以下が好ましく、より好ましくは8%以下である。粘度の変化率が10%より大きくなると、安定した分散状態で長期貯蔵することが困難となる。
次に、本発明に係るチタン酸バリウム微粒子粉末の分散体の製造法について述べる。
本発明に係るチタン酸バリウム微粒子粉末の分散体は、平均一次粒子径が100nm以下であるチタン酸バリウム微粒子粉末を分散媒体中に予備分散する第一の工程と、該第一の工程で得られたチタン酸バリウム微粒子粉末を含む分散媒体をメディアと共に攪拌して分散する第二の工程と、該第二の工程で得られたチタン酸バリウム微粒子粉末を含む分散媒体を後分散する第三の工程からなる。
本発明におけるチタン酸バリウム微粒子粉末の平均一次粒子径は100nm以下であることが好ましく、より好ましくは5〜80nmであり、更により好ましくは6〜60nmである。
本発明におけるチタン酸バリウム微粒子粉末のBET比表面積値は、5m/g以上であることが好ましく、より好ましくは5〜110m/gである。
本発明における分散媒体としては、水系及び溶剤系のいずれをも用いることができる。
水系分散体の分散媒体としては、水、もしくは、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール等のアルコール系溶剤;メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、プロピルセロソルブ、ブチルセロソルブ等のグリコールエーテル系溶剤;ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール等のオキシエチレン又はオキシプロピレン付加重合体;エチレングリコール、プロピレングリコール、1,2,6−ヘキサントリオール等のアルキレングリコール;グリセリン、2−ピロリドン等の水溶性有機溶剤を用いることができる。これらの水系分散体用の分散媒体は、目的とする用途に応じて1種又は2種以上を混合して用いることができる。
溶剤系分散体用の分散媒体としては、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングルコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等のエーテルアルコール類;エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のエーテルアセテート類;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル等の酢酸エステル類;乳酸メチルエステル、乳酸エチルエステル、乳酸プロピルエステル等の乳酸エステル類;エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、γ−ブチロラクトン等の環状エステル類及び各種モノマー等を用いることができる。これらの溶剤系分散体用の分散媒体は、目的とする用途に応じて1種又は2種以上を混合して用いることができる。
本発明のチタン酸バリウム微粒子粉末を分散媒体中に予備分散する第一工程に用いる分散機としては、特には限定されないが、粉体層にせん断力、衝撃力、圧縮力、及び/または摩擦力を加えることのできる装置が好ましく、例えば、ローラーミル、高速回転ミル、分級機内蔵型高速回転ミル、ボールミル、媒体攪拌式ミル、気流式粉砕機、圧密せん断ミル、コロイドミル、ロールミル等を用いることができる。
第一の工程で媒体攪拌式ミルを用いる場合、粉砕媒体としては、ミルの材質に応じて、ステンレス鋼、スチール等の鋼球ビーズ;アルミナ、ステアタイト、ジルコニア、ジルコン、シリカ、炭化ケイ素、窒化ケイ素等のセラミックスビーズ;ソーダガラス、ハイビー等のガラスビーズ;WC等の超硬ビーズ等が使用でき、その大きさは0.1〜1.5mmの範囲が好ましい。
本発明の第一の工程で得られたチタン酸バリウム微粒子粉末を含む分散媒体をメディアと共に攪拌して分散する第二の工程に用いる分散機としては、媒体攪拌式ミルを好適に用いることができ、特に好ましくは縦型ビーズミルである。
第二の工程で用いる粉砕媒体としては、ミルの材質に応じて、ステンレス鋼、スチール等の鋼球ビーズ;アルミナ、ステアタイト、ジルコニア、ジルコン、シリカ、炭化ケイ素、窒化ケイ素等のセラミックスビーズ;ソーダガラス、ハイビー等のガラスビーズ;WC等の超硬ビーズ等が使用でき、その大きさは100μm未満であり、その下限値は1μmである。
本発明の第二の工程で得られたチタン酸バリウム微粒子粉末を含む分散媒体を後分散する第三の工程に用いる分散機としては、媒体攪拌式ミル以外を用いることが好ましく、特に好ましくは超音波式分散機を用いることができる。
本発明の製造法によって得られるチタン酸バリウム微粒子粉末の分散体は、チタン酸バリウム微粒子粉末を分散体構成基材100重量部に対して0.1〜60重量部含有し、好ましくは0.5〜50重量部、より好ましくは1〜40重量部含有している。チタン酸バリウム微粒子粉末の分散体の構成基材としては、上記チタン酸バリウム微粒子粉末の他に、分散媒体からなり、必要に応じて分散剤、添加剤(樹脂、消泡剤、助剤等)等を添加することもできる。
本発明における分散剤としては、使用するチタン酸バリウム微粒子粉末や分散媒体の種類に応じて適宜選択して使用することができ、アルコキシシラン、シラン系カップリング剤及びオルガノポリシロキサン等の有機ケイ素化合物、界面活性剤あるいは高分子分散剤等を用いることができ、これらは1種または2種以上を混合して用いることができる。
上記有機ケイ素化合物としては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、ブチルトリエトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、テトラエトキシシラン及びテトラメトキシシラン等のアルコキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ―アミノプロピルトリエトキシシラン、γ―グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ―メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ―メタクロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン等のシラン系カップリング剤、ポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、変性ポリシロキサン等のオルガノポリシロキサン等が挙げられる。
上記界面活性剤としては、脂肪酸塩、硫酸エステル塩、スルホン酸塩、リン酸エステル塩等のアニオン性界面活性剤;ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアリールエーテル等のポリエチレングリコール型非イオン界面活性剤、ソルビタン脂肪酸エステル等の多価アルコール型非イオン界面活性剤等のノニオン性界面活性剤;アミン塩型カチオン系界面活性剤、第4級アンモニウム塩型カチオン系界面活性剤等のカオチン性界面活性剤;アルキルジメチルアミノ酢酸ベタインなどのアルキルベタイン、アルキルイミダゾリンなどの両性界面活性剤が挙げられる。
高分子分散剤としては、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、ポリカルボン酸及びその塩等を用いることができる。
分散剤の添加量は、分散体中のチタン酸バリウム微粒子粉末の総表面積に依存すると共に、チタン酸バリウム微粒子粉末の分散体の用途及び分散剤の種類に応じて適宜調製すればよいが、一般的には、分散媒中のチタン酸バリウム微粒子粉末に対して分散剤を0.01〜100重量%添加することによって、チタン酸バリウム微粒子粉末を分散媒体中に均一且つ微細に分散させることができると共に、分散安定性も改善することができる。また、上記分散剤は、分散媒体に直接添加する他に、チタン酸バリウム微粒子粉末に予め処理しておいてもよい。
以下、本発明における実施例を示し、本発明を具体的に説明する。
チタン酸バリウム微粒子粉末の一次粒子の平均粒子径は、いずれも電子顕微鏡写真に示される粒子350個の粒子径をそれぞれ測定し、その平均値で示した。
比表面積値は、BET法により測定した値で示した。
分散体中のチタン酸バリウム微粒子粉末の個数換算分散平均粒子径及び体積換算分散粒子径は、動的光散乱法「ZETA SIZER Nano−ZS」(Sysmex株式会社製)を用いて測定した。
チタン酸バリウム微粒子粉末の分散体中におけるチタン酸バリウム微粒子粉末の分散到達度は、分散体におけるチタン酸バリウム微粒子粉末の個数換算分散平均粒子径とチタン酸バリウム微粒子粉末の平均一次粒子径の比で示した。
チタン酸バリウム微粒子粉末の分散体中におけるチタン酸バリウム微粒子粉末の粒度分布は、下記の方法により求めた幾何標準偏差値で示した。
即ち、上記動的光散乱法を用いて測定した体積換算分散粒子径と個数から統計学的手法に従って対数正規確率紙上に横軸に粒子径を、縦軸に所定の粒子径区間のそれぞれに属する粒子の累積個数(積算フルイ下)を百分率でプロットする。そして、このグラフから粒子の個数が50%及び84.13%のそれぞれに相当する粒子径の値を読みとり、幾何標準偏差値=積算フルイ下84.13%における粒子径/積算フルイ下50%における粒子径(幾何平均径)に従って算出した値で示した。幾何標準偏差値が1に近いほど、分散体中におけるチタン酸バリウム微粒子粉末の粒度分布が優れていることを意味する。
チタン酸バリウム微粒子粉末の分散体の粘度変化率は、得られた分散体を60℃で1週間静置した後、「E型粘度計EMD−R」(株式会社東京計器製)を用いて、25℃でずり速度D=383sec−1における粘度値を測定し、静置前後の粘度の変化量を静置前の値で除した値を変化率として百分率で示した。
<実施例1:チタン酸バリウム微粒子粉末の分散体の製造>
横型ビーズミル(VMA−Getzmann社製「DISPERMAT SL603」に、ガラス製のメディア(粒径1mm)を攪拌容器の80vol%になるように入れ、次いで、チタン酸バリウム微粒子粉末1(平均一次粒子径:35nm、BET比表面積値:31.9m/g)400g、分散剤としてSolsperse 32500(日本ルーブリゾール株式会社製)100g及びPGMEA1500gを混合した溶液を4時間循環・分散させて、チタン酸バリウム微粒子粉末の第一工程分散体を得た。
次いで、縦型ビーズミル(コトブキ技研工業株式会社製「ウルトラアペックスミル UAM−05」)のジルコニア製0.5リットル攪拌容器にガラス製のメディア(粒径50μm)を攪拌容器の70vol%になるように入れ、上記で得られた第一工程分散体を循環させながら1時間分散させて、チタン酸バリウム微粒子粉末の第二工程分散体を得た。
更に、上記で得られた第二工程分散体を超音波分散機(BRANSON社製「Sonifier II Model 450D」)に入れ、10分間分散させて、チタン酸バリウム微粒子粉末の分散体を得た。
得られた分散体中のチタン酸バリウム微粒子粉末の個数換算分散粒子径は43.4nmであり、分散体中におけるチタン酸バリウム微粒子粉末の分散到達度(分散体中のチタン酸バリウム微粒子粉末の個数換算分散平均粒子径/チタン酸バリウム微粒子粉末の平均一次粒子径)は1.24、分散体中におけるチタン酸バリウム微粒子粉末の粒度分布は幾何標準偏差値で1.23、粘度の変化率は3.9%であった。
前記実施例1に従って、チタン酸バリウム微粒子粉末の分散体を作製した。各製造条件及び得られたチタン酸バリウム微粒子粉末の分散体の諸特性を示す。
チタン酸バリウム微粒子粉末1〜3:
チタン酸バリウム微粒子粉末として、表1に示す特性を有するチタン酸バリウム微粒子粉末1〜3を用意した。
Figure 0005267775
<チタン酸バリウム微粒子粉末の分散体の製造>
実施例1〜3、比較例1:
第一工程におけるチタン酸バリウム微粒子粉末の種類及び配合量、分散メディアの種類、分散媒体の種類及び配合量、分散剤の配合量、第二工程における分散メディアの種類、第三工程における分散機の種類を種々変化させた以外は前記実施例1と同様にしてチタン酸バリウム微粒子粉末の分散体を得た。
このときの製造条件を表2に、得られたチタン酸バリウム微粒子粉末の分散体の諸特性を表3に示す。
Figure 0005267775
Figure 0005267775
本発明に係るチタン酸バリウム微粒子粉末の分散体は、チタン酸バリウム微粒子が分散媒体中に粒子径の粒度分布が狭いナノオーダーの微粒子として均一に分散していると共に、保存安定性に優れているので、積層コンデンサ、ポジティブサーミスタ、圧電材料、高周波振動子等の電子部品の誘電材料をはじめとして、光学インクや液晶のスペーサー等の光学材料に使用することができる。

Claims (3)

  1. チタン酸バリウム微粒子粉末が分散媒体中に分散しているチタン酸バリウム微粒子粉末の分散体であり、該分散体中にチタン酸バリウム微粒子粉末を分散体構成基材100重量部に対して0.1〜60重量部含有し、当該分散体中のチタン酸バリウムの個数換算平均粒子径が100nm以下であり、前記分散体中におけるチタン酸バリウム微粒子粉末の分散到達度が、分散体中におけるチタン酸バリウム微粒子粉末の個数換算分散平均粒子径とチタン酸バリウム微粒子粉末の平均一次粒子径の比として1.50以下であることを特徴とするチタン酸バリウム微粒子粉末の分散体。
  2. 平均一次粒子径が100nm以下であるチタン酸バリウム微粒子粉末を分散媒体中に予備分散する第一の工程と、該第一の工程で得られたチタン酸バリウム微粒子粉末を含む分散媒体をメディアと共に攪拌して分散する第二の工程と、該第二の工程で得られたチタン酸バリウム微粒子粉末を含む分散媒体を後分散する第三の工程からなる請求項1記載のチタン酸バリウム微粒子粉末の分散体の製造法。
  3. 第二の工程で用いるメディアの平均粒子径が100μm未満である請求項記載のチタン酸バリウム微粒子粉末の分散体の製造法。
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