JP5256066B2 - プッシュスイッチ - Google Patents

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Description

本発明は、プッシュスイッチに関する。
従来のプッシュスイッチとして、例えば、防水用のプッシュスイッチをドアハンドルに設けたものがある(特許文献1)。このプッシュスッチは、車両用のドアロック装置のアウトサイドハンドル103内に装着され、ユーザがドアロックを作動させ車両用ドアの施錠もしくは開錠を行う場合に押圧される。
このプッシュスイッチのボタン171はゴム材より成り、ハンドルカバー104に嵌着された操作部128と薄肉部121と操作部128の下方にスイッチ107側に突出するボス部166により形成される。
このボス部166に押圧されるドアスイッチ107は、防水性および防湿性を確保するためスイッチキャップ168が被せられている。このスイッチキャップ168は、アウトサイドハンドル103に固定されるスイッチケース176の開口の周縁に嵌着され、このスイッチケース176には更にスイッチプレート177を嵌着する。
このプッシュスッチがユーザより押圧されると、ボタン171の薄肉部121が変形することにより、ボス部166が下方に配設されるスイッチキャップ168を押圧する。その押圧力によりスイッチキャップ168の下方に配設される防水構造のスイッチ107の押圧部179を押圧し、スイッチ107をオンする。
その際、ボタン171に外力として過大な荷重が入力された場合、ボタン171の肉薄部121が変形してボタン171の内側の端面122がスイッチプレート177の端面123と当接する位置までスイッチ側に移動する。
特開2004−327126号公報
上述のようなプッシュスイッチは、ボタン171が図面上下方向から過大な荷重で押圧されると、操作部128の端面122がスイッチプレート177の端面123に当接し、押圧荷重がスイッチキャップ168の周縁部に向けて作用しスイッチケース176の下部に伝達され、スイッチケース176と当接する本体部132の荷重受け部126へと逃げていくため、過大な荷重がスイッチ107の押圧部179に作用することを防ぐことができるとされている。
しかしながら、上述のようなプッシュスイッチは図面上下方向からだけ押圧されるとは限らず、あらゆる方向から押圧される可能性があり、例えばボタン171が図面斜め横方向から過大な荷重で押圧された場合には、ボタン171の薄肉部121が必要以上に伸ばされたり、ボタン171の薄肉部121やボス部166がスイッチプレート177の開口部分の角部に当たったりし、このような図面斜め横方向からの押圧動作が繰り返されるとボタンの肉薄部121やボス部166に亀裂が入り、破損する可能性がある。
そこで本発明は、いかなる方向から押圧力が加わった場合にも、軟質なボタンの破れを防ぐことができると共に、過大な荷重がスイッチに加わるのを防ぐことができる信頼性の高いプッシュスイッチを提供することを目的とするものである。
上記の目的を達成すべく成された本発明の第1のプッシュスイッチは、
側周壁と上部操作壁を有し、下面に開口部を有する軟質のボタンと、
前記ボタンの開口部に装着されたスイッチ基板と、
前記スイッチ基板上に配されたスイッチと、
前記ボタンの側周壁に固定されるケースと、を備えたプッシュスイッチであって、
側壁と上部壁を有する硬質のスイッチカバーが、前記スイッチを覆うように前記ボタンの内側に対して空間を設けて配され、
前記スイッチカバーは、前記側壁と前記上部壁の角部が曲面状に形成されており、
前記ボタンの上部操作壁より内部に突出する押圧部が、前記スイッチカバーの上部壁に
設けた貫通孔に挿入された状態で、前記スイッチの操作部に対面し
前記ボタンの押圧部と前記スイッチカバーの貫通孔周壁との横方向の距離は、前記ボタンの側周壁と前記スイッチカバーの側壁との横方向の距離よりも大きいことを特徴とするものである。
また、上記の目的を達成すべく成された本発明の第2のプッシュスイッチは、
側周壁と上部操作壁を有し、下面に開口部を有する軟質のボタンと、
前記ボタンの開口部に装着されたスイッチ基板と、
前記スイッチ基板上に配されたスイッチと、
前記ボタンの側周壁に固定されるケースと、を備えたプッシュスイッチであって、
側壁と上部壁を有する硬質のスイッチカバーが、前記スイッチを覆うように前記ボタンの内側に対して空間を設けて配され、
前記スイッチカバーは、前記側壁と前記上部壁の角部が曲面状に形成されており、
前記ボタンの上部操作壁より内部に突出する押圧部が、前記スイッチカバーの上部壁に
設けた貫通孔に挿入された状態で、前記スイッチの操作部に対面し、
前記ボタンの側周壁の内側には段差部が形成され、
前記スイッチカバーの側壁の端部から外方に突出する周縁部を有し、
前記スイッチカバーの周縁部が前記ボタンの段差部と前記基板により挟持されていることを特徴とするものである。
本発明のプッシュスイッチでは、さらなる好ましい特徴として、
「前記ボタンの上部操作壁と前記スイッチカバーの上部壁との距離は、前記ボタンを押圧して前記スイッチがオンするまでのストロークの距離とほぼ同じに形成されること」
を含むものである。

本発明によれば、硬質のスイッチカバーがスイッチを覆うように軟質のボタンの内側に空間を設けて配され、このスイッチカバーの側壁と上部壁の角部が曲面状に形成されているため、ボタンに任意の方向から外力として過大な荷重が加わった場合でも、ボタンの内側がスイッチカバーの平坦面や曲面状の部分に当接し、ボタンの内側を傷つけることがなく、軟質なボタンの破れを防ぐことができると共に、ボタンのストローク量がスイッチカバーにより確実に規制されるため、過大な荷重がスイッチに加わるのを防ぐことができ、信頼性の高いプッシュスイッチを提供できる。
本発明の第1の実施形態におけるプッシュスイッチの平面図(a)および平面図(a)のF−F間の断面図(b)である。 本発明の図1おけるプッシュスイッチの第1の動作断面図である。 本発明の図1おけるプッシュスイッチの第2の動作断面図である。 本発明の第2の実施形態におけるプッシュスイッチの断面図である。 本発明の第3の実施形態におけるプッシュスイッチの断面図である。 従来のプッシュスイッチの断面図である。
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を例示的に説明する。但し、この実施の形態に記載されている構成部品の材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載がない限りはこの発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではない。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の実施形態におけるプッシュスイッチの平面図(a)およびその平面図(a)のF−F間の断面図(b)である。図2は、図1おけるプッシュスイッチの第1の動作断面図である。図3は、図1おけるプッシュスイッチの第2の動作断面図である。
図1ないし図3において、本実施形態におけるプッシュスイッチ1は、図示しない車両用ドアハンドル装置に装着される。ユーザがドアロック装置を作動させるときは、車両用ドアハンドル装置より露出したプッシュスイッチ1のボタン10を指等により押圧してドアの施錠もしくは解錠を行うことができるようになっている。
このプッシュスイッチ1は、ボタン10と、スイッチ基板20と、スイッチ30と、スイッチカバー40と、ケース50と、ストッパ60を有する。
ボタン10は、ゴム等の弾性を有する軟質樹脂でほぼ同一の肉厚で形成され、略四角形状の上部操作壁11と、その周辺に立設された側周壁12と、上部操作壁11の略中央に内部から一体に突出する略円柱状の押圧部13とを備え、下面に開口部14を有する。この押圧部13は、スイッチカバー40に設けられた後述する貫通孔41内を移動自在の状態(図面上下方向)に配置される。
ボタン10の側周壁12の内側には段差部15が形成され、この段差部15にはボタン10内を気密にする絶縁性のスイッチ基板20が装着される。
このスイッチ基板20上には、ボタン10内にスイッチ30が配置される。このスイッチ30は、操作部31と本体部32を有する。操作部31は、本体部32内から突出し図面上下方向に移動可能に構成され、本体部32内の図示しない弾性部材により図面上向きに支持されている。操作部31が押圧されるとスイッチ30がオンされスイッチ基板20に固定された接続端子33を介して図示しないリード線により外部に信号が伝わる。
スイッチカバー40は、硬質樹脂で成形され剛性を有し、スイッチ30を覆うようにボタン10の内側に対して空間を設けて配される。このスイッチカバー40は、略四角形状の上部壁42と、その周辺に立設された側壁43と、上部壁42と側壁43の角部が曲面状に形成された外側に凸状の曲面部44と、側壁43の端部から外方に突出する周縁部45と、上部壁42の略中央にボタン10の押圧部13が移動自在な貫通孔41とを有する。この貫通孔41には、ボタン10の押圧部13が挿入された状態で、押圧部13とスイッチ30の操作部31が対面して近設あるいは当接するように配置される。
スイッチカバー40は、周縁部45がボタン10の段差部15とスイッチ基板20により挟持され、ボタン10内に固定されている。
このようなスイッチカバー40の外側とボタン10の内側には空間が設けられている。そのため、軟質のボタン10内に硬質のスイッチカバー40があっても、外部からボタン10を押圧した場合、ボタン10が弾性変形しながら押圧され(図2及び図3の状態)、その押圧力が押圧部13を介してスイッチ30をオンできるようになっている。
また、外部からボタン10の押圧力がなくなると、ボタン10自身が弾性復元して、ボタン10と操作部31が初期位置へ戻り(図1の状態)に戻り、スイッチ30はオフになり、以後、繰り返し操作が可能となる。
ケース50は樹脂材料で成形され、内側に突出する突起部51がボタン10の側周壁12に設けられた溝部52に係合し、外部からボタン10内に雨等が入ることを防いでいる。
ストッパ60は、ボタン10内にスイッチ基板20下面から圧入されて装着される。ストッパ60装着後にはストッパ60の下面からシーリング剤を塗布して防水性を高めてもよい。
ケース50外側にはドアハンドルに取り付ける際の取付孔53が設けられ、この取付孔53を介しボタン10の上部操作壁11を露出させながらプッシュスイッチ1がドアハンドルに装着され、上部操作壁11が指等により押圧できる。
以上のように構成される本例のプッシュスイッチ1は、図面上方向から下方向にボタン10を押圧した場合には、図2に示すようにボタン10自身が弾性変形すると共にボタン10の押圧部13がスイッチカバー40の貫通孔41を移動して押圧部13が操作部31を下方へ押し込み、スイッチ30をオンする。
この時、ボタン10に外力として過大な荷重が入力された場合であっても、ボタン10の上部操作壁11の内側が硬質のスイッチカバー40の平坦な上部壁42に当接し、ボタン10の内側を傷つけることがなく、軟質なボタン10の破れを防ぐことができると共に、ボタン10のストローク量がスイッチカバー40により規制されるため、過大な荷重がスイッチ30に加わるのを防ぐことができる。
一方、ボタン10に斜め上方から押圧力が加わった場合にも、図3に示すようにボタン10自身が弾性変形すると共にボタン10の押圧部13がスイッチカバー40の貫通孔41を移動して押圧部13が操作部31を下方へ押し込み、スイッチ30をオンするのは同様である。
この時、ボタン10に外力として過大な荷重が入力された場合であっても、ボタン10の上部操作壁11や側周壁12の内側が硬質のスイッチカバー40の上部壁42及び側壁43の平坦面や曲面部44に当接し、ボタン10の内側を傷つけることがなく、軟質なボタン10の破れを防ぐことができると共に、ボタン10のストローク量がスイッチカバー40により規制されるため、過大な荷重がスイッチ30に加わるのを防ぐことができるのも同様である。
また、スイッチカバー40の略中央に貫通孔41を設け、この貫通孔41にボタン10の押圧部13を挿入させてスイッチ30を押圧するため、スイッチ30の押圧方向(図面上下方向)に対し操作感を向上させることができる。
また、スイッチカバー40の周縁部45がボタン10の段差部15と基板により挟持されてボタン10内に固定されるため、簡単な構造でスイッチカバー40の固定ができる。
また、本実施形態のプッシュスイッチ1では、ボタン10の上部操作壁11とスイッチカバー40の上部壁42との距離Aは、ボタン10を押圧してスイッチ30がオンするまでのストロークの距離とほぼ同じに形成されている。このため、ボタン10を押圧してスイッチ30をオンするとほぼ同時にボタン10の内側がスイッチカバー40に当接し、必要以上の荷重がスイッチ30に加わることなくスイッチを確実に保護できる。それに加え、硬質のスイッチカバー40がボタン10の変形を抑えるストッパーの役割を果たし、軟質のボタン10の過変形による破れをより確実に防ぐことができ、耐久性を向上できる。
(第2の実施形態)
図4は、第2の実施形態にかかるプッシュスイッチの断面図を示す。
図4において第1の実施形態と同一構成部分には同一符号を付して重複する説明を省略する。
本実施形態において第1の実施形態と異なる点は、押圧部13は貫通孔41内に移動自在の状態に配置されるが、ボタン10に斜め横から押圧力が加わっても押圧部13が貫通孔周壁に接触しない貫通孔径にする、という点である。
具体的には、本実施形態のプッシュスイッチでは、ボタン10の押圧部13とスイッチカバー40の貫通孔周壁との横方向の距離Bを、ボタン10の側周壁12とスイッチカバー40の側壁43との横方向の距離Cよりも大きくなるように構成されている。
このため、本実施形態のプッシュスイッチは、第1の実施形態と同様の効果を得られると共に、斜め横方向から押圧動作が繰り返されても押圧部13がスイッチカバー40の貫通孔周壁に当たることがなく、スイッチカバー40に対する押圧部13の摺動による磨耗を防ぐことができ、ボタン10の耐久性が更に向上すると共に、摺動による振動や異音を防ぐこともできる。
(第3の実施形態)
図5は、第3の実施形態にかかるプッシュスイッチの断面図を示す。
図5において第1の実施形態と同一構成部分には同一符号を付して重複する説明を省略する。
本実施形態において第1の実施形態と異なる点は、硬質のスイッチカバー40が、スイッチを覆うようにボタン10の内側に対して空間を設けて配置されたが、ボタン10の側周壁12の内側がスイッチカバー40の側壁43に空間を設けず接して配置される、という点である。
このため、本実施形態のプッシュスイッチは、第1の実施形態と同様の効果を得られると共に、操作性を良くするためボタン10の上部操作壁11や側周壁12を薄肉にしてもボタン10の変形を極力抑えてボタン10の破れを防ぐことができプッシュスイッチを小型化できる。
以上説明したように本発明は、上記の実施例に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において適宜変更して実施可能である。
1 プッシュスイッチ
10 ボタン
11 上部操作壁
12 側周壁
13 押圧部
14 開口部
15 段差部
20 スイッチ基板
30 スイッチ
31 操作部
32 本体部
33 接続端子
40 スイッチカバー
41 貫通孔
42 上部壁
43 側壁
44 曲面部
45 周縁部
50 ケース
51 突起部
52 溝部
53 取付孔
60 ストッパ
103 アウトサイドハンドル
104 ハンドルカバー
107 スイッチ
121 薄肉部
128 操作部
122 端面
123 端面
166 ボス部
168 スイッチキャップ
171 ボタン
176 スイッチケース
177 スイッチプレート

Claims (3)

  1. 側周壁と上部操作壁を有し、下面に開口部を有する軟質のボタンと、
    前記ボタンの開口部に装着されたスイッチ基板と、
    前記スイッチ基板上に配されたスイッチと、
    前記ボタンの側周壁に固定されるケースと、を備えたプッシュスイッチであって、
    側壁と上部壁を有する硬質のスイッチカバーが、前記スイッチを覆うように前記ボタン
    の内側に対して空間を設けて配され、
    前記スイッチカバーは、前記側壁と前記上部壁の角部が曲面状に形成されており、
    前記ボタンの上部操作壁より内部に突出する押圧部が、前記スイッチカバーの上部壁に
    設けた貫通孔に挿入された状態で、前記スイッチの操作部に対面し
    前記ボタンの押圧部と前記スイッチカバーの貫通孔周壁との横方向の距離は、前記ボタンの側周壁と前記スイッチカバーの側壁との横方向の距離よりも大きいことを特徴とするプッシュスイッチ。
  2. 側周壁と上部操作壁を有し、下面に開口部を有する軟質のボタンと、
    前記ボタンの開口部に装着されたスイッチ基板と、
    前記スイッチ基板上に配されたスイッチと、
    前記ボタンの側周壁に固定されるケースと、を備えたプッシュスイッチであって、
    側壁と上部壁を有する硬質のスイッチカバーが、前記スイッチを覆うように前記ボタンの内側に対して空間を設けて配され、
    前記スイッチカバーは、前記側壁と前記上部壁の角部が曲面状に形成されており、
    前記ボタンの上部操作壁より内部に突出する押圧部が、前記スイッチカバーの上部壁に
    設けた貫通孔に挿入された状態で、前記スイッチの操作部に対面し、
    前記ボタンの側周壁の内側には段差部が形成され、
    前記スイッチカバーの側壁の端部から外方に突出する周縁部を有し、
    前記スイッチカバーの周縁部が前記ボタンの段差部と前記基板により挟持されていることを特徴とするプッシュスイッチ。
  3. 前記ボタンの上部操作壁と前記スイッチカバーの上部壁との距離は、前記ボタンを押圧
    して前記スイッチがオンするまでのストロークの距離とほぼ同じに形成されることを特徴
    とする請求項1または2に記載のプッシュスイッチ。
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