JP5239375B2 - 全固体電池およびその製造方法 - Google Patents
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Description
まず、本発明の全固体電池について説明する。本発明の全固体電池は、導電性を有する正極集電体形成用粉末を含有する正極集電体形成用材料を圧粉してなる正極集電体と、上記正極集電体上に形成され、正極活物質粉末を含有する正極層形成用材料を圧粉してなる正極層と、を有することを特徴とするものである。
以下、本発明の全固体電池について、構成ごとに説明する。
まず、本発明に用いられる正極体について説明する。本発明に用いられる正極体は、正極集電体と、正極集電体上に形成された正極層とを有する。
本発明に用いられる正極集電体は、導電性を有する正極集電体形成用粉末を含有する正極集電体形成用材料を圧粉してなるものである。
次に、本発明に用いられる正極層について説明する。本発明に用いられる正極層は、上記正極集電体上に形成され、正極活物質粉末を含有する正極層形成用材料を圧粉してなるものである。
次に、本発明に用いられる負極体について説明する。本発明に用いられる負極体は、通常、負極集電体と、負極集電体上に形成された負極層とを有する。本発明の全固体電池は、正極集電体および正極層に特徴を有するものであることから、負極体には一般的な全固体電池の負極体と同様のものを用いることができる。中でも、本発明の全固体電池は、導電性を有する負極集電体形成用粉末を含有する負極集電体形成用材料を圧粉してなる負極集電体と、上記負極集電体上に形成され、負極活物質粉末を含有する負極層形成用材料を圧粉してなる負極層とを有することが好ましい。導電性を有する負極集電体形成用粉末(例えばSUS粉末)を用いて負極集電体を形成するため、負極集電体形成用粉末の粒子と、負極活物質粉末の粒子との接触面積を向上させることができ、電池の内部抵抗を低減することができるからである。
次に、本発明に用いられる負極集電体について説明する。本発明に用いられる負極集電体は、例えば、導電性を有する負極集電体形成用粉末を含有する負極集電体形成用材料を圧粉してなるものであることが好ましい。
次に、本発明に用いられる負極層について説明する。本発明に用いられる負極層は、例えば、負極活物質粉末を含有する負極層形成用材料を圧粉してなるものであることが好ましい。
次に、本発明に用いられる固体電解質層について説明する。上述したように、本発明の全固体電池は、正極集電体および正極層に特徴を有するものであることから、固体電解質層には一般的な全固体電池の固体電解質層と同様のものを用いることができる。中でも、本発明の全固体電池は、固体電解質粉末を圧粉してなる固体電解質層を有することが好ましい。なお、固体電解質層は、正極層と負極層との間を絶縁する程度の膜厚を有することが必要である。
本発明の全固体電池は上記の部材の他に、通常スペーサー、樹脂パッキン、電池ケース等を有する。上記スペーサーは、例えば電池ケースと同一の材質であることが好ましく、具体的にはステンレス製またはアルミニウム製であることが好ましい。上記樹脂パッキンは、例えば吸水率の低い樹脂であることが好ましく、具体的にはエポキシ樹脂であることが好ましい。上記電池ケースは、一般的には金属製であり、具体的にはステンレス製またはアルミニウム製であることが好ましい。また、本発明の全固体電池は、正極集電体形成用材料を圧粉してなる正極集電体の表面上に、金属板正極集電体を有していても良い。同様に、負極集電体形成用材料を圧粉してなる負極集電体の表面上に、金属板負極集電体を有していても良い。金属板集電体は、通常、電極層が形成される表面とは反対側の集電体の表面に形成される。また、本発明の全固体電池の形状としては、例えばコイン型、ラミネート型、円筒型および角型等を挙げることができる。
本発明の全固体電池は、全固体リチウム電池であることが好ましく、全固体リチウム二次電池であることがより好ましい。また、本発明の全固体電池は、上述した正極集電体および正極層を有するものであれば特に限定されるものではない。中でも、本発明の全固体電池は、正極層、固体電解質層および負極層から構成される発電単位が、導電性を有する中間集電体形成用粉末を含有する中間集電体形成用材料を圧粉してなる中間集電体を介して複数積層されていることが好ましい。中間集電体および正極層の界面、並びに中間集電体および負極層の界面で、粒子の接触面積を増加させることができ、電池の内部抵抗をさらに低減することができるからである。このような全固体電池(バイポーラ電池)としては、具体的には図5に示すように、正極集電体1および負極集電体5の間に、正極層2、固体電解質層3および負極層4から構成される発電単位6が、導電性を有する中間集電体形成用粉末を含有する中間集電体形成用材料を圧粉してなる中間集電体7を介して複数積層されたもの等を挙げることができる。
次に、本発明の全固体電池の製造方法について説明する。本発明の全固体電池の製造方法は、導電性を有する正極集電体形成用粉末を含有する正極集電体形成用材料を圧粉し、正極集電体を形成する正極集電体形成工程と、正極活物質粉末を含有する正極層形成用材料を圧粉し、正極層を形成する正極層形成工程と、を有することを特徴とするものである。
本実施態様の全固体電池の製造方法は、導電性を有する正極集電体形成用粉末を含有する正極集電体形成用材料を圧粉し、正極集電体を形成する正極集電体形成工程と、正極活物質粉末を含有する正極層形成用材料を圧粉し、正極層を形成する正極層形成工程とを有し、上記正極集電体形成工程および上記正極層形成工程のいずれか一方の工程を行い、その後、他方の工程を行うことを特徴とするものである。
本実施態様においては、最初に正極集電体形成工程および正極層形成工程のいずれか一方の工程を行い、その後、他方の工程を行う。本実施態様においては、上記の図6に示すように、最初に正極集電体を形成し、その正極集電体の表面上に正極層形成用材料を添加しプレスすることにより、正極層を形成しても良く、その順番を逆にしても良い。一方、正極集電体および正極層を別個に作製し、それらを重ねてプレスしても良い。
本実施態様においては、正極集電体形成工程および正極層形成工程の他に、通常、固体電解質層形成工程、負極層形成工程および負極集電体形成工程等を行う。本実施態様の全固体電池の製造方法は、正極集電体形成工程および正極層に特徴を有するものであることから、その他の工程は、一般的な全固体電池の製造方法における工程と同様の工程で良い。
本実施態様の全固体電池の製造方法は、導電性を有する正極集電体形成用粉末を含有する正極集電体形成用材料を圧粉し、正極集電体を形成する正極集電体形成工程と、正極活物質粉末を含有する正極層形成用材料を圧粉し、正極層を形成する正極層形成工程とを有
し、上記正極集電体形成工程および上記正極層形成工程を同時に行うことを特徴とするものである。
本実施態様においては、正極集電体形成工程および正極層形成工程を同時に行う。正極集電体形成工程および正極層形成工程については、上記「1.第一実施態様」に記載した内容と同様である。
その他の工程については、上記「1.第一実施態様」に記載した内容と同様であるので、ここでの説明は省略する。
[実施例]
不活性ガス雰囲気中で、全固体電池を作製した。まず、正極集電体形成用粉末としてSUS粉末(平均粒径10μm)、正極活物質粉末としてLiCoO2粉末(平均粒径10μm)、負極活物質としてIn箔(厚さ100μm)、を用意した。次に、Li2S(日本化学工業製)およびP2S5(アルドリッチ製)を遊星型ボールミルで粉砕混合することにより、硫化物系固体電解質粉末としてのLi2S−P2S5粉末を作製した。
正極集電体として、SUS平板(厚さ10mm)を用いたこと以外は、実施例と同様にして全固体電池を得た。
実施例および比較例で作製した全固体電池の内部抵抗を評価した。内部抵抗には交流インピーダンス法を用い、以下の条件で測定を行った。
周波数範囲:10MHz〜0.1Hz
電圧振幅 :5mV
装置 :Solartron社製、1260型インピーダンスアナライザー
2 … 正極層
3 … 固体電解質層
4 … 負極層
5 … 負極集電体
6 … 発電単位
7 … 中間集電体
10 … 発電要素
Claims (10)
- 正極集電体、正極層、固体電解質層、負極層および負極集電体がこの順で配置され、
前記正極層と前記固体電解質層および前記負極層の少なくとも一つとが、硫化物系固体電解質を含有し、
前記正極集電体は、導電性を有する正極集電体形成用粉末を含有する正極集電体形成用材料を圧粉してなり、
前記正極層は、正極活物質粉末、および、導電性を有し、硫化水素と反応する金属粉末を含有する正極層形成用材料を圧粉してなり、
前記正極集電体形成用粉末が、SUS粉末であることを特徴とする全固体電池。 - 前記金属粉末が、SUS粉末、Mg粉末、Fe粉末、Al粉末、Mn粉末、Zn粉末またはCu粉末であることを特徴とする請求項1に記載の全固体電池。
- 正極集電体、正極層、固体電解質層、負極層および負極集電体がこの順で配置され、
前記正極集電体は、導電性を有する正極集電体形成用粉末を含有する正極集電体形成用材料を圧粉してなり、
前記正極層は、正極活物質粉末、および、前記導電性を有する正極集電体形成用粉末を含有する正極層形成用材料を圧粉してなり、
前記正極層に含まれる前記導電性を有する正極集電体形成用粉末の割合が、厚さ方向において、前記正極集電体に向かう方向で増加し、
前記正極集電体形成用粉末が、SUS粉末であることを特徴とする全固体電池。 - 前記正極層、前記固体電解質層および前記負極層の少なくとも一つが、硫化物系固体電解質を含有することを特徴とする請求項3に記載の全固体電池。
- 前記正極層上に形成され、固体電解質粉末を圧粉してなる前記固体電解質層と、
前記固体電解質層上に形成され、負極活物質粉末を含有する負極層形成用材料を圧粉してなる前記負極層と、
前記負極層上に形成され、導電性を有する負極集電体形成用粉末を含有する前記負極集電体形成用材料を圧粉してなる負極集電体と、
を有することを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれかの請求項に記載の全固体電池。 - 前記正極層、前記固体電解質層および前記負極層から構成される発電単位が、導電性を有する中間集電体形成用粉末を含有する中間集電体形成用材料を圧粉してなる中間集電体を介して複数積層されていることを特徴とする請求項5に記載の全固体電池。
- 正極集電体、正極層、固体電解質層、負極層および負極集電体がこの順で配置され、前記正極層と前記固体電解質層および前記負極層の少なくとも一つとが、硫化物系固体電解質を含有する全固体電池の製造方法であって、
導電性を有する正極集電体形成用粉末を含有する正極集電体形成用材料を圧粉し、前記正極集電体を形成する正極集電体形成工程と、
正極活物質粉末、および、導電性を有し、硫化水素と反応する金属粉末を含有する正極層形成用材料を圧粉し、前記正極層を形成する正極層形成工程と、を有し、
前記正極集電体形成用粉末が、SUS粉末であることを特徴とする全固体電池の製造方法。 - 正極集電体、正極層、固体電解質層、負極層および負極集電体がこの順で配置された全固体電池の製造方法であって、
導電性を有する正極集電体形成用粉末を含有する正極集電体形成用材料を圧粉し、前記正極集電体を形成する正極集電体形成工程と、
正極活物質粉末、および、前記導電性を有する正極集電体形成用粉末を含有する正極層形成用材料を圧粉し、前記正極層を形成する正極層形成工程と、を有し、
前記正極層に含まれる前記導電性を有する正極集電体形成用粉末の割合が、厚さ方向において、前記正極集電体に向かう方向で増加し、
前記正極集電体形成用粉末が、SUS粉末であることを特徴とする全固体電池の製造方法。 - 固体電解質粉末を圧粉し、前記固体電解質層を形成する固体電解質層形成工程と、
負極活物質粉末を含有する負極層形成用材料を圧粉し、前記負極層を形成する負極層形成工程と、
導電性を有する負極集電体形成用粉末を含有する負極集電体形成用材料を圧粉し、前記負極集電体を形成する負極集電体形成工程と、
をさらに有することを特徴とする請求項7または請求項8に記載の全固体電池の製造方法。 - 導電性を有する中間集電体形成用粉末を含有する中間集電体形成用材料を圧粉し、中間集電体を形成する中間集電体形成工程をさらに有し、
前記正極層、前記固体電解質層および前記負極層から構成される発電単位が、前記中間集電体を介して複数積層された全固体電池を形成することを特徴とする請求項9に記載の全固体電池の製造方法。
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