JP5141115B2 - 不快味を呈する薬物含有製剤粒子 - Google Patents

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Description

本発明は、不快味を呈する薬物を含有する固形製剤に関する。
イブプロフェン等の刺激性苦味を有する薬物を、散剤や顆粒剤のような粒子径が小さく比表面積が大きい製剤に配合した場合、錠剤の場合と比較して薬物の苦味がより強く感じられる。そこで、これらの製剤の服用性向上の観点から、例えば、特開平9−208458号公報に、薬物及び組成物中30重量%以上の水膨潤性物質を含有する組成物を水又は含水アルコールで湿式造粒することにより薬物の不快味をマスキングした経口用製剤が記載されている(特許文献1参照)。
また、特表2003−504324号公報には、不快な味を有する活性成分と顆粒崩壊剤を含む顆粒に、被覆剤と膜崩壊剤を含む懸濁液を噴霧して被覆することにより不快味をマスキングした顆粒剤が記載されている(特許文献2参照)。しかしながら、この技術では溶出性を改善しようとすると、不快味のマスキングは十分に図れず、一方、十分な不快味のマスキングを図ろうとするとコーティング層を厚くする必要があり、結果として溶出が遅くなるという問題があった。
特開平9−208458号公報 特表2003−504324号公報
そこで、薬物の溶出性と不快味のマスキングの両方を満足する製剤を得るためには、コーティング剤に配合される成分の選定が重要となっている。例えば、コーティング剤に水不溶性高分子を配合することにより不快味のマスキングを実現し、水溶性高分子を配合することにより溶出性を確保することができる。また、フィルムコーティングにおいては、皮膜量を少なくし、コーティング効率を高める目的で、核粒子に直接被覆される一次皮膜(アンダーコート層)と、アンダーコート層の上に被覆される皮膜(オーバーコート層)の2層のコーティングが施されることがある。
しかしながら、オーバーコート層のコーティング剤中の水不溶性高分子の配合量が増加すると不快味のマスキング効果は増強するが薬物の溶出が遅くなり、一方、水溶性高分子の配合量が増加すると薬物の溶出は速くなるが不快味のマスキングが不十分となるという問題があった。
よって、本発明の目的は、イブプロフェン等の不快味を呈する薬物を含有し、薬物の不快味が十分にマスキングされ、且つ溶出性が改善された製剤粒子を提供することである。
上記課題を解決するために、本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、苦味薬物を含有する核粒子を調製し、水溶性高分子及び少量で薬物の溶出を促進する物質(以下、溶出促進剤とする)を配合したコーティング剤を用いてアンダーコートを施し、さらに、水溶性高分子、水不溶性高分子、及び、溶出促進剤を配合したコーティング剤を用いてオーバーコートを施すことにより、薬物の不快味のマスキングと溶出性が同時に改善される製剤粒子が得られることを見出した。さらに溶出促進剤の選定を鋭意検討した結果、溶出促進剤として、散剤、顆粒剤、錠剤等に配合した場合にこれらの製剤の崩壊性を高めることによって薬物の溶出性を高める性質を有する物質等を用いることにより、さらに不快味が十分にマスキングされ、且つ溶出が速い製剤粒子が得られることを見出し、本発明を完成した。
すなわち本発明は、(1)不快味を呈する薬物を含有する核粒子、(2)水溶性高分子及び溶出促進剤を含有するアンダーコート層、並びに、(3)水溶性高分子、水不溶性高分子、及び、溶出促進剤を含有するオーバーコート層を有する製剤粒子である。
本発明によれば、不快味を呈する薬物を含有し、薬物の不快味がマスキングされ、且つ溶出性が改善された製剤粒子を提供することが可能となった。
本発明の「製剤粒子」は、(1)不快味を呈する薬物を含有する核粒子、(2)水溶性高分子及び溶出促進剤を含有したコーティング剤を用いて前記核粒子をコーティングするアンダーコート層、並びに、(3)水溶性高分子、水不溶性高分子及び溶出促進剤を含有したコーティング剤を用いて前記アンダーコート層の上にコーティングするオーバーコート層を有するものである。
「不快味を呈する薬物」とは、苦味や収斂味等を有し、1日当たりの配合量が多い薬物の他、微量であっても数種を配合することにより、不快な呈味を有する薬物の配合量が全体的に多くなる場合も含まれる。1日当たりの配合量が多いものとしては、例えば、イブプロフェン、エテンザミド及びアセトアミノフェンが挙げられる。それ自体の配合量は多くはないが不快な呈味を有する薬物としては、例えば、ウイキョウ油、カンゾウエキス、キキョウ流エキス、ケイヒ油、チョウジ油、ベラドンナエキス、ロートエキスなどの生薬抽出物、d−マレイン酸クロルフェニラミン、L−アスパラギン酸、L−アスパラギン酸カリウム、L−アスパラギン酸マグネシウム、L−イソロイシン、L−グルタミン、L−フェニルアラニン、L−メチオニン、L−塩酸ヒスチジン、アスコルビン酸、アスピリン、アズレンスルホン酸ナトリウム、アミノエチルスルホン酸、アルジオキサ、イソプロピルアンチピリン、ウルソデオキシコール酸、エルゴカルシフェロール、オクトチアミン、カフェイン、グアイフェネシン、グアヤコールスルホン酸カリウム、グリチルリチン酸二カリウム、ケイ酸アルミン酸マグネシウム、コハク酸トコフェロール、コレカルシフェロール、コンドロイチン硫酸ナトリウム、サリチルアミド、シアノコバラミン、ジブロフィリン、スクラルファート、セミアルカリプロティナーゼ、タンニン酸アルブミン、タンニン酸ベルベリン、チアミンジスルフィド、テオフィリン、デヒドロコール酸、トラネキサム酸、ニコチン酸アミド、ノスカピン、パルミチン酸レチノール、パントテン酸カルシウム、ビオチン、ピコスルファートナトリウム、ビサコジル、ビスイブチアミン、ビスベンチアミン、ヒベンズ酸チペピジン、フェノールフタリン酸デキストロメトルファン、フェンジゾ酸クロペラスチン、フマル酸クレマスチン、フマル酸第一鉄、フルスルチアミン、ブロムワレリル尿素、ヘスペリジン、ヘプロニカート、ベンフォチアミン、マレイン酸カルビノキサミン、マレイン酸クロルフェニラミン、マレイン酸フェニラミン、メキタジン、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、メチルメチオニンスルホニウムクロリド(VU)、ヨウ化イソプロパミド、リボフラビン、リン酸コデイン、リン酸ジヒドロコデイン、リン酸ジメモルファン、リン酸ピリドキサール、リン酸リボフラビンナトリウム、リン酸水素カルシウム、安息香酸ナトリウムカフェイン、塩化カルニチン、塩化ベルベリン、塩酸アルギニン、塩酸イソチペンジル、塩酸クロペラスチン、塩酸クロルヘキシジン、塩酸ジサイクロミン、塩酸ジセチアミン、塩酸ジフェニドール、塩酸ジフェニルピラリン、塩酸ジフェンヒドラミン、塩酸セトラキサート、塩酸チアミン、塩酸トリプロリジン、塩酸トリメトキノール、塩酸ノスカピン、塩酸パパベリン、塩酸ヒドロキソコバラミン、塩酸ピリドキシン、塩酸フェニルプロパノールアミン、塩酸フェニレフリン、塩酸フルスルチアミン、塩酸ブロムヘキシン、塩酸メクリジン、塩酸メトキシフェナミン、塩酸ラニチジン、塩酸リジン、塩酸ロペラミド、乾燥水酸化アルミニウムゲル、合成ケイ酸アルミニウム、合成ヒドロタルサイト、酸化マグネシウム、次没食子酸ビスマス、酒石酸アリメマジン、臭化ブチルスコポラミン、臭化メチルアトロピン、臭化メチルオクタトロピン、臭化メチルベナクチジウム、臭化水素酸スコポラミン、臭化水素酸デキストロメトルファン、硝酸チアミン、酢酸トコフェロール、酢酸ヒドロキソコバラミン、水酸化アルミニウム・炭酸水素ナトリウム共沈物、水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、炭酸水素ナトリウム、沈降炭酸カルシウム、銅クロロフィリンナトリウム、乳酸カルシウム、無水カフェイン、葉酸、酪酸リボフラビンが挙げられる。不快味のマスキングの必要性という観点から、イブプロフェンに代表される製剤中に多量に配合する薬物の場合に本発明の効果がより大きい。また,微量であっても数種を配合することにより、不快味を呈する薬物の配合量が全体的に多くなる場合も含まれる。また、本発明における不快味を呈する薬物の配合量は、例えば不快味を呈する薬物がイブプロフェンである場合、前記不快味を呈する薬物を含有する核粒子の質量に対して30質量%以上,より好ましくは35重量%以上であると本発明を用いる意義がある。
前記不快味を呈する薬物を含有する核粒子は、例えば、不快味を呈する薬物を添加成分と混合し、ヒドロキシプロピルセルロース等の水溶性高分子を溶媒(水又は水及びエタノールの混合液)に溶解した溶液を用いて造粒することにより得られる。また、このように造粒する方法としては、例えば、撹拌造粒法、流動層造粒法、転動流動造粒法、練合造粒法、押し出し造粒法、乾式造粒法、噴霧造粒法、積層造粒法,転動造粒法等が挙げられる。さらに、苦味薬物を含有する核粒子の平均粒子径は、100〜500μmの範囲であることが好ましい ここで、本発明における「平均粒子径(mean particle diameter)」とは、質量平均径である。具体的には、サンプリングした粒子(例えば5g)を、30M(500μm)、42M(355μm)、60M(250μm)、80M(180μm)、100M(150μm)、150M(106μm)、200M(75μm)及び270M(53μm)の順に積み重ねた篩上に置き、一定時間(例えば、3分間)振動を与えて分級し、30M篩残、42M篩残、60M篩残、80M篩残、100M篩残、150M篩残、200M篩残、270M篩残及び270M通過分の各質量を測定する。各質量に、予め算出しておいた各篩間の粒径区分の中央値を乗じ、その総和を全質量(5g)で除した値が求める質量平均径、すなわち、本発明における平均粒子径である。例えば、ロッボットシフター(株式会社セイシン企業)などを用いれば自動的に測定できる。なお、Mはメッシュを表す。なお、平均粒子径については、社団法人化学工学会編「現代の化学工学I」(1988年、朝倉書店、p.239〜p.245)に依った。
さらに、前記不快味を呈する薬物を含有する核粒子には、他の公知の添加剤を配合してもよい。公知の添加剤としては、例えば、軽質無水ケイ酸、含水二酸化ケイ素、結晶セルロース、カルボキシメチルスターチナトリウム、ヒドロキシプロピルスターチ、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、クロスカルメロース、クロスカルメロースナトリウム、アメ粉(Maltose Syrup Powder)、粉糖、エリスルトール、キシリトール、ソルビトール、マルチトール、ラクチトール、白糖、無水マルトース及び含水マルトースを挙げることができる。
本発明の「アンダーコート層」とは、核粒子を直接被覆する層であり、「オーバーコート層」とは、アンダーコート層を被覆する層である。
本発明の「溶出促進剤」とは、散剤、顆粒剤、錠剤等に配合した場合にこれらの製剤の崩壊性を高めることにより薬物の溶出性を高める性質を有する物質等であり、崩壊剤や、水に対する溶解度が15質量%以上である糖アルコールが挙げられ、崩壊剤としては、例えばカルメロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、カルメロース、カルメロースナトリウム、デンプン、部分アルファ化デンプン、カルボキシメチルスターチナトリウム、プルランが挙げられ、水に対する溶解度が15%以上である糖アルコールとしては、例えばマンニトール、エリスリトール、キシリトール,ソルビトール、マルチトール,ラクチトールが挙げられる。これらの中でも、製剤中の薬物の安定化の観点から、例えば不快味を呈する薬物がイブプロフェンである場合は、カルメロースカルシウムやマンニトールのような薬物と反応性のない物質が好ましい。溶出促進剤の配合量は、薬物の溶出性の改善と製剤の大きさの観点から、コーティング剤の全体質量に対して、1〜20質量%の範囲であることが好ましい。
本発明のコーティング剤に配合される水溶性高分子としては、通常各種固形製剤のコーティング剤として使用されるものであればよく、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、メチルセルロースを挙げることができる。これらの水溶性高分子の中でも、薬物の不快味マスキング及び薬物の溶出性の観点から、ヒドロキシプロピルメチルセルロースが好ましい。さらに、前記水溶性高分子の配合量は、薬物の不快味マスキング及び薬物の溶出性の観点から、コーティング剤全体質量に対して40〜80質量%の範囲であることが好ましい。
本発明のコーティング剤に配合される水不溶性高分子としては、通常各種固形製剤のコーティング剤として使用されるものであればよく、例えば、エチルセルロース、アミノアルキルメタアクリレート、ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテートを挙げることができる。これらの水不溶性高分子の中でも、薬物の不快味マスキング及び薬物の溶出性の観点から、エチルセルロースが好ましい。さらに、前記水溶性高分子の配合量は、薬物の不快味マスキング及び薬物の溶出性の観点から、コーティング剤全体質量に対して10〜59質量%の範囲であることが好ましい。
また、本発明の製剤粒子は、製剤粒子同士の凝集を防止するために、コーティング剤に滑沢剤及び/又は流動化剤を配合する必要がある。滑沢剤及び流動化剤としては、例えば含水二酸化ケイ素、軽質無水ケイ酸、酸化チタン、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、タルクが挙げられる。これらの中でも、イブプロフェンのような他の成分と反応性の高い薬物との配合禁忌の観点からタルクが好ましい。さらに滑沢剤及び/又は流動化剤の配合量は、滑沢化剤としてタルクを用いる場合は、コーティング剤全体質量に対して10〜50質量%、好ましくは15〜45質量%である。10質量%に満たないと、期待される凝集防止、滑沢効果が得られず、また50質量%を超えると、フィルムの成形性に影響を及ぼし十分な苦味マスキング効果が得られない。
本発明のコーティング層は、前記溶出促進剤及び水溶性高分子を含有し且つ前記核粒子を覆うアンダーコート層と、前記溶出促進剤、水溶性高分子、及び、水不溶性高分子を含有し前記アンダーコート層を覆うオーバーコート層の2層からなる層である。このようなコーティング層の製剤粒子の質量に対する割合としては、不快味のマスキング、薬物の溶出性、薬物の安定性等の観点から、6〜30質量%の範囲が好ましい。
本発明の製剤粒子は、核粒子にアンダーコート層を被覆することにより、その上のオーバーコート層を薄く均一に被覆することができることから、従来のフィルムコーティングと比較して被覆量を少なくすることができる。これにより、従来のコーティング製剤と比較して粒子径を大きくすることなく、不快味のマスキングを確保することができる。核粒子に対するアンダーコート層及びオーバーコート層の割合は、核粒子の質量に対して、アンダーコート層が1〜10質量%、オーバーコート層が5〜20質量%である。
また、前記核粒子を前記コーティング層でコーティングする方法としては、一般的な方法を用いることができ、例えば、流動層コーティング法、転動流動層コーティング法、転動流動コーティング法、パンコーティング法等が挙げられる。
本発明の製剤粒子は、さらに賦形剤あるいは他の成分と混合した後に、常法により各種固形製剤に調製することができる。各種固形製剤としては、例えば、顆粒剤、散剤、丸剤、錠剤、カプセル剤を挙げることができる。
以下に参考例、実施例、比較例及び試験例を挙げ、本発明をより詳しく説明する。実施例は本発明の実施の形態を具体的に示す例であり、試験例は実施例を評価した試験の例である。本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
参考例1
核粒子の製造法
イブプロフェン27000g、リボフラビン240g、軽質無水ケイ酸3000g、結晶セルロース12000g、アメ粉21000gを秤量、混合し、粉砕したものを、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC−L)5400gを精製水54600gに溶解した溶液を結合液として、転動流動層造粒機(MP:パウレック社製)を用いて造粒し、核粒子を製造した。核粒子の平均粒子径は306μm、かさ密度は421.7kg/m3であった。(かさ密度の測定方法:体積既知の容器(例えば、直径30mm、100mLの円柱状容器)に粉体試料を加え、粉体の表面を擦り切って秤量し、このときの粉体試料の質量を容器の内容量で除した値である。この際、容器のタッピングは行わない。見掛け比重ともいう。本発明において「かさ密度」の測定には、筒井理化学社製のA.B.D粉体測定器を用いた。)
参考例2
核粒子の製造法
イブプロフェン27000g、リボフラビン240g、軽質無水ケイ酸3000g、結晶セルロース12000g、アメ粉21000gを秤量、混合し、粉砕したものを、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC−L)5400gを精製水48600gに溶解した溶液を結合液として、転動流動層造粒機(MP:パウレック社製)を用いて造粒し、核粒子を製造した。核粒子の平均粒子径は281μm、かさ密度は429.0kg/m3であった。
実施例1
参考例1で得られた核粒子を、ヒドロキシプロピルメチルセルロース34.2g、タルク22.8g及びカルメロースカルシウム5.7gを精製水575gに溶解・分散し得られたコーティング剤で、ドラフトチューブ付き噴流層(GPCG:パウレック社製)を用いてコーティングを施し、乾燥した後に、エチルセルロース46.2g、ヒドロキシプロピルメチルセルロース27.6g及びタルク49.2g及びカルメロースカルシウム12.3gを、エタノール1131g及び精製水283gの混合液に溶解・分散し得られたコーティング剤で、ドラフトチューブ付き噴流層(GPCG:パウレック社製)を用いてコーティングを施して、顆粒を製造した。
実施例2
参考例2で得られた核粒子を、ヒドロキシプロピルメチルセルロース34.2g、タルク22.8g及びマンニトール5.7gを精製水575gに溶解・分散し得られたコーティング剤で、ドラフトチューブ付き噴流層(GPCG:パウレック社製)を用いてコーティングを施し、乾燥した後に、エチルセルロース46.2g、ヒドロキシプロピルメチルセルロース27.6g、タルク49.2g及びカルメロースカルシウム12.3gを、エタノール1131g及び精製水283gの混合液に溶解・分散し得られたコーティング剤で、ドラフトチューブ付き噴流層(GPCG:パウレック社製)を用いてコーティングを施して、顆粒を製造した。
比較例1
参考例1で得られた核粒子を、ヒドロキシプロピルメチルセルロース34.2g及びタルク22.8gを精製水575gに溶解・分散し得られたコーティング剤で、ドラフトチューブ付き噴流層(GPCG:パウレック社製)を用いてコーティングを施し、乾燥した後に、エチルセルロース46.2g、ヒドロキシプロピルメチルセルロース27.6g及びタルク49.2gを、エタノール1131g及び精製水283gの混合液に溶解・分散し得られたコーティング剤で、ドラフトチューブ付き噴流層(GPCG:パウレック社製)を用いてコーティングを施して、顆粒を製造した。
比較例2
参考例2で得られた核粒子を、エチルセルロース46.2g、ヒドロキシプロピルメチルセルロース27.6g、タルク49.2g及びカルメロースカルシウム12.3gを、エタノール1131g及び精製水283gの混合液に溶解・分散し得られたコーティング剤で、ドラフトチューブ付き噴流層(GPCG:パウレック社製)を用いてコーティングを施して、顆粒を製造した。
試験例
実施例1及び2並びに比較例1及び2で調製したコーティング顆粒と、薬物及び賦形剤を秤量、混合、粉砕し、アルコール95%溶液を溶媒として高速撹拌造粒(バーチカルグラニュレーター:パウレック社製)を行うことにより得られた薬物を含有する顆粒を混合した処方を、試験サンプルとした。試験サンプルを、日本薬局方一般試験法溶出試験法パドル法にて試験液に水を用いて溶出試験を実施した。試験結果を図1に示した。
試験サンプルを透明ビンに充填、密栓し、5℃および65℃で1週間保存した後、サンプル中のイブプロフェンをHPLC法により定量を行い、残存率を評価した。試験結果を表1に示した。
試験サンプルの風味評価を試験者3名で行い、1名以上が苦味を感じたサンプルを△とした。結果を表2に示した。
Figure 0005141115
Figure 0005141115
比較例1では、不快味のマスキングは十分であったが、溶出が遅延する傾向が確認できた。比較例2では、溶出は速やかであったが、不快味のマスキングが不十分であった。一方、実施例1及び2では、溶出性が良好であり且つ不快味のマスキングも十分であった。また、実施例及び比較例において、薬物の安定性は同等であった。
以上の結果より、イブプロフェン等の不快味を呈する薬物を含有し、薬物の不快味が十分にマスキングされ、且つ溶出性が改善された製剤粒子を提供することができた。
図1はイブプロフェンの溶出率を示す。
本発明によって、イブプロフェンのような不快味を呈する薬物を高濃度に含有しつつ、不快味のマスキング性に優れ、溶出の速い顆粒剤、散剤等を提供することが期待できる。

Claims (3)

  1. (1)イブプロフェンを含有する核粒子、(2)ヒドロキシプロピルメチルセルロース及び、カルメロースカルシウムもしくはマンニトールを含有するアンダーコート層並びに(3)ヒドロキシプロピルメチルセルロースエチルセルロース及びカルメロースカルシウムを含有するオーバーコート層を有する製剤粒子。
  2. イブプロフェンを含有する核粒子中のイブプロフェンの含有量が30質量%以上である請求項1に記載の製剤粒子。
  3. イブプロフェンを含有する核粒子に、ヒドロキシプロピルメチルセルロース及び、カルメロースカルシウムもしくはマンニトールを含有するコーティング液を用いてアンダーコートを施し、乾燥した後に、ヒドロキシプロピルメチルセルロースエチルセルロース及びカルメロースカルシウムを含有するフィルムコーティング液を用いてオーバーコートを施すことを特徴とする製剤粒子の製造方法。
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