JP5129599B2 - ガスセンサおよびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、排気ガス中の被検出ガスの濃度を検出するための検出素子を備えたガスセンサおよびその製造方法に関するものである。
従来、自動車などの排気ガス中の被検出ガス、例えばNOx(窒素酸化物)や酸素などの濃度を検出するための検出部を有する検出素子を備えたガスセンサが知られている。このような検出素子は自動車の排気管に取り付けるための主体金具に保持されて、自身の先端側に設けられた検出部が排気管内に露出されるようにして使用される。また、検出素子の後端側には検出部からの出力信号を取り出すための電極が設けられており、その電極部分を含む検出素子の後端側は主体金具の後端側から露出されている。そして電極には外部回路との接続を行うためのリード線が電気的に接続され、この接続部分を含む検出素子の後端部分を保護するため、主体金具の後端側には筒状の外筒が接合されている。
このようなガスセンサの製造過程において、主体金具と外筒との接合は、通常、レーザ溶接により行われる。具体的には、外筒の先端を主体金具の後端側に形成した係合部に重ね合わせ、加締めによる仮止め後、あるいはそのままの状態で、外筒の外周側から全周にわたってレーザを照射して、外筒と主体金具とを接合している(例えば、特許文献1および特許文献2参照。)。
特開2004−354274号公報 特開2001−147213号公報
しかしながら、特許文献1や特許文献2では、レーザ接合により形成される溶接部が外筒の先端よりも後端側に位置する形態であり、外筒の先端から溶接部にかけての部位は、外筒の内周面と主体金具の外周面とが密接状態となっているものの接合されているわけではないため、僅かながら間隙を有する場合がある。ガスセンサが使用中に被水すると毛細管現象によりその間隙に水滴等が浸入する場合があり、このような間隙に入り込んだ水滴等は比較的揮発しにくいため、その間隙内にて溶接部が長期間水滴等に接触した状態となってしまう虞がある。特に主体金具において、レーザ溶接によって一度溶融した部分の界面は比較的腐食を生じやすいため、溶接部が長期間水滴等に接触した状態となると、溶接部と非溶接部との界面において腐食を生ずる虞があった。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、主体金具と外筒との溶接部において腐食を生じにくいようにすることができるガスセンサおよびその製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明のガスセンサは、軸線方向に延びると共に、自身の先端側に被検出ガスを検出するための検出部を有する検出素子と、前記検出部を自身の先端から突出させつつ、前記検出素子の径方向周囲を取り囲む主体金具と、当該主体金具に固定され、前記検出素子の後端側の径方向周囲を取り囲む筒状の外筒とを有するガスセンサにおいて、前記主体金具は、径方向に拡径された鍔部と、当該鍔部の後端側に形成される後端部とを有し、前記外筒の先端が前記主体金具の前記後端部の少なくとも一部の径方向周囲を取り囲むように配置され、かつ、前記外筒の前記先端と前記主体金具の前記後端部との境界部分を溶融することで、前記外筒の前記先端と前記主体金具の前記後端部とに跨って形成された溶接部が全周にわたって形成され、前記溶接部の厚みが、前記外筒の厚みよりも大きいことを特徴とする。
また、請求項2に係る発明のガスセンサは、請求項1に記載の発明の構成に加え、前記主体金具の前記後端部は、筒部と、当該筒部の後端側に接続し、その筒部よりも縮径する縮径部とを有し、前記外筒の前記先端は、前記縮径部の径方向周囲を取り囲むように配置され、前記溶接部は、前記外筒の前記先端と前記筒部との間に跨って形成されていることを特徴とする。
また、請求項に係る発明のガスセンサは、請求項に記載の発明の構成に加え、前記溶接部は、径方向における自身の厚みが、前記外筒の厚みよりも2倍以上厚く形成されていることを特徴とする。
また、請求項に係る発明のガスセンサは、請求項1乃至のいずれかに記載の発明の構成に加え、前記溶接部の先端と前記鍔部の後端との距離が1mm以上であることを特徴とする。
また、請求項に係る発明のガスセンサは、請求項2乃至のいずれかに記載の発明の構成に加え、前記外筒の前記先端と前記主体金具の前記筒部とに跨がるように、両者を外周側から加締めた加締め部が形成されていることを特徴とする。
また、請求項に係る発明のガスセンサは、請求項1に記載の発明の構成に加え、前記溶接部は、前記外筒の前記先端と前記主体金具の前記鍔部との間に跨って形成されていることを特徴とする。
また、請求項に係る発明のガスセンサは、請求項に記載の発明の構成に加え、前記外筒は、自身の前記先端に、径方向外側に拡径する拡径部を有し、前記溶接部は、前記拡径部と前記鍔部との間に跨って形成されていることを特徴とする。
また、請求項に係る発明のガスセンサは、請求項またはに記載の発明の構成に加え、前記溶接部は、径方向内側に向かうにつれて、前記軸線方向の先端側に延びて形成されていることを特徴とする。
また、請求項に係る発明のガスセンサは、請求項1に記載の発明の構成に加え、前記外筒の前記先端は、前記主体金具の前記鍔部とは離間しつつ前記後端部の径方向周囲を取り囲むように配置され、前記溶接部は、前記外筒の前記先端と前記主体金具の前記後端部との間に跨って形成されていることを特徴とする。
また、請求項10に係る発明のガスセンサは、請求項に記載の発明の構成に加え、前記溶接部は、径方向内側に向かうにつれて、前記軸線方向の後端側に延びて形成されていることを特徴とする。
また、請求項1に係る発明のガスセンサは、請求項乃至1のいずれかに記載の発明の構成に加え、前記溶接部は、その外表面が凹んだ曲面形状に形成されることを特徴とする。
また、請求項1に係る発明のガスセンサの製造方法は、軸線方向に延びると共に、自身の先端側に被検出ガスを検出するための検出部を有する検出素子と、前記検出部を自身の先端から突出させつつ、前記検出素子の径方向周囲を取り囲む主体金具と、当該主体金具に固定され、前記検出素子の後端側の径方向周囲を取り囲む筒状の外筒とを有するガスセンサの製造方法において、前記主体金具は、径方向に拡径された鍔部と、当該鍔部よりも後端側に形成される筒部と、当該筒部の後端側に接続し、その筒部よりも縮径する縮径部とを有し、前記外筒の前記先端を、前記縮径部の径方向周囲を取り囲むように配置させつつ、前記筒部の後端向き面に当接させる外筒配置工程と、前記外筒の前記先端と前記主体金具の前記筒部との境界付近に向けて全周にわたってレーザ溶接を行い、前記外筒の前記先端と前記主体金具の前記筒部との境界部分を溶融することで、前記外筒の前記先端と前記主体金具の前記筒部との間に跨って溶接部を形成する溶接工程とを有し、前記溶接部の厚みが、前記外筒の厚みよりも大きいことを特徴とする。
また、請求項1に係る発明のガスセンサの製造方法は、請求項1に記載の発明の構成に加え、前記溶接工程では、前記溶接部の径方向における厚みが前記外筒の厚みよりも厚く形成されるように、前記外筒の前記先端と前記主体金具の前記筒部との境界付近に向けて全周にわたってレーザ溶接を行うことを特徴とする。
また、請求項1に係る発明のガスセンサの製造方法は、請求項1または1に記載の発明の構成に加え、前記外筒配置工程後で前記溶接工程前に、前記外筒の前記先端と前記主体金具の前記筒部とに跨がるように、両者を外周側から加締めて加締め部を形成する加締め工程を有することを特徴とする。
また、請求項1に係る発明のガスセンサの製造方法は、軸線方向に延びると共に、自身の先端側に被検出ガスを検出するための検出部を有する検出素子と、前記検出部を自身の先端から突出させつつ、前記検出素子の径方向周囲を取り囲む主体金具と、当該主体金具に固定され、前記検出素子の後端側の径方向周囲を取り囲む筒状の外筒とを有するガスセンサの製造方法において、前記主体金具は、径方向に拡径された鍔部と、当該鍔部の後端側に形成される後端部とを有し、前記外筒の前記先端を、前記後端部の径方向周囲を取り囲むように配置させつつ、前記鍔部の後端向き面に当接させる外筒配置工程と、前記外筒の前記先端と前記主体金具の前記鍔部との境界付近に向けて全周にわたってレーザ溶接を行い、前記外筒の前記先端と前記主体金具の前記鍔部との境界部分を溶融することで、前記外筒の前記先端と前記主体金具の前記鍔部との間に跨って溶接部を形成する溶接工程とを有し、前記溶接部の厚みが、前記外筒の厚みよりも大きいことを特徴とする。
また、請求項1に係る発明のガスセンサの製造方法は、軸線方向に延びると共に、自身の先端側に被検出ガス中を検出するための検出部を有する検出素子と、前記検出部を自身の先端から突出させつつ、前記検出素子の径方向周囲を取り囲む主体金具と、当該主体金具に固定され、前記検出素子の後端側の径方向周囲を取り囲む筒状の外筒とを有するガスセンサの製造方法において、前記主体金具は、径方向に拡径された鍔部と、当該鍔部の後端側に形成される後端部とを有し、前記外筒の前記先端を、前記主体金具の前記鍔部とは離間しつつ前記後端部の径方向周囲を取り囲むように配置させる外筒配置工程と、前記外筒の前記先端と前記主体金具の前記後端部との境界付近に向けて全周にわたってレーザ溶接を行い、前記外筒の前記先端と前記主体金具の前記後端部との境界部分を溶融することで、前記外筒の前記先端と前記主体金具の前記後端部との間に跨って溶接部を形成する溶接工程とを有し、前記溶接部の厚みが、前記外筒の厚みよりも大きいことを特徴とする。
また、請求項1に係る発明のガスセンサの製造方法は、請求項1または1に記載の発明の構成に加え、前記溶接工程では、前記溶接部の外表面が凹んだ曲面形状に形成されることを特徴とする。
請求項1に係る発明のガスセンサでは、外筒の先端が主体金具の後端部の少なくとも一部の径方向周囲を取り囲むように配置され、その外筒の先端と主体金具とに跨って溶接部が形成されて外筒と主体金具との接合がなされるが、さらにその溶接部が全周にわたって形成されることにより、主体金具の後端部の外周面と外筒の先端の内周面との間隙を外方に対し遮断した状態で密封することができる。するとガスセンサがその使用中に被水しても、その間隙への入口となり得る外筒の先端と主体金具の後端部との間が溶接部によって塞がれることとなるため、間隙内に水滴等が浸入することを防止することができる。従って、間隙内に浸入した水滴等が長期間にわたって間隙内に露出される溶接部と接触した状態が生ずることがなく、ひいては水滴等が長期間にわたって溶接部と接触した状態にあった場合に生じ得る腐食の発生を防止することができる。
このように、主体金具の後端部と外筒の先端との間に跨る溶接部を全周にわたって形成するにあたって、請求項2に係る発明のように、主体金具の後端部を段状に形成し筒部と縮径部とを有するようにすれば、外筒の先端を、その縮径部に係合させつつ筒部に付き合わせることができ、外筒と主体金具との接合の際に両者の位置決めと仮固定を行いやすい。そして外筒と主体金具との接合を、例えばレーザ溶接を用いて行う場合、上記のように外筒の先端を主体金具の筒部に付き合わせ、その突き合わせ位置(外筒と主体金具との境界)を狙ってガスセンサの軸線方向と直交する方向からレーザを照射すれば、主体金具の溶融具合と外筒の溶融具合とをより均等な状態に近づけることができ、溶接部の形成による上記間隙の封止をより確実に行うことができる。もっとも、レーザの照射位置は上記突き合わせ位置よりも主体金具側に偏っていても、あるいは外筒側に偏っていても、レーザに溶融されて形成される溶接部が外筒と主体金具とに跨って形成されれば十分に、上記間隙の封止を行うことが可能である。
そして、接部の径方向における厚みが外筒の厚みよりも厚くなるように溶接部を形成することが望ましく、より具体的には、請求項に係る発明のように、溶接部の径方向における厚みが外筒の厚みよりも2倍以上厚くなるようにレーザの出力を調整して溶接部を形成することが好ましい。このようにすれば、溶接部の形成において外筒と主体金具とを確実に溶融して互いの成分を混合でき、両者の接合強度を高め、主体金具の後端部の外周面と外筒の先端の内周面との間隙の封止を確実に行うことができる。
また、請求項に係る発明のように、形成された溶接部の先端が主体金具の鍔部の後端から離れていることが好ましく、より具体的に、軸線方向における溶接部の先端と鍔部の後端との間の距離が1mm以上離れていることが望ましい。外筒と主体金具との接合を、例えばレーザ溶接を用いて行う場合、外筒の先端と主体金具の筒部との突き合わせ位置(外筒と主体金具との境界)を狙ってレーザを照射することとなる。このとき、レーザの照射位置と主体金具の鍔部とが離れていれば、その作業を容易に行うことができ、その距離は、上記のように、形成された溶接部の先端が鍔部の後端から1mm以上離れていれば足りる。一方、形成された溶接部の先端と鍔部の後端との距離が1mm未満である場合、レーザの照射位置が鍔部に近いため、レーザが鍔部に当たらないようにしつつ、上記突き合わせ位置を狙ってガスセンサの軸線方向と直交する方向からレーザを照射するのは難しいことがある。レーザが鍔部にかかってしまった場合、主体金具の溶融具合と外筒の溶融具合とを均等な状態とするのが難しく、また、仕上がりの美観を損なう虞もあるため、レーザ照射時の照射角度を変更したり、照射精度を高めたりする必要が生ずることがある。
また、請求項に係る発明のように、外筒の先端と主体金具の筒部とに跨るように両者を外周側から加締めることで、主体金具に対し外筒の仮固定を行うことができ、溶接部を形成する過程で主体金具と外筒との位置ずれの発生を防止し、両者を接続する溶接部が確実に両者を跨ぐ状態で形成されるようにすることができる。
ところで溶接部は、請求項に係る発明のように、外筒の先端を主体金具の鍔部に付き合わせるようにしつつ、両者を跨ぐように形成してもよい。このように、外筒の先端の内周面と主体金具の後端部の外周面との間の間隙への入口部分となり得る部位を溶接部で埋めることができれば、上記間隙の封止を確実に行うことができる。
さらに請求項に係る発明のように、外筒の先端に、径方向外側へ拡径する拡径部を有し、その拡径部と鍔部とに跨って溶接部を形成してもよい。より具体的に、拡径部は外筒の先端を径方向外側へ折り返した形態の部位であり、その拡径部の軸線方向の先端を主体金具の鍔部の後端に当接させ、拡径部の径方向先端と鍔部の後端との間にできた段差に、拡径部と鍔部とを跨ぐ溶接部を形成するものである。外筒の先端に拡径部を有しても、このように、外筒の先端と主体金具の鍔部との間に跨った溶接部が形成されれば、外筒の先端の内周面と主体金具の後端部の外周面との間の間隙への入口部分となり得る部位が溶接部で埋められるので、上記間隙の封止を確実に行うことができる。
ところで、外筒の先端と主体金具の鍔部とを跨ぐ溶接部を、例えばレーザ溶接を用いて形成する場合、請求項に係る発明のように、径方向内側に向かうにつれ軸線方向先端側に延びるようにレーザを照射して溶接部を形成すれば、主体金具内部まで溶接部を形成することができ、外筒と主体金具との接合強度をより高めることができる。なお、外筒の先端と主体金具の鍔部との突き合わせ位置を含むように上記の向きにレーザを照射すればよい。
また、請求項に係る発明のように、外筒の先端を主体金具の鍔部と離間させた状態で、外筒の先端と主体金具の後端部との間に跨って溶接部を形成してもよい。このように、外筒の先端の内周面と主体金具の後端部の外周面との間の間隙への入口部分となり得る部位を溶接部で埋めることができれば、上記間隙の封止を確実に行うことができる。
そして、外筒の先端と主体金具の後端部とを跨ぐ溶接部を、例えばレーザ溶接を用いて形成する場合、請求項1に係る発明のように、径方向内側に向かうにつれ軸線方向後端側に延びるようにレーザを照射して溶接部を形成すれば、主体金具内部まで溶接部を形成することができ、外筒と主体金具との接合強度をより高めることができる。なお、外筒の先端と主体金具の後端部との突き合わせ位置を含むように、上記の向きにレーザを照射すればよい。
また、こうした形態の溶接部の形成は、外筒と主体金具との突き合わせ位置を望む、内向きに曲折する2面をその突き合わせ位置にて接合する形態となるため、請求項1に係る発明のように、形成された溶接部の外表面が凹んだ曲面形状に形成されれば、外筒の先端と主体金具との間の間隙への入口部分を溶接部で封止する厚みを有することができ、間隙の封止をより確実に行うことができる。
また、請求項1に係る発明のガスセンサの製造方法では、外筒配置工程において、外筒の先端を主体金具の縮径部に係合させつつ筒部の後端側面に当接させるので、外筒と主体金具と位置決めと仮固定を行いやすい。この状態で溶接工程にて外筒と主体金具との境界付近に向けて全周にわたってレーザ溶接するので、外筒の先端と主体金具の筒部との間で確実に、両者を跨ぐ溶接部を形成することができる。このときのレーザの照射を軸線方向と直交する方向から行えば、主体金具の溶融具合と外筒の溶融具合とをより均等な状態に近づけることができ、溶接部の形成による上記間隙の封止をより確実に行うことができる。なお、レーザの照射は、外筒の先端と主体金具の筒部とを当接させた境界に向けて行うことが望ましいが、その境界よりも主体金具側に偏っていても、あるいは外筒側に偏っていても、レーザに溶融されて形成される溶接部が外筒と主体金具との間に跨って形成されれば十分に、上記間隙の封止を行うことが可能である。従ってレーザ溶接は、外筒の先端と主体金具の筒部との境界付近に照射するとよい。
このように、外筒の先端と主体金具の筒部との間で両者を跨ぐ溶接部を形成することで、主体金具の後端部の外周面と外筒の先端の内周面との間隙を外方に対し遮断した状態で密封することができる。するとガスセンサがその使用中に被水しても、その間隙への入口となり得る外筒の先端と主体金具の後端部との間が溶接部によって塞がれることとなるため、間隙内に水滴等が浸入することを防止することができる。従って、間隙内に浸入した水滴等が長期間にわたって間隙内に露出される溶接部と接触した状態が生ずることがなく、ひいては水滴等が長期間にわたって溶接部と接触した状態にあった場合に生じ得る腐食の発生を防止することができる。
また、請求項1に係る発明のように、溶接部の径方向における厚みが外筒の厚みよりも厚くなるように溶接部を形成すれば、その溶接部が、外筒の先端側と径方向内側とのそれぞれにおいて主体金具との間にて形成されるので、溶接部の形成による上記間隙の封止をさらに確実に行うことができる。
また、請求項1に係る発明のように、外筒配置工程後で溶接工程前に加締め工程を行い、外筒の先端と主体金具の筒部とに跨るように両者を外周側から加締めれば、主体金具に対し外筒の仮固定を行うことができる。このようにすれば溶接工程において外筒との位置ずれが生ずることを防止し、両者を跨ぐ溶接部を確実に形成することができる。
また、請求項1に係る発明のように、外筒の先端に主体金具の後端部を係合させつつ、外筒の先端を主体金具の鍔部に当接させて両者を跨ぐ溶接部を形成すれば、外筒の先端の内周面と主体金具の後端部の外周面との間の間隙への入口部分となり得る部位すなわち外筒の先端と主体金具の鍔部との当接部分を溶接部で埋めることができ、上記間隙の封止を確実に行うことができる。
同様に、請求項1に係る発明のように、外筒の先端に主体金具の後端部を係合させつつ、外筒の先端を主体金具の鍔部に対し離間させた状態で両者を跨ぐ溶接部を形成しても、外筒の先端の内周面と主体金具の後端部の外周面との間の間隙への入口部分となり得る部位すなわち外筒の先端と主体金具の後端部との境界部分を溶接部で埋めることができ、上記間隙の封止を確実に行うことができる。
なお、こうした形態の溶接部の形成は、内向きに曲折する2面をその曲折位置にて接合する形態となるため、請求項1に係る発明のように、形成された溶接部の外表面が凹んだ曲面形状に形成されれば、外筒の先端と主体金具の後端部との間の間隙への入口部分を溶接部で封止する厚みを有することができ、間隙の封止をより確実に行うことができる。
以下、本発明を具体化したガスセンサおよびその製造方法の一実施の形態について、図面を参照して説明する。まず、本発明に係るガスセンサの第1の実施の形態として、ガスセンサ1を例に、その構造について図1,図2を参照して説明する。図1は、ガスセンサ1の縦断面図である。図2は、図1の円Aの部分を拡大してみたガスセンサ1の断面図である。なお、ガスセンサ1は自動車の排気管(図示外)に取り付けられて使用されるが、その際に排気管内に露出される側(図1の下側)を軸線O方向における先端側とし、反対側(図1の上側)を後端側として説明するものとする。
図1に示すガスセンサ1は、自動車の排気管(図示外)に取り付けられ、内部に保持する検出素子10の先端側に設けられた検出部11が排気管内を流通する排気ガス中に晒されて、その排気ガス中の酸素濃度から排気ガスの空燃比を検出する、いわゆる全領域空燃比センサである。検出素子10からは、排気ガスの空燃比がリーンの場合には、理論空燃比に対し余剰となる酸素の量に応じた検出値(電流値)が得られ、リッチの場合には未燃焼ガスを完全燃焼させるのに必要な酸素の量に応じた検出値(電流値)が得られる。これら検出値をもとに、図示しないセンサ制御回路にて排気ガスの空燃比が求められてECU(電子制御ユニット)に対し出力され、空燃比フィードバック制御などに利用される。
まず、検出素子10について説明する。検出素子10は、公知にあるような軸線O方向に延びる細幅で板状の素子で、酸素濃度の検出を行うガス検出体と、そのガス検出体を早期活性化させるために加熱を行うヒータ体とを厚み方向に貼り合わせた積層体として一体化されたものである(図1では、紙面左右方向を厚み方向(板厚方向)、紙面表裏方向を幅方向として示している。)。ガス検出体は、ジルコニアを主体とする固体電解質体と白金を主体とする検出電極と(共に図示しない)から構成され、その検出電極は、検出素子10の先端側の検出部11内に配置されている。そして検出電極を排気ガスによる被毒から保護するため、検出素子10の検出部11には、その外周面を包むように保護層15が形成されている。また、検出素子10の後端側に設けられた電極部12には、ガス検出体やヒータ体から電極を取り出すための5つの電極パッド16(図1ではそのうちの2つの電極パッド16を図示している。)が形成されている。なお、第1の実施の形態では、検出素子10を本発明における「検出素子」として説明を行うが、厳密には、検出素子10の構成としてヒータ体は必ずしも必要ではなく、ガス検出体が本発明の「検出素子」に相当する場合もある。
次に、フランジ部24について説明する。検出素子10の中央部13のやや先端側には、自身の内部に検出素子10を挿通させた有底筒状をなす金属製の金属カップ20が配置されている。金属カップ20は主体金具50内に検出素子10を保持するための保持部材であり、筒底の開口25から検出素子10の検出部11が突出されている。また、筒底の縁部分の先端周縁部23は、外周面にかけてテーパ状に形成されている。金属カップ20内には、アルミナ製のセラミックリング21と滑石粉末からなるシール材22とが、それぞれ、自身に検出素子10を挿通させた状態で収容されている。シール材22は金属カップ20内で押し潰されて細部に充填されており、これにより、金属カップ20とセラミックリング21とシール材22とが一体となり、フランジ部24として、検出素子10の径方向周囲を取り囲む形態で検出素子10に一体に組み付けられている。
次に、主体金具50について説明する。主体金具50はガスセンサ1を自動車の排気管(図示外)に取り付け固定するためのものであり、内部に貫通孔58が形成された筒状をなしている。検出素子10はその中央部13が、フランジ部24ごと主体金具50の貫通孔58内にて保持されている。主体金具50は、例えばSUS430等の低炭素鋼からなり、外周先端側に排気管への取り付け用のねじ山が形成された雄ねじ部51を有する。この雄ねじ部51よりも先端側には、後述するプロテクタ8が係合される先端係合部56が形成されている。また、主体金具50の外周中央には取り付け用の工具が係合する工具係合部52が形成されている。そして、その工具係合部52の先端面と雄ねじ部51の後端との間には、排気管に取り付けた際のガス抜けを防止するためのガスケット55が嵌挿されている。なお、工具係合部52が、本発明における「鍔部」に相当する。
さらに、図2に示すように、工具係合部52の後端側には、後述する外筒65の先端66が係合される後端係合部57が形成されている。第1の実施の形態において、後端係合部57は、工具係合部52側の筒部571と、その筒部571より後端側で、筒部571よりも縮径された縮径部572とからなる段状に形成されている。両者の段部からなる面574(以下、「後端向き面」574という。図2では溶接前の後端向き面574の位置が点線で示されている。)の径方向における大きさは、後述する外筒65の厚みとほぼ同等に構成されている。そして、後端係合部57よりもさらに後端側に、主体金具50内に検出素子10を加締め保持するための加締め部53が形成されている。なお、後端係合部57が、本発明における「後端部」に相当する。
また、図1に示すように、主体金具50の貫通孔58の内周で雄ねじ部51付近には、段状をなす段部54が形成されている。この段部54には、検出素子10と一体となったフランジ部24を構成する金属カップ20の先端周縁部23が係止されている。さらに、主体金具50の内周には滑石粉末からなるシール材26が、自身に検出素子10を挿通させた状態で、フランジ部24の後端側から装填されている。そして、シール材26を後端側から押さえるように、筒状のスリーブ27が主体金具50内に嵌め込まれている。スリーブ27の後端側外周には段状をなす肩部28が形成されており、その肩部28には、円環状の加締めパッキン29が配置されている。この状態で主体金具50の加締め部53が、加締めパッキン29を介してスリーブ27の肩部28を先端側に向けて押圧するように加締められている。シール材26は主体金具50内で押し潰されて細部にわたって充填されており、このシール材26と、金属カップ20内にあらかじめ装填されたシール材22とによって、フランジ部24および検出素子10が主体金具50内で位置決められて保持されている。主体金具50内の気密は加締め部53とスリーブ27の肩部28との間に介在される加締めパッキン29によって維持され、燃焼ガスの流出が防止される。
次に、ガスセンサ1の主体金具50より後端側の構造について説明する。主体金具50後端(加締め部53)からは、内部に保持する検出素子10の電極部12を含む後端側の部分が突出されている。その電極部12には、絶縁性セラミックスからなる筒状のセパレータ60が被せられている。セパレータ60は、検出素子10の電極部12に形成された複数の電極パッド16のそれぞれに接触(電気的に接続)させる5つの接続端子61(図1ではそのうちの2つの接続端子61を図示している。)を内部に保持している。また、各接続端子61と、各接続端子61に接続されてガスセンサ1の外部に引き出される5本のリード線64(図1ではそのうちの3本のリード線64を図示している。)と各接続部分もセパレータ60内に収容されて保護されている。
前述した外筒65はステンレス(例えばSUS304)製で筒状をなし、主体金具50の後端側に取り付けられ、主体金具50の後端から露出される検出素子10の電極部12やセパレータ60の周囲を覆って保護するものである。図2に示すように、外筒65は、自身の先端66の内周面68を、主体金具50の後端係合部57の縮径部572の外周面573に対向させるようにして、後端係合部57に係合されている。この状態で、外筒65の先端面69(図2では溶接前の先端面69の位置が点線で示されている。)と後端係合部57の後端向き面574との突き合わせ位置付近(矢印Bで示す両者の境界付近)を跨ぐように、先端66から筒部571にかけての範囲が、外周側から周方向に一周にわたってリング状に加締められ、加締め部67として形成されている。さらに、この加締め部67において、上記した矢印Bで示す部位付近を狙い、外筒65の周方向に一周にわたって例えば公知のYAGレーザを照射することにより、主体金具50の筒部571と外筒65の先端66とを接合するレーザ溶接が施されている。レーザの照射によって、軸線O方向に先端66から筒部571にかけての範囲が溶融し、両者を跨ぐ溶接部99が形成されることにより、筒部571と先端66とが接合されている。この溶接部99は、ガスセンサ1の径方向における厚み(図2において矢印Cで示す大きさ)が、少なくとも外筒65の厚み(図2において矢印Dで示す大きさ)よりも大きくなるようにレーザ溶接時の出力が調整されて、形成されている。より具体的には、形成された溶接部99の厚みが、ガスセンサ1の径方向において、外筒65の厚みの2倍以上となるように、レーザの出力が調整される。このような厚み(深さ)を有する溶接部99を形成することにより、外筒65と主体金具50とを確実に溶融して互いの成分を混合でき、両者の接合強度を高めることができる。
なお、溶接部99は、軸線O方向において、自身の先端の位置と主体金具50の工具係合部52の後端の位置との間の距離(図2において矢印Eで示す大きさ)が3mmであり、1mm以上となる位置に形成されている。
また、図1に示すように、外筒65とセパレータ60との間の間隙には、金属製で筒状の保持金具70が配設されている。保持金具70は自身の後端を内側に折り曲げて構成した支持部71を有し、自身の内部に挿通されるセパレータ60の後端側外周に鍔状に設けられた太径部62を支持部71に係止させて、セパレータ60を支持している。この状態で、保持金具70が配置された部分の外筒65の外周面が加締められ、セパレータ60を支持した保持金具70が外筒65内に固定されている。
そして外筒65の後端側の開口には、フッ素系ゴム製のグロメット75が嵌合されている。グロメット75は複数の挿通孔76を有し、各挿通孔76に、セパレータ60から引き出された複数のリード線64が気密に挿通されている。この状態でグロメット75は、セパレータ60を先端側に押圧しつつ、外筒65の外周から加締められて、外筒65の後端に固定されている。
次に、ガスセンサ1の主体金具50より先端側の構造について説明する。主体金具50の先端(先端係合部56)からは、内部に保持する検出素子10の検出部11が突出されている。この先端係合部56には、検出素子10の検出部11を、排気ガス中のデポジット(燃料灰分やオイル成分など被毒性の付着物質)による汚損や被水などによる折損等から保護するためのプロテクタ8が嵌められ、スポット溶接やレーザ溶接によって固定されている。プロテクタ8は、有底筒状の内側プロテクタ90と、内側プロテクタ90の外周面との間に空隙を有した状態でその径方向周囲を取り囲む筒状の外側プロテクタ80とから構成される2重構造を有する。
内側プロテクタ90には、周壁92の後端側に複数の内側導入孔95と、周壁92の先端側に複数の水抜き孔96と、底壁93(先端側の壁部)に排出口97とが開口されている。そして開口端側(後端側)の基端部91が主体金具50の先端係合部56の外周に係合され、その状態で外周を一周してレーザ溶接が施されており、内側プロテクタ90が主体金具50に固定されている。
また、外側プロテクタ80には、周壁82の先端側に複数の外側導入孔85が開口されている。そして、開口端側の基端部81が内側プロテクタ90の基端部91の外周に係合され、その状態で外周にスポット溶接が施されており、外側プロテクタ80もまた内側プロテクタ90を介して主体金具50に固定されている。さらに、外側プロテクタ80と内側プロテクタ90との間の空隙を閉じるように、外側プロテクタ80の先端部83が内側プロテクタ90の周壁92に向けて内側に折り曲げられている。
外側プロテクタ80と内側プロテクタ90との間の空隙は、外側導入孔85を介して外部から導入される排気ガスに、内側プロテクタ90の周壁92の外周を取り囲む状態で旋回流を生じさせ、ガス成分と水分とに分離するために設けられている。ガス成分は内側導入孔95から内側プロテクタ90内に導入され、検出素子10に接触し、排出口97から外部に排出される一方で、水分は、水抜き孔96から内側プロテクタ90内に進入し、排出口97から外部に排出されるように構成されている。この構成により、検出素子10の検出部11は、排気ガス中のデポジットによる汚損や、被水に起因する熱衝撃による折損等から保護されている。
ところで前述したように、第1の実施の形態のガスセンサ1では、主体金具50と外筒65との接合が外筒65の周方向に一周にわたるレーザ溶接により行われている。そのレーザ溶接によって形成された溶接部99は、筒部571と先端66との間にて両者が溶融されることによって両者を跨いで形成され、両者を接合している。このようなガスセンサ1の構成を実現可能な製造方法について、図1〜図3を参照して説明する。図3は、ガスセンサ1の製造過程を示す図である。なお、以下では、ガスセンサ1を構成する主体金具50と外筒65との接合の過程を中心に説明し、ガスセンサ1のその他の部位の製造過程については公知であるため、省略あるいは簡略化して説明するものとする。
[金具形成工程]
ガスセンサ1の製造過程において、主体金具50は以下のように作製される。まず、SUS430等の低炭素鋼材からなるパイプ状の鋼材が冷間鍛造機(図示外)にセットされ、押出成形等の鍛造加工が施される。そして切削機(図示外)を用い、外周面や、貫通孔58となる筒孔内の切削加工が行われる。そして転造ダイス(図示外)を用い、雄ねじ部51にねじ山が転造されて主体金具50が完成する。
[各部組立工程]
一方、図1に示す検出素子10は、固体電解質体や電極、絶縁体等を積層してなる未焼成のガス検出体と未焼成のヒータ体とを厚み方向(板厚方向)に積層した状態で焼成し、その焼成体の検出部11に保護層15を形成することにより、細長い板状の素子として作製される。この検出素子10に、セラミックリング21とシール材22を収容した金属カップ20が検出素子10の電極部12側から嵌め込むように取り付けられ、中央部13のやや先端側に配置される。その状態でシール材22がセラミックリング21側に押圧され、押し潰されることにより金属カップ20内の隙間を埋め、検出素子10とフランジ部24とが一体となる。
このフランジ部24と一体となった検出素子10は、図3に示すように、別工程で作製されたプロテクタ8が先端係合部56に接合された主体金具50の貫通孔58内に配置される。さらに検出素子10に、電極部12側からシール材26、スリーブ27およびパッキン29(図1参照)が挿通される。そして主体金具50の加締め部53が加締められることにより、押し潰されたシール材26が主体金具50と検出素子10との間隙を埋め、主体金具50内で検出素子10が保持される。また、別工程において、SUS304等のステンレスから外筒65が筒状に形成される。この外筒65内には、予めリード線64が接続された接続端子61を収容したセパレータ60と、そのセパレータ60を保持する保持金具70と、グロメット75とが配置され(図1参照)、外筒65の外周面が加締められることにより外筒65内に固定される。
[外筒配置工程]
そして図3に示すように、この外筒65が、内部に検出素子10の電極部12を含む後端側の部分を収容するように主体金具50の後端側から被せられる。このとき、外筒65の先端面69が、主体金具50の後端係合部57の筒部571と縮径部572との間の後端向き面574に当接され、図2に示したように、先端66の内周面68と縮径部572の外周面573とが対向して配置される。
[加締め工程]
次に、図3に示すように、先端面69と後端向き面574との突き合わせ位置付近(図2に矢印Bで示した両者の境界付近)を跨ぐように、主体金具50の後端係合部57の筒部571から外筒65の先端66にかけての範囲が、矢印Mで示すように、周方向に一周にわたってリング状に加締められ、加締め部67として形成される。この加締めによって、外筒65は主体金具50に仮固定された状態となる。
[溶接工程]
さらに、この加締め部67において、外筒65の先端面69付近(図2に矢印Bで示した部位付近)を狙い、矢印Lで示すように、外筒65の周方向に一周にわたってレーザ溶接が行われる。このとき、外筒65の溶融具合と主体金具50の溶融具合とを略均等とするためレーザは軸線O方向と直交する方向から照射される。ここで、前述したように、軸線O方向における溶接部99の先端の位置と主体金具50の工具係合部52の後端の位置との間の距離(図2において矢印Eで示す大きさ)が1mm以上となる位置に溶接部99が形成されるように、外筒65の先端面69と後端向き面574との突き合わせ位置が位置決めされている。つまり、レーザの照射位置と工具係合部52とは離れており、レーザを軸線O方向と直交する方向から照射するにあたって、その作業を容易に行うことができる。このレーザ溶接によって軸線O方向に筒部571から先端66にかけての部位が溶融し、筒部571と先端66とを跨ぐ溶接部99が形成されて両者が接合され、ガスセンサ1が完成する。
このように作製される第1の実施の形態のガスセンサ1では、図2に示すように、先端66と筒部571との間で両者を跨ぐ溶接部99が形成されたことにより、主体金具50の筒部571の外周面573と外筒65の先端66の内周面68との間の間隙が外方と遮断された状態に密封される。従ってガスセンサ1の使用の際にガスセンサ1が被水しても、溶接部99によって、筒部571の外周面573と先端66の内周面68との間の間隙に水滴等が浸入することがない。つまり、先端66の内周面68と筒部571の外周面573との間隙への入口部分となり得る外筒65の先端面69と後端係合部57の後端向き面574との間の間隙が、溶接部99が形成されたことによって封止される。このため、溶接部99と主体金具50との界面に長期間水滴等が接触した場合に生じやすい腐食の発生を防止することができる。なお、筒部571の外周面において溶接部99との界面が露出されており、その部分に水滴等が付着することもあるが、上記間隙に入り込んだ場合とは異なり広い面積をもって外気に接触した状態となるため、水滴等が揮発されやすく、上記のような腐食を生じにくい。
また、主体金具50の後端係合部57と外筒65の先端66との間で両者を跨ぐ溶接部99を形成するにあたって、主体金具50の後端係合部57を筒部571と縮径部572とを有する段状に形成すれば、外筒65の先端66を、その縮径部572に係合させつつ筒部571に付き合わせることができ、外筒65と主体金具50との接合の際に両者の位置決めと仮固定を行いやすい。そして外筒65と主体金具50との接合を、例えばレーザ溶接を用いて行う場合、上記のように外筒65の先端66を主体金具50の筒部571に付き合わせ、その突き合わせ位置(外筒65と主体金具50との境界)を狙って軸線Oと直交する方向からレーザを照射すれば、主体金具50の溶融具合と外筒65の溶融具合とをより均等な状態に近づけることができ、溶接部99の形成による上記間隙の封止をより確実に行うことができる。もっとも、レーザの照射位置は上記突き合わせ位置よりも主体金具50側に偏っていても、あるいは外筒65側に偏っていても、レーザに溶融されて形成される溶接部99が外筒65と主体金具50とに跨って形成されれば十分に、上記間隙の封止を行うことが可能である。
そして、溶接部99の径方向における厚みが外筒65の厚みよりも厚くなるように溶接部99を形成すれば、その溶接部99が、外筒65の先端側と径方向内側とのそれぞれにおいて主体金具50との間にて形成されるので、溶接部99の形成による上記間隙の封止をさらに確実に行うことができる。
また、外筒65の先端66と主体金具50の筒部571とに跨るように両者を外周側から加締めることで、主体金具50に対し外筒65の仮固定を行うことができ、溶接部99を形成する過程で主体金具50と外筒65との位置ずれの発生を防止し、両者を跨ぐ溶接部99を確実に形成することができる。
次に、本発明に係るガスセンサおよびその製造方法の第2の実施の形態について、図4,図5を参照して説明する。図4は、第2の実施の形態のガスセンサ101において、図1の円Aの部分に相当し、主体金具150と外筒165とを接合した状態を示す部分断面拡大図である。図5は、第2の実施の形態のガスセンサ101の製造過程を示す図である。
なお、第2の実施の形態に係るガスセンサ101は、第1の実施の形態のガスセンサ1の主体金具50と外筒65との接合を異なる形態で行ったものである。従って、ここではガスセンサ101の主体金具150と外筒165との接合構造、およびガスセンサ101の製造過程における両者の接合方法について説明し、その他の部位の構成や製造方法については第1の実施の形態と同一であるので省略または簡略化するものとする。
図4に示すように、第2の実施の形態のガスセンサ101の主体金具150は、第1の実施の形態の主体金具50とは異なり、後端係合部157が段状に形成されていない。また、外筒165は、先端166の内周面168が後端係合部157の外周面158に係合可能となる内径に形成されると共に、外筒165の先端面169が、主体金具150の工具係合部152の後端面159に突き合わせ可能な長さに形成されている。
図5に示すように、ガスセンサ101の製造過程では、第1の実施の形態と同様に、主体金具150にプロテクタ8や検出素子10等(図1参照)を組み付けたガスセンサ101の先端側となる部位と、外筒165にセパレータ60やグロメット75等(図1参照)を組み付けたガスセンサ101の後端側となる部位とがそれぞれ組み立てられる。そして外筒配置工程では、その外筒165が、自身の内部に検出素子10の電極部12を含む後端側の部分を収容するように主体金具150の後端側から被せられる。このとき、図4に示すように、第2の実施の形態では、先端166の内周面168と後端係合部157の外周面158とが対向して配置されると共に、外筒165の先端面169(図4では溶接前の先端面169の位置が点線で示されている。)が主体金具150の工具係合部152の後端面159に対し突き合わされる。
次に溶接工程では、図5に示すように、外筒165の先端面169と工具係合部152の後端面159との突き合わせ位置(境界付近)を狙い、矢印Lで示すように、外筒165の周方向に一周にわたってレーザ溶接が行われる。このとき、外筒165の溶融具合と主体金具150の溶融具合とを略均等とするため、レーザは軸線O方向と直交する方向よりも後端側から照射される。これにより、外筒165の先端面169を含む先端166と主体金具150の工具係合部152とが溶融して一体となる。このレーザ照射は径方向全周にわたって行われ、主体金具150の工具係合部152と外筒165の先端166とに跨って溶接部199が形成されて、ガスセンサ101が完成する。上記のレーザの照射方向に応じ、形成された溶接部199の形状は、周方向の断面において、径方向内側に向かうにつれて軸線O方向の先端側に延びる形状をなす。
なお、図4に示すように、この溶接部199の外表面は、メニスカス状に凹んだ曲面形状に形成されることが望ましく、このようにすれば、外筒165の先端166と主体金具150との間の間隙への入口部分を溶接部199で封止する厚みを有することができ、間隙の封止をより確実に行うことができる。また、レーザ溶接時に出力を調整し、形成後の溶接部199の径方向(図中紙面左右方向)における厚み(図4において矢印Cで示す大きさ)が、少なくとも外筒165の厚み(図4において矢印Dで示す大きさ)よりも大きくなるようにすれば、主体金具150と外筒165との接合強度を高められ望ましいことは、第1の実施の形態と同様である。
このように作製される第2の実施の形態のガスセンサ101においても、外筒165の先端166から主体金具150の工具係合部152にかけての部位に両者を跨ぐ溶接部199が形成されたことにより、主体金具150の後端係合部157の外周面158と、外筒165の先端166の内周面168との間隙が外気と遮断された状態に密封される。従ってガスセンサ101の使用の際に、ガスセンサ101が被水しても、溶接部199によって、後端係合部157の外周面158と先端166の内周面168との間の間隙に水滴等が浸入することがない。つまり、先端166の内周面168と後端係合部157の外周面158との間の間隙への入口部分となり得る外筒165の先端面169と工具係合部152の後端面159との間の間隙が、溶接部199の形成によって封止されるので、溶接部199と主体金具150との界面に長期間水滴等が接触した場合に生じやすい腐食の発生を防止することができる。なお、工具係合部152の後端面159において露出された溶接部199と工具係合部152との間の界面は、第1の実施の形態と同様に、狭い間隙に水滴等が入り込んだ場合とは異なり広い面積をもって外気に接触した状態となるため、水滴等が揮発されやすく、上記のような腐食を生じにくい。
次に、本発明に係るガスセンサおよびその製造方法の第3の実施の形態について、図6,図7を参照して説明する。図6は、第3の実施の形態のガスセンサ201において、図1の円Aの部分に相当し、主体金具150と外筒265とを接合した状態を示す部分断面拡大図である。図7は、第3の実施の形態のガスセンサ201の製造過程を示す図である。
第3の実施の形態に係るガスセンサ201は、第2の実施の形態で用いた主体金具150に対し外筒265を接合するものであり、その接合の形態を第1,第2の実施の形態とは異なる形態にて行ったものである。従って、ここではガスセンサ201の外筒265を主体金具150に接合するための構造、およびガスセンサ201の製造過程における両者の接合方法について説明し、その他の部位の構成や製造方法については第1および第2の実施の形態と同一であるので省略または簡略化するものとする。
図6に示すように、第3の実施の形態のガスセンサ201の外筒265は、第2の実施の形態の外筒165と略同等の内径を有しつつも軸線O方向に短く形成されている。このため、ガスセンサ201では、外筒265の先端266が主体金具150の工具係合部152に対し離間した状態で、外筒265と主体金具150とが接合されている。
図7に示すように、ガスセンサ201の製造過程では、第2の実施の形態と同様に、主体金具150にプロテクタ8や検出素子10等(図1参照)を組み付けたガスセンサ201の先端側となる部位と、外筒265にセパレータ60やグロメット75等(図1参照)を組み付けたガスセンサ201の後端側となる部位がそれぞれ組み立てられる。そして外筒配置工程では、その外筒265が、自身の内部に検出素子10の電極部12を含む後端側の部分を収容するように主体金具150の後端側から被せられる。このとき、図6に示すように、第3の実施の形態では、先端266の内周面268と後端係合部157の外周面158とが対向して配置されると共に、外筒265の先端面269(図6では溶接前の先端面269の位置が点線で示されている。)が、主体金具150の工具係合部152の後端面159に対し、離間した状態で配置される。
次に溶接工程では、図7に示すように、外筒265の先端面269と、主体金具150の後端係合部157の外周面158との突き合わせ位置(境界付近)を狙い、矢印Lで示すように、外筒265の周方向に一周にわたってレーザ溶接が行われる。このとき、外筒265の溶融具合と主体金具150の溶融具合とを略均等とするため、レーザは軸線O方向と直交する方向よりも先端側から照射される。これにより、外筒265の先端面269を含む先端266と主体金具150の後端係合部157とが溶融して一体となる。このレーザ照射は径方向全周にわたって行われ、主体金具150の後端係合部157と外筒265の先端266との間にて両者を跨ぐ溶接部299が形成されて、ガスセンサ201が完成する。上記のレーザの照射方向に応じ、形成された溶接部299の形状は、周方向の断面において、径方向内側に向かうにつれて軸線O方向の後端側に延びる形状をなす。
なお、図6に示すように、この溶接部299の外表面は、メニスカス状に凹んだ曲面形状に形成されることが望ましく、このようにすれば、外筒265の先端266と主体金具150との間の間隙への入口部分を溶接部299で封止する厚みを有することができ、間隙の封止をより確実に行うことができる。また、レーザ溶接時に出力を調整し、形成後の溶接部299の径方向(図中紙面左右方向)における厚み(図6おいて矢印Cで示す大きさ)が、少なくとも外筒265の厚み(図6において矢印Dで示す大きさ)よりも大きくなるようにすれば、主体金具150と外筒265との接合強度を高められ望ましいことは、第1,第2の実施の形態と同様である。
このように作製される第3の実施の形態のガスセンサ201においても、外筒265の先端266から主体金具150の後端係合部157にかけての部位にて両者を跨ぐ溶接部299が形成されたことにより、主体金具150の後端係合部157の外周面158と、外筒265の先端266の内周面268とで構成される間隙が外気と遮断された状態に密封される。従ってガスセンサ201の使用の際に、ガスセンサ201が被水しても、溶接部299によって、後端係合部157の外周面158と先端266の内周面268との間の間隙に水滴等が浸入することがない。つまり、接合前の状態において、先端266の内周面268と後端係合部157の外周面158との間の間隙への入口部分となり得る外筒265の先端面269と工具係合部152の後端係合部157の外周面158との間の間隙が、溶接部299の形成によって封止されるので、溶接部299と主体金具150との界面に長期間水滴等が接触した場合に生じやすい腐食の発生を防止することができる。なお、後端係合部157の外周面158において外方に露出された溶接部299と後端係合部157との間の界面は、第1,第2の実施の形態と同様に、狭い間隙に水滴等が入り込んだ場合とは異なり広い面積をもって外気に接触した状態となるため、水滴等が揮発されやすく、上記のような腐食を生じにくい。
なお、本発明は上記各実施の形態に限られず、各種の変形が可能である。例えば、第1の実施の形態において、主体金具50の後端係合部57と工具係合部52とは連続していなくともよく、例えば、加締め部53の加締めの際に変形し、加締められた状態が維持されるように、加締め部53にかかる反発力を分散させるため加締め時に変形させる部位などを設けてもよい。第2,第3の実施の形態についても同様である。
また、第1の実施の形態では、外筒65の先端面69と、主体金具50の後端係合部57の筒部571と縮径部572との後端向き面574とを突き合わせた状態で加締め、レーザ溶接を行ったが、このとき、先端面69と、筒部571および縮径部572の後端向き面574とは、互いに当接していてもよいし、あるいは両者間に間隙を有する状態であってもよい。また、レーザの照射位置については、外筒65の先端面69と、主体金具50の後端係合部57の筒部571と縮径部572との後端向き面574との突き合わせ位置(つまり主体金具50と外筒65の境界付近)を狙うことが好ましい。もっとも、外筒65側に偏ってレーザを照射し、溶融した部分(溶接部99)によって外筒65と主体金具50とが接続されてもよいし、主体金具50側に偏ってレーザを照射し、溶融した部分により形成される溶接部99を介し、両者が接合されるようにしてもよい。つまりレーザ溶接によって、溶接部99が、軸線O方向において、外筒65の先端66と、主体金具50の筒部571とを跨いで形成されて両者を接合すると共に、外筒65の先端66の内周面68と主体金具50の縮径部572の外周面573との間の間隙が、この溶接部99によって封止された形態となれば足りる。
また、第2,第3の実施の形態においても、第1の実施の形態と同様に、外筒165,265の先端166,266を主体金具150に対して加締めてもよい。あるいは第1の実施の形態において、主体金具50と外筒65との加締めを行わず、外筒65の先端66が後端係合部57に係合した際に容易に外れたりしないように、外筒65の内径を後端係合部57の縮径部572の外径との径差を揃えてもよい。
また、第2の実施の形態において、例えば図8に示す、ガスセンサ301のように、外筒365の先端366に径方向外側へ拡径する拡径部330を有してもよい。この場合、外筒365の先端366の内周面368は、その内径を、第2の実施の形態と同様に後端係合部157の外周面158に係合可能な大きさに形成する。拡径部330は、軸線O方向(図中紙面上下方向)の先端向きの面である軸方向先端面331を、主体金具150の工具係合部152の後端面159に突き合わせ、径方向(図中紙面左右方向)の先端向きの面である径方向先端面369は、その位置が、工具係合部152の後端面159上に配置されるようにする。すると、拡径部330の径方向先端面369と工具係合部152の後端面159とは突き合わせ位置(境界付近)を基準に径方向外側に向かうにつれ軸線方向後端側へ広がる配置関係となる。その突き合わせ位置へ向けてレーザを照射すれば、外筒365と主体金具150とをより均等に跨ぐように溶接部399を形成することができ、この突き合わせ位置を入口とする外筒365の先端366の内周面368と主体金具150の後端係合部157の外周面158との間隙の封止を確実に行うことができる。さらに、レーザ溶接による溶接部399の形成前に、拡径部330の軸方向先端面331と工具係合部152の後端面159とを抵抗溶接により接合してもよい。このようにすれば、拡径部330の軸方向先端面331と工具係合部152の後端面159との間の間隙を確実に封止でき、先端366の内周面368と後端係合部157の外周面158との間隙への水滴等の浸入を完全に防止できる。また、レーザ溶接の際に、拡径部330の径方向先端面369を、工具係合部152の後端面159に対し位置決めした上で固定できるので、レーザ溶接を容易に行える。なお、レーザ溶接の際に、拡径部330の径方向先端面369と工具係合部152の後端面159との突き合わせ位置を確実に溶融するのであれば、軸線O方向に沿ってレーザを照射して溶接部399を形成してもよい。
また、本発明に係る主体金具と外筒との接合方法を用い、主体金具とプロテクタとの接合を行ってもよい。もっとも、主体金具の雄ねじ部より先端側に取り付けられるプロテクタは、ガスセンサが自動車の排気管に取り付けられた際に排気管内に露出される部分であり、排気管外に露出される外筒とは異なり高温の排気ガス(例えば800℃)に晒される。このため、プロテクタと主体金具との間隙に水滴等が浸入しても比較的揮発されやすいので、本発明を主体金具と外筒との接合に適用することは、接合部分の腐食を防止する上でより高い効果を奏するものである。
酸素センサ、NOxセンサ、HCセンサなどのガスセンサおよびその製造方法に適用し得る。
ガスセンサ1の縦断面図である。 図1の円Aの部分を拡大してみたガスセンサ1の断面図である。 ガスセンサ1の製造過程を示す図である。 第2の実施の形態のガスセンサ101において、図1の円Aの部分に相当し、主体金具150と外筒165とを接合した状態を示す部分断面拡大図である。 第2の実施の形態のガスセンサ101の製造過程を示す図である。 第3の実施の形態のガスセンサ201において、図1の円Aの部分に相当し、主体金具150と外筒265とを接合した状態を示す部分断面拡大図である。 第3の実施の形態のガスセンサ201の製造過程を示す図である。 変形例としてのガスセンサ301において、図1の円Aの部分に相当し、主体金具150と外筒365とを接合した状態を示す部分断面拡大図である。
1 ガスセンサ
10 検出素子
11 先端部
50 主体金具
52 工具係合部
57 後端係合部
65 外筒
66 先端
67 加締め部
99 溶接部
571 筒部
572 縮径部

Claims (17)

  1. 軸線方向に延びると共に、自身の先端側に被検出ガスを検出するための検出部を有する検出素子と、
    前記検出部を自身の先端から突出させつつ、前記検出素子の径方向周囲を取り囲む主体金具と、
    当該主体金具に固定され、前記検出素子の後端側の径方向周囲を取り囲む筒状の外筒と
    を有するガスセンサにおいて、
    前記主体金具は、径方向に拡径された鍔部と、当該鍔部の後端側に形成される後端部とを有し、
    前記外筒の先端が前記主体金具の前記後端部の少なくとも一部の径方向周囲を取り囲むように配置され、かつ、前記外筒の前記先端と前記主体金具の前記後端部との境界部分を溶融することで、前記外筒の前記先端と前記主体金具の前記後端部とに跨って形成された溶接部が全周にわたって形成され、前記溶接部の厚みが、前記外筒の厚みよりも大きいことを特徴とするガスセンサ。
  2. 前記主体金具の前記後端部は、筒部と、当該筒部の後端側に接続し、その筒部よりも縮径する縮径部とを有し、
    前記外筒の前記先端は、前記縮径部の径方向周囲を取り囲むように配置され、
    前記溶接部は、前記外筒の前記先端と前記筒部との間に跨って形成されていることを特徴とする請求項1に記載のガスセンサ。
  3. 前記溶接部は、径方向における自身の厚みが、前記外筒の厚みよりも2倍以上厚く形成されていることを特徴とする請求項に記載のガスセンサ。
  4. 前記溶接部の先端と前記鍔部の後端との距離が1mm以上であることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載のガスセンサ。
  5. 前記外筒の前記先端と前記主体金具の前記筒部とに跨がるように、両者を外周側から加締めた加締め部が形成されていることを特徴とする請求項2乃至のいずれかに記載のガスセンサ。
  6. 前記溶接部は、前記外筒の前記先端と前記主体金具の前記鍔部との間に跨って形成されていることを特徴とする請求項1に記載のガスセンサ。
  7. 前記外筒は、自身の前記先端に、径方向外側に拡径する拡径部を有し、
    前記溶接部は、前記拡径部と前記鍔部との間に跨って形成されていることを特徴とする請求項に記載のガスセンサ。
  8. 前記溶接部は、径方向内側に向かうにつれて、前記軸線方向の先端側に延びて形成されていることを特徴とする請求項またはに記載のガスセンサ。
  9. 前記外筒の前記先端は、前記主体金具の前記鍔部とは離間しつつ前記後端部の径方向周囲を取り囲むように配置され、
    前記溶接部は、前記外筒の前記先端と前記主体金具の前記後端部との間に跨って形成されていることを特徴とする請求項1に記載のガスセンサ。
  10. 前記溶接部は、径方向内側に向かうにつれて、前記軸線方向の後端側に延びて形成されていることを特徴とする請求項に記載のガスセンサ。
  11. 前記溶接部は、その外表面が凹んだ曲面形状に形成されることを特徴とする請求項乃至10のいずれかに記載のガスセンサ。
  12. 軸線方向に延びると共に、自身の先端側に被検出ガスを検出するための検出部を有する検出素子と、
    前記検出部を自身の先端から突出させつつ、前記検出素子の径方向周囲を取り囲む主体金具と、
    当該主体金具に固定され、前記検出素子の後端側の径方向周囲を取り囲む筒状の外筒と
    を有するガスセンサの製造方法において、
    前記主体金具は、径方向に拡径された鍔部と、当該鍔部よりも後端側に形成される筒部と、当該筒部の後端側に接続し、その筒部よりも縮径する縮径部とを有し、
    前記外筒の前記先端を、前記縮径部の径方向周囲を取り囲むように配置させつつ、前記筒部の後端向き面に当接させる外筒配置工程と、
    前記外筒の前記先端と前記主体金具の前記筒部との境界付近に向けて全周にわたってレーザ溶接を行い、前記外筒の前記先端と前記主体金具の前記筒部との境界部分を溶融することで、前記外筒の前記先端と前記主体金具の前記筒部との間に跨って溶接部を形成する溶接工程と
    を有し、前記溶接部の厚みが、前記外筒の厚みよりも大きいことを特徴とするガスセンサの製造方法。
  13. 前記溶接工程では、前記溶接部の径方向における厚みが前記外筒の厚みよりも厚く形成されるように、前記外筒の前記先端と前記主体金具の前記筒部との境界付近に向けて全周にわたってレーザ溶接を行うことを特徴とする請求項12に記載のガスセンサの製造方法。
  14. 前記外筒配置工程後で前記溶接工程前に、前記外筒の前記先端と前記主体金具の前記筒部とに跨がるように、両者を外周側から加締めて加締め部を形成する加締め工程を有することを特徴とする請求項12または13に記載のガスセンサの製造方法。
  15. 軸線方向に延びると共に、自身の先端側に被検出ガスを検出するための検出部を有する検出素子と、
    前記検出部を自身の先端から突出させつつ、前記検出素子の径方向周囲を取り囲む主体金具と、
    当該主体金具に固定され、前記検出素子の後端側の径方向周囲を取り囲む筒状の外筒と
    を有するガスセンサの製造方法において、
    前記主体金具は、径方向に拡径された鍔部と、当該鍔部の後端側に形成される後端部とを有し、
    前記外筒の前記先端を、前記後端部の径方向周囲を取り囲むように配置させつつ、前記鍔部の後端向き面に当接させる外筒配置工程と、
    前記外筒の前記先端と前記主体金具の前記鍔部との境界付近に向けて全周にわたってレーザ溶接を行い、前記外筒の前記先端と前記主体金具の前記鍔部との境界部分を溶融することで、前記外筒の前記先端と前記主体金具の前記鍔部との間に跨って溶接部を形成する溶接工程と
    を有し、前記溶接部の厚みが、前記外筒の厚みよりも大きいことを特徴とするガスセンサの製造方法。
  16. 軸線方向に延びると共に、自身の先端側に被検出ガスを検出するための検出部を有する検出素子と、
    前記検出部を自身の先端から突出させつつ、前記検出素子の径方向周囲を取り囲む主体金具と、
    当該主体金具に固定され、前記検出素子の後端側の径方向周囲を取り囲む筒状の外筒と
    を有するガスセンサの製造方法において、
    前記主体金具は、径方向に拡径された鍔部と、当該鍔部の後端側に形成される後端部とを有し、
    前記外筒の前記先端を、前記主体金具の前記鍔部とは離間しつつ前記後端部の径方向周囲を取り囲むように配置させる外筒配置工程と、
    前記外筒の前記先端と前記主体金具の前記後端部との境界付近に向けて全周にわたってレーザ溶接を行い、前記外筒の前記先端と前記主体金具の前記後端部との境界部分を溶融することで、前記外筒の前記先端と前記主体金具の前記後端部との間に跨って溶接部を形成する溶接工程と
    を有し、前記溶接部の厚みが、前記外筒の厚みよりも大きいことを特徴とするガスセンサの製造方法。
  17. 前記溶接工程では、前記溶接部の外表面が凹んだ曲面形状に形成されることを特徴とする請求項15または16に記載のガスセンサの製造方法。
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