JP5016758B2 - Inkjet recording head and inkjet recording apparatus - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、記録媒体にインクを吐出して画像を記録するインクジェット記録ヘッドおよびインクジェット記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、インクジェット記録ヘッドおよびインクジェット記録装置の分野では、特に普通紙に対する印字濃度、印字品位、耐水性、および耐光性等の堅牢性の優れた黒色画像を形成するために顔料を含有するブラックインクを用いたり、また、ブラックインクで印字された画像領域とカラーインクで印字された画像領域との境界部に生じる滲み(以下、「ブリード」という。)や、カラーインクとの境界部のブラック画像領域内に発生する白い不均一な画像乱れ(以下、「白もや」という。)を防止するインクセットを用いることが知られている。
【0003】
代表的な技術として、特開平6−106841号公報、特開平9−11850号公報、特開平11−334101号公報、特開平11−343441号公報、米国特許第5428383号、米国特許第5488402号、および米国特許第5976230号には、ブラックインクとカラーインクとからなるインクセットであって、カラーインクの少なくとも1つのインクがブラックインクと相互反応性を示し、他のインクがブラックインクと非反応性を示す、ブリードを低減させることのできるインクセット、およびこれを用いたインクジェット記録方法が記載されている。特に、ブラックインクによる印字領域と、ブラックインクと非反応性を示すカラーインクによる印字領域との境界における滲みを防止するため、ブラックインク印字領域に反応性を有するカラーインクの印字を重ねて行う印字方法(以下、「アンダープリンティング」という。)が開示されている。
【0004】
アンダープリンティングにおいて用いられる、ブラックインクおよびこれに相互反応性を示すカラーインクとしては、親水性基を有する黒色色材を含むブラックインクと、金属イオンからなる反応剤を含む相互反応性カラーインクとの組み合わせが知られている。これらのインクを記録媒体上に塗布して混合させ、親水性基と金属イオンとを反応させると、黒色色材の沈殿が生じる。これにより、黒色色材が、ブラックインクの印字領域に隣接する非反応性カラーインクの印字領域に移動することが防がれるので、ブラックインクの印字領域と非反応性カラーインクの印字領域との間に生じるブリードが低減される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、本発明者らの検討によって、上記のようなアンダープリンティングを行うインクジェット記録ヘッドおよびインクジェット記録装置について、以下のような間題点が新たに明らかになった。
【0006】
第1の問題点は、カラーインクに高い濃度の金属イオンを含ませてブラックインクとの相互反応性を高めた場合には、ブリードや白もやを低減する観点からは好ましいものの、記録ヘッドのインク吐出面に付着したインクミスト中に含まれる金属イオンによってインク吐出面が劣化しやすくなったり、インク中に添加される金属イオンの濃度が高くなることでインクの粘度が増し、インクの吐出安定性が低下してしまうことである。これを防止するためには、ブリードや白もやを低減しつつも、カラーインクに添加する金属イオンの全体量をできるだけ低く抑える必要がある。
【0007】
また、第2の問題点は、反応性インク中に含まれる金属イオンの凝集物が、記録ヘッドのインク吐出面をワイピングするためにインクジェット記録装置に設けられたワイパの先端表面に堆積することで、ワイパによる記録ヘッドの回復性能が低下してしまうことである。ワイパをクリーニングしてワイパのワイピング性能を回復させるためのワイパークリーニング手段を備えることは公知であるが、このような手段によっても一度凝固した凝集物を取り除くのは困難であり、そのための機能を付加するとワイパークリーニング手段のコストが高くなってしまう。
【0008】
また、第3の問題点は、インクを吐出する記録ヘッドの吐出口列のレイアウトによっては、ブリード白もやを低減するためには、印字速度が低下してしまう場合があるということである。
【0009】
そこで本発明は、ブリードや白もやを低減しつつも、カラーインクに添加する金属イオンの全体量をできるだけ低く抑えることができるインクジェット記録ヘッドを提供することを目的とする。さらには、記録速度の低下を防止しつつブリードや白もやの低減を実現することができるインクジェット記録ヘッドを提供することを目的とする。
【0010】
また、本発明は、反応性インク中に含まれる金属イオンの凝集物がワイパの先端表面に堆積することを防止することができるインクジェット記録装置を提供することを目的とする。さらには、記録速度の低下を防止しつつブリードや白もやの低減を実現することができるインクジェット記録装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明のインクジェット記録装置は、ブラックインクを吐出する第1の吐出口列と、カラーインクを吐出する複数の第2の吐出口列と、が形成された面を有するインクジェット記録ヘッドと、該インクジェット記録ヘッドの前記面に当接するワイパを移動させて前記面のクリーニングを行うワイピング手段と、を備えたインクジェット記録装置において、前記第1の吐出口列によるブラック印字との印字間隔が最も短い前記第2の吐出口列が吐出するカラーインクが、前記ブラック印字との印字間隔が最も長い前記第2の吐出口列が吐出するカラーインクよりも、前記ブラックインクとの反応性を示す金属イオンの濃度が高く、前記ワイピング手段は、前記複数の第2の吐出口列のクリーニングを、吐出するカラーインクの前記金属イオンの濃度が同等以下となるような順番で行うことを特徴とする。
【0012】
上記本発明のように構成されたインクジェット記録ヘッドによれば、第1のインク以外のインク用の各吐出口列に導入されるインクの、第1のインクとの相互反応性は、第1のインク用の吐出口列による印字との印字間隔が最も短いインクを吐出する吐出口列に導入されるインクが一番高く、その印字間隔が長くなるにつれて低くなる。このように、第1のインク以外のインク用の各吐出口列に導入するインクの相互反応性を第1のインクによる印字との印字間隔が長くなる順に低くすることにより、反応性インク中の反応剤(金属イオン)の濃度を全体として低くするとともに、ブリードや白もやの低減を図ることが可能となり、印字画像の高品位化と記録ヘッドの高信頼性化とを両立させることが可能となる。
【0026】
また、前記金属イオンは、Mg2+、Ca2+、Cu2+、Co2+、Ni2+、Fe2+、La3+、Nd3+、Y3+およびAl3+から選ばれる少なくとも1つの多価金属陽イオンである構成としてもよい。
【0027】
さらに、前記相互反応性を示すカラーインクは、該カラーインクの全重量に対して0.1〜15重量%の金属塩を含む構成としてもよい。
【0028】
さらには、前記ブラックインクは塩を含有し、色材として黒色顔料が用いられている構成としてもよい。
【0030】
上記本発明のインクジェット記録装置によれば、反応剤(金属イオン)の濃度が比較的高いインクが導入された吐出口列から反応剤の濃度が比較的低いインクが導入された吐出口列へ順次ワイピングが行われるので、ワイパに先に染み込んだ反応剤の濃度が比較的高いインクは、その後に染み込む反応剤の濃度が比較的低いインクによって薄められ、ワイパの少なくとも先端部(記録ヘッドの吐出口形成面に当接する部分)では反応剤の濃度が低くなり、反応剤の凝集物がワイパの先端表面に堆積することが容易に防止される。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、実施例を用いて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は、その要旨を逸脱しない限り、下記の実施例により限定されるものではない。
【0032】
<インクジェット記録装置の構成について>
図1は、後述する本発明の液体吐出ヘッド(以下、「記録ヘッド」ともいう。)を装着して適用することのできるインクジェット記録装置の一例を示す概略斜視図である。
【0033】
図1において、符号101はインクジェット記録ヘッドである。この記録ヘッド101は、駆動モータ102の正逆回転に連動して駆動力伝達103および104を介して回転するリードスクリュー105の螺旋溝106に対して係合するキャリッジ107上に搭載されており、駆動モータ102の動力によってキャリッジ107とともにガイド108に沿って矢印aおよびb方向に往復移動される。図示しない記録媒体搬送装置によってプラテン109上を搬送されるプリント用紙P(記録媒体)の紙押さえ板110は、キャリッジ移動方向にわたってプリント用紙Pをプラテン109に対して押圧する。
【0034】
上記のリードスクリュー105の一端の近傍には、フォトカプラ111および112が配設されている。これらはキャリッジ107のレバー107aのこの域での存在を確認して駆動モータ102の回転方向切り替え等を行うためのホームポジション検知手段である。図において、符号113は上述のインクジェット記録ヘッド101の吐出口のある前面を覆うキャップ部材114を支持する支持部材である。また、符号115はキャップ部材114の内部にヘッド101から空吐出等されて溜まったインクを吸引するインク吸引手段である。この吸引手段115によりキャップ内開口部116を介してヘッド101の吸引回復が行われる。符号117はクリーニングワイパであり、符号118はワイパ117を移動させる移動部材であり、ワイパ117および移動部材118は本体支持体119に支持されている。上記のワイパ117はこの形態に限らず、他の周知のクリーニングワイパであってもよい。符号120は吸引回復操作にあたって、吸引を開始するためのレバーであり、キャリッジ107と係合するカム121の移動に伴って移動し、駆動モータ102からの駆動力がクラッチ切り替え等の公知の伝達手段で移動制御される。上記記録ヘッド101に設けられた発熱体(不図示)に信号を付与したり、前述した各機構の駆動制御を司ったりするインクジェット記録制御部は装置本体側に設けられており、ここには図示しない。
【0035】
上述の構成を有するインクジェット記録装置100は、図示しない記録媒体搬送装置によりプラテン109上を搬送されるプリント用紙P(記録媒体)に対し、記録ヘッド101がプリント用紙Pの全幅にわたって往復移動しながら記録を行う。
【0036】
<液体吐出ヘッドの構成について>
図2は本発明の液体吐出ヘッドの1つの実施の形態を液流路方向で切断した断面図で示すとともに、液流路内の特徴的な現象を(a)〜(f)の工程に分けて示したものである。
【0037】
本形態の液体吐出ヘッドでは、液体を吐出するための吐出エネルギー発生素子として、液体に熱エネルギーを作用させる発熱体52が平滑な素子基板51に設けられており、素子基板51上に発熱体52に対応して液流路10が配されている。液流路10は吐出口18に連通していると共に、複数の液流路10に液体を供給するための共通液室13に連通しており、吐出口18から吐出された液体に見合う量の液体をこの共通液室13から受け取る。符号Mは吐出液が形成するメニスカスを表し、メニスカスMは、吐出口18及びそれに連通する液流路10の内壁によって発生する毛細管力によって通常負圧である共通液室13の内圧に対して、吐出口18近傍でつり合っている。
【0038】
液流路10は、発熱体52を備えた素子基板51と天板50が接合されることで構成されており、発熱体52と吐出液との接する面の近傍領域には、発熱体52が急速に加熱されて吐出液に発泡を生じさせる気泡発生領域11が存在する。この気泡発生領域11を有する液流路10に可動部材31の少なくとも一部が発熱体52と対面するように配されている。この可動部材31は吐出口18に向かう下流側に自由端32を有すると共に、上流側に配置された支持部材34に支持されている。特に本形態では、上流側へのバック波及び液体の慣性力に影響する、気泡の上流側半分の成長を抑制するため、自由端32が気泡発生領域11の中央付近に配されている。そして可動部材31は気泡発生領域11で発生する気泡の成長に伴い、支持部材34に対して変位可能である。この変位するときの支点33は支持部材34における可動部材31の支持部となっている。
【0039】
気泡発生領域11の中央上方にはストッパ(規制部)64が位置していて、気泡の上流側半分の成長を抑制するために可動部材31の変位をある範囲で規制している。共通液室13から吐出口18への流れにおいて、ストッパ64を境に上流側に、液流路10と比較して相対的に流路抵抗の低い低流路抵抗領域65が設けられている。この領域65における流路構造は上壁がなかったり流路断面積が大きいことなどで、液の移動に対し流路から受ける抵抗を小さくしている。
【0040】
以上の構成により、変位した可動部材31とストッパ64との接触によって、気泡発生領域11を有する液流路10が吐出口18を除いて、実質的に閉じた空間になるという従来にない特徴的なヘッド構造を提案している。
【0041】
次に、本形態の液体吐出ヘッドの吐出動作について詳しく説明する。
【0042】
図2(a)では、発熱体52に電気エネルギー等のエネルギーが印加される前の状態であり、発熱体が熱を発生する前の状態を示す。ここで重要なことは、可動部材31が、発熱体52の発熱によって発生する気泡に対し、この気泡の上流側半分に対面する位置に設けられており、かつ、可動部材31の変位を規制するストッパ64が気泡発生領域11の中央上方に設けられていることである。つまり、液流路構造と可動部材の配置位置とによって、気泡の上流側半分が可動部材31に押え込まれるようになっている。
【0043】
図2(b)では、気泡発生領域11内を満たす液体の一部が発熱体52によって加熱され、膜沸騰に伴う気泡40がほぼ最大に成長した状態を示す。このとき、気泡40の発生に基づく圧力波が液流路10内に伝播し、それに伴い液体は気泡発生領域の中央領域を境に下流側及び上流側に移動し、上流側においては気泡40の成長に伴う液の流れにより可動部材31が変位し、下流側においては吐出口18から吐出滴66が吐出しつつある。ここで、上流側すなわち共通液室13方向への液体の移動は、液体の移動に対し流路からの抵抗が下流側に比較して低くなっていて液体流動がしやすい領域である低流路抵抗領域65によって大きな流れとなるが、可動部材31はストッパ64に接近または接触するまで変位すると、それ以上の変位が規制されるため、上流方向への液体の移動もそこで大きく制限される。それに伴い気泡40の上流側への成長も可動部材31で制限される。これにより、流路の気泡発生領域よりも上流側における最大流路抵抗を形成し、気泡の上流側の成長を略一定化している。この構成により、吐出液滴の形成をより安定したものにでき、かつ、応答周波数依存特性自体を改善できるようにしている。
【0044】
また、この時、上流方向への液体の移動力は大きいため、可動部材31は上流方向へ引っ張られた形の応力を大きく受けている。さらに、可動部材31で成長を制限された気泡40の一部は、液流路10を形成する両側壁と可動部材31の側部との僅かな間隙を通り、可動部材31の上面側に隆起している。この隆起した気泡を本明細書では「隆起気泡(41)」と呼ぶこととする。
【0045】
この状態において、可動部材31に対して吐出口側への液流路の全体形状は、上流側から下流側に向かって広がってゆく構造となっている。
【0046】
本形態においては、気泡40の吐出口側の部分と吐出口との間は液流に対しまっすぐな流路構造を保っている「直線的連通状態」となっている。これは、より好ましくは、気泡の発生時に生じる圧力波の伝播方向とそれに伴う液体の流動方向と吐出方向とが直線的に一致させることで、吐出滴66の吐出方向や吐出速度等の吐出状態をきわめて高いレベルで安定化させるという理想状態を形成することが望ましい。本発明では、この理想状態を達成、または近似させるための一つの定義として、吐出口18と発熱体52、特に気泡の吐出口側に影響力を持つ発熱体の吐出口側(下流側)とが直接直線で結ばれる構成とすればよく、これは、流路内の流体がない状態であれば、吐出口の外側から見て発熱体、特に発熱体の下流側が観察することが可能な状態である。
【0047】
一方、前述したように気泡40の上流側の部分は可動部材31の変位がストッパ64によって規制されているため、上流側への液流の慣性力によって可動部材31を上流側へ凸形状に湾曲させ応力をチャージさせるまでにとどまった状態で小さなサイズになっている。この部分全体としては、ストッパ部及び液流路仕切壁53と可動部材31と支点33とで上流側の領域に進入する量をほとんど無にしている。(ただし、可動部材31と液流路仕切壁53との間隙で10μm以下のスペースに対する部分隆起気泡は許容する。)
これによって、上流側への液流を大幅に規制し、隣接したノズルへの流体クロストークや、後述する高速リフィルを阻害する供給路系における液の逆流や圧力振動を防止する。
【0048】
図2(c)では、前述した膜沸騰の後に気泡内部の負圧が液流路内の下流側への液体の移動に打ち勝って、気泡40の収縮が開始された状態を示す。この時点では、気泡成長による液体の上流方向への力が大きく残るため、気泡40の収縮開始後一定の間は可動部材31は未だストッパ64に接触された状態であり、気泡40の収縮の多くは吐出口18から上流方向への液移動力を生じさせる。図2(b)の状態で、可動部材31は上流側へ凸形状に湾曲した応力チャージ状態であったため、図2(c)では、可動部材自身としては応力を開放する側すなわち上流側から液流を引き戻し上流方向に対し凹形状になろうとする力が発生する。このため、ある時点から前述した上流方向への液の移動力にこの上流方向からの可動部材の引き戻し力が打ち勝ってわずかながらに上流側から吐出口側への流れを生じさせ始め、可動部材31も撓みが減じ、上流方向に凹形状への変位が始まる。すなわち、一時的に液流路内の液体がトータルとして吐出口方向に一方的に向う流れが生じるという、気泡40の上流側と下流側でのアンバランス状態が発生するのである。
【0049】
その直後のタイミングでは、液流路内全体としては、いまだ変位した可動部材31とストッパ64との接触によって、気泡発生領域11を有する液流路10が吐出口18を除いて、実質的に閉じた空間になっているため、気泡40の収縮エネルギーは全体バランスとして吐出口18近傍の液体を上流方向へ移動させる力として強く働く。したがって、メニスカスMはこの時点で吐出口18から液流路10内に大きく引き込まれ、吐出液滴66と繋がっている液柱を強い力ですばやく切り離すことになる。その結果、図2(d)に示すように、吐出口18の外側にとり残される液滴すなわちサテライト(副滴)67が少なくなる。
【0050】
図2(d)では、消泡工程がほぼ終了し吐出液滴66とメニスカスMが分断された状態を示す。低流路抵抗領域65では液体の上流方向の移動力に対し可動部材31の反発力と気泡40の消泡による収縮力によって、可動部材31の下方変位とそれに伴う低流路抵抗領域65での下流方向への流れとが開始され、可動部材31とストッパ64との近接または接触状態が開放し始める。これに伴い低流路抵抗領域65での下流方向への流れは流路抵抗が小さい為、急速に大きな流れとなってストッパ64部分を介し液流路10へ流れ込む。これにより、メニスカスMを液流路10内へと急速に引き込む流れが急に低下するため、メニスカスMは吐出口18から外側に残った、または吐出口18方向に凸になっている液柱部分をできるだけ分離させず取り込みながら比較的低速で発泡前の位置へ戻り始める。特に、メニスカスMの復帰の流れと上流からのリフィルとが合流することで吐出口18〜ヒータ2間で流速がほとんどゼロの領域を形成することでメニスカスの収束性が良い。これはインクの粘度や表面張力にもよるが、本発明によれば、この液柱が分離しサテライトとなって印字物に付着し画品位を低下させたり、オリフィス近傍に付着し吐出方向に悪影響を及ぼしたり、吐出不良を引き起こしたりするものを激減させることができる。
【0051】
また、メニスカスM自身も大きく液流路内に引き込まれる以前に復帰を開始するので、液移動速度自体はそれほど大きくなくても短時間で復帰を果たすため、メニスカスのオーバーシュート、すなわち吐出口18で停止せず吐出口18の外側への凸形状となる量を低減し、オーバーシュートに引き続いて発生する吐出口18を収束点とした減衰振動現象を極めて短時間で終了させることができる。この減衰振動現象も印字品位に悪影響を及ぼすため、本発明は安定的な高速印字を可能としている。
【0052】
また、前述した可動部材31とストッパ64の間の部分を介した液流路10への流れ込みは図2(d)に示すように天板50側の壁面での流速を高めるため、この部分での微少泡などの残留も極めて少なく、吐出の安定性に寄与している。
【0053】
一方、吐出滴66に対し直後に存在するサテライト67の中には図2(c)における急速なメニスカス引き込みによって吐出滴と極めて近接しているものもあり、吐出滴66の飛翔の後方に生じる空気の渦により吐出滴に引き寄せられる力を受ける現象、いわゆるスリップストリーム現象が発生する。
【0054】
この現象について詳しく説明する。旧来からの液体吐出ヘッドでは吐出口から液体が吐出された瞬間に液滴が球体を形成することはなく、先端に球状部を持つ液柱に近い状態で吐出される。そして、尾引きの部分が主滴とメニスカスの両方に引っ張られてメニスカスより切り離されたときに尾引きの部分からサテライトドットが形成され、主滴と共に被記録体へ飛翔することが知られている。サテライトドットは主滴よりも後から飛翔するため、メニスカスにも引っ張られていた分だけ吐出速度が低く、その着弾位置が主滴とずれて、印字品位が劣化してしまう。本発明による液体吐出ヘッドでは、前述のようにメニスカスを後退させる力が旧来の液体吐出ヘッドよりも大きいため、主滴が吐出した後の尾引き部分を引っ張る力が強く、尾引き部分とメニスカスを切り離す力が強くなってこの切り離すタイミングも早くなる。したがって、尾引き部分から形成されるサテライトドットが小さくなり、また主滴とサテライトドットとの距離が短くなる。さらに、尾引き部分がいつまでもメニスカスに引っ張られ続けないため、吐出速度が低下せず、吐出滴66の後方でいわゆるスリップストリーム現象によりサテライト67が引き寄せられる。
【0055】
図2(e)では図2(d)の状態がさらに進んだ状態を示す。サテライト67はさらに吐出滴66に近接し同時に引き寄せられ、スリップストリーム現象による引き力も増大する。一方、上流側から吐出口18方向への液体移動は、気泡40の消泡工程完了と可動部材31の変位オーバーシュートで初期位置より下方に変位することで上流側からの液体の引き込みと吐出口18方向への液体の押し出し現象を生じさせる。しかも、ストッパ64が存在する液流路の断面積拡大によって吐出口18方向への液流れが増大し、メニスカスMの吐出口18への復帰が加速する。この事により、本形態におけるリフィル特性は飛躍的に向上する。
【0056】
また、気泡の消滅時に発生するキャビテーション発生時は可動部材31の下方変位によって消泡点と吐出口18が区分されるため、キャビテーションによる衝撃波が吐出口18に直接伝達されず可動部材31に多く吸収されるため、キャビテーションによる衝撃波がメニスカスに到達してメニスカスからマイクロドットと呼ばれる微小液滴が発生するがほとんどなくなるため、マイクロドットが印刷物に付着して画品位を低下させたり、吐出口18近傍に付着して吐出を不安定にさせたりする現象が激減するのである。
【0057】
さらに、消泡によるキャビテーション発生ポイントも可動部材31により支点33側にずれるため、ヒータ2に対するダメージが少なくなる。また、可動部材31とヒーター2間での増粘インクの強制的な移動を引き起こし、この閉域から排除することで吐出耐久性が向上する。同時に、同現象によりこの領域でのヒータへのこげの付着も少なくなる為、吐出安定性が向上する。
【0058】
図2(f)では、図2(e)の状態がさらに進み、サテライト67が吐出滴66にとり込まれた状態を示す。この吐出滴66とサテライト67の合体は他の実施形態でも吐出毎に必ずしも起きる現象ではなく、条件によって起きる場合と起きない場合がある。しかし、サテライトの量を少なくとも減少または消滅させることで、主滴とサテライトドットとの着弾位置が被記録体上で殆どずれず印字品位に与える影響が極めて小さくなる。すなわち、画像のシャープネスを高め印字品位を向上させるとともに、ミストとなって印字媒体や記録装置内を汚すなどの弊害を低減することができる。
【0059】
一方、可動部材31はそのオーバーシュートの反動で再びストッパ64の方向への変位を生じる。これは可動部材31の形状及びヤング率、液流路内の液体の粘度、比重で決まる減衰振動により収束し、最終的には初期位置で停止する。
【0060】
可動部材31の上方変位によって共通液室13側から吐出口18方向への液体の流れは制御され、メニスカスMの動きは吐出口近傍ですみやかに収束する。よって、メニスカスのオーバーシュート現象などの、吐出状態を不安定にし印字品位を低下する要因を大きく低減することができる。
【0061】
なお、本発明が適用されるのは上記のような構成の液体吐出ヘッドに限られず、例えば、発熱体上に発生した気泡が吐出口を介して大気中に連通するように構成された液体吐出ヘッドや、吐出エネルギー発生手段としてピエゾ素子等の電気機械変換素子を用いた液体吐出ヘッドにも適用することが可能である。
【0062】
<記録ヘッドの吐出口列の構成について>
図3〜図5は、本発明を具現化する各種記録ヘッドの吐出口列の構成例を示す概略図である。なお、各図とも、記録用紙の印字面に対して記録ヘッドを透視した状態で示されている。
(1)記録ヘッド1
図3に示すように、記録ヘッド1は、第1のインクとしてのブラックインク用の吐出口列Bk1と、カラーインク用の吐出口列C1,C2,C3とが、副走査方向に並列に配置されている。各吐出口列C1,C2,C3は、互いに異なる色のカラーインクを吐出するようにされており、主走査方向に一列に並べられている。ブラック用の吐出口列Bk1の幅は、3つのカラー用の吐出口列C1,C2,C3が一列に並べられた長さとほぼ同じ長さを有している。
【0063】
このように構成された記録ヘッド1は、ブラックの印字速度と記録ヘッドの製造コストとを優先させたインクジェット記録ヘッドの代表的な形態である。
(2)記録ヘッド2
図4に示すように、記録ヘッド2は、第1のインクとしてのブラックインク用の吐出口列Bk2およびカラーインク用の吐出口列C4,C5,C6が副走査方向に並列に配置されている。各吐出口列Bk2,C4,C5,C6は、互いに同じ幅を有している。
【0064】
このように構成された記録ヘッド2は、ブラック、カラー共に印字速度を重視したインクジェット記録ヘッドの代表的な形態である。
(3)記録ヘッド3
図5に示すように、記録ヘッド3は、第1のインクとしてのブラックインク用の吐出口列Bk3およびカラーインク用の5つの吐出口列C7〜C11が副走査方向に並列に配置されている。カラーインク用の吐出口列C7〜C11は互いに同じ幅を有しているのに対し、ブラックインク用の吐出口列Bk3は、これらのカラーインク用吐出口列C7〜C11のほぼ2倍の幅を有している。
【0065】
このような記録ヘッド3の構成によれば、ブラックの印字速度を向上できることに加え、C7とCll、C8とClOにそれぞれ同色のインクを用いることにより、記録ヘッド3の走査方向が往復いずれの方向であっても記録用紙上へ吐出するカラーインクの色順序を同じにすることができる。すなわち、記録ヘッド3が図示a方向に走査されるときにはC7,C8,C9の順にカラーインクの吐出を行い、記録ヘッド3が図示b方向に走査されるときにはC11,C10,C9の順にカラーインクの吐出を行うことで、記録用紙上へ吐出するカラーインクの色順序を同じにすることができる。
【0066】
この記録ヘッド3によれば、往方向走査時と復方向走査時とで記録用紙上へ吐出するカラーインクの色順序が異なる他の記録ヘッド(例えば図4の記録ヘッド2)とは異なり、走査方向を切り替える毎に記録用紙上でのインク同士の重ね合わせ順序が異なることで発色に違いが生じることがなくなるので、良好な往復印字が可能になり、カラー印字の高速化を図ることができる。
【0067】
記録ヘッド3を用いて記録媒体上に印字を行う際に、ブラック印字のみを行う場合には、ブラック吐出口列Bk3の全幅を駆動して印字動作の高速化を図る。一方、ブラック印字とカラー印字とを混在させて行う場合には、ブラック吐出口列Bk3のうち、各カラー用ノズルC7〜C11よりも排紙方向に関して上流側の半幅分の部分(図5におけるA部分)のみを用いて、カラー印字に先行してブラック印字を行い、ブラック印字領域を形成する。そして、記録媒体を排紙方向にブラック吐出口列Bk3の半幅分だけ搬送し、先のブラック印字領域に対してカラー印字を行う。
【0068】
<インクについて>
(1)ブラックインクについて
ブラックインク中の黒色顔料としては、例えばカーボンブラックが好適に用いられる。そして、カーボンブラックをインク中で分散させる形態としては、自己分散型の形態であっても、分散剤による形態であってもよい。
【0069】
(自己分散型カーボンブラック)
自己分散型のカーボンブラックとしては、例えば、少なくとも1つの親水性基(アニオン性基やカチオン性基)がイオン性基としてカーボンブラック表面に直接、若しくは他の原子団を介して結合しているカーボンブラックが挙げられる。これを用いることによって、カーボンブラックを分散させるための分散剤の添加が削減あるいは不要となる。
【0070】
アニオン性基を表面に直接もしくは他の原子団を介して結合しているカーボンブラックの場合、表面に結合されている親水性基の例として、例えば、−COO(M2)、−SO3(M2)、−PO3H(M2)、−PO3(M2)2等を挙げることができる。なお上記式中、「M2」は水素原子、アルカリ金属、アンモニウム又は有機アンモニウムを表わす。これらの中で特に、−COO(M2)、−SO3(M2)がカーボンブラック表面に結合してアニオン性に帯電せしめた自己分散型カーボンブラックは、インク中での分散性が良好な為、本発明において特に好適に用い得るものである。ところで上記親水性基中、「M2」として表わしたもののうち、アルカリ金属の具体例としては、例えばLi、Na、K、RbおよびCs等が挙げられ、また有機アンモニウムの具体例としては例えばメチルアンモニウム、ジメチルアンモニウム、トリメチルアンモニウム、エチルアンモニウム、ジエチルアンモニウム、トリエチルアンモニウム、メタノールアンモニウム、ジメタノールアンモニウム、トリメタノールアンモニウム等が挙げられる。そしてM2をアンモニウム或いは有機アンモニウムとした自己分散型カーボンブラックを含む本実施例のインクは、記録画像の耐水性をより向上させることができ、この点において特に好適に用いることのできるものである。これは当該インクが記録媒体上に付与されると、アンモニウムが分解し、アンモニアが蒸発する影響によるものと考えられる。ここでM2をアンモニウムとした自己分散型カーボンブラックは、例えばM2がアルカリ金属である自己分散型カーボンブラックをイオン交換法を用いてM2をアンモニウムに置換する方法や酸を加えてH型とした後に水酸化アンモニウムを添加してM2をアンモニウムにする方法等が挙げられる。
【0071】
アニオン性に帯電している自己分散型カーボンブラックの製造方法としては、例えばカーボンブラックを次亜塩素酸ソーダで酸化処理する方法が挙げられ、この方法によってカーボンブラック表面に−COONa基を化学結合させることができる。
【0072】
ところで上記した様な種々の親水性基は、カーボンブラックの表面に直接結合させてもよい。或いは他の原子団をカーボンブラック表面と該親水性基との間に介在させ、該親水性基をカーボンブラック表面に間接的に結合させても良い。ここで他の原子団の具体例としては例えば炭素原子数1〜12の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキレン基、置換もしくは未置換のフェニレン基、置換もしくは未置換のナフチレン基が挙げられる。ここでフェニレン基およびナフチレン基の置換基としては例えば炭素数1〜6の直鎖状または分岐鎖状のアルキル基が挙げられる。また他の原子団と親水性基の組合わせの具体例としては、例えば−C2H4COO(M2)、−Ph−SO3(M2)、−Ph−COO(M2)等(但し、Phはフェニル基を表す)が挙げられる。
【0073】
ところで本発明において上記した自己分散型カーボンブラックの中から2種若しくはそれ以上を適宜選択したインクの色材に用いてもよい。またインク中の自己分散型カーボンブラックの添加量としてはインク全重量に対して、0.1〜15重量%、特には1〜10重量%の範囲とすることが好ましい。この範囲とすることで自己分散型カーボンブラックはインク中で十分な分散状態を維持することができる。更にインクの色調の調製等を目的として、自己分散型カーボンブラックに加えて染料を色材として添加してもよい。
【0074】
(通常のカーボンブラック)
またブラックインク用の色材としては、自己分散型でない、通常のカーボンブラックを用いることもできる。このようなカーボンブラックとしては例えば、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック顔料で、例えば、レイヴァン(Raven)7000、レイヴァン5750、レイヴァン5250、レイヴァン5000ULTRA−、レイヴァン3500、レイヴァン2000、レイヴァン1500、レイヴァン1250、レイヴァン1200、レイヴァン1190ULTRA−II、レイヴァン1170、レイヴァン1255(以上コロンビア社製)、ブラックパールズ(Black Pearls)L、リーガル(Regal)400R、リーガル330R、リーガル660R、モウグル(Mogul)L、モナク(Monarch)700、モナク800、モナク880、モナク900、モナク1000、モナク1100、モナク1300、モナク1400、ヴァルカン(Valcan)XC−72R(以上キャボット社製)、カラーブラック(Color Black)FW1、カラーブラックFW2、カラーブラックFW2V、カラーブラックFW18、カラーブラックFW200、カラーブラックS150、カラーブラックS160、カラーブラックS170、プリンテックス(Printex)35、プリンテックスU、プリンテックスV、プリンテックス140U、プリンテックス140V、スペシャルブラック(Special Black)6、スペシャルブラック5、スペシャルブラック4A、スペシャルブラック4(以上デグッサ社製)、No.25、No.33、No.40、No.47、No.52、No.900、No.2300、MCF−88、MA600、MA7、MA8、MA100(以上三菱化学社製)等を使用することができるが、これらに限定されるものではなく従来公知のカーボンブラックを使用することが可能である。また、マグネタイト、フェライト等の磁性体微粒子やチタンブラック等を黒色顔料として用いても良い。
【0075】
そしてこのような通常型のカーボンブラックをブラックインクの色材として用いる場合には、これを水性媒体に安定して分散させるために分散剤をインク中に添加することが好ましい。分散剤としては例えばイオン性基を有し、その作用によってカーボンブラックを水性媒体に安定に分散させることのできるものが好適に用いられ、そのような分散剤としては、例えば分散剤として具体的には、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−アクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−マレイン酸ハーフエステル共重合体、ビニルナフタレン−アクリル酸共重合体、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合体、スチレン−無水マレイン酸−マレイン酸ハーフエステル共重合体、あるいは、これらの塩等が挙げられる。この中で重量平均分子量が1000から30000の範囲のものが好ましく、更に好ましくは3000から15000の範囲である。
【0076】
(ブラックインクが有する塩について)
ブラックインク中に、塩を共存させることによって、記録媒体の種類によって画像品質が大きく変化することがなく、また濃度の極めて高い、高品位の画像を安定的に形成することのできるインクとすることができる。
【0077】
また、インク中に塩を共存させることで、同一ドキュメント内のブラック領域内に、ブラックインクのみで形成した部分とカラーインクとブラックインクとの混合によって形成した部分とが混在した場合にも、ブラックの画像濃度が互いに異なることがなく、視覚的に違和感のない画像を形成することが可能となる。
【0078】
本発明に係るブラックインクが有する塩としては、(M1)2SO4、CH3COO(M1)、Ph−COO(M1)、(M1)NO3、(M1)Cl、(M1)Br、(M1)I、(M1)2SO3および(M1)2CO3から選ばれる少なくとも一つを用いることが好ましい。ここで、「M1」はアルカリ金属、アンモニウムまたは有機アンモニウムを表し、Phはフェニル基を表す。そしてアルカリ金属の具体例としては例えばLi、Na、K、Rb、Cs等が挙げられ、また有機アンモニウムの具体例としては例えばメチルアンモニウム、ジメチルアンモニウム、トリメチルアンモニウム、エチルアンモニウム、ジエチルアンモニウム、トリエチルアンモニウム、トリメタノールアンモニウム、ジメタノールアンモニウム、トリメタノールアンモニウム、エタノールアンモニウム、ジエタノールアンモニウムおよびトリエタノールアンモニウム等が挙げられる。そして上記した塩の中でも硫酸塩(例えば硫酸カリウム等)、安息香酸塩(例えば安息香酸アンモニウム)は自己分散型カーボンブラックとの相性が良く、具体的には記録媒体に付与したときの固液分離効果が特に優れるためか、種々の記録媒体に特に優れた品質のインクジェット記録画像を形成することができる。
【0079】
本発明にかかるブラックインク中の色材、例えば自己分散型カーボンブラックの含有量としては、インク全重量に対して、0.1〜15重量%、特には1〜10重量%の範囲とすることが好ましい。また塩の含有量としてはインク全重量に対して0.05〜10重量%、特には0.1〜5重量%の範囲とすることが好ましい。ブラックインク中の色材および塩の含有量を上記の範囲とすることでより一層優れた効果を享受できる。
【0080】
(ブラックインクにおける水性媒体)
本発明に係るブラックインクに用いられる水性媒体の例としては、例えば、水、或いは水と水溶性有機溶剤との混合溶媒が挙げられる。水溶性有機溶媒としては、インクの乾燥防止効果を有するものが特に好ましい。具体的には例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール等の炭素数1〜4のアルキルアルコール類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類;アセトン、ジアセトンアルコール等のケトンまたはケトアルコール類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコール類;エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2,6−ヘキサントリオ−ル、チオジグリコール、ヘキシレングリコール、ジエチレングリコール等のアルキレン基が2〜6個の炭素原子を含むアルキレングリコール類;ポリエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート等の低級アルキルエーテルアセテート;グリセリン;エチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル、ジエチレングリコールメチル(又はエチル)エーテル、トリエチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル等の多価アルコールの低級アルキルエーテル類;トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン等の多価アルコール;N−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等が挙げられる。上記のごとき水溶性有機溶剤は、単独でもあるいは混合物としても使用することができる。水としては脱イオン水を使用することが望ましい。
【0081】
本発明に係るブラックインク中に含有される水溶性有機溶剤の含有量は特に限定されないが、インク全重量に対して、好ましくは3〜50wt%の範囲が好適である。又、インクに含有される水の含有量はインク全重量に対して好ましくは50〜95重量%の範囲である。
【0082】
(インク特性;特にインクジェット吐出特性、記録媒体への浸透性について)本発明に係るブラックインクは、筆記具用インクやインクジェット記録用インクに用いる事ができる。インクジェット記録方法としては、インクに力学的エネルギーを作用させ、液滴を吐出する記録方法、およびインクに熱エネルギーを加えてインクの発泡により液滴を吐出する記録方法があり、それらの記録方法に本発明のインクは特に好適である。ところで本発明に係るブラックインクをインクジェット記録用に用いる場合には、該インクはインクジェットヘッドから吐出可能である特性を有する事が好ましい。インクジェットヘッドからの吐出性という観点からは、該液体の特性としては、例えばその粘度を1〜15cps、表面張力が25mN/m(dyne/cm)以上、特には粘度を1〜5cps、表面張力が25〜50mN/m(dyne/cm)とすることが好ましい。
【0083】
またインクの記録媒体への浸透性を表わす尺度として、ブリストウ法によって求められるKa値がある。即ち、インクの浸透性を1m2あたりのインク量Vで表わすと、インク滴を吐出してから所定時間tが経過した後におけるインクの記録媒体への浸透量V(ml/m2=μm)は、下記に示すブリストウの式によって示される。
【0084】
V=Vr+Ka(t−tw)1/2
ここでインク滴が記録媒体表面に付着した直後には、インクは記録媒体表面の凹凸部分(記録媒体の表面の荒さの部分)において吸収されるのが殆どで、記録媒体内部へは殆ど浸透していない。その間の時間がコンタクトタイム(tw)、コンタクトタイムに記録媒体の凹凸部に吸収されたインク量がVrである。そしてインクが付着した後、コンタクトタイムを越えると、該コンタクトタイムを越えた時間、即ち(t−tw)の1/2乗べきに比例した分だけ記録媒体への浸透量が増加する。Kaはこの増加分の比例係数であり、浸透速度に応じた値を示す。そしてKa値はブリストウ法による液体の動的浸透性試験装置(例えば、東洋精機製作所製の動的浸透性試験装置S)等を用いて測定可能である。そして前記した本発明の各実施態様にかかるインクにおいて、このKa値を1.5未満とすることは記録画像品質をより一層向上させるうえで好ましく、更に好ましくは0.2以上1.5未満である。即ちKa値が1.5未満である場合に、インクの記録媒体への浸透過程の早い段階で固液分離が起こり、フェザリングが極めて少ない高品質な画像を形成することができると思われる。なお本発明におけるブリストウ法によるKa値は、普通紙(例えばキヤノン株式会社製の、電子写真方式を用いた複写機やページプリンタ(レーザビームプリンタ)やインクジェット記録方式を用いたプリンタ用として用いられるPB紙や電子写真方式を用いた複写機用の紙であるPPC用紙等)を記録媒体として用いて測定した値である。また測定環境としては通常のオフィス環境、例えば温度20〜25℃、湿度40〜60%を想定している。
【0085】
そして、上記したような特性を担持させられる好ましい水性媒体の組成としては、例えばグリセリン、トリメチロールプロパン、チオジグリコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、イソプロピルアルコール、およびアセチレンアルコールを含むものとする事が好ましい。
(2)カラーインクについて
本発明に係るカラーインクに用いることのできる色材としては、公知の染料や顔料を用いることができる。染料としては例えば酸性染料、直接染料、等を用いることができる。たとえばアニオン性染料としては、既存のものでも、新規に合成したものでも適度な色調と濃度を有するものであれば、たいていのものを用いることができる。またこれらのうちいずれかを混合して用いることも可能である。
【0086】
アニオン性染料の具体例を以下に挙げる。
【0087】
▲1▼イエロー用の色材
C.I.ダイレクトイエロー 8、11、12、27、28、33、39、44、50、58、85、86、87、88、89、98、100、110、132
C.I.アシッドイエロー 1、3、7、11、17、23、25、29、36、38、40、42、44、76、98、99
C.I.リィアクティブイエロー 2、3、17、25、37、42
C.I.フードイエロー 3
▲2▼レッド用の色材
C.I.ダイレクトレッド 2、4、9、11、20、23、24、31、39、46、62、75、79、80、83、89、95、197、201、218、220、224、225、226、227、228、229、230
C.I.アシッドレッド 6、8、9、13、14、18、26、27、32、35、42、51、52、80、83、87、89、92、106、114、115、133、134、145、158、198、249、265、289
C.I.リィアクティブレッド 7、12、13、15、17、20、23、24、31、42、45、46、59
C.I.フードレッド 87、92、94
▲2▼ブルー用の色材
C.I.ダイレクトブルー 1、15、22、25、41、76、77、80、86、90、98、106、108、120、158、163、168、199、226
C.I.アシッドブルー 1、7、9、15、22、23、25、29、40、43、59、62、74、78、80、90、100、102、104、117、127、138、158、161
C.I.リィアクティブブルー 4、5、7、13、14、15、18、19、21、26、27、29、32、38、40、44、100
▲3▼ブラック用色材
C.I.ダイレクトブラック 17、19、22、31、32、51、62、71、74、112、113、154、168、195
C.I.アシッドブラック 2、48、51、52、110、115、156
C.I.フードブラック1、2
(溶剤)
上記したようなカラーインク用の色材を含むインク溶媒または分散媒としては例えば水、或いは水と水溶性有機溶媒が挙げられる。そして水溶性有機溶媒としては前記ブラックインクにて記載したのと同様なものが挙げられる。また該カラーインクをインクジェット法(例えばバブルジェット法等)で記録媒体に付着せしめる場合には、前述したように優れたインクジェット吐出特性を有するようにインク所望の粘度、表面張力を有するように調製する事が好ましい。
【0088】
(色材の含有量)
ここに記載するカラーインク中の色材の含有量は、例えばインクジェット記録に用いる場合には該インクが優れたインクジェット吐出特性を備え、また所望の色調や濃度を有するように適時選択すれば良いが、目安としては例えばインク全重量に対して3〜50wt%の範囲が好ましい。またブラック画像の視覚的な均一性を重視する場合には、先に述べた様にカラーインク中の染料の濃度を、カラーインクの重量の10wt%以下とすることが特に好ましい。またインクに含有される水の量はインク全重量に対して50〜95wt%の範囲が好ましい。
【0089】
(カラーインクの浸透性)
上記したようなカラーインクに関して、Ka値を例えば5以上のインクとする事は記録媒体上に高品質なカラー画像を形成する事ができ、好ましい。即ちこのようなKa値を有するインクは記録媒体への浸透性が高い為、例えばイエロー、マゼンタおよびシアンから選ばれる少なくとも2つの色の画像を隣接して記録するような場合でも隣接する画像間で色のにじみ(ブリーディング)を抑える事ができ、またこれらのインクを重ね打ちして2次色の画像を形成する場合でも各々のインクの浸透性が高い為、隣接する異なる色の画像との間でブリーディングを有効に抑える事ができる。カラーインクのKa値をこのような値に調製する方法としては、例えば界面活性剤の添加、グリコールエーテル等の浸透性溶剤の添加等の従来公知の方法が適用できる。もちろん添加量は適時選択すれば良い。
【0090】
次に、本実施例で調製したインクについて説明する。なお、以下の記載で、部,%とあるものは、特に断らない限り重量基準である。
【0091】
はじめに、顔料分散体1の調製について説明する。
【0092】
(顔料分散体1)
比表面積が230m2/gでDBP吸油量が70ml/100gのカーボンブラック10gとp−アミノ−N−安息香酸3.41gとを水72g中に良く混合した後、これに硝酸1.62gを滴下して、70℃で撹拌した。ここに、数分後、5gの水に1.07gの亜硝酸ナトリウムを溶かした溶液を更に加え、更に1時間撹拌した。得られたスラリーを濾紙(アドバンティス社製の東洋遽紙No.2)で濾過し、濾取した顔料粒子を十分に水洗いし、90℃のオーブンで乾燥させ、更に、この顔料に水を足して顔料濃度10重量%の顔料水溶液を作製した。以上の方法により、カーボンブラックの表面に、以下のような構成の親水性基を導入した。
【0093】
【化1】
【0094】
次に、上記の顔料分散体1を用い、以下の成分割合でブラックインク1を調製した。
【0095】
上記のように調製されたブラックインクは、黒色色材であるカーボンブラックの表面に上記のような親水性基が導入されているため、黒色色材が高い分散性を有している。このブラックインクに対して、後述する金属イオンからなる反応剤を含む相互反応性カラーインクを混合させると、黒色色材の親水性基と金属イオンとが反応し、黒色色材の沈殿が生じる。これにより、黒色色材が、ブラックインクの印字領域に隣接する非反応性カラーインクの印字領域に移動することが防がれるので、ブラックインクの印字領域と非反応性カラーインクの印字領域との間に生じるブリードが低減される。
【0096】
また、以下の成分を混合して各色のカラーインク(イエローインク1、マゼンダインク1、シアンインク1)を調製した。調製の際には、十分に撹拌して成分を水に溶解させた後、富士フィルム社製のポアサイズ3.0μmのミクロフィルターにて加圧濾過した。
【0097】
上記のシアンインク1に対して下記の表1に示す量の硝酸マグネシウムを添加し、シアンインク2,3を作成した。ただし、硝酸マグネシウムの添加量にあわせて水分量を調整し、他の成分の濃度が元のシアンインク1と異ならないようにした。
【0098】
【表1】
【0099】
なお、本実施例では反応性カラーインクに添加する金属塩として硝酸マグネシウムを用い、反応性カラーインク中に金属イオンとしてマグネシウム2価イオン(Mg2+)を溶融させているが、反応性カラーインク中に溶融させる金属イオンには、これの他にも、Ca2+、Cu2+、Co2+、Ni2+、Fe2+、La3+、Nd3+、Y3+およびAl3+から選ばれる少なくとも1つの多価金属陽イオンを用いることができる。
【0100】
また、上記では反応性カラーインク中に0.30重量%または0.45重量%の金属塩(硝酸マグネシウム)を含ませているが、反応性カラーインク中に含ませる金属塩の濃度は0.1〜15重量%の範囲であればよい。
【0101】
<ブリード・白もやの評価について>
図3に示した記録ヘッド1の各吐出口列に、上記の各種インクを下記の表2に示す組み合わせ1〜5となるように導入し、キヤノン社製のインクジェットプリンタ(BJF800)の改造機を用いて、記録用紙に図6に示す3つの評価用の画像を記録した。
【0102】
【表2】
【0103】
このとき、ブラックインクは600×600dpi格子の吐出密度で1液滴当たり30ngの吐出量で吐出させ、カラーインクは1200×600dpi格子の吐出密度で1液滴当たり6.5ngの吐出量で吐出させた。また、このとき、ブラック印字領域には、以下の表3に示すデューティ[%]でカラーインクをアンダープリントした。
【0104】
【表3】
【0105】
なお、ブラックとカラーとを混在させて印字する際には、1回の紙送りの幅は1つのカラー吐出口列の幅の分だけであるので、ブラック印字には、ブラック吐出口列Bk1のうち、排紙方向(主走査方向)の上流側から1つのカラー吐出口列の幅の分だけ(図3中のB部分)のみを用いた。
【0106】
また、記録用紙には、各国に流通する数種類の普通紙(キヤノン社製PB用紙、キヤノン社製Brilliant White Paper、Union Camp社製Great White Inkjet、Hammermill社製Jet Print、Xerox社製Xerox 4024、Hewlett Packard社製Bright White Inkjet Paper、Aussdat Rey社製Rey Jet)を用い、各記録用紙に上記の条件で図6に示す3つのパターンをそれぞれ記録した。そして、それらのうち、各条件ごとに最もレベルが低いと判断した記録用紙のサンプルを用いて評価を行った。
【0107】
評価基準は、
○:ブリード・白もやの両方がほとんど気にならず実用上問題ないレベル
◎:ブリード・白もやの両方が気にならないレベル
とした。
【0108】
表4に評価結果を示す。
【0109】
【表4】
【0110】
上述したように、カラーインクに高い濃度の金属塩を含ませてブラックインクとの相互反応性を高めることは、ブリードや白もやを低減する観点からは好ましいものの、記録ヘッドのインク吐出面に付着したインクミスト中に含まれる金属イオンによってインク吐出面が劣化しやすくなったり、インク中に添加される金属塩の濃度が高くなることでインクの粘度が増し、インクの吐出安定性が低下してしまうため、信頼性の観点からは好ましくない。そのため、相互反応性インク中の金属イオン濃度をより低くしつつ、ブリードや白もやの低減を図ることができる形態が好ましい。
【0111】
表4に示す本実施例の結果から、条件1および条件4の場合にブリードおよび白もやについて良好な結果が得られることがわかる。ここで、条件1および条件4の場合の記録ヘッドの構成は、吐出口列C1から吐出されるインク中に含まれる金属イオンの濃度が一番高く、次に吐出口列C2、そして吐出口列C3の順に低くなっている。なお、隣接する吐出口列同士では金属イオン濃度が同じである場合もあるが、排紙方向(主走査方向)の下流側の吐出口列の金属イオン濃度が上流側のものよりも高くはなっていない。
【0112】
このように、各カラーインク吐出口列C1,C2,C3から吐出される各インク中に含まれる金属イオンの濃度は、ブラックインク吐出口列Bk1のうちのインク吐出部分(B部分)によるブラック印字との印字間隔がより短いほど高くなっている。これにより、反応性インク中の金属イオン濃度を全体として低くできるとともに、ブリードや白もやの低減を図ることができ、印字画像の高品位化と記録ヘッドの高信頼性化とを両立させることが可能となる。
【0113】
さらに、条件2、3、5においても、印字方法を変えることにより、ブリードおよび白もやに対して、非常に良好な結果を得られることも解った。
【0114】
その一つの方法として、金属イオン濃度が高い反応性インクを必ずBkインクよりも先に被記録媒体に付与するために、先に紙送りを行い、金属イオン濃度が高い反応性インクを付与した後、紙送りを戻し、Bkインクによる記録を行うような記録方法によっても、ブリードおよび白もやを低減できる。例えば、その他の条件を条件3と同じにして、この印字方法を適応すると、まず記録ヘッドの吐出口列C3が記録領域に記録できるまで記録媒体を送り、吐出口列C3による記録(Bk領域への塗布も含む)を行う。その後紙送りを逆転し、記録ヘッドの吐出口列Bk1のB部分および吐出口列C1で記録し、その後紙送りを行い、吐出口列C2で記録する。この場合を条件6とする。その評価結果を表5に示す。表5に示したように、ブリードおよび白もやに対しては良好な結果が得られているものの、このような記録方法では記録速度が条件3に対して非常に遅くなることが解る。
【0115】
【表5】
【0116】
また別の印字方法として、2パス記録以上のマルチパス記録を行うものがある。ここでマルチパス記録とは、記録領域に対して、各色のノズル列がn回スキャンして画像を形成するいわゆるマルチパス記録、分割記録のスキャン回数を記録パス数とし、パス数が増えると、それに合わせて、1スキャンあたりの記録デューティを減らし、n回で画像が完成するように各スキャンで補完しながら記録を行う記録方法である。このような方法では1スキャンでの記録媒体へのインクの総付与量が少なく、各スキャンで付与されたのインクの記録媒体へのインクの定着が1パス記録時よりも向上するため、ブリードおよび白もやが低減できる。他の条件は条件3と同様にしてこのようなマルチパス記録(4パス記録)を行った場合を条件7として、評価結果を表5に示してある。表に示したように、ブリードおよび白もやに対しては良好な結果が得られているものの、このような記録方法では記録速度が条件3に対して非常に遅くなることが解る。
【0117】
以上の結果のように、ブリードおよび白もやを低減することが、記録方法によっては可能なことが解る。しかしながら、いずれの場合も記録速度が低下してしまう。すなわち、本発明におけるヘッド構成、すなわち各カラーインク吐出口列C1,C2,C3から吐出される各インク中に含まれる金属イオンの濃度は、ブラックインク吐出口列Bk1のうちのインク吐出部分(B部分)によるブラック印字との印字間隔がより短いほど高くなるようなヘッド構成を用いることにより、記録速度の低下を防ぎつつ、良好なブリードおよび白もやが実現できるのである。
【0118】
なお、本実施例では、各吐出口列C1,C2,C3にそれぞれ硝酸Mgの添加量が異なるシアンインクを導入する例を用いて説明したが、インクの色はこれに限定されるものではなく、各吐出口列C1,C2,C3から吐出される各インク中に含まれる金属イオンの濃度が、ブラック印字との印字間隔がより短いほど高くなるように構成されているのであれば、用いられるインクの色は任意である。
【0119】
例えば、上記の記録ヘッド1を用い、吐出口列Bk1にブラックインク1を導入し、吐出口列C1にシアンインク3(金属イオン濃度:0.075%)を導入し、吐出口列C2にマゼンダインク1(金属イオン濃度:0%)を導入し、吐出口列C3にイエローインク1(金属イオン濃度:0%)を導入した場合には、各カラーインク中の金属イオン濃度は上記の条件1と同様の条件となり、表4に示す条件1の場合の結果と同様に良好な結果を得られた。
【0120】
また、本発明が適用できるのは図3に示した構成の記録ヘッド1に限られず、例えば図4に示した構成の記録ヘッド2においては、ブラック吐出口列Bk2によるブラック印字との印字間隔(ブラック吐出口列Bk2からの距離)は吐出口列C4,C5,C6という順番に長いので、吐出口列に導入されるインク中の金属イオン濃度は吐出口列C4,C5,C6という順番に低くなっていればよい。
【0121】
また、図5に示した構成の記録ヘッド3においては、図5の矢印a方向に走査している間にカラー印字を行う場合にはブラック吐出口列Bk3のA部分によるブラック印字との印字間隔が吐出口列C7,C8,C9という順番に長く、矢印b方向に走査している間にカラー印字を行う場合にはブラック吐出口列Bk3のA部分によるブラック印字との印字間隔が吐出口列C11,C10,C9という順番に長いので、各吐出口列に導入されるインク中の金属イオン濃度が、吐出口列C7,C8,C9という順番に、かつ吐出口列C11,C10,C9という順番に低くなっていればよい。つまり、両外側の吐出口列のインク中の金属イオン濃度を一番高くし、内側の吐出口列に向かうにつれてインク中の金属イオン濃度が低くなるようにすればよい。
【0122】
さらには、本実施例ではBkとカラー間でのブリード、白もやについて説明を行ったが、色の組み合わせはこれに限ったものでは無いことは言うまでも無い。また反応性を本実施例では金属イオン濃度と顔料による反応の場合について説明を行ったが、互いに反応性を有する場合に本発明のヘッド構成、記録装置を適応できることは、言うまでも無い。
【0123】
また、本実施例では各インクの吐出口列が一つのヘッドユニット内に構成されている場合を示したが、本発明の意図するところによれば、インク吐出口列が別ヘッドユニットになっていても、差し支えなく、インクジェット記録装置として、吐出口列がこのような構成になり、被記録媒体へ記録がなされればよいことは言うまでもない。
【0124】
<記録ヘッドのインク吐出口面のワイピングについて>
次に、図7を参照し、記録ヘッドのインク吐出面をワイピングする方法について説明する。
【0125】
図7(a)では図1に示した記録ヘッド1を例として用いており、各カラーインク吐出口列に導入されるインク中の金属イオン濃度は、吐出口列C1,C2,C3という順番に低くなっている。
【0126】
記録ヘッド1のインク吐出面のワイピングは、記録装置に備えられたワイパ4を図7(a)に示すような方向に移動させることにより行う。このとき、ワイパ4は、カラーインク吐出口列をC1,C2,C3の順に通過していく。このとき、各ノズルからワイパ4へインクがしみ出し、ワイパ4にC1インク、C2インク、C3インクの順にインクが染み込む。その結果、ワイパ4に先に染み込んだ金属イオン濃度が比較的高いインクは、その後に染み込む金属イオン濃度が比較的低いインクによって薄められ、ワイパ4の少なくとも先端部(記録ヘッドのインク吐出面に当接する部分)では金属イオン濃度が低くなり、添加物の凝集物が発生することが抑えられる。
【0127】
このように、金属イオン濃度が比較的高いインクが導入された吐出口列から金属イオン濃度が比較的低いインクが導入された吐出口列へ順次ワイピングを行うことにより、ワイパ4の少なくとも先端部に染み込んだ金属イオンの濃度を低くすることができ、金属イオンの凝集物がワイパの先端表面に堆積することを容易に防止することができる。
【0128】
なお、本発明のワイピング方法を適用できるのは図3に示した構成の記録ヘッド1に限られない。例えば、図4に示した構成の記録ヘッド2において、カラーインク吐出口列に導入されるインク中の金属イオン濃度が吐出口列C4,C5,C6という順番に低くなっている場合には、図7(b)に示すように、図面の左方から右方へワイパを移動させて吐出口列Bk2,C4,C5,C6の順にワイピングを行うことにより、ワイパ4の少なくとも先端部に染み込んだ金属イオンの濃度を低くし、金属イオンの凝集物がワイパの表面に堆積することを容易に防止することができる。
【0129】
また、図5に示した構成の記録ヘッド3において、カラーインク吐出口列に導入されるインク中の金属イオン濃度が吐出口列C7,C8,C9という順番に、かつC11,C10,C9という順番に低くなっている場合には、まず、図面の左方から右方へワイパを移動させて吐出口列Bk3,C7,C8,C9の順にワイピングを行い、次に吐出口列C11,C10,C9の順にワイピングを行うことにより、ワイパ4の少なくとも先端部に染み込んだ金属イオンの濃度を低くし、金属イオンの凝集物がワイパの表面に堆積することを容易に防止することができる。
【0130】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のインクジェット記録ヘッドおよびそれを搭載したインクジェット記録装置は、第1のインク用の吐出口列による印字との印字間隔が相対的により短い吐出口列に、該吐出口列よりも印字間隔が相対的により長い吐出口列に導入されるインクが示す相互反応性と同等であるか相対的により高い相互反応性を示すインクが導入されるように構成され、あるいは、第1のインク用の吐出口列との距離が相対的により短い吐出口列に、該吐出口列よりも前記距離が相対的により長い吐出口列に導入されるインクが示す相互反応性と同等であるか相対的により高い相互反応性を示すインクが導入されるように構成されているので、反応性インク中の反応剤(金属イオン)の濃度を全体として低くするとともに、ブリードや白もやの低減を図ることができる。
【0131】
また、本発明のインクジェット記録装置は、ワイパが、インク吐出面の第1のインク用の吐出口列以外の複数の吐出口列の部分をワイピングする際に、第1のインク用の前記吐出口列による印字との印字間隔が相対的により短い吐出口列の順にワイピングを行うように構成されているので、ワイパの少なくとも先端部(記録ヘッドのインク吐出面に当接する部分)では反応剤の濃度が低くなり、反応剤の凝集物がワイパの先端表面に堆積することを容易に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液体吐出ヘッドを装着して適用することのできるインクジェット記録装置の一例を示す概略斜視図である。
【図2】本発明の液体吐出ヘッドの1つの実施の形態を液流路方向で切断した断面図で示すとともに、液流路内の特徴的な現象を(a)〜(f)の工程に分けて示したものである。
【図3】本発明を具現化する記録ヘッドの吐出口列の構成例を示す概略図である。
【図4】本発明を具現化する記録ヘッドの吐出口列の構成例を示す概略図である。
【図5】本発明を具現化する記録ヘッドの吐出口列の構成例を示す概略図である。
【図6】記録用紙に記録した評価用の画像を示す図である。
【図7】記録ヘッドのインク吐出面をワイピングする方法について説明するための図である。
【符号の説明】
1,2,3,101 インクジェット記録ヘッド
4 ワイパ
10 液流路
11 気泡発生領域
13 共通液室
18 吐出口
31 可動部材
32 自由端
33 支点
34 支持部材
40 気泡
41 隆起気泡
50 天板
51 素子基板
52 発熱体
53 液流路仕切壁
64 ストッパ
65 低流路抵抗領域
66 吐出滴
67 サテライト
100 インクジェット記録装置
102 駆動モータ
103,104 駆動力伝達
105 リードスクリュー
106 螺旋溝
107 キャリッジ
107a レバー
108 ガイド
109 プラテン
110 紙押さえ板
111,112 フォトカプラ
113 支持部材
114 キャップ部材
115 インク吸引手段
116 キャップ内開口
117 クリーニングブレード
118 移動部材
119 本体支持体
120 レバー
121 カム[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to an inkjet recording head and an inkjet recording apparatus that record an image by ejecting ink onto a recording medium.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, in the fields of ink jet recording heads and ink jet recording apparatuses, black inks containing pigments in order to form black images with excellent fastness such as print density, print quality, water resistance, and light resistance, especially on plain paper , Or a blur (hereinafter referred to as “bleed”) generated at the boundary between an image area printed with black ink and an image area printed with color ink, or a black image at the boundary with color ink. It is known to use an ink set that prevents white uneven image disturbance (hereinafter referred to as “white haze”) that occurs in an area.
[0003]
As representative techniques, JP-A-6-106841, JP-A-9-11850, JP-A-11-334101, JP-A-11-343441, US Pat. No. 5,428,383, US Pat. No. 5,488,402, And US Pat. No. 5,976,230, an ink set comprising black and color inks, wherein at least one of the color inks is interactive with the black ink, and the other ink is non-reactive with the black ink. An ink set capable of reducing bleeding and an ink jet recording method using the same are described. In particular, in order to prevent bleeding at the boundary between the black ink print area and the black ink non-reactive color ink print area, the black ink print area is printed with reactive color inks. A method (hereinafter referred to as “underprinting”) is disclosed.
[0004]
The black ink used in underprinting and the color ink exhibiting mutual reactivity therewith include black ink containing a black color material having a hydrophilic group and an interactive color ink containing a reactive agent composed of metal ions. Combinations are known. When these inks are applied onto a recording medium and mixed to cause a hydrophilic group and a metal ion to react with each other, a black color material is precipitated. This prevents the black color material from moving to the non-reactive color ink print area adjacent to the black ink print area, so that the black ink print area and the non-reactive color ink print area Bleeding that occurs in between is reduced.
[0005]
[Problems to be solved by the invention]
However, as a result of the study by the present inventors, the following problems have been newly clarified for the ink jet recording head and the ink jet recording apparatus that perform the underprinting as described above.
[0006]
The first problem is that when the color ink contains a high concentration of metal ions to increase the interaction with the black ink, it is preferable from the viewpoint of reducing bleeding and white haze, but the The ink discharge surface is liable to deteriorate due to metal ions contained in the ink mist adhering to the ink discharge surface, or added to the ink.AddedIncreasing the concentration of the metal ions increases the viscosity of the ink and decreases the ink ejection stability. In order to prevent this, it is necessary to keep the total amount of metal ions added to the color ink as low as possible while reducing bleeding and white haze.
[0007]
The second problem is that aggregates of metal ions contained in the reactive ink accumulate on the front surface of the wiper provided in the ink jet recording apparatus in order to wipe the ink discharge surface of the recording head. That is, the recovery performance of the recording head by the wiper is lowered. Although it is known to provide a wiper cleaning means for cleaning the wiper to restore the wiper's wiping performance, it is difficult to remove aggregates once solidified by such means, and a function for that purpose is added. This increases the cost of the wiper cleaning means.
[0008]
The third problem is that, depending on the layout of the ejection port array of the recording head that ejects ink, the printing speed may decrease in order to reduce bleed white haze.
[0009]
Accordingly, an object of the present invention is to provide an ink jet recording head capable of reducing the total amount of metal ions added to a color ink as much as possible while reducing bleeding and white haze. It is another object of the present invention to provide an ink jet recording head that can reduce bleed and white haze while preventing a decrease in recording speed.
[0010]
It is another object of the present invention to provide an ink jet recording apparatus capable of preventing metal ion agglomerates contained in reactive ink from being deposited on the tip surface of a wiper. It is another object of the present invention to provide an ink jet recording apparatus that can reduce bleed and white haze while preventing a decrease in recording speed.
[0011]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve the above object, the inkjet recording of the present invention.apparatusIsAn inkjet recording head having a surface on which a first ejection port array for ejecting black ink and a plurality of second ejection port arrays for ejecting color ink are formed, and abuts on the surface of the inkjet recording head Wiping means for moving the wiper to clean the surface,In an inkjet recording apparatus,The color ink ejected from the second ejection port array with the shortest printing interval with the black printing by the first ejection port array is ejected from the second ejection port array with the longest printing interval with the black printing. The concentration of metal ions exhibiting reactivity with the black ink is higher than that of the color ink, and the wiping means performs cleaning of the plurality of second ejection port arrays, and the concentration of the metal ions of the color ink to be ejected. In order of equal or less thanIt is characterized by that.
[0012]
According to the ink jet recording head configured as in the present invention, the mutual reactivity of the ink introduced into each ejection port array for ink other than the first ink with the first ink is as follows. The ink introduced into the ejection port array that ejects the ink with the shortest printing interval from the printing by the ejection port array for ink is the highest, and becomes lower as the printing interval becomes longer. Thus, by reducing the mutual reactivity of the ink introduced into each ejection port array for inks other than the first ink in order of increasing the printing interval with the printing with the first ink, It is possible to reduce the concentration of reactants (metal ions) as a whole and to reduce bleed and white haze, so that both high-quality printed images and high reliability of the recording head can be achieved. It becomes.
[0026]
The metal ion is Mg2+, Ca2+, Cu2+, Co2+, Ni2+, Fe2+, La3+, Nd3+, Y3+And Al3+It is good also as a structure which is at least 1 polyvalent metal cation chosen from these.
[0027]
Furthermore, the color ink exhibiting the mutual reactivity may include 0.1 to 15% by weight of a metal salt with respect to the total weight of the color ink.
[0028]
Furthermore, the black ink may include a salt, and a black pigment may be used as a color material.
[0030]
According to the above-described ink jet recording apparatus of the present invention, the ejection port array into which the ink having a relatively high concentration of the reactant (metal ion) has been introduced sequentially moves from the ejection port array into which the ink having a relatively low concentration of the reactant has been introduced. Since the wiping is performed, the ink having a relatively high concentration of the reactant soaked in the wiper is diluted with the ink having the relatively low concentration of the reagent soaked thereafter, and at least the tip of the wiper (the ejection port of the recording head). In the portion abutting the forming surface), the concentration of the reactant becomes low, and the aggregate of the reactant is easily prevented from being deposited on the tip surface of the wiper.
[0031]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
EXAMPLES Hereinafter, although this invention is demonstrated further more concretely using an Example, this invention is not limited by the following Example, unless it deviates from the summary.
[0032]
<Configuration of Inkjet Recording Device>
FIG. 1 is a schematic perspective view showing an example of an ink jet recording apparatus to which a liquid discharge head (hereinafter also referred to as “recording head”) of the present invention, which will be described later, can be applied.
[0033]
In FIG. 1,
[0034]
[0035]
The
[0036]
<About the configuration of the liquid ejection head>
FIG. 2 is a cross-sectional view of one embodiment of the liquid discharge head of the present invention cut in the direction of the liquid flow path, and the characteristic phenomenon in the liquid flow path is divided into steps (a) to (f). It is shown.
[0037]
In the liquid ejection head of this embodiment, a heating element 52 that applies thermal energy to the liquid is provided on the smooth element substrate 51 as an ejection energy generating element for ejecting the liquid, and the heating element 52 is provided on the element substrate 51. The
[0038]
The
[0039]
A stopper (regulator) 64 is located above the center of the bubble generation region 11 and restricts the displacement of the
[0040]
With the above configuration, the
[0041]
Next, the discharge operation of the liquid discharge head of this embodiment will be described in detail.
[0042]
FIG. 2A shows a state before energy such as electric energy is applied to the heating element 52, and shows a state before the heating element generates heat. What is important here is that the
[0043]
FIG. 2B shows a state in which a part of the liquid filling the bubble generation region 11 is heated by the heating element 52, and the
[0044]
At this time, since the moving force of the liquid in the upstream direction is large, the
[0045]
In this state, the entire shape of the liquid flow path toward the discharge port with respect to the
[0046]
In this embodiment, the portion on the discharge port side of the
[0047]
On the other hand, as described above, since the displacement of the
This greatly restricts the liquid flow to the upstream side, and prevents fluid crosstalk to adjacent nozzles and backflow of liquid and pressure oscillation in the supply path system that impedes high-speed refill described later.
[0048]
FIG. 2 (c) shows a state in which the
[0049]
At the timing immediately after that, as a whole in the liquid flow path, the
[0050]
FIG. 2D shows a state in which the defoaming process is almost finished and the
[0051]
Further, since the meniscus M itself starts to be restored before it is largely drawn into the liquid flow path, the liquid movement speed itself is not so high, so that the meniscus M can be restored in a short time. It is possible to reduce the amount of the convex shape toward the outside of the
[0052]
Further, the flow into the
[0053]
On the other hand, some of the
[0054]
This phenomenon will be described in detail. In a conventional liquid discharge head, a droplet does not form a sphere at the moment when the liquid is discharged from the discharge port, but is discharged in a state close to a liquid column having a spherical portion at the tip. It is known that when the tail portion is pulled by both the main droplet and the meniscus and is separated from the meniscus, satellite dots are formed from the tail portion and fly to the recording medium together with the main droplet. . Since the satellite dots fly after the main droplet, the discharge speed is low by the amount pulled by the meniscus, and the landing position is shifted from the main droplet, so that the print quality is deteriorated. In the liquid discharge head according to the present invention, the force for retracting the meniscus is larger than that of the conventional liquid discharge head as described above. Therefore, the force for pulling the tail portion after the main droplet is discharged is strong. The separation force becomes stronger, and the timing of this separation is also accelerated. Accordingly, the satellite dots formed from the tailing portion are reduced, and the distance between the main droplet and the satellite dots is reduced. Furthermore, since the tail portion is not continuously pulled by the meniscus, the discharge speed does not decrease, and the
[0055]
FIG. 2E shows a state in which the state of FIG. Further, the
[0056]
Further, when cavitation occurs when the bubbles disappear, the defoaming point and the
[0057]
Furthermore, since the cavitation generation point due to defoaming is also shifted to the fulcrum 33 side by the
[0058]
FIG. 2 (f) shows a state in which the state of FIG. 2 (e) has further advanced and the
[0059]
On the other hand, the
[0060]
The liquid flow from the common liquid chamber 13 toward the
[0061]
The present invention is not limited to the liquid discharge head having the above-described configuration. For example, the liquid discharge head is configured such that bubbles generated on the heating element communicate with the atmosphere through the discharge port. The present invention can also be applied to a head or a liquid discharge head using an electromechanical conversion element such as a piezo element as discharge energy generating means.
[0062]
<Configuration of the ejection port array of the recording head>
3 to 5 are schematic diagrams illustrating examples of the configuration of the ejection port arrays of various recording heads embodying the present invention. In each figure, the recording head is seen through the printing surface of the recording paper.
(1)
As shown in FIG. 3, in the
[0063]
The
(2)
As shown in FIG. 4, in the
[0064]
The
(3) Recording head 3
As shown in FIG. 5, in the recording head 3, a discharge port array Bk3 for black ink as a first ink and five discharge port arrays C7 to C11 for color ink are arranged in parallel in the sub-scanning direction. . The color ink ejection port arrays C7 to C11 have the same width, whereas the black ink ejection port array Bk3 is almost twice as wide as the color ink ejection port arrays C7 to C11. have.
[0065]
According to such a configuration of the recording head 3, in addition to improving the black printing speed, the same color ink is used for C7 and Cll, and C8 and ClO, respectively, so that the scanning direction of the recording head 3 is reciprocal. Even so, the color order of the color inks ejected onto the recording paper can be made the same. That is, when the recording head 3 is scanned in the direction a, the color ink is discharged in the order of C7, C8, and C9. When the recording head 3 is scanned in the direction of the figure, the color ink is discharged in the order of C11, C10, and C9. By performing the ejection, the color order of the color inks ejected onto the recording paper can be made the same.
[0066]
According to this recording head 3, unlike other recording heads (for example, the
[0067]
When only black printing is performed when printing on a recording medium using the recording head 3, the entire width of the black discharge port array Bk3 is driven to increase the printing operation speed. On the other hand, when black printing and color printing are mixed, a portion of the black discharge port array Bk3 corresponding to the half width on the upstream side with respect to the paper discharge direction from the color nozzles C7 to C11 (A in FIG. 5). Using only the part), black printing is performed prior to color printing to form a black printing region. Then, the recording medium is conveyed by the half width of the black discharge port array Bk3 in the paper discharge direction, and color printing is performed on the previous black print region.
[0068]
<About ink>
(1) About black ink
For example, carbon black is preferably used as the black pigment in the black ink. The form in which carbon black is dispersed in the ink may be a self-dispersing form or a form using a dispersant.
[0069]
(Self-dispersing carbon black)
Examples of the self-dispersing carbon black include carbon in which at least one hydrophilic group (anionic group or cationic group) is bonded to the surface of the carbon black as an ionic group directly or via another atomic group. Black. By using this, the addition of a dispersant for dispersing carbon black is reduced or eliminated.
[0070]
In the case of carbon black in which an anionic group is bonded to the surface directly or through another atomic group, examples of hydrophilic groups bonded to the surface include, for example, —COO (M2), —SOThree(M2), -POThreeH (M2), -POThree(M2)2Etc. In the above formula, “M2” represents a hydrogen atom, an alkali metal, ammonium or organic ammonium. Among these, in particular, —COO (M2), —SOThreeThe self-dispersing carbon black in which (M2) is bonded to the carbon black surface and is anionicly charged can be used particularly preferably in the present invention because of its good dispersibility in ink. Of the hydrophilic groups represented by “M2”, specific examples of the alkali metal include Li, Na, K, Rb and Cs, and specific examples of the organic ammonium include, for example, methylammonium. Dimethylammonium, trimethylammonium, ethylammonium, diethylammonium, triethylammonium, methanolammonium, dimethanolammonium, trimethanolammonium and the like. The ink of this embodiment containing self-dispersing carbon black in which M2 is ammonium or organic ammonium can further improve the water resistance of the recorded image, and can be particularly preferably used in this respect. This is considered to be due to the fact that when the ink is applied onto the recording medium, ammonium is decomposed and ammonia is evaporated. Here, the self-dispersing carbon black in which M2 is ammonium is obtained by, for example, substituting the self-dispersing carbon black in which M2 is an alkali metal by using an ion exchange method to replace M2 with ammonium or by adding an acid to form H-type. Examples include a method of adding ammonium hydroxide to make M2 ammonium.
[0071]
An example of a method for producing an anionically charged self-dispersing carbon black is a method in which carbon black is oxidized with sodium hypochlorite. By this method, a —COONa group is chemically bonded to the carbon black surface. be able to.
[0072]
By the way, various hydrophilic groups as described above may be directly bonded to the surface of carbon black. Alternatively, other atomic groups may be interposed between the carbon black surface and the hydrophilic group, and the hydrophilic group may be indirectly bonded to the carbon black surface. Here, specific examples of the other atomic groups include, for example, a linear or branched alkylene group having 1 to 12 carbon atoms, a substituted or unsubstituted phenylene group, and a substituted or unsubstituted naphthylene group. Here, examples of the substituent for the phenylene group and the naphthylene group include linear or branched alkyl groups having 1 to 6 carbon atoms. Specific examples of combinations of other atomic groups and hydrophilic groups include, for example, -C2HFourCOO (M2), -Ph-SOThree(M2), -Ph-COO (M2) and the like (where Ph represents a phenyl group).
[0073]
By the way, in the present invention, two or more kinds of the above-described self-dispersing carbon blacks may be used as ink color materials appropriately selected. The addition amount of the self-dispersing carbon black in the ink is preferably 0.1 to 15% by weight, particularly 1 to 10% by weight, based on the total weight of the ink. By setting this range, the self-dispersing carbon black can maintain a sufficiently dispersed state in the ink. Furthermore, for the purpose of adjusting the color tone of the ink, a dye may be added as a coloring material in addition to the self-dispersing carbon black.
[0074]
(Normal carbon black)
In addition, as a color material for the black ink, normal carbon black that is not self-dispersing can also be used. Examples of such carbon blacks include carbon black pigments such as furnace black, lamp black, acetylene black, and channel black. For example, Raven 7000, Rayvan 5750, Rayvan 5250, Rayvan 5000 ULTRA-, Rayvan 3500, Rayvan 2000 , Ray Van 1500, Ray Van 1250, Ray Van 1200, Ray Van 1190 ULTRA-II, Ray Van 1170, Ray Van 1255 (manufactured by Columbia), Black Pearls L, Legal 400R, Legal 330R, Legal 660R, Moguul ) L, Monarch 700, Monak 800, Monak 880, Monak 90 0, Monak 1000, Monak 1100, Monak 1300, Monak 1400, Vulcan XC-72R (above Cabot), Color Black FW1, Color Black FW2, Color Black FW2V, Color Black FW18, Color Black FW200, Color Black S150, Color Black S160, Color Black S170, Printex 35, Printex U, Printex V, Printex 140U, Printex 140V, Special Black 6, Special Black 5, Special Black Black 4A, Special Black 4 (manufactured by Degussa), No. 25, no. 33, no. 40, no. 47, no. 52, no. 900, no. 2300, MCF-88, MA600, MA7, MA8, MA100 (manufactured by Mitsubishi Chemical Co., Ltd.) and the like can be used, but are not limited thereto, and conventionally known carbon black can be used. . Further, magnetic fine particles such as magnetite and ferrite, titanium black and the like may be used as the black pigment.
[0075]
When such normal carbon black is used as a color material for black ink, it is preferable to add a dispersant to the ink in order to stably disperse it in an aqueous medium. As the dispersant, for example, a dispersant having an ionic group and capable of stably dispersing carbon black in an aqueous medium by its action is suitably used. As such a dispersant, for example, specifically as a dispersant, Styrene-acrylic acid copolymer, styrene-acrylic acid-alkyl acrylate copolymer, styrene-maleic acid copolymer, styrene-maleic acid-alkyl acrylate copolymer, styrene-methacrylic acid copolymer Polymer, styrene-methacrylic acid-acrylic acid alkyl ester copolymer, styrene-maleic acid half ester copolymer, vinyl naphthalene-acrylic acid copolymer, vinyl naphthalene-maleic acid copolymer, styrene-maleic anhydride-maleic Acid half ester copolymers, or salts thereof. That. Among these, those having a weight average molecular weight in the range of 1000 to 30000 are preferable, and more preferably in the range of 3000 to 15000.
[0076]
(About salt in black ink)
By making salt coexist in the black ink, the image quality does not change greatly depending on the type of recording medium, and the ink has a very high density and can stably form a high-quality image. Can do.
[0077]
In addition, by coexisting salt in the ink, even if the black area in the same document contains both black ink and a mixture of color ink and black ink, Therefore, it is possible to form an image that is not visually uncomfortable.
[0078]
As the salt of the black ink according to the present invention, (M1)2SOFour, CHThreeCOO (M1), Ph-COO (M1), (M1) NOThree, (M1) Cl, (M1) Br, (M1) I, (M1)2SOThreeAnd (M1)2COThreeIt is preferable to use at least one selected from Here, “M1” represents an alkali metal, ammonium or organic ammonium, and Ph represents a phenyl group. Specific examples of the alkali metal include Li, Na, K, Rb, and Cs. Specific examples of the organic ammonium include methylammonium, dimethylammonium, trimethylammonium, ethylammonium, diethylammonium, triethylammonium, Examples include trimethanol ammonium, dimethanol ammonium, trimethanol ammonium, ethanol ammonium, diethanol ammonium, and triethanol ammonium. Among the above-mentioned salts, sulfates (for example, potassium sulfate) and benzoates (for example, ammonium benzoate) are compatible with self-dispersing carbon black, and specifically, solid-liquid separation when applied to a recording medium. Because the effect is particularly excellent, it is possible to form inkjet recording images of particularly excellent quality on various recording media.
[0079]
The content of the color material in the black ink according to the present invention, for example, self-dispersing carbon black, is 0.1 to 15% by weight, particularly 1 to 10% by weight, based on the total weight of the ink. Is preferred. The salt content is preferably 0.05 to 10% by weight, particularly 0.1 to 5% by weight, based on the total weight of the ink. By setting the content of the color material and salt in the black ink within the above range, a further excellent effect can be enjoyed.
[0080]
(Aqueous medium in black ink)
Examples of the aqueous medium used in the black ink according to the present invention include water or a mixed solvent of water and a water-soluble organic solvent. As the water-soluble organic solvent, those having an ink drying preventing effect are particularly preferable. Specifically, for example, alkyl alcohols having 1 to 4 carbon atoms such as methyl alcohol, ethyl alcohol, n-propyl alcohol, isopropyl alcohol, n-butyl alcohol, sec-butyl alcohol, tert-butyl alcohol; dimethylformamide, dimethyl Amides such as acetamide; Ketones or ketoalcohols such as acetone and diacetone alcohol; Ethers such as tetrahydrofuran and dioxane; Polyalkylene glycols such as polyethylene glycol and polypropylene glycol; Ethylene glycol, propylene glycol, butylene glycol, and
[0081]
The content of the water-soluble organic solvent contained in the black ink according to the present invention is not particularly limited, but is preferably in the range of 3 to 50 wt% with respect to the total weight of the ink. The content of water contained in the ink is preferably in the range of 50 to 95% by weight with respect to the total weight of the ink.
[0082]
(Ink characteristics; particularly, ink jet ejection characteristics and permeability to recording medium) The black ink according to the present invention can be used for ink for writing instruments and ink for ink jet recording. As an ink jet recording method, there are a recording method in which mechanical energy is applied to ink to eject droplets, and a recording method in which thermal energy is applied to ink and ink droplets are ejected by foaming of the ink. The ink of the present invention is particularly suitable. By the way, when the black ink according to the present invention is used for inkjet recording, it is preferable that the ink has a characteristic that it can be ejected from an inkjet head. From the viewpoint of ejection properties from an inkjet head, the liquid has, for example, a viscosity of 1 to 15 cps, a surface tension of 25 mN / m (dyne / cm) or more, particularly a viscosity of 1 to 5 cps, and a surface tension of It is preferable to set it as 25-50 mN / m (dyne / cm).
[0083]
A Ka value obtained by the Bristow method is a measure representing the penetrability of ink into a recording medium. That is, the ink permeability is 1 m.2The permeation amount V (ml / m) of ink into the recording medium after a predetermined time t has elapsed since the ink droplet was ejected.2= Μm) is shown by the Bristow equation shown below.
[0084]
V = Vr + Ka (t−tw)1/2
Here, immediately after the ink droplets adhere to the surface of the recording medium, the ink is mostly absorbed in the uneven portion of the surface of the recording medium (the rough portion of the surface of the recording medium) and almost penetrates into the inside of the recording medium. Not. The time between them is the contact time (tw), and the amount of ink absorbed by the uneven portions of the recording medium at the contact time is Vr. Then, when the contact time is exceeded after the ink is deposited, the amount of penetration into the recording medium increases by an amount proportional to the time that exceeds the contact time, that is, (t-tw) to the power of 1/2. Ka is a proportional coefficient of this increase, and shows a value corresponding to the penetration rate. The Ka value can be measured using a liquid dynamic permeability test apparatus (for example, a dynamic permeability test apparatus S manufactured by Toyo Seiki Seisakusho Co., Ltd.) by the Bristow method. In the ink according to each embodiment of the present invention, the Ka value is preferably less than 1.5 in order to further improve the recorded image quality, and more preferably 0.2 or more and less than 1.5. is there. That is, when the Ka value is less than 1.5, solid-liquid separation occurs at an early stage of the ink penetration into the recording medium, and a high-quality image with very little feathering can be formed. The Ka value according to the Bristow method in the present invention is PB used for plain paper (for example, a copying machine using an electrophotographic method, a page printer (laser beam printer) manufactured by Canon Inc., or a printer using an ink jet recording method). It is a value measured by using paper or PPC paper which is paper for an electrophotographic copying machine as a recording medium. The measurement environment is assumed to be a normal office environment, for example, a temperature of 20 to 25 ° C. and a humidity of 40 to 60%.
[0085]
And as a composition of the preferable aqueous medium which carry | supports the above characteristics, it is preferable to contain glycerol, a trimethylol propane, thiodiglycol, ethylene glycol, diethylene glycol, isopropyl alcohol, and acetylene alcohol, for example.
(2) About color ink
As the color material that can be used in the color ink according to the present invention, known dyes and pigments can be used. As the dye, for example, an acid dye, a direct dye, or the like can be used. For example, as the anionic dye, any of existing ones and newly synthesized ones having appropriate color tone and density can be used. Moreover, it is also possible to mix and use any of these.
[0086]
Specific examples of the anionic dye are listed below.
[0087]
▲ 1 ▼ Yellow color material
C. I. Direct yellow 8, 11, 12, 27, 28, 33, 39, 44, 50, 58, 85, 86, 87, 88, 89, 98, 100, 110, 132
C. I.
C. I. Reactive Yellow 2, 3, 17, 25, 37, 42
C. I. Food yellow 3
(2) Color material for red
C. I.
C. I.
C. I.
C. I. Food Red 87, 92, 94
▲ 2 ▼ Blue color material
C. I.
C. I.
C. I.
(3) Black color material
C. I. Direct black 17, 19, 22, 31, 32, 51, 62, 71, 74, 112, 113, 154, 168, 195
C. I.
C. I. Food black 1, 2
(solvent)
Examples of the ink solvent or dispersion medium containing the color material for color ink as described above include water or water and a water-soluble organic solvent. Examples of the water-soluble organic solvent are the same as those described for the black ink. When the color ink is attached to a recording medium by an ink jet method (for example, bubble jet method), the ink is prepared to have a desired viscosity and surface tension so as to have excellent ink jet discharge characteristics as described above. Things are preferable.
[0088]
(Coloring material content)
The content of the color material in the color ink described here may be selected as appropriate so that, for example, when used for inkjet recording, the ink has excellent inkjet ejection characteristics and has a desired color tone and density. As a guideline, for example, a range of 3 to 50 wt% with respect to the total weight of the ink is preferable. In addition, when importance is attached to the visual uniformity of the black image, it is particularly preferable that the concentration of the dye in the color ink is 10 wt% or less of the weight of the color ink as described above. The amount of water contained in the ink is preferably in the range of 50 to 95 wt% with respect to the total weight of the ink.
[0089]
(Color ink penetration)
Regarding the color ink as described above, it is preferable that the Ka value is, for example, 5 or more because a high-quality color image can be formed on the recording medium. That is, since ink having such a Ka value has high permeability to a recording medium, for example, even in the case where images of at least two colors selected from yellow, magenta and cyan are recorded adjacent to each other, between adjacent images. Color bleeding (bleeding) can be suppressed, and even when these inks are overlaid to form a secondary color image, each ink has high penetrability, so it is possible to prevent an image between adjacent different color images. Can effectively suppress bleeding. As a method for adjusting the Ka value of the color ink to such a value, a conventionally known method such as addition of a surfactant or addition of a permeable solvent such as glycol ether can be applied. Of course, the addition amount may be selected as appropriate.
[0090]
Next, the ink prepared in this example will be described. In the following description, “part” and “%” are based on weight unless otherwise specified.
[0091]
First, preparation of the
[0092]
(Pigment dispersion 1)
Specific surface area is 230m2After mixing 10 g of carbon black having a DBP oil absorption of 70 ml / 100 g and 3.41 g of p-amino-N-benzoic acid in 72 g of water, 1.62 g of nitric acid was added dropwise thereto at 70 ° C. Stir with. After several minutes, a solution prepared by dissolving 1.07 g of sodium nitrite in 5 g of water was further added, and the mixture was further stirred for 1 hour. The obtained slurry was filtered with a filter paper (Toyo Roshi No. 2 manufactured by Advantis), the pigment particles collected by filtration were washed thoroughly with water, dried in an oven at 90 ° C., and water was added to the pigment. Thus, an aqueous pigment solution having a pigment concentration of 10% by weight was prepared. By the above method, hydrophilic groups having the following constitution were introduced on the surface of carbon black.
[0093]
[Chemical 1]
[0094]
Next, using the
[0095]
In the black ink prepared as described above, since the hydrophilic group as described above is introduced on the surface of carbon black which is a black color material, the black color material has high dispersibility. When an interactive color ink containing a reactive agent composed of metal ions, which will be described later, is mixed with the black ink, the hydrophilic group of the black color material reacts with the metal ions, and the black color material is precipitated. This prevents the black color material from moving to the non-reactive color ink print area adjacent to the black ink print area, so that the black ink print area and the non-reactive color ink print area Bleeding that occurs in between is reduced.
[0096]
In addition, the following components were mixed to prepare each color ink (
[0097]
The amount of magnesium nitrate shown in Table 1 below was added to the
[0098]
[Table 1]
[0099]
In this embodiment, magnesium nitrate is used as a metal salt added to the reactive color ink, and magnesium divalent ions (Mg) are used as metal ions in the reactive color ink.2+In addition to this, the metal ions to be melted in the reactive color ink include Ca2+, Cu2+, Co2+, Ni2+, Fe2+, La3+, Nd3+, Y3+And Al3+At least one polyvalent metal cation selected from can be used.
[0100]
In the above, 0.30% by weight or 0.45% by weight of metal salt (magnesium nitrate) is included in the reactive color ink, but the concentration of the metal salt included in the reactive color ink is 0.00. It may be in the range of 1 to 15% by weight.
[0101]
<Evaluation of bleed / white haze>
The above-mentioned various inks are introduced into the respective ejection port arrays of the
[0102]
[Table 2]
[0103]
At this time, the black ink is discharged at a discharge density of 600 × 600 dpi lattice at a discharge amount of 30 ng per droplet, and the color ink is discharged at a discharge density of 1200 × 600 dpi lattice at a discharge amount of 6.5 ng per droplet. It was. At this time, the black ink was underprinted with color ink at a duty [%] shown in Table 3 below.
[0104]
[Table 3]
[0105]
Note that when printing is performed with black and color mixed, the width of one paper feed is only the width of one color ejection port array, and therefore black printing requires the black ejection port array Bk1. Of these, only the width of one color ejection port array from the upstream side in the paper discharge direction (main scanning direction) (B portion in FIG. 3) was used.
[0106]
The recording paper includes several types of plain paper (Canon PB paper, Canon Brillant White Paper, Union Camp Great White Inkjet, Hammermill Jet Print, Xerox 40t, Xerox 40t, etc.). The three patterns shown in FIG. 6 were recorded on each recording paper using the above-mentioned conditions (White White Inkjet Paper manufactured by Packard, Rey Jet manufactured by Aussdat Rey). Of these, evaluation was performed using a sample of recording paper determined to have the lowest level for each condition.
[0107]
Evaluation criteria are
◯: Level where there is little practical problem with both bleed and white haze
A: Level that does not bother bleed and white haze
It was.
[0108]
Table 4 shows the evaluation results.
[0109]
[Table 4]
[0110]
As described above, it is preferable from the viewpoint of reducing bleed and white haze, by adding high-concentration metal salt to the color ink to enhance the interreactivity with the black ink, but the ink discharge surface of the recording head is used. The ink discharge surface is likely to be deteriorated by the metal ions contained in the attached ink mist, or the concentration of the metal salt added to the ink is increased, thereby increasing the viscosity of the ink and decreasing the ink discharge stability. Therefore, it is not preferable from the viewpoint of reliability. For this reason, it is preferable that the metal ion concentration in the interactive ink can be lowered and the bleed and white haze can be reduced.
[0111]
From the results of this example shown in Table 4, it can be seen that good results can be obtained for bleed and white haze in the case of
[0112]
In this way, the concentration of metal ions contained in each ink ejected from each color ink ejection port array C1, C2, C3 is determined by the black printing by the ink ejection part (B part) of the black ink ejection port array Bk1. The shorter the printing interval is, the higher it is. As a result, the metal ion concentration in the reactive ink can be lowered as a whole, and bleed and white haze can be reduced, and both high quality of the printed image and high reliability of the recording head can be achieved. Is possible.
[0113]
Furthermore, it was also found that under
[0114]
As one of the methods, in order to apply the reactive ink having a high metal ion concentration to the recording medium before the Bk ink, the paper is fed first and the reactive ink having the high metal ion concentration is applied. Bleeding and white haze can also be reduced by a recording method in which the paper feed is returned and recording is performed with Bk ink. For example, when this printing method is applied with other conditions being the same as those in condition 3, the recording medium is first fed until the ejection port array C3 of the recording head can record in the recording area, and recording by the ejection port array C3 (to the Bk area). (Including application). Thereafter, the paper feed is reversed, and recording is performed by the B portion of the ejection port array Bk1 and the ejection port array C1 of the recording head, and then the paper feed is performed and recording is performed by the ejection port array C2. This case is defined as condition 6. The evaluation results are shown in Table 5. As shown in Table 5, although good results have been obtained for bleed and white haze, it can be seen that the recording speed is very slow with respect to Condition 3 in such a recording method.
[0115]
[Table 5]
[0116]
As another printing method, there is a method for performing multipass printing of two or more passes. Here, multi-pass printing is a so-called multi-pass printing in which each color nozzle row scans n times with respect to a printing area to form an image, and the number of scans of divided printing is the number of printing passes. Correspondingly, this is a recording method in which the recording duty per scan is reduced and recording is performed while complementing each scan so that an image is completed in n times. In such a method, the total amount of ink applied to the recording medium in one scan is small, and the ink fixing to the recording medium of the ink applied in each scan is improved as compared with the one-pass recording. White haze can be reduced. The other conditions are the same as those in condition 3, and the evaluation results are shown in Table 5 with the condition that such multi-pass printing (4-pass printing) is performed as condition 7. As shown in the table, although good results have been obtained for bleed and white haze, it can be seen that the recording speed is much slower than condition 3 in such a recording method.
[0117]
As can be seen from the above results, bleed and white haze can be reduced depending on the recording method. However, in either case, the recording speed decreases. That is, the head configuration in the present invention, that is, the concentration of metal ions contained in each ink ejected from each color ink ejection port array C1, C2, C3 is the ink ejection part (B of the black ink ejection port array Bk1). By using a head configuration that becomes higher as the printing interval with the black printing by (part) becomes shorter, good bleed and white haze can be realized while preventing a decrease in recording speed.
[0118]
In the present embodiment, an example in which cyan ink with different amounts of Mg nitrate added is introduced into each of the ejection port arrays C1, C2, and C3 has been described. However, the color of the ink is not limited to this. It is used if the concentration of metal ions contained in each ink ejected from each ejection port array C1, C2, C3 is higher as the printing interval with black printing is shorter. The color of the ink is arbitrary.
[0119]
For example, using the
[0120]
The present invention can be applied not only to the
[0121]
In the recording head 3 having the configuration shown in FIG. 5, when color printing is performed while scanning in the direction of arrow a in FIG. 5, the printing interval from the black printing by the A portion of the black discharge port array Bk3. Is a discharge port array C7, C8, C9In orderWhen color printing is performed while scanning in the direction of the arrow b, the printing interval between the black discharge by the portion A of the black discharge port array Bk3 is the discharge port array C11, C10, C9.Because it is long in orderThe metal ion concentration in the ink introduced into each ejection port array is determined by the ejection port arrays C7, C8, C9.In that order, And discharge port arrays C11, C10, C9In order of lowIt only has to be lost. That is, the metal ion concentration in the ink in the outer ejection port arrays may be made highest, and the metal ion concentration in the ink may be lowered toward the inner ejection port array.
[0122]
Furthermore, in this embodiment, bleed and white haze between Bk and color have been described, but it goes without saying that color combinations are not limited to this. Further, in this embodiment, the case of the reaction by the metal ion concentration and the pigment has been described in the present embodiment. However, it is needless to say that the head configuration and the recording apparatus of the present invention can be applied to the case of having the reactivity.
[0123]
Further, in this embodiment, the case where each ink discharge port array is configured in one head unit is shown, but according to the intention of the present invention, the ink discharge port array is a separate head unit. However, it goes without saying that the ejection port array has such a configuration as an ink jet recording apparatus, and it is only necessary to perform recording on a recording medium.
[0124]
<About wiping the ink discharge port surface of the recording head>
Next, a method for wiping the ink discharge surface of the recording head will be described with reference to FIG.
[0125]
In FIG. 7A, the
[0126]
Wiping of the ink ejection surface of the
[0127]
In this way, wiping is sequentially performed from the ejection port array into which the ink having a relatively high metal ion concentration is introduced to the ejection port array into which the ink having a relatively low metal ion concentration is introduced, so that at least the tip of the
[0128]
Note that the wiping method of the present invention is not limited to the
[0129]
Further, in the recording head 3 having the configuration shown in FIG. 5, the metal ion concentration in the ink introduced into the color ink discharge port array is the discharge port array C7, C8, C9.In that orderAnd C11, C10, C9In order of lowFirst, the wiper is moved from the left to the right in the drawing to perform wiping in the order of the discharge port rows Bk3, C7, C8, C9, and then the discharge port rows C11, C10, C9. By sequentially performing wiping, the concentration of metal ions soaked into at least the tip portion of the
[0130]
【The invention's effect】
As described above, the ink jet recording head of the present invention and the ink jet recording apparatus equipped with the ink jet recording head are arranged in the ejection port array having a relatively shorter printing interval from the printing by the first ink ejection port array. It is configured such that ink having the same or higher relative reactivity as that of the ink introduced into the ejection port array having a relatively longer printing interval than that of the array is introduced, or the first This is equivalent to the mutual reactivity exhibited by the ink introduced into the ejection port array whose distance to the ejection port array for one ink is relatively shorter than that of the ejection port array. Since it is configured such that ink having relatively higher mutual reactivity is introduced, the concentration of the reactive agent (metal ion) in the reactive ink is lowered as a whole, It is possible to reduce the haze.
[0131]
In the ink jet recording apparatus of the present invention, when the wiper wipes a plurality of ejection port arrays other than the first ink ejection port array on the ink ejection surface, the ejection port for the first ink Since the wiping is performed in the order of the discharge port row having a relatively shorter printing interval with the printing by the row, the concentration of the reactant is at least at the tip of the wiper (the portion in contact with the ink discharge surface of the recording head). And it is possible to easily prevent the aggregates of the reactants from being deposited on the tip surface of the wiper.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a schematic perspective view showing an example of an ink jet recording apparatus that can be applied with the liquid discharge head of the present invention.
FIG. 2 is a cross-sectional view of one embodiment of the liquid discharge head of the present invention cut in the direction of the liquid flow path, and the characteristic phenomenon in the liquid flow path is represented by steps (a) to (f). They are shown separately.
FIG. 3 is a schematic diagram illustrating a configuration example of an ejection port array of a recording head embodying the present invention.
FIG. 4 is a schematic diagram illustrating a configuration example of an ejection port array of a recording head embodying the present invention.
FIG. 5 is a schematic diagram illustrating a configuration example of an ejection port array of a recording head embodying the present invention.
FIG. 6 is a diagram illustrating an evaluation image recorded on a recording sheet.
FIG. 7 is a diagram for explaining a method of wiping an ink discharge surface of a recording head.
[Explanation of symbols]
1, 2, 3, 101 Inkjet recording head
4 Wiper
10 Liquid flow path
11 Bubble generation area
13 Common liquid chamber
18 Discharge port
31 Movable member
32 Free end
33 fulcrum
34 Support members
40 bubbles
41 Raised bubbles
50 Top plate
51 Element substrate
52 Heating element
53 Liquid channel partition wall
64 stopper
65 Low flow resistance region
66 Droplets
67 Satellite
100 Inkjet recording apparatus
102 Drive motor
103,104 Driving force transmission
105 Lead screw
106 Spiral groove
107 Carriage
107a lever
108 Guide
109 platen
110 Paper holding plate
111,112 Photocoupler
113 Support member
114 Cap member
115 Ink suction means
116 Opening in the cap
117 Cleaning blade
118 Moving member
119 Body support
120 lever
121 cam
Claims (5)
前記第1の吐出口列によるブラック印字との印字間隔が最も短い前記第2の吐出口列が吐出するカラーインクが、前記ブラック印字との印字間隔が最も長い前記第2の吐出口列が吐出するカラーインクよりも、前記ブラックインクと反応性を示す金属イオンの濃度が高く、
前記ワイピング手段は、前記複数の第2の吐出口列のクリーニングを、吐出するカラーインクの前記金属イオンの濃度が同等以下となるような順番で行うことを特徴とするインクジェット記録装置。 An inkjet recording head having a surface on which a first ejection port array for ejecting black ink and a plurality of second ejection port arrays for ejecting color ink are formed, and abuts on the surface of the inkjet recording head In an inkjet recording apparatus comprising: a wiping unit that moves the wiper to clean the surface ;
The color ink ejected from the second ejection port array with the shortest printing interval with the black printing by the first ejection port array is ejected from the second ejection port array with the longest printing interval with the black printing. The concentration of metal ions that are reactive with the black ink is higher than the color ink,
The ink jet recording apparatus , wherein the wiping means performs cleaning of the plurality of second ejection port arrays in an order such that the concentration of the metal ions of the color ink to be ejected is equal or less .
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