JP5007712B2 - 表示装置。 - Google Patents

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本発明は表示装置に関する。更に詳しくは構造色による発色機構を使用した表示装置の改良に関する。
構造色は、特定の周期構造を有する材料において、ブラッグの法則に基づき特定の波長の光を干渉反射することにより得られるものである。このような構造色を呈する特定の周期構造として、例えば、単分散微粒子によるコロイド結晶、ブロック共重合体のミクロドメイン構造、界面活性剤のラメラ構造などがあげられる。
特許文献1には、単分散微粒子としてポリスチレン粒子によるコロイド結晶と当該粒子間に位置する弾性体とからなる弾性材料が開示されている。特許文献1の弾性材料は当該弾性材料を弾性変形することでコロイド結晶が変形して特定の構造色を呈する。特許文献2には、周期構造体としてコロイド結晶構造体を有する材料を利用した表示装置が開示されている。この表示装置では、コロイド結晶構造体を内包する高分子ゲルをアレイ状に配列して表示部を形成している。
特開2006−28202号公報 特開2007−11112号公報
このような表示装置において、様々な形状の表示対象を表示するために、ピクセル毎にコロイド結晶構造体を有する材料(例えば、コロイド結晶シート)と当該構造体を変形する制御装置を準備し、ピクセル単位でコロイド結晶シートの構造色を制御する方法が考えられる。しかし、このような構成では、装置が複雑化するため好ましくない。またコスト面でも不利である。
この問題に対して、本発明者らは比較的大きな面積のコロイド結晶シートと表示対象を表す凹凸形状の押圧面を有する押圧部材を準備し、押圧部材の押圧面をコロイド結晶シートへ押圧することで当該コロイド結晶の構造を変形して構造色を制御することを考えた。
しかしながら、比較的大きな面積のコロイド結晶シートをその面方向から押圧部材で押圧し、当該シートに充分かつ均等な色変化を生じさせるには、押圧部材へ大きな力をかける必要あった。また、表示形態に変化をもたせるには、複数の押圧部材を準備してそれらの押圧を制御する必要がある。
従って、複数の押圧部材へ充分な力を与えつつそれらの押圧を独立して制御することが要求されることとなるが、複雑な機構を採用することは現実的でない。表示装置には簡易な構成と安価な製造コストが要求されているからである。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねてきたところ、押圧部材を押圧する力として空気圧力を用いることに気がつき、この発明を完成するに至った。
この発明の第1の局面は次のように規定される。即ち、
可逆的に変形可能な材料からなるシート状の基材中に粒子が規則的に配列されてなり、その厚さ方向の変形量に応じて色調を変化させるシート状の色調変化シートと、
前記色調変化シートに対向して配置され、空気圧力に応じて変形する複数の変形部を有するアクチュエータと、
該各変形部の空気圧力を変形部毎に独立して制御する空気圧力制御手段と、
前記色調変化シートと前記変形部との間に配置される押圧部材であって、前記色調変化シートへ対向する面に表示対象を表す凹形状及び/又は凸形状を有する押圧部材と、
を備えることを特徴とする表示装置。
このように規定された表示装置によれば、押圧部材の駆動源として空気圧力を用いるので、機械的に複雑な機構が要求されない。また、汎用的なエアコンプレッサで得られる空気圧力により充分な押圧力を押圧部材に与えることができ、色調変化シートを均等にかつ安定して色変化させることができる。複数の変形部へ与える空気圧力も空気路(空気管、空気孔等)、調圧弁、ストップ弁などの汎用的な要素により簡易に構成可能である。
以上より、上記のように規定された表示装置によれば、簡易な構造で色調変化シートへ複数の押圧部材を独立制御して押圧可能となる。これにより、表示装置を安価に提供できる。
この発明の第2の局面は次のように規定される。即ち、
第1の局面の表示装置において、前記アクチュエータは前記色調変化シート対向面に複数の空気孔を有するとともに該空気孔を被覆する可撓性シートとを備え、前記押圧部材は前記可撓性シートに固定されている。
このように規定される第2の局面の表示装置によれば、アクチュエータを色調変化シート対向面に複数の空気孔を有するとともに該空気孔を被覆する可撓性シートとを備えるものとし、可撓性シートに押圧部材を固定したので、複数の押圧部材を独立してかつ充分な力を与えて押圧する構造として簡素なものとなる。
この発明の第3の局面は次のように規定される。即ち、
第2の局面の表示装置において、前記可撓性シートは第1のシートと第2のシートとの積層体であり、前記押圧部材はアンカー部を備え、該アンカー部が前記第1のシートと第2のシートとの間に挿入されている。
このように構成される第3の局面の表示装置によれば、繰り返し変形される可撓性シートに対しても押圧部材が安定して固定される。
この発明の第4の局面は次のように規定される。即ち、
第1〜第3の何れかの局面に規定した表示装置において、前記色調変化シートは透明基板に貼着されるとともに、少なくとも前記押圧部材が押圧される部分に均等に分配された肉逃がし溝が形成されている。
このように規定される第4の局面の表示装置によれば、色調変化シートに肉逃がし溝が設けられた結果、面方向からの小さな力でも色調変化シートを充分にかつ安定して変形させ、好適な色調変化を実現できる。よって、押圧部材を色調変化シートへ押圧するときに要求される力が小さくなり、もってアクチュエータ等を小型化できる。
ここに、色調変化シートは、可逆的に変形可能な材料からなるシート状の基材中に粒子が規則的に配列されてなり、その厚さ方向の変形量に応じて色調を変化させるシート状の部材である。
ここで使用する可逆的に変形可能な材料としては、スチレン系軟質樹脂、軟質ポリ塩化ビニル、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ハイドロエチルメタクリレート(HEMA)、アクリル系エラストマー等の有機系高分子材料をあげることができる。色調変化シートはこのような可逆的に変形可能な材料を基材とすることにより、後述の押圧部材の押圧によって変形しても、当該押圧が解除されれば、押圧前の状態に戻ることができる。さらに、押圧と解除を繰り返し行っても色調変化シートの変形における可逆性が低下しにくい。
色調変化シートの基材の中に粒子が規則的に配列される。規則的な配列としては、フォトニック結晶構造であることが好ましい。フォトニック結晶は、通常、可視域周辺の光の波長と同程度の周期で粒子が分布した構造を指す。このような構造を有するフォトニック結晶は、その周期と同程度の波長の光をブラッグ反射し、それに起因して特定の波長の光が増幅されて、いわゆる構造色を発する。このようなブラッグ反射による構造色の色調は、フォトニック結晶構造を形成する粒子配列の周期に依存する。これにより、粒子配列の周期を適宜設定することで所望の色調の構造色が得られる。さらに、粒子配列の周期を変化させることで構造色の色調を変化させることができる。本発明の表示装置はこの特性を利用して、所定の色で表示対象を表示するものである。即ち、後述の押圧部材を色調変化シートに押圧して色調変化シートを変形し、これに伴って色調変化シート内のフォトニック結晶構造を形成する粒子配列の周期を変化させて構造色の色調を変化させ、所定の色で表示対象を表示する。構造色は外光(自然光)を利用して発色することができるため、自然光を利用することとすれば、別途発光表示用の光源やバックライト装置を使用する場合に比べて、電力の消費を低減することができる。また、装置の簡略化が図れる。さらに、自然光を利用(反射)するため、屋外でも明るく発色して視認性が高い。なお、夜間や暗所で使用するために、別途発光表示用の光源やバックライト装置を使用してこれらの光を利用してもよい。
フォトニック結晶構造の例として、コロイド結晶構造、ミクロドメイン構造などの構造体の他、薄膜を積層した構造(薄膜積層構造)をあげることができる。コロイド結晶構造は、コロイド粒子が所定間隔で周期的に配列した構造である。コロイド粒子は、粒径が約1nm〜約1000nm(10−6〜10−3m)の粒子であり、可視光が透過でき、ほぼ球形となる材質であれば特に限定されず、例えば、二酸化ケイ素(SiO)、ホウ珪酸ガラス、アルミン酸カルシウム、ニオブ酸リチウム、カルサイト、酸化チタン(TiO)、チタン酸ストロンチウム、酸化アルミニウム、フッ化リチウム、フッ化マグネシウム、酸化イットリウム、フッ化カルシウム、フッ化バリウム、セレン化亜鉛、臭ヨウ化タリウム、ダイアモンドなどが使用できる。、また、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、チタン酸ジルコン酸ランタン鉛(PLZT)などの強誘電体、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタル酸、塩化ビニル、アクリル、酸化ビニル、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリメタクリル酸メチルなど、ケイ素、ゲルマニウムを使用できる。また、ポリスチレン、ポリメタクリル酸メチル、SiO、TiOのいずれか2種以上の混合体や、これら1種をコアとして他の1種以上によりコアを被覆したコアシェル構造なども用いることができる。また、コロイド粒子の配列における規則性は、特に限定されないが、例えば、面心立方、体心立方、単純立方等を例示することができ、特に面心立方構造すなわち六方最密充填構造をとることができる。コロイド粒子を作成する方法は、UV(紫外線)重合、乳化重合、懸濁重合、二段階鋳型重合、化学気相反応法、電気炉加熱法、熱プラズマ法、レーザ加熱法、ガス中蒸発法、共沈法、均一沈殿法、化合物沈殿法、金属アルコキシド法、水熱合成法、ゾルゲル法、噴霧法、凍結法、硝酸塩分解法などを例示できる。これらのような方法で作成されるコロイド粒子を上記基材に懸濁された状態とする。そして重力沈降法、毛管法、電気泳動法、基板引き上げ法などにより、基材中にコロイド結晶構造を形成することができる。例えば、コロイド粒子を含有させた基材溶液を後述の透明基板に塗布してUV照射させることにより、色調変化シートを作成することができる。この方法によれば、基材中にコロイド粒子が自己組織的にコロイド結晶構造を形成するため、色調変化シートの作成が容易である。
ミクロドメイン構造は、異種の高分子が化学結合してブロック共重合体を形成する構造である。ブロック共重合体としては、ポリ(スチレン−co−イソプレン)ブロック共重合体、ポリ(スチレン−co−ブタジエン)ブロック共重合体、ポリ(スチレン−co−ビニルピリジン)ブロック共重合体、ポリ(スチレン−co−エチレンプロピレン)ブロック共重合体などを例示できる。これらのブロック共重合体は、複数の繰り返し単位を有していてもよい。
薄膜積層構造は、例えば、厚さ約5nm〜約20nmの薄膜を、約100nm〜約1000nmの間隔で積層した構造とすることができる。積層する薄膜の間には透明性を有する有機あるいは無機高分子材料からなる中間体を介在させることにより、積層する薄膜を所定の間隔に維持することができる。積層する薄膜として、金、銀、銅、アルミなどの金属や各種合金による金属薄膜や、酸化チタン、シリカなどの薄膜からなる誘電体薄膜を例示することができる。
色調変化シートは、後述の押圧部材の押圧による厚さ方向への変形量が十分確保されるように、十分な厚さを有することが好ましい。例えば、色調変化シートの厚さは0.001mm〜10mm、好ましくは0.01mm〜1mmとする。このような厚さを備えることにより、押圧部材の押圧によって色調変化シートが十分変形して、規則的に配列した粒子の配列に変化が生じ、外部から視認した際の色調が変化することとなる。例えば、色調変化シートの基材内にコロイド粒子によるコロイド結晶構造を形成した場合には、当該色調変化シートが変形すると、その変形量に応じて当該コロイド結晶構造が変化し、構造色が変化して、外部から視認した際の色調が変化する。
色調変化シートは、透明基板に貼着されるとともに、少なくとも後述の押圧部材の押圧面が押圧される部分に肉逃がし溝が均等に分配して形成される。透明基板の材質は特に限定されず、公知の材料を使用することができる。透明基板の色調変化シートが貼着される面(色調変化シート貼着面)と反対側の面が表示装置の表示面となる。
肉逃がし溝は均等に分配して形成されていれば、その形状は特に限定されないが、例えば、等間隔の格子状、所定の曲線を等間隔に設けた曲線状、等間隔のドット状とすることができる。また、色調変化シート貼着面の内、肉逃がし溝以外の部分が等間隔のドット状となるように、肉逃がし溝を形成してもよい。肉逃がし溝の大きさは、色調変化シートの厚さや大きさを考慮して適宜決定することができる。例えば、肉逃がし溝を格子状に設ける場合、色調変化シートの厚さが約0.5mmのとき、肉逃がし溝の幅を約0.2mmとすることができる。また、肉逃がし溝を格子状に設ける場合、肉逃がし溝によって区画されるそれぞれの領域が、表示対象となる画像の画素(ピクセル)にそれぞれ対応するように形成してもよい。このようにすれば、表示対象をより緻密に表示することができる。これは比較的大きな面積の色調変化シートを使用する場合に特に有効である。
色調変化シートは次のように形成することができる。まず、肉逃がし溝の形状に対応する所定の等間隔の枠状部を有する鋳型(コーム)を、所定の透明シートの上面に載置する。この状態で、当該透明シート上面にコロイド粒子を含有させた基材溶液を塗布してUV照射する。その後、コームを取り除くことにより、肉逃がし溝を備える色調変化シートを形成することができる。なお、所定の透明シートの上面にコロイド粒子を含有させた基材溶液を塗布してUV照射した後、スクレイバーなどで色調変化シートを所定幅で等間隔に掻き取って、肉逃がし溝を形成することもできる。また、エッチングやフォトリソグラフィにより、所定の形状の肉逃がし溝を形成することもできる。色調変化シートは透明の両面テープや、透明の接着剤などを介して透明基板へ接合することができる。
色調変化シートの基材中に、上記規則的に配列される粒子の他に、染料や顔料、光散乱材を含んでいても良い。また、色調変化シートと透明基板との間に色変換層を設けても良い。
以下、この発明の実施例の表示装置1について説明する。
実施例の表示装置1は、図1に示すとおり、表示ユニット2及びエアコンプレッサ部3を備えている。
表示ユニット2の詳細については図2〜図4を用いて後述する。
エアコンプレッサ部3は空気を圧縮するポンプ4及びポンプ4から吐出される空気圧力を調整する調圧弁5を備えている。調圧弁5から送られた圧縮空気は、図2に示すとおり、調節弁7で分配される。調節弁7は分岐した各空気流路の開閉を、制御部8からの制御信号に基づき、独立して制御することができる。
符号9は支持部材であり、表示ユニット2を所望の角度及び方向に支持する。
図2に表示ユニット2の平面図を示す。図3は表示ユニット2の断面図であり、図4は同じく分解図である。
表示ユニット2はケース部10及び表示部本体20とからなる。ケース部10は下箱11と蓋部13とを備え、下箱11の上縁部に蓋部13が固定されている。この実施例では図示しないねじにより両者を固定しているが、その固定方法は任意に選択できる。蓋部13はアクリル樹脂等の透明合成樹脂で形成される。
表示部本体20は色調変化シート22、アクチュエータ部30、押圧部材50から概略構成される。
色調変化シート22はアクリル樹脂等の透明合成樹脂からなる基板21に貼り付けられている。この実施例では、図5に示すように、透明な両面テープ23を基板21と色調変化シート22との間に介在させ、両者を固定している。両者の固定の態様は接着テープ23に限定されるものではなく、接着剤を用いることもできる。
色調変化シート22として、アクリル系樹脂中にSiO粒子(粒径:200nm)がコロイド結晶の格子上に存在するように充填したものであり、厚さ方向へ力が加えられると粒子間隔が変化して色調が変化する。この色調変化シート22の厚さは約0.5mmであり、肉逃がし溝24は約0.2mmの幅で格子状に形成されており、そのピッチは約0.5mmである。
かかる色調変化シート22は次のようにして製造される。
基材溶液として、新中村化学工業株式会社製のNKエステルAM−90G(メトキシポリエチレングリコール#400アクリレート)を97wt%、新中村化学工業株式会社製、NKエステルA−600(ポリエチレングリコール#600ジアクリレート)を3wt%の割合で混合した混合溶液を用いる。この基材溶液に対し、2wt%の割合でチバスペシャルティケミカルズホールディングコーポレーテッド製のDarocurl・173(硬化剤)を加えた後、SiO粒子を基材溶液に対し、50wt%の割合で混入し、これを基材上に塗布すると、自己整合的にコロイド粒子が格子上に配列する。その後、UV照射し、上記所定の肉逃がし溝24をスクレイバーにより掻き取ることにより製造される。
アクチュエータ部30はガイド板31、可撓性シート35、空気分配板40を備えている。
ガイド板31は色調変化シート22に対向して配置され、7セグメントディスプレイ用(図2参照)に7つのガイド穴33が穿設されている。各ガイド穴33は長穴形状であり、この長穴へ押圧部材50が上下方向へ移動可能に挿入される。可撓性シート35は例えばシリコーンゴムシートからなり、上側シート36と下側シート37とを接着剤で貼り合わせた構造である。
空気分配板40は空気孔41、空気溝45を備えている。空気孔41は大径部42と小径部43とを備え、大径部42は7セグメントディスプレイ用ガイド穴33に対向して配置される。小径部43は大径部42を空気溝45に連通させている。
空気溝45は空気分配板40の下面に形成され、図2に示す空気流路を構成する。空気分配板40と下箱11との間にもシリコーンゴムシート47が介在され、空気溝45の気密性を確保している。更には、空気分配板40の上面側(可撓性シート対向側面)であって空気孔41の大径部42の周囲にオーリング48が配置されている。空気分配板40の下面側にもオーリング49を配置することが好ましい。
押圧部材50は本体部51とアンカー部55とからなり、空気孔41を覆う可撓性シート35に固定される。押圧部材50はガイド板31のガイド穴33にそれぞれ対向して配置される。
押圧部材50の本体部51の平面形状は7セグメントディスプレイの1つのセグメントに対応する。即ち、長方形の両端を三角形とした形状であり、ガイド穴33へ挿入されて図示上下方向へ移動可能である。
本体部51の裏面には凹部52が形成される。アンカー部55は可撓性シート35の上側シート36と下側シート37の間に配置される。アンカー部55は突起56を有し、この突起部56は上側シート36とともに、本体部51の凹部52へ無理嵌めされる。これにより、押圧部材50を金属(可撓性シートに対して接着が容易でない材料)で形成しても、可撓性シート35に対する固定の状態が安定する。
このように構成された実施例の表示装置1によれば、調節弁7により所定の空気流路へ圧縮空気が導入されると、その圧縮空気は空気溝45を通過して空気孔41へ達し、その上を覆う可撓性シート35を膨らませる。これにより、可撓性シート35に固定された押圧部材50が色調変化シート22へ押圧され、そこに構造色を発生させる。調節弁7を調節して圧縮空気を外部へ逃がすと、膨張していた可撓性シート35が収縮し、押圧部材50が色調変化シート22から離隔し、もって押圧状態を終了する。
ここに、調節弁7により空気流路に対する圧縮空気の導入・開放を制御することにより、任意のセグメントに対応する押圧部材50を色調変化シート22へ押し当て、また離隔させられる。よって、簡易な構成を用いて任意の数字を表現可能となる。
図6−8に他の実施例の表示装置の構成を示す。なお、図6−8において図2−4と同一の要素には同一の符号を付してその説明を部分的に省略する。
この実施例では、押圧部材100の本体部101が表出部103とガイド部104とから構成される。表出部103は7セグメントディスプレイの1つのセグメントに対応した形状である。ガイド部104は円柱形の部材であって、その軸心は表出部103の中心と一致している。ガイド板31に形成されガイド穴133が円形に穿設され、ガイド部104はこのガイド穴133に移動可能に挿入される。前の実施例ではガイド板31のガイド穴33が長穴形状であったため、そこへ長方形の押圧部材50を挿入したとき、押圧部材50の押圧面(色調変化シート対向面)の水平性(色調変化シートに対する平行性)が乱れるおそれがある。それに対し、丸穴のガイド穴133へ円柱形のガイド部104を挿入すれば押圧部材100の押圧面の水平性を維持しやすくなる。
上記の例では7セグメントディスプレイを例に採りあげたが、勿論、これに限定されるものはなく、押圧部材の押圧面の形状は任意に設定可能である。また、アクチュエータに対する押圧部材の配設位置も任意選択可能である。
この発明は、上記発明の実施の形態及び実施例の説明に何ら限定されるものではない。特許請求の範囲の記載を逸脱せず、当業者が容易に想到できる範囲で種々の変形態様もこの発明に含まれる。
この発明の実施例の表示装置の全体構造を示す側面図である。 表示ユニットの表示態様を示す平面図である。 表示ユニットの構成を示す断面図である。 表示ユニットの構成を示す分解図である。 色調変化シートの構成を示す断面図である。 他の実施例の表示ユニットの構成を示す平面図である。 同じく断面図である。 同じく分解図である。
符号の説明
1 表示装置
2 表示ユニット
20 表示部本体
21 基板
22 色調変化シート
24 肉逃がし溝
30 アクチュエータ部
35 可撓性シート
50、100 押圧部材
55 アンカー部

Claims (4)

  1. 可逆的に変形可能な材料からなるシート状の基材中に粒子が規則的に配列されてなり、その厚さ方向の変形量に応じて色調を変化させるシート状の色調変化シートと、
    前記色調変化シートに対向して配置され、空気圧力に応じて変形する複数の変形部を有するアクチュエータと、
    該各変形部の空気圧力を変形部毎に独立して制御する空気圧力制御手段と、
    前記色調変化シートと前記変形部との間に配置される押圧部材であって、前記色調変化シートへ対向する面に表示対象を表す凹形状及び/又は凸形状を有する押圧部材と、
    を備えることを特徴とする表示装置。
  2. 前記アクチュエータは前記色調変化シート対向面に複数の空気孔を有するとともに該空気孔を被覆する可撓性シートとを備え、前記押圧部材は前記可撓性シートに固定されている、ことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
  3. 前記可撓性シートは第1のシートと第2のシートとの積層体であり、前記押圧部材はアンカー部を備え、該アンカー部が前記第1のシートと第2のシートとの間に挿入されている、ことを特徴とする請求項2に記載の表示装置。
  4. 前記色調変化シートは透明基板に貼着されるとともに、少なくとも前記押圧部材が押圧される部分に均等に分配された肉逃がし溝が形成されている、ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の表示装置。
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