JP4994733B2 - 自動焦点調節装置および撮像装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ビデオカメラ等において最適な焦点調節制御を行う自動焦点調節装置および撮像装置に関するものである。
従来より、ビデオカメラの自動焦点調節装置は、焦点信号(焦点評価値)が最大となるようにフォーカスレンズ位置を制御して自動焦点調節を行う方式(以下、TV−AF方式)が主流である。この方式では、フォーカスレンズを移動させながら、撮像素子等により被写体像を光電変換して得られた映像信号中より画面の鮮鋭度を表す焦点信号を検出し、その焦点信号が最大となるようにフォーカスレンズ位置を制御する。
前記TV―AF方式の焦点信号は、一般にある帯域のバンドパスフィルタにより抽出された映像信号の高周波成分を使用している。通常の被写体像を撮影した場合、図2の実線や点線で示されるように焦点が合ってくるにしたがってその値は大きくなり、レベルが最大になる点が合焦位置となる。
一方、他の自動焦点調節方式として、銀塩フィルムによる一眼レフカメラに広く使用されている内測位相差検出方式がある。内測位相差検出方式では、撮影レンズの射出瞳を通過した光束を2分割し、2分割した光束を一組の焦点検出用センサによりそれぞれ受光し、その受光量に応じて出力される信号のずれ量を検出する。すなわち、光束の分割方向の相対的位置ずれ量を検出することで、撮影レンズのピント方向のずれ量を直接求める。従って、焦点検出用センサにより一度蓄積動作を行えば、ピントずれの量と方向が得られるため、高速な焦点調節動作が可能となっている。
また、同じ位相差検出方式でも測距センサを撮影レンズとは独立して設ける外測位相差検出方式がある。外測位相差検出方式では、被写体から受光した光束を2分割し、2分割した光束を一組の焦点検出用センサによりそれぞれ受光し、その受光量に応じて出力される信号のずれ量を検出する。すなわち、光束の分割方向の相対的位置ずれ量を検出することで、三角測量から被写体距離を求める。その他、外部測距センサを用いる自動焦点調節方式としては、超音波センサを用いて伝搬速度を測定する方式や、コンパクトカメラによく使用される赤外線センサを用いて三角測量する方式などがある。
近年では、上記の自動焦点調節方式を組み合わせ、例えば内測位相差検出方式で合焦点近傍までレンズを移動した後、TV―AF方式に移行してピント位置の追い込みを行うような複合型自動焦点調節方式も提案されている(特許文献1)。
特開2005−1218195号公報
しかしながら、上記従来例では次のような問題があった。
TV−AF方式は、一般には他の自動焦点調節方式に比べて高い精度で合焦を得ることができるが、その一方で合焦を得るまでに要する時間が他の自動焦点調節方式に比べて長くなる傾向がある。さらに、被写体が低コントラストである場合や暗い状態での撮影時には、TV−AF方式の合焦位置探索が必ずしも正確に行われるとは限らない。このため、合焦位置探索が真の合焦位置に対して誤った方向に対して行われると、合焦を得るまでにより長時間を要してしまう。
また、複合型自動焦点調節方式は、図3(a)に示すように、まず位相差検出方式により合焦位置とされた位置にフォーカスレンズを移動し、焦点信号(評価値)が所定量より大きい場合のみTV―AF方式に変更して合焦位置に停止させる制御が一般的である。これは、他の自動焦点調節方法に比べ、TV−AF方式の方が合焦判別精度が高いことに起因する。そのため、位相差による合焦精度又は被写体測距精度が確実でない場合、TV−AF方式で得られるはずの合焦位置をフォーカスレンズが乗り越えてしまい、一度ジャストピント状態になった後に若干のボケが発生する。そして、TV−AF方式に変更されると、再びジャストピント状態に近づいたり、フォーカスレンズが合焦位置に達する手前で減速した後、再び加速して合焦位置へ移動したりするような、違和感のあるピント変化を持つ映像が撮影されてしまうことになる。図3(b)は、このときのフォーカスレンズの動きの様子を示したものである。
このような課題に対して、上記特許文献1にて提案されている制御方法では、焦点信号情報と位相差センサにより得られた合焦位置情報との比較結果に応じて最適なTV−AFの駆動パラメータを設定する。これにより、TV−AF方式による合焦位置探索の正確性を高めて合焦が得られるまでの時間を短縮し、上記のような違和感のあるピント変化の問題に対応している。
ところが、上記制御方法では、位相差センサにより合焦位置を求めているにも関わらず、フォーカスレンズの駆動にその情報を直接使用することはなく、TV−AFの応答性を向上させるための情報として間接的に使用している。そのため、位相差検出方式のメリットを十分に利用できておらず、合焦時間を短縮するための根本的な解決には至っていない。
(本発明の目的)
本発明の目的は、複合型自動焦点調節装置において、位相差検出方式などによる合焦位置検出精度が確実でない場合においても、ピント変化の違和感を軽減し、同時に合焦時間の短縮を図ることのできる自動焦点調節装置および撮像装置を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明は、被写体を撮像する撮像手段から得られる映像信号の高周波成分を焦点信号として取り出し、該焦点信号に基づいて焦点調節部材を移動して焦点調節を行う第1の自動焦点調節手段と、前記焦点調節部材の被写体に対する合焦位置を検出し、該合焦位置に前記焦点調節部材を移動して焦点調節を行う第2の自動焦点調節手段とを有し、前記第1の焦点調節手段と前記第2の焦点調節手段を併用して焦点調節を行う自動焦点調節モードを有する自動焦点調節装置であって、前記自動焦点調節モードでは、前記第2の自動焦点調節手段による焦点調節動作後の前記第1の自動焦点調節手段による焦点調節の際には、前記焦点信号が最大となる方向を判別するための第1の制御を行い、予め定められた時間が経過するまで前記焦点信号が最大となる位置を判定するための第2の制御へ移行することを禁止し、前記予め決められた時間が経過すると前記第2の制御への移行の禁止を解除して、前記第2の自動焦点調節手段による焦点調節動作後ではない前記第1の自動焦点調節手段による焦点調節の際には、前記予め決められた時間が経過する前でも前記第1の制御から前記第2の制御へ移行可能にする自動焦点調節装置とするものである。
また、本発明は、被写体を撮像する撮像手段から得られる映像信号の高周波成分を焦点信号として取り出し、該焦点信号に基づいて焦点調節部材を移動して焦点調節を行う第1の自動焦点調節手段と、前記焦点調節部材の被写体に対する合焦位置を検出し、該合焦位置に前記焦点調節部材を移動して焦点調節を行う第2の自動焦点調節手段とを有し、前記第1の焦点調節手段と前記第2の焦点調節手段を併用して焦点調節を行う自動焦点調節モードを有する撮像装置であって、前記自動焦点調節モードでは、前記第2の自動焦点調節手段による焦点調節動作後の前記第1の自動焦点調節手段による焦点調節の際には、前記焦点信号が最大となる方向を判別するための第1の制御を行い、予め定められた時間が経過するまで前記焦点信号が最大となる位置を判定するための第2の制御へ移行することを禁止し、前記予め決められた時間が経過すると前記第2の制御への移行の禁止を解除して、前記第2の自動焦点調節手段による焦点調節動作後ではない前記第1の自動焦点調節手段による焦点調節の際には、前記予め決められた時間が経過する前でも前記第1の制御から前記第2の制御へ移行可能にする撮像装置とするものである。
本発明によれば、複合型自動焦点調節装置において、位相差検出方式などによる合焦位置検出精度が確実でない場合においても、ピント変化の違和感を軽減し、同時に合焦時間の短縮を図ることができる。
本発明を実施するための最良の形態は、後述する実施例1および2に記載の通りである。
図1は本発明の実施例1である撮像装置のシステム構成を示す図である。図1において、101は固定の第1群レンズ、102は変倍を行う変倍レンズ、103は絞り、104は固定の第2群レンズ、105は変倍に伴う焦点面の移動補正及びピント合わせの機能を兼ね備えたフォーカスコンペレンズ(以下フォーカスレンズ)である。
106はCCDなどの撮像素子、107は撮像素子106の出力をサンプリング、ゲイン調整、デジタル化するCDS/AGC/ADコンバータである。108はCDS/AGC/ADコンバータ107からの出力信号を処理し、映像信号を生成するカメラ信号処理回路、109はカメラ信号処理回路108の出力信号が表示され、撮影者が画像をモニタするために用いられる表示装置である。
110は磁気テープ、光ディスク、半導体メモリなどが使用される記録装置、111はCDS/AGC/ADコンバータ107の出力信号中より焦点検出に用いられる領域の信号のみを通すAFゲートである。112はAFゲート111を通過した信号から高周波成分を抽出する焦点信号処理回路である。
113は、焦点信号処理回路112の出力信号に基づいて、後述のフォーカスコンペレンズ駆動源115を制御し、フォーカスレンズ105を駆動するとともに、記録装置110へ画像記録命令を出力するカメラ/AFマイコンである。
114は、変倍レンズ102を移動させるためのアクチュエータおよびそのドライバを含む変倍レンズ駆動源である。
115は、フォーカスレンズ105を移動させるためのアクチュエータおよびそのドライバを含むフォーカスコンペレンズ駆動源である。
116は、撮影者が外部測距ユニットの使用/非使用モードを切り替える際に操作するメニューボタンおよびズーミングを行うときに操作するズームスイッチを含む外部キーユニット、117は外部測距ユニットである。なお、外部測距ユニット117は、外測位相差検出方式のものとするが、従来の技術にあるような超音波センサ方式、赤外線センサ方式等であっても構わない。
ここで、カメラ/AFマイコン113で行われる複合型の自動焦点調節モードでの制御の概要を図4により説明する。
図4において、ステップ401は処理の開始を示す。ステップ402では位相差AFを使用すべきシーン、すなわちパンニングや被写体の移動等による被写体変化後であるかを判別し、そうである場合はステップ403へ、そうでない場合はステップ406へ進む。
ステップ403では外部測距ユニット117で位相差演算を行い、被写体距離に相当するフォーカスレンズ位置を算出する。
ステップ404ではフォーカスレンズ105をステップ403にて演算された位置まで所定の速度で駆動する。
ステップ405ではTV−AF制御における微小駆動モードから山登り駆動モードへの移行を禁止する状態に設定する。
ステップ406では山登り駆動への移行が禁止されている状態であるかを判別し、そうである場合はステップ407へ、そうでない場合はステップ409へ進む。
ステップ407ではステップ405で山登り駆動への移行が禁止されてから予め定められた所定時間が経過しているかを判別し、そうである場合はステップ408へ、そうでない場合はステップ409へ進む。
ステップ408では山登り駆動への移行を禁止する状態を解除する。ステップ409ではTV−AF制御を行う。ここでの詳細な動作は図5で説明する。
続いて、図5を用いてTV−AF制御について説明する。図5において、ステップ501は処理の開始を示す。ステップ502では焦点信号処理回路112内より焦点信号を取得するための測距枠の位置と大きさを設定する。
ステップ503では焦点信号処理回路112内のフィルタ係数を設定し、抽出特性の異なる複数のバンドパスフィルタを構築する。抽出特性とはバンドパスフィルタの周波数特性であり、ここでの設定とは焦点信号処理回路112内のバンドパスフィルタの設定値を変更することを意味する。
ステップ504では焦点信号処理回路112より焦点信号を取得する。ここで取得した焦点信号は所定比率で加算したのち、以降の焦点調節制御に使用される。ここでの詳細な動作は後述する。
ステップ505では微小駆動モードであるかを判別し、そうである場合はステップ506以降の微小駆動処理へ、そうでない場合はステップ513へ進む。
ステップ506では微小駆動動作を行い、フォーカスレンズを所定の振幅で駆動し、合焦しているか、あるいはどちらの方向に合焦点が存在するかを判別する。ここでの詳細な動作は図6で説明する。
ステップ507では合焦判定ができたかどうかを判別し、そうである場合はステップ511へ、そうでない場合はステップ508へ進む。
ステップ508ではステップ506の微小駆動動作で方向判別ができたどうかを判別し、そうである場合はステップ509へ進み、そうでない場合はステップ502へ戻り、微小駆動モードを継続する。
ステップ509ではステップ405で山登り駆動への移行が禁止されている状態であるかどうかを判別する。移行禁止状態でない場合はステップ510へ進み、山登り駆動動作への移行を行い、移行禁止状態である場合はステップ502へ戻り、微小駆動モードを継続する。
ステップ511では合焦時の焦点信号状態をメモリに格納した後、ステップ512へ進み、再起動判定モードへ移行する。
ステップ513では山登り駆動モードであるかどうかを判別し、そうである場合はステップ514以降の山登り駆動処理へ、そうでない場合はステップ518へ進む。
ステップ514では焦点信号が大きくなる方向へ所定の速度でフォーカスレンズ105を山登り駆動する。ここでの詳細な動作は図7で説明する。
ステップ515ではステップ514の山登り駆動で焦点信号のピーク位置が発見されたかどうかを判別し、ピーク位置が発見された場合はステップ516へ進み、そうでない場合はステップ502へ戻り、山登り駆動動作を継続する。
ステップ516では焦点信号がピークとなったフォーカスレンズ位置を目標位置に設定した後、ステップ517へ進み、停止モードへ移行する。
ステップ518では停止モードであるかを判別し、そうである場合はステップ519以降の停止処理へ、そうでない場合はステップ521へ進む。
ステップ519ではフォーカスレンズ105が焦点信号のピークとなる位置に戻ったかどうかを判別し、そうである場合はステップ520へ進み、微小駆動モードへの移行を行い、そうでない場合はステップ502へ戻り、停止モードを継続する。
ステップ521以降の動作は再起動判定モードの動作である。ステップ521ではステップ511で保持した焦点信号と現在の焦点信号を比較し、そのレベルの変動が大きいかどうかを判別する。焦点信号が大きく変動していればステップ522へ進み、微小駆動モードへの移行を行い、そうでなければ再起動せず、そのまま停止し、ステップ502へ戻る。
次に、図6を用いて微小駆動動作について説明する。図6において、ステップ601は処理の開始を示している。ステップ602では垂直同期信号に同期したルーチン処理回数を計数するカウンタの現在値を判別し、0であればステップ603のフォーカスレンズ105が至近側にある場合の処理へ進み、それ以外であればステップ604へ進む。
ステップ603では、フォーカスレンズ位置が至近側にある場合の処理として、焦点信号を保持する。ここでの焦点信号は、後述のステップ611でフォーカスレンズ位置が無限側にあるときに撮像素子106に蓄積された電荷から生成された映像信号によるものである。
ステップ604では現在のカウンタを判別し、1であればステップ605以降のフォーカスレンズ105を無限側へ駆動する処理に進み、それ以外であればステップ612へ進む。
ステップ605では振動振幅、中心移動振幅を演算する。これらの振幅は焦点深度内に設定されるのが一般的である。
ステップ606ではステップ603で保持した至近側の焦点信号レベルと後述のステップ611で保持した無限側の焦点信号レベルを比較し、後者が大きい場合はステップ607へ、前者が大きい場合はステップ608へ進む。
ステップ607では振動振幅と中心移動振幅を加算し、駆動振幅を求める。ステップ608では振動振幅を駆動振幅とする。ステップ609ではステップ607またはステップ608で求めた駆動振幅を用い、無限方向へ駆動する。
ステップ610では現在のカウンタを判別し、2であればステップ611のフォーカスレンズ105が無限側にある場合の処理に進み、それ以外であればステップ612へ進む。
ステップ611ではフォーカスレンズ位置が無限側にある場合の処理として、焦点信号を保持する。ここでの焦点信号は、ステップ603でフォーカスレンズ位置が至近側にあるときに撮像素子106に蓄積された電荷から生成された映像信号によるものである。
ステップ612では振動振幅、中心移動振幅を演算する。これらの振幅は焦点深度内に設定されるのが一般的である。
ステップ613ではステップ611で保持した無限側の焦点信号レベルとステップ603で保持した至近側の焦点信号レベルを比較し、後者が大きい場合はステップ614へ、前者が大きい場合はステップ615へ進む。
ステップ614では振動振幅と中心移動振幅を加算し、駆動振幅を求める。ステップ615では振動振幅を駆動振幅とする。ステップ616ではステップ614またはステップ615で求めた駆動振幅を用い、至近方向へ駆動する。
ステップ617では所定回数連続して同一方向に合焦点が存在しているかを判別し、そうである場合はステップ620へ、そうでない場合はステップ618へ進む。
ステップ618ではフォーカスレンズ105が所定回数同一エリアで往復しているかを判別し、そうである場合はステップ619へ、そうでない場合はステップ621へ進む。ステップ619では合焦判定できたと判断する。ステップ620では方向判別できたと判断する。
ステップ621ではカウンタが3であれば0にクリアし、その他の値であれば+1をカウンタを加算してステップ622へ進む。ステップ622は処理の終了を示す。
この微小駆動におけるフォーカスレンズ動作の時間経過を図8に示す。同図上部は映像信号の垂直同期信号であり、図8(b)の横軸は時間、縦軸はフォーカスレンズ位置を表している。ラベルAの時刻に撮像素子106に蓄積された電荷に対する焦点信号EVは時刻Tでカメラ/AFマイコン113に取り込まれる。そして、ラベルBの時刻に撮像素子106に蓄積された電荷に対する焦点信号EVは時刻Tでカメラ/AFマイコン113に取り込まれる。時刻Tでは焦点信号EVとEVを比較し、EVが大きい場合のみ振動中心を移動する。なお、ここでのフォーカスレンズ105の移動は焦点深度を基準とし、画面で認識できない移動量に設定する。
続いて、図7を用いて山登り駆動動作について説明する。図7において、ステップ701は処理の開始を示す。ステップ702では焦点信号のレベルが前回のものより増加しているかを判別して、そうである場合はステップ703へ、そうでない場合はステップ704へ進む。
ステップ703ではフォーカスレンズ105を前回と同じ方向に所定の速度で山登り駆動し、ステップ707へ進む。
ステップ704では焦点信号がピークを越えて減少している場合はステップ706へ、それ以外の要因で減少している場合はステップ705へ進む。
ステップ705ではフォーカスレンズ105を前回と逆の方向に所定の速度で山登り駆動し、ステップ707へ進む。ステップ706ではピーク位置を発見したと判断する。ステップ707は処理の終了を示す。
上記山登り駆動動作のフォーカスレンズ105の動きを示したものが図9である。図9において、フォーカスレンズ105がAのように駆動されている場合は焦点信号が増加しているため、同じ方向への山登り駆動を継続する。ここで、フォーカスレンズ105をBの範囲で駆動すると、焦点信号はピーク位置を越えて減少する。このとき、合焦点が存在するとして山登り駆動動作を終了し、フォーカスレンズ105をピーク位置まで戻した後、微小駆動動作に移行する。一方、Cのようにピーク位置を越えずに焦点信号が減少した場合は駆動すべき方向を間違えたものとして反転し、山登り駆動動作を継続する。
このように、TV−AF方式による焦点調節制御では、図3(c)に示すように、位相差AF使用後の所定時間はその制御応答性を低下させることにより、再起動判定→微小駆動→再起動判定を繰り返しながらフォーカスレンズを移動させる。これにより、焦点信号が常に最大となるように合焦状態を維持する。その結果、複合型自動焦点調節装置において、位相差による被写体測距精度が確実でない場合においても、ピント変化の問題を軽減し、ユーザーに違和感のない焦点調節動作を提供することと同時に、合焦時間の短縮を図ることができる。
図10は本発明の実施例2である撮像装置のシステム構成を示す図である。実施例1と構成要素が同一の説明は省略する。図1に示す実施例1では、外部測距ユニット117を用いたが、実施例2においては、TTL位相差検出方式の焦点検出装置を用いている。
図10において、1001は固定の第1群レンズ、1002は変倍を行う変倍レンズ、1003は変倍に伴う焦点面の移動補正及びピント合わせの機能を兼ね備えたフォーカスコンペレンズ(以下フォーカスレンズ)である。1004は焦点検出のための光分割を行うハーフプリズム、1005は絞り、1006は結像レンズ、1007は撮像素子である。
1008はサブミラー、1009は焦点検出のための結像レンズ、1010は位相差検出方式のAFセンサ、1011はAF回路である。
1012は撮像素子1007の出力をサンプリング、ゲイン調整、デジタル化するCDS/AGC/ADコンバータ、1013はCDS/AGC/ADコンバータ1012からの出力信号を処理し、映像信号を生成するカメラ信号処理回路である。
1014はカメラ信号処理回路1013の出力信号が表示され、撮影者が画像をモニタするために用いられる表示装置、1015は磁気テープ、光ディスク、半導体メモリなどが使用される記録装置である。1016はCDS/AGC/ADコンバータ1012の出力信号中より焦点検出に用いられる領域の信号のみを通すAFゲート、1017はAFゲート1016を通過した信号から高周波成分を抽出する焦点信号処理回路である。
1018は、焦点信号処理回路1017の出力信号に基づいて、後述のフォーカスコンペレンズ駆動源1020を制御し、フォーカスレンズ1003を駆動するカメラ/AFマイコンである。カメラ/AFマイコン1018は、同時に、記録装置1015へ画像記録命令を出力し、さらにAF回路1011を介したAFセンサ1010の出力から、ずれ量、ずれ方向を検出する役割を担う。
1019は変倍レンズ1002を移動させるためのアクチュエータおよびそのドライバを含む変倍レンズ駆動源、1020はフォーカスレンズ1003を移動させるためのアクチュエータおよびそのドライバを含むフォーカスレンズ駆動源である。
1021は撮影者が位相差AFの使用/非使用モードを切り替える際に操作するメニューボタンおよびズーミングを行うときに操作するズームスイッチを含む外部キーユニット
である。
動画撮影中、絞り1005は特定のモードを除き常に作動しているため、このような構成の撮像装置の場合、ハーフプリズム1004による入力光の分割は絞り1005の手前で行う必要がある。
実施例2においても、実施例1で説明した焦点調節制御のアルゴリズムの適用が可能である。したがって、本実施例2の特徴を表すフローチャートは図4、図5、図6、図7と共通であり、同図における説明はそちらに譲る。
このように、TV−AF方式による焦点調節制御では、位相差AF使用後の所定時間はその制御応答性を低下させることにより、再起動判定→微小駆動→再起動判定を繰り返しながらフォーカスレンズを移動させる。これにより、焦点信号が常に最大となるように合焦状態を維持する。その結果、複合型自動焦点調節装置において、位相差による合焦精度が確実でない場合においても、ピント変化の問題を軽減し、ユーザーに違和感のない焦点調節動作を提供することと同時に、合焦時間の短縮を図ることができる。
本発明の実施例1である撮像装置のシステム構成を示す図である。 焦点信号の特性を示す図である。 複合型焦点調節方式のフォーカスレンズ駆動例を示す図である。 本発明の実施例1の焦点調節制御を示すフローチャートである。 本発明の実施例1のTV−AF制御を示すフローチャートである。 本発明の実施例1の微小駆動モードにおける動作を示すフローチャートである。 本発明の実施例1の山登り駆動モードにおける動作を示すフローチャートである。 微小駆動モードにおけるフォーカスレンズ動作を示す図である。 山登り駆動モードにおけるフォーカスレンズ動作を示す図である。 本発明の実施例2である撮像装置のシステム構成を示す図である。
符号の説明
101 固定の第1群レンズ
102 変倍レンズ
103 絞り
104 固定の第2群レンズ
105 フォーカスコンペレンズ
106 撮像素子
107 CDS/AGC/ADコンバータ、
108 カメラ信号処理回路
109 表示装置
110 記録装置
111 AFゲート
112 焦点信号処理回路
113 カメラ/AFマイコン
114 変倍レンズ駆動源
115 フォーカスコンペレンズ駆動源
116 外部キーユニット
117 外部測距ユニット
1010 AFセンサ
1011 AF回路

Claims (3)

  1. 被写体を撮像する撮像手段から得られる映像信号の高周波成分を焦点信号として取り出し、該焦点信号に基づいて焦点調節部材を移動して焦点調節を行う第1の自動焦点調節手段と、
    前記焦点調節部材の被写体に対する合焦位置を検出し、該合焦位置に前記焦点調節部材を移動して焦点調節を行う第2の自動焦点調節手段とを有し、
    前記第1の焦点調節手段と前記第2の焦点調節手段を併用して焦点調節を行う自動焦点調節モードを有する自動焦点調節装置であって、
    前記自動焦点調節モードでは、前記第2の自動焦点調節手段による焦点調節動作後の前記第1の自動焦点調節手段による焦点調節の際には、前記焦点信号が最大となる方向を判別するための第1の制御を行い、予め定められた時間が経過するまで前記焦点信号が最大となる位置を判定するための第2の制御へ移行することを禁止し、前記予め決められた時間が経過すると前記第2の制御への移行の禁止を解除して、前記第2の自動焦点調節手段による焦点調節動作後ではない前記第1の自動焦点調節手段による焦点調節の際には、前記予め決められた時間が経過する前でも前記第1の制御から前記第2の制御へ移行可能にすることを特徴とする自動焦点調節装置。
  2. 前記第1の制御を行って前記焦点信号が最大となる方向が判別された後に前記第2の制御へ移行することを特徴とする請求項に記載の自動焦点調節装置。
  3. 被写体を撮像する撮像手段から得られる映像信号の高周波成分を焦点信号として取り出し、該焦点信号に基づいて焦点調節部材を移動して焦点調節を行う第1の自動焦点調節手段と、
    前記焦点調節部材の被写体に対する合焦位置を検出し、該合焦位置に前記焦点調節部材を移動して焦点調節を行う第2の自動焦点調節手段とを有し、
    前記第1の焦点調節手段と前記第2の焦点調節手段を併用して焦点調節を行う自動焦点調節モードを有する撮像装置であって、
    前記自動焦点調節モードでは、前記第2の自動焦点調節手段による焦点調節動作後の前記第1の自動焦点調節手段による焦点調節の際には、前記焦点信号が最大となる方向を判別するための第1の制御を行い、予め定められた時間が経過するまで前記焦点信号が最大となる位置を判定するための第2の制御へ移行することを禁止し、前記予め決められた時間が経過すると前記第2の制御への移行の禁止を解除して、前記第2の自動焦点調節手段による焦点調節動作後ではない前記第1の自動焦点調節手段による焦点調節の際には、前記予め決められた時間が経過する前でも前記第1の制御から前記第2の制御へ移行可能にすることを特徴とする撮像装置。
JP2006200168A 2006-07-24 2006-07-24 自動焦点調節装置および撮像装置 Expired - Fee Related JP4994733B2 (ja)

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