JP4967933B2 - エレベータの制御装置及び制御方法 - Google Patents

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Description

この発明は、地震時管制運転を実施した後、エレベータの運転を再開させるために診断運転を実施するエレベータの制御装置及び制御方法に関するものである。
地震時管制運転の機能を備えたエレベータでは、地震感知器によって地震の揺れが感知されると、その地震の規模(建築物の加速度等)に応じて、最寄り階停止等の救出運転が実施される。そして、従来では、地震によってエレベータに何らかの損傷が発生している恐れがある場合、即ち、所定の規模の地震が発生した場合には、エレベータは最寄り階停止後に運転休止状態となり、専門のエレベータ保守員による点検作業が実施されるまで、上記運転休止状態が継続されていた。
上記構成のエレベータでは、所定の規模の地震が発生すると通常の運転が再開されるまでにかなりの時間を要してしまい、エレベータのサービスを大幅に低下させてしまう。そこで、最近では、上記問題を解決するため、また、地震時におけるエレベータ保守員の負担を軽減させるため、地震時管制運転後に所定の条件下で診断運転を実施し、かかる診断運転においてエレベータの異常が検出されなかった場合に、エレベータを自動で復旧させる機能を備えたエレベータも実現されている。このようなエレベータでは、例えば、最寄り階停止後に余震対策のために更に数分程度その乗場でかごを待機させた後、運転休止状態のエレベータの地震感知器をリセットして、定格速度よりも遅い速度(以下、「低速」という)で診断運転を実施する。
なお、診断運転を低速で実施するのは、かごの昇降速度を下げることによって高精度及び高信頼度の診断(異常検出)を実現するため、及び、エレベータの異常検出時におけるかごの停止距離を短くすることによって、被害を最小限に抑えるため、という理由によるものである。
また、地震管制運転後に所定の条件下で診断運転を実施するエレベータの従来技術として、所定の規模の地震が発生した場合に、レール間隔等を光センサ等によって計測して運転を継続させることが可能であるか否かを判断するとともに、運転の継続が可能と判断した場合に、かごを±1000mmの範囲で低速上下運転させ、かかる低速上下運転でも異常が検出されなかった場合に、通常の運転に復帰させるようにしたものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開平11−171423号公報
従来のエレベータでは、診断運転を低速で実施するため、昇降行程が長い場合や診断運転を複数回実施する場合に、診断運転にかなりの時間を要し通常運転への復帰が遅れるといった問題があった。なお、エレベータの早期復旧を図るために診断運転時のかご速度を上昇させると、異常発生時の被害が大きくなり、結果的に復旧が更に遅延する恐れがあった。
また、特許文献1記載のものでは、光センサによるレール間隔等の計測、及び±1000mmの範囲で実施される低速上下運転の双方によって異常が発見されなければ通常運転に復帰させるという根拠が不明であり、通常運転に復帰した後、かごが上記低速上下運転以外の範囲に移動した際に、不具合が発生してしまう恐れがあった。かかる場合、かごは不具合発生時に定格速度で走行しているため、昇降路内機器類の破損や制御ケーブルの切断等が発生し、被害が更に拡大する恐れがあった。
特願2006−277927は、従来のエレベータにおける上記課題及び特許文献1記載のエレベータにおける上記課題を解決するために、本出願の出願人によって出願されたものである。かかるエレベータでは、地震時管制運転後にエレベータの全昇降行程の一部に限定して診断運転を実施し、その診断運転で異常が検出されない場合に、例えば、上記診断区間内の所定の範囲に限定して、エレベータを通常運転に復帰させている。
このエレベータによれば、地震時管制運転後に早期に且つ安全にエレベータの運転を再開させることが可能になる。しかし、エレベータの運転が一部区間しか再開されないために運行効率が悪く、その後にエレベータ利用者が増加すると、利用者はエレベータを利用するために長時間待たされたり、定員オーバー等によって途中階からの利用が著しく制限されたりするといった問題があった。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、その目的は、地震時管制運転後、エレベータの運転を、全昇降行程の一部に限定して早期に且つ安全に再開させることができるとともに、その後、運転の再開区間を早期に拡大して、エレベータのサービス低下を防止することができるエレベータの制御装置及び制御方法を提供することである。
この発明に係るエレベータの制御装置は、エレベータの地震時管制運転後に診断運転を実施する区間を、エレベータの全昇降行程の一部に限定した優先診断区間、及び、全昇降行程のうち、優先診断区間を除く所定の範囲に限定した通常診断区間に分けて設定する診断運転区間設定部と、地震時管制運転が実施された後、優先診断区間のみ診断運転を実施し、所定の条件下、優先診断区間内の所定の範囲に限定してエレベータの通常運転を再開させるとともに、優先診断区間内での通常運転が再開された後、通常診断区間の診断運転を実施して、所定の条件下、通常診断区間内の所定の範囲にまで広げてエレベータの通常運転を再開させる診断運転制御部と、を備えたものである。
この発明に係るエレベータの制御方法は、エレベータの地震時管制運転後に診断運転を実施する区間を、エレベータの全昇降行程の一部に限定した優先診断区間、及び、全昇降行程のうち、優先診断区間を除く所定の範囲に限定した通常診断区間に分けて設定するステップと、地震時管制運転が実施された後、優先診断区間のみ診断運転を実施し、所定の条件下、優先診断区間内の所定の範囲に限定してエレベータの通常運転を再開するステップと、優先診断区間内での通常運転が再開された後、通常診断区間の診断運転を実施して、所定の条件下、通常診断区間内の所定の範囲にまで広げてエレベータの通常運転を再開するステップと、を備えたものである。
この発明によれば、地震時管制運転後、エレベータの運転を、全昇降行程の一部に限定して早期に且つ安全に再開させることができるとともに、その後、運転の再開区間を早期に拡大して、エレベータのサービス低下を防止することができるようになる。
この発明をより詳細に説明するため、添付の図面に従ってこれを説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には同一の符号を付しており、その重複説明は適宜に簡略化ないし省略する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1におけるエレベータの制御装置を示す全体構成図である。図1において、1はエレベータ昇降路内を昇降するかご、2は昇降路内をかご1とは逆方向に昇降する釣合い重り、3はかご1及び釣合い重り2を釣瓶式に懸架する主ロープ、4は主ロープ3の一部が巻き掛けられた巻上機の駆動綱車、5は上記巻上機の制御等、エレベータの全体制御を司る制御装置である。
6はエレベータが備えられた建築物の揺れを感知する地震感知器である。この地震感知器6は、例えば、2次元加速度計で構成され、建築物上部のエレベータ機械室や昇降路ピット部に設置される。また、地震感知器6によって所定の規模の揺れが感知されると、地震感知器6から制御装置5に対して地震情報が出力される。制御装置5では、地震感知器6から地震情報が入力されることにより、その地震の規模に応じて最寄り階停止等といった乗客を救出するための地震時管制運転を実施する。
次に、上記制御装置5の具体的な構成について説明する。
制御装置5には、例えば、運行制御部7、運行状況記憶部8、診断運転区間設定部9、診断運転区間制御部10、診断運転制御部11が備えられている。運行制御部7は、エレベータ運転時における各種機器類の制御を司り、種々の指令に基づいて、エレベータの通常運転、上記地震時管制運転、地震時管制運転後にエレベータを通常運転に復帰させるための診断運転を実施する。運行状況記憶部8は、エレベータの運行状況を検出及び記憶する機能を有する。例えば、運行状況記憶部8は、釦呼び(かご呼び、乗場呼び)の状況や停止階別の乗降者人数、車椅子釦の利用回数等に基づいて、通常運転時のエレベータの運行情報を記憶する。
診断運転区間設定部9は、地震時管制運転後に診断運転を実施する区間(以下、「診断区間」という)を設定する機能を有する。診断運転区間設定部9は、診断区間を、優先診断区間と通常診断区間とに分けて設定する。上記優先診断区間は、地震時管制運転直後に診断運転を優先的に実施する区間として、エレベータの全昇降行程の一部に限定して設定される区間である。また、通常診断区間は、上記優先診断区間の診断運転が終了した後に診断運転を実施する区間のことを意味し、例えば、エレベータの全昇降行程のうち、上記優先診断区間を除いた所定の範囲に限定した区間(全昇降行程のうち優先診断区間を除く全区間、或いは、この全区間の一部)に設定される。
なお、昇降行程が長いエレベータでは、上記通常診断区間を、優先診断区間の診断運転の終了後に診断運転を実施する第1通常診断区間、この第1通常診断区間の診断運転の終了後に診断運転を実施する第2通常診断区間、第2通常診断区間の診断運転の終了後に診断運転を実施する第3通常診断区間のように、優先順位が付された複数の区間で構成しても良い。なお、この優先順位は診断運転を実施する順序を意味する。
また、優先診断区間及び通常診断区間は、例えば、利用者の多い階床や地震による被害が発生し易い階床等の情報に基づいて地震発生前に予め設定されている固定区間であっても良いし、地震発生前の通常運転時或いは地震発生直後に、運行状況記憶部8に記憶された運行情報等に基づいてそれぞれ設定される変動区間であっても良い。変動区間とすることにより、優先診断区間と通常診断区間とを、より最近のエレベータ利用に即した区間に設定することができるようになる。12は診断運転区間設定部9の設定内容を外部からの操作によって修正、変更するデータ設定装置を示している。
診断運転区間制御部10は、診断運転区間設定部9によって設定された診断区間(優先診断区間、通常診断区間)に基づいて、実際に診断運転を実施する区間を制御する機能を有する。即ち、診断運転区間制御部10は、地震時管制運転が終了した直後は上記優先診断区間を、また、優先診断区間の診断運転が終了した後は通常診断区間を(通常診断区間が複数設定されている場合には、通常診断区間のうち優先順位の高いものから順に)、実際に診断運転を実施する区間として選択する。
そして、診断運転制御部11は、所定の条件下、診断運転区間制御部10によって制御(選択)された診断区間に基づいて、診断運転を制御する。即ち、診断運転制御部11は、地震時管制運転終了後、運行制御部7に対して指令を出力し、先ず、優先診断区間のみ診断運転を実施する。そして、優先診断区間の診断運転において何ら異常が発見されなければ、上記優先診断区間内の所定の範囲(優先診断区間全体を含む)に限定して、エレベータを通常運転に復帰させる。
また、診断運転制御部11は、優先診断区間内での通常運転を再開させた後、エレベータの現在の運行状況等を考慮しながら通常診断区間の診断運転を実施する。そして、この通常診断区間の診断運転において何ら異常が発見されなければ、通常診断区間内の所定の範囲にまで、通常運転の再開区間を広げる。即ち、通常運転に復帰させる区間を、優先診断区間及び通常診断区間に跨る所定の範囲に拡大する。
なお、通常診断区間が複数の区間に分けて設定されている場合には、診断運転制御部11は、一部区間の通常運転が再開された後、第1通常診断区間から診断運転を実施する。そして、第1通常診断区間の診断運転において何ら異常が検出されなければ、第1通常診断区間内の所定の範囲にまで広げてエレベータの通常運転を再開させる。その後、第2通常診断区間において診断運転を実施し、同様に、通常運転を再開させる区間を、第2通常診断区間内の所定の範囲にまで拡大する。このようにして、優先順位の高い通常診断区間から順に診断運転を実施し、通常運転を再開させる区間を、診断運転が終了した通常診断区間へと順次広げていく。
次に、上記構成を有するエレベータの制御装置5の動作について説明する。
図2はこの発明の実施の形態1におけるエレベータの制御装置の動作を示すフローチャートであり、上記診断区間(優先診断区間、通常診断区間)が、予め所定の区間に設定されている場合を示したものである。なお、診断区間は、エレベータの保守員等により、予め診断運転区間設定部9に設定される。
エレベータの通常運転時に地震が発生すると、地震感知器6によって地震の揺れが感知される。地震感知器6では、所定値を超える揺れを感知すると、制御装置5に対して地震情報を出力する(S101)。制御装置5では、地震感知器6からの地震情報に基づいて、運行制御部7が地震時管制運転を開始し、例えば、最寄り階停止後に戸開動作を行い、閉じ込めの発生を防止する(S102)。
地震時管制運転が終了すると、制御装置5は、エレベータを通常運転に自動復帰させるための診断運転を開始する(S103)。なお、エレベータが診断運転の対象ではない場合、エレベータは、地震時管制運転終了後、専門技術者による手動復旧がなされるまで運転が休止される(S104)。
エレベータが診断運転の対象である場合、制御装置5では、先ず、診断運転区間設定部9による診断区間の設定(機能)があるか否かが判断される(S105)。ここで、診断区間の上記設定機能がない場合、診断区間を昇降行程の一部区間のみに限定することができないため、運行制御部7は、従来通り、全昇降行程に渡る診断運転を実施する(S106)。そして、かかる診断運転において異常が発見された場合には、診断運転を中止して、専門技術者による手動復旧がなされるまで運転を休止する(S107、S108)。また、上記診断運転で何ら異常が検出されなければ、全昇降行程を対象にエレベータを通常運転に復帰させ、サービスを再開させる(S109)。
一方、診断運転区間設定部9による診断区間の設定機能がある場合、診断運転制御部11は、診断運転区間制御部10によって制御された診断区間に基づいて、診断運転を制御する。即ち、地震時管制運転直後であれば、診断運転区間制御部10によって、先ず、診断運転を実施する区間として優先診断区間が選択され、この優先診断区間のみを対象とした診断運転が行われる(S110)。そして、この優先診断区間のみを対象とした診断運転において異常が検出されなければ、診断運転が終了した後、全昇降行程の一部、例えば、診断運転において異常が検出されなかった上記優先診断区間内の所定の範囲(優先診断区間全体を含む)に限定して、通常運転を再開させる(S111、S112)。なお、上記診断運転で異常が検出されれば、S104に進み、診断運転を中止する。
全昇降行程の一部区間(例えば、上記優先診断区間内の所定の範囲)において通常運転が再開されると、制御装置5では、この一部区間で再開された通常運転において、エレベータの利用の有無を判断する(S113)。そして、制御装置5は、一部区間で再開された通常運転時に、エレベータの利用が所定期間検出されなくなると、診断運転の未実施区間における診断運転を順次開始する。即ち、先ず、診断運転が全昇降行程で完了しているか否かを判断し(S114)、診断運転の未実施区間がある場合には、エレベータの運転モードを通常運転から診断運転に切り換えて(S115)、上記未実施区間の診断運転を開始する。
例えば、優先診断区間のみ診断運転が完了している場合には、診断運転区間制御部10によって、診断運転を実施する区間として通常診断区間(通常診断区間が複数設定されている場合には、通常診断区間のうち優先順位の高いものから順に)が選択され、この通常診断区間のみを対象とした診断運転が行われる。なお、かかる診断運転において何ら異常が検出されなければ、上記診断運転が終了した後、診断運転が終了して安全が確認された区間内の所定の範囲(診断運転が終了した全区間を含む)に限定して、通常運転が再開される。そして、上記手順によって未実施区間の診断運転を順次実施し、最終的に全昇降行程における診断運転が完了すると、S109に進んで、全昇降行程を対象にエレベータを通常運転に復帰させる。
この発明の実施の形態1によれば、地震時管制運転後、エレベータを優先診断区間に限定して早期に且つ安全に通常運転に復帰させることができるとともに、その後、通常運転の再開区間を早期に通常診断区間にまで拡大することができる。したがって、通常運転復帰後のエレベータの運行効率の悪化を防止でき、快適なサービスを提供できるようになる。また、通常診断区間を複数の区間に分けて設定した場合には、短時間で各区間の診断運転を終了させることができるため、エレベータが長時間に渡って使用できなくなるといった不具合を防止できる。このため、エレベータが高層ビル等に設置されている場合には、特に有効な手段となる。
また、診断運転区間設定部9内の設定内容をデータ設定装置12によって修正及び変更可能に構成しておくことにより、ビル居住者等の特性を考慮した設定が可能となり、更にサービスを向上させることができるようになる。
なお、図2では、通常診断区間の診断運転時に何らかの異常が発見されると、エレベータの運転が休止される(S104)場合について示しているが、かかる場合には、それまでに診断運転が終了して安全が確認されている区間のみ通常運転を継続させるように構成しても良い。
実施の形態2.
図3はこの発明の実施の形態2におけるエレベータの制御装置の動作を示すフローチャートであり、診断区間(優先診断区間、通常診断区間)を、運行状況記憶部8に記憶された運行情報に基づいてそれぞれ設定する場合を示している。なお、かかる場合、運行状況記憶部8は、通常運転時にエレベータの運行状況を検出及び記憶し、例えば、所定期間毎にその内容を更新しておく。
図1のS101乃至S109までの動作は、実施の形態2においても同様である。S105において診断運転区間設定部9による診断区間の設定機能があると判定されると、制御装置5は、次に、予め診断区間が決まっているか否かを判定する(S201)。なお、予め診断区間が定まっている場合は、その設定された区間が優先されて診断運転が開始される(S202)。
一方、診断区間が予め決まっていない場合、診断運転区間設定部9は、運行状況記憶部8に記憶されている運行状況及び所定の算出式等に基づいて、診断区間(優先診断区間、通常診断区間)を算出する(S203乃至S205)。そして、診断運転制御部11は、診断運転区間設定部9によって算出された上記診断区間に基づいて、図1におけるS110乃至S115の動作を実施する(S206)。なお、運行状況記憶部8内の運行状況等から診断区間の算出ができない場合には、全昇降行程を対象に診断運転を実施し、エレベータを通常運転に復帰させる(S207)。
この発明の実施の形態2によれば、診断区間(優先診断区間、通常診断区間)を通常運転時の運行状況に基づいて設定することができるため、刻々と変化するビルの特性に対応できるようになる。例えば、ビルのテナントの出入りが激しいビルや、車椅子利用者が頻繁にビルに出入りするようになった場合等でも、その状況に合わせた診断区間の設定が可能となる。
実施の形態3.
図4はこの発明の実施の形態3におけるエレベータの制御装置の機能を説明するための図であり、エレベータが同一ビルに複数台(図4においては3台)設置されている場合を示している。かかる場合、制御装置5は、例えば、図6(a)に示すように、優先診断区間内の通常運転が再開された際に、各エレベータを乗り継いで当該ビルの全昇降行程を移動することができるように、優先診断区間を設定する。かかる構成によれば、地震発生直後においても、エレベータを利用した全昇降行程の移動が可能となり、利便性を向上させることができる。例えば、車椅子利用者であっても、エレベータを利用してビルの各階に移動することが可能となる。
また、制御装置5は、図6(b)に示すように、特に利用者の多い区間(例えば、図6(b)に示す場合では、1F〜10F)を必ず含むように優先診断区間を設定する。この構成によれば、運行効率の低下を防止でき、より良いサービスを多くの利用者に提供できるようになる。
この発明の実施の形態1におけるエレベータの制御装置を示す全体構成図である。 この発明の実施の形態1におけるエレベータの制御装置の動作を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態2におけるエレベータの制御装置の動作を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態3におけるエレベータの制御装置の機能を説明するための図である。
符号の説明
1 かご、 2 釣合い重り、 3 主ロープ、 4 駆動綱車、 5 制御装置、
6 地震感知器、 7 運行制御部、 8 運行状況記憶部、
9 診断運転区間設定部、 10 診断運転区間制御部、 11 診断運転制御部、
12 データ設定装置、

Claims (9)

  1. エレベータの地震時管制運転後に診断運転を実施する区間を、エレベータの全昇降行程の一部に限定した優先診断区間、及び、全昇降行程のうち、前記優先診断区間を除く所定の範囲に限定した通常診断区間に分けて設定する診断運転区間設定部と、
    地震時管制運転が実施された後、前記優先診断区間のみ診断運転を実施し、所定の条件下、前記優先診断区間内の所定の範囲に限定してエレベータの通常運転を再開させるとともに、前記優先診断区間内での通常運転が再開された後、前記通常診断区間の診断運転を実施して、所定の条件下、前記通常診断区間内の所定の範囲にまで広げてエレベータの通常運転を再開させる診断運転制御部と、
    を備えたことを特徴とするエレベータの制御装置。
  2. 通常運転時におけるエレベータの運行状況を記憶する運行状況記憶部と、
    を備え、
    診断運転区間設定部は、前記運行状況記憶部に記憶された運行状況に基づいて、優先診断区間及び通常診断区間をそれぞれ設定することを特徴とする請求項1に記載のエレベータの制御装置。
  3. 診断運転区間設定部は、通常診断区間を、優先順位を付して複数の区間に分けて設定し、
    診断運転制御部は、優先診断区間内での通常運転が再開された後、優先順位の高い前記通常診断区間から順に診断運転を実施して、所定の条件下、通常運転を再開させる区間を、診断運転が終了した前記通常診断区間内の所定の範囲にまで順次広げる
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のエレベータの制御装置。
  4. 診断運転制御部は、全昇降行程の一部区間において通常運転が再開された後、エレベータが所定期間利用されない場合に、診断運転の未実施区間において診断運転を開始することを特徴とする請求項1から請求項3の何れかに記載のエレベータの制御装置。
  5. 診断運転区間設定部は、エレベータが同一ビルに複数台設置されている場合に、優先診断区間内の通常運転が再開された各エレベータを利用して、前記ビルの全昇降行程を昇降することができるように、前記優先診断区間を設定することを特徴とする請求項1から請求項4の何れかに記載のエレベータの制御装置。
  6. エレベータの地震時管制運転後に診断運転を実施する区間を、エレベータの全昇降行程の一部に限定した優先診断区間、及び、全昇降行程のうち、前記優先診断区間を除く所定の範囲に限定した通常診断区間に分けて設定するステップと、
    地震時管制運転が実施された後、前記優先診断区間のみ診断運転を実施し、所定の条件下、前記優先診断区間内の所定の範囲に限定してエレベータの通常運転を再開するステップと、
    前記優先診断区間内での通常運転が再開された後、前記通常診断区間の診断運転を実施して、所定の条件下、前記通常診断区間内の所定の範囲にまで広げてエレベータの通常運転を再開するステップと、
    を備えたことを特徴とするエレベータの制御方法。
  7. 通常運転時に、エレベータの運行状況を記憶するステップと、
    を備え、
    優先診断区間及び通常診断区間は、通常運転時に記憶された前記運行状況に基づいてそれぞれ設定されることを特徴とする請求項6に記載のエレベータの制御装置。
  8. 通常診断区間は、優先順位が付されて複数の区間に分けて設定されるとともに、
    優先診断区間内での通常運転が再開された後、優先順位の高い前記通常診断区間から順に診断運転を実施して、所定の条件下、通常運転を再開させる区間を、診断運転が終了した前記通常診断区間内の所定の範囲にまで順次広げるステップと、
    を備えたことを特徴とする請求項6又は請求項7に記載のエレベータの制御方法。
  9. 全昇降行程の一部区間において通常運転が再開された後、エレベータの利用の有無を判定するステップと、
    一部区間で再開された通常運転時に、エレベータが所定期間利用されない場合に、診断運転の未実施区間において診断運転を開始するステップと、
    を備えたことを特徴とする請求項6から請求項8の何れかに記載のエレベータの制御方法。
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