JP4931346B2 - 高オクタン価ガソリン基材及び該基材を含有するガソリン組成物 - Google Patents
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ところが、地球温暖化対策として二酸化炭素の排出量を低減することが必要であり、その目的達成のためにレギュラーガソリンのRONをこれまでより高く、例えば93以上にしたいという要請がある。また、排気ガス対策として、排気ガス中のSOXやベンゼン濃度を考慮するとガソリン中の硫黄分や、ベンゼンなどの芳香族分をさらに低減する必要がある。
そのような背景から、レギュラーガソリンの主要原料として、高オクタン価、低硫黄、低ベンゼン等の性状を満たし、かつ安定して供給できるガソリン基材が求められる。また、同時に、前記比較的高いオクタン価であり、低硫黄、低ベンゼン等を満たし、地球温暖化や排気ガス規制等の環境汚染を解決した環境対応型ガソリンの開発が要望されている。
1.接触分解装置から得られる分解ガソリンを軽質留分、中質留分、及び重質留分に分留し、該中質留分を脱硫処理し、続いて接触改質処理し、その後脱ベンゼン処理をして得られる高オクタン価ガソリン基材、
2.前記中質留分の沸点範囲が75〜180℃である前記1に記載の高オクタン価ガソリン基材、
3.オクタン価が98以上、硫黄分が5質量ppm以下、ベンゼン含有量が1容量%以下である前記1又は2に記載の高オクタン価ガソリン基材、
4.前記1〜3のいずれかに記載の高オクタン価ガソリン基材を含有するガソリン組成物、
5.さらに前記軽質留分と重質留分との混合物を基材として配合した前記4に記載のガソリン組成物、
6.オクタン価が91以上96未満である請求項4又は5に記載のガソリン組成物、
を提供するものである。
ここで接触分解装置から得られる分解ガソリンとは、間接脱硫装置から留出する留分を処理する流動接触分解装置、又は重油直接脱硫装置から留出する留分を処理する重油流動接触分解装置から留出する分解ガソリンをいい、それら流動接触分解装置から得られる分解ガソリンと重油流動接触分解装置から得られる分解ガソリンの混合物であってもよい。
この分解ガソリンの沸点範囲は通常およそ10〜230℃であり、オクタン価はおよそ88〜93、硫黄分はおよそ0〜100質量ppm,芳香族分はおよそ5〜50容量%、ベンゼン含有量はおよそ0.5〜2.5容量%、オレフィン分はおよそ0〜50容量%等の性状を有する。
上記分解ガソリンの軽質留分及び重質留分は、本発明のガソリン基材には利用しないが、後述する本願発明のガソリン組成物の基材の一つとして利用することができる。この軽質留分の沸点範囲はおよそ10〜90℃が好ましく、35〜75℃がより好ましい。また重質留分の沸点範囲はおよそ160〜230℃が好ましく、さらには170〜230℃、特に180〜230℃が好ましい。
ここでいう脱硫処理や接触改質処理は通常公知の方法で行えばよい。すなわち脱硫処理については、通常の水素化脱硫触媒、例えば、コバルト、ニッケルなどの第VIII族金属、及びタングステン、モリブデンなどの第VIB族金属を担持した触媒を用い、反応温度100〜500℃、好ましくは250〜350℃、反応圧力0.5〜10MPa、好ましくは1〜5MPa、空間速度1〜20h-1、好ましくは5〜10h-1の条件で水素化脱硫を行えばよい。
脱ベンゼン処理方法は特に制限はないが、ベンゼン留分を蒸留によって取り除く方法が好ましく、取り除くベンゼン留分の沸点範囲については、ベンゼンの沸点を含む10℃以上にわたる沸点範囲の留分とするのが好ましい。例えば、およそ75〜85℃、70〜90℃、或いはおよそ70〜100℃などとする。このように広い沸点範囲の留分を除去することによって、ベンゼンの除去率を高め、かつオクタン価(RON)を高めることができる。
オクタン価は95以上、より好ましくは98以上、さらには100以上、特に好ましくは102以上である。硫黄分は5質量ppm以下、より好ましくは1質量ppm以下、芳香族分は90容量%以下、より好ましくは85容量%以下、ベンゼン含有量は1容量%以下、より好ましくは0.5容量%以下である。また、沸点範囲はおよそ70〜180℃である。
これによって、オクタン価を高めたレギュラーガソリンであって、地球温暖化や排気ガス規制などを解消する環境対応型ガソリンが容易に製造できる。
この混合基材の配合量は0〜98容量%であることが好ましく、10〜90容量%がより好ましい。
本発明のガソリン組成物におけるRONは89以上が好ましく、より好ましくは91以上、さらには92以上、特に好ましくは93以上である。RONの上限値については特に制限はないが、通常およそ96未満、さらには95以下である。RONが89以上であれば、ノッキングを生ずる恐れがなく良好な運転性能が確保できる。また、RONが93以上、96未満であれば、車両から二酸化炭素の排出量を低減する効果も期待できる。なおこのリサーチ法オクタン価は、JIS K 2280により測定した値である。
また、本発明のガソリン組成物は、硫黄分が10質量ppm以下が好ましく、より好ましくは5質量ppm以下である。硫黄分が10質量ppm以下であれば、排ガス中のSOxの増加や、三元触媒の活性低下による排気ガス中のCO、炭化水素、NOxなどの増加を抑制できる。なお、硫黄分の含有量はJIS K 2541の微量電量滴定式酸化法に従って測定した値である。
なお、上記T50、T70、及びT90は、JIS K 2254に基づいて測定した蒸留性状から求めた値である。
本発明のガソリン組成物は、上記のような性状を有するため、下記(I)式から計算される排出ガス指数(Y)が5以下の環境対応型ガソリンをえることができる。
Y=1.07BZ+0.12TO+0.11EB+0.05XY+0.03C9 +A+0.005〔100−(BZ+TO+EB+XY+C9 +A)〕
・・・・・・・・・(I)
〔式中、BZはベンゼン含有量、TOはトルエン含有量、EBはエチルベンゼン含有量、XYはキシレン含有量、C9 +Aは炭素数9以上の芳香族分含有量(いずれもガソリン組成物中の含有量で容量%)を示す。〕
なお、各芳香族分の含有量は、ガスクロマトグラフ法によるガソリン組成物の全組成分析(石油学会法JPI−5S−90に準拠)から算出した値である。
〔ガソリンの性状〕
・リサーチ法オクタン価:JIS K 2280に準拠して測定した。
・硫黄分:JIS K 2541の微量電量滴定酸化法によって測定した。
・芳香族分:JIS K 2536に準拠して測定した。
・ベンゼン、トルエン等芳香族化合物の含有量:JIS K 2536「石油製品成分試験方法」ガスクロマトグラフィーによる全成分試験方法により測定した。
・蒸留性状:JIS K 2541により測定した。
〔ガソリンの性能〕
・排出ガス指数:前記一般式(I)により求めた。
接触分解装置から得られた下記に示す性状を有する分解ガソリンを分留し、軽質留分、中質留分、及び重質留分を得た。中間分留の沸点範囲は90〜160℃であった。
・沸点範囲:31.0〜187.5℃
・RON:91.6
・芳香族分:37.2容量%
・硫黄分:7質量ppm
水素化脱硫処理の条件
・触媒:アルミナ担体にコバルト、モリブデンを担持した触媒
・反応温度:300℃、
・反応圧力:1.5MPa
・液空間速度:9h-1、
次いで、水素化脱硫処理して得られた留分について、下記の条件で接触改質処理をおこなった。
接触改質処理の条件
・触媒:アルミナに白金を担持した触媒
・反応温度:500℃、
・反応圧力:0.9MPa
・液空間速度:1.0h-1、
以上の方法で得られた高オクタン価ガソリン基材(「MFGPG」と略記する)を実施例1としてその性状を表1に示した。
また、参考のために従来の分解ガソリン(FG)を参考例1としてその性状を表1に示した。
実施例2〜8
ン基材1,2を表2に示す割合で配合し、得られたガソリン組成物の性状及び排出ガス指数を表2に示した。
その他の基材1は、上記分解ガソリンを分留した際に得られた軽質留分(LFG)と重質留分(HFG)を混合して得られた基材であり(「LFG+HFG」と略記する)、その他の基材2は、軽質ナフサ(DLN)である。
Claims (5)
- 接触分解装置から得られる分解ガソリンを軽質留分、中質留分、及び重質留分に分留し、該中質留分を脱硫処理し、続いて接触改質処理し、その後脱ベンゼン処理をして得られる、オクタン価が100以上、硫黄分が5質量ppm以下、ベンゼン含有量が1容量%以下である高オクタン価ガソリン基材。
- 前記中質留分の沸点範囲が75〜180℃である請求項1に記載の高オクタン価ガソリン基材。
- ベンゼン含有量が、0.5容量%以下である請求項1又は2に記載の高オクタン価ガソリン基材。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の高オクタン価ガソリン基材を含有する、オクタン価が93以上96未満であるガソリン組成物。
- さらに前記軽質留分と重質留分との混合物を基材として配合した請求項4に記載のガソリン組成物。
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