JP4926678B2 - 液浸露光用洗浄装置および洗浄方法、ならびにコンピュータプログラムおよび記憶媒体 - Google Patents

液浸露光用洗浄装置および洗浄方法、ならびにコンピュータプログラムおよび記憶媒体 Download PDF

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Description

本発明は、半導体ウエハ等の基板の表面に設けられるレジスト膜に液体を介して露光処理を施す液浸露光の前および/または後に、基板を洗浄する液浸露光用洗浄装置および洗浄方法、ならびにコンピュータプログラムおよび記憶媒体に関する。
半導体デバイスの製造においては、被処理基板である半導体ウエハ(以下、単にウエハという)上に回路パターンを形成するためにフォトリソグラフィ技術が用いられている。フォトリソグラフィを用いた回路パターンの形成は、ウエハ上にレジスト液を塗布してレジスト膜を形成し、このレジスト膜に光を照射して回路パターンに対応するようにレジスト膜を露光した後、これを現像処理するといった手順で行われる。このフォトリソグラフィ技術は、レジスト等の塗布と露光後の現像のための一連の処理を行うための複数の処理ユニットを集積した塗布・現像装置に露光装置を接続したシステムを用いて行われる。
半導体デバイスは近時、動作速度の向上等の観点から、さらなる高集積化が指向されており、フォトリソグラフィ技術においては、ウエハ上に形成される回路パターンの微細化が要求されている。そこで、45nmノードの高解像度を実現するフォトリソグラフィ技術として、ウエハと露光用の投影レンズとの間に空気よりも高い屈折率を有する純水等の露光液を供給し、露光液の屈折率を利用して投影レンズからの照射光の波長を短くすることにより露光の線幅を微細にする液浸(Immersion)露光が提案されている(例えば特許文献1参照)。
ところで、液浸露光処理は、液体を介在させて露光を行う技術であるため、露光装置へ搬入される際のウエハを今まで以上に清浄にする必要性があると考えられ、また、液浸露光により付着した液体がその後の処理に影響を及ぼすおそれもあることから、ウエハに対して露光前洗浄および/または露光後洗浄が行われている。
露光前洗浄および露光後洗浄は、通常純水によるリンス処理であるが、ウエハ上の膜種によって洗浄性が異なり、膜種が変更された際には膜種の特性に応じて最適な処理条件の選定とハード設定を変更する必要があるが、従来はこれを手動で行う必要があり、その作業に多くの時間が費やされ、スループットが低下してしまう。また、手動で条件設定を行う場合には、プロセスの最適化が不十分となるおそれがある。
国際公開2005−029559号パンフレット
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであって、液浸露光処理の前および/または後に効率的かつ適切な条件で基板を洗浄することができる液浸露光用洗浄装置および洗浄方法を提供することを目的とする。
また、そのような洗浄方法を実行するための制御プログラムおよびそのような制御プログラムを記憶したコンピュータ読取可能な記憶媒体を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の第1の観点では、基板の表面に設けられたレジスト膜に液体を介して露光処理を施す液浸露光の前および/または後に、基板を洗浄する液浸露光用洗浄装置であって、基板に対して洗浄処理を行うための機構を備えた洗浄装置本体と、前記洗浄装置本体の各構成部を制御する制御部とを具備し、前記洗浄装置本体は、構成部として、基板を回転可能に支持するスピンチャックと、スピンチャックに吸着された基板に洗浄液を供給する洗浄液ノズルと、基板にNガスを供給するNガスノズルとを有し、前記制御部は、基板に形成された膜の表面状態に関するパラメータの値と、そのパラメータの値に対応して適切な洗浄を行うことができるハード条件および/または処理条件との関係が記憶され、基板上に形成されている膜の表面状態が入力された際に、前記関係に基づいて、その表面状態に応じたハード条件および/または処理条件を有する新たな処理レシピを作成し、その新たな処理レシピに基づいて洗浄処理を行わせ、基板に形成された膜の表面状態に関するパラメータとして、接触角を用い、前記ハード条件および/または処理条件として、洗浄液ノズルの種類、洗浄液ノズルの角度、Nガス供給の有無、洗浄液吐出速度、洗浄液吐出時の基板の回転速度を用いることを特徴とする液浸露光用洗浄装置を提供する。
本発明の第2の観点では、基板の表面に設けられたレジスト膜に液体を介して露光処理を施す液浸露光の前および/または後に、基板を洗浄する液浸露光用洗浄装置であって、基板に対して洗浄処理を行うための機構を備えた洗浄装置本体と、前記洗浄装置本体の各構成部を制御する制御部とを具備し、前記制御部は、基板に形成された膜の表面状態に関するパラメータの値と、そのパラメータの値に対応して適切な洗浄を行うことができるハード条件および/または処理条件との関係が記憶され、基板上に形成されている膜の表面状態が入力された際に、前記関係に基づいて、その表面状態に応じたハード条件および/または処理条件を有する新たな処理レシピを作成し、その新たな処理レシピに基づいて洗浄処理を行わせ、基板に形成された膜の表面状態に関するパラメータとして、接触角と、表面電位および/または平均表面粗さとを用い、前記洗浄装置本体は、構成部として、基板を回転可能に支持するスピンチャックと、スピンチャックに吸着された基板に洗浄液を供給する洗浄液ノズルと、基板にN ガスを供給するN ガスノズルと、基板表面を除電するイオナイザとを有し、前記制御部は、前記ハード条件および/または処理条件として、洗浄液ノズルの種類、洗浄液ノズルの角度、N ガス供給の有無、前記イオナイザによる基板表面の除電の有無、洗浄液吐出速度、洗浄液吐出時の基板の回転速度を用いることを特徴とする液浸露光用洗浄装置を提供する。
上記第1、第2の観点において、前記制御部は、基本的な処理条件が設定された基本レシピを有し、前記関係に基づいて、前記基本レシピのハード条件および/または処理条件を変更し、またはハード条件および/または処理条件を新たに設定して新たな処理レシピを作成するものとすることができる。また、前記制御部は、前記基本レシピを複数有し、それらのうち選択されたものについて、ハード条件および/または処理条件を変更し、またはハード条件、処理条件を新たに設定して新たな処理レシピを作成するものとすることができる。
本発明の第3の観点では、基板の表面に設けられたレジスト膜に液体を介して露光処理を施す液浸露光の前および/または後に、基板を洗浄する液浸露光用洗浄方法であって、基板に形成された膜の表面状態に関するパラメータの値と、そのパラメータの値に対応して適切な洗浄を行うことができるハード条件および/または処理条件との関係を記憶しておく工程と、基板上に形成されている膜の表面状態を把握する工程と、上記関係に基づいて、その表面状態に応じたハード条件および/または処理条件を有する新たな処理レシピを作成する工程と、その新たな処理レシピに基づいて洗浄処理を行う工程とを有し、基板に形成された膜の表面状態に関するパラメータとして、接触角を用い、前記ハード条件および/または処理条件として、洗浄液を基板に供給する洗浄液ノズルの種類、洗浄液ノズルの角度、基板へのNガス供給の有無、洗浄液吐出速度、洗浄液吐出時の基板の回転速度を用いることを特徴とする液浸露光用洗浄方法を提供する。
本発明の第4の観点では、基板の表面に設けられたレジスト膜に液体を介して露光処理を施す液浸露光の前および/または後に、基板を洗浄する液浸露光用洗浄方法であって、基板に形成された膜の表面状態に関するパラメータの値と、そのパラメータの値に対応して適切な洗浄を行うことができるハード条件および/または処理条件との関係を記憶しておく工程と、基板上に形成されている膜の表面状態を把握する工程と、上記関係に基づいて、その表面状態に応じたハード条件および/または処理条件を有する新たな処理レシピを作成する工程と、その新たな処理レシピに基づいて洗浄処理を行う工程とを有し、基板に形成された膜の表面状態に関するパラメータとして、接触角と、表面電位および/または平均表面粗さとを用い、前記ハード条件および/または処理条件として、洗浄液を基板に供給する洗浄液ノズルの種類、洗浄液ノズルの角度、基板へのN ガス供給の有無、基板表面の除電の有無、洗浄液吐出速度、洗浄液吐出時の基板の回転速度の少なくともいずれか一つを用いることを特徴とする液浸露光用洗浄方法を提供する。
上記第3、第4の観点において、前記新たなレシピを作成する工程は、前記関係に基づいて、基本的な処理条件が設定された基本レシピのハード条件および/または処理条件を変更し、またはハード条件および/または処理条件を新たに設定して新たな処理レシピを作成するものとすることができる。また、複数の基本レシピのうち選択されたものについて、ハード条件および/または処理条件を変更し、またはハード条件、処理条件を新たに設定して新たな処理レシピを作成するようにすることができる。
本発明の第5の観点では、コンピュータ上で動作し、液浸露光用洗浄装置を制御するコンピュータプログラムであって、基板に形成された膜の表面状態に関するパラメータの値と、そのパラメータの値に対応して適切な洗浄を行うことができるハード条件および/または処理条件との関係を記憶する記憶部と、基板上に形成されている膜の表面状態を入力する入力部と、基板上に形成されている膜の表面状態が入力された際に、前記関係に基づいて、その表面状態に応じたハード条件および/または処理条件を有する新たな処理レシピを作成し、その新たな処理レシピに基づいて洗浄処理を行わせる演算部とを有し、基板に形成された膜の表面状態に関するパラメータとして、接触角を用い、前記ハード条件および/または処理条件として、洗浄液を基板に供給する洗浄液ノズルの種類、洗浄液ノズルの角度、基板へのNガス供給の有無、洗浄液吐出速度、洗浄液吐出時の基板の回転速度を用いることを特徴とするコンピュータプログラムを提供する。
本発明の第6の観点では、コンピュータ上で動作し、液浸露光用洗浄装置を制御するコンピュータプログラムであって、基板に形成された膜の表面状態に関するパラメータの値と、そのパラメータの値に対応して適切な洗浄を行うことができるハード条件および/または処理条件との関係を記憶する記憶部と、基板上に形成されている膜の表面状態を入力する入力部と、基板上に形成されている膜の表面状態が入力された際に、前記関係に基づいて、その表面状態に応じたハード条件および/または処理条件を有する新たな処理レシピを作成し、その新たな処理レシピに基づいて洗浄処理を行わせる演算部とを有し、基板に形成された膜の表面状態に関するパラメータとして、接触角と、表面電位および/または平均表面粗さとを用い、前記ハード条件および/または処理条件として、洗浄液を基板に供給する洗浄液ノズルの種類、洗浄液ノズルの角度、基板へのN ガス供給の有無、基板表面の除電の有無、洗浄液吐出速度、洗浄液吐出時の基板の回転速度の少なくともいずれか一つを用いることを特徴とするコンピュータプログラムを提供する。
本発明の第の観点では、コンピュータ上で動作し、液浸露光用洗浄装置を制御する制御プログラムが記憶されたコンピュータ読取可能な記憶媒体であって、前記制御プログラムは、実行時に、上記第3、第4の観点の方法が行われるように、コンピュータに前記液浸露光用洗浄装置を制御させることを特徴とするコンピュータ読取可能な記憶媒体を提供する。
本発明によれば、基板に形成された膜の表面状態に関するパラメータの値と、そのパラメータの値に対応して適切な洗浄を行うことができるハード条件および/または処理条件との関係を記憶させておき、基板上に形成されている膜の表面状態が入力された際に、前記関係に基づいて、その表面状態に応じたハード条件および/または処理条件を有する新たな処理レシピを作成し、その新たな処理レシピに基づいて洗浄処理を行わせるので、基板上の膜種に応じて自動的に最適なハード条件および/または処理条件に設定することができる。このため、液浸露光処理の前および/または後に効率的かつ適切な条件で基板を洗浄することができる。
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。
図1は本発明の一実施形態に係る液浸露光用洗浄ユニットを搭載したパターン形成装置の概略平面図であり、図2はその概略斜視図である。
パターン形成装置1は、半導体基板であるウエハWに所定のレジストパターンを形成するためのものであり、ウエハWの搬送ステーションであるカセットステーション11と、ウエハWに所定の処理を施す複数の処理ユニットを有する処理ステーション12と、ウエハWに露光処理を施す露光装置14と、処理ステーション12および露光装置14の間でウエハWを受け渡すためのインターフェイスステーション13とを備えている。カセットステーション11、処理ステーション12、インターフェイスステーション13および露光装置14は、この順にパターン形成装置1の長さ方向(Y方向)に直列に配置されている。
カセットステーション11は、複数枚、例えば13枚のウエハWが収容されたウエハカセット(CR)を載置するカセット載置台11aと、カセット載置台11a上のウエハカセット(CR)と後述する処理ステーション12の第3処理ユニット群Gに設けられたトランジションユニットとの間でウエハWを搬送するためのウエハ搬送部11cとを有している。カセット載置台11a上には、ウエハカセット(CR)を位置決めするための位置決め部11bが、パターン形成装置1の幅方向(X方向)に複数、例えば5個設けられており、ウエハカセット(CR)は、その開口がウエハ搬送部11cの筐体の壁面に設けられた開閉部11eと対向するように、位置決め部11b位置に載置される。ウエハ搬送部11cは、その筐体内に配置された、ウエハWを保持可能な搬送ピック11dを有し、この搬送ピック11dによりカセット載置台11a上の各ウエハカセット(CR)とトランジションユニットとの間でウエハWを搬送するように構成されている。
処理ステーション12は、筐体15内に配置されており、その前面側(図1下方)に、カセットステーション11側からインターフェイスステーション13側に向かって順に、第1処理ユニット群Gと第2処理ユニット群Gとを有し、その背面側(図1上方)に、カセットステーション11側からインターフェイスステーション13側に向かって順に、第3処理ユニット群G、第4処理ユニット群Gおよび第5処理ユニット群Gを有している。また、処理ステーション12は、第3処理ユニット群Gと第4処理ユニット群Gとの間に第1主搬送部Aを有し、第4処理ユニット群Gと第5処理ユニット群Gとの間に第2主搬送部Aを有している。
第1処理ユニット群Gは、ウエハWに露光時の光の反射を防止する反射防止膜を形成する例えば2つのボトムコーティングユニット(BARC)と、ウエハWの表面にレジストを塗布してレジスト膜を形成する例えば3つのレジスト塗布ユニット(COT)とが積み重ねられて構成されている。第2処理ユニット群Gは、ウエハWに形成された露光後のレジスト膜を現像する例えば3つの現像ユニット(DEV)と、ウエハWに形成されたレジスト膜の表面に保護液を供給して、後述する液浸露光用の液体に対する撥水膜としての保護膜を形成する例えば2つのトップコーティングユニット(ITC)とが積み重ねられて構成されている。
第3処理ユニット群G、第4処理ユニット群G、第5処理ユニット群Gは、ウエハWに疎水化処理を施すアドヒージョンユニットやレジスト塗布後のウエハWに加熱処理を施すプリベークユニット、現像処理後のウエハWに加熱処理を施すポストベークユニット、露光後現像前のウエハWに加熱処理を施すポストエクスポージャーベークユニット等の熱処理ユニットが例えば10段に積み重ねられて構成されている。また、第3処理ユニット群Gは、カセットステーション11と第1主搬送部Aとの間でのウエハWの受け渡し部となるトランジションユニットを有している。第5処理ユニット群Gは、第2主搬送部Aとインターフェイスステーション13の後述する第1ウエハ搬送機構21との間でのウエハWの受け渡し部となるトランジションユニットを有している。
第1主搬送部Aは、ウエハWを保持可能な第1主ウエハ搬送アーム16を有し、この第1主ウエハ搬送アーム16は、第1処理ユニット群G、第3処理ユニット群Gおよび第4処理ユニット群Gの各ユニットに選択的にアクセスできるようになっている。第2主搬送部Aは、ウエハWを保持可能な第2主ウエハ搬送アーム17を有し、この第2主ウエハ搬送アーム17は、第2処理ユニット群G、第4処理ユニット群Gおよび第5処理ユニット群Gの各ユニットに選択的にアクセスできるようになっている。
第1処理ユニット群Gとカセットステーション11との間および第2処理ユニット群Gとインターフェイスステーション13との間にはそれぞれ、第1および第2処理ユニット群G、Gに供給される処理液の温度調節装置や温度湿度調節用のダクト等を備えた温度湿度調節ユニット18が設けられている。また、第1および第2処理ユニット群G、Gの下側にはそれぞれ、これらに薬液を供給するケミカルユニット(CHM)が設けられている。
図3はパターン形成装置1に設けられたインターフェイスステーション13を示す概略斜視図である。
インターフェイスステーション13は、筐体内に配置された、処理ステーション12側の第1インターフェイスステーション13aと、露光装置14側の第2インターフェイスステーション13bとを有している。第1インターフェイスステーション13aには、第5処理ユニット群Gの開口部と対面するように、ウエハWを搬送するための第1ウエハ搬送機構21が設けられており、第2インターフェイスステーション13bには、X方向に移動可能なウエハWを搬送するための第2ウエハ搬送機構22が設けられている。
第1インターフェイスステーション13aの正面側には、ウエハ周辺部の余分なレジストを除去するためにウエハWのエッジ部のみを選択的に露光する周辺露光装置(WEE)と、露光装置14に搬送されるウエハWを一時収容するイン用バッファカセット(INBR)と、露光装置14から搬送されたウエハWを一時収容するアウト用バッファカセット(OUTBR)と、露光装置14に搬送される前のウエハを洗浄する前洗浄ユニット(PRECLN)と、露光装置14から搬送されたウエハWを洗浄する後洗浄ユニット(POCLN)とが積み重ねられて構成された第6処理ユニット群Gが配置されている。これら前洗浄ユニット(PRECLN)および後洗浄ユニット(POCLN)が本実施形態に係る洗浄装置を構成する。
一方、第1インターフェイスステーション13aの背面側には、露光前のウエハWを高精度に温調する高精度温調ユニット(CPL)が例えば2段に積み重ねられて構成された第7処理ユニット群Gが配置されている。
第1ウエハ搬送機構21は、ウエハWを受け渡すためのフォーク21aを有している。このフォーク21aは、第5処理ユニット群G、第6処理ユニット群G、第7処理ユニット群Gの各ユニットにアクセス可能であり、これにより各ユニット間でのウエハWの搬送を行う。
第2ウエハ搬送機構22は、ウエハWを受け渡すための2本のフォーク22aを有している。このフォーク22aは、第6処理ユニット群Gの前洗浄ユニット(PRECLN)および後洗浄ユニット(POCLN)、第7処理ユニット群Gの各ユニット、露光装置14の後述するインステージ14aおよびアウトステージ14bにアクセス可能であり、これら各部の間でウエハWの搬送を行う。
第1インターフェイスステーション13aの上部には、第1インターフェイスステーション13aまたはインターフェイスステーション13の気流を調整する気流調整部23が設けられ、第2インターフェイスステーション13bの上部には、露光装置から搬送されたウエハWが乾燥しないように第2インターフェイスステーション13bまたはインターフェイスステーション13を加湿する加湿部24が設けられている。
露光装置14は、インターフェイスステーション13から搬送されたウエハWを載置するインステージ14aと、インターフェイスステーション13に搬送されるウエハWを載置するアウトステージ14bと、ウエハWに形成されたレジスト膜を、水または純水よりも高い屈折率を有する液体である高屈折率液体に浸漬させた状態で所定のパターンに露光する液浸露光部30と、インステージ14a、液浸露光部30およびアウトステージ14bの間でウエハWを搬送するウエハ搬送機構25とを有している。
図2に示すように、カセットステーション11の下部にはこのパターン形成装置1の全体を制御する制御部19が設けられている。制御部19は、図4のブロック図に示すように、パターン形成装置1の各構成部を制御するためのマイクロプロセッサ(コンピュータ)を備えたプロセスコントローラ31と、オペレータがパターン形成装置1の各構成部を管理するためにコマンドの入力操作等を行うキーボードや、パターン形成装置1の各構成部の稼働状況を可視化して表示するディスプレイ等からなるユーザーインターフェイス32と、処理に必要な情報が記憶された記憶部33とを有している。
記憶部33は、パターン形成装置1で実行される各種処理をコントローラ31の制御にて実現するための種々の制御プログラムや、処理条件データや処理手順等が記録された複数のレシピ、さらは処理に必要なデータベース等を格納している。
処理に際しては、ユーザーインターフェイス32からの指示等を受けて、任意のレシピを記憶部33から呼び出してプロセスコントローラ31に実行させることで、コントローラ31の制御下で、パターン形成装置1において所望の各種処理が行われる。レシピは、例えば、CD−ROM、ハードディスク、フレキシブルディスク、不揮発性メモリなどの読み出し可能な記憶媒体に記憶されている。なお、レシピは適宜の装置から例えば専用回線を介して随時伝送させてオンラインで利用したりすることも可能である。
また、パターン形成装置1の各構成部には下位のコントローラが設けられており、これらコントローラがプロセスコントローラ31の指令に基づいて各構成bの動作制御を行うようになっている。
このように構成されたパターン形成装置1においては、まず、ウエハ搬送部11cの搬送ピック11dにより、ウエハカセット(CR)から1枚のウエハWを取り出し、処理ステーション12の第3処理ユニット群Gに設けられたトランジションユニットに搬送する。次に、第1および第2主搬送部A、Aにより、レシピの順序に従って、第1〜5処理ユニット群G〜Gの所定のユニットにウエハWを順次搬送し、ウエハWに一連の処理を施す。ここでは、例えば、アドヒージョンユニットでのアドヒージョン処理、レジスト塗布ユニット(COT)でのレジスト膜の形成、プリベークユニットでのプリベーク処理を順次行う。また、必要に応じて、レジスト膜の上にトップコーティングユニット(ITC)により保護膜を形成する。なお、アドヒージョン処理に代えてボトムコーティングユニット(BARC)でレジスト膜形成に先立って反射防止膜(BARC)の形成を行う場合もある。なお、レジスト膜上に反射防止膜(TARC)を形成し、その上に保護膜を形成する場合もある。
処理ステーション12でのウエハWの一連の処理が終了し、ウエハWを第5処理ユニット群Gに設けられたトランジションユニットに搬送したら、第1ウエハ搬送機構21により、ウエハWを周辺露光装置(WEE)、イン用バッファカセット(INBR)、前洗浄ユニット(PRECLN)および高精度温調ユニット(CPL)に順次搬送し、ウエハWに一連の処理を施す。次に、ウエハWを、第2ウエハ搬送機構22によって露光装置14のインステージ14aに搬送し、さらにウエハ搬送機構25によって液浸露光部30に搬送し、液浸露光部30でウエハWに露光処理を施す。
液浸露光部30での露光後、ウエハ搬送機構25によってウエハWをアウトステージ14bに搬送する。次に、第2ウエハ搬送機構22によってウエハWを後洗浄ユニット(POCLN)に搬送し、ウエハWを洗浄する。続いて、第1ウエハ搬送機構21によりウエハWを第5処理ユニット群Gに設けられたトランジションユニットに搬送し、次いで第1および第2主搬送部A、Aにより、レシピの順序に従って、第1〜5処理ユニット群G〜Gの所定のユニットにウエハWを順次搬送してウエハWに一連の処理を施す。ここでは、例えば、ポストエクスポージャーベークユニットでのポストエクスポージャーベーク処理、現像ユニット(DEV)での現像処理、ポストベークユニットでのポストベーク処理を順次行う。そして、ウエハWを、第3処理ユニット群Gに設けられたトランジションユニットに搬送した後、カセットステーション11のウエハカセット(CR)へ搬送する。
次に、本実施形態に係る液浸露光用洗浄ユニットについて説明する。
上記パターン形成装置1は、本実施形態の液浸露光用洗浄ユニットとして前洗浄ユニット(PRECLN)および後洗浄ユニット(POCLN)を搭載している。これらは同様の構造および同様の制御形態を有しているため、以下、前洗浄ユニット(PRECLN)について説明する。
図5は前洗浄ユニット(PRECLN)を示す概略断面図である。前洗浄ユニット(PRECLN)は、図5に示すように、ウエハWに対し洗浄処理を行うためのユニット本体71と、ユニット本体71の各構成部を制御するためのコントローラ72とを有している。
ユニット本体71は、ウエハWを収容する筐体60と、筐体60内でウエハWを水平に保持して回転させるスピンチャック61と、スピンチャック61に保持されたウエハWに洗浄液(リンス液)として純水を供給する純水供給機構62と、スピンチャック61の表面に乾燥媒体としてのNガスを供給するNガス供給機構63と、スピンチャック61に保持されたウエハWから振り切られた洗浄液等の処理液を受け止めるカップ体64と、スピンチャック61を回転させるモータ65とを備えている。また、筐体60内にはウエハWの表面にイオンを供給して除電するイオナイザ67と、ウエハWの表面電位を測定する電位測定装置68が配置されている。
筐体60の側壁にはそれぞれ、第1および第2の搬送機構21,22からウエハWを搬入出するための2つの搬入出口60a(1つのみを図示)が形成されている。搬入出口60aにはシャッタ60bが設けられている。スピンチャック61は、昇降可能であり、ウエハWの下面を真空吸着してウエハWを保持した状態でモータ65によって回転される。
純水供給機構62は、洗浄液として純水を供給するための純水供給源62aと、純水供給源62aからの純水をスピンチャック61に保持されたウエハWの表面(上面)に供給する第1表面側純水ノズル62bおよび第2表面側純水ノズル62cと、純水供給源62aからの純水をスピンチャック61に保持されたウエハWの裏面(下面)に供給する2つの裏面側純水ノズル62dとを有している。第1表面側ノズル62bは純水供給源62aから延びる配管62eに接続されている。配管62eからは配管62fが分岐して設けられており。この配管62fの先端に第2表面側純水ノズル62cが接続されている。配管62eの分岐部にはバルブ62gが設けられており、このバルブ62gにより第1表面側純水ノズル62bと第2表面側純水ノズル62cとを切り替え、かつ流量調節するようになっている。また、2つの裏面側純水ノズル62dは純水供給源62aから延びる配管62hに接続されている。配管62hには流量を調節するためのバルブ62iが設けられている。上記第1表面側純水ノズル62bはストレートノズルであり、上記第2表面側純水ノズル62cはスリットノズルであって、後述するように、ウエハW上に形成された膜の表面状態に応じて使い分けることが可能となっている。第1および第2表面側純水ノズル62b、62cは、ウエハWの外方の退避位置とウエハWの直上の処理位置との間で移動可能となっている。また、ストレートノズルである第1表面側純水ノズル62bは、洗浄処理(リンス処理)の際に移動しながら純水を吐出することが可能となっており、スリットノズルである第2表面側純水ノズル62cは、洗浄処理(リンス処理)の際にウエハWの中央直上位置で静止した状態で配置される。
ガス供給機構63は、Nガス供給源63aと、NガスをウエハWの表面エッジ部に供給するNガスノズル63bと、NガスをNガス供給源63aからNガスノズル63bに導く導管63cと、導管63cを通流するNガスの流量を調整するバルブ63dとを有している。Nガスは後述するようにウエハWの表面状態に応じて供給される。Nガスノズル63bは、ウエハWの外方の退避位置と、ウエハWの直上の処理位置の間で移動可能に設けられている。また、洗浄処理(リンス処理)の際には、Nガスノズル63bは純水の供給の移動に合わせて移動可能となっている。
カップ体64は、ウエハWを保持したスピンチャック61が下降した位置にあるときにスピンチャック61に保持されたウエハWを囲繞するように設けられている。また、カップ体64は、その上端部が上方に向かって内側に傾斜しており、ウエハWから振り切られた処理液および裏面ノズル62dから供給された処理液を確実に受け止めることができるようになっている。カップ体64内の底壁には、受け止めた処理液排出する排出管64aが接続されている。
また、コントローラ72は、プロセスコントローラ31の指令に基づいて前洗浄ユニット(PRECLN)の各構成部を制御するようになっている。
前洗浄ユニット(PRECLN)における処理の制御は、前述したように記憶部33に記憶されているレシピに基づいて行われるが、記憶部33には洗浄処理に関して複数の基本レシピが格納されており、これらのいずれかが選択可能となっている。また、記憶部33には、露光前の洗浄処理について、ウエハW上に形成された膜の表面状態に関するパラメータの値と、そのパラメータの値に対応して適切な洗浄を行うことができるノズル等のハード条件、純水吐出速度等の処理条件との関係が記憶されている。プロセスコントローラ31は、記憶部33に記憶されている洗浄処理に関する複数の基本レシピのうち選択されたものについて、記憶部33に記憶されている上記関係に基づいてウエハWの膜の表面状態に応じて、ハード条件、処理条件を変更または設定した新たなレシピを作成し、そのレシピにより処理を行うようになっている。表面状態に関するパラメータとしては、接触角、表面電位、平均表面粗さを挙げることができる。この中でも特に接触角が重要であり、表面状態に関するパラメータとして接触角のみを用いることができるが、接触角、表面電位、平均表面粗さの全部を用いることが好ましい。
このようなウエハW上に形成されている膜の表面状態に関するパラメータの値と、そのパラメータの値に対応して適切な洗浄を行うことができるノズル等のハード条件、純水吐出速度等の処理条件との関係は、表面状態のパラメータ毎に例えば表1〜3に示すようなものとなる。
Figure 0004926678
Figure 0004926678
Figure 0004926678
表1は、表面状態のパラメータがウエハWに形成された膜の接触角の場合であるが、接触角が高い場合には水膜が形成されやすい傾向があり、接触角が低い場合にはノズル角度調整でも抑制できないような水膜が形成される。また、接触角に応じて純水の衝突によるミストの発生の抑制も必要となる。このため、接触角の値に応じて、ハード条件や処理条件として表面側純水ノズル62bの種類、表面側純水ノズル62bの角度、Nガスノズル63bからのNガスのアシストの有無、表面側純水ノズル62bからの液吐出速度、純水吐出時のウエハ回転速度が設定される。
表面側純水ノズル62bの種類は、純水の衝突によるミストの発生や、水膜の形成を抑制するために適切に設定される。具体的には、接触角が50°以下の親水性の場合には、静止系のスリットノズルが選択される。一方、接触角が50°超のより疎水性のウエハの場合にはストレートノズルが選択される。
表面側純水ノズル62bの角度およびNガスノズル63bからのNガスのアシストの有無は、やはり、純水の衝突によるミストの発生や、水膜の形成を抑制するために適切に設定される。接触角50°以下のときに用いられるスリットノズルは角度の変更はできないが、ストレートノズルの場合には、接触角が50°超〜90°のときにはノズル角度を15°以下、接触角が90°超のときにはノズル角度を15°〜30°の範囲の適宜の値に設定する。また、接触角が50°以下では、スリットノズルを用いることに加え、Nガスのアシストを行い、乾燥を促進する。一方、接触角が50°超のときにはNアシストは不要である。
表面側純水ノズル62bからの液吐出速度は、水膜の形成を抑制するために適切に設定される。水膜形成抑制の観点からは接触角が小さいほど液吐出速度を小さくすることが好ましく、接触角が50°以下のときには0.12〜0.25L/min、接触角が50°超〜90°のときには0.2〜0.3L/min、接触角が90°超のときには0.25〜0.5L/minの範囲の適宜の値に設定する。
純水吐出時のウエハ回転速度も、水膜の形成を抑制するために適切に設定される。水膜形成抑制の観点からは接触角が小さいほどウエハ回転速度が小さくすることが好ましく、接触角が50°以下のときには回転させないかまたは100rpm以下の速度で回転させる(0〜100rpm)。また、接触角が50°超のときには、100〜200rpmの範囲とし、接触角が高くなるほど回転数が大きくなるようにする。
表2は、表面状態のパラメータがウエハWに形成された膜の表面電位の場合であるが、この場合にはハード条件や処理条件として、必要に応じてイオナイザ67によるウエハの表面電位の調整を行う。これは、浮遊帯電パーティクルを抑制するために行われるものであり、表面電位が−50〜+50Vの場合には、イオナイザの作動は必要ではないが、絶対値が50Vを超えた場合(+50より大きい場合、または−50Vより小さい場合)にはイオナイザ67により除電する必要がある。表面電位は、前洗浄ユニット(PRECLN)にウエハWが搬入された際に、電位測定装置68により表面電位が測定される。イオナイザ67は純水吐出から振り切り乾燥のいずれかのタイミングで作動される。なお、イオナイザ67は、図示するようにウエハWの側部からイオンを照射する他、ウエハWの上方に設置してウエハWに供給されるダウンフローとともにイオンを照射するようにしてもよい。
表3は、表面状態のパラメータがウエハWに形成された膜の平均表面粗さの場合であるが、この場合にはハード条件や処理条件としてNガスアシストの条件設定を行う。これは、ミスト、ストライエーションの抑制のために行われるものである。表面の凹凸が高いとストライエーション系の微小水残りが容易に発生しまうため、Nガスを吐出してこのような微小水残りを解消する。平均表面粗さが10nm以下の場合には、このようなNガスアシストは必要ないが、平均表面粗さが10nm超1000nm以下の場合には、純水洗浄工程(リンス工程)の際に3〜5L/minの流量のNガスが吐出される。また、平均表面粗さが1000nm超の場合には、Nガスの流量は5〜10L/minとする。なお、Nガス吐出位置は純水吐出位置の近傍とする。
次に、このように構成される前洗浄ユニット(PRECLN)におけるウエハWの洗浄処理動作について図6のフローチャートを参照して説明する。なお、後洗浄ユニット(POCLN)においても同様の処理動作でウエハWの洗浄処理を行う。
まず、ユーザーインターフェイス32のキーボードによりウエハW上に形成された膜の表面状態のパラメータ、すなわち接触角、表面電位、平均表面粗さを入力する(ステップ1)。接触角および平均表面粗さは予め求めておいた値を入力し、表面電位については、実際にウエハWに膜を形成後、前洗浄ユニット(PRECLN)に挿入して電位測定装置68により測定した値を入力する。
次に、ユーザーインターフェイス32のディスプレイに基本レシピを表示させ、いずれかの基本レシピを選択する(ステップ2)。このように基本レシピが選択されると、プロセスコントローラ31は、記憶部33に記憶されている、ウエハW上に形成された膜の表面状態に関するパラメータの値と、そのパラメータの値に対応して適切な洗浄を行うことができるノズル等のハード条件、純水吐出速度等の処理条件との関係、すなわち、表1〜3に記載されている関係に基づいて、選択された基本レシピのハード条件、処理条件を変更または新たに設定して、新しいレシピを作成する(ステップ3)。そして、プロセスコントローラ31は、作成された新しいレシピに基づいて前洗浄ユニット(PRECLN)に洗浄処理を実施させる(ステップ4)。
ステップ4の洗浄処理は具体的には図7に示すようにして実施される。すなわち、まず、上記関係に基づいて必要に応じてストレートノズルである第1表面側純水ノズル62bの角度等のハード設定を行う(ステップ4−1)。ついで、ウエハWを筐体60内に搬入し、スピンチャック61上に保持させる(ステップ4−2)。その後、作成したレシピに応じて、第1表面側純水ノズル62b、第2表面側純水ノズル62cのうちいずれかを用い、必要に応じてNガスノズル63bからNガスを供給し、かつ、純水の供給量およびウエハWの回転速度を制御しながら純水による洗浄処理(リンス処理)を実施する(ステップ4−3)。この場合に、ウエハWの表面電位により必要に応じてイオナイザ67からイオンを供給して除電する。このような洗浄処理が終了後、純水の供給を停止し、ウエハWの回転速度を上げて振り切り乾燥を行う(ステップ4−4)。その後、ウエハWを筐体60外へ搬出する(ステップ4−5)。
以上のようにして、ウエハW上の膜の表面状態のパラメータを入力すると、記憶部33に記憶されている、ウエハW上に形成されている膜の表面状態に関するパラメータの値と、そのパラメータの値に対応して適切な洗浄を行うことができるハード条件、処理条件との関係に基づいて自動的に基本レシピの条件を変更ないし設定して新たなレシピを作成し、そのレシピに基づいて洗浄処理を行うので、ハード条件、洗浄条件の設定を手動で行う必要がなく、液浸露光処理の前の洗浄を極めて効率的に、かつ適切な条件で行うことができる。また、液浸露光処理の後の洗浄も同様に行うことにより、同様の効果を得ることができる。
次に、本実施形態によりレシピを作成した例について説明する。
<レシピ例1>
この例では、
接触角:110°
表面電位:+1000V
平均表面粗さ:0.5nm
の表面状態を有するウエハを用いた。装置の制御部にこの値を入力した結果、以下の表4に示すレシピが得られた。表面電位が+1000Vであるため、ウエハ搬入から処理終了までの間、イオナイザでのイオン照射を行う。また、接触角が110°、平均表面粗さ0.5nmであるため、純水リンスの際にストレートノズルをノズル角度30°として用い、Nガスアシストなしとし、ウエハの回転速度を200rpm、純水流量を250mL/minに設定した。
Figure 0004926678
<レシピ例2>
この例では、
接触角:110°
表面電位:+1000V
平均表面粗さ:50nm
の表面状態を有するウエハを用いた。装置の制御部にこの値を入力した結果、以下の表5に示すレシピが得られた。表面電位が+1000Vであるため、ウエハ搬入から処理終了までの間、イオナイザでのイオン照射を行う。また、接触角が110°、平均表面粗さ50nmであるため、純水リンスの際にストレートノズルをノズル角度30°として用い、Nガスアシストありとし、ウエハの回転速度を200rpm、純水流量を300mL/minに設定した。Nガスの流量は5L/minに設定した。
Figure 0004926678
<レシピ例3>
この例では、
接触角:40°
表面電位:+1000V
平均表面粗さ:0.5nm
の表面状態を有するウエハを用いた。装置の制御部にこの値を入力した結果、以下の表6に示すレシピが得られた。表面電位が+1000Vであるため、ウエハ搬入から処理終了までの間、イオナイザでのイオン照射を行う。また、接触角が40°、平均表面粗さ0.5nmであるため、純水リンスの際にスリットノズルを用い、ウエハの回転速度を0rpm、純水流量を120mL/minに設定した。また、振り切り乾燥の際にNガスアシストを行った。その際の、Nガスの流量は3L/minに設定した。
Figure 0004926678
なお、表4〜6においてノズル位置の欄の「ホーム」はウエハ外方の待機位置、「センター」はウエハ中央の直上位置、「エッジ」はウエハエッジの直上位置を示す。
以上、本発明の典型的な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されることなく種々変形可能である。例えば、上記実施形態では、表面状態のパラメータとして接触角、表面電位、平均表面粗さを用いたが、他のパラメータを付加してもよい。また、上記実施形態では、塗布膜としてレジスト膜の上に保護膜を形成した場合について示したが、保護膜は必須ではない。さらに、上記表1〜3に示す、ウエハ上に形成されている膜の表面状態に関するパラメータの値と、そのパラメータの値に対応して適切な洗浄を行うことができるノズル等のハード条件、純水吐出速度等の処理条件との関係は、典型的な例を示すものであり、これらに限定されるものではない。表4〜6のレシピ例についても単なる例示であり、基本レシピが異なるものであってもよい。
本発明の一実施形態に係る液浸露光用洗浄ユニットを搭載したパターン形成装置の概略平面図。 図1に示すパターン形成装置を示す概略斜視図。 図1に示すパターン形成装置におけるインターフェイスステーションを示す概略斜視図。 図1に示すパターン形成装置における制御部を示すブロック図。 図1に示すパターン形成装置における前洗浄ユニットを示す概略断面図。 図5の前洗浄ユニットにおけるウエハWの洗浄処理動作を示すフローチャート。 図6のステップ4の洗浄処理の動作を示すフローチャート。
符号の説明
1;パターン形成装置
14;露光装置
19;制御部
31;プロセスコントローラ
32;ユーザーインターフェイス
33;記憶部
60;筐体
61;スピンチャック
62;純水供給機構
62b;第1表面側純水ノズル
62c;第2表面側純水ノズル
63;Nガス供給機構
63b;Nガスノズル
67;イオナイザ
COT;レジスト塗布ユニット
BARC;ボトムコーティングユニット
ITC;トップコーティングユニット
PRECLN;前洗浄ユニット
POCLN;後洗浄ユニット
W;半導体ウエハ

Claims (11)

  1. 基板の表面に設けられたレジスト膜に液体を介して露光処理を施す液浸露光の前および/または後に、基板を洗浄する液浸露光用洗浄装置であって、
    基板に対して洗浄処理を行うための機構を備えた洗浄装置本体と、
    前記洗浄装置本体の各構成部を制御する制御部と
    を具備し、
    前記洗浄装置本体は、構成部として、基板を回転可能に支持するスピンチャックと、スピンチャックに吸着された基板に洗浄液を供給する洗浄液ノズルと、基板にNガスを供給するNガスノズルとを有し、
    前記制御部は、基板に形成された膜の表面状態に関するパラメータの値と、そのパラメータの値に対応して適切な洗浄を行うことができるハード条件および/または処理条件との関係が記憶され、基板上に形成されている膜の表面状態が入力された際に、前記関係に基づいて、その表面状態に応じたハード条件および/または処理条件を有する新たな処理レシピを作成し、その新たな処理レシピに基づいて洗浄処理を行わせ、
    基板に形成された膜の表面状態に関するパラメータとして、接触角を用い、
    前記ハード条件および/または処理条件として、洗浄液ノズルの種類、洗浄液ノズルの角度、Nガス供給の有無、洗浄液吐出速度、洗浄液吐出時の基板の回転速度を用いることを特徴とする液浸露光用洗浄装置。
  2. 基板の表面に設けられたレジスト膜に液体を介して露光処理を施す液浸露光の前および/または後に、基板を洗浄する液浸露光用洗浄装置であって、
    基板に対して洗浄処理を行うための機構を備えた洗浄装置本体と、
    前記洗浄装置本体の各構成部を制御する制御部と
    を具備し、
    前記制御部は、基板に形成された膜の表面状態に関するパラメータの値と、そのパラメータの値に対応して適切な洗浄を行うことができるハード条件および/または処理条件との関係が記憶され、基板上に形成されている膜の表面状態が入力された際に、前記関係に基づいて、その表面状態に応じたハード条件および/または処理条件を有する新たな処理レシピを作成し、その新たな処理レシピに基づいて洗浄処理を行わせ、
    基板に形成された膜の表面状態に関するパラメータとして、接触角と、表面電位および/または平均表面粗さとを用い
    前記洗浄装置本体は、構成部として、基板を回転可能に支持するスピンチャックと、スピンチャックに吸着された基板に洗浄液を供給する洗浄液ノズルと、基板にN ガスを供給するN ガスノズルと、基板表面を除電するイオナイザとを有し、
    前記制御部は、前記ハード条件および/または処理条件として、洗浄液ノズルの種類、洗浄液ノズルの角度、N ガス供給の有無、前記イオナイザによる基板表面の除電の有無、洗浄液吐出速度、洗浄液吐出時の基板の回転速度を用いることを特徴とする液浸露光用洗浄装置。
  3. 前記制御部は、基本的な処理条件が設定された基本レシピを有し、前記関係に基づいて、前記基本レシピのハード条件および/または処理条件を変更し、またはハード条件および/または処理条件を新たに設定して新たな処理レシピを作成することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の液浸露光用洗浄装置。
  4. 前記制御部は、前記基本レシピを複数有し、それらのうち選択されたものについて、ハード条件および/または処理条件を変更し、またはハード条件、処理条件を新たに設定して新たな処理レシピを作成することを特徴とする請求項3に記載の液浸露光用洗浄装置。
  5. 基板の表面に設けられたレジスト膜に液体を介して露光処理を施す液浸露光の前および/または後に、基板を洗浄する液浸露光用洗浄方法であって、
    基板に形成された膜の表面状態に関するパラメータの値と、そのパラメータの値に対応して適切な洗浄を行うことができるハード条件および/または処理条件との関係を記憶しておく工程と、
    基板上に形成されている膜の表面状態を把握する工程と、
    上記関係に基づいて、その表面状態に応じたハード条件および/または処理条件を有する新たな処理レシピを作成する工程と、
    その新たな処理レシピに基づいて洗浄処理を行う工程と
    を有し、
    基板に形成された膜の表面状態に関するパラメータとして、接触角を用い、
    前記ハード条件および/または処理条件として、洗浄液を基板に供給する洗浄液ノズルの種類、洗浄液ノズルの角度、基板へのNガス供給の有無、洗浄液吐出速度、洗浄液吐出時の基板の回転速度を用いることを特徴とする液浸露光用洗浄方法。
  6. 基板の表面に設けられたレジスト膜に液体を介して露光処理を施す液浸露光の前および/または後に、基板を洗浄する液浸露光用洗浄方法であって、
    基板に形成された膜の表面状態に関するパラメータの値と、そのパラメータの値に対応して適切な洗浄を行うことができるハード条件および/または処理条件との関係を記憶しておく工程と、
    基板上に形成されている膜の表面状態を把握する工程と、
    上記関係に基づいて、その表面状態に応じたハード条件および/または処理条件を有する新たな処理レシピを作成する工程と、
    その新たな処理レシピに基づいて洗浄処理を行う工程と
    を有し、
    基板に形成された膜の表面状態に関するパラメータとして、接触角と、表面電位および/または平均表面粗さとを用い
    前記ハード条件および/または処理条件として、洗浄液を基板に供給する洗浄液ノズルの種類、洗浄液ノズルの角度、基板へのN ガス供給の有無、基板表面の除電の有無、洗浄液吐出速度、洗浄液吐出時の基板の回転速度の少なくともいずれか一つを用いることを特徴とする液浸露光用洗浄方法。
  7. 前記新たなレシピを作成する工程は、前記関係に基づいて、基本的な処理条件が設定された基本レシピのハード条件および/または処理条件を変更し、またはハード条件および/または処理条件を新たに設定して新たな処理レシピを作成することを特徴とする請求項5または請求項6に記載の液浸露光用洗浄方法。
  8. 複数の基本レシピのうち選択されたものについて、ハード条件および/または処理条件を変更し、またはハード条件、処理条件を新たに設定して新たな処理レシピを作成することを特徴とする請求項7に記載の液浸露光用洗浄方法。
  9. コンピュータ上で動作し、液浸露光用洗浄装置を制御するコンピュータプログラムであって、
    基板に形成された膜の表面状態に関するパラメータの値と、そのパラメータの値に対応して適切な洗浄を行うことができるハード条件および/または処理条件との関係を記憶する記憶部と、
    基板上に形成されている膜の表面状態を入力する入力部と、
    基板上に形成されている膜の表面状態が入力された際に、前記関係に基づいて、その表面状態に応じたハード条件および/または処理条件を有する新たな処理レシピを作成し、その新たな処理レシピに基づいて洗浄処理を行わせる演算部と
    を有し、
    基板に形成された膜の表面状態に関するパラメータとして、接触角を用い、
    前記ハード条件および/または処理条件として、洗浄液を基板に供給する洗浄液ノズルの種類、洗浄液ノズルの角度、基板へのNガス供給の有無、洗浄液吐出速度、洗浄液吐出時の基板の回転速度を用いることを特徴とするコンピュータプログラム。
  10. コンピュータ上で動作し、液浸露光用洗浄装置を制御するコンピュータプログラムであって、
    基板に形成された膜の表面状態に関するパラメータの値と、そのパラメータの値に対応して適切な洗浄を行うことができるハード条件および/または処理条件との関係を記憶する記憶部と、
    基板上に形成されている膜の表面状態を入力する入力部と、
    基板上に形成されている膜の表面状態が入力された際に、前記関係に基づいて、その表面状態に応じたハード条件および/または処理条件を有する新たな処理レシピを作成し、その新たな処理レシピに基づいて洗浄処理を行わせる演算部と
    を有し、
    基板に形成された膜の表面状態に関するパラメータとして、接触角と、表面電位および/または平均表面粗さとを用い
    前記ハード条件および/または処理条件として、洗浄液を基板に供給する洗浄液ノズルの種類、洗浄液ノズルの角度、基板へのN ガス供給の有無、基板表面の除電の有無、洗浄液吐出速度、洗浄液吐出時の基板の回転速度の少なくともいずれか一つを用いることを特徴とするコンピュータプログラム。
  11. コンピュータ上で動作し、液浸露光用洗浄装置を制御する制御プログラムが記憶されたコンピュータ読取可能な記憶媒体であって、前記制御プログラムは、実行時に、請求項5から請求項8のいずれか一つの方法が行われるように、コンピュータに前記液浸露光用洗浄装置を制御させることを特徴とするコンピュータ読取可能な記憶媒体。
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