以下、添付図面を参照して、好適な実施形態について詳細に説明する。なお、説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には、同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。
(第1実施形態)
図1〜図4に基づいて、第1実施形態に係る貫通型積層コンデンサの構成について説明する。図1は、本実施形態に係る貫通型積層コンデンサの斜視図である。図2は、図1に示した貫通型積層コンデンサのII−II矢印断面図である。図3は、図1に示した貫通型積層コンデンサのIII−III矢印断面図である。図4は、第1実施形態に係る貫通型積層コンデンサに含まれるコンデンサ素体の分解斜視図である。
図1に示すように、貫通型積層コンデンサC1は、誘電特性を有するコンデンサ素体L1と、コンデンサ素体L1の外表面に配置された第1及び第2の信号用端子電極1、2並びに第1及び第2の接地用端子電極3、4とを備えている。
コンデンサ素体L1は、図1に示されるように、直方体状であり、その外表面として、相対向する長方形状の第1及び第2の主面L1a、L1bと、第1及び第2の主面間を連結するように第1及び第2の主面の短辺方向に伸びている相対向する第1及び第2の側面L1c、L1dと、第1及び第2の主面間を連結するように第1及び第2の主面の長辺方向に伸びている相対向する第3及び第4の側面L1e、L1fとを有する。
第1の信号用端子電極1は、コンデンサ素体L1の第1の側面L1cに配置されている。第1の信号用端子電極1は、第1の側面L1c全面を覆うように、第1及び第2の主面L1a、L1b並びに第3及び第4の側面L1e、L1fの端部(第1の側面L1c側の端部)に亘って形成されている。第2の信号用端子電極2は、コンデンサ素体L1の第2の側面L1dに配置されている。第2の信号用端子電極2は、第2の側面L1d全面を覆うように、第1及び第2の主面L1a、L1b並びに第3及び第4の側面L1e、L1fの端部(第2の側面L1d側の端部)に亘って形成されている。
第1の信号用端子電極1と第2の信号用端子電極2とは、第1の側面L1cと第2の側面L1dとが対向する方向で対向する。
第1の接地用端子電極3は、コンデンサ素体L1の第3の側面L1e上に配置されている。第1の接地用端子電極3は、第3の側面L1eの第1及び第2の側面L1c、L1dの対向方向の略中央の一部を、第1及び第2の主面L1a、L1bの対向方向に沿って横断するように覆っている。第1の接地用端子電極3はさらに、第1及び第2の主面L1a、L1bの第3の側面L1e側の端部の一部も覆う。
第2の接地用端子電極4は、コンデンサ素体L1の第4の側面L1f上に配置されている。第2の接地用端子電極4は、第4の側面L1fの第1及び第2の側面L1c、L1dの対向方向の略中央の一部を、第1及び第2の主面L1a、L1bの対向方向に沿って横断するように覆っている。第2の接地用端子電極4はさらに、第1及び第2の主面L1a、L1bの第4の側面L1f側の端部の一部も覆う。
第1の接地用端子電極3と第2の接地用端子電極4とは、第3の側面L1eと第4の側面L1fとが対向する方向で対向する。
第1及び第2の信号用端子電極1、2並びに第1及び第2の接地用端子電極3、4は、例えば導電性金属粉末及びガラスフリットを含む導電性ペーストをコンデンサ素体の外表面の付与し、焼き付けることによって形成される。必要に応じて、焼き付けられた端子電極の上にめっき層が形成されることもある。これらの第1及び第2の信号用端子電極1、2並びに第1及び第2の接地用端子電極3、4は、コンデンサ素体L1の表面上においては互いに電気的に絶縁されて形成されている。
貫通型積層コンデンサC1では、第1の主面L1a又は第2の主面L1bを、他の部品(例えば、回路基板や電子部品等)に対する実装面として回路基板等に実装することが好ましい。例えば、コンデンサ素体L1の第2の主面L1bが回路基板と対向するように貫通型積層コンデンサC1を実装する場合、第1及び第2の信号用端子電極1,2を基板上に形成され、信号配線に接続されたランド電極に接続し、第3及び第4の接地用端子電極3、4を基板上に形成され、グランド配線に接続されたグランド電極に接続する。
コンデンサ素体L1は、図2〜図4に示されるように、第1及び第2の主面L1a、L1bの対向方向に積層された複数(本実施形態では、10層)の誘電体層10〜19を有する。各誘電体層10〜19は、例えば誘電体セラミック(BaTiO3系、Ba(Ti,Zr)O3系、又は(Ba,Ca)TiO3系等の誘電体セラミック)を含むセラミックグリーンシートの焼結体から構成される。なお、実際のコンデンサ素体L1では、誘電体層10〜19の間の境界が視認できない程度に一体化されている。
誘電体層13〜16は、図2〜図4に示されているように、誘電体層10〜12、17〜19に比べて第1及び第2の主面L1a、L1bの対向方向での厚さが厚い。各誘電体層10〜19は、1枚のセラミックグリーンシートの焼結体から構成されていても、あるいは複数枚のセラミックグリーンシートの焼結体から構成されていてもよい。したがって、誘電体層13〜16は、積層数の点で多いセラミックグリーンシートの焼結体から構成されることで誘電体層10〜12、17〜19に比べて厚さが厚くなっていてもよく、あるいは厚さの大きい1枚のセラミックグリーンシートの焼結体から構成されることで誘電体層10〜12、17〜19に比べて厚さが厚くなっていてもよい。
コンデンサ素体L1には、第1の数(本実施形態では7層)の信号用内部電極30〜36及び第2の数(本実施形態では2層)の接地用内部電極20、21が配置されている。信号用内部電極30〜36の数である第1の数は、接地用内部電極20、21の数である第2の数より大きい。
各信号用内部電極30〜36は、信号用主電極部30a〜36aと、信号用主電極部30a〜36aからコンデンサ素体L1の第1の側面L1cに引き出されるように伸びる第1の信号用引き出し電極部30b〜36bと、信号用主電極部30a〜36aからコンデンサ素体L1の第2の側面L1dに引き出されるように伸びる第2の信号用引き出し電極部30c〜36cとを有する。信号用主電極部30a〜36a、第1の信号用引き出し電極部30b〜36b、及び第2の信号用引き出し電極部30c〜36cは、一体的に形成されている。
信号用主電極部30a〜36aは、第1及び第2の側面L1c、L1dの対向方向を長辺方向とし、第3及び第4の側面L1e、L1fの対向方向を短辺方向とする矩形状を呈する。
第1の信号用引き出し電極部30b〜36bは、信号用主電極部30a〜36aの第1の側面L1c側の端部ら伸びている。第1の信号用引き出し電極部30b〜36bは、信号用主電極部30a〜36aと第3及び第4の側面L1e、L1fの対向方向での幅が同じである。第1の信号用引き出し電極部30b〜36bは、その端が第1の側面L1cに露出し、当該露出した端部で第1の信号用端子電極1に接続される。
第2の信号用引き出し電極部30c〜36cは、信号用主電極部30a〜36aの第2の側面L1d側の端部ら伸びている。第2の信号用引き出し電極部30c〜36cは、信号用主電極部30a〜36aと第3及び第4の側面L1e、L1fの対向方向での幅が同じである。第2の信号用引き出し電極部30c〜36cは、その端が第2の側面L1dに露出し、当該露出した端部で第2の信号用端子電極2に接続される。
第1の信号用端子電極1は、第1の信号用引き出し電極部30b〜36bの第1の側面L1cに露出した部分をすべて覆うように形成されており、第1の信号用引き出し電極部30b〜36bは、第1の信号用端子電極1に物理的且つ電気的に接続される。これにより、信号用内部電極30〜36は、第1の信号用端子電極1に接続されることとなる。
第2の信号用端子電極2は、第2の信号用引き出し電極部30c〜36cの第2の側面L1dに露出した部分をすべて覆うように形成されており、第2の信号用引き出し電極部30c〜36cは、第2の信号用端子電極2に物理的且つ電気的に接続される。これにより、信号用内部電極30〜36は、第2の信号用端子電極2に接続されることとなる。
各接地用内部電極20、21は、接地用主電極部20a、21aと、接地用主電極部20a、21aからコンデンサ素体L1の第3の側面L1eに引き出されるように伸びる第1の接地用引き出し電極部20b、21bと、接地用主電極部20a、21aからコンデンサ素体L1の第4の側面L1fに引き出されるように伸びる第2の接地用引き出し電極部20c、21cとを有する。接地用主電極部20a、21a、第1の接地用引き出し電極部20b、21b、及び第2の接地用引き出し電極部20c、21cは、一体的に形成されている。
接地用主電極部20a、21aは、第1及び第2の側面L1c、L1dの対向方向を長辺方向とし、第3及び第4の側面L1e、L1fの対向方向を短辺方向とする矩形状を呈する。
第1の接地用引き出し電極部20b、21bは、接地用主電極部20a、21aの第3の側面L1e側の端部である長辺の略中央から伸びている。第1の接地用引き出し電極部20b、21bは、接地用主電極部20a、21aに比べて第1及び第2の側面L1c、L1dの対向方向での幅が小さい。第1の接地用引き出し電極部20b、21bは、その端が第3の側面L1eに露出し、当該露出した端部で第1の接地用端子電極3に接続される。
第2の接地用引き出し電極部20c、21cは、接地用主電極部20a、21aの第4の側面L1f側の端部である長辺の略中央から伸びている。第2の接地用引き出し電極部20c、21cは、接地用主電極部20a、21aに比べて第1及び第2の側面L1c、L1dの対向方向での幅が小さい。第2の接地用引き出し電極部20c、21cは、その端が第4の側面L1fに露出し、当該露出した端部で第2の接地用端子電極4に接続される。
第1の接地用端子電極3は、第1の接地用引き出し電極部20b、21bの第3の側面L1eに露出した部分をすべて覆うように形成されており、第1の接地用引き出し電極部20b、21bは、第1の接地用端子電極3に物理的且つ電気的に接続される。これにより、接地用内部電極20、21は、第1の接地用端子電極3に接続されることとなる。
第2の接地用端子電極4は、第2の接地用引き出し電極部20c、21cの第4の側面L1fに露出した部分をすべて覆うように形成されており、第2の接地用引き出し電極部20c、21cは、第2の接地用端子電極4に物理的且つ電気的に接続される。これにより、接地用内部電極20、21は、第2の接地用端子電極4に接続されることとなる。
本実施形態では、信号用内部電極30〜36及び接地用内部電極20,21は、第1及び第2の主面L1a、L1bの対向方向に沿って、信号用内部電極33が略中央に位置し、接地用内部電極20、21がその両隣に位置し、接地用内部電極20から第1の主面L1aに向かって信号用内部電極32、31、30が配置され、接地用内部電極21から第2の主面L1bに向かって信号用内部電極34、35、36が配置されている。
信号用内部電極32の信号用主電極部32aは、コンデンサ素体L1の一部である誘電体層13(第1の誘電領域)を間に挟んで、接地用内部電極20の接地用主電極部20aと誘電体層10〜19の積層方向(第1及び第2の主面L1a、L1bの対向方向)に互いに対向する領域を含んでいる。すなわち、信号用内部電極32と、接地用内部電極20とは、第1及び第2の主面L1a、L1bの対向方向から見て互いに重なる領域を有している。したがって、誘電体層13のうち、信号用内部電極32の信号用主電極部32aと接地用内部電極20の接地用主電極部20aとに重なる部分は、静電容量成分を実質的に生じさせる領域である。
信号用内部電極33の信号用主電極部33aは、コンデンサ素体L1の一部である誘電体層14(第1の誘電領域)を間に挟んで、接地用内部電極20の接地用主電極部20aと誘電体層10〜19の積層方向に互いに対向する領域を含んでいる。すなわち、信号用内部電極33と、接地用内部電極20とは、第1及び第2の主面L1a、L1bの対向方向から見て互いに重なる領域を有している。したがって、誘電体層14のうち、信号用内部電極33の信号用主電極部33aと接地用内部電極20の接地用主電極部20aとに重なる部分は、静電容量成分を実質的に生じさせる領域である。
信号用内部電極33の信号用主電極部33aは、コンデンサ素体L1の一部である誘電体層15(第1の誘電領域)を間に挟んで、接地用内部電極21の接地用主電極部21aと誘電体層10〜19の積層方向に互いに対向する領域を含んでいる。すなわち、信号用内部電極33と、接地用内部電極21とは、第1及び第2の主面L1a、L1bの対向方向から見て互いに重なる領域を有している。したがって、誘電体層15のうち、信号用内部電極33の信号用主電極部33aと接地用内部電極21の接地用主電極部21aとに重なる部分は、静電容量成分を実質的に生じさせる領域である。
信号用内部電極34の信号用主電極部34aは、コンデンサ素体L1の一部である誘電体層16(第1の誘電領域)を間に挟んで、接地用内部電極21の接地用主電極部21aと誘電体層10〜19の積層方向に互いに対向する領域を含んでいる。すなわち、信号用内部電極34と、接地用内部電極21とは、第1及び第2の主面L1a、L1bの対向方向から見て互いに重なる領域を有している。したがって、誘電体層16のうち、信号用内部電極34の信号用主電極部34aと接地用内部電極21の接地用主電極部21aとに重なる部分は、静電容量成分を実質的に生じさせる領域である。
信号用内部電極30の信号用主電極部30aは、コンデンサ素体L1の一部である誘電体層11(第2の誘電領域)を間に挟んで信号用内部電極31の信号用主電極部31aと互いに対向する領域を含んでいる。すなわち、信号用内部電極30、31は、第1及び第2の主面L1a、L1bの対向方向から見て互いに重なる領域を有している。
信号用内部電極31の信号用主電極部31aは、コンデンサ素体L1の一部である誘電体層12(第2の誘電領域)を間に挟んで信号用内部電極32の信号用主電極部32aと互いに対向する領域を含んでいる。すなわち、信号用内部電極31、32は、第1及び第2の主面L1a、L1bの対向方向から見て互いに重なる領域を有している。
信号用内部電極34の信号用主電極部34aは、コンデンサ素体L1の一部である誘電体層17(第2の誘電領域)を間に挟んで信号用内部電極35の信号用主電極部35aと互いに対向する領域を含んでいる。すなわち、信号用内部電極34、35は、第1及び第2の主面L1a、L1bの対向方向から見て互いに重なる領域を有している。
信号用内部電極35の信号用主電極部35aは、コンデンサ素体L1の一部である誘電体層18(第2の誘電領域)を間に挟んで信号用内部電極36の信号用主電極部36aと互いに対向する領域を含んでいる。すなわち、信号用内部電極35、36は、第1及び第2の主面L1a、L1bの対向方向から見て互いに重なる領域を有している。
図2及び図3から明らかなように、信号用内部電極と接地用内部電極との間に位置するコンデンサ素体の一部である第1の誘電領域、すなわち誘電体層13〜16の第1及び第2の主面L1a、L1bの対向方向での長さが、信号用内部電極同士の間に位置するコンデンサ素体の一部である第2の誘電領域、すなわち誘電体層11、12、17、18の第1及び第2の主面L1a、L1bの対向方向での長さよりも長い。
図4に示すように、第3及び第4の側面L1e、L1fの対向方向での接地用主電極部20a、21aの幅をd1とし、第3及び第4の側面L1e、L1fの対向方向での信号用主電極部30a〜36aの幅をd2とすると、本実施形態ではd1とd2は略同じである。
貫通型積層コンデンサC1では、信号用内部電極30〜36の数(第1の数)が7層であり、接地用内部電極20、21の数(第2の数)が2層である。すなわち、第1の数の方が第2の数より大きい。よって、貫通型積層コンデンサC1では、直流抵抗が大きくなることを抑制することが可能となる。
また、貫通型積層コンデンサC1では、数が多い信号用内部電極30〜36は、その一部である信号用内部電極30、31、35、36の信号用主電極部30a、31a、35a、36aが、コンデンサ素体L1の第2の誘電領域である誘電体層11、12、17、18を間に挟んでと対向する領域を有している。そのため、貫通型積層コンデンサC1では、直流抵抗が大きくなることを抑制すべく信号用内部電極の数を大きくしても、静電容量が大きくなってしまうことを抑制することが可能となる。
一般的な貫通型コンデンサでは、信号用内部電極及び接地用内部電極の何れか一方のみの数を多くし、さらに同種の内部電極同士を対向させるような配置は、静電容量の形成に寄与しないため行わない。本実施形態に係る貫通型積層コンデンサC1では、通常の貫通型積層コンデンサでは採用しない上述のような配置をあえて採ることによって、静電容量が大きくなることを抑制しつつ、直流抵抗が大きくなることを抑制することを可能にしている。
貫通型積層コンデンサC1では、誘電体層13〜16の第1及び第2の主面L1a、L1bの対向方向での厚さ(長さ)が、誘電体層11、12、17、18の第1及び第2の主面L1a、L1bの対向方向での厚さ(長さ)よりも厚い(長い)。そのため、信号用内部電極32〜34と接地用内部電極20、21との間の距離が、信号用内部電極30〜32、34〜36間の距離よりも長くなるため、接地用内部電極20、21がコンデンサ素体L1の外側に配置されやすくなる。
コンデンサ素体L1は、一般に、焼結後、端子電極を外表面に形成する前にバレル研磨を行う。バレル研磨では、コンデンサ素体L1の外側ほど研磨が進み、側面に引き出されるように伸びた引き出し電極部もより一層外表面に露出しやすくなる。そのため、接地用内部電極20、21がコンデンサ素体L1の外側に配置されることにより、接地用内部電極20、21は第1及び第2の接地用端子電極3、4に容易に且つ確実に接続されやすくなる。
貫通型積層コンデンサC1では、信号用内部電極30〜36において、第3及び第4の側面L1e、L1fの対向方向での信号用主電極部30a〜36aの幅と第3及び第4の側面L1e、L1fの対向方向での第1の信号用引き出し電極部30b〜36bの幅と第3及び第4の側面L1e、L1fの対向方向での第2の信号用引き出し電極部30c〜36cの幅とが同じである。そのため、信号用内部電極30〜36と第1及び第2の信号用端子電極1、2との間の接続をより確実に実現することが可能となる。
このように、本実施形態に係る貫通型積層コンデンサC1は、相対向する長方形状の第1及び第2の主面と、前記第1及び第2の主面間を連結するように伸びている相対向する第1及び第2の側面と、前記第1及び第2の主面間を連結するように伸びている相対向する第3及び第4の側面とをその外表面として有し、且つ誘電特性を有するコンデンサ素体と、複数の信号用内部電極を有し、前記コンデンサ素体内に配置された信号用内部電極群と、前記コンデンサ素体内に配置された接地用内部電極と、前記コンデンサ素体の前記外表面に配置された第1及び第2の信号用端子電極並びに接地用端子電極と、を備えており、前記信号用内部電極群と前記接地用内部電極とは、前記第1及び第2の主面の対向方向に沿って並置されており、前記各信号用内部電極は、信号用主電極部と、前記信号用主電極部から前記コンデンサ素体の前記外表面に引き出されるように伸びて前記第1の信号用端子電極に接続される第1の信号用引き出し電極部と、前記信号用主電極部から前記コンデンサ素体の前記外表面に引き出されるように伸びて前記第2の信号用端子電極に接続される第2の信号用引き出し電極部とを有し、前記接地用内部電極は、接地用主電極部と、前記接地用主電極部から前記コンデンサ素体の前記外表面に引き出されるように伸びて前記接地用端子電極に接続される接地用引き出し電極部とを有し、前記複数の信号用内部電極の少なくとも1つの信号用内部電極の信号用主電極部は、前記コンデンサ素体の一部を間に挟んで前記接地用内部電極の前記接地用主電極部と対向する領域を有することを特徴とする。
ここで、図5に、本実施形態に係る貫通型積層コンデンサの変形例に含まれるコンデンサ素体の分解斜視図を示す。図5に示すように、第3及び第4の側面L1e、L1fの対向方向での信号用主電極部30a〜36aの幅d2は、第3及び第4の側面L1e、L1fの対向方向での接地用主電極部20、21の幅d1より広くてもよい。
このように、信号用主電極部30a〜36aの幅を接地用主電極部20a、21aに比べて広くすることで、第1実施形態の変形例に係る貫通型積層コンデンサの直流抵抗が大きくなることがさらに抑制される。
また、信号用主電極部30a〜36aの幅を広くすることで、貫通型積層コンデンサC1の変形例では、信号用主電極部32a〜34aと接地用主電極部20a、21aとの間で形成される静電容量が信号用主電極部32a〜34aではなく接地用主電極部20a、21aの大きさによって規定されることとなる。そのため、信号用内部電極32〜34及び接地用内部電極20、21が所望の位置からずれて配置された場合であっても、それらの間で形成される静電容量は接地用主電極部20a、21aの大きさで結局決まるため、所望の値からずれることが抑制される。すなわち、信号用内部電極32〜34及び接地用内部電極20、21の間で積層ずれが起きた場合であっても、これらの間で形成される静電容量に与える影響を抑制することが可能となる。その結果、第1実施形態の変形例に係る貫通型積層コンデンサの静電容量のばらつきが抑制される。
(第2実施形態)
図6〜図8に基づいて、第2実施形態に係る貫通型積層コンデンサの構成について説明する。図6は、図1に示した第1実施形態に係る貫通型積層コンデンサのII−II矢印断面図に相当する、第2実施形態に係る貫通型積層コンデンサの断面図である。図7は、図1に示した第1実施形態に係る貫通型積層コンデンサのIII−III矢印断面図に相当する、第2実施形態に係る貫通型積層コンデンサの断面図である。図8は、第2実施形態に係る貫通型積層コンデンサに含まれるコンデンサ素体の分解斜視図である。
第2実施形態に係る貫通型積層コンデンサC2は、コンデンサ素体L1内での接地用内部電極20、21の配置の点で第1実施形態に係る貫通型積層コンデンサC1と相違する。
第2実施形態に係る貫通型積層コンデンサC2は、コンデンサ素体L1と、コンデンサ素体L1の外表面に配置された第1及び第2の信号用端子電極1、2並びに第1及び第2の接地用端子電極3、4とを備えている。第1及び第2の信号用端子電極1、2並びに第1及び第2の接地用端子電極3、4は、図1に示した第1実施形態に係る貫通型積層コンデンサC1と同じ配置でコンデンサ素体L1の外表面上に配置される。
貫通型積層コンデンサC2では、第1の主面L1a又は第2の主面L1bを、他の部品(例えば、回路基板や電子部品等)に対する実装面として回路基板等に実装することが好ましい。
コンデンサ素体L1は、図6〜図8に示されるように、第1及び第2の主面L1a、L1bの対向方向に積層された複数(本実施形態では、10層)の誘電体層10〜19を有する。
誘電体層11、12、17、18は、図6〜図8に示されているように、誘電体層10、13〜16、19に比べて第1及び第2の主面L1a、L1bの対向方向での厚さが厚い。各誘電体層10〜19は、1枚のセラミックグリーンシートの焼結体から構成されていても、あるいは複数枚のセラミックグリーンシートの焼結体から構成されていてもよい。
貫通型積層コンデンサC2のコンデンサ素体L1には、第1の数(本実施形態では7層)の信号用内部電極30〜36及び第2の数(本実施形態では2層)の接地用内部電極20、21が配置されている。信号用内部電極30〜36の数である第1の数は、接地用内部電極20、21の数である第2の数より大きい。
本実施形態では、信号用内部電極30〜36及び接地用内部電極20,21は、第1及び第2の主面L1a、L1bの対向方向に沿って、略中央に位置する信号用内部電極33から第1の主面L1aに向かって、2層の信号用内部電極32、31、接地用内部電極20、信号用内部電極30がこの順で配置されており、また信号用内部電極33から第2の主面L1bに向かって、2層の信号用内部電極34、35、接地用内部電極21、信号用内部電極36がこの順で配置されている。
貫通型積層コンデンサC2では、接地用内部電極20は、第1及び第2の主面L1a、L1bの対向方向で見て、コンデンサ素体L1の第1及び第2の主面L1a、L1bが対向する距離h1の第1の主面L1aから4分の1の距離までの領域内に配置されている。すなわち、第1及び第2の主面L1a、L1bの対向方向で見て、第1の主面L1aと接地用内部電極20との間の距離h2は、コンデンサ素体L1の第1及び第2の主面L1a、L1bが対向する距離h1の4分の1より小さい。
貫通型積層コンデンサC2では、接地用内部電極21は、第1及び第2の主面L1a、L1bの対向方向で見て、コンデンサ素体L1の第1及び第2の主面L1a、L1bが対向する距離h1の第2の主面L1bから4分の1の距離までの領域内に配置されている。すなわち、第1及び第2の主面L1a、L1bの対向方向で見て、第2の主面L1bと接地用内部電極21との間の距離h3は、コンデンサ素体L1の第1及び第2の主面L1a、L1bが対向する距離h1の4分の1より小さい。
このように、貫通型積層コンデンサC2では、接地用内部電極20、21がコンデンサ素体L1の外表面に近い位置に配置されている。
信号用内部電極30の信号用主電極部30aは、コンデンサ素体L1の一部である誘電体層11(第1の誘電領域)を間に挟んで、接地用内部電極20の接地用主電極部20aと誘電体層10〜19の積層方向(第1及び第2の主面L1a、L1bの対向方向)に互いに対向する領域を含んでいる。すなわち、信号用内部電極30と、接地用内部電極20とは、第1及び第2の主面L1a、L1bの対向方向から見て互いに重なる領域を有している。したがって、誘電体層11のうち、信号用内部電極30の信号用主電極部30aと接地用内部電極20の接地用主電極部20aとに重なる部分は、静電容量成分を実質的に生じさせる領域である。
信号用内部電極31の信号用主電極部31aは、コンデンサ素体L1の一部である誘電体層12(第1の誘電領域)を間に挟んで、接地用内部電極20の接地用主電極部20aと誘電体層10〜19の積層方向に互いに対向する領域を含んでいる。すなわち、信号用内部電極31と、接地用内部電極20とは、第1及び第2の主面L1a、L1bの対向方向から見て互いに重なる領域を有している。したがって、誘電体層12のうち、信号用内部電極31の信号用主電極部31aと接地用内部電極20の接地用主電極部20aとに重なる部分は、静電容量成分を実質的に生じさせる領域である。
信号用内部電極35の信号用主電極部35aは、コンデンサ素体L1の一部である誘電体層17(第1の誘電領域)を間に挟んで、接地用内部電極21の接地用主電極部21aと誘電体層10〜19の積層方向に互いに対向する領域を含んでいる。すなわち、信号用内部電極35と、接地用内部電極21とは、第1及び第2の主面L1a、L1bの対向方向から見て互いに重なる領域を有している。したがって、誘電体層17のうち、信号用内部電極35の信号用主電極部35aと接地用内部電極21の接地用主電極部21aとに重なる部分は、静電容量成分を実質的に生じさせる領域である。
信号用内部電極36の信号用主電極部36aは、コンデンサ素体L1の一部である誘電体層18(第1の誘電領域)を間に挟んで、接地用内部電極21の接地用主電極部21aと誘電体層10〜19の積層方向に互いに対向する領域を含んでいる。すなわち、信号用内部電極36と、接地用内部電極21とは、第1及び第2の主面L1a、L1bの対向方向から見て互いに重なる領域を有している。したがって、誘電体層18のうち、信号用内部電極36の信号用主電極部36aと接地用内部電極21の接地用主電極部21aとに重なる部分は、静電容量成分を実質的に生じさせる領域である。
信号用内部電極31の信号用主電極部31aは、コンデンサ素体L1の一部である誘電体層13(第2の誘電領域)を間に挟んで信号用内部電極32の信号用主電極部32aと互いに対向する領域を含んでいる。すなわち、信号用内部電極31、32は、第1及び第2の主面L1a、L1bの対向方向から見て互いに重なる領域を有している。
信号用内部電極32の信号用主電極部32aは、コンデンサ素体L1の一部である誘電体層14(第2の誘電領域)を間に挟んで信号用内部電極33の信号用主電極部33aと互いに対向する領域を含んでいる。すなわち、信号用内部電極32、33は、第1及び第2の主面L1a、L1bの対向方向から見て互いに重なる領域を有している。
信号用内部電極33の信号用主電極部33aは、コンデンサ素体L1の一部である誘電体層15(第2の誘電領域)を間に挟んで信号用内部電極34の信号用主電極部35aと互いに対向する領域を含んでいる。すなわち、信号用内部電極33、34は、第1及び第2の主面L1a、L1bの対向方向から見て互いに重なる領域を有している。
信号用内部電極34の信号用主電極部34aは、コンデンサ素体L1の一部である誘電体層16(第2の誘電領域)を間に挟んで信号用内部電極35の信号用主電極部35aと互いに対向する領域を含んでいる。すなわち、信号用内部電極34、35は、第1及び第2の主面L1a、L1bの対向方向から見て互いに重なる領域を有している。
図6及び図7から明らかなように、信号用内部電極と接地用内部電極との間に位置するコンデンサ素体の一部である第1の誘電領域、すなわち誘電体層11、12、17、18の第1及び第2の主面L1a、L1bの対向方向での長さが、信号用内部電極同士の間に位置するコンデンサ素体の一部である第2の誘電領域、すなわち誘電体層13〜16の第1及び第2の主面L1a、L1bの対向方向での長さよりも長い。
図8に示すように、第3及び第4の側面L1e、L1fの対向方向での接地用主電極部20a、21aの幅をd1とし、第3及び第4の側面L1e、L1fの対向方向での信号用主電極部30a〜36aの幅をd2とすると、本実施形態ではd1とd2は略同じである。
貫通型積層コンデンサC2では、信号用内部電極30〜36の数(第1の数)が7層であり、接地用内部電極20、21の数(第2の数)が2層である。すなわち、第1の数の方が第2の数より大きい。よって、貫通型積層コンデンサC2では、直流抵抗が大きくなることを抑制することが可能となる。
また、貫通型積層コンデンサC2では、数が多い信号用内部電極30〜36の一部である信号用内部電極31〜35の信号用主電極部31a〜35aが、誘電体層13〜16を間に挟んでと対向する領域を有している。そのため、貫通型積層コンデンサC2では、直流抵抗が大きくなることを抑制すべく信号用内部電極の数を大きくしても、静電容量が大きくなってしまうことを抑制することが可能となる。したがって、貫通型積層コンデンサC2では、静電容量が大きくなることを抑制しつつ、直流抵抗が大きくなることを抑制することが可能である。
貫通型積層コンデンサC2では、接地用内部電極20、21がコンデンサ素体L1の外表面に近い位置に配置されている。そのため、例えば焼結後にバレル研磨を施して製造したコンデンサ素体L1では、接地用内部電極20、21がコンデンサ素体L1の外表面に引き出されやすくなる。そのため、接地用内部電極20、21は、容易に且つ確実に第1及び第2の接地用端子電極3、4に接続されてやすくなる。
貫通型積層コンデンサC2では、接地用内部電極20、21の数が信号用内部電極30〜36に比べて少ない。そのため、特に接地用内部電極20、21が容易に且つ確実に接地用端子電極3,4に接続されていることが好ましい。
貫通型積層コンデンサC2では、誘電体層11、12、17、18の第1及び第2の主面L1a、L1bの対向方向での厚さ(長さ)が、誘電体層13〜16の第1及び第2の主面L1a、L1bの対向方向での厚さ(長さ)よりも厚い(長い)。そのため、信号用内部電極30、31、35、36と接地用内部電極20、21との間の距離が、信号用内部電極31〜35間の距離よりも長くなるため、接地用内部電極20、21がコンデンサ素体L1の外側に配置されやすくなる。その結果、接地用内部電極20、21は、容易に且つ確実に第1及び第2の接地用端子電極3、4に接続されてやすくなる。
貫通型積層コンデンサC2では、信号用内部電極30〜36において、第3及び第4の側面L1e、L1fの対向方向での信号用主電極部30a〜36aの幅と第3及び第4の側面L1e、L1fの対向方向での第1及び第2の信号用引き出し電極部30b〜36b、30c〜36cの幅とが同じである。そのため、信号用内部電極30〜36と第1及び第2の信号用端子電極1、2との間の接続をより確実に実現することが可能となる。
ここで、図9に、本実施形態に係る貫通型積層コンデンサの変形例に含まれるコンデンサ素体の分解斜視図を示す。図9に示すように、第3及び第4の側面L1e、L1fの対向方向での信号用主電極部30a〜36aの幅d2は、第3及び第4の側面L1e、L1fの対向方向での接地用主電極部20、21の幅d1より広くてもよい。
このように、信号用主電極部30a〜36aの幅を接地用主電極部20a、21aに比べて広くすることで、第2実施形態の変形例に係る貫通型積層コンデンサの直流抵抗が大きくなることがさらに抑制される。
また、信号用主電極部30a〜36aの幅を広くすることで、信号用内部電極30、31、35、36及び接地用内部電極20、21の間で積層ずれが起きた場合であっても、これらの間で形成される静電容量に与える影響を抑制することが可能となる。
(第3実施形態)
図10〜図12に基づいて、第3実施形態に係る貫通型積層コンデンサの構成について説明する。図10は、図1に示した第1実施形態に係る貫通型積層コンデンサのII−II矢印断面図に相当する、第3実施形態に係る貫通型積層コンデンサの断面図である。図11は、図1に示した第1実施形態に係る貫通型積層コンデンサのIII−III矢印断面図に相当する、第3実施形態に係る貫通型積層コンデンサの断面図である。図12は、第3実施形態に係る貫通型積層コンデンサに含まれるコンデンサ素体の分解斜視図である。
第3実施形態に係る貫通型積層コンデンサC3は、コンデンサ素体L1内での接地用内部電極20、21の配置の点で第1実施形態に係る貫通型積層コンデンサC1と相違する。
第3実施形態に係る貫通型積層コンデンサC3は、コンデンサ素体L1と、コンデンサ素体L1の外表面に配置された第1及び第2の信号用端子電極1、2並びに第1及び第2の接地用端子電極3、4とを備えている。第1及び第2の信号用端子電極1、2並びに第1及び第2の接地用端子電極3、4は、図1に示した第1実施形態に係る貫通型積層コンデンサC1と同じ配置でコンデンサ素体L1の外表面上に配置される。
貫通型積層コンデンサC3では、第1の主面L1a又は第2の主面L1bを、他の部品(例えば、回路基板や電子部品等)に対する実装面として回路基板等に実装することが好ましい。
コンデンサ素体L1は、図10〜図12に示されるように、第1及び第2の主面L1a、L1bの対向方向に積層された複数(本実施形態では、10層)の誘電体層10〜19を有する。
誘電体層10、11、18、19は、図10〜図12に示されているように、誘電体層12〜17に比べて第1及び第2の主面L1a、L1bの対向方向での厚さが厚い。各誘電体層10〜19は、1枚のセラミックグリーンシートの焼結体から構成されていても、あるいは複数枚のセラミックグリーンシートの焼結体から構成されていてもよい。
貫通型積層コンデンサC3のコンデンサ素体L1には、第1の数(本実施形態では7層)の信号用内部電極30〜36及び第2の数(本実施形態では2層)の接地用内部電極20、21が配置されている。信号用内部電極30〜36の数である第1の数は、接地用内部電極20、21の数である第2の数より大きい。
本実施形態では、信号用内部電極30〜36及び接地用内部電極20,21は、第1及び第2の主面L1a、L1bの対向方向に沿って、略中央に位置する信号用内部電極33から第1の主面L1aに向かって、3層の信号用内部電極32、31、30、接地用内部電極20がこの順で配置されており、また信号用内部電極33から第2の主面L1bに向かって、3層の信号用内部電極34、35、36、接地用内部電極21がこの順で配置されている。
貫通型積層コンデンサC3では、接地用内部電極20は、第1及び第2の主面L1a、L1bの対向方向で見て、第1の数の信号用内部電極30〜36の何れよりも第1の主面L1a側に配置されている。接地用内部電極21は、第1及び第2の主面L1a、L1bの対向方向で見て、第1の数の信号用内部電極30〜36の何れよりも第2の主面L1b側に配置されている。このように、貫通型積層コンデンサC3では、接地用内部電極20、21がコンデンサ素体L1の外表面に近い位置に配置されている。
信号用内部電極30の信号用主電極部30aは、コンデンサ素体L1の一部である誘電体層11(第1の誘電領域)を間に挟んで、接地用内部電極20の接地用主電極部20aと誘電体層10〜19の積層方向(第1及び第2の主面L1a、L1bの対向方向)に互いに対向する領域を含んでいる。すなわち、信号用内部電極30と、接地用内部電極20とは、第1及び第2の主面L1a、L1bの対向方向から見て互いに重なる領域を有している。したがって、誘電体層11のうち、信号用内部電極30の信号用主電極部30aと接地用内部電極20の接地用主電極部20aとに重なる部分は、静電容量成分を実質的に生じさせる領域である。
信号用内部電極36の信号用主電極部36aは、コンデンサ素体L1の一部である誘電体層18(第1の誘電領域)を間に挟んで、接地用内部電極21の接地用主電極部21aと誘電体層10〜19の積層方向に互いに対向する領域を含んでいる。すなわち、信号用内部電極36と、接地用内部電極21とは、第1及び第2の主面L1a、L1bの対向方向から見て互いに重なる領域を有している。したがって、誘電体層18のうち、信号用内部電極36の信号用主電極部36aと接地用内部電極21の接地用主電極部21aとに重なる部分は、静電容量成分を実質的に生じさせる領域である。
信号用内部電極30の信号用主電極部30aは、コンデンサ素体L1の一部である誘電体層12(第2の誘電領域)を間に挟んで信号用内部電極31の信号用主電極部31aと互いに対向する領域を含んでいる。すなわち、信号用内部電極30、31は、第1及び第2の主面L1a、L1bの対向方向から見て互いに重なる領域を有している。
信号用内部電極31の信号用主電極部31aは、コンデンサ素体L1の一部である誘電体層13(第2の誘電領域)を間に挟んで信号用内部電極32の信号用主電極部32aと互いに対向する領域を含んでいる。すなわち、信号用内部電極31、32は、第1及び第2の主面L1a、L1bの対向方向から見て互いに重なる領域を有している。
信号用内部電極32の信号用主電極部32aは、コンデンサ素体L1の一部である誘電体層14(第2の誘電領域)を間に挟んで信号用内部電極33の信号用主電極部33aと互いに対向する領域を含んでいる。すなわち、信号用内部電極32、33は、第1及び第2の主面L1a、L1bの対向方向から見て互いに重なる領域を有している。
信号用内部電極33の信号用主電極部33aは、コンデンサ素体L1の一部である誘電体層15(第2の誘電領域)を間に挟んで信号用内部電極34の信号用主電極部34aと互いに対向する領域を含んでいる。すなわち、信号用内部電極33、34は、第1及び第2の主面L1a、L1bの対向方向から見て互いに重なる領域を有している。
信号用内部電極34の信号用主電極部34aは、コンデンサ素体L1の一部である誘電体層16(第2の誘電領域)を間に挟んで信号用内部電極35の信号用主電極部35aと互いに対向する領域を含んでいる。すなわち、信号用内部電極34、35は、第1及び第2の主面L1a、L1bの対向方向から見て互いに重なる領域を有している。
信号用内部電極35の信号用主電極部35aは、コンデンサ素体L1の一部である誘電体層17(第2の誘電領域)を間に挟んで信号用内部電極36の信号用主電極部36aと互いに対向する領域を含んでいる。すなわち、信号用内部電極35、36は、第1及び第2の主面L1a、L1bの対向方向から見て互いに重なる領域を有している。
図10及び図11から明らかなように、信号用内部電極と接地用内部電極との間に位置するコンデンサ素体の一部である第1の誘電領域、すなわち誘電体層11、18の第1及び第2の主面L1a、L1bの対向方向での長さが、信号用内部電極同士の間に位置するコンデンサ素体の一部である第2の誘電領域、すなわち誘電体層12〜17の第1及び第2の主面L1a、L1bの対向方向での長さよりも長い。
図12に示すように、第3及び第4の側面L1e、L1fの対向方向での接地用主電極部20a、21aの幅をd1とし、第3及び第4の側面L1e、L1fの対向方向での信号用主電極部30a〜36aの幅をd2とすると、本実施形態ではd1とd2は略同じである。
貫通型積層コンデンサC3では、信号用内部電極30〜36の数(第1の数)が7層であり、接地用内部電極20、21の数(第2の数)が2層である。すなわち、第1の数の方が第2の数より大きい。よって、貫通型積層コンデンサC3では、直流抵抗が大きくなることを抑制することが可能となる。
また、貫通型積層コンデンサC3では、数が多い信号用内部電極30〜36の信号用主電極部30a〜36aが、誘電体層12〜17を間に挟んでと対向する領域を有している。そのため、貫通型積層コンデンサC3では、直流抵抗が大きくなることを抑制すべく信号用内部電極の数を大きくしても、静電容量が大きくなってしまうことを抑制することが可能となる。したがって、貫通型積層コンデンサC3では、静電容量が大きくなることを抑制しつつ、直流抵抗が大きくなることを抑制することが可能である。
貫通型積層コンデンサC3では、接地用内部電極20、21がコンデンサ素体L1の外表面に近い位置に配置されている。そのため、例えば焼結後にバレル研磨を施して製造したコンデンサ素体L1では、接地用内部電極20、21がコンデンサ素体L1の外表面に引き出されやすくなる。そのため、接地用内部電極20、21は、容易に且つ確実に第1及び第2の接地用端子電極3、4に接続されてやすくなる。
貫通型積層コンデンサC3では、接地用内部電極20、21の数が信号用内部電極30〜36に比べて少ない。そのため、特に接地用内部電極20、21が容易に且つ確実に接地用端子電極3,4に接続されていることが好ましい。
貫通型積層コンデンサC3では、誘電体層11、18の第1及び第2の主面L1a、L1bの対向方向での厚さ(長さ)が、誘電体層12〜17の第1及び第2の主面L1a、L1bの対向方向での厚さ(長さ)よりも厚い(長い)。そのため、信号用内部電極30、36と接地用内部電極20、21との間の距離が、信号用内部電極30〜36間の距離よりも長くなるため、接地用内部電極20、21がコンデンサ素体L1の外側に配置されやすくなる。その結果、接地用内部電極20、21は、容易に且つ確実に第1及び第2の接地用端子電極3、4に接続されてやすくなる。
貫通型積層コンデンサC3では、信号用内部電極30〜36において、第3及び第4の側面L1e、L1fの対向方向での信号用主電極部30a〜36aの幅と第3及び第4の側面L1e、L1fの対向方向での第1及び第2の信号用引き出し電極部30b〜36b、30c〜36cの幅とが同じである。そのため、信号用内部電極30〜36と第1及び第2の信号用端子電極1、2との間の接続をより確実に実現することが可能となる。
ここで、図13に、本実施形態に係る貫通型積層コンデンサの変形例に含まれるコンデンサ素体の分解斜視図を示す。図13に示すように、第3及び第4の側面L1e、L1fの対向方向での信号用主電極部30a〜36aの幅d2は、第3及び第4の側面L1e、L1fの対向方向での接地用主電極部20、21の幅d1より広くてもよい。
このように、信号用主電極部30a〜36aの幅を接地用主電極部20a、21aに比べて広くすることで、第3実施形態の変形例に係る貫通型積層コンデンサの直流抵抗が大きくなることがさらに抑制される。
また、信号用主電極部30a〜36aの幅を広くすることで、信号用内部電極30、36及び接地用内部電極20、21の間で積層ずれが起きた場合であっても、これらの間で形成される静電容量に与える影響を抑制することが可能となる。
(第4実施形態)
図14〜図17に基づいて、第4実施形態に係る貫通型積層コンデンサの構成について説明する。図14は、本実施形態に係る貫通型積層コンデンサの斜視図である。図15は、図14に示した貫通型積層コンデンサのXV−XV矢印断面図である。図16は、図14に示した貫通型積層コンデンサのXVI−XVI矢印断面図である。図17は、第4実施形態に係る貫通型積層コンデンサに含まれるコンデンサ素体の分解斜視図である。
図14に示すように、貫通型積層コンデンサC4は、誘電特性を有するコンデンサ素体L2と、コンデンサ素体L2の外表面に配置された第1及び第2の信号用端子電極1、2並びに第1及び第2の接地用端子電極3、4とを備えている。
コンデンサ素体L2は、図14に示されるように、直方体状であり、その外表面として、相対向する長方形状の第1及び第2の主面L2a、L2bと、第1及び第2の主面間を連結するように第1及び第2の主面の短辺方向に伸びている相対向する第1及び第2の側面L2c、L2dと、第1及び第2の主面間を連結するように第1及び第2の主面の長辺方向に伸びている相対向する第3及び第4の側面L2e、L2fとを有する。
第1の信号用端子電極1は、コンデンサ素体L2の第1の側面L2c上に配置されている。第1の信号用端子電極1は、第1の側面L2cの第3及び第4の側面L2e、L2fの対向方向の略中央の一部を、第1及び第2の主面L2a、L2bの対向方向に沿って横断するように覆っている。第1の信号用端子電極1はさらに、第1及び第2の主面L2a、L2bの第1の側面L2c側の端部の一部も覆う。
第2の信号用端子電極2は、コンデンサ素体L2の第2の側面L2d上に配置されている。第2の信号用端子電極2は、第2の側面L2dの第3及び第4の側面L2e、L2fの対向方向の略中央の一部を、第1及び第2の主面L2a、L2bの対向方向に沿って横断するように覆っている。第2の信号用端子電極2はさらに、第1及び第2の主面L2a、L2bの第2の側面L2d側の端部の一部も覆う。
第1の信号用端子電極1と第2の信号用端子電極2とは、第1の側面L2cと第2の側面L2dとが対向する方向で対向する。
第1の接地用端子電極3は、コンデンサ素体L2の第3の側面L2eに配置されている。第1の接地用端子電極3は、第3の側面L2e全面を覆うように、第1及び第2の主面L2a、L2b並びに第1及び第2の側面L2c、L2dの端部(第3の側面L2e側の端部)に亘って形成されている。第2の接地用端子電極4は、コンデンサ素体L2の第4の側面L2fに配置されている。第2の接地用端子電極4は、第4の側面L2f全面を覆うように、第1及び第2の主面L2a、L2b並びに第1及び第2の側面L2c、L2dの端部(第4の側面L2f側の端部)に亘って形成されている。
第1の接地用端子電極3と第2の接地用端子電極4とは、第3の側面L2eと第4の側面L2fとが対向する方向で対向する。
これらの第1及び第2の信号用端子電極1、2並びに第1及び第2の接地用端子電極3、4は、コンデンサ素体L2の表面上においては互いに電気的に絶縁されて形成されている。
貫通型積層コンデンサC4では、第1の主面L2a又は第2の主面L2bを、他の部品(例えば、回路基板や電子部品等)に対する実装面として回路基板等に実装することが好ましい。例えば、コンデンサ素体L2の第2の主面L2bが回路基板と対向するように貫通型積層コンデンサC4を実装する場合、第1及び第2の信号用端子電極1,2を基板上に形成され、信号配線に接続されたランド電極に接続し、第1及び第2の接地用端子電極3、4を基板上に形成され、グランド配線に接続されたグランド電極に接続する。
コンデンサ素体L2は、図15〜図17に示されるように、第1及び第2の主面L2a、L2bの対向方向に積層された複数(本実施形態では、10層)の誘電体層50〜59を有する。各誘電体層50〜59は、例えば誘電体セラミック(BaTiO3系、Ba(Ti,Zr)O3系、又は(Ba,Ca)TiO3系等の誘電体セラミック)を含むセラミックグリーンシートの焼結体から構成される。なお、実際のコンデンサ素体L2では、誘電体層50〜59の間の境界が視認できない程度に一体化されている。
誘電体層53〜56は、図15〜図17に示されているように、誘電体層50〜52、57〜59に比べて第1及び第2の主面L2a、L2bの対向方向での厚さが厚い。各誘電体層50〜59は、1枚のセラミックグリーンシートの焼結体から構成されていても、あるいは複数枚のセラミックグリーンシートの焼結体から構成されていてもよい。したがって、誘電体層53〜56は、積層数の点で多いセラミックグリーンシートの焼結体から構成されることで誘電体層50〜52、57〜59に比べて厚さが厚くなっていてもよく、あるいは厚さの大きい1枚のセラミックグリーンシートの焼結体から構成されることで誘電体層50〜52、57〜59に比べて厚さが厚くなっていてもよい。
コンデンサ素体L2には、第1の数(本実施形態では7層)の信号用内部電極70〜76及び第2の数(本実施形態では2層)の接地用内部電極60、61が配置されている。信号用内部電極70〜76の数である第1の数は、接地用内部電極60、61の数である第2の数より大きい。
各信号用内部電極70〜76は、信号用主電極部70a〜76aと、信号用主電極部70a〜76aからコンデンサ素体L2の第1の側面L2cに引き出されるように伸びる第1の信号用引き出し電極部70b〜76bと、信号用主電極部70a〜76aからコンデンサ素体L2の第2の側面L2dに引き出されるように伸びる第2の信号用引き出し電極部70c〜76cとを有する。信号用主電極部70a〜76a、第1の信号用引き出し電極部70b〜76b、及び第2の信号用引き出し電極部70c〜76cは、一体的に形成されている。
信号用主電極部70a〜76aは、第1及び第2の側面L2c、L2dの対向方向を長辺方向とし、第3及び第4の側面L2e、L2fの対向方向を短辺方向とする矩形状を呈する。
第1の信号用引き出し電極部70b〜76bは、信号用主電極部70a〜76aの第1の側面L2c側の端部である短辺の略中央から伸びている。第1の信号用引き出し電極部70b〜76bは、信号用主電極部70a〜76aに比べて第3及び第4の側面L2e、L2fの対向方向での幅が小さい。第1の信号用引き出し電極部70b〜76bは、その端が第1の側面L2cに露出し、当該露出した端部で第1の信号用端子電極1に接続される。
第2の信号用引き出し電極部70c〜76cは、信号用主電極部70a〜76aの第2の側面L2d側の端部である短辺の略中央から伸びている。第2の信号用引き出し電極部70c〜76cは、信号用主電極部70a〜76aに比べて第3及び第4の側面L2e、L2fの対向方向での幅が小さい。第2の信号用引き出し電極部70c〜76cは、その端が第2の側面L2dに露出し、当該露出した端部で第2の信号用端子電極2に接続される。
第1の信号用端子電極1は、第1の信号用引き出し電極部70b〜76bの第1の側面L2cに露出した部分をすべて覆うように形成されており、第1の信号用引き出し電極部70b〜76bは、第1の信号用端子電極1に物理的且つ電気的に接続される。これにより、信号用内部電極70〜76は、第1の信号用端子電極1に接続されることとなる。
第2の信号用端子電極2は、第2の信号用引き出し電極部70c〜76cの第2の側面L2dに露出した部分をすべて覆うように形成されており、第2の信号用引き出し電極部70c〜76cは、第2の信号用端子電極2に物理的且つ電気的に接続される。これにより、信号用内部電極70〜76は、第2の信号用端子電極2に接続されることとなる。
図17に示されるように、第1及び第2の側面L2c、L2dの対向方向での第1及び第2の接地用引き出し電極部60b、61b、60c、61cの幅d3は、第3及び第4の側面L2e、L2fの対向方向での第1及び第2の信号用引き出し電極部70b〜76b、70c〜76cの幅d4よりも広い。本実施形態に係る貫通型積層コンデンサC4では、第1の信号用引き出し電極部70b〜76bの幅並びに第2の信号用引き出し電極部70c〜76cの幅は何れもd4であって、同じであるが、異なっていてもよい。
図17に示されるように、信号用内部電極70〜76において、第3及び第4の側面L2e、L2fの対向方向での信号用主電極部70a〜76aの幅d2は、第3及び第4の側面L2e、L2fの対向方向での第1の信号用引き出し電極部70b〜76bの幅d4並びに第3及び第4の側面L2e、L2fの対向方向での第2の信号用引き出し電極部70c〜76cの幅d4の何れよりも広い。
各接地用内部電極60、61は、接地用主電極部60a、61aと、接地用主電極部60a、61aからコンデンサ素体L2の第3の側面L2eに引き出されるように伸びる第1の接地用引き出し電極部60b、61bと、接地用主電極部60a、61aからコンデンサ素体L2の第4の側面L2fに引き出されるように伸びる第2の接地用引き出し電極部60c、61cとを有する。接地用主電極部60a、61a、第1の接地用引き出し電極部60b、61b、及び第2の接地用引き出し電極部60c、61cは、一体的に形成されている。
接地用主電極部60a、61aは、第1及び第2の側面L2c、L2dの対向方向を長辺方向とし、第3及び第4の側面L2e、L2fの対向方向を短辺方向とする矩形状を呈する。
第1の接地用引き出し電極部60b、61bは、接地用主電極部60a、61aの第3の側面L2e側の端部である長辺の略中央から伸びている。第1の接地用引き出し電極部60b、61bは、接地用主電極部60a、61aに比べて第1及び第2の側面L2c、L2dの対向方向での幅が小さい。第1の接地用引き出し電極部60b、61bは、その端が第3の側面L2eに露出し、当該露出した端部で第1の接地用端子電極3に接続される。
第2の接地用引き出し電極部60c、61cは、接地用主電極部60a、61aの第4の側面L2f側の端部である長辺の略中央から伸びている。第2の接地用引き出し電極部60c、61cは、接地用主電極部60a、61aに比べて第1及び第2の側面L2c、L2dの対向方向での幅が小さい。第2の接地用引き出し電極部60c、61cは、その端が第4の側面L2fに露出し、当該露出した端部で第2の接地用端子電極4に接続される。
第1の接地用端子電極3は、第1の接地用引き出し電極部60b、61bの第3の側面L2eに露出した部分をすべて覆うように形成されており、第1の接地用引き出し電極部60b、61bは、第1の接地用端子電極3に物理的且つ電気的に接続される。これにより、接地用内部電極60、61は、第1の接地用端子電極3に接続されることとなる。
第2の接地用端子電極4は、第2の接地用引き出し電極部60c、61cの第4の側面L2fに露出した部分をすべて覆うように形成されており、第2の接地用引き出し電極部60c、61cは、第2の接地用端子電極4に物理的且つ電気的に接続される。これにより、接地用内部電極60、61は、第2の接地用端子電極4に接続されることとなる。
本実施形態では、信号用内部電極70〜76及び接地用内部電極60,61は、第1及び第2の主面L2a、L2bの対向方向に沿って、信号用内部電極73が略中央に位置し、接地用内部電極60、61がその両隣に位置し、接地用内部電極60から第1の主面L2aに向かって信号用内部電極72、71、70が配置され、接地用内部電極61から第2の主面L2bに向かって信号用内部電極74、75、76が配置されている。
信号用内部電極72の信号用主電極部72aは、コンデンサ素体L2の一部である誘電体層53(第1の誘電領域)を間に挟んで、接地用内部電極60の接地用主電極部60aと誘電体層50〜59の積層方向(第1及び第2の主面L2a、L2bの対向方向)に互いに対向する領域を含んでいる。すなわち、信号用内部電極72と、接地用内部電極60とは、第1及び第2の主面L2a、L2bの対向方向から見て互いに重なる領域を有している。したがって、誘電体層53のうち、信号用内部電極72の信号用主電極部72aと接地用内部電極60の接地用主電極部60aとに重なる部分は、静電容量成分を実質的に生じさせる領域である。
信号用内部電極73の信号用主電極部73aは、コンデンサ素体L2の一部である誘電体層54(第1の誘電領域)を間に挟んで、接地用内部電極60の接地用主電極部60aと誘電体層50〜59の積層方向に互いに対向する領域を含んでいる。すなわち、信号用内部電極73と、接地用内部電極60とは、第1及び第2の主面L2a、L2bの対向方向から見て互いに重なる領域を有している。したがって、誘電体層54のうち、信号用内部電極73の信号用主電極部73aと接地用内部電極60の接地用主電極部60aとに重なる部分は、静電容量成分を実質的に生じさせる領域である。
信号用内部電極73の信号用主電極部73aは、コンデンサ素体L2の一部である誘電体層55(第1の誘電領域)を間に挟んで、接地用内部電極61の接地用主電極部61aと誘電体層50〜59の積層方向に互いに対向する領域を含んでいる。すなわち、信号用内部電極73と、接地用内部電極61とは、第1及び第2の主面L2a、L2bの対向方向から見て互いに重なる領域を有している。したがって、誘電体層55のうち、信号用内部電極73の信号用主電極部73aと接地用内部電極61の接地用主電極部61aとに重なる部分は、静電容量成分を実質的に生じさせる領域である。
信号用内部電極74の信号用主電極部74aは、コンデンサ素体L2の一部である誘電体層56(第1の誘電領域)を間に挟んで、接地用内部電極61の接地用主電極部61aと誘電体層50〜59の積層方向に互いに対向する領域を含んでいる。すなわち、信号用内部電極74と、接地用内部電極61とは、第1及び第2の主面L2a、L2bの対向方向から見て互いに重なる領域を有している。したがって、誘電体層56のうち、信号用内部電極74の信号用主電極部74aと接地用内部電極61の接地用主電極部61aとに重なる部分は、静電容量成分を実質的に生じさせる領域である。
信号用内部電極70の信号用主電極部70aは、コンデンサ素体L2の一部である誘電体層51(第2の誘電領域)を間に挟んで信号用内部電極71の信号用主電極部71aと互いに対向する領域を含んでいる。すなわち、信号用内部電極70、71は、第1及び第2の主面L2a、L2bの対向方向から見て互いに重なる領域を有している。
信号用内部電極71の信号用主電極部71aは、コンデンサ素体L2の一部である誘電体層52(第2の誘電領域)を間に挟んで信号用内部電極72の信号用主電極部72aと互いに対向する領域を含んでいる。すなわち、信号用内部電極71、72は、第1及び第2の主面L2a、L2bの対向方向から見て互いに重なる領域を有している。
信号用内部電極74の信号用主電極部74aは、コンデンサ素体L2の一部である誘電体層57(第2の誘電領域)を間に挟んで信号用内部電極75の信号用主電極部75aと互いに対向する領域を含んでいる。すなわち、信号用内部電極74、75は、第1及び第2の主面L2a、L2bの対向方向から見て互いに重なる領域を有している。
信号用内部電極75の信号用主電極部75aは、コンデンサ素体L2の一部である誘電体層58(第2の誘電領域)を間に挟んで信号用内部電極76の信号用主電極部76aと互いに対向する領域を含んでいる。すなわち、信号用内部電極75、76は、第1及び第2の主面L2a、L2bの対向方向から見て互いに重なる領域を有している。
図15及び図16から明らかなように、信号用内部電極と接地用内部電極との間に位置するコンデンサ素体の一部である第1の誘電領域、すなわち誘電体層53〜56の第1及び第2の主面L2a、L2bの対向方向での長さが、信号用内部電極同士の間に位置するコンデンサ素体の一部である第2の誘電領域、すなわち誘電体層51、52、57、58の第1及び第2の主面L2a、L2bの対向方向での長さよりも長い。
図17に示すように、第3及び第4の側面L2e、L2fの対向方向での接地用主電極部60a、61aの幅をd1とし、第3及び第4の側面L2e、L2fの対向方向での信号用主電極部70a〜76aの幅をd2とすると、本実施形態ではd1とd2は略同じである。
貫通型積層コンデンサC4では、信号用内部電極70〜76の数(第1の数)が7層であり、接地用内部電極60、61の数(第2の数)が2層である。すなわち、第1の数の方が第2の数より大きい。よって、貫通型積層コンデンサC4では、直流抵抗が大きくなることを抑制することが可能となる。
また、貫通型積層コンデンサC4では、数が多い信号用内部電極70〜76は、その一部である信号用内部電極70、71、75、76の信号用主電極部70a、71a、75a、76aが、コンデンサ素体L2の第2の誘電領域である誘電体層51、52、57、58を間に挟んでと対向する領域を有している。そのため、貫通型積層コンデンサC4では、直流抵抗が大きくなることを抑制すべく信号用内部電極の数を大きくしても、静電容量が大きくなってしまうことを抑制することが可能となる。
本実施形態に係る貫通型積層コンデンサC4では、静電容量が大きくなることを抑制しつつ、直流抵抗が大きくなることを抑制することを可能にしている。
貫通型積層コンデンサC4では、誘電体層53〜56の第1及び第2の主面L2a、L2bの対向方向での厚さ(長さ)が、誘電体層51、52、57、58の第1及び第2の主面L2a、L2bの対向方向での厚さ(長さ)よりも厚い(長い)。そのため、信号用内部電極72〜74と接地用内部電極60、61との間の距離が、信号用内部電極70〜72、74〜76間の距離よりも長くなるため、接地用内部電極60、61がコンデンサ素体L2の外側に配置されやすくなる。
コンデンサ素体L2は、一般に、焼結後、端子電極を外表面に形成する前にバレル研磨を行う。バレル研磨では、コンデンサ素体L2の外側ほど研磨が進み、側面に引き出されるように伸びた引き出し電極部もより一層外表面に露出しやすくなる。そのため、接地用内部電極60、61がコンデンサ素体L2の外側に配置されることにより、接地用内部電極60、61は第1及び第2の接地用端子電極3、4に容易に且つ確実に接続されやすくなる。
貫通型積層コンデンサC4では、信号用内部電極70〜76において、第3及び第4の側面L2e、L2fの対向方向での信号用主電極部70a〜76aの幅d2が、第3及び第4の側面L2e、L2fの対向方向での第1及び第2の信号用引き出し電極部70b〜76b、70c〜76cの幅d4よりも広い。そのため、第1及び第2の信号用端子電極1、2の幅を狭くすることができる。その結果、コンデンサ素体L2の外表面上において、信号用端子電極1、2と接地用端子電極3、4との間で短絡が発生することが抑制される。
貫通型積層コンデンサC4では、第1及び第2の側面L2c、L2dの対向方向での第1及び第2の接地用引き出し電極部60b、61b、60c、61cの幅d3は、第3及び第4の側面L2e、L2fの対向方向での第1及び第2の信号用引き出し電極部70b〜76b、70c〜76cの幅d4よりも広い。したがって、貫通型積層コンデンサC4では、等価直列インダクタンス(ESL)の値を低減することが可能となる。
ここで、図18に、本実施形態に係る貫通型積層コンデンサの変形例に含まれるコンデンサ素体の分解斜視図を示す。図18に示すように、第3及び第4の側面L2e、L2fの対向方向での信号用主電極部70a〜76aの幅d2は、第3及び第4の側面L2e、L2fの対向方向での接地用主電極部60a、61aの幅d1より広くてもよい。
このように、信号用主電極部70a〜76aの幅を接地用主電極部60a、61aに比べて広くすることで、第4実施形態の変形例に係る貫通型積層コンデンサの直流抵抗が大きくなることがさらに抑制される。
また、信号用主電極部70a〜76aの幅を広くすることで、貫通型積層コンデンサC4の変形例では、信号用主電極部72a〜74aと接地用主電極部60a、61aとの間で形成される静電容量が信号用主電極部72a〜74aではなく接地用主電極部60a、61aの大きさによって規定されることとなる。そのため、信号用内部電極72〜74及び接地用内部電極60、61が所望の位置からずれて配置された場合であっても、それらの間で形成される静電容量は接地用主電極部60a、61aの大きさで結局決まるため、所望の値からずれることが抑制される。すなわち、信号用内部電極72〜74及び接地用内部電極60、61の間で積層ずれが起きた場合であっても、これらの間で形成される静電容量に与える影響を抑制することが可能となる。その結果、第4実施形態の変形例に係る貫通型積層コンデンサの静電容量のばらつきが抑制される。
(第5実施形態)
図19〜図21に基づいて、第5実施形態に係る貫通型積層コンデンサの構成について説明する。図19は、図14に示した第4実施形態に係る貫通型積層コンデンサのXV−XV矢印断面図に相当する、第5実施形態に係る貫通型積層コンデンサの断面図である。図20は、図14に示した第4実施形態に係る貫通型積層コンデンサのXVI−XVI矢印断面図に相当する、第5実施形態に係る貫通型積層コンデンサの断面図である。図21は、第5実施形態に係る貫通型積層コンデンサに含まれるコンデンサ素体の分解斜視図である。
第5実施形態に係る貫通型積層コンデンサC5は、コンデンサ素体L2内での接地用内部電極60、61の配置の点で第4実施形態に係る貫通型積層コンデンサC4と相違する。
第5実施形態に係る貫通型積層コンデンサC5は、コンデンサ素体L2と、コンデンサ素体L2の外表面に配置された第1及び第2の信号用端子電極1、2並びに第1及び第2の接地用端子電極3、4とを備えている。第1及び第2の信号用端子電極1、2並びに第1及び第2の接地用端子電極3、4は、図14に示した第4実施形態に係る貫通型積層コンデンサC4と同じ配置でコンデンサ素体L2の外表面上に配置される。
貫通型積層コンデンサC5では、第1の主面L2a又は第2の主面L2bを、他の部品(例えば、回路基板や電子部品等)に対する実装面として回路基板等に実装することが好ましい。
コンデンサ素体L2は、図19〜図21に示されるように、第1及び第2の主面L2a、L2bの対向方向に積層された複数(本実施形態では、10層)の誘電体層50〜59を有する。
誘電体層51、52、57、58は、図19〜図21に示されているように、誘電体層50、53〜56、59に比べて第1及び第2の主面L2a、L2bの対向方向での厚さが厚い。各誘電体層50〜59は、1枚のセラミックグリーンシートの焼結体から構成されていても、あるいは複数枚のセラミックグリーンシートの焼結体から構成されていてもよい。
貫通型積層コンデンサC5のコンデンサ素体L2には、第1の数(本実施形態では7層)の信号用内部電極70〜76及び第2の数(本実施形態では2層)の接地用内部電極60、61が配置されている。信号用内部電極70〜76の数である第1の数は、接地用内部電極60、61の数である第2の数より大きい。
本実施形態では、信号用内部電極70〜76及び接地用内部電極60,61は、第1及び第2の主面L2a、L2bの対向方向に沿って、略中央に位置する信号用内部電極73から第1の主面L2aに向かって、2層の信号用内部電極72、71、接地用内部電極60、信号用内部電極70がこの順で配置されており、また信号用内部電極73から第2の主面L2bに向かって、2層の信号用内部電極74、75、接地用内部電極61、信号用内部電極76がこの順で配置されている。
貫通型積層コンデンサC5では、接地用内部電極60は、第1及び第2の主面L2a、L2bの対向方向で見て、コンデンサ素体L2の第1及び第2の主面L2a、L2bが対向する距離h1の第1の主面L2aから4分の1の距離までの領域内に配置されている。すなわち、第1及び第2の主面L2a、L2bの対向方向で見て、第1の主面L2aと接地用内部電極60との間の距離h2は、コンデンサ素体L2の第1及び第2の主面L2a、L2bが対向する距離h1の4分の1より小さい。
貫通型積層コンデンサC5では、接地用内部電極61は、第1及び第2の主面L2a、L2bの対向方向で見て、コンデンサ素体L2の第1及び第2の主面L2a、L2bが対向する距離h1の第2の主面L2bから4分の1の距離までの領域内に配置されている。すなわち、第1及び第2の主面L2a、L2bの対向方向で見て、第2の主面L2bと接地用内部電極61との間の距離h3は、コンデンサ素体L2の第1及び第2の主面L2a、L2bが対向する距離h1の4分の1より小さい。
このように、貫通型積層コンデンサC5では、接地用内部電極60、61がコンデンサ素体L2の外表面に近い位置に配置されている。
信号用内部電極70の信号用主電極部70aは、コンデンサ素体L2の一部である誘電体層51(第1の誘電領域)を間に挟んで、接地用内部電極60の接地用主電極部60aと誘電体層50〜59の積層方向(第1及び第2の主面L2a、L2bの対向方向)に互いに対向する領域を含んでいる。すなわち、信号用内部電極70と、接地用内部電極60とは、第1及び第2の主面L2a、L2bの対向方向から見て互いに重なる領域を有している。したがって、誘電体層51のうち、信号用内部電極70の信号用主電極部70aと接地用内部電極60の接地用主電極部60aとに重なる部分は、静電容量成分を実質的に生じさせる領域である。
信号用内部電極71の信号用主電極部71aは、コンデンサ素体L2の一部である誘電体層52(第1の誘電領域)を間に挟んで、接地用内部電極60の接地用主電極部60aと誘電体層50〜59の積層方向に互いに対向する領域を含んでいる。すなわち、信号用内部電極71と、接地用内部電極60とは、第1及び第2の主面L2a、L2bの対向方向から見て互いに重なる領域を有している。したがって、誘電体層52のうち、信号用内部電極71の信号用主電極部71aと接地用内部電極60の接地用主電極部60aとに重なる部分は、静電容量成分を実質的に生じさせる領域である。
信号用内部電極75の信号用主電極部75aは、コンデンサ素体L2の一部である誘電体層57(第1の誘電領域)を間に挟んで、接地用内部電極61の接地用主電極部61aと誘電体層50〜59の積層方向に互いに対向する領域を含んでいる。すなわち、信号用内部電極75と、接地用内部電極61とは、第1及び第2の主面L2a、L2bの対向方向から見て互いに重なる領域を有している。したがって、誘電体層57のうち、信号用内部電極75の信号用主電極部75aと接地用内部電極61の接地用主電極部61aとに重なる部分は、静電容量成分を実質的に生じさせる領域である。
信号用内部電極76の信号用主電極部76aは、コンデンサ素体L2の一部である誘電体層58(第1の誘電領域)を間に挟んで、接地用内部電極61の接地用主電極部61aと誘電体層50〜59の積層方向に互いに対向する領域を含んでいる。すなわち、信号用内部電極76と、接地用内部電極61とは、第1及び第2の主面L2a、L2bの対向方向から見て互いに重なる領域を有している。したがって、誘電体層58のうち、信号用内部電極76の信号用主電極部76aと接地用内部電極61の接地用主電極部61aとに重なる部分は、静電容量成分を実質的に生じさせる領域である。
信号用内部電極71の信号用主電極部71aは、コンデンサ素体L2の一部である誘電体層53(第2の誘電領域)を間に挟んで信号用内部電極72の信号用主電極部72aと互いに対向する領域を含んでいる。すなわち、信号用内部電極71、72は、第1及び第2の主面L2a、L2bの対向方向から見て互いに重なる領域を有している。
信号用内部電極72の信号用主電極部72aは、コンデンサ素体L2の一部である誘電体層54(第2の誘電領域)を間に挟んで信号用内部電極73の信号用主電極部73aと互いに対向する領域を含んでいる。すなわち、信号用内部電極72、73は、第1及び第2の主面L2a、L2bの対向方向から見て互いに重なる領域を有している。
信号用内部電極73の信号用主電極部73aは、コンデンサ素体L2の一部である誘電体層55(第2の誘電領域)を間に挟んで信号用内部電極74の信号用主電極部75aと互いに対向する領域を含んでいる。すなわち、信号用内部電極73、74は、第1及び第2の主面L2a、L2bの対向方向から見て互いに重なる領域を有している。
信号用内部電極74の信号用主電極部74aは、コンデンサ素体L2の一部である誘電体層56(第2の誘電領域)を間に挟んで信号用内部電極75の信号用主電極部75aと互いに対向する領域を含んでいる。すなわち、信号用内部電極74、75は、第1及び第2の主面L2a、L2bの対向方向から見て互いに重なる領域を有している。
図19及び図20から明らかなように、信号用内部電極と接地用内部電極との間に位置するコンデンサ素体の一部である第1の誘電領域、すなわち誘電体層51、52、57、58の第1及び第2の主面L2a、L2bの対向方向での長さが、信号用内部電極同士の間に位置するコンデンサ素体の一部である第2の誘電領域、すなわち誘電体層53〜56の第1及び第2の主面L2a、L2bの対向方向での長さよりも長い。
図21に示すように、第3及び第4の側面L2e、L2fの対向方向での接地用主電極部60a、61aの幅をd1とし、第3及び第4の側面L2e、L2fの対向方向での信号用主電極部70a〜76aの幅をd2とすると、本実施形態ではd1とd2は略同じである。
図21に示されるように、第1及び第2の側面L2c、L2dの対向方向での第1及び第2の接地用引き出し電極部60b、61b、60c、61cの幅d3は、第3及び第4の側面L2e、L2fの対向方向での第1及び第2の信号用引き出し電極部70b〜76b、70c〜76cの幅d4よりも広い。
本実施形態に係る貫通型積層コンデンサC5では、第1の信号用引き出し電極部70b〜76bの幅並びに第2の信号用引き出し電極部70c〜76cの幅は何れもd4であって、同じであるが、異なっていてもよい。
図21に示されるように、信号用内部電極70〜76において、第3及び第4の側面L2e、L2fの対向方向での信号用主電極部70a〜76aの幅d2は、第3及び第4の側面L2e、L2fの対向方向での第1の信号用引き出し電極部70b〜76bの幅d4並びに第3及び第4の側面L2e、L2fの対向方向での第2の信号用引き出し電極部70c〜76cの幅d4の何れよりも広い。
貫通型積層コンデンサC5では、信号用内部電極70〜76の数(第1の数)が7層であり、接地用内部電極60、61の数(第2の数)が2層である。すなわち、第1の数の方が第2の数より大きい。よって、貫通型積層コンデンサC5では、直流抵抗が大きくなることを抑制することが可能となる。
また、貫通型積層コンデンサC5では、数が多い信号用内部電極70〜76の一部である信号用内部電極71〜75の信号用主電極部71a〜75aが、誘電体層53〜56を間に挟んでと対向する領域を有している。そのため、貫通型積層コンデンサC5では、直流抵抗が大きくなることを抑制すべく信号用内部電極の数を大きくしても、静電容量が大きくなってしまうことを抑制することが可能となる。したがって、貫通型積層コンデンサC5では、静電容量が大きくなることを抑制しつつ、直流抵抗が大きくなることを抑制することが可能である。
貫通型積層コンデンサC5では、接地用内部電極60、61がコンデンサ素体L2の外表面に近い位置に配置されている。そのため、例えば焼結後にバレル研磨を施して製造したコンデンサ素体L2では、接地用内部電極60、61がコンデンサ素体L2の外表面に引き出されやすくなる。そのため、接地用内部電極60、61は、容易に且つ確実に第1及び第2の接地用端子電極3、4に接続されてやすくなる。
貫通型積層コンデンサC5では、接地用内部電極60、61の数が信号用内部電極70〜76に比べて少ない。そのため、特に接地用内部電極60、61が容易に且つ確実に接地用端子電極3,4に接続されていることが好ましい。
貫通型積層コンデンサC5では、誘電体層51、52、57、58の第1及び第2の主面L2a、L2bの対向方向での厚さ(長さ)が、誘電体層53〜56の第1及び第2の主面L2a、L2bの対向方向での厚さ(長さ)よりも厚い(長い)。そのため、信号用内部電極70、71、75、76と接地用内部電極60、61との間の距離が、信号用内部電極71〜75間の距離よりも長くなるため、接地用内部電極60、61がコンデンサ素体L2の外側に配置されやすくなる。その結果、接地用内部電極60、61は、容易に且つ確実に第1及び第2の接地用端子電極3、4に接続されてやすくなる。
貫通型積層コンデンサC5では、信号用内部電極70〜76において、第3及び第4の側面L2e、L2fの対向方向での信号用主電極部70a〜76aの幅d2が、第3及び第4の側面L2e、L2fの対向方向での第1及び第2の信号用引き出し電極部70b〜76b、70c〜76cの幅d4よりも広い。そのため、第1及び第2の信号用端子電極1、2の幅を狭くすることができる。その結果、コンデンサ素体L2の外表面上において、信号用端子電極1、2と接地用端子電極3、4との間で短絡が発生することが抑制される。
貫通型積層コンデンサC5では、第1及び第2の側面L2c、L2dの対向方向での第1及び第2の接地用引き出し電極部60b、61b、60c、61cの幅d3は、第3及び第4の側面L2e、L2fの対向方向での第1及び第2の信号用引き出し電極部70b〜76b、70c〜76cの幅d4よりも広い。したがって、貫通型積層コンデンサC5では、等価直列インダクタンス(ESL)の値を低減することが可能となる。
ここで、図22に、本実施形態に係る貫通型積層コンデンサの変形例に含まれるコンデンサ素体の分解斜視図を示す。図22に示すように、第3及び第4の側面L2e、L2fの対向方向での信号用主電極部70a〜76aの幅d2は、第3及び第4の側面L2e、L2fの対向方向での接地用主電極部60、61の幅d1より広くてもよい。
このように、信号用主電極部70a〜76aの幅を接地用主電極部60a、61aに比べて広くすることで、第5実施形態の変形例に係る貫通型積層コンデンサの直流抵抗が大きくなることがさらに抑制される。
また、信号用主電極部70a〜76aの幅を広くすることで、信号用内部電極70、71、75、76及び接地用内部電極60、61の間で積層ずれが起きた場合であっても、これらの間で形成される静電容量に与える影響を抑制することが可能となる。
(第6実施形態)
図23〜図25に基づいて、第6実施形態に係る貫通型積層コンデンサの構成について説明する。図23は、図1に示した第4実施形態に係る貫通型積層コンデンサのXV−XV矢印断面図に相当する、第6実施形態に係る貫通型積層コンデンサの断面図である。図24は、図1に示した第4実施形態に係る貫通型積層コンデンサのXVI−XVI矢印断面図に相当する、第6実施形態に係る貫通型積層コンデンサの断面図である。図25は、第6実施形態に係る貫通型積層コンデンサに含まれるコンデンサ素体の分解斜視図である。
第6実施形態に係る貫通型積層コンデンサC6は、コンデンサ素体L2内での接地用内部電極60、61の配置の点で第4実施形態に係る貫通型積層コンデンサC4と相違する。
第6実施形態に係る貫通型積層コンデンサC6は、コンデンサ素体L2と、コンデンサ素体L2の外表面に配置された第1及び第2の信号用端子電極1、2並びに第1及び第2の接地用端子電極3、4とを備えている。第1及び第2の信号用端子電極1、2並びに第1及び第2の接地用端子電極3、4は、図1に示した第4実施形態に係る貫通型積層コンデンサC4と同じ配置でコンデンサ素体L2の外表面上に配置される。
貫通型積層コンデンサC6では、第1の主面L2a又は第2の主面L2bを、他の部品(例えば、回路基板や電子部品等)に対する実装面として回路基板等に実装することが好ましい。
コンデンサ素体L2は、図23〜図25に示されるように、第1及び第2の主面L2a、L2bの対向方向に積層された複数(本実施形態では、10層)の誘電体層50〜59を有する。
誘電体層50、51、58、59は、図23〜図25に示されているように、誘電体層52〜57に比べて第1及び第2の主面L2a、L2bの対向方向での厚さが厚い。各誘電体層50〜59は、1枚のセラミックグリーンシートの焼結体から構成されていても、あるいは複数枚のセラミックグリーンシートの焼結体から構成されていてもよい。
貫通型積層コンデンサC6のコンデンサ素体L2には、第1の数(本実施形態では7層)の信号用内部電極70〜76及び第2の数(本実施形態では2層)の接地用内部電極60、61が配置されている。信号用内部電極70〜76の数である第1の数は、接地用内部電極60、61の数である第2の数より大きい。
本実施形態では、信号用内部電極70〜76及び接地用内部電極60,61は、第1及び第2の主面L2a、L2bの対向方向に沿って、略中央に位置する信号用内部電極73から第1の主面L2aに向かって、3層の信号用内部電極72、71、70、接地用内部電極60がこの順で配置されており、また信号用内部電極73から第2の主面L2bに向かって、3層の信号用内部電極74、75、76、接地用内部電極61がこの順で配置されている。
貫通型積層コンデンサC6では、接地用内部電極60は、第1及び第2の主面L2a、L2bの対向方向で見て、第1の数の信号用内部電極70〜76の何れよりも第1の主面L2a側に配置されている。接地用内部電極61は、第1及び第2の主面L2a、L2bの対向方向で見て、第1の数の信号用内部電極70〜76の何れよりも第2の主面L2b側に配置されている。このように、貫通型積層コンデンサC6では、接地用内部電極60、61がコンデンサ素体L2の外表面に近い位置に配置されている。
信号用内部電極70の信号用主電極部70aは、コンデンサ素体L2の一部である誘電体層51(第1の誘電領域)を間に挟んで、接地用内部電極60の接地用主電極部60aと誘電体層50〜59の積層方向(第1及び第2の主面L2a、L2bの対向方向)に互いに対向する領域を含んでいる。すなわち、信号用内部電極70と、接地用内部電極60とは、第1及び第2の主面L2a、L2bの対向方向から見て互いに重なる領域を有している。したがって、誘電体層51のうち、信号用内部電極70の信号用主電極部70aと接地用内部電極60の接地用主電極部60aとに重なる部分は、静電容量成分を実質的に生じさせる領域である。
信号用内部電極76の信号用主電極部76aは、コンデンサ素体L2の一部である誘電体層58(第1の誘電領域)を間に挟んで、接地用内部電極61の接地用主電極部61aと誘電体層50〜59の積層方向に互いに対向する領域を含んでいる。すなわち、信号用内部電極76と、接地用内部電極61とは、第1及び第2の主面L2a、L2bの対向方向から見て互いに重なる領域を有している。したがって、誘電体層58のうち、信号用内部電極76の信号用主電極部76aと接地用内部電極61の接地用主電極部61aとに重なる部分は、静電容量成分を実質的に生じさせる領域である。
信号用内部電極70の信号用主電極部70aは、コンデンサ素体L2の一部である誘電体層52(第2の誘電領域)を間に挟んで信号用内部電極71の信号用主電極部71aと互いに対向する領域を含んでいる。すなわち、信号用内部電極70、71は、第1及び第2の主面L2a、L2bの対向方向から見て互いに重なる領域を有している。
信号用内部電極71の信号用主電極部71aは、コンデンサ素体L2の一部である誘電体層53(第2の誘電領域)を間に挟んで信号用内部電極72の信号用主電極部72aと互いに対向する領域を含んでいる。すなわち、信号用内部電極71、72は、第1及び第2の主面L2a、L2bの対向方向から見て互いに重なる領域を有している。
信号用内部電極72の信号用主電極部72aは、コンデンサ素体L2の一部である誘電体層54(第2の誘電領域)を間に挟んで信号用内部電極73の信号用主電極部73aと互いに対向する領域を含んでいる。すなわち、信号用内部電極72、73は、第1及び第2の主面L2a、L2bの対向方向から見て互いに重なる領域を有している。
信号用内部電極73の信号用主電極部73aは、コンデンサ素体L2の一部である誘電体層55(第2の誘電領域)を間に挟んで信号用内部電極74の信号用主電極部74aと互いに対向する領域を含んでいる。すなわち、信号用内部電極73、74は、第1及び第2の主面L2a、L2bの対向方向から見て互いに重なる領域を有している。
信号用内部電極74の信号用主電極部74aは、コンデンサ素体L2の一部である誘電体層56(第2の誘電領域)を間に挟んで信号用内部電極75の信号用主電極部75aと互いに対向する領域を含んでいる。すなわち、信号用内部電極74、75は、第1及び第2の主面L2a、L2bの対向方向から見て互いに重なる領域を有している。
信号用内部電極75の信号用主電極部75aは、コンデンサ素体L2の一部である誘電体層57(第2の誘電領域)を間に挟んで信号用内部電極76の信号用主電極部76aと互いに対向する領域を含んでいる。すなわち、信号用内部電極75、76は、第1及び第2の主面L2a、L2bの対向方向から見て互いに重なる領域を有している。
図23及び図24から明らかなように、信号用内部電極と接地用内部電極との間に位置するコンデンサ素体の一部である第1の誘電領域、すなわち誘電体層51、58の第1及び第2の主面L2a、L2bの対向方向での長さが、信号用内部電極同士の間に位置するコンデンサ素体の一部である第2の誘電領域、すなわち誘電体層52〜57の第1及び第2の主面L2a、L2bの対向方向での長さよりも長い。
図25に示すように、第3及び第4の側面L2e、L2fの対向方向での接地用主電極部60a、61aの幅をd1とし、第3及び第4の側面L2e、L2fの対向方向での信号用主電極部70a〜76aの幅をd2とすると、本実施形態ではd1とd2は略同じである。
図25に示されるように、第1及び第2の側面L2c、L2dの対向方向での第1及び第2の接地用引き出し電極部60b、61b、60c、61cの幅d3は、第3及び第4の側面L2e、L2fの対向方向での第1及び第2の信号用引き出し電極部70b〜76b、70c〜76cの幅d4よりも広い。
本実施形態に係る貫通型積層コンデンサC6では、第1の信号用引き出し電極部70b〜76bの幅並びに第2の信号用引き出し電極部70c〜76cの幅は何れもd4であって、同じであるが、異なっていてもよい。
図25に示されるように、信号用内部電極70〜76において、第3及び第4の側面L2e、L2fの対向方向での信号用主電極部70a〜76aの幅d2は、第3及び第4の側面L2e、L2fの対向方向での第1の信号用引き出し電極部70b〜76bの幅d4並びに第3及び第4の側面L2e、L2fの対向方向での第2の信号用引き出し電極部70c〜76cの幅d4の何れよりも広い。
貫通型積層コンデンサC6では、信号用内部電極70〜76の数(第1の数)が7層であり、接地用内部電極60、61の数(第2の数)が2層である。すなわち、第1の数の方が第2の数より大きい。よって、貫通型積層コンデンサC6では、直流抵抗が大きくなることを抑制することが可能となる。
また、貫通型積層コンデンサC6では、数が多い信号用内部電極70〜76の信号用主電極部70a〜76aが、誘電体層52〜57を間に挟んでと対向する領域を有している。そのため、貫通型積層コンデンサC6では、直流抵抗が大きくなることを抑制すべく信号用内部電極の数を大きくしても、静電容量が大きくなってしまうことを抑制することが可能となる。したがって、貫通型積層コンデンサC6では、静電容量が大きくなることを抑制しつつ、直流抵抗が大きくなることを抑制することが可能である。
貫通型積層コンデンサC6では、接地用内部電極60、61がコンデンサ素体L2の外表面に近い位置に配置されている。そのため、例えば焼結後にバレル研磨を施して製造したコンデンサ素体L2では、接地用内部電極60、61がコンデンサ素体L2の外表面に引き出されやすくなる。そのため、接地用内部電極60、61は、容易に且つ確実に第1及び第2の接地用端子電極3、4に接続されてやすくなる。
貫通型積層コンデンサC6では、接地用内部電極60、61の数が信号用内部電極70〜76に比べて少ない。そのため、特に接地用内部電極60、61が容易に且つ確実に接地用端子電極3,4に接続されていることが好ましい。
貫通型積層コンデンサC6では、誘電体層51、58の第1及び第2の主面L2a、L2bの対向方向での厚さ(長さ)が、誘電体層52〜57の第1及び第2の主面L2a、L2bの対向方向での厚さ(長さ)よりも厚い(長い)。そのため、信号用内部電極70、76と接地用内部電極60、61との間の距離が、信号用内部電極70〜76間の距離よりも長くなるため、接地用内部電極60、61がコンデンサ素体L2の外側に配置されやすくなる。その結果、接地用内部電極60、61は、容易に且つ確実に第1及び第2の接地用端子電極3、4に接続されてやすくなる。
貫通型積層コンデンサC6では、信号用内部電極70〜76において、第3及び第4の側面L2e、L2fの対向方向での信号用主電極部70a〜76aの幅d2が、第3及び第4の側面L2e、L2fの対向方向での第1及び第2の信号用引き出し電極部70b〜76b、70c〜76cの幅d4よりも広い。そのため、第1及び第2の信号用端子電極1、2の幅を狭くすることができる。その結果、コンデンサ素体L2の外表面上において、信号用端子電極1、2と接地用端子電極3、4との間で短絡が発生することが抑制される。
貫通型積層コンデンサC6では、第1及び第2の側面L2c、L2dの対向方向での第1及び第2の接地用引き出し電極部60b、61b、60c、61cの幅d3は、第3及び第4の側面L2e、L2fの対向方向での第1及び第2の信号用引き出し電極部70b〜76b、70c〜76cの幅d4よりも広い。したがって、貫通型積層コンデンサC6では、等価直列インダクタンス(ESL)の値を低減することが可能となる。
ここで、図26に、本実施形態に係る貫通型積層コンデンサの変形例に含まれるコンデンサ素体の分解斜視図を示す。図26に示すように、第3及び第4の側面L2e、L2fの対向方向での信号用主電極部70a〜76aの幅d2は、第3及び第4の側面L2e、L2fの対向方向での接地用主電極部60、61の幅d1より広くてもよい。
このように、信号用主電極部70a〜76aの幅を接地用主電極部60a、61aに比べて広くすることで、第6実施形態の変形例に係る貫通型積層コンデンサの直流抵抗が大きくなることがさらに抑制される。
また、信号用主電極部70a〜76aの幅を広くすることで、信号用内部電極70、76及び接地用内部電極60、61の間で積層ずれが起きた場合であっても、これらの間で形成される静電容量に与える影響を抑制することが可能となる。
以上、本発明の好適な実施形態及び変形例について説明してきたが、本発明は必ずしも上述した実施形態及び変形例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
例えば、第1及び第2の信号用端子電極1、2、並びに第1及び第2の接地用端子電極3,4は、コンデンサ素体L1、L2の外表面に配置されていればよく、上述した実施形態及び変形例にて示された配置でなくてもよい。
また、第1及び第2の信号用端子電極1、2、並びに第1及び第2の接地用端子電極3,4は、図1及び図14に示したような形状で、コンデンサ素体L1、L2の外表面上に形成されていなくてもよい。図27に、図1に示した貫通型積層コンデンサC1の変形例の斜視図を示す。図27に示した貫通型積層コンデンサでは、第1及び第2の信号用端子電極1、2のうち、第1及び第2の主面L1a、L1bに形成された部分の縁が曲線を描いている。また、第1及び第2の接地用端子電極3、4のうち、第1及び第2の主面L1a、L1bに形成された部分の縁が曲線を描いている。
図28に、図14に示した貫通型積層コンデンサC4の変形例の斜視図を示す。図28に示した貫通型積層コンデンサでは、第1及び第2の信号用端子電極1、2のうち、第1及び第2の主面L2a、L2bに形成された部分の縁が曲線を描いている。また、第1及び第2の接地用端子電極3、4のうち、第1及び第2の主面L2a、L2bに形成された部分の縁が曲線を描いている。図27、図28のように端子電極を形成することにより、端子電極同士が接続されてしまい、端子電極間で短絡が発生してしまうことが抑制される。
また、コンデンサ素体L1、L2に含まれる誘電体層10〜19、50〜59の積層数及び各内部電極20、21、30〜36、60、61、70〜76の積層数は、信号用内部電極の数が接地用内部電極の数より大きい限り、上述した実施形態及び変形例にて示された数に限られない。各内部電極20、21、30〜36、60、61、70〜76の形状は、上述した実施形態及び変形例に示された形状に限られない。各内部電極20、21、30〜36、60、61、70〜76のコンデンサ素体L1、L2における位置は、上述した実施形態及び変形例に示された位置に限られない。
第1の誘電領域の第1及び第2の主面L1a(L2a)、L1b(L2b)の対向方向での長さが、第2の誘電領域の第1及び第2の主面L1a(L2a)、L1b(L2b)の対向方向での長さよりも長くなく、例えば等しくてもよい。
各信号用内部電極30〜36、70〜76において、第3及び第4の側面L1e(L2e)、L1f(L2f)の対向方向での第1の信号用引き出し電極部30b〜36b、70b〜76bの幅と第3及び第4の側面L1e(L2e)、L1f(L2f)の対向方向での第2の信号用引き出し電極部30c〜36c、70c〜76cの幅とが同じでなくてもよい。
各信号用内部電極30〜36、70〜76において、第3及び第4の側面L1e(L2e)、L1f(L2f)の対向方向での第1の信号用引き出し電極部30b〜36b、70b〜76bの幅と第3及び第4の側面L1e(L2e)、L1f(L2f)の対向方向での第2の信号用引き出し電極部30c〜36c、70c〜76cの幅とが同じでなくてもよい。したがって、例えば、第3及び第4の側面L1e(L2e)、L1f(L2f)の対向方向において、第1の信号用引き出し電極部30b〜36b、70b〜76bの幅が信号用主電極部30a〜36a、70a〜76aの幅と同じであって、第2の信号用引き出し電極部30c〜36c、70c〜76cの幅が信号用主電極部30a〜36a、70a〜76aの幅より狭くてもよい。
各信号用内部電極30〜36、70〜76において、第3及び第4の側面L1e(L2e)、L1f(L2f)の対向方向での信号用主電極部30a〜36a、70a〜76aの幅は、第3及び第4の側面L1e(L2e)、L1f(L2f)の対向方向での第1の信号用引き出し電極部30b〜36b、70b〜76bの幅並びに第3及び第4の側面L1e(L2e)、L1f(L2f)の対向方向での第2の信号用引き出し電極部30c〜36c、70c〜76cの幅の何れか一方又は双方より狭くてもよい。
第3及び第4の側面L1e(L2e)、L1f(L2f)の対向方向での信号用主電極部30a〜36a、70a〜76aの幅は、第3及び第4の側面L1e(L2e)、L1f(L2f)の対向方向での接地用主電極部20a、21a、60a、61aの幅より狭くてもよい。
第1及び第2の側面L1c(L2c)、L1d(L2d)の対向方向での接地用引き出し電極部20b、21b、20c、21c、60b、61b、60c、61cの幅は、第3及び第4の側面L1e(L2e)、L1f(L2f)の対向方向での第1の信号用引き出し電極部30b〜36b、70b〜76bの幅並びに第3及び第4の側面L1e(L2e)、L1f(L2f)の対向方向での第2の信号用引き出し電極部30c〜36c、70c〜76cの幅の何れか一方又は双方よりも狭い又は同じであってもよい。
C1〜C6…貫通型積層コンデンサ、L1、L2…コンデンサ素体、1…第1の信号用端子電極、2…第2の信号用端子電極、3…第1の接地用端子電極、4…第2の接地用端子電極、10〜19、50〜59…誘電体層、20、21、60、61…接地用内部電極、20a、21a、60a、61a…接地用主電極部、20b、21b、60b、61b…第1の接地用引き出し電極部、20c、21c、60c、61c…第2の接地用引き出し電極部、30〜36、70〜76…信号用内部電極、30a〜36a…信号用主電極部、30b〜36b…第1の信号用引き出し電極部、30c〜36c…第2の信号用引き出し電極部。