JP4904742B2 - パターンの形成方法およびパターンを有する物品 - Google Patents

パターンの形成方法およびパターンを有する物品 Download PDF

Info

Publication number
JP4904742B2
JP4904742B2 JP2005236223A JP2005236223A JP4904742B2 JP 4904742 B2 JP4904742 B2 JP 4904742B2 JP 2005236223 A JP2005236223 A JP 2005236223A JP 2005236223 A JP2005236223 A JP 2005236223A JP 4904742 B2 JP4904742 B2 JP 4904742B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mold
curable material
pattern
substrate
group
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2005236223A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006114882A (ja
Inventor
泰秀 川口
昭彦 浅川
健二 石関
武 江里口
王明 柏木
大祐 白川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
AGC Inc
Original Assignee
Asahi Glass Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Glass Co Ltd filed Critical Asahi Glass Co Ltd
Priority to JP2005236223A priority Critical patent/JP4904742B2/ja
Publication of JP2006114882A publication Critical patent/JP2006114882A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4904742B2 publication Critical patent/JP4904742B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)

Description

本発明は、微細なパターンの形成方法および微細なパターンを有する物品に関する。
半導体装置の製造において、50μm以下の微細なパターンの形成および量産性を両立させる技術として、基板上に設けられた転写層に、モールドの微細パターンを転写する技術、いわゆるナノインプリント技術が知られている(特許文献1〜5参照)。また、微細なパターンを寸法精度よく転写する技術として、転写層に紫外線硬化性樹脂を使用した室温でのナノインプリント技術が知られている(特許文献6、7参照)。
しかし、転写層に紫外線硬化性樹脂を使用したナノインプリント技術の場合、紫外線硬化樹脂がモールドに密着してしまうため、モールドの表面にフッ素系または珪素系の離型剤を塗布する手間が必要であった。また、離型剤自体の膜厚、離型剤の塗布ムラ等により、モールドのパターンを精密に転写することは困難であった。また、離型剤の一部がモールドから剥離する等、離型剤に寿命があることから、大量生産時に連続して精密にパターンを転写することは困難であった。
米国特許第5772905号明細書 特開2000−323461号公報 特開2003−155365号公報 米国特許第6482742号明細書 米国特許第6719915号明細書 米国特許第6696220号明細書 特開2004−71934号公報
本発明の目的は、モールドのパターンを連続して精密に基板上に転写できるパターンの形成方法、およびモールドのパターンが精密に転写された物品を提供することにある。
本発明のパターンの形成方法は、フッ素含有量が40〜70質量%の重合性化合物(A)、および光重合開始剤である重合開始剤(B)を含有する硬化性材料を基板上に塗布する工程と、表面に最小寸法が500nm以下であるパターンが形成されたモールドを、パターンが硬化性材料に接触するように、基板上の硬化性材料に押しつける工程と、モールドを硬化性材料に押しつけた状態で硬化性材料を硬化させる工程と、硬化性材料の硬化物からモールドを分離する工程とを有することを特徴とする。
また、本発明のパターンの形成方法は、基板と、表面に最小寸法が500nm以下であるパターンが形成されたモールドとを、パターンが基板側になるように接近または接触させる工程と、フッ素含有量が40〜70質量%の重合性化合物(A)、および光重合開始剤である重合開始剤(B)を含有する硬化性材料を、基板とモールドとの間に充填する工程と、基板とモールドとが接近または接触した状態で硬化性材料を硬化させる工程と、硬化性材料の硬化物からモールドを分離する工程とを有することを特徴とする。
また、本発明のパターンの形成方法は、フッ素含有量が40〜70質量%の重合性化合物(A)、および光重合開始剤である重合開始剤(B)を含有する硬化性材料を、表面に最小寸法が500nm以下であるパターンが形成されたモールドのパターン上に塗布する工程と、基板をモールド上の硬化性材料に押しつける工程と、基板を硬化性材料に押しつけた状態で硬化性材料を硬化させる工程と、硬化性材料の硬化物からモールドを分離する工程とを有することを特徴とする。
前記モールドとして、離型剤が塗布されていないものを用いることが好ましい。
また、本発明の物品は、本発明のパターンの形成方法によって形成されたパターンを有するものである。
本発明のパターンの形成方法によれば、モールドのパターンを連続して精密に基板上に転写できる。また、本発明のパターンの形成方法によれば、モールドのパターンが精密に転写された、本発明のパターンを有する物品を生産性よく製造できる。
本発明においては、式(1)で表されるモノマーをモノマー1と表す。他の式で表されるモノマーも同様に表す。
本発明のパターンの形成方法は、たとえば、図1に示すように、硬化性材料11を基板12上に塗布する工程(以下、塗布工程と記す。)と、図2に示すように、表面に凹凸パターン13が形成されたモールド14を、凹凸パターン13が硬化性材料11に接触するように、基板12上の硬化性材料11に押しつける工程(以下、型押し工程と記す。)と、モールド14を硬化性材料11に押しつけた状態で硬化性材料11を硬化させる工程(以下、硬化工程と記す。)と、図3に示すように、モールド14の凹凸パターン13に対応した凹凸パターン15が転写された硬化性材料の硬化物16からモールド14を分離する工程(以下、離型工程と記す。)とを有する方法である。
<塗布工程>
硬化性材料11を基板12上に塗布する方法としては、ポッティング法、スピンコート法、ロールコート法、キャスト法、ディップコート法、ダイコート法、ラングミュアープロジェット法、真空蒸着法等が挙げられる。
基板12がモールド14よりも大きい場合、硬化性材料11を基板12全面に塗布してもよいし、モールド14を型押しする範囲のみに硬化性材料11が存在するように、硬化性材料11を基板12の一部に塗布してもよい。
(基板)
基板12としては、シリコンウェハ、ガラス、石英ガラス、金属等の無機材料からなる基板、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂等の有機材料からなる基板等が挙げられる。硬化性材料11との密着性を向上させるために、基板12に、粗面処理、シランカップリング処理、シラザン処理等の表面処理を施してもよい。
(硬化性材料)
硬化性材料11は、フッ素含有量が40〜70質量%の重合性化合物(A)、および重合開始剤(B)を含有するものであり、必要に応じて他の重合性化合物(C)、光増感剤(D)、溶剤(E)をさらに含有していてもよい。
本発明における重合性化合物とは、重合性の不飽和結合含有基(以下、単に重合性の不飽和基という。)、エポキシ基等の重合性の基を有する化合物である。重合性化合物としては、重合性の不飽和基を有する化合物が好ましい。重合性の不飽和基としては、ビニル基、アリル基、アクリロイル基、またはメタクリロイル基が好ましい。重合性の観点から、アクリロイル基またはメタクリロイル基が特に好ましい。また、重合性の不飽和基は、フッ素原子を有していてもよい。
(重合性化合物(A))
重合性化合物(A)は、フッ素含有量が40〜70質量%の重合性化合物である。重合性化合物(A)のフッ素含有量は、45〜65質量%が好ましい。重合性化合物(A)のフッ素含有量を40質量%以上とすることで、硬化後の硬化性材料11(硬化物16)がモールド14に密着することなく、離型性がよくなる。重合性化合物(A)のフッ素含有量を70質量%以下とすることで、重合開始剤(B)との相溶性がよくなり、硬化が均一に進行する。本発明におけるフッ素含有量とは、重合性化合物(A)を構成するすべての原子に占めるフッ素原子の質量割合である。
本発明における重合性化合物(A)としては、下記モノマー1、下記モノマー2、下記モノマー3、下記モノマー4、下記モノマー5、下記モノマー6、下記モノマー7、および重合性の不飽和基を含有するフルオロプレポリマーからなる群れから選ばれる1種以上が好ましい。
Figure 0004904742
ただし、式中の記号は下記の意味を示す。
モノマー1中、R11、R12、およびR13は、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、炭素数1〜3のアルキル基、または炭素数1〜3のポリフルオロアルキル基を表し、Q11は、単結合、炭素数1〜20のポリフルオロアルキレン基、または炭素数1〜20のエーテル性酸素原子を含むポリフルオロアルキレン基を表し、X11は、臭素原子、ヨウ素原子、−CH2OH、−COOH、−COOCH3、−COOM1、−SO2F、−SO3H、−SO32、−CN、−CH2OPO2H、または−CH2PO32(ただし、M1 およびM2 は、それぞれ独立に、アルカリ金属を表す。)を表し、zは、0または1を表す。
モノマー2中、R21、R22、およびR23は、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、炭素数1〜3のアルキル基、または炭素数1〜3のポリフルオロアルキル基を表し、Q21は、炭素数1〜20の水酸基を含有していてもよいポリフルオロアルキレン基、または炭素数1〜20の水酸基を含有していてもよいエーテル性酸素原子を含むポリフルオロアルキレン基を表し、X21は、水素原子、フッ素原子、−CH2OH、−COOH、−COOCH3、−COOM1、−SO2F、−SO3H、−SO32、−CN、−CH2OPO2H、または−CH2PO32(ただしM1 およびM2 は、それぞれ独立に、アルカリ金属を表す)を表す。
モノマー3、4中、R31、R32、R33、およびR34は、それぞれ独立に、フッ素原子、炭素数1〜3のペルフルオロアルキル基、または炭素数1〜3のペルフルオロアルコキシ基を表し、R41およびR42は、それぞれ独立に、フッ素原子または炭素数1〜7のペルフルオロアルキル基を表す。
モノマー5中、R51およびR52は、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、炭素数1〜3のアルキル基、または炭素数1〜3のポリフルオロアルキル基を表し、Q51は、ポリフルオロアルキレン基、水酸基を含有するポリフルオロアルキレン基を表す。
モノマー6中、R61、R62、R63、R64、R65、およびR66は、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、メチル基、または炭素数1〜3のポリフルオロアルキル基を表し、少なくとも1つはフッ素原子である。Q61およびQ62は、それぞれ独立に、単結合、酸素原子、メチレン基、ジフルオロメチレン基、オキシジフルオロメチレン基、もしくはフッ素原子、炭素数1〜3のペルフルオロアルキル基または炭素数1〜3のペルフルオロアルコキシ基で置換されたメチレン基を表し、R67は、水素原子、フッ素原子、炭素数1〜3のアルキル基、または炭素数1〜3のポルフルオロアルキル基を表し、R68は、水素原子、フッ素原子、炭素数1〜3のアルキル基、もしくは炭素数1〜3のポリフルオロアルキル基、水酸基、スルホニル基、チオール基、カルボキシル基、およびアミノ基から選ばれる官能基を有する炭素数1〜6のポリフルオロアルキル基を表す。
モノマー7中、Q71は、環構造を有していてもよい含フッ素アルキレン基を表す。
モノマー1としては、たとえば、CF2=CFOCF2CF2SO2F、CF2=CFOCF2CF(CF3)OCF2CF2SO2F、CF2=CFCOOH、CF2=CFO(CF23COOCH3、CF2=CFO(CF23CH2OH、CF2=CFOCF2CF(CF3)OCF2CF2CH2I等が挙げられる。
モノマー2としては、たとえば、CH2=CHCOO(CH22(CF210F、CH2=CHCOO(CH22(CF28F、CH2=CHCOO(CH22(CF26F、CH2=C(CH3)COO(CH22(CF210F、CH2=C(CH3)COO(CH22(CF28F、CH2=C(CH3)COO(CH22(CF26F、CH2=CHCOOCH2(CF26F、CH2=C(CH3)COOCH2(CF26F、CH2=CHCOOCH2(CF27F、CH2=C(CH3)COOCH2(CF27F、CH2=CHCOOCH2CF2CF2H、CH2=CHCOOCH2(CF2CF22H、CH2=CHCOOCH2(CF2CF24H、CH2=C(CH3)COOCH2(CF2CF2)H、CH2=C(CH3)COOCH2(CF2CF22H、CH2=C(CH3)COOCH2(CF2CF24H、CH2=CHCOOCH2CF2OCF2CF2OCF3、CH2=CHCOOCH2CF2O(CF2CF2O)3CF3、CH2=C(CH3)COOCH2CF2OCF2CF2OCF3、CH2=C(CH3)COOCH2CF2O(CF2CF2O)3CF3、CH2=CHCOOCH2CF(CF3)OCF2CF(CF3)O(CF23F、CH2=CHCOOCH2CF(CF3)O(CF2CF(CF3)O)2(CF23F、CH2=C(CH3)COOCH2CF(CF3)OCF2CF(CF3)O(CF23F、CH2=C(CH3)COOCH2CF(CF3)O(CF2CF(CF3)O)2(CF23F、CH2=CFCOOCH2CH(OH)CH2(CF26CF(CF32、CH2=CFCOOCH2CH(CH2OH)CH2(CF26CF(CF32、CH2=CFCOOCH2CH(OH)CH2(CF210F、CH2=CFCOOCH2CH(CH2OH)CH2(CF210F等が挙げられる。
モノマー3、4としては、たとえば、下式のものが挙げられる。
Figure 0004904742
モノマー5としては、たとえば、下式のものが挙げられる。
Figure 0004904742
(ただし、k1およびk2は、それぞれ独立に、3〜10の整数を表す。)。
モノマー6としては、たとえば、CF2=CFCF2CF=CF2、CF2=CFOCF2CF=CF2、CF2=CFOCF2CF2CF=CF2、CF2=CFOCF(CF3)CF2CF=CF2、CF2=CFOCF2CF(CF3)CF=CF2、CF2=CFOCF2OCF=CF2、CF2=CFOCF2CF(CF3)OCF2CF=CF2、CF2=CFCF2C(OH)(CF3)CH2CH=CH2、CF2=CFCF2C(OH)(CF3)CH=CH2、CF2=CFCF2C(CF3)(OCH2OCH3)CH2CH=CH2、CF2=CFCH2C(C(CF32OH)(CF3)CH2CH=CH2等が挙げられる。
その他の好ましい重合性化合物(A)としては、モノマー1〜7からなる群から選ばれる1以上のモノマーの重合により得られる2〜20の繰り返し単位からなる重合性化合物(A)、下記のモノマー8、フルオロノルボルネン等が挙げられる。
Figure 0004904742
重合性の不飽和基を有するフルオロプレポリマー(以下、単にフルオロプレポリマーともいう。)としては、(メタ)アクリロイル基を有するフルオロプレポリマー、またはビニル基を有するフルオロプレポリマーが好ましい。ただし、(メタ)アクリロイル基とは、アクリロイル基またはメタクリロイル基を意味する。
フルオロプレポリマーの数平均分子量は、硬化性の観点から500〜50000が好ましい。
(メタ)アクリロイル基を有するフルオロプレポリマーとしては、フルオロモノマーと水酸基を含有するモノマーとの共重合により得られるフルオロポリマーにハロホルメートを反応させて得られるフルオロプレポリマー;該フルオロポリマーにイソシアネート基と(メタ)アクリロイル基を含有するモノマーを反応させて得られるフルオロプレポリマー等が挙げられる。
フルオロプレポリマーにおけるフルオロモノマーとしては、前記モノマー1〜前記モノマー9および他のフルオロモノマーからなる群から選ばれる1種以上が好ましい。他のフルオロモノマーとしては、たとえば、ポリフルオロオレフィン、クロロフルオロオレフィン、ポリフルオロ(アルケニルエーテル)、ポリフルオロビニルエステル等が挙げられる。
ポリフルオロオレフィンとしては、たとえば、CF2=CF2、CF2=CHF、CF2=CH2、CHF=CH2、CF2=CFCF3、CH2=CFCF3、CH2=CX1F1(RF1は炭素数1〜8のポリフルオロアルキル基を表し、X1 は水素原子またはフッ素原子を表す。)(CH2=CFCF2CF3、CH2=CF(CF24H、CH2=CHCF2CF3、CH2=CH(CF24F等。)等が挙げられる。
クロロフルオロオレフィンとしては、たとえば、CF2=CFCl等が挙げられる。
ポリフルオロ(アルケニルエーテル)としては、たとえば、CF2=CFORF2(RF2は炭素数1〜8のエーテル性酸素原子を含有してもよいポリフルオロアルキル基を表す。
)、CF2=CFO(CF23F、CF2=CFOCF2CF(CF3)O(CF23F、CF2=CFOCH2CF3、CF2=CFCF2ORF3(RF3は炭素数1〜8のエーテル性酸素原子を含有してもよいポリフルオロアルキル基を表す。)(CF2=CFCF2O(CF23F等。)等が挙げられる。
ポリフルオロビニルエステルとしては、たとえば、CH2=CHOC(O)CF3等が挙げられる。
また、エチレン、プロピレン等のオレフィン類、ビニルエーテル類、ビニルエステル類、アリルエーテル類、アリルエステル類、アクリル酸類、メタクリル酸類等をモノマーとして適宜用いてもよい。
フルオロプレポリマーにおける水酸基を含有するモノマーとしては、前記モノマー1〜前記モノマー9に記載される水酸基を含有するモノマー、および他の水酸基を含有するモノマー(ヒドロキシルブチルビニルエーテル等)が好ましい。
フルオロプレポリマーにおけるハロホルメートとしては、重合性クロロホルメート(2−クロロホルミルエチルメタクリル酸エステル等)が好ましい。
(重合開始剤(B))
重合開始剤(B)としては、光重合開始剤、熱重合開始剤等が挙げられる。本発明においては、得られるパターンの寸法精度がよいことから、光重合方式による硬化が好適である。よって、重合開始剤(B)としては、光重合開始剤が好ましい。
光重合開始剤は、光によりラジカル反応またはイオン反応を引き起こすものであり、ラジカル反応を引き起こす光重合開始剤が好ましい。光重合開始剤としては、下記の光重合開始剤が挙げられる。
アセトフェノン系の光重合開始剤:アセトフェノン、p−tert−ブチルトリクロロアセトフェノン、クロロアセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、ヒドロキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2’−フェニルアセトフェノン、2−アミノアセトフェノン、ジアルキルアミノアセトフェノン等。
ベンゾイン系の光重合開始剤:ベンジル、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−2−メチルプロパン−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール等。
ベンゾフェノン系の光重合開始剤:ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、メチル−o−ベンゾイルベンゾエート、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、ヒドロキシプロピルベンゾフェノン、アクリルベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン等。
チオキサントン系の光重合開始剤:チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチルチオキサントン、ジエチルチオキサントン、ジメチルチオキサントン等。
フッ素原子を含有する光重合開始剤:ペルフルオロ(tert−ブチルペルオキシド)、ペルフルオロベンゾイルペルオキシド等。
その他の光重合開始剤:α−アシルオキシムエステル、ベンジル−(o−エトキシカルボニル)−α−モノオキシム、アシルホスフィンオキサイド、グリオキシエステル、3−ケトクマリン、2−エチルアンスラキノン、カンファーキノン、テトラメチルチウラムスルフィド、アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルペルオキシド、ジアルキルペルオキシド、tert−ブチルペルオキシピバレート等。
本発明における重合性化合物(A)がエポキシ基を有する重合性化合物である場合は、光重合開始剤には光酸発生剤が用いられる。ただし、光酸発生剤とは光により酸を発生する化合物である。光酸発生剤としては、通常の化学増幅型レジスト組成物に使用される酸発生化合物が採用可能である。光酸発生剤の具体例としては、オニウム塩、ジアゾケトン化合物、スルホン化合物、スルホン酸化合物等が挙げられる。
オニウム塩の具体例としては、ヨードニウム塩(ジフェニルヨードニウムトリフレート、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムトリフレート等。)、スルホニウム塩(トリフェニルスルホニウムトリフレート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、1−(ナフチルアセトメチル)チオラニウムトリフレート、シクロヘキシルメチル(2−オキソシクロヘキシル)スルホニウムトリフレート、ジシクロヘキシル(2−オキソシクロヘキシル)スルホニウムトリフレート等。)、ホスホニウム塩、ジアゾニウム塩、ピリジニウム塩等を挙げられる。
重合開始剤(B)は、重合性化合物(A)および他の重合性化合物(C)の合計100質量部に対して、0.05質量部以上を用いることが好ましく、0.1〜10質量部を用いることが特に好ましい。0.05質量部以上とすることにより、硬化が充分に進行し、硬化物に重合性化合物が残存することがなく、10質量部以下とすることにより、硬化物の分子量が充分に高くなり、得られる精密パターンの機械特性が損なわれることがない。
(他の重合性化合物(C))
他の重合性化合物(C)は、前記重合性化合物(A)と共重合可能であるフッ素原子を含まない重合性化合物、またはフッ素含有量が40質量%未満の重合性化合物である。
前者の重合性化合物としては、下記の化合物等が挙げられる。
炭化水素系オレフィン:エチレン、プロピレン、ブテン、ノルボルネン等。
炭化水素系ジエン:ノルボルナジエン、ブタジエン等。
炭化水素系アルケニルエーテル:シクロヘキシルメチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、エチルビニルエーテル等のアルキルビニルエーテル、グリシジルビニルエーテル等。
炭化水素系ビニルエステル:酢酸ビニル、ビニルピバレート等。
(メタ)アクリル酸誘導体:(メタ)アクリル酸、芳香族系の(メタ)アクリレート[フェノキシエチルアクリレート、ベンジルアクリレート等。]、炭化水素系の(メタ)アクリレート[ステアリルアクリレート、ラウリルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、アリルアクリレート、1,3−ブタンジオールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタアエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等。]、エーテル性酸素原子を含む炭化水素系の(メタ)アクリレート[エトキシエチルアクリレート、メトキシエチルアクリレート、グリシジルアクリレート、テトラヒドロフルフリールアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ポリオキシエチレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート等。]、官能基を含む炭化水素系の(メタ)アクリレート[2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、N,N−ジエチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、N−ビニルピロリドン、ジメチルアミノエチルメタクリレート等。]、シリコーン系のアクリレート等。
その他の化合物:無水マレイン酸、ビニレンカーボネート等。
ただし、(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸またはメタクリル酸を意味し、(メタ)アクリレートとは、アクリレートまたはメタクリレートを意味する。
後者の重合性化合物としては、フッ素含有量が40質量%未満の、前記モノマー1〜9およびフルオロプレポリマーが挙げられる。
他の重合性化合物(C)と、重合性化合物(A)との割合(質量比)は、0:100から99.5:0.5が好ましく、0:100から50:50がより好ましい。また、他の重合性化合物(C)と、重合性化合物(A)との割合は、全ての重合性化合物のフッ素含有量が平均して40〜70質量%となり、かつ、重合性化合物(A)と他の重合性化合物(C)とが硬化してなる硬化物の水に対する接触角が75度以上となるような割合であることが好ましい。
(光増感剤(D))
光増感剤(D)としては、n−ブチルアミン、ジ−n−ブチルアミン、トリ−n−ブチルホスフィン、アリルチオ尿素、s−ベンジスイソチウロニウム−p−トルエンスルフィネート、トリエチルアミン、ジエチルアミノエチルメタクリレート、トリエチレンテトラミン、4,4’−ビス(ジアルキルアミノ)ベンゾフェノン等のアミン化合物が挙げられる。
光増感剤(D)は、重合開始剤(B)に対して0倍モルから4倍モルが好ましく、0倍モルから2倍モルがより好ましい。光増感剤(D)を重合開始剤(B)に対して4倍モル以下とすることで、硬化物の分子量が充分に高くなり、得られる精密パターンの機械的特性が損なわれることがない。
(溶剤(E))
硬化性材料11には、必要に応じて溶剤(E)を加えてもよい。溶剤(E)を加える場合には、次の型押し工程の前に、硬化性材料を基板に塗布した後に加熱して、溶剤(E)を蒸発させる必要がある。溶剤(E)としては、硬化性材料を均一に溶解する、沸点が100℃から200℃の溶剤が好ましい。また、溶剤(E)を蒸発させるときの加熱温度は、使用する溶剤に応じて、50℃から200℃が好ましい。
溶剤(E)としては、たとえば、キシレン、酢酸ブチル等のフッ素原子を含まない有機溶剤;ペルフルオロ(2−ブチルテトラヒドロフラン)、メチルペルフルオロイソプロピルエーテル、メチル(ペルフルオロヘキシルメチル)エーテル、メチルペルフルオロオクチルエーテル等の含フッ素有機溶剤が挙げられる。
<型押し工程>
型押し工程においては、表面に凹凸パターン13が形成されたモールド14を、基板12上の硬化性材料11に押しつける。
モールド14を基板12上の硬化性材料11に押しつけるときのプレス圧力(ゲージ圧)は、硬化性材料11の粘度の観点から、10MPa以下でよい。
(モールド)
モールド14の材質としては、光を透過する材質、すなわち、石英ガラス、紫外線透過ガラス、サファイヤ、ダイアモンド、ポリジメチルシロキサン等のシリコン材料、フッ素樹脂、その他光を透過する樹脂材料等が挙げられる。また、基板12が光を透過する材質であれば、モールド14は光を透過しなくてもよい。光を透過しないモールド14の材質としては、シリコンウェハ、SiC基板、マイカ基板等が挙げられる。また、加熱によって硬化性材料11を硬化させる場合には、基板12およびモールド14は光を透過しなくてもよい。
モールド14表面に形成される凹凸パターン13の形状は、得ようとする物品に応じて適宜決定される。
本発明においては、凹凸パターン13の最小寸法が、50μm以下、より小さくは500nm以下、さらに小さくは50nm以下であっても、該微細パターンを精密に硬化性材料11に転写できる。本発明における凹凸パターンの最小寸法とは、凸部の高さの最小値、凹部の深さの最小値、凸部または凹部の幅の最小値、および凸部または凹部の長さの最小値のうち、最も小さい寸法を意味する。なお、最小値の下限は特に限定されず、1nm以上が好ましい。
<硬化工程>
硬化の方法は、硬化性材料11を硬化させる方法であれば特に限定されない。硬化性材料11の重合開始剤(B)の種類にしたがって、熱および/または光照射により硬化性材料11を硬化させる方法が好ましい。硬化が低温(0〜60℃)で進行し反応収率が高い観点から、重合開始剤(B)として前記光重合開始剤を用い、光照射により硬化性材料11を硬化させる方法が特に好ましい。硬化を低温で行う場合、温度による硬化物の体積変化と硬化に伴う着色とが抑制される効果がある。
光照射の方法としては、図4に示すように、モールド14が光を透過する材質の場合、モールド14側から光を照射する方法、基板12が光を透過する材質の場合、基板12側から光を照射する方法が挙げられる。
光照射に用いる光としては、光重合開始剤が反応する光であればよい。光重合開始剤が容易に反応し、硬化性材料をより低温で硬化させることができる観点から、400nm以下の波長の光(紫外線、X線、γ線等の活性エネルギー線)が好ましい。操作性の観点から、200〜400nmの波長の光が特に好ましい。
また、光照射時に、全体を加熱することにより、硬化性材料11の硬化を加速させてもよい。加熱する場合の温度範囲は、300℃以下が好ましく、0〜60℃がより好ましく、25〜50℃が特に好ましい。該温度範囲において、硬化物に形成されるパターン形状の精度が高く保持される。また、光照射を行わずに、加熱のみで硬化性材料11を硬化させてもよい。
<離型工程>
硬化工程後、25℃付近で、または硬化工程で加熱した場合は25℃付近まで冷却して、モールド14を硬化性材料の硬化物16から分離することにより、モールド14の凹凸パターン13に対応した、硬化した硬化性材料11からなる精密な凹凸パターン15が基板12表面に形成された物品が得られる。
<他の形成方法>
本発明のパターンの形成方法は、硬化性材料がモールドのパターン面と基板との間に挟持される方法であれば特に限定されず、モールド14と硬化性材料11とを接触させ、モールド14の凹凸パターン13を硬化性材料11に転写できる方法であればよい。
他の形成方法としては、たとえば、基板12と、表面に凹凸パターン13が形成されたモールド14とを、凹凸パターン13が基板12側になるように接近または接触させる工程と、硬化性材料11を、基板12とモールド14との間に、毛細管現象、吸引等により充填する工程と、基板12とモールド14とが接近または接触した状態で硬化性材料11に光を照射して硬化性材料11を硬化させる工程と、硬化性材料の硬化物16からモールド14を分離する工程とを有する方法が挙げられる。
また、他の形成方法としては、硬化性材料11を、表面に凹凸パターン13が形成されたモールド14の凹凸パターン13上に流し込み等により塗布する工程と、基板12をモールド14上の硬化性材料11に押しつける工程と、基板12を硬化性材料11に押しつけた状態で硬化性材料11に光を照射して硬化性材料11を硬化させる工程と、硬化性材料の硬化物16からモールド14を分離する工程とを有する方法が挙げられる。
本発明のパターンの形成方法によれば、硬化性材料11が、フッ素含有量が40〜70質量%の重合性化合物(A)を含有しているため、硬化後の硬化性材料11自体の離型性がよく、モールド14に離型剤を塗布する必要がない。そのため、モールド14の凹凸パターン13を硬化性材料11に精密に転写できる。また、モールド14に離型剤を塗布する必要がないため、連続して凹凸パターン13を転写でき、パターンを有する物品を生産性よく製造できる。さらに、モールド14に離型剤を塗布する手間が省けるため、パターンを有する物品の生産性がさらによくなる。さらに、離型剤によるパターンの汚染がない。
<パターンを有する物品>
本発明のパターンを有する物品は、本発明のパターンの形成方法によって凹凸パターン15が形成された硬化物16が基板12上に形成された物品である。硬化物16は、耐熱性、耐薬品性、離型性、光学特性(透明性や低屈折率性)等の物性に優れうる。
本発明のパターンを有する物品は、マイクロレンズアレイ、光導波路、光スイッチング、フレネルゾーンプレート、バイナリー光学素子、ブレーズ光学素子、フォトニクス結晶等の光学素子;AR(Anti Reflection)コート部材、バイオチップ、μ−TAS(Micro−Total Analysis Systems)用のチップ、マイクロリアクターチップ、記録メディア、ディスプレイ材料、触媒の担持体、フィルター、センサー部材等として有用である。
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。
(合成例)
フルオロプレポリマー1の合成:
イソホロンジイソシアネートの58g、2−ヒドロキシエチルアクリレートの39g、p−メトキシフェノールの0.02gおよびジブチル錫ジラウレートの0.005gを、500mlのガラス製反応容器に入れた。つぎに、反応容器内をよく混合しながら反応温度を70℃以下に保持して反応させてイソシアネート基を含有するモノマーを得た。つづいて、水酸基を含有するフルオロポリマー(旭硝子社製、商品名:ルミフロン LF−910LM)の161gを、反応容器に加えて、よく撹拌しながら反応温度を80〜90℃に保持してジブチル錫ジラウレートの0.02gを添加した。反応容器内容物を精製して得たフルオロプレポリマー1(フッ素含有量41質量%)(以下、重合性化合物(A1)という。)を赤外吸収スペクトルで分析した結果、イソシアネート基の消失と、アクリロイル基の生成を確認した。
(実施例1)
紫外線をカットしたクリーンルーム内にて、1.6mlのバイヤル容器に、重合性化合物(A1)の0.1g、ポリエチレングリコールジアクリレートの0.06g、トリメチロールプロパントリアクリレートの0.03g、およびキシレンの0.3gを加えた。つぎに、光重合開始剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製、商品名「イルガキュア 184」)の0.01gを加えて混合し、光硬化性材料を得た。
該光硬化性材料をシリコンウェハ上にスピンコートして110℃で1分間加熱し、乾燥させる。図5に示す、幅400nm、深さ100nm、長さ5mmの溝が刻まれた石英モールドをシリコンウェハ上の光硬化性材料に押しつけ、25℃で、2MPaの圧力(ゲージ圧)でプレスする。石英モールド越しに、光硬化性材料に高圧水銀灯(1.5kHz〜2.0kHzで255nm、315nm、および365nmに主波長を有する。)の光を30秒照射した後、硬化した光硬化性材料から石英モールドをゆっくりと分離する。シリコンウェハ上には、石英モールドの溝に対応した、硬化した光硬化性材料からなる凸状パターンが形成されている。該凸状パターンの寸法(幅(nm)、高さ(nm))、モールドの離型性について評価する。評価結果を表1に示す。離型性については、モールドを光硬化性材料から分離できない場合を×、超音波等の操作でモールドを光硬化性材料から分離できる場合を△、特別な操作なしにモールドを光硬化性材料から分離できる場合を○と評価する。
(実施例2)
紫外線をカットしたクリーンルーム内にて、1.6mlのバイヤル容器に、重合性化合物(A1)の0.1g、ポリエチレングリコールジアクリレートの0.06g、トリメチロールプロパントリアクリレートの0.03g、n−ブチルアミンの0.005g、およびキシレンの0.3gを加えた。つぎに、光重合開始剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製、商品名「イルガキュア 184」)の0.01gを加えて混合し、光硬化性材料を得た。該光硬化性材料を使用した以外は、実施例1と同様にしてシリコンウェハ上に硬化した光硬化性材料からなる凸状パターンを形成する。該凸状パターンの寸法(幅(nm)、高さ(nm))、モールドの離型性について評価する。評価結果を表1に示す。
(実施例3)
紫外線をカットしたクリーンルーム内にて、6mlのバイヤル容器に含フッ素ジアクリレート[CH2=CHCOO−CH2−X−CH2−COOCH=CH2;Xはペルフルオロ(1,4−シクロヘキシレン)基を表す。]の0.3gおよびCH2=CHCOOCH2(CF26Fの0.55gからなる重合性化合物(A2)(フッ素含有量55質量%)と、トリメチロールプロパントリアクリレートの0.15gとを加えた。つぎに、光重合開始剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製、商品名「イルガキュア 907」)の0.05gを酢酸ブチルの0.2gに溶かした溶液を加えて混合し、光硬化性材料を得た。該光硬化性材料を使用した以外は、実施例1と同様にしてシリコンウェハ上に硬化した光硬化性材料からなる凸状パターンを形成する。該凸状パターンの寸法(幅(nm)、高さ(nm))、モールドの離型性について評価する。評価結果を表1に示す。
(実施例4)
紫外線をカットしたクリーンルーム内にて、6mlのバイヤル容器に1,1,2,3,3−ペンタフルオロ−4−トリフルオロメチル−4−メトキシメチルオキシ−1,6−ヘプタジエン[CF2=CFCF2C(CF3)(OCH2OCH3)CH2CH=CH2 ]からなる重合性化合物(A3)(フッ素含有量48質量%)の0.95gを加えた。つぎに、光重合開始剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製、商品名「イルガキュア 907」)の0.05gを加えて混合し、光硬化性材料を得た。該光硬化性材料を使用した以外は、実施例1と同様にしてシリコンウェハ上に硬化した光硬化性材料からなる凸状パターンを形成する。該凸状パターンの寸法(幅(nm)、高さ(nm))、モールドの離型性について評価する。評価結果を表1に示す。
(比較例1)
紫外線をカットしたクリーンルーム内にて、1.6mlのバイヤル容器にヘキサンジオールジアクリレートの0.07gおよびペンタエリスリトールトリアクリレートの0.03gを加えた。つぎに、光重合開始剤(1,1−ジメトキシ−1−フェニルアセトフェノン)の0.005gを加えて混合し、光硬化性材料を得た。該光硬化性材料を使用した以外は、実施例1と同様にして光硬化性材料の硬化を行う。石英モールドを硬化した光硬化性材料から分離しようとするが、分離できない。
(比較例2)
紫外線をカットしたクリーンルーム内にて、1.6mlのバイヤル容器にヘキサンジオールジアクリレートの0.07gおよびペンタエリスリトールトリアクリレートの0.03gを加えた。つぎに、光重合開始剤(1,1−ジメトキシ−1−フェニルアセトフェノン)の0.005gを加えて混合し、光硬化性材料を得た。該光硬化性材料をシリコンウェハ上に滴下する。実施例1と同じ石英モールドの表面を、あらかじめ、離型剤であるフッ素系シランカップリング剤にて処理し、該石英モールドをシリコンウェハ上の光硬化性材料に押しつけ、25℃で、2MPaの圧力(ゲージ圧)でプレスする。石英モールド越しに、光硬化性材料に紫外線を30秒照射した後、硬化した光硬化性材料から石英モールドをゆっくりと分離する。シリコンウェハ上には、石英モールドの溝に対応した、硬化した光硬化性材料からなる凸状パターンが形成されている。該凸状パターンの寸法(幅(nm)、高さ(nm))、モールドの離型性について評価する。評価結果を表1に示す。
(比較例3)
紫外光をカットしたクリーンルーム内にて、6mlのバイヤル容器にペルフルオロビニルエーテル[CF2=CFOCF2CF2CF2CF3](フッ素含有量71質量%)の0.95gを加えた。つぎに、光重合開始剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製、商品名「イルガキュア 907」)の0.05gを加えて混合し、光硬化性材料を得た。しかし、イルガキュアがほとんど溶けず、試験することはできない。
(比較例4)
紫外光をカットしたクリーンルーム内にて、1.6mlのバイヤル容器にメチルαトリフルオロメタクリレート(フッ素含有量37質量%)の0.95g、および1,1−ジメトキシ−1−フェニルアセトフェノンの0.005gを入れ、これらを混合、光硬化性材料を得た。該光硬化性材料を使用した以外は、実施例1と同様にして光硬化性材料の硬化を行う。石英モールドを硬化した光硬化性材料から分離しようとするが、分離できない。
Figure 0004904742
フッ素含有量が40〜70質量%のモノマーを含有する光硬化性材料を使用した実施例1〜3においては、石英モールドの溝パターンに対応した凸状パターンを精密にシリコンウェハ上に転写できる。
重合性化合物(A)を含有しない光硬化性材料を使用した比較例1においては、石英モールドに離型剤を塗布しなかったため、石英モールドを硬化した光硬化性材料から分離できない。
重合性化合物(A)を含有しない光硬化性材料を使用し、かつ石英モールドに離型剤を塗布した比較例2においては、石英モールドを硬化した光硬化性材料から分離できるが、凸状パターンを精密にシリコンウェハ上に転写できない。
本発明のパターンの形成方法は、光学素子(マイクロレンズアレイ、光導波路、光スイッチング、フレネルゾーンプレート、バイナリー光学素子、ブレーズ光学素子、フォトニクス結晶等)、ARコート部材、バイオチップ、μ−TAS用チップ、マイクロリアクターチップ、記録メディア、ディスプレイ材料、触媒の担持体、フィルター、センサー部材等の製造方法;半導体装置の製造プロセスにおける微細加工方法に利用できる。
硬化性材料を基板上に塗布した様子を示す概略断面図である。 モールドを基板上の硬化性材料に押しつけた様子を示す概略断面図である。 硬化した硬化性材料からモールドを分離した様子を示す概略断面図である。 モールドを硬化性材料に押しつけた状態で硬化性材料に光を照射する様子を示す概略断面図である。 実施例にて使用された石英モールドを示す斜視図である。
符号の説明
11 硬化性材料
12 基板
13 凹凸パターン
14 モールド
16 硬化性材料の硬化物

Claims (5)

  1. フッ素含有量が40〜70質量%の重合性化合物(A)、および光重合開始剤である重合開始剤(B)を含有する硬化性材料を基板上に塗布する工程と、表面に最小寸法が500nm以下であるパターンが形成されたモールドを、パターンが硬化性材料に接触するように、基板上の硬化性材料に押しつける工程と、モールドを硬化性材料に押しつけた状態で硬化性材料を硬化させる工程と、硬化性材料の硬化物からモールドを分離する工程とを有することを特徴とするパターンの形成方法。
  2. 基板と、表面に最小寸法が500nm以下であるパターンが形成されたモールドとを、パターンが基板側になるように接近または接触させる工程と、フッ素含有量が40〜70質量%の重合性化合物(A)、および光重合開始剤である重合開始剤(B)を含有する硬化性材料を、基板とモールドとの間に充填する工程と、基板とモールドとが接近または接触した状態で硬化性材料を硬化させる工程と、硬化性材料の硬化物からモールドを分離する工程とを有することを特徴とするパターンの形成方法。
  3. フッ素含有量が40〜70質量%の重合性化合物(A)、および光重合開始剤である重合開始剤(B)を含有する硬化性材料を、表面に最小寸法が500nm以下であるパターンが形成されたモールドのパターン上に塗布する工程と、基板をモールド上の硬化性材料に押しつける工程と、基板を硬化性材料に押しつけた状態で硬化性材料を硬化させる工程と、硬化性材料の硬化物からモールドを分離する工程とを有することを特徴とするパターンの形成方法。
  4. 前記モールドとして、離型剤が塗布されていないものを用いる請求項1ないし3のいずれか一項に記載のパターンの形成方法。
  5. 請求項1ないし4のいずれか一項に記載のパターンの形成方法によって形成されたパターンを有する物品。
JP2005236223A 2004-09-16 2005-08-17 パターンの形成方法およびパターンを有する物品 Active JP4904742B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005236223A JP4904742B2 (ja) 2004-09-16 2005-08-17 パターンの形成方法およびパターンを有する物品

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004269803 2004-09-16
JP2004269803 2004-09-16
JP2005236223A JP4904742B2 (ja) 2004-09-16 2005-08-17 パターンの形成方法およびパターンを有する物品

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006114882A JP2006114882A (ja) 2006-04-27
JP4904742B2 true JP4904742B2 (ja) 2012-03-28

Family

ID=36383101

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005236223A Active JP4904742B2 (ja) 2004-09-16 2005-08-17 パターンの形成方法およびパターンを有する物品

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4904742B2 (ja)

Families Citing this family (18)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20060062922A1 (en) * 2004-09-23 2006-03-23 Molecular Imprints, Inc. Polymerization technique to attenuate oxygen inhibition of solidification of liquids and composition therefor
JP2007329276A (ja) * 2006-06-07 2007-12-20 Tokyo Ohka Kogyo Co Ltd ナノインプリントリソグラフィによるレジストパターンの形成方法
JP2008084984A (ja) * 2006-09-26 2008-04-10 Fujifilm Corp 光ナノインプリントリソグラフィ用光硬化性組成物およびそれを用いたパターン形成方法
JP5309436B2 (ja) * 2006-10-16 2013-10-09 日立化成株式会社 樹脂製微細構造物、その製造方法及び重合性樹脂組成物
JP5268384B2 (ja) * 2008-02-12 2013-08-21 富士フイルム株式会社 ナノインプリント用硬化性組成物およびパターン形成方法
JP5326468B2 (ja) * 2008-02-15 2013-10-30 凸版印刷株式会社 インプリント法
KR101059481B1 (ko) 2008-10-23 2011-08-25 서울대학교산학협력단 자외선 몰딩 방식을 통한 생체모방형 계층 구조를 갖는 초소수성 표면 제조 방법
JP5611519B2 (ja) * 2008-10-29 2014-10-22 富士フイルム株式会社 ナノインプリント用組成物、パターンおよびその形成方法
JP5315263B2 (ja) * 2009-02-05 2013-10-16 Agcセイミケミカル株式会社 光硬化性組成物および表面に微細パターンを有する成形体の製造方法
JP5665329B2 (ja) 2009-03-09 2015-02-04 富士フイルム株式会社 インプリント用硬化性組成物、パターン形成方法およびパターン
KR101708256B1 (ko) 2009-07-29 2017-02-20 닛산 가가쿠 고교 가부시키 가이샤 나노 임프린트용 레지스트 하층막 형성 조성물
JP5564383B2 (ja) * 2009-09-30 2014-07-30 富士フイルム株式会社 インプリント用硬化性組成物、パターン形成方法およびパターン
JP5671302B2 (ja) * 2009-11-10 2015-02-18 富士フイルム株式会社 インプリント用硬化性組成物、パターン形成方法およびパターン
JP2011222732A (ja) 2010-04-09 2011-11-04 Fujifilm Corp パターン形成方法及びパターン基板製造方法
JP5647829B2 (ja) * 2010-07-30 2015-01-07 Agcセイミケミカル株式会社 光硬化性組成物および表面に微細パターンを有する成形体の製造方法
WO2012017530A1 (ja) * 2010-08-04 2012-02-09 旭硝子株式会社 光硬化性組成物および表面に微細パターンを有する成形体の製造方法
TWI645252B (zh) 2014-12-25 2018-12-21 日商富士軟片股份有限公司 壓印用光硬化性組成物、圖案形成方法及元件製造方法
CN109195999B (zh) * 2016-05-11 2021-04-16 Dic株式会社 光压印用固化性组合物及使用其的图案形成方法

Family Cites Families (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6144628A (ja) * 1984-08-09 1986-03-04 Pioneer Electronic Corp マイクロフレネルレンズの製造方法
US6873087B1 (en) * 1999-10-29 2005-03-29 Board Of Regents, The University Of Texas System High precision orientation alignment and gap control stages for imprint lithography processes
JP2002184719A (ja) * 2000-12-19 2002-06-28 Matsushita Electric Ind Co Ltd パターン形成方法
JP2002275278A (ja) * 2001-03-16 2002-09-25 Canon Inc 光学素子及びその製造方法、露光装置、デバイス製造方法、並びに、デバイス
JP4214713B2 (ja) * 2002-05-20 2009-01-28 ソニー株式会社 マイクロレンズアレイ、液晶表示素子及び投射装置
JP2004071934A (ja) * 2002-08-08 2004-03-04 Kanegafuchi Chem Ind Co Ltd 微細パターンの製造方法および転写材料
JP2004157470A (ja) * 2002-11-08 2004-06-03 Kyocera Chemical Corp 光導波路の製造方法
US7750059B2 (en) * 2002-12-04 2010-07-06 Hewlett-Packard Development Company, L.P. Polymer solution for nanoimprint lithography to reduce imprint temperature and pressure
US6943117B2 (en) * 2003-03-27 2005-09-13 Korea Institute Of Machinery & Materials UV nanoimprint lithography process using elementwise embossed stamp and selectively additive pressurization
US7157036B2 (en) * 2003-06-17 2007-01-02 Molecular Imprints, Inc Method to reduce adhesion between a conformable region and a pattern of a mold

Also Published As

Publication number Publication date
JP2006114882A (ja) 2006-04-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4904742B2 (ja) パターンの形成方法およびパターンを有する物品
KR101652680B1 (ko) 광경화성 조성물 및 표면에 미세 패턴을 갖는 성형체의 제조 방법
JP4929722B2 (ja) 光硬化型ナノプリント用レジスト材及びパターン形成法
JP4770354B2 (ja) 光硬化性樹脂組成物及びこれを用いたパターン形成方法
JP6038261B2 (ja) 樹脂モールド及びその製造方法
CN101479662B (zh) 印刷形式前体和由该前体制备压模的方法
JP5286784B2 (ja) 光硬化性組成物、微細パターン形成体およびその製造方法
US9005512B2 (en) Method for forming patterns and method for producing patterned substrates
JP5387406B2 (ja) 表面に微細パターンを有する成形体の製造方法
US8530539B2 (en) Curable resin composition for nanoimprint
JP2006110997A (ja) 転写体の製造方法、光硬化性組成物、および微細構造体の製造方法
US20110008577A1 (en) Process for production of fine structure
US20110227257A1 (en) Photocurable composition and process for producing molded product having fine pattern on its surface
JP2007001250A (ja) 微細パターン形成体の製造方法
JP2023164564A (ja) モノリシック高屈折率フォトニックデバイス
JP2006137021A (ja) 転写体の製造方法
JP2006182011A (ja) 光硬化性樹脂成型用モールドおよび該モールドを用いる硬化物の製造方法
JP2010076333A (ja) 成形体、並びに成形体の製造方法、及び成形体を転写した転写体の製造方法
JP2012000842A (ja) 微細パターンを表面に有する成型体の製造方法
WO2006030625A1 (ja) 硬化性組成物、微細構造体の製造方法およびパターンの形成方法
TWI480324B (zh) A photohardenable composition, and a molded article having a fine pattern on its surface
JP7463963B2 (ja) 光学部材、その製造方法、および光学部材用硬化性組成物
JP2006104286A (ja) 含フッ素重合体の製造方法
Du UV Curing and Micromolding of Polymer Coatings
CN110462786A (zh) 压印用固化性组合物、复制模具及其制造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080415

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20080422

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100915

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100921

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20101112

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20101115

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20101112

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110531

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110721

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20110722

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20111213

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20111226

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150120

Year of fee payment: 3

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 4904742

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150120

Year of fee payment: 3

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250