JP4841389B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

この発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ、又は、それらの複合機等の電子写真方式を用いた画像形成装置に関し、特に、カラー画像が形成される中間転写体上に形成した画像パッチパターンを光学センサで測定してその測定結果に基いて作像条件や作像タイミングを調整する画像形成装置に関するものである。
従来から、カラー複写機等の画像形成装置において、色ズレがなく画質が良好なカラー画像を形成するために、作像条件の調整(プロセスコントロール)をおこなう技術が広く知られている(例えば、特許文献1参照。)。
詳しくは、画像濃度の安定化や各色トナー像の位置合わせのために、中間転写体上に、所定の条件によってベタ画像や帯状画像のようなテスト画像パッチパターンを形成する。そして、その画像パッチパターンを光学センサで読み取って、その状態を種々の方法で計測することにより、現像部へのトナー補給や、画像形成条件や、露光書き出しタイミング等を制御している。
特許文献1等には、現像部(現像ローラ)に印加される現像バイアス電圧を調整することにより、ベタ画像パッチパターンのトナー付着量を制御する技術が開示されている。
また、特許文献2等には、中間転写ベルト(中間転写体)上に帯状画像パッチパターンを形成して、トナー像の位置を測定して各色のトナー像の位置合わせをおこなう技術が開示されている。
ここで、各色トナー像の位置合わせをおこなうためにトナー像の位置を測定するには、使用する中間転写体の表面特性に応じて、光学センサや測定方法を選定する必要がある。光学センサは、大別すると、正反射光を受光する正反射型のものと、正反射光を除いた拡散反射光だけを受光する拡散反射型のものと、がある。一般的に、感光体や中間転写体の素地が高い光沢性を有する場合には正反射型の光学センサが用いられ、素地の光沢性が低い場合には拡散反射型の光学センサが用いられる。ただし、拡散反射型の光学センサは黒色のトナー像を測定できないため、1種類の光学センサで黒色を含む複数色のトナー像を測定する場合には、正反射型の光学センサが用いられる。
ところが、正反射型の光学センサは、入射角及び反射角が同じ光路を正反射光が通過するために、光学センサの測定領域を小さく設定すると、光学センサの取り付け位置がずれたとき等に正反射点が測定領域から外れてしまい、光学センサの出力電圧が急激に減少するという不具合が発生する。
これに対して、光学センサの測定領域を大きく設定すると、正反射点周辺の拡散反射成分が多く入るようになる。ここで、正反射成分のトナー像に対する出力電圧の変化に対して、拡散反射成分のトナー像に対する出力電圧の変化は増減が逆であるため、光学センサに拡散反射成分が入るほど光学センサの感度は悪化する。
一方、各色トナー像の位置合わせをおこなうための測定方法は、大別すると、帯状画像パッチパターンを読み取って直接的にトナー像位置を測定する方法と、2色の帯状画像パッチパターンを組にして双方の相対位置を少しずつずらしていき平均反射量を測定して2色間の相対位置を測定する方法とがある(例えば、特許文献2参照)。
前者の測定方法は、画像パッチパターンの数が比較的少なくても測定可能であるが、光学センサの測定領域を絞らないと測定の精度を上げることができず、ノイズに対しても弱い。後者の測定方法は、拡散反射型の光学センサを用いることができて測定領域を大きく設定できるため、ノイズや取り付け誤差に強く、素地の光沢や反射率の影響を受けにくい反面、画像パッチパターンの数を多くとる必要がある。
特開2003−5465号公報 特開2003−280317号公報
従来のカラー画像形成装置は、低廉化とプリントの高速化とを達成しつつ、ノイズの影響を受けずに高精度に各色のトナー像の位置合わせをおこなうことが難しかった。
詳しくは、カラー画像形成装置の低廉化を達成するためには、画像パッチパターンを検知する光学センサの数を1つにすることが望ましい。したがって、光学センサは、黒色のトナー像をも測定可能な正反射型のものを用いる必要がある。
また、カラー画像形成装置のプリント高速化を達成するためには、各色トナー像の位置合わせのための測定時間が短い測定方法が望ましい。したがって、帯状画像パッチパターンを読み取って直接的にトナー像位置を測定する測定方法を用いる必要がある。
ところが、正反射型の光学センサを用いて直接的にトナー像位置を測定する計測方法を用いた場合には、光学センサの出力電圧において正反射成分の他に拡散反射成分が多く入ってしまうという問題が生じてしまう。直接的にトナー像位置を測定する計測方法は、帯状画像パッチパターンを読み込んだときに、その中心位置付近で光学センサの出力電圧が最も下がる電圧(以後、適宜に「帯状画像極小値出力電圧Vmin」と呼ぶ。)が、拡散反射成分が多く入ることにより押し上げられてしまう。そのため、このようなノイズの影響を受けない適切な閾値が設定できなくなり、高精度にトナー像の位置を測定できない。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、装置の低廉化とプリント高速化とを達成しつつ、ノイズの影響を受けずに高精度にトナー像の位置測定をおこない、高精度に各色のトナー像の位置合わせをおこなうことができる、画像形成装置を提供することにある。
この発明の請求項1記載の発明にかかる画像形成装置は、トナー像を形成する複数の作像手段と、所定の搬送方向に移動するとともに、前記複数の作像手段によって形成された各色のトナー像が重ねて転写される中間転写体と、前記中間転写体上の所定の測定領域に投光して得られる正反射光を含む反射光の光量に応じた電圧を出力する光学センサと、を備え、搬送方向の幅が前記光学センサの前記測定領域よりも大きなベタ画像パッチパターンを前記作像手段によって前記中間転写体上に形成して、前記ベタ画像パッチパターンを前記光学センサによって検知して、その出力電圧のうち極大値及び極小値が検知される前記中間転写体上の搬送方向位置をそれぞれ検出して、前記極大値が検知された前記搬送方向位置と前記極小値が検知された前記搬送方向位置との距離差に対して搬送方向の幅が等しくなるような帯状画像パッチパターンを前記作像手段によって前記中間転写体上に形成して、前記帯状画像パッチパターンを前記光学センサによって検知して、その出力電圧から前記帯状画像パッチパターンの中心位置を検出して前記中間転写体に形成されるトナー像の位置を測定するものである。
また、請求項2記載の発明にかかる画像形成装置は、前記請求項1記載の発明において、前記作像手段は、トナー像を形成するときに現像部に印加される現像バイアス電圧を可変できるように構成され、前記現像バイアス電圧を可変して複数の前記ベタ画像パッチパターンを前記作像手段によって前記中間転写体上に形成して、前記複数のベタ画像パッチパターンを前記光学センサによってそれぞれ検知して、その出力電圧のうち極大値又は極小値と平均値とをそれぞれ読み出して、前記現像バイアス電圧を可変して前記帯状画像パッチパターンを前記中間転写体上に作成した場合に前記光学センサで検知される出力電圧の極小値をそれぞれ算出して、前記現像バイアス電圧ごとに算出された前記帯状画像パッチパターンの前記極小値のうち、その極小値が最小となる現像バイアス電圧を前記現像部に印加して前記帯状画像パッチパターンを前記中間転写体上に形成するものである。
また、請求項3記載の発明にかかる画像形成装置は、前記請求項2に記載の発明において、前記光学センサによって検知される前記中間転写体の地肌部の出力電圧をVSgとして、前記光学センサによって検知される前記ベタ画像パッチパターンの出力電圧の極大値をVSmaxとして極小値をVSminとして平均値をVSaveとしたときに、前記現像バイアス電圧ごとに算出される前記帯状画像パッチパターンの前記極小値Vminは、
Vmin=2×VSmin−VSave
又は、
Vmin=VSave−2×(VSmax−VSg)
なる式で算出されるものである。
また、請求項4記載の発明にかかる画像形成装置は、前記請求項1〜請求項3のいずれかに記載の発明において、前記帯状画像パッチパターンを前記光学センサによって検知して、その出力電圧のうち出力波形の両端にあらわれる極大値をそれぞれ検出して、その値の差異に基いて前記帯状画像パッチパターンの中心位置の検出値を補正するものである。
また、請求項5記載の発明にかかる画像形成装置は、前記請求項1〜請求項4のいずれかに記載の発明において、前記光学センサが装置に装着され又は交換されたときに、前記帯状画像パッチパターンの中心位置を検出して前記中間転写体に形成されるトナー像の位置を測定するとともにその測定結果を記憶するものである。
本発明は、正反射型の光学センサによって直接的にトナー像位置を測定する計測方法を用いるとともに、光学センサ自体の特性のばらつきや光学センサの取り付け誤差を考慮して帯状画像極小値出力電圧Vminが最小になるような帯状画像パッチパターンの幅を設定する。これにより、装置の低廉化とプリントの高速化とを達成しつつ、ノイズの影響を受けずに高精度にトナー像の位置測定をおこない、高精度に各色のトナー像の位置合わせをおこなうことができる、画像形成装置を提供することができる。
以下、この発明を実施するための最良の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には同一の符号を付しており、その重複説明は適宜に簡略化ないし省略する。
実施の形態1.
図1〜図8にて、この発明の実施の形態1について詳細に説明する。
まず、図1にて、画像形成装置全体の構成・動作について説明する。
図1において、1は画像形成装置としてのカラー複写機の装置本体、2は画像情報に基づいたレーザ光を発する露光部(書込み部)、20Y、20M、20C、20BKは各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)に対応したプロセスカートリッジ、21は各プロセスカートリッジ20Y、20M、20C、20BKにそれぞれ収納された感光体ドラム(像担持体)、22は感光体ドラム21上を帯電する帯電部、23Y、23M、23C、23BKは感光体ドラム21上に形成される静電潜像を現像する現像部、24は感光体ドラム21上に形成されたトナー像を中間転写ベルト27に転写する転写バイアスローラ、25は感光体ドラム21上の未転写トナーを回収するクリーニング部、を示す。
また、27は各色のトナー像が重ねて転写される中間転写体としての中間転写ベルト、28は中間転写ベルト27上に形成されたトナー像を記録媒体Pに転写する第2転写バイアスローラ、29は中間転写ベルト27上の未転写トナーを回収する中間転写ベルトクリーニング部、30は4色のトナー像が重ねて転写された記録媒体Pを搬送する転写ベルト、32Y、32M、32C、32BKは各現像部23Y、23M、23C、23BKに各色のトナーを補給するトナー補給部、51は原稿Dを原稿読込部55に搬送する原稿搬送部、55は原稿Dの画像情報を読み込む読み込み手段としての原稿読込部(スキャナ)、61は転写紙等の記録媒体Pが収納される給紙部、66は記録媒体P上の未定着画像を定着する定着部、を示す。
ここで、プロセスカートリッジ20Y、20M、20C、20BKと、現像部23Y、23M、23C、23BKと、はトナー像を形成する作像手段として機能する。すなわち、各プロセスカートリッジ20Y、20M、20C、20BKにおける感光体ドラム21上では、それぞれ、各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)の画像形成がおこなわれる。なお、各プロセスカートリッジ20Y、20M、20C、20BKは、それぞれ、感光体ドラム21、帯電部22、クリーニング部25が、一体化されたものである。
以下、画像形成装置における、通常のカラー画像形成時の動作について説明する。
まず、原稿Dは、原稿搬送部51の搬送ローラによって、原稿台から図中の矢印方向に搬送されて、原稿読込部55のコンタクトガラス53上に載置される。そして、原稿読込部55で、コンタクトガラス53上に載置された原稿Dの画像情報が光学的に読み取られる。
詳しくは、原稿読込部55は、コンタクトガラス53上の原稿Dの画像に対して、照明ランプから発した光を照射しながら走査させる。そして、原稿Dにて反射した光を、ミラー群及びレンズを介して、カラーセンサに結像する。原稿Dのカラー画像情報は、カラーセンサにてRGB(レッド、グリーン、ブルー)の色分解光ごとに読み取られた後に、電気的な画像信号に変換される。さらに、RGBの色分解画像信号の強度レベルをもとにして画像処理部で色変換処理をおこない、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのカラー画像情報を得る。
そして、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのカラー画像情報は、露光部2(書込部)に送信される。そして、露光部2からは、各色の画像情報に基づいたレーザ光(露光光)が、それぞれ、対応するプロセスカートリッジ20Y、20M、20C、20BKの感光体ドラム21上に向けて発せられる。
一方、4つの感光体ドラム21は、それぞれ、図1の時計方向に回転している。そして、まず、感光体ドラム21の表面は、帯電部22との対向位置で、一様に帯電される(帯電工程である。)。こうして、感光体ドラム21上には、帯電電位が形成される。その後、帯電された感光体ドラム21表面は、それぞれのレーザ光の照射位置に達する。
露光部2において、光源から画像信号に対応したレーザ光が各色に対応して射出される。レーザ光は、ポリゴンミラー3に入射して反射した後に、レンズ4、5を透過する。レンズ4、5を透過した後のレーザ光は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの色成分ごとに別の光路を通過することになる(露光工程である。)。
イエロー成分に対応したレーザ光は、ミラー6〜8で反射された後に、紙面左側から1番目のプロセスカートリッジ20Yの感光体ドラム21表面に照射される。このとき、イエロー成分のレーザ光は、高速回転するポリゴンミラー3により、感光体ドラム21の回転軸方向(主走査方向)に走査される。こうして、帯電部22にて帯電された後の感光体ドラム21上には、イエロー成分に対応した静電潜像が形成される。
同様に、マゼンタ成分に対応したレーザ光は、ミラー9〜11で反射された後に、紙面左から2番目のプロセスカートリッジ20Mの感光体ドラム21表面に照射されて、マゼンタ成分に対応した静電潜像が形成される。シアン成分のレーザ光は、ミラー12〜14で反射された後に、紙面左から3番目のプロセスカートリッジ20Cの感光体ドラム21表面に照射されて、シアン成分の静電潜像が形成される。ブラック成分のレーザ光は、ミラー15で反射された後に、紙面左から4番目のプロセスカートリッジ20BKの感光体ドラム21表面に照射されて、ブラック成分の静電潜像が形成される。
その後、各色の静電潜像が形成された感光体ドラム21表面は、それぞれ、現像部23Y、23M、23C、23BKとの対向位置に達する。そして、各現像部23Y、23M、23C、23BKから感光体ドラム21上に各色のトナーが供給されて、感光体ドラム21上の潜像が現像される(現像工程である。)。
その後、現像工程後の感光体ドラム21表面は、それぞれ、中間転写ベルト27(中間転写体)との対向位置に達する。ここで、それぞれの対向位置には、中間転写ベルト27の内周面に当接するように転写バイアスローラ24が設置されている。そして、転写バイアスローラ24の位置で、中間転写ベルト27上に、感光体ドラム21上に形成された各色の画像が、順次転写される(第1転写工程である。)。
そして、第1転写工程後の感光体ドラム21表面は、それぞれ、クリーニング部25との対向位置に達する。そして、クリーニング部25で、感光体ドラム21上に残存する未転写トナーが回収される(クリーニング工程である。)。
その後、感光体ドラム21表面は、不図示の除電部を通過して、感光体ドラム21における一連の作像プロセスが終了する。
他方、感光体ドラム21上の各色の画像が重ねて転写された中間転写ベルト27表面は、所定の搬送方向(図中の矢印方向である。)に移動して、第2転写バイアスローラ28の位置に達する。そして、第2転写バイアスローラ28の位置で、記録媒体P上に中間転写ベルト27上のフルカラーの画像が2次転写される(第2転写工程である。)。なお、後述する画像パッチパターン(作像タイミングや作像条件を調整するためのベタ画像パッチパターンや帯状画像パッチパターンである。)も、上述した作像プロセスを経て中間転写ベルト27上に形成される。
その後、中間転写ベルト27表面は、中間転写ベルトクリーニング部29の位置に達する。そして、中間転写ベルト27上の未転写トナーが中間転写ベルトクリーニング部29に回収されて、中間転写ベルト27上の一連の転写プロセスが完了する。
ここで、第2転写バイアスローラ28位置の記録媒体Pは、給紙部61から搬送ガイド63、レジストローラ64等を経由して搬送されたものである。
詳しくは、記録媒体Pを収納する給紙部61から、給紙ローラ62により給送された記録媒体Pが、搬送ガイド63を通過した後に、レジストローラ64に導かれる。レジストローラ64に達した記録媒体Pは、中間転写ベルト27上のトナー像とタイミングを合わせて、第2転写バイアスローラ28の位置に向けて搬送される。
その後、フルカラー画像が転写された記録媒体Pは、転写ベルト30により、定着部66に導かれる。定着部66では、加熱ローラ67と加圧ローラ68とのニップにて、カラー画像が記録媒体P上に定着される。
そして、定着工程後の記録媒体Pは、排紙ローラ69によって、装置本体1外に出力画像として排出されて、一連の画像形成プロセスが完了する。
なお、本実施の形態1における画像形成装置では、ブラック用のプロセスカートリッジ20BKの感光体ドラム21のみにトナー像を形成して白黒の出力画像を形成することもできるし、イエロー、マゼンタ、シアンのいずれか1色のみのトナー像を形成して単色の出力画像を形成することもできるし、イエロー、マゼンタ、シアンのトナー像をそれぞれ形成して3色カラーの出力画像を形成することもできる。
次に、図2にて、画像形成装置の作像部について詳述する。図2は作像手段を示す断面図である。
なお、装置本体1に設置される4つの作像部は、作像プロセスに用いられるトナーTの色が異なる以外はほぼ同一構造であるので、プロセスカートリッジ及び現像部及びトナー補給部における符号のアルファベット(Y、M、C、BK)を省略して図示する。
図2に示すように、プロセスカートリッジ20には、主として、感光体ドラム21と、帯電部22と、クリーニング部25とが、ケース26に一体的に収納されている。クリーニング部25には、感光体ドラム21に当接するクリーニングブレード25a及びクリーニングローラ25bが設置されている。
現像部23は、主として、感光体ドラム21に対向する現像ローラ23aと、現像ローラ23aに対向する第1搬送スクリュ23bと、仕切部材23eを介して第1搬送スクリュ23bに対向する第2搬送スクリュ23cと、現像ローラ23aに対向するドクターブレード23dと、現像部23内に収容された現像剤Gのトナー濃度を磁気的に検知する透磁率センサ40と、で構成される。現像部23内には、キャリアCとトナーTとからなる2成分現像剤Gが収容されている。現像ローラ23aは、内部に固設されてローラ周面に磁極を形成するマグネットと、マグネットの周囲を回転するスリーブと、で構成される。
先に述べた作像プロセスを、さらに詳しく説明する。
現像ローラ23aは、図2中の矢印方向に回転している。現像部23内の現像剤Gは、間に仕切部材23eを介在するように配設された第1搬送スクリュ23b及び第2搬送スクリュ23cの矢印方向の回転によって、トナー補給部32から補給口23fを介して補給されたトナーTとともに撹拌混合されながら長手方向に循環する(図2の紙面垂直方向である。)。そして、摩擦帯電してキャリアCに吸着したトナーTは、キャリアCとともに現像ローラ23a上に担持される。
現像ローラ23a上に担持された現像剤Gは、その後にドクターブレード23dの位置に達する。そして、現像ローラ23a上の現像剤Gは、ドクターブレード23dの位置で適量に調整された後に、感光体ドラム21との対向位置(現像領域である。)に達する。
その後、現像領域において、現像剤G中のトナーTが、感光体ドラム21表面に形成された静電潜像に付着する。詳しくは、レーザ光Lが照射された画像部の潜像電位(露光電位)と、現像ローラ23a(現像部)に印加された現像バイアス電圧と、の電位差(現像ポテンシャル)によって形成される電界(現像電界)によって、トナーTが潜像に付着する。
その後、感光体ドラム21に付着したトナーTは、そのほとんどが中間転写ベルト27上に転写される。そして、感光体ドラム21上に残存した未転写のトナーTが、クリーニングブレード25a及びクリーニングローラ25bによってクリーニング部25内に回収される。
ここで、装置本体1に設けられたトナー補給部32は、交換自在に構成されたトナーボトル33と、トナーボトル33を保持・回転駆動するとともに現像部23にフレッシュトナーTを補給するトナーホッパ部34と、で構成されている。また、トナーボトル33内には、トナーT(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのいずれかである。)が収容されている。また、トナーボトル33の内周面には、螺旋状の突起が形成されている。
なお、トナーボトル33内のトナーTは、現像部23内のトナーTの消費にともない、補給口23fから現像部23内に適宜に補給されるものである。現像部23内のトナーTの消費は、現像部23内に設置された透磁率センサ40(Tセンサ)によって検知される。すなわち、透磁率センサ40の検知結果に基いて、トナー補給部32から現像部23内にトナーが適宜補給される。
また、図2を参照して、光学センサ41は、中間転写ベルト27(中間転写体)に対向する位置に配設されている。光学センサ41は、正反射型の光学センサであって、赤外光源LED等の発光素子41aと、フォトダイオード等の受光素子41bと、からなる(図3をも参照できる。)。そして、光学センサ41によって、所定のタイミングで、中間転写ベルト27上に形成される画像パッチパターン(トナー像)におけるトナー付着量や、中間転写ベルト27上の地肌部におけるトナー付着量等が検知される。
そして、光学センサ41の検知結果(受光量に応じた電圧出力である。)は制御部70で信号処理されて、その結果に基いて各色トナー像の位置合わせや感光体ドラム21上における作像条件、すなわち、作像タイミング、現像バイアス電圧、帯電電位、露光電位(露光量)、等が最適に調整制御される(プロセスコントロールされる。)。なお、プロセスコントロールは、プリント枚数が所定枚数に達するごとにおこなうことができる。
電源部82は、現像部23の現像ローラ23aに現像バイアス電圧(Vb)を供給する。現像バイアス電圧(Vb)の大きさは、制御部70によって可変できるようになっている。
電源部81は、帯電部22に帯電電圧を供給する。帯電電圧の大きさは、制御部70によって可変できるようになっている。これにより、感光体ドラム21上の帯電電位も可変される。
露光部2から発せられるレーザ光の出力(レーザーパワー)は、制御部70によって可変(変調)できるようになっている。これにより、感光体ドラム21上の露光電位も可変される。
次に、図3及び図4にて、光学センサ41についてさらに詳しく説明する。
図3は、光学センサ41を示す構成図であって、光学センサ41を幅方向(中間転写ベルト27の搬送方向に直交する方向である。)にみた図である。図4は、図3の光学センサ41を搬送方向(中間転写ベルト27の搬送方向である。)にみた図である。
図3を参照して、正反射型の光学センサ41の発光素子41aから発光された光は、不図示のスリットやレンズを透過した後に、中間転写ベルト27上の画像パッチパターンTP(又は、地肌部)の測定領域Nに集光(投光)される。この光は赤外光なので、カラートナー像であれば、どの色でも同じように反射する。測定領域Nは、光学センサ41に対向するとともに、半径r1(1.0〜3.0mm程度である。)の円形になるように形成されている。測定領域Nの中心を通る法線は光学センサ41の中心軸Aと一致していて、発光素子41aから測定領域Nに至る光の入射角はθとなる。
光学センサ41の受光素子41bは、その向きが測定領域Nの中心に向くように、センサ中心軸A及び発光素子41aを含む面内に配設され、センサ中心軸Aとの角度がθになるように配置されている。発光素子41aから投光されて測定領域Nの中心近傍の領域Mで反射して受光素子41bに入射する光は、測定領域Nに対する法線(センサ中心軸A)に対して入射角及び反射角が等しいため、正反射光と呼ばれる。そして、その領域を正反射測定領域Mと呼ぶ。
本実施の形態1で用いられる中間転写ベルト27は高い光沢性を有するために、測定領域Nが中間転写体ベルト27の地肌部である場合、正反射光がきわめて強くなり、それ以外の反射光(拡散反射光である。)はほとんど発生しない。したがって、受光素子41bの出力電圧は正反射光の成分のみによるものになる。なお、正反射測定領域Mの半径r2は、0.3〜1.0mm程度である。
一方、測定領域Nが中間転写ベルト27上に充分に現像された黒色のベタ画像のトナー像TPである場合、発光素子41aから放射された光はほとんどトナー像TPに吸収されてしまい、受光素子41bに入射する光はほとんど生じない。
また、測定領域Nが中間転写ベルト27上に充分に現像されたカラーのベタ画像のトナー像TPである場合、発光素子41aから放射された光はほとんどトナー層にて完全に拡散されてから反射される。したがって、受光素子41bの出力電圧VSは、測定領域N全体から均等に反射する光が受光素子41bに入射したものの合計になる。
図5は、中間転写ベルト27上のトナー像のトナー付着量と、光学センサ41の出力電圧と、の関係を示すグラフである。
詳しくは、測定領域Nにおいて中間転写ベルト27上に黒色トナー(又はカラートナー)を徐々に付着させたときの、受光素子41bの出力電圧VSを示している。なお、この実験結果は、クベルカ・ムンクの理論等によっても近似的に説明することができるものである。
図5において、横軸は中間転写ベルト27上に均一に現像されたトナーの付着量を示し、縦軸は光学センサ41(受光素子41b)の出力電圧VS(V)を示す。また、図5において、破線Q1は正反射成分の反射光による光学センサ41(受光素子41b)の出力電圧の変動を示し、一点鎖線Q2は拡散反射成分の反射光による光学センサ41(受光素子41b)の出力電圧の変動を示し、実線Sは正反射成分と拡散反射成分とを合計した光学センサ41(受光素子41b)の出力電圧VS(最終的な出力である。)を示す。
なお、測定領域Nが中間転写ベルト27の地肌部である場合には出力電圧VSが4Vになるように、発光素子41aの光量が調節されている。
図5に示すように、測定領域Nにトナーが付着していないときには、上述したように正反射成分だけが出力電圧VSとなっている。そして、測定領域Nにトナーが付着すると、トナー層内で散乱や吸収が起こるため、正反射成分は減少していく。黒色トナーの場合にはトナー層内で吸収だけしか生じないので、この正反射成分がそのまま出力電圧VSになる。カラートナーの場合にはトナー層内で散乱が起こり反射するため、トナー付着量が増加するほど反射量が増加する。また上述したように、この散乱による反射光は完全な拡散反射成分となるため、測定領域Nの大きさ(半径r1)に応じても増減する。カラートナーの場合の出力電圧VSは、図5に示すように正反射成分と拡散反射成分とが合計されたものになる。
図6は、中間転写ベルト27上に形成される帯状画像パッチパターンTBの一例を示す。帯状画像パッチパターンTBは、搬送方向(中間転写ベルト27の搬送方向であって、図6の矢印方向である。)の幅がWであって、搬送方向に垂直な方向が長手方向になるように形成される。搬送方向に隣接する帯状画像パッチパターンTBの間隔は、お互いに干渉しないように、測定領域Nの大きさ以上に離れている。この帯状画像パッチパターンTBは、光学センサ41によってその位置を検知して各色のトナー像の位置合わせをおこなうためのテスト用の画像パッチパターンである。
なお、本実施の形態1では、帯状画像パッチパターンTBの長手方向が搬送方向に垂直になるように形成したが、帯状画像パッチパターンTBの長手方向が搬送方向に対して傾斜するように形成することもできる。
図7は、帯状画像パッチパターンTBを検知した光学センサ41の出力電圧VSの出力波形を示す図である。
図7において、横軸は中間転写ベルト27上の搬送方向位置(mm)を示し、縦軸は光学センサ41(受光素子41b)の出力電圧VSを示す。また、図7において、破線Q1は正反射成分による出力電圧VSの変動を示し、一点鎖線Q2は拡散反射成分による出力電圧VSの変動を示し、実線Sは正反射成分と拡散反射成分とを合計した出力電圧VS(最終的な出力である。)を示す。
図7では、帯状画像パッチパターンTBの幅Wが0.8mm(図中の−0.4〜0.4mmの位置である。)に設定されている。測定領域Nは半径r1が3mmであって、正反射測定領域Mは半径r2が0.5mmであって、双方の領域M、Nの中心は一致している。
このように形成された帯状画像パッチパターンTBが光学センサ41の測定領域Nに入ると、拡散反射成分が加算されて合計の出力電圧VSが上昇する。そして、帯状画像パッチパターンTB全体が測定領域Nに入ると、出力電圧VSの上昇は停止する。その後、帯状画像パッチパターンTBが正反射測定領域Mに入ると、正反射成分が急激に減少するため、拡散反射成分との合計の出力電圧VSは減少する。さらに、帯状画像パッチパターンTBが中心Xcを過ぎると、今度は出力電圧VSが上昇する。以後、図7に示すように、中心を通るまでの電圧波形と線対称の電圧波形となる。このときの電圧VSの極小値を、「帯状画像極小値出力電圧Vmin」と呼ぶ。
図7より明らかなように、拡散反射成分が多くなると、帯状画像極小値出力電圧Vminが上昇する。本実施の形態1では、中間転写ベルト27の地肌部における出力電圧VS(4Vに設定されている。)と、帯状画像極小値出力電圧Vminと、の間に所定の閾値電圧Vthを設定している。そして、この閾値電圧Vthを通る搬送方向位置Xth1、Xth2を検出して、それらの中心位置を帯状画像パッチパターンTBの中心位置Xcと判定している。したがって、帯状画像極小値出力電圧Vminが上昇すると、上述した閾値Vthの設定が困難になるとともに、光学センサ41がノイズ等によって誤検知するようになるため、帯状画像極小値出力電圧Vminは小さいほど都合がよいことになる。
また、帯状画像パッチパターンTBの幅Wが大きすぎると、受光素子41bに拡散反射成分が多く入ってきて、帯状画像極小値出力電圧Vminが高くなってしまう。これに対して、帯状画像パッチパターンTBの幅Wが小さすぎると、正反射成分が落ちきらなくなって、帯状画像極小値出力電圧Vminが高くなってしまう。
したがって、帯状画像極小値出力電圧Vminを最小にする帯状画像パッチパターンTBの幅Wが存在することになる。その幅Wは、原理的に正反射測定領域Mの半径r2の2倍であることが明らかになっている。すなわち、正反射測定領域Mの半径r2の2倍に相当する幅Wの帯状画像パッチパターンTBを形成すれば、帯状画像極小値出力電圧Vminを最小にできる。
ところが、正反射測定領域Mの半径r2は、発光素子41aの光学特性や光学センサ本体への取り付け方によって変動してしまうために、帯状画像極小値出力電圧Vminも変動してしまう。このような問題を解消するために、装置に設置された光学センサ41を1つ1つ事前検査する方策も考えられるが、その場合には装置の生産性が著しく低下してしまうことになる。
本実施の形態1では、このような問題を解消するために、帯状画像極小値出力電圧Vminが最小になるような帯状画像パッチパターンTBの幅Wを自動測定により設定する。
本実施の形態1における画像形成装置では、帯状画像パッチパターンTBを形成して各色トナー像の位置測定をする前に、トナー付着量の測定をおこなう。具体的には、中間転写ベルト27上にトナー付着量が一様なベタ画像パッチパターンを形成して、その付着量を光学センサ41で検知する。
図8は、搬送方向の幅が10mm(搬送方向位置0〜10mmである。)のベタ画像パッチパターンを中間転写ベルト27上に形成して、そのベタ画像パッチパターンを光学センサ41で読んだときの出力電圧VSを示す。図8中の符号で、図7中の符号と共通するものはその説明を省略する。
なお、図8では出力波形を連続的に表記しているが、実際には制御部70において数十ミクロン間隔で出力電圧VSをAD変換によりサンプリングして取り込んでいる。
図8に示すように、ベタ画像パッチパターンが測定領域Nに入る前は、出力電圧VSは地肌部平均出力電圧VSg(4V)となっている。そして、ベタ画像パッチパターンが測定領域Nに入ると、拡散反射成分が加算されて合計の出力電圧VSが上昇する。その後、ベタ画像パッチパターンが正反射測定領域Mに入ると、正反射成分が急激に減少する。このときの極大値をベタ画像極大値出力電圧VSmax1と呼び、ベタ画像極大値出力電圧VSmax1が生じる搬送方向位置を極大発生位置Mmax1と呼ぶ。
その後、ベタ画像パッチパターンが正反射測定領域M全体に入ると正反射成分は最小で一定になり、再び拡散反射成分の加算により出力電圧VSは上昇する。このときの極小値をベタ画像極小値出力電圧VSmin1と呼び、ベタ画像極小値出力電圧VSmin1が生じる搬送方向位置を極小発生位置Mmin1と呼ぶ。
その後、ベタ画像パッチパターンが測定領域N全体に入ると出力電圧VSは一定になる。このときの出力電圧をベタ画像平均出力電圧VSaveと呼ぶ。
ここで、ベタ画像パッチパターンからベタ画像平均出力電圧VSaveだけを検出する場合には、ベタ画像パッチパターンのエッジ部に現れる変化についてまったく考慮していないことになる。
本実施の形態1では、ベタ画像パッチパターンのエッジ部に現れる変化を考慮して、極大発生位置Mmax1及び極小発生位置Mmin1を検出する。そして、それらの距離差(間隔)が正反射測定領域Mの半径r2の2倍であるとする。すなわち、その後に中間転写ベルト27上に形成する帯状画像パッチパターンTBの搬送方向の幅Wが、
W=2×r2=Mmax1−Mmin1 …(式1)
なる関係を満足するように帯状画像パッチパターンTBを形成する。このように幅Wが最適化された帯状画像パッチパターンTBを光学センサ41で検知することで、帯状画像極小値出力電圧Vminが最小化される。
そして、幅Wが最適化された帯状画像パッチパターンTBを光学センサ41で検知して、その出力電圧から帯状画像パッチパターンTBの中心位置を検出して中間転写ベルト27上に形成されるトナー像の位置を測定(検出)する。
以上説明したように、本実施の形態1では、出力電圧VSの極大値(画像極大値出力電圧Vsmax)や極小値(画像極小値出力電圧VSmin)を使わずに、それらの搬送方向位置である極大発生位置Mmax及び極小発生位置Mminを使って帯状画像パッチパターンTBの搬送方向の幅Wを定めているために、ノイズに強いトナー像位置測定が可能になる。
なお、本実施の形態1で述べた帯状画像パッチパターンTBの幅Wの算出方法は一例であって、測定した極大発生位置Mmax1及び極小発生位置Mmin1に基いて制御テーブルを用いて幅Wを求める方法を用いてもよい。
また、光学センサ41が装置本体1に装着されたり交換されたりしたときには、少なくとも1回は上述のトナー像位置測定をおこない、その測定結果を(帯状画像パッチパターンの搬送方向幅Wでもよい。)を記憶するように制御することが好ましい。これにより、光学センサ41の取り付け誤差が生じても、帯状画像極小値出力電圧Vminが最小になるような帯状画像パッチパターンTBの幅Wが確実に設定されることになる。
また、本実施の形態1では、ベタ画像パッチパターンの一方のエッジ部の極大発生位置Mmax1及び極小発生位置Mmin1を計測したが、ベタ画像パッチパターンの他方のエッジ部(終端部)の極大発生位置Mmax2及び極小発生位置Mmin2を計測することもできる。その場合も、式1を用いることで最適な帯状画像パッチパターンTBの幅Wを求めることができる。
さらに、双方の極大発生位置Mmax1、Mmax2及び極小発生位置Mmin1、Mmin2を計測してそれぞれで求めた幅Wを平均化することにより、さらに精度のよい幅Wを求めることができる。
また、複数のベタ画像パッチパターンを計測する場合にそれぞれで求めた幅Wを平均化したり、ベタ画像パッチパターンを計測するたびにそれぞれで求めた幅Wを平均化することにより、さらに精度のよい幅Wを求めることができる。
以上説明したように、本実施の形態1によれば、正反射型の光学センサ41によって直接的にトナー像位置を測定する計測方法を用いるとともに、光学センサ41自体の特性のばらつきや光学センサ41の取り付け誤差を考慮して帯状画像極小値出力電圧Vminが最小になるような帯状画像パッチパターンTBの幅Wを設定する。これにより、画像形成装置1の低廉化とプリント高速化とを達成しつつ、ノイズの影響を受けずに高精度にトナー像の位置測定をおこない、高精度に各色のトナー像の位置合わせをおこなうことができる。
なお、本実施の形態1では、複数の感光体ドラム21にそれぞれ各色のトナー像を形成する、タンデム方式のカラー画像形成装置に対して、本発明を適用した。しかし、本発明の適用はこれに限定されることはない。例えば、1つの感光体ドラムに対して各色のトナー像を順次形成して、感光体ドラムに対向する中間転写ベルト上に各色のトナー像を重ねた後に記録媒体上に転写する、リボルバ方式(1ドラム方式)のカラー画像形成装置であっても、当然に本発明を適用することができる。その場合にも、本実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
実施の形態2.
この発明の実施の形態2について詳細に説明する。
本実施の形態2では、前記実施の形態1でおこなった帯状画像パッチパターンTBの幅Wの最適化に加えて、帯状画像パッチパターンTBのトナー付着量を測定により最適化している。
ここで、各色トナー像の位置測定をする前に、トナー付着量の測定をおこなう場合について考える。この際、現像バイアス電圧Vbを可変しながらベタ画像パッチパターンを順次形成する。そして、それらのベタ画像パッチパターンは、光学センサによって読まれて、その出力電圧が制御部によって信号処理され、それぞれのトナー付着量が計測される。そして、その結果に基いて、規定値のトナー付着量が得られる現像バイアス電圧Vbが決定・設定される。このような場合には、ベタ画像パッチパターンからベタ画像平均出力電圧VSaveだけを検出していることになり、ベタ画像パッチパターンのエッジ部に現れる電圧波形の変化については考慮していないことになる。
これに対して、本実施の形態2では、ベタ画像平均出力電圧VSave以外に、地肌部平均出力電圧VSg、ベタ画像極大値出力電圧VSmax1(又は、ベタ画像極小値出力電圧VSmin1)を検出する。このとき、制御部70ではセンサ出力電圧VSを数十ミクロン間隔でサンプリングしているので精度は充分であるが、さらに極値を正確に測るためにコンデンサからなる公知のピーク電圧ホールド回路を用いてもよい。
表1は、現像バイアス電圧Vbを振りながらベタ画像パッチパターンをn個形成した場合の、ベタ画像極大値出力電圧VSmax1、ベタ画像極小値出力電圧VSmin1、ベタ画像平均出力電圧VSaveを示す。
Figure 0004841389
次に、複数のベタ画像パッチパターンから読み取った、地肌部平均出力電圧VSg、ベタ画像極大値出力電圧VSmax1n(又は、ベタ画像極小値出力電圧VSmin1n)、ベタ画像平均出力電圧VSavenから、帯状画像パッチパターンTBを読み取った光学センサ41の出力電圧の極小値出力電圧Vminを計算により算出する。具体的に、帯状画像極小値出力電圧Vminは、
Vmin=2×VSmin−VSave …(式2)
又は、
Vmin=VSave−2×(VSmax−VSg) …(式3)
で求めることができる。
式2と式3とからはほぼ同じ値が得られるので、VSmin及びVSmaxのどちらか一方の値が得られればVminが算出できることになる。しかし、VSmin及びVSmaxの双方を検出できる場合は、おのおのから得られたVminを平均化することで、さらにノイズに強い正確な値Vminが得られることになる。
また、これらの検出はベタ画像パッチパターンの終端部においても同様におこなうことができる。すなわち、ベタ画像平均出力電圧VSavenから一度ベタ画像極小値出力電圧VSmin2nに落ちて、ベタ画像極大値出力電圧VSmax2nまで上昇し、その後に地肌部平均出力電圧VSgまで下降する。そして、ベタ画像パッチパターンの終端部で得られたこれらの情報を用いて、帯状画像極小値出力電圧Vminを算出することもできる。電圧波形の双方のエッジ部での検出ができる場合には、それぞれ得られたVminを平均化することで、さらにノイズに強い正確な値Vminが得られることになる。
表2は、現像バイアス電圧Vbを可変して、上述した式2又は式3から得られたパッチパターンごとのVminnを示す。
Figure 0004841389
複数のVminnのうち最小のVminnは、測定領域Nが大きく設定された光学センサ41を用いる場合、カラートナー像からの拡散反射成分が多いため、トナー付着量が少ない現像バイアス電圧Vbに設定されたときのものになる。黒色トナー像に関しては拡散反射成分がないので、トナー付着量は多いほどよいが、正反射成分は5g/m2程度で飽和してそのときの成分量より下がらなくなるので、例えば、トナー付着量を6g/m2程度に固定することもできる。
本実施の形態2では、帯状画像極小値出力電圧Vminを最小にする現像バイアス電圧Vbminを表2より求めて、この現像バイアス電圧Vbminを現像部(現像ローラ)に印加して帯状画像パッチパターンTBを形成することにより、帯状画像極小値出力電圧Vminを最小にすることができる。
本実施の形態2では、光学センサ41の光学特性だけではなく、カラートナー反射率に適したトナー付着量で帯状画像パッチパターンTBを形成するため、帯状画像極小値出力電圧Vminをさらに下げることができる。したがって、ノイズに強い、正確なトナー像位置測定が可能になる。
以上説明したように、本実施の形態2によれば、正反射型の光学センサ41によって直接的にトナー像位置を測定する計測方法を用いるとともに、光学センサ41自体の特性のばらつきや光学センサ41の取り付け誤差を考慮して帯状画像極小値出力電圧Vminが最小になるような帯状画像パッチパターンTBの幅Wを設定する。これにより、画像形成装置1の低廉化とプリント高速化とを達成しつつ、ノイズの影響を受けずに高精度にトナー像の位置測定をおこない、高精度に各色のトナー像の位置合わせをおこなうことができる。
さらに、帯状画像極小値出力電圧Vminが最小になるような、現像バイアス電圧Vbも設定されるため、拡散成分が多く入るような場合でも、帯状画像極小値出力電圧Vminの上昇を防ぎ、高精度で安定したトナー像位置測定が可能となる。
実施の形態3.
図9及び図10を用いて、この発明の実施の形態3について詳細に説明する。
本実施の形態3におけるトナー像位置測定方法は、光学センサ41の取り付け不良等で発生するトナー像位置測定の誤差量を検出して、より正確な測定を可能とするものである。
図9は、光学センサ41の取り付け不良が生じて、測定領域Nが中間転写ベルト搬送方向上流側にずれたときの状態を示した図である。
図9に示すように、光学センサ41が時計方向に若干回転して取り付けられると、光学センサ41の中心軸Aがセンサを中心に時計方向に回転する。そして、測定領域Nは、中間転写ベルト搬送方向の上流側(図中左側である。)に移動する。しかし、正反射条件を満たす正反射測定領域Mは、ずれない。したがって、正反射測定領域Mの位置は、測定領域Nの中心より下流側(図中右側である。)にずれる。
図10は、図9のように光学センサ41の取り付け不良が生じたときの、帯状画像パッチパターンTBを検知した光学センサ41の出力電圧の出力波形を示す図であって、前記実施の形態1における図7に対応する図である。
帯状画像パッチパターンTB(幅Wが0.8mmに設定されている。)の位置は、下流側に0.4mmずれている(図10中0.0〜0.8mmの位置である。)。出力電圧波形の変化は、基本的には図7と同様であるが、正反射測定領域Mが測定領域Nの中心より下流側にずれているため、始めの極大値VSmax1が後の極大値Vmax2よりも大きくなっている。また、同じ理由で、閾値電圧Vthに対応する搬送方向位置Xth1、Xth2が、図7における搬送方向位置Xth1、Xth2よりも下流側によってしまい、検出される帯状画像パッチパターンTBの中心位置Xcも下流側によってしまい、これが測定誤差の原因となる。
本実施の形態3では、コンデンサからなる公知のピーク電圧ホールド回路により、極大値電圧Vmax1、VSmax2を測定して、その値の差異に基いて帯状画像パッチパターンTBの中心位置Xcの検出値を補正している。
このときの補正算出方法の一例を以下に示す。
測定された帯状画像パッチパターンTBの中心位置をXcとすると、補正された帯状画像パッチパターンTBの中心位置Xccは、次式のように求められる。
Xcc=Xc−k(VSmax1−VSmax2) …(式4)
ここで、上式において、kは比例定数であって、前記実施の形態1で説明した極大位置(Mmax1、VSmax1)、極小位置(Mmin1、VSmin1)を用いれば、
k=―(Mmax1−Mmin1)/(VSmax1−VSmin1)
…(式5)
にて概略求めることができる。
このように、本実施の形態3では、光学センサ41の取り付け不良等で発生するトナー像位置測定誤差量を検出して、それを補正することによって、より正確なトナー像位置測定をおこなうことができる。
以上説明したように、本実施の形態3によれば、正反射型の光学センサ41によって直接的にトナー像位置を測定する計測方法を用いるとともに、光学センサ41自体の特性のばらつきや光学センサ41の取り付け誤差を考慮して帯状画像極小値出力電圧Vminが最小になるような帯状画像パッチパターンTBの幅Wを設定する。これにより、画像形成装置1の低廉化とプリント高速化とを達成しつつ、ノイズの影響を受けずに高精度にトナー像の位置測定をおこない、高精度に各色のトナー像の位置合わせをおこなうことができる。
さらに、光学センサ41の取り付け不良によりセンサ出力電圧に誤差が生じる場合でも、その誤差に応じて出力波形の両端(双方のエッジ部)にあらわれる極大値をそれぞれ検出して、その値の差異に基いて帯状画像パッチパターンTBの中心位置Xcの検出値を補正することで、さらに高精度に各色のトナー像の位置合わせをおこなうことができる。
なお、本発明が前記各実施の形態に限定されず、本発明の技術思想の範囲内において、前記各実施の形態の中で示唆した以外にも、前記各実施の形態は適宜変更され得ることは明らかである。また、前記構成部材の数、位置、形状等は前記各実施の形態に限定されず、本発明を実施する上で好適な数、位置、形状等にすることができる。
画像形成装置を示す全体構成図である。 図1の画像形成装置における作像手段を示す概略図である。 光学センサを示す構成図である。 図3の光学センサを搬送方向にみた図である。 中間転写ベルト上のトナー像のトナー付着量と、光学センサの出力電圧と、の関係を示すグラフである。 帯状画像パッチパターンを示す概略図である。 帯状画像パッチパターンを検知した光学センサの出力電圧の出力波形を示す図である。 ベタ画像パッチパターンを検知した光学センサの出力電圧の出力波形を示す図である。 光学センサの取り付け不良が生じたときの状態を示した図である。 光学センサの取り付け不良が生じたときの、帯状画像パッチパターンを検知した光学センサの出力電圧の出力波形を示す図である。
符号の説明
1 画像形成装置本体(装置本体)、 2 露光部(書込み部)、
20、20Y、20M、20C、20BK プロセスカートリッジ、
21 感光体ドラム、 22 帯電部、
23、23Y、23M、23C、23BK 現像部、
24 転写バイアスローラ、 25 クリーニング部、
27 中間転写ベルト(中間転写体)、
41 光学センサ、
41a LED(発光素子)、 41b フォトダイオード(受光素子)、
TP 画像パッチパターン、 TB 帯状画像パッチパターン、
M 正反射測定領域、 N 測定領域。

Claims (5)

  1. トナー像を形成する複数の作像手段と、
    所定の搬送方向に移動するとともに、前記複数の作像手段によって形成された各色のトナー像が重ねて転写される中間転写体と、
    前記中間転写体上の所定の測定領域に投光して得られる正反射光を含む反射光の光量に応じた電圧を出力する光学センサと、を備え、
    搬送方向の幅が前記光学センサの前記測定領域よりも大きなベタ画像パッチパターンを前記作像手段によって前記中間転写体上に形成して、
    前記ベタ画像パッチパターンを前記光学センサによって検知して、その出力電圧のうち極大値及び極小値が検知される前記中間転写体上の搬送方向位置をそれぞれ検出して、
    前記極大値が検知された前記搬送方向位置と前記極小値が検知された前記搬送方向位置との距離差に対して搬送方向の幅が等しくなるような帯状画像パッチパターンを前記作像手段によって前記中間転写体上に形成して、
    前記帯状画像パッチパターンを前記光学センサによって検知して、その出力電圧から前記帯状画像パッチパターンの中心位置を検出して前記中間転写体に形成されるトナー像の位置を測定することを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記作像手段は、トナー像を形成するときに現像部に印加される現像バイアス電圧を可変できるように構成され、
    前記現像バイアス電圧を可変して複数の前記ベタ画像パッチパターンを前記作像手段によって前記中間転写体上に形成して、
    前記複数のベタ画像パッチパターンを前記光学センサによってそれぞれ検知して、その出力電圧のうち極大値又は極小値と平均値とをそれぞれ読み出して、
    前記現像バイアス電圧を可変して前記帯状画像パッチパターンを前記中間転写体上に作成した場合に前記光学センサで検知される出力電圧の極小値をそれぞれ算出して、
    前記現像バイアス電圧ごとに算出された前記帯状画像パッチパターンの前記極小値のうち、その極小値が最小となる現像バイアス電圧を前記現像部に印加して前記帯状画像パッチパターンを前記中間転写体上に形成することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記光学センサによって検知される前記中間転写体の地肌部の出力電圧をVSgとして、前記光学センサによって検知される前記ベタ画像パッチパターンの出力電圧の極大値をVSmaxとして極小値をVSminとして平均値をVSaveとしたときに、前記現像バイアス電圧ごとに算出される前記帯状画像パッチパターンの前記極小値Vminは、
    Vmin=2×VSmin−VSave
    又は、
    Vmin=VSave−2×(VSmax−VSg)
    なる式で算出されることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
  4. 前記帯状画像パッチパターンを前記光学センサによって検知して、その出力電圧のうち出力波形の両端にあらわれる極大値をそれぞれ検出して、その値の差異に基いて前記帯状画像パッチパターンの中心位置の検出値を補正することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の画像形成装置。
  5. 前記光学センサが装置に装着され又は交換されたときに、前記帯状画像パッチパターンの中心位置を検出して前記中間転写体に形成されるトナー像の位置を測定するとともにその測定結果を記憶することを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の画像形成装置。
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