JP4820535B2 - 新規イミダゾリウム化合物 - Google Patents

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Description

本発明は、各種電池用電解質材料、有機合成溶媒、分離抽出溶媒等に有用な新規イミダゾリウム化合物に関する。
近年、極性が高く、種々の物質の溶解能に優れ、かつ蒸発しにくい、イオン伝導性が高い、化学的に安定である等の性質を有する、常温で液体のイオン性化合物(イオン性液体)に高い関心が寄せられている。イオン性液体は、カチオン成分とアニオン成分とにより構成され、特にカチオン成分は、有機材料を中心に構成されているため、数多くのイオン性化合物を創生できる可能性があり、各種電池用電解質材料、グリーンケミストリー分野での有機合成溶媒、分離抽出溶媒、有機導電性材料等の幅広い分野でその用途開発が期待されている。
このようなイオン性化合物の一つとして、イミダゾリウム化合物が報告されている。たとえば、特許文献1には二次電池の電解液に用いる1−アリル−3−プロピルイミダゾリウムクロライドが記載され、特許文献2には湿式太陽電池の電解質に用いる1−アリル−3−プロピルイミダゾリウムヨージドが記載されている。また、非特許文献1には1−メチル−3−アリルイミダゾリウムブロミド、1,3−ジアリルイミダゾリウムブロミド等が記載されている。しかし、イミダゾリウム環の1位または3位にアリル基を有する化合物は、これらの文献に記載された化合物以外は知られていない。
イオン性のイミダゾリウム化合物には、アニオン基の種類によって常温で固体のもの、粘度が高いもの、イオン伝導度が低いもの等が存在する。これらの性質はイミダゾリウム化合物を各種電池用電解質材料、有機合成溶媒、分離抽出溶媒等に適用するうえで問題となる。例えば、常温で固体のものは、反応溶媒や抽出溶媒として用いるためにその都度他の有機溶媒に溶解する必要があり、粘度が高いものは特に電解質や反応溶媒等の分野においてその取り扱いが困難な場合があり、イオン伝導度が低いものは反応溶媒、電解質等として用いた場合、満足できる効果が得られないという問題がある。
このため、例えばリチウム二次電池用電解質または電解液としては、厳しい環境下においても使用を可能にするため、極低温(例えば−40℃)で有機溶媒並みの低粘性液体であることが強く望まれ、有機合成反応溶媒としては、取り扱い易さや自由な反応温度設定の観点から、極低温〜高温(例えば250℃)で使用可能であることが強く望まれている。
また、現在有機溶媒として用いられている化合物は、大気汚染、水質汚染、オゾン層破壊等、環境や動植物に悪影響をもたらすことが大きな問題となっている。特にハロゲン系有機溶媒による影響が深刻であるため、その使用、製造等に対する規制が強化されている。従って、これらの有機溶媒と同等以上の性能を有し、環境に影響を与えない有機溶媒が求められている。
特開平3−34270号公報 特開2002−145864号公報 「カナディアン ジャーナル オブ ケミストリー(Canadian Journal of Chemistry), 1971年, 第49巻, p.325-332
従って本発明の課題は、常温で液体であり、かつ低粘度および高イオン伝導度を有する新規なイミダゾリウム化合物、並びに煩雑な溶解操作を必要とせず、種々の物質の溶解能に優れた溶媒および取り扱いが容易で高イオン伝導度を有する電解質材料を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、イミダゾール環の1位および/または3位にアリル基を導入することにより、常温で固体のイミダゾリウム化合物が液状化し、粘度が低下するのみならずイオン伝導度が向上することを見出し、さらに、有機合成溶媒、抽出溶媒等の溶媒や電解質材料に好適なイオン性液体が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明のイミダゾリウム化合物は、下記一般式(I):
Figure 0004820535

(一般式(I)中、R、R、RおよびRは、それぞれ独立に水素原子、置換されてもよい炭素数1〜10のアルキル基、置換されてもよい炭素数3〜10のシクロアルキル基、置換されてもよい炭素数2〜10のアルケニル基または置換されてもよい炭素数6〜10のアリール基であり、XはCl、Br、I、BF 、PF 、CFSO または(CFSOである。)で表されることを特徴とする(ただし、Rが炭素数1〜3のアルキル基である場合、XはBF 、PF 、CFSO または(CFSOであり、R〜Rが水素原子あって、Rがアリル基かつXがBrである場合を除く。)。
は、炭素数4〜8のアルキル基または炭素数2〜4のアルケニル基であるのが好ましく、特にアリル基であるのが好ましい。
本発明の溶媒は、下記一般式(I):
Figure 0004820535

(一般式(I)中、R、R、RおよびRは、それぞれ独立に水素原子、置換されてもよい炭素数1〜10のアルキル基、置換されてもよい炭素数3〜10のシクロアルキル基、置換されてもよい炭素数2〜10のアルケニル基または置換されてもよい炭素数6〜10のアリール基であり、XはCl、Br、I、BF 、PF 、CFSO または(CFSOである。)で表されるイミダゾリウム化合物を含有することを特徴とする。
本発明の電解質材料は、上記一般式(I)で表されるイミダゾリウム化合物を含有する電解質材料であり、前記XがBF 、PF 、CFSO または(CFSOであることを特徴とする。
本発明のイミダゾリウム化合物は、イミダゾリウム環の1位および/または3位にアリル基を導入することにより常温で固体の化合物を液体にすることができる。そのため、有機合成反応等の溶媒として用いる場合に、イミダゾリウム化合物の溶解工程を省略できるとともに、粘度の低下により操作性が向上する。またアリル基を導入することによりイオン伝導度が向上するので、イオン性液体および各種電池等の電解質材料として優れた特性を有する。さらに、本発明のイミダゾリウム化合物はアリル基の効果により、有機導電性材料としても好適である。
本発明のイミダゾリウム化合物は、下記一般式(I)で表される。
Figure 0004820535
一般式(I)中、R、R、RおよびRで表される置換されてもよい炭素数1〜10のアルキル基は、直鎖状または分岐鎖状であってよく、具体的にはメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基等が挙げられる。イミダゾリウム化合物の取り扱い易さの観点から、Rは炭素数1〜8のアルキル基が好ましく、特にペンチル基、オクチル基等が好ましい。R〜Rはメチル基、エチル基、プロピル基等の低級アルキル基が好ましい。
〜Rで表される置換されてもよい炭素数3〜10のシクロアルキル基としては、シクロペンチル基、メチルシクロペンチル基、ジメチルシクロペンチル基、シクロへキシル基、メチルシクロヘキシル基等が挙げられる。中でもイミダゾリウム化合物の取り扱い易さの観点から、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が好ましい。
〜Rで表される置換されてもよい炭素数2〜10のアルケニル基は、直鎖状または分岐鎖状であってよく、ビニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル(アリル)基、2-ブテニル(クロチル)基、3−ブテニル基等が挙げられる。イミダゾリウム化合物の取り扱い易さやイオン伝導度の観点から、炭素数2〜4のアルケニル基が好ましく、特にアリル基が好ましい。
〜Rで表される置換されてもよい炭素数6〜10のアリール基としては、フェニル基、トルイル基、キシリル基、ナフチル基等が挙げられる。中でもイミダゾリウム化合物の取り扱い易さの観点からフェニル基等が好ましい。
上記のアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基およびアリール基に置換し得る基としては、ハロゲン(Cl, Br, I等)、水酸基、シアノ基、カルボニル基、エステル基、エーテル基、ニトロ基等が挙げられる。これらの置換基の数は特に限定されないが、通常は1〜2個である。
、R、RおよびRを組合わせたカチオン成分の好ましい例としては、1−メチル−3−アリルイミダゾリウム、1−エチル−3−アリルイミダゾリウム、1−n−プロピル−3−アリルイミダゾリウム、1−イソプロピル−3−アリルイミダゾリウム、1−n−ブチル−3−アリルイミダゾリウム、1−イソブチル−3−アリルイミダゾリウム、1−sec−ブチル−3−アリルイミダゾリウム、1−tert−ブチル−3−アリルイミダゾリウム、1−n−ペンチル−3−アリルイミダゾリウム、1−イソペンチル−3−アリルイミダゾリウム、1−n−ヘキシル−3−アリルイミダゾリウム、1−n−ヘプチル−3−アリルイミダゾリウム、1−n−オクチル−3−アリルイミダゾリウム、1,3−ジアリルイミダゾリウム、1−シクロペンチル−3−アリルイミダゾリウム、1−メチルシクロペンチル−3−アリルイミダゾリウム、1−シクロへキシル−3−アリルイミダゾリウム、1−ビニル−3−アリルイミダゾリウム、1−(1−プロペニル)−3−アリルイミダゾリウム、1−(2−ブテニル)−3−アリルイミダゾリウム、1−(3−ブテニル)−3−アリルイミダゾリウム等が挙げられる。中でも反応溶媒等の溶媒や電解質材料には、1−メチル−3−アリルイミダゾリウム、1−エチル−3−アリルイミダゾリウム、1−n−プロピル−3−アリルイミダゾリウム、1−ブチル−3−アリルイミダゾリウム、1,3−ジアリルイミダゾリウム等が好ましい。
一般式(I)中のXはCl、Br、I、BF 、PF 、CFSO または(CFSOである。ただし、本発明のイミダゾリウム化合物において、Rが炭素数1〜3のアルキル基のとき、XはBF 、PF 、CFSO または(CFSOである。一般式(I)で表されるイミダゾリウム化合物を溶媒として用いる場合、Xは上記アニオンであれば特に制限されない。また、一般式(I)で表されるイミダゾリウム化合物を電解質材料として用いる場合、Xはイオン伝導度の観点からBF 、PF 、CFSO または(CFSOが好ましい。
一般式(I)で表されるイミダゾリウム化合物は、良好なイオン伝導度を有するため、各種電池(リチウム二次電池、太陽電池、燃料電池等)等の電解質材料として好しく用いることができる。例えば、リチウム二次電池の電解質に用いる場合、上記イミダゾリウム化合物をリチウム塩とともに電解質の主要構成成分として用いることができる。リチウム塩は特に制限されず、LiBF4、LiPF6、LiClO4、LiCF3SO3、LiN(CF3SO22、LiN(C25SO22、LiN(CF3SO2)(C49SO2)、LiC(CF3SO23、LiC(C25SO23等を用いることができ、これらを単独で用いても2種以上を混合して用いてもよい。
また、リチウム二次電池の電解質はリチウム塩およびイミダゾリウム化合物の他に、高分子化合物を複合化させてもよい。高分子化合物としては、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリアクリロニトリル、ポリメタクリル酸メチル、ポリフッ化ビニリデン、アクリル系モノマー、メタクリル系モノマー、アクリルアミド系モノマー、アリル系モノマー、スチレン系モノマー等のモノマーの重合体等が挙げられる。これらは単独で用いても2種以上を混合して用いてもよい。
一般式(I)で表されるイミダゾリウム化合物は、電解コンデンサ、電気二重層コンデンサ、プロトン伝導型二次電池、エレクトロクロミック表示素子等の電解液の電解質材料としても好適である。電解液は1種または2種以上のイミダゾリウム化合物を単独で用いてもよいし、所定の有機溶媒と混合して用いてもよい。有機溶媒としては、ブチルアルコール、ジアセトンアルコール、ベンジルアルコール、アミノアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ヘキシレングリコール、フェニルグリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルプロピオンアミド、アセトニトリル、メトキシアセトニトリル、ブチロニトリル、プロピオニトリル、3−メトキシプロピオニトリル、ニトロメタン、ニトロエタン、ジメチルスルホキシド、γ−ブチロラクトン、β−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトン、スルホラン、3−メチルスルホラン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、3−メチルオキサゾリジン−2−オン、エチルカーボネート、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等が挙げられる。これらの有機溶媒は単独で用いても2種以上を混合して用いてもよい。
イミダゾール環の3位にアリル基を導入した一般式(I)で表されるイミダゾリウム化合物は、常温で液状化するため有機溶媒としても好ましく使用することができる。イミダゾール環にアリル基を導入することにより低粘度化するため、有機溶媒としての取り扱い性が向上するとともに、高イオン伝導度化するため、化合物自体の極性が向上し、有機溶媒として高い性能を有する。また、イミダゾリウム化合物は不揮発性で、熱的安定性が高いことから、該化合物を含む有機溶媒は環境に及ぼす影響が少なく、回収することにより再利用が可能である。このように、本発明の溶媒は従来の有機溶媒にない優れた効果を奏する。
一般式(I)で表されるイミダゾリウム化合物を有機合成溶媒、分離抽出溶媒等の溶媒として用いる場合、イミダゾリウム化合物は、好ましくは25℃以上、より好ましくは0℃以上、さらに好ましくは−10℃以上で液体として存在する塩である。
溶媒として一般式(I)で表される1種または2種以上のイミダゾリウム化合物を単独で用いても他の溶媒と混合して用いてもよい。他の溶媒は特に限定されず、例えばアルコール類(メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコール、ベンジルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン等)、エーテル類(ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジグライム、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル等)、アミド類(N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−エチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジメチルプロピオンアミド等)、オキサゾリジノン類(1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、3−メチルオキサゾリジン−2−オン等)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等)、ニトリル類(アセトニトリル、プロピオニトリル、アクリロニトリル等)、エステル類(酢酸エチル、リン酸トリメチル等)、スルホキシド類(ジメチルスルホキシド等)、ハロゲン化炭化水素類(メチレンクロリド等)、芳香族類(ベンセン、トルエン、キシレン等)、パラフィン類(ヘキサン、シクロヘキサン、オクタン、イソオクタン等)、ラクトン類(γ−ブチロラクトン、α−アセチル−γ−ブチロラクトン、β−ブチロラクトン等)、水系溶媒等が挙げられる。これらの溶媒を2種以上の混合物として用いてもよい。
一般式(I)で表されるイミダゾリウム化合物の製造方法は特に制限されず、公知の方法を適宜用いてよい。例えば、1−または3−置換イミダゾールに所定の置換基を有する化合物RY(Rは一般式(I)中のRと同義であり、Yはハロゲン等の脱離基を示す。)を反応させることにより、さらにAPF、A(TFSI)(AはNH 、Li等の陽イオンを表し、(TFSI)は(CFSOを表す。)等を作用させることにより得ることができる。
以下、実施例に基づいて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
実施例1
1−ブチル−3−アリルイミダゾリウムブロミドの合成
1−アリルイミダゾール (1.0 ml : 0.009 mol) を氷冷し、これにn−ブチルブロミド(2.97 ml: 0.28 mol)を滴下した。滴下後、徐々に25℃まで昇温し、引き続き24時間攪拌した。生成物は薄褐色の粘性液体であった。これをトルエン100 mlに滴下し、沈殿した粘性液体を回収・乾燥した。同様の操作をもう一度繰り返した。得られた粘性液体をアセトニトリルの溶液とし、そこに加熱真空乾燥した活性炭を加え、約24時間攪拌した。アセトニトリルを留去した後、粘性液体をジクロロメタンで回収し、溶媒を留去した。得られた1−ブチル−3−アリルイミダゾリウムブロミドは室温で液体であり、収量は1.93 g(収率;85 %)、ガラス転移温度(Tg)は-62.5 ℃、および30 ℃におけるイオン伝導度は0.533 (mS/cm)であった。結果を表1に示す。また構造確認は1H-NMR測定によって行った。結果を以下に示す。
1H-NMR (CDCl3, Me4Si) δ0.88-0.95 (3H, t, -CH2-CH3), 1.21-1.43 (2H, m, N-CH2-CH2-CH2-CH3), 1.80-2.00 (2H, m, N-CH2-CH2-CH2-CH3), 4.34-4.37 (2H, t, N-CH2-CH2-), 5.06-5.09 (2H, d, N-CH2-CH=), 5.46-5.51 (2H, m, -CH=CH2), 6.03-6.08(1H, m, N-CH2-CH=CH2), 7.43 (1H,s, =CH-N-), 7.46(1H,s, =CH-N-), 10.5 (1H, s, -N=CH-N-)
実施例2
1−ペンチル−3−アリルイミダゾリウムブロミドの合成
1−アリルイミダゾール (1.0 ml : 0.009 mol) を氷冷し、これにペンチルブロミド(3.43ml: 0.28 mol)を滴下した。滴下後、徐々に25 ℃まで昇温し、引き続き24時間攪拌した。生成物は薄褐色の粘性液体であった。これをトルエン100 mlに滴下し、沈殿した粘性液体を回収・乾燥した。同様の操作をもう一度繰り返した。得られた粘性液体をアセトニトリルの溶液とし、そこに加熱真空乾燥した活性炭を加え、約24時間攪拌した。アセトニトリルを留去した後、粘性液体をジクロロメタンで回収し、溶媒を留去した。得られた1−ペンチル−3−アリルイミダゾリウムブロミドは室温で液体であり、収量は2.16 g(収率;90 %)、ガラス転移温度(Tg)は−61.3 ℃、および30 ℃におけるイオン伝導度は0.244 (mS/cm)であった。結果を表1に示す。構造確認は1H-NMR測定によって行った。結果を以下に示す。
1H-NMR (CDCl3, Me4Si) δ0.89-0.92 (3H, t, -CH2-CH3), 1.28-1.42 (4H, m, N-CH2-CH2-CH2-CH2-CH3), 1.87-2.02 (2H, m, N-CH2-CH2-CH2-CH2-CH3), 4.34-4.37 (2H, t, N-CH2-CH2-), 5.06-5.08 (2H, d, N-CH2-CH=), 5.46-5.52 (2H, m, -CH=CH2), 6.02-6.07(1H, m, N-CH2-CH=CH2), 7.44 (1H,s, =CH-N-), 7.47(1H,s, =CH-N-), 10.6 (1H, s, -N=CH-N-)
実施例3
1−オクチル−3−アリルイミダゾリウムブロミドの合成
1−アリルイミダゾール (1.0 ml : 0.009 mol) を氷冷し、これにオクチルブロミド(4.8 ml: 0.028 mol)を滴下した。滴下後、徐々に25 ℃まで昇温し、引き続き24時間攪拌した。生成物は薄褐色の粘性液体であった。これをトルエン100 mlに滴下し、沈殿した粘性液体を回収・乾燥した。同様の操作をもう一度繰り返した。得られた粘性液体をアセトニトリルの溶液とし、そこに加熱真空乾燥した活性炭を加え、約24時間攪拌した。アセトニトリルを留去した後、粘性液体をジクロロメタンで回収し、溶媒を留去した。得られた1−オクチル−3−アリルイミダゾリウムブロミドは室温で液体であり、収量は2.47 g (収率;89 %)、ガラス転移温度(Tg)は-64.5 ℃、および30℃におけるイオン伝導度は0.0926(mS/cm)であった。結果を表1に示す。また構造確認は1H-NMR測定によって行った。結果を以下に示す。
1H-NMR (CDCl3, Me4Si) δ0.86-0.88 (3H, t, -CH2-CH3), 1.95-1.43 (10H, m, N-CH2-CH2-CH2-CH2-CH2-CH2-CH2-CH3), 1.85-2.01 (2H, m, N-CH2-CH2-CH2), 4.33-4.36 (2H, t, N-CH2-CH2-), 5.07-5.08 (2H, d, N-CH2-CH=), 5.47-5.52 (2H, m, -CH=CH2), 6.02-6.07(1H, m, N-CH2-CH=CH2), 7.42 (1H,s, =CH-N-), 7.43(1H,s, =CH-N-), 10.6 (1H, s, -N=CH-N-)
実施例4
1,3−ジアリルイミダゾリウムクロリドの合成
1−アリルイミダゾール (1.0 ml : 0.009 mol)をアセトニトリル2.0 mlの 溶液とし、これにアリルクロリド (2.25 ml: 0.028 mol)を滴下した。次いで、この溶液を70 ℃に加熱し、24時間攪拌した。アセトニトリルを留去して薄褐色の粘性液体を得た。これをトルエン150mlに滴下し、沈殿した粘性液体を回収・乾燥した。同様の操作をもう一度繰り返した。得られた粘性液体をアセトニトリルの溶液とし、そこに加熱真空乾燥した活性炭を加え、約48時間攪拌した。アセトニトリルを留去した後、粘性液体をジクロロメタンで回収し、溶媒を留去した。得られた1,3−ジアリルイミダゾリウムクロリドは室温で液体であり、収量は1.33 g(収率;78.3 %)、ガラス転移温度(Tg)は-59.9℃、および30℃におけるイオン伝導度は0.0773 mS/cmであった。結果を表1に示す。また構造確認は1H-NMR測定によって行った。結果を以下に示す。
1H-NMR (CDCl3, Me4Si) δ5.05-5.06 (4H, d, N-CH2-CH=), 5.45-5.50 (4H, m, -CH=CH2), 6.00-6.08(2H, m, N-CH2-CH=CH2), 7.56 (2H,s, =CH-N-), 10.7 (1H, s, -N=CH-N-)
実施例5
1,3−ジアリルイミダゾリウムヨージドの合成
1−アリルイミダゾール (1.0 ml : 0.009 mol)を氷冷し、これにアリルヨージド (2.51 ml: 0.028 mol)を滴下した。次いで、徐々に25 ℃まで昇温し、引き続き24時間攪拌した。生成物は薄褐色の粘性液体であった。これをトルエン200 mlに滴下し、沈殿した粘性液体を回収・乾燥した。同様の操作をもう一度繰り返した。得られた粘性液体をアセトニトリルの溶液とし、そこに加熱真空乾燥した活性炭を加え、約48時間攪拌した。アセトニトリルを留去した後、粘性液体をジクロロメタンで回収し、溶媒を留去した。得られた1,3−ジアリルイミダゾリウムヨージドは室温で液体であり、収量は1.81 g(収率;71.3 %)、ガラス転移温度(Tg)は−68.1℃、および30℃におけるイオン伝導度は1.32 mS/cmであった。結果を表1に示す。また構造確認は1H-NMR測定によって行った。結果を以下に示す。
1H-NMR (CDCl3, Me4Si) δ5.03-5.04 (4H, d, N-CH2-CH=), 5.50-5.57 (4H, m, -CH=CH2), 6.04-6.12(2H, m, N-CH2-CH=CH2), 7.47 (2H,s, =CH-N-), 10.0 (1H, s, -N=CH-N-)
実施例6
1−ブチル−3−アリルイミダゾリウムテトラフルオロボレートの合成
実施例1で得た1−ブチル−3−アリルイミダゾリウムブロミド(1.00 g;0.0041 mol)を40 mlの水溶液とした後、これにNH4BF4 (0.47 g : 0.0045 mol)を添加し、室温で数時間攪拌した。この水溶液中でアニオン交換反応により1−ブチル−3−アリルイミダゾリウムテトラフルオロボレートを生成した。反応溶液から水を留去した後、塩化メチレン200 mlを加え、不溶分をろ別した。ろ液から塩化メチレンを留去した後、得られた粘性液体に0.1 M硝酸銀水溶液を加え、不溶分をろ別した。同様の操作をさらに2回繰り返し、硝酸銀水溶液中に不溶分が生じないことを確認した。ろ液から水を留去した後、得られた粘性液体を塩化メチレン100 mlに溶解し、硫酸マグネシウムを加え数時間静置した。硫酸マグネシウムおよび硝酸銀をろ別した後、ろ液を乾燥した。塩化メチレンを留去して粘性の液体を得た。得られた1−ブチル−3−アリルイミダゾリウムテトラフルオロボレートは室温で液体であり、収量は0.73 g(収率;71%)、ガラス転移温度(Tg)は−89.0 ℃、および30℃におけるイオン伝導度は1.22 mS/cmであった。結果を表1に示す。また構造確認は1H-NMR測定によって行った。結果を以下に示す。
1H-NMR (CDCl3, Me4Si) δ0.88-0.95 (3H, t, -CH2-CH3), 1.21-1.43 (2H, m, N-CH2-CH2-CH2-CH3), 1.85-2.06 (2H, m, N-CH2-CH2-CH2-CH3), 3.99-4.05 (2H, t, N-CH2-CH2-), 4.78-4.79 (2H, d, N-CH2-CH=), 5.45-5.52 (2H, m, -CH=CH2), 5.93-6.02(1H, m, N-CH2-CH=CH2), 7.32 (1H,s, =CH-N-), 7.38 (1H,s, =CH-N-), 8.80 (1H, s, -N=CH-N-)
実施例7
1−ブチル−3−アリルイミダゾリウムヘキサフルオロホスフェートの合成
実施例1で得た1−ブチル−3−アリルイミダゾリウムブロミド(1.00g;0.0041 mol)を40 mlの水溶液とした後、これにNH4PF6 (0.73 g:0.0045 mol) を添加し、室温で数時間攪拌した。この水溶液中でアニオン交換反応により1−ブチル−3−アリルイミダゾリウムヘキサフルオロホスフェートを生成した。生成物は疎水性であるため水相から相分離した。反応溶液に塩化メチレン100 mlを加え、二相分離した。塩化メチレン相を回収し、硫酸マグネシウムを加え数時間静置した。硫酸マグネシウムをろ別した後、ろ液を乾燥した。塩化メチレンを留去して粘性の液体を得た。得られた1−ブチル−3−アリルイミダゾリウムヘキサフルオロホスフェートは室温で液体であり、収量は1.0 g(収率;77.3 %)、 ガラス転移温度(Tg)は−85.2℃、および30℃におけるイオン伝導度は1.01 mS/cmであった。結果を表1に示す。また構造確認は1H-NMR測定によって行った。結果を以下に示す。1H-NMR (CDCl3, Me4Si) δ0.88-0.95 (3H, t, -CH2-CH3), 1.21-1.43 (2H, m, N-CH2-CH2-CH2-CH3), 1.80-2.00 (2H, m, N-CH2-CH2-CH2-CH3), 4.01-4.06 (2H, t, N-CH2-CH2-), 4.78-4.79 (2H, d, N-CH2-CH=), 5.45-5.52 (2H, m, -CH=CH2), 5.93-6.02(1H, m, N-CH2-CH=CH2), 7.32 (1H,s, =CH-N-), 7.38(1H,s, =CH-N-), 8.60 (1H, s, -N=CH-N-)
実施例8
1−ブチル−3−アリルイミダゾリウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミドの合成
実施例1で得た1−ブチル−3−アリルイミダゾリウムブロミド(1.00 g; 0.0041 mol)を40 mlの水溶液とした後、これにリチウム ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド塩 (1.23 g : 0.0045 mol) を添加し、室温で数時間攪拌した。この水溶液中でアニオン交換反応により1−ブチル−3−アリルイミダゾリウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミドを生成した。生成物は疎水性であるため、水相から相分離した。反応溶液にクロロホルム80 mlを加え、二相分離した。クロロホルム相を回収し、硫酸マグネシウムを加え数時間静置した。硫酸マグネシウムをろ別した後、ろ液を乾燥した。塩化メチレンを留去して液体の生成物を得た。得られた1−ブチル−3−アリルイミダゾリウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミドは室温で液体であり、収量は1.67 g(収率;92 %)、ガラス転移温度(Tg)は−90.0 ℃、および30℃におけるイオン伝導度は1.53 mS/cmであった。結果を表1に示す。また構造確認は1H-NMR測定によって行った。結果を以下に示す。
1H-NMR (CDCl3, Me4Si) δ0.88-0.95 (3H, t, -CH2-CH3), 1.20-1.43 (2H, m, N-CH2-CH2-CH2-CH3), 1.81-2.02 (2H, m, N-CH2-CH2-CH2-CH3), 4.00-4.06 (2H, t, N-CH2-CH2-), 4.80-4.81 (2H, d, N-CH2-CH=), 5.46-5.51 (2H, m, -CH=CH2), 5.93-6.01(1H, m, N-CH2-CH=CH2), 7.31 (1H,s, =CH-N-), 7.37(1H,s, =CH-N-), 8.70 (1H, s, -N=CH-N-)
実施例9
1,3−ジアリルイミダゾリウムテトラフルオロボレートの合成
実施例5と同様の方法で得たジアリルイミダゾリウムブロミド(1.00g;0.0044 mol)を40 mlの水溶液とした後、これにNH4BF4 (0.50 g : 0.0048 mol) を添加し、室温で数時間攪拌した。この水溶液中でアニオン交換反応により1,3−ジアリルイミダゾリウムテトラフルオロボレートを生成した。反応溶液から水を留去した後、塩化メチレン200 mlを加え、不溶分をろ別した。ろ液から塩化メチレンを留去した後、得られた粘性液体に0.1 M硝酸銀水溶液を加え、不溶分をろ別した。同様の操作をさらに2回繰り返し、硝酸銀水溶液中で不溶分が生じないことを確認した。ろ液から水を留去した後、得られた粘性液体を塩化メチレン100 mlに溶解し、硫酸マグネシウムを加え数時間静置した。硫酸マグネシウム、および硝酸銀をろ別した後、ろ液を乾燥した。塩化メチレンを留去して液体の生成物を得た。得られた1,3−ジアリルイミダゾリウムテトラフルオロボレートは室温で液体であり、収量は0.75 g(収率;73 %)、ガラス転移温度(Tg)は−90.4 ℃、および30℃におけるイオン伝導度は2.44 mS/cmであった。 結果を表1に示す。また構造確認は1H-NMR測定によって行った。結果を以下に示す。
1H-NMR (CDCl3, Me4Si) δ4.77-4.78 (4H, d, N-CH2-CH=), 5.44-5.51 (4H, m, -CH=CH2), 5.98-6.04(2H, m, N-CH2-CH=CH2), 7.34 (2H,s, =CH-N-), 8.58 (1H, s, -N=CH-N-)
実施例10
1,3−ジアリルイミダゾリウムヘキサフルオロホスフェートの合成
実施例5と同様の方法で得たジアリルイミダゾリウムブロミド(1.00 g;0.0044 mol)を40 mlの水溶液とした後、これにNH4PF6 (0.78 g:0.0048 mol) を添加し、室温で数時間攪拌した。この水溶液中でアニオン交換反応により1,3−ジアリルイミダゾリウムヘキサフルオロホスフェートを生成した。生成物は疎水性であるため水相から相分離した。反応溶液に塩化メチレン100 mlを加え、二相分離した。塩化メチレン相を回収し、硫酸マグネシウムを加え数時間静置した。硫酸マグネシウムをろ別した後、ろ液を乾燥した。塩化メチレンを留去して粘性の液体を得た。このものは冷却により結晶化した。得られた1,3−ジアリルイミダゾリウムヘキサフルオロホスフェートは室温で液体であり、収量は1.0 g(収率;77.3 %)、融点は16.7 ℃、および30℃におけるイオン伝導度は1.99 mS/cmであった。 結果を表1に示す。また構造確認は1H-NMR測定によって行った。結果を以下に示す。
1H-NMR (CDCl3, Me4Si) δ4.78-4.79 (4H, d, N-CH2-CH=), 5.44-5.51 (4H, m, -CH=CH2), 5.98-6.03(2H, m, N-CH2-CH=CH2), 7.34 (2H,s, =CH-N-), 8.62 (1H, s, -N=CH-N-)
実施例11
1,3−ジアリルイミダゾリウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミドの合成
実施例5と同様の方法で得たジアリルイミダゾリウムブロミド(1.00 g;0.0044 mol)を20 mlの水溶液とした後、これにリチウム ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド塩 (1.38 g : 0.0048 mol) を添加し、室温で数時間攪拌した。この水溶液中でアニオン交換反応により1,3−ジアリルイミダゾリウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミドを生成した。生成物は疎水性であるため、水相から相分離した。反応溶液にクロロホルム80 mlを加え、二相分離した。クロロホルム相を回収し、硫酸マグネシウムを加え数時間静置した。硫酸マグネシウムをろ別した後、ろ液を乾燥した。塩化メチレンを留去して液体の生成物を得た。得られた1,3−ジアリルイミダゾリウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミドは室温で液体であり、収量は1.79 g(収率;95 %)、ガラス転移温度(Tg)は−91.6℃、および30℃におけるイオン伝導度は2.63 mS/cmであった。結果を表1に示す。また構造確認は1H-NMR測定によって行った。結果を以下に示す。
1H-NMR (CDCl3, Me4Si) δ4.80-4.81 (4H, d, N-CH2-CH=), 5.46-5.51 (4H, m, -CH=CH2), 5.95-6.03(2H, m, N-CH2-CH=CH2), 7.32 (2H,s, =CH-N-), 8.76 (1H, s, -N=CH-N-)
Figure 0004820535
表1から明らかなように、アリル基を有する本発明のイミダゾリウム化合物は、極性が高く、ガラス転移温度(Tg)が低く常温で液体であるため、有機溶媒として適していることが分かる。またイオン伝導度が高いため、電解質材料、有機導電性材料等として適していることが分かる。特に実施例1、6、7および8の比較、並びに実施例4、5、9、10および11の比較から明らかなように、アニオン(X)がBF 、PF 、(CFSO のイミダゾリウム化合物はイオン伝導度が向上するため電解質材料、有機導電性材料等に好適である。
実施例12
一般式(I)で表されるイミダゾリウム化合物10mlに対して、以下の表2に示す7種類の溶質をそれぞれ1g添加し、室温で攪拌することにより、イミダゾリウム化合物の溶媒としての性能を評価した。対照としてアルコール系溶媒(メタノール)、ハロゲン系溶媒(塩化メチレン)、およびエーテル系溶媒(ジエチルエーテル)を用いて同様に評価した。評価基準は以下の通りとした。結果を表2に示す。
評価基準:
×・・・溶解しない。
△・・・直ちに溶解しないが数時間後に溶解する。
○・・・直ちに溶解する。
Figure 0004820535
表2に示すように、アリル基を有する一般式(I)で表されるイミダゾリウム化合物は、極性が高い溶質、高分子の溶質等に対しても良好な溶解性を示した。特にジエチルエーテルや塩化メチレンと比較すると、これらの溶質に対し高い溶解性を示すことがわかる。一般式(I)で表されるイミダゾリウム化合物は上記のように多くの物質に対し高い親和性を有するため、有機溶媒として優れていることがわかる。
本発明のイミダゾリウム化合物は、イオン性液体として有機合成溶媒、分離抽出溶媒等の溶媒、各種電池用電解質材料、有機導電性材料等として用いることができる。

Claims (4)

  1. 下記一般式(I):
    Figure 0004820535
    (一般式(I)中、
    は、炭素数4〜8のアルキル基または炭素数2〜4のアルケニル基であり、、RおよびRは、それぞれ独立に水素原子、置換されてもよい炭素数1〜10のアルキル基、置換されてもよい炭素数3〜10のシクロアルキル基、置換されてもよい炭素数2〜10のアルケニル基または置換されてもよい炭素数6〜10のアリール基であり、X はB 、PF 、CFSO または(CFSOである。)で表されることを特徴とするイミダゾリウム化合物。
  2. がアリル基であることを特徴とする請求項に記載のイミダゾリウム化合物。
  3. 請求項1または2に記載のイミダゾリウム化合物を含有することを特徴とする溶媒。
  4. 請求項1または2に記載のイミダゾリウム化合物を含有する電解質材料。
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