JP4814216B2 - Barrier structure for electrophoresis and electrophoresis apparatus - Google Patents

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Description

【技術分野】
【0001】
本発明は電気泳動技術に関し、さらに詳しく述べると、電気泳動装置において電極の近傍で発生する電気分解反応の電気泳動結果に対する影響を最小にする技術に関する。本発明は、特に、電気泳動用バリアー構造体ならびに電気泳動装置に関する。本発明はまた、かかる電気泳動技術を利用して生体試料やその他の試料を分離及び分析する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電気泳動法は、例えば、生体分子(主にDNA、RNA、蛋白質等)の混合試料を分子サイズや各分子の荷電状態の違いに応じて分離する方法であり、また、この方法を実施するため、いろいろな方式を採用した電気泳動装置が市販されている。電気泳動装置は、例えば、生命科学、医学、薬学、農学、環境科学などの分野で用いられている。
ところで、電気泳動装置では、その電極において電気分解反応が起こり得る。また、電極の素材や電極が接している溶液の組成によって、電極部分や、その周辺ではさまざまな反応が起こる。さらに、最近の電気泳動装置においては、耐久性や操作性が優れていることから、白金線や白金をめっきした素材が電極の素材として用いられることが多いが、この場合、電極液として用いられている緩衝液の下では、電気分解でオキソニウムイオン、水酸化物イオンや、酸素ガス、水素ガスなどが発生する。また、用いられている溶液の種類によっては、塩素ガス、ヨウ素などが生成する。特にクロライドイオンを多く含む溶液を電気泳動に用いると、pHが3以上で、この電気分解で発生した塩素ガスの一部が、蛋白質や核酸にダメージを与える次亜塩素酸(HClO)などの強力な酸化物質にまで変換される。さらに、各種のイオン性物質が電極へ吸着され、電極周辺での電気抵抗が変化する場合もある。
【0003】
電気分解時に生成するこれらの副生成物の多くは、電気泳動の結果に悪影響を及ぼす。例えば、陽極に近い部分では、電気分解で生成したオキソニウムイオンにより溶液が酸性pHになり、陰極に近い部分では、水酸化物イオンによりアルカリ性pHになる。 ところで、電気泳動にて分離、分析されるサンプルの多くはそれらのサンプルに固有のpKa値や等電点を有するものが多いので、電気泳動中に生成する副生成物に原因して電解液のpHが予定外の変化をすると、期待される移動度をもたらさないことになる。また、伝導率(導電率)が変化すると、その部位における電位勾配が変化するので、この場合も、期待される移動度をもたらさないことになる。 さらに、電気分解にて生成される酸素ガスや水素ガスといったガス類は、電気泳動中には、緩衝液中で気泡となって緩衝液の水面に上昇し、その際、これら気泡の移動に起因する対流の発生につながる。かかる対流は、緩衝液を攪拌する作用につながるが、必ずしも均一に溶液を攪拌するとも限らないので、電気泳動が行われている各部位のpHを一定にする作用にまでは至らない。むしろ、いくつかの条件や、泳動装置によっては、各電極近傍における溶液のpHや伝導率が不均一となり、ひいては電気泳動部位のpHや伝導率も不均一となる。
【0004】
また、電気泳動に用いる緩衝液や界面活性剤、試料(サンプル)にハロゲン化物イオンを含むものを用いると、塩素ガスやヨウ素の生成も起こる。特に塩素ガスが発生すると、これのガスなどの一部は、緩衝液に溶けて、塩酸のほか、次亜塩素酸など酸化力の強い有害物質を生成する。これは、当然、電気泳動自体の不安定性につながるのみならず、分離すべき試料の劣化、変性を起こすおそれさえある。実際、HClOなどは、10ppmという低濃度でもある種の蛋白質を変性させることが知られている。 電気泳動に対する電気分解の影響を少なくする手法は、これまで数種類ほど提唱され、実用化されてきた。 最初に用いられたものは、電気分解が起こる電極部位と電気泳動部位との距離を長くする方法であり、この条件を満たす電気泳動装置の設計は比較的容易である。しかしながら、電極部位と電気泳動部位との距離が短い電気泳動装置に比べると、一定の移動度を確保するには電圧を高くする必要が生じる。その結果、ジュール熱の過剰発生、高電圧による漏電の危険の増大といった不都合が生じる。また、電気分解の副生成物の一部が、電気泳動が行われている部位に短時間のうちに到達するので、長い時間の電気泳動実験には不向きであった。
【0005】
次に、電気泳動中に電気分解で生成される酸(オキソニウムイオン)、アルカリ(水酸化物イオン)を中和するために、電極付近の電極液として大量の緩衝液を利用する方法がある。しかしながら、この方法の場合、電気分解で生成される酸素ガスや、水素ガス、塩素ガスの発生やヨウ素の生成、各種イオン性物質の電極への吸着、金属イオンの電極からの溶解などからの影響を排除することはできない。 また、電極部位と電気泳動部位との間に、イオン交換膜やイオン交換樹脂などのイオン交換体の層を形成し、これらに電気分解で発生するイオン類を結合させ、同時にこれらイオン交換体に結合させておいたイオンを電気泳動部位に供給させる方法も提唱されている。しかしながら、一部実用化されているこの方法にも欠点がある。例えば、イオン交換容量が比較的小さいこと(0.3モル/L以下が多い)、すなわち長時間の電気泳動を維持できる電解質の確保が困難なことや、実験のたびごとにこれらのイオン交換膜やイオン交換樹脂の交換あるいは再生の必要があることなどが典型的な欠点である。
【0006】
なお、以上に述べた電気泳動技術は、例えば、 米国特許第5,582,702号明細書 米国特許第5,868,974号明細書 特表平11−505325号公報 J.Am.Chem.Soc.、45巻、954頁、1923年などに記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】
米国特許第5,582,702号
【特許文献2】
特表平11−505325号公報
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】
J.Am.Chem.Soc.、45巻、954頁、1923年
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、電気泳動技術における上記した問題点を解決することを目的としたものである。 すなわち、本発明の目的は、高電圧や、大量の緩衝液、イオン交換膜やイオン交換樹脂を使用せずに、電気泳動中に起こる電気分解反応で生み出されるガスによって生じる対流を防止し、電気泳動中に生成する酸性及びアルカリ性物質を中和し、また、場合に応じて、電気分解で生じる酸化力や還元力の強い産物を除去し、更には電気泳動部位に支持電解質を安定して供給することが可能であり、構造も簡単な電気泳動装置と、かかる電気泳動装置の構成に有利に使用できる構成要素を提供することにある。 また、本発明の目的は、各種の試料を電気泳動を利用して分離及び分析する際に、電気泳動結果に悪影響を及ぼすことなく、正確にかつ簡単に実施することのできる試料分析方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者は、これらの目的を達成するために鋭意検討を行った結果、電気泳動が行われる部位(以下、「電気泳動部位」ともいう)の陰極側と陽極側に、バリアー構造を有する部位を形成し、そこに緩衝作用のある溶液ないしは電気分解産物と反応するか、これを吸収する溶液、あるいは電気泳動の支持電解質の濃縮液を安定して存在させることで、 1)電気泳動中に生成する酸性物質及びアルカリ性物質を中和し、 2)必要に応じ、電気分解産物と反応するか、又はこれを吸収し、 3)さらには電気泳動部位に支持電解質を安定して供給する仕組みを提供できることを見出し、 同時に、このバリアー構造が電気泳動槽内において安定して同一部位にとどまるように電気泳動槽の形状を工夫することで、 4)電気分解反応で生み出されるガスによって生じる対流も同時に防止できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0011】
本発明は、1つの面において、電気泳動中に電極の近傍で引き起こされる電気分解反応の影響を抑制するために用いられるバリアー物質であって、多くの場合、数種類の溶質や溶媒の混合体である。この物質は、電極近傍の電気分解反応により生成する酸性及び(又は)アルカリ性物質を中和可能な化合物からなること、あるいは電気分解産物と反応するか、又はこれを吸収し、電気分解産物の量を減少可能な化合物であることを特徴とする。 バリアー物質は、電気泳動部位に支持電解質を安定して供給する機能をさらに有していることが好ましい。 また、バリアー物質は任意の形態で使用することができるが、溶液、糊またはゲルの形態で使用することが好ましい。 さらに、バリアー物質は、それのみで使用してもよいが、さらなる効果をえるため、任意の添加剤を併用することができる。適当な添加剤として、例えば、バリアー物質の機能を安定化可能な物質や、バリアー物質の機能が安定化された状態を表示可能な物質などを挙げることができる。
【0012】
本発明は、そのもう1つの面において、陽極及び陰極からなる電極を備えた電気泳動装置において前記電極と泳動槽内の緩衝液との直接接触を防止するために用いられる電気泳動用バリアー構造体であって、主に物理的な障壁を形成するものである。 本発明による電気泳動用バリアー構造体は、本発明の電気泳動用バリアー物質と、それぞれ、前記電極のいずれか一方と前記バリアー物質とを接触させた状態で前記バリアー物質を保持した2つのバリアー室と、前記バリアー室をそれぞれ規定する少なくとも1個の隔壁とを含んでなることを特徴とする。バリアー室では、隔壁から露出したバリアー物質は、泳動槽内の緩衝液と接触している。 バリアー構造体は、本発明の範囲内で、いろいろな形態、サイズなどで構成することができる。例えば、バリアー室を規定する隔壁は、電気泳動中に電極の近傍で引き起こされる電気分解反応で生み出されるガスによる緩衝液の対流を防止もしくは抑止できることが好ましい。よって、隔壁は、かかる作用を導きうる形状等で、それに適当な位置に配置されていることが好ましい。
【0013】
隔壁は、特に、電極に近い位置に梁(ビーム)の形で垂直もしくは垂直に近く配置されかつバリアー物質が移動可能な開口を下端部に備えた第1の隔壁(梁構造)と、この第1の隔壁よりも電極から離れた位置に敷居(シル)の形で垂直に配置されかつバリアー物質と緩衝液とが接触可能に上端部が緩衝液中で終端している第2の隔壁(敷居構造)とからなることが好ましい。 また、かかるバリアー構造体において、第1の隔壁と第2の隔壁とは単に組み合わせて配置してもよいが、第1の隔壁と第2の隔壁との間に、電気伝導性を有する弾性パッキング部材をさらに配置してもよい。 本発明は、さらにもう1つの面において、泳動槽と、それぞれ泳動槽の所定の位置に配置された陽極及び陰極からなる電極と、泳動槽内に収容された緩衝液とを含む電気泳動装置であって、 本発明による電気泳動用バリアー構造体をさらに備えることを特徴とする電気泳動装置にある。
【0014】
本発明の電気泳動装置は、この技術分野で知られたいろいろな電気泳動技術に基づいて構成することができる。好適な電気泳動技術として、例えば、縦型電気泳動法、横型電気泳動法、サブマリン型電気泳動法、円柱(ディスク)型電気泳動法、キャピラリー型電気泳動法、チップ型電気泳動法、分取用電気泳動法、電気クロマトグラフィー法、パルスフィールド電気泳動法、等電点電気泳動法などを挙げることができる。 例えば電気泳動技術がサブマリン型電気泳動法に基づくものである場合には、電気泳動装置は、泳動槽が単一の泳動槽からなり、その泳動槽内の緩衝液に試料もしくは試料含有媒体を浸漬するように構成することが好ましい。 また、電気泳動技術が縦型電気泳動法、円柱型電気泳動法、キャピラリー型電気泳動法などに基づくものである場合には、泳動槽が上下に離間して配置された2個の泳動槽からなり、それぞれの泳動槽に緩衝液が含まれ、そしてそれらの2つの泳動槽を連通した連通部材、例えば毛細管や中空チューブなどに試料もしくは試料含有媒体が含まれるように構成することが好ましい。
【0015】
本発明は、さらにもう1つの面において、試料を電気泳動法によって分離もしくは分析、さらには分取する方法であって、本発明による電気泳動装置を使用することを特徴とする試料分析方法にある。 本発明方法の実施において、試料の種類や分析条件の詳細は、特に限定されるものではなく、本発明の範囲において任意に変更することができる。例えば、分離及び分析されるべき試料は、好ましくは生体試料であり、具体的には、例えばDNA、RNA、タンパク質等の生体分子を挙げることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
第1図は、サブマリン型の電気泳動装置に適用される泳動槽を模式的に示した断面図であり、 第2図は、縦型の電気泳動装置に適用される泳動槽を模式的に示した断面図であり、 第3図は、円柱型やキャピラリー型の電気泳動装置に適用される泳動槽を模式的に示した断面図であり、 第4A図は、実施例で用いた梁構造型隔壁と敷居構造型隔壁とを有する泳動槽の形状を示した上面図であり、 第4B図は、第4A図に示した泳動槽を横から見た断面図であり、そして 第5図は、実施例で用いた梁構造型隔壁と敷居構造型隔壁とを有する泳動槽の形状を示した断面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明は、いろいろな形態で有利に実施することができる。以下、本発明の好ましい実施の形態を特にいくつかの電気泳動装置を参照して説明するが、本発明は、これらの実施形態に限定されるものではない。 本発明による電気泳動装置は、その必須の構成要素として、常用の電気泳動装置と同様な構成要素を有することができる。すなわち、本発明の電気泳動装置は、1基もしくはそれ以上の泳動槽と、泳動槽内に配置された陽極及び陰極からなる一対の電極あるいは陽極及び陰極のいずれか一方(泳動槽ごとに電極を使い分ける場合)と、泳動槽内に収容された緩衝液とを含んで構成される。なお、本発明の電気泳動装置は、これらの構成要素の他に、追加の構成要素、例えばパルス出力又は直流出力用の電源、緩衝液排出口、泳動カバー、ゲルトレー、コームなどを備えることができる。以下、主たる構成要素について説明する。
【0018】
泳動槽
泳動槽は、任意の形状を有することができるが、通常、ボックス型、円筒型、円柱型などである。取扱い性や他の構成要素の取付け、コンパクト化などを考慮した場合、ボックス型の泳動槽の使用が推奨される。泳動槽のサイズは特に限定されないが、本発明の泳動槽は、その特定の構成に由来して小型化することができる。例えば、コンパクトな電気泳動装置の一例を示すと、幅130mm前後、長さ120mm前後及び深さ50mm前後、緩衝液容量250mL前後のボックス型泳動槽を挙げることができる。また、泳動槽の材料は、電解液などに対して耐性があり、長期間にわたって安定に使用することができる限りにおいて特に限定されるものではない。泳動槽は、例えばポリカーボネート、ポリスチレン、プロピレン共重合体、ポリメチルペンテン、ポリサルフォン、ポリフェニレンオキサイド、アクリルなどのプラスチック材料の成形や各部材の接着加工によって製造することができる。場合によっては、FRPを材料に使用してもよい。
【0019】
泳動槽は、1基で使用してもよく、必要に応じて2基もしくはそれ以上の泳動槽を連結して使用してもよい。例えば、サブマリン型の電気泳動装置では1基の泳動槽を使用するのが一般的であるが、縦型の電気泳動装置や円柱型、キャピラリー型等の電気泳動装置では2基の泳動槽を組み合わせて使用するのが一般的である。2基以上の泳動槽を使用する場合には、それぞれの泳動槽を任意の連通部材で接続し、緩衝液の移動を図ることができる。連通部材としては、例えば、毛細管、中空チューブなどを挙げることができる。なお、複数の泳動槽を使用する場合、それぞれの泳動槽の形状、サイズなどは同一であってもよく、異なっていてもよい。
【0020】
電極
電極は、電気泳動装置において一般的に使用されている電極であってよく、その材質、形状、サイズなどが特に限定されるものではない。例えば、陽極は、緩衝液などに対して耐性を有する導電性の材料、例えば白金、白金めっき材料、カーボンなどから細線、ロッド、薄膜、薄板などの形で形成することができる。陽極のサイズは、上記したサイズのボックス型泳動槽に細線(白金)からなる陽極を取付けた場合を例にとると、長さ122mm前後×直径0.25mm前後である。
陽極と同様に、陰極も、その材質、形状、サイズなどが特に限定されるものではない。陽極と同様な材料から、同様な形状及び同様なサイズで形成することができる。
【0021】
緩衝液
泳動槽で用いられる緩衝液は、電気泳動装置で一般的に使用されている緩衝液であってよい。緩衝液は、通常、電解質と、電解質を溶解した溶媒とを含んで構成され、必要に応じて任意の添加剤が併用される。特に本発明では、以下に詳細に説明するように、この緩衝液が電極に直接的に接触しないようにするため、それぞれに電極の近傍においてバリアー物質が用いられる。
【0022】
〔電解質〕
電解質は、電気泳動装置の緩衝液で一般的に使用されている化合物であってよい。適当な電解質は、例えば、以下に列挙するような化合物を包含するが、これらに限定されない。なお、下記の化合物名において、その後に括弧で括って示す文字又は略号は、該当する化合物の通称名である。なお、下記の化合物は、単独で使用してもよく、2種類もしくはそれ以上の化合物を組み合わせて使用してもよい。 N−(2−アセトアミド)−2−アミノエタンスルホン酸(ACES)、N−(2−アセトアミド)イミノ二酢酸(ADA)、酢酸、N−(2−アミノエチル)トリメチルアンモニウムクロライド(CHOLAMINE)、アスコルビン酸、アンモニア溶液、バルビツール酸、ベンゼンケキサカルボン酸(mellitic)、ベンゼンペンタカルボン酸、ベンゼン−1,2,4,5−テトラカルボン酸(pyromellitic)、ベンゼン−1,2,3−トリカルボン酸(hemimellitic)、
【0023】
ベンゼン−1,3,5−トリカルボン酸(trimesic)、安息香酸、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−2−アミノエタンスルホン酸(BES)、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)ギリシン(BICINE)、ビス(2−ヒドロキシエチル)イミノ−トリス(ヒドロキシメチル)メタン(BIS−TRIS)、ホウ酸、ブルシンテトラハイドレート、ブタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸、n−酪酸、炭酸、クエン酸、シクロヘキサン二酢酸、3−シクロヘキシルアミノ−1−プロパンスルホン酸(CAPS)、シクロペンタン二酢酸、シクロペンタン二酢酸(3,3−テトラメチレングルタル酸)、シクロペンタンテトラ−1,2,3,4−カルボン酸、ジエチルアミン、ジメチルアミン、2,2−ジメチルグルタル酸、3,3−ジメチルグルタル酸、ジメチルマロン酸、2,2−ジメチルコハク酸、2,2−ジエチルコハク酸、3,6−エンドメチレン−1,2,3,6−テトラヒドロフタル酸(EMTA)、エタノールアミン、エチルアミン、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、
【0024】
蟻酸、フマル酸、グリセロリン酸、グリシンアミド、グリシン、N−グリシルグリシン、馬尿酸、ヒスチジン、N−2−ヒドロキシエチルピペラジン−N‘−2−エタンスルホン酸(HEPES)、ヒドロキシルアミン、2−ヒドロキシエチルイミノ−トリス(ヒドロキシメチル)メタン(MONO−TRIS)、4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジンプロパンスルホン酸(EPPS)、イミダゾール、イタコン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マロン酸、マンデル酸、メチルアミン、2−メチルプロパン−1,2,3−トリスカルボン酸、2−(N−モルホリノ)−エタンスルホン酸(MES)、2−(N−モルホリノ)−プロパンスルホン酸(MOPS)、硝酸、蓚酸、プロパン−1,2,3−トリカルボン酸(tricarballyllic)、ピロリン酸、リン酸、フタル酸、1,4−ピペラジンビス(エタンスルホン酸)(PIPES)、プロピオン酸、ピリジン、サリチル酸、コハク酸、硫酸、酒石酸、トリエチルアミン、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(TRIS)、N−トリス(ヒドロキシメチル)メチル−2−アミノエタンスルホン酸(TES)、N−トリス(ヒドロキシメチル)メチルグリシン(TRICINE)、N−トリス(ヒドロキシメチル)メチル−2−アミノプロパンスルホン酸(TAPS)、トリメチルアミン、その他。
【0025】
また、これらの化合物において、その化合物が酸である場合は、酸としての使用のほかに、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、バリウム、亜鉛、モリブデン、マンガン、鉄、ニッケル、銅、錫、アルミニウム等の金属イオンとの複合された化合物としての使用も包含する。また、塩基である場合は、以下の任意の酸との複合された化合物としての使用も包含する。
【0026】
〔溶媒〕
電解質は、緩衝液を調製するため、任意の溶媒に溶解して用いられる。適当な溶媒としては、以下に列挙するものに限定されないが、例えば、水、重水あるいは水溶性の有機溶媒、例えば一価アルコール、二価アルコール、三価アルコールあるいは多価アルコール、第一級アルコール、第二級アルコール、第三級アルコールあるいは高級アルコール、アセトニトリル、アセトン、アセチルアセトン、ジメチルホルムアミド、エチレングリコール、N−エチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、1,4−ジオキサン、エチレングリコール、N−メチルアミド、ピリジン、テトラヒドロフランなどを挙げることができる。これらの溶媒は、単独で使用してもよく、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
【0027】
〔バリアー成分〕
本発明の電気泳動装置では、その泳動槽に含まれる電極と緩衝液に間にバリアー物質を介在させることを必須とする。バリアー物質は、電気泳動中に生成する酸性物質及びアルカリ性物質を中和し、また、酸化力や還元力の強い電気分解産物を除去し、電気泳動部位に支持電解質を安定して供給し、さらには電気分解反応で生み出されるガスによって生じる対流を防止することを特に主目的に用いられるものであり、通常、泳動槽内の電気泳動が行われる部位の陰極側と陽極側に、バリアー物質を含有するバリアー区画あるいはバリアー室の形態で用いられる。 本発明の実施に用いられるバリアー物質は、上記のような作用効果を示し、かつ所望とする電気泳動特性等に悪影響を及ぼさない限り、特に限定されるものではない。適当なバリアー成分は、以下に列挙するものに限定されるわけではないが、グリセロール、重水などのような比重を高める溶液などの他に、濃縮緩衝液、亜硫酸やチオ硫酸などの還元物質、又は酸化物質あるいは鉄粉などの金属、キレート物質、その他である。これらのバリアー物質は、単独で使用してもよく、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
【0028】
バリアー物質は、泳動槽内の電極近傍において、緩衝液から電極を隔離する形で用いられる。バリアー物質は、いろいろな状態で用いることができるが、好ましくは、溶液バリアー、糊状のバリアーあるいはゲル状のバリアーの形で用いられる。いずれの状態のバリアーも、容易に調製することができる。 溶液バリアー、糊状のバリアーあるいはゲル状のバリアーには、それに接する緩衝液が浸透していてもよく、さもなければ含まれていてもよい。これらのバリアーに含まれる緩衝液の濃度は、広い範囲で変化することができるが、電解質の濃度で規定して、使用時のモーラー濃度によって表して、通常、1nM〜1M程度であり、好ましくは1mM〜500mM程度である。ただし、溶液バリアー、糊状のバリアーあるいはゲル状のバリアーにおいて、その内部に電解質が完全に解離している必要はなく、条件によっては電解質に解離できる固体やミセルの状態、錯体が存在していてもよい。
【0029】
また、陰極側のバリアーにおいて、それに含まれるものは、上記の陰イオン型電解質のいずれか1種類、あるいは時に2種類以上の陰イオン型電解質、あるいは解離して陰イオン型電解質を形成する組成であることが必要である。電極に吸着などをして電極周囲の電気抵抗を顕著に変える陽イオン型電解質でなければ、陰極側のバリアーに添加する電解質の種類が制限されることはない。 一方、陽極側のバリアーにおいて、それに含まれるものは、上記の陽イオン型電解質のいずれか1種類、あるいは時に2種類以上の陽イオン型電解質、あるいは解離して陽イオン型電解質を形成する組成であることが必要である。電極に吸着などをして電極周囲の電気抵抗を顕著に変える陰イオン型電解質でなければ、陽極側のバリアーに添加する電解質の種類が制限されることはない。
【0030】
さらに、バリアーにおける伝導率の調整又は、水溶液からなるバリアー層とは別の電気伝導相を電極近傍の任意の位置に形成させるため、バリアー物質及び電解質に追加するかもしくは別に添加してイオン性溶液を用いることもできる。伝導率の調整に好適なイオン性液体は、例えば、イミダゾリウム塩誘導体、ピリジニウム塩誘導体、ホスホニウム塩、テトラアルキルアンモニウム塩などである。 本発明の実施において、溶液バリアー、糊状のバリアーあるいはゲル状のバリアー中の電解質の平衡状態を移動させ、バリアーの部分が高すぎる伝導率にならないように解離状態を調整することが好ましい場合もある。そういう場合、本発明者は、バリアーにおける解離状態を調整するためには、さらに水溶性有機溶媒を含有させることが好ましいということを見出した。
【0031】
好適な水溶性有機溶媒として、例えば、一価アルコール、二価アルコール、三価アルコールあるいは多価アルコール、第一級アルコール、第二級アルコール、第三級アルコールあるいは高級アルコール、アセトニトリル、アセトン、アセチルアセトン、ジメチルホルムアミド、エチレングリコール、N−エチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、1,4−ジオキサン、エチレングリコール、N−メチルアミド、ピリジン、テトラヒドロフランなどを挙げることができる。これらの有機溶媒は、溶液の調製のため、単独で使用してもよく、2種類以上の溶媒を組み合わせて使用してもよい。得られるバリアー溶液において、バリアー物質の濃度は、特に限定されないが、使用時の濃度として、0.1〜99重量%程度であり、好ましくは1〜80重量%程度である。 また、溶液バリアー、糊状のバリアーあるいはゲル状のバリアーの調製において、それぞれのバリアーの形態に応じて、異なる目的のために追加の添加剤を含めることが望ましい。
【0032】
例えば、サッカロースなどの各種糖類、澱粉などの多糖類、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、デキストラン、Ficoll(登録商標)、Percol(登録商標)などの高比重物質を上記バリアー成分の他にも溶液バリアーに添加するか、さもなければ粘性を高める物質を溶液バリアーに添加して糊状のバリアーを形成することによって、これらのバリアーと、バリアーに接触する電気泳動部位の緩衝液との混合を妨げる働きをもたせることが望ましい。得られる溶液状のバリアーあるいは糊状のバリアーにおいて、バリアー物質の濃度は、特に限定されないが、使用時の濃度として、2〜99重量%程度であり、好ましくは5〜80重量%程度である。 また、ゲル状のバリアーを調製する場合には、例えば、以下に列挙するものに限定されないが、ポリアクリルアミドゲル、アガロースゲル、複合ゲル、蛋白質核酸酵素、43巻、15号、2191頁、1998年に記載されている弾性ゲル、Polymers for advanced Technologies vol.11,p.481(2000)に記載されているエラストマーゲルなどを使用することができる。これらのゲルに電解質を含めることができる。含める電解質の組成は、電気泳動部位の電解質の組成と同一であってもよく、異なってもよく、さもなければ他の組成をもった電解質で調整してもよい。
【0033】
さらに、溶液バリアー、糊状のバリアーあるいはゲル状のバリアーにおける安定化状態やpH値の状態を目視で観察できるようにする添加成分、換言すると、その状態を目視で示すことのできる添加剤を使用することもできる。かかる添加剤として、例えば、各種のpH指示薬が効果的である。pH指示薬を添加した場合、バリアー物質と電気泳動部位の緩衝液との混合の状況の一部が、pH指示薬の色の移動で可視化できる利点がある。適当なpH指示薬として、例えば、アリザリンレッドS、アリザリンイエローR、ベンゾパープリン48、ブリリアントクレシルブルー、ブリリアントイエロー、ブロモクレゾールグリーン、ブロモクレゾールパープル、ブロモフェノールブルー、ブロモフェノールレッド、ブロモチモールブルー、クロロフェノールレッド、クレイトンイエロー、コンゴレッド、クレゾールレッド、o−クレゾールフタレイン、m−クレゾールパープル、クルクミン、2,4−ジニトロフェノール、2,6−ジニトロフェノール、エリオクロームブラック、エリスロシン、エチルオレンジ、インジゴカーミン、インジゴスルホン酸、ラクモイド、マラカイトグリーン、メタニルイエロー、メチルオレンジ、メチルレッド、メチルバイオレット、メチルイエロー、ナフトールベンゼン、ニュートラルレッド、ニトラミン、m−ニトロフェノール、p−ニトロフェノール、フェノールフタレイン、フェノールレッド、キナルジンレッド、レサズリン、チアゾールイエローG、チモールブルー、チモールフタレイン、1,3,5−トリニトロベンゼン、2,4,6−トリニトロトルエン、トロペオリンなどを挙げることができる。
【0034】
〔バリアー構造体〕
本発明の電気泳動装置において、上記したバリアー物質は、好ましくは、バリアー物質をその内部に組み込んだバリアー構造体の形で用いられる。バリアー構造体は、好ましくは、本発明の電気泳動用バリアー物質と、そのバリアー物質を電極を構成する陽極及び陰極のいずれか一方と接触させた状態で保持したバリアー室と、そのバリアー室を規定する少なくとも1個の隔壁とを含むことを特徴とする。なお、バリアー室は、通常、隔壁を泳動槽の側壁及び底壁と組み合わせることによって形成するのが有利である。 バリアー構造体は、電気分解反応で生み出されるガスによって生じる対流が電気泳動が行われる部位に達することを防止し、同時に本発明のバリアー物質を安定して存在させることができる。バリアー構造体の典型的な例は、それを含む泳動槽の形で、第1図、第2図及び第3図に示した通りである。
【0035】
第1図、第2図及び第3図に示した泳動槽は、それぞれ、異なる電気泳動法に適用することができる。例えば第1図の泳動槽は、例えばサブマリン型電気泳動法、パルスフィールド電気泳動法などに利用できる。また、第2図の泳動槽は、DNAシークエンサーや、蛋白質の分離、分析に汎用されている縦型電気泳動法などに利用できる。さらに、第3図の泳動槽は、円柱型やキャピラリー型の電気泳動法などに利用できる。以下、それぞれの泳動槽について、さらに詳しく説明する。 第1図の泳動槽は、サブマリン型電気泳動法、パルスフィールド電気泳動法に利用できる構造であり、また、この構造を多少変形し、ゲルなどの分離媒体をガラス板で上下を挟み、その上下には伝導性のある緩衝液が存在しない構造にすると、横型電気泳動法に適用可能なものになる。
【0036】
第1図の泳動槽10は、サブマリン型の電気泳動装置の泳動槽の断面図である。この泳動槽10の場合、側壁と底壁が接する部位に、それぞれ、白金線からなる陽極14(1)及び白金線からなる陰極14(2)が配置されている。また、陽極14(1)と陰極14(2)は出力電源19が接続されている。泳動槽10の内部には、レベル1Lまで緩衝液1が収容されている。 また、泳動槽10の内部では、梁構造(ビーム)をもった第1の隔壁11と、敷居構造(シル)をもった第2の隔壁13と、泳動槽10の側壁及び底壁とでバリアー室が形成されている。ここで、泳動槽10の上面から下向きに伸びた第1の隔壁11は、泳動槽10の下部で開口し、また、泳動槽10の下面から上向きに伸びた第2の隔壁13は、緩衝液1の途中で終端している。また、形成されたバリアー室では、第2の隔壁13の上端まで、すなわち、レベル12Lまで、陽極14(1)及び陰極14(2)をそれぞれ取り囲むように溶液状または糊状のバリアー物質12が保持されている。
【0037】
泳動槽10のほぼ中央の部分には、試料を載置するためのプラットホーム16が設けられている。また、プラットホーム16の上に試料である、ゲルなどの分離媒体15が載置されている。なお、図示の例の場合、分離媒体15は横に長い矩形の形をとっているが、その他の形態であってもよい。また、溶液または糊状のバリアー物質の組成は、陽極側及び陰極側で同一であってもよく、異なってもよい。同様に、泳動槽10のその他の構成要素は、左右対称であってもよく、左右非対称であってもよい。 第2図は、縦型電気泳動装置の泳動槽の断面図である。この泳動槽は、図示される通り、それぞれ陽極24(1)及び陰極24(2)が取付けられた2個の泳動槽20(1)及び20(2)を備えている。陽極24(1)及び陰極24(2)は、どちらも白金線から形成されており、かつ出力電源29が接続されている。泳動槽20(1)及び20(2)には、それぞれ緩衝液1が収容されている。
【0038】
また、2つの泳動槽20(1)及び20(2)の内部では、それぞれ、梁構造(ビーム)をもった第1の隔壁21と、敷居構造(シル)をもった第2の隔壁23と、泳動槽20の側壁及び底壁とでバリアー室が形成されている。それぞれの泳動槽では、第1図の泳動槽10の場合と同様に、第1の隔壁21は泳動槽10の下部で開口し、また、第2の隔壁23は、緩衝液1の途中で終端している。また、形成されたバリアー室では、レベル22Lまで、陽極24(1)又は陰極24(2)を取り囲むように溶液状または糊状のバリアー物質22が保持されている。 さらに、図示の泳動槽20(1)及び20(2)では、それぞれ、離間した第1の隔壁21と第2の隔壁23によって形成された空間を塞ぐようにパッキング部材26が嵌め込まれている。パッキング部材26は、溶液バリアー、糊状のバリアーあるいはゲル状のバリアーと、電気泳動部位の緩衝液との不必要な混合を防止するのに有効である。パッキング部材26としては、ポリアクリルアミドゲル、アガロースゲル、複合ゲル、弾性化ゲル、エラストマーゲルなどを使用できる。また、ろ紙やスポンジ類などの各種の多孔質の材料も、それらの多孔質材料の内部や表面に電極で発生するガスが付着する場合が少ないときに限り、パッキング部材26として使用することができる。
【0039】
上下に配置された泳動槽20(1)及び20(2)は、ガラス板(図示せず)を組み合わせることによって形成された導管によって連通されており、また、その導管の内部には、ゲルなどの分離媒体25が充填されている。 第3図は、円柱型電気泳動装置の泳動槽の断面図である。この泳動槽は、図示される通り、ゲルなどの分離媒体35を充填する連通部材をガラス管(キャピラリー管などでもよい)から構成するとともに、その取付け位置を変更した違いを除いて、第2図に示した泳動槽と同様な構成を有している。 重複を避けるために簡単に説明すると、第3図の泳動槽は、それぞれ陽極34(1)及び陰極34(2)が取付けられた2個の泳動槽30(1)及び30(2)を備えている。また、泳動槽30(1)及び30(2)には、それぞれ緩衝液1が収容されている。
【0040】
また、2つの泳動槽30(1)及び30(2)の内部では、それぞれ、第1の隔壁31と、第2の隔壁33と、泳動槽30の側壁及び底壁とでバリアー室が形成されている。バリアー室では、陽極34(1)又は陰極34(2)を取り囲むように溶液状または糊状のバリアー物質32が保持されている。また、第1の隔壁31と第2の隔壁33によって形成された空間を塞ぐようにパッキング部材36が嵌め込まれている。 以上、第1図〜第3図を参照して3種類の泳動槽について説明したが、図示の構成要素の組み合わせは、チップ型電気泳動法、分取用電気泳動法、電気クロマトグラフィー法、等電点電気泳動法にも有利に適応できる。 本発明はまた、電気泳動法を使用した試料分析方法にある。本発明の試料分析方法は、上記したような構成を有する本発明の電気泳動装置を使用することを特徴とする。分析方法の対象となる試料(被分析物、被検試料などともいう)は、電気泳動法によってその分離、分析、同定などが可能となる限り、特に限定されるものではない。適当な試料として、例えば、生体試料、例えばDNA、RNA、蛋白質等の生体分子を挙げることができる。また、例えばDNAと蛋白質の複合体、人工及び天然の色素、粉体の懸濁サンプル、カーボンナノチューブなども試料の一例として挙げることができる。
【0041】
本発明の試料分析方法の具体的な例は、以下に列挙するものに限定されないが、DNA(プラスミドやPCR産物)のサイズ特定や分取、DNAシーケンシング、蛋白質の分離及び分析や分取などを包含する。これらの分析方法は、常法に従って行うことができるので、分析方法の詳細は、技術書、特許文献などの詳細な説明を参照されたい。 以上に詳細に説明し、かつ下記の実施例において具体的に説明した事項から容易に理解できるように、本発明によれば、電気泳動が行われる部位の陰極側と陽極側に、バリアー物質を含有するバリアー室を備えたバリアー構造体を配置し、そこに緩衝作用のある溶液あるいは電気泳動の支持電解質の濃縮液を安定して存在させることで、電気泳動中に生成する酸性及びアルカリ性物質を中和し、または、酸化力や還元力の強い電気分解産物を除去し、さらには電気泳動部位に支持電解質を安定して供給する仕組みを提供できる。同時に、バリアー物質が安定して同一部位にとどまるように泳動槽の構成及び形状を工夫したことで、電気分解反応で生み出されるガスによって生じる緩衝液の対流も同時に防止できる。
【実施例】
【0042】
以下、本発明をその実施例及び比較例を参照して説明するが、本発明は下記の実施例によって限定されるものでない。 下記の例では、先に第1図を参照して説明した電気泳動装置と同様な構成を有する、第4A図及び第4B図あるいは第5図に模式的に示すサブマリン型電気泳動装置を、必要に応じて変更を加えた後に使用した。すなわち、図示の電気泳動装置は、基本的に、次のような構成を有している。 第4A図及び第4B図の電気泳動装置は、泳動槽40を備え、また、泳動槽40の底部の両端には、それぞれ白金線からなる陽極44(1)及び陰極44(2)が取り付けられている。陽極44(1)及び陰極44(2)は、泳動槽40の底から多少高くなった電極設置部48の上に、縦方向に平行に対向するように配置されている。また、陽極44(1)と陰極44(2)は出力電源(図示せず)が接続されている。 泳動槽40の内部には、本発明のバリアー室を形成するため、梁(ビーム)構造をもった第1の隔壁41と、敷居(シル)構造をもった第2の隔壁43とが取り付けられている。泳動槽10の側壁及び底壁とでバリアー室が形成されている。バリアー室に、バリアー物質(図示せず)が添加される。ここで、泳動槽10の上面から下向きに伸びた第1の隔壁11は、泳動槽10の下部で開口し、また、泳動槽40のほぼ中央の部分には、試料であるゲル状分離媒体45を載置するためのプラットホーム46が設けられている。
【0043】
第5図の電気泳動装置も第4A図及び第4B図の装置と同様な構成を有するが、陰極側に梁(ビーム)がない構造である。 図示の電気泳動装置を使用して、常温で、かつ一定電圧(例1〜例5:100ボルト;例6〜例7:42ボルト)の通電条件によって実験を実施した。例1〜例5で使用したゲル45は、2%アガロースであり、ゲルの厚さは6mm、長さは6cmであった。図示されるように、プラットホーム46の上にゲル45を静置した。 例6及び例7では、泳動用の緩衝液を満たした直径1cm×長さ1cmの透析チューブ内に細片化したポリアクリルアミドゲルが約0.2g入ったゲル小片を懸濁した状態の媒体55をプラットホーム56の上に静置した。 電気泳動のための緩衝液は、その液面がプラットホーム46の上、1.1cmのところに達する容量まで注加し、固定した。実験中、電気泳動装置が水平に置かれていることを水準器によって確認した。
【0044】
例1〜例5では、電気泳動実験の開始前及び開始後の予め決められた時間に、プラットホーム46の両端から陽極44(1)及び陰極44(2)側にそれぞれ5mm離れ、かつ液面からの深さも5mmのところから、容量0.5mLの緩衝液(供試溶液)を分取した。 例6及び例7では、プラットホーム56の中央で緩衝液1の表面より5mmの深度、又は陽極側の第2の隔壁(シル)53の直上の液面より5mmの深度、ないしは例1〜例5の場合と同一の陽極側及び陰極側の位置から、容量0.5mLの緩衝液を分取した。 それぞれの位置で分取した供試溶液を25℃の同一条件で保温したうえで、そのpH値と伝導率(mS/cm)を測定した。
【0045】
例1(比較例) 本例では、比較のため、バリアー室及びバリアー物質の使用を省略して電気泳動実験を実施した。すなわち、本例で使用した電気泳動装置は、第4A図及び第4B図に示した装置から、隔壁41及び43を取り外したものである。電気泳動装置の寸法は、次の通りであった。 泳動槽40の長さa:136.6mm、長さb:152.8mm、第1の隔壁(梁構造)41の高さc:45mm、対向する第1の隔壁41間の距離d:127mm、第1の隔壁41の、泳動槽40の側壁からの距離e:12.6mm、プラットホーム46の高さg:24mm及び幅f:60mm。 本例で使用した緩衝液は、通称「1xTAE」であり、その組成は、トリス−アセテート:40mM及びEDTA:1mMであった。0〜60分間にわたって実験を繰り返したところ、下記の第1表に記載する実験結果が得られた。本例の場合、電気泳動に要する時間の増加をともに、陰極側と、陽極側でのpHと伝導率の差が顕著になる様子が観察された。
【表1】

Figure 0004814216
【0046】
例2 本例では、バリアー室及びバリアー物質を使用して電気泳動実験を実施した。すなわち、本例で使用した電気泳動装置は、第4A図及び第4B図に示した装置そのものであり、サイズ等に変更はない。 本例で使用した緩衝液は、例1で使用したものに同じであり、その組成は、トリス−アセテート:40mM及びEDTA:1mMであった。バリアー室に入れたバリアー物質は、溶液の形で使用し、その組成は、トリス−アセテート:932mM、EDTA:23.3mM及びグリセロール:53%(v/v)であった。陽極側及び陰極側のバリアー室に、この溶液バリアーをそれぞれ8mLずつ注加した。 0〜180分間にわたって実験を繰り返したところ、下記の第2表に記載する実験結果が得られた。本例の場合、例1に比べると、より長く1時間までは安定して、陰極側と陽極側でのpHと伝導率の差が少ないことが観察された。
【表2】
Figure 0004814216
【0047】
例3 前記例2に記載の手法を繰り返したが、本例の場合、バリアー物質の組成を下記のように変更した。 本例で使用した緩衝液は、例1で使用したものに同じであり、その組成は、トリス−アセテート:40mM及びEDTA:1mMであった。バリアー室に入れたバリアー物質は、溶液の形で使用し、その組成は、トリス−アセテート:770mM、EDTA:19.2mM、グリセロール:38.5%(v/v)及び1,3−ブタンジオール:14.4%(v/v)であった。陽極側及び陰極側のバリアー室に、この溶液バリアーをそれぞれ8mLずつ注加した。 0〜180分間にわたって実験を繰り返したところ、下記の第3表に記載する実験結果が得られた。本例の場合、例1や例2に比べると、さらに長く2時間までは安定して陰極側と陽極側でのpHと伝導率の差が少ないことが観察された。
【表3】
Figure 0004814216
【0048】
例4(比較例) 本例では、比較のため、バリアー室及びバリアー物質の使用を省略して電気泳動実験を実施した。すなわち、本例で使用した電気泳動装置は、第4A図及び第4B図に示した装置から、隔壁41及び43を取り外したものである。電気泳動装置の寸法は、例1に記載の通りである。 本例で使用した緩衝液は、通称「0.5xTBE」であり、その組成は、トリス−ボレート:44.5mM及びEDTA:1mMであった。0〜180分間にわたって実験を繰り返したところ、下記の第4表に記載する実験結果が得られた。本例の場合、電気泳動に要する時間の増加とともに、陰極側と陽極側での、特にpHの差が顕著になる様子が観察された。
【表4】
Figure 0004814216
【0049】
例5
本例では、バリアー室及びバリアー物質を使用して電気泳動実験を実施した。すなわち、本例で使用した電気泳動装置は、第4A図及び第4B図に示した装置そのものであり、サイズ等に変更はない。 本例で使用した緩衝液は、例4で使用したものに同じであり、その組成は、トリス−ボレート:44.5mM及びEDTA:1mMであった。バリアー室に入れたバリアー物質は、溶液の形で使用し、その組成は、トリス−ボレート:178mM、EDTA:4mM、グリセロール:40%(v/v)及び1,3−ブタンジオール:15%(v/v)であった。陽極側及び陰極側のバリアー室に、この溶液バリアーをそれぞれ8mLずつ注加した。 0〜180分間にわたって実験を繰り返したところ、下記の第5表に記載する実験結果が得られた。本例の場合、およそ3時間まで安定して陰極側と陽極側での伝導率の差が少ないことが観察された。pHにいたっては、変化が全く観察されなかった。
【表5】
Figure 0004814216
【0050】
例6(比較例)
本例では、比較のため、バリアー物質の使用を省略して、電気泳動の一種である電気溶出実験を実施した。すなわち、本例は、第5図において、陽極にはなんらバリアー物質を添加しない状態での結果である。電気泳動装置の寸法は、例1に記載の通りである。 本例で使用した緩衝液は、トリス−塩酸であり、その組成は、トリス:375mMであり、pHが8.9になるように塩酸で滴定した。0から60分間にわたって実験を繰り返したところ、下記の第6表に記載する結果が得られた。本例の場合、電気溶出に要する時間の増加とともに、プラットホームの中央や陽極側の隔壁(シル)の上部において、酸化力の強い次亜塩素酸の増加が観察された。
【表6】
Figure 0004814216
【0051】
例7
本例では、バリアー物質を使用して、電気泳動の一種である電気溶出実験を実施した。すなわち、本例は、第5図において、陽極にバリアー物質を添加した状態での結果である。電気泳動装置の寸法は、例1に記載の通りである。 本例で使用した緩衝液は、トリス−塩酸であり、その組成は、トリス:375mMであり、pHが8.9になるように塩酸で滴定した。陽極のバリアー室に、次亜塩素酸を還元できる亜硫酸1.25%(w/w)含んだ、75%(w/w)グリセロール溶液(蒸留水にて作成)を、8ml注加した。0から60分間にわたって実験を繰り返したところ、下記の第7表に記載する結果が得られた。本例の場合、一時間まで、プラットホームの中央や陽極側の隔壁(シル)の上部において、酸化力の強い次亜塩素酸が全く観察されなかった。また、亜硫酸のバリアー室からの漏れも、電気溶出がされるべきプラットホームにては一切観察されなかった。
【表7】
Figure 0004814216
【産業上の利用可能性】
【0052】
電位泳動法は、電位勾配を形成し、その駆動力により観察対象を分離、分析する手法である。したがって、本発明により保持される電気泳動部位での安定した伝導率は、分析結果の安定性と再現性につながる。また、本発明により保持される電気泳動部位での安定したpH環境ないしは酸化力や還元力の強い電気分解産物を除去することにより、観察対象の荷電状態を一定にでき、観察対象の安定性も保持できる場合もあるため、この場合も分析結果の安定性と再現性につながる。このような注目すべき作用効果があるので、本発明は、各種の試料の分離、分析から分取に至るまでに広く、かつ有利に使用することができる。【Technical field】
[0001]
  The present invention relates to an electrophoresis technique, and more particularly, to a technique for minimizing the influence of an electrolysis reaction generated in the vicinity of an electrode on an electrophoresis result in an electrophoresis apparatus. The present invention particularly relates to an electrophoresis barrier.ー StructureAnd an electrophoresis apparatus. The present invention also relates to a method for separating and analyzing biological samples and other samples using such electrophoresis technology.
[Background]
[0002]
  For example, electrophoresis is a method of separating a mixed sample of biomolecules (mainly DNA, RNA, protein, etc.) according to the difference in molecular size and charge state of each molecule, and for carrying out this method. Electrophoresis apparatuses employing various methods are commercially available. Electrophoresis devices are used in fields such as life science, medicine, pharmacy, agriculture, and environmental science.
  By the way, in an electrophoresis apparatus, an electrolysis reaction can occur at the electrode. In addition, various reactions occur in the electrode portion and its surroundings depending on the composition of the electrode material and the solution in contact with the electrode. Moreover, in recent electrophoretic devices, platinum wire and platinum-plated materials are often used as electrode materials because of their excellent durability and operability, but in this case, they are used as electrode solutions. Under the buffer solution, oxonium ions, hydroxide ions, oxygen gas, hydrogen gas, etc. are generated by electrolysis. Depending on the type of solution used, chlorine gas, iodine, and the like are generated. In particular, when a solution containing a large amount of chloride ions is used for electrophoresis, the pH is 3 or more, and a part of chlorine gas generated by this electrolysis is a strong substance such as hypochlorous acid (HClO) that damages proteins and nucleic acids. It is converted into a oxidant. Furthermore, various ionic substances may be adsorbed on the electrode, and the electrical resistance around the electrode may change.
[0003]
  Many of these by-products generated during electrolysis adversely affect the electrophoresis results. For example, the solution has an acidic pH due to oxonium ions generated by electrolysis at a portion close to the anode, and an alkaline pH due to hydroxide ions at a portion close to the cathode. By the way, since many samples separated and analyzed by electrophoresis have pKa values and isoelectric points that are unique to those samples, the electrolyte solution is caused by by-products generated during electrophoresis. Unexpected changes in pH will not result in the expected mobility. Also, if the conductivity (conductivity) changes, the potential gradient at that site changes, and in this case as well, the expected mobility is not brought about. Furthermore, gases such as oxygen gas and hydrogen gas generated by electrolysis become bubbles in the buffer solution during electrophoresis and rise to the water surface of the buffer solution. Leading to the occurrence of convection. Such convection leads to an action of stirring the buffer solution, but does not necessarily stir the solution uniformly, and thus does not reach an action of keeping the pH of each part where electrophoresis is performed constant. Rather, depending on some conditions and the electrophoresis apparatus, the pH and conductivity of the solution in the vicinity of each electrode become non-uniform, and consequently the pH and conductivity of the electrophoretic site become non-uniform.
[0004]
In addition, when a buffer solution or a surfactant used for electrophoresis or a sample (sample) containing halide ions is used, chlorine gas and iodine are also generated. In particular, when chlorine gas is generated, part of the gas is dissolved in the buffer solution, and in addition to hydrochloric acid, harmful substances having strong oxidizing power such as hypochlorous acid are generated. Naturally, this not only leads to instability of electrophoresis itself, but also may cause deterioration and denaturation of the sample to be separated. In fact, HClO and the like are known to denature certain proteins even at concentrations as low as 10 ppm. Several methods for reducing the influence of electrolysis on electrophoresis have been proposed and put to practical use. The method used first is a method of increasing the distance between the electrode part where electrolysis occurs and the electrophoresis part, and the design of an electrophoresis apparatus that satisfies this condition is relatively easy. However, compared to an electrophoresis apparatus in which the distance between the electrode part and the electrophoresis part is short, it is necessary to increase the voltage in order to ensure a certain mobility. As a result, inconveniences such as excessive generation of Joule heat and increased risk of leakage due to high voltage occur. In addition, some of the by-products of the electrolysis reach the site where electrophoresis is performed in a short time, which is unsuitable for long-time electrophoresis experiments.
[0005]
Next, in order to neutralize the acid (oxonium ion) and alkali (hydroxide ion) generated by electrolysis during electrophoresis, there is a method of using a large amount of buffer solution as an electrode solution near the electrode. . However, in the case of this method, the effects of generation of oxygen gas, hydrogen gas, chlorine gas and iodine generated by electrolysis, adsorption of various ionic substances to the electrode, dissolution of metal ions from the electrode, etc. Cannot be excluded. In addition, an ion exchanger layer such as an ion exchange membrane or ion exchange resin is formed between the electrode part and the electrophoresis part, and ions generated by electrolysis are bound to these layers, and at the same time, these ion exchangers are combined. There has also been proposed a method of supplying the bound ions to the electrophoresis site. However, this method, which has been partially put into practical use, also has drawbacks. For example, the ion exchange capacity is relatively small (often 0.3 mol / L or less), that is, it is difficult to secure an electrolyte that can maintain long-term electrophoresis, and these ion exchange membranes are required for each experiment. The need for replacement or regeneration of ion exchange resins is a typical drawback.
[0006]
  The electrophoresis technique described above is disclosed in, for example, US Pat. No. 5,582,702, US Pat. No. 5,868,974, and Japanese translation of PCT publication No. 11-505325. Am. Chem. Soc. 45, 954, 1923, and the like.
[Prior art documents]
[Patent Literature]
[0007]
[Patent Document 1]
US Pat. No. 5,582,702
[Patent Document 2]
Japanese National Patent Publication No. 11-505325
[Non-patent literature]
[0008]
[Non-Patent Document 1]
  J. et al. Am. Chem. Soc. 45, 954, 1923
SUMMARY OF THE INVENTION
[Problems to be solved by the invention]
[0009]
  The object of the present invention is to solve the above-mentioned problems in the electrophoresis technique. That is, the object of the present invention is to prevent convection caused by a gas generated by an electrolysis reaction occurring during electrophoresis without using a high voltage, a large amount of buffer solution, an ion exchange membrane or an ion exchange resin, Neutralizes acidic and alkaline substances generated during electrophoresis, and in some cases, removes products with strong oxidizing power and reducing power generated by electrolysis, and supplies a stable supporting electrolyte to the electrophoresis site. Another object of the present invention is to provide an electrophoretic device having a simple structure and a component that can be advantageously used in the configuration of the electrophoretic device. Another object of the present invention is to provide a sample analysis method that can be carried out accurately and easily without adversely affecting the electrophoresis results when various samples are separated and analyzed using electrophoresis. There is to do.
[Means for Solving the Problems]
[0010]
  As a result of intensive studies to achieve these objects, the inventor of the present invention has portions having barrier structures on the cathode side and the anode side of the portion where electrophoresis is performed (hereinafter also referred to as “electrophoresis portion”). 1) During the electrophoresis, a solution that reacts with or absorbs a buffering solution or an electrolysis product, or a concentrated solution of the supporting electrolyte for electrophoresis is stably present. Neutralizes acidic and alkaline substances to be generated, 2) reacts with or absorbs electrolysis products as necessary, and 3) further provides a mechanism for stably supplying the supporting electrolyte to the electrophoresis site. At the same time, by devising the shape of the electrophoresis tank so that this barrier structure stays in the same site stably in the electrophoresis tank, 4) The present inventors have found that convection caused by a gas can be prevented at the same time, and have completed the present invention.
[0011]
  In one aspect, the present invention is a barrier substance used to suppress the influence of an electrolysis reaction caused in the vicinity of an electrode during electrophoresis, and in many cases, a mixture of several kinds of solutes and solvents. is there. This substance consists of a compound capable of neutralizing acidic and / or alkaline substances produced by the electrolysis reaction in the vicinity of the electrode, or reacts with or absorbs the electrolysis product, and the amount of electrolysis product It is a compound capable of reducing The barrier substance preferably further has a function of stably supplying the supporting electrolyte to the electrophoresis site. The barrier substance can be used in any form, but is preferably used in the form of a solution, glue or gel. Furthermore, the barrier substance may be used alone, but an optional additive can be used in combination in order to obtain further effects. Examples of suitable additives include a substance capable of stabilizing the function of the barrier substance, and a substance capable of displaying a state in which the function of the barrier substance is stabilized.
[0012]
  In another aspect of the present invention, an electrophoresis barrier structure used for preventing direct contact between an electrode and a buffer in an electrophoresis tank in an electrophoresis apparatus having an electrode composed of an anode and a cathode. However, it mainly forms a physical barrier. The barrier structure for electrophoresis according to the present invention includes two barrier chambers each holding the barrier substance in a state where any one of the electrodes and the barrier substance are in contact with each other. And at least one partition wall defining each of the barrier chambers. In the barrier chamber, the barrier substance exposed from the partition wall is in contact with the buffer solution in the electrophoresis tank. The barrier structure can be configured in various forms and sizes within the scope of the present invention. For example, the partition wall defining the barrier chamber is preferably capable of preventing or suppressing convection of the buffer solution due to a gas generated by an electrolysis reaction caused in the vicinity of the electrode during electrophoresis. Therefore, it is preferable that the partition wall has a shape or the like that can induce such an action and is disposed at an appropriate position.
[0013]
  In particular, the partition wall includes a first partition wall (beam structure) which is arranged vertically or nearly vertically in the form of a beam (beam) at a position close to the electrode and has an opening at the lower end portion through which the barrier material can move. A second partition wall (sill) which is vertically arranged in the form of a sill (sill) at a position farther from the electrode than the first partition wall and whose upper end terminates in the buffer solution so that the barrier substance and the buffer solution can come into contact with each other Structure). Moreover, in such a barrier structure, the first partition and the second partition may be simply combined, but an elastic packing having electrical conductivity is provided between the first partition and the second partition. A member may be further arranged. In still another aspect, the present invention provides an electrophoresis apparatus including an electrophoresis tank, electrodes each including an anode and a cathode disposed at predetermined positions of the electrophoresis tank, and a buffer solution contained in the electrophoresis tank. The electrophoretic apparatus further comprises an electrophoresis barrier structure according to the present invention.
[0014]
  The electrophoretic device of the present invention can be constructed based on various electrophoretic techniques known in the art. Suitable electrophoresis techniques include, for example, vertical electrophoresis, horizontal electrophoresis, submarine electrophoresis, cylindrical (disk) electrophoresis, capillary electrophoresis, chip electrophoresis, and preparative electrophoresis. Examples thereof include electrophoresis, electrochromatography, pulse field electrophoresis, and isoelectric focusing. For example, when the electrophoresis technique is based on the submarine type electrophoresis method, the electrophoresis apparatus comprises a single electrophoresis tank, and a sample or a sample-containing medium is immersed in a buffer solution in the electrophoresis tank. It is preferable to configure so as to. In addition, when the electrophoresis technique is based on vertical electrophoresis, columnar electrophoresis, capillary electrophoresis, etc., the electrophoresis tanks are separated from two electrophoresis tanks arranged vertically apart. Thus, it is preferable that each electrophoresis tank contains a buffer solution, and a communication member such as a capillary tube or a hollow tube that communicates the two electrophoresis tanks contains the sample or the sample-containing medium.
[0015]
  In yet another aspect, the present invention is a method for separating or analyzing a sample by electrophoresis and further sorting the sample, and using the electrophoresis apparatus according to the present invention. . In carrying out the method of the present invention, details of the type of sample and analysis conditions are not particularly limited, and can be arbitrarily changed within the scope of the present invention. For example, the sample to be separated and analyzed is preferably a biological sample, and specific examples include biomolecules such as DNA, RNA, and protein.
[Brief description of the drawings]
[0016]
  FIG. 1 is a sectional view schematically showing an electrophoresis tank applied to a submarine type electrophoresis apparatus, and FIG. 2 schematically shows an electrophoresis tank applied to a vertical electrophoresis apparatus. FIG. 3 is a sectional view schematically showing an electrophoresis tank applied to a cylindrical or capillary type electrophoresis apparatus, and FIG. 4A is a beam structure type used in the examples. FIG. 4B is a top view showing the shape of an electrophoresis tank having a partition wall and a sill structure type partition wall, FIG. 4B is a cross-sectional view of the electrophoresis tank shown in FIG. 4A, and FIG. It is sectional drawing which showed the shape of the electrophoresis tank which has a beam structure type | mold partition wall and a sill structure type partition wall used in the Example.
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
[0017]
  The present invention can be advantageously implemented in various forms. Hereinafter, preferred embodiments of the present invention will be described with particular reference to several electrophoresis apparatuses, but the present invention is not limited to these embodiments. The electrophoresis apparatus according to the present invention can have the same constituent elements as those of a conventional electrophoresis apparatus as the essential constituent elements. That is, the electrophoresis apparatus of the present invention includes one or more electrophoresis tanks and a pair of electrodes composed of an anode and a cathode arranged in the electrophoresis tank or one of the anode and the cathode (an electrode is provided for each electrophoresis tank). And a buffer solution accommodated in the electrophoresis tank. In addition to these components, the electrophoresis apparatus of the present invention can include additional components such as a power source for pulse output or DC output, a buffer solution outlet, an electrophoresis cover, a gel tray, and a comb. . Hereinafter, main components will be described.
[0018]
  Electrophoresis tank
  The electrophoresis tank can have an arbitrary shape, but is usually a box type, a cylindrical type, a column type, or the like. When handling, mounting of other components, compactness, etc. are considered, the use of a box-type electrophoresis tank is recommended. The size of the electrophoresis tank is not particularly limited, but the electrophoresis tank of the present invention can be reduced in size due to its specific configuration. For example, as an example of a compact electrophoresis apparatus, a box type electrophoresis tank having a width of around 130 mm, a length of around 120 mm, a depth of around 50 mm, and a buffer solution capacity of around 250 mL can be mentioned. In addition, the material of the electrophoresis tank is not particularly limited as long as it is resistant to an electrolyte solution and can be used stably over a long period of time. The electrophoresis tank can be manufactured by molding a plastic material such as polycarbonate, polystyrene, propylene copolymer, polymethylpentene, polysulfone, polyphenylene oxide, and acrylic, and bonding each member. In some cases, FRP may be used for the material.
[0019]
  One electrophoresis tank may be used, or two or more electrophoresis tanks may be connected and used as necessary. For example, a submarine type electrophoresis apparatus generally uses one electrophoresis tank, but a vertical electrophoresis apparatus, a cylindrical type, or a capillary type electrophoresis apparatus combines two electrophoresis tanks. Is generally used. When two or more electrophoresis tanks are used, each of the electrophoresis tanks can be connected by an arbitrary communication member to move the buffer solution. Examples of the communication member include a capillary tube and a hollow tube. In addition, when using several migration tanks, the shape, size, etc. of each migration tank may be the same, and may differ.
[0020]
electrode
  The electrode may be an electrode generally used in an electrophoresis apparatus, and the material, shape, size and the like are not particularly limited. For example, the anode can be formed in the form of a thin wire, a rod, a thin film, a thin plate, or the like from a conductive material resistant to a buffer solution, such as platinum, a platinum plating material, or carbon. Taking the case where an anode made of a thin wire (platinum) is attached to the box-type migration tank of the above size as an example, the size of the anode is about 122 mm in length and about 0.25 mm in diameter.
  Similar to the anode, the material, shape, size and the like of the cathode are not particularly limited. It can be formed in the same shape and the same size from the same material as the anode.
[0021]
Buffer
  The buffer solution used in the electrophoresis tank may be a buffer solution generally used in an electrophoresis apparatus. The buffer solution is usually configured to contain an electrolyte and a solvent in which the electrolyte is dissolved, and an optional additive is used in combination as necessary. In particular, in the present invention, as will be described in detail below, a barrier substance is used in the vicinity of each electrode in order to prevent the buffer solution from coming into direct contact with the electrode.
[0022]
〔Electrolytes〕
  The electrolyte may be a compound commonly used in electrophoresis apparatus buffers. Suitable electrolytes include, but are not limited to, for example, the compounds listed below. In the following compound names, letters or abbreviations enclosed in parentheses are common names of the corresponding compounds. In addition, the following compound may be used independently and may be used in combination of 2 or more types of compounds. N- (2-acetamido) -2-aminoethanesulfonic acid (ACES), N- (2-acetamido) iminodiacetic acid (ADA), acetic acid, N- (2-aminoethyl) trimethylammonium chloride (CHOLAMINE), ascorbine Acid, ammonia solution, barbituric acid, benzenekexacarboxylic acid (mellitic), benzenepentacarboxylic acid, benzene-1,2,4,5-tetracarboxylic acid (pyromellitic), benzene-1,2,3-tricarboxylic acid (Hemimeric),
[0023]
  Benzene-1,3,5-tricarboxylic acid (trimesic), benzoic acid, N, N-bis (2-hydroxyethyl) -2-aminoethanesulfonic acid (BES), N, N-bis (2-hydroxyethyl) Gilicin (BICINE), bis (2-hydroxyethyl) imino-tris (hydroxymethyl) methane (BIS-TRIS), boric acid, brucine tetrahydrate, butane-1,2,3,4-tetracarboxylic acid, n -Butyric acid, carbonic acid, citric acid, cyclohexanediacetic acid, 3-cyclohexylamino-1-propanesulfonic acid (CAPS), cyclopentanediacetic acid, cyclopentanediacetic acid (3,3-tetramethyleneglutaric acid), cyclopentanetetra- 1,2,3,4-carboxylic acid, diethylamine, dimethylamine, 2,2-dimethylglu Phosphoric acid, 3,3-dimethylglutaric acid, dimethylmalonic acid, 2,2-dimethylsuccinic acid, 2,2-diethylsuccinic acid, 3,6-endomethylene-1,2,3,6-tetrahydrophthalic acid ( EMTA), ethanolamine, ethylamine, ethylenediaminetetraacetic acid (EDTA),
[0024]
  Formic acid, fumaric acid, glycerophosphoric acid, glycinamide, glycine, N-glycylglycine, hippuric acid, histidine, N-2-hydroxyethylpiperazine-N'-2-ethanesulfonic acid (HEPES), hydroxylamine, 2-hydroxy Ethylimino-tris (hydroxymethyl) methane (MONO-TRIS), 4- (2-hydroxyethyl) -1-piperazinepropanesulfonic acid (EPPS), imidazole, itaconic acid, lactic acid, maleic acid, malic acid, malonic acid, Mandelic acid, methylamine, 2-methylpropane-1,2,3-triscarboxylic acid, 2- (N-morpholino) -ethanesulfonic acid (MES), 2- (N-morpholino) -propanesulfonic acid (MOPS) , Nitric acid, succinic acid, propane-1,2,3-tricarboxylic acid (trica ballyllic), pyrophosphoric acid, phosphoric acid, phthalic acid, 1,4-piperazinebis (ethanesulfonic acid) (PIPES), propionic acid, pyridine, salicylic acid, succinic acid, sulfuric acid, tartaric acid, triethylamine, tris (hydroxymethyl) aminomethane (TRIS), N-tris (hydroxymethyl) methyl-2-aminoethanesulfonic acid (TES), N-tris (hydroxymethyl) methylglycine (TRICINE), N-tris (hydroxymethyl) methyl-2-aminopropanesulfone Acid (TAPS), trimethylamine, etc.
[0025]
  In these compounds, when the compound is an acid, in addition to use as an acid, lithium, sodium, potassium, magnesium, calcium, barium, zinc, molybdenum, manganese, iron, nickel, copper, tin, The use as a complex compound with a metal ion such as aluminum is also included. Moreover, when it is a base, the use as a compound combined with the following arbitrary acids is also included.
[0026]
〔solvent〕
  The electrolyte is used by dissolving in an arbitrary solvent in order to prepare a buffer solution. Suitable solvents are not limited to those listed below, but include, for example, water, heavy water or water-soluble organic solvents such as monohydric alcohols, dihydric alcohols, trihydric alcohols or polyhydric alcohols, primary alcohols, Secondary alcohol, tertiary alcohol or higher alcohol, acetonitrile, acetone, acetylacetone, dimethylformamide, ethylene glycol, N-ethylformamide, dimethylsulfoxide, 1,4-dioxane, ethylene glycol, N-methylamide, pyridine, tetrahydrofuran, etc. Can be mentioned. These solvents may be used alone or in combination of two or more.
[0027]
  [Barrier ingredients]
  In the electrophoresis apparatus of the present invention, it is essential that a barrier substance is interposed between the electrode and the buffer solution contained in the electrophoresis tank. The barrier substance neutralizes acidic and alkaline substances generated during electrophoresis, removes electrolysis products with strong oxidizing power and reducing power, stably supplies a supporting electrolyte to the electrophoretic site, and Is used mainly for the purpose of preventing convection caused by the gas generated by the electrolysis reaction, and usually contains a barrier substance on the cathode side and the anode side of the portion where electrophoresis is performed in the electrophoresis tank. It is used in the form of a barrier compartment or barrier chamber. The barrier substance used in the practice of the present invention is not particularly limited as long as it exhibits the above-described effects and does not adversely affect the desired electrophoretic properties. Suitable barrier components are not limited to those listed below, but besides concentrated solutions such as glycerol, heavy water, etc., concentrated buffers, reducing substances such as sulfite and thiosulfate, or Oxidizing substances or metals such as iron powder, chelating substances, etc. These barrier substances may be used alone or in combination of two or more.
[0028]
  The barrier substance is used in the form of isolating the electrode from the buffer solution in the vicinity of the electrode in the electrophoresis tank. The barrier material can be used in various states, but is preferably used in the form of a solution barrier, a paste-like barrier, or a gel-like barrier. The barrier in any state can be easily prepared. The solution barrier, paste-like barrier, or gel-like barrier may be infiltrated with a buffer solution in contact therewith, or may be contained otherwise. The concentration of the buffer contained in these barriers can vary over a wide range, but is defined by the electrolyte concentration and is usually about 1 nM to 1 M, expressed by the molar concentration at the time of use, preferably It is about 1 mM to 500 mM. However, in solution barriers, paste-like barriers, or gel-like barriers, the electrolyte does not have to be completely dissociated, and depending on the conditions, there is a solid or micelle state or complex that can be dissociated into the electrolyte. Also good.
[0029]
  The cathode-side barrier includes a composition that forms any one of the above anionic electrolytes, or sometimes two or more anionic electrolytes, or dissociates to form an anionic electrolyte. It is necessary to be. The type of electrolyte added to the cathode side barrier is not limited unless it is a cationic electrolyte that significantly changes the electrical resistance around the electrode by adsorbing the electrode. On the other hand, the barrier on the anode side includes any one of the above cation electrolytes, or sometimes two or more cation electrolytes, or a composition that dissociates to form a cation electrolyte. It is necessary to be. The type of electrolyte added to the anode-side barrier is not limited unless it is an anionic electrolyte that significantly changes the electrical resistance around the electrode by adsorption to the electrode.
[0030]
  Furthermore, in order to adjust the conductivity in the barrier or to form an electrically conductive phase different from the barrier layer made of an aqueous solution at an arbitrary position in the vicinity of the electrode, the ionic solution may be added to the barrier substance and the electrolyte or added separately. Can also be used. Examples of the ionic liquid suitable for adjusting the conductivity include imidazolium salt derivatives, pyridinium salt derivatives, phosphonium salts, and tetraalkylammonium salts. In the practice of the present invention, it may be preferable to adjust the dissociation state so that the equilibrium state of the electrolyte in the solution barrier, paste-like barrier or gel-like barrier is moved and the barrier portion does not have too high conductivity. is there. In such a case, the present inventors have found that it is preferable to further contain a water-soluble organic solvent in order to adjust the dissociation state in the barrier.
[0031]
  Suitable water-soluble organic solvents include, for example, monohydric alcohols, dihydric alcohols, trihydric alcohols or polyhydric alcohols, primary alcohols, secondary alcohols, tertiary alcohols or higher alcohols, acetonitrile, acetone, acetylacetone, Examples thereof include dimethylformamide, ethylene glycol, N-ethylformamide, dimethyl sulfoxide, 1,4-dioxane, ethylene glycol, N-methylamide, pyridine, and tetrahydrofuran. These organic solvents may be used alone or in combination of two or more solvents for preparing a solution. In the obtained barrier solution, the concentration of the barrier substance is not particularly limited, but is about 0.1 to 99% by weight, preferably about 1 to 80% by weight, as the concentration at the time of use. It is also desirable to include additional additives for different purposes in the preparation of solution barriers, paste-like barriers or gel-like barriers depending on the form of each barrier.
[0032]
  For example, various saccharides such as saccharose, polysaccharides such as starch, high specific gravity substances such as ethylene glycol, polyethylene glycol, polyvinyl alcohol, dextran, Ficoll (registered trademark), and Percol (registered trademark) in addition to the above barrier components. Add to the barrier, or otherwise add a viscosity-enhancing substance to the solution barrier to form a paste-like barrier, preventing mixing of these barriers with the buffer at the site of electrophoresis that contacts the barrier It is desirable to have work. In the resulting solution-like barrier or paste-like barrier, the concentration of the barrier substance is not particularly limited, but the concentration at the time of use is about 2 to 99% by weight, preferably about 5 to 80% by weight. In the case of preparing a gel-like barrier, for example, it is not limited to those listed below, but polyacrylamide gel, agarose gel, composite gel, protein nucleic acid enzyme, Vol. 43, No. 15, 2191, 1998. The elastic gel described in Polymers for advanced Technologies vol. 11, p. The elastomer gel etc. which are described in 481 (2000) can be used. These gels can include an electrolyte. The composition of the electrolyte to be included may be the same as or different from the composition of the electrolyte at the electrophoresis site, or may be adjusted with an electrolyte having another composition.
[0033]
  Furthermore, an additive component that enables visual observation of the state of stabilization and pH value in a solution barrier, paste-like barrier or gel-like barrier, in other words, an additive that can visually show the state is used. You can also As such an additive, for example, various pH indicators are effective. When a pH indicator is added, there is an advantage that a part of the state of mixing the barrier substance and the buffer solution at the electrophoresis site can be visualized by the movement of the color of the pH indicator. Suitable pH indicators include, for example, alizarin red S, alizarin yellow R, benzoperpurine 48, brilliant cresyl blue, brilliant yellow, bromocresol green, bromocresol purple, bromophenol blue, bromophenol red, bromothymol blue, chlorophenol Red, clayton yellow, congo red, cresol red, o-cresolphthalein, m-cresol purple, curcumin, 2,4-dinitrophenol, 2,6-dinitrophenol, eriochrome black, erythrosine, ethyl orange, indigo carmine, Indigo sulfonic acid, lactoid, malachite green, methanyl yellow, methyl orange, methyl red, methyl violet, methyl yellow , Naphtholbenzene, neutral red, nitramine, m-nitrophenol, p-nitrophenol, phenolphthalein, phenol red, quinaldine red, resazurin, thiazole yellow G, thymol blue, thymolphthalein, 1,3,5-tri Nitrobenzene, 2,4,6-trinitrotoluene, tropeoline and the like can be mentioned.
[0034]
[Barrier structure]
  In the electrophoresis apparatus of the present invention, the above-described barrier substance is preferably used in the form of a barrier structure in which the barrier substance is incorporated. The barrier structure preferably defines the barrier material for electrophoresis of the present invention, a barrier chamber in which the barrier material is held in contact with one of the anode and the cathode constituting the electrode, and the barrier chamber. And at least one partition wall. The barrier chamber is usually advantageously formed by combining a partition wall with the side wall and bottom wall of the electrophoresis tank. The barrier structure prevents the convection generated by the gas generated by the electrolysis reaction from reaching the site where electrophoresis is performed, and at the same time allows the barrier substance of the present invention to exist stably. A typical example of the barrier structure is as shown in FIGS. 1, 2 and 3 in the form of an electrophoresis tank containing the barrier structure.
[0035]
  The electrophoresis tanks shown in FIG. 1, FIG. 2 and FIG. 3 can be applied to different electrophoresis methods. For example, the electrophoresis tank shown in FIG. 1 can be used for, for example, submarine electrophoresis, pulse field electrophoresis, and the like. Moreover, the electrophoresis tank of FIG. 2 can be used for a DNA sequencer, a vertical electrophoresis method generally used for protein separation and analysis, and the like. Furthermore, the electrophoresis tank shown in FIG. 3 can be used for cylindrical or capillary electrophoresis. Hereinafter, each electrophoresis tank will be described in more detail. The electrophoresis tank shown in Fig. 1 has a structure that can be used for submarine type electrophoresis and pulse field electrophoresis, and this structure is slightly modified so that a separation medium such as a gel is sandwiched between upper and lower parts by a glass plate. If the structure is such that there is no conductive buffer solution, it can be applied to horizontal electrophoresis.
[0036]
  1 is a cross-sectional view of an electrophoresis tank of a submarine type electrophoresis apparatus. In the case of the electrophoresis tank 10, an anode 14 (1) made of a platinum wire and a cathode 14 (2) made of a platinum wire are disposed at the portions where the side wall and the bottom wall are in contact with each other. An output power source 19 is connected to the anode 14 (1) and the cathode 14 (2). In the electrophoresis tank 10, the buffer solution 1 is accommodated up to a level of 1L. Further, inside the migration tank 10, the first partition 11 having a beam structure (beam), the second partition 13 having a sill structure (sill), and the side wall and bottom wall of the migration tank 10 are barriers. A chamber is formed. Here, the first partition wall 11 extending downward from the upper surface of the migration tank 10 opens at the lower part of the migration tank 10, and the second partition wall 13 extending upward from the lower surface of the migration tank 10 is a buffer solution. Terminates in the middle of 1. Further, in the formed barrier chamber, the solution-like or paste-like barrier substance 12 surrounds the anode 14 (1) and the cathode 14 (2) up to the upper end of the second partition wall 13, that is, up to the level 12L. Is retained.
[0037]
  A platform 16 for placing a sample is provided at a substantially central portion of the electrophoresis tank 10. A separation medium 15 such as a gel, which is a sample, is placed on the platform 16. In the case of the illustrated example, the separation medium 15 has a rectangular shape that is long horizontally, but may have other forms. The composition of the solution or paste-like barrier material may be the same or different on the anode side and the cathode side. Similarly, the other components of the electrophoresis tank 10 may be left-right symmetric or left-right asymmetric. FIG. 2 is a cross-sectional view of the electrophoresis tank of the vertical electrophoresis apparatus. As shown in the figure, the migration tank includes two migration tanks 20 (1) and 20 (2) to which an anode 24 (1) and a cathode 24 (2) are attached, respectively. Both the anode 24 (1) and the cathode 24 (2) are made of a platinum wire, and an output power source 29 is connected thereto. In the electrophoresis tanks 20 (1) and 20 (2), the buffer solution 1 is accommodated.
[0038]
  Further, inside the two migration tanks 20 (1) and 20 (2), a first partition wall 21 having a beam structure (beam) and a second partition wall 23 having a sill structure (sill), respectively, A barrier chamber is formed by the side wall and the bottom wall of the migration tank 20. In each migration tank, as in the migration tank 10 of FIG. 1, the first partition 21 opens at the bottom of the migration tank 10, and the second partition 23 terminates in the middle of the buffer 1. is doing. In the formed barrier chamber, a solution-like or paste-like barrier substance 22 is held so as to surround the anode 24 (1) or the cathode 24 (2) up to the level 22L. Furthermore, in the illustrated migration tanks 20 (1) and 20 (2), a packing member 26 is fitted so as to close the space formed by the separated first partition wall 21 and second partition wall 23. The packing member 26 is effective in preventing unnecessary mixing of the solution barrier, paste-like barrier, or gel-like barrier with the buffer solution at the electrophoresis site. As the packing member 26, polyacrylamide gel, agarose gel, composite gel, elasticized gel, elastomer gel, or the like can be used. Also, various porous materials such as filter paper and sponges can be used as the packing member 26 only when the gas generated by the electrode is less likely to adhere to the inside or surface of the porous material. .
[0039]
  The electrophoresis tanks 20 (1) and 20 (2) arranged above and below are connected by a conduit formed by combining glass plates (not shown), and a gel or the like is placed inside the conduit. The separation medium 25 is filled. FIG. 3 is a cross-sectional view of an electrophoresis tank of a cylindrical electrophoresis apparatus. As shown in the figure, this electrophoresis tank is composed of a glass tube (which may be a capillary tube or the like) as a communicating member filled with a separation medium 35 such as a gel, except for the difference in its mounting position. It has the same configuration as the electrophoresis tank shown in FIG. In order to avoid duplication, the electrophoresis tank of FIG. 3 includes two electrophoresis tanks 30 (1) and 30 (2) to which an anode 34 (1) and a cathode 34 (2) are respectively attached. ing. In addition, the buffer solution 1 is accommodated in the migration tanks 30 (1) and 30 (2), respectively.
[0040]
  Further, inside the two migration tanks 30 (1) and 30 (2), a barrier chamber is formed by the first partition wall 31, the second partition wall 33, and the side wall and bottom wall of the migration tank 30, respectively. ing. In the barrier chamber, a solution-like or paste-like barrier substance 32 is held so as to surround the anode 34 (1) or the cathode 34 (2). A packing member 36 is fitted so as to close the space formed by the first partition wall 31 and the second partition wall 33. The three types of electrophoresis tanks have been described above with reference to FIGS. 1 to 3. The combinations of the constituent elements shown in the figure include chip electrophoresis, preparative electrophoresis, electrochromatography, and the like. It can be advantageously applied to electric point electrophoresis. The present invention also resides in a sample analysis method using electrophoresis. The sample analysis method of the present invention is characterized by using the electrophoresis apparatus of the present invention having the above-described configuration. There are no particular limitations on the sample (also referred to as an analyte or test sample) to be analyzed, as long as it can be separated, analyzed and identified by electrophoresis. Examples of suitable samples include biological samples such as biomolecules such as DNA, RNA, and protein. Further, for example, DNA and protein complexes, artificial and natural pigments, powder suspension samples, carbon nanotubes, and the like can be cited as examples of samples.
[0041]
  Specific examples of the sample analysis method of the present invention are not limited to those enumerated below, but size specification and fractionation of DNA (plasmids and PCR products), DNA sequencing, protein separation and analysis, fractionation, etc. Is included. Since these analysis methods can be performed according to a conventional method, for details of the analysis method, refer to the detailed description of technical books, patent documents, and the like. As can be easily understood from the matters described in detail above and specifically explained in the following examples, according to the present invention, barrier substances are provided on the cathode side and the anode side of the site where electrophoresis is performed. By placing a barrier structure having a barrier chamber and containing a buffer solution or a concentrated solution of the supporting electrolyte for electrophoresis, the acidic and alkaline substances generated during electrophoresis can be reduced. It is possible to provide a mechanism for neutralizing or removing electrolysis products having strong oxidizing power and reducing power, and further stably supplying the supporting electrolyte to the electrophoresis site. At the same time, by devising the configuration and shape of the electrophoresis tank so that the barrier substance stays stably at the same site, convection of the buffer solution caused by the gas generated by the electrolysis reaction can be prevented at the same time.
【Example】
[0042]
  EXAMPLES Hereinafter, although this invention is demonstrated with reference to the Example and comparative example, this invention is not limited by the following Example. In the following example, the submarine type electrophoresis apparatus schematically shown in FIGS. 4A and 4B or 5 having the same configuration as the electrophoresis apparatus described above with reference to FIG. 1 is required. It was used after making changes as appropriate. That is, the illustrated electrophoresis apparatus basically has the following configuration. The electrophoresis apparatus shown in FIGS. 4A and 4B includes an electrophoresis tank 40, and an anode 44 (1) and a cathode 44 (2) made of platinum wire are attached to both ends of the bottom of the electrophoresis tank 40, respectively. ing. The anode 44 (1) and the cathode 44 (2) are disposed on the electrode installation portion 48 that is slightly higher from the bottom of the migration tank 40 so as to face in parallel in the vertical direction. The anode 44 (1) and the cathode 44 (2) are connected to an output power source (not shown). In order to form the barrier chamber of the present invention, a first partition wall 41 having a beam (beam) structure and a second partition wall 43 having a sill (sill) structure are attached inside the migration tank 40. ing. A barrier chamber is formed by the side wall and the bottom wall of the migration tank 10. A barrier substance (not shown) is added to the barrier chamber. Here, the first partition wall 11 extending downward from the upper surface of the electrophoresis tank 10 opens at the lower part of the electrophoresis tank 10, and a gel-like separation medium 45 that is a sample is provided at a substantially central portion of the electrophoresis tank 40. Is provided.
[0043]
  The electrophoresis apparatus shown in FIG. 5 has the same configuration as the apparatus shown in FIGS. 4A and 4B, but has no beam on the cathode side. Using the electrophoresis apparatus shown in the figure, the experiment was conducted at normal temperature and with a constant voltage (Example 1 to Example 5: 100 volts; Example 6 to Example 7: 42 volts). The gel 45 used in Examples 1 to 5 was 2% agarose, the gel thickness was 6 mm, and the length was 6 cm. The gel 45 was placed on the platform 46 as shown. In Examples 6 and 7, a medium 55 in which a gel piece containing about 0.2 g of a polyacrylamide gel fragmented in a dialysis tube 1 cm in diameter and 1 cm in length filled with an electrophoresis buffer is suspended. Was placed on the platform 56. The buffer solution for electrophoresis was poured and fixed until the volume reached 1.1 cm above the platform 46. During the experiment, it was confirmed by a level that the electrophoresis apparatus was placed horizontally.
[0044]
  In Examples 1 to 5, before and after the start of the electrophoresis experiment, 5 mm away from both ends of the platform 46 toward the anode 44 (1) and the cathode 44 (2), respectively, and from the liquid surface A buffer solution (test solution) having a volume of 0.5 mL was fractionated from a depth of 5 mm. In Examples 6 and 7, the depth of 5 mm from the surface of the buffer solution 1 at the center of the platform 56, or the depth of 5 mm from the liquid surface immediately above the second partition wall (sill) 53 on the anode side, or Examples 1 to 5 From the same position on the anode side and cathode side as in the above, a buffer solution having a volume of 0.5 mL was collected. The test solution collected at each position was kept warm under the same conditions of 25 ° C., and then its pH value and conductivity (mS / cm) were measured.
[0045]
Example 1 (Comparative Example) In this example, for comparison, an electrophoresis experiment was performed by omitting the use of a barrier chamber and a barrier substance. That is, the electrophoresis apparatus used in this example is obtained by removing the partition walls 41 and 43 from the apparatus shown in FIGS. 4A and 4B. The dimensions of the electrophoresis apparatus were as follows. Length a of migration tank 40: 136.6 mm, length b: 152.8 mm, height c of first partition wall (beam structure) 41: 45 mm, distance d between first partition walls 41 facing each other: 127 mm, The distance e of the first partition wall 41 from the side wall of the electrophoresis tank 40 is 12.6 mm, the height g of the platform 46 is 24 mm, and the width f is 60 mm. The buffer used in this example is commonly called “1 × TAE”, and its composition was Tris-acetate: 40 mM and EDTA: 1 mM. When the experiment was repeated for 0 to 60 minutes, the experimental results described in Table 1 below were obtained. In the case of this example, it was observed that the difference in pH and conductivity between the cathode side and the anode side became remarkable as the time required for electrophoresis increased.
[Table 1]
Figure 0004814216
[0046]
Example 2 In this example, an electrophoresis experiment was performed using a barrier chamber and a barrier material. That is, the electrophoresis apparatus used in this example is the apparatus itself shown in FIGS. 4A and 4B, and the size and the like are not changed. The buffer used in this example was the same as that used in Example 1, and the composition was Tris-acetate: 40 mM and EDTA: 1 mM. The barrier material placed in the barrier chamber was used in the form of a solution, the composition of which was tris-acetate: 932 mM, EDTA: 23.3 mM and glycerol: 53% (v / v). 8 mL of this solution barrier was poured into each of the barrier chambers on the anode side and the cathode side. When the experiment was repeated for 0 to 180 minutes, the experimental results described in Table 2 below were obtained. In the case of this example, it was observed that, compared with Example 1, it was stable for longer than 1 hour, and the difference in pH and conductivity between the cathode side and the anode side was small.
[Table 2]
Figure 0004814216
[0047]
  Example 3 The procedure described in Example 2 was repeated, but in this example, the composition of the barrier material was changed as follows. The buffer used in this example was the same as that used in Example 1, and the composition was Tris-acetate: 40 mM and EDTA: 1 mM. The barrier substance placed in the barrier chamber is used in the form of a solution, the composition of which is tris-acetate: 770 mM, EDTA: 19.2 mM, glycerol: 38.5% (v / v) and 1,3-butanediol. : 14.4% (v / v). 8 mL of this solution barrier was poured into each of the barrier chambers on the anode side and the cathode side. When the experiment was repeated for 0 to 180 minutes, the experimental results described in Table 3 below were obtained. In the case of this example, it was observed that the difference in pH and conductivity between the cathode side and the anode side was small and stable for up to 2 hours compared to Example 1 and Example 2.
[Table 3]
Figure 0004814216
[0048]
Example 4 (Comparative Example) In this example, for comparison, an electrophoresis experiment was performed by omitting the use of a barrier chamber and a barrier substance. That is, the electrophoresis apparatus used in this example is obtained by removing the partition walls 41 and 43 from the apparatus shown in FIGS. 4A and 4B. The dimensions of the electrophoresis apparatus are as described in Example 1. The buffer used in this example is commonly called “0.5 × TBE”, and its composition was tris-borate: 44.5 mM and EDTA: 1 mM. When the experiment was repeated for 0 to 180 minutes, the experimental results described in Table 4 below were obtained. In the case of this example, it was observed that the difference in pH between the cathode side and the anode side became remarkable as the time required for electrophoresis increased.
[Table 4]
Figure 0004814216
[0049]
Example 5
In this example, an electrophoresis experiment was performed using a barrier chamber and a barrier substance. That is, the electrophoresis apparatus used in this example is the apparatus itself shown in FIGS. 4A and 4B, and the size and the like are not changed. The buffer used in this example was the same as that used in Example 4, and the composition was tris-borate: 44.5 mM and EDTA: 1 mM. The barrier substance placed in the barrier chamber is used in the form of a solution, the composition of which is tris-borate: 178 mM, EDTA: 4 mM, glycerol: 40% (v / v) and 1,3-butanediol: 15% ( v / v). 8 mL of this solution barrier was poured into each of the barrier chambers on the anode side and the cathode side. When the experiment was repeated for 0 to 180 minutes, the experimental results described in Table 5 below were obtained. In the case of this example, it was observed that the difference in conductivity between the cathode side and the anode side was small until about 3 hours and was small. No change was observed at pH.
[Table 5]
Figure 0004814216
[0050]
Example 6(Comparative example)
  In this example, for comparison, an electroelution experiment, which is a type of electrophoresis, was performed without using a barrier substance. That is, this example is a result in a state where no barrier substance is added to the anode in FIG. The dimensions of the electrophoresis apparatus are as described in Example 1. The buffer used in this example was Tris-hydrochloric acid, and its composition was Tris: 375 mM, and titrated with hydrochloric acid so that the pH was 8.9. When the experiment was repeated for 0 to 60 minutes, the results shown in Table 6 below were obtained. In the case of this example, as the time required for electroelution increased, an increase in hypochlorous acid having strong oxidizing power was observed at the center of the platform and the upper part of the partition wall (sil) on the anode side.
[Table 6]
Figure 0004814216
[0051]
Example 7
  In this example, an electroelution experiment, which is a type of electrophoresis, was performed using a barrier substance. That is, this example is a result in a state where a barrier substance is added to the anode in FIG. The dimensions of the electrophoresis apparatus are as described in Example 1. The buffer used in this example was Tris-hydrochloric acid, and its composition was Tris: 375 mM, and titrated with hydrochloric acid so that the pH was 8.9. 8 ml of a 75% (w / w) glycerol solution (made with distilled water) containing 1.25% (w / w) of sulfurous acid capable of reducing hypochlorous acid was added to the barrier chamber of the anode. When the experiment was repeated for 0 to 60 minutes, the results shown in Table 7 below were obtained. In the case of this example, hypochlorous acid having strong oxidizing power was not observed at all in the center of the platform or the upper part of the partition wall (sil) on the anode side until 1 hour. In addition, no leakage of sulfurous acid from the barrier chamber was observed on the platform where electroelution should be performed.
[Table 7]
Figure 0004814216
[Industrial applicability]
[0052]
  In the electrophoretic method, a potential gradient is formed, and an observation target is separated and analyzed by the driving force. Therefore, the stable conductivity at the electrophoresis site retained by the present invention leads to the stability and reproducibility of the analysis results. In addition, by removing the stable pH environment or the electrolysis products having strong oxidizing power and reducing power at the electrophoresis site held by the present invention, the charged state of the observation target can be made constant, and the stability of the observation target is also improved. In some cases, this also leads to stability and reproducibility of the analysis results. Because of such remarkable operational effects, the present invention can be used widely and advantageously from separation and analysis of various samples to fractionation.

Claims (13)

陽極及び陰極からなる電極を備えた電気泳動装置において前記電極と泳動槽内の緩衝液との直接接触を防止するために用いられる電気泳動用バリアー構造体であって、
電極近傍の電気分解反応により生成する酸性及び(又は)アルカリ性物質を中和可能な化合物からなるかもしくは電気分解産物と反応するか、又はこれを吸収し、電気分解産物の量を減少可能な化合物からなる電気泳動用バリアー物質と、
それぞれ、前記電極のいずれか一方と前記バリアー物質とを接触させた状態で前記バリアー物質を保持した2つのバリアー室と、
前記バリアー室をそれぞれ規定する少なくとも1個の隔壁とを含んでなることを特徴とする電気泳動用バリアー構造体。
A barrier structure for electrophoresis used to prevent direct contact between the electrode and a buffer solution in an electrophoresis tank in an electrophoresis apparatus including an electrode composed of an anode and a cathode,
Compounds that can neutralize acidic and / or alkaline substances generated by electrolysis near the electrode, react with electrolysis products, or absorb them and reduce the amount of electrolysis products An electrophoretic barrier material comprising:
Two barrier chambers each holding the barrier material in a state where any one of the electrodes is in contact with the barrier material;
A barrier structure for electrophoresis, comprising at least one partition wall defining each of the barrier chambers.
前記バリアー物質は、溶液、糊またはゲルの形態を有していることを特徴とする請求項1に記載の電気泳動用バリアー構造体。The barrier structure for electrophoresis according to claim 1, wherein the barrier substance has a form of a solution, glue, or gel. 前記バリアー物質は、前記バリアー物質の機能を安定化可能な物質及び(又は)前記バリアー物質の機能が安定化された状態を表示可能な物質をさらに含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の電気泳動用バリアー構造体。The barrier material further includes a material capable of stabilizing the function of the barrier material and / or a material capable of displaying a state in which the function of the barrier material is stabilized. The barrier structure for electrophoresis as described. 前記バリアー室において、前記隔壁から露出した前記バリアー物質は、前記泳動槽内の緩衝液と接触していることを特徴とする請求項1〜3のいれか1項に記載の電気泳動用バリアー構造体。In the barrier chamber, the barrier material exposed from the partition wall, for electrophoresis as claimed in claim 1 Neu not Re preceding paragraphs, characterized in that in contact with the buffer of the electrophoresis tank Barrier structure. 前記隔壁は、電気泳動中に電極の近傍で引き起こされる電気分解反応で生み出されるガスによる緩衝液の対流を防止もしくは抑止する位置に配置されていることを特徴とする請求項1〜4のいれか1項に記載の電気泳動用バリアー構造体。The septum claims 1-4 Neu not, characterized in that it is arranged to prevent or deter located convection buffer with a gas produced by the electrolysis reaction in the electrophoresis caused in the vicinity of the electrode 2. The barrier structure for electrophoresis according to claim 1. 前記隔壁は、電極に近い位置に梁の形で垂直に配置されかつ前記バリアー物質が移動可能な開口を下端部に備えた第1の隔壁と、該第1の隔壁よりも電極から離れた位置に敷居の形で垂直に配置されかつ前記バリアー物質と前記緩衝液とが接触可能に上端部が緩衝液中で終端している第2の隔壁とからなることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の電気泳動用バリアー構造体。The partition wall is vertically disposed in the form of a beam near the electrode and has an opening at the lower end portion through which the barrier material can move, and a position farther from the electrode than the first partition wall. 6. A second partition wall arranged vertically in the form of a sill and having an upper end terminating in the buffer solution so that the barrier substance and the buffer solution can come into contact with each other. The barrier structure for electrophoresis according to any one of the above. 前記第1の隔壁と前記第2の隔壁との間に、電気伝導性を有する弾性パッキング部材をさらに有していることを特徴とする請求項6に記載の電気泳動用バリアー構造体。The barrier structure for electrophoresis according to claim 6, further comprising an elastic packing member having electrical conductivity between the first partition wall and the second partition wall. 泳動槽と、それぞれ泳動槽の所定の位置に配置された陽極及び陰極からなる電極と、泳動槽内に収容された緩衝液とを含む電気泳動装置であって、
請求項1〜7のいれかに記載の電気泳動用バリアー構造体をさらに備えることを特徴とする電気泳動装置。
An electrophoresis apparatus comprising an electrophoresis tank, an electrode composed of an anode and a cathode respectively disposed at predetermined positions of the electrophoresis tank, and a buffer solution contained in the electrophoresis tank,
Electrophoresis apparatus characterized by further comprising a electrophoresis barrier structure according to claim 7 or Re without noise.
縦型電気泳動法、横型電気泳動法、サブマリン型電気泳動法、円柱型電気泳動法、キャピラリー型電気泳動法、チップ型電気泳動法、分取用電気泳動法、電気クロマトグラフィー法、パルスフィールド電気泳動法又は等電点電気泳動法に基づくことを特徴とする請求項8に記載の電気泳動装置。Vertical electrophoresis, Horizontal electrophoresis, Submarine electrophoresis, Cylindrical electrophoresis, Capillary electrophoresis, Chip electrophoresis, Preparative electrophoresis, Electrochromatography, Pulse field electricity The electrophoresis apparatus according to claim 8, wherein the electrophoresis apparatus is based on an electrophoresis method or an isoelectric focusing method. サブマリン型電気泳動法に基づくものであり、前記泳動槽が単一の泳動槽からなり、その泳動槽内の緩衝液に試料もしくは試料含有媒体を浸漬することを特徴とする請求項8又は9に記載の電気泳動装置。10. The method according to claim 8, wherein the electrophoretic tank comprises a single electrophoretic tank, and a sample or a sample-containing medium is immersed in a buffer solution in the electrophoretic tank. The electrophoresis apparatus as described. 縦型電気泳動法、円柱型電気泳動法又はキャピラリー型電気泳動法に基づくものであり、前記泳動槽が上下に離間して配置された2個の泳動槽からなり、それぞれの泳動槽に緩衝液が入れられ、かつそれらの泳動槽を連通した連通部材に試料もしくは試料含有媒体が含まれることを特徴とする請求項8からのいれか1項に記載の電気泳動装置。Based on vertical electrophoresis method, cylindrical electrophoresis method or capillary electrophoresis method, the electrophoresis tank is composed of two electrophoresis tanks spaced apart from each other, and a buffer solution is provided in each electrophoresis tank. It is placed, and electrophoretic device according to 9 Neu without Re one of claims 8, characterized in that it contains a sample or sample containing medium to the communication member communicating their electrophoresis tank. 試料を電気泳動法によって分離もしくは分析する方法であって、請求項8〜11のいずれか1項に記載の電気泳動装置を使用することを特徴とする試料分析方法。A method for separating or analyzing a sample by electrophoresis, wherein the electrophoresis apparatus according to any one of claims 8 to 11 is used. 前記試料は、生体分子、色素及びカーボンナノチューブからなる群から選ばれる粉体であることを特徴とする請求項12に記載の試料分析方法。The sample analysis method according to claim 12, wherein the sample is a powder selected from the group consisting of biomolecules, dyes, and carbon nanotubes.
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