JP4803895B2 - インク、インクジェット用インク、インクジェット記録ヘッドのヒータへのコゲ付着低減方法、インクジェット記録方法、インクジェット記録装置、記録ユニット及び記録ヘッドの長寿命化方法 - Google Patents
インク、インクジェット用インク、インクジェット記録ヘッドのヒータへのコゲ付着低減方法、インクジェット記録方法、インクジェット記録装置、記録ユニット及び記録ヘッドの長寿命化方法 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、インク、インクジェット用インク、インクに熱エネルギーを印加するためのヒータ表面へのコゲの付着を低減するインクジェット記録ヘッドのヒータへのコゲ付着低減方法、インクジェット記録方法、インクジェット記録装置、記録ユニット、及びインクジェット記録ヘッドの長寿命化方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、インクジェット記録方法を用いた印刷には様々な方式が案出されているが、その中でも、例えば、特開昭54−51837号公報等に記載されているインクを熱エネルギーの作用によりインク滴として吐出させるインクジェット方法(所謂、バブルジェット法)は、高密度マルチノズルが非常に簡単であるため、高画質の画像が高速で且つ非常に安いコストで得られ、しかも特別なコート層等を有しない普通紙にも印刷できるという特徴を有している。この方法では、記録ヘッドのヒータが急速に加熱されることにより、ヒータ上の液体が気泡を発生して急激な体積の増大を起こし、この急激な体積の増大に基づく作用力によって記録ヘッド部先端のノズルより液滴が吐出、飛翔して被記録材に付着して印刷が行われる。
【0003】
しかしながら、この方法では、インクを吐出させる度に記録ヘッドのヒータが繰り返し加熱されるので、大量の印刷を行うと、ヒータ面にインクの分解物(所謂コゲ)が堆積することがある。コゲが堆積すると、ヒータからインクに熱エネルギーが有効に伝わらず、吐出する液滴量や吐出する液滴の速度が初期と比べて減少し、それが画像品質に影響を及ぼしてしまうといった問題が生じる。この場合、高い品質の印刷を続けて得ようとすると記録ヘッドを交換する必要があり、このような状況はユーザにとってトータルでの印刷コストの上昇に繋がる。
【0004】
従って、このような状況をもたらす可能性のあるヒータ上へのコゲの付着をより一層減少させ、記録ヘッドのより一層の長寿命化を図ることは、バブルジェット記録方式においては、常に、より一層の改善を目指すべき場合の重要な技術課題の一つとなっている。例えば、特開平3−160070号公報には、オキソ陰イオンを含むインクが提案されている。そして、オキソ陰イオンとして、リン酸塩、ポリリン酸塩、リン酸エステル、ヒ酸塩、モリブデン酸塩、硫酸塩、亜硫酸塩、及びシュウ酸塩が挙げられている。
【0005】
しかしながら、この様なインクでは、インクの吐出を繰り返す過程において、これらのリン酸塩、ポリリン酸塩、リン酸エステル、ヒ酸塩、モリブデン酸塩、硫酸塩、亜硫酸塩、及びシュウ酸塩が、発熱抵抗体上に形成されているタンタル等の金属及び/又は金属の酸化物からなるインクと接する最表面保護膜を溶解し、ヒータが断線したりして、インクの吐出を不能にするという問題がある。又、コゲの付着防止能力も不十分である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、記録ヘッド内のインクに対して熱エネルギーを印加して、該インクを記録ヘッドから吐出させるためのヒータ表面へのコゲの付着をより一層低減することのできるインク、及びインクジェット記録ヘッドのヒータへのコゲ付着低減方法を提供することを目的とする。又、本発明の他の目的は、より一層の高品質な印刷を可能とし、更に、記録ヘッドのより一層の長寿命化を達成することのできるインクジェット記録方法、及びインクジェット記録装置を提供することにある。又、本発明の他の目的は、より長期間に亘り高品質な印刷を行なうことのできる記録ユニットを提供することにある。更に、本発明の他の目的は、優れた品質の印刷を、より一層の低コスト化で達成し得る記録ヘッドの長寿命化方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的は、下記の本発明によって達成することができる。即ち、本発明は、(a)色材、(b)液媒体、(c)クエン酸、酒石酸、乳酸、リンゴ酸、グルコン酸、α−グリセロリン酸、β−グリセロリン酸、及びこれらの塩から選ばれる少なくとも1種、及び(d)アミノ基とスルホン基とを有している酸及び/又はその塩、を含んでなることを特徴とするインク、及び、本発明の別の形態は、インクに熱エネルギーを印加してオリフィスから該インクを吐出させるためのヒータと該ヒータを保護するための金属及び/又は該金属の酸化物を含む最表面保護層を備えた記録ヘッドを有するインクジェットプリンタに使用されるインクであって、該インクが、上記のインクであることを特徴とするインクジェット用インクである。又、本発明の別の形態は、インクに熱エネルギーを印加してオリフィスから吐出させる工程を含むインクジェット記録方法において、該インクが、上記のインクジェット用インクであることを特徴とするインクジェット記録方法である。
【0008】
上記構成のインクジェット記録方式のインクジェットプリンタに、上記した構成の本発明のインクを用いて画像を形成した場合には、インクに熱エネルギーを印加してオリフィスからインクを吐出させるためのヒータの最表面保護層を溶解することなく、ヒータの最表面保護層へのコゲの付着を極めて有効に低減させることが可能となる。
【0009】
本発明のインクを用いることで、このようなコゲ付着低減効果が得られる理由は明らかでないが、本発明者らの検討によれば、インク中に上記(c)成分、又は(d)成分を夫々単独に含有させた場合よりも、これらを組合わせて使用した場合の方がヒータ表面へのコゲ付着が低減され、ヘッド寿命を長期化できることが確認できた。このことから、上記効果は、インク中に含有させた(c)成分と(d)成分との相乗効果によるものと推測される。又、本発明者らの更なる検討の結果、インク中の(c)成分の使用は、特に、コゲの付着の防止、或いはコゲの分解、コゲのヒータ表面からの剥離を促進させる一方、(d)成分の使用は、ヒータ表面の最表面保護層を構成する金属及び/又は金属の酸化物の溶解を抑制し、ヘッド寿命を向上させることも推測された。そして、このような(d)成分を使用することによる効果は、(d)成分として、アミノ基の他にスルホン基を有している酸を用いた場合に特に顕著であることがわかった。この結果、コゲ防止効果とヘッドの長寿命化との双方を極めて高いレベルで満たすことができるインクが得られる
【0010】
更に、ヒータの最表面保護層に含まれる金属/その酸化物が、タンタル/タンタルの酸化物である場合に、上記したコゲの付着低減効果、及び最表面保護層の溶解防止効果はより顕著なものとなることが分かった。
更に、インクに熱エネルギーを印加してオリフィスからインクを吐出させるためのヒータに対して投入するエネルギー量をEop、インクを吐出させるために最低限必要な上記ヒータへの投入エネルギー量をEthとしたときに、Eop/Ethの値が下記の関係を満たすように該ヒータへのエネルギー投入量を設定することで、上記したコゲ防止効果はより一層優れたものとできることもわかった。
1.10≦Eop/Eth≦1.90
【0011】
又、前記した本発明の目的を達成することのできるインクジェット記録装置の一実施態様は、インクを収容しているインク収容部、該インク収容部から導かれたインク流路内のインクに熱エネルギーを付与するヒータを有するインクジェット記録用ヘッド、及び記録情報に応じて上記ヒータにパルス状の電気信号を印加する手段を具備しているインクジェット記録装置であって、上記ヒータが金属及び/又は該金属の酸化物を含む最表面保護層を具備し、且つ、上記インクが、(a)色材、(b)液媒体、(c)クエン酸、酒石酸、乳酸、リンゴ酸、グルコン酸、α−グリセロリン酸、β−グリセロリン酸、及びこれらの塩から選ばれる少なくとも1種、及び(d)アミノ基とスルホン基とを有している酸及び/又はその塩、を含んでなるインクであることを特徴とするインクジェット記録装置が挙げられる。
【0012】
又、前記した本発明の目的を達成することのできる記録ユニットの一実施態様は、インクを収容しているインク収容部と、該インクを熱エネルギーの作用によりオリフィスから吐出させるためのインクジェット記録用ヘッド部とを有する記録ユニットであって、該インクジェット記録用ヘッドは、該ヒータに熱エネルギーを印加するための金属及び/又は該金属の酸化物を含む最表面保護層を備えたヒータを具備し、且つ、上記インクが、(a)色材、(b)液媒体、(c)クエン酸、酒石酸、乳酸、リンゴ酸、グルコン酸、α−グリセロリン酸、β−グリセロリン酸、及びこれらの塩から選ばれる少なくとも1種、及び(d)アミノ基とスルホン基とを有している酸及び/又はその塩、を含んでなるインクであることを特徴とする記録ユニットが挙げられる。
【0013】
更に、前記した本発明の目的を達成することのできる記録ヘッドの長寿命化方法の一実施態様は、インクに熱エネルギーを印加してオリフィスから吐出させる工程を含むインクジェット記録方法に用いられるインクに熱エネルギーを付与するヒータを具備している記録ヘッドの長寿命化方法であって、該ヒータに金属及び/又は該金属の酸化物を含む最表面保護層を設け、且つ、上記インクが、(a)色材、(b)液媒体、(c)クエン酸、酒石酸、乳酸、リンゴ酸、グルコン酸、α−グリセロリン酸、β−グリセロリン酸、及びこれらの塩から選ばれる少なくとも1種、及び(d)アミノ基とスルホン基とを有している酸及び/又はその塩、を含んでなるインクであることを特徴とする記録ヘッドの長寿命化方法が挙げられる。
尚、特開平6−220386号公報は、熱インクジェット方式に使用するインクジェット用インクに関し、ヒータの故障の防止、長期のインク保存安定性、ノズルの目詰りの防止等を目的として、特定の構造のアミン化合物を含むインクを開示し、該アミン化合物の一例として、β−アミノエタンスルホン酸(タウリン)が挙げられている。又、特開平10−36735号公報は、インク吐出性の改善を図ったインクジェット用インクとして2級又は3級アミン化合物から選択される少なくとも1つ以上の化合物と、アルカリ金属の水酸化物と、カルボキシル基を有する染料とを含むインクジェット記録用インクを開示しており、当該インクにキレート化剤としてEDTA、EDMA、NTA等を添加しても良いことが記載されている。しかし、これらの先行技術には、本発明の構成は何ら開示されておらず、又その効果を示唆する記載は一切ない。
【0014】
【発明の実施の形態】
次に、好ましい実施の形態を挙げて、本発明をより詳細に説明する。
先ず、本発明にかかるインクについて説明する。該インクは、(a)色材、(b)液媒体、(c)ポリリン酸、ジカルボン酸、ポリアミノカルボン酸、アルドン酸、ヒドロキシカルボン酸、ポリオールリン酸エステル、及びこれらの塩から選ばれる少なくとも1種、及び(d)アミノ基とスルホン基とを有している酸及び/又はその塩を構成成分として含んでなる。本発明者らは、インクを熱エネルギーの作用によりインク滴として吐出させるインクジェット記録方法において、該インクジェット記録用ヘッドのヒータ上に付着するコゲを低減する方法について鋭意検討した結果、使用するインクに、上記の(c)成分と、上記(d)成分とを併用すれば、非常に効果的にコゲの発生を低減することができ、更に、ヒータの最表面保護層を構成する金属及び/又はその金属の酸化物が溶解せず、記録ヘッドの長寿命化が図れることを知見して本発明に至った。以下、本発明のインクの各構成成分について説明する。
【0015】
<(c)成分>
先ず、本発明にかかるインクを特徴づける(c)成分について述べる。
本発明で使用する(c)成分は、ポリリン酸、ジカルボン酸、ポリアミノカルボン酸、アルドン酸、ヒドロキシカルボン酸、ポリオールリン酸エステル、及びこれらの塩から選ばれる。
【0016】
更に具体的には、ポリリン酸類としては、例えば、ピロリン酸、トリポリリン酸、ヘキサメタリン酸等が挙げられ、ポリアミノカルボン酸類としては、例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸等のジカルボン酸類、エチレンジアミン四酢酸、イミノ二酢酸、ニトリロトリ酢酸等が挙げられ、アルドン酸としては、例えば、グリコール酸、グリセリン酸、グルコン酸、ガラクトン酸、グルコヘプトン酸が挙げられ、ヒドロキシカルボン酸類(別名、オキシカルボン酸類)としては、例えば、クエン酸、リンゴ酸、乳酸、グリコール酸、グリセリン酸、マンデル酸、酒石酸等が挙げられ、ポリオールリン酸エステル類としては、例えば、α−グリセロリン酸、β−グリセロリン酸等が挙げられる。
【0017】
これらの中でも、クエン酸、グルコン酸(固体ではδ−グルコノラクトン及びγ−グルコノラクトンの型で存在する)、リンゴ酸、乳酸、グリコール酸、酒石酸等のヒドロキシカルボン酸類(別名、オキシカルボン酸類)やα−グリセロリン酸、β−グリセロリン酸等が水に対する溶解性が高いので好ましく、更には、クエン酸、グルコン酸が特に好ましい。更に、(c)成分としては、酸型で使用してもよいが、塩型で使用してもよい。具体的には、アルカリ金属塩、アンモニウム塩、或いは、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン等の有機アミン塩等の型で使用してもよい。
【0018】
(c)成分として、塩を使用する場合には、塩型で市販されている化合物をそのまま使用してもよいが、アルカリ剤を添加して有機酸の塩型を作成して使用してもよい。この際に用いるアルカリ剤としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア水(水酸化アンモニウム)、有機アミン(例えば、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラ−n−プロピルアンモニウムヒドロキシド等)が挙げられる。有機酸の塩としては、上記した中でもアンモニウム塩を用いることが好ましい。
【0019】
本発明にかかるインクを作製する場合に、上記に挙げたような(c)成分は、単独で使用することは勿論、上記に挙げたような化合物の中から2種類以上を選択して併用してもよい。上記の(c)成分の総含有量は、インク全量に対して0.005〜20重量%の範囲で使用することが好ましく、更には、インク全量に対して0.05〜12重量%の範囲で含有させることがより好ましい。この範囲とすることで、後述する(d)成分との共存下において、優れたコゲの低減効果を有し、又、記録ヘッドのノズル詰まり等の生じにくいインクを得ることができる。
【0020】
<(d)成分>
次に、上記した(c)成分と共にインクの構成成分に使用することで、前記した本発明の優れた効果を得る(d)成分について述べる。本発明においては、(d)成分として、アミノ基とスルホン基とを有している酸及び/又はその塩を用いる。
【0021】
アミノ基を有する酸の中でもスルホン基を有する化合物は、水への溶解性が高く、前記したようにヘッド寿命を向上させる効果が高いので好ましい。具体的には、アミド硫酸(別名:スルファミン酸)、アミノメタンスルホン酸、タウリン(別名:2−アミノエタンスルホン酸)が挙げられる。これらの中でも特に、タウリン(別名:2−アミノエタンスルホン酸)が入手容易であるので好ましい。
【0022】
又、上記(d)成分を使用する場合には、塩型で市販されている化合物を使用してもよいし、下記に挙げるようなアルカリ剤を添加して有機酸の塩型を作成して使用してもよい。アルカリ剤としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア水(水酸化アンモニウム)、有機アミン(例えば、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラ−n−プロピルアンモニウムヒドロキシド等)が挙げられる。中でも、(d)成分として、アミノ基を有する有機酸のアンモニウム塩を使用することが好ましい。
【0023】
又、これらの化合物は単独で使用することは勿論、2種類以上を併用することもできる。上記成分(d)の総含有量は、インク全量に対して0.005〜20重量%とすることが好ましく、更には、インク全量に対して0.05〜12重量%の範囲で含有させることが好ましい。即ち、このような範囲とすることで、前記(c)成分と共存している状況において、優れたコゲの低減効果を有し、且つノズル詰まり等の生じにくいインクを得ることができる。
【0024】
又、本発明にかかるインクにおいては、インク中における前記した(c)成分の含有量と、上記した(d)成分の総含有量の重量比が、20:1〜1:20とすることが好ましい。重量比がこの範囲内であると、ヒータへのコゲ付着低減効果が十分発揮され、又、ヒータの最表面保護層の損傷も極めて有効に抑制することができる。
【0025】
<(a)色材>
次に、本発明にかかるインクの(a)成分である色材について説明する。色材としては、染料及び顔料の少なくとも一方を用いるのが好ましい。
【0026】
(染料)
染料としては、直接染料、酸性染料、塩基性染料、分散染料等あらゆる染料を用いることができる。
【0027】
具体的には、例えば、下記に挙げるものが適宜に使用できる。しかし、これらに限定されるものではない。
C.I.ダイレクトブラック−4、同−9、同−11、同−17、同−19、同−22、同−32、同−80、同−151、同−154、同−168、同−171、同−194、同−195、
C.I.ダイレクトブルー−1、同−2、同−6、同−8、同−22、同−34、同−70、同−71、同−76、同−78、同−86、同−142、同−199、同−200、同−201、同−202、同−203、同−207、同−218、同−236、同−287、
C.I.ダイレクトレッド−1、同−2、同−4、同−8、同−9、同−11、同−13、同−15、同−20、同−28、同−31、同−33、同−37、同−39、同−51、同−59、同−62、同−63、同−73、同−75、同−80、同−81、同−83、同−87、同−90、同−94、同−95、同−99、同−101、同−110、同−189、同−225、同−227、
C.I.ダイレクトイエロー−1、同−2、同−4、同−8、同−11、同−12、同−26、同−27、同−28、同−33、同−34、同−41、同−44、同−48、同−86、同−87、同−88、同−132、同−135、同−142、同−144、
【0028】
C.I.フードブラック−1、同−2、
C.I.アシッドブラック−1、同−2、同−7、同−16、同−24、同−26、同−28、同−31、同−48、同−52、同−63、同−107、同−112、同−118、同−119、同−121、同−172、同−194、同−208、
C.I.アシッドブルー−1、同−7、同−9、同−15、同−22、同−23、同−27、同−29、同−40、同−43、同−55、同−59、同−62、同−78、同−80、同−81、同−90、同−102、同−104、同−111、同−185、同−254、
C.I.アシッドレッド−1、同−4、同−8、同−13、同−14、同−15、同−18、同−21、同−26、同−35、同−37、同−52、同−249、同−257、同−289、
C.I.アシッドイエロー−1、同−3、同−4、同−7、同−11、同−12、同−13、同−14、同−19、同−23、同−25、同−34、同−38、同−41、同−42、同−44、同−53、同−55、同−61、同−71、同−76、同−79、
【0029】
C.I.リアクティブブルー−1、同−2、同−3、同−4、同−5、同−7、同−8、同−9、同−13、同−14、同−15、同−17、同−18、同−19、同−20、同−21、同−25、同−26、同−27、同−28、同−29、同−31、同−32、同−33、同−34、同−37、同−38、同−39、同−40、同−41、同−43、同−44、同−46、
C.I.リアクティブレッド−1、同−2、同−3、同−4、同−5、同−6、同−7、同−8、同−11、同−12、同−13、同−15、同−16、同−17、同−19、同−20、同−21、同−22、同−23、同−24、同−28、同−29、同−31、同−32、同−33、同−34、同−35、同−36、同−37、同−38、同−39、同−40、同−41、同−42、同−43、同−45、同−46、同−49、同−50、同−58、同−59、同−63、同−64、同−180、
C.I.リアクティブイエロー−1、同−2、同−3、同−4、同−6、同−7、同−11、同−12、同−13、同−14、同−15、同−16、同−17、同−18、同−22、同−23、同−24、同−25、同−26、同−27、同−37、同−42、
C.I.リアクティブブラック−1、同−3、同−4、同−5、同−6、同−8、同−9、同−10、同−12、同−13、同−14、同−18、
プロジェットファストシアン2(Zeneca社)、プロジェットファストマゼンタ2(Zeneca社)、プロジェットファストイエロー2(Zeneca社)、プロジェットファストブラック2(Zeneca社)等。
【0030】
(顔料)
顔料としては、無機顔料や有機顔料等、あらゆる顔料を用いることができる。具体的には、下記に挙げるものを使用できる。しかし、これに限定されるものではない。
【0031】
カーボンブラック、
C.I.ピグメントイエロー−1、同−2、同−3、同−12、同−13、同−14、同−16、同−17、同−73、同−74、同−75、同−83、同−93、同−95、同−97、同−98、同−114、同−128、同−129、同−151、同−154、同−195、
C.I.ピグメントレッド−5、同−7、同−12、同−48(Ca)、同−48(Mn)、同−57(Ca)、同−57:1、同−57(Sr)、同−112、同−122、同−123、同−168、同−184、同−202、
C.I.ピグメントブルー−1、同−2、同−3、同−15:3、同−15:34、同−16、同−22、同−60、
C.I.ヴァットブルー−4、同−6等。
【0032】
(分散剤)
上記に挙げたような顔料をインクの色材として使用する場合には、顔料をインク中で安定に分散させるために、分散剤を使用することが好ましい。分散剤としては、高分子分散剤や界面活性剤系分散剤等を用いることができる。高分子分散剤としては、例えば、ポリアクリル酸塩、スチレン−アクリル酸共重合物塩、スチレン−メタクリル酸共重合物塩、スチレン−アクリル酸−アクリル酸エステル共重合物塩、スチレン−マレイン酸共重合物塩、アクリル酸エステル−マレイン酸共重合物塩、スチレン−メタクリルスルホン酸共重合物塩、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合物塩、β−ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物塩、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、及びポリビニルアルコール等を使用することができる。これらの中でも、特に、重量平均分子量が1,000〜30,000で、酸価が100〜430の範囲のものが好ましい。界面活性剤系分散剤としては、例えば、ラウリルベンゼンスルホン酸塩、ラウリルスルホン酸塩、ラウリルベンゼンカルボン酸塩、ラウリルナフタレンスルホン酸塩、脂肪族アミン塩、及びポリエチレンオキサイド縮合物等が挙げられる。これらの分散剤の使用量は、顔料の重量:分散剤の重量=10:5〜10:0.5の範囲とすることが好ましい。
【0033】
(自己分散型カーボンブラック)
本発明にかかるインクにおいては、色材として、例えば、特開平5−186704号公報や特開平8−3498号公報に記載されているような、カーボンブラックの表面に水溶性基を導入することにより自己分散が可能になったカーボンブラックも使用できる。このような自己分散が可能なカーボンブラックを使用すれば、上記に挙げたような分散剤を必ずしも使用する必要がなくなる。
【0034】
インクの色材として用いる上記に挙げたような染料及び顔料は、1種類で用いてもよいし、又は、2種以上を組合わせて用いてもよい。又、これら染料及び顔料の濃度は限定されないが、通常は、インク全量に対して0.1〜20重量%の範囲から適宜に選択される。
【0035】
<(b)液媒体>
次に、本発明にかかるインクを構成する(b)成分としての液媒体について説明する。液媒体としては、水を含むものを使用することが好ましく、特に、水と水溶性有機溶剤との混合媒体を用いることが好ましい。水は、種々のイオンを含有する一般の水ではなく、脱イオン水を使用することが望ましい。又、水の含有量としては、水性インク全量に対して、好ましくは35〜96重量%の範囲である。水溶性有機溶剤は、インクの粘度を使用上好ましい適当な粘度に調整するためと、インクの乾燥速度を遅らせたり、色材の溶解性を高め記録ヘッドのノズルの目詰まりを防止する等の種々の目的で用いられる。
【0036】
上記において使用する水溶性有機溶剤としては、具体的には、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、n−ペンタノール等の炭素数1〜5のアルキルアルコール類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類;アセトン、ジアセトンアルコール等のケトン又はケトアルコール類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のオキシエチレン又はオキシプロピレン共重合体;エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2,6−ヘキサントリオール等のアルキレン基が2〜6個の炭素原子を含むアルキレングリコール類;グリセリン;トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン;エチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル、ジエチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル、トリエチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル等の低級アルキルエーテル類;トリエチレングリコールジメチル(又はエチル)エーテル、テトラエチレングリコールジメチル(又はエチル)エーテル等の多価アルコールの低級ジアルキルエーテル類;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン類;スルホラン、N−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等が挙げられる。上記の如き水溶性有機溶剤は、単独でも或いは混合物としても使用することができる。
【0037】
<添加剤>
更に、本発明にかかるインクには、上記の成分の他に、必要に応じて、従来公知の一般的な各種添加剤、例えば、粘度調整剤、pH調整剤、防かび剤、防腐剤、酸化防止剤、消泡剤、界面活性剤や、尿素等のノズル乾燥防止剤等を適宜に添加して用いることができる。
【0038】
<インクの物性>
又、上記のような組成を有する本発明にかかるインクは、インクジェット記録に好適に用いられる。このため、本発明のインクの物性として好適な範囲は、25℃付近でのpHが3〜12、より好ましくは4〜10、表面張力が好ましくは10〜60mN/m(dyn/cm)、より好ましくは15〜50mN/m(dyn/cm)、粘度が好ましくは1〜30cps、より好ましくは1〜10cpsの範囲である。
【0039】
<インクジェット記録方法及び記録装置>
本発明にかかるインクを用いて記録を行う好適な方法は、記録ヘッドの室内のインクに記録信号に対応した熱エネルギーを与え、該エネルギーにより液滴を発生させるインクジェット記録方法であるが、この様な本発明のインクが好適に使用される記録装置について、図を用いて以下に説明する。
【0040】
(記録方法)
先ず、熱エネルギーを利用したインクジェット記録装置の主要部であるヘッド構成の一例を図1及び図2に示す。図1は、インク流路に沿ったヘッド13の断面図であり、図2は、図1のA−B線での切断面図である。ヘッド13は、インクを通す流路(ノズル)14を有するガラス、セラミック、シリコン、ポリサルホン又はプラスチック板等と、発熱素子基板15とを接着して得られる。発熱素子基板15は、酸化シリコン、窒化シリコン、炭化シリコン等で形成される保護層16−1、白金等の金属又は白金の酸化物等の金属の酸化物、好ましくは、タンタル又はタンタルの酸化物等で形成される最表面保護層16−2、アルミニウム、金、アルミニウム−銅合金等で形成される電極17−1及び17−2、ハフニウムボライド、窒化タンタル、タンタルアルミニウム等の高融点材料から形成される発熱抵抗体層18、酸化シリコン、酸化アルミニウム等で形成される蓄熱層19、シリコン、アルミニウム、窒化アルミニウム等の放熱性のよい材料で形成される基板20よりなっている。
【0041】
上記ヘッド13の電極17−1及び17−2にパルス状の電気信号が印加されると、発熱素子基板15のnで示される領域(ヒータ)が急速に発熱し、この表面に接しているインク21に気泡が発生し、その圧力でメニスカス23が突出し、インク21がヘッドのノズル14を通して吐出し、吐出オリフィス22よりインク小滴24となり、被記録材25に向かって飛翔する。図3には、図1に示したヘッドを多数並べたマルチヘッドの一例の外観図を示す。このマルチヘッドは、マルチノズル26を有するガラス板27と、図1に説明したものと同じような発熱ヘッド28を接着して作られている。
【0042】
(ヒータへの印加エネルギー量)
次に、r値について説明する。r値とは、バブルジェットヘッドがぎりぎり吐出可能な臨界エネルギーに対する実際に投入するエネルギーの比を表わす因子である。即ち、バブルジェットヘッドに印加するパルスの幅をPとし(複数のパルスを分割して与える時はその合計幅)、印加する電圧をV、ヒータの抵抗をRとする時、投入エネルギーEは、下記式(A)で表される。
E=P×V2/R (A)
この時、バブルジェットヘッドがぎりぎり吐出できる最低限必要なヒータへのエネルギーをEthとし、実際に駆動を行う時の投入エネルギーをEopとすれば、r値は、下記式(B)で与えられる。
r=Eop/Eth (B)
【0043】
そして、バブルジェットヘッドの駆動条件からr値を求める方法としては、実用上、以下の(1)及び(2)の二つの方法で行われる。
(1)パルス幅が固定している場合;
先ず、与えられたパルス幅で、バブルジェットヘッドが吐出する適当な電圧を見つけて駆動する。次に、徐々に電圧を下げてゆき、吐出が止まる電圧を見つける。この電圧の直前の吐出可能な最小電圧をVthとする。実際に駆動で使用されている電圧をVopとすれば、r値は、下記式(C)で求められる。
r=(Vop/Vth))2 (C)
【0044】
(2)電圧が固定している場合;
先ず、与えられた電圧で、バブルジェットヘッドが吐出する適当なパルス幅を見つけて駆動する。次に、徐々にパルス幅を短くしてゆき、吐出が止まるパルス幅を見つける。このパルス幅の直前の吐出可能な最小パルス幅をPthとする。実際に駆動で使用されているパルス幅をPopとすれば、r値は、下記式(D)で求められる。
r=Pop/Pth (D)
【0045】
尚、ここでの電圧値はバブルジェットヒータを発熱させるためにヒータ部に実際にかかる電圧である。ヘッドの外部から投入した電圧は、接点や配線抵抗等で電圧降下することがあるので、r値の厳密な意味での算出には用いることはできない。しかし、ヘッドの外部からVthとVopの測定を行う場合、これらの電圧変動分が両方の値に含めて測定されるので、電圧変動分が大きくない限り、これらの値を直接用いてr値を計算しても誤差は少なく、よって、これによる値を便宜的にr値として用いることができる。
【0046】
又、実際のプリンターで記録を行っている際には、複数のヒータが駆動されるために1つのヒータに対する電圧がこの影響を受けて変動する可能性があることに注意する必要がある。
更に、式(A)と式(B)から、同一r値においては、Vの2乗とPは反比例するように見えるが、実際には、パルス波形が矩形にならない等の電気的問題、パルス波形が異なるとヒータ周辺の熱拡散が異なる等の熱的問題、電圧が異なるとヒータからインクへの熱流束が異なり発泡状態が変化する等のバブルジェット特有の問題等があって、Vの2乗とPは単純な関係にはない。従って、上記(1)及び(2)で述べた方法は、夫々独立して扱われなければならず、一方の値から計算で他方の値に変換することは誤差を生じる原因となることに注意しなければならない。本発明では、特に断らない限り、上記(1)の方法で求めた値をr値とした。
【0047】
インクの安定的な吐出のためには、上記のようにして得られるr値が1.12〜1.96程度となるような条件で駆動するのが一般的である。しかし、本発明のインクを用い、該インクに熱エネルギーを印加して記録ヘッドから吐出させる場合には、r値を所定の範囲、具体的には、1.10〜1.90の範囲で駆動させると、ヒータへのコゲの付着がより防止され、ひいては記録ヘッドのより一層の長寿命化を図ることができるため好ましい。
r値が上記の範囲である場合にコゲの付着が特に有効に防止でき、又、記録ヘッドの長寿命化を図れる理由は明らかでないが、本発明者らは、以下のように考えている。即ち、r値がこの範囲となるように駆動すれば、第一に、本発明のインク中に含有させた(d)成分がヒータの最表面保護層を保護し、該最表面保護層を構成する金属及び/又は該金属の酸化物の侵食を有効に防止でき、第二に、ヒータに過大にエネルギーが供給されてヒータ表面温度が過大に高くなることがなく、(c)成分による金属の侵食が過度に起こることがないためであると考えられる。
【0048】
図4に、このヘッドを組み込んだインクジェット記録装置の一例を示した。図4において、61はワイピング部材としてのブレードであり、その一端はブレード保持部材によって保持固定されており、カンチレバーの形態をなす。ブレード61は、記録ヘッド65による記録領域に隣接した位置に配置され、又、図4に示した装置例の場合は、記録ヘッド65の移動経路中に突出した形態で保持されている。
【0049】
62は記録ヘッド65の突出口面のキャップであり、ブレード61に隣接するホームポジションに配置され、記録ヘッド65の移動方向と垂直な方向に移動して、インク吐出口面と当接し、キャッピングを行う構成を備える。更に、63はブレード61に隣接して設けられるインク吸収体であり、ブレード61と同様、記録ヘッド65の移動経路中に突出した形態で保持される。上記のブレード61、キャップ62及びインク吸収体63によって吐出回復部64が構成され、ブレード61及びインク吸収体63によって、吐出口面の水分や塵埃等の除去が行われる。
【0050】
65は、吐出エネルギー発生手段を有し、吐出口を配した吐出口面に対向する被記録材にインクを吐出して記録を行う記録ヘッドであり、66は、該記録ヘッド65を搭載して記録ヘッド65の移動を行うためのキャリッジである。キャリッジ66はガイド軸67と摺動可能に係合し、キャリッジ66の一部は、モーター68によって駆動されるベルト69と接続(不図示)している。これによりキャリッジ66はガイド軸67に沿った移動が可能となり、記録ヘッド65による記録領域及びその隣接した領域の移動が可能となる。
【0051】
又、51は被記録材を挿入するための紙給部、52は不図示のモーターにより駆動される紙送りローラーである。これらの構成により記録ヘッドの65吐出口面と対向する位置へ被記録材が給紙され、記録が進行するにつれて排紙ローラー53を配した排紙部へと排紙される。以上の構成において、記録ヘッド65が記録終了してホームポジションへ戻る際、吐出回復部64のキャップ62は記録ヘッド65の移動経路から退避しているが、ブレード61は移動経路中に突出している。その結果、記録ヘッド65の吐出口がワイピングされる。
【0052】
尚、キャップ62が記録ヘッド65の吐出面に当接してキャッピングを行う場合、キャップ62は、記録ヘッドの移動経路中に突出するように移動する。記録ヘッド65がホームポジションから記録開始位置へ移動する場合、キャップ62及びブレード61は上記したワイピングの時の位置と同一の位置にある。この結果、この移動においても記録ヘッド65の吐出口面はワイピングされる。上述の記録ヘッドのホームポジションへの移動は、記録終了時や吐出回復時ばかりでなく、記録ヘッドが記録のために記録領域を移動する間に所定の間隔で記録領域に隣接したホームポジションへ移動し、この移動に伴って上記ワイピングが行われる。
【0053】
図5は、記録ヘッドにインク供給部材、例えば、チューブを介して供給されるインクを収容したインクカートリッジの一例を示す図である。ここで40は、供給用インクを収納したインク収容部、例えば、インク袋であり、その先端にはゴム製の栓42が設けられている。この栓42に針(不図示)を挿入することにより、インク袋40中のインクをヘッドに供給可能にする。44は廃インクを受容するインク吸収体である。インク収容部としてはインクとの接液面がポリオレフィン、特にポリエチレンで形成されているものが好ましい。
【0054】
本発明のインクジェット記録装置としては、上述のようにヘッドとインクカートリッジとが別体となったものに限らず、図6に示すようなそれらが一体になったものでもよい。図6において、70は記録ユニットであり、この中にはインクを収容したインク収容部、例えば、インク吸収体が収納されており、かかるインク吸収体中のインクが複数オリフィスを有するヘッド部71からインク滴として吐出される構成になっている。インク吸収体の材料としてはポリウレタンを用いることが本発明にとって好ましい。又、インク吸収体を用いず、インク収容部が内部にバネ等を仕込んだインク袋であるような構造でもよい。72はカートリッジ内部を大気に連通させるための大気連通口である。この記録ユニット70は図4に示す記録ヘッド65に換えて用いられるものであって、キャリッジ66に対して着脱自在になっている。
【0055】
【実施例】
次に、実施例、参考例及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、下記実施例により限定されるものではない。尚、文中「部」及び「%」とあるのは、特に断りのない限り重量基準である。
【0056】
<実施例1〜4>
先ず、下記に示す各成分を混合し、充分攪拌して溶解させた後、ポアサイズ0.2μmのミクロフィルター(富士写真フィルム(株)製)にて加圧濾過して実施例1のインクを調製した。
【0057】
【0058】
[評価1]
上記の実施例1のインクを用いて、記録信号に応じた熱エネルギーをインクに付与することによりインクを吐出させるオンデマンド型マルチ記録ヘッド[BC−02(キヤノン(株)製):ヒータ上の最表面保護層はタンタル及びタンタルの酸化物より成る]を有するインクジェット記録装置で、下記の条件でインクを吐出させて評価した。上記インクジェット記録装置のインクの吐出条件は、実施例1では、パルス幅1.1μs(on)+3.0μs(off)+3.2μs(on)、駆動周波数6,250Hzで、Vth(吐出するぎりぎりの臨界電圧)を実測し、r値=1.39に相当するVop(駆動電圧)をかけてインクを吐出させた。そして、この条件でインクジェット記録を行った場合の、インクジェット記録ヘッドにおける吐出耐久性及びヒータへのコゲ付着を下記の方法及び基準で夫々評価した。その結果を表1に示した。尚、Vop(駆動電圧)は、次の式より算出した。
Vop=√r×Vth
【0059】
又、実施例1のインクを用いて、r値=1.10に相当するVop(駆動電圧)で同様の評価をしたものを実施例2、r値=1.49に相当するVop(駆動電圧)で同様の評価をしたものを実施例3、r値=1.72に相当するVop(駆動電圧)で同様の評価をしたものを実施例4とし、結果を表1に示した。
【0060】
(1)吐出耐久性
実施例1〜4について、前記装置と駆動条件で連続吐出を行い、1×106発おきに記録ヘッドから吐出される液滴を容器に収集して、電子天秤で秤量した。容器の増加量より1×106発における平均の吐出液滴量を算出した。尚、連続吐出は1×108発まで行い、下記の基準で評価し、その結果を表1に示した。尚、ここでは評価B以上を実用に供し得るものと判断している。
A:9.9×107〜1×108発間の平均の吐出液滴量が0〜1×106発後の平均の吐出液滴量と比べて90%以上。
B:9.9×107〜1×108発間の平均の吐出液滴量が0〜1×106発後の平均の吐出液滴量と比べて90%未満〜70%。
C:9.9×107〜1×108発間の平均の吐出液滴量が0〜1×106発後の平均の吐出液滴量と比べて70%未満。
D:途中で吐出不能に陥った。
【0061】
(2)コゲ付着量
上記したヘッドの吐出耐久性評価で使用した記録ヘッドを終了後に分解し、吐出耐久に使用したノズルのヒータ表面を光学顕微鏡(倍率400倍)で観察して、コゲの付着量を下記の基準で評価した。
A:コゲの付着が殆ど見られない。
B:コゲの付着が僅かに見られる。
C:コゲの付着が多く見られる。
D:コゲの付着が非常に多く見られる。
【0062】
<実施例5、6、10、12及び参考例7、8、9、11>
更に、下記に示す各成分を混合し、充分攪拌して溶解させた後、ポアサイズ0.2μmのミクロフィルター(富士写真フィルム(株)製)にて加圧濾過して実施例及び参考例のインクを調製した。そして、得られた実施例及び参考例のインクを用いて、r値=1.72に相当するVop(駆動電圧)で評価すること以外は実施例1〜4と同様の方法で評価を行なった。その結果を表1に示した。
【0063】
【0064】
【0065】
(参考例7のインク組成)
・プロジェットファストブラック2(Zeneca社)
2部
・ジエチレングリコール 10部
・コハク酸 2部
・タウリン 1部
・水酸化ナトリウム 1部
・水 84部
【0066】
(参考例8のインク組成)
・プロジェットファストブラック2(Zeneca社)
2部
・ジエチレングリコール 10部
・クエン酸二アンモニウム 2部
・L−グルタミン酸 3部
・水酸化リチウム 0.1部
・水 82.9部
【0067】
(参考例9のインク組成)
・プロジェットファストブラック2(Zeneca社)
2部
・ジエチレングリコール 10部
・クエン酸二アンモニウム 2部
・L−アスパラギン酸 3部
・水酸化リチウム 0.1部
・水 82.9部
【0068】
【0069】
(参考例11のインク組成)
・プロジェットファストブラック2(Zeneca社)
2部
・ジエチレングリコール 10部
・二リン酸 2部
・タウリン 3部
・水酸化ナトリウム 0.2部
・アンモニア水28% 1部
・水 81.8部
【0070】
【0071】
【0072】
<比較例1〜9>
更に、下記に示す各成分を混合し、充分攪拌して溶解させた後、ポアサイズ0.2μmのミクロフィルター(富士写真フィルム(株)製)にて加圧濾過して比較例1〜9のインクを調製した。そして、得られた比較例1〜9のインクを用いて、r値=1.72に相当するVop(駆動電圧)で評価すること以外は実施例1〜4と同様にして、同様の評価を行なった。その結果を表2に示した。
【0073】
【0074】
【0075】
【0076】
【0077】
【0078】
【0079】
<実施例13〜16、19、21〜30、参考例17、18、20及び比較例6〜14>
下記に示す各成分を混合し、充分攪拌して溶解させた後、ポアサイズ0.2μmのミクロフィルター(富士写真フィルム(株)製)にて加圧濾過して実施例13〜16、19、21〜25及び参考例17、18、20の染料インクを夫々調製した。更に、下記に示すようにして顔料分散液を作製した後、得られた顔料分散液を用いて実施例26〜30の顔料インクを調製した。
【0080】
【0081】
【0082】
【0083】
【0084】
(参考例17のインク組成)
・プロジェットファストブラック2(Zeneca社)
2部
・ジエチレングリコール 10部
・乳酸アンモニウム50%水溶液 2部
・L−グルタミン酸 2部
・水酸化リチウム 0.02部
・水 83.98部
【0085】
(参考例18のインク組成)
・プロジェットファストブラック2(Zeneca社)
2部
・ジエチレングリコール 10部
・クエン酸二アンモニウム 2部
・L−アスパラギン酸 2部
・水酸化リチウム 0.02部
・水 83.98部
【0086】
【0087】
(参考例20のインク組成)
・プロジェットファストブラック2(Zeneca社)
2部
・ジエチレングリコール 10部
・二リン酸ナトリウム 2部
・タウリン 3部
・アンモニア水28% 1部
・水 82部
【0088】
【0089】
【0090】
【0091】
【0092】
【0093】
上記成分を混合し、ウォーターバスで70℃に加温し、樹脂成分を完全に溶解させる。この溶液にカーボンブラック「MA−100」(pH3.5;三菱化学(株)製)15部、2−プロパノール5部を加え、30分間プレミキシングを行った後、下記の条件で分散処理を行った。
【0094】
・分散機:サンドグライダー(五十嵐機械製)
・粉砕メディア:ジルコニウムビーズ 1mm径
・粉砕メディアの充填率:50%(体積)
・粉砕時間:3時間
更に、遠心分散処理(12,000rpm、20分間)を行い、粗大粒子を除去して顔料分散液1とした。
【0095】
[インクの調製]
上記のようにして得た顔料分散液1を用い、以下の各成分をビーカーにて混合し、25℃にて3時間撹拌し、この混合物をポアサイズ3.0μmのメンブランフィルター(住友電工(株)製)で加圧ろ過したものを実施例26のインクとした。
・顔料分散液1 30部
・ジエチレングリコール 10部
・2−プロパノール 2部
・クエン酸三アンモニウム 2部
・タウリン 1部
・水酸化ナトリウム 0.1部
・水 54.9部
【0096】
(実施例27のインク作成)
[顔料分散液2の調製]
市販の酸性カーボンブラック「MA77」(pH3;三菱化学(株)製)300gを水1,000mlによく混合した後、これに次亜塩素酸ソーダ(有効塩素濃度12%)450gを滴下して、100〜105℃で10時間攪拌した。得られたスラリーを東洋ろ紙No.2(アドバンティス社製)でろ過し、顔料粒子を十分に水洗した。この顔料ウェットケーキを水3,000mlに再分散し、電導度0.2μsまで逆浸透膜で脱塩した。更に、この顔料分散液(pH=8〜10)を顔料濃度10重量%に濃縮し、顔料分散液2を調製した。上記の方法によってカーボンブラックの表面には親水性の−COONa基が導入され、自己分散性が付与される。
【0097】
[インクの調製]
上記のようにして得た顔料分散液2を含む以下の各成分をビーカーにて混合し、25℃にて3時間撹拌した。この混合物をポアサイズ3.0μmのメンブランフィルター(住友電工(株)製)で加圧ろ過したものを実施例27のインクとした。
・顔料分散液2 30部
・グリセリン 5部
・トリメチロールプロパン 5部
・アセチレングリコールエチレンオキサイド付加物
(商品名:アセチレノールEH、
川研ファインケミカル製) 0.2部
・クエン酸三アンモニウム 2部
・タウリン 1部
・水酸化ナトリウム 0.1部
・水 56.7部
【0098】
(実施例28のインク作成)
[顔料分散液3の調製]
・スチレン−アクリル酸共重合体(酸価200、
平均分子量7,000) 5.5部
・モノエタノールアミン 1.0部
・イオン交換水 67.5部
・ジエチレングリコール 5.0部
【0099】
上記成分を混合し、ウォーターバスで70℃に加温し、樹脂分を完全に溶解させた。この溶液にC.I.Pigment Yellow 93を20部、イソプロピルアルコールを1.0部加え、30分間プレミキシングを行った後、下記の条件で分散処理を行なった。
【0100】
・分散機:サンドグラインダー
・粉砕メディア:ガラスビーズ 1mm径
・粉砕メディアの充填率:50%(体積)
・粉砕時間:3時間
更に遠心分離処理(12,000rpm、20分間)を行い、粗大粒子を除去して顔料分散液3とした。
【0101】
[インクの調製]
上記のようにして得た顔料分散液3を含む以下の各成分をビーカーにて混合し、25℃にて3時間撹拌したものを実施例28のインクとした。
【0102】
(実施例29のインク作成)
[顔料分散液4の調製]
・スチレン−アクリル酸共重合体(酸価200、
平均分子量7,000) 5.5部
・モノエタノールアミン 1.0部
・イオン交換水 67.5部
・ジエチレングリコール 5.0部
上記成分を混合し、ウォーターバスで70℃に加温し、樹脂分を完全に溶解させた。この溶液にC.I.Pigment Red 122を20部、イソプロピルアルコールを1.0部加え、30分間プレミキシングを行った後、下記の条件で分散処理を行なった。
【0103】
・分散機:サンドグラインダー
・粉砕メディア:ガラスビーズ 1mm径
・粉砕メディアの充填率:50%(体積)
・粉砕時間:3時間
更に遠心分離処理(12,000rpm、20分間)を行い、粗大粒子を除去して顔料分散液4とした。
【0104】
[インクの調製]
上記のようにして得た顔料分散液4を含む以下の各成分をビーカーにて混合し、25℃にて3時間撹拌したものを実施例29のインクとした。
【0105】
(実施例30のインク作成)
[顔料分散液5の調製]
・スチレン−アクリル酸共重合体(酸価200、
平均分子量7,000) 5.5部
・モノエタノールアミン 1.0部
・イオン交換水 67.5部
・ジエチレングリコール 5.0部
【0106】
上記成分を混合し、ウォーターバスで70℃に加温し、樹脂分を完全に溶解させた。この溶液にC.I.Pigment Blue 15:3を20部、イソプロピルアルコールを1.0部加え、30分間プレミキシングを行った後、下記の条件で分散処理を行なった。
【0107】
・分散機:サンドグラインダー
・粉砕メディア:ガラスビーズ 1mm径
・粉砕メディアの充填率:50%(体積)
・粉砕時間:3時間
更に遠心分離処理(12,000rpm、20分間)を行い、粗大粒子を除去して顔料分散液5とした。
【0108】
[インクの調製]
上記のようにして得た顔料分散液5を含む以下の各成分をビーカーにて混合し、25℃にて3時間撹拌したものを実施例30のインクとした。
【0109】
<比較例6〜14>
下記に示す各成分を混合し、充分攪拌して溶解させた後、ポアサイズ0.2μmのミクロフィルター(富士写真フィルム(株)製)にて加圧濾過して比較例6〜9の染料インクを夫々調製した。更に、実施例26〜30で調製した顔料分散液を用いて比較例10〜14の顔料インクを調製した。
【0110】
【0111】
【0112】
【0113】
【0114】
(比較例10のインク作成)
以下の各成分をビーカーにて混合し、25℃にて3時間撹拌したものを比較例10のインクとした。
・顔料分散液1 30部
・ジエチレングリコール 10部
・2−プロパノール 2部
・水酸化ナトリウム 0.1部
・水 57.9部
【0115】
(比較例11のインク作成)
以下の各成分をビーカーにて混合し、25℃にて3時間撹拌した。この混合物をポアサイズ3.0μmのメンブランフィルター(住友電工(株)製)で加圧ろ過したものを比較例11のインクとした。
・顔料分散液2 30部
・グリセリン 5部
・トリメチロールプロパン 5部
・アセチレングリコールエチレンオキサイド付加物
(商品名:アセチレノールEH、
川研ファインケミカル製) 0.2部
・水酸化ナトリウム 0.1部
・水 59.7部
【0116】
(比較例12のインク作成)
以下の各成分をビーカーにて混合し、25℃にて3時間撹拌したものを本発明に使用する比較例12のインクとした。
【0117】
(比較例13のインク作成)
以下の各成分をビーカーにて混合し、25℃にて3時間撹拌したものを比較例13のインクとした。
【0118】
(比較例14のインク作成)
以下の各成分をビーカーにて混合し、25℃にて3時間撹拌したものを比較例14のインクとした。
【0119】
[評価2]
上記の実施例13〜16、19、21〜30及び参考例17、18、20及び比較例6〜14のインクと、記録信号に応じた熱エネルギーをインクに付与することによりインクを吐出させるオンデマンド型マルチ記録ヘッド(BC−02(キヤノン(株)製):ヒータ上の最表面保護層はタンタル及びタンタルの酸化物より成る)を有するインクジェット記録装置を用い、下記の条件でインクを吐出させて評価した。上記インクジェット記録装置のインクの吐出条件は、パルス幅1.1μs(on)+3.0μs(off)+3.2μs(on)、駆動周波数6,250Hzで、Vth(吐出するぎりぎりの臨界電圧)を実測し、r値=1.39に相当するVop(駆動電圧)をかけてインクを吐出させた。そして、この条件でインクジェット記録を行った場合のインクジェット記録ヘッドにおける吐出耐久性及びヒータへのコゲ付着を下記の方法及び基準で評価した。インクの主組成及び評価結果については、表3−1に実施例13〜16、19、21〜25及び参考例17、18、20の染料インクについての結果を示し、表3−2に実施例26〜30の顔料インクについての結果を示し、更に、比較例6〜14のインクについては表4に示した。
【0120】
(1)吐出耐久性
実施例13〜16、19、21〜30及び参考例17、18、20及び比較例6〜14について、前記装置と駆動条件で連続吐出を行い、1×106発おきに記録ヘッドから吐出される液滴を容器に収集して、電子天秤で秤量した。容器の増加量より1×106発における平均の吐出液滴量を算出した。尚、連続吐出は1×108発まで行い、下記の基準で評価し、その結果を表3及び表4に示した。
A:9.9×107〜1×108発間の平均の吐出液滴量が0〜1×106発後の平均の吐出液滴量と比べて90%以上。
B:9.9×107〜1×108発間の平均の吐出液滴量が0〜1×106発後の平均の吐出液滴量と比べて90%未満〜70%。
C:9.9×107〜1×108発間の平均の吐出液滴量が0〜1×106発後の平均の吐出液滴量と比べて70%未満。
D:途中で吐出不能に陥った。
【0121】
(2)コゲ付着量
上記したヘッドの吐出耐久性評価で使用した記録ヘッドを終了後に分解し、吐出耐久に使用したノズルのヒータ表面を光学顕微鏡(倍率400倍)で目視して、コゲの付着量を下記の基準で評価し、その結果を表3及び表4に示した。
A:コゲの付着が殆ど見られない。
B:コゲの付着が僅かに見られる。
C:コゲの付着が多く見られる。
D:コゲの付着が非常に多く見られる。
【0122】
【0123】
【0124】
【0125】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、特に、熱エネルギーを利用したインクジェット記録において、記録ヘッドのヒータ上のコゲ付着が有効に低減され、更には、記録ヘッドの寿命を向上させることができるインク、インクジェット記録ヘッドのヒータへのコゲ付着低減方法、インクジェット記録方法、インクジェット記録装置、インクジェット記録ユニット及び記録ヘッドの長寿命化方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のインクジェット記録装置の記録ヘッドの一例を示す縦断面図である。
【図2】本発明のインクジェット記録装置の記録ヘッドの一例を示す横断面図である。
【図3】本発明の図1に示した記録ヘッドをマルチ化したヘッドの外観斜視図である。
【図4】本発明のインクジェット記録装置の一例を示す概略斜視図である
【図5】インクカートリッジの一例を示す内部構成斜視図である。
【図6】記録ユニットの一例を示す斜視図である。
【符号の説明】
13:記録ヘッド
14:インク溝
15:発熱ヘッド
16−1:保護膜
16−2:最表面保護膜
17−1、17−2:電極
18:発熱抵抗体層
19:蓄熱層
20:基板
21:インク
22:吐出オリフィス(微細孔)
23:メニスカス
24:インク小滴
25:被記録材
26:マルチ溝
27:ガラス板
28:発熱ヘッド
40:インク袋
42:栓
44:インク吸収体
45:インクカートリッジ
51:給紙部
52:紙送りローラー
53:排紙ローラー
61:ブレード
62:キャップ
63:インク吸収体
64:吐出回復部
65:記録ヘッド
66:キャリッジ
67:ガイド軸
68:モーター
69:ベルト
70:記録ユニット
71:ヘッド部
72:大気連通口
Claims (22)
- (a)色材、(b)液媒体、(c)クエン酸、酒石酸、乳酸、リンゴ酸、グルコン酸、α−グリセロリン酸、β−グリセロリン酸、及びこれらの塩から選ばれる少なくとも1種、及び(d)アミノ基とスルホン基とを有している酸及び/又はその塩、を含んでなることを特徴とするインク。
- 前記(c)成分の含有量が、インク全量に対して0.005〜20重量%、且つ、前記(d)成分の含有量が、インク全量に対して0.005〜20重量%である請求項1に記載のインク。
- 前記(c)成分と前記(d)成分との重量比が、20:1〜1:20である請求項1又は2に記載のインク。
- 前記(c)成分が、アンモニウム塩である請求項1〜3のいずれか1項に記載のインク。
- 前記(d)成分が、アンモニウム塩である請求項1〜4のいずれか1項に記載のインク。
- 前記(d)成分が、アミド硫酸(別名:スルファミン酸)、アミノメタンスルホン酸及びタウリンから選択される少なくとも1種である請求項1〜5のいずれか1項に記載のインク。
- 前記(b)成分が、水を含み、該水の含有量がインク全量に対して35〜96重量%である請求項1〜6のいずれか1項に記載のインク。
- 該インクが、インクジェット用インクである請求項1〜7のいずれか1項に記載のインク。
- インクに熱エネルギーを印加してオリフィスから該インクを吐出させるためのヒータと該ヒータを保護するための金属及び/又は該金属の酸化物を含む最表面保護層を備えた記録ヘッドを有するインクジェットプリンタに使用されるインクであって、該インクが、請求項8に記載のインクであることを特徴とするインクジェット用インク。
- 前記金属及び/又は金属の酸化物が、タンタル及び/又はタンタルの酸化物である請求項9に記載のインクジェット用インク。
- インクに熱エネルギーを印加してオリフィスから該インクを吐出させるためのヒータを備えた記録ヘッドを有するインクジェット記録装置におけるヒータ表面へのコゲの付着低減方法であって、上記ヒータが、金属及び/又は該金属の酸化物を含む最表面保護層を備え、且つ、上記インクが請求項8に記載のインクであることを特徴とするヒータへのコゲ付着低減方法。
- 前記金属及び/又は金属の酸化物が、タンタル及び/又はタンタルの酸化物である請求項11に記載のコゲ付着低減方法。
- インクを吐出させるためにヒータに投入するエネルギーをEopとし、記録ヘッドからインクを吐出させるために最低限必要なヒータへのエネルギー投入量をEthとしたとき、Eop/Ethが、下記の関係を満たす請求項11又は12に記載のコゲ付着低減方法。
1.10≦Eop/Eth≦1.90 - インクに熱エネルギーを印加してオリフィスから吐出させる工程を含むインクジェット記録方法において、該インクが、請求項8に記載のインクであることを特徴とするインクジェット記録方法。
- インクを収容しているインク収容部、該インク収容部から導かれたインク流路内のインクに熱エネルギーを付与するヒータを有するインクジェット記録用ヘッド、及び記録情報に応じて上記ヒータにパルス状の電気信号を印加する手段を具備しているインクジェット記録装置であって、上記ヒータが金属及び/又は該金属の酸化物を含む最表面保護層を具備し、且つ、上記インクが、請求項8に記載のインクであることを特徴とするインクジェット記録装置。
- 前記金属及び金属酸化物が、タンタル及びタンタルの酸化物である請求項15に記載のインクジェット記録装置。
- インクを吐出させるためにヒータに投入するエネルギーをEopとし、記録ヘッドからインクを吐出させるために最低限必要なヒータへのエネルギー投入量をEthとしたとき、Eop/Ethが、下記の関係を満たす請求項15又は16に記載のインクジェット記録装置。
1.10≦Eop/Eth≦1.90 - インクを収容しているインク収容部と、該インクを熱エネルギーの作用によりオリフィスから吐出させるためのインクジェット記録用ヘッド部とを有する記録ユニットであって、該インクジェット記録用ヘッドは、該ヒータに熱エネルギーを印加するための金属及び/又は該金属の酸化物を含む最表面保護層を備えたヒータを具備し、且つ、該インクが、請求項8に記載のインクであることを特徴とする記録ユニット。
- 前記金属及び/又は該金属の酸化物が、タンタル及びタンタルの酸化物である請求項18に記載の記録ユニット。
- インクに熱エネルギーを印加してオリフィスから吐出させる工程を含むインクジェット記録方法に用いられるインクに熱エネルギーを付与するヒータを具備している記録ヘッドの長寿命化方法であって、該ヒータに金属及び/又は該金属の酸化物を含む最表面保護層を設け、且つ、該インクとして請求項8に記載のインクを用いることを特徴とする記録ヘッドの長寿命化方法。
- 前記金属及び/又は該金属の酸化物が、タンタル及びタンタルの酸化物である請求項20に記載の記録ヘッドの長寿命化方法。
- インクを吐出させるためにヒータに投入するエネルギーをEopとし、記録ヘッドからインクを吐出させるために最低限必要なヒータへのエネルギー投入量をEthとしたとき、Eop/Ethが、下記の関係を満たす請求項20又は21に記載の記録ヘッドの長寿命化方法。
1.10≦Eop/Eth≦1.90
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