JP4787369B1 - 画像処理装置および方法並びにプログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】人物が写っている立体視用画像について適切に立体感を調整できるようにする。
【解決手段】暫定的なクロスポイント位置となる注目点を人物の目に設定するとともに、画像中に占める顔の割合が大きいほどクロスポイント位置を注目点からバックシフトさせて、クロスポイントから手前側に飛び出してくる物体の量が多くなるように立体感を調整する。バックシフト量の算出については、基準画像中に占める顔の割合(FSIZE)が大きいほどバックシフト量BSが大きくなるように設定し、さらに注目点よりも手前に位置する画素の数TSHが多いほど小さい値となる係数kbをバックシフト量BSに乗算する。
【選択図】図7

Description

本発明は、視点が異なる複数の画像に対して立体視表示のための3次元処理を行って、立体視表示用の表示手段に立体視表示される立体視用画像を生成する画像処理装置および方法並びに画像処理方法をコンピュータに実行させるためのプログラムに関するものである。
同一の被写体を異なる位置から撮影することにより取得した複数の画像を組み合わせて立体視用画像を生成し、生成した立体視用画像を立体視表示することにより、視差を利用して立体視できることが知られている。立体視表示の具体的な手法として、複数の画像を並べて配置して立体視表示を行う裸眼平行法が知られている。また、複数の画像の色を例えば赤と青のように異ならせて重ね合わせたり、複数の画像の偏光方向を異ならせて重ね合わせることにより、複数の画像を合成して立体視用画像を生成することによっても立体視表示を行うことができる。この場合赤青メガネや偏光メガネ等の画像分離メガネを用いて、立体視表示された立体視用画像を融合視することにより、立体視を行うことができる(アナグリフ方式、偏光フィルタ方式)。
また、偏光メガネ等を使用しなくても、パララックスバリア方式およびレンチキュラー方式のように、複数の画像を立体視可能な立体視表示モニタに表示して立体視することも可能である。この場合、複数の画像を垂直方向に短冊状に切り取って交互に配置することにより立体視用画像を生成して、立体視表示が行われる。また、画像分離メガネを使用したり、光学素子を液晶に貼ることで左右の画像の光線方向を変えながら、左右の画像を交互に高速で切り替えて表示することにより、残像効果によって立体視表示を行う方式も提案されている(スキャンバックライト方式)。
このように立体視を行う場合、立体感を適切に調整する必要があるため、立体視表示された立体視用画像の視差量の調整の指示を受け付け、指示された視差量に応じて立体視用画像を生成する手法が提案されている(特許文献1および2参照)。また、表示された立体視用画像を立体視しながら立体感を調整して立体視用画像を生成する手法も提案されている(特許文献参照)。また、ゲームにおいて立体感を調整する手法も提案されている(特許文献参照)。
特開2004−129186号公報 特開2009−129420号公報 特開平10−90814号公報 特開平9−192349号公報
上記のような立体感の調整は、具体的には視線の交差位置であるクロスポイントを被写体の注目点に合せることで行なわれる。
画像中に人物が映っている場合には、その人物の顔の位置をクロスポイントとして設定することが好ましく、また顔の中でも特に目の位置をクロスポイントとして設定することにより、人物の目が注目点として強調されて非常に好ましい感じの画像を得ることができる。
しかしながら、顔をアップで撮影した場合等、画像中に占める顔の割合が大きい場合に、目の位置にクロスポイントを合せると、例えば鼻や前髪等、目より手前に位置する極一部の被写体のみが手前に飛び出し、残りの被写体は全て奥に引っ込んで立体感の乏しい画像となってしまうという問題がある。
本発明は上記事情に鑑みなされたものであり、人物が写っている立体視用画像について適切に立体感を調整できるようにすることを目的とする。
本発明の画像処理装置は、視点が異なる複数の画像に対して視差調整を行って立体視用画像を生成する画像処理装置であって、画像中の顔を検出する顔検出手段と、暫定的なクロスポイント位置となる所定の注目点を顔中から検出する注目点検出手段と、画像中に占める顔の割合が大きいほどクロスポイント位置を注目点から後方移動させるクロスポイント位置調整手段とを備えたことを特徴とするものである。
ここで「クロスポイント位置を注目点から後方移動させる」とは、クロスポイント位置を画像を撮影する撮像手段に対し離間する方向(すなわち、ユーザーが立体視用画像を観賞した際にユーザー側から離間する方向)に移動させることをいうものである。
本発明の画像処理装置においては、画像の各画素毎に、複数の画像間の視差量に基づいて奥行き方向の距離を算出する距離算出手段を備え、クロスポイント位置調整手段を、注目点よりも手前に位置する画素の数が多いほど後方移動の量を少なくするように調整する後方移動量調整手段を備えたものとすることが好ましい。
この場合、後方移動量調整手段は、注目点よりも手前に位置する画素の数を判定する際に、画像の中心に近い画素ほど重み付けを高くするもの、もしくは顔の中心に近い画素ほど重み付けを高くするものとすることが好ましい。
また、注目点は、目とすることが好ましく、左右の目のうち奥側に位置する目とすればさらに好ましい。
本発明の画像処理方法は、視点が異なる複数の画像に対して視差調整を行って立体視用画像を生成する画像処理方法であって、画像中の顔を検出し、暫定的なクロスポイント位置となる所定の注目点を顔中から検出し、画像中に占める顔の割合が大きいほどクロスポイント位置を注目点から後方移動させることを特徴とする方法である。
なお、本発明による画像処理方法をコンピュータに実行させるためのプログラムとして提供してもよい。
本発明によれば、人物が写っている立体視用画像について、暫定的なクロスポイント位置となる注目点を例えば目等の顔中の被写体に設定するとともに、画像中に占める顔の割合が大きいほどクロスポイント位置を注目点から後方移動させて、クロスポイントから手前側に飛び出してくる物体の量が多くなるように立体感を調整するようにしたので、立体感に富みつつ視覚疲労や不快感を生じない適切な立体視用画像を得ることができる。
ここで、注目点よりも手前に位置する画素の数が多いほど後方移動の量を少なくするように調整するようにすれば、注目点から手前側に飛び出してくる物体の量が多くなりすぎることがなくなるため、視覚疲労や不快感を生じない適切な立体視用画像を得ることができる。
この場合、注目点よりも手前に位置する画素の数を判定する際に、画像の中心に近い画素ほど重み付けを高くする、もしくは顔の中心に近い画素ほど重み付けを高くすれば、被写体の配置を考慮したより適切な立体視用画像を得ることができる。
また、注目点を目とすれば、人物の目が注目点として強調されて非常に好ましい感じの画像を得ることができる。この場合、左右の目のうち奥側に位置する目とすれば、手前側に飛び出してくる物体がより多くなるので、より立体感に富んだ立体視用画像を得ることができる。
本発明の第1の実施の形態による画像処理装置の外観構成を示す斜視図 第1の実施の形態による画像処理装置の内部構成を示す概略ブロック図 第1の実施の形態において立体感の調整時に行われる処理を示すフローチャート 左右画像間の視差量を説明するための図(その1) 表示画像の一例を示す図(その1) 表示画像の一例を示す図(その2) 顔の大きさに基づいてバックシフト量を調整する場合の説明図 表示画像の一例を示す図(その3) 画素毎に重み付け係数を調整する場合の説明図(その1) 表示画像の一例を示す図(その4) 画素毎に重み付け係数を調整する場合の説明図(その2) 表示画像の一例を示す図(その5) 第2の実施の形態において立体感の調整時に行われる処理を示すフローチャート
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1は本発明の第1の実施の形態による画像処理装置の外観構成を示す斜視図、図2は第1の実施の形態による画像処理装置の内部構成を示す概略ブロック図である。
図1に示すように第1の実施の形態による画像処理装置1は、正面に液晶ディスプレイ(LCD)2および操作ボタン3を備える。また、側面にはメモリカード等の記録メディア4を挿入するスロット5を備える。そして、第1の実施の形態による画像処理装置1は、記録メディア4に記録された、互いに異なる位置において撮影を行うことにより取得した複数の画像から生成された立体視用画像を、LCD2に立体視表示するものである。なお、本実施の形態においては、2つの画像GL、GRを用いて立体視表示を行うものとして説明する。また、画像GLは立体視表示する際の左目用の画像、画像GRは右目用の画像とする。
操作ボタン3は、上ボタン3U、下ボタン3D、左ボタン3L、右ボタン3Rおよび中央ボタン3Cを備える。
図2に示すように、画像処理装置1は、記録制御部21、圧縮/伸長処理部22、フレームメモリ23、内部メモリ24、画像処理部25、表示制御部26およびCPU27を備える。
記録制御部21は、スロット5に挿入された記録メディア4に対する情報の記録および読み出しの制御を行う。
圧縮/伸長処理部22は、記録メディア4から読み出した立体視表示を行うための2つの画像GL,GRの圧縮および解凍の処理を行う。画像GL、GRの画像ファイルには、Exifフォーマット等に基づいて、後述する立体感調整値および撮影日時等の付帯情報が格納されたタグが付与される。
フレームメモリ23は、画像GL、GRを表す画像データに対して、後述する3次元処理を含む各種処理を行う際に使用する作業用メモリである。
内部メモリ24は、画像処理装置1において設定される各種定数、およびCPU27が実行するプログラム等を記憶する。
画像処理部25は、画像GL、GRをLCD2に立体視表示させるために、画像GL、GRに3次元処理を行って立体視用画像を生成する。ここで、本実施の形態における立体視表示の方式としては、公知の任意の方式を用いることができる。例えば、画像GL、GRを並べて表示して裸眼平行法により立体視を行う方式、またはLCD2にレンチキュラーレンズを貼り付け、LCD2の表示面の所定位置に画像GL、GRを表示することにより、左右の目に画像GL、GRをそれぞれ入射させて立体視表示を実現するレンチキュラー方式を用いることができる。また、LCD2に左右の目への光路を変更するパララックスバリアを貼り付け、LCD2の表示面の所定位置に画像GL、GRを表示することにより、左右の目に画像GL、GRをそれぞれ入射させて立体視表示を実現するパララックスバリア方式を用いることができる。
また、画像GL、GRの色を例えば赤と青のように異ならせて重ね合わせたり、画像GL、GRの偏光方向を異ならせて重ね合わせることにより、画像GL、GRを合成して立体視表示を実現する方式(アナグリフ方式、偏光フィルタ方式)を用いることができる。さらに、LCD2のバックライトの光路を光学的に左右の目に対応するように交互に分離し、LCD2の表示面に画像GL、GRをバックライトの左右への分離にあわせて交互に表示することにより、立体視表示を実現するスキャンバックライト方式を用いることができる。
なお、LCD2は画像処理部25が行う3次元処理の方式に応じた加工がなされている。例えば、立体視表示の方式がレンチキュラー方式の場合には、LCD2の表示面にレンチキュラーレンズが取り付けられており、パララックスバリア方式の場合には、LCD2の表面にパララックスバリアが取り付けられている。また、スキャンバックライト方式の場合には、左右の画像の光線方向を変えるための光学素子がLCD2の表示面に取り付けられている。
また、画像処理部25は、複数の画像間の視差量に基づいて各画素毎に奥行き方向の距離を算出する距離算出手段、画像中の顔を検出する顔検出手段、暫定的なクロスポイント位置となる所定の注目点を顔中から検出する注目点検出手段、画像中に占める顔の割合が大きいほどクロスポイント位置を注目点から後方移動させるクロスポイント位置調整手段、およびクロスポイント位置の視差が最も小さくなるように複数の画像に対して3次元処理を行って立体視用画像を生成する3次元処理手段としての機能を有する他、必要に応じて画像GL、GRに対してホワイトバランスを調整する処理、階調補正、シャープネス補正、および色補正等の画像処理を施すことも可能である。
表示制御部26は、3次元処理により取得される立体視用画像を立体視表示したり、画像GL、GRを2次元表示したりする。
CPU27は、操作ボタン3からの指示に応じて画像処理装置1の各部を制御する。
データバス28は、画像処理装置1を構成する各部およびCPU27に接続されており、画像処理装置1における各種データおよび各種情報のやり取りを行う。
次に、第1の実施の形態において行われる処理について説明する。図3は第1の実施の形態において立体感の調整時に行われる処理を示すフローチャート、図4は左右画像間の視差量を説明するための図(その1)、図5は表示画像の一例を示す図(その1)、図6は表示画像の一例を示す図(その2)、図7は顔の大きさに基づいてバックシフト量を調整する場合の説明図である。
第1の実施の形態による画像処理装置1は、人物が写っている立体視用画像について、人物の目を注目点として、この目の位置を基準にクロスポイントの位置を調整するようにしたものである。なお、ここでは立体視表示の方式としてレンチキュラー方式を採用した場合について説明する。
立体視用画像を生成するための2つの画像GL、GRは、同一の被写体を異なる位置において撮影することにより取得されたものであるため、画像GL、GRを重ねた場合、画像GL、GRに含まれる被写体はあらかじめ定められた視差量を持っており、まず、図4に示すように、画像GL、GRに基づいて視差マップPMの作成を行なう(ステップS1)。この視差マップPMは、画像GL、GRのうちの一方を基準として、各画素毎の視差量を輝度で示したものである。本実施の形態では、左画像GLを基準画像とし、視差量が大きいほど高輝度で表示しているが、この態様に限定されるものではない。
次いで、図5に示すように、基準画像とした左画像GL中において顔の位置および大きさの検出を行ない(ステップS2)、検出した顔中において暫定的なクロスポイント位置となる目(注目点)の検出を行なう(ステップS3)。なお、画像中の顔や目の検出方法についてはどのような方法を用いてもよい。
次いで、視差マップPMに基づいて画像中の目の視差の算出を行なう(ステップS4)。なお、目の視差を判定する位置については、両目のうちのいずれか一方の目の中心、両目の中心同士を結ぶ線の中心位置等、どの位置を基準としてもよい。
次いで、視差マップPMに基づいて画像中の注目点よりも手前に位置する画素の数TSHの算出を行なう(ステップS5)。これは、人物の顔がアップで撮影された画像等、顔の割合が大きい画像の場合であっても、図6(a)に示すように、画像中の注目点(本実施の形態では人物の目)よりも手前に主要な被写体が無い場合に比べ、図6(b)に示すように、画像中の注目点(本実施の形態では人物の目)よりも手前に主要な被写体(図中のピース表示の手首)が有る場合、すなわちクロスポイントとなる注目点よりも手前に位置する画素の数TSHが多い場合には、人物の目(注目点)をクロスポイントの位置としても十分な立体感を得ることができるため、クロスポイントの位置を目(注目点)からあまり後方に移動させないようにするためである。
ここで、注目点よりも手前に位置する画素の数TSHを判定する際に、画素の位置毎に重み付けを変化させるようにしてもよい。以下、そのような態様について説明する。
例えば、画像の中心に近い画素ほど重み付けを高くするようにしてもよい。図8は表示画像の一例を示す図(その3)、図9は画素毎に重み付け係数を調整する場合の説明図(その1)である。
注目点よりも手前に位置する被写体は、図8(a)に示すように画像中心付近に写っている場合(図中のピース表示の手首)や、図8(b)に示すように画像端部付近に写っている場合(図中の葉)が考えられるが、図9に示すように画像の中心に近い画素ほど重み付け係数kcが高くなるように設定し、各画素毎に係数kcを乗算して画素数を累積することによりTSHを算出するようにすれば、被写体の配置を考慮したより適切な立体視用画像を得ることができる。
また、顔の中心に近い画素ほど重み付けを高くするようにしてもよい。図10は表示画像の一例を示す図(その4)、図11は画素毎に重み付け係数を調整する場合の説明図(その2)である。
注目点よりも手前に位置する被写体は、図10(a)に示すように顔中心付近に写っている場合(図中のピース表示の手首)や、図10(b)に示すように顔中心から離れた位置に写っている場合(図中の葉)が考えられるが、図11に示すように顔の中心に近い画素ほど重み付け係数kc´が高くなるように設定し、各画素毎に係数kc´を乗算して画素数を累積することによりTSHを算出するようにすれば、人物の顔が画像端部にあるような場合でも、被写体の配置を考慮したより適切な立体視用画像を得ることができる。
次いで、図5に示すように、基準画像とした左画像GL中に占める顔の割合に基づいて、クロスポイント位置を目(注目点)から後方に移動させる量(バックシフト量)の算出を行なう(ステップS6)。
このバックシフト量の算出については、図7(a)に示すように、基準画像とした左画像GL中に占める顔の割合(FSIZE)が大きいほどバックシフト量BSが大きくなるように設定すればよい。さらに、図7(b)に示すように、注目点よりも手前に位置する画素の数TSHが多いほど小さい値となる係数kbをバックシフト量BSに乗算する。
次いで、上記で決定したバックシフト量BSの分だけ、クロスポイント位置を目(注目点)から後方に移動させて3次元処理を行う(ステップS7)。
本実施の形態では立体視表示の方式としてレンチキュラー方式を採用しているため、3次元処理として2つの画像GL、GRの視差調整を行なう。
この処理の具体的な内容としては、目の位置の視差量をEP、バックシフト量をBS、バックシフト量に乗算する係数をkbとすると、最終的な画像移動量CPPは下記(1)式により求められ、ここで求められたCPP分だけ、LCD2上での右画像GRの表示位置を左方向に移動させればよい。
CPP=EP+BS×kb (1)
なお、立体視表示の方式としてレンチキュラー方式以外の方式を採用した場合には、主要被写体がクロスポイントとなるように、各方式に合せて適宜処理を変更すればよい。
最後に、上記の様にして生成した立体視用画像をLCD2上に表示して処理を終了する。
上記の構成とすることにより、人物の顔がアップで撮影された画像等、顔の割合が大きい画像の場合でも、立体感に富みつつ視覚疲労や不快感を生じない適切な立体視用画像を得ることができる。
次いで、本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、第2の実施の形態による画像処理装置は、第1の実施の形態による画像処理装置と同一の構成を有し、行われる処理のみが異なるため、ここでは構成についての詳細な説明は省略する。図12は表示画像の一例を示す図(その5)、図13は第2の実施の形態において立体感の調整時に行われる処理を示すフローチャートである。
第2の実施の形態による画像処理装置1は、図12に示すように、人物の顔が傾いて写っている立体視用画像について、人物の左右の目のうち奥側に位置する目を注目点として、この目の位置を基準にクロスポイントの位置を調整するようにしたものである。なお、ここでは立体視表示の方式としてレンチキュラー方式を採用した場合について説明する。
立体視用画像を生成するための2つの画像GL、GRは、同一の被写体を異なる位置において撮影することにより取得されたものであるため、画像GL、GRを重ねた場合、画像GL、GRに含まれる被写体はあらかじめ定められた視差量を持っており、まず、図4に示すように、画像GL、GRに基づいて視差マップPMの作成を行なう(ステップS11)。この視差マップPMは、画像GL、GRのうちの一方を基準として、各画素毎の視差量を輝度で示したものである。本実施の形態では、左画像GLを基準画像とし、視差量が大きいほど高輝度で表示しているが、この態様に限定されるものではない。
次いで、基準画像とした左画像GL中において顔の位置および大きさの検出を行ない(ステップS12)、検出した顔中において暫定的なクロスポイント位置となる目(注目点)の検出を行なう(ステップS13)。なお、画像中の顔や目の検出方法についてはどのような方法を用いてもよい。
次いで、視差マップPMに基づいて画像中の目の視差の算出を行なって(ステップS14)、奥側に位置する目の特定を行ない、特定した方の目を注目点として設定する(ステップS15)。
次いで、視差マップPMに基づいて画像中の注目点よりも手前に位置する画素の数TSHの算出を行なう(ステップS16)。ここでは、第1の実施の形態と同様に、注目点よりも手前に位置する画素の数TSHを判定する際に、画素の位置毎に重み付けを変化させるようにしてもよい。
次いで、基準画像とした左画像GL中に占める顔の割合に基づいて、クロスポイント位置を目(注目点)から後方に移動させる量(バックシフト量)の算出を行なう(ステップS16)。
このバックシフト量の算出については、図7(a)に示すように、基準画像とした左画像GL中に占める顔の割合(FSIZE)が大きいほどバックシフト量BSが大きくなるように設定すればよい。さらに、図7(b)に示すように、注目点よりも手前に位置する画素の数TSHが多いほど小さい値となる係数kbをバックシフト量BSに乗算する。
次いで、上記で決定したバックシフト量BSの分だけ、クロスポイント位置を目(注目点)から後方に移動させて3次元処理を行う(ステップS18)。
本実施の形態では立体視表示の方式としてレンチキュラー方式を採用しているため、3次元処理の具体的な内容としては、目の位置の視差量をEP、バックシフト量をBS、バックシフト量に乗算する係数をkbとすると、最終的な画像移動量CPPは下記(1)式により求められ、ここで求められたCPP分だけ、LCD2上での右画像GRの表示位置を左方向に移動させればよい。
CPP=EP+BS×kb (1)
なお、立体視表示の方式としてレンチキュラー方式以外の方式を採用した場合には、主要被写体がクロスポイントとなるように、各方式に合せて適宜処理を変更すればよい。
最後に、上記の様にして生成した立体視用画像をLCD2上に表示して処理を終了する。
このように、左右の目のうち奥側に位置する目を注目点とするようにすれば、手前側に飛び出してくる物体がより多くなるので、より立体感に富んだ立体視用画像を得ることができる。
なお、上記第1および第2の実施の形態による画像処理装置1を、複数の撮影部を備えた複眼撮影装置に適用してもよい。この場合、撮影により取得した複数の画像を直ちに表示して、立体感の調整を行って記録メディア4に記録することが可能となる。
以上、本発明の実施の形態に係る装置10について説明したが、コンピュータを、画像処理部25、記録制御部21および表示制御部26に対応する手段として機能させ、図3および図13に示すような処理を行わせるプログラムも、本発明の実施の形態の1つである。また、そのようなプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体も、本発明の実施の形態の1つである。
1 画像処理装置
2 LCD
3 操作ボタン
4 記録メディア
5 スロット
21 記録制御部
25 画像処理部
26 表示制御部

Claims (8)

  1. 視点が異なる複数の画像に対して視差調整を行って立体視用画像を生成する画像処理装置であって、
    前記画像中の顔を検出する顔検出手段と、
    暫定的なクロスポイント位置となる所定の注目点を前記顔中から検出する注目点検出手段と、
    前記画像中に占める前記顔の割合が大きいほどクロスポイント位置を前記注目点から後方移動させるクロスポイント位置調整手段とを備えたことを特徴とする画像処理装置。
  2. 前記画像の各画素毎に、前記複数の画像間の視差量に基づいて奥行き方向の距離を算出する距離算出手段を備え、
    前記クロスポイント位置調整手段が、前記注目点よりも手前に位置する画素の数が多いほど前記後方移動の量を少なくするように調整する後方移動量調整手段を備えたものであることを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
  3. 前記後方移動量調整手段が、前記注目点よりも手前に位置する画素の数を判定する際に、前記画像の中心に近い画素ほど重み付けを高くするものであることを特徴とする請求項2記載の画像処理装置。
  4. 前記後方移動量調整手段が、前記注目点よりも手前に位置する画素の数を判定する際に、前記顔の中心に近い画素ほど重み付けを高くするものであることを特徴とする請求項2記載の画像処理装置。
  5. 前記注目点が、目であることを特徴とする請求項1または2記載の画像処理装置。
  6. 前記注目点が、左右の目のうち奥側に位置する目であることを特徴とする請求項5記載の画像処理装置。
  7. 視点が異なる複数の画像に対して視差調整を行って立体視用画像を生成する画像処理方法であって、
    前記画像中の顔を検出し、
    暫定的なクロスポイント位置となる所定の注目点を前記顔中から検出し、
    前記画像中に占める前記顔の割合が大きいほどクロスポイント位置を前記注目点から後方移動させることを特徴とする画像処理方法。
  8. 請求項7に記載の画像処理方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
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