JP4776832B2 - 座標入力装置、および、画像入力装置の座標板 - Google Patents

座標入力装置、および、画像入力装置の座標板 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ペンあるいはマウスの如き入力指示器により入力面を指示することで、この入力指示器の指示する位置座標を検出し、パソコン等へ出力する座標入力装置、および、画像入力装置の座標板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、従来の座標入力装置は、入力指示器の位置を検出するための物理現象に基づく検出原理により分類される、各種の方式が知られている。主な方式としては、国際特許分類表(IPC)においても分類されているように、抵抗タブレット,磁気結合タブレット,容量結合タブレット,光結合タブレット,音響・振動タブレット等がある。各方式については、例えば、抵抗タブレットは特開平5−53715号、磁気結合タブレットは特開平5−289806号、容量結合タブレットは特開平5−80921号、光結合タブレットは特開平5−53717号、音響・振動タブレットは特開平5−66877号、等により周知であるので、詳しい説明は省略する。
【0003】
前述のような従来の各種方式の座標入力装置は、入力面そのもの、あるいは入力指示器と入力面側の一部の間に、各種の物理現象を生じせしめるための手段が設けられているものである。すなわち、抵抗タブレットにおいては、入力面は、透明抵抗体を有するガラス板あるいは樹脂フィルムを対向させ、2枚以上重ね合わせた構成となっている。磁気結合タブレットにおいては、入力面あるいは入力面の下方(例えば入力面に重ね合わせられる表示手段の裏側)に位置するセンサ面に、X方向およびY方向にループコイル状の透明電極パターンを有する構成となっている。容量結合タブレットにおいては、入力面に、X方向およびY方向にライン状の透明電極パターンを有する構成となっている。光結合タブレットにおいては、光源と受光部を有する光学ユニットが入力面の上部左右に設けられ、光が入力面表面の直近傍を走査されるものである。音響・振動タブレットにおいては、入力指示器から放射あるいは入射される音波あるいは弾性波が、入力面表面の直近傍あるいは入力面内を伝播するものである。
【0004】
前述のように、入力面そのもの、あるいは入力指示器と入力面側の一部の間の、各種の物理現象を生じせしめる手段のために、前述の従来の座標入力装置においては、入力面が広く大きくなるにつれて、著しく高価になってしまうという問題がある。
【0005】
すなわち、抵抗タブレットにおいては、入力面全域において均一な抵抗率を有する透明抵抗体を形成する必要がある。また、磁気結合タブレットおよび容量結合タブレットにおいては、X方向およびY方向にループコイル状あるいはライン状の透明電極パターンを入力領域の全域に等間隔で均一に設ける必要がある。光結合タブレットにおいては、光を入力面表面の直近傍を、入力面に平行に走査するために、光学ユニットの高度な微調整、および左右の光学ユニットの正確な位置調整あるいは位置決めが必要となる。音響・振動タブレットにおいては、空中を伝播する音波の場合には空気の温度管理および複数の検出センサの正確な位置調整あるいは位置決めが必要となる。入力面内を伝播する弾性波の場合には、伝播する距離に関わらず伝播速度を一定とするために、入力面を構成する材質には高い均一性が必要である。
【0006】
また、前述の如き座標入力装置は、パソコンの表示装置である例えばCRT,液晶ディスプレイ、あるいはプラズマディスプレイ等と、入力面と表示画面とを一体的に重ね合わせる、いわゆる入出力一体型として、表示画面に直接描画する、ポインティングする等により、パソコンへの入力が可能となるものである。該入出力一体型として、従来の座標入力装置を構成する場合には、次のような問題がある。
【0007】
すなわち、抵抗タブレットにおいては、透明抵抗体を形成するITO等の抵抗体の光透過率が十分良好でないため、表示画像の明るさおよび鮮明さが低下してしまうという問題がある。磁気結合タブレットおよび容量結合タブレットにおいては、入力領域全域のX方向およびY方向にループコイル状あるいはライン状の透明電極パターンが表示装置のパネル,駆動回路あるいは電源回路等からの電気的,磁気的ノイズを受けやすく、検出が不安定になってしまう、あるいは該不安定の防止のためにさらに高価になってしまうという問題がある。
【0008】
光結合タブレットおよび音響・振動タブレットにおいては、光学ユニットあるいは検出センサを入力面に設けるためのスペースが必要となり、装置全体の形状の調和を図る必要がある。
【0009】
また、光結合タブレットおよび音響・振動タブレットにおいては、光,音波、あるいは弾性波が伝播する経路上に操作者の手あるいはその他の物体が存在する時、その影響を受け、検出性能が劣化する、あるいは検出不能となってしまう操作上の問題がある。
【0010】
前記問題を改善,回避する手法として、コード化された座標情報が記録された座標板と、
該座標情報を検出する検出手段を内蔵した入力指示器とからなる座標入力装置の提案がある。
【0011】
例えば、本出願人による特開昭61−262832号には、座標板に座標点に対応した異なるパターンを描いた少なくとも9個の区画をマトリクス状に配列した方形領域を、さらにマトリクス状に配列し、該パターンを発光素子と受光センサを内蔵した座標指示器で読み取り、パターンの変化に基づいて相対移動の方向および量を検出することが開示されている。
【0012】
また、本出願人による特開昭61−296421号には、座標板にマトリクス状に区分した各区画に座標点に対応して異なる情報を配置し、座標指示器で検出し、絶対座標位置を識別することが開示されている。また、本出願人による特開昭61−296422号には、座標板に少なくとも2種類の異なる情報を、情報の量を互いに異なる方向に連続的に変化させて配置し、座標指示器で検出し、絶対座標位置を識別することが開示されている。また、特公平5−80010号には、照明源とピックアップ手段を有する光学式スタイラスと、デジタル的にコード化されたX−Y座標対を含むタブレット・アドレス・セル(TAC)を複数表面上に分散させ永久的に記録した受動ロケータ・タブレットと、らせん形探索によりTAC境界を画定する手段と、TACデータを定期的にサンプリングする手段と、プレーゼンハム探索によりサンプリングされたTACデータから完全なTACデータ対(X−Y座標対)を生成し、ビデオイメージを記憶するビデオメモリを有するデータ生成手段と、メモリおよびスタイラス光学系の細分性が記憶されたコード・ドット・イメージが両方向に複数画素の幅となる、ことが開示されている。また、受動ロケーター、タブレットが表示表面の前面に組み込めること、該タブレットをプラスチックから構成し、表示面側、すなわち該タブレットの背面にTACを形成し、表面にはガラス層を貼り付ける、ことが開示されている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述のような従来の、コード化された座標情報が記録された座標板と、該座標情報を検出する検出手段を内蔵した入力指示器とからなる座標入力装置においては、以下のような2つの問題がある。第1の問題は、座標入力装置の基本的な性能に関わる、記録された座標情報の信頼性という問題である。
【0014】
すなわち、記録された座標情報が、その形状,鮮明さ等の検出手段の検出に関わる要件が、半永久的に保持される必要があるということである。記録された座標情報が、傷,変形,摩滅,薄色化,変色,脱落等の状態となってしまうと、正確な検出が極めて困難となる、さらには誤検出あるいは検出不態となってしまい、座標入力装置の基本的な機能が損なわれてしまう。例えば、操作者が使用中に、入力指示手段を座標板あるいはタブレットに当接,打突、あるいは擦ることは自明であるが、座標板あるいはタブレットの表面に座標情報が記録されている場合には、長期的な前述の作用に耐えうるために、著しく高価なものとなってしまう。
【0015】
また、座標板あるいはタブレットの裏面に座標情報が記録されている場合には、該座標板あるいはタブレットの、各種の製造工程、例えば座標情報を記録後の組立て,保管,輸送等において、板面部材の大部分を占める入力有効領域の座標情報に、傷,薄色化,変色,脱落等を生じせしめないように、極めて慎重な取扱いが必要となり、結果的に非常に高価なものとなってしまう。さらには、座標板あるいはタブレットの裏面に座標情報が記録されている場合に、タブレットを単体で机上等で使用するためには、机面あるいは机上の様々な物体との接触,打突,摩擦等に耐えうるために、著しく高価なものとなってしまう。
【0016】
第2の問題は、前述のような座標板あるいはタブレットを表示装置と重ねて入出力一体型として構成する場合には、座標板あるいはタブレットに記録された座標情報により、表示画像の明るさ(輝度)が低下してしまう、表示画像の鮮明さ(解像度)が低下してしまう、外光の反射が増加してしまう、操作者が識別できる場合には座標情報が気になってしまい入力指示の操作性が低下してしまう、という問題がある。
【0017】
前述の問題に対し、特開昭61−262832号,特開昭61−296421号,特開昭61−296422号には、前述の座標情報の信頼性については何ら示唆されておらず、前記第1の問題を何ら回避できるものではない。
【0018】
また、前記3件においては、座標板へ配置する座標情報について言及されているが、表示装置との入出力一体型および該座標情報の表示画像への影響については何ら示唆されておらず、前記第2の問題を何ら回避できるものではない。
【0019】
また、特公平5−80010号においては、秀れた耐摩耗性をもたらす構成として、前述のようにタブレットをプラスチックから構成し、該タブレットの背面にTACを形成し、表面にはガラス層を貼り付けることが開示されているが、前記第1の問題の製造工程における問題、およびタブレットの単体での使用における問題については、何ら示唆されておらず、前記第1の問題を十分に回避できるものではない。
【0020】
また、特公平5−80010号においては、タブレットと表示装置との、いわゆる入出力一体型の構成と、そのためにはTACのために引き起こされるグレイ度は、タブレット全体にわたって均一が望ましく、そのための2進コードの形態が言及されているが、そもそもの表示画像へ大きな影響を及ぼすグレイ度を低下させる手法,手段については何ら示唆されていない。すなわち、TACのために引き起こされるグレイ度が表示画像の鮮明さに影響を与えてしまうという問題がある。該問題は、例えば特公平5−80010号の実施例の記載に基づけば、1m×lmのタブレットサイズに、「1」を表すコーナキューブ1ドットがφ24μmで、7×7ドットで250×250μmのTACサイズで、1TAC中にグレイ度を均一にするためコーナキユーブを25個形成するとしたら、面積比でタブレット全域に対しコーナキューブが占める割合は約20%となり、表示画像の鮮明さに大きく悪影響を及ぼしてしまうものである。当然、実施例中に言及があるように、XおよびY座標が識別できうる範囲でTACのフォーマットの自由度はあるが、該言及は特公平5−80010号の目的のひとつである高密度のコードデータのフォーマットの自由度に対してのものであり、前記第2の問題に関しては何ら示唆されていない。
【0021】
本発明は、このような状況のもとでなされたもので、記録された座標情報の信頼性が高く、かつ、表示画像の明るさ(輝度)の低下、表示画像の鮮明さ(解像度)の低下、外光の反射の増加、操作者が識別できる場合には座標情報が気になってしまいことによる入力指示の操作性の低下がない、すなわち信頼性が高く、操作性が良く、安価な座標入力装置、座標入出力装置を提供することを目的とするものである。
【0022】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、表示装置と、X軸座標値に対応する複数の座標情報とY軸座標値に対応する複数の座標情報とが断続的に記録された座標板と、前記座標板の入力する位置を指示してその位置に対応する座標情報を検出する入力指示手段と、前記入力指示手段で検出した各座標情報からX軸座標値またはY軸座標値を判断し、このX軸座標値およびY軸座標値にもとづいて前記入力する位置の座標を決定する処理手段とを備え、前記座標情報が前記表示装置の表示画面を形成する複数の表示画素間に位置するように前記座標板に記録されたことを特徴とする座標入力装置を提供する。
【0026】
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、表示手段と、X−Y座標面を形成する座標入力有効領域においてX座標値および/またはY座標値とに対応する座標情報が複数記録された座標板と、この座標板の座標情報を検出する検出手段を有する入力指示手段とを備え、前記座標情報が前記表示装置の表示画面を形成する複数の表示画素間に位置するように前記座標板に記録され、前記座標板の座標情報が記録された面が前記表示手段の表面に貼り合わされていることを特徴とする座標入出力装置を提供する。
【0029】
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、座標入力装置の座標板であって、X軸座標値に対応する複数の座標情報と、Y軸座標値に対応する複数の座標情報と、を有し、前記X軸座標値とY軸座標値に対応する複数の座標情報は、それぞれ断続的に記録され、前記座標板は表示装置と一体であり、前記座標情報が前記表示装置の表示画面を形成する複数の表示画素間に位置するように前記座標板に記録されたことを特徴とする座標入力装置の座標板を提供する。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態を座標入出力装置の実施例により詳しく説明する。なお、本発明は、座標入出力装置に限らず、実施例の説明に裏付けられて、座標入力装置の形で実施することもできる。
【0031】
(実施例1)
図1は実施例1である“座標入出力装置”で用いる入力指示器(ペン1)の構成を示すブロック図であり、図2は本実施例の座標入出力装置全体のシステム構成を示すブロック図である。
【0032】
まず、全体のシステム構成について説明する。図2において、コード化された座標情報が記録された座標板11が液晶ディスプレイ(LCD)21の前面に重ね合わせて、いわゆる入出力一体型として配置されているLCD21は、CPU23の指示に基づきLCD駆動回路22により所望の画像を表示する。ペン1は前記座標情報を検出し、座標データをCPU23に接続された受信手段24に送信する。受信手段24の受信結果に基づき、CPU23は所定の処理を実行する。該処理は、例えばペン1による入力点の座標データに対応する位置のメニューコマンドの実行が行われる。またLCD駆動回路22により、前記ペン1の位置に相当する点をLCD21に表示することもできる。また、ペン1による入力が連続的になされる場合には、所定のサンプリングレートで検出した入力点群を線で結ぶことで、ペン1の操作の軌跡をLCD21に表示することができる。さらには、この軌跡を識別判断することで、文字あるいは図形の認識、あるいはジェスチャーコマンドの実行等を行うことができる。また、ペン1にマウスボタンに相当するスイッチ(不図示)を設け、該スイッチをONすることで、座標データとともに該ONの情報を送受信することで、ペン1により指示されているメニューコマンドあるいはアイコンを選択あるいは実行することもできる。この場合は、各種のアプリケーションソフトが、ペン1により操作できる。
【0033】
次に、ペン1の構成について説明する。図1において、2はCCDエリア(2次元)センサあるいはCMOSエリアセンサ等のエリアセンサであり、対物レンズ3を介して座標板11の表面近傍を読み取るように構成されている。エリアセンサ2に読み取られる領域は、その中に後述のX座標値またはY座標値を表すドットアレイ12が、それぞれ確実に1個以上含まれる領域となるように、エリアセンサ2および対物レンズ3が構成される。後述するように、ドットアレイ12が、LCD21の表示画素の画素ピッチと概ね同等のピッチで、X座標値をコード化したドットアレイ12とY座標値をコード化したドットアレイ12が、交互に配列され形成されている場合には、前記領域はLCD21の表示画素で例えば2×2表示画素分より広い領域となる。
【0034】
本実施例では、エリアセンサ2に読み取られる領域は、LCD21の2.5×2.5表示画素分とする。またエリアセンサ2の複数の画素が後述するドットアレイ12を構成する1個のドットに対応するように、エリアセンサ2および対物レンズ3が構成される。本実施例では、エリアセンサの3×3の9個の画素が1個のドットに対応するように構成される。
【0035】
4は、座標板11を照射する発光素子であり、例えばLED,半導体レーザ素子等が用いられる。必要に応じ照射光線を平行光とするコリメータレンズ5が設けられる。また、発光素子4の利用効率を高めるために反射鏡等の集光手段が用いられてもよい。
【0036】
信号処理回路6はエリアセンサ2の出力を該エリアセンサ2の画素毎に2値化し、デジタル画像情報として演算制御回路7に出力するものである。該2値化は、後述の、座標板11に記録された座標情報がドットアレイから形成される場合には、ドットがある場合には「1」の情報として、ドットがない、あるいは背景は「0」の情報として行われるものである。該2値化において、LCD21の表示画像の内容により、例えば白の画像と黒の画像の境界にペン1が位置した場合には、エリアセンサ2から見て座標板11の後方の該表示画像の影響で、エリアセンサ2中の場所により画素毎の出力レベルが大きく変化し、2値化のために固定しきい値処理ができない場合がある。このような場合には、周知である、複数の画素の出力レベルからセンサ出力の増幅率を変更する等のいわゆる自動利得制御(AGC)が用いられる。あるいは、いわゆる画像処理技術において周知である、エリアセンサ2の任意の画素の出力と、該画素の近傍の複数画素の出力の局所平均値との比較により2値化を行う移動平均法等の動的しきい値処理が用いられる。該動的しきい値処理は、必要に応じ演算制御回路7で実行される。
【0037】
前記2値化されたデジタル情報は、マイクロコンピュータ、制御手順あるいは座標情報と座標値の対応テーブル等を記憶したROM、該デジタル画像情報を記憶するRAM等からなる演算制御回路7に送られ記憶される。演算制御回路7において、後述の、中心近傍の第1および第2のドットアレイの抽出、該抽出したドットアレイのX座標、Y座標の区別、各座標値、およびX軸,Y軸の方向が判断され、各ドットアレイの中心からの距離が算出され、ペン1の座標値が決定される。 決定された座標値は、送信手段8に送られ、送信手段8より所定の通信フォーマットに基づき、赤外線あるいは電波を利用して受信手段24に送信される。
【0038】
なお、ペン1には、エリアセンサ2,発光素子4,信号処理回路6,演算制御回路7、および送信回路8等の駆動のための電源である電池9が内蔵されている。
【0039】
また、図示しないペン先スイッチが設けられている。該ペン先スイッチは、ペン1が座標板11に当接される時に、ペン先部がペン軸に沿ってペン1後端方向に所定量スライドすることにより、ONされる。該ペン先スイッチにより、ペン1が座標板11に当接している、すなわち入力状態にある時のみ、所定の時間間隔、すなわち所定のサンプリングレートで、前記各部の駆動,座標情報の読み取り,座標値の決定、送信等が行われる。このため、極めて長い電池寿命が実現できるものである。さらに、該ペン先スイッチのON/OFFの状態を、座標値と共に送信手段8により、CPU側に送信してもよい。
【0040】
次に、座標板11の構成について説明する。本実施例においては図1に示すように、座標板11はLCD21との間に所定の間隔をおいて、LCD21の前面に配置されている。座標板11は透明ガラス板14の表面の全域に、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)、あるいはアクリル等のプラスチックからなる透明フィルム13を貼り合わせた積層構造を有している。該フィルム13とガラス板14とはアクリル系等の透明な接着剤あるいは両面粘着テープにより貼り合わされる。該フィルム13の貼り合わせ面には、後述するマトリクス状のドットアレイ12が、所定のピッチで断続的に、入力有効領域全域に形成されている。該入力有効領域は、LCD21の表示画面全域に対しペン1による入力が可能なように、LCD21の表示領域よりも所定サイズ大きく設定されている。
【0041】
前記ドットアレイ12は前記フィルム13の面上に、周知の技術、例えば印刷あるいはプリンタ技術等を利用して形成される。すなわち、写真平版(フォトリソグラフイ)等による精細な印刷、あるいは精細なノズルからのインク吐出によるプリンタ技術等により、前記ドットアレイ12が形成される。
【0042】
ここで、ドットアレイ12において、ドットがある場合には「1」の情報であり、ドットがない、すなわち座標板11の背後のLCD21の表示面を背景とする透明な座標板11面が「0」の情報である。該LCD21の表示面が、前記対物レンズ3の被写体深度外に配置されるように構成することで、エリアセンサ2により読み取られた画像において、ドットがない場所および背景はぼけた画像となり、ドットがある場所との適切なコントラストが得られる。また、ドットアレイ12の色は特別に限定される必要はない。ただし、ドットアレイ12の存在がLCD21の表示画像に与える影響は皆無ではないため、表示画像の内容によらず前記コントラストが得られる許容範囲内で、より目立たない色、例えばグレー等が望ましい。
【0043】
前記ドットアレイ12が形成された前記フィルム13は、透明接着剤等により、ドットアレイ12が形成された面がガラス板14に貼り合わされる。該構成により、操作者が入力のため、ペン1で座標板11の表面を指示、あるいは移動走査しても、ドットアレイ12にペン1が直接接触することがなく、ドットアレイ12のキズあるいは脱落等がなく、極めて高い信頼性で、恒久的にドットアレイ12を保持できる。
【0044】
前記座標板11の表面、すなわちフィルム13の表面およびガラス板14の裏面は、操作者が表示画像を見るために快適なように、必要に応じ、光の反射率を低減する反射防止処理(アンチリフレクション処理)あるいは光を拡散する拡散処理(ノングレア処理)がなされている。また、前記フィルム13の表面にキズ等が付かないようにするために、アクリル系あるいはシリコン系等の硬化被膜、いわゆるハードコーティングが施される。
【0045】
次に、前記ドットアレイ12についてさらに詳しく説明する。図3に入力有効領域のごく一部分の拡大図を示す。井型の細線で区切った領域がLCD21の1表示画素に相当し、該表示画素の画素ピッチと概ね同等のピッチで、入力有効領域のX座標値をコード化したドットアレイ12Xi,12Xi+1,12Xi+2が、Y座標値をコード化したドットアレイ12Yj,12Yj+1,12Yj+2が、交互に配列され形成されている。前記表示画素が正方形で、表示画面の横方向をX軸、縦方向をY軸とするように座標板11のドットアレイ12が形成される場合、X軸方向とY軸方向にいずれも同ピッチでドットアレイ12が形成される。入力有効領域全域に同様に、X座標値をコード化したドットアレイ12Xl〜12Xmと、Y座標値をコード化したドットアレイ12Yl〜12Ynが、交互に配列され形成されていることは言うまでもない。
【0046】
ドットアレイ12は6行×3列のマトリクス状で、1個のドットアレイ12は18個のドットから形成されている。図3において、「1」を表すドットがある状態を黒いドットで、
「0」を表すドットがない状態を囲みのある白いドットで、模式的に表してある。当然ではあるが、実際にはドットのみが存在するものである(例えば図5)。ドットのサイズは、操作者がほとんど識別できない程度のサイズが望ましく、例えば数十μm程度の直径あるいは辺からなる、円状あるいは多角形状に形成される。また、ドット間にはドットサイズとほぼ同等の間隙が設けられる。該間隙は、「1」が連続する場合、すなわち黒いドットが連続する場合に、結果的に大きなドットとなり、操作者が操作時にドットを識別してしまい、該ドットが気になり操作性が低下してしまうことを、防止するものである。
【0047】
前記18個のドットのうち、最下位の行である6行目の3ドットが、X座標とY座標の判別のために使用される。すなわち、図3において、左側から「1,0,0」と構成されていればX座標値を、「0,0,1」と構成されていればY座標値を表す。また、最上位の行である1行目の3ドットは、全てのドットアレイ12で「1,1,1」と構成される。これにより、ペン1の回転方向、すなわちエリアセンサ2の座標板11の平面における向きに関わらず、マトリクスの方向が定まり、その結果X軸およびY軸の方向(正あるいは負の方向)が一義的に定まるものである。そして、2行目から5行目の12ドットによりXおよびYの座標値がコード化される。本実施例においては、12ドットの有,無により4096通りの座標値が表現できる。前記エリアセンサ2の向きによらず、エリアセンサ2の画素配列が分かっていることは言うまでもない。
【0048】
前記構成において、その動作について、図4のフローチャートおよび図5.図6のエリアセンサ2が読み取る画像情報を示す図に基づき説明する。
【0049】
まずSTEP101でペン先スイッチのON/OFFが判断される。すなわち、ペン1が座標板11に当接され、ペン先スイッチがONの場合は、入力操作中であり、STEP102に進む。
【0050】
STEP102で、発光素子4がペン先近傍を照射し、エリアセンサ2がペン先近傍の座標板11上の複数のドットアレイ12を含む領域Aの画像を読み取る(図5)。該領域Aには、その中にX座標値およびY座標値を表すドットアレイ12が、それぞれ確実に1個以上含まれる。読み取られた画像は、エリアセンサ2より信号処理回路6に出力され、信号処理回路6にて画素毎に2値化処理が行われ、デジタル画像情報として演算制御回路7のRAMに記憶される。
【0051】
次に、STEP103において、演算制御回路7は記憶された画像情報に対し、画像の中心、すなわちエリアセンサ2の中心に距離的に近い第1のドットアレイ12の抽出処理を行う。該抽出処理は、前記画像情報において、ドットありの場合の「1」の画素3×3が9個程度並んでおり、かつ任意の方向に3個程度の画素分のピッチで上記「1」の画素3×3が3個並んでいる部分、すなわちドットアレイ12の1行目3ドットを、まず検索するものである。該検索は、例えば、図5に示すように、画像情報の中心近傍のLCD21の1表示画素の対角線の長さの一辺を持つ四角形より所定量広い領域に相当する画像情報の領域B、すなわち中央部分で全画像情報の約1/3の面積に相当する領域Bを走査検索する。該検索において、3ドットが検索できた時点で次の手順に進んでよいことは言うまでもない。前述のように、ドットアレイ12はLCD21の表示画素ピッチと同等のピッチで配列され、エリアセンサ2に読み取られる領域Aは、LCD21の2.5×2.5表示画素分のため、前記領域Bには必ず1個のドットアレイ12が含まれている。ただし、前述の検索で検索した3ドットは必ずしも1行目の3ドットではないので、次に、検索した3ドットを結ぶ線に垂直な方向に、該3ドットを中心として2個のドットアレイ12の面積に相当する領域Cを走査し、第1のドットアレイ12を抽出する。
【0052】
次に、STEP104で、該第1のドットアレイ12の向きより、記憶されている画像情報において、座標板11においてあらかじめ設定されているX軸およびY軸の方向を判断する。該判断は、例えば、図3に示すように6行×3列のマトリクスを正位置に見て、右方向をX軸の正方向、上方向をY軸の正方向と設定した場合、前記第1のドットアレイ12の正位置方向より、X軸およびY紬の正の方向が定まる(図5)。そして前記第1のドットアレイ12の6行目の3ドットのコード配列より、該第1のドットアレイ12がX座標値をコード化した座標情報か、Y座標値をコード化した座標情報かを判別する。次に、前記第1のドットアレイ12の2から5行目の12ドットのコード配列より、X軸あるいはY軸のコード化された座標値が判断される。該判断においては、必要に応じ参照テーブル等が用いられる。
【0053】
次に、STEP105において、前記第lのドットアレイ12の画像情報上での位置と、前記X軸およびY軸の正の方向より、抽出すべき第2のドットアレイ12の画像情報上での位置を推定し、抽出する。該推定および抽出は、例えば本実施例においては、X座標値の座標情報に近接するY座標値の座標情報は、X軸あるいはY軸の±方向に1表示画素分の距離だけ離れて4個位置する。このため、前記第1のドットアレイ12の画像情報上での位置と、前記X軸およびY軸の正の方向より、該4個のうち、画像情報の中心により近いドットアレイ12を抽出すべき第2のドットアレイ12とし、その位置を推定し、ドットアレイ12の面積より広い所定の領域Dの画像情報を走査すれば第2のドットアレイ12が抽出できる(図5)。
【0054】
次にSTEP106で、抽出した第2のドットアレイ12の2から5行目の12ドットのコード配列より、前記第1のドットアレイ12とは異なる軸のコード化された座標値が判断される。
【0055】
次にSTEP107で、前記第1のドットアレイ12および第2のドットアレイ12と、画像情報の中心との距離を算出する。該距離は、第1あるいは第2のドットアレイ12が表すXあるいはY座標値に対応するX軸あるいはY軸と、画像情報の中心との距離である。ドットアレイ12が表す座標値の位置は、ドットアレイ12内の所望の位置に設定することが可能である。本実施例においては、ドットアレイ12を正位置に見て、3行目の2列目のドットの下側左端をドットアレイ12が表す座標値の位置とし、該位置に対応させて座標値がコード化されているものである。そして該位置を通るX軸およびY軸と、画像情報の中心との距離LxとLyとが算出されるものである(図6)。該距離が座標板11上に定められる座標軸上の値に換算されることは言うまでもない。
【0056】
次にSTEP108で、前記第1のドットアレイ12および第2のドットアレイ12の座標値と、該第1のドットアレイ12および第2のドットアレイ12の各座標軸と前記画像情報の中心、すなわちペン1の中心との距離Lx,Lyより、ペン1の正確な位置座標が算出される。該算出に際し、前記中心との距離Lx,Lyに対し、X軸およびY軸の正負の方向が加味されることは言うまでもない。また、該算出方法により、ペン1が微少な距離移動し、抽出されるドットアレイ12が同じであっても、前記ドットアレイ12と画像情報の中心の距離が異なって算出されるため、該微少移動が検出されるものである。すなわち、極めて高分解能な座標入力が可能となるものである。また、入力有効領域の全領域で同等の高い精度が可能となるものである。
【0057】
次にSTEP109で、算出されたXおよびY座標値は演算制御回路7から送信手段8に送られ、受信手段24を経てCPU23に入力される。
【0058】
なお、前述の処理に先立ち、座標板11の座標系とLCD21の座標系を合わせる、あるいは検出された座標値を補正するための処置、例えば表示画面の所望の複数の点を表示し、該点にペン1を合わせて入力する等の周知の処置がなされる。
【0059】
前述の構成,動作に示したように、本実施例においては、ドットアレイ12がフィルム13の表面ではなく、貼り合わせ面に形成されているため、操作者がペン1で座標板11の表面を指示、あるいは移動走査する入力に際して、ペン1が座標板11に当接,打突、あるいは擦っても、ドットアレイ12にペン1が直接接触することがなく、ドットアレイ12には傷,変形,摩滅,薄色化,変色,脱落等が生じることがまったくなく、極めて高い信頼性で、恒久的にドットアレイ12を保持できる。また、前記座標板11の製造工程においても、いったんフィルム13をガラス板14に貼り合わせた後は、特別な注意あるいは治工具等を用いることなく容易な取り扱いが可能である。
【0060】
また、本実施例においては、コード化された座標情報であるドットアレイ12に含まれる情報はX座標値とY座標値との対ではなく、いずれか一方であるため、1個の座標情報の情報量を半分にすることができ、さらには隣り合うドットアレイ12間に大きな間隙スペースを配置するごとく断続的に記録することで座標情報の数を著しく減らすことができる。これは、例えば、1m×1mの入力有効領域を有する座標板11において、6行×3列のマトリクスのドットアレイ12の配列ピッチをX軸およびY軸とも1mmとし、ドットアレイ12のドット形状をφ30μmとすると、ドットが有る部分の面積の総和は、面積比で入力有効領域全域に対し約0.7%であり、座標板11とLCD21とが重ねられ入出力一体型として構成されても、座標板11に記録された座標情報であるドットアレイ12が表示画像へ及ぼす悪影響はほとんどない。
【0061】
この効果は、X軸とY軸の方向およびX座標値とY座標値とを識別するために、6行×3行のマトリクスのドットアレイ12の1行目と6行目の計6ドットのみで行うことによるものである。
【0062】
また、前記ドットアレイ12が、アレイを形成するドット間に間隙を有する構成とすることで、ドットが連続してつながり、操作者が識別してしまうということがなく、座標情報を気にすることなく良好な入力指示の操作が可能となる。
【0063】
なお、前述の構成において、ドットアレイ12の配列ピッチ1mmが表示画素のピッチと同等で、ドットアレイ12のドット形状がφ30μmであり、前述の如くエリアセンサ2の読み取り領域が2.5×2.5表示画素分で、エリアセンサ2の3×3の画素が1ドットに対応する構成であれば、エリアセンサ2の画素数は250×250となり総画素数は約6万画素程度である。該画素数のエリアセンサ2はCCDタイプあるいはCMOSタイプ等いずれの方式でも容易かつ安価に実現できるものであり、また、演算制御回路7あるいは信号処理回路6等も既存の技術で容易に実現可能であり、本実施例の座標入出力装置は適切な経済性を有するコストで実現できる。
【0064】
以上説明したように、本実施例によれば、座標表示板を、厚さ方向に複数の層からなる積層構造とし、座標情報を前記積層構造の層間に形成することにより、操作者が使用中に、入力指示手段であるペンを座標板に当接,打突、あるいは擦っても、入力指示手段あるいはその他の物体が座標情報に直接触れることがないために、記録された座標情報が、傷,変形,摩滅,薄色化,変色,脱落等の状態となってしまい、誤検出あるいは検出不能となることを回避でき、高い信頼性で、かつ安価な装置が実現できる。また、各種の製造工程において、座標情報に、傷,薄色化,変色,脱落等を生じせしめないような、極めで慎重な取り扱いが不要となり、安価な装置が実現できる。さらには、積層構造のタブレットの場合は、これを単体で机上等で使用する際にも、机面あるいは机上の様々な物体との接触,打突,摩擦等に十分に耐えうる高い信頼性の装置が、極めて安価に実現できる。すなわち、本実施例によれば、極めて信頼性の高い、安価な装置が実現できる。
【0065】
また、前記座標板を、座標情報が、X座標値とY座標値とが識別可能でそれぞれ単独に、
かつ断続的に記録された構成とすることで、座標情報に含まれる情報はX座標値とY座標値との対ではなく、いずれか一方であるため、1個の座標情報の情報量を半分にすることができ、また断続的に記録することで座標情報の数を著しく減らすことができるために、座標入力装置が表示装置と入出力一体型として構成されても、座標板に記録された座標情報が表示画像へ及ぼす悪影響を極めて小さく抑えることができ、操作性が向上する。
【0066】
また、前記座標情報が、前記表示手段の表示画面を形成する複数の表示画素と位置的に関連付けて記録することで、座標板に記録される座標情報を表示画像に悪影響を極力及ぼさないような位置に配置することができ、座標情報が表示画像へ及ぼす悪影響を極めて小さく抑えることができ、操作性が向上する。
【0067】
(実施例2)
図7,図8により、実施例2である座標入出力装置を説明する。入力指示器であるペン1の構成,作用は前記実施例1と同様であり説明を省略する。なお前記実施例1と同じ構成要素については同符号を用い説明する。また、本実施例においては、前記実施例1と、座標板およびドットアレイの構成が異なるため、これらの点を中心に説明する。
【0068】
図7に本実施例で用いる座標板31の模式断面図を示す。本実施例において、座標板31はLCD21の表示パネルの上側ガラス21aが兼ねるものである。すなわちドットアレイ32が形成された面を貼り合わせ面として、フィルム13が、上側ガラス21aの表面に貼り合わされ、座標板31が構成されている。該構成により、ペン1のペン先が実際に座標板31に当接する位置と、該位置に対応するLCD21の表示画面の位置との、座標板31あるいは表示パネルの厚さ方向でほぼ同じ高さとなるため、操作者の視線がペン先を斜め方向からみる場合の、いわゆるペン先と表示画像の視差がほとんどなくなり、より快適な操作が可能となる。
【0069】
次に、前記ドットアレイ32について説明する。図8に入力有効領域のごく一部分の拡大図を示す。井型の細線で区切った領域がLCD21の1表示画素に相当し、X軸方向に表示画素の3画素分のピッチで、Y軸方向に表示画素の2画素分のピッチで、入力有効領域のX座標値をコード化したドットアレイ32Xi,32Xi+1が配置され、Y座標値をコード化したドットアレイ32Yj、32Yj+1が、X軸およびY軸方向にそれぞれ1表示画素分離れて配列され形成されている。入力有効領域全域に同様に、X座標値をコード化したドットアレイ32X1〜32Xmと、Y座標値をコード化したドットアレイ32Y1〜32Ynが、交互に配列され形成されていることは言うまでもない。
【0070】
さらに、ドットアレイ32はLCD21の表示画素の画素の境界に合わせて形成される。すなわち、後述のL字状のドットアレイ32のL字の角が、表示画素の四隅のひとつに位置し、L字状の短手と長手がX軸あるいはY軸に平行に形成される。前記境界は表示画面のコントラスト向上等のために、通常ブラックマトリクス等が形成されている。前記境界にドットアレイ32を形成することで、ドットアレイ32が表示画像に及ぼす影響はほとんどなくなるものである。また、ドットアレイ32の色は特別に限定される必要はない。ただし、背景がブラックマトリクスの場合には、ドットと背景のコントラストをより得るためには、明るい色の方が望ましい。
【0071】
ドットアレイ32はL字状の形状をしており、短手が3ドット、長手が12ドット(長手は短手との交点の1ドットを除いている)の15個のドットから形成されている。X座標値をコード化したドットアレイ32Xi,32Xi+1と、Y座標値をコード化したドットアレイ32Yj、32Yj+1とは長手あるいは短手を中心に線対称の形状に形成されている。また、X座標値をコード化したドットアレイ32Xi,32Xi+1と、Y座標値をコード化したドットアレイ32Yj,32Yj+1とは一方を90° 回転した配置で形成されている。
【0072】
前記15個のドットのうち、短手の3ドットと長手の両端の2ドットの計5ドットがX軸およびY軸の方向、およびX座標とY座標の判別のために使用される。これらの5ドットはいずれも「1」に形成される。
【0073】
すなわち、L字状のドットアレイ32を長手がY軸に平行にし、短手が上になるように位置させて見た時、短手の左側に長手が位置していればX座標値を、短手の右側に長手が位置していればY座標値を表している。また、L字状のドットアレイ32が、例えばX座標値であれば、L字の交点より短手方向がX軸の正方向、長手方向がY軸の負方向というように、X軸およびY軸の方向を一義的に定めることができる。そして、長手の10ドットによりXおよびYの座標値がコード化されるものである。本実施例においては、10ドットの有無により1024通りの座標値が表現できる。また、前記ドットアレイ32が形成された座標板31が、ペン1のエリアセンサ2に読み取られる領域は、その中に前記X座標値およびY座標値を表すドットアレイ32が、それぞれ確実に1個以上含まれる領域となるように構成される。すなわち前記配列で形成されている場合には、ドットアレイ32のL字状の長手の長さにもよるが、前記領域はLCD21の表示画素で例えばX軸方向4×Y軸方向3表示画素分より広い領域となるものである。本実施例では、エリアセンサ2に読み取られる領域は、LCD21の4.5×3.5表示画素分とする
前記構成において、その動作について、実施例1における図4のフローチャートを援用し説明する。
【0074】
まずSTEP101でペン先スイッチのON/OFFが判断される。ペン先スイッチがONの場合は、STEP102で、エリアセンサ2がペン先近傍の複数のドットアレイ32を含む領域の画像を読み取る。読み取られた画像は、エリアセンサ2より信号処理回路6に出力され、信号処理回路6にて画素毎に2値化処理が行われ、デジタル画像情報として演算制御回路7のRAMに記憶される。
【0075】
次に、STEP103において、演算制御回路7は記憶された画像情報に対し、画像の中心に近い第1のドットアレイ32の抽出処理を行う。該抽出処理は、L字状ドットアレイ32の短手3ドットを、まず検索するものである。該検索は、例えば、画像情報の中心軸から両端に向かい交互に走査検索していく。3ドットが検索できると、次に、該検索した3ドットは必ずしもL字状の短手の3ドットとは限らないため、すなわちL字状の長手に連続して形成された3ドットの可能性もあるため、検索した3ドットを結ぶ線の延長線上の所定距離内のドットの有無を判別し、検索した3ドットがL字状の短手あるいは長手の3ドットであるかを判断する。該所定距離は、例えば検索した3ドットの両側の延長線に、L字状の長手の長さ分に設定される。該所定距離内にドットがある、すなわち検索した3ドットが長手の3ドットの場合には、該所定距離内の両側の最端のドットより、判断された長手に垂直な方向に連続する残り2ドットを検索するものである。そして、短手3ドットが検索できたら、該3ドットを結ぶ線に垂直な両側の領域を、L字状の長手の長さより所定量広い領域を走査し、第1のドットアレイ32を抽出する。
【0076】
次に、STEP104で、前記第1のドットアレイ32の形状より、該第1のドットアレイ32がX座標値をコード化した座標情報か、Y座標値をコード化した座標情報かを判段する。該判断は、L字状のドットアレイ32を短手が上になるように位置させて見た時、長手が短手の左右いずれの側に位置しているかにより判断される。次に前記第1のドットアレイ32の短手の向きより、記憶されている画像情報において、座標板11においてあらかじめ設定されているX軸およびY軸の方向を判断する。そして前記第1のドットアレイ32の長手の10ドットのコード配列より、X軸あるいはY軸のコード化された座標値が判断される。
【0077】
次に、STEP105において、前記第1のドットアレイ32の画像情報上での位置と、
前記X軸およびY軸の正の方向と、および画像情報の中心位置とより、抽出すべき第2のドットアレイ32の画像情報上での位置を推定し、抽出する。該推定および抽出は、例えば、X座標値の座標情報に近接するY座標値の座標情報は、X軸の正方向±45°の方向に1表示画素の対角線の距離だけ離れて2個、およびX軸の負方向±約60°の方向に2表示画素の対角線の距離だけ離れて2個の計4個がある。このため、前記第1のドットアレイ32の画像情報上での位置と、前記X軸およびY軸の方向と、および座標情報の中心位置より、該4個のうち画像情報に含まれる、かつ中心により近いドットアレイ32を抽出すべき第2のドットアレイ12とし、その位置を推定し、抽出する。
【0078】
次にSTEP106で、抽出した第2のドットアレイ32の長手の10ドットのコード配列より、前記第1のドットアレイ32とは異なる軸のコード化された座標値が判断される。
【0079】
次にSTEP107で、前記第1のドットアレイ32および第2のドットアレイ32の各座標軸と、画像情報の中心との距離を算出する。
【0080】
次にSTEP108で、前記第1のドットアレイ32および第2のドットアレイ32の座標値と、該第1のドットアレイ32および第2のドットアレイ32の各座標軸と前記画像情報の中心との距離より、ペン1の正確な位置座標が算出される。
【0081】
次にSTEP109で、算出されたXおよびY座標値は演算制御回路7から送信手段8に送られ、受信手段24を経てCPU23に入力される。
【0082】
前述の構成,動作に示したように、本実施例においても、ドットアレイ32がフィルム13の表面ではなく、貼り合わせ面に形成されているため、操作者がペン1で座標板31の表面を指示、あるいは移動走査する入力に際して、ペン1が座標板31に当接,打突、あるいは擦っても、ドットアレイ32にペン1が直接接触することがなく、ドットアレイ32には傷,変形,摩滅,薄色化,変色,脱落等が生じることがまったくなく、極めて高い信頼性で、恒久的にドットアレイ32を保持できる。また、前記座標板31の製造工程においても、いったんフィルム13をLCD21の表示パネルの上側ガラス21aに貼り合わせた後は、特別な注意あるいは治工具等を用いることなく容易な取扱いが可能となる。
【0083】
また、本実施例においては、LCD21のブラックマトリクス等からなる表示画素の境界に、X座標値あるいはY座標値がコード化された座標情報であるドットアレイ32を形成することにより、座標板31とLCD21とが重ねられ入出力一体型として構成されても、座標板31に記録された座標情報であるドットアレイ32が表示画像へ及ぼす悪影響はほとんどない。
【0084】
以上説明したように、本実施例によれば、実施例1と同様の理由で、信頼性が高く、操作性が良く、安価な画像入出力装置を提供することができる。
【0085】
(実施例の変形)
前述の実施例において、座標情報はX座標値とY座標値とを単独に形成したが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、本発明の主旨のひとつは、複数層の座標板の層間に座標情報を形成することで、極めて高い信頼性、かつ安価に座標情報を半永久的に保持することが可能になるということであり、座標情報の構成に限定があるものではない。例えば、ひとつの座標情報にXおよびY座標値がコード化され含まれる構成でもよい。該構成は、例えばドットマトリクス状に座標情報を形成し、上位行にX座標値を、下位行にY座標値を形成する等の手法で可能となるものである。もちろん、ひとつの座標情報の中にXおよびY座標値を含める手法は、いかなる手法でもよいことは言うまでもない。
【0086】
本発明の座標板の構成は、ガラス板表面にフィルムを貼り合わせる構成に限定されるものではない。例えば、ガラス板ではなくアクリル等の透明な各種のプラスチック板でもよい。また、座標板の裏面にフィルムを貼り合わせ、該貼り合わせ面に座標情報を形成する、あるいは座標板の両面にフィルムを貼り合わせ、該貼り合わせ面のいずれかに座標情報を形成する構成でもよい。また1枚のフィルムではなく複数枚のフィルムを貼り合わせてもよい。この場合は座標情報を形成する場所は、各層問のいずれでもよい。また、表示手段の表面に座標板を構成するフィルムを貼り合わせ、該フィルムの貼り合わせ面に座標情報を記録する場合(実施例2)、入力動作による該表示手段への悪影響、例えば破損、表示の乱れ等を防止するために、入力用の透明なプラスチック板等41を表示手段の前面に設ける構成でもよい(図9)。これらの構成は、座標板に求められる光透過率,反射率等の光学的性能、あるいは装置構造,強度,重量,生産性,安全性等の機械的性能,機能等により選択されるものである。そして、いずれの横成においても、操作者による使用、あるいは製造工程における取り扱いにおいて、座標情報に傷,変形,摩滅,薄色化,変色,脱落等が生じることがまったくなく、極めて高い信頼性で、恒久的に座標情報を保持できる。
【0087】
本発明の座標入力装置は必ずしも表示手段と一体的に構成される必要はない。例えば表示手段とは別体で、机上に置いて入力装置としての使用ができるものである。この場合に、座標板の表面あるいは裏面あるいは両面に透明フィルムを貼り合わせ、該貼り合わせ面のいずれかに座標情報が形成される。該構成により、座標板表面における、ペンあるいは指等による当接,打突あるいは擦れ等、あるいは座標板裏面における、机面あるいは机上の様々な物体との接触,打突,摩擦等により、座標情報に傷,変形,摩滅,薄色化,変色,脱落等が生じることがまったくなく、極めて高い信頼性で、恒久的に座標情報を保持できる。
【0088】
また、座標板は透明な材質に限定されるものではない。すなわち前述のように座標入力装置が表示手段と一体的に構成されず、単独で構成,使用される場合には、透明である必要はなく、座標板の材質は各種の金属あるいは各種のプラスチック等、所望の座標情報が形成しうる材質であれば、いかなる材質でもよいものである。
【0089】
座標情報をコード化する手法は、実施例のドットアレイに限るものではなく、間隙がなく連続するドット、すなわち線状図形の長さによるコード化、あるいは2種類の線の幅および間隔による、いわゆるバーコードによるコード化等、座標情報がコード化可能な手法であれば、いかなる手法でもよい。
【0090】
また、ドットアレイによるコード化において、ドットの数は、求められる仕様、すなわち入力有効領域の面積,表示画像の精細度,座標入力の精度あるいは分解能、あるいは入力指示手段のエリアセンサの仕様等により、いずれの個数でもよい。また必要に応じ、ドットの大きさ,形状あるいは色が加味されてよい。また、コード化において、「0」が背景とは必ずしも同等でなくともよい。すなわち、透明な座標板上において、「1」を表すドットと「0」を表すドットが共に所定の色を有し、該「1」と「0」のドットの判別ができ、2値化が可能であればよい。例えば、「1」と「0」を表すドットが同色でコントラストが異なるという構成でもよい。また、ドットとドット間の間隙は、前記実施例のように、ドットと同程度の大きさに限定されるものではなく、いずれの大きさでもよい。望ましくは、許容できる範囲でより大きな間隙とする構成がよい。また、ドットアレイ部の「1」のドットの個数を、全てのドットアレイで略同等にする、いわゆるDCフリーなドットアレイとすることで、ドットアレイのいわゆるグレー度を均一にする構成としてもよい。さらには、「1」あるいは「0」のドットが連続して配置される、いわゆるゼロランを禁止する構成としてもよい。該グレー度が均一あるいはゼロラン禁止の構成では、全体として表示画面がさらに均一に見えることを可能にする。
【0091】
座標情報の検索および抽出は、前述の実施例に限定されず、2値化された画像情報から所望の特徴を有する部分、領域を検索および抽出するあらゆる手法が、本発明に適用できる。例えば、画像情報の中心近傍かららせん状に検索,抽出していく、あるいは所定範囲を間引き走査で検索後、所望の領域を検索,抽出する等、いかなる手法でもよい。
【0092】
座標情報がX座標値をコード化したものであるか、Y座標値をコード化したものであるかを識別する手段は、前述の実施例に限定されるものではなく、該識別が可能であればいかなる手法でも本発明に含まれるものである。例えば、ドットマトリクス等の形状、ドットマトリクス等の構成内容、ドットの大きさ,形状あるいは色等が識別のために活用されるものである。
【0093】
また、座標情報の検索,抽出,識別,判断等において、必要に応じ、XおよびY座標値の確認、隣接座標情報を参照する、あるいは1個前のサンプリングデータを参照する等の、各種のチェック機能、あるいはパリティビットを付加しパリティチェックによる誤検出検知機能が付加されてもよいことは言うまでもない。
【0094】
座標情報が断続的に記録される配列ピッチは、本発明の主旨である、座標情報の数を著しく減らし、座標入力装置が表示装置と入出力一体型として構成されても、座標板に記録された座標情報が表示画像へ及ぼす悪影響を極めて小さく抑えることができれば、いかなる配列ピッチでもよい。望ましくは、座標情報間に、該座標情報が占める面積よりも大きい間隙がある配列ピッチがよい。また配列ピッチは、いわゆるX軸方向とY紬方向とが、実施例2のように異なっていてもよい。また入力有効領域全域において等しいピッチで形成される必要もない。これは、例えば本発明が関わるようなパソコン等のシステムにおいて、入力有効領域中での使用頻度が場所により異なるようなアプリケーションあるいは専用端末の如きシステムあるいは装置として使用される場合、有効に活用されるものである。
【0095】
また、配列ピッチは、必ずしも表示手段の表示画素ピッチに対応させる必要はない。特に実施例1のように、表示手段との間に厚さ方向で間隙を有し座標板が設けられる場合に、前記必要性は少ない。
【0096】
また、座標情報を表示手段の表示画素と関連付けて配列する場合には、前記実施例に限定されるものではなく、例えば表示手段がカラーの表示が可能であれば、表示画素中のいわゆるR(赤),G(緑),B(青)の各画素あるいはいずれかの画素に関連付けて、座標情報を形成する等、いかなる関連付けがされても、本発明の主旨が達成しうるものであればよい。
【0097】
入力指示手段の構成は、前記実施例に限定されるものではない。前記実施例では、入力手段はいわゆるペン入力に対応したペン状の構成としたが、これに限定されるものではなく、いわゆるマウス状等のいかなる形状でもよい。
【0098】
発光素子は、必要に応じ複数個の発光素子を用いてもよい。また、本発明の座標入力装置が使用される環境下の照明、例えば室内の照明を利用してエリアセンサが検出する、あるいは表示画面自体が発光する光を利用してエリアセンサが画像を検出する構成とすれば、発光素子を必ずしも必要とはしない。
【0099】
対物レンズの構成は、エリアセンサに座標情報を所望の明るさ,倍率,解像度,画角,ひずみ,被写界深度等で結像できれば、いかなる構成でもよい。
【0100】
エリアセンサの種類,イメージサイズ,画素数あるいはA/Dコンバータ,センサ駆動用タイミングIC、あるいは自動利得制御回路等の各種周辺回路部の内蔵等のエリアセンサの内部構成等に本発明は拘束されるものではない。
【0101】
座標情報を形成する場所は、前述の実施例のフィルムの貼り合わせ面に限定されないことは言うまでもない。座標板の表面、あるいは裏面でもよい。または、3層以上で構成される多層の座標板の場合は各層間のいずれでもよい。また、表示手段の表面に座標板を構成するフィルムを貼り合わせ、該フィルムの表面に座標情報を記録し、入力動作による該表示手段への悪影響、例えば破損,表示の乱れ等を防止するために、入力用の透明なプラスチック板41等を表示手段の前面に設ける構成でもよい(図9)。すなわち、座標情報を形成する場所は、入力指示手段により検出可能であれば、いずれでもよいものである。
【0102】
座標情報を検出する、あるいはX座標値とY座標値を識別する、あるいは座標値を決定する等のための電気・電子回路部である信号処理回路および演算制御回路は、必ずしも入力指示手段に内蔵される必要はない。すなわち、入力指示手段の形状、あるいは入力指示手段に内蔵される電池特性、あるいは入力指示手段とCPU等が設置される本体との通信方法等の仕様により、信号処理回路および演算制御回路を前記本体側に設けてもよい。この場合、入力指示手段の送信手段と本体側の受信手段間での送受される情報の内容が、必要に応じ様々な形態となることは言うまでもない。また、前述の実施例のように、送信手段,受信手段を設けずに、所定の接続コードにより入力指示手段と本体とを接続してもよい。この場合には、入力指示手段に電池を設けることなく、前記接続コードにより電源供給を行う構成も可能であることは言うまでもない。
【0103】
表示手段は、前記前述の実施例のLCDに限定されるものではなく、種類,方式,表示画面サイズ等、いずれの表示手段でも本発明は適用しうるものである。
【0104】
座標板は透明な材質に限定されるものではない。すなわち、本発明の座標入力装置が表示手段と一体的に構成されず、単独で構成、使用される場合には、透明である必要はなく、座標板の材質は各種の金属あるいは各種のプラスチック等、所望の座標情報が形成しうる材質であれば、いかなる材質でもよいものである。
【0105】
このように、本発明によれば、信頼性が高く、操作性が良く、安価なの座標入力装置、座標入出力装置を提供することができる。
【0106】
また、記録された座標情報が、傷,変形,摩滅,薄色化,変色,脱落等の状態となって、誤検出あるいは検出不能となることを回避でき、信頼性が高く、かつ安価な装置が実現できる。
【0107】
更に詳しくは、座標情報に含まれる情報はX軸座標値とY軸座標値との対ではなく、いずれか一方であるため、1個の座標情報の情報量を半分にすることができ、さらには断続的に記録することで座標情報の数を著しく減らすことができるために、座標入力装置が表示装置と入出力一体型として構成されても、座標板に記録された座標情報が表示画像へ及ぼす悪影響を極めて小さく抑えることができ、操作性が向上する。
【0108】
また、前記座標情報がドットアレイからなり、X軸座標値に対応するドットアレイとY軸座標値に対応するドットアレイのドット構成の少なくとも一部が異なるように形成された座標情報であるように構成することにより、X軸座標値とY軸座標値とを識別するために、座標情報量を大きくする必要がなく、座標情報が表示画像へ及ぼす悪影響を極めて小さく抑えることができ操作性が向上する。
【0109】
また、前記座標情報のドットアレイが、複数の行および列からなるドットマトリクス状に形成する、あるいは前記座標情報のドットアレイがL字状に形成することで、入力指示手段が座標入力有効領域においていずれの方向に位置した場合でも、X軸とY軸の方向およびX軸座標値とY軸座標値とを識別するために、座標情報量を大きくする必要がなく、座標情報が表示画像へ及ぼす悪影響を極めて小さく抑えることができる。
【0110】
また、前記座標情報のドットアレイが、アレイを形成するドット間に間隙を有する構成とすることで、ドットが連続してつながり、操作者が識別してしまうということがなく、座標情報を気にすることなく良好な入力指示の操作が可能となる。
【0111】
また、本発明によれば、座標板に記録される座標情報を表示画像に悪影響を極力及ぼさないような位置に配置することができ、座標情報が表示画像へ及ぼす悪影響を極めて小さく抑えることができる。
【0112】
また、前記座標情報が、前記表示装置の表示画素間に位置するように記録されることで、前記悪影響をさらに小さく抑えることができる。
【0113】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、信頼性が高く、操作性が良く、安価座標入力装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で用いるペンの構成を示すブロック図である。
【図2】実施例1全体のシステム構成を示すブロック図である。
【図3】実施例1で用いる座標板のドットアレイを示す図である。
【図4】実施例1の処理手順を示すフローチャートである。
【図5】実施例1においてエリアセンサが読み取る画像情報を示す図である。
【図6】実施例1においてエリアセンサが読み取る画像情報を示す図である。
【図7】実施例2で用いる座標板の模式断面図である。
【図8】実施例2で用いる座標板のドットアレイを示す図である。
【図9】実施例の変形における座標板の模式断面図である。
【符号の説明】
1 入力指示器(ペン)
12 座標情報
13 透明フィルム
14 透明ガラス板
21 LCD

Claims (8)

  1. 表示装置と、
    X軸座標値に対応する複数の座標情報とY軸座標値に対応する複数の座標情報とが断続的に記録された座標板と、
    前記座標板の入力する位置を指示してその位置に対応する座標情報を検出する入力指示手段と、
    前記入力指示手段で検出した各座標情報からX軸座標値またはY軸座標値を判断し、このX軸座標値およびY軸座標値にもとづいて前記入力する位置の座標を決定する処理手段とを備え、
    前記座標情報が前記表示装置の表示画面を形成する複数の表示画素間に位置するように前記座標板に記録されたことを特徴とする座標入力装置。
  2. 請求項1記載の座標入力装置において、前記座標情報は、X軸座標値に対応するドットアレイとY軸座標値に対応するドットアレイからなることを特徴とする座標入力装置。
  3. 請求項1又は2記載の座標入力装置において、前記座標情報は、L字状に形成されたドットアレイからなることを特徴とする座標入力装置。
  4. 請求項1記載の座標入力装置において、前記座標情報が前記表示装置の表示画面を形成する複数の表示画素間に位置するように、前記座標板の座標情報が記録された面が前記表示装置の表面に貼り合わされていることを特徴とする座標入力装置。
  5. 表示手段と、
    X−Y座標面を形成する座標入力有効領域においてX座標値および/またはY座標値とに対応する座標情報が複数記録された座標板と、
    この座標板の座標情報を検出する検出手段を有する入力指示手段とを備え、
    前記座標情報が前記表示装置の表示画面を形成する複数の表示画素間に位置するように前記座標板に記録され、前記座標板の座標情報が記録された面が前記表示手段の表面に貼り合わされていることを特徴とする座標入出力装置。
  6. 座標入力装置の座標板であって、
    X軸座標値に対応する複数の座標情報と、
    Y軸座標値に対応する複数の座標情報と、
    を有し、
    前記X軸座標値とY軸座標値に対応する複数の座標情報は、それぞれ断続的に記録され、
    前記座標板は表示装置と一体であり、
    前記座標情報が前記表示装置の表示画面を形成する複数の表示画素間に位置するように前記座標板に記録されたことを特徴とする座標入力装置の座標板。
  7. 請求項記載の座標板において、前記座標情報は、X軸座標値に対応するドットアレイとY軸座標値に対応するドットアレイからなることを特徴とする座標入力装置の座標板。
  8. 請求項記載の座標板において、前記座標情報が前記表示装置の表示画面を形成する複数の表示画素間に位置するように、前記座標板の座標情報が記録された面が前記表示装置の表面に貼り合わされていることを特徴とする座標入力装置の座標板。
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