JP4771800B2 - 半導体発光装置及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、半導体発光素子を用いた半導体発光装置に関し、特に半導体発光素子からの光を波長変換層を介して出射させて、発光素子チップからの出射光と波長変換層からの励起光とを混合して、外部に出射するようにした半導体発光装置とその製造方法に関する。
従来、このような半導体発光装置は、例えば特許文献1に示すように構成されている。
即ち、特許文献1によれば、図8に示すように、半導体発光装置1は、基体2と、基体2の上面に設けられた凹部2a内に配置された半導体発光素子3と、上記凹部2aの底面に形成された第一の波長変換層4と、上記凹部2a内に充填された封止部5と、凹部2aの上縁にて封止部5の表面付近に形成された第二の波長変換層6と、から構成されている。
ここで、上記基体2は、上面に一対の引出し電極7a,7bを備えた基板部2bと、この基板部2b上に載置された中央に上述した凹部2aを備えた反射枠部2cと、から構成されている。
上記基板部2bは、絶縁性材料から構成されていると共に、上記反射枠部2cは、耐熱性を有する絶縁性材料から構成されている。
そして、上記引出し電極7a,7bは、それぞれ一端が上記凹部2a内にてその底面に露出していると共に、上記基板部2bの側縁から下面にまで回り込んで、他端がそれぞれ表面実装用の端子部を形成している。
上記反射枠部2cは、図示の場合、中心に配置される半導体発光素子3を両側から包囲するように形成されたほぼ垂直または上に向かって広がる側壁を備えた凹部2aを備えていると共に、その凹部2aの内面が反射特性を有するように、白色材料から成形され、あるいは上記内面に塗布,メッキ,蒸着等による反射面を備えるようになっている。
尚、上記反射枠部2cは、半導体発光素子3を全周から包囲するように逆円錐台状に形成されていてもよい。
尚、上記反射枠部2cは、上記基板部2bに対して、上記引出し電極7a,7bがインサート成形されるように、一体成形されていてもよく、また半導体発光素子3が実装された基板部2bの上面に貼り付けられてもよい。
上記半導体発光素子3は、後述する波長変換材料を励起可能な波長の光を出射するように構成されている。
そして、上記半導体発光素子3は、上記基体2の凹部2aの底面に露出している一方の引出し電極7aの先端上にダイボンディングされることにより、この引出し電極7aに対して機械的そして電気的に接続される。
また、上記半導体発光素子3は、その上面の電極部(図示せず)が他方の引出し電極7bの先端にワイヤボンディングされることにより、この引出し電極7bに対して電気的に接続されるようになっている。
尚、半導体発光素子3は、上面に二つの電極部を備えるように構成されていてもよく、その場合、各電極部がそれぞれワイヤボンディングにより双方の引出し電極7a,7bに対してそれぞれ電気的に接続されることになる。
上記第一の波長変換層4は、例えば無機蛍光体粒子等の波長変換材料を含んでおり、半導体発光素子3からの光により励起され、波長変換された光(第一波長光)を出射するようになっている。
そして、上記第一の波長変換層4は、上記基体2の凹部2aの底面領域に配置されており、図示の場合には、基板部2bの表面及び半導体発光素子3の上面に位置している。
上記封止部5は、半導体発光素子3からの光及び第一の波長変換層4からの第一波長光そして好ましくは第二の波長変換層6からの第二波長光(後述)を透過し得る透光性材料から構成されており、例えば熱硬化樹脂や低融点ガラス等から成る。
ここで、上記封止部5は、好ましくは、その上面が凹状に湾曲して形成されている。
上記第二の波長変換層6は、例えば無機蛍光体粒子等の波長変換材料を含んでおり、半導体発光素子3からの光により励起され、波長変換された光(第二波長光)を出射するようになっている。
そして、上記第二の波長変換層4は、上記半導体発光素子3から上方に離反して、即ち上記基体2の凹部2aの上縁の比較的広い中央領域に、具体的にはこの凹部2a内に充填された封止部5の上面に配置されている。
ここで、上記第一の波長変換層4は、例えば無機蛍光体粒子等の波長変換材料を熱硬化性樹脂中に混合して、上記凹部2aの底面に塗布し、あるいは封止部5を構成する透光性樹脂材料中に波長変換材料を混入し、凹部2a内に充填して、この波長変換材料を沈降させることにより、形成されるようになっている。
そして、上記凹部2a内にて、半導体発光素子3を覆うように封止部5が充填された後、その上に所定量の粒子状の波長変換剤としての蛍光体を含む第二の波長変換層6が塗布される。
このような構成の半導体発光装置1によれば、一対の引出し電極7a,7bを介して半導体発光素子3に駆動電圧が印加されると、半導体発光素子3が発光する。
そして、半導体発光素子3からの光Lのうち、上方に向かってほぼ垂直に光軸方向に出射する光は、第一の波長変換層4を透過して、一部が第二の波長変換層6を透過すると共に、他の一部が第二の波長変換層6により波長変換されて第二の波長光L2となって下方に反射され、さらに残りの光が第二の波長変換層6で反射された後、再び第一の波長変換層4に入射する。
この入射光は、その一部が、第一の波長変換層4で反射されて、上方に向かって放射すると共に、他の一部が第一の波長変換層4で波長変換されて第一波長光L1となって、上方に放射されることになる。
これに対して、光軸から外れて側面から斜め下方に向かって出射した光は、その一部が第一の波長変換層4に入射して波長変換され第一波長光L1となると共に、他の一部が第一の波長変換層4で反射されて、上方に向かって出射する。
従って、上述した第一波長光L1及び第二波長光L2が、半導体発光素子3からの光Lと混色されることにより、全体として均一な色の発光特性が得られるようになっている。
このようにして、簡単な構成により低コストで、色ムラ及び輝度ムラの少ない半導体発光装置が構成され得ることになる。
尚、第一の波長変換層4及び第二の波長変換層6に含まれる波長変換材が同じものである場合には、第一波長光L1及び第二波長光L2が同じ色の光となることから、全体としてより均一な色ムラのない発光特性が得られることになる。
特開2005−191420号
しかしながら、このような構成の半導体発光装置1においては、以下のような不具合がある。
即ち、第一の波長変換層4が半導体発光素子3の直上にも配置されていることから、半導体発光素子3からの光Lのうち、上方に向かってほぼ垂直に光軸方向に出射する最も励起強度が強い光は、まず第一の波長変換層4を透過し、第二の波長変換層6で反射された後、第一の波長変換層4で反射されることになり、波長変換層による透過/反射が三回にわたって繰り返されることになる。
このため、最も励起強度が強い光が、これらの透過/反射によって大きく減衰することになってしまうことから、光取出し効率が比較的低く、例えば一般的なポッティングによる蛍光体充填による白色LEDの場合と同程度の光取出し効率になってしまう。
従って、半導体発光装置の高出力化の要請に伴って、より高い光取出し効率を有する半導体発光装置が要求されるようになってきている。
このような不具合は、種々の半導体発光素子からの光と波長変換剤の励起光の混色光を出射するLED等の各種半導体発光装置においても、同様に存在する。 また、リードフレームをインサート成形したタイプのLEDだけでなく、例えば半導体基板の上面に凹部を形成して、この凹部の底部から側面を介して基板の上面そして場合によっては下面まで回り込む導電薄膜から成る電極層を備えたタイプのLED等の半導体発光装置においても、同様である。
本発明は、以上の点から、簡単な構成により、発光素子チップからの出射光と波長変換剤による励起光との混色光に色ムラが発生せず、しかも高い光取出し効率を有するようにした半導体発光装置及びその製造方法を提供することを目的としている。
上記目的は、本発明の第一の構成によれば、上面に凹部を備えた基体と、この凹部の底面に配置された半導体発光素子と、この半導体発光素子からの光を波長変換する波長変換層とを備えている半導体発光装置であって、上記凹部の底面から上方に離れた高さ位置にて半導体発光素子の直上領域を除いて配置された第一の波長変換層と、上記半導体発光素子の上面から上方に離れた高さ位置に配置された第二の波長変換層と、を含んでいることを特徴とする半導体発光装置により、達成される。
本発明による半導体発光装置は、好ましくは、上記凹部内に充填され、上記半導体発光素子からの光を吸収しない透光性材料から構成されている封止部を含んでいる。
本発明による半導体発光装置は、好ましくは、上記第一の波長変換層が、二段構成の封止部の下段の表面付近に配置されている。
本発明による半導体発光装置は、好ましくは、上記第二の波長変換層が、二段構成の封止部の上段の表面付近に配置されている。
本発明による半導体発光装置は、好ましくは、上記半導体発光素子の直上に、上記第一の波長変換層を貫通する透明基体が載置されている。
本発明による半導体発光装置は、好ましくは、上記第一の波長変換層が、透明基板の下面に形成されている。
本発明による半導体発光装置は、好ましくは、上記第二の波長変換層が、透明基板の上面に形成されている。
本発明による半導体発光装置は、好ましくは、上記第一の波長変換層が、半導体発光素子に対向する内縁から半径方向外側に向かって上方に湾曲するほぼ放物線状の断面を備えている。
本発明による半導体発光装置は、好ましくは、上記封止部の上面が、半導体発光素子の直上の中央付近に凹部を備えている。
本発明による半導体発光装置は、好ましくは、上記第一の波長変換層及び第二の波長変換層が、A3 5 12:M(A:Y,Gd,Lu,Tb、B:Al,Ga、M:Ce3+,Tb3+,Eu3+,Cr3+,Nd3+またはEr3+)、BAM蛍光体(希土類をドープしたバリウム−アルミニウム−マグネシウム系化合物蛍光体)、Y2 2 S:Eu3+やZnS:Cu,Al等の硫化物系化合物蛍光体または(Sr,Ca)S:Eu2+,CaGa2 4 :Eu2+やSrGa2 4 :Eu2+等の希土類をドープしたチオガレート系蛍光体またはTbAlO3 :Ce3+等のアルミン酸塩または(Ba,Ca,Eu)x Siy z :Eu2+等のオルトケイ酸塩の少なくとも一つの組成を含有した蛍光体を含んでいる。
本発明による半導体発光装置は、好ましくは、上記封止部が、エポキシ樹脂,シリコーン樹脂,エポキシ基を有するポリジメチルシロキサン誘導体,オキセタン樹脂,アクリル樹脂またはシクロオレフィン樹脂の少なくとも一つ以上の樹脂を含有している樹脂から構成されている。
上記目的は、本発明の第二の構成によれば、基体上面に備えられた凹部内に半導体発光素子を配置し、この凹部底面から上方に離れた高さ位置にて半導体発光素子の直上領域を除いて第一の波長変換層を配置すると共に、上記半導体発光素子の上面から上方に離れた高さ位置に第二の波長変換層を配置して、上記発光素子チップからの出射光を第一の波長変換層及び第二の波長変換層で波長変換して、波長変換した光と半導体発光素子からの光との混色光を外部に出射する、半導体発光装置の製造方法であって、上記凹部内に充填すべき封止部を形成する材料中に、第一の波長変換層の波長変換材を混合して、上記凹部内の途中の高さ位置まで充填して、上記基体を天地反転させた状態で硬化させることにより、第一の波長変換層及び封止部の下段を形成する段階を含んでいることを特徴とする、半導体発光装置の製造方法により、達成される。
本発明による半導体発光装置の製造方法は、好ましくは、第一の波長変換層が形成された凹部内に、さらに上記凹部内に充填すべき封止部を形成する材料中に、第二の波長変換層の波長変換材を混合して、上記凹部上縁の高さ位置まで充填して、上記基体を天地反転させた状態で硬化させることにより、第二の波長変換層及び封止部の上段を形成する段階を含んでいる。
本発明による半導体発光装置の製造方法は、好ましくは、上記第一の波長変換層及び封止部の下段を形成する段階の前に、上記半導体発光素子の直上に、第一の波長変換層を越えた高さ位置まで上方に延びる透明基材を配置する段階を備えている。
本発明による半導体発光装置の製造方法は、好ましくは、第一の波長変換層が形成された凹部内に、上面に第二の波長変換層が設けられた透明基板を配置することにより、第二の波長変換層を形成する段階を含んでいる。
上記目的は、本発明の第三の構成によれば、基体上面に備えられた凹部内に半導体発光素子を配置し、この凹部底面から上方に離れた高さ位置にて半導体発光素子の直上領域を除いて第一の波長変換層を配置すると共に、上記半導体発光素子の上面から上方に離れた高さ位置に第二の波長変換層を配置して、上記発光素子チップからの出射光を第一の波長変換層及び第二の波長変換層で波長変換して、波長変換した光と半導体発光素子からの光との混色光を外部に出射する、半導体発光装置の製造方法であって、上記凹部内に、下面に第一の波長変換層が、また上面に第二の波長変換層がそれぞれ設けられた透明基板を配置することにより、第一の波長変換層及び第二の波長変換層を形成する段階を含んでいることを特徴とする、半導体発光装置の製造方法により、達成される。
上記第一の構成によれば、半導体発光素子に駆動電圧が印加されると、半導体発光素子3が発光する。そして、半導体発光素子3からの光のうち、上方に向かってほぼ垂直に光軸方向に出射する光は、一部が第二の波長変換層を透過すると共に、他の一部が第二の波長変換層により波長変換されて第二の波長光となって下方に反射され、さらに残りの光が第二の波長変換層で反射された後、下方に向かって進み、第一の波長変換層に入射する。
この入射光は、その一部が、第一の波長変換層で反射されて、上方に向かって放射すると共に、他の一部が第一の波長変換層で波長変換されて第一波長光となって、上方に放射されることになる。
また、光軸から外れて側面から斜め下方に向かって出射した光は、その一部が第一の波長変換層に入射して波長変換され第一波長光となると共に、他の一部が第一の波長変換層を透過して、上方に向かって出射する。
従って、上述した第一波長光及び第二波長光が、半導体発光素子からの光と混色されることにより、全体として均一な色の発光特性が得られるようになっている。
この場合、半導体発光素子の直上領域には第一の波長変換層が設けられていないので、半導体発光素子から光軸方向に出射する光が、第一の波長変換層を透過する必要がないことから、この第一の波長変換層の透過の際の透過損失が排除されることになり、光取出し効率が向上することになる。
また、第一の波長変換層が基体凹部の底面から上方に配置されていることにより、半導体発光素子の側面から出射した光は、すべて第一の波長変換層に入射することになるので、第一の波長変換層における波長変換効率が向上することになる。
上記凹部内に充填され、上記半導体発光素子からの光を吸収しない透光性材料から構成されている封止部を含んでいる場合には、この封止部により基体凹部内の半導体発光素子が固定保持され且つ保護されることになる。
上記第一の波長変換層が、二段構成の封止部の下段の表面付近に配置されている場合には、第一の波長変換層が封止部の下段表面に安定して保持されると共に、製造の際には、封止部を構成する材料に第一の波長変換層のための波長変換剤を混合して凹部内に充填して、天地逆転させて硬化させることにより、波長変換剤が重力により封止部の下段表面付近に沈降するので、第一の波長変換層が容易に形成され得ることになる。
上記第二の波長変換層が、二段構成の封止部の上段の表面付近に配置されている場合には、同様にして第二の波長変換層が封止部の上段表面に安定して保持されると共に、製造の際には、封止部を構成する材料に第二の波長変換層のための波長変換剤を混合して凹部内に充填して、天地逆転させて硬化させることにより、波長変換剤が重力により封止部の上段表面付近に沈降するので、第二の波長変換層が容易に形成され得ることになる。
上記半導体発光素子の直上に、上記第一の波長変換層を貫通する透明基体が載置されている場合には、第一の波長変換層の形成の際に、半導体発光素子の直上に第一の波長変換層が形成されることが確実に阻止され得る。
上記第一の波長変換層が、透明基板の下面に形成されている場合、あるいは上記第二の波長変換層が、透明基板の上面に形成されている場合には、透明基板の下面または上面にそれぞれ第一の波長変換層及び第二の波長変換層を形成しておくことにより、基体凹部内に上記透明基板を配置することにより、凹部内の所定箇所に第一の波長変換層及び/または第二の波長変換層が配置されることになり、簡単な構成により、容易に組み立てられ得ることになる。
上記第一の波長変換層が、半導体発光素子に対向する内縁から半径方向外側に向かって上方に湾曲するほぼ放物線状の断面を備えている場合には、天地逆転した状態で封止部の下段が凹部内にて硬化する際に、半径方向外側に向かって第一の波長変換層の上下方向の厚さが徐々に厚くなるので、比較的入射光量が少なくなる周辺領域で第一の波長変換層による波長変換光の光量が多くなるので、波長変換光の光量が均一化されることになる。
上記封止部の上面が、半導体発光素子の直上の中央付近に凹部を備えている場合には、前もって形成した封止部の凹部内にポッティング等により第二の波長変換層の材料を充填することにより、容易に第二の波長変換層が形成され得ることになる。
上記第一の波長変換層及び第二の波長変換層が、A3 5 12:M(A:Y,Gd,Lu,Tb、B:Al,Ga、M:Ce3+,Tb3+,Eu3+,Cr3+,Nd3+またはEr3+)、BAM蛍光体(希土類をドープしたバリウム−アルミニウム−マグネシウム系化合物蛍光体)、Y2 2 S:Eu3+やZnS:Cu,Al等の硫化物系化合物蛍光体または(Sr,Ca)S:Eu2+,CaGa2 4 :Eu2+やSrGa2 4 :Eu2+等の希土類をドープしたチオガレート系蛍光体またはTbAlO3 :Ce3+等のアルミン酸塩または(Ba,Ca,Eu)x Siy z :Eu2+等のオルトケイ酸塩の少なくとも一つの組成を含有した蛍光体を含んでいる場合には、これらの一般的な波長変換剤を使用することにより、容易に波長変換層が形成され得ることになる。
上記封止部が、エポキシ樹脂,シリコーン樹脂,エポキシ基を有するポリジメチルシロキサン誘導体,オキセタン樹脂,アクリル樹脂またはシクロオレフィン樹脂の少なくとも一つ以上の樹脂を含有している樹脂から構成されている場合には、これらの一般的な樹脂材料を使用することにより、半導体発光素子からの光そして各波長変換層からの波長変換光に対して透光性を備えた封止部が容易に形成され得ることになる。
上記第二の構成によれば、封止部を構成する材料に第一の波長変換層のための波長変換剤を混合して凹部内に充填して、天地逆転させて硬化させることにより、波長変換剤が重力により封止部の下段表面付近に沈降するので、基材の凹部内にて、封止部の下段表面付近、即ち凹部の底面から上方に離れた高さ位置にて、半導体発光素子の直上領域を除いて第一の波長変換層が形成されることになる。 従って、半導体発光素子の直上領域には第一の波長変換層が設けられていないので、半導体発光素子から光軸方向に出射する光が、第一の波長変換層を透過する必要がないことから、この第一の波長変換層の透過の際の透過損失が排除されることになり、光取出し効率が向上することになる。
また、第一の波長変換層が基体凹部の底面から上方に配置されていることにより、半導体発光素子の側面から出射した光は、すべて第一の波長変換層に入射することになるので、第一の波長変換層における波長変換効率が向上することになる。
第一の波長変換層が形成された凹部内に、さらに上記凹部内に充填すべき封止部を形成する材料中に、第二の波長変換層の波長変換材を混合して、上記凹部上縁の高さ位置まで充填して、上記基体を天地反転させた状態で硬化させることにより、第二の波長変換層及び封止部の上段を形成する段階を含んでいる場合には、同様にして封止部を構成する材料に第二の波長変換層のための波長変換剤を混合して凹部内に充填して、天地逆転させて硬化させることにより、波長変換剤が重力により封止部の上段表面付近、即ち半導体発光素子の表面から上方に離れた高さ位置にて、第二の波長変換層が形成されることになる。
これにより、半導体発光素子の上面から光軸方向に沿って上方に出射した光は、第一の波長変換層を透過することなく、第二の波長変換層に入射することになるので、第二の波長変換層における波長変換効率が向上することになる。
上記第一の波長変換層及び封止部の下段を形成する段階の前に、上記半導体発光素子の直上に、第一の波長変換層を越えた高さ位置まで上方に延びる透明基材を配置する段階を備えている場合には、第一の波長変換層及び封止部の下段を形成する際に、凹部内に封止部の材料を充填したとき、半導体発光素子の直上領域には、封止部の材料が充填されない。従って、半導体発光素子の直上領域に第一の波長変換層が形成されることが確実に阻止され得る。
第一の波長変換層が形成された凹部内に、上面に第二の波長変換層が設けられた透明基板を配置することにより、第二の波長変換層を形成する段階を含んでいる場合には、透明基板を凹部内に配置することにより、封止部上段の硬化を待つ必要がなく、短時間で第二の波長変換層を形成することができる。
上記第三の構成によれば、透明基板の下面または上面にそれぞれ第一の波長変換層及び第二の波長変換層を形成しておくことにより、基体凹部内に上記透明基板を配置することにより、凹部内の所定箇所に第一の波長変換層及び/または第二の波長変換層が配置されることになり、簡単な構成により、容易に組み立てられ得ることになると共に、封止部を形成する材料の硬化時間が不要であるので、短時間で組立が行なわれ得ることになる。
このようにして、本発明によれば、半導体発光素子の直上領域には第一の波長変換層が設けられていないので、半導体発光素子から光軸方向に出射する光が、第一の波長変換層を透過する必要がないことから、この第一の波長変換層の透過の際の透過損失が排除されることになり、光取出し効率が向上することになる。 また、第一の波長変換層が基体凹部の底面から上方に配置されていることにより、半導体発光素子の側面から出射した光は、すべて第一の波長変換層に入射することになるので、第一の波長変換層における波長変換効率が向上することになる。
さらに、本発明によれば、従来の引出し電極としてのリードフレームをそのまま利用することができるので、新たな設備コストが不要であり、透過及び反射型半導体発光装置を低コストで製造することが可能である。
また、励起光源としての半導体発光素子が近紫外光を出射する場合には、輝度ムラが低減されると共に、外部に出射する透過励起光が抑制され得るので、導光板等の紫外光による劣化が防止され得ることになる。
さらに、励起光と波長変換光との混色により白色光を外部に出射する半導体発光装置の場合には、色ムラ及び輝度ムラが低減され得ることになり、品質の良い白色LED等の白色半導体発光装置が製造され得ることになる。
以下、この発明の好適な実施形態を図1〜図7を参照しながら、詳細に説明する。
尚、以下に述べる実施形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
[実施例1]
図1は、本発明による半導体発光装置の第一の実施形態を示している。
図1において、半導体発光装置10は、基体11と、基体11の上面に設けられた凹部11a内に配置された半導体発光素子12と、上記凹部11aの底面から上方に離れて形成された第一の波長変換層13と、上記凹部11a内に充填された封止部14と、凹部11aの上縁にて封止部14の表面付近に形成された第二の波長変換層15と、から構成されている。
ここで、上記基体11は、上面に一対の引出し電極16a,16bを備えた基板部11bと、この基板部11b上に載置された中央に上述した凹部11aを備えた反射枠部11cと、から構成されている。
上記基板部11bは、例えばガラス,エポキシ樹脂等の絶縁性材料から構成されていると共に、上記反射枠部11cは、耐熱性を有する絶縁性材料から構成されている。
そして、上記引出し電極16a,16bは、それぞれ一端が上記凹部11a内にてその底面に露出していると共に、上記基板部11bの側縁から下面にまで回り込んで、他端がそれぞれ表面実装用の端子部を形成している。
尚、基体11及び引出し電極16a,16bの形態は、基体11上に半導体発光素子12が固定され、且つ各引出し電極16a,16bと電気的に接続されていれば、任意の形態が採用され得る。
上記反射枠部11cは、図示の場合、中心に配置される半導体発光素子12を両側(または全周)から包囲するように形成されたほぼ垂直または上に向かって広がる側壁を備えた凹部11aを備えていると共に、その凹部11aの内面が反射特性を有するように、白色材料から成形され、あるいは上記内面に塗布,メッキ,蒸着等による高反射率を有する反射面を備えるようにしてもよい。
ここで、上記凹部11aは、その内面が例えば逆円錐台状または逆四角錐台状に上方に向かって広がるように傾斜して形成されている。尚、上記内面は、ほぼ垂直に形成されていてもよい。
また、上記反射枠部11cは、基板部11bと一体に形成されていてもよく、また基板部11bに対して接着等により接合されてもよい。
尚、上記反射枠部11cは、上記基板部11bに対して、上記引出し電極16a,16bがインサート成形されるように、一体成形されていてもよく、また半導体発光素子12が実装された基板部11bの上面に貼り付けられてもよい。
上記半導体発光素子12は、後述する波長変換材料を励起可能な波長の光、例えば紫外光から青色光の光(発光ピークの波長範囲が300〜490nm程度)を出射するように構成されている。
具体的には、上記半導体発光素子12は、代表的なものとして、III 族−窒素化合物系(InGaAlN系)半導体,酸化亜鉛化合物系(ZnMgO系)半導体,セレン化亜鉛化合物系(ZnMgSeSTe系)半導体,炭化ケイ素化合物系(SiGeC系)半導体等が使用される。
そして、上記半導体発光素子12は、上記基体11の凹部11aの底面に露出している一方の引出し電極16aの先端上または凹部11aの底面に、エポキシ樹脂等の接着剤により固定される。
また、上記半導体発光素子12は、その上面の二つの電極部(図示せず)がそれぞれ各引出し電極16a,16bの先端にワイヤボンディングされることにより、この引出し電極16a及び16bに対してそれぞれ電気的に接続されるようになっている。
尚、半導体発光素子12は、下面及び上面にそれぞれ電極部を備えるように構成されていてもよく、その場合、半導体発光素子12が一方の引出し電極16a上にダイボンディングされると共に、上面の電極部がワイヤボンディングにより他方の引出し電極16bに対して電気的に接続されることになる。
また、半導体発光素子12は、下面の両側縁にそれぞれ電極部を備えるように構成されていてもよく、その場合、半導体発光素子12が、その下面両側縁の電極部が、それぞれ対応する引出し電極16a,16bに当接するように、引出し電極16a,16b間を跨ぐように、Au−Sn等の共晶材料やAuバンプ,異方性を有する導電性シートやAgペースト等の導電性樹脂等により凹部11aの底面に固定され、且つ双方の引出し電極16a,16bに対してそれぞれ電気的に接続されることになる。
さらには、基体11が金属等の導電性材料から構成されていて、上記基体11が一方の引出し電極16aとしても作用するようになっていてもよい。
上記第一の波長変換層13は、例えば無機蛍光体粒子等の波長変換材料を含んでおり、半導体発光素子12からの光により励起され、波長変換された光(第一波長光)を出射するようになっている。
そして、上記第一の波長変換層13は、上記基体11の凹部11a内にて、底面から上方に離れた高さ位置に配置されていると共に、その上面が内縁から半径方向外側に向かって上方に湾曲するように、ほぼ放物線状の断面を備えている。尚、上記第一の波長変換層13の上面は、任意の形状、例えば平坦に形成されていてもよい。
さらに、上記第一の波長変換層13は、半導体発光素子12の上面付近の高さ位置に、図示の場合には、その半導体発光素子12に対向する内縁が、上記半導体発光素子12の上面付近の高さ位置に位置している。
上記封止部14は、半導体発光素子12からの光の発光ピーク波長から短波長領域まで透明である透光性材料から構成されている。
上記封止部14の材料は、さらに第一の波長変換層13の波長変換材料を混合可能であって、加熱や放置等により第一の波長変換層13の波長変換材料が沈降可能であればよく、熱硬化性樹脂,低融点ガラス等が使用可能である。
尚、一般的な樹脂の比重は約1.1程度であり、使用される波長変換材料として一般的なBAM蛍光体の比重は3.8程度であるので、波長変換材料が沈降可能である。
具体的には、封止部14の材料として、本発明実施形態においては、熱硬化性樹脂が使用され、エポキシ樹脂,シリコーン樹脂,エポキシ基を有するポリジメチルシロキサン誘導体,オキセタン樹脂,アクリル樹脂またはシクロオレフィン樹脂の少なくとも一つ以上の樹脂を含有している樹脂が使用され得る。
上記封止部14は、図示の場合、上下二段構成で構成されていると共に、下段14aの上面に第一の波長変換層13が配置され、また上段14bの上面に第二の波長変換層15が配置されるようになっている。
さらに、上記封止部14の上段14bは、その上面が凹状に湾曲して形成されることにより、凹陥部14cを備えている。
ここで、上記封止部の上段14bは、下段14aと異なる材料から構成されていてもよい。この場合、上段14bの材料は、下段14aとの密着性に優れ、且つ半導体発光素子12からの励起光による劣化がないものであればよい。
上記第二の波長変換層15は、例えば無機蛍光体粒子等の波長変換材料を含んでおり、半導体発光素子12からの光により励起され、波長変換された光(第二波長光)を出射するようになっている。
そして、上記第二の波長変換層13は、上記半導体発光素子12から上方に離反して、即ち上記基体11の凹部11aの上縁の比較的広い中央領域に、具体的にはこの凹部11a内に充填された封止部14の上面に配置されている。
ここで、上記第一の波長変換層13及び第二の波長変換層15の位置関係は、例えば半導体発光素子12が紫外光を出射し、第一の波長変換層13及び第二の波長変換層15の蛍光体をこの紫外光により励起して白色または他の色の光を取り出すような場合には、半導体発光素子12からの紫外光が直接外部に出射しないように配置され、さらに各波長変換層13,15の厚さ及び材料が選定されるようになっている。
上記第一の波長変換層13及び第二の波長変換層15そして封止部14は、本発明の製造方法によれば、以下のように形成されるようになっている。
即ち、上記第一の波長変換層13は、上記封止部14を形成すべき樹脂材料中に、例えば無機蛍光体粒子等の波長変換材料を混合して、上記凹部11aの途中の高さ位置まで充填し、上記基体11を天地反転させた状態で硬化させることにより、樹脂材料中にて波長変換材料が重力に基づいて沈降し、上面がほぼ放物線状の断面を備える封止部14の下段14aと共に、その表面に同時に形成されるようになっている。その際、凹部11a内に充填された樹脂材料の表面張力に基づいて、樹脂材料が凹部11aの内面に沿って這い上がることになり、前述した第一の波長変換層13の上面のほぼ放物線状の断面が容易に形成され得る。
この場合、第一の波長変換層13は、封止部14の下段14a上面の前述したほぼ放物線状の断面形状に基づいて、半径方向外側に向かって徐々にその厚さが厚くなり、周辺に向かって波長変換材料の量即ち濃度が増大するようになっている。
この放物線状の断面形状は、半導体発光素子12の配光特性に対応して、設定されるようになっている。
即ち、半導体発光素子12が例えばCree製のMBチップのように専ら凹部11aの底面方向に光を照射する場合には、上記第一の波長変換層13の放物線状の断面形状は、その頂点が半導体発光素子12の上端またはそれより高い位置に在ることが望ましい。
尚、上記第一の波長変換層13の放物線状の断面形状の頂点が半導体発光素子12の上端より低い位置に在る場合等においては、第一の波長変換層13と第二の波長変換層15との間に、封止部14の樹脂材料により形成されたスペーサ部が配置されてもよい。
ここで、スペーサ部は、第二の波長変換層15の形成を容易にすると共に、第二の波長変換層15の底面での半導体発光素子12からの励起光及び第一の波長変換層13で波長変換された光を効率良く拡散するために、半導体発光素子12の直上領域にて凹状に形成され得る。
この凹状の形状は、硬化時の溶剤揮発による収縮を利用し、あるいは樹脂材料の制御によりメニスカス現象を発生させたり、さらには圧縮成形等によって、形成され得る。
ここで、凹部11a内への樹脂材料の充填は、通常は凹部11aの上縁と同じ高さまで、あるいは上縁よりやや凹んだ状態まで行なわれる。
しかしながら、樹脂材料の溶媒の蒸発量が比較的多い場合には、樹脂材料は、凹部11aの上縁より凸状に盛り上がった状態まで充填されることもある。
尚、上記第一の波長変換層13は、その厚さが波長変換材料の波長変換効率に基づいて決定され、好ましくは20〜150μm程度に選定される。
これに対して、上記第二の波長変換層15は、第一の波長変換層13と同様にして、封止部14を形成すべき樹脂材料中に波長変換材料を混合して、上記凹部11aの上縁付近の高さ位置までディスペンサー等を使用してポッティングにより充填し、上記基体11を天地反転させた状態で硬化させることにより、樹脂材料中にて波長変換材料が重力に基づいて沈降し、上記封止部14の上段14bと共に、その表面に同時に形成される
尚、上記第二の波長変換層15は、上記凹部11a内にて、半導体発光素子12を覆うように封止部14の上段14bが充填され硬化された後、その上に形成された凹陥部14c内に、所定量の粒子状の波長変換剤を含む第二の波長変換層6がポッティング等により塗布されるようにしてもよい。この場合、基体11を天地反転させた状態での硬化は不要である。
ここで、上記第二の波長変換層15の厚さは、波長変換材料の粒子が一層だけ形成されるような厚さでも波長変換効果が得られ、第一の波長変換層13の上面から凹部11aの上縁までの高さ位置の間にて波長変換効果が得られるが、好ましくは20〜150μm程度に選定される。
また、上記第二の波長変換層15の水平方向の大きさは、第一の波長変換層13を透過しない半導体発光素子12からの直接光が外部に出射しないように選定される。
ここで、上記第一の波長変換層13及び第二の波長変換層15のための波長変換材料は、半導体発光素子12の発光ピーク波長より長波長側の発光ピークに変換する材料を一つ以上含むものから構成されると共に、色ムラを考慮すると、一般的には第一の波長変換層13及び第二の波長変換層15のための波長変換材料は互いに同じものが使用される。
しかしながら、反射率等の構成材料の物性的特性によっては、第一の波長変換層13及び第二の波長変換層15のための波長変換材料は互いに異なるものが使用されてもよい。
上記第一の波長変換層13及び第二の波長変換層15のための波長変換材料は、一般的には、A3 5 12:M(A:Y,Gd,Lu,Tb、B:Al,Ga、M:Ce3+,Tb3+,Eu3+,Cr3+,Nd3+またはEr3+)、希土類をドープしたBAM蛍光体(バリウム−アルミニウム−マグネシウム系化合物蛍光体)、Y2 2 S:Eu3+やZnS:Cu,Al等の硫化物系化合物蛍光体または(Sr,Ca)S:Eu2+,CaGa2 4 :Eu2+やSrGa2 4 :Eu2+等の希土類をドープしたチオガレート系蛍光体、またはTbAlO3 :Ce3+等のアルミン酸塩または(Ba,Ca,Eu)x Siy z :Eu2+等のオルトケイ酸塩の少なくとも一つの組成を含有した蛍光体を含んでいる。
尚、必要に応じて、これらの材料に、励起光及び波長変換された光の反射を補助するために、硫酸バリウム,酸化マグネシウム,酸化ケイ素等の散乱材が混入されていてもよい。
本発明実施形態による半導体発光装置10は、以上のように構成されており、一対の引出し電極16a,16bを介して半導体発光素子12に駆動電圧が印加されると、半導体発光素子12が発光する。
そして、半導体発光素子12からの光Lは、全方位に放射するが、そのうち、上方に向かってほぼ垂直に光軸方向に出射する最も励起強度が強い光Lは、封止部14の下段14aから、第一の波長変換層13を透過することなく、封止部14の上段14bを介して、一部が第二の波長変換層15を透過すると共に、他の一部が第二の波長変換層15により波長変換されて第二の波長光L2となって下方に反射され、さらに残りの光Lが第二の波長変換層15で反射された後、第一の波長変換層13に入射する。
この入射光は、その一部が、第一の波長変換層13で反射されて、上方に向かって放射すると共に、光Lの一部が第一の波長変換層13で波長変換されて第一波長光L1となって、上方に放射されることになる。
これに対して、光軸から外れて半導体発光素子12の側面から出射した光は、その一部が凹部12aの底面または側面で反射され、また他の一部が直接に第一の波長変換層13に入射する。そして、一部の光が波長変換され第一波長光L1となると共に、他の一部が第一の波長変換層13を透過して、上方に向かって出射する。
従って、上述した第一波長光L1及び第二波長光L2が、半導体発光素子12からの光Lと混色されることにより、外部に向かって出射されるようになっている。
この場合、本発明の特徴として、半導体発光素子12の直上領域には第一の波長変換層13が設けられていないので、半導体発光素子12から光軸方向に出射する光が、第一の波長変換層13を透過する必要がないことから、この第一の波長変換層13の透過の際の透過損失が排除されることになり、光取出し効率が向上し、高効率化が実現され得ることになる。
また、第一の波長変換層13が基体11の凹部11aの底面から上方に配置されていることにより、半導体発光素子12から側方に出射した光がすべて第一の波長変換層13に入射することになるので、半導体発光素子12からの光が直接に外部に出射するようなことがなく、従って第二の波長変換部15とその周囲の間における色ムラが低減され得ることになる。
さらに、第一の波長変換層13の上面が上方に向かってほぼ放物線状の断面を有していることから、中央に向かって波長変換材料の濃度が低くなるので、半導体発光素子12からの励起光の取出し効率が向上することになる。
[実験例1]
上述した半導体発光素子10の実験例について、以下に説明する。
まず基体11として、絶縁性セラミック材の中に、Agメッキされた引出し電極16a,16bが配線されたものを用意した。
そして、基体11の凹部11a(端面角度約60度,深さ1000μm)の内面に、Ag系合金を蒸着して反射率を高めた金属リングを、基体11及び引出し電極16a,16bに対して電気的絶縁を取りながら、基体11に対してロウ付けした。
次に半導体発光素子12として、n型SiC基板上に形成されたInGaN系化合物半導体(発光波長ピーク405nm,高さ350μm)を、n型基板に形成されたカソード電極と対応する引出し電極16aに対してAgペーストにより電気的に接続し且つ基体11に固定すると共に、そのInGaN系半導体に形成されたアノード電極と対応する引出し電極16bに対して、Auワイヤによりワイヤボンディングし、電気的に接続した。
このような基体11に対して、第一の波長変換層13として、シリコーン樹脂に白色になるように調合されたBAM系青色蛍光体+BAM系緑色蛍光体+酸化ゲルマニウム系赤色蛍光体を10重量%混合させた樹脂材料を、凹部11aの上縁と半導体発光素子12上端を結ぶほぼ放物線状の断面となるように凹部11a内に充填し、基体11を天地反転させた状態で150℃で1時間保持して、樹脂材料を硬化させると共に、上記各蛍光体を沈降させて、第一の波長変換層13及び封止部14の下段14aを形成した。
その後、凹部11a内で封止部14の下段14aの上に、凹部11aの上縁付近まで透明シリコーン樹脂を、その表面が僅かに凹むように充填し、150℃で1時間保持して、シリコーン樹脂を硬化させて、スペーサ部としての封止部14の上段14bを形成した。
最後に、封止部14の上段14bの凹部14c内に、前述した蛍光体をシリコーン樹脂に10重量%混合させたものを充填し、150℃で1時間保持して、第二の波長変換層15を形成した。
これに対して、特許文献1に基づく比較例1として、第一の波長変換層13の形成時に、基体11を天地反転させずに硬化させたものを作製した。
完成した実験例1及び比較例1を動作させたところ、外部への出射光に関し、色度座標は、共に(0.36,0.38)であった。また、電力効率(lm/W)及び全光束(lm)は、比較例1を100%とした総対値がそれぞれ102%,103%であり、電力効率及び光取出し効率が向上していることが確認された。
[実施例2]
図2は、本発明による半導体発光装置の第二の実施形態の構成を示している。 図2において、半導体発光装置20は、図1に示した半導体発光装置10とほぼ同様の構成であって、以下の点でのみ異なる構成になっている。
即ち、半導体発光素子12の直上に、透明基体21が配置されている。
この透明基体21は、半導体発光素子12からの励起光を吸収しない透明材料、例えば封止部14を構成する樹脂材料と同じ材料から構成されている。
そして、この透明基体21は、半導体発光装置20の製造の際には、第一の波長変換層13及び封止部14の下段14aの形成前に、半導体発光素子12の上面に接着等により形成される。
その後、上記透明基体21の上面付近まで、蛍光体を混入した樹脂材料が充填され、基体11を天地反転した状態で硬化させることにより、第一の波長変換層13及び封止部14の下段14aが形成される。
この場合、半導体発光素子12の直上に第一の波長変換層13が形成されることが確実に排除され得ることになる。
[実施例3]
図3は、本発明による半導体発光装置の第三の実施形態の構成を示している。 図3において、半導体発光装置30は、図1の半導体発光装置10とは以下の点でのみ異なる構成になっている。
即ち、半導体発光装置30においては、基体11の基板部11b及び反射枠部11cが一体に形成されていると共に、封止部14の代わりに、透明基板31を備えており、この透明基板31の下面に第一の波長変換層13が形成され、その上面に第二の波長変換層15が形成されていて、さらに基体11の底面に、一対の引出し電極16a,16bが形成されている。
上記透明基板31は、半導体発光素子12からの励起光及び第一及び第二の波長変換層13,15で波長変換された光を吸収しない材料から形成されており、好ましくは封止部14と同じ屈折率またはそれより低い屈折率を有している。
また、上記透明基板31は、一般的には凹部11a内に設置可能な平行平板から構成されている。
尚、上記透明基板31は、凹部11aより大きくてもよく、また平行平板である必要はない。この場合、透明基板31は、第一及び第二の波長変換層13,15の形成前または形成後に、研磨,加熱成形,圧縮成形等によって、所定形状を付与したり、あるいは半導体発光素子12を覆うような凹陥部や貫通穴を設けることも可能である。
さらに、上記透明基板31は、図示の場合、凹部11a内に設けられた段部11dに載置されることにより、凹部11a内に固定保持され得るようになっている。尚、上記透明基板31は、凹部11a内にて固定用爪やカシメ等によって固定されるようにしてもよい。
上記透明基板31に対する第一及び第二の波長変換層13,15の形成は、スクリーン印刷法等の印刷技術を利用したり、反応性スパッタ法や抵抗加熱蒸着法等の蒸着により、あるいはシート状の波長変換層を作製して、透明基板の間に挟み込むようにして、行なわれ得る。
この場合、第二の波長変換層15は、その厚さが例えば50〜150μm程度に選定される。
このような構成の半導体発光装置30によれば、図1に示した半導体発光装置10と同様に作用すると共に、凹部11a内に封止部14を備えていないので、封止部14の樹脂材料の充填工程及び天地反転した状態での硬化工程が不要になり、組立時間が短縮され得ることになる。
尚、透明基板31の下方にて、凹部11a内に封止部14(下段14a)を充填するようにしてもよい。この場合、封止部14の材料としては、第一の波長変換層13を沈降させる必要がないことから、前述した樹脂材料に限らず、例えば大気圧以下の低圧の空気やN2 ,Ar等の不活性ガスのような気体を封入することにより封止部14(下段14a)を形成するようにしてもよい。
[実験例2]
上述した半導体発光素子10の実験例について、以下に説明する。
まず基体11として、高反射率を有する樹脂板の中に、Agメッキされた引出し電極16a,16bが配線されたものを用意した。
この基体11の凹部11a(深さ500μm)は、底面から400μmの高さに段部11dを備えており、この段部11dの下方では端面角度約60度であり、上記段部11dの上方では端面角度約90度に形成されている。
次に半導体発光素子12として、透明サファイア基板上に形成されたInGaN系化合物半導体(発光波長ピーク470nm,高さ100μm)を、基体11の凹部11aの底面に対して透明エポキシ樹脂により固定した。
そして、そのInGaN系半導体に形成されたアノード電極及びカソード電極を、対応する引出し電極16a,16bに対して、Auワイヤによりワイヤボンディングし、電気的に接続した。
また、透明基板31としての厚さ100μmの石英ガラス基板の下面に、シリコーン樹脂にオルトケイ酸塩系黄色蛍光体を4重量%混合させたものを、スクリーン印刷により厚さ20μmで塗布し、150℃で1時間保持して、シリコーン樹脂を硬化させて、第一の波長変換層13を形成した。
さらに、上記石英ガラス基板の上面に、シリコーン樹脂にオルトケイ酸系黄色蛍光体を6重量%混合させたものを、スクリーン印刷により厚さ15μmで塗布し、150℃で1時間保持して、第二の波長変換層15を形成した。
最後に、凹部11a内に透明シリコーン樹脂を段部11d付近の高さ位置まで充填した状態にて、上記透明基板31を、端から気泡が内部に入り込まないように載置し、透明基板31と凹部11aの最上縁の間に設けられた僅かな間隙(図示せず)から、余分のシリコーン樹脂を排出させて、150度で1時間保持して、シリコーン樹脂を硬化させて、基体11に対して透明基板31を固定した。
これに対して、特許文献1に基づく比較例2として、透明基板31の代わりに、凹部11aの段部11dより上方領域に、エポキシ樹脂にオルトケイ酸塩系黄色蛍光体を6重量%混合させたものを充填し、十分に蛍光体を沈降させた後、150度で1時間保持してエポキシ樹脂を硬化させて、第一の波長変換層13を形成いすると共に、その後凹部11a内に、エポキシ樹脂にオルトケイ酸塩系黄色蛍光体を8重量%混合させたものを充填し、十分に蛍光体を沈降させた後、150度で1時間保持して、エポキシ樹脂を硬化させたものを作製した。
完成した実験例2及び比較例2を動作させたところ、外部への出射光に関し、色度座標は、共に(0.32,0.34)であった。また、電力効率(lm/W)及び全光束(lm)は、比較例1を100%とした総対値がそれぞれ102%,103%であり、電力効率及び光取出し効率が向上していることが確認された。
[実施例4]
図4は、本発明による半導体発光装置の第四の実施形態の構成を示している。 図4において、半導体発光装置40は、図1に示した半導体発光装置10とほぼ同様の構成であって、以下の点でのみ異なる構成になっている。
即ち、半導体発光装置40においては、封止部14の上部14bの上面が平坦に形成されており、凹部14cを備えていない。
そして、第二の波長変換層15は、封止部14の上部14bの上面から上方に凸状に盛り上がるように、好ましくはほぼ放物線状断面を有するように形成されている。
このような構成の半導体発光装置40によれば、図1に示した半導体発光装置10と同様に作用すると共に、第二の波長変換層15の上面が凸状に盛り上がって形成されているので、第二の波長変換層15から上方に出射する光の全反射が低減され得ることになり、外部への光の取出し効率が向上することになる。
[実施例5]
図5は、本発明による半導体発光装置の第五の実施形態の構成を示している。 図5において、半導体発光装置50は、図1に示した半導体発光装置10とほぼ同様の構成であって、以下の点でのみ異なる構成になっている。
即ち、半導体発光装置50においては、封止部14の上部14bの上面に、凸状透明部材51が形成されている。
この凸状透明部材51は、第二の波長変換層15及び封止部14の上部14bの形成後に、上部14bの上面に貼付け等により設けられるようになっている。 この場合、凸状透明部材51は、封止部14を構成する透明な樹脂材料、あるいは高反射率剤を含んだ透明材料から構成され得る。
このような構成の半導体発光装置50によれば、図1に示した半導体発光装置10と同様に作用すると共に、第二の波長変換層15の上に、凸状透明部材51が配置されているので、第二の波長変換層15から上方に出射する光の全反射が低減され得ることになり、外部への光の取出し効率が向上することになる。
[実施例6]
図6は、本発明による半導体発光装置の第六の実施形態の構成を示している。 図6において、半導体発光装置60は、図1に示した半導体発光装置10とほぼ同様の構成であって、以下の点でのみ異なる構成になっている。
即ち、半導体発光装置60においては、封止部14の上部14bの上面の凹部14c内にて、第二の波長変換層15の上面が上方に向かって凹状に形成されている。
このような構成の半導体発光装置60によれば、図1に示した半導体発光装置10と同様に作用すると共に、第二の波長変換層15の上面が凹状に形成されているので、第二の波長変換層15から上方に出射する光の全反射が低減され得ることになり、外部への光の取出し効率が向上することになる。
[実施例7]
図7は、本発明による半導体発光装置の第七の実施形態の構成を示している。 図7において、半導体発光装置70は、図1に示した半導体発光装置10とほぼ同様の構成であって、以下の点でのみ異なる構成になっている。
即ち、半導体発光装置70においては、封止部14の上部14bの上面に、多数のドット形状の凸部を備えた光学部材71が形成されている。
この光学部材71は、第二の波長変換層15及び封止部14の上部14bの形成後に、上部14bの上面に貼付け等により設けられるようになっている。
この場合、光学部材71は、封止部14を構成する透明な樹脂材料、あるいは高反射率剤を含んだ透明材料から構成され得る。
このような構成の半導体発光装置50によれば、図1に示した半導体発光装置10と同様に作用すると共に、第二の波長変換層15の上に、光学部材71が配置されているので、第二の波長変換層15から上方に出射する光の全反射が低減され得ることになり、外部への光の取出し効率が向上することになる。
上述した実施形態においては、凹部11aは、上方に向かって広がるように形成されているが、これに限らず、凹部11aの側壁は底面に対して垂直であってもよい。
また、上述した実施形態においては、上記半導体発光素子12は、紫外光から青色光を発光するものが使用されているが、これに限らず、前述した化合物系半導体またはその他の化合物系半導体であっても、上記発光ピーク波長範囲内にて発光するような半導体発光素子であれば、本発明の範囲内で使用され得、さらにサブマウント上に半導体発光素子が固定されたものも含まれることは明らかである。
さらに、上述した実施形態においては、第一の波長変換層13は、その樹脂材料の表面張力に基づいて、表面が上方に向かって凹状のほぼ放物線状の断面を備えると共に、基材11を天地反転させた状態にて沈降により封止部14の下部14aの表面に形成されるようになっているが、これに限らず、封止部14の下部14aを成形型を使用して成形した後、その表面に第一の波長変換層13を蒸着法や印刷法等により形成するようにしてもよい。
また、上述した実施形態のうち、半導体発光装置10,20,40,50,60,70において、凹部11a内に第一の波長変換層13及び封止部14の下部14aを形成した後、上面または下面に第二の波長変換層15を備えた透明基板を凹部11a内に設置するようにしてもよい。
さらに、半導体発光装置30と同様に凹部11a内に、第一の波長変換層13を備えた透明基板を配置した後に、上記透明基板上に、第二の波長変換層15の波長変換材料を混合した透明樹脂を充填して、天地反転した状態で硬化させることにより、第二の波長変換層15を封止部14の上部14aの表面に形成するようにしてもよい。
このようにして、本発明によれば、簡単な構成により、発光素子チップからの出射光と波長変換剤による励起光との混色光に色ムラが発生せず、しかも高い光取出し効率を有するようにした半導体発光装置及びその製造方法が提供され得る。
本発明による半導体発光装置の第一の実施形態の構成を示す概略断面図である。 本発明による半導体発光装置の第二の実施形態の構成を示す概略断面図である。 本発明による半導体発光装置の第三の実施形態の構成を示す概略断面図である。 本発明による半導体発光装置の第四の実施形態の構成を示す概略断面図である。 本発明による半導体発光装置の第五の実施形態の構成を示す概略断面図である。 本発明による半導体発光装置の第六の実施形態の構成を示す概略断面図である。 本発明による半導体発光装置の第七の実施形態の構成を示す概略断面図である。 従来の半導体発光装置の一例の構成を示す(A)概略断面図及び(B)概略平面図である。
符号の説明
10,20,30,40,50,60,70 半導体発光装置
11 基体
11a 凹部
11b 基板部
11c 反射枠部
11d 段部
12 半導体発光素子
13 第一の波長変換層
14 封止部
14a 下部
14b 上部
14c 凹陥部
15 第二の波長変換層
16a,16b 引出し電極
21 透明基体
31 透明基板
51 凸状透明部材
71 ドット状の光学部材

Claims (16)

  1. 上面に凹部を備えた基体と、この凹部の底面に配置された半導体発光素子と、この半導体発光素子からの光を波長変換する波長変換層とを備えている半導体発光装置であって、
    上記凹部の底面から上方に離れた高さ位置にて半導体発光素子の直上領域を除いて配置された第一の波長変換層と、
    上記半導体発光素子の上面から上方に離れた高さ位置に配置された第二の波長変換層と、を含んでいることを特徴とする半導体発光装置。
  2. 上記凹部内に充填され、上記半導体発光素子からの光を吸収しない透光性材料から構成されている封止部を含んでいることを特徴とする、請求項1に記載の半導体発光装置。
  3. 上記第一の波長変換層が、二段構成の封止部の下段の表面付近に配置されていることを特徴とする、請求項1または2に記載の半導体発光装置。
  4. 上記第二の波長変換層が、二段構成の封止部の上段の表面付近に配置されていることを特徴とする、請求項1から3の何れかに記載の半導体発光装置。
  5. 上記半導体発光素子の直上に、上記第一の波長変換層を貫通する透明基体が載置されていることを特徴とする、請求項1から4の何れかに記載の半導体発光装置。
  6. 上記第一の波長変換層が、透明基板の下面に形成されていることを特徴とする、請求項1,2または4の何れかに記載の半導体発光装置。
  7. 上記第二の波長変換層が、透明基板の上面に形成されていることを特徴とする、請求項1,2または3に記載の半導体発光装置。
  8. 上記第一の波長変換層が、半導体発光素子に対向する内縁から半径方向外側に向かって上方に湾曲するほぼ放物線状の断面を備えていることを特徴とする、請求項1から7の何れかに記載の半導体発光装置。
  9. 上記封止部の上面が、半導体発光素子の直上の中央付近に凹部を備えていることを特徴とする、請求項1から8の何れかに記載の半導体発光装置。
  10. 上記第一の波長変換層及び第二の波長変換層が、A3 5 12:M(A:Y,Gd,Lu,Tb、B:Al,Ga、M:Ce3+,Tb3+,Eu3+,Cr3+,Nd3+またはEr3+)、BAM蛍光体(希土類をドープしたバリウム−アルミニウム−マグネシウム系化合物蛍光体)、Y2 2 S:Eu3+やZnS:Cu,Al等の硫化物系化合物蛍光体または(Sr,Ca)S:Eu2+,CaGa2 4 :Eu2+やSrGa2 4 :Eu2+等の希土類をドープしたチオガレート系蛍光体またはTbAlO3 :Ce3+等のアルミン酸塩または(Ba,Ca,Eu)x Siy z :Eu2+等のオルトケイ酸塩の少なくとも一つの組成を含有した蛍光体を含んでいることを特徴とする、請求項1から9の何れかに記載の半導体発光装置。
  11. 上記封止部が、エポキシ樹脂,シリコーン樹脂,エポキシ基を有するポリジメチルシロキサン誘導体,オキセタン樹脂,アクリル樹脂またはシクロオレフィン樹脂の少なくとも一つ以上の樹脂を含有している樹脂から構成されていることを特徴とする、請求項1から10の何れかに記載の半導体発光装置。
  12. 上面に凹部を備えた基体と、
    この凹部の底面に配置された半導体発光素子と、
    前記凹部の底面から上方に離れた高さ位置にて半導体発光素子の直上領域を除いて配置された、前記半導体発光素子からの光を波長変換する第一の波長変換層と、
    前記第一の波長変換層と前記凹部底面との間にあり、前記半導体発光素子を封止する第一の封止部と、
    前記半導体発光素子の上面から上方に離れた高さ位置に配置された、前記半導体発光素子からの光を波長変換する第二の波長変換層と、を含んでいる半導体発光装置の製造方法であって、以下の工程を含む;
    前記第一の封止部に用いる材料と、前記第一の波長変換層に用いる材料とを混合する第一の工程;
    前記第一の工程で混合した材料を前記凹部内に、途中の高さ位置まで充填する第二の工程;
    前記基体を天地反転させた状態で前記第一の工程で混合した材料を硬化させて、第一の封止部と第一の波長変換層とを形成する第三の工程。
  13. 請求項12に記載の半導体発光装置の製造方法であって、
    前記半導体発光装置は、前記第二の波長変換層と前記第一の波長変換層との間に配置された第二の封止部を更に含み、
    前記半導体発光装置の製造方法は、以下の工程を更に含む;
    前記第二の封止部に用いる材料と、前記第二の波長変換層に用いる材料とを混合する第四の工程;
    前記第四の工程で混合した材料を、前記第一の封止部と前記第一の波長変換層の上であって、前記凹部内に、前記凹部上縁の高さ位置まで充填する第五の工程;
    前記基体を天地反転させた状態で前記第四の工程で混合した材料を硬化させて、第二の封止部と第二の波長変換層を形成する第六の工程。
  14. 前記第二の工程の前に、前記半導体発光素子の直上に、第一の波長変換層を越えた高さ位置まで上方に延びる透明基材を配置する第七の工程更に含むことを特徴とする、請求項12または13に記載の半導体発光装置の製造方法。
  15. 前記第三の工程の後に、上面に第二の波長変換層が設けられた透明基板を前記第一の波長変換層と前記第一の封止部の上に配置する第八の工程を更に含む、請求項12に記載の半導体発光装置の製造方法。
  16. 基体上面に備えられた凹部内に半導体発光素子を配置し、この凹部底面から上方に離れた高さ位置にて半導体発光素子の直上領域を除いて第一の波長変換層を配置すると共に、上記半導体発光素子の上面から上方に離れた高さ位置に第二の波長変換層を配置して、上記発光素子チップからの出射光を第一の波長変換層及び第二の波長変換層で波長変換して、波長変換した光と半導体発光素子からの光との混色光を外部に出射する、半導体発光装置の製造方法であって、
    上記凹部内に、下面に第一の波長変換層が、また上面に第二の波長変換層がそれぞれ設けられた透明基板を配置することにより、第一の波長変換層及び第二の波長変換層を形成する段階を含んでいることを特徴とする、半導体発光装置の製造方法。
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