JP4770707B2 - 現像ローラの製造方法、現像ローラ、現像装置および画像形成装置 - Google Patents

現像ローラの製造方法、現像ローラ、現像装置および画像形成装置 Download PDF

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Description

本発明は、現像ローラの製造方法、現像ローラ、現像装置および画像形成装置に関するものである。
電子写真方式を採用するコピー、プリンタなどの画像形成装置は、帯電工程、露光工程、現像工程、転写工程、定着工程などの一連の画像形成プロセスによって、紙などの記録媒体上に、トナーからなる画像を形成する。
現像工程では、例えば、静電的な潜像を担持する感光体に、トナーを担持する現像ローラを接触させた状態で、帯電したトナーを現像ローラから潜像へ付与し、潜像をトナー像として可視化する。
従来、トナーのような粉状体を担持するものとしては、外周面にブラスト処理や機械加工等による表面処理を施した現像ローラ(電子複写機用マグネットロール)が知られている(例えば、特許文献1参照)。
かかる現像ローラは、一般に金属管を用いて製造される。そして、金属管の外周面に前述のような表面処理を施すことにより、外周面に凹部を形成してなる現像ローラが得られる。このような現像ローラでは、凹部にトナーを担持した状態で回転することにより、トナーを感光体に付与することができる。
しかしながら、このような現像ローラでは、外周面が長期間にわたってトナーと接触することによって変質・摩耗等が生じ、トナーを帯電させる特性(帯電特性)が低下するという問題が生じる。帯電特性が低下した現像ローラでは、担持したトナーを十分に帯電させることができず、帯電されないトナーが発生する。この帯電されないトナーは、適正な現像に寄与することができないため、トナーのかぶりの増大を招くこととなる。
さらに、かかる問題は、帯電され易いトナーと帯電され難いトナーとが混在したトナーを用いて現像を行う際に、特に顕著に発生する問題である。
また、上記のような凹部を形成した金属管の外周面上に、表面層を形成した現像ローラも知られている。
しかしながら、このような現像ローラにおいても、十分な帯電特性が得られないため、上記のような問題は十分に解決されていない。
特開昭55−26526号公報
本発明の目的は、帯電され易さの異なるトナーが混在している場合でも、トナーを確実に帯電させる優れた帯電特性を有し、担持したトナーを安定的に感光体に付与することができる現像ローラを容易に製造可能な現像ローラの製造方法、かかる製造方法により製造された現像ローラ、および、かかる現像ローラを備え、信頼性の高い現像装置および画像形成装置を提供することにある。
上記目的は、下記の本発明により達成される。
本発明の現像ローラの製造方法は、外周部にトナーを保持する凹部を備えた現像ローラの製造方法であって、
金属製の管体の外周部に前記凹部を形成する凹部形成工程と、
該凹部形成工程の後に、前記凹部を形成した前記管体の外周面上に、金属を主成分とする非晶質材料で構成された表面層を形成する表面層形成工程と、
該表面層形成工程の後に、前記表面層を構成する非晶質材料のうちの一部が結晶化するように、少なくとも前記表面層に熱処理を施す熱処理工程と、を有し、
前記熱処理工程において、前記表面層に光を照射し、光電効果により前記表面層から発生した光電子を分析する光電子分光分析を、前記表面層について行い、得られた分析結果が、前記表面層の結晶化度に応じて変化することを利用して、前記熱処理の条件を決定し、決定された条件で前記熱処理を施すことを特徴とする。
これにより、帯電され易さの異なるトナーが混在している場合でも、トナーを確実に帯電させる優れた帯電特性を有し、担持したトナーを安定的に感光体に付与することができる現像ローラを容易に製造することができる。
本発明の現像ローラの製造方法は、外周部にトナーを保持する凹部を備えた現像ローラの製造方法であって、
金属製の管体の外周面上に、金属を主成分とする非晶質材料で構成された表面層を形成する表面層形成工程と、
該表面層形成工程の後に、前記表面層を形成した前記管体の外周部に、前記凹部を形成する凹部形成工程と、
該凹部形成工程の後に、前記表面層を構成する非晶質材料のうちの一部が結晶化するように、少なくとも前記表面層に熱処理を施す熱処理工程と、を有し、
前記熱処理工程において、前記表面層に光を照射し、光電効果により前記表面層から発生した光電子を分析する光電子分光分析を、前記表面層について行い、得られた分析結果が、前記表面層の結晶化度に応じて変化することを利用して、前記熱処理の条件を決定し、決定された条件で前記熱処理を施すことを特徴とする。
これにより、帯電され易さの異なるトナーが混在している場合でも、トナーを確実に帯電させる優れた帯電特性を有し、担持したトナーを安定的に感光体に付与することができる現像ローラを容易に製造することができる。
本発明の現像ローラの製造方法は、外周部にトナーを保持する凹部を備えた現像ローラの製造方法であって、
金属製の管体の外周面上に、金属を主成分とする非晶質材料で構成された表面層を形成する表面層形成工程と、
該表面層形成工程の後に、前記表面層を構成する非晶質材料のうちの一部が結晶化するように、少なくとも前記表面層に熱処理を施す熱処理工程と、
該熱処理工程の後に、前記表面層を形成した前記管体の外周部に、前記凹部を形成する凹部形成工程と、を有し、
前記熱処理工程において、前記表面層に光を照射し、光電効果により前記表面層から発生した光電子を分析する光電子分光分析を、前記表面層について行い、得られた分析結果が、前記表面層の結晶化度に応じて変化することを利用して、前記熱処理の条件を決定し、決定された条件で前記熱処理を施すことを特徴とする。
これにより、帯電され易さの異なるトナーが混在している場合でも、トナーを確実に帯電させる優れた帯電特性を有し、担持したトナーを安定的に感光体に付与することができる現像ローラを容易に製造することができる。
本発明の現像ローラの製造方法では、横軸が前記照射した光のエネルギーを示し、縦軸が前記光電子の収率の平方根を示すグラフに、前記分析結果をプロットしてなる光電子分光スペクトルを得たとき、
該光電子分光スペクトルと前記横軸とがなす角度αに基づいて、前記熱処理の条件を決定し、決定された条件で前記熱処理を施すことが好ましい。
前記角度αは、前記表面層からトナーへの電荷の移動効率を反映する指標となる。したがって、この角度αを指標として前記熱処理の条件を決定すれば、帯電特性が確実に向上し得るように、前記表面層に熱処理を施すことができる。
本発明の現像ローラの製造方法では、所定の条件で熱処理を施した後の前記表面層に対して、前記光電子分光分析を行い、前記角度αを得るとともに、
前記表面層を構成する非晶質材料の全体を結晶化させたものに対して、前記光電子分光分析を行い、前記角度αを得たとき、
α<αなる関係を満足するように、前記熱処理の条件を決定し、決定された条件で前記熱処理を施すことが好ましい。
これにより、より最適な熱処理の条件を容易かつ確実に決定することができ、この条件で熱処理を施された表面層は、トナーへの電荷の移動効率がより高くなる。その結果、十分な耐久性を備えるとともに、帯電特性に優れた現像ローラを確実に得ることができる。
本発明の現像ローラの製造方法では、前記角度αを得るとともに、
前記角度αと、
前記表面層を構成する非晶質材料に対して、前記光電子分光分析を行い、前記角度αとを得たとき、
α<α<(α+α)/2なる関係を満足するように、前記熱処理の条件を決定し、決定された条件で前記熱処理を施すことが好ましい。
これにより、前記表面層中の結晶化度が特に最適化され、前記表面層からトナーへの電荷の移動効率が特に高くなる。その結果、十分な耐久性を備えるとともに、帯電特性に特に優れた現像ローラを確実に得ることができる。
本発明の現像ローラの製造方法では、前記表面層に照射される光のエネルギーは、前記表面層の仕事関数より大きいことが好ましい。
これにより、前記表面層から光電子を確実に発生させることができる。その結果、前記熱処理の条件を光電子分光分析に基づいて確実に決定することができる
本発明の現像ローラの製造方法では、前記熱処理後の前記表面層における結晶化度は、10〜90%であることが好ましい。
これにより、十分な耐久性を備えるとともに、帯電特性に特に優れた現像ローラをより確実に得ることができる
発明の現像ローラの製造方法では、前記熱処理後の表面層のビッカース硬度HVは、750〜900であることが好ましい。
これにより、特に十分な耐久性を備えた現像ローラが得られる。
本発明の現像ローラの製造方法では、メッキ法により前記表面層を形成することが好ましい。
これにより、厚さを厳密に制御しつつ、前記表面層を効率よく形成することができる。また、前記表面層を形成する際に、前記管体に熱的負荷を及ぼすことがないので、前記管体の変質・劣化を確実に防止することができる。
本発明の現像ローラの製造方法では、前記表面層の平均厚さは、1〜15μmであることが好ましい。
これにより、十分な帯電特性を備えた現像ローラを得ることができる。
発明の現像ローラは、外周部にトナーを保持する凹部を備えた金属製の現像ローラであって、
前記現像ローラの外周部、金属を主成分とする結晶と非晶質とが混在する表面層で構成されており、
前記凹部は、互いに平行でありかつ前記現像ローラの周方向に対して傾斜する複数の第1の溝と、前記第1の溝に交差するとともに互いに平行でありかつ前記現像ローラの周方向に対して傾斜する複数の第2の溝と、を有しており、
前記第1の溝および前記第2の溝に囲まれてなる凸部を有していることを特徴とする。
これにより、帯電され易さの異なるトナーが混在している場合でも、トナーを確実に帯電させる優れた帯電特性を有し、担持したトナーを安定的に感光体に付与することができる現像ローラが得られる。
本発明の現像ローラでは、前記表面層における結晶化度が、10〜90%であることが好ましい。
本発明の現像装置は、本発明の現像ローラを備えることを特徴とする。
これにより、信頼性の高い現像装置が得られる。
本発明の画像形成装置は、本発明の現像装置を備えることを特徴とする。
これにより、信頼性の高い画像形成装置が得られる。
以下、本発明の現像ローラの製造方法、現像ローラ、現像装置、および画像形成装置の好適な実施形態を添付図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の画像形成装置の概略構成を示す模式的断面図、図2は、本発明の現像装置の概略構成を示す模式的断面図である。なお、以下の説明では、図1、2中の上側を「上」、下側を「下」と言う。
(画像形成装置)
まず、図1に基づいて、画像形成装置の一例としてレーザビームプリンタ(以下、単に「プリンタ」と言う。)10について説明する。
図1に示すように、プリンタ10は、潜像を担持し図中矢印方向に回転する感光体20を有し、その回転方向(時計方向)に沿って帯電ユニット30、露光ユニット40、現像ユニット50、一次転写ユニット60および中間転写体70、クリーニングユニット75がこの順に配設されている。また、プリンタ10は、図1の下部に、紙などの記録媒体P1を給紙する給紙トレイ92を有し、該給紙トレイ92からの記録媒体P1の搬送方向下流に向かって、二次転写ユニット80、定着ユニット90が順次配設されている。
感光体20は、円筒状の導電性基材と、その外周面に形成された感光層とを有し、その軸線回りに図1中矢印方向(時計方向)に回転可能となっている。帯電ユニット30は、コロナ帯電などにより感光体20の表面を一様に帯電させるための装置である。
露光ユニット40は、図示しないパーソナルコンピュータなどのホストコンピュータから画像情報を受け、これに応じて、一様に帯電された感光体20にレーザ光を所望のパターンで照射することにより、感光体20の外周面に静電的な潜像(静電潜像)を担持(形成)させる装置である。
現像ユニット50は、ブラック現像装置51、マゼンタ現像装置52、シアン現像装置53およびイエロー現像装置54の4つの現像装置を有し、これらの現像装置を感光体20上の潜像に対応して選択的に用いて、前記潜像を感光体20上においてトナー像として可視化する装置である。ブラック現像装置51はブラック(K)トナー、マゼンタ現像装置52はマゼンタ(M)トナー、シアン現像装置53はシアン(C)トナー、イエロー現像装置54はイエロー(Y)トナーを用いてそれぞれ現像を行う。
本実施形態における現像ユニット50は、前述の4つの現像装置51、52、53、54を選択的に(所定の順序で)感光体20に対向することができるように、回転可能となっている。具体的には、この現像ユニット50では、軸50aを中心として回転可能な保持体の4つの保持部55a、55b、55c、55dにそれぞれ4つの現像装置51、52、53、54が保持されており、前記保持体の回転により、各現像装置51、52、53、54がそれらの相対位置関係を維持したまま、感光体20に選択的に対向するようになっている。なお、各現像装置の詳細な構成については後述する。
一次転写ユニット60は、感光体20に形成されたトナー像を中間転写体70に転写するための装置である。
中間転写体70は、エンドレスのベルトで構成されており、図1に示す矢印方向に、感光体20とほぼ同じ周速度にて回転駆動(循環)される。中間転写体70上には、ブラック、マゼンタ、シアン、イエローのうちの少なくとも1色のトナー像が担持され、例えばフルカラー画像の形成時に、ブラック、マゼンタ、シアン、イエローの4色のトナー像が順次重ねて転写されて、フルカラーのトナー像が形成される。
二次転写ユニット80は、中間転写体70上に形成された単色やフルカラーなどのトナー像を、紙、フィルム、布等の記録媒体P1に転写するための装置である。
定着ユニット90は、前記トナー像の転写を受けた記録媒体P1を加熱および加圧することにより、前記トナー像を記録媒体P1上に融着させて永久像として定着させるための装置である。
クリーニングユニット75は、一次転写ユニット60と帯電ユニット30との間で感光体20の表面に当接するゴム製のクリーニングブレード76を有し、一次転写ユニット60によって中間転写体70上にトナー像が転写された後に、感光体20上に残存するトナーをクリーニングブレード76により掻き落として除去するための装置である。
次に、このように構成されたプリンタ10の動作を説明する。
まず、図示しないホストコンピュータからの指令により、感光体20、現像ユニット50の各現像装置51、52、53、54に対応して設けられた後述の現像ローラ510(図2、図3参照)、および中間転写体70が回転を開始する。そして、感光体20は、回転することによって帯電ユニット30により順次帯電される。
感光体20上の帯電された領域は、感光体20の回転に伴って露光ユニット40と対向する露光位置に至り、露光ユニット40によって、第1色目、例えばイエローYの画像情報に応じた潜像が前記領域に形成される。
感光体20上に形成された潜像は、感光体20の回転に伴って現像位置に至り、イエロー現像装置54によってイエロートナーで現像される。これにより、感光体20上にイエロートナー像が形成される。このとき、現像ユニット50は、イエロー現像装置54が、前記現像位置にて感光体20と対向している(図1参照)。
感光体20上に形成されたイエロートナー像は、感光体20の回転に伴って一次転写位置に至り、一次転写ユニット60によって、中間転写体70に転写される。具体的には、一次転写ユニット60には、トナーの帯電極性とは逆の極性の一次転写電圧(一次転写バイアス)が印加されているため、該一時転写電圧によって感光体20上に形成されたイエロートナー像が中間転写体70に吸着される。なお、この間、二次転写ユニット80は、中間転写体70から離間している。
前述の処理と同様の処理が、第2色目、第3色目および第4色目について繰り返して実行されることにより、各画像信号に対応した各色のトナー像が、中間転写体70に重なり合って転写される。これにより、中間転写体70上には、フルカラートナー像が形成される。
一方、記録媒体P1は、給紙トレイ92から、給紙ローラ94、レジローラ96によって二次転写ユニット80へ搬送される。
中間転写体70上に形成されたフルカラートナー像は、中間転写体70の回転に伴って二次転写ユニット80が配置された二次転写位置に至り、二次転写ユニット80によって記録媒体P1に転写される。具体的には、二次転写ユニット80は、中間転写体70に押圧されるとともに二次転写電圧(二次転写バイアス)が印加されているので、該二次転写電圧によって中間転写体70上に形成されたフルカラートナー像が、中間転写体70および二次転写ユニット80の間に介在する記録媒体P1に吸着されて転写される。
記録媒体P1に転写されたフルカラートナー像は、定着ユニット90によって加熱および加圧されて記録媒体P1上に融着され、これにより定着されたトナー像が得られる。
一方、感光体20は、一次転写位置を経過した後に、クリーニングユニット75のクリーニングブレード76によって、その表面に付着しているトナーが掻き落とされ、次の潜像を形成するための帯電に備える。掻き落とされたトナーは、クリーニングユニット75内の残存トナー回収部(図示しない)に回収される。
(現像装置)
次に、現像ユニット50の現像装置51、52、53、54について詳細に説明するが、これらは、ほぼ同一の構成であるため、以下、図2に基づき、イエロー現像装置54を代表的に説明する。
図2に示すイエロー現像装置54は、イエロートナーであるトナーTを収容するハウジング540と、トナー担持体たる現像ローラ510と、この現像ローラ510にトナーTを供給するトナー供給ローラ550と、現像ローラ510に担持されたトナーTの層厚を規制する規制ブレード560とを有している。
ハウジング540は、その内部空間として形成された収容部530内にトナーTを収容する。ハウジング540では、収容部530の下部に形成された開口およびその近傍において、トナー供給ローラ550および現像ローラ510が互いに圧接回転可能に支持されている。また、ハウジング540には、規制ブレード560が取り付けられていて、これが現像ローラ510に圧接されている。さらに、ハウジング540には、前記開口におけるハウジング540と現像ローラ510との間からのトナーの漏れを防止するためのシール部材520が取り付けられている。
現像ローラ510は、外周部にトナーTを保持(担持)して、該保持されたトナーTを感光体20へ付与する、すなわち、保持されたトナーTを感光体20と対向する現像位置に搬送するものである。また、現像ローラ510は、軸線まわりに回転可能な円柱状物であり、本実施形態では、感光体20の回転方向と逆の方向に回転する。
また、本実施形態では、イエロー現像装置54による現像時に、現像ローラ510と感光体20とが微小間隙をもって、非接触状態で対向する。そして、現像ローラ510と感光体20との間に交番電界を印加する(以下、この状態を「電界印加状態」という)ことにより、トナーTを現像ローラ510上から感光体20へ飛翔させて、感光体20上の潜像についての現像が行われる。
トナー供給ローラ550は、収容部530に収容されたトナーTを現像ローラ510に供給する。このトナー供給ローラ550は、ポリウレタンフォーム等からなり、弾性変形された状態で現像ローラ510に圧接している。本実施形態では、トナー供給ローラ550は、現像ローラ510の回転方向と逆の方向に回転する。なお、トナー供給ローラ550は、収容部530に収容されたトナーTを現像ローラ510に供給する機能を有するだけでなく、現像後に現像ローラ510に残存しているトナーTを現像ローラ510から剥ぎ取る機能をも有している。
規制ブレード560は、現像ローラ510に担持されたトナーTの層厚を規制するとともに、その規制時における摩擦帯電により、現像ローラ510に担持されたトナーTに電荷を付与する。この規制ブレード560は、現像ローラ510の回転方向にて現像位置の上流側のシール部材としても機能している。この規制ブレード560は、現像ローラ510の軸方向に沿って当接される当接部材としてのゴム部560aと、このゴム部560aを支持する支持部材としてのゴム支持部560bとを有している。ゴム部560aは、シリコンゴム、ウレタンゴム等を主材料として構成され、ゴム支持部560bは、ゴム部560aを現像ローラ510側に付勢する機能も有するため、リン青銅、ステンレス等のバネ性(弾性)を有するシート状の薄板が用いられる。ゴム支持部560bは、その一端がブレード支持板金562に固定されている。ブレード支持板金562は、ハウジング540に取り付けられ、シール部材520もハウジング540に取り付けられる。さらに現像ローラ510が取り付けられた状態で、ゴム部560aは、ゴム支持部560bの撓みによる弾性力によって、現像ローラ510に押しつけられている。
また、本実施形態では、規制ブレード560の現像ローラ510側とは逆側には、ブレード裏部材570が設けられ、ゴム支持部560bとハウジング540との間にトナーTが入り込むことを防止するとともに、ゴム部560aを現像ローラ510へ押圧して、ゴム部560aを現像ローラ510に押しつけている。
本実施形態では、規制ブレード560の自由端部、すなわち、ブレード支持板金562に支持されている側とは逆側の端部は、その端縁で現像ローラ510に接触せずに、端縁から若干離れた部位で現像ローラ510に接触している。また、規制ブレード560は、その先端が現像ローラ510の回転方向の上流側に向くように配置されており、いわゆるカウンタ当接している。
なお、現像ユニット50の現像装置51、52、53の各部の構成、作用、効果も、前記現像装置54と同様である。
(現像ローラ)
次に、図3〜図6に基づき、現像ローラ510について詳細に説明する。
図3は、現像ローラの概略構成を示す平面図、図4は、図3に示す現像ローラに形成された溝の拡大平面図、図5は、図4中のA−A線断面図、図6は、図4の斜視図である。
図3に示すように、現像ローラ510は、円筒状の本体300と、該本体300の両端から突出するようにそれぞれ設けられ、本体300の外径より縮径した2つの縮径部310、310とを有している。このうち、各縮径部310、310は、本体300の中空部の両端に、それぞれ、本体300の回転軸(中心軸)Oに沿うように挿入されている。
この現像ローラ510の本体300は、図5に示すように、金属材料を主材料として構成された金属管511と、この金属管511の外周面511aを覆うように設けられた表面層512とで構成されている。この表面層512については、後に詳述する。
また、本体300の直径は、特に限定されないが、例えば、10〜30mmであるのが好ましく、15〜20mmであるのがより好ましい。
図3に示すように、本体300の外周部301には、トナーTの粒子が入る溝2が形成されている。
この溝2は、平面および断面において、いかなる形状をなしていてもよいが、本実施形態では、一例として、溝2が、図3〜図6に示すように、複数の第1の溝21と、各第1の溝21と直交(交差)する複数の第2の溝22とで構成されている場合について説明する。
なお、溝2は、例えば、多数のすり鉢状の凹部のような溝形状以外の凹部形状で代替されてもよい。
図4に示すように、複数の第1の溝21は、互いに平行であり、それぞれ、外周部301の周方向に対して傾斜する方向に略等間隔で形成されている。
また、図4に示すように、複数の第2の溝22も、複数の第1の溝21と同様に、互いに平行であり、それぞれ、外周部301の周方向に対して傾斜する方向に略等間隔で形成されている。そして、本実施形態では、図4および図6に示すように、第2の溝22は第1の溝21と直交している。
図5に示すように、各第1の溝21および各第2の溝22のそれぞれには、トナー供給ローラ550から供給されたトナーTの粒子が入る。そして、これら第1の溝21および第2の溝22のそれぞれをトナーTが転動することにより、トナーTが現像ローラ510と接触し、擦られる。これにより、トナーが均一に帯電される。
なお、第1の溝21と第2の溝22のそれぞれの形状は、ほぼ同一であるため、以下、第1の溝21を代表的に説明する。
第1の溝21は、前述したように、互いに平行であり、それぞれ、外周部301の周方向に対して傾斜する方向に略等間隔で形成されている。これにより、トナーTが第1の溝21に収容され、適正な量のトナーTを搬送することができる。
ここで、第1の溝21の最大幅Aは、隣り合う前記凸部同士の離間距離の50〜90%であることが好ましく、60〜80%であることがより好ましい。
第1の溝21の幅をこのような範囲とすることで、外周面301aに対して第1の溝21の割合が多くなり、トナーTが第1の溝21に収容されることにより、十分なトナーT量を搬送することができる。また、適度な大きさの凸部3が形成され、トナーT粒子と現像ローラ510の外周面301aとの接触面が大きくなる。したがって、トナーTが外周面301aを転動することにより、良好に帯電される。その結果、かぶりが少ない高画質な印字が可能となる。
第1の溝21の最大幅Aが前記下限値よりも小さければ、第1の溝21にトナーTが収容され難くなって、十分な量のトナーTを搬送できない。また、トナーTが第1の溝21内で積み重なり、帯電が不均一となる。
一方、第1の溝21の最大幅Aが前記上限値よりも大きければ、第1の溝21にトナーTが大量に収容され、トナーT漏れを引き起こす。また、上記好ましい範囲の場合よりも、外周面301aとの接触面が小さくなり、帯電性が低下する。
第1の溝21の最大深さDは、トナーTの粒子の平均直径(平均粒径)の0.5倍以上、2倍以下が好ましく、等倍以上、1.5倍以下がより好ましい。かかる範囲内であれば、トナーTが積み重なることなく、第1の溝21にトナーTを収容することができる。よって、外周面301aとの接触によりトナーTを適切に帯電させることができ、かぶりが少ない高画質な印字が可能となる。
第1の溝21の最大深さDが、トナーTの粒子の平均直径(平均粒径)の前記下限値よりも小さければ、第1の溝21の深さが浅くなるため、トナーTの搬送量が低下する可能性がある。また、トナーTが外周面301aと接触する割合も減少するため、帯電性が低下するおそれがある。
一方、第1の溝21の最大深さDが、トナーTの粒子の平均直径(平均粒径)の前記上限値よりも大きければ、第1の溝21内をトナーTが転動しにくくなる。よって、トナーTの搬送性が低下し、帯電性も悪くなる。
ここで、トナーTの平均粒径の具体的な範囲としては、例えば、1〜10μmであるのが好ましく、1〜7μmであるのがより好ましい。このような平均粒径の範囲のトナーTを用いれば、トナーTが第1の溝21に積み重なって収容されることがなく、外周面301a上を滑らかに転動するので、トナーTが確実かつ均一に帯電される。
トナーTの平均粒径が前記下限値よりも小さければ、第1の溝21にトナーTが積み重なって収容され、トナーTの帯電が不均一となる。
一方、トナーTの平均粒径が前記上限値よりも大きければ、トナーTが適切に外周面301aを転動せず、帯電性が悪くなる可能性がある。
なお、第1の溝21の深さDと第2の溝22の深さDとは、前記トナー粒子の平均粒径との関係を満足する限り、(第1の溝21の深さD)=(第2の溝22の深さD)なる関係を満足していてもよいし、(第1の溝21の深さD)>(第2の溝22の深さD)なる関係を満足していてもよいし、(第1の溝21の深さD)<(第2の溝22の深さD)なる関係を満足していてもよい。本実施形態では、D=Dなる関係を満足している。これにより、現像ローラ510の外周面301aが段差のない滑らかな形状となるため、トナーTが当該外周面301aを滑らかに転動することができる。
また、深さDと深さDとの比D/Dは、特に限定されないが、例えば、0.5〜2であるのが好ましく、0.8〜1.5であるのがより好ましい。これにより、現像ローラ510の外周面301aが段差のない滑らかな形状となるため、トナーTが当該外周面301aを滑らかに転動することができる。
図5に示すように、第1の溝21は、その断面形状がU字形状をなし、側面211と底面212を有する。これにより、トナーTが滑らかに転動することができる。そして、現像ローラ510の外周面301aとトナーTが接触することにより、トナーTが均一に帯電される。
このときの第1の溝21の底面212の曲率半径は、トナーT粒子の平均粒径の半分より大きいことが好ましく、0.6〜10倍であることがより好ましい。より具体的には、第1の溝21の底面212の曲率半径は、0.5μmよりも大きいことが好ましく、0.6〜50μmであることがより好ましい。
これにより、トナーT粒子が第1の溝21中で転動し易い溝形状となり、トナーTと外周面301aが接触することにより、トナーT粒子が良好に帯電される。
第1の溝21の底面212の曲率半径が前記下限値よりも小さいければ、第1の溝21にトナーTが積み重なって収容され、トナーTの帯電が不均一となる。
一方、第1の溝21の底面212の曲率半径が前記上限値よりも大きければ、第1の溝21内をトナーTが滑らかに転動せず、トナーTの帯電性が悪くなる。
また、図5に示すように、第1の溝21のU字形状は、左右対称に形成されている。これにより、トナーT粒子の第1の溝21への収容、離脱がスムーズに進行し、トナーTを滑らかに搬送することができる。したがって、トナーTが外周面301aと接することにより、トナーTを均一に帯電させることができる。
なお、本実施形態では、図6に示すように、第1の溝21と第2の溝22とのなす角度θが90°であるが、この角度θは、20〜135°であるのが好ましく、45〜90°であるのがより好ましい。これにより、トナーTのかぶりを抑制しつつ、十分な量のトナーTを感光体20に付与することができる。
角度θが前記下限値未満であると、現像ローラ周方向の凹凸の数が多くなるため、回転時にトナーTと凹凸の接触機会が多くなり過ぎるおそれがある。このため、トナーTの帯電量が高くなり過ぎてトナーTの飛翔性が悪くなり、十分な量のトナーTを感光体20に付与するのが困難となる可能性がある。
角度θが前記上限値を超えると、現像ローラ周方向の凹凸の数が少なくなるため、回転時にトナーTと凹凸の接触機会が少なくなるおそれがある。これにより、トナーTが十分に帯電されないため、そのトナーTがかぶりの原因となり、無駄となるトナーTの量が多くなる可能性がある。
第1の溝21同士の間隔は、略等間隔で形成される。具体的には、後述するCの長さの範囲であることが好ましい。かかる範囲内であれば、外周面301aに対して適度な間隔で第1の溝21が形成され、適正な量のトナーTを搬送することができる。また、外周面301aとの接触により、トナーTが均一に帯電される。したがって、かぶりの少ない、高画質な印字が可能となる。
第2の溝22は、その各部の寸法、形状について、前記第1の溝21のものと同様である。また、その作用、効果も同様である。
凸部3は、第1の溝21と第2の溝22とが交差することにより生じる、第1の溝21と第2の溝22とのそれぞれで囲まれる領域に形成される。このような領域に凸部が形成されることにより、例えば、第1の溝21に位置するトナーTが、現像ローラ510の回転に伴なって、凸部3に向って転動し、さらに、第2の溝22に収容される。これにより、トナーTは、現像ローラ510の外周面301aと多く接触し、トナーTが均一に帯電される。また、トナーTが溝2に収用されることにより、適正なトナーT量を搬送することができる。
凸部3は、その頂面31が略平面で形成され、凸部3全体として截頭錐体状の形状をなしている。頂面31を平面とすることで、トナーTや規制ブレードとの摩擦により表面が磨耗しにくくなり、現像ローラ510の性能が長期にわたり維持される。また、頂面31をトナーTが転動するため、トナーTの帯電性を上げることができる。
本実施形態では、図4、図5および図6に示すとおり、頂面31は略正四角形で形成されている。これにより、第1の溝21と第2の溝22を直交させるだけで当該頂面31が得られるので、頂面31が略正四角形である凸部3を簡便に得ることができる。
なお、凸部3は現像ローラ510の外周面301a上に形成されているので、その頂面31は現像ローラ510の外径の曲率半径と略同程度に湾曲している。この程度の湾曲は、前記「略平面」に含まれるものとする。
凸部3の頂面31の大きさは、第1の溝21同士および第2の溝22同士のそれぞれの間隔によって定まる。具体的には、凸部3の頂面31の中心を通り第2の溝22と平行な方向の頂面31の長さをCとしたとき、Cは10〜50μmであることが好ましく、10〜30μmであることがより好ましい。
また、凸部3の頂面31の中心を通り第1の溝21と平行な方向の頂面31の長さをCとしたとき、Cは10〜50μmであることが好ましく、10〜30μmであることがより好ましい。
およびCのそれぞれを上記範囲とすることで、頂面31が適度な大きさとなり、頂面31をトナーTが転動することにより効率的にトナーTを帯電させることができる。
およびCのそれぞれが前記下限値よりも小さければ、長時間の使用により規制ブレードやトナーとの摩擦で凸部が磨耗しやすくなり、トナー搬送量、帯電量を維持することができなくなる。
一方、CおよびCのそれぞれが前記上限値よりも大きければ、外周面301aに対して溝2の割合が小さくなるため、トナーT漏れを引き起こす。また、トナーTと外周面301aとの接触する面が上記好ましい範囲よりも小さくなるため、トナーTの帯電性が悪くなる。
なお、凸部3の高さは、第1の溝21の深さDおよび第2の溝22の深さDと同じである。
凸部3は、隣り合う凸部3との離間距離dが、50〜100μmであることが好ましく、60〜90μmであることがより好ましい。かかる範囲内であれば、現像ローラ510の外周面301aに適度な数の凸部3が存在することなり、適正な量のトナーTを搬送することができる。また、第1の溝21および/または第2の溝22から凸部3へとトナーTが効率よく転動することにより、現像ローラ510の外周面301aとトナーTが効率的に接触し、トナーTの帯電性が良好となる。さらに、現像後に現像ローラ510に残存しているトナーTを現像ローラ510から剥ぎ取る、リセット性にも優れる。また、現像ローラとしての機能(帯電、搬送性能)が良好であると同時に、その性能を維持する耐久性とのバランスが優れている。
隣り合う凸部3との離間距離dが前記下限値よりも小さければ、帯電性能は上がるが、溝幅(A、B)などの条件を満足させた場合、凸部3の面積が小さくなるため摩擦により磨耗し、現像ローラ510として初期の性能を維持できない。
一方、隣り合う凸部3との離間距離dが前記上限値よりも大きければ、第1の溝21の最大幅Aが大きくなり、トナーT漏れを引き起こしてしまう恐れがある。また、トナーTと外周面301aとの接触する面が上記好ましい範囲よりも小さくなるため、トナーTの帯電性が悪くなる。
また、現像ローラ510の外周面301aにおいて、第1の溝21が占める(以下、溝2が形成されている部位を「溝形成部320」という)面積率は、外周面301aの面積の40〜90%であるのが好ましく、60〜80%であるのがより好ましい。溝形成部320の面積率が前記範囲内の値であると、より均一かつ最適な量のトナーTを搬送することができる。また、現像ローラ510とトナーTが接触する割合が多くなるため、トナーTの帯電性が良好となる。したがって、かぶりが少なく、ムラのない高画質な印字が可能となる。
溝形成部320の面積率が外周面301aの面積の前記下限値より小さければ、トナーTが外周面301aと接触する面が小さくなり、トナーTの帯電性が悪くなる。また、外周面301aに対して溝2の割合が小さいので、十分な量のトナーTを搬送することができない。
一方、溝形成部320の面積率が外周面301aの面積の前記上限値より大きければ、第1の溝21から凸部3へと転動する割合が少なくなるため、トナーTの帯電性が悪くなる。また、トナーTと外周面301aとの接触する面が上記好ましい範囲よりも小さくなるため、トナーTの帯電性が悪くなる。
なお、図5、図6では、第1の溝21および第2の溝22は、それぞれほぼ同じU字形状をなしていたが、それそれ、異なるU字形状であってもよい。また、第1の溝21または第2の溝22の一部の部位のU字形状が他の部位のU字形状と異なっていてもよい。
(現像ローラの製造方法)
<第1実施形態>
次に、このような現像ローラ510を製造する方法(本発明の現像ローラの製造方法)の第1実施形態について説明する。
図7は、本発明の現像ローラの製造方法の第1実施形態を説明するための模式図である。
本実施形態にかかる現像ローラ510を製造する方法は、金属管(金属製の管体)の外周面(外周部)に凹部を形成する凹部形成工程と、この凹部形成工程の後に、凹部を形成した金属管の外周面上に、金属を主成分とする非晶質材料で構成された表面層を形成する表面層形成工程と、この表面層形成工程の後に、表面層を構成する非晶質材料の一部が結晶化するように、少なくとも表面層に熱処理を施す熱処理工程とを有する。以下、各工程について、順次説明する。
[1]まず、図7(a)に示すような金属管511を用意する。
この金属管511には、いかなる方法で製造されたものでも用いることができるが、例えば、金属板を、成形ロールで連続的に管状に成形(ロール成形)する方法、スパイラル状に成形(スパイラル成形)する方法、U字状にプレス成形した後、O字状にプレス成形(UOプレス成形)する方法等の各種成形方法で成形した後、突き合わせた金属板の端部同士、または、重ね合わせた金属板の端部同士を溶接することにより製造されたものを用いることができる。
また、金属管511を構成する材料としては、前述したようにアルミニウム、ステンレス鋼、鉄鋼等のような各種金属材料が挙げられる。
このような金属材料の中でも、特に、炭素鋼、クロム鋼のような合金鋼、特殊鋼、高張力鋼、ステンレス鋼のような耐食鋼等の鉄鋼材料が好ましく、炭素鋼がより好ましい。炭素鋼は、比較的展延性に優れているので、炭素鋼で構成された金属管511は、転造法により凹部を高い寸法精度で形成するのに適したものとなる。
また、炭素鋼中の炭素の含有率は、0.3質量%以下であるのが好ましく、0.01〜0.3質量%程度であるのがより好ましく、0.05〜0.2質量%程度であるのがさらに好ましい。このような炭素含有率の炭素鋼は、「低炭素鋼」とも呼ばれ、展延性に特に優れたものである。このため、低炭素鋼で構成された金属板で形成された金属管は、特に展延性に優れ、より高い寸法精度で凹部を形成するのに好適に供されるものとなる。また、後述する熱処理により、展延性や硬度等の特性を、特に容易に制御することができる材料である。
さらに、低炭素鋼としては、例えば、JIS G 3445に規定の機械構造用炭素鋼鋼管用に用いられる低炭素鋼材料が特に好適である。
次に、得られた金属管511の外周面(外周部)に、図4および図5に示す溝(凹部)2を形成する(凹部形成工程)。
溝(凹部)2を形成する方法には、特に限定されないが、転造法、ブラスト法、切削法、レーザ照射、エッチング法等の方法を用いることができる。
このうち、溝を形成する方法は、転造法またはブラスト法であるのが好ましい。これらの方法によれば、比較的短時間で、高い寸法精度の溝を効率よく形成することができる。
以下、I.転造法と、II.ブラスト法とについて、順次説明する。
I.転造法は、金属管511の外周面511aに形成すべき溝2の形状に対応した凸部を、外周面に備えたダイスを、金属管511の外周面511aに押し付けて食い込ませることにより、溝2を形成する加工方法である。
転造にあたっては、まず、金属管511を、図7(b)に示すように、円柱状をなすダイス513の外周面に接触させる。
図7(b)では、2つのダイス513、513を、互いに軸線が平行になるように配置する。なお、各ダイス513、513間の離間距離、すなわち、各ダイス513、513の間隙の距離は、金属管511の外径と、外周面に形成する溝の深さとを考慮して、外径より若干小さくなるようにする。
なお、ダイス513の数は、1つまたは3つであってもよい。
次に、各ダイス513、513を、それぞれの円柱の軸線を回転軸として、同じ方向に回転させる。
次に、回転中の各ダイス513、513の間隙に、金属管511を挿入する。これにより、金属管511の外周面511aに、各ダイス513、513の外周面がそれぞれ押し付けられる。この際、各ダイス513、513の外周面に設けられた凸部513aが金属管511の外周面511aに食い込むことにより、図7(b)に示す溝2が形成される。そして、この状態で、金属管511が、各ダイス513、513の外周面に沿って転がることにより、外周面511a全体に溝2が形成される。
II.ブラスト法は、研削材(例えば、ガラス粉末、セラミックス粉末、金属ショット等)を、加圧したガスとともに金属管511の外周面511aに吹き付ける方法(処理)である。吹き付けられた研削材は、研削したり、凹ませることにより、外周面511aにランダムな配置の凹部を形成する。
また、金属管511の外周面511a上に、あらかじめ、溝を形成すべき領域が露出するような開口部を有するマスクを形成しておき、その上からブラスト処理を行うようにしてもよい。この方法によれば、開口部から露出した領域の外周面511aのみが研削されるので、外周面511aに所定の形状の溝を形成することができる。
[2]次に、溝2を形成した金属管511の外周面511a上に、金属を主成分とする非晶質材料で構成された表面層512を形成する(表面層形成工程)。
これにより、金属管511の外周面511a上が、図8(c)に示すように、表面層512で覆われる。
外周面511a上に表面層512を形成する方法としては、例えば、メッキ法、溶射法、物理的蒸着法、化学的蒸着法等の方法を用いることができる。
このうち、メッキ法により表面層512を形成するのが好ましい。メッキ法によれば、厚さを厳密に制御しつつ、表面層512を効率よく形成することができる。また、表面層512を形成する際に、金属管511に熱的負荷を及ぼすことがないので、金属管511の変質・劣化を確実に防止することができる。
メッキ法としては、例えば、無電解メッキ法、電解メッキ法等が挙げられるが、特に、無電解メッキ法を用いるのが好ましい。無電解メッキによれば、非晶質材料で構成された表面層512を確実に形成することができる。また、形成された表面層512は、金属管511の形状によらず、外周面511a上に均一な厚さで形成される。
ここで、形成する表面層512を構成する非晶質材料が含む金属としては、例えば、ニッケル、チタン、クロム等の元素が挙げられるが、特に、ニッケルが好ましい。ニッケルは、比較的導電性が高いので、トナーを帯電させる特性(帯電特性)に優れている。また、比較的耐候性(耐酸化性)に優れるとともに、硬度が高いので耐磨耗性に優れているという利点もある。したがって、ニッケルを主成分として含む表面層512は、長期にわたって高い帯電特性を発揮することができる。
また、表面層512は、添加物として、ホウ素、炭素、窒素、リン、コバルト、銅、タングステン等のうちの1種または2種以上の元素を含んでいてもよい。
このうち、添加物は、ホウ素およびリンのうちの少なくとも1種で構成されているのが好ましい。これらの元素は、特にニッケルと反応して、非晶質を安定的に生成することができる。したがって、ニッケルを主成分とする非晶質で構成された表面層512を確実に得ることができる。
ここで、前記金属材料と前記添加物との組み合わせとしては、例えば、Ni−P、Ni−B、Ni−P−B、Ni−P−Co等が挙げられる。
このように表面層512を構成する材料の組成を適宜設定することにより、表面層512がトナーを帯電させる特性(帯電特性)を高めることができる。
また、表面層512の平均厚さは、1〜15μm程度であるのが好ましく、3〜10μm程度であるのがより好ましい。表面層512の平均厚さを前記範囲内に設定すれば、十分な帯電特性を得ることができる。
なお、表面層512の平均厚さが前記上限値を上回ってもよいが、帯電特性のそれ以上の向上を期待することができないばかりか、金属管511と表面層512との熱膨張率差が顕在化するおそれがある。この熱膨張率差の顕在化は、表面層512の剥離につながるため、避けられることが好ましい。
また、表面層512中における前記添加物の含有率は、非晶質材料の主成分である金属の組成や、添加物の組成に応じて若干異なるが、1〜15wt%程度であるのが好ましく、5〜13wt%程度であるのがより好ましく、8〜10wt%程度であるのがさらに好ましい。表面層512中における添加物の含有率を前記範囲内に設定することにより、後述する熱処理工程において、表面層512中の非晶質材料の一部が、確実に結晶化することができる。換言すれば、添加物の含有率が前記範囲内であれば、後述する熱処理に伴い、表面層512が結晶化しなかったり、表面層512の全体が結晶化してしまうのを、より確実に防止することができる。
[3]次に、表面層512を形成した金属管511に熱処理を施す(図8(d)参照)。
ここで、従来の現像ローラの製造方法では、外周面に凹部を形成した金属管の外周面に、表面層を形成し、現像ローラを製造していた。
ところで、この表面層は、全体が非晶質材料または全体が結晶材料で構成されていた。このような従来の現像ローラでは、トナーを帯電させる特性(帯電特性)が低く、帯電されないトナーが発生するという問題があった。この帯電されないトナーは、現像に寄与することができないため、トナーのかぶりの増大という問題を招いていた。
また、このような現象は、例えば、プリンタに新しいトナーを補給した際に、特に顕著に発生する。この際、プリンタに残存していた古いトナーは比較的帯電され難いのに対し、補給された新しいトナーは比較的帯電され易いという傾向がある。したがって、プリンタ中でこれらの各トナーが交じり合うと、帯電され易いトナーと帯電され難いトナーとが混在することとなり、前述のかぶりが顕著に発生する。
また、特に、表面層全体を非晶質材料で構成した現像ローラでは、表面層の硬度が低いため、トナーとの接触によって表面層が摩耗するという問題があった。このため、現像ローラの長期にわたる耐久性が十分ではなかった。
これに対し、本発明では、第1の工程で形成した表面層512のうちの一部が結晶化するように、少なくとも表面層512に熱処理を施すようにした。これにより、非晶質材料で構成された表面層512の一部が結晶化し、表面層512は、非晶質と結晶とが混在した状態となる。
このような状態の表面層512は、トナーへの電荷供与の効率が特に高められる。このため、かかる表面層512を備えた現像ローラ510は、帯電特性が特に高くなり、トナーをより確実に帯電させることができる。これにより、前述したかぶりを減少させることができる。なお、この現象は、表面層512が非晶質と結晶とが混在して構成されていることに起因して特異的に発現する現象であると推察される。
また、上記のような効果は、トナーの状態にかかわらず発揮される。このため、表面層512を備えた現像ローラ510は、例えば、帯電し易いトナーと帯電し難いトナーとが混在した状態のトナーをも、確実に帯電させることができる。このため、例えば、トナーカートリッジにトナーを補給した直後であっても、トナーのかぶりが増大するのを確実に防止することができる。
さらに、表面層512は、非晶質が有する比較的靭性が高いという特徴と、結晶が有する比較的硬度が高いという特徴とを併せ持つものとなる。このため、表面層512は、全体が結晶材料で構成されたものの硬度には及ばないものの、トナーとの接触による摩耗等を十分に防止し得る高い硬度を有するとともに、亀裂等の発生を確実に防止することができる。したがって、このような表面層512を備えた現像ローラ510は、長期にわたって十分な耐久性を備えたものとなる。
ところで、本発明では、非晶質材料で構成された表面層512の一部を結晶化させるように表面層512に熱処理を施すが、この熱処理の条件を適宜設定することにより、結晶化の程度(結晶化度)を制御する。
具体的には、熱処理の条件として、熱処理の温度、加熱時間、平均冷却速度および雰囲気のうちの少なくとも1つを用いるのが好ましい。このような熱処理の条件を適宜設定すれば、容易かつ確実に、表面層512の一部を結晶化させることができる。
これらの各条件は、表面層512が含む金属の組成や添加物の組成、含有率等の各因子に応じて異なる。このため、表面層512の一部をより確実に結晶化させるためには、各因子に応じて、熱処理の条件を設定することが求められる。
そこで、表面層512に光を照射したとき、光電効果により表面層512から発生した光電子を分析することにより、最適な熱処理の条件を容易かつ確実に決定することができる。これにより、表面層512中の非晶質材料の一部のみを確実に結晶化させることができる。
具体的には、まず、表面層512に光を照射したとき、光電効果により表面層512から発生した光電子数が、表面層512の結晶化度に応じて変化することを利用して、熱処理の条件を決定する。すなわち、表面層512に対して光電子分光分析を行い、その分析結果に基づいて、熱処理の条件を決定する。
表面層512から発生する光電子数は、表面層512の結晶化度を反映しており、結晶化度の程度に応じて変化する。したがって、この特性を利用して、表面層512の一部のみが結晶化するための条件を見出し(決定し)、見出された条件に基づいて、表面層512の熱処理を行うようにすればよい。これにより、表面層512が含む金属の組成や添加物の組成、含有率等の各因子にかかわらず、非晶質で構成された表面層512の一部のみを確実に結晶化することができる。その結果、帯電特性に優れるとともに、十分な耐久性を備えた現像ローラ510を効率よく製造することができる。
なお、表面層512に照射する光のエネルギーは、表面層512を構成する材料の仕事関数より大きいのが好ましい。これにより、表面層512から光電子を確実に発生させることができる。その結果、熱処理の条件を光電子分光分析に基づいて確実に決定することができる。
ここで、熱処理の条件を決定する好ましい方法について具体的に詳述する。
この方法では、まず、所定の条件で熱処理を施された後の表面層512に向けて、所定のエネルギーの光を照射する。そして、照射された光に伴う光電効果により表面層512から発生した光電子を分析する光電子分光分析を行う。
図9は、表面層に照射した光のエネルギーと、表面層から発生した光電子の収率(数)との関係を模式的にプロットしたグラフである。
このグラフは、横軸に、表面層512に照射する光のエネルギーを示し、縦軸に、光電効果により表面層512から発生した光電子の収率の平方根を示している。
この図9では、所定の条件で熱処理を施した表面層512に、エネルギーの光を照射し、発生した光電子の収率の平方根をプロットして得られた光電子分光スペクトルが図示されている。この光電子分光スペクトルは、光のエネルギーが増大するのに伴い、急激に増大している。なお、このスペクトルが急激に増大している位置をしきい値とし、このしきい値を横軸に投影したとき、その投影位置のエネルギーが表面層512を構成する材料の仕事関数Wに相当する。
また、仕事関数Wより高エネルギー側において、光のエネルギーが増大するのに伴い、光電子分光スペクトルがグラフの右上に向かって立ち上がっているが、この立ち上がり角度(スペクトルと横軸とがなす角度)αを求める。この角度αは、表面層512からトナーTへの電荷の移動効率を反映する指標となる。したがって、この角度αを指標として熱処理の条件を決定すれば、帯電特性が確実に向上し得るように、表面層512に熱処理を施すことができる。
次に、全体を結晶化させた表面層Sを備えた現像ローラを用意し、この表面層Sについても上記と同様にして、仕事関数より高エネルギー側において、光電子分光スペクトルと横軸とがなす角度αを求める。
そして、熱処理の条件の決定にあたっては、所定の条件で熱処理を施した後の表面層512から求めた角度αが、全体を結晶化させた表面層Sから求めた角度αよりも小さくなるように、熱処理の条件を調整する。これにより、より最適な熱処理の条件を容易かつ確実に決定することができ、この条件で熱処理を施された表面層512は、トナーTへの電荷の移動効率がより高くなる。その結果、十分な耐久性を備えるとともに、帯電特性に優れた現像ローラ510を確実に得ることができる。
次に、熱処理の条件を決定するより好ましい方法について具体的に詳述する。
この方法では、まず、全体を結晶化させた表面層Sを備えた現像ローラと、全体が非晶質で構成された表面層Sを備えた現像ローラとを用意する。なお、表面層Sを備えた現像ローラとしては、熱処理を施す前の表面層512を備えた現像ローラを用いればよい。
次に、これらの表面層S、Sにそれぞれ光を照射する。そして、各表面層S、Sからそれぞれ光電子分光スペクトルを得るとともに、各角度α、αをそれぞれ求める。
熱処理の条件の決定にあたっては、所定の条件で熱処理を施した後の表面層512から求めた角度αが、α<α<(α+α)/2なる条件を満足するように、熱処理の条件を調整する。これにより、特に最適な熱処理の条件を容易かつ確実に決定することができる。これにより、表面層512中の結晶化度が特に最適化され、表面層512からトナーTへの電荷の移動効率が特に高くなる。その結果、十分な耐久性を備えるとともに、帯電特性に特に優れた現像ローラ510を確実に得ることができる。
ここで、熱処理を施した後の表面層512における結晶化度は、10〜90%程度であるのが好ましく、20〜80%程度であるのがより好ましい。これにより、前記効果がより顕著に発揮される。
なお、前記含有率が前記下限値を下回ると、表面層512からトナーTへの電荷の移動効率が若干低下するとともに、表面層512の硬度も若干低下するおそれがある。一方、前記含有率が前記上限値を上回ると、表面層512からトナーTへの電荷の移動効率が若干低下するとともに、表面層512の靭性も若干低下するおそれがある。
また、熱処理を施した後の表面層512のビッカース硬度HVは、750〜900程度であるのが好ましく、800〜900程度であるのがより好ましい。このような硬度範囲の表面層512を備えた現像ローラ510は、特に十分な耐久性を備えたものとなる。
ところで、前述したように、熱処理の条件は、表面層512が含む金属の組成や添加物の組成、含有率等の各因子に応じて異なる。
以下では、熱処理の条件の一例として、遷移金属としてニッケルを含み、添加物としてホウ素またはリンを1〜15wt%の割合で含む表面層512に熱処理を施す場合を例に、熱処理の条件について説明する。
まず、熱処理の温度は、150〜390℃程度であるのが好ましく、200〜350℃程度であるのがより好ましく、250〜300℃程度であるのがさらに好ましい。熱処理の温度を前記範囲内に設定することにより、表面層512の全体が結晶化するのを防止しつつ、一部のみを確実に結晶化させることができる。
また、前記温度での加熱時間は、10〜180分程度であるのが好ましく、30〜90分程度であるのがより好ましい。前記温度での加熱時間を前記範囲内に設定することにより、表面層512の全体が結晶化するのを防止しつつ、一部のみをより確実に結晶化させることができる。
また、熱処理における加熱後の平均冷却速度は、20〜400℃/h程度であるのが好ましく、50〜300℃/h程度であるのがより好ましい。冷却速度を前記範囲内に設定することにより、表面層512の一部のみが結晶化するのを、促進することができる。
なお、冷却速度は、熱処理における冷却過程全体のうち、一部の冷却過程において前記範囲内に設定されるようにしてもよい。
また、熱処理の雰囲気は、非酸化性雰囲気であるのが好ましい。非酸化性雰囲気中で熱処理を施すことにより、表面層512や金属管511の酸化を確実に防止することができる。その結果、酸化による表面層512や金属管511の変質・劣化を確実に防止することができる。
なお、非酸化性雰囲気としては、例えば、窒素、アルゴンのような不活性ガス雰囲気、水素、一酸化炭素のような還元性ガス雰囲気、減圧雰囲気等が挙げられる。
このようにして、円筒状の本体300が得られる。
[4]次に、本体300の中空部の両端に、それぞれ縮径部310を挿入する。このとき、各縮径部310、310のそれぞれの軸線と、本体300の回転軸(円筒の軸)とが一致するようにする。そして、本体300と各縮径部310、310とをそれぞれ固定する。これにより、現像ローラ510が得られる。
以上のような方法によれば、帯電特性に優れるとともに、十分な耐久性を備えた現像ローラ510を効率よく確実に製造することができる。
また、帯電特性の異なるトナーが混在している場合でも、トナーを確実に帯電させ、担持したトナーを安定的に感光体に付与することができる。
<第2実施形態>
次に、現像ローラ510を製造する方法(本発明の現像ローラの製造方法)の第2実施形態について説明する。
以下、第2実施形態について説明するが、前記第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
本実施形態にかかる現像ローラの製造方法は、工程の順序が異なる以外は、前記第1実施形態と同様である。
本実施形態にかかる現像ローラ510を製造する方法は、金属管(金属製の管体)の外周面上に、金属を主成分とする非晶質材料で構成された表面層を形成する表面層形成工程と、この表面層を形成した金属管の外周部に、凹部を形成する凹部形成工程と、表面層を構成する非晶質材料の一部が結晶化するように、少なくとも表面層に熱処理を施す熱処理工程とを有する。以下、各工程について、順次説明する。
[1]まず、金属管511を用意する。
次に、金属管511の外周面511a上に、金属を主成分とする非晶質材料で構成された表面層512を形成する(表面層形成工程)。
これにより、金属管511の外周面511a上が、表面層512で覆われる。
[2]次に、表面層512を形成した金属管511の外周面(外周部)に、溝(凹部)2を形成する(凹部形成工程)。
溝2を形成する方法には、前記第1実施形態と同様に、転造法、ブラスト法、切削法、レーザ照射、エッチング法等の方法を用いることができる。
[3]次に、溝2を形成した金属管511に熱処理を施す。
この熱処理は、前記第1実施形態と同様に、表面層512を構成する非晶質材料の一部が結晶化するような条件で行われる。その結果、表面層512は、非晶質と結晶との混在物により構成される。
以上により、前述した円筒状の本体300が得られる。
[4]次に、前記第1実施形態と同様にして、本体300の中空部の両端に、それぞれ縮径部310を挿入する。これにより、現像ローラ510が得られる。
以上のような本実施形態にかかる現像ローラの製造方法によっても、前記第1実施形態と同様に、帯電特性に優れるとともに、十分な耐久性を備えた現像ローラ510を効率よく確実に製造することができる。
また、帯電特性の異なるトナーが混在している場合でも、トナーを確実に帯電させ、担持したトナーを安定的に感光体に付与することができる。
さらに、本実施形態では、表面層512を形成した後、溝2を形成するようにした。
ここで、例えば、溝を形成した後、表面層を形成する場合、表面層の形成方法によっては、溝が形成された部分と、溝が形成されない部分との間で、表面層の厚さにバラツキが生じる。かかる問題は、メッキ法により、表面層を形成する場合等に特に顕著に生じる。
これに対し、本実施形態にかかる現像ローラの製造方法では、前述したように、表面層512を形成した後、溝2を形成する。このため、現像ローラ510の外周面において、溝2が形成された部分と、溝2が形成されない部分との間で、表面層512の厚さを一定にしてなる現像ローラ510を製造することができる。その結果、表面層512の剥離等の不具合を確実に防止しつつ、現像ローラ510の外周面全体において、帯電特性のバラツキを抑制することができる。
また、本実施形態では、表面層512を形成した後、熱処理を施す前に溝2を形成する。このため、比較的硬度の低い非晶質材料で構成された表面層512に溝2を形成することができるので、寸法精度の高い溝2を効率よく形成することができる。
<第3実施形態>
次に、現像ローラ510を製造する方法(本発明の現像ローラの製造方法)の第3実施形態について説明する。
以下、第3実施形態について説明するが、前記第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
本実施形態にかかる現像ローラの製造方法は、工程の順序が異なる以外は、前記第1実施形態と同様である。
本実施形態にかかる現像ローラ510を製造する方法は、金属管(金属製の管体)の外周面上に、金属を主成分とする非晶質材料で構成された表面層を形成する表面層形成工程と、表面層を構成する非晶質材料の一部が結晶化するように、少なくとも表面層に熱処理を施す熱処理工程と、表面層を形成した金属管の外周部に、凹部を形成する凹部形成工程とを有する。以下、各工程について、順次説明する。
[1]まず、金属管511を用意する。
次に、金属管511の外周面511a上に、金属を主成分とする非晶質材料で構成された表面層512を形成する(表面層形成工程)。
これにより、金属管511の外周面511a上が、表面層512で覆われる。
[2]次に、表面層512を形成した金属管511に熱処理を施す。
この熱処理は、前記第1実施形態と同様に、表面層512を構成する非晶質材料の一部が結晶化するような条件で行われる。その結果、表面層512は、非晶質と結晶との混在物により構成される。
[3]次に、表面層512を形成した金属管511の外周面(外周部)に、溝(凹部)2を形成する(凹部形成工程)。
溝2を形成する方法には、前記第1実施形態と同様に、転造法、ブラスト法、切削法、レーザ照射、エッチング法等の方法を用いることができる。
以上により、前述した円筒状の本体300が得られる。
[4]次に、前記第1実施形態と同様にして、本体300の中空部の両端に、それぞれ縮径部310を挿入する。これにより、現像ローラ510が得られる。
以上のような本実施形態にかかる現像ローラの製造方法によっても、前記第1実施形態と同様に、帯電特性に優れるとともに、十分な耐久性を備えた現像ローラ510を効率よく確実に製造することができる。
また、帯電特性の異なるトナーが混在している場合でも、トナーを確実に帯電させ、担持したトナーを安定的に感光体に付与することができる。
また、本実施形態にかかる現像ローラの製造方法では、表面層512を形成した後、溝2を形成する。このため、現像ローラ510の外周面において、溝2が形成された部分と、溝2が形成されない部分との間で、表面層512の厚さを一定にしてなる現像ローラ510を製造することができる。その結果、表面層512の剥離等の不具合を確実に防止しつつ、現像ローラ510の外周面全体において、帯電特性のバラツキを抑制することができる。
以上、本発明の現像ローラの製造方法、現像ローラ、現像装置および画像形成装置について、好適な実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、本発明の現像ローラの製造方法は、必要に応じて、任意の工程を追加することもできる。
また、金属管には、あらかじめ用意されたもの(例えば、市販の金属管等)を用いることができる。
また、現像ローラの外周面に形成された溝の形状は、特に限定されず、いかなる形状であってもよい。なお、現像ローラの外周面に形成された溝の形状にかかわらず、前述のような本発明の現像ローラの製造方法における作用・効果が発揮される。
次に、本発明の具体的実施例について説明する。
1.プリンタ(画像形成装置)の製造
(実施例1)
<1>まず、機械構造用炭素鋼鋼管STKM11Aを用意した。なお、鋼管中の炭素含有率は、0.05wt%であった。
<2>次に、転造法により、鋼管の外周面に、図4および図5に示す溝を形成した。なお、形成した溝の各部の寸法・角度等の主な条件は、以下の通りである。
<溝の各部の条件>
・D・D :5μm
・θ :90°
・d :80μm
・A・B :55μm
・C・C :25μm
・溝の面積率 :70%
<3>次に、鋼管の外周面上に、表面層を以下の形成条件にしたがって形成した。
<表面層の形成条件>
・形成方法 :無電解メッキ法
・組成 :Ni−P(Pの含有率:10wt%)
・平均厚さ :5μm
<4>次に、表面層を形成した鋼管を熱処理炉に入れ、以下の条件で熱処理を施した。
<熱処理の条件>
・温度 :200℃
・時間 :60分
・雰囲気 :Nガス雰囲気
・平均冷却速度:100℃/h
これにより、現像ローラの本体を得、この本体の中空部の両端に縮径部を挿入して、現像ローラを得た。
<5>次に、この現像ローラを組み込んだ図2に示す現像装置を得た。
<6>次に、この現像装置を組み込んだ図1に示すプリンタを得た。
(実施例2)
熱処理の温度を280℃にした以外は、前記実施例1と同様にして現像ローラを製造し、この現像ローラを組み込んだ現像装置・プリンタをそれぞれ製造した。
(実施例3)
熱処理の温度を350℃にした以外は、前記実施例1と同様にして現像ローラを製造し、この現像ローラを組み込んだ現像装置・プリンタをそれぞれ製造した。
(実施例4)
前記実施例2において、工程<2>と工程<3>の順序を入れ替えた以外は、前記実施例2と同様にして現像ローラを製造し、この現像ローラを組み込んだ現像装置・プリンタをそれぞれ製造した。
(実施例5)
前記実施例2において、各工程<2>、<3>、<4>の順序を、<3>→<4>→<2>の順序に変更した以外は、前記実施例2と同様にして現像ローラを製造し、この現像ローラを組み込んだ現像装置・プリンタをそれぞれ製造した。
(比較例1)
熱処理を省略した以外は、前記実施例1と同様にして現像ローラを製造し、この現像ローラを組み込んだ現像装置・プリンタをそれぞれ製造した。
(比較例2)
熱処理の温度を400℃に変更した以外は、前記実施例1と同様にして現像ローラを製造し、この現像ローラを組み込んだ現像装置・プリンタをそれぞれ製造した。
2.評価
2.1 光電子分光分析
各実施例および各比較例で製造した現像ローラの表面層に対して、光電子分光装置を用いて光電子分光分析を行った。そして、横軸が表面層に照射した光のエネルギーを示し、縦軸が光電効果により表面層から発生した光電子の収率の平方根を示すグラフに、分析結果をプロットして、各現像ローラの光電子分光スペクトルを得た。以下に、光電子分光分析の条件を示す。
<光電子分光分析の条件>
・使用装置 :理研計器(株)製 光電子分光装置 AC−2
・測定エネルギー :4.2〜6.2eV(0.1eVステップ)
・エネルギー毎計数時間:10秒
・アノード電圧 :2850V
・光源 :重水素ランプ(紫外光)
・測定光量 :10nW
得られた光電子分光スペクトルを図10に示す。なお、図10には、代表として、実施例2および比較例1、2で製造した現像ローラから得られた光電子分光スペクトルを図示している。
図10に示すように、各スペクトルは、照射光のエネルギー5eV未満では、いずれも光電子収率が小さいが、5eV付近をしきい値として、右上に立ち上がっている。
ここで、各スペクトルの5eVより高エネルギー側において、光電子分光スペクトルと横軸とがなす角度αを求めた。
また、実施例2で得られた角度αをα280、比較例1で得られた角度αをα、比較例2で得られた角度αをα400とする。
その結果、各角度α、α280、α400は、「α<α280<(α+α400)/2」なる大小関係を満足した。
また、実施例2以外の各実施例で製造した現像ローラから得られた光電子分光スペクトルについても、実施例2と同様に、上記の大小関係を満足した。
2.2 表面層の結晶構造の評価
各実施例および各比較例で製造した現像ローラを5本ずつ用意し、これらを切断した。次いで、切断面の表面層に対して、透過型電子顕微鏡を用いて電子線を照射し、電子線回折像を得た。そして、この電子線回折像に基づいて、各現像ローラに形成された表面層の結晶構造を評価した。
その結果、各実施例で得られた現像ローラの表面層は、いずれも、結晶組織と非晶質組織の混合状態であることが確認された。
なお、表面層中の結晶化度は、若干バラツキ(個体差)があるものの、30〜70%の範囲内であった。
一方、比較例1で得られた現像ローラの表面層は、全体が非晶質組織で構成されていた。
また、比較例2で得られた現像ローラの表面層は、全体が結晶組織で構成されていた。
2.3 鋼管の硬度の評価
各実施例および各比較例で製造した現像ローラを5本ずつ用意し、それぞれの現像ローラにおいて、外周面(表面層)のビッカース硬度HVを、JIS Z 2244に規定の方法により測定した。
2.4 帯電特性の評価
まず、各実施例および各比較例で製造したプリンタにおいて、印字途中で動作を停止し、カートリッジを取り出した。そして、粉黛帯電量分布測定装置(ホソカワミクロン社製、E-spart analyzer)を用いて、帯電量分布を測定した。その結果から、各プリンタ中の現像ローラのトナー担持量と、担持したトナーの帯電量とを求めた。
2.5 トナーかぶりの評価
2.5.1 非補給時のトナーかぶりの評価
まず、各実施例および各比較例で製造したプリンタのカートリッジ中に、新しいトナーのみを充填した。
次に、各プリンタにおいて、所定の印字パターンで1000枚印字した。その後、各プリンタからカートリッジを取り出し、それぞれのトナーかぶりを計量した。そして、トナーかぶりを、以下の基準にしたがって評価した。
◎:かぶりが4g以下である
○:かぶりが4g超、6g以下である
△:かぶりが6g超、8g以下である
×:かぶりが8g超である
2.5.2 補給時のトナーかぶりの評価
まず、2.5.1で使用したカートリッジ中に、別途、新しいトナーを補給した。これにより、カートリッジ中に、新しいトナーと古いトナーとの混在状態とした。
次に、各プリンタにおいて、所定の印字パターンで1000枚印字した。その後、各プリンタからカートリッジを取り出し、それぞれのトナーかぶりを計量した。そして、トナーかぶりを、以下の基準にしたがって評価した。
◎:かぶりが10g以下である
○:かぶりが10g超、15g以下である
△:かぶりが15g超、20g以下である
×:かぶりが20g超である
以上、2.2〜2.5の評価結果を表1に示す。
Figure 0004770707
表1から明らかなように、各実施例で得られた現像ローラの表面層の硬度は、比較例2で得られた現像ローラには及ばないものの、比較的高い硬度であった。このため、各実施例で得られた現像ローラは、十分な耐久性を有すると考えられる。
また、各実施例で得られた現像ローラは、優れた帯電特性を示した。
さらに、各実施例で得られたプリンタは、各比較例で得られたプリンタに比べ、トナーかぶりが少なかった。この結果からも、各実施例で得られた現像ローラは、いずれも、帯電特性に優れていることが明らかとなった。また、この傾向は、トナー補給時において、特に顕著であった。
本発明の画像形成装置の概略構成を示す模式的断面図である。 本発明の現像装置の概略構成を示す模式的断面図である。 現像ローラの概略構成を示す平面図である。 図3に示す現像ローラに形成された溝の拡大平面図である。 図4中のA−A線断面図である。 図4の斜視図である。 本発明の現像ローラの製造方法の第1実施形態を説明するための模式図である。 本発明の現像ローラの製造方法の第1実施形態を説明するための模式図である。 表面層に照射した光のエネルギーと、表面層から発生した光電子の収率(数)との関係を模式的にプロットしたグラフである。 実施例2および比較例1、2で製造した現像ローラから得られた光電子分光スペクトルである。
符号の説明
10……プリンタ 2……溝 21……第1の溝 211……側面 212……底面 22……第2の溝 20……感光体 3……凸部 31……頂面 30……帯電ユニット 300……本体 301……外周部 301a……外周面 310……縮径部 320……溝形成部 40……露光ユニット 50……現像ユニット 50a……軸 51……ブラック現像装置 52……マゼンタ現像装置 53……シアン現像装置 54……イエロー現像装置 55a〜55d……保持部 510……現像ローラ 511……金属管 511a……外周面 512……表面層 513……ダイス 513a……凸部 520……シール部材 530……収容部 540……ハウジング 550……トナー供給ローラ 560……規制ブレード 560a……ゴム部 560b……ゴム支持部 562……ブレード支持板金 570……ブレード裏部材 60……一次転写ユニット 70……中間転写体 75……クリーニングユニット 76……クリーニングブレード 80……二次転写ユニット 90……定着ユニット 92……給紙トレイ 94……給紙ローラ 96……レジローラ P1……記録媒体 T……トナー O……回転軸(中心軸)

Claims (15)

  1. 外周部にトナーを保持する凹部を備えた現像ローラの製造方法であって、
    金属製の管体の外周部に前記凹部を形成する凹部形成工程と、
    該凹部形成工程の後に、前記凹部を形成した前記管体の外周面上に、金属を主成分とする非晶質材料で構成された表面層を形成する表面層形成工程と、
    該表面層形成工程の後に、前記表面層を構成する非晶質材料のうちの一部が結晶化するように、少なくとも前記表面層に熱処理を施す熱処理工程と、を有し、
    前記熱処理工程において、前記表面層に光を照射し、光電効果により前記表面層から発生した光電子を分析する光電子分光分析を、前記表面層について行い、得られた分析結果が、前記表面層の結晶化度に応じて変化することを利用して、前記熱処理の条件を決定し、決定された条件で前記熱処理を施すことを特徴とする現像ローラの製造方法。
  2. 外周部にトナーを保持する凹部を備えた現像ローラの製造方法であって、
    金属製の管体の外周面上に、金属を主成分とする非晶質材料で構成された表面層を形成する表面層形成工程と、
    該表面層形成工程の後に、前記表面層を形成した前記管体の外周部に、前記凹部を形成する凹部形成工程と、
    該凹部形成工程の後に、前記表面層を構成する非晶質材料のうちの一部が結晶化するように、少なくとも前記表面層に熱処理を施す熱処理工程と、を有し、
    前記熱処理工程において、前記表面層に光を照射し、光電効果により前記表面層から発生した光電子を分析する光電子分光分析を、前記表面層について行い、得られた分析結果が、前記表面層の結晶化度に応じて変化することを利用して、前記熱処理の条件を決定し、決定された条件で前記熱処理を施すことを特徴とする現像ローラの製造方法。
  3. 外周部にトナーを保持する凹部を備えた現像ローラの製造方法であって、
    金属製の管体の外周面上に、金属を主成分とする非晶質材料で構成された表面層を形成する表面層形成工程と、
    該表面層形成工程の後に、前記表面層を構成する非晶質材料のうちの一部が結晶化するように、少なくとも前記表面層に熱処理を施す熱処理工程と、
    該熱処理工程の後に、前記表面層を形成した前記管体の外周部に、前記凹部を形成する凹部形成工程と、を有し、
    前記熱処理工程において、前記表面層に光を照射し、光電効果により前記表面層から発生した光電子を分析する光電子分光分析を、前記表面層について行い、得られた分析結果が、前記表面層の結晶化度に応じて変化することを利用して、前記熱処理の条件を決定し、決定された条件で前記熱処理を施すことを特徴とする現像ローラの製造方法。
  4. 横軸が前記照射した光のエネルギーを示し、縦軸が前記光電子の収率の平方根を示すグラフに、前記分析結果をプロットしてなる光電子分光スペクトルを得たとき、
    該光電子分光スペクトルと前記横軸とがなす角度αに基づいて、前記熱処理の条件を決定し、決定された条件で前記熱処理を施す請求項1ないし3のいずれかに記載の現像ローラの製造方法。
  5. 所定の条件で熱処理を施した後の前記表面層に対して、前記光電子分光分析を行い、前記角度αを得るとともに、
    前記表面層を構成する非晶質材料の全体を結晶化させたものに対して、前記光電子分光分析を行い、前記角度αを得たとき、
    α<αなる関係を満足するように、前記熱処理の条件を決定し、決定された条件で前記熱処理を施す請求項に記載の現像ローラの製造方法。
  6. 前記角度αを得るとともに、
    前記角度αと、
    前記表面層を構成する非晶質材料に対して、前記光電子分光分析を行い、前記角度αとを得たとき、
    α<α<(α+α)/2なる関係を満足するように、前記熱処理の条件を決定し、決定された条件で前記熱処理を施す請求項に記載の現像ローラの製造方法。
  7. 前記表面層に照射される光のエネルギーは、前記表面層の仕事関数より大きい請求項ないしのいずれかに記載の現像ローラの製造方法。
  8. 前記熱処理後の前記表面層における結晶化度は、10〜90%である請求項1ないしのいずれかに記載の現像ローラの製造方法。
  9. 前記熱処理後の表面層のビッカース硬度HVは、750〜900である請求項1ないし8のいずれかに記載の現像ローラの製造方法。
  10. メッキ法により前記表面層を形成する請求項1ないしのいずれかに記載の現像ローラの製造方法。
  11. 前記表面層の平均厚さは、1〜15μmである請求項1ないし10のいずれかに記載の現像ローラの製造方法。
  12. 外周部にトナーを保持する凹部を備えた金属製の現像ローラであって、
    前記現像ローラの外周部、金属を主成分とする結晶と非晶質とが混在する表面層で構成されており、
    前記凹部は、互いに平行でありかつ前記現像ローラの周方向に対して傾斜する複数の第1の溝と、前記第1の溝に交差するとともに互いに平行でありかつ前記現像ローラの周方向に対して傾斜する複数の第2の溝と、を有しており、
    前記第1の溝および前記第2の溝に囲まれてなる凸部を有していることを特徴とする現像ローラ。
  13. 前記表面層における結晶化度が、10〜90%である請求項12に記載の現像ローラ。
  14. 請求項12または13に記載の現像ローラを備えることを特徴とする現像装置。
  15. 請求項14に記載の現像装置を備えることを特徴とする画像形成装置。
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