JP4765163B2 - Conductive resin composition and conductive injection molded product - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、導電性樹脂組成物及び導電性射出成形品に関するものであり、例えば電気電子分野や、自動車分野などにおける各種導電性成形品の成形材料として有用な導電性樹脂組成物、とりわけLSI、液晶ディスプレイ、ハードディスクなどの高密度電子デバイスの製造、搬送工程におけるトレイやケース、パッケージなどの帯電防止性成形品の成形材料として有効な導電性樹脂組成物と、この導電性樹脂組成物よりなる導電性射出成形品に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリカーボネート樹脂等の熱可塑性樹脂に、微細な炭素フィブリルを導電性フィラーとして添加混合した導電性樹脂組成物は、比較的少量の炭素フィブリル配合で優れた導電性を発現する成形品が得られる(特表平8−508534号公報など)上に、成形品からの炭素フィブリルの脱落等による発塵の問題が少なく、また不純物が少ないなどの利点を有する。特に、熱可塑性樹脂としてポリカーボネート樹脂を用いたものは、ポリカーボネート樹脂に由来する成形品の高い寸法精度及び耐熱性と、強度のバランスに優れるなどの利点を有する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、炭素フィブリルは、特殊な製造プロセスを用いて製造されるため、これを用いた樹脂組成物はコストアップにつながり易い。また、炭素フィブリルを配合した導電性樹脂組成物を用いた成形品の表面抵抗値は、成形品の場所間でのばらつきが大きいなどの問題もある。
【0004】
即ち、樹脂に導電性物質を添加した導電性樹脂組成物を射出成形することにより得られた成形品は、射出成形時のゲート部分(金型内に樹脂を注入する部分)の近辺では、他の部分と比較して電気抵抗値が高くなり、ゲートから遠い部分は抵抗値が低下する傾向があるが、導電性物質として炭素フィリブルを用いたものは、特にこのばらつきが大きい。このような表面抵抗値のばらつきは、特に成形品を、微弱な静電気でも簡単に機能破壊を起こす高密度電子デバイスを搬送するトレイ等の用途に用いる場合、トレイの表面に部分的に帯電が発生したり、或いは放電が生じ易くなり、高密度電子デバイスの機能破壊を起こす原因となるため、問題である。
【0005】
本発明は高密度電子デバイスを搬送するトレイ等の成形材料として好適な、射出成形などの溶融成形品とした場合においても、良好な導電性を発現し、かつ成形品の場所による表面抵抗値のばらつきが少ない導電性射出成形品を得ることができる導電性樹脂組成物と、この導電性樹脂組成物を射出成形してなる導電性射出成形品を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の導電性樹脂組成物は、熱可塑性樹脂と繊維径200nm以下の炭素フィブリルを含む主成分(A)100体積部に対して、ホウ酸アルミニウム粉末及び/又はホウ酸アルミニウムウィスカ(B)を0.5〜40体積部添加してなり、主成分(A)中の炭素フィブリルの含有量が0.5〜10質量%であることを特徴とする。
【0007】
本発明において、ホウ酸アルミニウム粉末及び/又はホウ酸アルミニウムウィスカを添加することによる表面抵抗値の改善効果の作用機構の詳細は明らかでないが、次のように推定される。
【0008】
即ち、炭素フィブリルを含む導電性樹脂組成物による導電性は、炭素フィブリルの適度な分散状態により、導電性のネットワークが形成されて発現するが、その炭素フィブリルの分散状態は、成形時の樹脂の流動状態に大きく依存し、例えば、ゲート付近のように流動の速い部分では剪断応力により導電性ネットワークの破壊が生じる。このため従来の成形品では、ゲート付近では表面抵抗値が高くなり、ゲートから遠い部分ほど表面抵抗値が低下する傾向となる。
【0009】
これに対して、本発明では、ホウ酸アルミニウム粉末及び/又はホウ酸アルミニウムウィスカの存在により、成形時の樹脂の流動性が改善され、上記剪断力による炭素フィブリルのネットワークの破壊が抑制され、これにより表面抵抗値のばらつきのない成形品が得られる。また、炭素フィブリルのネットワーク破壊の抑制で、導電性も向上するため、高価な炭素フィブリルの配合量を少なくした上で、良好な導電性を得ることができる。
【0010】
本発明において、熱可塑性樹脂としては、ポリカーボネート樹脂が好ましい。
【0011】
本発明の導電性射出成形品は、このような本発明の導電性樹脂組成物を射出成形してなるものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0013】
<熱可塑性樹脂>
本発明で使用する熱可塑性樹脂としては、例えばポリカーボネート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアミド、ABS樹脂、AS樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアセタール、ポリアミドイミド、ポリエーテルスルホン、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、ポリフェニレンオキシド、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンスルホン、ポリスチレン、熱可塑性ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、フッ素樹脂、液晶性ポリエステル等の熱可塑性樹脂の1種又は2種以上の混合物、或いは、このような熱可塑性樹脂にその特性を損なわない範囲でフェノール、エポキシイミド、ウレタン等の熱硬化性樹脂の1種又は2種以上を混合したものが挙げられる。使用する樹脂の種類や配合割合は、得られる成形品の使用目的に応じて、機械的強度、成形性等の特性から適宜決定される。
【0014】
なお、本発明に用いる熱可塑性樹脂はクロルイオン(Cl)溶出量の少ない樹脂が好適である。これは、成形品とした際にクロルイオンが浸み出すと、接触した半導体等の表面を腐食させる原因となり、高密度電子デバイスを搬送するトレイ等の用途に用い得ないからである。
【0015】
熱可塑性樹脂のクロルイオンの溶出量は、その樹脂ペレット50gを、純水500ml中で80℃にて1hr攪拌後、この水をイオンクロマトグラフで分析して測定した樹脂ペレット1g当たりのクロルイオン溶出量(以下、この測定方法で測定したクロルイオン溶出量を「50℃/1g樹脂ペレット−クロルイオン溶出量」と称す。)で50ng/g以下、特に10ng/g以下であることが好ましい。
【0016】
熱可塑性樹脂としては、上述の熱可塑性樹脂の中でもポリカーボネート樹脂が、成形品の寸法精度、耐熱性、機械物性などのバランスが良好な点で望ましい。
【0017】
ポリカーボネート樹脂としては、例えば界面重合法、ピリジン法、クロロホーメート法などの溶液法により、二価フェノール系化合物の主成分にホスゲンを反応させることによって製造される一般的なものを使用できる。
【0018】
熱可塑性樹脂としてポリカーボネート樹脂を用いる場合、最終的な成形品中のポリカーボネート樹脂の重量平均分子量が、30,000〜45,000、望ましくは35,000〜43,000となるように、予め原料ポリカーボネートの分子量や、製造条件を選ぶことが望ましい。分子量がこの範囲内であると、導電性に優れ、かつ機械的強度を低下させない点で有利である。
【0019】
また、熱可塑性樹脂としてポリカーボネート樹脂を使用する場合には、炭素フィブリルとホウ酸アルミニウム粉末及び/又はホウ酸アルミニウムウィスカ等の添加剤を配合して射出成形する際に、配合物がより良好な均一性で分散するために、280℃、2.16Kg荷重で測定したがメルトフローレートが、6〜20g/10分のポリカーボネート樹脂を用いることが好ましい。
【0020】
<炭素フィブリル>
本発明で使用される炭素フィブリルとしては、平均繊維径が200nm以下の炭素フィブリルが好ましく、例えば特表平8−508534号公報に記載されているものを使用することができる。
【0021】
炭素フィブリルは、当該フィブリルの円柱状軸に実質的に同心的に沿って沈着されているグラファイト外層を有し、その繊維中心軸は直線状でなく、うねうねと曲がりくねった管状の形態を有する。この、炭素フィブリルの繊維径は製法に依存し、ほぼ均一なものであるが、ここで言う平均繊維径とは顕微鏡観察して5点測定した平均値を指す。炭素フィブリルの平均繊維径が200nmより大きいと、樹脂中でのフィブリル同士の接触が不十分となり、導電性を発現させるための必要添加量が多くなったり、また安定した導電性が得られなくなる場合がある。従って、炭素フィブリルとしては平均繊維径200nm以下、特に100nm以下、とりわけ50nm以下のものが好ましい。
【0022】
一方、炭素フィブリルの平均繊維径は、0.1nm以上、特に0.5nm以上であることが好ましい。繊維径がこれより小さいと、製造が著しく困難である。
【0023】
また、炭素フィブリルは、長さと径の比(長さ/径比、即ちアスペクト比)が5以上のものが好ましく、特に100以上、とりわけ1000以上の長さ/径比を有するものが、導電性ネットワークを形成しやすく、少量添加で優れた導電性を発現することができる点で好ましい。なお、この炭素フィブリルの長さ/径比は、透過型電子顕微鏡での観察において、10本の実測値の平均値によって得られる。
【0024】
また、微細な管状の形態を有する炭素フィブリルの壁厚み(管状体の壁厚)は、通常3.5〜75nm程度である。これは、通常、炭素フィブリルの外径の約0.1〜0.4倍に相当する。
【0025】
炭素フィブリルはその少なくとも一部分が凝集体の形態である場合、原料となる樹脂組成物中に、面積ベースで測定して約50μmより大きい径を有するフィブリル凝集体、望ましくは10μmよりも大きい径を有するフィブリル凝集体を含有していないことが、所望の導電性を発現させるための添加量が少なくてすみ、機械物性を低下させない点で望ましい。
【0026】
このような炭素フィブリルは、市販品を使用することができ、例えば、米国ハイペリオンカタリシスインターナショナル社の「BN」が使用可能である。
【0027】
本発明において、炭素フィブリルの配合量は、ホウ酸アルミニウム粉末及び/又はホウ酸アルミニウムウィスカを除いた樹脂組成物中の主成分(この主成分中には、熱可塑性樹脂と炭素フィブリルと後述の第三成分を含む。)(A)中に0.5〜10量%、特に1〜5量%であることが好ましい。炭素フィブリルの配合量が上記範囲より少ないと十分な導電性が発現せず、多いと成形性が著しく低下したり、成形体強度が低下したりするため好ましくない。
【0028】
<ホウ酸アルミニウム粉末及び/又はホウ酸アルミニウムウィスカ>
本発明で用いるホウ酸アルミニウムは、9Al・2Bや2Al・Bの化学式を有するものであり、例えば特開昭63−319298号公報や、特開昭63−319299号公報に開示されているように、酸化アルミニウム供給成分と無水ホウ酸供給成分とをアルカリ金属塩の溶融剤の存在下、所定温度に加熱して針状に成長させて製造されたものを使用することができる。
【0029】
ホウ酸アルミニウムの形状としては、粒子状であっても、繊維状であっても良いが、平均繊維直径5μm以下のウィスカを使用することが、発塵性を悪化させない点で望ましい。
【0030】
ホウ酸アルミニウムウィスカの長さと径の比(長さ/径比、即ちアスペクト比)は5以上のものが好ましく、より好ましくは10以上である。このような長さ/径比を有するホウ酸アルミニウムウィスカは、炭素フィブリルとの混合性に優れ、均一な分散状態が得られるだけでなく、発塵性に優れる(即ち、発塵しない)点で望ましい。なお、ホウ酸アルミニウムウィスカの長さと径の比は、顕微鏡での観察において10本の実測値の平均値により得られる。
【0031】
ホウ酸アルミニウム粉末及び/又はホウ酸アルミニウムウィスカの添加量は、熱可塑性樹脂と炭素フィブリルを含む主成分(この主成分中には、後述の第三成分を含む。)(A)100体積部に対して、0.5〜40体積部、望ましくは0.5〜35体積部、さらに望ましくは1〜30体積部である。
【0032】
ホウ酸アルミニウム粉末及び/又はホウ酸アルミニウムウィスカの添加量が上記範囲より少ないと、得られる成形品のゲート付近の導電性が低下せず、表面抵抗値が高くなり、逆にこの範囲よりも多いと、成形性や成形品の物性を損なうだけでなく、発塵性が悪化したり、抵抗値が増大するので望ましくない。
【0033】
なお、ホウ酸アルミニウム粉末を用いる場合、その平均粒径は0.1〜50μmであることが望ましい。
【0034】
<製造方法>
本発明の導電性樹脂組成物は常法に従って製造することができる。
【0035】
例えば、ポリカーボネート樹脂と炭素フィブリルとホウ酸アルミニウム粉末及び/又はホウ酸アルミニウムウィスカとを予め混合したのち、バンバリーミキサー、ロール、ブラベンダー、単軸混練押し出し機、二軸混練押し出し機、ニーダーなどで溶融混練することによって本発明の導電性樹脂組成物を製造できる。
【0036】
その後、得られた導電性樹脂組成物を各種の溶融成形法を用いて成形することにより導電性成形品を得ることができる。
【0037】
この成形法としては、具体的にはプレス成形、押し出し成形、真空成形、ブロー成形、射出成形などを挙げることができるが、これらの成形方法の中でも特に射出成形が生産性が高い点で望ましい。
【0038】
射出成形方法としては、一般的な射出成形法のほかに、インサート射出成形法による金属部品、その他の部品との一体成形や、二色射出成形法、コアバック射出成形法、サンドイッチ射出成形法、インジェクションプレス成形法等の各種成形法を採用することができる。
【0039】
なお、射出成形においては、樹脂温度、金型温度、成形圧力によって得られる成形品の表面抵抗値が変化するので、目的に応じて適切な条件が設定されなければならない。
【0040】
本発明の導電性樹脂組成物を射出成形する場合、金型のキャビティより樹脂を注入する際のゲート(注入口)としては、サイドゲート、フィルムゲート、サブマリンゲート、ピンゲートなどを使用することができる。これらのゲートの断面積は、0.2mm以上であることが望ましい。
【0041】
ゲートとしては、上記のものの中でも、成形後にゲート処理が不要なピンゲートが生産性の点で望ましいが、その場合には、ピンゲートの直径は0.5〜3mm、特に1.0〜2.5mmであることが好ましい。
【0042】
ピンゲートのゲート直径は、樹脂が金型内に十分に充填できる範囲内であれば小さい方が望ましく、一般的に0.2〜0.5mmである。しかしながら、ゲート直径(断面積)が小さいと、ゲート部分を樹脂が流れる際に過度の剪断を受けるため、前述の炭素フィブリルによる導電性ネットワークの破壊が起こりやすい。このため、ゲート直径は好ましくは0.5mm以上、より好ましくは1.0mm以上とする。
【0043】
しかし、ゲート直径が大きすぎると、成形品のゲート部の切れが悪化して仕上がりが悪くなることから、好ましくは3mm以下、より好ましくは2.5mm以下とする。
【0044】
また、熱可塑性樹脂としてポリカーボネート樹脂を使用する場合、成形条件としては、射出成形による分子量の低下が2%以上、特に2〜5%となるように成形条件を設定すると、金型内での樹脂の流動が適正な状態となり、炭素フィブリルの導電性ネットワークの破壊が生じにくいものとなり、その結果、成形品の導電性が良好となる点で望ましい。
【0045】
<第三成分>
本発明の導電性樹脂組成物には必要に応じて、上記の性能を損なわない範囲で第三成分を配合することができる。
【0046】
このような第三成分としては、例えば、アラミド繊維、ポリイミド繊維、フッ素樹脂繊維等の有機繊維状強化材、フッ素樹脂パウダー、二硫化モリブデン等の固体潤滑剤、パラフィンオイル等の可塑剤、酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、中和剤、滑剤、相溶化剤、防曇剤、アンチブロッキング剤、スリップ剤、分散剤、着色剤、防菌剤、蛍光増白剤等といった各種添加剤を挙げることができる。
【0047】
さらに本発明の導電性樹脂組成物は、その効果を損なわない範囲内で、炭素フィブリル以外の導電性フィラーを付加成分として添加してもよい。添加し得る導電性フィラーとしては、例えば、アルミニウム、銀、銅、亜鉛、ニッケル、ステンレス、真鍮、チタンなどの金属フィラー、黒鉛(人工黒鉛、天然黒鉛)、ガラス状カーボン粒子、ピッチ系炭素繊維、PAN系炭素繊維、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化インジウム等の金属酸化物系充填材などの導電性充填材が挙げられる。
【0048】
なお、金属酸化物系フィラーのなかでも格子欠陥の存在により余剰電子が生成して導電性を示すものの場合には、ドーパントを添加して導電性を増加させたものを用いてもよい。例えば、酸化亜鉛にはアルミニウム、酸化スズにはアンチモン、酸化インジウムにはスズ等がそれぞれドーパントとして用いられる。また炭素繊維などに金属をコーティングしたり、チタン酸カリウムウィスカやホウ酸アルミニウムウィスカの表面に導電性酸化スズ又は導電性カーボンをコーティングした複合系導電性フィラーを使用することもできる。
【0049】
いずれの場合であっても、最終的な導電性樹脂成形品を60℃の純水中に1hr攪拌した後、この水をイオンクロマトグラフで分析して測定した成形品1g当たりのクロルイオン溶出量(以下、この測定方法で測定したクロルイオン溶出量を「60℃/1g樹脂成形品−クロルイオン溶出量」と称す。)が5ng/g以下であることが、半導体等を載置して運搬、移送するに用いるトレイ等を製造した際に半導体の腐食等の弊害を防止するために好適である。
【0050】
【実施例】
以下に実施例及び比較例を挙げて、本発明をより具体的に説明する。
【0051】
実施例1〜5、比較例1〜7
ポリカーボネート樹脂(三菱エンジニアリングプラスチック(株)社製「ユーピロンS3000」(商品名))と、炭素フィブリル(ハイペリオンカタリシスインターナショナル社製「ハイペリオン「BN」タイプ」(商品名);繊維直径10nm、長さ/径比50以上)の混合物(炭素フィブリル含有量3.3量%)を製造し、このものに、表1に示すホウ酸アルミニウム粉末、ホウ酸アルミニウムウィスカ又はその他の添加成分を、表3に示す配合比で配合した。
【0052】
【表1】

Figure 0004765163
【0053】
なお、炭素フィブリルの配合には、予めポリカーボネート樹脂に炭素フィブリル15量%を配合混練したマスターバッチを使用した。
【0054】
また、使用したポリカーボネート樹脂の50℃/1g樹脂ペレット−クロルイオン溶出量は5ng/g以下であった。また、280℃、2.16Kg荷重での測定におけるメルトフローレートは13.2g/10分であった。
【0055】
次にこの配合物を2軸押出機(池貝鉄鋼社製「PCM45」、L/D=32(L;スクリュー長、D;スクリュー径))を用いて、混練温度280℃、スクリュー回転数160rpmにて溶融混練して樹脂組成物のペレットを得た。
【0056】
なお、実施例1〜5の樹脂ペレットを用いて、樹脂組成物のクロロホルム溶液(2mg/ml)を調整し、これを0.2μmフィルターで濾過して炭素フィブリルとホウ酸アルミニウム粉末又はウィスカとを分離してポリカーボネート溶液を得た。次に、このポリカーボネート溶液を用いて、GPCにて重量平均分子量(Mw)を以下の条件で測定し、結果を表2に示した。
検出器:Waters UV490(254nm)
カラム:Shodex GPC AD−806MS
カラム温度:30℃
流量:1ml/min
内標:トルエン
注入量:0.05ml
【0057】
各樹脂組成物のペレットを用いて、75トン(型締め圧)射出成形機(ゲート直径1.8mm)により、図1(a),(b)に示すサンプル1を評価に必要な個数成形した。成形は、金型温度90℃で、表2に示す成形温度にて、注入速度35〜40cc/secで行った。なお、図1(b)において、2はゲート跡を示す。
【0058】
実施例2、3、4、5の成形品について表面を研磨し、それぞれの研磨面を走査型電子顕微鏡(SEM)にて観察した結果、ホウ酸アルミニウムウィスカの長さ/径比は10以上であった。
【0059】
また、実施例1〜5の成形品よりサンプリングして、前述の樹脂ペレットと同様の方法で重量平均分子量(Mw)を測定し、結果を表2に示した。
【0060】
【表2】
Figure 0004765163
【0061】
表2より、実施例1〜5では、射出成形によるポリカーボネート樹脂の分子量の低下が2〜5%の範囲であることがわかる。
【0062】
得られた成形品について、下記の測定方法で表面抵抗値、発塵性(パーティクル)、及びクロルイオン溶出量を調べ、結果を表3に示した。
(1)表面抵抗値測定
図1のサンプルについて、ダイヤインスツルメント社製ハイレスタUPを使用して、UAプローブ(2探針プローブ、探針間距離20mm)にて印加電圧は10Vで図1(b)のA、B部の表面抵抗値を測定した。
(2)発塵性
純水500mlに図1のサンプル1枚を浸漬し、超音波(40KHz、0.5W/cm)を60秒間印加した。その後、純水を取り替えて同様の処理を行い、2度目に抽出した純水を液中パーティクルカウンター(セイシン企業社製「PAC150」(商品名))にて、粉塵粒子径1μm以上2μm未満の数量を測定した。測定値をサンプルの表面積(280cm)で割って、1cm当たりの発塵量を算出した。なお、容器はPP製容器を使用した。
(3)クロルイオン溶出量
純水500mlに図1のサンプル1枚をPP容器中で浸漬し、60℃ウォーターバス中で60分攪拌した。その後、イオンを抽出した純水中のクロルイオンをイオンクロマトグラフ法にて分析し、サンプル1g当たりの溶出量を算出して、60℃/1g樹脂成形品−クロルイオン溶出量を求めた。
【0063】
【表3】
Figure 0004765163
【0064】
表3より、本発明の導電性樹脂組成物は表面抵抗値が低く(即ち、導電性が良好で)表面抵抗値のばらつきが少なく、しかも発塵も少なく、また、クロルイオンによる腐食の問題もないことがわかる。
【0065】
【発明の効果】
以上詳述した通り、本発明の導電性樹脂組成物によれば、ホウ酸アルミニウム粉末及び/又はホウ酸アルミニウムウィスカを添加することによって、表面抵抗値を低下させ、導電性を向上させると共に、成形品の抵抗値のばらつきを著しく低減することができる。
【0066】
本発明によれば、導電性に優れ、かつ成形品の表面抵抗値のばらつきが少なく、しかも発塵やイオンによるコンタミネーションの少ない導電性射出成形品が提供され、このような導電性射出成形品は、特に、高密度電子デバイスを搬送するトレイ等の用途に工業的に極めて有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1(a)は実施例及び比較例において成形したサンプルを示す斜視図であり、図1(b)は同平面図である。
【符号の説明】
1 サンプル
2 ゲート跡[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a conductive resin composition and a conductive injection molded article. For example, a conductive resin composition useful as a molding material for various conductive molded articles in the electric and electronic fields, the automobile field, etc., particularly LSI, Conductive resin compositions effective as molding materials for antistatic molded products such as trays, cases, and packages in the manufacture and transport processes of high-density electronic devices such as liquid crystal displays and hard disks, and conductive materials comprising these conductive resin compositions Related to injection molding products.
[0002]
[Prior art]
A conductive resin composition obtained by adding and mixing fine carbon fibrils as a conductive filler to a thermoplastic resin such as a polycarbonate resin can provide a molded product that exhibits excellent conductivity with a relatively small amount of carbon fibrils (specialty). (Table H8-508534, etc.) have advantages such as less problem of dust generation due to dropping of carbon fibrils from the molded product, and less impurities. In particular, those using a polycarbonate resin as the thermoplastic resin have advantages such as a high dimensional accuracy and heat resistance of a molded product derived from the polycarbonate resin, and an excellent balance of strength.
[0003]
[Problems to be solved by the invention]
However, since carbon fibrils are manufactured using a special manufacturing process, a resin composition using the carbon fibrils tends to increase costs. In addition, there is a problem that the surface resistance value of a molded product using a conductive resin composition containing carbon fibrils has a large variation between locations of the molded product.
[0004]
That is, a molded product obtained by injection molding a conductive resin composition in which a conductive substance is added to a resin is in the vicinity of the gate portion (portion where the resin is injected into the mold) at the time of injection molding. The resistance value tends to be higher than that of the portion, and the resistance value tends to decrease in the portion far from the gate, but this variation is particularly large in the case of using carbon fillable as the conductive material. Such variations in the surface resistance value can cause partial charging of the surface of the tray, especially when the molded product is used for trays that transport high-density electronic devices that can easily break down even with weak static electricity. Or electric discharge is likely to occur, causing functional breakdown of the high-density electronic device.
[0005]
The present invention is suitable as a molding material such as a tray for conveying a high-density electronic device, and even when it is a melt-molded product such as injection molding, it exhibits good conductivity and has a surface resistance value depending on the location of the molded product. It is an object of the present invention to provide a conductive resin composition capable of obtaining a conductive injection molded article with little variation, and a conductive injection molded article formed by injection molding the conductive resin composition.
[0006]
[Means for Solving the Problems]
The conductive resin composition of the present invention contains aluminum borate powder and / or aluminum borate whisker (B) with respect to 100 parts by volume of a main component (A) containing a thermoplastic resin and carbon fibrils having a fiber diameter of 200 nm or less. Ri 0.5 to 40 Na was added parts by volume, the content of carbon fibrils in the main ingredient (a) is characterized by 0.5 to 10% by mass Rukoto.
[0007]
In the present invention, although the details of the mechanism of the effect of improving the surface resistance value by adding aluminum borate powder and / or aluminum borate whisker are not clear, it is estimated as follows.
[0008]
That is, the conductivity of the conductive resin composition containing carbon fibrils is manifested by the formation of a conductive network depending on the appropriate dispersion state of the carbon fibrils. The dispersion state of the carbon fibrils depends on the resin at the time of molding. Depending on the flow state, the conductive network is broken by shear stress in a fast flow portion such as near the gate. For this reason, in the conventional molded product, the surface resistance value increases near the gate, and the surface resistance value tends to decrease at a portion far from the gate.
[0009]
In contrast, in the present invention, due to the presence of aluminum borate powder and / or aluminum borate whiskers, the fluidity of the resin during molding is improved, and the destruction of the network of carbon fibrils due to the shearing force is suppressed. Thus, a molded product having no variation in surface resistance value can be obtained. Moreover, since the conductivity is improved by suppressing the network breakdown of the carbon fibrils, it is possible to obtain good conductivity while reducing the amount of expensive carbon fibrils.
[0010]
In the present invention, as the thermoplastic resin, polycarbonate resin is not preferable.
[0011]
The conductive injection-molded article of the present invention is obtained by injection-molding such a conductive resin composition of the present invention.
[0012]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, embodiments of the present invention will be described in detail.
[0013]
<Thermoplastic resin>
Examples of the thermoplastic resin used in the present invention include polycarbonate, polybutylene terephthalate, polyamide, ABS resin, AS resin, polyethylene, polypropylene, polyacetal, polyamideimide, polyethersulfone, polyethylene terephthalate, polyimide, polyphenylene oxide, polyphenylene sulfide, One or a mixture of two or more thermoplastic resins such as polyphenylene sulfone, polystyrene, thermoplastic polyurethane, polyvinyl chloride, fluororesin, and liquid crystalline polyester, or such a thermoplastic resin as long as its characteristics are not impaired. What mixed the 1 type (s) or 2 or more types of thermosetting resins, such as a phenol, an epoxyimide, and urethane, is mentioned. The type and blending ratio of the resin to be used are appropriately determined from characteristics such as mechanical strength and moldability according to the purpose of use of the obtained molded product.
[0014]
The thermoplastic resin used in the present invention is preferably a resin with a small amount of chloroion (Cl ) elution. This is because, when chloro ions ooze out when formed into a molded product, it causes corrosion of the surface of the contacted semiconductor or the like, and cannot be used for applications such as trays for transporting high-density electronic devices.
[0015]
The amount of chloroion elution from the thermoplastic resin was determined by elution of 50 g of resin pellets in 500 ml of pure water at 80 ° C. for 1 hr, and then analyzing this water by ion chromatography to measure chlorion elution per gram of resin pellets. It is preferably 50 ng / g or less, particularly 10 ng / g or less in terms of the amount (hereinafter, the chlorion elution amount measured by this measurement method is referred to as “50 ° C./1 g resin pellet-chlorion elution amount”).
[0016]
As the thermoplastic resin, among the above-mentioned thermoplastic resins, a polycarbonate resin is desirable in terms of a good balance of the dimensional accuracy, heat resistance, mechanical properties, etc. of the molded product.
[0017]
As the polycarbonate resin, a general resin produced by reacting phosgene with a main component of a dihydric phenol compound by a solution method such as an interfacial polymerization method, a pyridine method, or a chloroformate method can be used.
[0018]
When a polycarbonate resin is used as the thermoplastic resin, the raw material polycarbonate is previously used so that the weight average molecular weight of the polycarbonate resin in the final molded product is 30,000 to 45,000, preferably 35,000 to 43,000. It is desirable to select the molecular weight and production conditions. When the molecular weight is within this range, it is advantageous in that it has excellent electrical conductivity and does not decrease the mechanical strength.
[0019]
In addition, when a polycarbonate resin is used as the thermoplastic resin, the composition is more uniform when injection molding is performed by adding carbon fibrils and additives such as aluminum borate powder and / or aluminum borate whisker. In order to disperse due to the property, it is preferable to use a polycarbonate resin having a melt flow rate of 6 to 20 g / 10 min.
[0020]
<Carbon fibrils>
The carbon fibrils used in the present invention are preferably carbon fibrils having an average fiber diameter of 200 nm or less, and for example, those described in JP-T-8-508534 can be used.
[0021]
Carbon fibrils have a graphite outer layer deposited substantially concentrically along the columnar axis of the fibrils, and the fiber central axis is not straight, but has a undulating and twisted tubular form. The fiber diameter of the carbon fibrils depends on the production method and is almost uniform, but the average fiber diameter here refers to an average value measured at five points through microscopic observation. When the average fiber diameter of the carbon fibrils is larger than 200 nm, the contact between the fibrils in the resin becomes insufficient, and the necessary addition amount for developing conductivity increases, or stable conductivity cannot be obtained. There is. Therefore, carbon fibrils having an average fiber diameter of 200 nm or less, particularly 100 nm or less, particularly 50 nm or less are preferred.
[0022]
On the other hand, the average fiber diameter of carbon fibrils is preferably 0.1 nm or more, particularly 0.5 nm or more. If the fiber diameter is smaller than this, the production is extremely difficult.
[0023]
The carbon fibrils preferably have a length / diameter ratio (length / diameter ratio, that is, an aspect ratio) of 5 or more, particularly those having a length / diameter ratio of 100 or more, particularly 1000 or more. It is preferable in that it is easy to form a network and can exhibit excellent conductivity when added in a small amount. Note that the length / diameter ratio of the carbon fibril is obtained as an average value of ten actually measured values in observation with a transmission electron microscope.
[0024]
Moreover, the wall thickness (wall thickness of a tubular body) of the carbon fibril which has a fine tubular form is about 3.5-75 nm normally. This usually corresponds to about 0.1 to 0.4 times the outer diameter of the carbon fibrils.
[0025]
When at least a portion of the carbon fibrils are in the form of aggregates, the fibril aggregates having a diameter of more than about 50 μm as measured on an area basis in the resin composition as a raw material, preferably have a diameter of more than 10 μm. The absence of fibril aggregates is desirable in that the amount added to develop desired electrical conductivity is small and mechanical properties are not deteriorated.
[0026]
Commercially available products can be used as such carbon fibrils, and for example, “BN” manufactured by Hyperion Catalysis International, Inc. can be used.
[0027]
In the present invention, the blending amount of carbon fibril is the main component in the resin composition excluding aluminum borate powder and / or aluminum borate whisker (in this main component, thermoplastic resin, carbon fibril, a three-component.) (a) 0.5 to 10 mass% in, particularly preferably 1 to 5 mass%. If the blending amount of the carbon fibril is less than the above range, sufficient conductivity is not exhibited, and if it is too large, the moldability is remarkably lowered and the strength of the molded body is unpreferable.
[0028]
<Aluminum borate powder and / or aluminum borate whisker>
Aluminum borate used in the present invention are those having the chemical formula of 9Al 2 O 3 · 2B 2 O 3 or 2Al 2 O 3 · B 2 O 3, and for example, JP-63-319298, JP As disclosed in US Pat. No. 63-319299, an aluminum oxide supply component and an anhydrous boric acid supply component were heated to a predetermined temperature in the presence of a melting agent of an alkali metal salt and grown in a needle shape. Things can be used.
[0029]
The shape of aluminum borate may be particulate or fibrous, but it is desirable to use whiskers having an average fiber diameter of 5 μm or less from the viewpoint of not deteriorating dust generation.
[0030]
The length / diameter ratio (length / diameter ratio, ie, aspect ratio) of the aluminum borate whisker is preferably 5 or more, more preferably 10 or more. An aluminum borate whisker having such a length / diameter ratio is excellent in mixing with carbon fibrils and not only provides a uniform dispersed state but also has excellent dust generation (that is, does not generate dust). desirable. In addition, the ratio of the length and the diameter of the aluminum borate whisker is obtained by an average value of ten actually measured values in observation with a microscope.
[0031]
The amount of aluminum borate powder and / or aluminum borate whisker added is 100 parts by volume of a main component containing a thermoplastic resin and carbon fibril (this main component contains a third component described later) (A). On the other hand, it is 0.5 to 40 parts by volume, desirably 0.5 to 35 parts by volume, and more desirably 1 to 30 parts by volume.
[0032]
If the amount of aluminum borate powder and / or aluminum borate whisker added is less than the above range, the conductivity in the vicinity of the gate of the resulting molded product does not decrease and the surface resistance value becomes high, and conversely, it exceeds this range. In addition to impairing the moldability and physical properties of the molded product, it is not desirable because the dust generation property is deteriorated and the resistance value is increased.
[0033]
In addition, when using an aluminum borate powder, it is desirable that the average particle diameter is 0.1-50 micrometers.
[0034]
<Manufacturing method>
The conductive resin composition of the present invention can be produced according to a conventional method.
[0035]
For example, polycarbonate resin, carbon fibril, aluminum borate powder and / or aluminum borate whisker are mixed in advance and then melted in a Banbury mixer, roll, brabender, single-screw kneading extruder, twin-screw kneading extruder, kneader, etc. The conductive resin composition of the present invention can be produced by kneading.
[0036]
Then, an electroconductive molded article can be obtained by shape | molding the obtained electroconductive resin composition using various melt-molding methods.
[0037]
Specific examples of this molding method include press molding, extrusion molding, vacuum molding, blow molding, injection molding, and the like. Among these molding methods, injection molding is particularly desirable in terms of high productivity.
[0038]
As injection molding methods, in addition to general injection molding methods, metal parts by insert injection molding method, integral molding with other parts, two-color injection molding method, core back injection molding method, sandwich injection molding method, Various molding methods such as an injection press molding method can be employed.
[0039]
In injection molding, since the surface resistance value of a molded product obtained varies depending on the resin temperature, mold temperature, and molding pressure, appropriate conditions must be set according to the purpose.
[0040]
When the conductive resin composition of the present invention is injection-molded, a side gate, a film gate, a submarine gate, a pin gate, or the like can be used as a gate (injection port) for injecting resin from a cavity of a mold. . The cross-sectional area of these gates is desirably 0.2 mm 2 or more.
[0041]
Among the above gates, a pin gate that does not require a gate treatment after molding is desirable in terms of productivity. In that case, the pin gate has a diameter of 0.5 to 3 mm, particularly 1.0 to 2.5 mm. Preferably there is.
[0042]
The gate diameter of the pin gate is desirably smaller as long as the resin can be sufficiently filled in the mold, and is generally 0.2 to 0.5 mm. However, when the gate diameter (cross-sectional area) is small, excessive shearing occurs when the resin flows through the gate portion, so that the conductive network is easily broken by the above-described carbon fibrils. Therefore, the gate diameter is preferably 0.5 mm or more, more preferably 1.0 mm or more.
[0043]
However, if the gate diameter is too large, the cutting of the gate part of the molded product is deteriorated and the finish is deteriorated, so that the thickness is preferably 3 mm or less, more preferably 2.5 mm or less.
[0044]
When a polycarbonate resin is used as the thermoplastic resin, the molding condition is such that when the molding condition is set so that the decrease in molecular weight by injection molding is 2% or more, particularly 2 to 5%, the resin in the mold This is desirable in that the flow of the resin becomes appropriate and the conductive network of the carbon fibrils is less likely to be broken, and as a result, the conductivity of the molded product is improved.
[0045]
<Third component>
If necessary, the conductive resin composition of the present invention can be blended with a third component as long as the above performance is not impaired.
[0046]
Examples of such third components include organic fibrous reinforcing materials such as aramid fibers, polyimide fibers, and fluororesin fibers, solid lubricants such as fluororesin powder and molybdenum disulfide, plasticizers such as paraffin oil, and antioxidants. Agent, heat stabilizer, light stabilizer, ultraviolet absorber, neutralizer, lubricant, compatibilizer, anti-fogging agent, anti-blocking agent, slip agent, dispersant, colorant, antibacterial agent, fluorescent whitening agent, etc. And various additives.
[0047]
Furthermore, in the conductive resin composition of the present invention, a conductive filler other than carbon fibrils may be added as an additional component as long as the effect is not impaired. Examples of conductive fillers that can be added include metal fillers such as aluminum, silver, copper, zinc, nickel, stainless steel, brass, and titanium, graphite (artificial graphite, natural graphite), glassy carbon particles, pitch-based carbon fibers, Examples thereof include conductive fillers such as metal oxide fillers such as PAN-based carbon fibers, titanium oxide, zinc oxide, tin oxide, and indium oxide.
[0048]
Note that, among metal oxide fillers, in the case where surplus electrons are generated due to the presence of lattice defects and show conductivity, a filler added with a dopant to increase conductivity may be used. For example, aluminum is used for zinc oxide, antimony for tin oxide, tin for indium oxide, and the like as dopants. Further, a composite conductive filler in which carbon fiber or the like is coated with metal or the surface of potassium titanate whisker or aluminum borate whisker is coated with conductive tin oxide or conductive carbon can also be used.
[0049]
In any case, the final conductive resin molded product was stirred in pure water at 60 ° C. for 1 hr, and this water was analyzed by ion chromatography to measure the chlorion elution amount per gram of the molded product. (Hereinafter, the elution amount of chloro ions measured by this measurement method is referred to as “60 ° C./1 g resin molded product—elution amount of chloro ions”) is 5 ng / g or less, so that a semiconductor or the like is placed and transported. It is suitable for preventing adverse effects such as corrosion of semiconductors when a tray or the like used for transfer is manufactured.
[0050]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described more specifically with reference to examples and comparative examples.
[0051]
Examples 1-5, Comparative Examples 1-7
Polycarbonate resin (“Iupilon S3000” (trade name) manufactured by Mitsubishi Engineering Plastics) and carbon fibril (“Hyperion“ BN ”type” (trade name) manufactured by Hyperion Catalysis International) (fiber diameter: 10 nm, length / prepared diameter ratio more than 50) mixtures of the (carbon fibrils content 3.3 mass%), to the ones, aluminum borate powder shown in Table 1, aluminum borate whiskers, or other additive component, in Table 3 It mix | blended with the compounding ratio shown.
[0052]
[Table 1]
Figure 0004765163
[0053]
Note that the formulation of carbon fibrils was used a master batch obtained by blending and kneading 15 mass% of carbon fibrils in advance polycarbonate resin.
[0054]
The polycarbonate resin used had a 50 ° C./1 g resin pellet-chlorion elution amount of 5 ng / g or less. Moreover, the melt flow rate in the measurement by 280 degreeC and a 2.16kg load was 13.2g / 10min.
[0055]
Next, using a twin-screw extruder (“PCM45” manufactured by Ikekai Steel Co., Ltd., L / D = 32 (L: screw length, D: screw diameter)), this blend was mixed at a kneading temperature of 280 ° C. and a screw rotation speed of 160 rpm And kneaded to obtain pellets of the resin composition.
[0056]
In addition, using the resin pellet of Examples 1-5, the chloroform solution (2 mg / ml) of a resin composition was prepared, this was filtered with a 0.2 micrometer filter, and carbon fibril and aluminum borate powder or whisker were used. Separation gave a polycarbonate solution. Next, using this polycarbonate solution, the weight average molecular weight (Mw) was measured by GPC under the following conditions, and the results are shown in Table 2.
Detector: Waters UV490 (254 nm)
Column: Shodex GPC AD-806MS
Column temperature: 30 ° C
Flow rate: 1 ml / min
Internal standard: Toluene Injection amount: 0.05ml
[0057]
Using the pellets of each resin composition, the number of samples 1 shown in FIGS. 1 (a) and 1 (b) required for evaluation was molded by a 75 ton (clamping pressure) injection molding machine (gate diameter 1.8 mm). . Molding was performed at a mold temperature of 90 ° C. and at a molding temperature shown in Table 2 at an injection rate of 35 to 40 cc / sec. In FIG. 1B, 2 indicates a gate mark.
[0058]
The surfaces of the molded articles of Examples 2, 3, 4, and 5 were polished, and each polished surface was observed with a scanning electron microscope (SEM). As a result, the length / diameter ratio of the aluminum borate whisker was 10 or more. there were.
[0059]
Moreover, it sampled from the molded article of Examples 1-5, the weight average molecular weight (Mw) was measured by the method similar to the above-mentioned resin pellet, and the result was shown in Table 2.
[0060]
[Table 2]
Figure 0004765163
[0061]
From Table 2, in Examples 1-5, it turns out that the fall of the molecular weight of polycarbonate resin by injection molding is 2 to 5% of range.
[0062]
About the obtained molded article, the surface resistance value, dust generation property (particles), and chlorion elution amount were examined by the following measuring method, and the results are shown in Table 3.
(1) Surface resistance value measurement For the sample of FIG. 1, using a Hiresta UP made by Dia Instruments, the applied voltage is 10 V with a UA probe (2 probe probes, distance between probes 20 mm). The surface resistance values of parts A and B of b) were measured.
(2) Dust generation property One sample of FIG. 1 was immersed in 500 ml of pure water, and ultrasonic waves (40 KHz, 0.5 W / cm 2 ) were applied for 60 seconds. After that, the pure water was replaced and the same treatment was performed, and the pure water extracted the second time was measured with a particle counter (“PAC150” (trade name) manufactured by Seishin Enterprise Co., Ltd.). Was measured. The measured value was divided by the surface area (280 cm 2 ) of the sample to calculate the dust generation amount per 1 cm 2 . The container used was a PP container.
(3) Chlorion elution amount One sample of FIG. 1 was immersed in 500 ml of pure water in a PP container and stirred in a 60 ° C. water bath for 60 minutes. Thereafter, chloro ions in pure water from which ions were extracted were analyzed by an ion chromatograph method, and the elution amount per 1 g of the sample was calculated to obtain the 60 ° C./1 g resin molded product-chloro ion elution amount.
[0063]
[Table 3]
Figure 0004765163
[0064]
From Table 3, the conductive resin composition of the present invention has a low surface resistance value (that is, good conductivity), little variation in surface resistance value, little dust generation, and corrosion problems caused by chloro ions. I understand that there is no.
[0065]
【The invention's effect】
As described above in detail, according to the conductive resin composition of the present invention, by adding aluminum borate powder and / or aluminum borate whisker, the surface resistance value is reduced, the conductivity is improved, and molding is performed. The variation in the resistance value of the product can be significantly reduced.
[0066]
According to the present invention, there is provided a conductive injection molded product that is excellent in conductivity, has little variation in the surface resistance value of the molded product, and is less contaminated by dust and ions, and such a conductive injection molded product. Is extremely useful industrially for applications such as trays for carrying high-density electronic devices.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 (a) is a perspective view showing samples molded in Examples and Comparative Examples, and FIG. 1 (b) is a plan view of the same.
[Explanation of symbols]
1 Sample 2 Gate trace

Claims (3)

熱可塑性樹脂と繊維径200nm以下の炭素フィブリルを含む主成分(A)100体積部に対して、ホウ酸アルミニウム粉末及び/又はホウ酸アルミニウムウィスカ(B)を0.5〜40体積部添加してなり、主成分(A)中の炭素フィブリルの含有量が0.5〜10質量%である導電性樹脂組成物。0.5 to 40 parts by volume of aluminum borate powder and / or aluminum borate whisker (B) is added to 100 parts by volume of the main component (A) containing a thermoplastic resin and carbon fibrils having a fiber diameter of 200 nm or less. Do Ri, the main component (a) content of the carbon fibrils of 0.5 to 10% by mass Ru conductive resin composition in. 請求項1において、熱可塑性樹脂が、ポリカーボネート樹脂である導電性樹脂組成物。  The conductive resin composition according to claim 1, wherein the thermoplastic resin is a polycarbonate resin. 請求項1又は2の導電性樹脂組成物を射出成形してなる導電性射出成形品。A conductive injection-molded article obtained by injection-molding the conductive resin composition according to claim 1 or 2 .
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