JP4759887B2 - 変速比無限大無段変速機の変速制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、変速比無限大無段変速機の変速制御装置、特に、動力循環モードと直結モードとの間でのモード切り換えを回転同期点から外れた変速比において行わせる変速制御装置の改良提案に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
変速比無限大無段変速機(本明細書ではIVTとも言う)は通常、例えば特開平11−63203号公報に記載され、図37に示すごとくトロイダル型無段変速機やVベルト式無段変速機などの無段変速機構(本明細書ではCVTとも言う)aと遊星歯車組bとの組み合わせにより構成する。
そして遊星歯車組bの3要素の1つ(図37ではキャリア)に一定変速機構cおよびロークラッチdを経て無段変速機構aへの入力回転を伝達することにより、遊星歯車組bの他の1要素(図37ではサンギヤ)を経て無段変速機構aの出力回転メンバより入力回転メンバに動力を循環させつつ、この循環動力の一部を無段変速機構aの変速状態に応じ遊星歯車組aの残りの1要素(図37ではリングギヤ)から取り出して出力回転となす(動力循環モード)よう構成し、
上記のロークラッチdを解放してその代わりにハイクラッチeを締結することにより、このハイクラッチeを経て無段変速機構aの出力回転メンバからの無段変速機構aの動力をそのまま取り出す(CVT直結モード:本明細書では単に直結モードとも言う)よう構成するのが普通である。
【0003】
かかる構成において変速比無限大無段変速機の変速比(入力回転数Nin/出力回転数Nout)は、該変速比の逆数である変速比無限大無段変速機(IVT)の速度比Et(Nout/Nin)と無段変速機構(CVT)aの変速比icvtとの関係として例示した図2のごとく、無段変速機構aの変速比icvtにより変速制御され得る。
【0004】
更に付言するに、ロークラッチdおよびハイクラッチeの締結・解放切り換えにより行う動力循環モードと直結モードとの間の伝動モード切り換えは、両クラッチの駆動側回転メンバの回転数と被動側回転メンバの回転数とが一致する回転同期点RSPにおいて実行するが、IVT速度比Etがこの回転同期点RSPよりも低速側の速度比にされる動力循環モードでは無段変速機構aの変速比icvtを中立点GNP対応の変速比GNPRTOにすることで、遊星歯車組bのリングギヤへ伝わる回転を0にして変速比無限大無段変速機の出力回転数Noutを0になし、伝動経路が機械的に結合されたままの状態でIVT変速比(変速機入力回転数/変速機出力回転数)が無限大(IVT速度比Etが0)の中立状態(Nレンジで要求される)を作り出すことができ、停車が可能である。
【0005】
この動力循環モードで無段変速機構aが、遊星歯車組bのリングギヤへの回転を0にするような変速比GNPRTO(中立点GNP)よりも高速(ハイ)側変速比である時は、変速比無限大無段変速機の出力回転が逆向きとなってRレンジで要求される後退走行を可能にし、無段変速機構aの変速比icvtが当該変速比GNPRTO(中立点GNP)よりも低速(ロー)側変速比であるほど、変速比無限大無段変速機の出力回転が正転方向の回転数を増大されてD,Lレンジで要求される前進走行を可能にする。
この前進走行中、無段変速機構aの変速比icvtが上記回転同期点RSPに対応した変速比になると、動力循環モードにおいてハイクラッチeの駆動側および被駆動側回転メンバの回転数が相互に一致し、この時にハイクラッチeを油圧の供給により締結すると共にロークラッチdを油圧の排除により解放することで、理論上ショックなしに動力循環モードから直結モードに切り換えることができる。
この直結モードでは、無段変速機構aのみによる変速が変速比無限大無段変速機の変速に反映されることとなる。
【0006】
なお、逆に直結モードから動力循環モードへの切り換えに際しても、上記の回転同期点RSPにおいてロークラッチdの駆動側および被駆動側回転メンバの回転数が相互に一致し、この時にロークラッチdを締結すると共にハイクラッチeを解放することで、理論上ショックなしに当該モード切り換えを行うことができる。
【0007】
ところで、上記したように必ず回転同期点RSPにおいてロークラッチdおよびハイクラッチeの締結、解放切り換えを行うというのでは、変速機出力回転数Nout(または車速VSP)に対する最終的な到達入力回転数DSRREVの関係として示す図33の変速マップおよび図2と同様なIVT変速比変化特性を示す図34上において、アクセルペダルの釈放によりスロットル開度TVOを全閉にした状態での減速により目標とすべきIVT変速比がA点からC点へと変化する変速が行われて停車に至る場合につき説明すると、A→B→Cのごとくに変速が進行することになる。
【0008】
しかしかかる変速制御では、ブレーキ操作による急制動時の急なダウンシフトやアクセルペダルの急な踏み込みに伴う急なダウンシフトが必要になったり、アクセルペダルの釈放に伴う急なアップシフトが必要になった場合において、CVT変速比icvtを一旦回転同期点RSP相当の変速比に変化させた後この変速比に保持しておき、この状態でロークラッチdおよびハイクラッチeの締結、解放切り換えを行うことになるため、要求通りの変速応答を期待できないことがある。
また、CVT変速比icvtを回転同期点RSP相当の変速比に保持しておいてロークラッチdおよびハイクラッチeの締結、解放切り換えを行うことから、当該切り換え時間中はIVT変速比が変化しないために無段変速機でありながらこの間に変速が停止するという違和感を生ずる。
【0009】
これがため従来、変速比無限大無段変速機を特開2001−74131号公報に記載のごとくに変速制御することが提案されている。
つまり、図2と同様なIVT変速比変化特性を示す図35をもとに、目標とすべきIVT変速比がW点からZ点上の変速比に変化するようなアクセルペダル操作を行った場合について説明すると、先ずCVT変速比icvtを現在の変速比に保持しておき、ハイクラッチeを解放しつつロークラッチdを締結させることによりこれらクラッチの掛け換えで実効IVT変速比がW点からW’点上の変速比になるよう変速させ、その後IVT変速比がW’点上の変速比からZ点上の変速比になるよう無段変速機構aを変速制御する。
【0010】
かかる制御によれば、CVT変速比icvtを一旦回転同期点RSP相当の変速比に変化させてこの変速比に保持し、この状態でロークラッチdおよびハイクラッチeの締結、解放切り換えを行った後、CVT変速比icvtを回転同期点RSP相当の変速比からE点の変速比に向かわせる制御よりも変速応答が高く、要求通りの応答で変速を行わせることができる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかし伝動モードの変更を伴う変速に際し無条件に、上記のごとく先ずCVT変速比を保持しておき、ロークラッチおよびハイクラッチの締結、解放切り換えを行い、その後IVT変速比が目標とすべき変速比になるよう無段変速機構を変速制御するというのでは、
図35のW点からW’点間の幅で表されるモード切り換えの変速比変化幅が大きな場合、ロークラッチおよびハイクラッチの締結、解放切り換えによるスリップ制御時間が長くなって長い変速時間が必要になったり、クラッチの発熱や耐久性に関する問題が発生したり、或いは大きなクラッチ締結容量が必要になってクラッチの大型化や、オイルポンプの大型化を伴うという問題を生ずる。
【0012】
そこで上記の変速比変化幅が大きくならないよう、図34に示すごとく第1制限CVT変速比RATIOAを設定するためのモード切り換え変速線を定め、これより小さな(ハイ側)のCVT変速比では図35につき前述したごとき変速を行わせず、図35上の前記したA点からC点への変速に際してはA→D→D’→Cのように変速を進行させることが考えられが、第1制限CVT変速比RATIOA(モード切り換え変速線)の設定に際しては、減速状態や加速状態に応じ適切に設定しなければ、減速時にエンジンストールを生じ、加速時にエンジンの過回転を生ずるという問題があることを確かめた。
【0013】
図36は、瞬時t0以後ブレーキ操作のON(制動)により減速を行って車速VSP(変速機出力回転数Nout)が(イ),(ロ),(ハ),(ニ)のような時系列変化で低下し、瞬時t1,t2,t3,t4に0となって車両を停車させる場合におけるCVT変速比icvtの時系列変化を、図34のA→B→C変速が行われる場合についてそれぞれ同符号(イ),(ロ),(ハ),(ニ)により示す。
(ニ)のように減速度が小さな緩減速時は、モード切り換え変速時間がΔtsで示すように適切な時間となるよう第1制限CVT変速比RATIOA(モード切り換え変速線)をRATIOA(ニ)に定めても、モード切り換え変速終了瞬時から停車瞬時t4までに十分な余裕時間Δteがあって無段変速機構を所定通りに変速制御し得る。
【0014】
ところで、(ニ)の場合よりも急な制動により(イ),(ロ),(ハ)のごとくに急減速する時も上記のように定めた第1制限CVT変速比RATIOA(ニ)でモード切り換え変速を行わせると、モード切り換え変速の時間が短くなって変速ショックが大きくなるという問題を生ずる。
かといって、(イ)の場合につき示すようにモード切り換え変速時間Δts1を所定時間Δtsに設定すると、その後停車に至るまでの時間Δtbが短くてCVT変速比icvtを急速に中立点GNP相当値にする無段変速機構の急変速が要求される。
しかし変速速度にはハードウエア上の応答性の限界故に或る速度以上に速い変速は実現することができず、特に車輪が制動ロックを生じると減速に変速が間に合わずにエンジンストール(エンスト)を生じてしまう。
【0015】
従って、減速時は図36に示すように第1制限CVT変速比RATIOA(モード切り換え変速線)を、(ハ),(ロ),(イ)のように急減速になるほど高速側変速比の方向へシフトさせ、RATIOA(ニ)よりもハイ側のRATIOA(ハ)、RATIOA(ロ)、RATIOA(イ)のように定めてモード切り換え変速時間が所定時間Δtsとなるようにするのが良いことを確かめた。
かかる減速度に応じた第1制限CVT変速比RATIOA(モード切り換え変速線)の変更は、図33における直結→動力循環モード切り換えダウンシフト線βの勾配を急減速であるほどβ’のように小さくして、図34上における第1制限CVT変速比RATIOA(モード切り換え変速線)をεで示すごとく高速変速比側に変更し、A→E→E’→C変速を行わせることを意味する。
【0016】
一方で急加速時は、例えばホイールスピンにより変速機出力回転数Noutが急上昇するような場合は、変速機出力回転数Noutの急上昇に見合うようロー側変速比からハイ側変速比への変速が速やかに行われないとエンジンが過回転する。
これを防止するために急加速時も急減速時と同じく、第1制限CVT変速比RATIOA(モード切り換え変速線)を急加速である時ほど高速側変速比の方向へシフトさせるのが良いことを確かめた。
【0017】
請求項1に記載の第1発明は、上記の事実認識に基づき変速機出力回転の加減速度に応じてモード切り換え変速を行わせるCVT変速比を可変にするようになし、これにより急減速時のエンジンストールや急加速時のエンジンの過回転を生ずることなくモード切り換え変速の時間を適切なものとなして変速ショックを防止し得るようにした変速比無限大無段変速機の変速制御装置を提案することを目的とする。
【0018】
請求項2に記載の第2発明は、前記のごとくモード切り換え変速線を設定してこれを基に動力循環モードおよび直結モード間でのモード切り換えを伴う変速を実行させる場合において第1発明の作用効果を達成し得るようにした変速比無限大無段変速機の変速制御装置を提案することを目的とする。
【0019】
請求項3に記載の第3発明は、モード切り換え変速中にCVT変速比を保持しておくことにより当該変速をクラッチの掛け換えによる変速のみとなし、これにより高品質な変速を行わせ得るようにした変速比無限大無段変速機の変速制御装置を提案することを目的とする。
【0020】
請求項4に記載の第4発明は、変速機出力回転の加速度または減速度が大きな場合においてモード切り換え変速のためのクラッチの掛け換え制御時間が長くなりすぎないようにし、これによってもモード切り換え変速後における無段変速機構の変速時間に余裕を持たせてエンジンストールやエンジンの過回転を確実に防止し得るようにした変速比無限大無段変速機の変速制御装置を提案することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】
これらの目的のため、先ず第1発明による変速比無限大無段変速機の変速制御装置は、
変速比を無段階に変化させ得る無段変速機構および遊星歯車組の組み合わせになり、
無段変速機構への入力回転をロークラッチの締結により遊星歯車組の1要素に伝達する時、該遊星歯車組の他の1要素を経て無段変速機構の出力回転メンバより入力回転メンバに動力を循環させつつ、該循環動力の一部を無段変速機構の変速状態に応じ前記遊星歯車組の残りの1要素から取り出して、無限大変速比と、その前後における後退変速比および前進変速比とを選択可能な動力循環モードが選択されるようにし、
前記ロークラッチに代えハイクラッチを締結する時、前記無段変速機構の出力回転をそのまま取り出して高速側の前進変速比を選択可能な直結モードが選択されるようにした変速比無限大無段変速機において、
前記動力循環モードおよび直結モード間でのモード切り換えのためのロークラッチおよびハイクラッチの締結、解放切り換えを、変速機出力回転の加速度または減速度が大きいほど、無段変速機構の変速比が高速側変速比の時に行わせるよう構成したことを特徴とするものである。
【0022】
第2発明による変速比無限大無段変速機の変速制御装置は、
ロークラッチおよびハイクラッチの締結、解放切り換えにより実効ギヤ比を変化させつつ動力循環モードおよび直結モード間でのモード切り換えを行うようにした第1発明の変速比無限大無段変速機の変速制御装置において、
前記モード切り換え変速を開始する無段変速機構の変速比を表したモード切り換え変速線を、変速機出力回転の加速度または減速度が大きいほど高速側変速比の方向へ補正するよう構成したことを特徴とするものである。
【0023】
第3発明による変速比無限大無段変速機の変速制御装置は、第1発明または第2発明において、
前記モード切り換え変速中は、該モード切り換えを開始した時の変速比に無段変速機構の変速比を保持するよう構成したことを特徴とするものである。
【0024】
第4発明による変速比無限大無段変速機の変速制御装置は、第1発明乃至第3発明のいずれかにおいて、
前記モード切り換え変速のためのロークラッチおよびハイクラッチの締結、解放切り換えの時間を変速機出力回転の加速度または減速度が大きい時ほど短くなるよう構成したことを特徴とするものである。
【0025】
【発明の効果】
変速比無限大無段変速機は、ロークラッチの締結時これを経て、原動機から無段変速機構への入力回転が遊星歯車組の1要素に伝達され、同遊星歯車組の他の1要素を経て無段変速機構の出力回転メンバより入力回転メンバに動力を循環させつつ、この循環動力の一部を無段変速機構の変速状態に応じ遊星歯車組の残りの1要素から取り出すことができ、無限大変速比と、その前後における後退変速比および前進変速比とを選択可能な動力循環モードで動力伝達を行い、
ロークラッチに代えハイクラッチを締結する時、無段変速機構の出力回転をそのまま取り出して高速側の前進変速比を選択可能な直結モードで動力伝達を行う。
【0026】
ところで第1発明においては、動力循環モードおよび直結モード間でのモード切り換えのためのロークラッチおよびハイクラッチの締結、解放切り換えを、変速機出力回転の加速度または減速度が大きいほど、無段変速機構の変速比が高速側変速比の時に行わせるため、
モード切り換え変速を行わせるCVT変速比を、変速機出力回転の加減速度に応じた前記の要求通りに可変にすることとなり、急減速時のエンジンストールや急加速時のエンジンの過回転を生ずることなくモード切り換え変速の時間を適切なものとなして変速ショックを防止することができる。
【0027】
第2発明においては、ロークラッチおよびハイクラッチの締結、解放切り換えにより実効ギヤ比を変化させつつ動力循環モードおよび直結モード間でのモード切り換えを行うモード切り換え変速の開始時期を定めたモード切り換え変速線を、変速機出力回転の加速度または減速度が大きいほど高速側CVT変速比の方向へ補正するため、
モード切り換え変速線を設定してこれを基に動力循環モードおよび直結モード間でのモード切り換えを伴う変速を実行させる場合において上記第1発明と同様の作用効果を達成することができる。
【0028】
第3発明においては、モード切り換え変速中は、このモード切り換えを開始した時の変速比に無段変速機構の変速比を保持するため、
当該モード切り換え変速中はこの変速をクラッチの掛け換えによる変速のみとなし、これにより高品質な変速を行わせることができる。
【0029】
第4発明においては、モード切り換え変速のためのロークラッチおよびハイクラッチの締結、解放切り換えの時間を変速機出力回転の加速度または減速度が大きい時ほど短くするため、
変速機出力回転の加速度または減速度が大きな場合においてモード切り換え変速のためのクラッチの掛け換え制御時間が必要以上に長くならないようにすることができ、これによってもモード切り換え変速後における無段変速機構の変速時間に余裕を持たせてエンジンストールやエンジンの過回転を確実に防止することができる。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施の形態になる変速制御装置を具えた変速比無限大無段変速機を示す。
この変速比無限大無段変速機(IVT)は、エンジンを横置きに搭載したフロントエンジン・フロントホイールドライブ車(FF車)用のトランスアクスルとして構成したもので、エンジンENGから動力を伝達される入力軸1上に配したトロイダル型無段変速機構2と、これに平行に配置した出力軸3上の遊星歯車組4とを主たる構成要素とする。
【0031】
トロイダル型無段変速機構2は、2個のトロイダル伝動ユニット5,6、つまり、フロント側トロイダル伝動ユニット5およびリヤ側トロイダル伝動ユニット6を主たる構成要素とし、これらトロイダル伝動ユニット5,6はそれぞれ、入力軸1に一体回転するよう嵌合させた入力ディスク7と、これら入力ディスク間で入力軸1上に回転自在に支持した出力ディスク8と、対応する入出力ディスク7,8間で動力伝達を行うパワーローラ9とにより構成する。
【0032】
パワーローラ9はトロイダル伝動ユニット5,6ごとに2個ずつ設け、これらを入力軸1を挟んでその両側に対向配置すると共に、図示せざる個々のトラニオンにピボットシャフト11を介して回転自在に支持し、トラニオンを後で詳述する変速制御のため図示せざるピストンによりトラニオン軸線方向(図1の図面直角方向)にストローク可能とする。
【0033】
図1において、エンジンENGから入力軸1に伝達されたエンジン回転は両入力ディスク7に達し、入力ディスク7へのエンジン回転(変速機入力回転)はパワーローラ9を介し出力ディスク8に伝達されて、両出力ディスク8に固設したCVT出力歯車12から取り出される。
かかる伝動中、上記のピストンによりトラニオンを同期してパワーローラ回転軸線と直交するトラニオン軸線(首振り軸線)の方向に同位相でストロークさせ、パワーローラ回転軸線が入出力ディスク7,8の回転軸線と交差した平衡位置(非変速位置)から、パワーローラ回転軸線が入出力ディスク7,8の回転軸線からオフセットした変速位置にすると、パワーローラ9が回転分力により首振り軸線の周りに同期して同位相で傾転される。
これにより、入出力ディスク7,8に対するパワーローラ9の接触軌跡円半径が連続的に変化し、入出力ディスク7,8間の伝動比(CVT変速比icvt)を無段階に変化させることができる。
【0034】
なお、この変速に当たってトラニオンを上記のごとくストロークさせるためのピストン両側圧は、図3に示すコントロールバルブボディー21内のステップモータ(変速アクチュエータ)22が指令CVT変速比icvtoに対応したステップ位置DSRSTPに駆動して図示せざる変速制御弁を中立位置から作動させることにより生じさせる。
そして当該ピストン両側圧間の差圧による変速進行状態をサーボ系により上記の変速制御弁にフィードバックし、CVT変速比icvtが指令CVT変速比icvtoになったところで変速制御弁を中立位置に戻して、パワーローラ9を上記オフセットが0の非変速位置に戻すことにより、CVT変速比icvtを当該指令変速比icvtoに維持することができる。
【0035】
次いで、図1の出力軸3上に設ける遊星歯車組4と、上記したトロイダル型無段変速機構2との関連構成を説明する。
遊星歯車組4のエンジンに近い前側に動力循環クラッチとしてのロークラッチ31を隣接配置し、遊星歯車組4のエンジンから遠い後側に歯車32および無段変速機構(CVT)直結クラッチとしてのハイクラッチ33を順次隣接配置する。
歯車32は出力軸3上に回転自在に支持し、この歯車32とCVT出力歯車12との間にアイドラギヤ34を噛合させる。
【0036】
遊星歯車組4はサンギヤ4sと、キャリア4cと、リングギヤ4rとよりなる単純遊星歯車組とし、サンギヤ4sを出力軸3上に回転自在に支持して歯車32に結合する。
キャリア4cは、入力軸1への変速機入力回転が一定変速比の減速歯車組35およびロークラッチ31を経て入力されるようにし、リングギヤ4rは出力軸3に結合し、歯車32をハイクラッチ33により出力軸3に結合可能とする。
そして、出力軸3にファイナルドライブギヤ組36を介してディファレンシャルギヤ装置37を駆動結合する。
【0037】
上記の構成とした図1に示す変速比無限大無段変速機IVTの作用を次に説明する。
図3に示すコントロールバルブボディー21内にはステップモータ22の他に、ロークラッチ31の締結・解放を司るロークラッチソレノイド24およびハイクラッチ33の締結・解放を司るハイクラッチソレノイド25を具え、ロークラッチソレノイド24はON時にロークラッチ圧の発生によりロークラッチ31を締結し、ハイクラッチソレノイド25はON時にハイクラッチ圧の発生によりハイクラッチ33を締結するものとする。
【0038】
ロークラッチソレノイド24のONによりロークラッチ31を締結し、ハイクラッチソレノイド25のOFFによりハイクラッチ33を解放すると、入力軸1への変速機入力回転が減速歯車組35およびロークラッチ31を経て遊星歯車組4のキャリア4cに伝達される。
キャリア4cに伝達された変速機入力回転はサンギヤ4sおよびリングギヤ4rに分配され、サンギヤ4sに至った回転は歯車32、アイドラギヤ34およびCVT出力歯車12を経て両トロイダル伝動ユニット5,6の出力ディスク8から入力ディスク7および入力軸1に循環され、この循環動力の一部を無段変速機構2の変速状態に応じリングギヤ4rから出力軸3に伝達する動力循環モードでの動力伝達が可能になる。
【0039】
ロークラッチソレノイド24のOFFによりロークラッチ31を解放し、ハイクラッチソレノイド25のONによりハイクラッチ33を締結すると、入力軸1から両トロイダル伝動ユニット5,6の入力ディスク7、パワーローラ9、および出力ディスク8を経由してCVT出力歯車12、アイドラギヤ34および歯車32に達したトロイダル型無段変速機構2の出力回転がハイクラッチ33を経て出力軸3に達することとなり、トロイダル型無段変速機構2の出力回転を直接出力軸3より取り出すCVT直結モードでの動力伝達が可能となる。
出力軸3への回転は、ファイナルドライブギヤ組36およびディファレンシャルギヤ装置37を経て図示せざる駆動輪に達し、車両を走行させる。
【0040】
動力循環モードでは図2に示すように、トロイダル型無段変速機構2のCVT変速比icvtを中立点GNPに対応した変速比GNPRTOにしてリングギヤ4r(出力軸3)への回転が0になるようにすることで、変速比無限大無段変速機の出力回転Noutが0になり、伝動経路が機械的に結合されたままの状態で変速比無限大無段変速機のIVT速度比(IVT変速比の逆数)Et(変速機出力回転数Nout/変速機入力回転数Nin)が0(IVT変速比Nin/Noutが無限大)の状態(停車状態)を作り出すことができる。
そして、この動力循環モードでトロイダル型無段変速機構2がリングギヤ4r(出力軸3)への回転を0にするような変速比GNPRTO(中立点GNP)よりも高速(ハイ)側変速比である時は、変速比無限大無段変速機の出力回転数Noutが逆向きとなって後退走行(Rレンジ)を可能にし、トロイダル型無段変速機構2のCVT変速比icvtが当該変速比GNPRTO(中立点GNP)よりも低速(ロー)側変速比であるほど、変速比無限大無段変速機の出力回転数Noutが正転方向の回転数を増大されて前進走行(D,Lレンジ)を可能にする。
【0041】
従って、トロイダル型無段変速機構2のCVT変速比icvtが上記低速側の或る変速比になると、動力循環モードにおいてサンギヤ4sおよびリングギヤ4rの回転数(ハイクラッチ33の駆動側および被駆動側回転メンバの回転数)が相互に一致し(図2に回転同期点RSPとして示す)、この時にハイクラッチ33を油圧の供給により締結すると共にロークラッチ31を油圧の排除により解放することで、理論上ショックなしに動力循環モードから直結モードに切り換えることができる。
この直結モードでは、図2に示すようにトロイダル型無段変速機構2のCVT変速比icvtを回転同期点RSPよりも高速側変速比にするほど変速比無限大無段変速機の出力回転数Noutが正転方向の回転数を更に増大されて前進走行(Dレンジ)での高速前進が可能になる。
【0042】
なお、上記とは逆に直結モードから動力循環モードへの切り換えに際しても、上記の回転同期点RSPにおいてロークラッチ31の駆動側および被駆動側回転メンバの回転数が相互に一致し、この時にロークラッチ31を締結すると共にハイクラッチ33を解放することで、理論上ショックなしに当該モード切り換えを行うことができる。
【0043】
ステップモータ22の駆動制御、ロークラッチソレノイド24のON,OFF制御、およびハイクラッチソレノイド25のON,OFF制御は、図3に示す変速機コントローラ41によりこれらを実行し、変速機コントローラ41には入力軸1の回転数Ninを検出する入力回転センサ42(図1参照)からの信号と、出力軸3の回転数Noutを検出するIVT出力回転センサ43(図1参照)からの信号と、トロイダル型無段変速機構2の出力回転数Ncvtを検出するCVT出力回転センサ44(図1参照)からの信号と、エンジンスロットル開度TVOを検出するスロットル開度センサ45からの信号と、車速VSPを検出する車速センサ46からの信号を入力する。
変速機コントローラ41には更に、セレクタレバーにより運転者が選択した後退走行(R)レンジ、中立(N)レンジ、前進走行(D)レンジ、エンジンブレーキ(L)レンジに係わる選択レンジ信号とを入力する。
【0044】
図3の変速機コントローラ41は、上記した各種入力情報をもとに図4に示す制御プログラムを、例えば10msec毎の定時割り込みにより繰り返し実行して、本発明による変速制御を含む変速比無限大無段変速機(IVT)の変速制御を以下のごとくに遂行する。
まず、ステップS0で上記各種入力情報を読み込み、次に、ステップS1で変速機(IVT)出力回転の加減速度GDATAを図5により算出する。
図5では先ず、変速機出力回転数の今回検出値Noutと、前回検出値Nout(OLD)との差値[Nout−Nout(OLD)]に単位換算上の定数KGを掛けて変速機(IVT)出力回転の加減速度GDATAを算出し、その後に変速機出力回転数の今回検出値Noutを前回検出値Nout(OLD)としてメモリし、次回の加減速度GDATAの計算に備える。
【0045】
図4のステップS2では、図6に示すようにして図3に示すレンジ信号をもとに、現在の選択レンジが後退走行(R)レンジ、中立(N)レンジ、前進走行(D)レンジ、エンジンブレーキ(L)レンジのどれかを判定する。
ここで、レンジ信号が複数個ある場合や存在しない場合は異常であるとして最後の正常な判断時の判定レンジが選択されていると判定する。
ちなみに選択レンジがNレンジのときは、ロークラッチ31およびハイクラッチ33の締結を行わないで停車状態を達成し、R,D,Lレンジのときは、ロークラッチ31を締結した動力循環モードで中立点GNP(図2参照)を保つことにより停車状態を達成するものとする。
【0046】
次のステップS3では図7に示すサブルーチンの実行により、先ずステップS17において、変速機入力回転数NinとCVT出力回転数Ncvtの比(Nin/Ncvt)である実CVT変速比icvtを演算し、
次いでステップS18において、変速機出力回転数Noutと変速機入力回転数Ninとの比(Nout/Nin)である実IVT速度比Etを算出し、
更にステップS19において、IVT速度比Etの逆数、つまり変速機入力回転数Ninと変速機出力回転数Noutとの比(Nin/Nout)である実IVT変速比iIVTを算出する。
【0047】
図4のステップS4においては、図8の処理により過渡的な目標値である目標CVT変速比RATIO0を算出する。
この算出に当たっては、先ず図8のステップS20において図9の実行により、先ず選択レンジに応じた変速マップを選択する。
図9の次のステップにおいては、選択マップ(Dレンジの場合につき代表的に示すと図10に例示するような変速マップ)に基づきスロットル開度TVOおよび変速機出力回転数Nout(または車速VSP)から到達入力回転数DSRREVを検索により求める。
【0048】
図8の次のステップS21においては、図11のごとくに、この到達入力回転数DSRREVを変速機出力回転数Noutで除算して変速比無限大無段変速機の定常的な目標である到達IVT変速比DIVTRTOを求めると共に、その逆数である到達IVT速度比INVDIVTRTOを求める。
【0049】
次いで図8のステップS22において、これら到達IVT変速比DIVTRTOおよび到達IVT速度比INVDIVTRTOを所定時定数のフィルターに通して過渡的な目標である時々刻々の目標IVT変速比IVTRTOおよびその逆数である目標IVT速度比INVIVTRTOを、図12に示すサブルーチンにより以下のごとくに求める。
まず最初のステップで、スロットル開度TVOや車速VSPなどの運転状態に基づいて、図示しないマップや関数等から、到達IVT変速比DIVTRTOおよび到達IVT速度比INVDIVTRTOをどのような変速応答で達成するかを定めるための変速時定数TgTMを演算する。
【0050】
次のステップでは、到達IVT変速比DIVTRTOと前回の目標IVT変速比IVTRTOとの偏差に上記の変速時定数TgTMを乗じたものから、次のようにして目標IVT変速比IVTRTOを演算する。
IVTRTO=IVTRTO+TgTM×(DIVTRT0 −IVTRTO)
次のステップでは、同様にして目標IVT変速比の逆数である目標IVT速度比INVIVTRTOを、
INVIVTRTO =INVIVTRTO+TgTM×(INVDIVTRT0−INVIVTRTO )
により演算する。
なお、上記変速時定数TgTMは1次のローパスフィルタで構成されるが、2次などのローパスフィルタであってもよい。
【0051】
上記のようにして求めた到達IVT速度比INVDIVTRTOおよび目標IVT速度比INVIVTRTOは、図2に示すIVT速度比Etの定常的および過渡的な目標値であり、これら速度比の目標値を決定した後に図8のステップS23で、図2のマップをもとに目標IVT速度比INVIVTRTOから目標CVT変速比RATIO0を検索して求める。
図8のステップS24においては、図4のステップS1で求めた変速機出力回転の加減速度GDATAから図13に例示するマップを基に第1制限CVT変速比RATIOAを求める。
ここで図13から明らかなように、第1制限CVT変速比RATIOAは、変速機出力回転の加減速度GDATAが0近辺の不感帯域で緩加減速用に定めた値、例えば図36にRATIOA(ニ)のような値とし、当該不感帯域から外れた大きな加速度または大きな減速度域ではこれら加速度または減速度が大きくなるにつれて第1制限CVT変速比RATIOAは小さくなる(ハイ側になる)よう定めて前記の要求に符合させる。
【0052】
以上の処理を終えた後は図4のステップS5において、変速比無限大無段変速機の伝動モードが動力循環モード、CVT直結モード、モード切り換え中のいずれであるかを判定し、伝動モードが動力循環モードならSFTMODEに1をセットし、直結モードならSFTMODEに3をセットし、モード切り換え中ならSFTMODEに2をセットする。
この伝動モード判定処理は図14に示す如きもので、先ずステップS41において選択レンジがNレンジであるか否かを判定し、Nレンジ以外であれば制御をステップS42に、またNレンジであれば制御をステップS43に進める。
【0053】
Nレンジ以外で実行されるステップS42では、D,L(前進)レンジまたはR(後退)レンジになってから、つまり走行レンジになってから所定時間以上が経過したか否かを判定し、所定時間が経過していなければステップS44で、このことを示すようにSFTMODEに5をセットしてNレンジ→Dレンジ制御またはNレンジ→Rレンジ制御に設定し、サブルーチンを終了する。
ステップS42で走行レンジになってから所定時間以上が経過したと判定する場合、ステップS45以後の後述する制御を実行する。
【0054】
ステップS41でNレンジと判定した時に選択されるステップS43では、選択レンジがNレンジになってから所定時間以上が経過したか否かを判定し、所定時間が経過していなければステップS46で、このことを示すようにSFTMODEに6をセットしてDレンジ→Nレンジ制御またはRレンジ→Nレンジ制御に設定した後サブルーチンを終了し、Nレンジになってから所定時間以上が経過している場合、ステップS47でこのことを示すようにSFTMODEに0をセットしてNレンジ制御に設定した後サブルーチンを終了する。
【0055】
ステップS42でD,LレンジまたはRレンジになってから所定時間が経過したと判定する場合ステップS45において、前記したSFTMODEをもとに以下のごとく伝動モードの判定が行われる。
つまりステップS45では、現在の伝動モードがSFTMODE=1(動力循環モード)か、SFTMODE=3(直結モード)のいずれであるかを判定し、判定結果に応じて動力循環モードならステップS48に制御を進め、直結モードなら制御をステップS49に進める。
【0056】
動力循環モード(SFTMODE=1)のときは、図2から明らかなように動力循環モードから直結モードへの切り換え(アップシフト)が発生し得るため、ステップS48で、図10と同じような変速線を示す図15上に例示したアップシフト判定線αを選択し、ステップS50で当該選択したアップシフト判定線αをもとに到達入力回転数DSRREVから、上記モード切り換え変速を行うべきアップシフト判定用のモード切り換え変速判定出力回転数REVAを検索して求める。
次のステップS51においては、図16(a)のようなマップを基にスロットル開度TVOおよび出力回転加減速度GDATAから、モード切り換え変速判定出力回転数REVA用の補正回転数REVBを検索により求める。
なお、この検索に当たって用いるマップは図16(a)のような2次元マップの代わりに、スロットル開度TVOを全閉にした減速時の特性を図16(b)のように抽出して簡略化した出力回転加減速度GDATAのみによるマップとしても良い。
【0057】
そしてステップS52で、モード切り換え変速判定出力回転数REVAに補正回転数REVBを加算してモード切り換え変速判定出力回転数REVAを補正し、ステップS53で変速機出力回転数Noutが、このモード切り換え変速(アップシフト)判定出力回転数以上となったか否かを判定する。
変速機出力回転数Noutがこのモード切り換えアップシフト判定出力回転数以上になると、動力循環モードから直結モードへのモード切り換えを行うモード切り換えアップシフト領域に入っているため、ステップS54でこのこと(モード切り換えアップシフト中)を示すようにSFTMODEを2に変更すると共にSFTフラグを1(アップシフト)にセットしてサブルーチンを終了する。
なおSFTフラグは、1のときに動力循環モードから直結モードへのアップシフトを示し、2のときに直結モードから動力循環モードへのダウンシフトを示し、0のときには伝動モード(SFTMODE)の維持を示すものとする。
【0058】
一方、ステップS53で変速機出力回転数Noutがアップシフト判定出力回転数未満と判定する場合には、動力循環モードから直結モードへのモード切り換えを指令するモード切り換えアップシフト領域に入っていないため、モード切り換え不要としてそのままサブルーチンを終了する。
【0059】
ステップS45でSFTMODE=3(直結モード)と判定する時に選択されるステップS49では、図2から明らかなように直結モードから動力循環モードへの切り換え(ダウンシフト)が発生し得るため、図15に例示した直結モード→動力循環モード切り換えダウンシフト判定線βを選択し、次いでステップS55において当該選択したダウンシフト判定線βをもとに到達入力回転数DSRREVから、上記モード切り換えを行うべきモード切り換え変速(ダウンシフト)判定用の判定出力回転数REVAを検索して求める。
その後ステップS56において、図16(a)のようなマップを基にスロットル開度TVOおよび出力回転加減速度GDATAから、または同図(b)のようなマップを基に出力回転加減速度GDATAからモード切り換え変速判定出力回転数REVA用の補正回転数REVBを検索により求める。
【0060】
そしてステップS57で、モード切り換え変速判定出力回転数REVAに補正回転数REVBを加算してモード切り換え変速判定出力回転数REVAを補正し、ステップS58で変速機出力回転数Noutが、このモード切り換え変速(ダウンシフト)判定出力回転数REVA以下になったか否かを判定する。
変速機出力回転数Noutがこのモード切り換えダウンシフト判定出力回転数REVA以下になると、モード切り換え変速(ダウンシフト)を行う領域に入っているため、ステップS59でこのこと(モード切り換えダウンシフト中)を示すようにSFTMODEを2に変更すると共にSFTフラグを2(ダウンシフト)にセットしてサブルーチンを終了する。
【0061】
一方、ステップS58で変速機出力回転数Noutがダウンシフト判定出力回転数REVAを越えていると判定する場合には、直結モードから動力循環モードへのモード切り換えを指令する領域に入っていないため、モード切り換え変速不要としてそのままサブルーチンを終了する。
【0062】
ところで、上記したモード切り換えアップシフト判定およびモード切り換えダウンシフト判定のいずれにおいても、モード切り換え変速判定出力回転数REVAに加算してこれを補正する補正回転数REVBが図16(b)に示すように、変速機出力回転の加減速度GDATAの小さな領域(0近辺の領域)では不感帯用に0にされているが、これを外れた領域では変速機出力回転の加速度が大きくなるにつれて補正回転数REVBが負値を増大され、変速機出力回転の減速度が大きくなるにつれて補正回転数REVBが正値を増大されていることから、ステップS52およびステップS57で補正するモード切り換えアップシフト判定出力回転数REVAは変速機出力回転の加速度が大きいほど小さくされ、変速機出力回転の減速度が大きいほど大きくされる。
従って、変速機出力回転の減速度が大きいほど図33のダウンシフト線βをβ’のように高車速側に変位させ、もって図34につき前述した急減速時において要求される高速側CVT変速比でのモード切り換えダウンシフト(A→E→E’→C)が可能となる。
【0063】
以上のごとく図14に基づいて図4のステップS5が実行された後は、同図のステップS6において前記のSFTMODEが1か、2か、3か、それ以外かにより、伝動モードが動力循環モード(SFTMODE=1)か、モード切り換え中(SFTMODE=2)か、直結モード(SFTMODE=3)か、それ以外のいずれであるかを判定する。
動力循環モードなら制御をステップS7に進めて動力循環モード制御を行い、モード切り換え中なら制御をステップS9に進めてモード切り換え制御を行い、直結モードなら制御をステップS8に進めて直結モード制御を行い、これら以外なら制御をステップS10に進めて対応するその他の制御を行う。
【0064】
図4のステップS7における動力循環モード制御は図17に示すごときもので、先ずステップS61において、目標ロークラッチ圧を最大値に、また目標ハイクラッチ圧を最低値にして、ロークラッチ31の締結を指令すると共にハイクラッチ33の解放を指令する。
次のステップS62ではCVT比制御モードを判定し、このCVT比制御モードは通常制御の時0にされ、CVT変速比を保持する時1にされ、通常制御への遷移中2にされ、モード切り換え中の通常制御時3にされるものとする。
【0065】
ステップS62でCVT比制御モードが0または3であると判定される時、ステップS63において、最終目標CVT変速比RATIO1に図8のステップS23で求めた目標CVT変速比RATIO0をセットする。
ステップS62でCVT比制御モードが1または2であると判定される時、ステップS64において、最終目標CVT変速比RATIO1を所定時定数TgTMSFTのローパスフィルターに通して、RATIO1=RATIO1+TgTMSFT×(RATIO0−RATIO1)を求める。
【0066】
次いでステップS65において、最終目標CVT変速比RATIO1および目標CVT変速比RATIO0間における偏差の絶対値が所定値未満になったか否かをチェックし、未満になったところでステップS66においてCVT比制御モードを0にすることによりステップS62がステップS63を選択するようになす。
以上のようにステップS63またはステップS64で最終目標CVT変速比RATIO1を求めた後はステップS67において、CVT変速比フィードバック補償量FBRTOを図18のようにして求める。
【0067】
図18では、先ず最終目標CVT変速比RATIO1と実CVT変速比icvtとの偏差errを求め、次いでこの偏差errに比例定数KP(運転条件に応じて任意に与え得る)を掛けて求めた比例制御分と、偏差errに積分定数KI(運転条件に応じて任意に与え得る)を掛けて求めた積分制御分IntgRとの和値をもってCVT変速比フィードバック補償量FBRTOとする。
図17のステップS68では、最終目標CVT変速比RATIO1にCVT変速比フィードバック補償量FBRTOを加算して指令CVT変速比icvt0とする。
【0068】
図4のステップS8における直結モード制御は図19に示すごときもので、先ずステップS71において、目標ロークラッチ圧を最低値に、また目標ハイクラッチ圧を最大値にして、ロークラッチ31の解放を指令すると共にハイクラッチ33の締結を指令する。
次のステップS72ではCVT比制御モードを判定し、CVT比制御モードが0または3であると判定される時、ステップS73において、最終目標CVT変速比RATIO1に図8のステップS23で求めた目標CVT変速比RATIO0をセットする。
ステップS72でCVT比制御モードが1または2であると判定される時、ステップS74において、最終目標CVT変速比RATIO1を所定時定数TgTMSFTのローパスフィルターに通して、RATIO1=RATIO1+TgTMSFT×(RATIO0−RATIO1)を求める。
【0069】
次いでステップS75において、最終目標CVT変速比RATIO1および目標CVT変速比RATIO0間における偏差の絶対値が所定値未満になったか否かをチェックし、未満になったところでステップS76においてCVT比制御モードを0にすることによりステップS72がステップS73を選択するようになす。
以上のようにステップS73またはステップS74で最終目標CVT変速比RATIO1を求めた後はステップS77において、CVT変速比フィードバック補償量FBRTOを図18につき前述したように求め、
ステップS78で、最終目標CVT変速比RATIO1にCVT変速比フィードバック補償量FBRTOを加算して指令CVT変速比icvt0とする。
【0070】
図4のステップS9におけるモード切り換え制御は図20に示すごときもので、先ずステップS81において、当該モード切り換えに際して行うべきイニシャライズが終了しているか否かを判定し、終了していないと判定する時ステップS82において変速タイマをクリアすると共にCVT比制御モードを0にするイニシャライズを実行し、イニシャライズが終了していると判定する時はステップS82をスキップする。
次のステップS83では、モード切り換え制御が開始されてから所定時間が経過したか否かをチェックし、所定時間が経過するまでの間は制御をステップS84〜ステップS90に進める。
【0071】
ステップS84では、図21のようにしてモード切り換え制御中の最終目標CVT変速比RATIO1を算出する。
つまり図21のステップS111において、CVT比制御モードが0(CVT比の通常制御中)か、1(CVT比を保持する制御中)か、2(CVT比の通常制御への移行中)か、3(CVT比をモード切り換え中ながら通常制御すべき状態)かをチェックし、
ステップS112において、最終目標CVT変速比RATIO1が図8のステップS24で求めた第1制限CVT変速比RATIOA(図34参照)以上(ロー側)であるか否かを判定する。
【0072】
ステップS111でCVT比制御モードが0(CVT比の通常制御中)と判別し、且つ、ステップS112で最終目標CVT変速比RATIO1(図34のA点からC点への変速時はC点のCVT変速比)が第1制限CVT変速比RATIOAよりも小さい(ハイ側)と判定する時は、ステップS116で最終目標CVT変速比RATIO1を図8のステップS23で求めた目標CVT変速比RATIO0にセットすることにより無段変速機構2を通常通りに変速制御すると共にCVT比制御モードを0にすることによりCVT変速比の通常制御を継続するよう指令する。
これにより、図34のA点からC点への変速時に先ず通常制御によるA点からD点方向への変速が保証されることになる。
【0073】
なお、ステップS111でCVT比制御モードが3(CVT比をモード切り換え中ながら通常制御すべき状態)であると判定する時も、ステップS114において最終目標CVT変速比RATIO1を、図8のステップS23で求めた目標CVT変速比RATIO0にし、これにより無段変速機構2を変速比が目標CVT変速比RATIO0となるよう通常通りに変速制御する。
【0074】
しかし、ステップS111でCVT比制御モードが0(CVT比の通常制御中)と判別しても、ステップS112で最終目標CVT変速比RATIO1が第1制限CVT変速比RATIOA以上(ロー側)と判定する時は、ステップS115においてCVT比制御モードを1にしてCVT変速比の保持を指令し、制御をそのまま終了することにより最終目標CVT変速比RATIO1を修正しないことでCVT変速比の保持を実行すると共に、以後はステップS111がCVT比制御モード=1に応答して制御をいきなり終了することでCVT変速比の保持を継続する。
これにより、図34のA点からC点への変速について説明すると、上記した通常制御によるA点からD点方向への変速後は、ここで一旦CVT変速比が保持されることになる。
【0075】
ステップS111でCVT比制御モードが2(CVT比の通常制御への移行中)と判別する時はステップS117において、最終目標CVT変速比RATIO1を所定時定数TgTMSFTのローパスフィルターに通して、RATIO1=RATIO1+TgTMSFT×(RATIO0−RATIO1)を求める。
次いでステップS118において、最終目標CVT変速比RATIO1および目標CVT変速比RATIO0間における偏差の絶対値が所定値未満になったか否かをチェックし、未満になったところでステップS119においてCVT比制御モードを3にすることによりステップS111がステップS114を選択するようになす。
【0076】
以上のようにステップS114、またはステップS116、或いはステップS117で最終目標CVT変速比RATIO1を求めた(ステップS115を通ってCVT比制御モードが1になるとRATIO1はRATIOAに保たれる)後は、図20のステップS85において、前記のSFTフラグが1か否かにより動力循環モードから直結モードへのアップシフトか、逆に直結モードから動力循環モードへのダウンシフトかを判定する。
アップシフトである場合ステップS86において、アップシフトのシークエンスに従ってロークラッチ圧の計算を行うと共にハイクラッチ圧の計算を行い、ダウンシフトである場合ステップS87においてダウンシフトのシークエンスに従ってロークラッチ圧の計算を行うと共にハイクラッチ圧の計算を行う。
なお、アップシフト時におけるクラッチ圧の計算とダウンシフト時におけるクラッチ圧の計算とは、ロークラッチおよびハイクラッチの締結、解放が逆転するのみで、同様な手順によることから、ここではクラッチ圧の計算を図33〜図36での説明に合わせてダウンシフトの場合につき図22により以下に詳述する。
【0077】
図22のステップS121においては、CVT変速比icvtおよび周知の方法で算出しておいた変速機入力トルクから、ロークラッチ圧マップに基づきロークラッチ圧指令値を算出し、次のステップS122では、CVT変速比icvtおよび周知の方法で算出しておいた変速機入力トルクから、ハイクラッチ圧マップに基づきハイクラッチ圧指令値を算出する。
次いでステップS123、ステップS124、ステップS124’、ステップS125、ステップS126において、変速タイマが順次に大きいUP所定値1未満か、UP所定値2未満か、UP所定値2’未満か、UP所定値3未満か、UP所定値4未満かどうかを判定する。
【0078】
変速タイマがUP所定値1未満である間はステップS127において、ハイクラッチ圧指令値を、ハイクラッチ圧マップから算出されたハイクラッチ圧にクラッチ内部のリターンスプリング力に対向する圧力であるHCsprを足した圧とし、次いでステップS128においてロークラッチ圧指令値をプリチャージ圧である所定値LCprchに保持し、その後ステップS129でIVT比制御モードを1にする。
ここでIVT比制御モードは、IVT変速比の通常制御時0にされ、モード切り換え開始時1にされ、イナーシャフェーズ中2にされ、イナーシャフェーズ終了時3にされるものとする。
【0079】
変速タイマがUP所定値1以上、UP所定値2’(ハイクラッチのピストンストロークに必要な最低時間とする)未満である間はステップS130において、ハイクラッチ圧指令値をステップS127と同様に、ハイクラッチ圧マップから算出されたハイクラッチ圧にクラッチ内部のリターンスプリング力に対向する圧力であるHCsprを足した圧とし、次いでステップS131においてロークラッチ圧指令値をロークラッチ内部におけるリターンスプリング力に対向する圧である所定値LCsprに増圧する。
【0080】
変速タイマがUP所定値2’以上、UP所定値2未満である間は、ステップS125’においてCVT比制御モードが1(CVT比保持制御)か否かを判定し、CVT比制御モードが1(CVT比保持制御)でなければ制御をステップS130およびステップS131に進めてクラッチ制御待機状態となし、この待機状態をCVT比制御モードが1(CVT比保持制御)になってステップS125’が制御をステップS130’に進めるまで継続する。
ステップS130’では、CVT比保持状態になったのを受けて変速タイマにUP所定値2をセットすることでこれを更新し、その後、制御を次のフェーズであるステップS125に進める。
【0081】
ステップS125で変速タイマがUP所定値3未満であると判定する間、つまりUP所定値2以上、UP所定値3未満である間はステップS132において、締結ゲイン1を変速タイマ値からUP所定値2を差し引いた差値と、UP所定値3からUP所定値2を差し引いた差値との比により求めると共に、締結ゲイン2を1から締結ゲイン1を差し引いた差値とする。
次いでステップS133において、ハイクラッチ圧を以下の演算、
ハイクラッチ圧=所定値HCspr+ハイクラッチ圧×締結ゲイン2
により求める。ここでハイクラッチ圧は、ハイクラッチ圧マップから算出したハイクラッチ圧に1よりも小さい値である締結ゲイン2を掛けることで低下されることとなる。
次にステップS134で、ロークラッチ圧を以下の演算、
ロークラッチ圧=所定値LCspr+(ロークラッチ圧+所定値)×締結ゲイン1
により求める。
ここで(ハイクラッチ圧+所定値)における所定値は、イナーシャフェーズで回転変化を生じさせるための余裕分で、車速VSPやスロットル開度TVOに応じて適宜に与える。
そしてステップS135において、詳しくは図23につき後述するがロークラッチ圧指令値のフィードバック量計算を行う。
【0082】
ステップS126で変速タイマがUP所定値4未満と判定する間、つまりUP所定値3以上、UP所定値4未満である間はステップS136において、ハイクラッチ圧指令値をハイクラッチリターンスプリング力相当の所定値HCsprに保持し、次いでステップS137においてIVT比制御モードをイナーシャフェーズ中であることを示すように2にした後、制御をステップS134、ステップS135に進める。
変速タイマがUP所定値4以上になったらステップS138において、ハイクラッチ圧指令値を最低値にし、次いでステップS139においてロークラッチ圧指令値を前回計算値と所定値LCdeltaとの和値とする。
【0083】
図22のステップS135で行うロークラッチ圧指令値のフィードバック量計算は図23に示すごときもので、先ずステップS141において、例えば図24のマップをもとに最終目標CVT変速比RATIO1から変速前IVT変速比IVTRATIOAを求め、更にステップS142において、例えば図25のマップをもとに最終目標CVT変速比RATIO1から変速後IVT変速比IVTRATIOBを求める。
ここで図34のA点からC点への変速時における変速前IVT変速比IVTRATIOAおよび変速後IVT変速比IVTRATIOBを考察するにこの場合、図21につき前述したごとくA点から先ずD点に向かうよう通常通りの制御がなされ、その後CVT変速比が保持された状態でクラッチの掛け換えによるD点からD’点への変速が実行されるため、変速前IVT変速比IVTRATIOAはD点におけるIVT変速比であり、また変速後IVT変速比IVTRATIOBはD’点におけるIVT変速比である。
次にステップS143において、IVT比制御モードが1か否かによりモード切り換えが開始されているか否かをチェックする。
【0084】
IVT比制御モードが1であれば、ステップS144において変速前IVT変速比IVTRATIOAおよび目標IVT変速比IVTRTO間の差の絶対値|IVTRATIOA−IVTRTO|がイナーシャフェーズ開始判定のための所定値以上か否かによりイナーシャフェーズが開始された(クラッチの掛け換えによる変速比変化が開始された)か否かを判定する。
イナーシャフェーズ開始と判定する時ステップS145において、このことを示すようにIVT比制御モードを2にする。
イナーシャフェーズが未だ開始されていなければステップS146において、IVT変速タイマをクリアし、次いでステップS147において、ロークラッチ圧のフィードバック量PRSFBを0にリセットすると共に積分値PRSINTGを0にリセットする。
【0085】
ステップS144でイナーシャフェーズ(クラッチの掛け換えによる変速)開始と判定し、ステップS145でIVT比制御モードを2にした後は、ステップS149において、図26(a)のようなマップを基にスロットル開度TVOおよび変速機出力回転数Noutから、目標変速時間SFTTIMEを検索により求める。
なお、この検索に当たって用いるマップは図26(a)のような2次元マップの代わりに、或る変速機出力回転数Noutの時の特性を図26(b)のように抽出して簡略化したスロットル開度TVOのみによるマップとしても良い。
【0086】
次いでステップS150において、図27のようなマップを基に出力回転加減速度GDATAから変速ゲイン補正係数SFTHOSを検索により求める。
この変速ゲイン補正係数SFTHOSは、出力回転加減速度GDATAが0近辺の小さな領域で1.0となって不感帯を有し、それ以上の大きな加減速度領域では、加速度が大きくなるにつれ、また減速度が大きくなるにつれ、変速ゲイン補正係数SFTHOSは小さくなるものとする。
ステップS151においては、目標変速時間SFTTIMEに変速ゲイン補正係数SFTHOSを掛けて補正するが、この補正により目標変速時間SFTTIMEは、変速ゲイン補正係数SFTHOSが図27の特性を持つことから出力回転の加速度または減速度が大きくなるにつれ短くされることとなる。
【0087】
次のステップS152においては、最終目標IVT変速比IVTRTO1を、IVTRTO1=〔IVTRATIOA+(IVTRATIOB−IVTRATIOA)〕/〔目標変速時間SFTTIME×IVT変速タイマ〕により求める。
ここでイナーシャフェーズが開始された後はイナーシャフェーズが終了するまでの間、CVT変速比がほぼ保持状態になっていてIVT変速比を管理する時の目標にすべきCVT変速比がなくなることから、ステップS152で上記により仮想の目標IVT変速比を作り出してイナーシャフェーズ中の変速制御に資する。
ところで上記では最終目標IVT変速比IVTRTO1が一次直線の形になるが、他の関数で与えても良いことは言うまでもない。
次いでステップS153において、最終目標IVT変速比IVTRTO1と目標変速比IVTRTOとの偏差ierr(=IVTRTO1−IVTRTO)を求める。
【0088】
ステップS154では、ロークラッチ圧のフィードバック量PRSFBを以下のようにして求める。
先ず、上記の変速比偏差ierrおよび積分ゲインKIivtから積分項PRSINTGをPRSINTG=PRSINTG+ierr×KIivtにより求め、次いで比例ゲインKPitvを用いてハイクラッチ圧フィードバック量PRSFBをPRSFB=ierr×KPitv+PRSFBを求める。
更にステップS155でロークラッチ圧を、当該フィードバック量PRSFBだけ嵩上げし、ステップS156でIVT変速タイマを更新する。
【0089】
ステップS143でIVT比制御モードが1でないと判別する時は、ステップS148において、変速後IVT変速比IVTRATIOBおよび目標IVT変速比IVTRTO間の差の絶対値|IVTRATIOB−IVTRTO|がイナーシャフェーズ終了判定のための所定値未満か否かによりイナーシャフェーズが終了したか否かを判定する。
終了前のイナーシャフェーズ中であれば、上記したステップS149〜ステップS156の処理を引き続いて実行する。
【0090】
ステップS148でイナーシャフェーズ終了と判定する時は、ステップS157において変速タイマをUP所定値4とし、次いでステップS158においてCVT比制御モードを2とし、更にステップS159においてIVT比制御モードを3とする。
【0091】
以上のように図22および図23で(図20のステップS87で)ダウンシフトシークエンスに従った目標ロークラッチ圧および目標ハイクラッチ圧の決定が行われた後、若しくは図20のステップS86でアップシフトシークエンスに従った目標ロークラッチ圧および目標ハイクラッチ圧の決定が行われた後は、図20のステップS88において変速タイマの更新を行い、
次いでステップS89において、図18につき前述したようにしてCVT変速比フィードバック補償量FBRTOを算出し、
更にステップS90において、前記の最終目標CVT変速比RATIO1に上記CVT変速比フィードバック補償量FBRTOを加算して指令CVT変速比icvt0を求める。
【0092】
図20のステップS83でモード切り換え制御の開始から所定時間が経過したと判定する時は、変速終了処理のために先ずステップS91で前記のSFTフラグが1か否かによりアップシフトかダウンシフトかを判定する。
アップシフト判定時はステップS92でロークラッチ圧を最低値に指令すると共にハイクラッチ圧を最高値に指令した後、ステップS93でSFTMODEを3にすると共にSFTフラグを0にする。
一方でダウンシフト判定時はステップS94でロークラッチ圧を最高値に指令すると共にハイクラッチ圧を最低値に指令した後、ステップS95でSFTMODEを1にすると共にSFTフラグを0にする。
【0093】
以上のようにロークラッチ圧およびハイクラッチ圧を限界値に指令した後はステップS96においてイニシャライズ終了フラグをクリアし、次いでステップS97においてIVT比制御モードを0にし、これらにより次回のモード切り換え制御に備える。
【0094】
図4のステップS7、またはステップS8、或いはステップS9で前記したごとくに指令CVT変速比icvto、目標ロークラッチ圧、および目標ハイクラッチ圧を求めた後は、ステップS11〜S13においてこれらの目標を実現するための信号を求めて出力する。
ステップS11においては、図28のようにして、図29のマップを基に指令CVT変速比icvtoを達成するためのステップモータ22の目標駆動位置(目標ステップ数)を求める。
次にステップS12では、図30のようにして、目標ロークラッチ圧および目標ハイクラッチ圧を実現するためのロークラッチソレノイド24およびハイクラッチソレノイド25の駆動デューティを図31のマップに基づき算出する。
そしてステップS13において、ステップモータ22を上記の目標駆動位置(目標ステップ数)となるよう駆動すると共に、上記のデューティ比に応じロークラッチソレノイド24およびハイクラッチソレノイド25を駆動する。
【0095】
上記した実施の形態になる変速比無限大無段変速機の変速制御装置に係わる動作タイムチャートを図32に例示する。
図32は、アクセルペダルの釈放によりスロットル開度TVOを全閉にした状態で瞬時t1にブレーキ操作により急制動(減速度を便宜上一定とする)を行った結果、図33および図34のA点(直結モードでの最ハイIVT変速比)からC点(動力循環モードでのGNP相当のIVT変速比)へのモード切り換え(直結モードから動力循環モードへの切り換え)を伴った変速(ダウンシフト)が要求される場合における変速動作タイムチャートを示す。
【0096】
図14のステップS52またはステップS57による処理で例えば図33のβからβ’のごとく減速度GDATAに応じて補正された直結モード→動力循環モード切り換えのダウンシフト線を出力回転数Noutが横切る瞬時t2に直結モードから動力循環モードへのモード切り換えが開始される。
瞬時t20までは、最終目標CVT変速比RATIOlは通常のCVT比制御モードにより目標IVT変速比に伴うよう、つまり図34のA点からD点に向かうよう変化している。
【0097】
最終目標CVT変速比RATIOlが第1制限CVT変速比RATIOAに達する(CVTの変速制御による図34のA点からD点への変速が行われる)瞬時t20以後は、目標CVT変速比RATIO0の変化にかかわらず最終目標CVT変速比RATIOlが保持されたままとなる。
これによりCVTは図34のD点相当の変速比にとどまるが(CVT比制御モード=0→1)、瞬時t2より開始されているハイクラッチ圧の低下とロークラッチ圧の上昇とでこれらクラッチの掛け換えによる直結モードから動力循環モードへの切り換えが開始され、当該クラッチの掛け換えが進行するにつれてIVTの実効ギヤ比が図34のD点相当値からD’点相当値に変化するモード切り換え変速が行われる。
【0098】
瞬時t21においてIVT変速比の変化を基にイナーシヤフェーズの開始(図34のD点からD’点への変速開始)が検出されると(図23のステップS144、ステップS145)、図23のステップS152において最終目標IVT変速比IVTRTO1が図32のように求められ、上記のモード切り換え変速に当たってはこの最終目標IVT変速比IVTRTO1が達成されるようロークラッチ圧およびハイクラッチ圧を図32のように時系列制御する。
この時の変速時間は、図23のステップS150、ステップS151の処理により減速度GDATAが高いほど短くする。
【0099】
瞬時t22においてIVT変速比の変化を基にイナーシヤフェーズの終了(図34のD点からD’点への変速の終了)が検出されると(図23のステップS148)、図23のステップS158においてCVT比制御モードが図32のごとく1から2にされ、図23のステップS159でIVT比制御モードが図32のごとく2から3にされ、それによりロークラッチ圧の上記フィードバック制御が終了してこれが一定勾配で上昇され、ハイクラッチ圧は最低圧にされてハイクラッチは完全に解放状態となる。
目標CVT変速比RATIOOと最終目標CVT変速比RATIOlとの間の差がなくなる瞬時t23においては、CVT比制御モードが2から3にされ、
瞬時t24においてモード切り換え制御が終了してロークラッチ圧を最大とする。
【0100】
その後は、動力循環モードでの通常のCVTの変速制御により図34のD’点からC点への変速が行われ、瞬時t3でIVT変速比が中立点GNPに至って車両を停車させることができる。
以上により、図23のA点からD点およびD’点を経てC点に至る変速が実行される。
なお逆にアップシフトの場合も同様な変速を実現することができる。
【0101】
ところで、図13に示すように第1制限CVT変速比RATIOAを変速機出力回転の加速度または減速度が大きいほどハイ側変速比としたから、大加減速度時は図34のモード切り換え変速線D−D’を同図にE−E’で示すように高速側CVT変速比寄りにずらせ、これにより、動力循環モードおよび直結モード間でのモード切り換えのためのロークラッチおよびハイクラッチの締結、解放切り換え(図34のD−D’変速)を、変速機出力回転の加速度または減速度が大きい時は、図34のE−E’で示すように変速CVT変速比が高速側変速比の時に行わせることとなり、
モード切り換え変速を行わせるCVT変速比が、変速機出力回転の加減速度に応じた前記の要求通りに変更されて、急減速時のエンジンストールや急加速時のエンジンの過回転を生ずることなくモード切り換え変速の時間を適切なものとなして変速ショックを防止することができる。
【0102】
なお上記のモード切り換え変速中は、このモード切り換えを開始した時の変速比にCVT変速比を保持するため、当該モード切り換え変速中はこの変速をクラッチの掛け換えによる変速のみとなし、これにより高品質な変速を行わせることができる。
【0103】
また、図27に示すような変速ゲイン補正係数SFTHOSの設定によりモード切り換え変速のためのロークラッチおよびハイクラッチの締結、解放切り換えの時間を変速機出力回転の加速度または減速度が大きい時ほど短くしたため、
変速機出力回転の加速度または減速度が大きな場合においてモード切り換え変速のためのクラッチの掛け換え制御時間が必要以上に長くならないようにすることができ、これによってもモード切り換え変速後における無段変速機構の変速時間に余裕を持たせてエンジンストールやエンジンの過回転を確実に防止することができる。
【0104】
なお上記実施の形態においては、無段変速機構がトロイダル型無段変速機構2である場合について説明したが、無段変速機構がVベルト式無段変速機構である場合においても本発明は同様の考え方により適用して同様の作用効果を奏し得ることことは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施の形態になる変速制御装置を具えた変速比無限大無段変速機の伝動系を示す略線図である。
【図2】 同変速比無限大無段変速機の変速制御特性を、その速度比と無段変速機構の変速比との関係として示した線図である。
【図3】 同変速比無限大無段変速機の変速制御系を示すシステム図である。
【図4】 同変速制御系における変速機コントローラが実行する変速制御プログラムの全体を示すフローチャートである。
【図5】 同変速制御プログラム内における変速機出力回転の加減速度算出処理を示すサブルーチンのフローチャートである。
【図6】 同変速制御プログラム内における選択レンジ判定処理を示すサブルーチンのフローチャートである。
【図7】 同変速制御プログラム内における変速比演算処理を示すサブルーチンのフローチャートである。
【図8】 同変速制御プログラム内における目標CVT変速比演算処理を示すサブルーチンのフローチャートである。
【図9】 同目標CVT変速比演算処理に際して行うべき到達入力回転数算出処理のフローチャートである。
【図10】 変速比無限大無段変速機のDレンジにおける変速パターン図である。
【図11】 同目標CVT変速比演算処理に際して行うべき到達IVT変速比および到達IVT速度比算出処理のフローチャートである。
【図12】 同目標CVT変速比演算処理に際して行うべき目標IVT変速比および目標IVT速度比算出処理のフローチャートである。
【図13】 同目標CVT変速比演算処理に際して求めるべき第1制限CVT変速比の変化特性図である。
【図14】 図4に示す変速制御プログラム内における伝動モード判別処理を示すサブルーチンのフローチャートである。
【図15】 変速比無限大無段変速機を動力循環モードから直結モードに切り換えるべきアップシフト線、および逆方向にモード切り換えすべきダウンシフト線をDレンジについて示す変速パターン図である。
【図16】 同アップシフト線およびダウンシフト線から求めたモード切り換え変速判定出力回転数用の補正回転数に係わるマップを示し、
(a)は、これを2次元マップとした場合における線図、
(b)は、これを簡略化した場合の線図である。
【図17】 図4の変速制御プログラム内における動力循環モード制御に係わるサブルーチンを示すフローチャートである。
【図18】 同動力循環モード制御における変速比フィードバック補償量算出処理を示すフローチャートである。
【図19】 図4の変速制御プログラム内における直結モード制御に係わるサブルーチンを示すフローチャートである。
【図20】 図4の変速制御プログラム内におけるモード切り換え制御を示すサブルーチンのフローチャートである。
【図21】 同モード切り換え制御における最終目標CVT変速比の算出処理を示すフローチャートである。
【図22】 同モード切り換え制御におけるダウンシフト時クラッチ圧計算処理を示すフローチャートである。
【図23】 同ダウンシフト時クラッチ圧計算プログラムにおけるロークラッチ圧フィードバック量計算処理を示すフローチャートである。
【図24】 同ロークラッチ圧フィードバック量計算処理において変速前IVT変速比を求めるのに用いた変速比関係線図である。
【図25】 同ロークラッチ圧フィードバック量計算処理において変速後IVT変速比を求めるのに用いた変速比関係線図である。
【図26】 同ロークラッチ圧フィードバック量計算処理において用いる目標変速時間のマップを示し、
(a)は、これを2次元マップとした場合における線図、
(b)は、これを簡略化した場合の線図である。
【図27】 同目標変速時間の補正に用いる変速ゲイン補正係数の変化特性図である。
【図28】 図4の変速制御プログラム内におけるステップモータ駆動位置算出処理を示すサブルーチンのフローチャートである。
【図29】 指令CVT変速比を実現するためのステップモータ目標駆動位置を示す線図である。
【図30】 図4の変速制御プログラム内におけるソレノイド駆動デューティ算出処理を示すサブルーチンのフローチャートである。
【図31】 クラッチ目標油圧を実現するためのソレノイド駆動デューティを示す線図である。
【図32】 図4〜図31の変速制御による急制動時のダウンシフト動作を示す変速動作タイムチャートである。
【図33】 従来の変速制御装置によるダウンシフト時の変速順序を示す、図15と同様な線図である。
【図34】 図4〜図27の変速制御によるダウンシフト時の変速順序を、従来の変速制御装置によるダウンシフト時の変速順序と共に示す、図2と同様な線図である。
【図35】 従来の変速制御装置によるダウンシフト時の変速順序を示す、図2と同様な線図である。
【図36】 減速度の具合に応じたCVT変速比の時系列変化を示すタイムチャートである。
【図37】 従来の変速比無限大無段変速機の動力伝達経路を模式的に示す概略線図である。
【符号の説明】
ENG エンジン
1 入力軸
2 トロイダル型無段変速機構
3 出力軸
4 遊星歯車組
5 トロイダル伝動ユニット
6 トロイダル伝動ユニット
7 入力ディスク
8 出力ディスク
9 パワーローラ
11 ピボットシャフト
12 CVT出力歯車
21 コントロールバルブボディー
22 ステップモータ
24 ロークラッチソレノイド
25 ハイクラッチソレノイド
31 ロークラッチ
32 歯車
33 ハイクラッチ
34 アイドラギヤ
35 減速歯車組
36 ファイナルドライブギヤ組
37 ディファレンシャルギヤ装置
41 変速機コントローラ
42 変速機入力回転センサ
43 変速機出力回転センサ
44 CVT出力回転センサ
45 スロットル開度センサ
46 車速センサ
Claims (4)
- 変速比を無段階に変化させ得る無段変速機構および遊星歯車組の組み合わせになり、
無段変速機構への入力回転をロークラッチの締結により遊星歯車組の1要素に伝達する時、該遊星歯車組の他の1要素を経て無段変速機構の出力回転メンバより入力回転メンバに動力を循環させつつ、該循環動力の一部を無段変速機構の変速状態に応じ前記遊星歯車組の残りの1要素から取り出して、無限大変速比と、その前後における後退変速比および前進変速比とを選択可能な動力循環モードが選択されるようにし、
前記ロークラッチに代えハイクラッチを締結する時、前記無段変速機構の出力回転をそのまま取り出して高速側の前進変速比を選択可能な直結モードが選択されるようにした変速比無限大無段変速機において、
前記動力循環モードおよび直結モード間でのモード切り換えのためのロークラッチおよびハイクラッチの締結、解放切り換えを、変速機出力回転の加速度または減速度が大きいほど、無段変速機構の変速比が高速側変速比の時に行わせるよう構成したことを特徴とする変速比無限大無段変速機の変速制御装置。 - ロークラッチおよびハイクラッチの締結、解放切り換えにより実効ギヤ比を変化させつつ動力循環モードおよび直結モード間でのモード切り換えを行うようにした請求項1記載の変速比無限大無段変速機の変速制御装置において、
前記モード切り換え変速を開始する無段変速機構の変速比を表したモード切り換え変速線を、変速機出力回転の加速度または減速度が大きいほど高速側変速比の方向へ補正するよう構成したことを特徴とする変速比無限大無段変速機の変速制御装置。 - 請求項1または2において、前記モード切り換え変速中は、該モード切り換えを開始した時の変速比に無段変速機構の変速比を保持するよう構成したことを特徴とする変速比無限大無段変速機の変速制御装置。
- 請求項1乃至3のいずれか1項において、前記モード切り換え変速のためのロークラッチおよびハイクラッチの締結、解放切り換えの時間を変速機出力回転の加速度または減速度が大きい時ほど短くなるよう構成したことを特徴とする変速比無限大無段変速機の変速制御装置。
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