JP4747240B2 - 骨に使用するための固定要素 - Google Patents

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Description

本願は2004年1月28日に出願された米国仮特許出願No.60/539633の利益を主張する。
固定要素は生存する骨中に機械的付属品を埋め込むことが望ましい様々な歯科用、医療用、及び外科用の方法に使用されている。固定要素を使用する方法の一例は埋め込まれたインプラントを使用する歯科用補綴物である。
歯科用インプラントは一つ以上の自然の歯を失った患者に対して望ましい補綴物を与える。歯科用インプラントは顎骨に埋め込まれる固定要素、及び固定要素に取り付けられかつそれによって支持される補綴歯を含む。補綴歯は固定要素に直接取り付けられてもよく又はアバットメントフィクスチャーは固定要素に取り付けられて補綴歯を支持してもよい。適切な固定要素は固定要素がオッセオインテグレーションと称される方法で周囲の骨と一体化されるように固定要素を侵略する骨成長を支持するだろう。
補綴歯を支持するための固定要素は二段階法と称されるもので埋め込まれてもよい。第一段階では、固定要素は顎骨に埋め込まれ、次に手術部位が閉じられる。数ヶ月間後、固定要素はオッセオインテグレーションを達成するだろう。固定要素の部位は次に外科的に再開放され、補綴歯の取り付けを可能にするだろう。
歯科用インプラントを一段階法で埋め込むことができる技術が最近開発された。一段階法では、固定要素は埋め込まれ、補綴歯はすぐに適合される。すぐに適合した補綴歯は、オッセオインテグレーションの期間中に軟組織を適切に治癒し、隣接する歯の間隔及びアラインメントを維持する一時的な補綴物であってもよい。永久の補綴歯は少なくとも幾らかのオッセオインテグレーションが追加の外科手順を必要とせずに生じた後に後日適合されてもよい。
オッセオインテグレーションをうまく達成するためには、固定要素が周囲の骨に密接に適合すること(一般に1.5ミリメートル以下の間隙を有する)が必要である。また、固定要素がオッセオインテグレーションの期間中に周囲の骨に対して動かないことが重要である。固定要素が周囲の骨に密接に適合されることができない場合、骨移植材料を使用して固定要素と周囲の骨の間の空間を満たすことが必要であるかもしれない。
臼歯は一般に失う歯である。臼歯を交換するためのインプラントの使用は幾らかの特別な困難性を提示する。臼歯は一般に多数の歯根部を持つ。下顎の下顎臼歯は一般に二つの歯根部を持つ。上顎の上顎臼歯は一般に三つの歯根部を持つ。新しく抜去した部位では臼歯の歯根部によって残る間隙は固定要素で適合することが難しい部位を与える。さらに、顎の臼歯領域の骨は一般に、柔らかい海綿骨の芯を包囲する皮質骨の薄くて硬い層からなる。海綿骨はオッセオインテグレーションの前に固定要素のために劣った支持を与えうる。
臼歯は相対的に大きな歯であり、抜去後の間隙を満たすために相対的に大きな直径を有する固定要素を使用することが望ましい。しかしながら、幅広い固定要素の使用は固定要素を適応させるためにかなりの量の骨が抜去部位から除去されることを必要とするかもしれない。これは主に海綿骨に埋め込まれうる固定要素を支持するために利用可能な少量の皮質骨だけを残すかもしれない。特に、幅広い固定要素の使用は根間中隔骨として知られる歯根部間に見出される三角形のマウンド形状の骨の塊の除去を必要とするかもしれない。従って、一段階法で歯科用インプラントの埋め込みを可能とするために十分な安定性を持って新しい臼歯抜去部位に固定要素を配置することは難しい。
治癒された抜去部位に歯科用補綴物を配置することが望ましい場合には歯科用インプラントのために固定要素を配置する際に困難性を与えうる別の状況が生じる。臼歯が失われるとき、歯を支持する歯槽の隆起はかなり迅速に再吸収される。これは歯の損失領域における顎骨の高さの損失を生じる。固定要素が治癒された抜去部位に埋め込まれることになるとき、固定要素を極めて大きな深さまで配置させることができないかもしれない。
下顎では、下顎における下顎歯槽神経の存在が固定要素の深さを制限する。上顎では、上顎洞が深さを制限する。これらの制限する解剖学的特徴は短い固定要素、おそらく長さ5〜8ミリメートルの使用を要求する。かかる場合のための短い固定要素の使用はオッセオインテグレーションのために利用可能な減少した表面積のため長期間の成功の割合を低くする。
新しい抜去部位及び治癒された部位の両方のために臼歯領域に歯科用インプラントを配置するために使用されることができる固定要素を持つことが望ましいだろう。
骨に使用するための固定要素は近位端及び遠位端を有する。遠位端は近位端を露出して骨に埋め込まれてもよい。アバットメント表面は近位端に向かって配置される。固定要素は遠位端を規定する四つの表面を含む。ほぼ円柱形の第一表面は固定要素の外部を規定する。第一表面の少なくとも一部はあるピッチを有する第一外部ねじ山を含む。環状の第二表面は遠位端に向かって配置され、第一表面は第二表面の外周に沿って第二表面に接合される。第一表面と同心の第三表面は第二表面の内周に沿って第二表面に接合される。第三表面の少なくとも一部は第一外部ねじ山のピッチを有する内部ねじ山を含んでもよい。第一表面の遠位端と近位端の間に配置された第四表面は第四表面の外周に沿って第三表面に接合される。
別の実施態様では、固定要素は遠位端を規定する六つの表面を含む。第一表面の少なくとも一部は第一外部ねじ山を含む。環状第二表面は遠位端に向かって配置され、第二表面の外周に沿って第一表面に接合される。第一表面と同心の第三表面は第二表面の内周に沿って第二表面に接合される。環状第四表面は遠位端と近位端の間に配置され、第四表面の外周に沿って第三表面に接合される。第一表面と同心の第五表面は第四表面の内周に沿って第四表面に接合される。第六表面は遠位端に向かって配置され、第六表面の外周に沿って第五表面に接合される。
別の実施態様では、骨に使用するための固定要素は近位端及び遠位端を有する。遠位端は近位端を露出させて骨に埋め込まれてもよい。固定要素はほぼ円柱形の第一表面を含み、第一表面の少なくとも一部は外部ねじ山を含む。アバットメント表面は固定要素の近位端に配置される。アバットメント表面は固定要素の近位端から遠位端までの軸に対して角度を形成する。
図面の簡単な記述
図1は本発明を具体化する骨に使用するための固定要素の外観図である。
図2は図1に示された固定要素の近位端の平面図である。
図3は図2に示された線3−3に沿ってとった固定要素の断面図である。
図4は図1〜3の固定要素の遠位端の平面図である。
図5は本発明を具体化する別の固定要素の側面図である。
図6は図5の固定要素の近位端の平面図である。
図7は図6に示された線7−7に沿ってとった断面図である。
図8は図5〜7の固定要素の遠位端の平面図である。
図9は本発明を具体化する別の固定要素の外観図である。
図10は図9の固定要素の近位端の平面図である。
図11は図10に示された線11−11に沿ってとった固定要素の断面図である。
図12は図9〜11の固定要素の遠位端の平面図である。
図13は図12に示された断面線13−13に沿ってとった遠位部分及び図10に示された断面線11−11に沿ってとった近位部分を有する固定要素の断面図である。
図14は本発明を具体化する別の固定要素の断面図である。
図15は図13の図と同様に断面を示された遠位部分を有する図14に示された固定要素の断面図である。
図16は下顎臼歯抜去部位の断面図である。
図17は図16に示された抜去部位の断面図である。
図18は固定要素を埋め込むために抜去部位の調製を示す図16の図と同様の断面図である。
図19は図18に示された抜去部位の上部分の断面図である。
図20は図18に示された抜去部位の下部分の断面図である。
図21は図18に示されたように作られた抜去部位に埋め込まれた固定要素の断面図である。
図22は本発明を具体化する別の固定要素の第一部分の断面図である。
図23は固定要素の第二部分の側面図である。
図24は固定要素を形成するために断面で示された第一部分中に設置された側面図で示された第二部分の図である。
図25は図24に示された固定要素の第一部分に対して第二部分のための別の位置の図である。
図26は本発明を具体化する別の固定要素を形成する第一部分の断面図及び第二部分の側面図である。
図27は本発明を具体化する別の固定要素を形成する第一部分の断面図及び第二部分の側面図である。
図28は本発明を具体化する別の固定要素の第一部分の断面図である。
図29は固定要素の第二部分の側面図である。
図30は完成した固定要素を作るために断面で示された第一部分中に設置された側面図で示された第二部分の図である。
図31は本発明を具体化する別の固定要素の断面図である。
図32は本発明を具体化する別の固定要素の断面図である。
図33は骨に埋め込まれて示される本発明を具体化する別の固定要素の断面図である。
図34は本発明を具体化する別の固定要素の側面図である。
図35は本発明を具体化する別の固定要素の側面図である。
図36は本発明を具体化する別の固定要素の断面図である。
図37は本発明を具体化する別の固定要素の断面図である。
図1は本発明を具体化する骨に使用するための固定要素100を示す。固定要素はチタン又はチタン合金の如きオッセオインテグレーションを促進するために知られた又は発見された生体適合性材料から作られることができる。骨と密着されることになる部分は様々な表面特徴を有することができる。これらの部分はオッセオインテグレーションを促進するためにプラズマ噴射、ヒドロキシアパタイトの被覆(HA被覆)、表面機械加工、サンドブラスト、又は酸エッチングの処理をされたチタンであることができる。
説明の都合のため、固定要素100は遠位端及び近位端を参照して記載されるだろう。遠位端は図1において右下に向いた端部として示され、骨において最も大きな深さまで埋め込まれる端である。近位端は図1において左上に向いた端部であり、固定要素100が骨に埋め込まれるときに露出されうる端部である。
固定要素100は固定要素のほぼ円柱形の外部表面である第一表面を含む。「ほぼ円柱形」の用語は遠位端から近位端に延びる軸のまわりに実質的に回転対称である表面を記載するために使用される。第一表面はねじ山112を含んでもよい。ねじ山は厳密な意味では回転対称ではないことは認識されるだろう。ねじ山又は同種特徴は「実質的に回転対称」という用語に含められることを意図される。固定要素100の外部表面は上述のねじ山、又は肩102、テーパ付き部分110などの他の特徴を含んでもよく、それらの全ては「ほぼ円柱形」の用語によって包含されることを意図される。
固定要素100の第一表面の少なくとも一部はあるピッチを有する第一外部ねじ山112を含んでもよい。ねじ山112は骨中への固定要素の埋め込みのために有効であることが知られた又は発見された様々な形態のものであってもよい。ねじ山112は自己穿孔型(ねじ切り)特徴又は骨中への固定要素の埋め込みを助ける又はオッセオインテグレーションを促進する他の特徴を含んでもよい。
第一表面は固定要素100の遠位端に隣接して切頭第一円錘部分110を含んでもよく、遠位端に隣接するほど第一円錘部分の周囲が小さくなっている。第一円錘部分110は固定要素を受けるために骨に作られた穴中に固定要素100を配置することを容易にしうる。第一円錘部分110は少し小さい遠位端の先端を与えてもよく、それは固定要素100が最初に最小の力で骨と係合して固定要素を骨に作られた穴に整合することを可能にする。
第一円錘部分110はねじ切られなくてもよく、又は部分的にもしくは完全に第一外部ねじ山112に交差してもよい。一つの実施態様では、第一円錘部分110は第一外部ねじ山のほぼ根元の直径である固定要素100の遠位端で最も小さい直径を有してもよい。第一円錘部分110は遠位端に向かって直径を徐々に増加させてもよく、それによって徐々に増大するねじ山深さを与えてもよい。
固定要素100は第一表面の近位端に向かって配置されたアバットメント表面を含んでもよい。アバットメント表面は固定要素への取り付けを可能とする様々な知られた又は発見された形態であってもよい。
図1〜3は歯科用補綴物を受けるように与えられうるアバットメント表面を示す。示されたアバットメント表面は固定要素100を埋め込むためのレンチ表面を与えうる外部六角表面104を含む。示されたアバットメント表面はさらに、ねじによって固定要素に結合された手段を受けるために位置決め凹所106及び内部固定ねじ山108を含む。
固定要素100は第一表面の遠位端に向かって配置された環状の第二表面120を含み、第二表面120は第二表面の外周122に沿って第一表面に接合されている。第二表面120は骨に作られた穴の底と係合してもよく、それによって埋め込まれた固定要素100の安定性に有意に貢献してもよい。第二表面120は実質的に平坦であってもよく又は初期の安定性を与えるために骨に作られた穴の底と効果的に協働するように選択された丸められた又は他の形状を有してもよい。
遠位端の平面図で見られるように、固定要素100は第一表面と同心でかつ第二表面の内周124に沿って第二表面120に接合された第三表面140を含む。第三表面140の少なくとも一部は固定要素を骨中に埋め込むために回転されるのと同じ割合で両ねじ山が固定要素100に進むように第一外部ねじ山のピッチを有する内部ねじ山を含んでもよい。内部ねじ山は骨中に固定要素を埋め込むために有効であることが知られた又は発見された様々な形態のものであってもよい。内部ねじ山は自己穿孔型(ねじ切り)特徴又は骨中への固定要素の埋め込みを助ける又はオッセオインテグレーションを促進する他の特徴を含んでもよい。固定要素100を受けるために作られた骨中の穴は第三表面140が少なくとも部分的に骨と係合して追加の初期安定性及びオッセオインテグレーションのための追加の表面を与えるように残留する骨を所定位置に残してもよいと考えられる。
第三表面140は遠位端に隣接して切頭第二円錘部分を含んでもよく、遠位端に隣接するほど第二円錘部分の周囲が大きくなっている。第二円錘部分は残留する骨を含む穴の部分中に固定要素100を配置することを容易にしうる。第二円錘部分は固定要素100が初期安定性をさらに増大するように埋め込まれるように残留する骨を圧縮してもよい。
第二円錘部分はねじ切られなくてもよく、又は部分的にもしくは完全に第一内部ねじ山に交差してもよい。一つの実施態様では、第二円錘部分は第一内部ねじ山のほぼ根元の直径である固定要素100の遠位端で最も大きい直径を有してもよい。第二円錘部分は近位端に向かって直径を徐々に増加させてもよく、それによって徐々に増大するねじ山深さを与えてもよい。
固定要素100は遠位端と近位端の間に配置された第四表面130を含み、第四表面130は第四表面の外周132に沿って第三表面140に接合される。固定要素100を受けるために作られた骨中の穴は第四表面130が上部表面に係合して追加の初期安定性及びオッセオインテグレーションのための追加の表面を与えるように残留する骨上に上部表面を残してもよいと考えられる。
図3は図2の断面線3−3によって示されるような直径に沿ってとった固定要素100の断面図である。図3は固定要素100の様々な表面の間の関係を視覚化するのに役立ちうる。図3はまた、遠位端におけるねじ山との円錘区域の可能な相互作用を視覚化するのに役立ちうる。
図5〜8は本発明を具体化する別の固定要素200を示す。この実施態様は図1〜4によって示された固定要素100と同様の多くの特徴を含む。固定要素200の同様の特徴は固定要素100のために使用された参照番号に100を足した参照番号を与えられる。
この実施態様では、固定要素200は切頭四角錐の形のアバットメント表面204を含む。アバットメント表面204はレンチ表面を与えてもよい。もし固定要素が歯科用補綴物を支持するために使用されるなら、補綴歯は例えばセメントによってアバットメント204に直接結合されてもよい。
図7は図6の近位端の平面図で示されるように断面線7−7に沿ってとった固定要素200の断面を示す。第一表面は第三表面より直径がわずかに大きくてもよい。図7では外部ねじ山212の根元が内部ねじ山と一致する比較的薄い断面があることがわかるだろう。根元が薄い断面を避けるために外部ねじ山の頂と一致するように内部ねじ山を配置することが有利でありうる。
もし第一及び/又は第三のほぼ円柱形の表面が円錘区域を含むなら、固定要素200は相対的に短くすることができ、円錘区域は第一及び/又は第三表面の全て又は実質的に全てを占有することができる。
図9〜13は本発明を具体化する別の固定要素300を示す。この実施態様は図1〜4によって示された固定要素100と同様の多くの特徴を含む。固定要素300の同様の特徴は固定要素100のために使用された参照番号に200を足した参照番号を与えられる。
図10及び11は歯科用補綴物を受けるために与えられうるアバットメント表面を示す。示されたアバットメント表面はねじによって固定要素300に結合された手段を受けるために葉状位置決め凹所306及び内部固定ねじ山308を含む。位置決め凹所306の葉は結合された装置の回転を防止してもよく、固定要素300を埋め込むためのレンチ表面を与えてもよい。
この実施態様では、固定要素の第四表面330は環状である。固定要素はさらに、第一表面と同心でありかつ第四表面の内周334に沿って第四表面330に接合された第五表面350を含む。第六表面360は第一表面の遠位端に向かって配置され、第六表面の外周362に沿って第五表面350に接合される。
第五表面350は第五表面の全ての又は一部の上に第二外部ねじ山を含んでもよい。第二外部ねじ山は固定要素を骨中に埋め込むために回転されるのと同じ割合で全てのねじ山が固定要素300に進むように第一外部ねじ山のピッチを有する。第二外部ねじ山は骨中に固定要素を埋め込むために有効であることが知られた又は発見された様々な形態のものであってもよい。第二外部ねじ山は自己穿孔型(ねじ切り)特徴又は骨中への固定要素の埋め込みを助ける又はオッセオインテグレーションを促進する他の特徴を含んでもよい。固定要素300を受けるために作られた骨中の穴は第五表面350が少なくとも部分的に骨に係合して追加の初期安定性及びオッセオインテグレーションのための追加の表面を与えるように残留する骨に第二の穴を与えてもよいと考えられる。
第五表面350は遠位端に隣接して切頭第三円錘部分を含んでもよく、遠位端に隣接するほど第三円錘部分の周囲は小さくなっている。第三円錘部分はねじ切られなくてもよく、又は部分的にもしくは完全に第五表面350上の第二外部ねじ山に交差してもよい。一つの実施態様では、第三円錘部分は第二外部ねじ山のほぼ根元の直径である固定要素300の遠位端で最も小さい直径を有してもよい。第三円錘部分は近位端に向かって直径を徐々に増加させてもよく、それによって徐々に増大するねじ山深さを与えてもよい。第二及び第三円錘区域は第三と第五のほぼ円柱形の表面の間の残留する骨を圧縮するように作用してもよい。
図13は、第五表面が断面によって切断されず、第五表面が見えるように、断面の下部が図12に示された断面線13−13に沿ってとった、図9〜12に示された固定要素300の断面図である。第四表面330と近位端の間の断面の部分は図10に示された断面線11−11に沿ってとられる。
図14及び15は本発明を具体化する別の固定要素400を示す。この実施態様は図9〜13によって示された固定要素300と同様の多くの特徴を含む。固定要素400の同様の特徴は固定要素300のために使用された参照番号に100を足した参照番号を与えられる。
この実施態様では、固定要素400の第一表面は切頭円錘断面の形の肩表面402を含む。かかる円錘肩は「ほぼ円柱形」という用語によって包含されることを意図される。固定要素400は内部固定ねじ山408が第五表面450によって規定される固定要素400の部分中に延びるように相対的に短くしてもよい。
図16〜20は抜去した臼歯のために歯科用補綴物を与えるために本発明を具体化する固定要素500の例示使用を示す。
図16は二つの歯根部を有する下顎臼歯の抜去後のソケットの断面を示す。断面は(頭の前から後に走る)近遠心の断面線に沿ってとられる。ソケットは抜去した臼歯の歯根部を分離した根間中隔骨510を含む。
図17は上から見てソケットを見下ろしたソケットの断面を示す。図16の断面線17A−17Aに沿ってとった頸環512の外形が示されている。図16の断面線17B−17Bに沿ってとった二つの歯根部514,516の各々の外形が示されている。
図18は穴が固定要素を受けるために作られた後の図16のソケットである作られた臼歯ソケットの断面を示す。図19は図18の断面線19−19に沿ってとった頸環512における作られた臼歯ソケットの上から下に見た断面図である。作られた穴520は頸環512の全てを除去していないように見える。一般に、固定要素500と頸環512の間の大きな周囲の接触を与えて良好な初期安定性を与えることが望ましい。しかしながら、良好な初期安定性及び良好なオッセオインテグレーションを与える穴を作ることに矛盾せずにできるだけ多くの骨を保つことも望ましい。特に、骨は海綿骨の柔らかい内部芯を包囲する相対的に薄くて硬い皮質層を持ちうる。柔らかい海綿骨よりずっと高い初期安定性を与える皮質骨を保つことが望ましい。
固定要素500はオッセオインテグレーションが起こるようにソケットの全ての部分の少なくとも1.5ミリメートル内にあるように寸法決定されることができる。固定要素500は頸環の周囲の約75%以上が固定要素と直接接触して良好な初期安定性を与えるように寸法決定されることができる。
図20は穴が固定要素を受けるために作られた後の図16のソケットの断面を示す。図20は図18の断面線20−20に沿ってとった歯根部514,516において作られた穴の上か下に見た断面図である。作られた穴522は歯根部を包囲するソケットの全てを除去しないように見える。根間中隔骨510のかなりの部分が作られた臼歯ソケットにおいて残留する骨として保たれていることが見られる。作られた穴522の遠位部分は第一表面501と第三表面503の間に固定インプラントの部分を受けるための環状領域524を含む。固定要素500の第二表面502は固定要素の初期安定性を増大するために臼歯ソケット522の底部表面524に対して支持しうる。
作られた穴の底部表面530,532,534はまた、重要である。下部表面は固定要素500の第二表面502、第四表面504、及び第六表面506(もし存在するなら)の一つ以上のかなりの部分を支持することが望ましい。この理由のため、穴は下顎神経518又は上顎洞の如き他の解剖学的構造によって許されるなら歯根部の最下点の下にある下部表面530,534で作られてもよい。平坦な表面532は第四表面504を支持するために残留する根間中隔骨510の近位部分上に作られてもよい。残留する根間中隔骨510の近位部分上の平坦な表面532は作られた臼歯ソケット500の底部表面にほぼ平行であってもよい。
固定要素500の第一表面501は臼歯ソケットの外壁522にねじ込まれて係合するように適応されている。第一表面501は第二表面に隣接するほど第一円錘部分の周囲が小さくなるように第二表面502に隣接して切頭第一円錘部分を含んでもよい。円錘表面は作られた臼歯ソケット中に固定要素を配置することを助けてもよい。円錘表面は作られた臼歯ソケットの外壁を包囲する骨を、特に頸環に隣接した上部分において圧縮してもよく、それは固定要素のための支持及び骨密度を増大させうる。
固定要素500の第三表面503は臼歯ソケットの外壁522にほぼ面する根間中隔骨510の第一表面511に対して支持するように適応される。第三表面503はそれが根間中隔骨を特に上部分において圧縮するように切頭円錘形態を持ってもよく、それは固定要素500のための支持及び骨密度を増大させうる。第三表面503はねじ山を含んでもよく、それは根間中隔骨510の第一表面511にねじ込まれて係合するために自己ねじ切りねじ山であってもよい。
固定要素500は第五表面505を含んでもよい。それゆえ作られた臼歯ソケットは第五表面505を受けるために残留する根間中隔骨510において第二穴526を含んでもよい。第五表面は第二穴の側壁に対して支持してもよい。第五表面505は根間中隔骨を特に上部分において圧縮するように切頭円錘形を有してもよく、それは固定要素500のための支持及び骨密度を増大させうる。第五表面505はねじ山を含んでもよく、それは第二穴526の側壁にねじ込まれて係合するために自己ねじ切りねじ山であってもよい。
図22〜25は本発明を具体化する別の固定要素600を示す。第一部分610は第一表面601、第二表面602、第三表面603、及び第四表面604を含む。第二部分620は第五表面605及び第六表面606を含む。第五表面605は第二部分620を第一部分610中にねじ込むことによって第四表面604に接合される。生じた組立体は図9に示された固定要素300と同様の特徴を有する固定要素600を与える。それは図24及び25によって示されたように第二表面602に対する第六表面606の位置を調整することができうる。
図26は本発明を具体化する別の固定要素700を示す。第二部分720は第一部分710中にねじ込まれて図14に示される固定要素400と同様の特徴を有する固定要素700を与える。第二部分720はねじ込まれて固定要素700が組立後に単一片として機能するように第一部分710と干渉適合するように造形されてもよい。
図27は本発明を具体化する別の固定要素800を示す。第二部分820は第一部分810におけるねじ切りされていない開口814を通過して図14に示された固定要素400と同様の特徴を有する固定要素800を与える。第二部分820は第一部分上の肩表面812に対して支持する頭表面822を含んでもよい(両方の部分が骨に埋め込まれるとき)。両方の部分が骨に埋め込まれることによって固定要素800に組み立てられるとき、第二部分820は骨に対して第一部分810の直接向けられた圧力を変化するように調整されてもよい。
図28〜30は本発明を具体化する別の固定要素900を示す。第一部分910は第一表面901、第二表面902、及び第三表面903を含む。第三表面903は遠位端から近位端まで延び、第三表面の少なくとも一部のための内部ねじ山を含む貫通通路を与える。第二部分920は第四表面904、第五表面905、及び第六表面906を含む。第二部分920は、ほぼ円柱形でありかつ第五表面905と同心である接合表面922をさらに含む。接合表面の少なくとも一部は第一部分910のねじ切られた第三表面903の少なくとも一部と合致する外部ねじ山を含んでもよい。第三表面903は第二部分920を第一部分910にねじ込むことによって第四表面904に接合される。生じた組立体は図9に示された固定要素300と同様の特徴を有する固定要素900を与える。
図31は本発明を具体化する別の固定要素1000を示す。この実施態様は前記実施態様と同様に配置された、第一表面1001、第二表面1002、第三表面1003、第四表面1004、第五表面1005、及び第六表面1006を含む。この実施態様では、第二表面1002、第四表面1004、及び第六表面1006は湾曲されてもよい。この実施態様では、第一表面1001だけがねじ切られた部分を含んでもよい。第五表面1005は固定要素100のこの部分が固定要素を受けるための骨の調製を案内するために使用されうる案内穴に適合するように正確な円柱形であってもよい。第二表面1002は残留する骨への密着適合を与えるために円錘部分を含んでもよい。
図32は本発明を具体化する別の固定要素1100を示す。この実施態様は前記実施態様と同様に配置された、第一表面1101、第二表面1102、第三表面1103、第四表面1104、第五表面1105、及び第六表面1106を含む。この実施態様の固定要素1100は図31の固定要素1100とほぼ同様である。第五表面1105及び第二表面1102は残留する骨への密着適合を与えるために円錘部分を含んでもよい。
図33は本発明を具体化する別の固定要素1200を示す。図33は頬面舌面(頬から舌への)方向の断面線に沿った下顎の背側部分に埋め込まれた固定要素1200の断面図である。この実施態様は第一表面の近位端から遠位端までの軸に対して角度をなすアバットメント表面1210を含む。アバットメント表面1210は第一表面1201の近位端に隣接した領域において実質的に平坦であってもよい。図33に示されるように、固定要素が治癒された臼歯抜去部位に埋め込まれるとき、骨の再吸収は一方の側1220が他方の側1222より高い表面(一般に頬面(頬)側1222に低くなる)で部位を浅くさせうる。角度の付いたアバットメント表面1210は骨の上に露出した固定要素1201の部分を残さずに第一表面1201と骨との接触を大きくすることができることが見られる。
図34は第一表面の近位端から遠位端までの軸に対して角度をなすアバットメント表面1310を含む別の固定要素1300を示す。
図35は第一表面の近位端から遠位端までの軸に対して角度をなすアバットメント表面1410を含む別の固定要素1400を示す。この実施態様では、第一表面のねじ切られた部分はアバットメント表面まで延ばしてもよく、それは骨に対する固定要素1400のねじ込まれた係合を増大しうる。
図36は本発明を具体化する別の固定要素1500を示す。この実施態様は図5〜8によって示された固定要素200と同様の多くの特徴を含む。固定要素1500の同様の特徴は固定要素200のために使用された参照番号に1300を足した参照番号を与えられる。固定要素1500は、遠位端と近位端の間に配置されかつ第三表面1540に接合された第四表面1530を含む。第四表面1530は切頭円錘の形である。固定要素1500を受けるために作られた骨中の穴は第四表面1530が上部表面と係合して追加の初期安定性及びオッセオインテグレーションのための追加表面を与えるように残留する根間中隔骨上に上部表面を残してもよいと考えられる。第四表面の円錘形状は臼歯ソケット中にどのくらい深く固定要素1500が進められるかによって決定されるように残留する根間中隔骨が選択的に圧縮されることができるようにしてもよい。これは残留する根間中隔骨が柔らかく海綿状であるときに大きな程度の圧縮が適用されることを可能にしてもよい。
図37は本発明を具体化する別の固定要素1600を示す。この実施態様は図5〜8によって示された固定要素200と同様の多くの特徴を含む。固定要素1600の同様の特徴は固定要素200のために使用された参照番号に1400を足した参照番号を与えられる。固定要素1600は、遠位端と近位端の間に配置されかつ第三表面1640に接合された第四表面1630を含む。第四表面1630は凹状の湾曲表面の形である。固定要素1600を受けるために作られた骨中の穴は第四表面1630が上部表面に係合して追加の初期安定性及びオッセオインテグレーションのための追加の表面を与えるように残留する根間中隔骨上に上部表面を残してもよいことが考えられる。第四表面の凹状形状は臼歯ソケット中にどのくらい深く固定要素1600が進められるかによって決定されるように残留する根間中隔骨が選択的に圧縮されることができるようにしてもよい。これは残留する根間中隔骨が柔らかく海綿状であるときに大きな程度の圧縮が適用されることを可能にする。
特定の例示的実施態様が記載され添付図面に示されたが、かかる実施態様は例示にすぎず広い発明を限定しないこと、及び本発明は示され記載された特定の構成及び配置に限定されないことは理解されるべきである。なぜならば様々な他の特徴が当業者に想起されるからである。一つの実施態様について示され記載された個々の特徴は別の実施態様について示され記載された個々の特徴と組み合わされてもよいことが理解されるべきである。機能的な固定要素の文脈において本発明の使用を示すためにある特徴を示し又は記載していること、及びかかる特徴は本発明の範囲内で省略されてもよいことが理解されるべきである。
本発明を具体化する骨に使用するための固定要素の外観図である。 図1に示された固定要素の近位端の平面図である。 図2に示された線3−3に沿ってとった固定要素の断面図である。 図1〜3の固定要素の遠位端の平面図である。 本発明を具体化する別の固定要素の側面図である。 図5の固定要素の近位端の平面図である。 図6に示された線7−7に沿ってとった断面図である。 図5〜7の固定要素の遠位端の平面図である。 本発明を具体化する別の固定要素の外観図である。 図9の固定要素の近位端の平面図である。 図10に示された線11−11に沿ってとった固定要素の断面図である。 図9〜11の固定要素の遠位端の平面図である。 図12に示された断面線13−13に沿ってとった遠位部分及び図10に示された断面線11−11に沿ってとった近位部分を有する固定要素の断面図である。 本発明を具体化する別の固定要素の断面図である。 図13の図と同様に断面を示された遠位部分を有する図14に示された固定要素の断面図である。 下顎臼歯抜去部位の断面図である。 図16に示された抜去部位の断面図である。 固定要素を埋め込むために抜去部位の調製を示す図16の図と同様の断面図である。 図18に示された抜去部位の上部分の断面図である。 図18に示された抜去部位の下部分の断面図である。 図18に示されたように作られた抜去部位に埋め込まれた固定要素の断面図である。 本発明を具体化する別の固定要素の第一部分の断面図である。 固定要素の第二部分の側面図である。 固定要素を形成するために断面で示された第一部分中に設置された側面図で示された第二部分の図である。 図24に示された固定要素の第一部分に対して第二部分のための別の位置の図である。 本発明を具体化する別の固定要素を形成する第一部分の断面図及び第二部分の側面図である。 本発明を具体化する別の固定要素を形成する第一部分の断面図及び第二部分の側面図である。 本発明を具体化する別の固定要素の第一部分の断面図である。 固定要素の第二部分の側面図である。 完成した固定要素を作るために断面で示された第一部分中に設置された側面図で示された第二部分の図である。 本発明を具体化する別の固定要素の断面図である。 本発明を具体化する別の固定要素の断面図である。 骨に埋め込まれて示される本発明を具体化する別の固定要素の断面図である。 本発明を具体化する別の固定要素の側面図である。 本発明を具体化する別の固定要素の側面図である。 本発明を具体化する別の固定要素の断面図である。 本発明を具体化する別の固定要素の断面図である。

Claims (9)

  1. 骨に使用するための固定要素(300)であって、下記のものを含む固定要素:
    近位端及び遠位端を有する第一表面であって、第一表面の少なくとも一部があるピッチを有する第一外部ねじ山(312)を含む第一表面;
    第一表面の近位端に向かって配置されたアバットメント表面;
    第一表面の遠位端に向かって配置された環状の第二表面(320)であって、第二表面の外周(322)に沿って第一表面に接合された第二表面;
    第一表面と同心でありかつ第二表面の内周(324)に沿って第二表面に接合された第三表面(340)であって、第三表面の少なくとも一部が第一外部ねじ山のピッチを有する内部ねじ山を含む第三表面
    第一表面の遠位端と近位端の間に配置された環状の第四表面(330)であって、第四表面の外周(332)に沿って第三表面に接合された第四表面
    第一表面と同心でありかつ第四表面の内周(334)に沿って第四表面に接合された第五表面(350);及び
    第一表面の遠位端に向かって配置された第六表面(360)であって、第六表面の外周(362)に沿って第五表面に接合された第六表面。
  2. 第一表面が遠位端に隣接して切頭第一円錘部分(310)を含み、遠位端に隣接するほど第一円錘部分の周囲が小さくなっている請求項1に記載の固定要素。
  3. 第三表面が遠位端に隣接して切頭第二円錘部分を含み、遠位端に隣接するほど第二円錘部分の周囲が大きくなっている請求項1に記載の固定要素。
  4. 内部ねじ山が自己穿孔型である請求項1に記載の固定要素。
  5. 第五表面が遠位端に隣接して切頭第三円錘部分を含み、遠位端に隣接するほど第三円錘部分の周囲が小さくなっている請求項に記載の固定要素。
  6. 第一表面、第二表面、第三表面、及び第四表面が第一部分(610)上にあり、第五表面及び第六表面が第二部分(620)上にあり、第五表面が第二部分を第一部分に貫通させることによって第四表面に隣接して位置される請求項に記載の固定要素。
  7. 第一表面、第二表面、及び第三表面が第一部分(910)上にあり、第四表面、第五表面、及び第六表面が第二部分(920)上にあり、第四表面が第二部分を第一部分に貫通させることによって第三表面に隣接して位置される請求項に記載の固定要素。
  8. 第三表面の少なくとも一部が第一外部ねじ山のピッチを有する第一内部ねじ山を含み、第五表面の少なくとも一部が第一外部ねじ山のピッチを有する第二外部ねじ山を含む請求項に記載の固定要素。
  9. アバットメント表面が第一表面の近位端から遠位端までの軸に対して角度をなしている請求項1に記載の固定要素。
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