JP4703491B2 - 部材嵌合治具 - Google Patents
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Description
図4,5に示す部材嵌合治具は、油圧緩衝器等のショックアブソーバに用いるアウターチューブ1を、ナックル2の嵌合穴3に挿入して嵌合するための装置である。
アウターチューブ1は、組み付け体保持機構4に設けた支持部材5および保持部材6に保持されるが、これら支持部材5および保持部材6は、組み付け体保持機構4に設けた一対のシャフト7,8に挿着している。なお、支持部材5および保持部材6の上面にはV字型の凹み5a,6aを形成しており、この凹み5a,6aにアウターチューブ1を掛け渡して保持するようにしている。
すなわち、アウターチューブ1をナックル2に嵌合する際には、組み付け体保持機構4がx方向に移動することによって、嵌合対象保持機構9上に保持したナックル2の嵌合穴3内に、アウターチューブ1の先端を挿入する。このとき、嵌合穴3内に挿入するアウターチューブ1の先端部分は、保持部材6よりもナックル2側に十分に突出させておかなければならない。なぜなら、アウターチューブ1の先端部分が保持部材6から十分に突出していないと、アウターチューブ1が嵌合穴3内に十分進入する前に、保持部材6とナックル2とが当接してしまい、嵌合穴3内の正規位置までアウターチューブ1の先端を挿入することができなくなってしまうからである。
そこで、アウターチューブ1の長さに応じて保持部材6の位置を調整することで、アウターチューブ1の先端が、保持部材6よりもナックル2側に常に突出するようにしたのである。
このように、アウターチューブ1の先端が、保持部材6よりもナックル2側に十分に突出した状態で、組み付け体保持機構4をx方向に移動すれば、アウターチューブ1の先端がナックル2の嵌合穴3内にしっかりと進入して、両者を正規位置において嵌合することができる。
ところが、保持部材6の位置を調整するためには、ボルト通し孔11からボルト12を外して、保持部材6をシャフト7,8に沿って摺動させ、上記した最適な位置調整孔10に保持部材6のボルト通し孔11を一致させ、そして、再度ボルト12を締め付けなければならない。このように、従来の部材嵌合治具においては、保持部材6の位置を調整する位置調整作業に少なくとも30秒程度の時間を要する。したがって、長さの異なるアウターチューブ1が搬送されるたびに、全工程を一時的に停止させて位置調整作業を行わなければならず、生産性が低下するという問題があった。
このように、隙間から手を伸ばして行わなければならない作業スペースの限られた位置調整作業は、熟練した作業者を必要とするため、不慣れな作業者が位置調整作業を行うと、一層、位置調整作業に時間を要しなければならないという問題があった。
第3の発明は、保持部材とスライダとを一体に形成した点に特徴を有する。
このように、組み付け体の長さによって保持部材の位置を調整する必要がないので、長さの異なる組み付け体ごとに保持部材の位置調整をする必要がない。したがって、長さの異なる組み付け体が搬送されるたびに生産工程を停止する必要がなく、搬送される組み付け体の長さに関わらず、連続的に組み付け体を嵌合することが可能となり、生産性を向上することができる。
また、保持部材の位置調整が不要となることで、熟練作業者だけでなく、作業初心者でも確実な嵌合作業のオペレートを実現することができる。
図1,2に示すように、x方向に往復移動する組み付け体保持機構13は、底部13aと、移動方向xに対して底部13aの両端から上方に突出する背板部13bおよび前板部13cとからなる。なお、上記背板部13bは、前板部13cよりも上方に高く突出している。
図示しない搬送装置によって、支持部材16および保持部材18上にアウターチューブTが搬送されるとともに、嵌合対象保持機構23上にナックルNが搬送されて、アウターチューブTおよびナックルNが図2に示すように位置する。アウターチューブTおよびナックルNが、図2に示すように位置すると、ナックルNの嵌合穴24にアウターチューブTの先端を挿入するように、組み付け体保持機構13がx方向に移動する。
このように、ナックルNと保持部材18とが当接した状態で、さらに組み付け体保持機構13がx方向に移動すると、図3に示すように、保持部材18がナックルNまたは嵌合対象保持機構23に押される。すると、ナックルNおよび嵌合対象保持機構23の押圧力によって、保持部材18とともにスライダ17,17が、弾性体22の弾性力(コイルスプリングのバネ力)に抗しながら、シャフト14,15に沿って摺動する。
このようにして、アウターチューブTの先端が、嵌合穴24内において所定の位置まで進入することで、アウターチューブTとナックルNとが圧入嵌合されるとともに、再び搬送装置によって次の製造工程に搬送される。そして、圧入嵌合したアウターチューブTとナックルNとが、搬送装置によって搬送されたら、組み付け体保持機構13がもとの位置に移動する。
なお、アウターチューブTが長く、その先端が保持部材18からナックルN側に嵌合長さ分だけ突出している場合には、ナックルNが保持部材18に当接する前に、アウターチューブTの先端が嵌合穴24の正規位置まで到達するので、保持部材18が摺動することなく両者が嵌合されることとなる。
このように、アウターチューブTの長さによって保持部材18の位置を調整する必要がないので、長さの異なるアウターチューブTが搬送されるたびに保持部材18の位置調整をする必要がない。したがって、長さの異なるアウターチューブTが搬送されるたびに生産工程を停止する必要がなく、搬送されるアウターチューブTの長さに関わらず、連続的にアウターチューブTを嵌合することが可能となり、生産性を向上することができる。
また、保持部材の位置調整が不要となることで、熟練作業者だけでなく、作業初心者でも確実な嵌合作業のオペレートを実現することができる。
また、上記実施形態においては、弾性体としてコイルスプリングを用いたが、弾性体は保持部材を所定の位置に復帰させることができればよく、特にその構造等限定されるものではない。
また、支持部材と保持部材との間隔は、もっとも短いアウターチューブを掛け渡すことができるように設定しておくことが望ましい。このように設定しておけば、長さの異なるアウターチューブが搬送されても、確実に保持することができる。そして、支持部材を、シャフトに沿って移動できるようにすれば、より短いアウターチューブにも対応することができる。
ただし、上記したようにガイドを溝で形成すると、組み付け体保持機構の構造が複雑となり、その分設備コストが高くなったり、清掃等のメンテナンス作業が面倒になったりするため、ガイドはシャフトで構成することが望ましい。
また、ガイドをシャフトで構成する場合には、シャフトを複数並列して設けてもよいし、1つのシャフトを設けてもよい。ただし、一対のシャフトでガイドを構成した方が、嵌合作業時の圧入荷重によって両部材間の軸心振れや軸心倒れが発生することなく、常時安定した嵌合作業を実現することができる。
なお、上記実施形態においては、保持部材とスライダとを別部材で構成するとともに、これら両者を固定するようにしたが、保持部材とスライダとを一体に形成してもよい。
14,15 ガイドであるシャフト
17 スライダ
18 保持部材
20 第1ストッパー
21 第2ストッパー
22 弾性体
23 嵌合対象保持機構
N 嵌合対象であるナックル
T 組み付け対象であるアウターチューブ
Claims (3)
- ガイドに設けた保持部材に組み付け体を保持する組み付け体保持機構と、上記組み付け体の嵌合対象を保持する嵌合対象保持機構とを備え、上記保持部材には、上記組み付け体の先端を嵌合対象保持機構側へ突出させて保持させるとともに、上記組み付け体保持機構と嵌合対象保持機構とが相対移動して、組み付け体において上記保持部材から突出させた先端側と嵌合対象とを嵌合する部材嵌合治具において、上記保持部材は、弾性体の弾性力によって所定の位置を保つ一方、上記ガイドに沿って組み付け体保持機構の移動方向に摺動可能に構成し、組み付け体保持機構と嵌合対象保持機構とが近づく方向に相対移動して、嵌合対象または嵌合対象保持機構が、上記弾性体の弾性力に抗して保持部材を押圧したとき、上記保持部材は上記組み付け体の先端が上記嵌合対象内に侵入した以降も組み付け体を保持した状態を保ってガイド部材に沿って移動するとともに上記組み付け体に対して移動し、上記組み付け体の先端が上記嵌合対象内の所定位置に侵入する構成にした部材嵌合治具。
- 組み付け体保持機構の移動方向に沿って固定するシャフトによってガイドを構成するとともに、このシャフトには所定の間隔を保って第1ストッパーおよび第2ストッパーを固定し、これら両ストッパー間に、上記保持部材を固定したボールブッシュからなるスライダを摺動自在に組み付けるとともに、上記第1ストッパーとスライダとの間にコイルスプリングからなる弾性体を介在させ、このコイルスプリングのバネ力によって、上記スライダを上記第2ストッパーに当接させた請求項1記載の部材嵌合治具。
- 保持部材とスライダとを一体に形成した請求項2記載の部材嵌合治具。
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