JP4688509B2 - 太陽電池素子及びこれを用いた太陽電池モジュール - Google Patents

太陽電池素子及びこれを用いた太陽電池モジュール Download PDF

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Description

本発明は、非受光面側の電極を集電部と出力取出部とで構成した太陽電池素子と、これを用いた太陽電池モジュールに関する。
一般的な太陽電池素子の構造を図5に示す。まず、厚み0.3〜0.5mm程度、大きさ100〜150mm角程度の単結晶シリコンや多結晶シリコン等からなるp型の半導体基板1を準備する。そして、半導体基板1の表面(受光面)側の表面近傍に一定の深さまで逆導電型のn型不純物を拡散させて、n型を呈する逆導電型拡散領域2を設け、p型の半導体基板1との間にpn接合を形成する。このようなn型を呈する逆導電型拡散領域2は、例えば半導体基板1を拡散炉中に配置して、オキシ塩化リン(POCl)中で加熱することによって、半導体基板1の表面全体にn型不純物であるリン原子を拡散させて、厚み0.2〜0.5μm程度の逆導電型拡散領域2として形成することができる。その後、側面部と底面部の逆導電型拡散領域の部分を除去する。
太陽電池素子の受光面側には、例えば、窒化シリコン膜からなる反射防止膜3が形成される。このような反射防止膜3は、例えばプラズマCVD法等で形成される。
これらの太陽電池素子の表面電極4、裏面電極5は、金属を主成分とする電極材料を塗布して焼成することによって得ることができ、例えば、以下に示す方法により形成する。
(1)裏面集電部6を形成するために、アルミニウム等を主成分とする電極材料を半導体基板1の裏面の一部を除いた大部分に塗布して乾燥する
(2)裏面出力取出部7を形成するために、(1)で電極材料を塗布しなかった部分に対して銀等を主成分とする電極材料を塗布して乾燥する(なお、(1)で形成した電極材料の一部(例えば周縁部)と重ね合わせておく
(3)表面電極4を形成するために、半導体基板1の表面に銀等を主成分とする電極材料を塗布して乾燥する
(4)表面と裏面に塗布された電極材料を同時に焼成し、表面電極4及び裏面電極5を得る
上述のような方法により、図6、7に示されるように銀を主成分とする半田濡れ性の良好な表面電極4及び裏面電極5(アルミニウムを主成分とする裏面集電部6と銀を主成分とする半田濡れ性の良好な裏面出力取出部7)が形成される。このとき、裏面の略全面に形成された裏面集電部6は、シリコンの半導体基板1に対してp型不純物元素として作用するアルミニウムを主成分としているので、裏面集電部6と接した部分には、高濃度の裏面電界領域9が形成される。この裏面電界領域9はBSF層(Back Surface Field)と呼ばれ、裏面での少数キャリア再結合を防止しキャリアの収集効率を向上させ、太陽電池特性を向上させる働きがある。また、表面電極4は、反射防止膜3の電極に相当する部分をエッチング除去して形成される場合と、もしくは反射防止膜3の上から、ファイアースルーという手法によって直接形成される場合とがある。
また、太陽電池素子一枚では発生する電気出力が小さいため、一般的には複数の太陽電池素子を直並列に接続して実用的な電気出力が取り出せるように構成された太陽電池モジュール(不図示)が用いられている。この太陽電池モジュールは、複数の太陽電池素子の表面電極と裏面電極を銅箔等からなるタブによって直並列に接続し、透光性の表面部材と裏面部材との間に配置し、エチレンビニルアセテート共重合体(EVA)等を主成分とする充填材で封入した構成としたものが一般的である。
特開平10−144943号公報
従来の太陽電池素子においては、高効率の太陽電池素子を作製するためには、電極部における抵抗損失を抑える必要がある。アルミニウム等を主成分とする電極を塗布して形成した裏面集電部6の一部と重ね合わせて銀等を主成分とする電極材料を塗布して裏面出力取出部7を形成し焼成されるが、銀とアルミニウムの接触抵抗を下げるために銀とアルミニウムとの接触面積を増やすことによって抵抗損失を抑えることができるが、裏面集電部6と裏面出力取出部7に用いられる金属の熱収縮率の違いから、焼成過程において裏面出力取出部を構成する金属の収縮によって裏面集電部上の裏面出力取出部が剥がれやすくなり、裏面電極5における抵抗損失が大きくなり電気特性が低下するという問題があった。
このような問題点に対して、銀からなる裏面出力取出部に複数の細線で構成された細線部分を取り付け、この細線部分を半導体基板裏面上に形成し、その上にアルミニウムからなる裏面集電部を重ねるという技術が特許文献1に開示されている。これは、主に上記複数の細線に対して熱的な応力を分散し、太陽電池素子を割れにくくする目的で用いられる技術である。この場合、複数の細線で構成された細線部分の上に裏面集電部を設けることで、裏面集電部を印刷塗布する際に、印刷面が複雑な凹凸を持つために、印刷性が悪く、場合によっては半導体基板が割れる可能性があった。また細線部の焼成が十分でない場合には、銀電極中にアルミニウムが入り込むため、線抵抗が高くなり十分な電気特性を得ることができないといった問題もあった。
したがって、上述のような問題を有する従来の太陽電池素子を用いて構成された太陽電池モジュールも信頼性に欠け、電気的な性能も十分なものではなかった。
本発明は、このような従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、裏面電極における裏面集電部上の裏面出力取出部の剥離を防止するとともに、安定した電気特性を実現できる太陽電池素子を提供するとともに、この太陽電池素子を用いた高信頼性かつ高性能な太陽電池モジュールを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、明細書のように太陽電池素子は、受光面と非受光面とを有する半導体基板と、前記受光面の側に設けられた表面電極と、前記非受光面の側に、所定の開口部を除いて略全面に設けられたアルミニウムを主成分とする裏面集電部と、少なくとも一部が前記開口部内に位置する銀を主成分とする裏面出力取出部と、少なくとも一部が前記裏面集電部上に重ねられて形成されるとともに、前記を主成分とし、0.05mm以上0.5mm以下の線幅を有する細線部と、を備えた太陽電池素子であって、前記細線部は、前記裏面出力取出部に直接接続されている第一細線を含み、前記裏面出力取出部及び前記細線部と、前記裏面集電部との接触部の周囲長をA(mm)、前記裏面集電部の面積をB(mm )としたとき、A/B(mm −1 )が0.01以上1.6以下となるようにしたものである
このように、裏面集電部上に細線部を設けることによって、裏面出力取出部と細線部とを構成する金属の収縮応力が分散される。ここで細線部の線幅を0.05mm以上0.5mm以下の範囲とすることで、裏面集電部上でのパターン面積を最適な範囲とし、裏面集電部との間にかかる応力を低減することができるから、裏面出力取出部の剥離を起こりにくくすることができる。
さらに、裏面集電部によって集められた電流は、特に細線部の周縁部から効率的に取り出され、第一細線を経て裏面出力取出部へと流れるので、裏面電極全体の抵抗損失が抑えられ、電気特性の低下を防ぐことができる。
明細書のように太陽電池素子は、前記裏面出力取出部は、前記裏面集電部と0.5mm以下の幅で重ね合わされて成るようにした。裏面出力取出部と裏面集電部との重なり部分の幅をこの範囲とすることで、相互の導通を良好に確保しつつ、裏面出力取出部の剥離をより効果的に防ぐことができる。同時に、細線部によって収縮応力を分散できるので、裏面出力取出部の剥離防止効果が更に高まる。
明細書のように陽電池素子は、前記裏面出力取出部は、前記裏面集電部の前記開口部内に、前記裏面集電部と重ならないように設けられるともに、前記細線部を介して、前記裏面集電部と電気的に接続されるようにしたので、裏面出力取出部が半導体基板のみと接するようになり、電極強度を向上させ、裏面出力取出部の剥離を良好に減少させることができる。
明細書のように太陽電池素子は、前記第一細線は、複数箇所において前記裏面出力取出部と接続されるようにしたので、細線部から裏面出力取出部への抵抗損失を抑え、良好な
電気特性を得ることができる。さらに、複数箇所において、裏面出力取出部と細線部とを構成する金属の収縮応力を分散させることができ、これらが裏面集電部から剥離することを有効に抑止できる。
明細書のように太陽電池素子は、前記細線部は、前記細線部は、前記裏面出力取出部の複数箇所に接続された複数の前記第一細線と交点を有し、裏面から見て前記裏面出力取出部の長手方向に平行な第二細線を含むようにした。細線部を構成する金属の収縮応力が多方向に分散されるため、裏面集電部にかかる応力をさらに低減することができ、裏面集電部からの細線部の剥離防止に有効である。
明細書のように太陽電池素子は、前記裏面出力取出部と、前記第一細線と前記第二細線との交点との距離が0.05mm以上5mm以下となるようにした。この範囲としたことから、これらの細線部を印刷によって形成する場合に、にじみやムラ等の問題を防止しつつ、良好に細線部を構成する金属の収縮応力を分散させることができる。
明細書のように太陽電池素子は、前記裏面出力取出部及び前記細線部と、前記裏面集電部との接触部の周囲長をA(mm)、前記裏面集電部の面積をB(mm)としたとき、A/B(mm−1)が0.01以上1.6以下となるようにした。裏面集電部によって集められた電流は、から構成された、裏面出力取出部及び細線部の周縁部から効率的に取り出されるので、裏面出力取出部及び細線部と、裏面集電部との接触部の周囲長Aが長ければ、抵抗損失を抑えて効率的に集電することができる。しかしながら、特に細線部の周縁部は収縮が大きいため、この周囲長Aが大きくなりすぎると半導体基板の反りにつながる。ここで、前記接触部の周囲長Aを裏面集電部の面積Bによって割った比率A/B(mm−1)を本発明の範囲とすることによって、反りの影響と抵抗損失の影響とを相互に抑制し、良好な結果を得ることができる。なお、この接触部の周囲長としては、非受光面側から平面視した形状の周囲長と見なせば良い。
明細書のように太陽電池素子は、前記裏面出力取出部は、その内側に外方に対して開口部が設けられるようにした。このように裏面出力取出部に開口部を設けた構成とすれば、この裏面出力取出部をスクリーン印刷によって形成した場合、この開口部に対応するスク
リーンのマスクによって、基板とスクリーンとの間隔が一定に保持した状態でスクリーン印刷されるため、裏面出力取出部を構成する電極材料を厚く印刷でき、電極強度を向上させることができる。
明細書のように太陽電池素子は、前記裏面出力取出部及び/又は前記細線部は、前記アルミニウムを含むようにした。各部位を構成する金属の熱収縮率の違いを緩和することができ、裏面集電部からの細線部の剥離を防止することができるからである。
明細書のように太陽電池モジュールは、本発明の太陽電池素子を含むようにしたので、これらの太陽電池素子同士をタブによって相互に接続した時に、素子の裏面出力取出部が剥離しにくく、高い信頼性を有するものとなる。同時に抵抗損失が少なく安定した高い電気特性を有する本発明の太陽電池素子を含んでいるため、高性能な太陽電池モジュールとなる。
以上のように本発明の太陽電池素子は、受光面と非受光面とを有する半導体基板と、前記受光面の側に設けられた表面電極と、前記非受光面の側に、所定の開口部を除いて略全面に設けられたアルミニウムを主成分とする裏面集電部と、少なくとも一部が前記開口部内を通るように形成されたを主成分とする裏面出力取出部と、少なくとも一部が前記裏面集電部上に重ねられて形成されるともに、前記を主成分とし、0.05mm以上0.5mm以下の線幅を有する細線から構成された細線部と、を備えた太陽電池素子であって、前記細線部は、前記裏面出力取出部に直接接続されている第一細線を含み、前記裏面出力取出部及び前記細線部と、前記裏面集電部との接触部の周囲長をA(mm)、前記裏面集電部の面積をB(mm )としたとき、A/B(mm −1 )が0.01以上1.6以下となるようにした
このように、裏面集電部によって集められた電流を、抵抗損失を抑えて、細線部から裏面出力取出部に取り出すことができるため、裏面電極全体の抵抗損失が抑えられ、電気特性の低下を防ぐことができる。また、裏面出力取出部、細線部を構成する金属の収縮応力が分散され、また電極の線幅を上記範囲とすることで、裏面集電部上でのパターン面積を小さくし、裏面集電部にかかる応力を低減することができる。
このような本発明の太陽電池素子を含んで構成された本発明の太陽電池モジュールは、太陽電池素子の裏面出力取出部が剥離しにくく、これらの太陽電池素子を相互にタブによって接続した時に高い信頼性を有するものとなり、同時に、高性能な太陽電池モジュールとなる。
以下、本発明に係る太陽電池素子の実施の形態について添付図面に基づき詳細に説明する。
図5は本発明の太陽電池素子の断面構造を示す概略図であり、図6は図5に示した太陽電池素子の表面電極を示す上視図、図1(a)、(b)は本発明に係る裏面電極の例を示す下視図を示したものである。
なお、図中、1は半導体基板、2は逆導電型拡散領域、3は反射防止膜、4は表面電極、5は裏面電極、6は裏面電極5の一部である裏面集電部、7は裏面電極5の一部である裏面出力取出部、8は細線部、9は裏面電界領域、を示す。
先に、図5に示す太陽電池素子の一般的な作用について簡単に説明する。
太陽電池素子の受光面側である反射防止膜3の側から光が入射すると、主にp型半導体である半導体基板1のバルク領域で吸収・光電変換されて電子−正孔対(電子キャリア及び正孔キャリア)が生成される。この光励起起源の電子キャリア及び正孔キャリア(光生成キャリア)によって、太陽電池素子の表側に設けられた表面電極4と、裏側に設けられた裏面電極5との間に光起電力を生ずる。なお、反射防止膜3は反射防止膜となる膜の屈折率と膜厚とによって所望の光波長領域で反射率を低減させて、光生成キャリア量を増大させる役割を果たし、太陽電池素子の光電流密度Jscを向上させる。
また通常、半導体基板であるシリコンに対してp型不純物元素として作用するアルミニウムをシリコン基板の非受光面側である裏面に拡散させ、シリコン基板の裏面側表層部にp領域となった裏面電界領域9が形成されている。裏面電界領域9は、BSF(Back Surface Field)領域とも呼ばれ、半導体基板1の裏面近くで光生成キャリアによる再結合による効率の低下を防ぐ。そのため半導体基板1の裏面近くで発生した光生成キャリアが、この電界によって加速される結果、電力が有効に取り出されることとなり、特に長波長の光感度が増加する。この結果、光電流密度Jscが向上し、またこの裏面電界領域9では少数キャリア(電子)密度が低減されるので、裏面電極5に接する領域でのダイオード電流量(暗電流量)を低減する働きをすることで、開放電圧Vocが向上する。
次に上述の構造を有する太陽電池素子の製造工程について説明する。半導体基板1は、単結晶又は多結晶シリコン等からなる。この半導体基板1として半導体シリコンを用いる場合、ボロン(B)等のp型の導電型を呈する半導体不純物を1×1016〜1018atoms/cm程度含有し、比抵抗0.2〜2.0Ω・cm程度の基板が好適に用いられる。単結晶シリコン基板の場合は引き上げ法等によって形成され、多結晶シリコン基板の場合は鋳造法等によって形成される。多結晶シリコン基板は、大量生産が可能であり製造コスト面で単結晶シリコン基板よりも有利であるので、ここでは多結晶シリコンを用いた例によって説明する。
多結晶シリコンのインゴットは、例えば、鋳造法によって形成され、10cm×10cm又は15cm×15cm程度の大きさに切断され、500μm以下、より好ましくは350μm以下の厚みにスライスして、半導体基板1とする。なお、基板の切断面の機械的ダメージ層や汚染層を清浄化するために表面をNaOHやKOHあるいは、フッ酸やフッ硝酸等でごく微量エッチングすることが望ましい。
その後、ドライエッチング方法やウェットエッチング方法を用いて、シリコン基板の表面に微小な突起を形成するのが望ましい。
次に、半導体基板1を拡散炉中に配置して、オキシ塩化リン(POCl)等の不純物元素を含むガス中で熱処理することによって、半導体基板1の外表面部分にリン原子を拡散させてシート抵抗が30〜300Ω/□程度、厚みが0.2〜0.5μm程度のn型の導電型を呈する逆導電型拡散領域2を形成する。
そして太陽電池素子の受光面側である、半導体基板1の表面側の逆導電型拡散領域2を残して他の部分を除去した後、純水で洗浄する。この除去方法としては、例えば、半導体基板1の表面側にフッ酸に耐性を有するレジスト膜を塗布し、フッ酸と硝酸の混合液を用いてこのシリコン基板1の表面側以外の逆導電型拡散領域をエッチング除去した後、レジスト膜を除去すれば良い。
次に、半導体基板1の受光面側に反射防止膜3を形成する。この反射防止膜3は例えば窒化シリコン膜、酸化シリコン膜等から成り、例えば窒化シリコン膜はシラン(SiH)とアンモニア(NH)との混合ガスをグロー放電分解でプラズマ化させて堆積させるプラズマCVD法等で形成される。この反射防止膜3は、半導体基板1との屈折率差等を考慮して、屈折率が1.8〜2.3程度になるように形成され、厚み500〜1000Å程度の厚みに形成される。このように窒化シリコン膜を、水素プラズマの存在下で成膜して形成した場合、パッシベーション効果も同時に有するので、反射防止の機能と併せて、太陽電池の電気特性を向上させる効果がある。
次に表面電極4と、裏面集電部6と裏面出力取出部7と細線部8から構成される裏面電極5を以下のようにして形成する。
裏面電極5を構成する裏面集電部6は、例えばアルミニウム粉末等からなる金属を主成分とし、有機ビヒクルとガラスフリットをアルミニウム100重量部に対してそれぞれ10〜30重量部、0.1〜5重量部添加してペースト状にしたアルミニウムを主成分とする電極材料を用いる。具体的な形状としては、例えば、図1に示すように、後述する裏面出力取出部7を形成する部位を除いた開口部を設けて裏面のほぼ全面とする。塗布方法と
しては、スクリーン印刷法等の周知の方法を用いることができ、塗布後、所定の温度で溶剤を蒸散させて乾燥させる。
裏面電極5を構成する裏面出力取出部7と細線部8及び表面電極4は、アルミニウムより半田濡れ性の良い金属材料、例えば銀粉末等を主成分とし、有機ビヒクルとガラスフリットを銀100重量部に対してそれぞれ10〜30重量部、0.1〜5重量部を添加してペースト状にしたを主成分とする電極材料を用いる。
なお、表面電極4については、図6に示すように、一般的な太陽電池素子として格子状に形成すれば良い。また、裏面出力取出部7と細線部8については、本発明に係る特徴的な構成を有しており、詳細については後述する。
これらの電極は、いずれもを主成分としているので、同時に形成することができる。なお、塗布方法としては、スクリーン印刷法等の周知の方法を用いることができ、塗布後、所定の温度で溶剤を蒸散させて乾燥させる。
上述のようにして塗布・乾燥した表面電極4、裏面電極5を、600〜800℃で1〜30分程度焼成する焼成工程を経ることによって、基板に対して電極を焼き付けて形成することができる。また、裏面集電部6を形成すると同時に、半導体基板1中にアルミニウムが拡散して、裏面で発生したキャリアが再結合することを防ぐ裏面電界領域9が形成される。なお、あらかじめ反射防止膜3の表面電極4に相当する部分をエッチングし、その箇所にを主成分とする電極材料(銀ペースト等)を塗布し焼成して逆導電型拡散領域2と導通を取るようにしても良いし、反射防止膜3の上に直接、を主成分とする電極材料(銀ペースト等)を塗布して焼成し、いわゆるファイアースルー法によって反射防止膜3を貫通させて逆導電型拡散領域2と導通を取るようにしても良い。
以上のようにして、太陽電池素子を作製することができる。
次に本発明に係る裏面出力取出部7と細線部8の構造について、図を参照しながら説明する。
本発明に係る裏面出力取出部7と細線部8の具体的な形状としては、例えば、図1(a)、図1(b)に示すように、裏面出力取出部7は、少なくとも一部が上述のアルミニウムを主成分とした裏面集電部6を塗布しなかった開口部内を通るように設けられる。なお、裏面出力取出部7の周縁部と裏面集電部6とを重ね合わせて形成しても良いが、後述するように、この重ね合わせる幅を0.5mm以下とすれば、相互の導通を良好に確保しつつ、裏面出力取出部7の剥離をより効果的に防ぐことができるから望ましい。
細線部8は、0.05mm以上0.5mm以下の線幅を有する細線から構成され、少なくとも一部が裏面集電部6上に重ねられて形成されている。この細線部8は、裏面出力取出部7に直接接続される部分を含んでおり、本発明では、この直接接続される部分を第一細線8aと定義する。なお、図1では、第一細線8aが裏面出力取出部7と略直交する方向に複数本、略等間隔で設けられた例によって説明しているが、これに限るものではなく、後述するように様々な態様で存在し得る。
図2に本発明の効果を説明するため、本発明に係る裏面電極において、電流が流れる様子を模式的に表した断面模式図を示す。図2に示すように裏面集電部6によって集められた電流は、裏面出力取出部7(裏面集電部6と重ね合わされている場合)の周縁部や細線部8を構成する細線の周縁部から取り出されると考えられる。そのため、特に細線部を構成する細線の線幅を細くしても、細線部8を構成する金属と裏面集電部6を構成する金属との接触抵抗は大きくなることがないため、本発明の太陽電池素子は、このように裏面集電部6に重ねて設けた、0.05mm以上0.5mm以下の線幅を有する細線から構成される細線部8によって、効率的に電流を集めることができるので、、裏面電極5全体の抵抗損失をさらに抑え、電気特性の低下を防ぐことができる。
さらに、従来の太陽電池素子では、裏面集電部6と裏面出力取出部7、細線部8に用いられる金属の熱収縮率の違いから、焼成過程における裏面出力取出部7、細線部8を構成する金属の収縮によって裏面集電部6に応力がかかっていた。しかし、本発明に係る太陽電池素子は、裏面集電部6上に上述のような細線部8を設けることによって、裏面出力取出部7、細線部8を構成する金属の収縮応力が分散される。ここで細線部の線幅を0.05mm以上0.5mm以下の範囲とすることで、裏面集電部6上でのパターン面積を小さくし、裏面集電部6との間にかかる応力を低減することができる。これにより、裏面集電部6からの細線部8の剥離を防止することができ、裏面出力取出部7の剥離を起こりにくくすることができる。
なお、細線部8を構成する細線の線幅が0.05mmより細い場合には、裏面集電部6から裏面出力取出部7までの抵抗損失が大きくなり、電気特性が低下することがあるため細線の本数を増やす必要があり、さらにこれらの細線部を印刷によって形成する場合に、にじみやムラ等の印刷性に問題を生じる可能性がある。また、0.5mm以上の場合には、細線部8を構成する金属ペーストの収縮によって裏面集電部6にかかる応力を低減することができず、細線部8が剥がれ裏面電極5における抵抗損失が大きくなり電気特性が低下したり、剥離部分を起点にクラックが発生したりすることがある。
以上が、本発明に係る裏面出力取出部7と細線部8の基本構成である。次に、これらの好ましい実施形態について述べる。
図1(a)に示されるように、裏面集電部6と裏面出力取出部7とを重ねて設ける場合は、その重なり部分の幅を0.5mm以下としたほうが好ましい。重なり部分の幅をこの範囲とすることで、相互の導通を良好に確保しつつ、裏面出力取出部7の剥離をより効果的に防ぐことができる。同時に、本発明に係る細線部8を設けることによって、裏面出力取出部7、細線部8を構成する金属の収縮応力を分散できるので、裏面出力取出部7の剥離防止効果を更に高めることができる。
また、図1(b)に示されるように、裏面集電部6上には細線部8のみが形成されるようにしても良い。裏面集電部6の開口部内に裏面出力取出部7を設け、裏面出力取出部の一部が裏面集電部6と重ならないように形成されている。言い換えれば、裏面出力取出部7は、裏面集電部6の開口部6a内に、裏面集電部6と重ならないように設けられるともに、細線部8を介して、裏面集電部6と電気的に接続された構成となっている。このような構成にすることで、裏面出力取出部7の裏面集電部6からの剥離を効果的に減少させ、さらには裏面出力取出部7が半導体基板1のみと接するようになるため電極強度を向上させることができる。
また、図1(a)、図1(b)に示されるように、第一細線8aは、裏面出力取出部7と複数箇所において接続されるようにすると良い。このような構成にすることで、細線部8から裏面出力取出部7への抵抗損失を抑え、良好な電気特性を得ることができる。さらに、複数箇所において、裏面出力取出部7と細線部8とを構成する金属の収縮応力を分散させることができ、これらが裏面集電部6から剥離することを有効に抑止できる。なお、第一細線8aは、裏面出力取出部7に対して、0.05mmから5mmごとの間隔で接続するように設ければ、最適に応力を分散できることから望ましい。この範囲より小さいと、これらの細線部8を印刷によって形成する場合に、線間ににじみやムラ等が起こることがあり、この範囲よりも大きいと収縮応力を分散させる効果が少なくなるからである。
上述した、第一細線8aが複数設けられて裏面出力取出部7と複数箇所で接続される構成とした場合における、さらに好ましい例について、図3を用いて説明する。図3(a)は本発明に係る細線部の実施形態の一例を模式的に示す図であり、図3(b)は図3(a)のX部の部分拡大図である。この図3に示されるように、裏面出力取出部7と複数箇所で接続された複数の第一細線8aに対しては、互いに交点を有するように第二細線8bを具備することがより望ましい。細線部8を構成する金属の収縮応力が多方向に分散されるため、裏面集電部6にかかる応力をさらに低減することができ、裏面集電部6からの細線部8の剥離を防止することにより一層効果がある。なお、図3(b)に示される、裏面出力取出部7と、第一細線8aと第二細線8bとの交点との距離Dについては、0.05mm以上5mm以下となるようにすることが望ましい。交点間の距離Dが短ければ短いほど細線部8を構成する金属の収縮応力が分散されるが、交点間の距離Dが0.05mmより短い場合には、これらの細線部を印刷によって形成する場合に、にじみやムラ等の印刷性に問題を生じる可能性がある。交点間の距離Dが0.5mmよりも大きい時には、収縮応力を分散させる効果が少なくなる。
また、図3(b)に示すように、裏面出力取出部7及び細線部8と、裏面集電部6との接触部(図3(b)の斜線部)の周囲長をA(mm)、裏面集電部6(開口部6aを含まず)の全面積をB(mm)としたとき、A/B(mm−1)が0.01以上1.6以下となるようにする。A/B(mm−1)が0.01より小さい場合には、裏面集電部6から裏面出力取出部7までの抵抗損失が大きくなり、電気特性が低下することがある。また、1.6より大きい場合には、金属の熱収縮率の違いによって、半導体基板1の反り量が大きくなり、焼付け後のカセット収納や次工程での製造プロセスにおいて、自動機のハンドリングミス等が生じ易く、太陽電池素子の割れや欠けを発生させ、製造歩留まりの低下を招く可能性がある。
この接触部の周囲長Aを裏面集電部6の面積Bによって割った比率A/B(mm−1)の有する物理的な意味については、次のように推測する。
図2に示したように裏面集電部6によって集められた電流は、から構成された裏面出力取出部7及び細線部8の周縁部から効率的に取り出される。したがって、裏面出力取出部7及び細線部8と、裏面集電部6との接触部の周囲長Aが長ければ、抵抗損失を抑えて効率的に集電することができる。
しかしながら、裏面集電部6上に形成された、裏面出力取出部7及び細線部8は、その周縁部が収縮し収縮応力が蓄積しやすいため、この周縁部領域が大きくなると半導体基板1の反りにつながり、無制限にこの周囲長Aを長くすることは好ましくない。
そこで、発明者等は検討の結果、この周縁部領域が基板の反りや抵抗損失に影響する度合いを表す指数として、接触部の周囲長Aを主成分であるアルミニウムが半導体基板1上に二次元的に広がって存在している度合いを示す裏面集電部6の面積Bによって割った比率A/B(mm−1)が適切であることを見出した。この比率A/Bを上述した範囲とすることによって、半導体基板1の反りを抑えるのと同時に抵抗損失の影響を抑制し、良好な結果を得ることができる。
なお、上述した接触部の周囲長Aを裏面集電部6の面積Bによって割った比率A/B(mm−1)を本発明に規定される範囲としたとき、裏面集電部6上の細線部面積C(mm)を裏面集電部面積をB(mm)で割った面積比C/Bは、0.023以上とすることが望ましい。この範囲にすることによって、裏面集電部6によって集められた電流を、抵抗損失を抑えて、細線部8から裏面出力取出部7により確実に取り出すことができる。そのため、裏面電極5全体の抵抗損失が抑えられ、電気特性の低下を防ぐことができる。しかしながら、面積比C/Bが0.023より小さい場合には、裏面集電部6から裏面出力取出部7までの抵抗損失が大きくなり、電気特性を低下させる可能性がある。なお、この面積比C/Bの上限値については、前記比率A/Bの値と、細線部8を構成する細線の線幅(0.05〜0.5mm)の二つの関係から定まる。
本発明に係るその他の実施形態について、本発明に係る細線部8の実施形態のその他の例を模式的に示す図4(a)〜図4(d)を用いて説明する。
図4(a)では、裏面出力取出部7の内側に外方に対して開口部7aが設けている。このように裏面出力取出部7に開口部7aを設けた構成とすれば、この裏面出力取出部7をスクリーン印刷によって形成した場合、この開口部7aに対応するスクリーンのマスク部が間隔保持部材として作用するので、基板とスクリーンとの間隔が一定に保持された状態でスクリーン印刷される。したがって、加圧された印刷スキージによって裏面出力取出部7を構成する電極材料が除去されることを防止できる。その結果、裏面出力取出部7の中央部に対して凹部が発生することを防ぎ、電極材料を厚く印刷できるから電極強度を向上させることができる。
また、第一細線8aが複数設けられて裏面出力取出部7と複数箇所で接続される構成とする場合、図4(b)に示されるようにメッシュ状に形成することによって、金属の収縮応力が分散するポイントがより多数となるため望ましい。
さらに、裏面出力取出部7に接続された第一細線8a同士が相互に交わるようにしても良く、例えば、図4(c)に示されるような三角の形状とすることもできる。また、図4(d)に示されるように第一細線8aが曲線状に湾曲して、その両端が裏面出力取出部7に接続されるようにしても良い。又は、第一細線8aと交点を有する複数の細線によって、蜂の巣状(不図示)となるようにしても構わない。
さらに、裏面出力取出部7及び/又は細線部8はアルミニウムを含むようにすることが望ましい。具体的には、裏面出力取出部7及び/又は細線部8を形成する際に、塗布されるを主成分とする電極材料にアルミニウムを含有させれば良い。各部位を構成する裏面集電部6と裏面出力取出部7、細線部8に用いられる金属の熱収縮率の違いを緩和することができ、裏面集電部6からの細線部8の剥離を防止することができる。
なお、本発明の実施形態は上述の例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることはもちろんである。
例えば、上記に示した方法では表面電極4と裏面電極5(裏面集電部6と裏面出力取出部7、細線部8)を同時に焼成する、1回焼成によって電極を形成したが、複数の焼成工程によって電極を形成しても構わない。例えば2回焼成により、1回目の焼成工程で裏面電極5(裏面集電部6と裏面出力取出部7、細線部8)を形成し、2回目の焼成工程で表面電極4を形成しても良いし、1回目の焼成工程で裏面集電部6を形成し、2回目の焼成工程で裏面出力取出部7、細線部8と表面電極4を形成してもよく、それ以外の焼成の順番、組み合わせであっても構わない。また、電極材料を塗布した後の乾燥は、次の電極材料を塗布するときに印刷機の作業テーブルやスクリーンに前の電極材料が付着するといった問題がなければ省略しても構わない。
また、上述の説明では、裏面出力取出部7及び細線部8と、裏面集電部6との接触部の周囲長Aを求める時に、図3(b)に示した、裏面出力取出部7の周縁部が、裏面集電部6に対して重ね合わせられている例によって説明したが、これ以外に、例えば図1(b)に示されているように、裏面集電部6上にを主成分とする電極として細線部8の一部のみが形成されている場合にも同様に接触部の周囲長Aを求めることができる。ただし、この場合、裏面出力取出部7と裏面集電部6とが接触していないので、本発明に係る接触部は、細線部8の一部のみということになることに注意する必要がある。
次に、本発明に係る太陽電池モジュールについて説明する。図8は本発明の太陽電池モジュール18の製造プロセスを示すための模式的な断面構造図である。図に示すように、ガラスなどからなる透明部材12、透明のエチレンビニルアセテート共重合体(EVA)などからなる表側充填材13、銅箔等からなるタブ11によって隣接した太陽電池素子10の表面電極と裏面電極とを交互に接続された複数の太陽電池素子10、白色のEVAなどからなる裏側充填材14、ポリエチレンテレフタレート(PET)や金属箔をポリフッ化ビニル樹脂(PVF)で挟みこんだ裏面保護材15を順次積層して、ラミネータの中で脱気、加熱して押圧することによって、EVAが硬化重合し、各部材が一体化されて太陽電池モジュールを形成することができる。その後必要に応じてアルミニウムなどのフレーム(不図示)を周囲にはめ込む。さらに直列接続された複数の素子の最初の素子と最後の素子の電極の一端は出力取出部である端子ボックス17に、出力取出配線16によって接続される。
この太陽電池モジュール18を構成する太陽電池素子10として、上述した本発明の太陽電池素子を含むようにすることによって、これらの太陽電池素子10同士をタブ11によって相互に接続した時に、素子の裏面出力取出部7が剥離しにくく、高い信頼性を有するものとなる。同時に抵抗損失が少なく安定した高い電気特性を有する本発明の太陽電池素子を含んでいるため、本発明の太陽電池モジュール18は、高性能なものとなる。
なお、本発明の太陽電池モジュール18は、最低一つが本発明の太陽電池素子10を含んでいれば良い。全ての太陽電池素子が本発明に係る太陽電池素子であれば、最も良好に発明の効果を奏することができるので好ましい。
以上のようにして、本発明の太陽電池素子及びこれを用いた太陽電池モジュールを実現することができる。
図5に示されるように、厚さが250μmで、外形が15cm×15cmで、抵抗1.5Ω・cmの多結晶シリコンのp型の半導体基板1表面のダメージ層をNaOHでエッチングして洗浄した。次に、半導体基板1を拡散炉中に配置して、オキシ塩化リン(POCl)の中で加熱することによって、半導体基板1の表面にリン原子を1×1017atoms/cmの濃度となるように拡散させて、n型の逆導電型拡散領域2を形成した。その上にプラズマCVD法によって反射防止膜3となる厚み850Åの窒化シリコン膜を形成した。
この半導体基板1の裏面側に裏面集電部6を形成するために、アルミニウム粉末と有機ビヒクルとガラスフリットをアルミニウム100重量部に対してそれぞれ20重量部、3重量部を添加してペースト状にした電極材料をスクリーン印刷法によって、図1(b)に示されるようにほぼ裏面全面に塗布して乾燥させた。
そして、裏面側に裏面出力取出部7、細線部8を、表面側に表面電極4を形成するために、銀粉末と有機ビヒクルとガラスフリットを銀100重量部に対してそれぞれ20重量部、3重量部を添加してペースト状にした電極材料をスクリーン印刷法によって、図4(b)、図6に示される形状に塗布して乾燥させた。
その後、焼成炉に800℃で15分間焼き付けて、同時に表面電極4と裏面電極5を形成した。このとき、第一細線8aとして裏面出力取出部7に2mmごとの間隔で設けた。
そして、細線部の細線の幅を0.03mm〜0.6mmとして、本発明の範囲内、範囲外の試料をそれぞれ作製した。
さらに、裏面集電部6と細線部8の接触部の周囲長をA(mm)とし、裏面集電部面積をB(mm)としたとき、A/B(mm−1)が0.003〜1.8に変化させた試料についても作製した。
このようにして各条件を変更しながら、試料No.1〜25を作製した。さらに、上述に示した方法と同様にして、細線部8を設けない従来例の試料(試料No.26)についても作製した。得られた試料は、太陽電池素子の電気特性、細線部の剥離率、反り量を調査した。
なお、電気特性は太陽電池素子の受光面側に25℃、AM1.5相当の光を当てて、電流−電圧測定したものである。また、細線部の剥離率はJIS C8917に基づき温度サイクル試験を行った太陽電池素子において、細線部8の裏面集電部6から剥離する割合であり、細線部8の裏面集電部6から剥離する割合とは、裏面出力取出部7と接する細線全本数に対する剥離した細線の本数によって示される。さらに、反り量は半導体基板1の厚さ方向における最底部と最上部との間の寸法である。
Figure 0004688509
表1により、細線部を設けた試料No.1〜No.25はいずれも、細線部を設けない従来例の試料No.26に比べて、出力特性のFF値、出力が高くなり、発明の効果が確認された。
細線部を設けた試料であっても、本発明の範囲外である、細線部の細線の線幅が0.6mmである試料No.21〜25においては、細線部の剥離率が93%以上と高い値であり、剥離率において不満足な結果となった。また、本発明の範囲外である、細線部の細線の線幅が0.05mmより小さい0.03mmである試料No.1〜5においては、出力特性のFF値、出力が高いものでも0.656、2.981Wと低い値であり、出力特性において従来例よりは良好であるが、全体として不満足な結果となった。
これに対して、細線部の線幅が本発明の範囲内(0.05〜0.5mm)である試料No.1〜20においては、細線部の剥離率については高いものでも16%であり、剥離率において良好な結果となった。また、出力特性のFF値、出力については、低いものでも0.703、3.219Wであり、良好な結果となった。
次に、本発明の範囲内(細線部の細線の線幅が0.05〜0.5mm)の試料No.6〜No.20について、A/B(mm−1)の値の範囲について検証した結果を述べる。
A/B(mm−1)が0.003である試料No.6、11、16においては、出力特性のFF値、出力が高いものでも0.723、3.334Wと若干低い値であり、やや不満足な結果となった。また、A/B(mm−1)が1.6よりも大きい1.8である試料10、15、20においては、反り量が2.5mm以上とやや高い値であり、若干不満足な結果となった。
これに対して、A/B(mm−1 )が0.01〜1.6である試料No.7〜9、12〜14、17〜19において、細線部の剥離率、出力特性、反り量において良好な結果が得られた。
以上の結果から、本発明の効果を確認することができた。
(a)、(b)は本発明に係る太陽電池素子の電極パターンを裏面側から見た下視図である。 本発明に係る太陽電池素子の裏面電極において、電流が流れる様子を模式的に表した断面模式図である。 (a)は本発明に係る太陽電池素子の裏面電極の裏面出力取出部、細線部を示す拡大図であり、(b)は(a)のX部の部分拡大図である。 (a)、(b)、(c)、(d)は本発明に係る太陽電池素子の裏面電極の裏面出力取出部、細線部の実施形態の例を示す拡大図である。 一般的な太陽電池素子の断面の構造を示す図である。 一般的な太陽電池素子の電極パターンを表面側から見た上視図である。 従来の太陽電池素子の電極パターンを裏面側から見た下視図である。 本発明の太陽電池モジュールの製造プロセスを示すための模式的な断面構造図である。
符号の説明
1:半導体基板(シリコン基板)
2:逆導電型拡散領域
3:反射防止膜
4:表面電極
5:裏面電極
6:裏面集電部
6a:開口部
7:裏面出力取出部
7a:開口部
8:細線部
8a:第一細線
8b:第二細線
9:裏面電界領域
10:太陽電池素子
11:タブ
12:透明部材
13:表側充填材
14:裏側充填材
15:裏面保護材
16:出力取出配線
17:端子ボックス
18:太陽電池モジュール
A:裏面集電部上と、裏面出力取出部及び細線部との接触部の周囲長(mm)
B:裏面集電部の面積(mm
C:裏面集電部上の細線部面積(mm
D:裏面出力取出部と、第一細線と第二細線の交点との間の距離(mm)

Claims (9)

  1. 受光面と非受光面とを有する半導体基板と、
    前記受光面の側に設けられた表面電極と、
    前記非受光面の側に、所定の開口部を除いて略全面に設けられたアルミニウムを主成分とする裏面集電部と、
    少なくとも一部が前記開口部内に位置する銀を主成分とする裏面出力取出部と、
    少なくとも一部が前記裏面集電部上に重ねられて形成されるとともに、前記を主成分とし、0.05mm以上0.5mm以下の線幅を有する細線部と、
    を備えた太陽電池素子であって、
    前記細線部は、前記裏面出力取出部に直接接続されている第一細線を含み、
    前記裏面出力取出部及び前記細線部と、前記裏面集電部との接触部の周囲長をA(mm)、前記裏面集電部の面積をB(mm )としたとき、A/B(mm −1 )が0.01以上1.6以下となるようにした太陽電池素子。
  2. 前記裏面出力取出部は、前記裏面集電部と0.5mm以下の幅で重ね合わされて成る請求項1に記載の太陽電池素子。
  3. 前記裏面出力取出部は、前記裏面集電部の前記開口部内に、前記裏面集電部と重ならないように設けられるともに、前記細線部を介して、前記裏面集電部と電気的に接続されるようにした請求項1に記載の太陽電池素子。
  4. 前記第一細線は、複数箇所において前記裏面出力取出部と接続される請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の太陽電池素子。
  5. 前記細線部は、前記裏面出力取出部の複数箇所に接続された複数の前記第一細線と交点を有し、裏面から見て前記裏面出力取出部の長手方向に平行な第二細線を含む請求項4に記載の太陽電池素子。
  6. 前記裏面出力取出部と、前記第一細線と前記第二細線との交点との距離が0.05mm以上5mm以下となるようにした請求項5に記載の太陽電池素子。
  7. 前記裏面出力取出部は、その内側に外方に対して開口部が設けられた請求項1乃至請求項のいずれか一項に記載の太陽電池素子。
  8. 前記裏面出力取出部及び/又は前記細線部は、前記アルミニウムを含む請求項1乃至請求項のいずれか一項に記載の太陽電池素子。
  9. 請求項1乃至請求項のいずれか一項に記載の太陽電池素子を含む太陽電池モジュール。
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