JP4686931B2 - 超極細同軸ケーブル - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、医療機器用ケーブル等に使用される超極細同軸ケーブルに係り、特に、中心導体として単線の銅合金線を用い、そのめっき厚さを調節して電気特性、屈曲特性、端末はんだ付け性の向上を図った超極細同軸ケーブルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
医療機器、電子機器、ICテスタの小型化に伴い、それらに使用されるケーブルも細径化が進んでいる。特に、外径が数十μmの超極細同軸ケーブルを数百本より合わせてなる超音波診断装置用ケーブルでは、外径は従来と同等で線芯数を多くしたケーブルが求められている。
【0003】
従来の超極細同軸ケーブルの中心導体には、線径が30μmの銅合金線(例えば、Cu−0.3mass%Sn合金線)を7本より合わせた導体が広く用いられている。中心導体には、端末はんだ付け性を良好にするため、スズ、もしくは銀がめっきされている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題 】
従来の超極細ケーブルのように、中心導体により線を使用した場合の細径化の限界は、線径が16μmの素線を7本より合わせた外径が約46μmの中心導体である。中心導体の外径の限界は、言い換えれば、46AWG(American Wire Gauge:アメリカ式針金ゲージ)サイズである。中心導体を単線で構成すれば、さらに細径化が図れると共に、生産性が大幅に向上する。
【0005】
しかしながら、中心導体に単線を用いると屈曲特性が低下するという問題があり、可動部配線への使用には慎重に対応しなければならない。
【0006】
そこで、本発明の目的は、中心導体に単線を使用し、かつ電気特性、屈曲特性、端末はんだ付け性が良好な超極細同軸ケーブルを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するために創案されたものであり、請求項1の発明は、単線の銅合金線の外周に、厚さが1μm以上3μm以下の銀系、スズ系、又はニッケル系からなるめっき層を形成して線径が40μm以上80μm以下の中心導体とし、該中心導体の外周を絶縁体で被覆してなるコアを2心並列に配置し、該2心のコアを一括して覆うように横巻きのシールド導体を設け、該シールド導体の外周をジャケットで被覆してなる超極細同軸ケーブルであって、前記横巻きシールド導体の横巻きピッチを前記コア外径の2倍と前記シールド導体の素線径との和の10〜20倍とすると共に、前記ジャケットを被覆したときの超極細同軸ケーブルの断面における長軸方向の外径が0.32mm以上1.0mm以下である超極細同軸ケーブルである。
【0008】
請求項2の発明は、単線の銅合金線は、Cu−xmass%Ag合金、Cu−xmass%Nb合金、Cu−xmass%Cr合金、Cu−xmass%Fe合金(x=5〜20)のいずれかの材料を用いてなり、1000MPa以上の引張強さを有する請求項1記載の超極細同軸ケーブルである。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の参考形態、好適実施の形態を添付図面にしたがって説明する。
【0012】
図1は、本発明の参考形態である超極細同軸ケーブルの断面図を示したものである。
【0013】
図1に示すように、本発明の参考形態に係る超極細同軸ケーブル1は、例えば、医療機器、電子機器、ICテスタなどに使用されるものであり、より詳細には、数百本より合わせられて超音波診断装置用ケーブルとして使用されるものである。
【0014】
超極細同軸ケーブル1は、単線の銅合金線2の外周に、厚さが1μm以上の銀からなるめっき層3を形成して線径φiが80μm以下、好ましくは40mm以下の中心導体4とし、中心導体4の外周を絶縁体5で被覆し、絶縁体5の外周にシールド導体6を設け、シールド導体6の外周をジャケット7で被覆したものである。この超極細同軸ケーブル1は、中心導体4の外周を絶縁体5で被覆したコア8が1心からなっており、断面が円形状となっている。
【0015】
単線の銅合金線2には、屈曲特性を考慮して、例えば、1000MPa以上の引張強さを有するものを用いている。屈曲特性は、曲げひずみが小さい領域では引張強さが大きいほど良好なためである。引張強さが1000MPa未満では、従来から使用されているCu−0.3mass%Sn合金線との優位差が明確に現れないためである。これを満足する単線の銅合金線2は、高強度・高導電材料である繊維強化型銅合金が望ましい。具体的には、Cu−xmass%Ag合金、Cu−xmass%Nb合金、Cu−xmass%Cr合金、Cu−xmass%Fe合金(x=5〜20)等が挙げられる。
【0016】
めっき層3として銀めっきを使用すると、めっき層3の導電性が高く電気特性が良好であるという利点がある。めっき層3としては、銀めっきのみならず、Snめっき系、Niめっき系でもケーブル1の屈曲特性は向上するが、電気特性に関しては銀が最も優れている。はんだ付け性については、銀めっき、Snめっき系、Niめっき系とも同等である。
【0017】
めっき層3の厚さを1μm以上としたのは、めっき3層が薄いと耐食性が低下し、端末はんだ付け性が低下するためである。さらに好ましくは、めっき層3の厚さを2μm以上とするのが良い。また、めっき層の厚さは3μm以下とするのが好ましい。めっき層3をあまり厚く形成すると、コストアップになるためと、線材強度が低下するためである。したがって、めっき層3の厚さは、性能面とコスト面を考慮すれば、2μm以上3μm以下が好ましい範囲である。
【0018】
絶縁体5は、中心導体4を絶縁するためのものである。絶縁体5としては、例えば、充実フッ素樹脂を使用している。具体的には、四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン共重合体(FEP:Copolymer of Tetrafluoroethylene and Hexafluoropropylene)、四フッ化エチレン・パーフロロプロピルビニルエーテル共重合体(PFA:Copolymer of Tetrafluoroethylene and Perfluoroalkoxy)、エチレン・四フッ化エチレン共重合体(ETFE:Copolymer of Ethylene and Tetrafluoroethylene)などが挙げられる。
【0019】
中心導体4の外周を絶縁体5で被覆したコア4の外径φcは0.1mmである。中心導体4の外径φiは0.04mmで、絶縁体5の肉厚は0.03mmである。
【0020】
シールド導体6は、ノイズを除去するためのものである。シールド導体6としては、例えば、絶縁体5の外周に、多数本の銀めっき銅合金線6a,6b…を所定ピッチでらせん状に横巻して形成される横巻シールドを用いている。銀めっき銅合金線6a,6b…は、銀めっき厚さが0.8μm、線径φsが0.02mmのCu−0.3mass%Sn合金線である。
【0021】
ジャケット7は、ケーブル1の防水や機械的保護のためのものである。ジャケット7としては、例えば、FEPを用いている。ジャケット7の肉厚は0.02mmである。
【0022】
本発明の参考形態に係る超極細ケーブル1のジャケットを被覆したときの外径φは、0.18mmであり、0.2mm以下となるようにしている。外径φを0.2mm以下にしたのは、外径φが0.2mmよりも太い場合は剛性が大きくなるので、ケーブル1をより合わせて超音波診断装置用ケーブルなどの製品にした際に、超音波診断装置用ケーブルなどが硬くなって取り扱い性が悪くなるからである。
【0023】
本発明の参考形態の特徴は、中心導体として単線の銅合金線を使用してケーブルの一層の細径化を図り、さらに単線の合金線の外周に厚さが1μm以上のめっき層を形成してケーブルの電気特性、屈曲特性、端末はんだ付け性の向上を図ったことにある。
【0024】
次に、本発明の参考形態に係る超極細同軸ケーブル1の電気特性、屈曲特性、端末はんだ付け性を評価するべく、めっき層3として銀めっきを用い、その銀めっき厚さを変えた5つのサンプルを作製した。
【0025】
本発明の参考形態に係るケーブル1として、中心導体4に銀めっき厚さが1.0μm、線径φiが0.04mmの銀めっきCu−5mass%Ag合金線を使用し、図1で説明した構造の超極細同軸ケーブルを作製した。
【0026】
さらに、本発明の参考形態に係るケーブル1として、中心導体4に銀めっき厚さが2.0μm、線径φiが0.04mmの銀めっきCu−5mass%Ag合金線を使用し、図1で説明した構造の超極細同軸ケーブルを作製した。
【0027】
また、これら銀めっき厚さが1.0μmのケーブル1と銀めっき厚さが2.0μmのケーブル1との比較のために、比較例1〜3としての超極細同軸ケーブルを作製した。比較例1は、中心導体に線径φiが0.04mmのCu−5mass%Ag合金裸線を使用したケーブルである。比較例2は、中心導体に銀めっき厚さが0.3μm、線径φiが0.04mmの銀めっきCu−5mass%Ag合金線を使用したケーブルである。比較例3は、中心導体に銀めっき厚さが0.6μm、線径φiが0.04mmの銀めっきCu−5mass%Ag合金線を使用したケーブルである。
【0028】
まず、電気特性を評価する。
【0029】
図2は、本発明の参考形態に係る超極細同軸ケーブル1と比較例1〜3のケーブルの電気特性を、横軸を対数目盛の周波数(MHz)にとり、縦軸を減衰量(dB/m)にとって示した図である。電気特性は、周波数ごとの減衰量を比較した際に、減衰量の値が大きいほど良好である。
【0030】
図2では、本発明の参考形態に係る銀めっき厚さが2.0μmのケーブル1を白丸プロットの実線で、本発明の参考形態に係る銀めっき厚さが1.0μmのケーブル1を黒丸プロットの点線でそれぞれ表している。また、比較例3の銀めっき厚さが0.6μmのケーブルを四角プロットの実線で、比較例2の銀めっき厚さが0.3μmのケーブルを黒四角プロットの点線で、比較例1の銀めっきがないケーブルをひし形プロットの実線でそれぞれ表している。
【0031】
図2に示すように、本発明の参考形態に係る銀めっき厚さが2.0μmのケーブル1は、いずれの周波数においても減衰量の値が最も大きく、本発明の参考形態に係る銀めっき厚さが1.0μmのケーブル1は、いずれの周波数においても減衰量の値が2番目に大きく、比較例1〜3のケーブルよりも電気特性が良好であることがわかる。
【0032】
ここで、電気特性をより詳細に評価するため、ある周波数において銀めっき厚さが0μmのときの減衰量をA0 、銀めっき厚さがxμmのときの減衰量をAX としたとき、減衰量の差A0 −AX の値を比較した。
【0033】
図3は、本発明の参考形態に係る超極細同軸ケーブル1と比較例1〜3のケーブルの電気特性を、横軸を対数目盛の周波数(MHz)にとり、縦軸を減衰量の差A0 −AX (dB/m)にとって示した図である。電気特性は、周波数ごとの減衰量の差を比較した際に、減衰量の差が小さいほど良好である。図3で表している記号は、図2と同じである。
【0034】
図3に示すように、本発明の参考形態に係る銀めっき厚さが2.0μmのケーブル1は、いずれの周波数においても減衰量の差が最も小さく、電気特性が非常に良好であることがわかる。特に、周波数が高くなるにつれて減衰量の差が急激に小さくなり、周波数が100MHz近辺では減衰量の差が−0.3dB/mとなって電気特性が非常によい。
【0035】
本発明の参考形態に係る銀めっき厚さが1.0μmのケーブル1は、いずれの周波数においても減衰量の差が2番目に小さく、やはり電気特性が良好であることがわかる。特に、周波数が100MHz近辺では減衰量の差が−0.13dB/mとなって電気特性がよい。
【0036】
一方、比較例1〜3のケーブルは、銀めっき厚さが薄くなるにつれて減衰量の差が大きくなっており、電気特性が悪くなっている。これにより、銀めっき厚さが厚いほど電気特性が良好となることがわかる。
【0037】
次に、屈曲特性を評価する。
【0038】
図4は、本発明の参考形態に係る超極細同軸ケーブル1と比較例1〜3のケーブルの屈曲特性と、単線の銅合金線の外周に銀めっきを形成した中心導体(素線)の屈曲特性とを、横軸を銀めっき厚さ(μm)にとり、縦軸を屈曲寿命(回)にとって示した図である。図4では、本発明の参考形態と比較例1〜3の同軸ケーブルにおける屈曲特性を白丸プロットの点線で、素線における屈曲特性を黒丸プロットの実線でそれぞれ表している。
【0039】
屈曲試験は、ケーブル端末に50gfの荷重をかけ、曲げr=2mm、速度30cycle/minの条件で左右90度曲げ試験を行い、中心導体が破断するまでの回数を評価した。
【0040】
図4に示すように、本発明の参考形態に係る銀めっき厚さが2.0μmのケーブル1は、屈曲寿命が9000回以上であり、屈曲特性が非常に良好であることが分かる。本発明の参考形態に係る銀めっき厚さが1.0μmのケーブル1は、屈曲寿命が6000回以上であり、やはり屈曲特性が良好である。
【0041】
一方、比較例1〜3のケーブルは、銀めっき厚さが薄くなるほど屈曲寿命が少なくなっており、屈曲特性が悪くなっている。これにより、銀めっき厚さが厚いほど屈曲特性が良好となることが分かる。また、素線の場合もケーブルと同様、銀めっき厚さが厚いほど屈曲特性が良好となる。
【0042】
はんだ付け性については、ケーブル端末のジャケット、外部シールド、絶縁体を除去して中心導体を露出させ、露出した中心導体を210℃に加熱されたはんだ槽に5sec浸漬させた後、中心導体の外観について走査電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)観察を行い、はんだが濡れているか否かを判定した。すなわち、中心導体の表面に、はんだがよくなじみ、均一で、凹凸がなく、滑らかに広がっているか否かを判定した。
【0043】
以上説明した電気特性、屈曲特性、端末はんだ付け性について総合評価を行った結果を表1に示す。総合評価の基準は、本発明の参考形態に係る銀めっき厚さが1.0μmのケーブル1の特性よりも良好な場合を○、同等の場合を△、劣る場合を×とした。
【0044】
【表1】
Figure 0004686931
【0045】
表1に示すように、本発明の参考形態に係る銀めっき厚さが2.0μmのケーブル1は、電気特性、屈曲特性、端末はんだ付け性の全てにおいて良好であり、総合評価で本発明の参考形態に係る銀めっき厚さが1.0μmのケーブル1よりも優れていることがわかる。
【0046】
一方、比較例1〜3のケーブルは、ほぼ全ての特性について、本発明の参考形態に係る銀めっき厚さが1.0μmのケーブル1よりも劣っていることがわかる。比較例2の銀めっき厚さが0.3μmのケーブルと比較例3の銀めっき厚さが0.6μmのケーブルとが、端末はんだ付け性において、本発明の参考形態に係る銀めっき厚さが1.0μmのケーブル1と同等であるに過ぎない。
【0047】
このように、本発明の参考形態に係る超極細同軸ケーブル1は、中心導体に同じ材料を用いた場合でも、そのめっき厚さをコントロールすることで、電気特性、屈曲特性、端末はんだ付け性を向上させることができる。
【0048】
また、中心導体として高強度の銅合金線を単線で使用し、そのめっき厚さをコントロールすることで、超極細同軸ケーブル1のさらなる細径化が可能になる。
【0049】
例えば、従来例では中心導体がより線導体であることから、中心導体の外径は46μmが限界だが、本発明の参考形態に係る超極細ケーブル1は中心導体が単線なので、中心導体の外径を40μm以下とすることも可能となり、生産性を大幅に向上させることができる。
【0050】
上記参考形態では、めっき層3として銀めっきを使用した例で説明したが、めっき層3としては、Sn系めっき、Ni系めっきを使用してもよい。
【0051】
めっき層3としてSn系めっきを使用する場合は、例えば、単線の銅合金線2の外周に、厚さが1.0μm以上のSn−Pbめっき、Snめっき、Sn−Cuめっき、Sn−Agめっき、Sn−Ag−Cuめっき、Sn−Ag−Cu−Biめっき、Sn−Ag−Cu−Inめっきのいずれかを形成して線径φiが0.08mm以下の中心導体4とし、図1で説明した超極細同軸ケーブル1と同じ構成の超極細同軸ケーブルとする。
【0052】
この場合、単線の銅合金線2の外周に厚いはんだめっき及び鉛フリーはんだめっきを形成しているので、ケーブルの屈曲特性を向上させると共に、端末はんだ付け性をさらに向上させることができる。
【0053】
また、めっき層3としてNi系めっきを使用する場合は、例えば、単線の銅合金線2の外周に、厚さが1.0μm以上のNiめっきまたはNi−Pめっきを形成して線径φiが0.08mm以下の中心導体4とし、図1で説明した超極細同軸ケーブル1と同じ構成の超極細同軸ケーブルとする。
【0054】
この場合、単線の銅合金線2の外周に厚いNiめっき及びNi−Pめっきを形成しているので、ケーブルの屈曲特性を向上させると共に、端末の耐食性をさらに向上させることができる。
【0055】
次に、本発明の実施の形態を説明する。
【0056】
上記参考形態では、中心導体の外周を絶縁体で被覆したコアが1心からなる超極細同軸ケーブルの例で説明したが、超極細同軸ケーブルは、1心のコアに限られるものではなく、2心のコアが並列に配置された2心平行極細同軸ケーブルも含む。以下に、本発明を適用した2心平行極細同軸ケーブルの一例を説明する。
【0057】
図5は、本発明の実施の形態である超極細同軸ケーブルの断面図である。図6は、図5に示した超極細同軸ケーブルの構造図である。
【0058】
図5および図6に示すように、超極細ケーブル50は、例えば、ノートパソコンのヒンジ部などの狭いスペースに配線するケーブルとして用いられるものであり、より詳細には、ノートパソコンの本体と液晶画面を、ヒンジ部を通して接続するためのものである。
【0059】
超極細ケーブル50は、単線の銅合金線2a,2bの外周に、厚さが1μm以上の銀系、スズ系、又はニッケル系からなるめっき層3a,3bをそれぞれ形成して線径が80μm以下、好ましくは40μm以下の中心導体4a,4bとし、中心導体4a,4bの外周を絶縁体51a,51bでそれぞれ被覆したコア52a,52bを2本並列に配置し、2本並列のコア52a,52bの外周にシールド導体53を設け、シールド導体53の外周に、プラスチックテープ54の両面に金属蒸着層55a,55bが形成された複合テープ56を巻き付け、複合テープ56の外周をジャケット57で被覆したものである。ジャケット57を被覆したときの長軸方向の外径φは、1.0mm以下であり、好ましくは、0.5mm以下とするのがよい。
【0060】
単線の銅合金線2a,2bには、屈曲特性を考慮して、例えば、1000MPa以上の引張強さを有するものを用いている。めっき層3a,3bは、上述した銀系めっき、Sn系めっき、Ni系めっきのいずれかを使用している。中心導体4a,4bの外径φiは、40μmである。
【0061】
絶縁体51a,51bとしては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ETFE、FEP、PTFE、PFAあるいはフッ素ゴムの中から選定した樹脂を用いている。
【0062】
コア52a,52bは、中心導体4a,4bの外周に、押出し機などにより、上述したいずれかの樹脂を均一の厚さで押出し被覆して形成しても良いし、これらの樹脂からなるテープを、中心導体4a,4bの外周に巻き回して形成しても良い。各コア52a,52bの外径φcは、約0.1mmである。
【0063】
シールド導体53としては、横巻シールドを使用している。横巻シールドは、例えば、軟銅線、スズめっき軟銅線、銀めっき銅合金線などの素線53a,53b…を、多数本(例えば、30本〜60本)所定ピッチで横巻して形成されるものである。横巻シールドを形成する各素線53a,53b…の径φsは、約0.02mmである。
【0064】
横巻シールドの横巻ピッチは、横巻ピッチが大きければ、各素線53a,53b…間の連続的なスリットが大きくなってシールド効果が劣る点と、横巻ピッチが小さければ、各素線53a,53b…間のスリットは小さくなるものの、製造時の素線53a,53b…の張力によりケーブル50自体に捻れが発生する点とを考慮して決定される。より具体的に言えば、横巻ピッチは、2倍のコア外径φcと素線径φsとの和の10倍〜20倍となるようにすればよい。
【0065】
シールド導体53外周には、例えば、ポリエステルなどのプラスチックテープ54の両面に金属蒸着層55a,55bが形成された複合テープ56が巻き付けられている。
【0066】
金属蒸着層55a,55bとしては、例えば、銅または銀からなるものを用いている。金属蒸着層55a,55bの厚さは、0.1μm以上となるようにしている。
【0067】
複合テープ56としては、プラスチックテープの片面に金属蒸着層が形成されたものを使用してもよい。この場合、シールド導体53の外周に巻き付ける際、金属蒸着層がシールド導体53側となるようにする。
【0068】
ジャケット57としては、例えば、ポリ塩化ビニル(PVC:Polyvinyl chloride)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ETFE、FEP、PTFE、PFAあるいはフッ素ゴムの中から選定された樹脂を用いている。
【0069】
ジャケット57は、複合テープ56の外周に、上述したいずれかの樹脂を、押出し機などによって均一の厚さで押出し被覆したものである。ジャケット57としては、例えば、ポリエステルなどのプラスチックテープを使用してもよい。この場合は、プラスチックテープを複合テープ56の外周に重ね巻きする。
【0070】
超極細同軸ケーブル50は、ジャケット57を被覆したときの長軸方向の外径φが0.32mmとなっている。
【0071】
この超極細同軸ケーブル50は、図1で説明した超極細同軸ケーブル1と同様に、中心導体に同じ材料を用いた場合でも、そのめっき厚さをコントロールすることで、電気特性、屈曲特性、端末はんだ付け性を向上させることができる。
【0072】
また、中心導体として高強度の銅合金線を単線で使用し、そのめっき厚さをコントロールすることで、超極細同軸ケーブル50のさらなる細径化が可能になる。
【0073】
【発明の効果】
以上説明したことから明らかなように、本発明によれば次のごとき優れた効果を発揮する。
【0074】
(1)中心導体に同じ材料を用いた場合でも、そのめっき厚さをコントロールすることで、電気特性、屈曲特性、端末はんだ付け性を向上させることができる。
【0075】
(2)また、中心導体として高強度の銅合金線を単線で使用し、そのめっき厚さをコントロールすることで、超極細同軸ケーブルのさらなる細径化が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の参考形態を示す断面図である。
【図2】 図1に示した超極細同軸ケーブルの銀めっき厚さに応じた周波数に対する減衰量を示した図である。
【図3】 図1に示した超極細同軸ケーブルの銀めっき厚さに応じた周波数に対する減衰量の差を示した図である。
【図4】 図1に示した超極細同軸ケーブルの銀めっき厚さに対する屈曲寿命を示す図である。
【図5】 本発明の実施の形態を示す断面図である。
【図6】 図5に示した超極細同軸ケーブルの構造図である。
【符号の説明】
1 超極細同軸ケーブル
2 単線の銅合金線
3 めっき層
4 中心導体
5 絶縁体
6 シールド導体
7 ジャケット
8 コア

Claims (2)

  1. 単線の銅合金線の外周に、厚さが1μm以上3μm以下の銀系、スズ系、又はニッケル系からなるめっき層を形成して線径が40μm以上80μm以下の中心導体とし、該中心導体の外周を絶縁体で被覆してなるコアを2心並列に配置し、該2心のコアを一括して覆うように横巻きのシールド導体を設け、該シールド導体の外周をジャケットで被覆してなる超極細同軸ケーブルであって、
    前記横巻きシールド導体の横巻きピッチを前記コア外径の2倍と前記シールド導体の素線径との和の10〜20倍とすると共に、前記ジャケットを被覆したときの超極細同軸ケーブルの断面における長軸方向の外径が0.32mm以上1.0mm以下であることを特徴とする超極細同軸ケーブル。
  2. 単線の銅合金線は、Cu−xmass%Ag合金、Cu−xmass%Nb合金、Cu−xmass%Cr合金、Cu−xmass%Fe合金(x=5〜20)のいずれかの材料を用いてなり、1000MPa以上の引張強さを有する請求項1記載の超極細同軸ケーブル。
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