JP4651455B2 - 材料供給装置 - Google Patents

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Description

本発明は、帯状の材料を、一対のロールで押圧挟持し間欠的に回転することにより長手方向へ送り出すとともに、その送り方向を横切る方向へ間欠的に正逆揺動することにより、プレス機側のプレス位置にジグザグに送給する材料供給装置に関するものである。
帯状の材料を、一対のロールで押圧挟持し間欠的に回転することにより長手方向へ送り出すとともに、その送り方向を横切る方向へ間欠的に正逆揺動することにより、プレス機側のプレス位置にジグザグに送給する材料供給装置が、例えば、特許文献1,2に開示されている。この特許文献1に開示のコイル材等のジグザグ送り装置には、図6に示すように、機台1(以下段落[0002],[0003]で使用の符号は図6に記載された符号を示す)には可動フレーム2が設けられ、可動フレーム2には下ロール3、上ロール4が設けられている。可動フレーム2は、機台1に設けられたレール5により案内され、ジグザグ用モータ7でコイル材Wの所謂送り方向に対して直角方向に往復動自在になっている。下ロール3と上ロール4は、コイル材Wをクランプしてプレス機械に向けて送り、あるいは戻す。上下のロール4、3は送り用モータ6で回動自在になっている。これらモータはサーボモータのような回転量が制御出来るものを用いる。ジグザグ用モータ7は、機台1に固設され、その出力軸はシャフト14に連結され、シャフト14にはピニオン15が固設されている。他方、可動フレーム2にはラック16が固設され、前記ピニオン15と噛み合っている。上記の構造により、ジグザグ用モータ7を正転逆転させると、所謂ラックピニオン機構により可動フレーム2は、所謂ジグザグ運動をする。
特許文献1に開示のコイル材等のジグザグ送り装置は、材料を下ロール3,上ロール4でクランプしてプレス機械に向けて送るときに、材料にキャンバー(幅方向の反り)があったり、送りロールの押圧挟持力が材料に対して偏荷重になっていたりして、材料送り時に材料の蛇行が発生しずれが生じたり、高速化した場合に増大する正逆揺動による慣性によって材料のずれが生じたときに、そのずれを修正することができない。そのために、材料送り量が増してくるとそのずれ量が累積され、材料送り精度不良の原因となるという問題がある。
また、特許文献2の段落[0020]から[0024]に開示の材料供給装置には、図7に示すように、一対の上下送りロール31,32(以下段落[0004]乃至[0008]で使用の符号は図7に記載された符号を示す)が軸支されたローラ支持フレーム58を、旋回軸34を中心に揺動旋回するオシレーティング装置46が、プレス機のボルスタ22に取り付けられた支持アーム30に設けられている。そして、ローラ支持フレーム58に設けられたモータ台42上には、ACサーボモータ36が設けられ、その出力軸にはベルト40を介して上下送りロール31,32が連結されている。
オシレーティング装置46の駆動部は、サーボモータ52と、これとベルト54を介して連携されるボールネジ50とで構成されている。ボールネジ50の図示しないナットには、材料送り方向(紙面の右から左方向)に伸びた案内レール24Aが取り付けられ、この案内レール24Aに沿って材料送り方向に往復可能にスライド24Bが取り付けられている。このスライド24B上面とモータ台42とは上下方向の軸周りで回動可能に連携されていて、サーボモータ52の駆動によりボールネジ50が回転すると、ナットに取り付けられた案内レール24Aは材料送り方向に対し垂直方向に移動し、これにともない、スライド24Bは材料送り方向に対し垂直方向に移動するとともに材料送り方向にも移動する円弧運動をする。そして、スライド24Bに連携しているモータ台42も旋回軸34を中心に円弧運動をする。
一方、一対の送りロール31,32を支持するローラ支持フレーム58の最上部には、加圧調整ネジ60が、上送りロール31を押圧するように設置されおり、上下送りロール31,32間の被加工材料(以下材料という)Wを押圧する加圧力が調整できるようになっている。ローラ支持フレーム58の材料送り方向前後には、材料Wの幅方向を両サイドから規制する一対のガイド18,18が取り付けられており、ローラ支持フレーム58がガイド18,18とともに揺動され正逆いずれかの位置に位置決めされると、送りロール31,32で押圧挟持されガイド18,18で幅方向を規制された材料Wは、プレス機内のパンチ20の軸心位置に位置決めされるよう設定されている。
このように構成された材料供給装置によれば、材料Wが、前記一対の上下送りロール31,32に押圧挟持された状態で、ACサーボモータ36の間欠的な駆動によって所定量ずつプレス機に向けて搬送されると同時に、ACサーボモータ52の駆動により旋回軸34を中心にして幅方向に正逆揺動される。これらACサーボモータ36,52の回転位置制御により、材料Wにジグザグに設定されたブランク加工位置が、順次、パンチ20の軸心位置に位置決めされる。そして、材料Wの各ブランク加工位置で、前記上台14に設けられたパンチ20によってブランクが打抜かれる。これらの繰り返しにより、帯状の材料Wにはジグザグにブランク孔が形成される。一方、2つのACサーボモータ36及び52は、NCオシレーティング制御部により回転位置制御されている。
この特許文献2に開示の材料送り装置は、送りロール31,32で常時設定圧力で押圧挟持しながら回転して材料を送り出すとき、材料にキャンバー(幅方向の反り)があったり、送りロールの押圧挟持力が材料に対して偏荷重になっていたりして、材料送り時に材料の蛇行が発生しずれたり、高速化した場合に増大する正逆揺動による慣性によって材料のずれが生じたときに、そのずれを修正することができない。そのために、材料送り量が増してくるとそのずれ量が累積され、材料送り精度不良の原因となるという問題がある。
特開平10−118730号公報 特開平11−19739号公報の段落[0020]から[0024]及び図2
本発明が解決しようとする課題は、一対のロールで押圧挟持し間欠的に回転することにより、ロール間から帯状の材料を長手方向へ送り出すともに、その送り方向を横切る方向へ間欠的に正逆揺動することにより、プレス機側のプレス位置に材料をジグザグに送給する材料供給装置において、材料Wに反りのない場合は真っ直ぐ送り出し方向へ進行するが、材料Wにキャンバー(幅方向の反り)がある場合は、材料を押圧挟持する送りロールの回転軸と材料の長手方向との直角がわずかにずれて、材料送りにより材料Wが左右どちらかに蛇行することになり、材料送り量が増してくると、材料Wとガイドのエッジ部とが干渉し始め、更には、特に薄い材料の場合には顕著であるが、材料Wが変形したり送り精度不良が発生したり、又は材料送りができなくなったりする。このように材料にキャンバー(幅方向の反り)があったり、送りロールの押圧挟持力が材料に対して偏荷重になっていたりしたとき材料送り時に発生する材料の蛇行によるずれや、高速化した場合に増大する正逆揺動による慣性によって発生する材料のずれを修正することにより、材料送り精度不良の発生を防止し、更には、プレス機の高速運転に対応し、段取り替え時間が短縮できる材料供給装置を供給することにある。
請求項1に記載の発明は、一対のロールで帯状の材料を厚み方向で押圧挟持し間欠的に回転することにより、材料をパンチとダイとでブランクを打ち抜くプレス位置に間欠的に送給する材料供給装置であって、プレス位置でダイに向かって前進後退可能でダイと協働で材料にブランクを打ち抜くパンチと、材料の長手方向に回転可能に軸支された固定ロールと、固定ロールに対して平行でかつ当接及び離反可能な移動ロールとでなる一対のロールと、一対のロールの材料送り方向の前後の少なくとも一方に設けられ、材料を幅方向では移動を規制して位置決め可能で長手方向ではパンチに向かって移動可能に案内する一対の材料ガイドと、移動ロールを固定ロールに対し当接する方向へ押圧する付勢手段と、付勢手段の押圧力に打ち勝って移動ロールを固定ロールから離反する方向へ押圧するリリース手段と、一対のロールの少なくとも一方のロールを回転駆動するロール駆動手段とで構成し、一対のロールの回転により押圧挟持した材料をプレス位置に送給し、パンチとダイとでブランクを打ち抜いたあと、材料にパンチが挿入されている状態で、移動ロールを固定ロールから離反して材料の押圧挟持を解除して、材料ガイドに材料の幅方向を自然に倣わせることにより、パンチと材料ガイド基準に材料の長手方向の向きを再位置決めするようにしたことを最も主要な特徴とする。
請求項2に記載の発明は、一対のロールで帯状の材料を厚み方向で押圧挟持し間欠的に回転することにより、材料をパンチとダイとでブランクを打ち抜くプレス位置に間欠的に送給する材料供給装置であって、プレス位置でダイに向かって前進後退可能でダイと協働で材料にブランクを打ち抜くパンチと、基台に軸支された旋回軸を中心に揺動可能で複数の設定角度位置に順次位置決め可能に取り付けられた揺動体と、材料の長手方向に向かって回転可能に揺動体に軸支された固定ロールと、固定ロールに対して平行でかつ当接及び離反可能な移動ロールとでなる一対のロールと、一対のロールの材料送り方向の前後の少なくとも一方に設けられ、材料を幅方向では移動を規制して位置決め可能で長手方向ではパンチに向かって移動可能に案内する一対の材料ガイドと、移動ロールを固定ロールに対し当接する方向へ押圧する付勢手段と、付勢手段の押圧力に打ち勝って移動ロールを固定ロールから離反する方向へカム部材を介して押圧するリリース手段と、一対のロールの少なくとも一方のロールを回転駆動するロール駆動手段とで構成し、一対のロールの回転と揺動体の揺動との連動により、押圧挟持した材料に設定されたブランク加工位置をプレス位置にジグザクに送給して順次位置決めし、パンチとダイとでブランクを打ち抜いたあと、材料にパンチが挿入されている状態で、移動ロールを固定ロールから離反して材料の押圧挟持を解除して、材料ガイドに材料の幅方向を自然に倣わせることにより、パンチと材料ガイド基準に材料の長手方向の向きを再位置決めするようにしたことを特徴とすることを最も主要な特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項2の発明において、一対のロールの内少なくとも一方のロールを回転駆動する第1のサーボモータと、カム部材を回転駆動する第2のサーボモータと、揺動体を旋回軸を中心に揺動する第3のサーボモータと、第1のサーボモータと第2のサーボモータと第3のサーボモータとを回転位置制御する制御手段とを有することを最も主要な特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項2,3の発明において、移動ロールは、揺動体に設けられた案内手段に沿って往復移動可能に設けられた移動体に取り付けられて、移動体の往復移動により固定ロールに対して当接及び離反するようにしたことを最も主要な特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項2乃至4の発明において、リリース手段は、カム部材が、移動体の一方端に設けたカムフォロアと係合して回転することにより、付勢体の押圧力に打ち勝って移動ロールを固定ロールから離反する方向へ移動し、又は付勢体の押圧力により移動ロールを固定ロールに当接する方向へ移動するようにしたことを最も主要な特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項1乃至5の発明において、固定ロールと移動ロールとは一対の平歯車で連結され、互いに逆方向へ回転するようにしたことを最も主要な特徴とする。
請求項1,2に記載の発明によると、材料供給装置は、回転可能に軸支された固定ロールと、この固定ロールに対して平行でかつ当接及び離反可能な移動ロールとでなる一対のロールと、材料の幅方向への移動を規制する材料ガイドとを設け、更に、移動ロールを固定ロールに対し当接する方向へ押圧する付勢体と、付勢体の押圧力に打ち勝って移動ロールを固定ロールから離反する方向へ押圧するリリース手段とを設けたので、一対のロールが材料を押圧挟持し回転しながら材料送りをするときに、材料送り毎に毎回、移動ロールを固定ロールからリリースすることが可能となり、材料にキャンバーがあったり、送りロールの押圧挟持力が材料に対して偏荷重になっていたりして、材料送り時に材料が蛇行してずれが発生し、時間が経つにつれ次第にそのずれが大きくなって送り精度不良が発生する不具合を防止することができるという利点がある。また、ブランキング加工中に発生した外力による材料送り方向のずれも修正されるという利点がある。特に薄い材料の場合には顕著な効果がある。
請求項2に記載の発明によると、更に、回転可能に軸支された固定ロールと、この固定ロールに対して平行でかつ当接及び離反可能な移動ロールとでなる一対のロールと、材料の幅方向への移動を規制する材料ガイドとを旋回軸を中心に揺動可能に取り付けられた揺動体に設けたので、材料の長手方向への送りと材料の幅方向への揺動とが可能で、かつ材料送り毎に毎回、移動ロールを固定ロールからリリースすることが可能となり、材料にキャンバーがあったり、送りロールの押圧挟持力が材料に対して偏荷重になっていたりして、材料送り時に材料が蛇行してずれが発生し、時間が経つにつれ次第にずれが大きくなって送り精度不良が発生する不具合を防止し、また、高速化した場合に増大する正逆揺動による慣性によって発生する材料のずれを修正することにより、材料送り精度不良の発生を防止して、プレス機側のプレス位置に材料を正確にジグザグに送給することができるという利点がある。
請求項3に記載の発明によると、更に、一対のロールの内少なくとも一方のロールを回転駆動する第1のサーボモータと、カム部材を回転駆動する第2のサーボモータと、揺動体を旋回軸を中心に揺動する第3のサーボモータと、第1のサーボモータと第2のサーボモータと第3のサーボモータとを回転位置制御する制御手段とを有するようにしたので、材料の長手方向の送り量と、材料の揺動角度量とを数値制御でき、かつ、材料送り毎に毎回、移動ロールを固定ロールからリリースすることが可能となり、材料に正確に複数列のブランク抜きをすることが可能となり、歩留まり良くなるという利点がある。更には、材料の長手方向の送り量と材料の揺動角度量との組み合わせたパラメータ設定によるプログラムを複数用意しておけば、品種が変わり材料幅やブランキング径が変わっても、プログラムの選択でパラメータ設定の組み合わせ変更ができるので、段取り替えが簡単になるという利点がある。
請求項4,5に記載の発明によると、更に、一対のロールで材料を簡単に押圧挟持し又は解放することができる。
請求項6に記載の発明によると、一対のロールで材料を押圧挟持して送り出すとき、スリップすることなく確実に材料を送給することができる。
帯状の材料を、一対のロールで押圧挟持し間欠的に回転することによりロール間から長手方向へ送り出すともに、その送り方向を横切る方向へ間欠的に正逆揺動することにより、プレス機側のプレス位置に材料をジグザグに送給する材料供給装置において、材料にキャンバー(幅方向の反り)があったり、送りロールの押圧挟持力が材料に対して偏荷重になっていたりしたとき材料送り時に発生する材料の蛇行によるずれや、高速化した場合に増大する正逆揺動による慣性を原因とする材料のずれを修正するために、プレス位置でダイに向かって前進後退可能で前記ダイと協働で材料にブランクを打ち抜くパンチと、基台に軸支された旋回軸を中心に揺動可能で複数の設定角度位置に順次位置決め可能に取り付けられた揺動体と、前記材料の長手方向に回転可能に揺動体に軸支された固定ロールと、固定ロールに対して平行でかつ当接及び離反可能な移動ロールとでなる一対のロールと、一対のロールの材料送り方向の前後の少なくとも一方に設けられ、パンチに向かって材料を長手方向に移動可能にかつ材料を幅方向に位置決め可能に規制する一対の材料ガイドと、移動ロールを固定ロールに対し当接する方向へ押圧する付勢手段と、付勢手段の押圧力に打ち勝って、移動ロールを固定ロールから離反する方向へカム部材を介して押圧するリリース手段と、前記一対のロールを回転駆動するロール駆動手段とで構成した。
本発明に係わる材料供給装置の実施例を図1乃至図5をもとに説明する。図1は、本発明に係わる材料供給装置を示す正面図で断面で表してある。図2は、図1のA−A矢視断面を示す平面図である。図3は、図1のB矢視図で示す一部詳細図ある。図4,図5は、材料のブランク加工位置を示す説明図で図1のC−C矢視断面図である。
実施例として図1に示す本発明の材料供給装置は、一対のロール8A,8Bで帯状の材料Wを厚み方向で押圧挟持し間欠的に回転することにより、材料Wからパンチ20とダイ21とでブランクを打ち抜くプレス位置に、間欠的に送給するものである。この材料供給装置は、送給された材料Wが、ダイ21の面に沿って、パンチ20とダイ21との間を通過するように、その基台2がプレス機のボルスタ1に固定されている。基台2にはパンチ20の軸心に平行な旋回軸3が回転可能に軸支されている。旋回軸3の図示右端には、基台2に取り付けられたサーボモータ(第3のサーボモータ)18の出力軸が嵌入されキーにより動力伝達可能となっている。旋回軸3の図1に示す左端面には、左側が開放され他の5面が壁で形成されたローラ支持フレーム(揺動体)4が、その右側面4aを密着して取り付けられている。これにより、ローラ支持フレーム4は旋回軸3を中心に回転可能となっている。
ローラ支持フレーム4の図1紙面方向(図2の上下方向)の両壁4d,4eには、ロール軸7Aが回転可能に軸支され、このロール軸7Aの中央部には固定ロール8Aがキーを介して動力伝達可能に取り付けられている。また、図1下側の壁4cには内側にレール(案内手段)5Aが旋回軸3の軸方向に沿って取り付けられ、このレール5Aにはスライダ5Bが摺動可能に係合している。そして、スライダ5Bの上面には図1左側及び上側が開放し他の4面が壁になった移動体6が固定されている。移動体6の図1紙面方向(図2の上下方向)の両壁6d,6eにはロール軸7Aと平行にロール軸7Bが回転可能に軸支されていて、このロール軸7Bの中央部には、固定ロール8Aと平行に、移動ロール8Bがキーを介して動力伝達可能に取り付けられている。また、移動体6の右側壁6aとローラ支持フレーム4の右側壁4aとの間にはばね(付勢手段(付勢体))17が圧縮して挿入されており、このばね17によって、移動ロール8Bが固定ロール8Aへ常時当接するよう加圧されている。
ロール軸7Aの一方端(図2上側)には、ローラ支持フレーム4の側壁4d面に取り付けられたサーボモータ(第1のサーボモータ)19の出力軸が挿入されキーにより動力伝達可能に連結されている。ロール軸7Aの他方端(図2下側)はローラ支持フレーム4から突出しており、その突出部に平歯車22Aがキーを介して動力伝達可能に取り付けられている。一方、ロール軸7Bも図2下側がローラ支持フレーム4から突出しており、その突出部に平歯車22Aと同形状の平歯車22Bが、平歯車22Aと噛み合ってキーを介して動力伝達可能に取り付けられている。そして、平歯車22Aと平歯車22Bが噛み合っているときに、サーボモータ19が回転すると、移動ロール8Bと固定ロール8Aとは互いに逆方向に回転する。
移動体6の図1下側の側壁6c左方には、ローラ11が下方へ突出して取り付けられている。また、ローラ支持フレーム4には、図1上下の両側壁4b,4cに軸支されたカム軸13にキーを介してカム(カム部材)12がローラ11に当接するように取り付けられ、カム12とローラ11とでリリース手段を構成している。カム軸13は一端がローラ支持フレーム4の下方へ突出しており、その突出部にキーを介して平歯車14が取り付けられている。また、ローラ支持フレーム4の側壁4cの図1左方へ突出した部分には、上面にサーボモータ(第2のサーボモータ)16が取り付けられていて、その出力軸には、平歯車14に噛み合った平歯車15がキーを介して取り付けられている。
これらの構成により、サーボモータ16が回転すると平歯車15、平歯車14を介してカム12が回動し、そのカムライズの上昇に従って、移動体6がばね17の付勢力に打ち勝ってレール5Aに沿って移動することにより、移動ロール8Bは固定ロール8Aに対して離反することができる。このときの移動は平歯車14,15の噛み合いが完全には外れない距離になっている。また逆に、カムライズの下降に従って、移動体6がばね17の付勢力によりレール5Aに沿って移動することにより、移動ロール8Bは固定ロール8Aに対して当接することができる。
ローラ支持フレーム4の側壁4b,4cには、固定ロール8Aと移動ロール8B(以下一対のロールと記載する場合もある)との当接位置を通過する図1上下方向線上に開口部があり、それぞれを通って材料ガイド10A,10Bが、一対のロール8A,8Bを挟んで両側に、ブラケット9A,9Bにより取り付けられている。材料ガイド10A,10Bは、例えば10Aの場合で説明すると、図3に示すように材料Wの幅と同じ幅Bで、材料の厚みより深い、例えば材料の厚みの1.5倍乃至3倍の深さのガイド溝が材料長手方向に形成された一方の片10Aaと、このガイド溝を覆う他方の片10Abとが重ね合わされて出来ており、材料Wは幅方向がこのガイド溝の幅Bに規制されてガイド溝に沿って真っ直ぐに、ローラ支持フレーム4の側壁4bから4cへ向かって送給される。そして、材料Wの送給方向前方のプレス位置Pには、プレス機のボルスタ1に取り付けられてダイ21が設けられ、それに対峙してパンチ20がダイ21に向かって進退可能に設けられている。
また、各サーボモータ16,18,19は、図示しない制御部(制御手段)から数値制御される、各サーボモータ16,18,19に対応して設けられた各ドライバにより、プログラムに従った回転位置決め制御、速度制御が行われる。例えば、サーボモータ19のパラメータ設定による制御により、材料Wの送り量、送り時間及び送り間隔とが制御され、サーボモータ18のパラメータ設定による制御により、材料Wの揺動量、揺動時間及び揺動間隔が制御され、サーボモータ16のパラメータ設定による制御により、移動ロール8Bが固定ロール8Aから離反されたり固定ロール8Aに当接したりするタイミングが制御され、材料Wは固定ロール8Aと移動ロール8Bに押圧挟持されたり開放されたりする。これらパラメータの設定の組み合わせにより、材料にブランク加工位置をジグザクに設定することができる。そして、品種による段取り替え時には、前もって品種毎のパラメータが設定されたプログラムを用意しておき、それらを適宜選択することにより簡単に対応することができる。
このような構成にしたので、材料Wを材料ガイド10A,10Bのガイド溝に通してセットし、サーボモータ16を回転位置決めしてカム12の最小半径位置にローラ11を合わせ、一対のロール8A,8Bで材料Wを押圧挟持した状態で、更に、サーボモータ18を回転位置決めして、材料Wの幅(揺動)方向の位置決めと、サーボモータ19を設定量回転して材料Wの設定量送給とを行い、歩留まりよくブランクを抜くためにジグザクに設定された材料のブランク加工位置(以下設定位置wという)をプレス位置Pに位置決めし、パンチ20が前進しダイ21と係合することにより材料の設定位置wでブランクを抜くことができる。そしてブランクを抜いたあと、材料にパンチ20が挿入されている状態で、サーボモータ16を設定量回転してカム12を回動し、そのカムライズの上昇に従って、移動体6がばね17の付勢力に打ち勝ってレール5Aに沿って移動し、移動ロール8Bを固定ロール8Aから離反させることにより材料Wの押圧挟持を解除し、材料Wを、長手方向ではパンチ20で位置決めするとともに、幅方向では材料ガイド10A,10Bのガイド溝に倣わせることができる。これにより、材料送り時の材料の蛇行や高速化した場合に増大する正逆揺動による慣性により発生する材料のずれを修正して、パンチ20基準に材料Wを材料ガイド10A,10Bのガイド溝に沿って倣わせ真っ直ぐに再位置決めすることができる。
更に、カム12を回動し、そのカムライズの下降に従って、移動体6をばね17の付勢力によりレール5Aに沿って移動し、移動ロール8Bを固定ロール8Aに押圧し材料Wを押圧挟持する。その後、パンチ20が後退したあと、サーボモータ18が回転位置決めされ材料Wが旋回軸3を中心として揺動する動作と、サーボモータ19が回転位置決めされ材料Wが設定量送給される動作とを適時組み合わせて、材料Wをジグザクに送給しブランクを抜くことができる。このように、ブランクを抜いたあとは毎回、材料にパンチ20が挿入されている状態で材料Wの押圧挟持を解除し材料のずれを修正して、材料Wをパンチ20基準にかつ材料ガイド10A,10Bのガイド溝に倣わせて真っ直ぐに再位置決めする。
例えば、材料Wに2列にジグザク状にブランクを抜く場合は、図4(a),(b)に示すとおり、一対のロール8A,8Bにより押圧挟持された状態で、サーボモータ18による材料Wの幅(揺動)方向位置決めと、サーボモータ19による送り方向位置決めとにより、歩留まりよくブランクを抜くためにジグザクに設定された材料Wの設定位置w1が、まずプレス位置Pに位置決めされ、その設定位置w1でパンチ20とダイ21とで材料Wは打ち抜かれ、材料Wにパンチ20が挿入されている状態で、サーボモータ16を設定量回転して、移動ロール8Bを固定ロール8Aから離反し、材料Wを押圧挟持から解除する。そのあと、サーボモータ16を設定量回転して、ばね17の付勢力により移動ロール8Bを固定ロール8Aに押圧し、材料Wはパンチ20と材料ガイド10A,10Bのガイド溝とを基準に再位置決めされた状態で押圧挟持される(図4(a))。
さらに、パンチ20が後退し、材料Wはサーボモータ18により旋回軸3を中心に角度α反時計方向へ揺動し、かつサーボモータ19により長手方向へaだけ送給され、次の設定位置w2がプレス位置Pに位置決めされる。そして、設定位置w2がプレス位置Pに位置決めされた材料Wは、再び、パンチ20とダイ21とで打ち抜かれ、その後、材料Wにパンチ20が挿入されている状態で、サーボモータ16の位置決めにより材料Wは押圧挟持が解除されてずれが修正される。そのあと、サーボモータ16を設定量回転して、ばね17の付勢力により移動ロール8Bを固定ロール8Aに押圧し、材料Wはパンチ20と材料ガイド10A,10Bのガイド溝とを基準に再位置決めされた状態で押圧挟持される(図4(b))。
さらに、サーボモータ18とサーボモータ19の位置決めにより、次の設定位置w3がプレス位置Pに位置決めされ、次のブランク抜きが行われる。これらの繰り返しにより、材料Wには正確にその設定位置w1,w2,w3・・・でブランクが打ち抜かれる。
材料Wに3列にジグザク状にブランクを抜く場合も同様に、図5(a),(b),(c),(d)に示すとおり、一対のロール8A,8Bにより押圧挟持された状態で、サーボモータ18とサーボモータ19とにより、材料Wは設定位置w1がプレス位置Pに位置決めされ、パンチ20とダイ21とでブランクが打ち抜かれ、その後、材料Wにパンチ20が挿入されている状態で、サーボモータ16が設定量回転され、材料Wは押圧挟持が解除されてずれが修正され、そのあと、サーボモータ16が設定量回転され、材料Wはパンチ20と材料ガイド10A,10Bのガイド溝とを基準に再位置決めされた状態で押圧挟持される(図5(a))。
次に、パンチ20が後退し、サーボモータ18により材料Wは反時計方向へ2β揺動され、材料Wは設定位置w2がプレス位置Pに位置決めされ、パンチ20とダイ21とで打ち抜かれ、その後、材料Wにパンチ20が挿入されている状態で、サーボモータ16が設定量回転されて、材料Wは押圧挟持が解除されてずれが修正される。そのあと、サーボモータ16が設定量回転され、材料Wはパンチ20と材料ガイド10A,10Bのガイド溝とを基準に再位置決めされた状態で押圧挟持される(図5(b))。
次に、パンチ20が後退し、サーボモータ18により材料Wは時計方向へβ揺動されるとともに、サーボモータ19により長手方向へbだけ送給され、次の設定位置w3がプレス位置Pに位置決めされパンチ20とダイ21とで打ち抜かれる。その後同じように材料Wにパンチ20が挿入されている状態で、サーボモータ16が設定量回転され材料Wは押圧挟持が解除されてずれが修正されたあと、サーボモータ16の回転により、材料Wはパンチ20と材料ガイド10A,10Bのガイド溝とを基準に再位置決めされた状態で押圧挟持される(図5(c))。
更に、パンチ20が後退し、サーボモータ18により材料Wは時計方向へβ揺動されるとともに、サーボモータ19により長手方向へbだけ送給され、次の設定位置w4がプレス位置Pに位置決めされ、パンチ20とダイ21とで打ち抜かれる。その後同じように材料Wにパンチ20が挿入されている状態で、サーボモータ16が設定量回転され材料Wは押圧挟持が解除されてずれが修正されたあと、サーボモータ16の回転により、材料Wはパンチ20と材料ガイド10A,10Bのガイド溝とを基準に位置決めされた状態で押圧挟持される(図5(d))。次に、パンチ20が後退し、サーボモータ18により材料Wは反時計方向へ2β揺動され、次の設定位置w5がプレス位置Pに位置決めされ、パンチ20とダイ21とで打ち抜かれる。これらの繰り返しにより、材料Wには正確にその設定位置w1,w2,w3・・・でブランクが打ち抜かれる。
このように、設定位置w1,w2,w3,・・・が順次プレス位置Pに位置決めされ、パンチ20とダイ21とでブランクが打ち抜かれる毎に、材料Wにパンチ20が挿入されている状態で、材料Wは押圧挟持が解除されてずれが修正され、パンチ20と材料ガイド10A,10Bのガイド溝とを基準に真っ直ぐに再位置決めされて押圧挟持されるので、材料送り時の材料の蛇行や高速化した場合の慣性の増大による正逆揺動による材料のずれを毎回修正できる。その結果、材料に蛇行する性状があってもそのずれが累積されることがないので、その性状にあった位置決めを行えば、歩留まりよくブランクを抜くためにジグザクに設定された材料Wの設定位置に毎回正確に位置決めすることが可能となる。その結果、桟幅を小さくしても桟切れが発生することもなくなる。また、高速化して慣性が大きくなってずれが生じても、そのずれを毎回修正できるできるので、その慣性によるずれに合わせた位置決めを行えば、そのずれが累積されることがないので、歩留まりよくブランクを抜くためにジグザクに設定された材料Wの設定位置に毎回正確に位置決めが可能となる。その結果、桟幅を小さくしても桟切れが発生することもなくなる。さらに、歩留まりがよくなり、高速運転が可能となることから、生産性の向上を図ることができる効果がある。また品種変更時の段取り替え時には、材料幅やブランキング径が変わっても、あらかじめ用意された複数のパラメータ設定を選択することにより対応できるので、段取り替えが簡単になるという利点がある。また、ブランキング加工中に発生した外力による材料送り方向のずれも修正されるという利点がある。
本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
実施例に係わる材料供給装置を示す正面断面図である。 実施例に係わる材料供給装置を示す平面断面図(図1のA−A矢視断面図)である。 実施例に係わる材料供給装置の一部詳細図(図1のB矢視図)である。 実施例に係わる材料のブランク加工位置を示す説明図である。 実施例に係わる材料のブランク加工位置を示す説明図である。 従来技術を示す側面図である。 従来技術を示す側面図である。
符号の説明
2 基台
3 旋回軸
4 ローラ支持フレーム(揺動体)
5A レール(案内手段)
5B スライダ
6 移動体
7A,7B ロール軸
8A 固定ロール
8B 移動ロール
10A,10B 材料ガイド
12 カム(カム部材)
13 カム軸
14,15 平歯車
16 第2のサーボモータ
17 ばね(付勢手段(付勢体))
18 第3のサーボモータ
19 第1のサーボモータ
20 パンチ
21 ダイ

Claims (6)

  1. 一対のロールで帯状の材料を厚み方向で押圧挟持し間欠的に回転することにより、前記材料をパンチとダイとでブランクを打ち抜くプレス位置に間欠的に送給する材料供給装置であって、
    前記プレス位置でダイに向かって前進後退可能で前記ダイと協働で前記材料にブランクを打ち抜くパンチと、
    前記材料の長手方向に回転可能に軸支された固定ロールと、前記固定ロールに対して平行でかつ当接及び離反可能な移動ロールとでなる前記一対のロールと、
    前記一対のロールの材料送り方向の前後の少なくとも一方に設けられ、前記材料を幅方向では移動を規制して位置決め可能で長手方向では前記パンチに向かって移動可能に案内する一対の材料ガイドと、
    前記移動ロールを前記固定ロールに対し当接する方向へ押圧する付勢手段と、
    前記付勢手段の押圧力に打ち勝って前記移動ロールを前記固定ロールから離反する方向へ押圧するリリース手段と、
    前記一対のロールの少なくとも一方のロールを回転駆動するロール駆動手段とで構成し、
    前記一対のロールの回転により押圧挟持した前記材料を前記プレス位置に送給し、前記パンチと前記ダイとでブランクを打ち抜いたあと、前記材料に前記パンチが挿入されている状態で、前記移動ロールを前記固定ロールから離反して前記材料の押圧挟持を解除して、前記材料ガイドに前記材料の幅方向を自然に倣わせることにより、前記パンチと前記材料ガイド基準に前記材料の長手方向の向きを再位置決めするようにしたことを特徴とする材料供給装置。
  2. 一対のロールで帯状の材料を厚み方向で押圧挟持し間欠的に回転することにより、前記材料をパンチとダイとでブランクを打ち抜くプレス位置に間欠的に送給する材料供給装置であって、
    前記プレス位置でダイに向かって前進後退可能で前記ダイと協働で前記材料にブランクを打ち抜くパンチと、
    基台に軸支された旋回軸を中心に揺動可能で複数の設定角度位置に順次位置決め可能に取り付けられた揺動体と、
    前記材料の長手方向に向かって回転可能に揺動体に軸支された固定ロールと、前記固定ロールに対して平行でかつ当接及び離反可能な移動ロールとでなる前記一対のロールと、
    前記一対のロールの材料送り方向の前後の少なくとも一方に設けられ、前記材料を幅方向では移動を規制して位置決め可能で長手方向では前記パンチに向かって移動可能に案内する一対の材料ガイドと、
    前記移動ロールを前記固定ロールに対し当接する方向へ押圧する付勢手段と、
    前記付勢手段の押圧力に打ち勝って前記移動ロールを前記固定ロールから離反する方向へカム部材を介して押圧するリリース手段と、
    前記一対のロールの少なくとも一方のロールを回転駆動するロール駆動手段とで構成し、
    前記一対のロールの回転と前記揺動体の揺動との連動により、押圧挟持した前記材料に設定されたブランク加工位置を前記プレス位置にジグザクに送給して順次位置決めし、前記パンチと前記ダイとでブランクを打ち抜いたあと、前記材料に前記パンチが挿入されている状態で、前記移動ロールを前記固定ロールから離反して前記材料の押圧挟持を解除して、前記材料ガイドに前記材料の幅方向を自然に倣わせることにより、前記パンチと前記材料ガイド基準に前記材料の長手方向の向きを再位置決めするようにしたことを特徴とする材料供給装置。
  3. 前記一対のロールの内少なくとも一方のロールを回転駆動する第1のサーボモータと、前記カム部材を回転駆動する第2のサーボモータと、前記揺動体を前記旋回軸を中心に揺動する第3のサーボモータと、前記第1のサーボモータと前記第2のサーボモータと前記第3のサーボモータとを回転位置制御する制御手段とを有することを特徴とする請求項2に記載の材料供給装置。
  4. 前記移動ロールは、前記揺動体に設けられた案内手段に沿って往復移動可能に設けられた移動体に取り付けられて、前記移動体の往復移動により前記固定ロールに対して当接及び離反するようにしたことを特徴とする請求項2乃至3に記載の材料供給装置。
  5. 前記リリース手段は、前記カム部材が、前記移動体の一方端に設けたカムフォロアと係合して回転することにより、前記付勢体の押圧力に打ち勝って前記移動ロールを前記固定ロールから離反する方向へ移動し、又は前記付勢体の押圧力により前記移動ロールを前記固定ロールに当接する方向へ移動するようにしたことを特徴とする請求項2乃至4に記載の材料供給装置。
  6. 前記固定ロールと前記移動ロールとは一対の平歯車で連結され、互いに逆方向へ回転するようにしたことを特徴とする請求項1乃至5に記載の材料供給装置。
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