JP4645730B2 - Antenna device, receiving device and radio clock - Google Patents
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Description
この発明は、電波信号を受信するアンテナ装置および受信装置、ならびに、タイムコードが含まれる標準電波の受信を行う電波時計に関する。 The present invention relates to an antenna device and a receiving device that receive radio signals, and a radio timepiece that receives standard radio waves including a time code.
一般に、線状アンテナ、巻線型のバーアンテナ、平面アンテナなど、様々なアンテナが知られている。また、標準電波を受信する電波時計などでは、小さな時計本体にアンテナを搭載する必要があることから巻線型のバーアンテナが用いられる。 In general, various antennas such as a linear antenna, a wound bar antenna, and a planar antenna are known. Further, in a radio timepiece that receives a standard radio wave, a wound bar antenna is used because it is necessary to mount the antenna on a small clock body.
また、本発明に関連する従来技術として、特許文献1,2には、磁気抵抗効果素子によって電波の磁界成分に反応することで電波信号を受信するアンテナ装置が開示されている。また、特許文献3には、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)作製技術により形成された振動板に磁性体の薄膜を形成し、この振動板を振動させつつ、この振動板の共振周波数の変化を検出して外部磁場の測定を行う共振型磁気センサが開示されている。
本発明者らは、現在、MEMS作製技術を用いて形成した振動体に磁性体を設け、この振動体を電波信号により共振させて、この共振運動を電気信号に変換させることで、特定周波数帯の電波信号を受信するアンテナ装置の開発を行っている。 At present, the present inventors have provided a magnetic body in a vibrating body formed by using a MEMS fabrication technique, resonates the vibrating body with a radio wave signal, and converts the resonance motion into an electric signal, thereby obtaining a specific frequency band. We are developing an antenna device that receives radio signals.
しかしながら、上記構成のアンテナ装置では、振動体は狭帯域である特定の周波数帯の電波信号が到来したときだけ共振を行う特性を有しているため、周波数帯の離散した複数チャンネルの電波信号を選択的に受信することができないという課題があった。 However, in the antenna device configured as described above, the vibrating body has a characteristic of resonating only when a radio signal in a specific frequency band having a narrow band arrives. There was a problem that selective reception was not possible.
この発明の目的は、振動体を電波信号により共振させて、この共振運動を電気信号に変換することで、特定周波数帯の電波を受信するアンテナ装置において、複数チャンネルの電波受信を可能とすることである。 An object of the present invention is to enable reception of a plurality of channels of radio waves in an antenna device that receives radio waves in a specific frequency band by resonating a vibrating body with radio wave signals and converting the resonance motion into electric signals. It is.
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、
所定の固有振動数で振動する特性を有するとともに外部磁界を受けて変位する振動体、および、該振動体の運動を電気信号に変換する変換手段を備え、前記振動体を共振させる周波数帯の電波信号が到来したときに、当該電波信号の磁界成分によって前記振動体が共振し、この共振が前記変換手段により電気信号に変換されることで、当該周波数帯の電波信号が電気信号にされて取り込まれるアンテナ部を備えたアンテナ装置であって、
前記アンテナ部が前記振動体の固有振動数を異ならせて複数設けられていることを特徴としている。
In order to achieve the above object, the invention according to
A radio wave having a characteristic that vibrates at a predetermined natural frequency and that is displaced by receiving an external magnetic field, and a conversion unit that converts the motion of the vibrator into an electric signal, and having a frequency band that resonates the vibrator When a signal arrives, the vibrating body resonates due to the magnetic field component of the radio signal, and the resonance is converted into an electric signal by the conversion means, so that the radio signal in the frequency band is converted into an electric signal and captured. An antenna device including an antenna unit,
A plurality of the antenna units are provided with different natural frequencies of the vibrating body.
請求項2記載の発明は、請求項1記載のアンテナ装置において、
前記複数のアンテナ部は、1チップの基板上に形成されていることを特徴としている。
The invention according to claim 2 is the antenna device according to
The plurality of antenna portions are formed on a one-chip substrate.
請求項3記載の発明は、請求項1記載のアンテナ装置において、
前記複数のアンテナ部のうち何れかのアンテナ部からの電気信号を選択的に後段に送るスイッチ手段を備えていることを特徴としている。
The invention according to claim 3 is the antenna device according to
Switch means for selectively sending an electrical signal from any one of the plurality of antenna units to a subsequent stage is provided.
請求項4記載の発明は、
請求項3に記載のアンテナ装置と、
前記スイッチ手段を介して前記アンテナ装置から送られてくる電気信号を増幅する増幅器と、
前記増幅器により増幅された信号に対して復調処理を行う復調器と、
を備えたことを特徴とする受信装置である。
The invention according to claim 4
An antenna device according to claim 3,
An amplifier for amplifying an electrical signal sent from the antenna device via the switch means;
A demodulator that performs demodulation processing on the signal amplified by the amplifier;
It is provided with the receiving apparatus characterized by the above-mentioned.
請求項5記載の発明は、請求項4記載の受信装置において、
前記アンテナ装置、前記増幅器、前記復調器が1チップの半導体基板上に形成されていることを特徴としている。
The invention according to claim 5 is the receiving apparatus according to claim 4,
The antenna device, the amplifier, and the demodulator are formed on a one-chip semiconductor substrate.
請求項6記載の発明は、
請求項4または5に記載の受信装置により標準電波を受信するとともに、該標準電波に含まれるタイムコードを復調し、このタイムコードに基づいて時刻修正を行うことを特徴とする電波時計である。
The invention described in claim 6
A radio timepiece that receives a standard radio wave by the receiving device according to claim 4, demodulates a time code included in the standard radio wave, and corrects the time based on the time code.
本発明に従うと、振動体の固有振動数が異なる複数のアンテナ部によって、周波数帯の異なる複数チャンネルの電波信号を受信することが可能となる。 According to the present invention, it is possible to receive radio signals of a plurality of channels having different frequency bands by a plurality of antenna units having different natural frequencies of the vibrator.
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。 Hereinafter, embodiments of the present invention will be described with reference to the drawings.
図1は、本発明の実施形態の電波時計の全体を示す構成図である。 FIG. 1 is a configuration diagram showing an entire radio timepiece according to an embodiment of the present invention.
この実施形態の電波時計1は、タイムコードによって変調された標準電波の受信を行うアンテナ部としての複数のMEMSアンテナ10,10a〜10zと、複数のMEMSアンテナ10,10a〜10zのうち何れか1つと選択的に接続するスイッチ手段としてのスイッチ回路108と、スイッチ回路108を介してMEMSアンテナ10,10a〜10zから入力された受信信号を増幅する増幅器101と、受信信号からタイムコードの検波を行う復調器としての検波器102と、時計の全体制御を行うマイクロコンピュータ103と、時刻の表示出力を行う時刻表示器104と、計時を行う計時カウンタ105等から構成される。これらの構成のうちMEMSアンテナ10、スイッチ回路108、増幅器101および検波器102によって受信装置としての電波受信部100が構成される。
The radio-controlled
複数のMEMSアンテナ10,10a〜10zは、個々の構造は後に詳述するが、それぞれ異なる周波数帯の電波信号を受信するように構成されている。標準電波は、例えば、日本において西地区と東地区とで異なる周波数帯(40kHzと60kHz)の搬送波により送信されている。また、外国においては、地区ごとに異なる周波数の搬送波により送信されている。MEMSアンテナ10,10a〜10zの各受信周波数帯は、これら各地区の標準電波の周波数帯にそれぞれ合わされたものになっている。上記複数のMEMSアンテナ10,10a〜10zによりアンテナ装置が構成される。
The plurality of
スイッチ回路108は、例えば、MOSトランジスタやバイポーラトランジスタを組み合わせて形成したスイッチであり、複数のMEMSアンテナ10,10a〜10zの複数の出力端子t1,t1,…t1の何れか1つと、増幅器101の入力端子t2とを選択的に接続するものである。接続先は、マイクロコンピュータ103から送られるチャンネル選択信号によって制御される。
The
電波受信部100は、例えば、複数のMEMSアンテナ10,10a〜10zを含めて、1個の半導体基板上に形成されたものである。また、この電波受信部100とともに、マイクロコンピュータ103や計時カウンタ105も含めて1個の半導体基板上に形成することも可能である。
The radio
先ず、全体的な動作について説明する。マイクロコンピュータ103は、時刻表示器104への出力データを計時カウンタ105の計時データに同期させて更新していくことで時刻の表示出力を行う。さらに、マイクロコンピュータ103は、所定の時刻になったら、電波受信の制御プログラムを実行して、電波受信部100を作動させる。それにより、所定周波数帯の搬送波により送信されてくる標準電波が電波受信部100で受信され、この受信信号からタイムコードが検波される。マイクロコンピュータ103は、検波されたタイムコードを入力し、このタイムコードから正確な現在時刻を求める。そして、計時カウンタ105の計時時刻にずれがある場合に、これを自動的に修正する。このような制御動作によって、常に正確な時刻表示が行われるようになっている。
First, the overall operation will be described. The
マイクロコンピュータ103は、図示略の操作入力部から現在地の情報を受け、この現在地の情報に基づいてスイッチ回路108の接続の切り替えを行う。MEMSアンテナ10,10a〜10zは、それぞれ異なる周波数帯の標準電波の受信を行う特性を有しており、マイクロコンピュータ103がこれら複数のMEMSアンテナ10,10a〜10zの中から現在地に応じたものを選択して受信信号の取り込みを行わせる。これにより、現在地に応じた標準電波が受信されて、そのタイムコードから時刻修正が行われるようになっている。
The
また、電波受信処理によってタイムコードの受信が確認されない場合には、マイクロコンピュータ103はスイッチ回路108の接続を順次切り換えて、タイムコードの受信が確認できるMEMSアンテナ10,10a〜10zを探し出し、このタイムコードの受信が確認されたMEMSアンテナ10,10a〜10zから電波受信を行うといった制御も行われたりする。
If the reception of the time code is not confirmed by the radio wave reception process, the
図2は、本発明の実施形態の1個のMEMSアンテナ10の構成を示す斜視図、図3は、このMEMSアンテナ10の縦断面図、図4は、このMEMSアンテナ10の電気的な構成を示す回路図である。
2 is a perspective view showing a configuration of one
MEMSアンテナ10は、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)作製技術を用いて半導体基板上に形成された極めて小さな(例えば数ミリメートル以下、或いは、ミクロンオーダーの大きさの)アンテナであり、電波信号の磁界成分を受けてこの受信電波を電気信号に変換するものである。
The
このMEMSアンテナ10は、図2や図3に示すように、基板11上に形成された梁部12と、梁部12の一部を固定している絶縁体からなるスペーサー15,15と、梁部12の可動範囲に形成された磁性体13と、梁部12の下側に固定された永久磁石14と、該梁部12に形成された面状の電極(第1電極)16と、梁部12に対向する基板11上の部位に形成された面状の電極17(第2電極)等から構成される。そして、梁部12の周囲に空間を設けて梁部12が上下に変位可能な状態で樹脂19等により周囲が封止されてなる。なお、梁部12自体に導電性を持たせることで、電極16を梁部12と共用にしても良い。
As shown in FIGS. 2 and 3, the
上記の構成のうち、梁部12と磁性体13によって振動体が構成され、電極16,17により梁部12の変位を電気信号に変換する変換手段が構成される。
Among the above configurations, the
梁部12は、例えば、シリコンにより形成されたものである。梁部12は、板状の構成であり、その長手方向が基板11に沿った向きで、一部の箇所(例えば両端部)がスペーサー15,15を介して基板11に固定され、他の部位が空間をあけて基板11上に浮いた状態になっている。梁部12の下側の空間は犠牲層エッチングなどにより形成することができる。そして、この固定されていない部位が基板11に対して上下に振動するようになっている。
The
梁部12の固有振動数は、梁部12の長さや厚みなどから所望の振動数に設定することが可能になっており、この実施の形態では1つの標準電波の搬送波の周波数(例えば40kHz)と同一になるように設定されている。また、梁部12にSiGe(シリコン・ゲルマニウム)やその他の材料を適宜組み合わせることで、このような振動特性の温度補償を行うことも可能である。
The natural frequency of the
複数のMEMSアンテナ10,10a〜10zの各々において、各梁部12の固有振動数は異なるものに設定され、例えば、異なる地区や異なる国の標準電波の搬送波の周波数とそれぞれ同一になるように設定されている。
In each of the plurality of
梁部12に形成される面状の電極16や、基板11に形成される面状の電極17は、対向配置されて電気容量を構成するものであり、例えば、金属材料を蒸着して形成されるものである。この金属材料は磁化しないアルミなどを使用すると好ましい。なお、梁部12に電極16を形成する換わりに、梁部12を形成している材料自体をドーピング等することで導電性を付加した構成とし、この梁部12自体を電極としても良い。
The
電極16,17には、通常の半導体製造プロセスによって配線h1,h2が接続され、これらの配線h1,h2が基板11上に引き出された構成となっている。図3では、配線h1,h2を単純化して示しているが、実際には、基板11側の配線h2はそのまま基板11上のMEMSアンテナ10の外部まで引き出され、梁部12側の配線h1はスペーサー15にコンタクトホールを形成して基板11上まで導いた後、基板11上のMEMSアンテナ10の外部まで引き出されている。
Wirings h1 and h2 are connected to the
スペーサー15,15は、例えば、絶縁性を持たせるためにシリコン酸化膜(SiO2)などにより形成されたものである。
The
基板11上の永久磁石14は、梁部12の磁性体13に磁力を及ぼすためのものであり、例えば、スパッタリングにより強磁性体の薄膜堆積により強磁性体のブロックを形成した後、この強磁性体のブロックに強い磁界を加えて該強磁性体を特定の方向に磁化させることで形成することができる。
The
梁部12上の磁性体13は、電波信号の磁界成分を受けて磁化することで、永久磁石14に対して斥力や引力を発生させて梁部12を変位させるように作用するものであり、例えば、スパッタリングを使用した磁性体(例えば軟磁性体)の薄膜堆積により形成することができる。
The
図4に示すように、MEMSアンテナ10の電極16,17は、梁部12が変位することで電気容量の大きさを変化させる可変容量Cvを構成するものである。半導体基板上には、この可変容量Cvと直列に容量素子C1が接続され、これらの直列回路に電圧E1が印加された構成になっている。このような構成により、梁部12が変位して可変容量Cvの容量値が変化することで、可変容量Cvの端子間に梁部12の変位に応じた電気信号(電圧)が出力されるようになっている。
As shown in FIG. 4, the
なお、図4の容量素子C1の換わりに抵抗素子を可変容量Cvに直列接続しても同様の作用を得ることができる。 Note that the same effect can be obtained by connecting a resistance element in series with the variable capacitor Cv instead of the capacitor C1 of FIG.
次に、上記構成のMEMSアンテナ10および電波受信部100の動作について説明する。
Next, operations of the
上記構成のMEMSアンテナ10によれば、梁部12の固有振動数に対応した周波数帯(例えば40kHz)の標準電波が到来したときには、この電波信号の磁界成分が梁部12に作用力を及ぼして梁部12が共振するとともに、梁部12が電波信号の磁界成分の大きさに応じた変位を行う。
According to the
この梁部12の変位は可変容量Cvの容量変化となって、この容量変化に応じた電気信号がMEMSアンテナ10からスイッチ回路108を介して増幅器101に出力される。この電気信号は到来した標準電波をほぼそのまま電気信号に変換した信号となる。そして、この電気信号が増幅器101で増幅され、その後、検波器102に送られてタイムコードが検波される。
The displacement of the
一方、梁部12の固有振動数から外れた周波数帯の電波が到来したときには、この電波信号の磁界成分が梁部12に作用力を及ぼすが、梁部12の固有振動数から外れた周波数で振動する作用力なので、梁部12において吸収および打ち消されて梁部12は振動しない。従って、可変容量Cvの容量変化も生じず、MEMSアンテナ10の信号出力はほぼゼロとなる。
On the other hand, when a radio wave having a frequency band deviating from the natural frequency of the
また、上記の標準電波とそれ以外の周波数帯の電波が入り混じって到来したときには、両者による作用がそれぞれ重なるように動作するので、梁部12の固有振動数から外れた周波数帯の電波はカットされ、標準電波のみがMEMSアンテナ10で抽出されて受信される。そして、標準電波の信号のみが増幅器101と検波器102に送られることとなる。
In addition, when the above standard radio waves and radio waves in other frequency bands come in a mixed manner, the operations of the two are operated so as to overlap with each other, so that the radio waves in the frequency band deviating from the natural frequency of the
図5には、MEMSアンテナと従来のコイル型アンテナとの周波数特性を表わしたグラフを示す。 In FIG. 5, the graph showing the frequency characteristic of a MEMS antenna and the conventional coil type | mold antenna is shown.
MEMS作製技術によって形成される振動体は、帯域の狭い固有振動数の範囲でのみ大きな共振を行うといった周波数特性が得られる。そのため、上記構成のMEMSアンテナ10によれば、図5の実線に示すように、非常に高いQ値で、特定の周波数f0の電波のみを受信し、特定周波数f0から外れた電波を大幅にカットする特性を得ることができる。図5の点線にコイル型アンテナの周波数特性を比較用に示す。図5の実線と点線の特性線の比較から分かるように、MEMSアンテナ10のアンテナ自体の受信利得のQ値は、コイル型アンテナよりも非常に高いものとなる。
The vibrating body formed by the MEMS manufacturing technique can obtain frequency characteristics such that large resonance is performed only in the narrow frequency range of the natural frequency. Therefore, according to the
電波受信部100に形成された複数のMEMSアンテナ10,10a〜10zは、上記の特定周波数f0の値をそれぞれ異ならせて設定されるが、受信利得のQ値等は同様の特性を有するものである。従って、電波受信を行わせるMEMSアンテナ10,10a〜10zを選択的に切り換えることで、所望のチャンネルから狭帯域に電波信号を取り込むことが可能となる。
The plurality of
このような構成のMEMSアンテナ10によれば、MEMS技術を用いてアンテナの顕著な小型化を図ることができる。また、MEMSアンテナ10自体が狭帯域フィルタのように特定の周波数帯の電波信号のみを受信し、特定周波数帯から外れた電波の入力をカットするので、帯域外の信号入力を電波受信の段階で除去することができる。それにより、帯域外の電波の入力によって増幅段の動作が飽和し、この飽和によって受信感度が低下するといった不都合も生じない。
According to the
また、コイル型アンテナでは、電波受信に伴ってコイルやコアに比較的大きな磁束の変化が生じるため、周囲の金属に渦電流を発生させて、この渦電流の発生により受信感度が大幅に低下するという問題があったが、MEMSアンテナ10ではこのような渦電流を発生させないので、それによる受信感度が低下することもない。従って、周囲に金属があっても電波の入力を遮断することがなければ高い受信感度を実現できる。
Also, in coil type antennas, a relatively large change in magnetic flux occurs in the coil and core with radio wave reception, so eddy currents are generated in the surrounding metal, and the reception sensitivity is greatly reduced due to the generation of eddy currents. However, since the
また、MEMSアンテナ10として、梁部12に磁性体13を設け、梁部12の下方に永久磁石14を設けて、梁部12を振動させる構成を採用しているので、製造プロセスの単純化や製造コストの低減が図られている。また、永久磁石14が梁部12の磁性体13に磁力を及ぼすことにより、電波信号の磁界成分の作用による梁部12の変位を大きくとることができる。
In addition, since the
また、基板11と梁部12とに互いに対向する面状の電極16,17を形成して、これら電極16,17からなる可変容量Cvにより梁部12の変位に応じた電気信号を出力する構成を採用しているので、比較的単純な構成により梁部12の変位を確実に電気信号へ変換することができる。
Further, the
さらに、この実施形態のアンテナ装置によれば、受信周波数帯の異なる複数のMEMSアンテナ10,10a〜10zを備えているので、これらから複数チャンネルの電波受信を行うことが可能となる。しかも、個々のMEMSアンテナ10,10a〜10zは非常に小さいものなので、複数個のMEMSアンテナ10,10a〜10zを有していてもアンテナ装置全体のチップ面積はさほど大きくならない。さらに、全てのMEMSアンテナ10,10a〜10zは同一のMEMS作製プロセスによって同時に作製することができるので、複数個のMEMSアンテナ10,10a〜10zを有していても、アンテナ装置の製造コストを大幅に増加させたりしない。
Furthermore, according to the antenna device of this embodiment, since the plurality of
また、この実施形態のアンテナ装置および電波受信部100によれば、スイッチ回路108により、複数のMEMSアンテナ10,10a〜10zの何れかと後段の回路(増幅器101)との接続を切り換えられるようになっているので、複数チャンネルの電波が共に送信されている中で1つのチャンネルの電波を選択的に受信することが可能となる。なお、複数チャンネルの電波信号を共に受信する場合や、複数チャンネルの電波信号が排他的に送信されるような場所では、スイッチ回路108を省略することも可能である。
Further, according to the antenna device and the radio
また、この実施形態の電波時計1によれば、MEMSアンテナ10,10a〜10zを含めて電波受信部100を極めて小型に構成できる。また、MEMSアンテナ10自体に帯域の狭いフィルタ特性が付与されているので、別途、狭帯域のフィルタなどを設ける必要がなく、電波受信部100の回路の単純化や実装面積の削減を図ることができる。それゆえ、腕時計本体など小さな装置にも余裕をもってアンテナや受信回路を搭載することができる。
In addition, according to the
[MEMSアンテナの第1変形例]
図6は、MEMSアンテナの第1変形例を示す縦断面図である。
[First Modification of MEMS Antenna]
FIG. 6 is a longitudinal sectional view showing a first modification of the MEMS antenna.
この第1変形例のMEMSアンテナ10Aは、梁部12の上方(基板11の逆側)にも電極を設けることで、MEMSアンテナ10Aから比較的に大きな電気信号を取り出せるようにしたものであり、基本的な構成は図2のMEMSアンテナ10と同様である。同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
The
この第1変形例のMEMSアンテナ10Aにおいては、梁部12の上方を覆うように板状の覆い板20を設け、この覆い板20に面状の電極(第3電極)21が形成されている。覆い板20は、梁部12の自由な変位を妨げないように、例えば、スペーサー22,22を介して梁部12から浮いた状態に形成されている。
In the
このような覆い板20は、例えば梁部12と同様の材料および製造プロセスによって形成することができる。また、覆い板20は、梁部12のように振動することがないように、例えば厚みを増したり硬度を増したりして形成されている。
Such a
電極21は梁部12の電極16と同様の材料および製造プロセスによって形成することができ、スペーサー22,22は梁部12を支持するスペーサー15,15と同様の材料および製造プロセスにより形成することができる。スペーサー22,22は、例えば、梁部12を支持するスペーサー15,15と重なる配置で形成されている。
The
図7は、第1変形例のMEMSアンテナの電気的な接続構成を示す回路図である。 FIG. 7 is a circuit diagram showing an electrical connection configuration of the MEMS antenna according to the first modification.
図7に示すように、上記の3つの電極17,16,21は、梁部12が変位することで各々の電気容量を変化させる2つの可変容量Cv,Cv2を構成するものである。詳細には、梁部12の電極16と基板11側の電極17によって一方の可変容量Cvが構成され、梁部12の電極16と覆い板20の電極21によってもう一方の可変容量Cv2が構成される。また、これら2つの可変容量Cv,Cv2は直列に接続され、これらの直列回路に定電圧E1が印加された構成にされる。
As shown in FIG. 7, the three
このような構成により、梁部12が変位すると、2つの可変容量Cv,Cv2の容量値が互いに正負逆向きに変化する。それにより、可変容量Cvの端子間に梁部12の変位に応じた電気信号が出力される。この構成によれば、図4に示した上述の回路と比較して、出力電圧の振幅をほぼ二倍近く大きくすることができる。
With such a configuration, when the
[MEMSアンテナの第2変形例]
図8は、MEMSアンテナの第2変形例を示すもので、(a)は縦断面図、(b)は基板面の平面図である。
[Second Modification of MEMS Antenna]
8A and 8B show a second modification of the MEMS antenna. FIG. 8A is a longitudinal sectional view, and FIG. 8B is a plan view of a substrate surface.
第2変形例のMEMSアンテナ10Eは、梁部12の磁性体13に磁力を与える構成として、永久磁石の替わりにコイル磁石(電磁石)25を適用したものである。その他の構成は図2の構成とほぼ同様であり、同様の構成は同一符号を付して説明を省略する。
The
コイル磁石25は、図8(b)に示すように、配線を複数巻回してなり、この巻回された配線に定電流を流すことで所定の磁力を磁性体13に及ぼすものである。この実施形態においては、コイル磁石25は、基板11上の磁性体13の下方に配置されている。
As shown in FIG. 8B, the
このコイル磁石25は、例えば、基板11上の電極17Eを形成する蒸着工程においてマスクパターンにコイル磁石25の配線パターンを付加することで、電極17Eと同時に形成されたものである。図8(b)に示すように、電極17Eの中央部位に隙間171が設けられ、この部位にコイル磁石25の巻回配線が形成されている。巻回された配線は多層配線により内側の配線が外側に引き出されている。
The
また、電極17Eの中央部位から一方の端部にかけてスリット172が形成され、このスリット172の部位に、コイル磁石25の巻回配線から外部の端子T25a,T25bまで伸びる引き出し線が形成されている。このように電極17Eにスリット172を設けて、電極17Eがコイル磁石25の巻回配線の全周を取り囲まないようにすることで、コイル磁石25に電流を流すときや停止させるときに、電極17Eの巻回配線の周りで、巻回配線を周回するような渦電流が生じることを回避して、この渦電流によりコイル磁石25に影響が生じないようにされている。
In addition, a
この第2変形例のMEMSアンテナ10Eによれば、電波受信時にコイル磁石25に定電流を流すことでコイル磁石25から磁性体13に所定の磁力を及ぼすことができる。そして、第1実施形態と同様の動作によって所定周波数帯の電波受信を行うことができる。
According to the
また、この第2変形例のMEMSアンテナ10Eによれば、MEMSアンテナ10Eの半導体製造プロセスから永久磁石を形成する工程を省くことができるので、MEMSアンテナ10Eの製造プロセスの単純化を図ることができる。
Further, according to the
また、コイル磁石25に流す電流を調整することで、コイル磁石25から梁部12の磁性体13に及ぼされる磁力の大きさを変化させることもできるという効果が得られる。
Moreover, the effect that the magnitude of the magnetic force exerted from the
なお、本発明は、上記実施の形態に限られるものではなく、様々な変更が可能である。例えば、上記実施形態のMEMSアンテナ10やその第1と第2の変形例では、磁石14やコイル磁石25を梁部12の下方に配置しているが、スペーサーを介して上方に配置したり、側方に配置したり、種々に変更可能である。さらに、MEMSアンテナ10をチップ上に形成するMEMS作製プロセスとは別の工程で、磁石やコイル磁石を後付するようにしても良い。
The present invention is not limited to the above-described embodiment, and various modifications can be made. For example, in the
また、上記実施形態では、MEMSアンテナ10,10a〜10zをシリコン基板上に形成した例を示したが、シリコン基板に限られず、例えば、ガラス基板や有機材料などの上に集積化することもできる。また、振動体として両端が支持され中央部位が上下に振動する梁部12を例示したが、例えば、片持支持されたカンチレバー型の振動体を適用したり、音叉構造の振動体を適用したりしても良い。
Moreover, although the example which formed the
また、上記実施形態では、梁部12の一部に磁性体13を形成した例を示したが、梁部12の全体に磁性体を薄く形成するようにしても良い。また、梁部12自体を磁性体から構成するようにしても良い。また、電波信号の磁界成分を受けて磁性体のみで変位する大きさの電波信号を受信する構成であれば、磁性体に磁力を及ぼす磁石を省略しても良い。
Moreover, although the example which formed the
また、上記実施形態では、MEMSアンテナ10,10a〜10zを各地区の標準電波の周波数帯に合わせた例を示したが、受信する電波はタイムコードが含まれる標準電波に限られるものでなく、本発明のアンテナ装置および電波受信装置は種々の電波受信に利用することができる。また、梁部12の固有振動数を受信電波の周波数帯と一致させて形成した例を示したが、梁部12が実際に共振する場合に、本来の固有振動数から僅かに振動数がずれる場合には、受信電波の周波数帯にこのズレを反映させた固有振動数に形成するようにしても良い。
Moreover, in the said embodiment, although the example which match | combined the
また、複数のMEMSアンテナ10,10a〜10zを受信周波数帯をそれぞれ僅かずつずらした特性に形成し、プロセス誤差等に基づく受信周波数帯のズレや、装置のケーシングが電波に与える影響など外部要因による受信周波数帯のズレを、これら複数のMEMSアンテナ10,10a〜10zの中から利用するMEMSアンテナを適宜選択することで吸収するようにしても良い。
Further, the plurality of
1 電波時計
10,10a〜10z,10A,10E MEMSアンテナ(アンテナ部)
11 基板
12 梁部
13 磁性体
14 永久磁石
15 スペーサー
16 電極(第1電極)
17 電極(第2電極)
20 覆い板
21 電極(第3電極)
25 コイル磁石
Cv,Cv2 可変容量
100 電波受信部(受信装置)
101 増幅器
102 検波器(復調器)
103 マイクロコンピュータ
104 時刻表示器
105 計時カウンタ
108 スイッチ回路
1
DESCRIPTION OF
17 electrode (second electrode)
20
25 Coil magnet Cv, Cv2
101
103
Claims (6)
前記アンテナ部が前記振動体の固有振動数を異ならせて複数設けられていることを特徴とするアンテナ装置。 A radio wave having a characteristic that vibrates at a predetermined natural frequency and that is displaced by receiving an external magnetic field, and a conversion unit that converts the motion of the vibrator into an electric signal, and having a frequency band that resonates the vibrator When a signal arrives, the vibrating body resonates due to the magnetic field component of the radio signal, and the resonance is converted into an electric signal by the conversion means, so that the radio signal in the frequency band is converted into an electric signal and captured. An antenna device including an antenna unit,
An antenna device, wherein a plurality of the antenna units are provided with different natural frequencies of the vibrating body.
前記スイッチ手段を介して前記アンテナ装置から送られてくる電気信号を増幅する増幅器と、
前記増幅器により増幅された信号に対して復調処理を行う復調器と、
を備えたことを特徴とする受信装置。 An antenna device according to claim 3,
An amplifier for amplifying an electrical signal sent from the antenna device via the switch means;
A demodulator that performs demodulation processing on the signal amplified by the amplifier;
A receiving apparatus comprising:
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