JP4640762B2 - ハードコートフィルム - Google Patents
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すなわち、本発明は、
ReSi(OR1)3 (1)
(式中Reは、エポキシ基を有する置換基を示す。R1はC1〜C4のアルキル基を示す。)で表されるエポキシ基を有するアルコキシケイ素化合物と下記一般式(2)
RaSi(OR2)3 (2)
(式中Raは、C1〜C10のアルキル基またはアリール基を示す。R2はC1〜C4のアルキル基を示す。)で表されるアルコキシケイ素化合物を、塩基性触媒の存在下、縮合させて得られるエポキシ基含有ケイ素化合物(A)、光カチオン重合開始剤(B)及び希釈剤(C)を含有する感光性樹脂組成物を塗布し、硬化することにより形成されることを特徴とするハードコートフィルム、
(2)式(1)の化合物において、ReがグリシドキシC1〜C4アルキル基又はオキシラン基を持ったC5〜C8のシクロアルキル基で置換されたC1〜C3アルキル基であることを特徴とする前項(1)に記載のハードコートフィルム、
(3)式(1)の化合物において、ReがグリシドキシC1〜C4アルキル基である化合物、オキシラン基を持ったC5〜C8のシクロアルキル基で置換されたC1〜C3アルキル基である化合物をそれぞれ前記式(2)で表される化合物と縮合させ、得られた各々のエポキシ基含有ケイ素化合物(A)を併用することを特徴とする前項(1)に記載のハードコートフィルム、
(4)感光性樹脂組成物において、更に平均粒径1〜20μmの無機微粒子もしくは有機微粒子を含有することを特徴とする前項(1)ないし(3)のいずれか一項に記載のハードコートフィルム、
(5)前項(1)ないし(4)のいずれか一項に記載のハードコートフィルムの上に反射防止層を形成することを特徴とする反射防止フィルム、
(6)偏光素子を2枚の保護フィルムで挟み込んだ偏光板において、保護フィルムが請求項1ないし5のいずれか一項に記載のフィルムであることを特徴とする偏光板、
に関する。
本発明の感光性樹脂組成物では、下記一般式(1)
ReSi(OR1)3 (1)
(式中Reは、エポキシ基を有する置換基を示す。R1はC1〜C4のアルキル基を示す。)で表されるエポキシ基を有するアルコキシケイ素化合物と下記一般式(2)
RaSi(OR2)3 (2)
(式中Raは、C1〜C10のアルキル基またはアリール基を示す。R2はC1〜C4のアルキル基を示す。)で表されるアルコキシケイ素化合物を塩基性触媒の存在下、縮合させて得られるエポキシ基を有するケイ素化合物(A)を用いる。
本発明で使用する前記式(1)で示されるエポキシ基を有するアルコキシケイ素化合物中のReとしては、エポキシ基を有する置換基であれば特に制限はないが、例えばβ−グリシドキシエチル基、γ−グリシドキシプロピル基、γ−グリシドキシブチル基等のグリシドキシC1〜C4アルキル基、好ましくはグリシドキシC1〜C3アルキル基、グリシジル基、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル基、γ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロピル基、β−(3,4−エポキシシクロヘプチル)エチル基、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロピル基、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)ブチル基、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)ペンチル基等のオキシラン基を有するC5〜C8のシクロアルキル基で置換されたC1〜C3アルキル基が挙げられる。
これらの中でβ−グリシドキシエチル基、γ−グリシドキシプロピル基、β−(3,4エポキシシクロヘキシル)エチル基が好ましい。
前記式(1)において、R1はC1〜C4のアルキル基を示すが、反応条件の点で、R1として好ましいものは、メチル、エチルである。
これらの置換基Re、R1を有する式(1)の化合物として用いる事のできる化合物の好ましい具体例としては、β−グリシドキシエチルトリメトキシシラン、β−グリシドキシエチルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン等が挙げられる。
前記式(2)において、R2はC1〜C4のアルキル基を示すが、反応条件の点で、R2として好ましいものは、メチル、エチルである。
前記式(2)で表される化合物の具体例としては、例えばメチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリブトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、イソブチルトリエトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、イソプロピルトリメトキシシラン、イソプロピルトリエトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、デシルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン等が挙げられ、好ましくはメチルトリメトキシシランである。これらの化合物は市場から容易に入手できる。
本発明で使用するエポキシ基を有するケイ素化合物(A)は1種又は2種以上用いる事が出来、その場合、前記式(1)の化合物において、ReがグリシドキシC1〜C4アルキル基である化合物、オキシラン基を持ったC5〜C8のシクロアルキル基で置換されたC1〜C3アルキル基である化合物をそれぞれ前記式(2)で表される化合物と縮合させ、得られた各々のエポキシ基含有ケイ素化合物(A)を併用するのが好ましい。
また、前記式(1)の化合物を前記式(2)の化合物の縮合反応を行う際には、2種以上の前記式(1)の化合物を用いて前記式(2)の化合物と縮合をさせる事も出来る。
光カチオン重合開始剤(B)の市販品としては例えば、UVI−6990(商品名:ユニオンカーバイド製)、RHODORSIL PHOTOINITIATOR2074(ローディアジャパン社製)、イルガキュア250(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製)、アデカオプトマーSP−150、アデカオプトマーSP−170(商品名:いずれも旭電化製)、CIT−1370、CIT−1682、CIP−1866S、CIP−2048S、CIP−2064S(商品名:いずれも日本曹達製)、DPI−101、DPI−102、DPI−103、DPI−105、MPI−103、MPI−105、BBI−101、BBI−102、BBI−103、BBI−105、TPS−101、TPS−102、TPS−103、TPS−105、MDS−103、MDS−105、DTS−102、DTS−103(商品名:いずれも、みどり化学製)等が挙げられる。
光カチオン重合開始剤(B)の使用量は、感光性樹脂組成物中の固形分を100重量部とした時、0.5〜20重量部が好ましく、特に好ましくは、1〜15重量部である。
上記のハードコート剤の塗布方法としては、例えば、バーコーター塗工、メイヤーバー塗工、エアナイフ塗工、グラビア塗工、リバースグラビア塗工、マイクログラビア塗工、ダイコーター塗工、ディップ塗工などが挙げられる。
硬化のために照射する放射線としては、例えば、紫外線、電子線などが挙げられる。紫外線により硬化させる場合、光源としては、キセノンランプ、高圧水銀灯、メタルハライドランプなどを有する紫外線照射装置が使用され、必要に応じて光量、光源の配置などが調整される。高圧水銀灯を使用する場合、80〜120W/cmのエネルギーを有するランプ1灯に対して搬送速度5〜60m/分で硬化させるのが好ましい。
使用する無機微粒子としては、例えば、シリカ、アルミナ、炭酸カルシウム、タルク、酸化チタン、酸化亜鉛などが挙げられる。また、有機微粒子としては、例えば、ポリメチル(メタ)アクリレート微粒子、ポリスチレン微粒子、ポリウレタン微粒子、ポリアミド微粒子などが挙げられる。
これらは、単独または2種以上を混合して使用しても良い。使用数量は、感光性樹脂組成物の固形分中0.1〜30重量%、好ましくは0.5〜25重量%である。また、分散剤、消泡剤などの各種添加剤を使用しても良い。
Dry法は、フッ化マグネシウムやシリカなどの低屈折率無機材料や酸化チタンや酸化ジルコニウム、酸化亜鉛などの高屈折率無機材料を蒸着、スパッタリング、プラズマCVDなどにより薄膜を形成する。Wet法は、フッ素系化合物やシリコン系化合物を用いた低屈折率コート剤や金属酸化物分散液などを用いた高屈折率コート剤をコーティングにより薄膜を形成する方法である。
どちらの方法においても、反射防止層を形成する各層の膜厚は、0.08〜0.15μm程度が好ましい。
また、液晶表示装置に組み込んだ時外側になる方のハードコートフィルムの代わりに、前記防眩性ハードコートフィルムや反射防止フィルムを使用しても良い。
(1)エポキシ当量 :JIS K−7236に準じた方法で測定。
(2)重量平均分子量:GPC法により測定。
γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン90部、メチルトリメトキシシラン5部、メチルイソブチルケトン95部を反応容器に仕込み、80℃に昇温した。昇温後、0.1重量%水酸化カリウム水溶液21.6部を30分間かけて連続的に滴下した。滴下終了後、生成するメタノールを除去しながら80℃にて5時間反応させた。反応終了後、洗浄液が中性になるまで水洗を繰り返した。次いで減圧下で溶媒を除去することによりエポキシ基含有ケイ素化合物(A−1)75部を得た。得られた化合物のエポキシ当量は176g/eq、重量平均分子量は3500であった。また、室温1ヶ月の経時でもゲル化は観察されなかった。
β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン90部、メチルトリメトキシシラン5部、メチルイソブチルケトン95部を反応容器に仕込み、80℃に昇温した。昇温後、0.1重量%水酸化カリウム水溶液21.6部を30分間かけて連続的に滴下した。滴下終了後、生成するメタノールを除去しながら80℃にて5時間反応させた。反応終了後、洗浄液が中性になるまで水洗を繰り返した。次いで減圧下で溶媒を除去することにより本発明のエポキシ基含有ケイ素化合物(A−2)70部を得た。得られた化合物のエポキシ当量は193g/eq、重量平均分子量は5400。また、室温1ヶ月の経時でもゲル化は観察されなかった。
トリアセチルセルロースフィルム(厚さ80μm、FT−T80UZ、富士写真フィルム(株)製)をケン化処理したフィルム上に、下表1に示す材料を配合した感光性樹脂組成物をマイクログラビアコーターで乾燥後膜厚約3μmになるよう塗布し、80℃で乾燥後、紫外線照射器により硬化させハードコートフィルムを得た。尚、トリアセチルセルロースフィルムのケン化処理は、2Nで水溶液の温度は、50℃の水酸化ナトリウム水溶液中に、1分間浸漬させケン化処理を行い、その後、1NのHCl水溶液で中和処理をした。
実施例1 実施例2 実施例3 比較例1
A−1 28.5 14.3
A−2 28.5 14.2
UVI-6990 1.5 1.5 1.5
DPHA 20.0
HDDA 8.5
Irg.184 1.5
PGM 70.0 70.0 70.0 70.0
UVI−6990:ユニオンカーバイド社製、トリフェニルスルホニウムフルオロフォスフェート
DPHA:日本化薬(株)製、KAYARAD DPHA(ジペンタエリスリトールペンタ/ヘキサアクリレート)
HDDA:化薬サートマー(株)製、KS−HDDA(1,6−ヘキサンジオールジアクリレート)
Irg.184:チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製、イルガキュア184(1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン)
PGM:(株)クラレ製、アーコソルブPM(プロピレングリコールモノメチルエーテル)
(鉛筆硬度)
JIS K 5400に従い、鉛筆引っかき試験機を用いて、表1の組成の塗工フィルムの鉛筆硬度を測定した。詳しくは、測定する硬化皮膜を有するトリアセチルセルロースフィルム上に、鉛筆を45度の角度で、上から1kgの荷重を掛け5mm程度引っかき、傷の付き具合を確認した。5回測定を行った。
評価 5/5:5回中5回とも傷なし
0/5:5回中全て傷発生
スチールウール#0000上に200g/cm2の荷重を掛けて20往復させ、傷の状況を目視で判定した。
評価 ○:傷なし
×:傷あり
JIS K 5400に従い、測定する硬化皮膜を有するフィルムの表面に1mm間隔で縦、横11本の切れ目を入れて100個の碁盤目を作る。セロハンテープをその表面に密着させた後、一気に剥がしたときに剥離せず残存したマス目の個数を示した。
ハードコートフィルムを10cm×10cmにカットし、水平な台上で浮き上がった4端それぞれの高さを測定し、平均値を測定値とした。この時、基材自身のカールは0mmであった。
鉛筆硬度 耐擦傷性 密着性 カール
実施例1 2H(5/5) ○ 100/100 3.5
実施例2 2H(5/5) ○ 100/100 4.2
実施例3 2H(5/5) ○ 100/100 4.1
比較例1 2H(5/5) ○ 0/100 17.3
実施例1の感光性樹脂組成物100部、シリカ(サイリシア350、富士シリシア化学(株)製)10部を混合しディスパー(4000rpm、10分)で分散し、防眩性ハードコート用感光性樹脂組成物を得た。得られた感光性樹脂組成物をケン化処理トリアセチルセルロースフィルム(厚さ80μm、FT−T80UZ、富士写真フィルム(株)製)上にマイクログラビアコーターで乾燥後膜厚約3μmになるよう塗布し、80℃で乾燥後、紫外線照射器により硬化させハードコートフィルムを得た。得られた防眩性ハードコートフィルムについて、鉛筆硬度、密着性、全光線透過率、ヘイズの評価を行った。鉛筆硬度、密着性は前記記載の方法で測定した。
(全光線透過率、ヘイズ)
ヘイズメーター 東京電色(株)製TC−H3DPKを使用して測定した。
上記の結果から本発明のハードコートフィルムは、密着性が良好で、高いヘイズ値を示したことから防眩性に優れていることが認められた。
(高屈折率コート剤の調製)
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬(株)製、KAYARAD DPHA)1.2部、イルガキュア184(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製)0.15部、イルガキュア907(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製)0.15部、セルナックスCX−Z600M−3F2(日産化学工業(株)製、アンチモン酸亜鉛のメタノール分散ゾル、固形分60%)7.5部、メタノール31部、プロピレングリコールモノメチルエーテル60部を混合し、固形分6%の高屈折率コート剤を調製した。
フッ素含有エポキシケイ素化合物(日本化薬(株)製、KHE−1501)1.5部、フッ素系ポリマー(関東電化工業(株)製、KD−200、固形分29.3%)4.6部、UVI−6990(ユニオンカーバイド社製、トリフェニルスルホニウムフルオロフォスフェート)0.15部、メチルエチルケトン93.75部を混合し、固形分3%の低屈折率コート剤を調製した。
実施例1で得られたハードコートフィルム上に、前記高屈折率コート剤をマイクログラビアコーターで塗布し、80℃で乾燥後、紫外線照射器により硬化させた。この時、反射率の最大値が520〜650nmになるように膜厚を調整した。
その後、更にその上に前記低屈折率コート剤をマイクログラビアコーターで塗布し、80℃で乾燥後、紫外線照射器により硬化させ反射防止フィルムを得た。この時、反射率の最小値が520〜650nmになるように膜厚を調整した。
フィルメトリクス社製薄膜測定装置F20にて測定した。測定は、フィルムの裏面からの反射率を防ぐため、塗工面の反対の面に黒のマジックを塗り、更に黒のビニルテープを貼った。
上記の結果から本発明の反射防止フィルムは密着性が良好で、耐擦傷性、反射率も良好な結果を示した。
Claims (6)
- ケン化処理をしたトリアセチルセルロースフィルム上の少なくとも一方の面にハードコート層を形成したフィルムにおいて、ハードコート層が、下記一般式(1)
ReSi(OR1)3 (1)
(式中Reは、エポキシ基を有する置換基を示す。R1はC1〜C4のアルキル基を示す。)で表されるエポキシ基を有するアルコキシケイ素化合物と下記一般式(2)
RaSi(OR2)3 (2)
(式中Raは、C1〜C10のアルキル基またはアリール基を示す。R2はC1〜C4のアルキル基を示す。)で表されるアルコキシケイ素化合物を、塩基性触媒の存在下、縮合させて得られるエポキシ基含有ケイ素化合物(A)、光カチオン重合開始剤(B)及び希釈剤(C)を含有する感光性樹脂組成物を塗布し、硬化することにより形成されることを特徴とするハードコートフィルム。 - 式(1)の化合物において、ReがグリシドキシC1〜C4アルキル基又はオキシラン基を持ったC5〜C8のシクロアルキル基で置換されたC1〜C3アルキル基であることを特徴とする請求項1に記載のハードコートフィルム。
- 式(1)の化合物において、ReがグリシドキシC1〜C4アルキル基である化合物、オキシラン基を持ったC5〜C8のシクロアルキル基で置換されたC1〜C3アルキル基である化合物をそれぞれ前記式(2)で表される化合物と縮合させ、得られた各々のエポキシ基含有ケイ素化合物(A)を併用することを特徴とする請求項1に記載のハードコートフィルム。
- 感光性樹脂組成物において、更に平均粒径1〜20μmの無機微粒子もしくは有機微粒子を含有することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載のハードコートフィルム。
- 請求項1ないし4のいずれか一項に記載のハードコートフィルムの上に反射防止層を形成することを特徴とする反射防止フィルム。
- 偏光素子を2枚の保護フィルムで挟み込んだ偏光板において、保護フィルムが請求項1ないし5のいずれか一項に記載のフィルムであることを特徴とする偏光板。
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