JP4619506B2 - Diamond electrode for measuring glucose concentration, and measuring method and apparatus using the same - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の背景】
発明の分野
本発明は、臨床学的または食品学的に重要なグルコースの濃度を測定するためのダイヤモンド電極、ならびにそれを用いたグルコース濃度を測定する方法およびそのための装置に関する。
【0002】
背景技術
ダイヤモンドは本来抵抗率が1013Ωcm程度の絶縁材料であるが、微量不純物のドープにより導電性を獲得する。この導電性ダイヤモンドには、種々の用途が期待されている。その一つに電気化学用の電極としての利用がある。導電性とされたダイヤモンドを電気化学用の電極として見ると、広い電位窓を有し、かつバックグラウンド電流が極めて小さいという優れた特長を有する。さらに、物理的、化学的に安定であり、耐久性に優れるとの特長もまた有する。導電性ダイヤモンド(好ましくはその薄膜)を有する電極は、ダイヤモンド電極と一般的に呼ばれるに至っている。
【0003】
ダイヤモンド電極に関する先駆的研究はIwakiらによって行われた(Iwaki et al., Nuclear Instruments and Methods, 209-210, 1129(1983))。彼らは、アルゴンや窒素イオンを打ち込んで表面導電性を付与した単結晶ダイヤモンドの電気伝導材料としての性質を研究したものである。同時に、電解質溶液中におけるサイクリックボルタモグラムも示した。その後、ホットフィラメントを用いて気相合成した多結晶ダイヤモンド電極の特性が報告されている(Pleskov et al., J. Electroanal. Chem., 228, 19(1993))。
【0004】
本発明者らの一部は、気相合成したダイヤモンド電極を用いて、窒素酸化物の還元について先に報告した(Tenne et al., J. Electroanal. Chem., 347, 409(1993))。この研究では、ドーパントとしてホウ素を導入したp型半導体ダイヤモンドを電極として使用した。その後、ダイヤモンド電極としては、ホウ素をドーパントとするp型半導体またはより導電性の高い金属様導電性ダイヤモンドの利用が主流となるに至る。1990年代に入って、ダイヤモンド電極の研究が複数のグループにより行われ、1995年以降は、より大面積のダイヤモンド薄膜が得られるプラズマCVD(PCVD)装置を用いて得られたダイヤモンド電極の研究が、電気化学分野にも散見されるに至っている。
【0005】
ところで、近年、糖尿病の患者数が増加の一途を辿っている。この糖尿病の診断は、従来、血糖値を測定することにより行われるのが一般的であったが、採血を要し、その分析にも時間を要することから、簡便な方法であるとは言い難いものであった。
これに対し、近年、尿糖値測定による糖尿病診断が実用化されるようになってきた。この尿糖値の測定は、苦痛を伴う採血を行う必要がなく、排尿により得られた尿を用いるという簡便性のために、今後利用者が増大していくものと思われる。このような尿糖値の測定に用いられているセンサとしては、現在、グルコースオキシダーゼ等の酵素電極を用いたバイオセンサが知られている。
【0006】
また、このような医学薬学の分野のみならず、食品の分野においても、グルコースの濃度を簡便に測定することができれば、食品の製造および栄養学上、利用価値が高いものと考えられる。このように、このグルコースの生体中または生体由来の試料中あるいは食品中の存在量を簡便に知ることが出来れば、医学薬学上または食品製造上極めて有意義なことである。
【0007】
【発明の概要】
本発明者らは、今般、ニッケル、銅、金、白金、パラジウム、ルテニウム、イリジウム、コバルト、およびロジウムからなる群から選択される1種以上が担持されてなるダイヤモンド電極がグルコースに特異的に感応し、その酸化電位における電流値から、その存在量を定量出来るとの知見を得た。本発明はかかる知見に基づくものである。
従って、本発明は、グルコースの濃度を特異的かつ短時間で容易に測定可能なダイヤモンド電極の提供をその目的としている。
また、本発明は、上記ダイヤモンド電極を用いた、被験試料中のグルコースの濃度測定法およびそのための装置の提供をその目的としている。
【0008】
そして、本発明の第一の態様によれば、好ましくはグルコース濃度を測定するために用いられるダイヤモンド電極が提供され、そのダイヤモンド電極は、導電性ダイヤモンドと、その上に担持される、ニッケル、銅、金、白金、パラジウム、ルテニウム、イリジウム、コバルト、およびロジウムからなる群から選択される1種以上とを有してなるものである。
【0009】
また本発明の別の態様によれば、上記ダイヤモンド電極を用いた、被験試料中のグルコースの濃度測定法が提供され、その方法は、
上記ダイヤモンド電極と、対電極とを用意し、
前記ダイヤモンド電極と、前記対電極とを被験試料に接触させ、
前記ダイヤモンド電極と、前記対電極との間に、前記ダイヤモンド電極上で酸化反応の生じる電圧を印加し、該電圧下における電流値を測定し、
得られた電流値から前記被験試料中のグルコースの濃度を算出すること
を含んでなるものである。
【0010】
さらに、本発明の別の態様によれば、上記ダイヤモンド電極を用いた、被験試料中のグルコースの濃度を測定する装置が提供され、その装置は、
上記ダイヤモンド電極と、
対電極と、
前記ダイヤモンド電極と、対電極とを被験試料に接触させる手段と、
前記ダイヤモンド電極と、前記対電極との間に、前記ダイヤモンド電極上で酸化反応の生じる電圧を印加する手段と、
該印加電圧下における電流値を測定する手段と、
得られた電流値から前記被験試料中のグルコースの濃度を算出する手段と
を少なくとも備えてなるものである。
【0011】
【発明の具体的説明】
被検化合物
本発明による方法によれば、試料溶液中におけるグルコースの濃度を選択的に知ることが出来る。本発明者らは、前記したように、ニッケル、銅などの触媒金属が担持されてなるダイヤモンド電極上において、グルコースが電気化学的に特異的に酸化されること、さらには、このダイヤモンド電極を作用電極とし、対電極との間に生じる電流値が系内のグルコースの濃度に正比例するとの関係も確認出来た。その結果、被験試料中のグルコースを定量的に検出することが可能となった。
【0012】
被験試料は、グルコースが含まれていると考えられる生体由来の血液、体液等、または食品もしくは食品の希釈溶液または懸濁液であってよい。尿を被験試料とすることで、本発明によるダイヤモンド電極を尿糖値測定による糖尿病診断に活用することができる。一般的に、尿糖値(すなわち尿中のグルコース濃度)に関し、以下のような基準が知られている;
i)食前に尿糖値が50mg/dl以下であり、かつ食後に100mg/dl以下であると正常であり、
ii)食後に100〜500mg/dlであると対糖能障害(境界型)であり、 iii)食前に50mg/dl以上であり、かつ食後に500mg/dl以上であると糖尿病である可能性が高い。
【0013】
本発明のダイヤモンド電極によれば、上記濃度範囲内で尿糖値(グルコース濃度)を知ることができるので、苦痛を伴う採血を行うことなく、糖尿病および対糖能障害(境界型)の診断を、短時間で簡便に行うことができる。このように、グルコースの尿中濃度を短時間で簡便に測定可能とする本発明によるダイヤモンド電極は、その診断および治療に有用である。さらにまた、グルコースは、多くの食品にも含まれ、食品の製造および栄養学上、その濃度を簡便に知ることが出来ることの意義は大きいと言える。
【0014】
ダイヤモンド電極およびその製造
ダイヤモンドは本来優れた絶縁体である。しかしながら、3族や5族の不純物を添加することによって、半導体〜金属様の導電性を示すようになる。本発明にあっては、半導体〜金属様の導線性を示すダイヤモンドを電極として使用する。
このような導線性を付与するために添加される物質としては、上記の通り3族および5族の元素が挙げられ、さらに好ましくはホウ素、窒素、リンが挙げられ、最も好ましくはホウ素または窒素である。この導電性を付与するために添加される物質の添加量は、ダイヤモンドに導電性を付与できる範囲で適宜決定されてよいが、例えば1×10−2〜10−6Ωcm程度の導電性を与える量添加されることが好ましい。この導電性を付与するために添加される物質の添加量は、導電性ダイヤモンドの製造工程における添加量により制御されることが一般的である。
【0015】
本発明によるダイヤモンド電極は、この導線性ダイヤモンドを電極として用い、その上にさらに触媒金属を担持させたものである。そして、触媒金属としては、ニッケル、銅、金、白金、パラジウム、ルテニウム、イリジウム、コバルト、ロジウム、およびこれらの組み合わせを用いるものとし、好ましくは銅および/またはニッケルである。これらの触媒金属が担持されたダイヤモンド電極は、電気化学反応を水中で行うと、酸化反応として水の電気分解により酸素が発生せず、グルコースの酸化反応を特異的に生じさせるとの極めて興味深い特性を有していた。この特性は、触媒金属がどのような形態であれ、導電性ダイヤモンド上に担持されていれば得られるものと考えられる。また、上記触媒金属のいずれかを単独で導電性ダイヤモンド上に担持させてもよいし、上記触媒金属の2種以上を、別個の金属として、あるいは合金として、導電性ダイヤモンド上に担持させてもよい。
【0016】
本発明の好ましい態様によれば、ニッケルは導電性ダイヤモンド表面の少なくとも一部に薄膜状に担持されてなる。ニッケル薄膜は導電性ダイヤモンド上に全面的ではなく部分的にのみ形成される傾向が強く、導電性ダイヤモンド電極全面にニッケル薄膜が形成されなくとも、グルコースの検出に支障はない。単位面積あたりのニッケルの重量は、特に限定されないが、5〜100μg/cm2程度が好ましく、より好ましくは20〜30μg/cm2程度である。
また、本発明の別の好ましい態様によれば、銅が導電性ダイヤモンド上に粒子状に担持されてなることができる。銅粒子の粒径は、特に限定されないが、走査線電子顕微鏡(SEM)により測定された粒子個々の粒径が10〜500nmであるのが好ましく、より好ましくは50〜300nmである。単位面積あたりの銅の重量は、特に限定されないが、5〜100μg/cm2程度が好ましく、より好ましくは20〜30μg/cm2程度である。
【0017】
ニッケル、銅などの触媒金属が担持された導電性ダイヤモンドそれ自体を基材の支持によらず電極とすることも可能であるが、本発明の好ましい態様によれば、基材上に導線性ダイヤモンドの薄膜を形成し、さらにこの導電性ダイヤモンド薄膜に触媒金属を担持させるとともに、導線を接続させ、電極とすることが好ましい。基材としては、Si(例えば、単結晶シリコン)、Mo、W、Nb、Ti、Fe、Au、Ni、Co、Al2O3、SiC、Si3N4、ZrO2、MgO、黒鉛、単結晶ダイヤモンド、cBN、石英ガラス等が挙げられ、特に単結晶シリコン、Mo、W、Nb、Ti、SiC、単結晶ダイヤモンドの利用が好ましい。
【0018】
この態様の電極を図1を用いて更に説明する。図1(a)は、ニッケル担持型ダイヤモンド電極1の断面図であり、この電極は、基材2の上に形成された導電性ダイヤモンド薄膜3と、その上に薄膜状に担持されたニッケル薄膜4とからなり、さらにこの導電性ダイヤモンド薄膜3には導線6が例えば金コーティング5を介して接続される。図1(b)は、ダイヤモンド電極1の斜視図であり、基材2の上に形成された導電性ダイヤモンド薄膜3と、その上に担持されたニッケル薄膜4からなり、さらにこの導電性ダイヤモンド薄膜3を電極とするための金コーティング5を介して導線6が接続される。また、図1(b)に点線で示されるように、ダイヤモンド電極1のニッケル薄膜4側の最表面の外縁および端部側面に、保護膜7を形成してもよい。この保護膜7は、エポキシ樹脂等の絶縁性の樹脂で形成されるのが好ましく、これによりダイヤモンド電極1の端部側面、金コーティング5、および導線6を電気化学的に安定な状態が確保されるように保護して、より安定かつ正確な測定を可能にする。
【0019】
導電性ダイヤモンド薄膜の厚さは、特に限定されないが、1〜100μm程度の厚さが好ましく、より好ましくは5〜50μm程度である。
さらに本発明の好ましい態様によれば、本発明によるダイヤモンド電極は、マイクロ電極の形態をとることが出来る。マイクロ電極の概念は既に公知であり、本発明においてマイクロ電極形態のダイヤモンド電極とは、Pt、W、Mo等の細線の末端を鋭利に切断し、電解研磨により末端をさらに鋭利にした後、その末端表面に導電性ダイヤモンドの薄膜を形成した構成のものを意味する。
【0020】
本発明の好ましい態様によれば、導電性ダイヤモンド薄膜は、化学気相成長法により好ましく製造される。化学気相成長法とは、気相中で気体原料を化学反応させて物質を合成する方法であり、CVD(Chemical Vapor Deposition )法と一般に呼ばれる。この方法は、半導体製造プロセスにおいて広く利用されており、本発明における導電性ダイヤモンド薄膜の製造にも合目的的な改変のもと利用可能である。
【0021】
ダイヤモンドの化学気相合成は、メタンなどの含炭素気体と水素を混合したものを原料気体として、それを励起源により励起させ、基板上に供給して堆積させることにより行われる。
励起源としては、熱フィラメント、マイクロ波、高周波、直流グロー放電、直流アーク放電、燃焼炎などが挙げられる。また、これらを複数組み合わせて核生成密度を調整したり、大面積化や均一化を図ることも可能である。
原料としては、炭素の含まれている多くの種類の、励起源により分解、励起されて、C、C2などの活性な炭素、およびCH、CH2、CH3、C2H2などの炭化水素ラジカルを生じさせる化合物を利用可能である。好ましい具体例としては、気体としてCH4、C2H2、C2H4、C10H16、CO、CF4、液体としてCH3OH、C2H5OH、(CH3)2CO、固体として黒鉛、フラーレンなどが挙げられる。
【0022】
気相合成法にあって、ダイヤモンドに導電性を付与する物質の添加は、例えば添加物質のディスクを系内に置き、炭素源原料と同様に励起させ、炭素気相に添加物質を導入する方法、炭素源に予め添加物質を添加し、系内に炭素源と共に導入し、励起源により励起し、炭素気相に添加物質を導入する方法等により行うことが出来る。本発明の好ましい態様によれば、後者の方法が好ましい。とりわけ、炭素源としてアセトン、メタノールなどの液体を用いる場合、これに酸化ボロン(B2O3)を溶解してボロン源とする方法が、ボロンの濃度の制御が容易で、かつ簡便であることから好ましい。例えば、気相合成法にあって、炭素源にホウ素を添加する場合、10〜12,000ppm程度が一般的であり、また1,000〜10,000ppm程度が好ましい。
【0023】
本発明の好ましい態様によれば、導電性ダイヤモンド薄膜の製造はプラズマ化学気相合成法により行われることが好ましい。このプラズマ化学気相合成法は、化学反応を引き起こす活性化エネルギーが大きく、反応が速いとの利点を有する。さらに、この方法によれば、熱力学的に高温でなければ存在しない化学種を生成して、低い温度での反応が可能となる。プラズマ化学気相合成法による導電性ダイヤモンド薄膜の製造は、本発明者らの一部を含めいくつかの報告が既にあり(例えば、Yano et al., J. Electrochem. Soc., 145(1998) 1870)、これら報告に記載の方法に従って行うことが好ましい。
【0024】
本発明において、触媒金属を導電性ダイヤモンド上に担持させる方法は、特に限定されず、種々の方法により行うことができる。
本発明の好ましい態様によれば、ニッケルを導電性ダイヤモンド上に担持させる場合、ニッケルイオンを含む溶液(例えば、硝酸ニッケル溶液、硫酸ニッケルアンモニウム溶液)を導電性ダイヤモンド上に滴下して乾燥させることにより行うことができる。こうして導電性ダイヤモンド上に担持されたニッケルは部分的に形成された薄膜状であるのが一般的である。なお、乾燥の際には加熱を行ってもよい。また、ニッケルを電着法により導電性ダイヤモンド上に担持させてもよい。
【0025】
本発明の好ましい態様によれば、銅を導電性ダイヤモンド上に担持させる場合、導電性ダイヤモンドを銅イオンを含有する溶液に浸漬し、負の電圧を導電性ダイヤモンドに印加して、導電性ダイヤモンド上に銅を析出させることにより行うことができる。このような溶液としては、硫酸中に硫酸銅を溶解させた溶液が好ましい。こうして導電性ダイヤモンド上に担持された銅は粒子状であるのが一般的である。
なお、銅粒子の導電性ダイヤモンドへの密着性を高めるために、銅を析出させる前に、硫酸中で導電性ダイヤモンドに正の電圧を印加して、ダイヤモンドを酸化させておくのが好ましい。このようなダイヤモンドの陽極酸化は0.1M程度の水酸化ナトリウム中で、+2.5V(対SCE)で1時間以上酸化させておくのが好ましい。
【0026】
測定法およびそのための装置
本発明にあっては、ダイヤモンド電極がグルコースを電気化学的に特異的に酸化し、ダイヤモンド電極を作用電極とし、対電極との間に生じる電流値が系内のグルコースの濃度に正比例するとの性質を利用して、被験試料中のグルコースを定量的に検出する。その測定は電流値を知ることにより行われるため、測定時間は短くかつ簡便であり、本発明による方法は短時間の内に容易にグルコースの濃度を知ることが出来る点で極めて有利である。
【0027】
また、本発明のダイヤモンド電極は、グルコース以外の化合物を酸化する可能性を有するが、グルコースに極めて特異的に感応する。本発明者らの知る限り、グルコースの存在が予想される生体または食品由来の試料の多くにおいて、グルコース以外の物質が存在していても、それらには反応せず、グルコースのみをダイヤモンド電極は酸化する。従って、本発明による測定法は、グルコースのみを特異的に測定することを可能にする。
【0028】
ただし、グルコース以外にダイヤモンド電極に応答性を有する物質が被験試料中に存在しているまたはその可能性がある場合には、グルコース測定に先立ち、グルコース以外の応答性物質を分離する前処理を行い、グルコースをそれ以外の応答性物質と峻別して、本発明による測定法に付することが好ましい。特に、本発明のダイヤモンド電極は触媒金属が担持されずに導電性ダイヤモンドが露出する部分が存在しうるため、導電性ダイヤモンドに応答してしまう物質も前もって分離しておくのが望ましい。例えば、尿を被験試料とする場合には、グルコース以外にも尿酸およびアスコルビン酸がダイヤモンド電極に反応しうるため、グルコース測定に先立ち、尿から尿酸およびアスコルビン酸を分離しておくのが望ましい。グルコース以外のダイヤモンド電極に反応しうる物質を分離する方法は特に限定されないが、分離カラムを用いた分離方法(例えば、液体クロマトグラフィー、好ましくは高速液体クロマトグラフィー(HPLC))が迅速かつ簡便に応答性物質を分離できる点で好ましい。また、クーロメトリックセル、前電解処理等も好ましく挙げることができる。
【0029】
また、本発明によるダイヤモンド電極を用いた測定法によれば、グルコースを約0.1mg/dl〜飽和濃度、好ましくは約0.1〜150mg/dl、より好ましくは約0.1〜100mg/dl、さらに好ましくは約0.1〜20mg/dl、最も好ましくは約0.1〜2mg/dl、まで広い濃度範囲で測定することが出来る。
【0030】
本発明によるグルコースの濃度測定法において、グルコースの定量のための電気化学的系は、ダイヤモンド電極を作用電極とした以外は、一般的な電気化学的な系であることが出来る。
すなわち、本発明によるグルコースの濃度測定法にあっては、ダイヤモンド電極を作用電極とし、対電極とともに被験試料に接触させ、この二つの電極間に、ダイヤモンド電極上で酸化反応の生じる電圧を印加し、この電圧下における電流値を測定する。そして、この得られた電流値から被験試料中のグルコースの濃度を算出する。上記したように、グルコースの酸化により、ダイヤモンド電極と対電極との間に生じる電流値は、系内のグルコースの濃度に正比例する。従って、一旦ある電圧値における電流値とグルコースの濃度との関係を求めておけば、その関係から、得られた電流値に対応する被験試料中のグルコースの濃度を容易に知ることが出来る。すなわち、本発明の好ましい態様にあっては、グルコースの濃度と電流値との検量線を予め作成しておき、この検量線と、得られた電流値とを対比することにより、グルコースの濃度を知ることが出来る。
【0031】
本発明にいて対電極としては、白金、炭素、ステンレス、金、ダイヤモンド、SnO2等の利用が好ましい。
本発明の好ましい態様によれば、対電極の表面積が、ダイヤモンド電極の表面積の10倍以上であるのが好ましく、より好ましくは100倍以上、さらに好ましくは1000倍以上、である。これにより、参照電極を用いることなく、高い測定精度を実現することができる。このような大表面積の対電極の好ましい例としては、白金電極上にさらに白金めっきが施されてなる白金黒などが挙げられる。
【0032】
本発明において、作用電極であるダイヤモンド電極と、対電極との間に印加される電圧は、ダイヤモンド電極上でグルコースの酸化反応が生じるものであれば限定されないが、測定効率および精度の観点から、この印加電圧は、グルコースの酸化のピーク電流を与える電圧であることが好ましい。ここで、ピーク電流とは、例えばサイクリックボルタンメトリーにより、最大電流値を与える電圧として求めることが出来る。ただし、ピーク電流付近でバックグランド電流が著しく増大してしまう場合においては、バックグランド電流が測定に悪影響を及ぼさない程度に低い範囲内で最もピーク電流に近い電圧、すなわちバックグラウンド電流と酸化反応により生じる電流との差が最も大きくなる電圧、を選択するのが、安定かつ高感度の測定を行える点で好ましい。さらに、本発明の別の好ましい態様によれば、最大電流値を与える電圧は、回転電極法またはマイクロ電極法により求めることが出来る。回転電極法またはマイクロ電極法によれば、測定条件等による測定誤差の可能性をより排除出来る点で有利である。
【0033】
さらに、本発明の好ましい態様によれば、参照電極を被験試料中に接触させ、ダイヤモンド電極と、対電極との間に、ダイヤモンド電極上で酸化反応の生じる電圧の絶対値を制御することが、測定精度の観点から好ましい。参照電極は公知のものを利用することが出来、飽和カロメル電極(SCE)、標準水素電極、銀塩化銀電極、水銀塩化水銀電極、水素パラジウム電極等が利用可能である。
【0034】
本発明による測定方法において、電気化学的系は、ダイヤモンド電極を作用電極とした以外は、一般的な電気化学的な系であることが出来るが、本発明の好ましい態様によれば、所定の溶液を一定流速でキャリアとして系内を流し、そのキャリア溶液中に被験試料を注入して測定を行う、フローセルを用いたフローインジェクション法による測定が好ましい。
フローセルを用いたフローインジェクション法の概略は図2(a)に示される通りである。フローセル21には、キャリア溶液溜8から、ポンプ9によりキャリア溶液が注入される。ポンプ9とフローセル21との間には、被験試料注入口10が設けられ、キャリア溶液に被験試料が注入可能とされる。フローセル21を通過したキャリア溶液は、廃液溜11に集められる。また、グルコース測定に先立ち、グルコース以外の応答性物質を分離する前処理を行う場合には、被験試料注入口10とフローセル21との間に、分離カラムまたは前電解装置等の分離装置(図示せず)が設けられる。
【0035】
フローセル21の基本構造は図2(b)に示されるとおりである。フローセル21は、ダイヤモンド電極1、対電極22、および参照電極23が、キャリア溶液および被験試料が流れる流路24内に露出され、被験試料と接触出来るよう構成されている。なお、図2(b)において、対電極22が紙面垂直方向に延在してなる。ダイヤモンド電極21は、基本的に図1に示される構造を有し、図1におけるニッケル薄膜4が、流路24内に露出され、キャリア溶液および被験試料と接触する。キャリア溶液は、流路24の流入口25から入り、図中の矢印のように流れ、流出口26に至る。ダイヤモンド電極1の導線Aおよび対電極22の導線Bの間に、グルコースをダイヤモンド電極1上で酸化を生じさせる電圧、好ましくはピーク電流、またはバックグランド電流が測定に悪影響を及ぼさない程度に低い範囲内で最もピーク電流に近い電圧を印加する。
【0036】
測定は以下のように行われる。まず、被験試料を注入しないキャリア溶液のみを流し、いわゆるバックグラウンド電流を出来るだけ小さくし、かつ安定させる。ダイヤモンド電極はバックグラウンド電流が小さいことを特長とする。次に、被験試料を被験試料注入口10より注入する。この注入は継続して行われてもよいが、ピーク電流を測定可能な程度の量を一時期に注入してもよい。グルコースが被験試料中に含まれている場合、グルコースがダイヤモンド電極1上で酸化され、酸化反応に伴う電流値が測定できる。この電流値より、グルコースの濃度を知る。
【0037】
本発明においてニッケルおよび/または銅を触媒金属とする場合にあっては、以下の式により示されるように、電流値測定の際のニッケルおよび/または銅の価数が3であることにより、グルコースとの酸化反応が起きると考えられる。
Ni(II) → Ni(III) + e− (OH−中)
Ni(III) + グルコース → Ni(II) + 生成物
Cu(II) → Cu(III) + e− (OH−中)
Cu(III) + グルコース → Cu(II) + 生成物
すなわち、2価よりも3価のニッケルおよび/または銅がグルコースとの酸化反応に寄与するものと考えられる。したがって、電流値測定の際にニッケルおよび/または銅の価数が3ではない(例えば2価)の場合には、3価にしておくことが望ましい。
【0038】
ニッケルおよび/または銅を3価にするためには、被験試料のpHを高く設定することが有効であり、好ましいpHは10〜14、より好ましくはpH11〜13である。本発明の好ましい態様によれば、電流値の測定に先立ち、被験試料のpHを10〜14に調整する工程を行うのが好ましい。また、このpHの調整は、フローインジェクションのキャリアとしてpH10〜14に調整された溶媒を用いることにより行ってもよい。
【0039】
本発明の別の好ましい態様によれば、フローセル21におけるダイヤモンド電極1をマイクロ電極の形態とすることも好ましい。また、本発明の別の好ましい態様によれば、ダイヤモンド電極1を回転電極としてもよい。
【0040】
さらに、本発明の別の態様によれば、被験試料中のグルコースの濃度を測定する装置が提供される。この装置の基本構成は図3に示される通りである。図3の装置において、電源・電流計31には、図2に記載のフローセルより、ダイヤモンド電極1に接続される導線A、対電極22に接続される導線B、および参照電極23に接続される導線Cが接続される。この電源・電流計31は、ダイヤモンド電極と対電極との間にダイヤモンド電極上で酸化反応の生じる電圧を印加する手段と、この印加電圧下における電流値を測定する手段とを兼ねるものである。すなわち、この電源・電流計31によって、ダイヤモンド電極1および対電極22の間に、グルコースをダイヤモンド電極1上で酸化を生じさせる電圧を印加し、さらにグルコースのダイヤモンド電極1上での酸化反応に伴う電流値を測定する。この電流値は、電流値比較・濃度算出装置32に送られる。この装置32には、検量線データ33が送られ、この装置内において、電源・電流計31から送られた電流値と、検量線データを比較し、グルコースの濃度を算出する。すなわち、得られた電流値から被験試料中のグルコースの濃度を算出する手段を備える。得られたグルコース濃度は、表示装置34により表示される。
【0041】
【実施例】
以下の実施例によって本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
なお、以下の実施例において、参照電極として飽和カロメル電極(SCE)およびAg/AgCl電極のいずれかを使用したが、これらのいずれの電極であってもほぼ同等の電位が得られるため、測定上実質的な差異はないものと考えられる。
【0042】
実施例1:ニッケル担持型ダイヤモンド電極を用いたグルコース濃度の測定
ニッケル担持型ダイヤモンド電極の作製
まず、導電性ダイヤモンド薄膜を、ASTeX社製、マイクロ波CVD成膜装置を用い、マイクロ波プラズマアシストCVD法により調製した。具体的には以下の通りである。
【0043】
シリコン基板(Si(100))の表面を、0.5μmのダイヤモンド粉で研磨した後、CVD成膜装置の基板ホルダにセットした。炭素源としてアセトンとメタノールとの混合物(混合比9:1(体積比))を用いた。さらに、この混合物に酸化ホウ素(B2O3)を、ホウ素/炭素比で104ppmとなる量溶解した。炭素源の混合物に純水素ガスを通し、溶存気体と置換した。一方、チャンバー内に純水素ガスを532cc/分の流速で流し、さらにその圧力を115×torr(115×133.322Pa)とした。次に、2.45GHzのマイクロ波をチャンバー内に注入し、放電させ、出力が5KWとなるよう調製した。装置が安定したことを確認した後、炭素源混合物にキャリアガスとして純水素ガスを15cc/分の流速で流し、チャンバー内に導入し、成膜を行った。成膜速度は1〜4μm/時であった。約30μmの厚さとなるまで成膜を行った。基板の加熱は行わなかったが、定常状態において約850〜950℃の温度となっていることが観察された。
【0044】
得られた導電性ダイヤモンド薄膜のラマンスペクトルをとると、1333cm−1に単一ピークのみが観察された。また、電気伝導度は約10−3Ωcm程度であった。また、ダイヤモンド薄膜中に含まれるホウ素の濃度を測定したところ、10000ppmであった。
【0045】
次に、得られた導電性ダイヤモンド薄膜上にニッケルを以下のようにして担持させた。導電性ダイヤモンド薄膜上に、10mMの硝酸ニッケルNi(NO3)2)を約100μl滴下し、100℃で2〜3時間乾燥させた。その後、導電性ダイヤモンド薄膜を純水で軽くすすぎ、0.2M水酸化ナトリウム水溶液中で0.0〜0.8V(対SCE)の電位範囲で200回スイープさせることによって、電気化学的に触媒金属を活性化させた。
【0046】
得られたニッケル担持型ダイヤモンド電極の表面を走査線電子顕微鏡(SEM)により観察するとともに、電子光分光法(XPS)により分析した。図4に得られたダイヤモンド電極表面のSEM写真を示す。同図において、白色の部分がニッケルである。図4に示されるように、ニッケルが導電性ダイヤモンド上に薄膜状に付着されているのが観察された。また、XPS測定ではニッケルに由来するピークが855eV付近に観察された。
【0047】
測定条件の選定
作製したニッケル担持型ダイヤモンド電極について、グルコース濃度の最適な測定条件を選定するために、サイクリックボルタンメトリーおよびハイドロダイナミックボルタンメトリーを行った。
まず、0.2Mの水酸化ナトリウム溶液中(pH13.3程度)において電位掃引速度を100mVs−1とするサイクリックボルタモグラムを測定した。具体的には、ガラスセル中において、Hokuto Denko HA-502 ポテンショスタット、Hokuto Denko HB-11ファンクションジェネレーター、およびRiken Denshi x-yレコーダーを用いて、室温にて行った。このとき、上記のようにして得られたニッケル担持型ダイヤモンド電極を作用電極として用い、また白金箔を対電極として用いた。参照電極として、飽和カロメル電極(SCE)を用いた。その結果、ピーク電位が+0.5V付近であることが確認出来た。また、複数回のサイクルを繰り返しても、著しいピークの減少は見られなかった。
【0048】
次に、0.2Mの水酸化ナトリウム溶液中にグルコースが1mM溶解した溶液20μlについて流速1ml/sの条件でハイドロダイナミックボルタンメトリーを測定した。具体的には、電位を固定させ、その電位のバックグラウンド電流が定常状態になった後、サンプル溶液を注入してそのシグナル電流を測定した。このとき、電位は0.0〜+0.6V(対Ag/AgCl)の間で0.05〜0.1Vの間隔で変化させて行った。その結果、シグナル電流は電位とともに増大していったが、+0.5V(対Ag/AgCl)に達しようとする辺りバックグラウンド電流が著しく増加した。したがって、グルコース濃度測定の際の最適な検出電位として、バックグランド電流が測定に悪影響を及ぼさない程度に低い範囲内で最も高いシグナル電流が得られる、+0.45V(対Ag/AgCl)を選定した。
【0049】
グルコース濃度の測定
上述のようにして得られたニッケル担持型ダイヤモンド電極を用いて、尿中のグルコース濃度の測定を行った。具体的には以下の通りである。
(a)装置の準備
図2および図3に示される装置を準備した。このとき、尿中からグルコース以外の応答性物質である尿酸およびアスコルビン酸を分離することを目的として、被験試料注入口10とフローセル21との間に、高速液体クロマトグラフィ(HPLC)カラム(HAMILTON社製;RCX-10(Part No.79940))、カラムの全長;240mm、カラムの直径;4.1mm)を設けた。また、図3に示される測定装置として、BAS(LC-4C)ポテンショスタット、およびScientific Software,Inc EZChrom Elite Client/Serverを用いた。このとき、上記のようにして得られたダイヤモンド電極を作用電極1として用い、また白金箔を対電極22として用いた。参照電極23として、Ag/AgCl電極を用いた。
【0050】
(b)検量線の作成
まず、検量線を作成するにあたり、尿を30mM水酸化ナトリウム(pH12.5程度)で10倍に希釈して測定することを想定して、測定しようとするグルコースの濃度範囲を0〜100mg/dlの範囲に設定した。ここで尿を10倍に希釈することとしたのは、実際の尿中での濃度が0〜1000mg/dlであることを想定し、本発明のダイヤモンド電極の好ましい測定濃度の範囲内で測定できるようにするためである。次いで、0〜100mg/dlの濃度範囲内において、種々の濃度のグルコース溶液を調製した。
【0051】
得られた各濃度のグルコース溶液を、被験試料注入口10に注入し、HPLCカラムを介してフローセル21を通過させながら、図3に示される装置を介して+0.45Vという検出電位で反応電流を検出した(アンペロメトリック測定)。このときキャリア溶液として30mMの水酸化ナトリウム水溶液(pH12.5程度)を用いた。得られた電流の値とグルコース濃度との関係を得て、検量線を作成した。得られた検量線は図5の通りであった。図5に示されるように、0〜100mg/dlの範囲では濃度に比例して、検出電流も推移した。
【0052】
(c)グルコースの定量
まず、以下の3種類の試料溶液を調製した;
i)試料溶液A;人間の尿を30mM水酸化ナトリウム(pH12.5程度)で10倍に希釈したサンプル液
ii)試料溶液B;上記試料溶液Aにグルコース10mg/dlを加えた溶液、
iii)試料溶液C;上記試料溶液Aにおよびグルコース50mg/dl加えた溶液。
【0053】
上記試料溶液A〜Cのそれぞれについて、図2に示されるフローセルを用いた、フローインジェクション法により、シグナル電流値を求めた。試料溶液を被験試料注入口10に注入し、HPLCカラムを介してフローセル21を通過させながら、図3に示される装置を介して+0.45Vという検出電位で反応電流を検出した(アンペロメトリック測定)。このとき、キャリア溶液として30mMの水酸化ナトリウム溶液を使用した。印加電圧は、対塩化銀電極で+0.45Vとした。あらかじめ調べておいたグルコースに由来するシグナル電流が現れる時間が経過したところで、シグナル電流値を測定した。
【0054】
得られたシグナル電流値は、試料溶液Aが4nA、試料溶液Bが14nA、試料溶液Cが72nAであった。これらのシグナル電流値を図5に示される検量線に当てはめることにより各溶液のグルコース濃度を算出したところ、試料溶液Aが2mg/dl、試料溶液Bが12mg/dl、試料溶液Cが52mg/dlであった。これらの結果より、試料溶液Aの濃度の10倍に相当する20mg/dlは正常値であり、被験者は糖尿病ではないと判定した。また、試料溶液Bは、グルコースを添加した分だけ試料溶液Aよりも濃度が高く、試料溶液Cについても同様に、グルコース添加分だけ試料溶液Aよりも濃度が高いという結果が得られた。
【0055】
実施例2:銅担持型ダイヤモンド電極を用いた検量線の作成
銅担持型ダイヤモンド電極の作製
まず、実施例1と同様にして、導電性ダイヤモンド薄膜を、マイクロ波プラズマアシストCVD法により調製した。
【0056】
次に、得られた導電性ダイヤモンド薄膜上に銅を以下のようにして担持させた。まず、0.05Mの硫酸溶液中で導電性ダイヤモンド薄膜に+2V(対SCE)の電圧を15分間印加して酸化させた。この酸化された導電性ダイヤモンド薄膜を、50mMの硫酸中に1mMの硫酸銅が溶解されてなる溶液に浸漬させて、−0.12V(対SCE)の電圧で60μAの電流を22分間流し、導電性ダイヤモンド上に銅粒子を析出させた。得られた導電性ダイヤモンド薄膜上の銅の密度は、36μg/cm2であった。その後、導電性ダイヤモンド薄膜を純水で軽くすすぎ、0.2M水酸化ナトリウム水溶液中で0.0〜0.8V(対SCE)の電位範囲で200回スイープさせることによって、電気化学的に触媒金属を活性化させた。
【0057】
得られた銅担持型ダイヤモンド電極の表面を走査線電子顕微鏡(SEM)により観察した。図6に得られたダイヤモンド電極表面のSEM写真を示す。同図において、白色の粒子が銅である。図6に示されるように、銅が導電性ダイヤモンド上に粒子状に付着しているのが観察された。
【0058】
測定条件の選定
作製した銅担持型ダイヤモンド電極について、グルコース濃度の最適な測定条件を選定するために、サイクリックボルタンメトリーおよびハイドロダイナミックボルタンメトリーを行った。
まず、0.1Mの水酸化ナトリウム溶液中(pH13.0程度)において電位掃引速度を100mVs−1とするサイクリックボルタモグラムを測定した。具体的には、ガラスセル中において、Hokuto Denko HA-502 ポテンショスタット、Hokuto Denko HB-11ファンクションジェネレーター、およびRiken Denshi x-yレコーダーを用いて、室温にて行った。このとき、上記のようにして得られた銅担持型ダイヤモンド電極を作用電極として用い、また白金箔を対電極として用いた。参照電極として、Ag/AgCl電極を用いた。その結果、ピーク電位が+0.625V(対Ag/AgCl)付近であることが確認出来た。また、複数回のサイクルを繰り返しても、著しいピークの減少は見られなかった。
【0059】
次に、0.1Mの水酸化ナトリウム溶液中(pH13.0程度)にグルコースが1mM溶解した溶液について、ハイドロダイナミックボルタンメトリーを測定した。具体的には、電位を固定させ、その電位のバックグラウンド電流が定常状態になった後、サンプル溶液を注入してそのシグナル電流を測定した。このとき、電位は0.0〜+0.8V(対Ag/AgCl)の間で0.05〜0.1Vの間隔で変化させて行った。その結果、シグナル電流は電位とともに増大していったが、+0.8V(対Ag/AgCl)に達した辺りバックグラウンド電流が著しく増加した。このように、ピーク電流が得られる+0.625V(対Ag/AgCl)においてバックグラウンド電流が非常に低いことから、グルコース濃度測定の際の最適な検出電位として、この+0.625V(対Ag/AgCl)を選定した。
【0060】
検量線の作成
上述のようにして得られた銅担持型ダイヤモンド電極を用いて、尿中のグルコース濃度の測定を行った。具体的には以下の通りである。
(a)装置の準備
作用電極1として上記銅担持型ダイヤモンド電極を、参照電極23として飽和カロメル(SCE)電極を用いたこと、および分離カラムを設けなかったこと以外は、実施例1と同様にして装置を準備した。
【0061】
(b)検量線の作成
まず、検量線を作成するにあたり、測定しようとするグルコースの濃度範囲を0〜20mg/dlの範囲に設定した。次いで、この濃度範囲内において、種々の濃度のグルコース溶液を調製した。
【0062】
得られた各濃度のグルコース溶液を、被験試料注入口10に注入し、フローセル21を通過させながら、図3に示される装置を介して+0.625V(対SCE)という検出電位で反応電流を検出した(アンペロメトリック測定)。このとき、キャリア溶液として0.1M水酸化ナトリウム水溶液(pH13.0程度)を使用した。得られた電流の値とグルコース濃度との関係を得て、検量線を作成した。得られた検量線は図7(a)および(b)の通りであった。図7(a)に示されるように、0〜2mg/dlの範囲では濃度に比例して検出電流も推移した。また、図7(b)に示されるように、0〜20mg/dlの範囲では濃度にほぼ比例して検出電流も推移した。
【0063】
このように、銅担持型ダイヤモンド電極についても、ニッケル担持型ダイヤモンド電極の場合と同様に、グルコース濃度に対して比例関係を有する検量線が得られた。したがって、銅担持型ダイヤモンド電極についても、ニッケル担持型ダイヤモンド電極の場合と同様、グルコースの濃度を迅速かつ簡便でありながら、極めて正確に測定できることが分かる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ダイヤモンド電極の構造を示す図であり、(a)はダイヤモンド電極1の断面図であり、この電極は、基材2の上に形成された導電性ダイヤモンド薄膜3とからなる。(b)は、ダイヤモンド電極1の斜視図であり、基材2の上に形成された導電性ダイヤモンド薄膜3と、その上に形成されたニッケル薄膜4からなる。
【図2】本発明による測定法に用いられるフローセルの基本構造を示す図である。
【図3】本発明による測定装置の基本構成を示す図である。
【図4】実施例1において作製された、本発明のニッケル担持型ダイヤモンド電極表面の走査線電子顕微鏡(SEM)写真である。
【図5】図4に示されるニッケル担持型ダイヤモンド電極を用いて作成された、グルコース濃度と、シグナル電流の値との検量線である。
【図6】実施例2において作製された、本発明の銅担持型ダイヤモンド電極表面の走査線電子顕微鏡(SEM)写真である。
【図7】図6に示される銅担持型ダイヤモンド電極を用いて作成された、グルコース濃度と、シグナル電流の値との検量線であり、(a)はグルコース濃度が0〜2mg/dlの範囲の検量線を示し、(b)はグルコース濃度が0〜20mg/dlの範囲の検量線を示す。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
Field of Invention
The present invention relates to a diamond electrode for measuring clinically or foodically important glucose concentration, a method for measuring glucose concentration using the electrode, and an apparatus therefor.
[0002]
Background art
Diamond inherently has a resistivity of 1013Although it is an insulating material of about Ωcm, conductivity is obtained by doping with a small amount of impurities. Various uses are expected for this conductive diamond. One of them is the use as an electrode for electrochemical use. When the conductive diamond is viewed as an electrode for electrochemical use, it has excellent features of having a wide potential window and extremely low background current. Furthermore, it has the characteristics that it is physically and chemically stable and has excellent durability. Electrodes having conductive diamond (preferably a thin film thereof) have been commonly referred to as diamond electrodes.
[0003]
Pioneering work on diamond electrodes was performed by Iwaki et al. (Iwaki et al., Nuclear Instruments and Methods, 209-210, 1129 (1983)). They studied the properties of single-crystal diamond that was given surface conductivity by implanting argon or nitrogen ions as an electrically conductive material. At the same time, a cyclic voltammogram in the electrolyte solution is also shown. Subsequently, the properties of polycrystalline diamond electrodes synthesized by vapor phase using hot filaments have been reported (Pleskov et al., J. Electroanal. Chem., 228, 19 (1993)).
[0004]
Some of the inventors have previously reported the reduction of nitrogen oxides using a diamond electrode synthesized in a gas phase (Tenne et al., J. Electroanal. Chem., 347, 409 (1993)). In this study, p-type semiconductor diamond introduced with boron as a dopant was used as an electrode. After that, as diamond electrodes, the use of p-type semiconductors with boron as a dopant or metal-like conductive diamond having higher conductivity has become mainstream. In the 1990s, research on diamond electrodes was conducted by a plurality of groups. Since 1995, research on diamond electrodes obtained using a plasma CVD (PCVD) apparatus capable of obtaining a diamond thin film with a larger area has been conducted. It has also been found in the electrochemical field.
[0005]
By the way, in recent years, the number of diabetic patients continues to increase. Diagnosis of diabetes has been conventionally performed by measuring blood glucose level, but it is difficult to say that it is a simple method because blood collection is required and analysis is time consuming. It was a thing.
On the other hand, in recent years, diabetes diagnosis based on urinary glucose measurement has come into practical use. The measurement of the urine sugar value does not require painful blood collection, and the number of users is expected to increase for the convenience of using urine obtained by urination. A biosensor using an enzyme electrode such as glucose oxidase is currently known as a sensor used for measuring such a urine sugar value.
[0006]
Further, not only in the field of medical pharmacy but also in the field of food, if the glucose concentration can be easily measured, it is considered that the utility value is high in terms of food production and nutrition. Thus, if the abundance of this glucose in a living body, a sample derived from a living body or in a food can be easily known, it is extremely significant in terms of medical pharmacy or food production.
[0007]
SUMMARY OF THE INVENTION
The inventors of the present invention are now sensitive to glucose with a diamond electrode on which at least one selected from the group consisting of nickel, copper, gold, platinum, palladium, ruthenium, iridium, cobalt, and rhodium is supported. From the current value at the oxidation potential, the abundance could be quantified. The present invention is based on such knowledge.
Accordingly, an object of the present invention is to provide a diamond electrode capable of specifically measuring glucose concentration easily in a short time.
Another object of the present invention is to provide a method for measuring the concentration of glucose in a test sample and the apparatus therefor using the diamond electrode.
[0008]
And according to the first aspect of the present invention, there is provided a diamond electrode which is preferably used for measuring glucose concentration, the diamond electrode comprising conductive diamond and nickel, copper supported thereon And one or more selected from the group consisting of gold, platinum, palladium, ruthenium, iridium, cobalt, and rhodium.
[0009]
According to another aspect of the present invention, there is provided a method for measuring the concentration of glucose in a test sample using the diamond electrode, and the method comprises:
Prepare the diamond electrode and counter electrode,
Bringing the diamond electrode and the counter electrode into contact with a test sample;
A voltage that causes an oxidation reaction on the diamond electrode is applied between the diamond electrode and the counter electrode, and a current value under the voltage is measured,
Calculate the glucose concentration in the test sample from the obtained current value
Is included.
[0010]
Furthermore, according to another aspect of the present invention, there is provided an apparatus for measuring the concentration of glucose in a test sample using the diamond electrode, the apparatus comprising:
The diamond electrode;
A counter electrode;
Means for bringing the diamond electrode and the counter electrode into contact with the test sample;
Means for applying a voltage causing an oxidation reaction on the diamond electrode between the diamond electrode and the counter electrode;
Means for measuring a current value under the applied voltage;
Means for calculating the concentration of glucose in the test sample from the obtained current value;
At least.
[0011]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Test compound
According to the method of the present invention, it is possible to selectively know the concentration of glucose in the sample solution. As described above, the inventors of the present invention indicate that glucose is electrochemically specifically oxidized on a diamond electrode on which a catalytic metal such as nickel or copper is supported, and further, this diamond electrode is operated. It was also confirmed that the current value generated between the electrode and the counter electrode was directly proportional to the glucose concentration in the system. As a result, it was possible to quantitatively detect glucose in the test sample.
[0012]
The test sample may be blood derived from a living body considered to contain glucose, body fluid, etc., or a food or a diluted solution or suspension of food. By using urine as a test sample, the diamond electrode according to the present invention can be used for diabetes diagnosis by measuring urinary sugar level. In general, the following criteria are known for urine sugar levels (ie glucose concentration in urine):
i) It is normal that the urine sugar value is 50 mg / dl or less before meal and 100 mg / dl or less after meal,
ii) If it is 100 to 500 mg / dl after meal, it is a glucose tolerance disorder (boundary type), iii) If it is 50 mg / dl or more before meal, and 500 mg / dl or more after meal, there is a possibility of diabetes. high.
[0013]
According to the diamond electrode of the present invention, since the urine sugar value (glucose concentration) can be known within the above-mentioned concentration range, it is possible to diagnose diabetes and impaired glucose tolerance (boundary type) without taking painful blood collection. Can be carried out easily in a short time. As described above, the diamond electrode according to the present invention which can easily measure the urine concentration of glucose in a short time is useful for its diagnosis and treatment. Furthermore, since glucose is contained in many foods, it can be said that it is significant that the concentration can be easily known in the production and nutrition of foods.
[0014]
Diamond electrode and its manufacture
Diamond is inherently an excellent insulator. However, by adding
Examples of the substance added for imparting such conductivity include the elements of
[0015]
The diamond electrode according to the present invention is obtained by using this conductive diamond as an electrode and further supporting a catalytic metal thereon. And as a catalyst metal, nickel, copper, gold | metal | money, platinum, palladium, ruthenium, iridium, cobalt, rhodium, and these combinations shall be used, Preferably it is copper and / or nickel. The diamond electrode loaded with these catalytic metals has an extremely interesting characteristic that when an electrochemical reaction is carried out in water, oxygen is not generated by electrolysis of water as an oxidation reaction, and the oxidation reaction of glucose is caused specifically. Had. This property is considered to be obtained if the catalyst metal is supported on conductive diamond in any form. Further, any one of the above catalytic metals may be supported alone on the conductive diamond, or two or more of the above catalytic metals may be supported on the conductive diamond as separate metals or alloys. Good.
[0016]
According to a preferred embodiment of the present invention, nickel is supported in a thin film form on at least a part of the surface of the conductive diamond. There is a strong tendency that the nickel thin film is formed not on the entire surface but only on the conductive diamond, and even if the nickel thin film is not formed on the entire surface of the conductive diamond electrode, there is no hindrance to glucose detection. The weight of nickel per unit area is not particularly limited, but is 5 to 100 μg / cm.2The degree is preferred, more preferably 20-30 μg / cm2Degree.
According to another preferred embodiment of the present invention, copper can be supported in the form of particles on conductive diamond. Although the particle size of a copper particle is not specifically limited, It is preferable that the particle size of each particle | grain measured by the scanning electron microscope (SEM) is 10-500 nm, More preferably, it is 50-300 nm. The weight of copper per unit area is not particularly limited, but is 5 to 100 μg / cm.2The degree is preferred, more preferably 20-30 μg / cm2Degree.
[0017]
Although it is possible to use the conductive diamond itself carrying a catalyst metal such as nickel or copper as an electrode regardless of the support of the base material, according to a preferred embodiment of the present invention, a conductive diamond is provided on the base material. In addition, it is preferable to form a thin film of this type and to carry a catalyst metal on the conductive diamond thin film and connect a conductive wire to form an electrode. As the base material, Si (for example, single crystal silicon), Mo, W, Nb, Ti, Fe, Au, Ni, Co, Al2O3, SiC, Si3N4, ZrO2MgO, graphite, single crystal diamond, cBN, quartz glass and the like, and single crystal silicon, Mo, W, Nb, Ti, SiC, and single crystal diamond are particularly preferable.
[0018]
The electrode of this aspect will be further described with reference to FIG. FIG. 1A is a cross-sectional view of a nickel-carrying diamond electrode 1, which is composed of a conductive diamond
[0019]
Although the thickness of a conductive diamond thin film is not specifically limited, The thickness of about 1-100 micrometers is preferable, More preferably, it is about 5-50 micrometers.
Further in accordance with a preferred embodiment of the present invention, the diamond electrode according to the present invention can take the form of a microelectrode. The concept of a microelectrode is already known, and in the present invention, a diamond electrode in the form of a microelectrode is obtained by sharply cutting the ends of fine wires such as Pt, W, Mo, etc., and further sharpening the ends by electropolishing. It means a structure in which a conductive diamond thin film is formed on the end surface.
[0020]
According to a preferred embodiment of the present invention, the conductive diamond thin film is preferably produced by a chemical vapor deposition method. The chemical vapor deposition method is a method of synthesizing substances by chemically reacting gas raw materials in a gas phase, and is generally called a CVD (Chemical Vapor Deposition) method. This method is widely used in the semiconductor manufacturing process, and can be used for manufacturing the conductive diamond thin film in the present invention under a purposeful modification.
[0021]
The chemical vapor synthesis of diamond is performed by using a mixture of a carbon-containing gas such as methane and hydrogen as a source gas, exciting it with an excitation source, supplying it on a substrate, and depositing it.
Examples of the excitation source include a hot filament, microwave, high frequency, direct current glow discharge, direct current arc discharge, and combustion flame. It is also possible to adjust the nucleation density by combining a plurality of these, and to increase the area and make it uniform.
As a raw material, many kinds of carbon containing carbon are decomposed and excited by an excitation source, and C, C2Active carbon such as CH, CH2, CH3, C2H2Compounds that generate hydrocarbon radicals such as can be used. As a preferable specific example, as gas, CH4, C2H2, C2H4, C10H16, CO, CF4, CH as liquid3OH, C2H5OH, (CH3)2Examples of CO and solid include graphite and fullerene.
[0022]
In the gas phase synthesis method, for example, a method for adding a substance that imparts conductivity to diamond is a method of introducing an additive substance into a carbon gas phase by, for example, placing a disk of the additive substance in the system and exciting the same as the carbon source material. Alternatively, an additive substance may be added in advance to the carbon source, introduced into the system together with the carbon source, excited by the excitation source, and introduced into the carbon gas phase. According to a preferred embodiment of the present invention, the latter method is preferred. In particular, when a liquid such as acetone or methanol is used as the carbon source, boron oxide (B2O3) Is preferred because it is easy to control the concentration of boron and is simple. For example, in the gas phase synthesis method, when boron is added to the carbon source, it is generally about 10 to 12,000 ppm, and preferably about 1,000 to 10,000 ppm.
[0023]
According to a preferred embodiment of the present invention, the conductive diamond thin film is preferably produced by a plasma chemical vapor synthesis method. This plasma chemical vapor synthesis method has the advantage that the activation energy causing a chemical reaction is large and the reaction is fast. Furthermore, according to this method, a chemical species that does not exist unless it is thermodynamically high is generated, and a reaction at a low temperature is possible. There have already been several reports on the production of conductive diamond thin films by plasma chemical vapor synthesis, including some of the present inventors (for example, Yano et al., J. Electrochem. Soc., 145 (1998)). 1870), preferably according to the methods described in these reports.
[0024]
In the present invention, the method for supporting the catalytic metal on the conductive diamond is not particularly limited, and various methods can be used.
According to a preferred embodiment of the present invention, when nickel is supported on conductive diamond, a solution containing nickel ions (for example, nickel nitrate solution, nickel ammonium sulfate solution) is dropped on the conductive diamond and dried. It can be carried out. Thus, the nickel supported on the conductive diamond is generally in the form of a partially formed thin film. In addition, you may heat at the time of drying. Nickel may be supported on the conductive diamond by electrodeposition.
[0025]
According to a preferred embodiment of the present invention, when copper is supported on conductive diamond, the conductive diamond is immersed in a solution containing copper ions, a negative voltage is applied to the conductive diamond, and This can be done by precipitating copper. As such a solution, a solution in which copper sulfate is dissolved in sulfuric acid is preferable. Thus, the copper supported on the conductive diamond is generally in the form of particles.
In order to improve the adhesion of the copper particles to the conductive diamond, it is preferable to oxidize the diamond by applying a positive voltage to the conductive diamond in sulfuric acid before depositing copper. Such diamond anodic oxidation is preferably carried out in sodium hydroxide of about 0.1 M at +2.5 V (vs. SCE) for 1 hour or longer.
[0026]
Measuring method and apparatus therefor
In the present invention, the property that the diamond electrode electrochemically specifically oxidizes glucose, the diamond electrode is used as a working electrode, and the current value generated between the diamond electrode and the counter electrode is directly proportional to the glucose concentration in the system. Is used to quantitatively detect glucose in the test sample. Since the measurement is performed by knowing the current value, the measurement time is short and simple, and the method according to the present invention is extremely advantageous in that the glucose concentration can be easily known within a short time.
[0027]
In addition, the diamond electrode of the present invention has the possibility of oxidizing compounds other than glucose, but is very specifically sensitive to glucose. As far as the present inventors know, in many samples derived from living organisms or foods in which the presence of glucose is expected, even if substances other than glucose are present, they do not react to them, and only the glucose is oxidized by the diamond electrode. To do. Therefore, the measurement method according to the present invention makes it possible to specifically measure only glucose.
[0028]
However, if a substance other than glucose that has a responsiveness to the diamond electrode is present or possibly present in the test sample, a pretreatment for separating the responsive substance other than glucose is performed prior to the glucose measurement. It is preferable to subject the glucose to the measurement method according to the present invention by distinguishing glucose from other responsive substances. In particular, since the diamond electrode of the present invention may have a portion where the conductive diamond is exposed without supporting the catalytic metal, it is desirable to separate in advance the substance that responds to the conductive diamond. For example, when urine is used as a test sample, uric acid and ascorbic acid can react with the diamond electrode in addition to glucose. Therefore, it is desirable to separate uric acid and ascorbic acid from urine prior to glucose measurement. The method for separating substances that can react with the diamond electrode other than glucose is not particularly limited, but a separation method using a separation column (for example, liquid chromatography, preferably high performance liquid chromatography (HPLC)) responds quickly and easily. It is preferable at the point which can isolate | separate a sex substance. Moreover, a coulometric cell, a preelectrolysis process, etc. can be mentioned preferably.
[0029]
Further, according to the measurement method using the diamond electrode according to the present invention, glucose is about 0.1 mg / dl to a saturated concentration, preferably about 0.1 to 150 mg / dl, more preferably about 0.1 to 100 mg / dl. More preferably, it can be measured in a wide concentration range of about 0.1 to 20 mg / dl, most preferably about 0.1 to 2 mg / dl.
[0030]
In the glucose concentration measurement method according to the present invention, the electrochemical system for quantifying glucose can be a general electrochemical system except that a diamond electrode is used as a working electrode.
That is, in the glucose concentration measurement method according to the present invention, a diamond electrode is used as a working electrode, a test sample is brought into contact with the counter electrode, and a voltage causing an oxidation reaction on the diamond electrode is applied between the two electrodes. The current value under this voltage is measured. Then, the concentration of glucose in the test sample is calculated from the obtained current value. As described above, the current value generated between the diamond electrode and the counter electrode due to the oxidation of glucose is directly proportional to the concentration of glucose in the system. Therefore, once the relationship between the current value and the glucose concentration at a certain voltage value is obtained, the glucose concentration in the test sample corresponding to the obtained current value can be easily known from the relationship. That is, in a preferred embodiment of the present invention, a calibration curve between the glucose concentration and the current value is prepared in advance, and the glucose concentration is determined by comparing the calibration curve with the obtained current value. I can know.
[0031]
In the present invention, as the counter electrode, platinum, carbon, stainless steel, gold, diamond, SnO2Etc. are preferable.
According to a preferred embodiment of the present invention, the surface area of the counter electrode is preferably 10 times or more than the surface area of the diamond electrode, more preferably 100 times or more, and still more preferably 1000 times or more. Thereby, high measurement accuracy can be realized without using a reference electrode. Preferable examples of such a large surface area counter electrode include platinum black obtained by further performing platinum plating on a platinum electrode.
[0032]
In the present invention, the voltage applied between the diamond electrode as the working electrode and the counter electrode is not limited as long as glucose oxidation reaction occurs on the diamond electrode, but from the viewpoint of measurement efficiency and accuracy, The applied voltage is preferably a voltage that gives a peak current of glucose oxidation. Here, the peak current can be obtained as a voltage giving the maximum current value by, for example, cyclic voltammetry. However, if the background current increases significantly in the vicinity of the peak current, the voltage that is closest to the peak current within a low range that does not adversely affect the measurement, that is, the background current and the oxidation reaction. It is preferable to select a voltage having the largest difference from the generated current in terms of performing stable and highly sensitive measurement. Furthermore, according to another preferred embodiment of the present invention, the voltage that gives the maximum current value can be determined by the rotating electrode method or the microelectrode method. The rotating electrode method or the microelectrode method is advantageous in that the possibility of measurement errors due to measurement conditions and the like can be further eliminated.
[0033]
Further, according to a preferred embodiment of the present invention, the reference electrode is brought into contact with the test sample, and the absolute value of the voltage at which an oxidation reaction occurs on the diamond electrode between the diamond electrode and the counter electrode is controlled. This is preferable from the viewpoint of measurement accuracy. A known electrode can be used as the reference electrode, and a saturated calomel electrode (SCE), a standard hydrogen electrode, a silver-silver chloride electrode, a mercury mercury chloride electrode, a hydrogen palladium electrode, and the like can be used.
[0034]
In the measurement method according to the present invention, the electrochemical system can be a general electrochemical system except that a diamond electrode is used as a working electrode. However, according to a preferred embodiment of the present invention, a predetermined solution is used. Is preferably measured by a flow injection method using a flow cell, in which the measurement is performed by injecting the test sample into the carrier solution at a constant flow rate.
The outline of the flow injection method using the flow cell is as shown in FIG. A carrier solution is injected into the
[0035]
The basic structure of the
[0036]
The measurement is performed as follows. First, only the carrier solution into which the test sample is not injected is allowed to flow, so that the so-called background current is minimized and stabilized. Diamond electrodes are characterized by a low background current. Next, the test sample is injected from the test
[0037]
In the present invention, when nickel and / or copper is used as a catalyst metal, the valence of nickel and / or copper at the time of measuring the current value is 3, as shown by the following formula. It is thought that an oxidation reaction occurs.
Ni (II) → Ni (III) + e− (OH−During)
Ni (III) + glucose → Ni (II) + product
Cu (II) → Cu (III) + e− (OH−During)
Cu (III) + glucose → Cu (II) + product
That is, it is considered that trivalent nickel and / or copper than divalent contribute to the oxidation reaction with glucose. Therefore, when the valence of nickel and / or copper is not 3 (for example, divalent) at the time of measuring the current value, it is desirable to make it trivalent.
[0038]
In order to make nickel and / or copper trivalent, it is effective to set the pH of the test sample high, and the preferred pH is 10 to 14, more preferably pH 11 to 13. According to a preferred aspect of the present invention, it is preferable to perform a step of adjusting the pH of the test sample to 10 to 14 prior to measuring the current value. The pH may be adjusted by using a solvent adjusted to
[0039]
According to another preferred embodiment of the present invention, the diamond electrode 1 in the
[0040]
Furthermore, according to another aspect of the present invention, an apparatus for measuring the concentration of glucose in a test sample is provided. The basic configuration of this apparatus is as shown in FIG. 3, the power source /
[0041]
【Example】
The present invention will be described in more detail with reference to the following examples, but the present invention is not limited to these examples.
In the following examples, either a saturated calomel electrode (SCE) or an Ag / AgCl electrode was used as a reference electrode. However, since almost the same potential is obtained with any of these electrodes, There seems to be no substantial difference.
[0042]
Example 1: Measurement of glucose concentration using nickel-supported diamond electrode
Fabrication of nickel-supported diamond electrodes
First, a conductive diamond thin film was prepared by a microwave plasma assisted CVD method using a microwave CVD film forming apparatus manufactured by ASTeX. Specifically, it is as follows.
[0043]
The surface of the silicon substrate (Si (100)) was polished with 0.5 μm diamond powder and then set on the substrate holder of the CVD film forming apparatus. As a carbon source, a mixture of acetone and methanol (mixing ratio 9: 1 (volume ratio)) was used. Furthermore, boron oxide (B2O3) At a boron / carbon ratio of 104Dissolved in an amount of ppm. Pure hydrogen gas was passed through the carbon source mixture to replace the dissolved gas. On the other hand, pure hydrogen gas was flowed into the chamber at a flow rate of 532 cc / min, and the pressure was set to 115 × torr (115 × 133.322 Pa). Next, a microwave of 2.45 GHz was injected into the chamber and discharged to prepare an output of 5 KW. After confirming that the apparatus was stable, pure hydrogen gas as a carrier gas was passed through the carbon source mixture at a flow rate of 15 cc / min, introduced into the chamber, and film formation was performed. The film formation rate was 1 to 4 μm / hour. Film formation was performed until the thickness became about 30 μm. Although the substrate was not heated, it was observed that the temperature was about 850-950 ° C. in the steady state.
[0044]
When the Raman spectrum of the obtained conductive diamond thin film is taken, it is 1333 cm.-1Only a single peak was observed. The electrical conductivity is about 10-3It was about Ωcm. Moreover, when the density | concentration of the boron contained in a diamond thin film was measured, it was 10000 ppm.
[0045]
Next, nickel was supported on the obtained conductive diamond thin film as follows. On a conductive diamond film, 10 mM nickel nitrate Ni (NO3)2About 100 μl, and dried at 100 ° C. for 2 to 3 hours. Thereafter, the conductive diamond thin film is rinsed lightly with pure water, and is swept 200 times in a potential range of 0.0 to 0.8 V (vs. SCE) in a 0.2 M aqueous sodium hydroxide solution, thereby electrochemically catalytic metal. Was activated.
[0046]
The surface of the obtained nickel-supporting diamond electrode was observed with a scanning electron microscope (SEM) and analyzed by electron light spectroscopy (XPS). FIG. 4 shows an SEM photograph of the obtained diamond electrode surface. In the figure, the white portion is nickel. As shown in FIG. 4, it was observed that nickel was deposited on the conductive diamond in the form of a thin film. In XPS measurement, a peak derived from nickel was observed in the vicinity of 855 eV.
[0047]
Selection of measurement conditions
For the produced nickel-supported diamond electrode, cyclic voltammetry and hydrodynamic voltammetry were performed in order to select the optimum measurement conditions for the glucose concentration.
First, the potential sweep rate is set to 100 mVs in a 0.2 M sodium hydroxide solution (about pH 13.3).-1A cyclic voltammogram was measured. Specifically, it was performed at room temperature in a glass cell using a Hokuto Denko HA-502 potentiostat, a Hokuto Denko HB-11 function generator, and a Riken Denshi xy recorder. At this time, the nickel-supported diamond electrode obtained as described above was used as a working electrode, and a platinum foil was used as a counter electrode. A saturated calomel electrode (SCE) was used as a reference electrode. As a result, it was confirmed that the peak potential was around + 0.5V. In addition, even when the cycle was repeated a plurality of times, no significant peak reduction was observed.
[0048]
Next, hydrodynamic voltammetry was measured under the conditions of a flow rate of 1 ml / s for 20 μl of a solution in which 1 mM of glucose was dissolved in 0.2 M sodium hydroxide solution. Specifically, the potential was fixed, and after the background current at the potential reached a steady state, the sample solution was injected and the signal current was measured. At this time, the potential was changed between 0.0 to +0.6 V (vs. Ag / AgCl) at intervals of 0.05 to 0.1 V. As a result, the signal current increased with the potential, but the background current increased significantly to reach +0.5 V (vs. Ag / AgCl). Therefore, +0.45 V (vs. Ag / AgCl) was selected as the optimum detection potential for measuring the glucose concentration, which gives the highest signal current within a range where the background current does not adversely affect the measurement. .
[0049]
Measurement of glucose concentration
Using the nickel-supported diamond electrode obtained as described above, the glucose concentration in urine was measured. Specifically, it is as follows.
(A) Preparation of equipment
The apparatus shown in FIGS. 2 and 3 was prepared. At this time, for the purpose of separating uric acid and ascorbic acid, which are responsive substances other than glucose, from the urine, a high performance liquid chromatography (HPLC) column (manufactured by HAMILTON) is provided between the
[0050]
(B) Creating a calibration curve
First, in preparing a calibration curve, it is assumed that urine is diluted 10-fold with 30 mM sodium hydroxide (pH about 12.5), and the concentration range of glucose to be measured is 0 to 100 mg / dl. Set to the range. The reason why the urine was diluted 10-fold here is that the concentration in the actual urine is assumed to be 0 to 1000 mg / dl, and can be measured within the preferable measurement concentration range of the diamond electrode of the present invention. It is for doing so. Next, glucose solutions having various concentrations were prepared within a concentration range of 0 to 100 mg / dl.
[0051]
The obtained glucose solution of each concentration is injected into the
[0052]
(C) Determination of glucose
First, the following three sample solutions were prepared;
i) Sample solution A; sample solution obtained by diluting
ii) Sample solution B; a solution obtained by adding 10 mg / dl of glucose to the sample solution A,
iii) Sample solution C; a solution obtained by adding 50 mg / dl of glucose to the sample solution A.
[0053]
For each of the sample solutions A to C, the signal current value was determined by the flow injection method using the flow cell shown in FIG. The sample solution was injected into the
[0054]
The obtained signal current values were 4 nA for sample solution A, 14 nA for sample solution B, and 72 nA for sample solution C. When the glucose concentration of each solution was calculated by applying these signal current values to the calibration curve shown in FIG. 5, the sample solution A was 2 mg / dl, the sample solution B was 12 mg / dl, and the sample solution C was 52 mg / dl. Met. From these results, 20 mg / dl corresponding to 10 times the concentration of the sample solution A was a normal value, and it was determined that the subject was not diabetic. In addition, the sample solution B was higher in concentration than the sample solution A by the amount of glucose added, and the sample solution C was similarly higher in concentration than the sample solution A by the amount of glucose added.
[0055]
Example 2: Creating a calibration curve using a copper-supported diamond electrode
Fabrication of copper supported diamond electrode
First, in the same manner as in Example 1, a conductive diamond thin film was prepared by a microwave plasma assisted CVD method.
[0056]
Next, copper was supported on the obtained conductive diamond thin film as follows. First, a voltage of +2 V (vs. SCE) was applied to a conductive diamond thin film for 15 minutes in a 0.05 M sulfuric acid solution to oxidize. This oxidized conductive diamond thin film is immersed in a solution in which 1 mM copper sulfate is dissolved in 50 mM sulfuric acid, and a current of 60 μA is applied for 22 minutes at a voltage of −0.12 V (vs. SCE). Copper particles were deposited on the conductive diamond. The density of copper on the obtained conductive diamond thin film was 36 μg / cm.2Met. Thereafter, the conductive diamond thin film is rinsed lightly with pure water, and is swept 200 times in a potential range of 0.0 to 0.8 V (vs. SCE) in a 0.2 M aqueous sodium hydroxide solution, thereby electrochemically catalytic metal. Was activated.
[0057]
The surface of the obtained copper-supporting diamond electrode was observed with a scanning electron microscope (SEM). FIG. 6 shows an SEM photograph of the surface of the obtained diamond electrode. In the figure, the white particles are copper. As shown in FIG. 6, it was observed that copper was deposited on the conductive diamond in the form of particles.
[0058]
Selection of measurement conditions
Cyclic voltammetry and hydrodynamic voltammetry were performed on the prepared copper-supported diamond electrode in order to select the optimum measurement conditions for the glucose concentration.
First, the potential sweep rate was set to 100 mVs in a 0.1 M sodium hydroxide solution (pH about 13.0).-1A cyclic voltammogram was measured. Specifically, it was performed at room temperature in a glass cell using a Hokuto Denko HA-502 potentiostat, a Hokuto Denko HB-11 function generator, and a Riken Denshi xy recorder. At this time, the copper supported diamond electrode obtained as described above was used as a working electrode, and a platinum foil was used as a counter electrode. An Ag / AgCl electrode was used as the reference electrode. As a result, it was confirmed that the peak potential was around +0.625 V (vs. Ag / AgCl). In addition, even when the cycle was repeated a plurality of times, no significant peak reduction was observed.
[0059]
Next, hydrodynamic voltammetry was measured for a solution in which 1 mM glucose was dissolved in a 0.1 M sodium hydroxide solution (about pH 13.0). Specifically, the potential was fixed, and after the background current at the potential reached a steady state, the sample solution was injected and the signal current was measured. At this time, the potential was changed between 0.0 to +0.8 V (vs. Ag / AgCl) at intervals of 0.05 to 0.1 V. As a result, the signal current increased with the potential, but the background current significantly increased around +0.8 V (vs. Ag / AgCl). As described above, since the background current is very low at +0.625 V (vs. Ag / AgCl) at which a peak current is obtained, this +0.625 V (vs. Ag / AgCl) is used as an optimum detection potential in measuring the glucose concentration. ) Was selected.
[0060]
Creating a calibration curve
Using the copper-supported diamond electrode obtained as described above, the glucose concentration in urine was measured. Specifically, it is as follows.
(A) Preparation of equipment
An apparatus was prepared in the same manner as in Example 1 except that the copper-supported diamond electrode was used as the working electrode 1, the saturated calomel (SCE) electrode was used as the
[0061]
(B) Creating a calibration curve
First, in preparing a calibration curve, the concentration range of glucose to be measured was set to a range of 0 to 20 mg / dl. Next, glucose solutions of various concentrations were prepared within this concentration range.
[0062]
The obtained glucose solution of each concentration is injected into the
[0063]
Thus, a calibration curve having a proportional relationship with the glucose concentration was obtained for the copper-carrying diamond electrode as in the case of the nickel-carrying diamond electrode. Therefore, it can be seen that the concentration of glucose can be measured with high accuracy in a copper-carrying diamond electrode as well as in the case of a nickel-carrying diamond electrode.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a diagram showing the structure of a diamond electrode, where (a) is a cross-sectional view of the diamond electrode 1, and this electrode comprises a conductive diamond
FIG. 2 is a diagram showing a basic structure of a flow cell used in a measurement method according to the present invention.
FIG. 3 is a diagram showing a basic configuration of a measuring apparatus according to the present invention.
4 is a scanning electron microscope (SEM) photograph of the surface of a nickel-supporting diamond electrode of the present invention produced in Example 1. FIG.
FIG. 5 is a calibration curve of glucose concentration and signal current value created using the nickel-carrying diamond electrode shown in FIG. 4;
6 is a scanning electron microscope (SEM) photograph of the surface of a copper-supporting diamond electrode of the present invention produced in Example 2. FIG.
FIG. 7 is a calibration curve of glucose concentration and signal current value prepared using the copper-carrying diamond electrode shown in FIG. 6, and (a) is a range of glucose concentration from 0 to 2 mg / dl. (B) shows a calibration curve having a glucose concentration in the range of 0 to 20 mg / dl.
Claims (12)
導電性ダイヤモンド上に、ニッケル、銅、金、白金、パラジウム、ルテニウム、イリジウム、コバルト、およびロジウムからなる群から選択される1種以上を担持してなるダイヤモンド電極と、対電極とを用意し、
前記ダイヤモンド電極と、前記対電極とを被験試料に接触させ、
前記ダイヤモンド電極と、前記対電極との間に、前記ダイヤモンド電極上で酸化反応の生じる電圧を印加し、該電圧下における電流値を測定し、
得られた電流値から前記被験試料中のグルコースの濃度を算出すること
を含んでなり、前記被験試料のpHが10〜14である、方法。A method for measuring the concentration of glucose in a test sample comprising:
A diamond electrode carrying one or more selected from the group consisting of nickel, copper, gold, platinum, palladium, ruthenium, iridium, cobalt, and rhodium on a conductive diamond, and a counter electrode are prepared,
Bringing the diamond electrode and the counter electrode into contact with a test sample;
A voltage that causes an oxidation reaction on the diamond electrode is applied between the diamond electrode and the counter electrode, and a current value under the voltage is measured,
Wherein the obtained current value subject Ri in name includes calculating the concentration of glucose in a sample, said a pH of the test sample 10 to 14, the method.
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