JP4559672B2 - Pneumatic radial tire - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、空気入りラジアルタイヤに関するものであり、とくに、タイヤビード部の耐久性向上を図るものである。
【0002】
【従来の技術】
荷重負荷の下で転動する空気入りラジアルタイヤでは、接地面に対応して位置する一対のサイドウォール部が大きく撓曲するに止まらず、リムフランジよりもタイヤ半径方向外方に位置するビード部もまたタイヤ幅方向外側に向けて倒れ込む、いわゆるビード部の倒れ込み現象がみられる。この現象により、ラジアルカーカスの側部部分の巻上げ端付近には、ラジアルカーカスとその回りに位置するゴムとの間に、タイヤ幅方向に大きな剪断歪みが作用し、ひいてはタイヤの耐久性を劣化させるという懸念がある。
【0003】
また、空気入りラジアルタイヤの負荷転動時には、接地面のとくに踏込部および蹴出部のそれぞれに対応して位置する、ビード部からサイドウォール部に至る部分に、カーカスプライ等のタイヤ構成部材の変形がほぼタイヤ周方向にみられ、この変形により、ラジアルカーカスの側部部分付近には、タイヤ周方向に剪断歪みが生じ、これもまたタイヤの耐久性を劣化させるという懸念がある。
【0004】
これらの懸念に対し、特開平8−225005号公報には、硬度の異なる二種類以上のスティフナをビード部からサイドウィール部にかけて配設し、上記タイヤ幅方向および周方向剪断歪みを大幅に軽減し、ひいてはタイヤビード部の耐久性の向上を実現する提案がなされており、また、特願平9−171632号公報には、ビード部のへたりの抑制も踏まえた上で、タイヤ周方向剪断歪みに基づく故障発生位置を、ラジアルカーカスの側部部分の巻上げ端部からチェーファ端部に移行させて、タイヤのビード部耐久性の向上を実現する提案がなされている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、近年、空気入りラジアルタイヤにおいても、他の種類のタイヤと同様に偏平化が進み、しかもいわゆる更生実施が頻繁に行われる傾向にあることから、負荷転動時のビード部への入力が従来に比して相当増しており、上述した二例のビード部耐久性改善手段では、その効果が不十分となっているのが現状で、とくに、特願平9−171632号公報で示す補強構造においては、故障がなおラジアルカーカスの側部部分の巻上げ端部で発生し、チェーファによる主故障部の保護作用が不十分であることが問題となっている。
なお、とくに偏平率60%以下の偏平大型タイヤでは、ビード部故障により、新品タイヤの早期劣化を招来するばかりでなく、更生実施回数の低減をきたすという深刻な問題がある。
【0006】
この発明は、従来技術が抱えるこのような問題を解決することを課題とするものであり、それの目的とするところは、近年の、ラジアルタイヤの偏平化および度重なるタイヤ更生実施の下においても、負荷転動時に生じるビード部の、タイヤ幅方向および周方向剪断歪みをともに十分軽減し、ひいては優れたビード部耐久性を実現した空気入りラジアルタイヤを提供するにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明の空気入りラジアルタイヤは、一対のビード部に配設したビードコア間にトロイダルに延在させて、側部部分をビードコアの周りで半径方向外方に巻返した少なくとも一枚のカーカスプライからなるラジアルカーカスと、ラジアルカーカスの本体部分と側部部分との間で、ビードコアの外周面に隣接させて配設したスティフナと、スティフナのタイヤ半径方向外方に配設した、スティフナよりも低剛性のゴム層とを具えるものであって、スチールコードもしくは有機繊維コードを一方向に延在させてゴム被覆したチェーファの少なくとも二枚を、ラジアルカーカスを包込むように配設し、かつラジアルカーカスの側部部分のタイヤ幅方向外側での、タイヤ半径方向最外位置を、ラジアルカーカスの側部部分のタイヤ半径方向最外位置よりもタイヤ半径方向外方とし、各チェーファを構成するスチールコードもしくは有機繊維コードを、弾性率が40GPa以上のフィラメントを撚合わせて成形し、上記スチールコードもしくは有機繊維コードの曲げ剛性を2GPa・mm 4 以下とし、当該スチールコードもしくは有機繊維コードの、コード一本当たりの曲げ剛性(GPa・mm 4 )と打込本数(本/mm)との積を、0.012〜0.62(GPa・mm 4 ・本/mm)とし、隣合うチェーファ同士のコード間交差角θを、50<θ<130(°)としたものである。
なお、ここでフィラメントの弾性率とは、撚っていないフィラメント単一の弾性率をいうものである。
【0008】
一般に、リム組み状態のラジアルタイヤに内圧が充填された場合には、その内圧によって、ラジアルカーカスの側部部分の巻上げ端部とリムフランジとにより挟まれた部分のゴムには、上記内圧とその反力とにより圧縮力が作用するが、ゴムは非圧縮性であるため、上記部分のゴムは、リムフランジ先端部よりもタイヤ半径方向外方に移動して、その後タイヤ幅方向外側に移動する。
【0009】
これに対し、コードにより補強されたラジアルカーカスは、上記内圧による反力を受けても変形し難いので、ラジアルカーカスの側部部分の巻上げ端部と、上記部分のゴムとの間にはタイヤ幅方向剪断歪みが生ずることとなる。
【0010】
このタイヤ幅方向剪断歪みは、タイヤ負荷転動時にとくに大きくなるところ、この発明によれば、弾性率が40GPa以上のフィラメントを撚合わせて成形した高剛性のスチールコードもしくは有機繊維コードを一方向に延在させてゴム被覆したチェーファの少なくとも二枚を、ラジアルカーカスを包込むように配設するとともに、それらチェーファの、ラジアルカーカスの側部部分のタイヤ幅方向外側での、タイヤ半径方向最外位置を、ラジアルカーカスの側部部分のタイヤ半径方向最外位置よりも外方とし、しかも隣合うチェーファ同士のコードを交差させたことから、上記巻上げ端部のタイヤ幅方向外側に位置するチェーファの、タイヤ幅方向外側に位置するゴムに上記圧縮力を吸収させ、この圧縮力がラジアルカーカスの側部部分の巻上げ端部とその回りのゴムとに影響を及ぼさないようにすることができ、これがため、ラジアルカーカスの側部部分の巻上げ端部とそのタイヤ幅方向外側に位置するゴムとの間においては、タイヤ幅方向剪断歪みの発生を防止することができ、ひいては、近年のタイヤ偏平化およびタイヤ更生実施に耐え得る、ビード部の耐久性を実現することができる。
【0011】
またこの空気入りラジアルタイヤでは、上記態様により、少なくとも二枚の高剛性チェーファを配設したことにより、従来、負荷転動時に、接地面のとくに踏込部および蹴出部のそれぞれに対応して位置する、ビード部からサイドウォール部に至る部分にみられた、カーカスプライ等のタイヤ構成部材のタイヤ周方向における変形を抑制することができ、したがって、ラジアルカーカスの側部部分付近の周方向剪断歪みを抑制することができ、ひいては、近年のタイヤ偏平化およびタイヤ更生実施に耐え得る、ビード部の耐久性を実現することができる。
【0012】
なお、この発明は、一般に用いられる有機繊維コードからなるチェーファを二枚重ね、チェーファ相互間でコードを交差させた場合には、タイヤ周方向剪断歪みが、従来のチェーファを配設しない場合に比して、ほぼ半減することに鑑みてなされたものであるとともに、この効果を発揮させるためには、チェーファのコードを構成するフィラメントの弾性率を、少なくとも40GPa以上とすることが必要であり、また隣合うチェーファ同士のコード間交差角θを、50<θ<130(°)とすることが必要であることに鑑みてなされたものである。
【0013】
そしてこの発明では、各チェーファを構成するスチールコードもしくは有機繊維コードを、フィラメントを撚合わせて成形し、このスチールコードもしくは有機繊維コードの一本当たりの曲げ剛性を2GPa・mm 4 以下としたことにより、チェーファがそのタイヤ幅方向外側に位置するゴムの変形に追従し易くなり、これにより、チェーファとそのタイヤ幅方向外側に位置するゴムとの間に生じる、タイヤ幅方向およびタイヤ周方向剪断歪みをともに抑制し、チューファ端部とその回りに位置するゴムとのセパレーションを防止して、優れたタイヤのビード部剛性を実現することができる。
【0014】
また、この発明は、上記効果を十分に発揮させるためには、上述したコード一本当たりの曲げ剛性に加え、当該スチールコードもしくは有機繊維コードの、コード一本当たりの曲げ剛性(GPa・mm 4 )と打込本数(本/mm)との積を、0.012〜0.62(GPa・mm 4 ・本/mm)とすることが必要であることに鑑みてなされたものである。
【0015】
かかる空気入りラジアルタイヤにおいてより好ましくは、チェーファのうちの一枚を、ラジアルカーカスの本体部分のタイヤ幅方向内側まで延在させ、たとえばスティフナのタイヤ半径方向最外位置付近まで延在させた広域チェーファとする。
【0016】
従来のチェーファの配設態様としては、ラジアルカーカスの側部部分のタイヤ幅方向外側から、ラジアルカーカスの本体部分のタイヤ幅方向内側の、スティフナよりもタイヤ半径方向外方までの配設態様、またはラジアルカーカスの本体部分のタイヤ幅方向内側から、ラジアルカーカスの側部部分のタイヤ幅方向外側の、ラジアルカーカスの巻上げ端付近までの配設態様が、一般的であったところ、この発明によれば、従来二枚であったチェーファを一体化して、上記二つの配設態様を一の配設態様で賄い、タイヤ構造の簡素化、軽量化および製造コストの低減をそれぞれ実現することができる。
【0017】
このようなチェーファの一体化構造においては、広域チェーファを分割することができる。
この場合には、分割した複数枚のチェーファ間においてコード配設角度等を適宜異ならせ、それらチェーファ相互の剛性を目的に応じて相違させることができるが、分割位置で生じる剛性段差のため、上記分割位置で、チェーファとその回りに位置するゴムとのセパレーションの早期発生が懸念されることから、その分割位置を、ラジアルカーカスの側部部分のタイヤ幅方向外側では、ラジアルカーカスの側部部分の巻上げ端よりもタイヤ半径方向内方として、上記セパレーションを防止することが好ましい。
【0018】
なお、上記分割位置は、上記範囲内であれば、ラジアルカーカスの本体部分のタイヤ幅方向内側およびラジアルカーカスの側部部分のタイヤ幅方向外側のいずれでもよく、また複数箇所設けてもよい。
【0019】
また好ましくは、チェーファとカーカスとの間に、またはチェーファを包込むように、弾性率が40GPa以下の保護チェーファを配設する。
これによれば、チェーファ端部とその回りに位置するゴムとのセパレーションを抑制し、タイヤのビード部剛性を一層高めることができる。
【0020】
そして好ましくは、ラジアルカーカスの側部部分のタイヤ幅方向外側に、軟質緩衝ゴムを配設する。
ここで、軟質緩衝ゴムを配設するため、ラジアルカーカスの側部部分のタイヤ幅方向断面形状は、ほぼ直線的にしても、屈曲もしくは湾曲した形状としてもよい。
【0021】
ラジアルカーカスの側部部分のタイヤ幅方向外側にチェーファを配設した場合には、ラジアルカーカスに生じた亀裂がチェーファに達し易いところ、かかる空気入りラジアルタイヤによれば、ラジアルカーカスの側部部分のタイヤ幅方向外側に、軟質緩衝ゴムを配設することで、亀裂のチェーファへの伝達を防止することができ、タイヤビード部の耐久性をさらに一層向上させることができる。
【0022】
また、かかる軟質緩衝ゴムは、上記亀裂の伝達を防止するのみならず、内圧とその反力とにより、ラジアルカーカスの側部部分の巻上げ端部とリムフランジとにより挟まれた部分のゴムにかかる圧縮力を緩和して、ラジアルカーカスの側部部分の巻上げ端部と、上記部分のゴムとの間のタイヤ幅方向剪断歪みを抑制し、これによってもまた、タイヤビード部の耐久性をさらに一層向上させることができる。
【0023】
なお、軟質緩衝ゴムは、その硬度をラジアルカーカスのコードを被覆するゴムの硬度に比して低くすることが上記圧縮力の緩和において望ましく、また、そのゴム質をサイドウォールゴムもしくはスティフナと同じくして、使用ゴム種の増加を防止することが、製造経済上好ましい。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下に、この発明の実施の形態を図面に示すところに基づいて説明する。
図1はこの発明の実施の形態を示す、タイヤ幅方向部分断面図であり、図中1はビードコア、2はラジアルカーカス、3はスティフナ、4はゴム層、5,6はチェーファ、7は(ラジアルカーカスの)本体側チェーファである。
【0025】
ここでは、一対のビード部(図1では片側のみ図示)に配設したビードコア1間に、少なくとも一枚、図では一枚のカーカスプライからなるラジアルカーカス2をトロイダルに延在させて、その側部部分をビードコア1の周りで半径方向外方に巻き返し、ラジアルカーカス2の本体部分と側部部分との間で、ビードコア1の外周面に隣接させてスティフナ3を配設するとともに、スティフナ3のタイヤ半径方向外方にスティフナ3よりも低剛性のゴム層4を配設する。
【0026】
またここでは、スチールコードもしくは有機繊維コードを一方向に延在させてゴム被覆したチェーファの少なくとも二枚、図では二枚のチェーファ5,6を、ラジアルカーカス2を包込むように配設し、かつラジアルカーカス2の側部部分のタイヤ幅方向外側での、タイヤ半径方向最外位置T1,T2をいずれも、ラジアルカーカス2の側部部分のタイヤ半径方向最外位置Lよりもタイヤ半径方向外方とし、各チェーファ5,6を構成するスチールコードもしくは有機繊維コードを、弾性率が40GPa以上のフィラメントを撚合わせて成形し、スチールコードもしくは有機繊維コードの曲げ剛性を2GPa・mm 4 以下とし、スチールコードもしくは有機繊維コードの、一本当たりの曲げ剛性(GPa・mm 4 )と打込本数(本/mm)との積を、0.012〜0.62(GPa・mm 4 ・本/mm)とし、隣合うチェーファ同士のコード間交差角θを、50<θ<130(°)とする。
【0027】
ここで隣合うチェーファ同士のコード間交差角θとは、図2に示すθをいうものであり、図2中のa,bは、隣合うチェーファ同士の各コードを示すものである。
【0028】
図1に示す空気入りラジアルタイヤによれば、近年の、ラジアルタイヤの偏平化および度重なるタイヤ更生実施の下においても十分に耐え得る程度に、負荷転動時に生じるビード部の、タイヤ幅方向および周方向剪断歪みをともに十分に軽減し、ひいては優れたタイヤのビード部耐久性を実現することができる。
【0029】
なお、図1に示した例においては、チェーファ6とラジアルカーカス2との間に、弾性率が40GPa以上の本体側チェーファ7を配設したことにより、ラジアルカーカス2の本体部分の荷重時に生じる周方向変形を効果的に抑制することができ、結果的にチェーファ5,6の各端部とその周りに位置するゴムとのセパレーションを抑制し、タイヤビード部の剛性を一層高めることができる。
【0030】
図3は、この発明の他の実施の形態を示したものであり、この例は、図1に示す構造に加えて、ラジアルカーカス2の側部部分のタイヤ幅方向外側に、軟質緩衝ゴム8を配設したものであり、これにより、ラジアルカーカス2に生じた亀裂のチェーファ5,6への伝達を防止することができ、タイヤビード部の耐久性をさらに一層向上させることができる。
【0031】
図4は、この発明の他の実施の形態を示したものであり、この例は、図1に示す構造を前提に、図1におけるチェーファ6と本体側チェーファ7とを一体化させて一枚の広域チェーファ9で構成し、この広域チェーファ9をラジアルカーカス2の本体部分のタイヤ幅方向内側において、スティフナ3のタイヤ半径方向最外位置よりも外方に延在させたものである。
これによって、二枚のチェーファ等6,7で賄っていた態様を一枚の広域チェーファ9で賄い、タイヤ構造の簡素化、軽量化および製造コストの低減をそれぞれ実現することができる。
【0032】
図5は、この発明の他の実施の形態を示したものであり、この例は、図4に示す構造を前提に、さらに、広域チェーファ9を、ラジアルカーカス2の側部部分のタイヤ幅方向外側において分割して二枚のチェーファ9a,9bとしたものであり、これにより、分割したチェーファ9a,9b間においてコード配設角度等を適宜異ならせ、それらチェーファ9a,9b相互の剛性を目的に応じて相違させることができる。
【0033】
なお、分割位置で生じる剛性段差のため、上記分割位置で、チェーファ9a,9bとその回りに位置するゴムとのセパレーションの早期発生が懸念されるので、ラジアルカーカス2の側部部分のタイヤ幅方向外側での、チェーファ9の分割位置L´を、ラジアルカーカス2の側部部分の巻上げ端Lよりもタイヤ半径方向内方として、上記セパレーションを防止することが好ましい。また、分割位置L´は、上記範囲内であれば、ラジアルカーカス2の本体部分のタイヤ幅方向内側およびラジアルカーカス2の側部部分のタイヤ幅方向外側のいずれでもよく、また複数箇所設けてもよい。
【0034】
図6は、この発明の他の実施の形態を示したものであり、この例は、図1に示す構造を前提に、チェーファ5,6の、ラジアルカーカス2の側部部分のタイヤ幅方向外側でのタイヤ半径方向最外位置T1,T2の関係を、図1に示す例とは反対に設定したものである。このように、T1とT2との位置関係は変更することができ、また、チェーファ5,6のタイヤ幅方向外側に、さらに低剛性の保護チェーファ10(フィラメント弾性率が40GPa以下)を配設することで、高剛性チェーファ5,6の端部付近に発生する剪断歪みを抑制することができる。
【0035】
なお、この低剛性の保護チェーファ10は、高剛性チェーファ5,6のそれぞれの、タイヤ幅方向外側および内側の少なくとも一方側において、これらチェーファ5,6の端部位置T1,T2を越えてタイヤ半径方向上方に延在させることで、優れたタイヤビード部の耐久性が得られる。
【0036】
【実施例】
次に、出願人が実際に供試タイヤを作製し、タイヤビード部の耐久性に関する評価を行ったので、以下で説明する。
供試タイヤはすべて、タイヤサイズを285/60R22.5の重荷重用空気入りラジアルタイヤとし、比較例タイヤ1〜6および実施例タイヤ1〜9はいずれも、表1に示す各諸元を有するものとし、その他の構造については、通常の重荷重用空気入りラジアルタイヤと同様の構造を有するものとした。
表1に、各供試タイヤのチェーファ等に関する諸元を示す。
【0037】
【表1】
【0038】
なお、表中、各チェーファの諸元は、(高剛性チェーファか否か/コードを構成するフィラメントの弾性率(GPa)/コード一本当たりの曲げ剛性(GPa・mm 4 )と打込本数(本/mm)との積(GPa・mm 4 ・本/mm)/コードのタイヤ赤道面に対する延在角度(°)/参考図中の符号)をそれぞれ記載したものである。
【0039】
ここで、表中チェーファ等としたのは、場合によっては保護チェーファを含む趣旨であり、高剛性チェーファはH、低剛性チェーファはL、そしてコードのタイヤ赤道面に対する延在角度(°)は、タイヤの車両装着状態のタイヤ正面視で、タイヤ赤道面に対して右上がりの場合はR、左上がりの場合はLとし、RもしくはLの横に記載した数値はタイヤ赤道面との成す角度を示すものである。
【0040】
また、コード一本当たりの曲げ剛性(GPa・mm 4 )は、以下の式で表される。
式:D=2Ncosα/{(1+cos2α)/EI+sin2α/GIp},
G=E/2(1+μf)
ただし、Nは各チェーファ当りのフィラメント本数、 αはフィラメントの撚り角、 Eはフィラメントのヤング率、 Gは横弾性係数、 Iは断面2次モーメント(I=π/64×d4,Ip=π/32×d4,dはフィラメント直径)、そしてμfはフィラメントのポアソン比をそれぞれ示すものである。
【0041】
タイヤビード部の耐久性に関する評価は、最高空気圧を900kPaとし、適用リムを9.00×22.5とした条件の下で、最大負荷能力31.5kNの1.5倍の47.3kNの荷重を作用させ、半径1.7mのドラム試験機上を、ビード部が破壊するまで、時速60kmで走行させることにより行った。
【0042】
タイヤビード部の耐久性についての結果を表2に示す。ここで、当該耐久性についての評価数値は、比較例タイヤ1をコントロール(100)とした指数比であり、その値が大きいほど、優れた結果を示すものである。
【0043】
【表2】
【0044】
表2によれば、実施例タイヤ1〜9はいずれも、比較例タイヤ1〜6に比して、タイヤビード部の耐久性に関して優れた結果を示すことが判る。
【0045】
次に、出願人は、図1に示す構造の空気入りタイヤの、隣合うチェーファ同士のコード間交差角θ(°)を変化させた場合の、タイヤビード部の耐久性を調査したところ、図9に示す結果となり、この発明の請求項1で限定した50<θ<130(°)の範囲で優れた耐久性を示すことが判った。
なお、図9に示すタイヤビード部の耐久性は、隣合うチェーファ同士のコード間交差角θ(°)を50°とした場合をコントロール(100)として、指数評価したものである。
【0046】
また、出願人は、図1に示す構造の空気入りタイヤの、コード一本当たりの曲げ剛性(GPa・mm 4 )と打込本数(本/mm)との積(GPa・mm 4 ・本/mm)を変化させた場合の、タイヤビード部の耐久性を調査したところ、図10に示す結果となり、この発明の請求項1で限定した0.012〜0.62(GPa・mm 4 ・本/mm)の範囲で優れた耐久性を示すことが判った。
なお、図10に示すタイヤビード部の耐久性は、コード一本当たりの曲げ剛性(GPa・mm 4 )と打込本数(本/mm)との積(GPa・mm 4 ・本/mm)を0.012とした場合をコントロール(100)として、指数評価したものである。
【0047】
【発明の効果】
かくして、この発明によれば、タイヤビード部の耐久性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明にかかる空気入りラジアルタイヤのビード部の幅方向断面図である。
【図2】 隣合うチェーファ同士のコード交差態様を示す図である。
【図3】 この発明にかかる他の空気入りラジアルタイヤのビード部の幅方向断面図である。
【図4】 この発明にかかる他の空気入りラジアルタイヤのビード部の幅方向断面図である。
【図5】 この発明にかかる他の空気入りラジアルタイヤのビード部の幅方向断面図である。
【図6】 この発明にかかる他の空気入りラジアルタイヤのビード部の幅方向断面図である。
【図7】 従来の空気入りラジアルタイヤの一例を示す図である。
【図8】 従来の空気入りラジアルタイヤの他の例を示す図である。
【図9】 タイヤビード部の耐久性と、隣合うチェーファ同士のコード間交差角θ(°)との関係を示すグラフである。
【図10】 タイヤビード部の耐久性と、コード一本当たりの曲げ剛性(GPa・mm 4 )と打込本数(本/mm)との積(GPa・mm 4 ・本/mm)との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 ビードコア
2 ラジアルカーカス
3 スティフナ
4 ゴム層
5,6,9a,9b, チェーファ
7 本体側チェーファ
8 軟質緩衝ゴム
9 広域チェーファ
10 保護チェーファ
a,b コード
L ラジアルカーカス2の側部部分のタイヤ半径方向最外位置
L´ チェーファ9の分割位置L´
T1 チェーファ5の、ラジアルカーカス2の側部部分のタイヤ幅方向外側での、タイヤ半径方向最外位置
T2 チェーファ6の、ラジアルカーカス2の側部部分のタイヤ幅方向外側での、タイヤ半径方向最外位置
θ 隣合うチェーファ同士のコード間交差角[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a pneumatic radial tire, and in particular, to improve the durability of a tire bead portion.
[0002]
[Prior art]
In a pneumatic radial tire that rolls under a load, the pair of sidewall portions located corresponding to the ground contact surface is not only flexibly bent, but the bead portion is located radially outward of the rim flange. There is also a so-called bead part collapse phenomenon that falls toward the outside in the tire width direction. Due to this phenomenon, a large shear strain acts in the tire width direction between the radial carcass and the rubber located therearound in the vicinity of the winding end of the side portion of the radial carcass, thereby deteriorating the durability of the tire. There is a concern.
[0003]
Also, during load rolling of a pneumatic radial tire, a tire component such as a carcass ply is located in a portion extending from the bead portion to the sidewall portion, particularly corresponding to each of the stepping portion and the kicking portion of the ground contact surface. There is a concern that deformation is observed in the tire circumferential direction, and this deformation causes shear strain in the tire circumferential direction in the vicinity of the side portion of the radial carcass, which also deteriorates the durability of the tire.
[0004]
In response to these concerns, Japanese Patent Application Laid-Open No. 8-225005 discloses that two or more types of stiffeners having different hardnesses are disposed from the bead portion to the side wheel portion to significantly reduce the tire width direction and circumferential shear strain. In addition, a proposal to improve the durability of the tire bead portion has been made, and Japanese Patent Application No. 9-171632 discloses a tire circumferential direction shear strain in consideration of suppression of the sag of the bead portion. In order to improve the durability of the bead portion of the tire, the failure occurrence position based on the above is shifted from the winding end portion of the side portion of the radial carcass to the chafer end portion.
[0005]
[Problems to be solved by the invention]
However, in recent years, pneumatic radial tires have also been flattened in the same manner as other types of tires, and the so-called rehabilitation is frequently performed. In the present situation, the effect of the bead portion durability improving means of the above two examples is insufficient compared to the conventional case, and in particular, the reinforcement shown in Japanese Patent Application No. 9-171632 In the structure, the failure still occurs at the winding end of the side portion of the radial carcass, and the problem of the protection of the main failure portion by the chafer is insufficient.
In particular, in a flat large tire with a flatness ratio of 60% or less, there is a serious problem that not only the new tire is prematurely deteriorated but also the number of rehabilitations is reduced due to a failure of the bead portion.
[0006]
The object of the present invention is to solve such problems of the prior art, and the object of the present invention is also in the recent flattening of radial tires and repeated tire regeneration. An object of the present invention is to provide a pneumatic radial tire that sufficiently reduces both the tire width direction and circumferential shear strain of the bead portion generated during rolling of the load, and thus realizes excellent bead portion durability.
[0007]
[Means for Solving the Problems]
The pneumatic radial tire according to the present invention includes at least one carcass ply in which a toroidal portion is extended between bead cores disposed in a pair of bead portions, and a side portion is wound radially outward around the bead core. A stiffener disposed adjacent to the outer peripheral surface of the bead core between the radial carcass, the main body portion and the side portion of the radial carcass, and the stiffener disposed on the outer side in the radial direction of the tire. A rubber layer, and at least two chafers covered with rubber by extending a steel cord or an organic fiber cord in one direction so as to wrap the radial carcass , and the radial carcass The outermost position in the tire radial direction on the outer side in the tire width direction of the side portion of the tire is the outermost position in the tire radial direction of the side portion of the radial carcass. Also a radially outwardly Ri, a steel cord or an organic fiber cord constituting each chafer, the elastic modulus and molding the combined twist the
Here, the elastic modulus of the filament refers to the elastic modulus of a single untwisted filament.
[0008]
Generally, when a radial tire in a rim-assembled state is filled with internal pressure, the internal pressure and its pressure are applied to the rubber sandwiched between the winding end of the side portion of the radial carcass and the rim flange by the internal pressure. Although the compressive force acts due to the reaction force, since the rubber is incompressible, the rubber in the above portion moves outward in the tire radial direction from the tip of the rim flange, and then moves outward in the tire width direction. .
[0009]
On the other hand, since the radial carcass reinforced by the cord is not easily deformed even when subjected to the reaction force due to the internal pressure, the tire width is between the winding end of the side portion of the radial carcass and the rubber of the portion. Directional shear strain will occur.
[0010]
The shear strain in the tire width direction is particularly large when rolling in a tire load. According to the present invention, a highly rigid steel cord or organic fiber cord formed by twisting filaments having an elastic modulus of 40 GPa or more is unidirectionally formed. At least two of the extended and rubber-covered chafers are disposed so as to enclose the radial carcass, and the outermost positions in the tire radial direction of the chafers on the outer side in the tire width direction of the side portions of the radial carcass. Is the outer side of the radial portion of the radial carcass in the tire radial direction, and the cords of the adjacent chafers are crossed. The rubber located on the outer side in the tire width direction absorbs the compression force, and this compression force is applied to the side portion of the radial carcass. It is possible to prevent the raising end and the surrounding rubber from being affected, and for this reason, between the winding end of the side portion of the radial carcass and the rubber located on the outer side in the tire width direction, Generation of shear strain in the tire width direction can be prevented, and as a result, durability of the bead portion that can withstand recent tire flattening and tire rehabilitation can be realized.
[0011]
Further, in this pneumatic radial tire, by arranging at least two high-rigidity chafers according to the above-described aspect, conventionally, the position corresponding to each of the stepping portion and the kicking portion of the ground contact surface at the time of load rolling is conventionally provided. It is possible to suppress the deformation in the tire circumferential direction of the tire constituent member such as the carcass ply, which is seen in the portion from the bead portion to the sidewall portion, and therefore, the circumferential shear strain in the vicinity of the side portion of the radial carcass. As a result, the durability of the bead portion that can withstand the recent flattening of tires and the implementation of tire retreading can be realized.
[0012]
In the present invention, when two chafers made of commonly used organic fiber cords are stacked and the cords are crossed between the chafers, the tire circumferential shear strain is smaller than that in the case where no conventional chafer is provided. In order to exert this effect, it is necessary to make the elastic modulus of the filament constituting the chafer cord at least 40 GPa or more, and adjacent to it. This is made in view of the necessity that the inter-cord crossing angle θ between the chafers be 50 <θ <130 (°).
[0013]
In this invention, the steel cord or organic fiber cord constituting each chafer is formed by twisting filaments, and the bending rigidity per one of the steel cord or organic fiber cord is set to 2 GPa · mm 4 or less. The chafer can easily follow the deformation of the rubber located on the outer side in the tire width direction, and thereby the shear strain generated in the tire width direction and the tire circumferential direction between the chafer and the rubber located on the outer side in the tire width direction can be reduced. It is possible to suppress both, prevent separation between the end portion of the tuffer and the rubber located therearound, and realize excellent bead portion rigidity of the tire.
[0014]
Moreover, in order to fully exhibit the said effect, this invention WHEREIN: In addition to the bending rigidity per one cord mentioned above, the bending rigidity (GPa * mm < 4 >) of the said steel cord or organic fiber cord per cord ) And the number of driven-in pieces (pieces / mm) in view of the necessity to be 0.012-0.62 (GPa · mm 4 · pieces / mm).
[0015]
In such a pneumatic radial tire, more preferably, one of the chafers is extended to the inner side in the tire width direction of the main body portion of the radial carcass, for example, extended to the vicinity of the outermost position in the tire radial direction of the stiffener. And
[0016]
As an arrangement mode of the conventional chafer, an arrangement mode from the outer side in the tire width direction of the radial carcass side portion to the inner side in the tire width direction of the main body portion of the radial carcass from the stiffener to the outer side in the tire radial direction, or According to the present invention, the arrangement of the radial carcass main body portion from the inner side in the tire width direction to the vicinity of the radial carcass winding end on the outer side in the tire width direction of the radial carcass side portion is common. The two chafers that have been conventionally used can be integrated and the above two arrangement modes can be covered by one arrangement mode, so that the tire structure can be simplified, the weight can be reduced, and the manufacturing cost can be reduced.
[0017]
In such an integrated structure of the chafer, the wide area chafer can be divided.
In this case, the cord arrangement angle and the like can be appropriately changed among the plurality of divided chafers, and the rigidity between the chafers can be made different according to the purpose. There is concern about the early occurrence of separation between the chafer and the rubber located around it at the dividing position.Therefore, the dividing position of the side part of the radial carcass on the outer side in the tire width direction of the side part of the radial carcass. It is preferable to prevent the separation from being inward of the tire in the radial direction of the winding end.
[0018]
In addition, as long as the said division | segmentation position is in the said range, any of the tire width direction inner side of the main body part of a radial carcass and the tire width direction outer side of the side part of a radial carcass may be provided, and multiple places may be provided.
[0019]
Preferably, a protective chafer having an elastic modulus of 40 GPa or less is disposed between the chafer and the carcass or so as to enclose the chafer.
According to this, the separation between the chafer end portion and the rubber positioned therearound can be suppressed, and the bead rigidity of the tire can be further increased.
[0020]
Preferably, a soft cushion rubber is disposed on the outer side in the tire width direction of the side portion of the radial carcass.
Here, in order to dispose the soft cushion rubber, the cross-sectional shape in the tire width direction of the side portion of the radial carcass may be substantially linear, or may be bent or curved.
[0021]
When the chafer is disposed on the outer side in the tire width direction of the side portion of the radial carcass, the crack generated in the radial carcass easily reaches the chafer. According to such a pneumatic radial tire, the side portion of the radial carcass By disposing the soft cushion rubber on the outer side in the tire width direction, it is possible to prevent the crack from being transmitted to the chafer, and to further improve the durability of the tire bead portion.
[0022]
In addition, the soft cushioning rubber not only prevents the transmission of the cracks, but also acts on the rubber in the portion sandwiched between the winding end portion of the side portion of the radial carcass and the rim flange by the internal pressure and the reaction force thereof. Reducing the compressive force and suppressing the shear strain in the tire width direction between the rolled-up end portion of the side portion of the radial carcass and the rubber of the above portion, this also further increases the durability of the tire bead portion. Can be improved.
[0023]
In addition, it is desirable for the soft cushion rubber to lower the hardness as compared with the hardness of the rubber covering the radial carcass cord in terms of relaxation of the compression force, and the rubber quality is the same as that of the sidewall rubber or stiffener. In view of manufacturing economy, it is preferable to prevent an increase in the type of rubber used.
[0024]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Embodiments of the present invention will be described below with reference to the drawings.
1 is a partial sectional view in the tire width direction showing an embodiment of the present invention, in which 1 is a bead core, 2 is a radial carcass, 3 is a stiffener, 4 is a rubber layer, 5 and 6 are chafers, and 7 is ( It is a main body side chafer (of radial carcass).
[0025]
Here, between the
[0026]
In addition, here, at least two chafers in which steel cords or organic fiber cords are extended in one direction and covered with rubber, in the figure, two
[0027]
Here, the inter-cord crossing angle θ between adjacent chafers refers to θ shown in FIG. 2, and a and b in FIG. 2 indicate the respective codes between adjacent chafers.
[0028]
According to the pneumatic radial tire shown in FIG. 1, in the tire width direction of the bead portion generated at the time of load rolling and enough to withstand even under recent flattening of the radial tire and repeated tire regeneration, Both circumferential shear strains can be sufficiently reduced, and as a result, excellent tire bead durability can be realized.
[0029]
In the example shown in FIG. 1, the main body-
[0030]
FIG. 3 shows another embodiment of the present invention. In this example, in addition to the structure shown in FIG. 1, a soft cushion rubber 8 is provided on the outer side in the tire width direction of the side portion of the
[0031]
FIG. 4 shows another embodiment of the present invention. In this example, on the premise of the structure shown in FIG. 1, the
As a result, the aspect covered by the two
[0032]
FIG. 5 shows another embodiment of the present invention. In this example, on the assumption of the structure shown in FIG. 4, a wide area chafer 9 is further provided in the tire width direction of the side portion of the
[0033]
In addition, because of the rigidity step generated at the divided position, there is a concern about the early occurrence of separation between the
[0034]
FIG. 6 shows another embodiment of the present invention. This example is based on the structure shown in FIG. 1, and the outer side in the tire width direction of the side portion of the
[0035]
The low-rigidity protective chafer 10 has a tire radius exceeding the end positions T1, T2 of the
[0036]
【Example】
Next, since the applicant actually produced a test tire and evaluated the durability of the tire bead portion, the following description will be given.
All of the test tires are heavy-duty pneumatic radial tires having a tire size of 285 / 60R22.5, and each of
Table 1 shows the specifications regarding the chafers and the like of each test tire.
[0037]
[Table 1]
[0038]
In the table, the specifications of each chafer are as follows: (whether it is a high-rigidity chafer / the elastic modulus of the filament constituting the cord (GPa) / the bending stiffness per cord (GPa · mm 4 ) and the number of driven wires ( Product / mm) (GPa · mm 4 · product / mm) / extension angle of cord relative to tire equator plane (°) / sign in reference diagram).
[0039]
Here, in the table, a chafer or the like is intended to include a protective chafer depending on the case. The high-rigidity chafer is H, the low-rigidity chafer is L, and the extension angle (°) of the cord to the tire equatorial plane is In the front view of the tire when the tire is mounted, R indicates that the tire is elevating to the right with respect to the tire equator plane, L is L that indicates that the tire is elevating to the left, and the numerical value shown next to R or L is the angle formed by the tire equator It is shown.
[0040]
Moreover, the bending rigidity (GPa · mm 4 ) per cord is expressed by the following formula.
Formula: D = 2Ncos α / {(1 + cos 2 α) / EI + sin 2 α / GI p },
G = E / 2 (1 + μ f )
Where N is the number of filaments per chafer, α is the twist angle of the filament, E is the Young's modulus of the filament, G is the transverse elastic modulus, I is the moment of inertia of the section (I = π / 64 × d 4 , I p = π / 32 × d 4 , d is the filament diameter), and μ f is the Poisson's ratio of the filament.
[0041]
Evaluation of the durability of the tire bead portion is a load of 47.3 kN which is 1.5 times the maximum load capacity 31.5 kN under the condition that the maximum air pressure is 900 kPa and the applicable rim is 9.00 × 22.5. And was run on a drum tester having a radius of 1.7 m at a speed of 60 km / h until the bead portion was broken.
[0042]
Table 2 shows the results of the durability of the tire bead portion. Here, the evaluation numerical value for the durability is an index ratio with the
[0043]
[Table 2]
[0044]
According to Table 2, it can be seen that all of the
[0045]
Next, the applicant investigated the durability of the tire bead portion when the crossing angle θ (°) between cords of adjacent chafers of the pneumatic tire having the structure shown in FIG. 1 was changed. As a result, it was found that excellent durability was exhibited in the range of 50 <θ <130 (°) defined in
In addition, the durability of the tire bead portion shown in FIG. 9 is an index evaluation using the control (100) when the inter-cord crossing angle θ (°) between adjacent chafers is 50 °.
[0046]
In addition, the applicant of the pneumatic tire having the structure shown in FIG. 1 has a product (GPa · mm 4 · line / mm) of a bending rigidity (GPa · mm 4 ) per cord and the number of driven wires (lines / mm). When the durability of the tire bead portion was investigated when the (mm) was changed, the results shown in FIG. 10 were obtained, and 0.012-0.62 (GPa · mm 4 · line) defined in
The durability of the tire bead portion shown in FIG. 10 is the product (GPa · mm 4 · line / mm) of the bending rigidity (GPa · mm 4 ) per cord and the number of driven wires (lines / mm). The index was evaluated with the case of 0.012 as the control (100).
[0047]
【The invention's effect】
Thus, according to the present invention, the durability of the tire bead portion can be improved.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a cross-sectional view in the width direction of a bead portion of a pneumatic radial tire according to the present invention.
FIG. 2 is a diagram showing a code crossing mode between adjacent chafers.
FIG. 3 is a cross-sectional view in the width direction of a bead portion of another pneumatic radial tire according to the present invention.
FIG. 4 is a cross-sectional view in the width direction of a bead portion of another pneumatic radial tire according to the present invention.
FIG. 5 is a cross-sectional view in the width direction of a bead portion of another pneumatic radial tire according to the present invention.
FIG. 6 is a cross-sectional view in the width direction of a bead portion of another pneumatic radial tire according to the present invention.
FIG. 7 is a view showing an example of a conventional pneumatic radial tire.
FIG. 8 is a view showing another example of a conventional pneumatic radial tire.
FIG. 9 is a graph showing the relationship between the durability of the tire bead portion and the cord crossing angle θ (°) between adjacent chafers.
FIG. 10 shows the relationship between the durability of the tire bead portion and the product (GPa · mm 4 · line / mm) of the bending rigidity (GPa · mm 4 ) per cord and the number of driven wires (lines / mm). It is a graph which shows.
[Explanation of symbols]
1
Of T 1 chafer 5, in the tire width direction outer side portions of the
Claims (5)
スチールコードもしくは有機繊維コードを一方向に延在させてゴム被覆したチェーファの少なくとも二枚を、ラジアルカーカスを包込むように配設し、かつラジアルカーカスの側部部分のタイヤ幅方向外側での、タイヤ半径方向最外位置を、ラジアルカーカスの側部部分のタイヤ半径方向最外位置よりもタイヤ半径方向外方とし、
各チェーファを構成するスチールコードもしくは有機繊維コードを、弾性率が40GPa以上のフィラメントを撚合わせて成形し、前記スチールコードもしくは有機繊維コードの曲げ剛性を2GPa・mm 4 以下とし、当該スチールコードもしくは有機繊維コードの、コード一本当たりの曲げ剛性(GPa・mm 4 )と打込本数(本/mm)との積を、0.012〜0.62(GPa・mm 4 ・本/mm)とし、隣合うチェーファ同士のコード間交差角θを、50<θ<130(°)としてなる、空気入りラジアルタイヤ。A radial carcass composed of at least one carcass ply that extends in a toroidal manner between bead cores arranged in a pair of bead portions, and whose side portions are wound back radially outward around the bead core, and a main body of the radial carcass Pneumatic air comprising a stiffener disposed adjacent to the outer peripheral surface of the bead core between the portion and the side portion, and a rubber layer having a lower rigidity than the stiffener disposed radially outward of the stiffener. In radial tires,
At least two of the chafers in which steel cords or organic fiber cords are extended in one direction and covered with rubber are arranged so as to enclose the radial carcass , and on the outer side in the tire width direction of the side portion of the radial carcass, The outermost position in the tire radial direction is set to the outer side in the tire radial direction than the outermost position in the tire radial direction of the side portion of the radial carcass,
Steel cords or organic fiber cords constituting each chafer are formed by twisting filaments having an elastic modulus of 40 GPa or more, and the bending rigidity of the steel cords or organic fiber cords is set to 2 GPa · mm 4 or less. The product of the bending rigidity (GPa · mm 4 ) per cord and the number of driven cords (pieces / mm) of the fiber cord is 0.012 to 0.62 (GPa · mm 4 · lines / mm), A pneumatic radial tire in which the crossing angle θ between cords between adjacent chafers is 50 <θ <130 (°).
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