JP4543766B2 - 電力変換器の制御装置 - Google Patents
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図3において、10は制御対象である直接変換器、20は負荷としての三相の交流電動機、31は三相交流電源、32はリアクトル及びコンデンサからなる入力フィルタである。ここで、上記直接変換器10は、例えば三相(R,S,T相)の入力側と三相(U,V,W相)の出力側との間に双方向性の半導体スイッチ(逆並列接続された半導体スイッチング素子等からなる)をそれぞれ接続してなるマトリクスコンバータ等により構成されている。
すなわち、60は電源供給手段であり、この電源供給手段60は、交流側が入力フィルタ32の出力側に接続された第1の整流回路61と、その直流側に接続されたエネルギー吸収用のコンデンサ62と、コンデンサ62の両端に直流側が接続され、交流側が電動機20の各相端子に接続された第2の整流回路63とから構成されている。
また、コンデンサ62の両端には突入電流防止用の抵抗71及び第1の電解コンデンサ72が直列に接続され、電解コンデンサ72の両端には降圧チョッパ等からなる直流電圧降圧手段73の入力側が接続されている。そして、直流電圧降圧手段73の出力側には第2の電解コンデンサ74が接続され、その両端に前記制御手段41が接続されている。
このとき、電動機20の巻線に蓄積された誘導性エネルギーが整流回路63を介してコンデンサ62に供給され、その電圧は電源電圧の数倍にも達するが、この電圧は抵抗71を介して電解コンデンサ72に印加され、直流電圧降圧手段73により降圧されて電解コンデンサ74を介し制御手段41に供給される。
また、直接変換器10の全遮断時に整流回路63の直流側に発生する過大なエネルギーを吸収する電解コンデンサ72には、高耐圧で大形の部品が必要になり、これが装置全体の大形化やコストの上昇を招くという問題がある。
そこで本発明の解決課題は、突入電流防止用の抵抗や高耐圧かつ大形の電解コンデンサを用いることなく、電源の異常発生時に制御手段への電源供給を継続可能にした電力変換器の制御装置を提供することにある。
前記電力変換器の交流入力側及び交流出力側にそれぞれ交流側が接続され、かつ、直流中間回路を介して直流側同士が接続された第1及び第2の整流回路を有する電源供給手段と、前記直流中間回路の電圧を降圧する直流電圧降圧手段と、交流電源電圧を直流電圧に変換する交流−直流変換手段と、交流電源電圧の異常を検出する異常検出手段と、前記電力変換器に対する駆動パルスを発生させるための制御指令を出力する制御手段と、を備え、
交流電源電圧の正常時には、前記交流−直流変換手段から前記制御手段に電源を供給し、前記異常検出手段による交流電源電圧の異常検出時には、前記直流電圧降圧手段を動作させて前記直流中間回路から前記直流電圧降圧手段を介して前記制御手段に電源を供給するものである。
前記電力変換器の交流入力側及び交流出力側にそれぞれ交流側が接続され、かつ、直流中間回路を介して直流側同士が接続された第1及び第2の整流回路からなる電源供給手段と、交流電源電圧を直流電圧に変換する交流−直流変換手段と、この交流−直流変換手段の出力電圧及び前記直流中間回路の電圧のうち大きい方の電圧を降圧する直流電圧降圧手段と、交流電源電圧の異常を検出する異常検出手段と、前記電力変換器に対する駆動パルスを発生させるための制御指令を出力する制御手段と、を備え、
交流電源電圧の正常時には、前記交流−直流変換手段から前記直流電圧降圧手段を介して前記制御手段に電源を供給し、前記異常検出手段による交流電源電圧の異常検出時には、前記直流中間回路から前記直流電圧降圧手段を介して前記制御手段に電源を供給するものである。
交流電源電圧の異常検出時に前記直流中間回路の電圧が低下した時に、前記制御手段は、回生運転指令を出力して前記直流中間回路の電圧を上昇させ、またはゼロベクトル指令を出力して負荷電流が規定値に達すると前記電力変換器の半導体スイッチング素子を全てオフして前記直流中間回路の電圧を上昇させるものである。
前記電源供給手段は、前記直流中間回路に設けられたコンデンサを放電させる放電手段を備え、前記直流中間回路の電圧が規定値を越えたときに、前記放電手段を動作させて前記直流中間回路の電圧を低下させるものである。
前記異常検出手段による交流電源電圧の異常検出時に、前記制御手段は、前記電力変換器による負荷の駆動運転及び回生運転を交互に繰り返して前記直流中間回路の電圧を一定に保つものである。
また、前記直流中間電圧が低下した場合には、上記動作を繰り返して直流中間電圧を上昇させ、その電圧が規定値を超えた場合には放電手段の動作により直流中間電圧を低下させる。これにより、直流中間電圧をほぼ一定値に保つことができる。なお、電源異常時に負荷の駆動運転及び回生運転を繰り返すことによっても直流中間電圧の安定化が可能である。
なお、以下の実施形態では、制御対象となる電力変換器として、図3と同様に直接変換器10を用いる場合につき説明する。
また、コンデンサ62の両端は、図3に示した突入電流防止用の抵抗71や高耐圧かつ大形の電解コンデンサ72を介することなく直流電圧降圧手段73に直接接続され、その出力側には、ダイオード75を介して電解コンデンサ74が接続されている。ここで、直流電圧降圧手段73は、平常時は運転を停止しており、異常検出手段50から異常検出信号が入力されることにより起動するようになっている。
電源31の正常時には、交流−直流変換手段81が交流電源電圧を所定の直流電圧に変換し、ダイオード82を介して電解コンデンサ74に供給することにより、制御手段41に電源が供給される。この制御手段41から制御指令がPWMパターン作成手段42に出力され、作成手段42から出力されるPWMパルスにより直接変換器10が駆動され、交流−交流直接変換を行って電動機20に所定の大きさ及び周波数を有する交流電力が供給される。
なお、この時の制御手段41の動作については後述する。
直流電圧降圧手段73の動作により、電源供給手段60A内の直流中間電圧が降圧され、この電圧はダイオード75を介して電解コンデンサ74に印加される。従って、この電解コンデンサ74の電圧を制御手段41の電源電圧として用いることができ、電源異常時にも制御手段41を継続して動作させることができる。
また、直接変換器10にゼロベクトル指令を与えると、負荷電流が増加する。そして、この負荷電流が規定値に達した後に制御手段41が全遮断指令を出力して直接変換器10の全てのスイッチング素子をオフさせることにより、電動機20の巻線に蓄えられた誘導性エネルギーが整流回路63を介して直流中間回路に供給される。これにより、直流中間電圧が上昇するので、この電圧を利用して制御手段41への電源供給を継続することができる。
また、電動機20を駆動(力行)動作させれば、制御手段41の消費電力によって前記直流中間電圧が低下するので、駆動動作と回生動作とを交互に繰り返すことで直流中間電圧を一定に保つことができ、その結果、制御手段41に対して継続的にほぼ一定の電源電圧を供給することができる。
なお、本実施形態において、制御手段41の入力側の電解コンデンサ74には、直接変換器10の全遮断時における電動機20からの誘導性エネルギーが供給されることがないため、低耐圧かつ小容量の部品を使用しても何ら支障はない。
図1の第1実施形態との相違点を中心に説明すると、第2実施形態では、交流−直流変換手段81の出力側にダイオード82を介して直流電圧降圧手段73が接続され、この直流電圧降圧手段73の入力側は、ダイオード75を介して保護回路60Aの直流中間回路に接続されている。また、直流電圧降圧手段73の出力側には電解コンデンサ74が直接接続されている。
また、各実施形態では、制御対象となる電力変換器として直接変換器を用いる場合を説明したが、本発明の原理は、コンデンサ等のエネルギーバッファを備えた直流中間回路を介在させてAC/DC/AC変換を行う方式の電力変換器にも適用可能である。
20:交流電動機
31:三相交流電源
32:入力フィルタ
41:制御手段
42:PWMパターン作成手段
50:異常検出手段
60A:電源供給手段
61,63:整流回路
62:コンデンサ
64:放電手段
65:抵抗
66:半導体スイッチング素子
73:直流電圧降圧手段
74:電解コンデンサ
75:ダイオード
81:交流−直流変換手段
82:ダイオード
Claims (6)
- 交流電圧を任意の大きさ及び周波数の交流電圧に変換する電力変換器の制御装置において、
前記電力変換器の交流入力側及び交流出力側にそれぞれ交流側が接続され、かつ、直流中間回路を介して直流側同士が接続された第1及び第2の整流回路を有する電源供給手段と、
前記直流中間回路の電圧を降圧する直流電圧降圧手段と、
交流電源電圧を直流電圧に変換する交流−直流変換手段と、
交流電源電圧の異常を検出する異常検出手段と、
前記電力変換器に対する駆動パルスを発生させるための制御指令を出力する制御手段と、
を備え、
交流電源電圧の正常時には、前記交流−直流変換手段から前記制御手段に電源を供給し、前記異常検出手段による交流電源電圧の異常検出時には、前記直流電圧降圧手段を動作させて前記直流中間回路から前記直流電圧降圧手段を介して前記制御手段に電源を供給することを特徴とする電力変換器の制御装置。 - 交流電圧を任意の大きさ及び周波数の交流電圧に変換する電力変換器の制御装置において、
前記電力変換器の交流入力側及び交流出力側にそれぞれ交流側が接続され、かつ、直流中間回路を介して直流側同士が接続された第1及び第2の整流回路からなる電源供給手段と、
交流電源電圧を直流電圧に変換する交流−直流変換手段と、
この交流−直流変換手段の出力電圧及び前記直流中間回路の電圧のうち大きい方の電圧を降圧する直流電圧降圧手段と、
交流電源電圧の異常を検出する異常検出手段と、
前記電力変換器に対する駆動パルスを発生させるための制御指令を出力する制御手段と、
を備え、
交流電源電圧の正常時には、前記交流−直流変換手段から前記直流電圧降圧手段を介して前記制御手段に電源を供給し、前記異常検出手段による交流電源電圧の異常検出時には、前記直流中間回路から前記直流電圧降圧手段を介して前記制御手段に電源を供給することを特徴とする電力変換器の制御装置。 - 請求項1または2に記載した電力変換器の制御装置において、
交流電源電圧の異常検出時に前記直流中間回路の電圧が低下した時に、
前記制御手段は、回生運転指令を出力して前記直流中間回路の電圧を上昇させ、またはゼロベクトル指令を出力して負荷電流が規定値に達すると前記電力変換器の半導体スイッチング素子を全てオフして前記直流中間回路の電圧を上昇させることを特徴とする電力変換器の制御装置。 - 請求項1〜3の何れか1項に記載した電力変換器の制御装置において、
前記電源供給手段は、前記直流中間回路に設けられたコンデンサを放電させる放電手段を備え、
前記直流中間回路の電圧が規定値を越えたときに、前記放電手段を動作させて前記直流中間回路の電圧を低下させることを特徴とする電力変換器の制御装置。 - 請求項1〜4の何れか1項に記載した電力変換器の制御装置において、
前記異常検出手段による交流電源電圧の異常検出時に、前記制御手段は、前記電力変換器による負荷の駆動運転及び回生運転を交互に繰り返して前記直流中間回路の電圧を一定に保つことを特徴とする電力変換器の制御装置。 - 請求項1〜5の何れか1項に記載した電力変換器の制御装置において、
前記電力変換器が、直流中間回路を持たずに直接、交流−交流変換を行う直接変換器であることを特徴とする電力変換器の制御装置。
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