JP4495333B2 - 測光装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は一眼レフカメラに適用して好適な測光装置に関し、特に被写体の反射率の相違による露出誤差を解消してカメラ撮影での適正露出を得ることを可能にした測光装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年のカメラに備えられている測光装置は反射光式測光装置と称されるものが殆どであり、この反射光式測光装置は、被写体で反射された光をカメラの撮影光学系を通して測光素子で測光し、この測光値に基づいて被写体の輝度を測定し、さらにこの測定値に基づいてカメラでの露出制御値を算出している。しかし、この種の測光装置は、その原理上被写体の光反射率を知ることができないため、被写体の光反射率を一定の値、例えば18%と仮定して露出制御値を算出することが行われている。このため、光反射率が18%よりも高い白っぽい被写体は高輝度に測定し、これに応じて露出を制限するためにアンダーに露光されてしまう。逆に、光反射率が18%よりも低い黒っぽい被写体は低輝度に測定し、露出を増加させるためにオーバに露光されてしまうことになる。また、このような被写体における光反射率の違いは、前記したような白っぽい場合或いは黒っぽい場合に限られるものではなく、被写体の色の相違によっても生じている。例えば、被写体の色が黄色の場合には、光反射率が70%にも達するため、標準露出を前記したように18%の被写体反射率におけると仮定すると、約2Evの露出アンダーとなる。逆に、被写体の色が青色の場合には光反射率が9%程度であるため、約1Evの露出オーバとなる。
【0003】
このため、従来の測光装置では、撮影者が被写体の光反射率を推測し、被写体が白っぽい場合、あるいは黄色のように光反射率が高い場合にはオーバ目に、また逆に被写体が黒っぽい場合、あるいは青色のように光反射率が低い場合にはアンダー目となるように露出補正の設定を行うことを可能にした露出補正装置を備えた測光装置が提案されている。このような露出補正を行うことにより、前記した問題を解消することは可能ではあるが、このような被写体での光反射率を推測して露出補正を行うためにはある程度の経験や熟練を必要とし、全ての撮影者がこのような露出補正を行うことは実際には不可能であり、しかも露出補正に際して撮影者の手操作が必要とされることは、近年における自動撮影を可能にしたカメラの測光装置として好ましいものではない。
【0004】
このようなことから、本出願人は、先に被写体を複数の領域に分割し、各領域においてそれぞれ測光を行って測光値を決定するとともに、分割された複数の領域のそれぞれにおいて被写体の色を判定し、かつ判定した色に基づいて測光補正値を決定し、分割された複数の領域のそれぞれにおいて測光値を測光補正値で補正し、かつ補正された各領域の測光値に基づいて適正な露出量を決定する測光装置を提案している。この測光装置によれば、被写体の色、ないし色分布に基づいて適正な露出量を自動的に得ることができ、前記した問題を解消することが可能になる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、本発明者のさらなる検討によれば、被写体を複数の領域に分割し、各領域において測光補正値を得る場合に、分割した領域が撮影画面の中央領域と周辺領域、さらに細かくみれば撮影画面の中央領域、中帯領域、周辺領域とでは、同じ色を判定した場合でも測光補正値を必ずしも同じ値に決定することが適切でないことが判明した。すなわち、撮影画面の中心領域には被写体の主となる撮影対象が配置されることが多く、このような場合には測色により得られる測光補正値は露出値に大きく影響する。一方、周辺領域には被写体の主となる撮影対象が配置されることが少なく、測色により得られる測光補正値が露出値に与える影響は小さくなる。また、被写体の焦点検出を複数の領域に配置した測距点に基づいて行うカメラでは、被写体の主となる撮影対象を測距点が含まれる領域に配置して撮影を行っているが、この場合には測距点の領域での測光補正値は露出値に大きく影響するが、測距点以外の領域での測光補正値の露出値に対する影響は小さくなる。また、画面周辺部の測光値の精度は、中央部の測光値の精度に比べ劣っているのが通常である。このような場合に、周辺部の測色しきい値を小さ目に設定しておくと、誤った色に判定してしまうことがある。したがって、撮影対象が配置されることが多い撮影画面の中央領域での測光補正値に比較し、撮影画面の周辺領域での測光補正値の影響が小さくなるように調整を行うことが好ましいものとなる。
【0006】
本発明の目的は、被写体を複数の領域に分割し、各領域毎に測光補正値を得るようにした測光装置において、撮影画面の周辺領域側を中央領域側よりも測光補正値に小さな重み付けを行うことで、被写体の主となる撮影対象に対して適正露出を得ることが可能な測光装置を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の測光装置は、視感度特性に近い分光感度特性を有して被写体を複数の領域に分割して測光する定常光測光手段と、前記分割された複数の領域のそれぞれについて測光が可能でかつ分光感度特性の異なる複数の測色用測光手段と、前記分割された複数の領域のそれぞれにおいて前記定常光測光手段の測光出力に基づいて前記被写体の測光値を決定する測光値決定手段と、前記分割された複数の領域のそれぞれにおいて前記複数の測色用測光手段の測光出力と設定したしきい値とに基づいて前記被写体の色を判定し、かつ判定した色に基づいて測色補正値を決定する測色補正値決定手段と、前記分割された複数の領域のそれぞれにおいて前記測光値決定手段で決定された測光値を前記測色補正値決定手段で決定された測色補正値で補正し、かつ補正された各測光値に基づいて適正な露出量を決定する露出量決定手段とを備え、前記測色補正値決定手段は、前記複数の領域毎に行う色の判定に際して用いる前記しきい値を前記複数の領域毎に異なる値に設定したことを特徴とする。
【0008】
ここで、前記測色補正値決定手段は、撮影画面の周辺側の領域の前記しきい値を、前記撮影画面の中心側の領域のしきい値よりも大きい値に設定する構成とする。すなわち、前記複数の領域のそれぞれに設定される前記しきい値を、撮影画面中心部からの距離に基づいて設定する構成とする。例えば、撮影画面中心部からの距離が大きい領域のしきい値を、それよりも距離が小さい領域のしきい値よりも大きく設定する。あるいは、前記測色補正値決定手段は、前記複数の領域に設定される前記しきい値を、前記被写体を結像するレンズの持つ固有情報に基づいて設定する構成とする。このレンズの持つ固有情報は、当該撮影レンズの焦点距離、射出瞳位置、開放絞り値のいずれかとする。例えば、焦点距離が所定の値もしくは所定の範囲のときのしきい値に対して、前記焦点距離が前記所定の値もしくは範囲よりも大きいとき、あるいは小さいときのしきい値を、前記所定の値もしくは範囲のときのしきい値よりも大きくする。また、射出瞳位置が所定の位置もしくは範囲のときのしきい値に対して、前記射出瞳位置が前記所定の位置もしくは範囲よりも前側、あるいは後側のときのしきい値を、前記所定の位置もしくは範囲のときのしきい値よりも大きくする。さらに、開放絞り値が所定のもくしは範囲のときのしきい値に対して、前記開放絞り値が前記所定の値もしくは範囲よりも大きいとき、あるいは小さいときのしきい値を、前記所定の値もしくは範囲のときのしきい値よりも大きくする。さらには、前記測色補正値決定手段は、前記複数の領域に設定される前記しきい値を、前記被写体を結像するレンズの合焦された領域に基づいて設定する構成とする。例えば、合焦されない領域のしきい値を、合焦された領域のしきい値よりも大きくする。
【0009】
かかる構成において、測光値決定手段は、定常光測光手段の測光出力に基づいて基本となる測光値を決定する。また、測色補正値決定手段は、測色用測光手段の測光出力と設定された測色用のしきい値とに基づいて複数の領域の色を判定し、判定した色に基づいて測色補正値を決定し、前記測光値を補正する。そして、露出量決定手段では補正された測光値に基づいて露出値を決定する。これにより、被写体の色の相違、すなわち被写体の光反射率が相違することによる測光誤差が解消され、被写体の色の違いにかかわらず適正な露出を得ることが可能となる。また、前記色の判定に際しては、前記色判定用のしきい値を、撮影画面中心部からの距離に基づいて設定し、あるいはレンズの固有情報に基づいて設定し、合焦された領域に基づいて設定することにより、好ましい形態では撮影画面の周辺部における測色補正値の実質的な値を低減し、撮影画面の周辺部の被写体が撮影画面の中心部に与える影響を抑制し、被写体の主となる撮影対象に対する適正な露出を得ることが可能になる。
【0010】
ここで、本発明においては、前記露出量決定手段は、前記各測光エリア毎に補正された測光値に基づき、任意のアルゴリズムによる分割測光により前記適正な露出量を決定する機能、前記各測光エリア毎に補正された測光値を平均化した平均測光により前記適正な露出量を決定する機能、前記各測光エリア毎に補正された測光値のうち、被写体画面の中央領域の測光値に重み付け処理を行った中央重点測光により前記適正な露出量を決定する機能、または前記各測光エリア毎に補正された測光値のうち、被写体画面の特定領域の測光値に基づいたスポット測光により前記適正な露出量を決定する機能の少なくとも一つを備える。
【0011】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。図1は本発明をレンズ交換式一眼レフカメラの測光装置に適用した実施形態の模式的な斜視図、図2はその要部の側面構成図であり、撮影レンズ2が着脱されるカメラボディ1内には、クイックリターンミラー3、ピントグラス4、ペンタプリズム(又はペンタミラー)5、及び接眼光学系6が内装されている。前記クイックリターンミラー3の一部はハーフミラー部3aとして構成され、撮影レンズ2で結像される被写体光の一部を前記ハーフミラー部3aを透過し、かつ補助反射ミラー7で反射して測距装置8に導いている。ここでは、前記測距装置8は被写体の複数箇所について測距を行った測距データに基づいてAF(自動焦点)制御を行うマルチ測距装置8として構成される。また、前記ペンタプリズム5には、後述するように、前記接眼光学系6側の面の4箇所に合計4個の測光素子として機能する測光センサ9が配設されており、それぞれ前記撮影レンズ2により結像される被写体光の一部を測光するように構成される。さらに、前記撮影レンズ2とカメラボディ1とは電気接点部10を介して相互に電気接続されており、前記撮影レンズ2に内蔵されているレンズROM11は、前記カメラボディ1に内蔵されているCPUで構成される制御回路20に電気接続されている。前記カメラボディ1の外面にはLCD(液晶)表示器21、レリーズボタン22、測光モード切替スイッチ28を含む各種操作ボタンが設けられる。なお、カメラボディ1内に設けられているフィルムの巻上げ機構を始めとする他のカメラ機構については、ここでは説明を省略する。
【0012】
前記4個の測光センサ9は、図3(a)にカメラ背面側から見た図を示すように、前記ペンタプリズム5の接眼光学系側の上部中央に配置された2個の測光センサ9D,9Gと、下側の左右端にそれぞれ1個ずつ配置された2個の測光センサ9B,9Rとで構成されている。前記各測光センサ9D,9G,9B,9RはFPC(フレキシブルプリント回路基板)91に搭載されて前記各位置に固定支持されており、かつ各測光センサの前面に配置された集光レンズ92によってそれぞれ被写体像を各測光センサの測光用の測光面に結像するように構成されている。また、前記各測光センサ9D,9G,9B,9Rは、それぞれ図4(a)のように、被写体画面を複数の領域、ここでは中心領域A0、その左右領域A1,A2、並びに上下領域A3,A4、さらに四周囲領域A5の6つの測光エリアに区画し、測光面が前記各測光エリアA0〜A5に対応して分離形成されてアンプAMPと一体に形成されたプレーナ構造の測光ICチップとして形成されている。そして、図4(b)に示すように、各測光エリアA0〜A5に結像した被写体からの反射光量を測光するように構成される。前記測光センサ9Gは測光面に緑色のフィルタが配設されて緑色光を主体に受光するG用の測光センサとして、他の1つの測光センサ9Bは測光面に青色のフィルタが配設されて青色光を主体に受光するB用の測光センサとして、さらに他の1つの測光センサ9Rには赤色のフィルタが配設されて赤色を主体に受光するR用の測光センサとしてそれぞれ構成されている。ここで前記3つのG用、B用、R用の各測光センサ9G,9B,9Rは測色素子として構成されており、各測光センサ9G,9B,9Rに配設されている緑色、青色、赤色のフィルタの分光透過率特性は、ここでは図5に示す特性のものが用いられており、それぞれ、ほぼ540nm、420nm、620nmに透過率ピークを有している。なお、残りの1つの測光センサ9Dには色フィルタは配設されていないが、視感度補正フィルタによりその分光受光特性は、図5のように500〜600nmの範囲に感度ピークを有する視感度分布特性に近い特性に設定され、定常光を測光する定常光測光素子としての定常光用測光センサとして構成されている。
【0013】
図6は前記カメラの主要部の回路構成を示すブロック回路図である。前記4つの測光センサ9D,9G,9B,9Rは制御回路20に対して、定常光とRGBの各色光を測光した受光値を出力する。また、前記マルチ測距装置8の出力を測距値として前記制御回路20に出力し、AF装置25による自動焦点制御を実行させる。一方、前記制御装置20には、前記レリーズボタン22の半押し、全押しに追従して順序的にオン動作される測光スイッチSWS、及びシャッタレリーズスイッチSWRからのスイッチ情報信号が入力され、レリーズボタン22の半押しによってオンする測光スイッチSWSからのスイッチ情報信号が入力されたときに、所要のアルゴリズムでの測光演算を行い、この演算に基づいて露出値を算出する。そして、この算出した露出値に基づいて露出制御装置23を制御し、撮影を実行する。また、算出した露出値は、表示ドライバ24を駆動して前記LCD表示器21に表示する。なお、前記制御回路20内には、後述する測光演算に必要とされる各種の値を予め記憶しているEEPROM(電気的に書き換え可能なROM)26と、一時的に各種データを記憶するRAM27が内蔵されている。さらに、前記露出値を求める際に、分割測光、平均測光、中央重点測光、スポット測光等の測光モードを切り替えるための測光モード切替スイッチ28の測光モード信号が前記制御回路20に入力されるように構成されている。
【0014】
以上の構成のカメラにおける本発明にかかる測光装置の測光動作を説明する。図7は測光動作のゼネラルフローチャートであり、先ず、このゼネラルフローチャートを用いて測光の全体の流れを説明する。ステップS11においてレリーズボタン22の半押しによりオンされる測光スイッチSWSのオンを確認すると、レンズ通信処理S12を実行し、制御回路20はカメラボディ1に装着されている撮影レンズ2の固有情報を取り込む。この固有情報は撮影レンズ2の開放絞り、射出瞳位置やレンズ焦点距離等のように、撮影レンズ2の種類に応じて測光演算に影響を与える固有の情報として、撮影レンズ2に内蔵のレンズROM11から電気接点部10を介して入力される。次いで、測光センサ出力Bvd演算処理S13を実行する。この測光センサ出力Bvd演算処理S13では、撮影レンズ2及びカメラボディ1内のクイックリターンミラー3、ペンタプリズム5を通して前記各測光センサ9で受光して得られるアナログデータの測光値を、制御回路20での演算に用いることが可能なデジタルデータの測光値Bvdに変換演算する。このとき、測光は前記各測光エリアA0〜A5毎に行ない、結果として測光値Bvd〔i〕を得る。ここで〔i〕は、前記測光エリアに対応した0〜5の値であり、以下同様である。次いで、前記測光センサ出力Bvd演算処理S13で得られた測光値Bvd〔i〕と、レンズ通信処理S12で取り込んだ前記撮影レンズ2の固有情報とを用いて開放測光補正演算処理S14を実行し、撮影レンズの違いによる測光誤差を無くす。
【0015】
次いで、前記測光センサ出力Bvd演算処理S13で得られ、開放測光補正演算されたRGBの各測光センサ9R,9G,9Bの測光値Bvd〔i〕に基づいて測色処理S15を行い、前記測光エリアA0〜A5のそれぞれのエリア毎に被写体の色を測色する。そして、測色された各測光エリアA0〜A5毎に、測色した色に基づく測色補正値CC〔i〕を算出する測色補正値演算処理S16を行う。さらに、露出値演算処理S17では、得られた測色補正値CC〔i〕を前記測光値Bvd〔i〕に加算し、前記各測光エリアA0〜A5のそれぞれについて、前記得られた測光値Bvd〔i〕に基づき露出値Lvdを算出する。この露出値演算処理S17では、得られた露出値Bvd〔i〕に基づいて、測光モード切替スイッチ28で設定された測光モードでの演算処理を行い、前記Bvd〔i〕から最終的な露出Lvdを演算する。しかる後、レリーズスイッチSWRのオンを確認すると(S18)、ステップS17で得られた露出値Lvdに基づいて露出制御装置23が露出制御を行い(S20)、カメラでの撮影を実行する。なお、レリーズスイッチSWRがオンされないときには、測光タイマのOFFを検出し(S19)、測光タイマにより所定時間が経過するまでは前記ステップS12以降のフローを繰り返し、所定時間が経過したときには、ステップS11に戻る。
【0016】
以下、前記ゼネラルフローチャートの各処理を個々に説明する。先ず、レンズ通信処理S12のフローチャートを図8に示す。レンズ通信処理S12では、測光スイッチSWSのオンを制御回路20が検出すると、電気接点部10を介して撮影レンズ2のレンズROM11に対してアクセスし、当該レンズROM11に記憶されている撮影レンズ2の固有情報を読み出し(S101)、制御回路20のRAM27に格納する。ここで、撮影レンズの固有情報としては、「レンズ種類」,「レンズデータ」,「最短撮影距離」,「撮影距離」,「レンズ焦点距離」,「射出瞳位置」,「開放Fナンバー」,「開口効率」等のデータがレンズROMに記憶されており、この実施形態では前記制御回路20はこれらの情報のうち、少なくとも「レンズ焦点距離」,「射出瞳位置」,「開放絞り値(開放Fno.)」,「開口効率」を読み出してRAM27に記憶する。
【0017】
前記測光センサ出力Bvd演算処理S13のフローチャートを図9に示す。この測光センサ出力Bvd演算処理S13では、先ず、前記4個の測光センサ9D,9G,9B,9Rのうち、定常光測光素子としての定常光用測光センサ9Dにおける図4に示した各測光エリアAi(i=0〜5)のそれぞれの出力電圧値(アナログデータ)をA/D変換した値Bvad〔i〕として得るとともに、測色素子としての、他の3個のG,B,R用の各測光センサ9G,9B,9Rの各測光エリアAi(i=0〜5)のそれぞれの出力電圧値(アナログデータ)をそれぞれA/D変換したBvad・g〔i〕、Bvad・b〔i〕、Bvad・r〔i〕を得る。しかる上で、前記定常光用測光センサ9DのA/D変換値Bvad〔i〕を輝度に応じた測光値Bvd(i)に調整する(ステップS111)。また、他の3個のG,B,R用の各測光センサ9G,9B,9RのA/D変換値Bvad・g〔i〕、Bvad・b〔i〕、Bvad・r〔i〕もそれぞれ輝度に応じた測光値Bvd・g〔i〕、Bvd・b〔i〕、Bvd・r〔i〕に調整する(S112)。なお、前記ステップS111,S112におけるA/D変換は、各出力電圧値(アナログデータ)を検出レベルに対応したデジタルデータに変換するという、通常行われているA/D変換技術が適用される。
【0018】
前記開放測光補正演算処理S14のフローチャートを図10に示す。前記レンズ通信処理S12において、撮影レンズ2のレンズROM11から読み出して制御回路20のRAM27に記憶した「レンズ焦点距離」,「射出瞳位置」,「開放絞り」,「開口効率」に基づいて、開放測光補正値Mnd1〔i〕を算出する(S121)。この開放測光補正値Mnd〔i〕の算出方法は、本願出願人が先に特開昭63−271239号公報で提案しているところであるが、簡単に説明すれば、個々のカメラボディ毎の光学特性の違いと、前記「レンズ焦点距離」,「射出瞳位置」,「開放絞り」,「開口効率」のそれぞれとの違いに起因する基準測光値からのずれ量を補正するための補正値mv1,mv2,mv3,mv4をそれぞれ計算し、これらの補正値の総和mv1+mv2+mv3+mv4を開放測光補正値Mnd1〔i〕とする。また、この開放測光補正値Mnd1〔i〕は、測光センサ9G,9B,9Rに対応して、それぞれMnd1・g〔i〕、Mnd1・b〔i〕、Mnd1・r〔i〕とする。
【0019】
しかる上で、前記測光センサ出力演算処理S13で得られた測光値Bvd〔i〕に前記開放測光補正値Mnd1〔i〕を加算し、その加算結果を新たな測光値Bvd〔i〕とする。すなわち、
Bvd〔i〕=Bvd〔i〕+Mnd1〔i〕
の演算を行う(S121)。同様に、測光センサ出力Bvd演算処理S13で得られたG,B,R用の各測光センサ9G,9B,9Rの測光値Bvd・g〔i〕、Bvd・b〔i〕、Bvd・r〔i〕に対しても、それぞれ開放測光補正値Mnd1・g〔i〕、Mnd1・b〔i〕、Mnd1・r〔i〕を加算し、それぞれを新たな測光値とする。すなわち、
Bvd・g〔i〕=Bvd・g〔i〕+Mnd1・g〔i〕
Bvd・b〔i〕=Bvd・b〔i〕+Mnd1・b〔i〕
Bvd・r〔i〕=Bvd・r〔i〕+Mnd1・r〔i〕
の演算を行う。この結果、各測光値はそれぞれ、撮影レンズ2とカメラボディ1との組合せによって生じる各撮影レンズ2の個体差による測光値への影響が解消された測光値となる(S122)。
【0020】
前記測色処理S15のフローチャートを図11に示す。この測色処理S15では、前記したように被写体の色を測色するとともに、測色した色に基づく測色補正値CC〔i〕を算出する。この測色処理S15は、測色パラメータの初期化を行った後(S21)、被写体を照明している光源の色温度等によって測色値が相違するため、この光源の影響を無くすための補正値を得るための光源補正値演算処理S22と、得られた光源補正値により補正処理を行う光源差補正処理S23と、後工程の測色演算で用いるための測色パラメータを得るための測色パラメータ算出処理S24と、測色で使用する定数を設定するための測色定数設定処理S25と、前記各処理で得られた補正値、パラメータ、定数に基づいて各測光エリアA0〜A5のそれぞれについて測色判定を行なう測色判定処理S26とを順序的に実行するフローとなっている。
【0021】
次に、前記測色処理S15の図11に示した前記した各処理S22〜S26について説明する。前記光源補正値演算処理S22のフローチャートを図12に示す。この光源補正値演算処理S22は測光センサ9のBvd値を基準設定する際に調整用光源(A光源)を使用しているため、実際に撮影を行う光源、主に太陽光を受光した場合におけるBvd値のずれを補正するためのものである。ここでは、G(緑色)を基準にして、Gに対するB(青色)とR(赤色)の相対的な光源補正値を求めて光源補正を行っている。先ず、GBRについて、光源データBvd・light・g、Bvd・light・b、Bvd・light・rを制御回路20のEEPROM26から読み込む(S141)。ついで、Gを基準としたときのB用の測光センサ9Bの光源調整値adj・sun・bと、同じくR用の測光センサ9Rの光源調整値adj・sun・rをそれぞれEEPROM26から読み出す(S142)。ここで、前記各光源調整値は次の通りである。
adj・sun・b=+8
adj・sun・r=−4
ただし、前記した測光センサ9の調整をA光源ではなく、太陽光相当の光源で行った場合には、これらの光源調整値はそれぞれ「0」となる。
【0022】
しかる上で、前記光源データと光源調整値とから、B用の測光センサ9Bの光源補正値light・gbを、
light・gb=Bvd・light・g−Bvd・light・b+adj・sun・b
の式から求める。同様に、R用の測光センサ9Rの光源補正値light・grを、
light・gr=Bvd・light・g−Bvd・light・r+adj・sun・r
の式から求める。これにより、BとRの各光源補正値light・gb、light・grが求められる(S143,S144)。
【0023】
前記光源差補正処理S23のフローチャートを図13に示す。ここでは、前記光源補正値演算処理S22で求められたBとRの各光源補正値に基づいて、B用の測光センサ9Bと、R用の測光センサ9Rの各測光エリアA0〜A5でそれぞれ測光して得られる測光値Bvd・b〔i〕とBvd・r〔i〕(i=0〜5)について光源差補正を行う。先ず、B用の測光センサ9Bの各測光エリアA0〜A5について、
Bvd・b〔i〕=Bvd・b〔i〕+light・gb
を計算する(S151)。次いで、同様に、R用の測光センサ9Rの各測光エリアについて、
Bvd・r〔i〕=Bvd・r〔i〕+light・gr
を計算する(S152)。これにより、B用とR用の各測光センサ9B,9Rの測光出力に補正が加えられることになり、G,B,R用の各測光センサ9G,9B,9Rの各測光出力は、太陽光に対して等しい測光特性に基準化される。
【0024】
前記測色パラメータ算出処理S24のフローチャーを図14に示す。ここでは、光源差補正された各測光センサ9G,9B,9Rの出力から、後の処理フローでの測色判定で使用する測色パラメータを算出する。測色パラメータとして、G用の測色パラメータGf〔i〕、B用の測色パラメータBf〔i〕、R用の測色パラメータRf〔i〕が算出される(S161,S162,163)。算出式は次の通りである。
Gf〔i〕=Bvd・g〔i〕−(Bvd・b〔i〕+Bvd・r〔i〕)/2
Bf〔i〕=Bvd・b〔i〕−(Bvd・g〔i〕+Bvd・r〔i〕)/2
Rf〔i〕=Bvd・r〔i〕−(Bvd・b〔i〕+Bvd・g〔i〕)/2
【0025】
前記測色定数設定処理S25のフローチャートを図15に示す。同様に、ここでは後の処理フローでの測色判定で使用する測色定数をEEPROM26から読み出す。測色定数としては、測色判定用しきい値、測色判定用係数、測色補正値CC算出用係数、測色補正値CC算出用調整値である。各測色定数は次のように示される。
測色判定用しきい値:判定値・*1〔i〕
測色判定用係数:係数・#1〔i〕,係数・#2〔i〕
測色補正値CC算出用係数:CC係数・*1〔i〕
測色補正値CC算出用調整値:CC調整値・*1〔i〕
ここで、*はg,b,r,m,y,cを示し、#はg,b,rを示している。なお、gは緑色、bは青色、rは赤色であることはこれまでと同様であるが、mはマゼンタ色、yは黄色、cはシアン色を示している。また、この処理においては、各測光センサの各測光エリアA0〜A5のそれぞについて測色定数を設定しており、したがって、その処理フローとしては、最初にi=0に設定し(S171)、前記各設定値をEEPROM26から読み出した上で(S173〜S176)、iを1加算する演算(i=i+1)を行い(S177)、同様にi=5に達するまで繰り返し読み出す(S172)。なお、この読み出した値は制御回路20のRAM27に記憶する。なお、前記した各測色定数の一例を図16に示す。
【0026】
ここで、本発明では図16に示された前記測色判定用しきい値としてのg1,b1,r1,m1,y1,c1の各値を補正することなくそのまま使用し、あるいは補正することで、被写体の態様に応じて適切な露出値を得るための色判定を行うようにする。図17には本発明における測色判定用しきい値の補正を行わない場合と、行う場合を示している。ここでは、補正を行わない場合(A)と、補正を行う場合とを示しており、さらに補正を行なう4つの場合として、色判定を行う測光エリアの撮影画面中心部からの距離に応じて補正値を選択または演算して補正値とする場合(B)、撮影レンズ2の固有情報に応じて補正値を選択して補正値とする場合(C)、撮影レンズ2の固有情報に応じて補正値を演算して補正値とする場合(D)、撮影画面の合焦状態情報に応じて補正値を選択して補正値とする場合(E)、の各形態を示している。
【0027】
先ず、図17の(A)の補正を行わない場合には、図16に示した測色判定用しきい値のg1,b1,r1,m1,y1,c1の各値をそのまま使用して後述するように前記測色判定処理S26を実行する。
【0028】
一方、図17の(B)測光エリアの撮影画面中心部からの距離に応じて補正値を選択または演算して設定するフローを図18に示す。ここでは、前記分割測光エリアA〔i〕と、撮影画面中心部からの距離Yd〔mm〕との対応を図18(c),(d)に示す。図18(c)は撮影画面の長辺方向について、測光エリアA0,A1,A2,A5を
A0:0≦Yd<2.5
A1,A2:2.5≦Yd<8.5
A5:8.5≦Yd
とする。また、図18(d)は撮影画面の短辺方向について、測光エリアA0,A3,A4,A5を
A0:0≦Yd<2.5
A3,A4:2.5≦Yd<5.6
A5:5.6≦Yd
とする。なお、A5については、被写体が長辺領域、あるいは短辺領域のいずれに多く結像されて撮影される状態であるかの違いによって図18(c)の値と(d)の値のいずれかを選択する。
【0029】
そして、各測光エリアA〔i〕のそれぞれについて、前記測色判定処理S26を実行する際に、各測光エリアA〔i〕の距離Ydを図18(a)に適用し、前記測色判定用しきい値のg1,b1,r1,m1,y1,c1を選択して設定する。あるいは、前記各測光エリアA〔i〕の距離Ydに基づいて、図18(b)の各しきい値の演算式に当てはめて前記測色判定用しきい値のg1,b1,r1,m1,y1,c1を演算して設定する。なお、前記各数値はEEPROM26に予め記憶されている。このように、各測光エリアA〔i〕について、撮影画面中心部からの距離Ydに基づいて測色判定用しきい値を異なる値に設定する。この実施形態では、撮影画面中心部から遠い測光エリアにおけるしきい値g1,b1,r1を増大し、特にしきい値g1の増大率をb1,r1よりも大きくしている。しきい値y1についても符号は逆であるが、周辺部において大きく増大している。その一方で、しきい値m1,c1は変化させていない。
【0030】
また、図17の(C)撮影レンズ2の固有情報に応じて補正値を選択して補正値とする場合のフローを図19に示す。ここでは、撮影レンズ2の固有情報として、「射出瞳位置」、「開放絞り値」、「焦点距離」を採用している。すなわち、図19(b)の「射出瞳位置」では、射出瞳位置Exit.p(図8では1/EXPで示している)について、
A:60≦Exit.p<120
B:40≦Exit.p<60または120≦Exit.p<200
C:Exit.p<40または200≦Exit.p
とする。また図19(c)の「開放絞り値」では、開放絞り値Avmin.について、
A:2.5≦Avmin.<3.5
B:1.5≦Avmin.<2.5または3.5≦Avmin.<4.5
C:Avmin.<1.5または4.5≦Avmin.
とする。さらに、図19(d)の「焦点距離」では焦点距離F.L.について、
A:40≦F.L.<100
B:24≦F.L.<40または100≦F.L.<300
C:F.L.<24または300≦F.L.
とする。
【0031】
そして、前記測色判定処理S26を実行する際に、前記「射出瞳位置」、「開放絞り値」、「焦点距離」のいずれかにおいて各値が該当するA,B,Cの値を図19(a)に当てはめて、前記測色判定用しきい値のg1,b1,r1,m1,y1,c1を選択して設定する。前記各数値はEEPROM26に予め記憶されている。この設定される測色判定用しきい値では、射出瞳位置、開放絞り値、焦点距離の各値がそれぞれの境界値に比較して、これよりも大きい値のとき、あるいは小さい値のときに、しきい値g1,b1,r1,y1を増大し、特にしきい値g1,y1の増大率をb1,r1よりも大きくしている。その一方で、しきい値m1,c1は変化させていない。
【0032】
さらに、図17の(D)撮影レンズ2の固有情報に応じて補正値を演算して補正値とする場合のフローを図20に示す。ここでは、撮影レンズ2の固有情報として、図19のフローと同様に「射出瞳位置」、「開放絞り値」、「焦点距離」を採用している。そして、射出瞳位置Exit.pを図20(a)の各演算式に当てはめて演算を行うことにより、前記測色判定用しきい値のg1,b1,r1,m1,y1,c1を算出して設定する。ただし、この場合、Exit.p≦80の場合と、80<Exit.pの場合とで、それぞれの演算式を異ならせている。同様に、開放絞り値Avmin.については、図20(b)の各演算式に当てはめて演算を行う。この場合には、Avmin.≦3の場合と、3<Avmin.の場合とでそれぞれの演算式を異ならせている。また、焦点距離F.L.については図20(c)の各演算式に当てはめて演算を行う。この場合には、F.L.≦50の場合と、50<F.L.の場合とで演算式を異ならせている。これらの演算により、それぞれ測色判定用しきい値を算出して設定する。前記各演算に用いる数値はEEPROM26に記憶されている。これらの算出により設定される測色判定用しきい値は、概ね図19(a)の各値に近い値になる。
【0033】
また、図17の(E)撮影画面の合焦状態情報に応じて補正値を選択して補正値とする場合のフローを図21に示す。ここでは、複数の測光エリアA0,A1,A2のそれぞれに対応して設けた合焦用の測距点P0,P1,P2について、中央の合焦エリア、ここでは測距点P0を含む測光エリアA0が合焦エリアとなる場合、あるいは合焦エリアにならない場合と、左右の測距点P1,P2を含む測光エリアA1,A2が合焦エリアとなる場合、あるいは合焦エリアにならなら場合とで、それぞれ測色判定用しきい値のg1,b1,r1,m1,y1,c1を選択して設定する。前記各数値はEEPROM26に記憶されている。この設定される測色判定用しきい値は、中央及び左右のいずれにおいても、合焦されないときのしきい値g1,b1,r1,y1を、合焦されたときのしきい値よりも増大している。その一方で、しきい値m1,c1は変化させていない。
【0034】
以上のように、測色判定用しきい値が設定された上で、前記測色判定処理S26を図22及び図23のフローチャートに基づいて説明する。この測色判定処理S26では、G,B,R用の各測光センサ9G,9B,9Rの各対応する測光エリアA0〜A5毎に測色を行っており、結果として各測光エリアA0〜A5で受光した被写体の色を判定している。すなわち、図22の左フローにおいて、i=0に設定し(S181)、以後i=5に達するまで(S182)、フローを繰り返す。ここで、色〔i〕は色パラメータとし、色・max〔i〕と色・min〔i〕はそれぞれ判定色パラメータとする。先ず、色パラメータ色〔i〕を無色とした上で(S183)、Rf〔i〕<判定値・c1〔i〕を判断する(S184)。条件を満たすときには、|Bf〔i〕−Gf〔i〕|<|係数・r1〔i〕×Rf〔i〕|を判断し(S185)、この条件を満たすときには、色・min〔i〕=Rf〔i〕とする(S186)。また、ステップS184,S185でいずれも条件を満たさないときには、Gf〔i〕<判定値・m1〔i〕を判断する(S187)。条件を満たすときには、|Bf〔i〕−Rf〔i〕|<|係数・g1〔i〕×Gf〔i〕|を判断し(S188)、この条件を満たすときには、色・min〔i〕=Gf〔i〕とする(S189)。また、ステップS187,S188でいずれも条件を満たさないときには、Gf〔i〕>判定値・g1〔i〕を判断する(S190)。条件を満たすときには、|Bf〔i〕−Rf〔i〕|<|係数・g2〔i〕×Gf〔i〕|を判断し(S191)、この条件を満たすときには、色・max〔i〕=Gf〔i〕とする(S192)。
【0035】
さらに、図22の右フローにおいて、ステップS190,S191でいずれも条件を満たさないときには、Bf〔i〕>判定値・b1〔i〕を判断する(S193)。条件を満たすときには、|Gf〔i〕−Rf〔i〕|<|係数・b2〔i〕×Bf〔i〕|を判断し(S194)、この条件を満たすときには、色・max〔i〕=Bf〔i〕とする(S195)。また、ステップS193,S194でいずれも条件を満たさないときには、Rf〔i〕>判定値・r1〔i〕を判断する(S196)。条件を満たすときには、|Bf〔i〕−Gf〔i〕|<|係数・r2〔i〕×Rf〔i〕|を判断し(S197)、この条件を満たすときには、色・max〔i〕=Rf〔i〕とする(S198)。さらに、ステップS196,S197でいずれも条件を満たさないときには、Bf〔i〕<判定値・y1〔i〕を判断する(S199)。条件を満たすときには、|Gf〔i〕−Rf〔i〕|<|係数・b1〔i〕×Bf〔i〕|を判断し(S200)、この条件を満たすときには、色・min〔i〕=Bf〔i〕とする(S201)。このフローを前記したようにi=0〜5まで行うことで、各測光エリアA0〜A5についてそれぞれ色・max〔i〕と色・min〔i〕が得られる。
【0036】
そして、得られた色・max〔i〕と色・min〔i〕について、図23のフローチャートにおいて、色・min〔i〕=Rf〔i〕を判断し(S202)、条件を満たすときには、色〔i〕=シアンとする(S203)。条件を満たさないときには、色・min〔i〕=Gf〔i〕を判断し(S204)、条件を満たすときには、色〔i〕=マゼンタとする(S205)。このとき、後段の色が優先されることになり、ステップS203において色〔i〕=シアンとした場合でも、ステップS205において色〔i〕=マゼンタとしたときには、マゼンタが優先され、色をマゼンタとする。以下、同様に、色・max〔i〕=Gf〔i〕のときには色〔i〕=緑色とし(S206,S207)、前工程でマゼンタとした場合でも、緑色が優先されることになる。さらに、同様に、色・max〔i〕=Bf〔i〕のときには色〔i〕=青色とし(S208,S209)、色・max〔i〕=Rf〔i〕のときには色〔i〕=赤色とし(S210,S211)、色・min〔i〕=Bf〔i〕のときには黄色とする(S212,S213)。結果として、黄色が最も優先されることになるが、これよりも前フローではフロー中における条件を満たす最終の色が当該測光エリアの色として判定されることになる。このフローについても、i=0〜5まで繰り返すことで(S214)、各測光エリアA0〜A5の色がそれぞれ判定される。
【0037】
次いで、図7に示した前記測色補正値演算処理S16は、判定された各測光エリアA0〜A5の色に基づいて、各測光エリアA0〜A5毎の被写体色の相違による測色補正値CC〔i〕を演算するものであり、図24にフローチャートを示す。ここでは、測色補正値CC〔i〕を予め設定した値を選択する場合を示している。すなわち、i=0に設定し(S221)、以後i=5に達するまで、フローを繰り返す(S222)。先ず、色〔i〕=無色であるかを判断し(S223)、条件を満たすときにはCC〔i〕=0とする(S224)。条件を満たさないときには、色〔i〕=シアンであるかを判断し(S225)、条件を満たすときにはCC〔i〕=Cとする(S226)。シアンでないときには、色〔i〕=マゼンタであるかを判断し(S227)、条件を満たすときにはCC〔i〕=Mとする(S228)。同様にして、色〔i〕がいずれの色であるかを順次判断し(S229,S231,S233,S235)、色〔i〕が緑色のときにはCC〔i〕=Gとし(S230)、色〔i〕が青色のときにはCC〔i〕=Bとし(S232)、色〔i〕が赤色のときにはCC〔i〕=Rとし(S234)、色〔i〕が黄色のときにはCC〔i〕=Yとする(S236)。しかる後、iを1加算し(S237)、このフローをi=0〜5まで繰り返すことで、各測光エリアA0〜A5における測色補正値CC〔i〕がそれぞれ演算される。
【0038】
そして、前記測色定数設定処理S25において、図17に示したように前記測色判定用しきい値を補正しない(A)の場合には、このようにして得られたY,M,B,C,B,G,Rの各値を、図25に示すようにY,M,C,B,G,Rにそれぞれ対応させることで、測色補正値CC〔i〕を得ることができる。
【0039】
一方、前記測色定数設定処理S25において、図17の(B)〜(E)の測色判定用しきい値の補正を行った場合には、前記測色補正値演算処理S16として、図26のフローチャートに示すように、演算により測色補正値CC〔i〕を求める。なお、この演算処理は前記(A)の場合においても採用してもよい。この図26のフローチャートは、先の図24のフローチャートと共通するフローを有しており、ここでは、図24のフローチャートのステップS226,S228,S230,S232,S234,S236では、CC〔i〕を決定する際に、図25に示したY,M,C,B,G,Rの値に固定的に設定していたのに代えて、それぞれCC〔i〕を前工程までに得られたパラメータや図16に示した設定値等に基づいて演算により求めている。すなわち、ステップS241では、色〔i〕=シアンと判断されたときには、測色補正値CC〔i〕を次のように演算する。
CC〔i〕=CC係数・c1〔i〕×(Rf〔i〕−判定値・c1〔i〕)+CC調整値・c1〔i〕
同様に、色〔i〕=マゼンタと判断されたときには、S242において、
CC〔i〕=CC係数・m1〔i〕×(Gf〔i〕−判定値・m1〔i〕)+CC調整値・m1〔i〕
色〔i〕=緑色と判断されたときには、S243において、
CC〔i〕=CC係数・g1〔i〕×(Gf〔i〕−判定値・g1〔i〕)+CC調整値・g1〔i〕
色〔i〕=青色と判断されたときには、S244において、
CC〔i〕=CC係数・b1〔i〕×(Bf〔i〕−判定値・b1〔i〕)+CC調整値・b1〔i〕
色〔i〕=赤色と判断されたときには、S245において、
CC〔i〕=CC係数・r1〔i〕×(Rf〔i〕−判定値・r1〔i〕)+CC調整値・r1〔i〕
色〔i〕=黄色と判断されたときには、S246において、
CC〔i〕=CC係数・y1〔i〕×(Bf〔i〕−判定値・y1〔i〕)+CC調整値・y1〔i〕
このフローをi=0〜5まで繰り返すことで(S237)、各測光エリアA0〜A5における測色補正値CC〔i〕がそれぞれ演算される。
【0040】
その上で、図7に示した前記露出値(Lvd)演算処理S17を行う。この露出値演算処理S17のフローチャートを図27に示す。この処理では、前記測光センサ出力Bvd演算処理S13で得られ、前記開放測光補正演算処理S14で補正された定常光用測光センサ9Dの各測光エリアA0〜A5の各測光値Bvd〔i〕に対し、実際に撮影を行う際の条件によって測光値を補正し、この補正により適正な露出値Lvdを得るための処理である。ここでは、測光エリアA0〜A5の各測光値Bvd〔i〕を相互に比較し、あるいは総体的に検出することで、撮影する状態が、逆光撮影、夕暮れ撮影、夜景撮影等のいずれの状態の蓋然性が高いものであるかを判定し、その判定結果に基づいて各測光値Bvd〔i〕に対して重み付けを行い、あるいは一つの測光値のみを採用する等の手法により、当該撮影状態に好適な露出値Lvdとして演算する処理である。
【0041】
先ず、測色補正測光値演算S131において、前記各測光エリアA0〜A5の前記した各測光値Bvd〔i〕に対して、前記各測光エリアA0〜A5の各測色結果から得られたそれぞれの測色補正値CC〔i〕を加算し、各測光エリアA0〜A5毎の測色補正された測色補正測光値Bvd〔i〕を得る。
Bvd〔i〕=Bvd〔i〕+CC〔i〕
その上で、測光モード切替スイッチ28の設定を読み込み、測光モードフラグを設定する(S132)。次いで、露出値決定演算処理S133において、前記測光モードフラグに基づいて露出値Lvdを決定するための演算を行う。
【0042】
前記露出値決定演算処理S133は、図28に示すように、測光モードフラグをチェックして、測光モード切替スイッチ28により設定されている測光モードを検出した上で(S301)、測光エリアA0〜A5の各測色補正測光値Bvd〔i〕から、分割測光Lvd算出S302、平均測光Lvd算出S303、中央重点測光Lvd算出S304、スポット測光Lvd算出S305によってカメラとしての露出値Lvdを算出する。
【0043】
前記分割測光Lvd算出S302では、前処理までに得られた測色補正測光値Bvd〔i〕に基づき、任意のアルゴリズムにより露出値Lvdを演算する。すなわち、図29にフローを示すように、先ず、定常光用測光センサ9Dの各測光エリアA0〜A5の各演算した前記測色補正測光値Bvd〔i〕から、露出値Lvd演算用のパラメータを算出する(S311)。次いで、パラメータの高輝度リミットS312、逆光判定S313、重み付けパラメータ算出S314、撮影倍率チェックS315、撮影シーン判定S316、撮影シーン高輝度時プラス補正S317についてそれぞれの補正を実行する。この結果、前記アルゴリズムに基づいてLvdが決定される(S318)。
【0044】
また、平均測光Lvd算出S303は、図28に示したように、測光エリアA0〜A5の各測色補正測光値Bvd〔i〕の単純平均から露出値Lvdを演算するものであり、
Lvd=(Bvd〔0〕+Bvd〔1〕+Bvd〔2〕+Bvd〔3〕+Bvd〔4〕+Bvd〔5〕)÷6
で求められる。
【0045】
また、中央重点測光Lvd算出S304は、画面の中央領域の重み付けを大きくする処理であり、
Lvd=[(Bvd〔0〕×4)+Bvd〔5〕+(Bvd〔1〕+Bvd〔2〕+Bvd〔3〕+Bvd〔4〕)×3÷4]÷8
で求められる。
【0046】
さらに、スポット測光Lvd算出S305においては、測色補正測光値Bvd〔i〕のうち、最も大きな値のものを選択して露出値Lvdとする最大値測光がある。すなわち、
Lvd=max(Bvd〔0〕,Bvd〔1〕,Bvd〔2〕,Bvd〔3〕,Bvd〔4〕,Bvd〔5〕)
である。あるいは、画面の中央の測光エリアA0の測光値をそのまま露出値Lvdとしてもよい。
Lvd=Bvd〔0〕
【0047】
以上のように、露出値Lvdを算出し、この算出された露出値Lvdに基づいて、図外の露出制御装置において、カメラの露出制御を行うことにより、被写体の色の違い、換言すれば被写体の反射率の違いにかかわらず、反射率の影響を低減し、適正露出での撮影が可能となる。特に、測色測光手段の測光出力により被写体の色として黄色を判定したときには露出補正量を露出オーバ方向に決定し、青色または赤色を判定したときには露出補正量を露出アンダー方向に決定することで、従来において特に顕著な問題となっていたこれらの色間の反射率の違いによる露出誤差を解消することが可能となる。
【0048】
また、本発明においては、定常光測光用の測光センサ及び複数の測色用の各測光センサの各測光面を複数の測光エリアに分割し、これらの分割した各測光エリア毎に測光し、かつ補正した測光値に基づいて露出値の演算を行っているが、各測光エリアでの測色判定に用いる測色判定用しきい値を、予め設定されたしきい値とは異なるしきい値、特に、撮影画面中心部からの距離に応じて、あるいは撮影レンズの射出瞳位置、開放絞り値、焦点距離等の固有情報に応じて、あるいは合焦エリアの位置に応じてそれぞれ選択し、あるいは算出して、各測光エリアで異なるしきい値として設定している。この設定により、例えば、露出値に大きな影響を与える黄色を判定するためのしきい値y1は、画面の周辺領域のしきい値(絶対値)が中央領域のしきい値(絶対値)よりも格段に大きくすることにより、周辺領域での黄色での測光補正値を中央領域での測光補正値よりも小さい値とし、結果として撮影画面の周辺部に存在する黄色による露出への影響を抑制する。これは、周辺部の測光精度が劣っていることから発生する誤った色判定の影響を低減できるからである。
【0049】
ここで、前記実施形態では、図3(a)に示したように、定常光用測光センサ9Dをペンタプリズム5の接眼光学系側の中央上部に配置しているので、被写体に対しては左右の中央位置に定常光用測光センサ9Dが位置されることになり、定常光用測光センサ9Dにおける測光感度分布を左右対称とし、測光の重要度の高い被写体中央部での測光精度を高いものにすることが可能である。すなわち、ペンタプリズム5の中央部では、撮影レンズ2の光軸とペンタプリズム5の接眼光学系6の光軸とのなす角度の差が小さくできるため、被写体の撮影画角をほぼ定常光用測光センサ9Dによって測光することが可能となるからである。
【0050】
また、前記実施形態では、定常光測光を行うための定常光用測光センサ9DをB,G,R用の各測光センサ9B,9G,9Rとは別に独立した測光センサとして設けているが、G用の測光センサ9Gの受光特性は540nm近傍にピークを有しており、視感度分布特性に近い定常光用測光センサ9Dの特性に近いので、図3(b)に示すように、定常光用測光センサ9DをG用の測光センサ9Gで兼用してもよい。この場合には、図7に示したゼネラルフローの処理S11〜S17については、G用の測光センサ9Gの受光出力Bvad・gをBvadに置き換えて演算を行えばよい。このように、定常光用測光センサ9DをG用の測光センサ9Gで構成することにより、測光装置を3つの測光センサで構成することが可能となり、ペンタプリズムの接眼光学系側に配置する測光センサの数を図3(a)の構成の場合に比較して1個低減することができ、コストの低減が図れるとともに、測光センサの配置スペースを低減してカメラボディの小型化が可能となる。また、この場合に図3(b)のように、G用の測光センサ9Gを定常光用測光センサ9Dと同様にペンタプリズム5の接眼光学系側の中央上部に配置することにより、G用の測光センサ9Gにおける測光感度分布を左右対称として測光精度を高いものにすることも可能である。
【0051】
【発明の効果】
以上説明したように本発明は、測光値決定手段において、定常光測光手段の測光出力に基づいて基本となる測光値を決定し、測光補正値決定手段において、測光出力と設定された測色用のしきい値とに基づいて複数の領域の色を判定し、判定した色に基づいて測色補正値を決定して前記測光値を補正し、さらに露出量決定手段では補正された測光値に基づいて露出値を決定しているので、被写体の色の相違、すなわち被写体の光反射率が相違することによる測光誤差が解消され、被写体の色の違いにかかわらず適正な露出を得ることが可能となる。また、前記色の判定に際しては、前記色判定用のしきい値を、撮影画面中心部からの距離に基づいて設定し、あるいはレンズの固有情報に基づいて設定し、また、合焦された領域に基づいて設定することにより、好ましくは撮影画面の周辺部における測色補正値の実質的な値を低減し、撮影画面の周辺部の被写体が露出に与える影響、特に周辺部の測光精度が劣っていることから発生する誤った色判定による影響を抑制し、被写体の主となる撮影対象に対する適正な露出を得ることが可能になる。
【0052】
また、本発明においては、前記露出量決定手段は、前記各測光エリア毎に補正された測光値に基づき、任意のアルゴリズムによる分割測光により前記適正な露出量を決定する機能、前記各測光エリア毎に補正された測光値を平均化した平均測光により前記適正な露出量を決定する機能、前記各測光エリア毎に補正された測光値のうち、被写体画面の中央領域の測光値に基づいた中央重点測光により前記適正な露出量を決定する機能、または前記各測光エリア毎に補正された測光値のうち、被写体画面の特定領域の測光値に基づいたスポット測光により前記適正な露出量を決定する機能の少なくとも一つを備え、しかも前記分割測光、中央重点測光及びスポット測光では、合焦検出のための測距を行う測光エリアの測光値を用い、また、前記分割測光、中央重点測光及びスポット測光では、焦点検出結果により、合焦エリアの重み付け、もしくは合焦エリアのスポット測光を可能に構成することで、撮影状況に対応した適切な露出量の決定が可能になる。
【0053】
また、本発明の測光装置を一眼レフカメラの測光装置として適用する場合に、ペンタプリズムの接眼光学系側の中央上部に定常光測光用の測光センサを配置することで、定常光測光用の測光センサでの左右対称性を確保し、撮影レンズに対する光軸ずれを少なくし、測光精度を高めることが可能となる。また、本発明では、定常光測光用の測光センサを測色用測光センサの1つ、すなわち緑色用測光センサと兼用してその緑色用測光センサの測光出力を定常光測光手段の測光出力とすることで、定常光測光用測光センサを省略することが可能であり、測光センサの個数が低減でき、コスト削減及び配置スペースの低減に伴うカメラの小型化が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の測光装置を装備した一眼レフカメラの模式的な斜視図である。
【図2】図1のカメラの要部の側面構成図である。
【図3】ペンタプリズムを背面側から見た測光センサの配置状態を示す図である。
【図4】測光センサの分割した測光エリアを示す図である。
【図5】測光センサの分光感度特性を示す図である。
【図6】カメラ回路構成の概略ブロック図である。
【図7】本発明の測光装置の測光動作のゼネラルフローチャートである。
【図8】レンズ通信処理のフローチャートである。
【図9】測光センサ出力Bvd演算処理のフローチャートである。
【図10】開放測光補正演算処理のフローチャートである。
【図11】測色処理のフローチャートである。
【図12】光源補正値演算処理のフローチャートである。
【図13】光源差補正処理のフローチャートである。
【図14】測色パラメータ算出処理のフローチャートである。
【図15】測色定数設定処理のフローチャートである。
【図16】測色判定用定数の一例を示す図である。
【図17】測色判定用しきい値を変更する複数の異なる形態を対照して示す図である。
【図18】撮影画面中心部からの距離によりしきい値を設定する形態を説明するための図である。
【図19】撮影レンズの固有情報に基づいてしきい値を選択して設定する形態を説明するための図である。
【図20】撮影レンズの固有情報に基づいてしきい値を演算して設定する形態を説明するための図である。
【図21】合焦エリアに基づいてしきい値を設定する形態を説明するための図である。
【図22】測色判定処理のフローチャートのその1である。
【図23】測色判定処理のフローチャートのその2である。
【図24】測色補正値演算処理のフローチャートである。
【図25】測色補正値の一例を示す図である。
【図26】測色補正値演算処理のフローチャートである。
【図27】露出値(Lvd)演算処理のフローチャートである。
【図28】露出値決定演算処理のフローチャートである。
【図29】分割測光Lvd算出処理のフローチャートである。
【符号の説明】
1 カメラボディ
2 撮影レンズ
5 ペンタプリズム
6 接眼光学系
8 マルチ測距装置
9 測光センサ
9D 定常光用測光センサ
9G 緑用測光センサ
9B 青用測光センサ
9R 赤用測光センサ
11 レンズROM
20 制御回路
26 EEPROM
27 RAM
28 測光モード切替スイッチ
A0〜A5 測光エリア

Claims (14)

  1. 視感度特性に近い分光感度特性を有して被写体を複数の領域に分割して測光する定常光測光手段と、前記分割された複数の領域のそれぞれについて測光が可能でかつ分光感度特性の異なる複数の測色用測光手段と、前記分割された複数の領域のそれぞれにおいて前記定常光測光手段の測光出力に基づいて前記被写体の測光値を決定する測光値決定手段と、前記分割された複数の領域のそれぞれにおいて前記複数の測色用測光手段の測光出力と設定したしきい値とに基づいて前記被写体の色を判定し、かつ判定した色に基づいて測色補正値を決定する測色補正値決定手段と、前記分割された複数の領域のそれぞれにおいて前記測光値決定手段で決定された測光値を前記測色補正値決定手段で決定された測色補正値で補正し、かつ補正された各測光値に基づいて適正な露出量を決定する露出量決定手段とを備え、前記測色補正値決定手段は、前記複数の領域毎に行う色の判定に際して用いる前記しきい値を前記複数の領域毎に異なる値に設定したことを特徴とする測光装置。
  2. 前記測色補正値決定手段は、撮影画面の周辺側の領域の前記しきい値を、前記撮影画面の中心側の領域のしきい値よりも大きい値に設定することを特徴とする請求項1に記載の測光装置。
  3. 前記測色補正値決定手段は、前記複数の領域に設定される前記しきい値を、撮影画面中心部からの距離に基づいて設定することを特徴とする請求項1または2に記載の測光装置。
  4. 撮影画面中心部からの距離が大きい領域のしきい値を、それよりも距離が小さい領域のしきい値よりも大きく設定することを特徴とする請求項3に記載の測光装置。
  5. 前記測色補正値決定手段は、前記複数の領域に設定される前記しきい値を、前記被写体を結像するレンズの持つ固有情報に基づいて設定することを特徴とする請求項1に記載の測光装置。
  6. 前記レンズの持つ固有情報は、当該撮影レンズの焦点距離、射出瞳位置、開放絞り値のいずれかである請求項5に記載の測光装置。
  7. 焦点距離が所定の値もしくは範囲のときのしきい値に対して、前記焦点距離が前記所定の値もしくは範囲よりも大きいとき、あるいは小さいときのしきい値を、前記所定の値もしくは範囲のときのしきい値よりも大きくしていることを特徴とする請求項6に記載の測光装置。
  8. 射出瞳位置が所定の位置もしくは範囲のときのしきい値に対して、前記射出瞳位置が前記所定の位置もしくは範囲よりも前側、あるいは後側のときのしきい値を、前記所定の位置もしくは範囲のときのしきい値よりも大きくしていることを特徴とする請求項6に記載の測光装置。
  9. 開放絞り値が所定の位置もしくは範囲のときのしきい値に対して、前記開放絞り値が前記所定の値もしくは範囲よりも大きいとき、あるいは小さいときのしきい値を、前記所定の値もしくは範囲のときのしきい値よりも大きくしていることを特徴とする請求項6に記載の測光装置。
  10. 前記測色補正値決定手段は、前記複数の領域に設定される前記しきい値を、前記被写体を結像するレンズにより合焦された領域に基づいて設定することを特徴とする請求項1に記載の測光装置。
  11. 合焦されない領域のしきい値を、合焦された領域のしきい値よりも大きくしていることを特徴とする請求項10に記載の測光装置。
  12. 前記露出量決定手段は、複数の測光エリア毎に補正された測光値に基づき、任意のアルゴリズムによる分割測光により前記適正な露出量を決定する機能、前記各測光エリア毎に補正された測光値を平均化した平均測光により前記適正な露出量を決定する機能、前記各測光エリア毎に補正された測光値のうち、被写体画面の中央領域の測光値に重み付け処理を行った中央重点測光により前記適正な露出量を決定する機能、または前記各測光エリア毎に補正された測光値のうち、被写体画面の特定領域の測光値に基づいたスポット測光により前記適正な露出量を決定する機能の少なくとも一つを備えることを特徴とする請求項1ないし11のいずれかに記載の測光装置。
  13. 前記定常光測光手段と前記複数の測色用測光手段は、一眼レフカメラのペンタプリズムの接眼光学系側に配置されており、少なくとも前記定常光測光手段は前記ペンタプリズムの中央上部に配置されていることを特徴とする請求項1ないし12のいずれかに記載の測光装置。
  14. 前記定常光測光手段は前記緑色用測光センサと兼用され、前記緑色用測光センサの測光出力を前記定常光測光手段の測光出力とすることを特徴とする請求項1ないし13のいずれかに記載の測光装置。
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