JP4481547B2 - 二サイクル内燃機関 - Google Patents

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Description

【0001】
〔技術分野〕
本発明は、ピストンに形成された空気経路が吸気口と複数の移送用ダクトの上方部分との間に配置されたクランクケース掃気式二サイクル内燃機関または二サイクルエンジンに関する。新規の空気が移送用ダクトの頂部に供給され、この空気は空気/燃料混合物に対する緩衝装置としての役目を果たす。この緩衝装置は掃気プロセス時に排気用出口部において消失する。その結果、燃料消費量および有害排出物が低減する。内燃機関は手持ち式の作業工具のようになっている。
【0002】
〔発明の背景〕
前述した形式の内燃機関が公知である。これら内燃機関は燃料消費量および有害排出物を低減するが、そのような内燃機関においては空燃比を制御するのが困難である。
【0003】
米国特許第5425346号明細書は、前述した内燃機関とはいくらか異なる形状を有するエンジンを開示している。この場合には、チャネルがエンジンのピストンに形成されており、ピストンが特別の位置に在るときにこれらチャネルはシリンダ内に形成されたダクトに整列する。その結果、図7に示されるように、新規の空気または排気ガスが移送用ダクトの上方部分に供給される。このことは、ピストン内のダクトとシリンダとが整列するピストンの特別の位置においてのみ生ずる。このことは、ピストンが下方に移動するときとピストンが上死点から離れて上方に移動するときとに起こる。ピストンが上死点から離れて上方に移動するときに誤った方向に流れるのを避けるために、チェック弁を移送用ダクトの上方部分に対する吸気口に配置する。追加することのできる新規な空気の量は、空気を供給する全体の短時間およびチェック弁における流れ抵抗に基づいて最大量が制限される。しかしながら、通常はリード弁と呼ばれるこの形式のチェック弁は多数の他の欠点を有している。これらチェック弁はしばしば共鳴振動を起こす傾向があって、多数の二サイクル内燃機関が到達しうる高回転速度まで達するのが困難である。さらに、これにより追加の費用が生じると共にエンジン構成部品の数が増す。追加される新規の空気の量は、変更可能な吸気口、すなわち作動サイクルにおいて加速および減速させることのできる吸気口によって変更される。しかしながら、このことは非常に複雑な解決法である。
【0004】
国際公開第WO98/57053号は、空気がピストン内のL字形状またはT字形状の凹部を通って移送用ダクトに供給される複数の実施形態のエンジンを開示している。従って、チェック弁は存在していない。全ての実施形態において、各移送用ダクトに通ずるピストンの凹部は極めて制限された高さを有しており、この高さは実際の移送用ポートの高さにほぼ等しくなっている。この実施形態の結果として、空気をピストンに通して移送用ダクトまで流すための経路は、空気/燃料混合物をクランクケースまで供給する経路がピストンにより開放されるよりもかなり遅く開放される。結果的に空気供給時間はクランク角または時間からカウントできる空気/燃料混合物供給時間よりも大幅に短くなる。これにより、エンジン全体の空燃比を制御するのが複雑になる。このことは、移送用ダクトに供給できる空気の量が大幅に制限されることを意味する。この理由は、吸気用ポートは空気供給部が開放しているときの或る時間に既に開放しているので追加の空気を供給する圧力がかなり低下するためである。このことは、空気を供給するための時間および駆動力の両方が小さいことを意味する。さらに、移送用ダクトの断面が移送用ポート付近で小さくてL字形状またはT字形状により鋭角の屈曲部が形成されるので、図示されるL字形状またはT字形状のダクト内における流れ抵抗は比較的大きい。空気が移送用ポートを通過するときに、空気は突然にシリンダの横方向に向きを変えられて移送用ダクトの外方に次いで下方、すなわち90°からなる二つのカーブが順次に迅速に向きを変える。このことは、エンジンの移送用ダクトが半径方向にシリンダ内に延びているためである。これにより、流れ抵抗が増すと共に移送用ダクトに供給できる空気の量が低減する。その結果、この装置により燃料消費量および有害排出物が少なくなる可能性が低下する。
【0005】
〔発明の目的〕
本発明の目的は前述した問題を解決すると共に多数の態様において利点を得るようにすることである。
【0006】
〔発明の概要〕
前述した問題は、特許請求の範囲に記載される本発明に基づく二サイクル内燃機関により達成される。
【0007】
ピストンに形成された空気経路が吸気口と複数の移送用ダクトの上方部分との間に配置されているクランクケース掃気式二サイクル内燃機関において、前記空気経路が制限弁を備えた前記吸気口から形成されており、前記制限弁は少なくとも一つのエンジンパラメータ、例えば気化器スロットル制御部により制御されており、前記吸気口は少なくとも一つの連結用ダクトを通って前記内燃機関のシリンダ壁部内の少なくとも一つの連結用ポートまで延びており、連結用ポートは、ピストンが上死点に在るときにピストン内に組み入れられた流路に連結するように配置されており、該流路は複数の移送用ダクトの上方部分まで延びており、前記シリンダおよび前記ピストン内における前記各流路は大部分が前記シリンダの横方向に配置されており、前記連結用ポートおよび前記シリンダの隣接する掃気用ポートを前記シリンダ壁部の周囲部に沿って互いに側方に移すことができ、前記シリンダの前記移送用ダクトは前記各掃気用ポートから遠方に前記シリンダのほぼ横方向、すなわち前記シリンダ壁部の外周に対して接線方向に延びている二サイクル内燃機関を特徴とする。
【0008】
この組立体によって、シリンダ内を通過する、ほとんど存在しないかまたは緩やかな曲線を描く空気の流れを形成することができ、これにより、流れ抵抗が低下する。
【0009】
シリンダ壁部内の少なくとも一つの連結用ポートは、ピストンが上死点に在るときの該連結用ポートがピストン内に形成された流路に連結されるように配置されている。チェック弁を設けることなしに、新規の空気を移送用ダクトの上方部分に供給することができる。このことは、ピストン位置またはピストンの上死点付近において移送用ダクト内に周囲空気に対する圧力が存在するために生じうる。従って、チェック弁を有することなしに、ピストンに形成される空気経路を配置することができ、このことは大きな利点である。空気供給作用は非常に長い時間にわたって行われるので、多量の空気を供給することができ、それにより、有害排出物を極めて大幅に削減することができる。少なくとも一つ内燃機関パラメータにより制御されていて吸気口に在る制御弁によって制御部を設けることができる。そのような制御部は変更可能な吸気口よりもかなり複雑ではない。吸気口は二つの連結用ポートを有するのが好ましく、一つの実施形態においては連結用ポートは、ピストンが下死点においてこれら連結用ポートを被覆するように配置されている。エンジン速度単独、または別の内燃機関パラメータとの組み合わせによって制限弁を適切に制御することができる。これら特徴および他の特徴ならびにこれら利点および他の利点を、添付図面によりサポートされる異なる実施形態の詳細な説明において明らかにする。
【0010】
〔実施形態の説明〕
本発明は添付図面を参照して種々の実施形態により以下に詳細に説明される。エンジンには部品が対称的に配置されており、一側の部品および他側の部品には同一の参照符号が与えられている。図面において他側の部品は紙面の上方に位置しているので見ることはできない。
【0011】
図1において参照番号1は本発明に基づく内燃機関を示している。内燃機関1は二サイクル型であって二つの移送用ダクトを有している。一方のダクトは紙面の上方に配置されているので、これを見ることはできない。内燃機関1はシリンダ15とクランクケース16と連結用ロッド17を備えたピストン13とクランク機構部18とを有している。さらに、内燃機関1は吸気用ポート23と吸気用チューブに接続されていてスロットル弁26を介して気化器25に接続された中間部分24とを備えた吸気用チューブ22を有している。燃料37を気化器により供給する。通常は気化器25はフィルタにより吸気用マフラに接続されている。明瞭にするためにこれらは図示しない。同様なことが排気ポート、排気ダクトおよび内燃機関のマフラに適用されうる。これら排気ポート、排気ダクトおよび内燃機関のマフラは一般的であって吸気口に対してシリンダの両側に配置されている。ピストンは段差などを有することのない平坦な上方側部を有しており、それにより、この上方側部は、周囲部に配置されているシリンダポートに均等に協動するようになる。それゆえ、エンジン本体の高さは通常のエンジンと比較して変わっていない。移送用ダクトポート31をエンジンのシリンダ壁部12に有している。エンジンは図示しない点火プラグを備えた燃焼室32を有している。このようなことの全ては一般的なことであって追加の説明を行わない。
【0012】
制限弁4を備えた吸気口2は、新規の空気をシリンダに供給できるように配置されている。吸気口2はシリンダまで形成された連結用ダクト6を有しており、この連結用ダクト6は外方連結用ポート7を備えている。以下においては、連結用ポートはシリンダ内部の連結部のポートを意味し、シリンダ外部のポートを外方連結用ポートと呼ぶ。吸気口2はフィルタを介して空気用マフラに適切に連結しており、それにより、清浄された新規な空気を取り入れることができる。条件が低い場合には、当然のことながらこのようなマフラは必要ではない。吸気用マフラは明瞭にするために図示しない。
【0013】
従って、連結用ダクト6は外方連結用ポート7に連結されている。このことは利点である。このポートにおいてまたはこのポートの後において、ダクトは、二つの連結用ポートにそれぞれ通ずる二つの枝部11に分岐する。前述したように、これら部材はエンジンに対称的に配置されている。従って、外方連結用ポート7は吸気用チューブ22の下方に配置されており、このことは多数の利点、例えば空気の温度が低くなること、および手持ち式の加工工具のための空間を良好に利用できることを意味し、このような加工工具は通常は図面に示されるような燃料タンク33を有している。
【0014】
しかしながら、外方連結用ポート7を吸気用チューブ22の上方に配置することもでき、この外方連結用ポート7はさらに水平方向に向けられる。これらが配置されている場合には、二つの外方連結用ポートを使用することができる。次いで、これらを吸気用チューブ22の各側部に配置できる。
【0015】
二つの流路10はピストン内に配置されており、それにより、ピストンが上死点に在るときにこれら流路は各連結用ポート移送用ダクトの上方部分に連結させる。これら流路10はピストン内における局所的な凹部により形成されている。ピストンは通常は鋳造によりこれら局所的な凹部を備えた状態で単純に製造される。
【0016】
通常は連結用ポートはシリンダの軸線方向に配置されており、それにより、ピストンは、ピストンが下死点に在るときにこれら連結用ポートを被覆するようになる。その結果、排気ガスが連結用ポートを通過できず、さらに最終的には空気フィルタに向かって流れることができない。しかしながら、これら連結用ポートを高位置に配置することにより、ピストンが下死点に位置するときに連結用ポートの或る部分を開放状態にすることもできる。これにより、望ましい量の排気ガスを連結用ダクト6に供給できるようになっている。連結用ポートが高位置に在ることによって、連結用ポートから掃気用ポート31までの通過作用のときの空気の流れ抵抗を下げることができる。
【0017】
連結用ポートから掃気用ポート31までの空気供給時間は極めて重要であって、ピストン内の流路、すなわちピストン内の凹部10により決定される。
【0018】
凹部の上方縁部は高位置に在るので、ピストンが下死点から上方に移動するときに、ピストンの下方縁部が吸気用ポートの下方縁部に到達するのと同時かまたはこれよりも早くに、凹部の上方縁部は各掃気用ポート31の下方縁部に到達する。その結果、吸気口が開放するのと同時かまたはこれよりも早くに、連結用ポート掃気用ポート31との間の空気連結部が開放する。上死点に到達後、ピストンが再び下方に移動するときに、吸気口と同時かまたはこれよりも遅くに空気連結部が遮断される。その結果、空気供給時間は、クランク角または時間からカウントできる吸気時間にほぼ等しいかまたはこれより長くなる。これにより流れ抵抗が低下する。吸気時間と空気供給時間とがほぼ等しい長さであるのがしばしば望ましい。好ましくは空気供給時間は吸気時間の90%から110%である。これら時間の両方は、クランクケース内の圧力が最大流入を可能とするのに十分に低い最大の時間により制限される。両方の時間は最大限にされてほぼ等しいのが好ましい。従って、凹部10の上方縁部の位置によって、凹部が掃気用ポート31に連結する速度が決定される。結果的に、各掃気用ポート31に連結するピストン内の凹部10はこの掃気用ポートにおいて局所的に、各掃気用ポートの高さの1.5倍、好ましくは掃気用ポートの高さの2倍よりも大きい軸線方向高さを有しているのが好ましい。これにより、ポートは、ピストンの上方側部が下死点に在るときに掃気用ポートの下方側部の高さに在るかまたは数ミリメートルだけ突出するような通常の高さを有することとなる。
【0019】
流れ抵抗を低減できるので、凹部は、各凹部10連結用ポートとの間の連結作用が最大限になるように下方に向かって整形されているのが好ましい。このことは、図1に示すように、ピストンが上死点にあるときに、凹部10がかなり下方にあるのでピストンが連結用ポートを被覆できないことを意味する。全体として、このことは各連結用ポートに連結するピストン内の凹部10がこのポートにおいて、各連結用ポートの高さの1.5倍、好ましくは各連結用ポートの高さの2倍よりも大きい軸線方向高さを局所的に有していることを意味する。
【0020】
掃気用ポートと連結用ポートとを側方、例えば図1に示すようなシリンダの接線方向に移すことができる場合には、連結用ポートおよび掃気用ポート31の相対位置を大幅に変更することができる。図1は連結用ポートと掃気用ポート31とが軸線方向に重なり合う、すなわち各連結用ポートの上方縁部が各掃気用ポートの下方縁部とシリンダの軸線方向に同じ高さに在るかまたはこれより高い位置に在る場合を示している。一つの利点は、二つのポートがこの形式の組立体において互いにさらに整列されており、その結果、空気が連結用ポートから掃気用ポートまで搬送されるときに流れ抵抗を低減させることができることである。結果的に、多量の空気を搬送でき、これによりこの組立体の実際の効果、例えば燃料消費量および有害放出物を低減できるのを高めることができる。多数の二サイクル内燃機関の場合には、ピストンが下死点にあるときに、ピストンの上方側部は排気用出口部の下方縁部および掃気用ポートの下方縁部の高さに在る。しかしながら、ピストンが掃気用ポートの下方縁部から1ミリメートルまたは数ミリメートルだけ延びるのは一般的なことである。掃気用ポートの下方縁部をさらに低下させる場合には、平坦でさらに大きい軸線方向の重なり合い部分が連結用ポートと掃気用ポートとの間に形成される。空気が掃気用ダクトに供給されるときに、互いにさらに同じ高さに在るポートと掃気用ポートのさらに大型の表面とのために流れ抵抗は低減する。
【0021】
シリンダとピストンとの間の通過時に流れ抵抗を小さくするために、前述した空気供給時間を長くすることが重要であることが指摘される。さらに、連結用ポートは各掃気用ポートの下方縁部とシリンダの軸線方向に同じ高さかまたはこれより高い位置に配置されるという利点が指摘される。これにより、連結用ポート/掃気用ポートを互いにシリンダ壁部の周囲に沿って側方に移すことができる。その結果、連結用ポート8からピストンを通って掃気用ポート31までの通過作用がシリンダの横方向に対してわずかに上方向に生じうる。連結用ポート8が掃気用ポート31の真下に配置されている場合には、通過作用は直線状に上方向に生じる。その結果、流れは最初は上方を向いていて次いで掃気用ポートに到達した後に水平方向に向くようになる。すなわち鋭角で向きを変える二つの転向作用が順次に起こることとなる。ポートを側方に移すことによって、わずかに上方に向かう流れが小型の転向作用とともに生じる。前述したように、移送用ダクトがシリンダのほぼ横方向に配置されていることは大きな利点である。その結果、連結用ポート8から掃気用ポート31までのわずかに上方に向かう流れがわずかに転向して移送用ダクト内において直線状に横方向に進み続ける。従って、図示される場合には、移送用ダクトは、緩やかな転向作用が生じるシリンダ壁部の高さに移送用ダクトが達するまでシリンダの横方向に延びており、それにより、移送用ダクトはクランクケースの口部38を備えた場所に連結する。各連結用ポートに通ずる各枝部11は、これら枝部がシリンダの横方向に向けられるかまたはこの横方向からわずかに上方を向くように組み入れられる。その結果、シリンダおよびピストンを通るようにされた主要流れの方向が強調される。図示される実施形態においては、各枝部は下方の外方連結用ポート7から斜めに延びており、それにより、これら枝部は外方連結用ポート通過後に上方を向くよう転向して上方に延び続けて、次いでシリンダ壁部12内の連結用ポートの位置まで横方向を向く。それゆえ、シリンダからピストンまでの通過作用において、わずかに上方を向く流れが形成される。この流れは移送用ダクト内においてわずかに遮断されると共に直線状に横方向を向く。連結用ポート8を各掃気用ポート31よりも下方に配置する必要があるので、この配列は通常の配列である。しかしながら、一つまたは二つの外方連結用ポート7を吸気口22から25の上方に配置することもできる。そのような場合には、この吸気口を図示される場合よりもシリンダの横方向に対してさらに角度をなすよう配置するのが好ましい。この場合には、各枝部11が各連結用ポートの位置までシリンダのほぼ横方向を向くように吸気口を配置する。
【0022】
発明者は、発明者が上方、例えば外方連結用ポート7から連結用ポート8までの流れおよび掃気用ポート31を越える流れさらに移送用ダクト3への流れが分かることを想定している。移送用ダクト3がシリンダに対してほぼ接線方向に掃気用ポート31まで延びており、連結用ポート8から枝部11の第一の部分に対して同一の状況であるのがかなり有利である。その結果、空気が枝部11からピストン凹部10および移送用ダクト3まで通過するときには、方向の変化は小さくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に基づくエンジンの側面図であり、シリンダおよび上死点に在るピストンの断面が示されている。

Claims (11)

  1. ピストンに形成された空気経路が吸気口と複数の移送用ダクトの上方部分との間に配置されているクランクケース掃気式二サイクル内燃機関において、
    前記空気経路が制限弁を備えた前記吸気口から形成されており、前記制限弁は少なくとも一つのエンジンパラメータにより制御されており、前記吸気口は少なくとも一つの連結用ダクトを通って前記内燃機関のシリンダ壁部内の少なくとも一つの連結用ポートまで延びており、連結用ポートは、ピストンが上死点に在るときにピストン内に組み入れられた少なくとも一つの流路に連結するように配置されており、該流路は複数の移送用ダクトの上方部分まで延びており、前記シリンダおよび前記ピストン内における前記各流路は大部分が前記シリンダの横方向に配置されており、前記連結用ポートおよび前記シリンダの隣接する掃気用ポートの位置は、前記シリンダ壁部の周囲部に沿って互いに側方にずれており、前記シリンダの前記移送用ダクトは前記各掃気用ポートから遠方に前記シリンダのほぼ横方向、すなわち前記シリンダ壁部の外周に対して接線方向に延びている二サイクル内燃機関。
  2. 前記各連結用ポートに通ずる各枝部が前記シリンダの横方向またはこれよりわずかに上方を向いている請求項1に記載のクランクケース掃気式二サイクル内燃機関。
  3. 前記各掃気用ポートに連結する前記ピストン内の凹部は、前記空気供給作用の空気供給時間がクランク角または時間からカウントできる前記空気吸気時間にほぼ等しいかまたはこれより長いように前記流路が配置されている請求項1または2に記載のクランクケース掃気式二サイクル内燃機関。
  4. 前記空気供給時間が前記吸気時間の90%よりも長いが前記吸気時間の110%よりも短いようにした請求項1から3のいずれか一項に記載のクランクケース掃気式二サイクル内燃機関。
  5. 前記掃気用ポートに連結する前記ピストン内の前記凹部は、この掃気用ポートにおいて掃気用ポートの高さの1.5倍よりも大きい軸線方向高さを局所的に有している請求項1から4のいずれか一項に記載のクランクケース掃気式二サイクル内燃機関。
  6. 各連結用ポートの上方縁部が前記シリンダの軸線方向において前記各掃気用ポートの下方縁部と同じかまたはこれより高い高さを有している請求項1から5のいずれか一項に記載のクランクケース掃気式二サイクル内燃機関。
  7. 前記吸気口は前記内燃機関の前記シリンダ壁部において少なくとも二つの連結用ポートを有している請求項1から6のいずれか一項に記載のクランクケース掃気式二サイクル内燃機関。
  8. 前記内燃機関の前記シリンダ壁部における前記連結用ポートは、前記ピストンが下死点に在るときに該ピストンがこれら連結用ポートを被覆するように配置されている請求項1から7のいずれか一項に記載のクランクケース掃気式二サイクル内燃機関。
  9. 前記内燃機関の前記シリンダ壁部における前記連結用ポートは、前記ピストンが下死点に在るときに該ピストンがこれら連結用ポートを被覆せず、かつ前記シリンダからの排気ガスが前記吸気口を通過できるように配置されている請求項1から4のいずれか一項に記載のクランクケース掃気式二サイクル内燃機関。
  10. 前記ピストン内の前記流路の少なくとも一部分が前記ピストンの周囲部において少なくとも一つの凹部の形態をなして配置されている請求項1から9のいずれか一項に記載のクランクケース掃気式二サイクル内燃機関。
  11. 前記掃気用ポートに連結する前記ピストン内の前記凹部は、この掃気用ポートにおいて掃気用ポートの高さの2倍よりも大きい軸線方向高さを局所的に有している請求項1から4のいずれか一項に記載のクランクケース掃気式二サイクル内燃機関。
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