JP4467693B2 - 多段受信機および多段受信方法ならびにトラフィック信号検出器およびにトラフィック信号検出方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、無線通信システムにおける信号受信に関し、特に限定されるものではないが、具体的には、スペクトラム拡散(スプレッド・スペクトラム)通信システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
通常の無線(ワイアレス)通信システムにおいては、多数の移動局が用いられる。典型的には、複数の移動局が無線通信システムを任意の時点で利用する。このような通信システムはしばしば多元接続通信システムと呼ばれる。
【0003】
無線(電波)周波数(RF)信号は、多元接続通信システムにおいて移動局と基地局との間の伝送を行うために用いられる。多元接続通信システム(例えばセルラ電話通信システム)が膨大な数にのぼり、しかも依然その数が増加しているので、RF帯域は極めて欠乏しているリソースである。この結果、多元アクセス通信システムのサービス提供者にとって当該提供者に割り当てられたRF帯域を効率よく利用し、かつ伝送のための多元接続通信の能力を極大化することが、より一層重要になってきている。
【0004】
複数の移動局が多元接続通信システムに同時に接続できるようにする多くの種々の手法、例えば時分割多元接続(TDMA)、周波数多元接続(FDMA)および符号多元接続(CDMA)が利用されてきた。CDMAはスペクトラム拡散変調手法を用いるものであり、この手法はTDMAおよびFDMAに対し所定の利点を有している。今日採用されている多くの新たな通信システムがCDMAを利用する。多元接続通信においてCDMAを利用することは、1993年2月13日にコルコム社(Qualcomm Incorporated)に発行された米国特許明細書4,901,307号明細書「衛星または地上リピータを用いたスプレッド・スペクトラム多元アクセス通信システム」に開示されている。詳細についてはこの特許を参照されたい。
【0005】
CDMAを利用する典型的な多元接続通信システム(「CDMA通信システム」)は複数の移動局のみでなく、その移動局が通信する複数の基地局も含む。さらに、典型的なCDMA通信システムは少なくとも1つの順方向CDMAチャネルと少なくとも1つの逆方向CDMAチャネルを有する。各順方向CDMAチャネルおよび各逆方向CDMAチャネルには固有の重複しない周波数バンドが割り当てられる。典型的には、順方向チャネルで用いられる周波数バンドと逆方向チャネルで用いられる周波数バンドとの間にガード周波数バンドがある。
【0006】
基地局から移動局への通信は順方向CDMAチャネルで実行される。各順方向CDMAチャネルは複数の符号チャネルから構成される。これら複数の符号チャネルはスペクトラム拡散変調手法を用いて当該順方向CDMAチャネルを分かち合う。各移動局には固有の符号チャネルが割り当てられている。
【0007】
同様に、移動局から基地局への通信は逆方向CDMAチャネルを用いて実行される。各逆方向CDMAチャネルは複数の符号チャネルからなり、これらは典型的には、接続チャネルおよび逆方向トラフィックチャネルと呼ばれる。符号チャネルは当該逆方向CDMAチャネルに割り当てられた周波数バンドをスペクトラム拡散技術を用いて分かち合う。各移動局は固有の逆方向トラフィックチャネルに関連付けられる。接続チャネルは典型的には基地局に対する呼出処理または発呼を通知するのに用いられる。
【0008】
ANSI標準J−STD−008またはTIA/EIA標準IS−95A(詳細は当該標準本文を参照されたい)により定義されるCDMA通信システムにおいては、順方向CDMAチャネルおよび逆方向CDMAチャネルに用いられる各周波数バンドは1.23MHz幅である。さらに、各順方向CDMAチャネルおよび各逆方向CDMAチャネルは64個の符号チャネルに分割される。
【0009】
CDMA通信システムにおいて、基地局は地球を周回する衛生または地上に位置するステーション(「地上基地局」)または双方である。CDMA通信システムに共通して用いられるUHFまたはより高周波のバンドでは、1つの移動局からの1の信号が複数の異なる経路を介して共通に1の基地局に到着する。(すなわち、複数の信号が基地局に共通して受信されるが、各信号は当該1の移動局から送られたものである)。同様に、1の基地局から1の移動局へ向けられた信号が当該移動局に複数の異なる経路を介して共通に到着する。
【0010】
信号が意図した宛先に到着するのに要する時間(通常では経路遅延と呼ぶ)は各経路に応じて広く異なる。さらに、異なる経路を進む信号間には著しい位相差が発生し、特にUHFバンドまたはそれより高い周波数バンドでは顕著である。換言すれば、1の基地局から1の移動局へ(または1の移動局から1の基地局へ)各信号が種々の方向からまた種々の経路で到来する。各信号は異なる経路遅延および異なる位相を伴う。信号が各基地局および各移動局で受信されるとき、著しいフェージングを伴うと信号が打ち消しあってしまう。そのような多重経路フェージングはUHFバンドまたはそれより高い周波数のバンドではよく起こることである。
【0011】
衛星及び移動局の間の信号に関する多重経路フェージングは、通常、地上基地局と移動局との間の信号に関する多重経路フェージングのような厳しい問題ではない。衛星は通常ではジオシンクロナス地球軌道に位置するので、移動局と任意の衛星との間の距離は比較的変動しない。さらに、移動局が移動しても移動局と衛星との間の距離はさほど変化しない。これに対し、移動局と地上基地局との間の距離は著しく変化する。1の移動局が基地局から数十メートルの距離にあることもあるし、同一セル内の他の移動局が当該基地局から数キロメートル離れていることもある。さらに、移動局が移動すると、移動局と地上基地局との間の距離は著しく変動する。この結果、移動局の位置変化により、当該移動局と地上基地局との間の種々の経路を介して伝播する信号すべての経路遅延および位相が変化することとなる。
【0012】
上述の観点から、衛星および移動局の間の信号は典型的にライシアン(Rician)フェージングにより特徴付けられるフェージングを受ける。これに対して、地上基地局と移動局との間の信号はレイリー(Rayleigh)フェージングに特徴付けられるより困難なフェージングを受ける。レイリーフェージングは一部には移動局と基地局との間の多数の物体(例えば建物)から反射される信号に起因する。
【0013】
CDMA通信システムは順方向CDMAチャネルおよび逆方向CDMAチャネルの各々において広帯域の信号を用いるので、多重経路フェージングは典型的には各広帯域信号のほんのわずかの部分に影響を与えるだけである。換言すれば、CDMAはその本来の性質上所定の態様の周波数ダイバーシチを利用し、多重経路フェージングの悪影響を軽減する。
【0014】
CDMA通信システムは、周波数ダイバーシチに加えて、時間ダイバーシチおよび空間(または経路)ダイバーシチをも利用して多重経路フェージングの悪影響を軽減する。時間ダイバーシチは、繰り返しの利用、タイムインタリーブおよび誤り検出訂正符号手法を通じて広く採用できる。空間ダイバーシチは、各移動局から複数のアンテナを用いる基地局に対する同時通信リンクを利用することにより、逆方向CDMAチャネルにおいて広く採用されている。各アンテナは、同時通信リンクの1つとして機能する。空間ダイバーシチは、CDMA通信システムに利用されているスペクトラム拡散信号の固有の特徴を利用して、広く順方向CDMAチャネルにおいても逆方向CDMAチャネルにおいても採用されている。
【0015】
多くのCDMA通信システム、例えばIS−95S標準(「IS−95CDMA通信システム」)により規定されるCDMA通信システムは、高速の擬似ランダムノイズ(PN)変調手法を利用してPNチップのレートで各符号チャネルにおいて伝送されるトラフィックを変調する。逆方向CDMAチャネル内の各符号チャネルは、個別のPN符号が割り当てられこのPN符号により変調され、PN系列(トラフィックを内在する)を生成する。経路遅延の相違が、PNチップのレートの逆数、すなわち通常PNチップ期間を上回っていれば、高速のPN変調により、多くの異なる経路は分離可能となる。
【0016】
しかしながら、PN符号同士およびその結果得られる系列同士は直交ではない。短い時間間隔(例えば情報ビット間隔)で、異なるPN符合間の相互相関および異なるPN系列間で相互相関は二項分布によりランダムとなる。この結果、各符号チャネルで伝送されるトラフィックは他の符合チャネルで伝送されるトラフィックと典型的には干渉する。また、相互干渉を抑制してより大きなシステム能力を可能にするために、多くのCDMA通信システムは、各符号チャネルで伝送されるトラフィックを、所定数の相互に直交する二値系列から直交する二値系列、例えばウォルシュ符号を用いて変調する。各直交二値系列は、対応するインデックスシンボルを有する。例えば、IS−95CDMA通信システムにおいては、64個のウォルシュ符号が用いられる。この結果、データトラフィックの6ビットずつがインデックスシンボルの1つに対応し、64個のウォルシュ符号の1つにマッピングされる。ウォルシュ符号を用いることにより、相互干渉を低減でき、またシステムのトラフィック伝送性能を向上させることができる。
【0017】
基地局は通常では各順方向CDMAチャネルに1以上のパイロット信号を送る。移動局の受信機は、このパイロット信号を用いて、順方向CDMAチャネルを伝送されるトラフィックをコヒーレントに復調する。パイロット信号は振幅変化(すなわちフェージング)や位相変化に関するチャネル情報を提供する。しかしながら、電力上の観点から、移動局は通常パイロット信号を基地局に送信しない。これはIS−95A CDMA通信システムの場合である。この結果、基地局の受信機は通常では非コヒーレント復調手法を用いて各順方向CDMAチャネル内の逆方向トラフィックチャネルを介して伝送されるトラフィックを復調または検出しなければならない。
【0018】
非コヒーレント復調手法を用いて復調を行うのはコヒーレント復調手法を用いた場合よりよりむずかしいので、多くのCDMA通信システムのトラフィック処理性能の限界は、基地局の受信機が非コヒーレント復調手法を用いて(各逆方向CDMAチャネル内の)逆方向トラフィックチャネルにおいて伝送されるトラフィックを、誤まりなしに、検出する能力により決定される。この結果、多くのCDMA通信システムの容量の限界は、基地局において用いられる受信機の性能により決定される。
【0019】
各基地局は少なくとも1つのアンテナについて少なくとも1つの受信機を有する。通常、各受信機は各時点でたった1つの移動局にしかサービスを提供しないので、各移動局は通常複数の受信機を有し、受信機の各々が同時にサービスを受ける移動局に対応する。基地局の各受信機は通常では1つの受信器部と、検出器部と、復号器部とを有する。
【0020】
基地局の受信機の性能を極大化させるために用いられる通常のアプローチは、各受信機の検出器部および復号器部を別々に最適化することである。
【0021】
多くのCDMA通信システムでは、移動局は、まず、トラフィックのデータビットを、符号化アルゴリズムで固定の符号化レートでデータシンボルに符号化する。符号化アルゴリズムは、復号器部における復号器によりデータシンボルのデータビットへの後続の最尤復号を容易にするものである。さらに、移動局は、通常と同様に、インターリーバを用いてデータシンボルをインターリーブし、インターリーブされたデータシンボルを生成する。データシンボルをインターリーブすることにより、多重経路フェージングの悪影響を減少させることができ、また復号器部のパフォーマンスを向上させることができる。
【0022】
移動局は、つぎに、(トラフィックを内在する)インターリーブされたデータシンボルを、1組の相互に直交する符号例えばウォルシュ符号からなる直交符号にマッピング(符号化)する。直交符号を用いることのより、基地局の受信機の検出器部および復号器部が、符号チャネルにより伝送されるデータシンボルの各々を容易に検出できるようになる。
【0023】
基地局の各アンテナに対して、通常では1個のシングル・マキシマ受信機または1個のデュアル・マキシマ受信機が用いられる。各シングル・マキシマ受信機および各デュアル・マキシマ受信機は通常ではレーク(くま手)受信機構成を採用する。この構成は2つ以上のフィンガを持ち、各フィンガを用いて、経路の対応する1つにおいて伝送される信号を受信して検出する。
【0024】
図2および図3において、レーク受信機構成のシングル・マキシマ受信機300は、アンテナ310、受信器部320、検出器部330および復号器部340を有している。(この構成に代えて、複数のアンテナ310を用いて空間または経路ダイバーシチ受信を行ってもよい)。受信器部320はアンテナ310および復号器部330に接続されている。
【0025】
受信器部320は1個の受信器サブセクションからなる。(複数のアンテナ310を用いる場合には、複数の受信器サブセクションを採用してよく、各受信器サブセクションが各アンテナに対応する)。各受信サブセクションは1個の探査受信器および3個のデータ受信器からなる。3個より多くのまたは3個より少ない個数のデータ受信器を用いてもよい。(ただし、各受信器部は1個の探査受信器および少なくとも1個のデータ受信器を有する)。移動局から送信されたRF信号に対して、探査受信器は、アンテナ310において種々の逆方向経路を介して到着した受信RFスペクトラム拡散RF信号にわたって当該移動局に関連する最も強度の大きなスペクトラム拡散RF信号を探査する。探査受信器は、つぎに、データ受信器に最も大きなレベルで逆方向経路を搬送されるRF信号をトラックして受信するように指示する。各データ受信器は通常個別のRF信号を受信してトラックする。具体的には、各データ受信器は対応するスペクトラム拡散RF信号を復調し、対応するスペクトラム拡散RF信号を、RF周波数から低周波数において処理される受信信号に変換する。さらに、各データ受信器はPNチップレートで(例えば、1.2288 mサンプル/秒)処理済受信信号をそれぞれサンプルしてデータサンプル325A、325B、および325Cをそれぞれ生成して受信機300の検出器部330に供給する。
【0026】
シングル・マキシマ受信機300の検出器部330は、3つの検出器サブセクションすなわち第1サブセクション400A、第2サブセクション400B、および第3サブセクション400Cからなっている。各サブセクション400A〜400Cは受信器部320のデータ受信器の1つに関連する。各データ受信器と、これに対応するサブセクション400A〜400Cは通常シングル・マキシマ受信機300(レーク受信機の用語を用いて)のフィンガと呼ばれる。より多くのデータ受信器を用いる場合には(あるいはより多くの受信器サブセクションが用いられる場合には)、対応するようにより多くの検出器サブセクションが用いられることとなる。
【0027】
検出サブセクション400Aは復号器410、ウォルシュ変換回路420および平方・加算回路430を含んでいる。ウォルシュ変換回路420は復号器410および平方・加算回路430に接続されている。検出器サブセクション400Aは、通常では、処理済受信信号のサンプルグループ325Aを復号器を用いてサブ信号の1つのサンプルグループに復号する。1つのサンプルグループ412は同相の信号であり、他のサンプルグループ414は直角位相信号である。2つサブ信号のサンプルグループ412、414は、ウォルシュ変換回路420を用いて複素変換器出力信号425のブロックに変換される。通常では、ウォルシュ変換回路420は2個の高速アダマール変換器(FHT:Fast Hadamard Transformer)からなり、この変換器は同相信号の各サンプルグループ412および直交信号の各サンプルグループ414を2つの個別のブロックの変換器出力信号に変換する。この2つの個別のブロックの変換器出力信号は通常では1ブロックの複素変換器出力信号425として表される(複素数表現を用いれば)。複素変換器出力信号425のブロックは変換器ブロックとも呼ばれる。
【0028】
通常、CDMA通信システムではウォルシュ符号が用いられるので、複素変換器出力信号425のブロックはウォルシュブロックとも呼ばれる。複素変換器出力信号ブロック425の各行は複素変換器出力信号425の1つである(これは、同相信号に関連する変換器出力信号の行と直交信号に関連する変換器出力信号の行とを有する)。
【0029】
複素変換器出力信号425の各ブロックは、平方・加算回路430に供給され、ここで、複素変換器出力信号425の各ブロックがエネルギ値445A(または決定値)のグループに変換される。処理済受信信号のサンプル325Aの特定のグループの関連するエネルギ値445Aのグループ内の各エネルギ値445Aは、処理済受信信号のサンプル325Aのグループが、対応するインデックス値の特定の直交符号に対応することについての確信度を表す。この結果、複素変換器出力信号425のブロックの各行は(すなわち各変換器出力信号は)、サンプル信号325Aの特定のグループが相互直交符号の組に含まれる特定の直交符号に対応する確信度に合致する。相互直交符号の組に含まれる各直交符号は対応するインデックスシンボルを有するから、各エネルギ値は対応するインデックスシンボルを有する。
【0030】
同様に他のフィンガも、それぞれサンプル323B、325Cの各グループに関連するエネルギ値445Bおよび445Cの各グループを生成する。
【0031】
各フィンガからのエネルギ値445A〜445Cは復号器部340に供給される。受信機300の復号器部340は、当初送られたデータビットを復元するように試みる。復号器部340は加算器500、シングル・マキシマ距離(メトリック)生成器540、逆インターリバ550、および復号器560を有している。加算器500は、各フィンガの平方・加算回路430およびシングル・マキシマ距離生成器540に接続されている。逆インターリーバ550はシングル・マキシマ距離生成器540および復号器560に接続されている。
【0032】
復号器部340の加算器500を用いて、第1検出サブブロックからのエネルギ値445Aの各グループは、他のフィンガの他の検出器サブセクションからの他のグループのエネルギ値445B、445Cと、関連する直交符号(またはインデックスシンボル)に基づいて、直接に加算され、これにより、結合されたエネルギ値505のグループが生成される。各インデックスシンボルごとに、結合されたエネルギ値505がシングル・マキシマ距離生成器540に供給される。
【0033】
とくに図3において、シングル・マキシマ距離生成器540は、選択器515、インデックスマッパー520、距離計算機540および乗算器530を有している。選択器515は加算器500、インデックスマッパー520および距離計算機525に接続されている。乗算器530はインデックスマッパー520および距離計算機525に接続されている。選択器515は結合エネルギ値505の各グループ内の最も大きな結合エネルギ値518を選択する。この最も大きな結合エネルギ505は、処理済信号のサンプル325A〜Cのグループが直交符号の1つに対応することに対する最も大きな確信度を表す(しばしば、移動局により送られた最も確率の高い直交符号と呼ばれる)。各直交符号は対応するインデックスシンボルを有するので、最も大きな結合エネルギ値518は、受信信号のサンプル325A〜Cのグループがインデックスシンボルの1つに対応することに対する最も大きな確信度を表す。選択器515は、また、最も大きな結合エネルギ値518に関連するシンボル517(またはインデックスシンボル)を選択する(これは、すなわち、最も確率の高い直交符号である)。選択されたインデックスシンボル517は、インデックスマッパー520に送られ、ここで、インデックシンボル517を複数の「1」および「−1」のソフト決定ビット522にマッピングされる。最も大きな結合エネルギ値518は距離計算機525に送られ、ここで、スケーリングファクタ527が生成される。そして乗算器530はスケーリングファクタ530でソフト決定ビット522を逓倍し、ソフト決定データ545を生成する。ソフト決定データ545の第1ビットは、インデックスシンボルの第1デジット(文字)の値の確信度(最も確率の高い直交符号に対応する)を表す。すなわち、ソフト決定データ545の第1ビットは、実際に送られたインターリーブされたデータシンボルの第1デジットの値の確信度を表す。ソフト決定データ545の第2ビットはインデックスシンボルの第2デジットの値の確信度(最も確率の高い直交符号に対応する)、または実際に送られたインターリーブされたデータシンボルの第2デジットの値の確信度を表す。以降も同様である。
【0034】
ソフト決定データ545は逆インターリーバ550に送られる。逆インターリーバ550はソフト決定データ545を逆インターリーブして逆インターリーブされたソフト決定データ555を生成する。そして、逆インターリーブされたソフト決定データ555は復号器560(通常はビタビ復号器)に供給され、ここで逆インターリーブされたソフト決定データ555が予測デジタルトラフィックデータビット565に復号される。
【0035】
基地局はときどきレーク受信構成でない単純なシングル・マキシマ受信機を採用することがある。このような受信機は1つのフィンガしか有していない。
【0036】
N個の複素変換器出力信号rk,1,...,rk,Nのk番目のブロックに対する最も大きな結合エネルギ値Ekを生成するためにシングル・マキシマ受信機によって採用される方法は、極めた簡単に以下のように数学的に表される。
【0037】
【数1】
ここで、Nは使用される直交符号の全数である。
【0038】
シングル・マキシマレシーバについては米国特許5,109,390号明細書「CDMAセルラー電話システムにおけるダイバーシチ受信機」(米国コルコム社、1992年4月28日発行)に開示されており、詳細はこれを参照されたい。
【0039】
システム容量を増大させるために、いくつかのCDMA通信システムは、デュアル・マキシマ受信機と通常呼ばれる受信機を利用する。デュアル・マキシマ受信機はシングル・マキシマ受信機に較べてより優れたビット訂正能力を有する。デュアル・マキシマ受信機はレーク受信機構成に採用してもよいし採用しなくてもよい。
【0040】
図4において、レーク受信機構成のデュアル・マキシマ受信機600は、アンテナ310’、受信器部320’、検出器部330’および復号器部605を有している。アンテナ310’、受信器部320’、検出器部330’はシングル・マキシマ受信機300において見出されるアンテナ310、受信器部320および検出器部330と同一であり、まったく同じ態様で動作する。検出器部330’は、3つの検出器サブセクション400A’、400B’および400C’を有しており、これらは、シングル・マキシマ受信機300において見出される検出器サブセクション400A、400Bおよび400Cと同一であり、まったく同じ態様で動作する。
【0041】
ただし、デュアル・マキシマ受信機は異なる復号器部605を有する。この復号器部605は、加算器500’、デュアル・マキシマ距離生成器610、逆インターリーバ550’および復号器560’を有している。加算器500’、逆インターリーバ550’および復号器560’はシングル・マキシマ受信機300において見出される加算器500、逆インターリーバ550および復号器560と同一であり、まったく同じ態様で動作する。ただし、シングル・マキシマ受信機300において見出されるシングル・マキシマ距離生成器540はデュアル・マキシマ距離生成器610に置き換えられる。加算器500’は復号器部330’の復号サブセクション400A’〜C’に接続され、またデュアル・マキシマ距離生成器610に接続される。逆インターリーバ550’はデュアル・マキシマ距離生成器610および復号器560’に接続される。
【0042】
受信器部320’は1つの探査受信器および3つのデータ受信器を有している。探査受信器は移動局に関連する最も大きなスペクトラム拡散RF信号を追跡して受信するように当該データ受信器に指示する。各データ受信器は異なるRF信号を受信する。具体的には、各受信器はRF信号を復調し、そのRF信号を処理済受信信号に変換する。受信器部320’の各データ受信器は対応する処理済受信信号のサンプル325A’、325B’および325C’のグループをそれぞれ生成し対応する検出器サブセクション400A’、400B’および400C’に供給する。
【0043】
とくに第1フィンガについて述べる。第1検出器サブセクション400A’は復調器410’、ウォルシュ変換回路420’および平方・加算回路430’を有している。ウォルシュ変換回路420’は復調器410’および平方・加算回路430’に接続されている。復調器410’は受信器部320’に接続されている。復調器410’、ウォルシュ変換回路420’および平方加算回路430’は図2に示されるシングル・マキシマ受信機に見出される復調器410、ウォルシュ変換回路420および平方加算回路430と同一であり、まったく同じ態様で動作する。
【0044】
具体的には、データサンプル325A’のグループは復調器410’に供給される。シングル・マキシマ受信機300に関連して先に説明したのと同様に、復調器410’およびウォルシュ変換回路420’が、処理済受信信号のサンプル325A’のグループを、複素変換器出力信号425’のブロックへ変換する。複素変換器出力信号425’の1ブロックは処理済受信信号のサンプル325A’の各グループに対応する。複素変換器出力信号425’の各ブロックは平方・加算回路430’に送られて、平方・加算回路430’は、複素変換器出力信号425’の各ブロックを、シングル・マキシマ受信機300に対してすでに説明したのと同様な態様で、エネルギ値445A’のグループに変換する。サンプル325A’のグループに関連するエネルギ値445A’のグループ内の各エネルギ値445A’は受信信号のサンプル325A’のグループが特定の直交符号に対応する確信の度合いを表す。各直交符号は対応するインデックスシンボルを伴うので、サンプル325A’のグループに関連するエネルギ値445A’のグループ内の各エネルギ値445A’は受信信号のサンプル325A’のグループが特定のインデックスシンボルに対応する確信の度合いを表す。同様に、他のフィンガはサンプル325B’および325C’のグループにそれぞれ関連するエネルギ値445B’および445C’のグループを生成する。各フィンガからのエネルギ値445A’〜445C’のグループは復号器部605に送られる。
【0045】
復号器部605の加算器500’を用いて、エネルギ値445A’のグループは、関連する直交符号(またはインデックスシンボル)に従って、直接に他の復号器サブセクション400B’、400C’からのエネルギ値445B’、445C’の他のグループと加算され、結合エネルギ値505’のグループを生成する。各インデックスシンボルについて、結合エネルギ値505’がデュアル・マキシマ距離生成器610に供給される。デュアル・マキシマ距離生成器610はデュアル・マキシマ復号アルゴリズム(これはマキシマム・アポステリオリ(MAP)復号アルゴリズムを近似するものである)を用いる。結合エネルギ値505’の完全なグループが、すなわち各インデックスシンボルに1つの結合エネルギ値が、求まった後、デュアル・マキシマ距離生成器610が、まず、第1のデジットとして”0”を有する関連するインデックスシンボルを有する連結エネルギ値505’のグループの第1のサブセットにおいて、最も大きな連結エネルギ値505’を探索する。デュアル・マキシマ距離生成器が、つぎに、第1のデジットとして”1”を有する関連するインデックスシンボルを有する連結エネルギ値505’のグループの第2のサブセットにおいて、最も大きな連結エネルギ値505’を探索する。第1のサブセットにおける最も大きな連結エネルギ値505’と第2のサブセットにおける最も大きな連結エネルギ値505’との差が、デュアル・マキシマ距離生成器610から、最尤直交符号に対応するインデックスシンボルの第1のデジットに対するソフト決定データ545’の第1ビットとして出力される。換言すれば、ソフト決定データ545’の第1ビットは、実際に送られたインターリーブされたデータシンボルの第1デジットの値の確信度を表す。
【0046】
つぎに、デュアル・マキシマ距離生成器は、第2のデジットとして”0”を有する関連するインデックスシンボルを有する連結エネルギ値505’のグループの第3のサブセットにおいて、最も大きな連結エネルギ値505’を探索し、また、第2のデジットとして”1”を有する関連するインデックスシンボルを有する連結エネルギ値505’のグループの第4のサブセットにおいて、最も大きな連結エネルギ値505’を探索する。この最も大きな連結エネルギ値の差は、最尤直交符号に対応するインデックスシンボルの第2のデジットに対するソフト決定データ545’の第2ビットとして出力される。換言すれば、ソフト決定データ545’の第2ビットは、実際に送られたインターリーブされたデータシンボルの第2デジットの値の確信度を表す。
【0047】
以上のプロセスは、デュアル・マキシマ距離生成器610が、最も送られた確率の高いインターリーブされたインデックスンボルにおける最後のデジットに対するソフト決定データ545’を生成するまで継続される。
【0048】
最も送られた確率が高いインデックスシンボルのすべてのデジットに対するソフト決定データ545’は、つぎに、逆インターリーバ550’に送られる。逆インターリーバ550’は、ソフト決定データ545’を逆インターリーブし、逆インターリーブされたソフト決定データ555’を生成する。そして、逆インターリーブされたソフト決定データ555’は復号器(通常はビタビ復号器)569’に送られ、復号器569’が逆インターリーブされたソフト決定データ555’を推定デジタルトラフィックデータビット565’に変換する。
【0049】
基地局は、しばしば、レーク受信機構成でない単純なデュアル・マキシマ受信機を用いる。このような受信機はたった1つのフィンガしか有していない。
【0050】
単純なデュアル・マキシマ受信機においてN個の複素変換器出力信号rk,1,...,rk,Nのk番目のブロックに対するソフト決定データを生成するために用いる方法は数学的に極めて容易に次のように表される。
【0051】
【数2】
ここで、Si={n∈{1,...,N},i番目の対応するビットは”0”},Si=n∈{1,...,N},i番目の対応するビットは”1”},M=log2N,Δk,iは変換器出力信号のk番目のブロックに関連するソフト決定データのi番目のソフト決定ビットである。
【0052】
デュアル・マキシマ受信機は米国コルコム社の米国特許第5,442,627号明細書「デュアル・マキシマ距離生成器プロセスを用いた非コヒーレント受信機」(1995年8月15日発行)に記載されており、詳細についてはこれを参照されたい。
【0053】
デュアル・マキシマ受信機はシングル・マキシマ受信機に対してエラービット性能が向上しているが、それでも、そのデュアル・マキシマ受信機より優れたビットエラー性能を向上された受信機に対する要望が依然存在する。CDMA通信システムのシステム容量を増大させ、枯渇しているRF帯域をより有効に使用するために、そのような改良された受信機が必要である。
【0054】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は、以上の事情を考慮してなされたものであり、エラービット性能を向上させシステム容量を増大させることを目的としている。
【0055】
【課題を解決するための手段】
この発明によれば、上述の目的を達成するために、特許請求の範囲に記載のとおりの構成を採用している。
【0056】
この発明の主たる側面によれば、この発明は、少なくとも1の受信信号が埋め込まれたトラフィック信号を復元するための多段受信機として把握することができる。この発明は、トラフィック信号を復元する方法も含む。多段受信機は、複数の継続した検出段を有し、各検出段は受信信号を処理してトラフィック信号の、徐々に改善されていく推定値を供給する。
【0057】
上記の少なくとも1の受信信号は通常では受信器部から供給され、また、トラフィック信号が符号化され伝送チャネルを進む送信信号のそれぞれの多重経路に関連している。したがって、この発明の第2の主たる側面によれば、この発明は、各受信信号ごとに、受信器部に接続可能な第1処理段と、対応する第1処理段に接続され、受信器部に接続可能な第2処理段とを有する。この多段受信機は、また、少なくとも1つの第2処理段に接続された1の最終処理段を有する。
【0058】
各第1処理段は対応する受信信号から上記トラフィック信号の第1の推定値を生成し、各第2処理段は上記トラフィック信号の対応する第1の推定値と対応する受信信号とから値の組を生成する。上述の値(好ましくはエネルギ値と呼ぶ)の各々は、トラフィック信号が対応する予め定められた値を有する尤度を表し、エネルギ値であってもよい。最終処理段は第2処理段の各々からの値の組を結合してトラフィック信号の改善した推定値を生成する。
【0059】
第2処理段の各々は、対応する上記受信信号をバッファリングし、遅延し、上記トラフィック信号の対応する上記第1の推定値を対応する上記受信信号に整列させるためのユニットを有してもよい。
【0060】
この発明の他の主たる側面によれば、この発明の多段受信機は、第1の処理段と第2の処理段との間に1または複数の中間処理段を含んでもよい。フィードバックメカニズムを設けて1の中間処理段の出力を中間処理段の入力にループさせてもよい。
【0061】
この発明のさらに他の主たる側面によれば、この発明は、各受信信号に対して、上記受信器部に接続可能な第1の処理段を有し、各第1の処理段が、対応する上記受信信号から、上記トラフィック信号が、対応する所定の値を有する尤度を表す値の組を生成する。つぎに、上記第1の処理段の各々に接続される共通処理段がある。この共通処理段は、上記第1の処理段の各々からの値の組を結合して上記トラフィック信号の第1の推定値を生成する。
【0062】
また、上記受信信号の各々に対して、上記共通処理段に接続され上記受信器部に接続可能な第2の処理段がある。各第2の処理段は、上記トラフィック信号の第1の推定値と、対応する上記受信信号とから、他の組の値を生成する。これらの値も、上記トラフィック信号が対応する所定の値を有する尤度を表す。
【0063】
多段受信機は、最後に、少なくとも1つの上記第2の処理段に接続された最終処理段を有する。この最終処理段は、上記第2の処理段の各々からの値の組を結合して上記トラフィック信号の改善された推定値を生成する。
【0064】
受信機において多段を採用することにより、トラフィック信号の推定値が継続的に改善される。フィンガの個数を変えたり、処理段の段数を変えることにより種々のレベルの改善がなされる。また、トラフィック信号の推定値が各フィンガで独立に生成され最終処理段で結合されるのか、それとも共通の処理段で生成されるのかに依存して推定値の品質が変化する。
【0065】
【発明の実施の態様】
以下、この発明の好ましい実施例について図面を参照して説明する。
【0066】
図1を参照する。通常のCDMA通信システムにおいて、各移動局は送信機100を用いてトラフィックを通常では最も近い基地局に送る。送信機100は符号化器部120および変調・送信器部130を有している。符号化器部120は変調・送信化部130に接続されている。送信機100はパイロット(参照)信号は送らない。
【0067】
送信機100の符号化器部120は符号化器150、インターリーバ170およびマッパ190を有している。符号化器150はインターリーバ170に接続され、インターリーバ170はマッパ190に接続されている。変調・送信器部130は変調器210、送信器230、およびアンテナ250を有している。変調器210は送信器230に接続され、送信器230はアンテナ250に接続されている。
【0068】
送信機100はトラフィックデジタルデータビット140を含むデジタルトラフィック(すなわちデジタルトラフィック信号)を送信する。トラフィックが当初、音声のようなアナログ形態であれば(すなわちアナログトラフィック)、アナログ・デジタル(A/D)変換器または同様な装置がまず採用されてアナログトラフィックをデジタルトラフィック(トラフィックデジタルビット140を含む)に変換する。トラフィックデジタルデータビット140は送信機100の符号化器部120に通常9600kbit/秒で供給される。(もちろん他の速度を用いてもよい)。具体的には、トラフィックデジタルデータビット140は最初に符号化器150に供給され、この符号化器150が所定の符号化アルゴリズムを用いてトラフィックデジタルデータビット140をデータシンボル160に符号化する。この符号化アルゴリズムは、当該移動局にサービス提供する基地局により受信されたトラフィックの最尤復号を容易に行えるようにするものである。符号化器150は通常では畳み込み(コンボルーション)符号化アルゴリズムを用いる。(ブロック符号アルゴリズムのような他のアルゴリズムを用いてもよい)。符号化器150は、1個のトラフィックデジタルデータビットを3つのデータシンボルとする固定の符号化レートで、データシンボルを出力する。(1個のデータビットを2個のデータシンボルとするような他の符号化を用いてもよい)。符号化器150は通常28.8kシンボル/秒でデータシンボルを出力する。(復号器150に供給されるトラフィックデジタルデータビットの速度および符号化レートに依存して他のシンボル速度を用いてもよい)。データシンボル160はインターリーバ170に供給され、インターリーバ170はデータシンボル160をシンボルレベルでブロックインターリーブする。インターリーバ170は、所定の大きさのマトリックスを、データシンボル160で列(コラム)順に埋めて行く。マトリックスの好ましい大きさは、32行、18列である(すなわち576セル)。マトリックスの大きさは、伝送ブロックの長さ、および符号化器150から送られてくるデータシンボル160の速度に依存する。伝送ブロックの好ましい長さは20ミリ秒である(ANSI J−STD−008標準と同様)。この結果、好ましい符号化器はデータシンボルを28.8kシンボル/秒で出力し、マトリックスは576個のデータシンボル160(すなわち、28.8kシンボル/秒×20ミリ秒)を保持する必要がある。したがって、18×32のマトリックスが用いられる。
【0069】
インターリーバ170は、データシンボル160がこのインターリーバ170に入力されるのと同じ速度(例えば28.8kシンボル/秒)で、マトリックスから行(ロー)順にインターリブ去れたデータシンボルを出力する。インターリーブされたデータシンボル180はマッパ190に供給される。マッパ190は、6個のインターリーブされたデータシンボル180からなるグループ各々を、64個のウォルシュ符号200のグループから取り出された対応するウォルシュ符号200にマッピング(または符号化)する。各ウォルシュ符号の長さは64ビット長である。(代替的に、ウォルシュ符号以外の直交符号を用いてもよい。さらに、マッパ190は、選択された直交符号の長さに応じて、6個より多くのまたは少ない個数のインターリーブされたデータシンボル180を対応する1個の直交符号にマッピングしてもよい)。マッパ190はウォルシュ符号を通常では30.7kシンボル/秒の固定速度で出力する。(代替的に、インターリーバ170がインターリーブされたデータシンボル180を出力する速度および使用された直交符号の長さに応じて他のシンボル速度を用いることができる)。ウォルシュ符号200を含むデジタル信号は送信信号とも呼ばれ、s(k)で表記される。ただしkはサンプル時間を示す。
【0070】
データシンボル160のフレーム(またはインターリーブされたデータシンボル180のフレーム)は、インターリーバ170で用いられている所定サイズ(この例では576セル)のマトリックスを完全に埋め尽くす。符号化器150は、1個のデータビットに3個のデータシンボルを対応付ける固定のレートで、データシンボル160を出力するので、192個のトラフィックデジタルデータビット140が必要である。(すなわち、デジタルトラフィックデータビット140の1フレームは192ビットを有する)。6個のインターリーブされたデータシンボル180のグループの各々は直交符号にマッピングされるので、インターリーブされたデータシンボル180の各フレームは96個の直交符号により表現される。
【0071】
ウォルシュ符号200は送信機100の変調・送信器部130に供給される。具体的には、ウォルシュ符号200は最初に変調器210に供給される。変調器210は、まず、対応する擬似ノイズ(PN)系列を生成するために、各ウォルシュ符号を長い二値擬似ノイズ(PN)符号で拡散する。各移動局200は、固有の長い二値擬似ノイズPN符号を割り当てられており、これを用いてウォルシュ符号を拡散する。(この替わり、長二値PN符号以外の他の長い拡散符号を用いてもよい)。長二値PN符号は移動局を特定するのみでなくトラフィックをスクランブルしてセキュリティも向上させる。変調器210は高速の固定PNチップレート(通常1.228mチップ/秒)でPN系列を出力する。結果として得られるPN系列により当該移動局にサービスを提供する基地局が種々の逆方向経路を介して送られてくるRF信号を、容易に弁別して検出することができる。
【0072】
変調器210は、つぎに、同相チャネル(またはI位相チャネル)および直角位相チャネル(またはQ位相チャネル)の拡散系列220を生成するために、PN系列を1対の異なる短い符号(同じ長さの)でカバーする。同相チャネルおよび対応する直角位相チャネルの拡散系列220は複素属性を有するデジタル信号として表される。
【0073】
I位相チャネルおよびQ位相チャネルの拡散系列220は送信器230に供給される。I位相チャネルおよびQ位相チャネルの拡散系列220はシヌソイドの直交対を2相変調する。シヌソイドは加算されバンドパスフィルタで帯域制限される。帯域制限され加算されたシヌソイドはRFキャリアを変調し(これは増幅されてもよい)スペクトラム拡散RF信号240を生成する。このスペクトラム拡散RF信号240はアンテナ250から放射される。
【0074】
スペクトラム拡散RF信号は基地局の受信機により受信される。各基地局は通常では複数の受信機を有する。各受信機はサービスを受ける各移動局に対応する。スペクトラム拡散RF信号は、全体として、当該移動局にサービスを行う基地局に、複数の異なる逆方向経路を進んできた複数のスペクトラム拡散RF信号として到着する。通常のCDMA通信システムにおいては、受信機は通常では先に述べたシングル・マキシマ受信機またはデュアル・マキシマ受信機である。
【0075】
つぎに図5を参照する。図5はこの発明の第1の好ましい実施例に従う多段受信機700を示している。多段受信機700は受信器・復調器部705および検出器・復号器部750を有している。
【0076】
受信器・復調器部705はアンテナ310’’、受信器710、復調器410’’およびブロックバッファ740を有している。受信器710はアンテナ310’’および復調器410’’に接続されている。復調器410’’はブロックバッファ740に接続されている。アンテナ310’’および復調器410’’は図2に示されるシングル・マキシマ受信機に見出されるアンテナ310および復調器410と同一である。
【0077】
検出器・復号器部750は、相互に接続された第1段780および第2段800を有している。検出器・復号器部750は受信器・復調器部705に接続されている。具体的には、ブロックバッファ740が第1段780および第2段800に接続されている。第1段780は通常の非コヒーレント受信器790を有している。第2段は信号再生成器810、チャネル推定器830およびコヒーレント受信器850を有している。チャネル推定器830は信号再生成器810、コヒーレント受信器850およびブロックバッファ740に接続されている。通常の非コヒーレント受信器790は信号再生成器810に接続されている。ブロックバッファ740はまたコヒーレント受信器850にも接続されている。
【0078】
受信器710は探索受信器およびデータ受信器を有している。移動局の送信機により送られたRF信号の各々に対して、探索受信器が、種々の逆方向経路を介して到達する受信スペクトラム拡散RF信号を対象として、移動局(PN符号で特定される)の送信機100に関連する最も大きなスペクトラム拡散RF信号を探索する。探索受信器は、つぎに、最も大きなレベルで逆方向経路を送られてくるRF信号を追跡し受信するように、データ受信機を指示する。具体的には、データ受信器が対応するスペクトラム拡散RF信号を復調し、対応するスペクトラム拡散RF信号をRF周波数から低周波数へと変換し処理済受信信号を得る。さらに、データ受信器は処理済受信信号をPNチップレート(例えば1.2288mサンプル/秒)でサンプルし、対応するデータサンプル720を生成し、復調器410’’に供給する。
【0079】
復調器410’’は、処理済受信信号を当該移動局に関連する長PN符号、および短拡散符号と相関化して処理済受信信号を逆拡散する。具体的には、復調器410’’は同相信号のサンプルおよび直角位相信号の対応するサンプルを生成する。同相信号のサンプルおよび直角位相信号の対応するサンプルは、複素属性を有する1つのデジタル信号として表してもよい。すなわち、同相信号のサンプルおよび直角位相信号の対応するサンプルは複素数を用いて復調されたサンプル730として表してもよい。このデジタル信号を第1の復調信号と呼ばれることもある。
【0080】
第1の復調信号730は数学的にはつぎのように表される。
【0081】
【数3】
r(k)=s(k)g(k)+n(k)
ここでkはサンプルの番号、r(k)は第1の復調信号の複素復調サンプル730を表し、s(k)は送信された信号(送信機100から生成された)の複素サンプルを表し、g(k)はチャネル情報信号の複素サンプルを表し、n(k)は受信したノイズのサンプルを表す。送信された信号s(k)は、送信機100により実際に送信されたウォルシュ符号を搬送する。チャネル情報信号g(k)は、送信機100から送られたRF信号が通中を伝播するときの振幅および位相の少なくとも一方の変化を反映する情報を提供するのに用いられる。ノイズ信号n(k)はRF信号が送信機100から空中を介して多段受信機700まで伝播する際に混入したノイズを表す。
【0082】
復調サンプル730はブロックバッファ740に供給される。ブロックバッファ740は復調サンプル730の組をバッファリングする。受信信号730の各組はインターリーブされたデータシンボル180の1個のフレームを再構築するのに用いられる。インターリーブされたデータシンボル180の1個のフレームを送るのに96個の直交符号が用いられたので、各組は、6144個の復調サンプル730を有し、このサンプルがブロックバッファ740によりバッファリングされる。
【0083】
ブロックバッファ740に1組の6144個の復調サンプル730が入ると、ブロックバッファ740は復調サンプル730の1ブロックを、通常、受信サンプル730を一度に、第1段780に送る。第1段は単に通常の非コヒーレント受信器790を有し、この受信器が復調サンプル730のブロックを192個のデータビット80(すなわち、トラフィックデータビット80のフレーム)に変換する。このデータビットは、送信機100より送られた当初のデジタルトラフィック(すなわち当初のトラフィックデジタルデータビット140)の第1の推定値を表す。
【0084】
通常の非コヒーレント受信器790は、修正を加えたシングル・マキシマ受信機または修正を加えたデュアル・マキシマ受信機であってもよい。より詳細に図6を参照する。修正されたシングル・マキシマ受信機または修正されたデュアル・マキシマ受信機は、単に、先に説明したシングル・マキシマ受信機300またはデュアル・マキシマ受信機600の構成を有する。ただし、受信器部320、320’や検出器部330、330’の復調器410、410’を除く。当該通常の非コヒーレント受信機790はウォルシュ変換回路420’’、平方・加算回路430’’、ソフト決定データ生成器794、逆インターリーバ550’’および復号器560’’を有している。ウォルシュ変換回路420’’および平方・加算回路430’’は図2に示されるシングル・マキシマ受信機の検出器部330のウォルシュ変換回路420および平方・加算回路430と同一であり、まったく同じ態様で動作する。同じく、逆インターリーバ550’’および復号器560’’も図2に示されるシングル・マキシマ受信機の復号器部部340の逆インターリーバ550および復号器560と同一であり、まったく同じ態様で動作する。
【0085】
復調サンプル730はまずウォルシュ変換回路420’’に供給される。復調サンプル730の各グループに対して、ウォルシュ変換回路420’’が64個の複素変換器出力信号425’’を生成する。各ウォルシュ符号に対して1つ出力される。各複素変換器出力信号425’’は、一部が復調サンプル730の同相要素に関する変換器出力信号を表し、他の部分が復調サンプル730の直角位相要素に関する変換器出力信号を表す、複合的なものである。
【0086】
複素変換器出力信号425’’の各ブロックは平方・加算回路430’’に送られる。この平方・加算回路430’’は複素変換器出力信号の各ブロックをエネルギ値(または決定値)792の1個のグループに変換する。エネルギ値792のグループ内の各エネルギ値792は、復調サンプル730の特定のグループに対応付けられ、復調サンプル730が、対応するインデックス値を伴う特定の直交符号に対応する確信度合いを表す。この結果、複素変換器出力信号425’’のブロックの各行(すなわち各変換器出力信号)により、復調信号730の特定のグループが相互直交符号の組から選ばれた特定の直交符号と対応することに対する確信度合いが表される。相互に直交する符号の組から選ばれた各直交符号は対応するインデックスシンボルを有するので、各エネルギ値792は対応するインデックスシンボルを有する。
【0087】
エネルギ値792の各グループはソフト決定データ生成器794に送られる。ソフト決定データ生成器794は、通常、図2または図4に示されるシングル・マキシマ距離生成器540またはデュアル・マキシマ距離生成器610のいずれかを用いて、エネルギ値792の各部ループを、ソフト決定データ796に変換する。
【0088】
ソフト決定データ796はソフト決定データ生成器794から逆インターリーバ550’’に送られる。ソフト決定データ796は所定サイズ(32行×18列)のマトリックスに行順に入力される。逆インターリーバが復調サンプル730の96個のグループについてソフト決定データを受け取ると、当該所定サイズのマトリックス(すなわち32行×18列)は一杯になる。そして逆インターリーバ550’’はソフト決定データをデータシンボル798として列順に出力する。データシンボル798は復号器560’’に供給され、復号器560’’がデータシンボル798をトラフィックデータビット80に復号する。さきに説明したように、トラフィックデータビット80は、送信機100により送られたトラフィックデジタルデータビット140の第1推定値である。
【0089】
図5に戻る。非コヒーレント受信機790により出力されたトラフィックデータビット80は、第1段780から第2段800に供給される。具体的には、トラフィックデータビット80が非コヒーレント受信機790から信号再生成器810に供給される。ここで図7を参照する。信号再生成器810は符号化器150’、インターリーバ170’およびマッパ190’を有している。これらは図1に示された送信機100に見出される符号化器150、インターリーバ170およびマッパ190と同一であり、まったく同じ態様で動作する。逆インターリーバ170’は符号化器150’およびマッパ190’に接続される。
データビット80は符号化器150’に供給され、符号化器150’は、送信機100により用いられるのと同様な符号化アルゴリズムを用いてデータビット80をデータシンボル815Aに符号化する。符号化器150‘は送信機100により用いられたのと同じ固定の符号化レート(例えば、1個のデータビットに対して3個のデータシンボル)でデータシンボル815Aを出力する。符号化器150’は通常では送信機100の符号化器150が出力する野の同じ速度、例えば、28.8kシンボル/秒でデータシンボル815Aを出力する。データシンボル815Aはインターリーバ170‘に供給され、このインターリーバ170’が、送信機100のインターリーバ170がデータシンボル160をインターリーブしたのとまったく同じ態様で、すなわち、シンボルレーベルで、データシンボル815Aをインターリーブする。インターリーバ179‘は所定サイズのマトリックスを列順にデータシンボルで埋めていく。マトリックスの所定のサイズは通常では32行×18列、すなわち、576セルである。
【0090】
インターリーバ170‘は、マトリックスから行順で、データシンボル815Aがインターリーバ170’に入力されるのと同じ速度でインターリーブされたデータシンボル835Aを出力する。インターリーブされたデータシンボル835Aはマッパ190‘に供給される。マッパ190’は6個のインターリーブされたデータシンボルからなる各グループを、64個のウォルシュ符号のグループからの対応する1個のウォルシュ符号にマッピング(または符号化)する。マッパ190‘は通常では307.2kシンボル/秒の固定速度でウォルシュ符号820Aを出力する。
【0091】
ウォルシュ符号820Aを含むデジタル信号は第2の復調信号と呼ぶことができる。ウォルシュ符号820Aは送信機100により生成された送信信号s(k)の第1推定値である。
【0092】
再び図5を参照する。ウォルシュ符号820A(すなわちs(k)の推定値)はマッパ190‘からチャネル推定器830に供給される。さらに、復調サンプル730がまたブロックバッファ740からチャネル推定器830に送られる。非コヒーレント受信機790および信号再生成器810が復調サンプル730のブロックを処理してウォルシュ符号820Aに変換するのに時間が要するので、チャネル推定器830は復調サンプル730のブロックを第1の所定時間だけ遅延させて、ウォルシュ符号820Aが復調サンプル730と同期することを保証する。チャネル推定器830はウォルシュ符号820Aおよび復調サンプル730を用いてサンプル840Aを生成する。このサンプル840Aはチャネル情報信号g(k)の第1推定値を表す。
【0093】
サンプル840A(これはg(k)を表す)は、チャネル推定器830からコヒーレント受信機850に送られる。さらに、復調サンプル730のブロックもブロックバッファ740からコヒーレント受信機850に送られる。非コヒーレント受信機790、信号再生成器810およびチャネル推定器830がサンプル840Aを生成するのに時間が要するので、コヒーレント受信機は受信信号730のブロックを第2の所定時間遅延させ、サンプル840A(g(k)を表す)が復調サンプル730と同期することを保証する。コヒーレント受信機850は、通常では、慣用のコヒーレント受信機である。コヒーレント受信機850は同期された復調サンプル730(すなわちr(k))およびサンプル840A(すなわちg(k))を用いてトラフィックデータビット870Aを生成する。このトラフィックデータビット870Aは、送信機100から送られた、元のデジタルトラフィック(すなわち元のトラフィックデジタルデータビット140)の第2推定値を表す。元のトラフィックデジタルデータビット140の第2推定値は、元のトラフィックデジタルデータビット140の第1推定値より良好である。この結果、多段受信機700は通常では図2または図4に示した従来のシングル・マキシマ受信機300または従来のデュアル・マキシマ受信機600より優れたビットエラー特性を有する。
【0094】
第2段800と同じ他の段部(ステージ)を多段受信機700に付加することもできる。この発明の第2の好ましい実施例によれば、図8に示すように、検出器・復号器段760が第3段900有する多段受信機801が提供される。多段受信機801は多段受信機700と同一であり、第3段900がさらに加えられている。第3段900は第2段および受信器・復調器705に接続されている。
【0095】
第3段900は第2段800と同様にであり、同様に動作する。第3段900は信号再生成器810‘、チャネル推定器830’およびコヒーレント受信機850‘を有しており、これらは、第2段800の信号再生成器810、チャネル推定器830およびコヒーレント受信機850と基本的に同一である。チャネル推定器830’は信号再生成器810‘およびコヒーレント受信機850’に接続されている。第3段900は第2段800およびブロックバッファ740に接続されている。具体的には、第2段800のコヒーレント受信機850は第3段の信号再生成器810‘に接続されている。ブロックバッファ740はチャネル推定器830’およびコヒーレント受信機850‘に接続されている。
【0096】
動作を説明する。受信器・復調器部705、第1段780および第2段800は図5の多段受信機700について先に説明したのとまったく同じ態様で動作する。すなわち、受信RF信号は処理済受信RF信号に変換される。この処理済受信RF信号はサンプリングされ復調されて第1の復調信号の復調サンプル730を生成する。受信信号730のブロックは第1段780および第2段800に送られ先に述べたようにトラフィックデータビット870Aを生成する。
【0097】
トラフィックデータビット870Aは第2段800のコヒーレント受信機850から第3段900の信号再生成器810‘に送られる。信号再生成器810’は多段受信機700の信号再生成器810とまったく同じ態様で動作する。すなわち、信号再生成器810‘はトラフィックデータビット870Aをウォルシュ符号820Bに変換する。このウォルシュ符号820Bは送信信号s(k)の第2推定値を表す。ウォルシュ符号820Bを含むデジタル信号は第3の復調信号と呼ぶことができる。
【0098】
ウォルシュ符号(すなわちs(k)の推定値)は信号再生成器810‘からチャネル推定器830’に送られる。チャネル推定器830‘は多段受信機700のチャネル推定器830と同様に動作する。すなわち、復調サンプル730のブロックもまたブロックバッファ740からチャネル推定器830’に送られる。第1段780、第2段800および信号再生成器810‘が復調サンプル730のブロックをウォルシュ符号820Bに変換するのに時間を要するので、チャネル推定器830’は復調サンプル730のブロックを第3の所定時間だけ遅延させ、これにより復調サンプル730をウォルシュ符号820Bに同期させる。従来用いられている手法により、チャネル推定器830‘はウォルシュ符号820Bおよび復調サンプル730を用いてサンプル840Bを生成する。サンプル840Bはチャネル情報信号g(k)の第2推定値を表す。
【0099】
g(k)の第2推定値を表すサンプル840Bは、チャネル推定器830’からコヒーレント受信機850‘に供給される。さらに、復調サンプル730のブロックがブロックバッファ740からコヒーレント受信機850’に供給される。第1段780、第2段800、信号再生成器810‘およびチャネル推定器830’がサンプル840B(すなわちg(k))を生成するのに時間を要するので、コヒーレント受信機850‘は受信信号730を第4の所定時間だけブロック遅延させて、これによりサンプル840B(すなわちg(k))が復調サンプル730と同期するようにする。コヒーレント受信機850’は通常では従来のコヒーレント受信機である。コヒーレント受信機は同期させられた復調サンプル730(すなわちr(k))およびサンプル840B(すなわちg(k))を用いてトラフィックデータビット870Bを生成する。このトラフィックデータビット870Bは、送信機100から送られた元のデジタルトラフィック(すなわち元のトラフィックデジタルデータビット140)の第3推定値を表す。元のトラフィックデジタルデータビット140の第3推定値は、元のトラフィックデジタルデータビット140の第1の推定値および第2の推定値より良好である。したがって、改善された多段受信機801は、図2、図4、図5に示す、従来のシングル・マキシマ受信機500、従来のデュアル・マキシマ受信機600または上述多段受信機700よりも良好なビットエラー性能を有する。
【0100】
フィードバックループを用いることにより、改善型多段受信機801の第3段900を除きながら、同様のまたはより改善されたビットエラー性能をもたらすようにすることができる。この発明の第3の好ましい実施態様によれば、図9に示すように、多段決定フィードバック受信機901が実現される。この多段決定フィードバック受信機901は図5に示した多段受信機700に用いられたのと同一の受信機・復調器部705を有している。ただし、多段決定フィードバック受信機901は異なる検出器・復号器部770を有する。検出器・復号器部770は図5に示される多段受信機700に見出されるのと同一の第1段780を有するが、異なる第2段910を有する。第2段910は多段受信機700に見出される第2段800と同様であるが、スイッチ920およびフィードバックループが付加されている。さらに、第1段780の非コヒーレント受信機790はもはや図5に示すようには信号再生成器810には直接に接続されていない。非コヒーレント受信機790は図9に示すようにスイッチ920に接続されている。スイッチ920は信号再生成器930に接続されている。コヒーレント受信機950もスイッチ920に接続されフィードバックループを実現する。チャネル推定器940は信号再生成器930およびコヒーレント受信機950の間に接続されている。
【0101】
受信器・復調器部705および第1段780は多段受信機700に関して先に説明したのとまったく同じ態様で動作する。すなわち、復調サンプル730の各ブロックに対して、非コヒーレント受信機790が192個のトラフィックデータビット80からなるフレームを生成(復元)する。スイッチ920により、トラフィックデータビット80は信号再生成器930に送られる。
【0102】
信号再生成器930は、多段受信機700に見出される信号再生成器810と同一であり、まったく同様の態様で動作する。すなわち、信号再生成器930はトラフィックデジタルデータビット80をウォルシュ符号820Aに変換する。ウォルシュ符号820A(すなわちs(k)の第1推定値)は信号再生成器930からチャネル推定器940に送られる。さらに、復調サンプル730のブロックもブロックバッファ740からチャネル推定器940に送られる。
【0103】
非コヒーレント受信機790および信号再生成器930が復調サンプル730のブロックを処理してウォルシュ符号820Aに変換するのに時間が要するので、チャネル推定器940は復調サンプル730のブロックを第1の所定時間だけ遅延させて、ウォルシュ符号820Aが復調サンプル730と同期することを保証する。チャネル推定器940はウォルシュ符号820Aおよび復調サンプル730を用いてサンプル840Aを生成する。このサンプル840Aはチャネル情報信号g(k)の第1推定値を表す。
【0104】
サンプル840A(これはg(k)を表す)は、チャネル推定器940からコヒーレント受信機950に送られる。さらに、復調サンプル730のブロックもブロックバッファ740からコヒーレント受信機950に送られる。非コヒーレント受信機790、信号再生成器930およびチャネル推定器940がサンプル840A(すなわちg(k))を生成するのに時間が要するので、コヒーレント受信機950は受信信号730のブロックを第2の所定時間遅延させ、サンプル840A(g(k)を表す)が復調サンプル730と同期することを保証する。コヒーレント受信950は通常では慣用されているコヒーレント受信機である。コヒーレント受信機950は同期された復調サンプル730(すなわちr(k))およびサンプル840A(すなわちg(k))を用いてトラフィックデータビット870Aを生成する。このトラフィックデータビット879Aは、送信機100から送られた、元のデジタルトラフィック(すなわち元のトラフィックデジタルデータビット140)の第2推定値を表す。
【0105】
ただし、トラフィックデータビット870Aはスイッチ920にフィードバックされ、これにより、さらにいかなるトラフィックデータビット80もスイッチ920を通過しないようにする。ただし、トラフィックデータビット870Aはスイッチ920を通って信号再生成器930に供給されるようにする。このトラフィックデータビット870Aを用いて、信号再生成器930がウォルシュ符号820B(すなわち第2の復調信号)を生成してチャネル推定器940に供給する。先に述べたように、復調サンプル730はブロックバッファ740からチャネル推定器940に送られる。第1段780および第2段910がトラフィックデータビット870Aを生成してトラフィックデータビット870Aをウォルシュ符号820Bに再生成するのに時間を要するので、チャネル推定器940は復調サンプル730のブロックを第3の所定時間だけ遅延させ、これにより復調サンプル730を適切にウォルシュ符号820Bに同期させる。従来用いられている手法により、チャネル推定器940はウォルシュ符号820Bおよび復調サンプル730を用いてサンプル840Bを生成する。サンプル840Bはチャネル情報信号g(k)の第2推定値を表す。
【0106】
サンプル840B(すなわちg(k)の第2推定値を表す)は、チャネル推定器940からコヒーレント受信機950に供給される。さらに、復調サンプル730のブロックがブロックバッファ740からコヒーレント受信機950に供給される。第1段780および第2段910がトラフィックデータビット870Aを生成するのに、またトラフィックデータビット870Aがサンプル840Bに変換されるのに時間を要するので、コヒーレント受信機950は受信信号730を第4の所定時間だけブロック遅延させて、これによりサンプル840Bが復調サンプル730と適切に同期するようにする。コヒーレント受信機950は、サンプル840Bおよび復調サンプル730を用いて、トラフィックデータビット870Bを生成する。トラフィックデータビット870Bは送信機100から送信された元のトラフィックデジタルデータビット140の第3推定値を表す。元のトラフィックデジタルデータビット140の第3推定値は、元のトラフィックデジタルデータビット140の第1の推定値および第2の推定値より良好である。
【0107】
トラフィックデータビット870Bは受信機901から出力するようにしてもよく、これをスイッチ920を会してフィードバックして同様の繰り返しを行いトラフィックデータビット870C、870D,...,870Nを生成してもよい。通常では、トラフィックデータビット870Nは多段決定フィードバック受信機から3ないし4の繰り返しの後出力される。3ないし4の繰り返しの後では、それ以降の繰り返しによりビットエラー性能の改善はマージナルになる。最後の繰り返しの後、スイッチ920はつぎのデータビット80をスイッチを通じて信号再生成器930に送る。
【0108】
この発明の他の変形も可能である。例えば、第3世代CDMAにおいては、移動局がパイロット信号を送信する送信機を用いると考えられる。パイロット信号は振幅変化(すなわちフェージング)および位相変化に関するチャネル情報を基地局に供給する。この結果、非コヒーレント受信機790(第1および第2の実施例で示した)はコヒーレント受信機に置き換えられる。コヒーレント受信機は、当技術分野でよく知られているコヒーレント復調手法を用いて復調サンプル730をトラフィックビット80に変換する。
【0109】
この発明の他の変更も可能である。図5に示すように、多段受信機700で用いられる受信器・復調器部705の復調器410‘’は省略することができる。受信機710は単にブロックバッファ740に接続される。ブロックバッファ740は受信機710からの処理済受信信号のサンプル720をバッファリングする。サンプル720を含むデジタル信号は第1の変調信号と呼ぶことができる。第1の変調信号は数学的につぎのように表される。
【0110】
【数4】
r‘(k)=s’(k)g‘(k)+n’(k)
ここでkはサンプルの番号、r‘(k)は第1の変調信号の複素値変調サンプル720を表し、s’(k)は送信された変調信号(送信機100から生成された)の複素値サンプルを表し、g‘(k)は第2チャネル情報信号の複素値サンプルを表し、n’(k)は第2の受信ノイズの複素値サンプルを表す。
【0111】
送信された変調信号は、送信機100により生成された長拡散符号および短拡散符号(すなわち同相チャネルおよび対応する直角位相チャネル拡散系列220)により拡散されたウォルシュ符号を含む。送信機100により実際に送信されたRF信号は、そのRF信号が空中を伝播する際に、振幅変化や位相変化を伴うので、g‘(k)がこれら変化を反映させるのに必要なチャネル情報を提供するのに用いられる。第2ノイズ信号n’(k)は、送信機100から多段受信機へ空中を介してRF信号が伝播する際に混入するノイズを表す。
【0112】
ブロックバッファ740が一杯になると、ブロックバッファ740は処理済受信信号のサンプル720を、第1段および第2段を具備する検出器部に供給する。復調信号のサンプル(先に第1復調信号と呼んだ)が第1段および第2段に供給されないので、第1段の非コヒーレント受信機および第2段のコヒーレント受信機は、受信器・復調器部705に以前あった復調器410‘’と同一でまったく同じ態様で動作する復調器を含むように変更される。その代わりに、第1段がコヒーレント受信機を用いる場合には、第1段のコヒーレント受信機が、以前受信器・復調器部705で用いられた復調器410‘’と同一でまったく同じ態様で動作する復調器を有する。
【0113】
具体的には、第1段の変更された非コヒーレント受信機は図6に示される非コヒーレント受信機790であり、ただし、ウォルシュ変換回路420‘’に接続された復調器を具備している。復調器はサンプル720を復調サンプルに変換し、これがウォルシュ変換回路420‘’に供給される。(復調サンプルを含むデジタル信号は第1復調信号と呼ぶことができる)。復調サンプルは通常では図5に示されるブロック検出受信機700の復調器410‘’により生成される復調サンプル730と同一である。
【0114】
ウォルシュ変換回路420‘’、平方・加算回路430‘’、ソフト決定データ生成器794、逆インターリーバ550‘’および復号器560‘’は先に説明したのと同様に動作し、デジタルデータビット80(すなわちトラフィックデータビットのフレーム)を生成する。このデジタルデータビット80は送信機100から送られた元のデジタルトラフィック(すなわち元のトラフィックデジタルデータビット140)を表す。
【0115】
第2段はもはや信号再生成器810を用いず、信号再変調器を用いる。デジタルデータビット80は修正された非コヒーレント受信機から信号再変調器へと供給される。信号再変調器は図7に示される信号再生成器810と同様であるが、マッパ190‘に接続される変調器を有する。信号再生成器について先に説明したのと同様に、信号再変調器はウォルシュ符号820Aを生成する。ウォルシュ符号820Aは変調器に供給される。変調器は送信機100で用いられた変調器210と同一である。変調器はまずPN系列を生成するために、各ウォルシュ符号820Aを送信機100で用いた長二次PN符号で拡散させる。つぎに変調器は一対の短拡散符号(変調器210で用いた)によりPN系列を拡散して同相チャネルおよび直角位相チャネルの拡散系列を生成する。相相チャネルおよび直角位相チャネルの拡散系列は複素数学を用いて1つのデジタル信号として表すことができる。このデジタル信号は第2変調信号と呼ぶことができる。
【0116】
第1変調信号および第2変調信号は修正されたチャネル推定器に供給される。この推定器は図5に示すチャネル推定器830と同様である。修正された非コヒーレント受信機(復調器つき)および信号再変調器が第2の変調信号を生成するのに時間を要するので、修正されたチャネル推定器は第1の所定時間だけ第1の変調信号をブロック遅延し、第1変調信号および第2変調信号が同期することを保証する。チャネル推定値は第2チャネル情報信号g‘(k)の第1の推定値を表す。チャネル推定サンプルおよび第1の変調信号は第2段の修正されたコヒーレント受信機に送られる。
【0117】
先に述べたように、修正されたコヒーレント受信機は、サンプル720(第1の変調信号の)を復調して復調サンプルに変換する。これら復調サンプルを有するデジタル信号は第2の復調信号と呼ぶことができる。第1段、信号再変調器および修正されたチャネル推定器がチャネル推定サンプルを生成するのに時間を要するので、修正されたコヒーレント受信機は第1の変調信号(または第2の復調信号)を第2の所定時間だけブロック遅延させて、第2の復調信号がチャネル推定サンプルに同期することを保証する。第2の復調信号からの復調サンプルおよびチャネル推定サンプルを利用して、修正されたコヒーレント受信機はトラフィックデータビットを生成する。このトラフィックデータビットは、送信機100から送られた元のデジタルトラフィック(すなわち元のトラフィックデジタルデータビット140)の第2の推定値を表す。
【0118】
元のデジタルトラフィックの第2推定値を表すトラフィックデータビットは、受信機から出力されてもよく、他の段(すなわち第3段)に入力されてもよい。第3段は第2段と同様であり、同様に動作する。すなわち、第3段は第2信号再変調器、第2の修正されたチャネル推定器および第2の修正されたコヒーレント受信機を有し、これらは基本的に第2段の信号再変調器、修正されたチャネル推定器および修正されたコヒーレント受信機と同一である。第2の修正されたチャネル推定器は第2信号再変調器および第2の修正されたコヒーレント受信機に接続されている。第3段は第2段およびブロックバッファ740に接続されている。具体的には、コヒーレント受信機が第2信号再変調器に接続されている。ブロックバッファ740は第2の修正されたチャネル推定器および第2の修正されたコヒーレント受信機に接続されている。
【0119】
元のデジタルトラフィックの第2推定値を表すトラフィックデータビットは、第2信号再変調器に入力される。第2信号再変調器は第2段の信号再変調器と同一であり、まったく同じ態様で動作する。すなわち、第2信号再変調器は第2段のコヒーレント受信機からのトラフィックデータビットから第3の変調信号を再生する。第3の変調信号および第1の変調信号は第2の修正されたチャネル推定器に供給される。このチャネル推定器は第2段の修正されたチャネル推定器と同様に動作する。第2段の修正されたコヒーレント受信機(復調器付き)と、第2信号再変調器とが第3の変調信号を生成するのに時間を要するので、第2の修正されたチャネル推定器は第1の変調信号を第3の所定時間だけブロック遅延させて、第1の変調信号と第3の変調信号とが同期するのを保証する。そして第2の修正されたチャネル推定器は第1の変調信号と第3の変調信号とを利用して第2のチャネル推定値サンプルを生成する。第2のチャネル推定値サンプルは第2のチャネル情報信号g’(k)の第2の推定値を表す。第2のチャネル推定値サンプルおよび第1の変調信号は第3段の第2の修正されたコヒーレント受信機に供給される。
【0120】
第2の修正されたコヒーレント受信機はサンプル720(第1の変調信号の)を復調して復調サンプルに変換する。第1段、第2段、第2信号再変調器および第2の修正されたチャネル推定器が第2のチャネル推定値サンプルを生成するのに時間を要するので、第2の修正されたコヒーレント受信機は第1の変調信号(または関連する復調サンプル)を第4の所定の時間だけブロック遅延して復調サンプルが第2のチャネル推定値サンプルと同期することを保証する。復調サンプルおよび第2のチャネル推定値サンプルを利用して、第2の修正されたコヒーレント受信機は、送信機100から送信された元のデジタルトラフィック(すなわち元のトラフィックデジタルデータビット140)の第3の推定値を表す、トラフィックデータビットを生成する。
【0121】
元のデジタルトラフィックの第3推定値を表すトラフィックデータビットは受信機から出力されてもよいし、他の段(すなわち第4段)に入力されてもよい。
【0122】
また、代替的に、第3段(および他の付加的な段)は、第2段にスイッチを設けフィードバックループを用いることで省略することができる。第1段の修正された非コヒーレント受信機はもはや第2段の信号再変調器に接続されない。スイッチが第1段の修正された非コヒーレント受信機と信号再変調器に接続される。第3段の修正されたコヒーレント受信機はスイッチに接続されフィードバックループを実現する。スイッチおよびフィードバックループは図9に示される多段受信機901により用いられるスイッチ910およびフィードバックループと同じであり、まったく同じ態様で動作する。すなわち、スイッチおよびフィードバックループを具備する多段受信機は、送信機100により送信される元のトラフィックデジタルデータビット140の第1、第2、第3、その他の推定値を供給する。
【0123】
代替的に、ブロックバッファ740が一杯に足るたびに、ブロックバッファ740は、処理済の受信信号を、復調器を具備する検出器、第1段および段2段に供給する。復調器は復調器410’’(これは受信器・復調器部705から省略されている)と同一であり、まったく同じ態様で動作する。すなわち、復調器はブロックバッファ740からのサンプル720を、復調サンプルを含む第1の復調信号に復調する。第1の復調信号はつぎに第1段および第2段に供給される。第1段および第2段は多段受信機700の第1段780および第2段800と同一であり、まったく同じ態様で動作する。
【0124】
第2段からのトラフィックデータビット(元のデジタルトラフィック140の第2の推定値を表す)は、受信機から出力されてもよいし、送信機100から送られた元のデジタルトラフィック140の第3の推定値を表す、より多くのトラフィックデータビットを生成する他の段(例えば第3段)に入力されてもよい。
【0125】
さらにこの発明について他の変更を行うことが可能である。この発明は異なる経路に対応する複数の信号が受信され復調されるレーク受信機構成に適用することも可能である。この発明の第4の好ましい実施例によれば、図10に示すように、多段受信機1000が提供される。この多段受信機1000は受信器・復調器部1010、検出器部1020および復号器部1080を有している。受信器・復調器部1010は検出器部1020に接続されている。検出器部1020は復号器部1080に接続されている。
【0126】
受信器・復調器部1010はアンテナ310’’’、受信器320’’、2個の復調器410A、410Bおよび2個のブロックバッファ740A、740Bを有している。アンテナ310’’’は受信器320’’に接続されている。受信器320’’は復調器410A、410Bに接続されている。復調器410A、410Bはブロックバッファ740A、740Bに接続されている。
【0127】
受信器320’’は基本的には図2に示されるシングル・マキシマ受信機300に見出される受信器部320と同様であり、同様に動作する。具体的には、受信器320’’は1個の受信器サブセクションを有する。(複数のアンテナ310’’’が採用される場合には、1つのアンテナ310’’’に1つの受信器サブセクションが用いられる)。受信器サブセクションは1個の探索受信器および2個のデータ受信器を有する。3個以上のデータ受信器を用いてもよい。データ受信機のそれぞれが追跡する経路に対応する。移動局から送信された各RF信号に対して、探索受信器は種々の逆方向経路を介してアンテナ310’’’に到来した受信スペクトラム拡散RF信号にわたって、当該移動局に関連する最強度のスペクトラム拡散RF信号を探索する。探索受信器はつぎに最強度レベルの逆横行経路を伝播するRF信号を追跡して受信するように各データ受信器に指示する。各データ受信器は通常では個別のRF信号を受信して追跡する。具体的には、各データ受信器はそれぞれのスペクトラム拡散RF信号を復調してそれぞれのスペクトラム拡散RF信号をRF帯域からより低周波数の処理済受信信号に変換する。さらに、各データ受信器はそれぞれの処理済受信信号をPNチップレート(例えば1.2288Mサンプル/秒)でサンプリングしてそれぞれデータサンプル325A’’および325B’’を生成する。データサンプル325A’’および325B’’はそれぞれ復調器410Aおよび410Bに送られる。
【0128】
復調器410Aおよび410Bの各々は、図2に示されるシングル・マキシマ受信機300に示される復調器410と同一であり、まったく同じ態様で動作する。復調器410Aは、処理済受信信号325A’’を移動局に対応する長PN符号および短拡散符号に対して相関化することにより、この処理済受信信号を逆拡散して第1の復調信号を生成する。具体的には、復調器410Aは同相信号のサンプルおよび対応する直角位相信号のサンプルを生成する。同相信号のサンプルおよび対応する直角位相信号のサンプルは、複数の復調サンプル730A’を含む1つの複素値デジタル信号として表すことができる。このデジタル信号は第1の復調信号と呼ぶことができる。同様に、復調器410Bは処理済受信信号325B’’を逆拡散して複数の復調サンプル730B’を含む第2の複素値復調信号を生成する。
【0129】
復調サンプル730A’および730B’はブロックバッファ740Aおよび740Bにそれぞれ送られる。各ブロックバッファ740Aおよび740Bは図5に示される多段受信機700に見出されるブロックバッファ740と同一でありまったく同じ態様で動作する。ブロックバッファ740Aおよび740Bはそれぞれ復調サンプル730A’および730B’の組をバッファリングする。ブロックバッファ740Aが1組の復調サンプル730A’を保持するたびに、この1組の復調サンプルが検出器部1020に供給される。
【0130】
検出器部1020は第1の検出器サブセクション1022Aおよび第2の検出器サブセクション1022Bを有している。データ受信器とそれに対応する復調器、ブロックバッファおよび検出器サブセクションは、レーク受信機の用語を用いればフィンガと呼ぶことができる。
【0131】
第1の検出器サブセクション1022Aは第2の処理段1030Aに接続された第1の処理段780Aを含んでいる。第1の処理段780Aは非コヒーレント受信機790Aを有している。第2の処理段1030Aは、信号再生成器810Aおよび修正されたコヒーレント受信機1040Aに接続されたチャネル推定器830Aを有している。非コヒーレント受信機790Aは信号再生成器810Aに接続されている。ブロックバッファ740Aは第1の処理段780Aの非コヒーレント受信機790A、および第2の処理段1030Aの修正されたコヒーレント受信機1040Aに接続されている。
【0132】
第2の検出器サブセクション1022Bは第1の検出器サブセクション1022Aと同じである。すなわち、第2の検出器サブセクションは第2の処理段1030Bに接続された第1の処理段780Bを有している。第1の処理段780Bは非コヒーレント受信機790Aと同一の非コヒーレント受信機790Bを有している。第2の処理段は、信号再生成器810Bおよび修正されたコヒーレント受信機1040Bに接続されたチャネル推定機830Bを有している。ブロックバッファ740Bは非コヒーレント受信機790B、チャネル推定機830Bおよび修正されたコヒーレント受信機1040Bに接続されている。非コヒーレント受信機790Bは信号再生成器810Bに接続されている。
【0133】
各検出器サブセクション1022A、1022Bは、修正されたコヒーレント受信器1040A、1040Bが検出器部を有しない(すなわち図10の修正されたコヒーレント受信機は加算器、ソフト決定データ生成器、逆インターリーバまたは復号器を具備しない)点をのぞけば、図5に示される多段受信機700の検出器・復調器部750と同一である。
【0134】
復調サンプル730A’、730B’は非コヒーレント受信機790A、790Bにそれぞれ供給される。上述したように、非コヒーレント受信機790A、790Bは図5に示される多段受信機700の非コヒーレント受信機790と同一であり、このため、まったく同じ態様で動作する。すなわち、非コヒーレント受信機790A、790Bは復調サンプル730A’、730B’からそれぞれトラフィックビット80A、80Bを生成する。
【0135】
トラフィックビット80A、80Bはそれぞれ信号再生成器810A、810Bに送られる。各信号再生成器810A、810Bは、好ましくは図5に示される多段受信機700の信号再生成器810と同一であり、このためまったく同じ態様で動作する。信号再生成器810A、810Bはトラフィックビット80A、80Bからウォルシュ符号820A’、820B’を生成する。
【0136】
第1の検出器サブセクション1022Aにより生成されたウォルシュ符号820A’は送信信号s(k)の1つの第1の推定値である。同様に、第2の検出器サブセクション1022Bにより生成されたウォルシュ符号820B’は送信信号s(k)の他の第1の推定値である。
【0137】
ウォルシュ符号820A’、820B’は信号再生成器810A、810Bからチャネル推定器830A、830Bにそれぞれ送られる。各チャネル推定器830A、830Bは多段受信機700のチャネル推定器830と同一でありまったく同じ態様で動作する。すなわち、チャネル推定器830A、830Bはウォルシュ符号820A’、820B’と復調サンプル730A’、730B’とからそれぞれサンプル840A’、840B’を生成する。第1の検出器サブセクション1022Aにより生成されたサンプル840A’はチャネル情報信号g(k)の1つの第1推定値を表す。同様に、第2の検出器サブセクション1022Bにより生成されたサンプル840B’はチャネル情報信号の他の第1推定値を表す。
サンプル840A’、840B’はそれぞれチャネル推定器830A、830Bから修正されたコヒーレント受信機1040A、1040Bに供給される。修正されたコヒーレント受信機1040A、1040Bが検出器部を具備しない点をのぞけば、これら修正されたコヒーレント受信機1040A、1040Bの各々は図5に示される多段受信機700のコヒーレント受信機850と同一である。修正されたコヒーレント受信機1040A、1040Bは、サンプル840A’、840B’と、復調サンプル730A’、730B’とをそれぞれ利用してエネルギレベル1042A、1042Bを生成する。
【0138】
エネルギレベル1042A、1042Bはそれぞれ修正されたコヒーレント受信機1040A、1040Bから復号器部1080に送られる。復号器部1080(最終処理段とも呼ばれる)は、加算器1060、ソフト決定データ生成器794’、逆インターリーバ1082および復号器1100を有している。ソフト決定データ生成器794’は加算器1060および逆インターリーバ1082に接続されている。逆インターリーバ1082は復号器1100に接続されている。復号器1100は通常ではビタビ復号器である。加算器1060において、各入力、この例ではエネルギレベル1042A、1042Bの各組に適用される遅延要素が内在する。
【0139】
動作を説明する。エネルギレベル1042A、1042Bはそれぞれ修正されたコヒーレント受信機1040A、1040Bから加算器1060に送られる。加算器1060は、フィンガごとにエネルギレベル1042A、1042Bを遅延させ、種々のフィンガから受信したすべてのエネルギレベルを整列させる。多重経路遅延および加算器1060に加わる遅延により所定の組のエネルギレベルが受ける総合的な遅延に対する具体的な値は、多重経路間で予想される遅延の最大値であってよい。加算器1060はつぎに適切に遅延させたエネルギレベル1042Aおよび1042Bをそれらに関連する直交符号(またはインデックスシンボル)に応じてまとめて加算し、結合されたエネルギ値1070のグループを生成する。
【0140】
結合されたエネルギ値1070は加算器1060からソフト決定データ生成器794’に送られる。ソフト決定データ生成器794’は図6に示されるソフト決定データ生成器794と同一であり、まったく同じ態様で動作する。すなわち、ソフト決定データ生成器794’は、通常では、図2または図4に示されるシングル・マキシマ距離生成器540またはデュアル・マキシマ距離生成器610のいずれかを用いて、結合されたエネルギ値1070をソフト決定データ1075に変換する。
【0141】
ソフト決定データ1075はソフト決定データ生成器794’から逆インターリーバ1082に送られる。逆インターリーバ1082は図6に示される逆インターリーバ550’’と同一であり、まったく同じ態様で動作する。すなわち、逆インターリーバはソフト決定データからデータシンボル1090を生成する。データシンボル1090は逆インターリーバ1090から復号器1100、通常ではビタビ復号器に送られる。復号器はデータ新ボウル1090をトラフィックデータビット1110に復号する。
【0142】
図10は2つのフィンガを示しているが、多段受信機1000のビットエラー性能を向上させるために3個以上のフィンガを用いても良いことは容易に理解できるであろう。
【0143】
この発明の第5の好ましい実施例によれば、図11に示すように、多段受信機2000が提供される。この多段受信機2000は受信器・復調器部1010’、検出器部2100および復号器部1080’を有している。検出器部2100は受信器・復調器部1010’および復号器部1080’に接続されている。
【0144】
受信器・復調器部1010’は図10に示す受信器部1010と同一であり、まったく同じ態様で動作する。すなわち、受信器・復調器部1010’は復調サンプル730A’および730B’の組を検出器部2100に供給する。
【0145】
検出器部2100は第1検出器サブセクション2200Aおよび第2検出器サブセクション2200Bを有している。第1検出器サブセクション2200Aは第1の処理段780A’、第2の処理段2300Aおよび第3の処理段2500Aを有している。第2の処理段2300Aは第1の処理段780A’および第3の処理段2500Aに接続されている。同様に、第2検出器サブセクション2200Bは第1の処理段780B’、第2の処理段2300Bおよび第3の処理段2500Bを有している。第2の処理段2300Bは第1の処理段780B’および第3の処理段2500Bに接続されている。
【0146】
復調サンプル730A’および730B’は第1の処理段780A’および第1の処理段780B’にそれぞれ送られる。第1の処理段780A’および780B’は図10の多段受信機1000にそれぞれ見出される第1の処理段780Aおよび780Bとそれぞれ同一であり、まったく同じ態様で動作する。すなわち、第1の処理段780A’および780B’は先に述べたようにトラフィックビット80Aおよび80Bを生成する。
【0147】
トラフィックビット80A、80Bは第1の処理段780A、780Bからそれぞれ第2の処理段2300A、2300Bへ送られる。第2の処理段2300A、2300Bの各々は図5に示される多段受信機700の第2の処理段800と同一であり、まったく同じ態様で動作する。すなわち、第2の処理段2300A、2300Bはトラフィックビット2400A。2400Bをそれぞれ生成する。図10に示される多段受信機1000の第2の処理段1030A、1030Bと異なり、第2の処理段2300A、2300Bは、復号器部を具備したコヒーレント受信機であることに留意されたい。
【0148】
トラフィックビット2400A、2400Bは第2の処理段2300A、2300Bから第3の処理段2500A、2500Bにそれぞれ送られる。第3の処理段2500A、2500Bは図10に示される多段受信機1000の第2の処理段1030A、1030Bと同一であり、まったく同じ態様で動作する。すなわち、第3の処理段2500A、2500Bはエネルギレベル2600A、2600Bを生成する。エネルギレベル2600A、2600Bは復号器部1080’に送られる。復号器部1080(最終段とも呼ばれる)は復号器部1080と同一であり、まったく同じ態様で動作する。すなわち、復号器部1080’はトラフィックビット2700を生成する。
【0149】
この発明の第6の好ましい実施例によれば、多段受信機2000の第2の処理段2300Aおよび2300Bが修正された第2の処理段に置き換えられる。具体的には、修正された第2の処理段の各々は、フィードバックループおよび2個のスイッチを加えたほかは、第2の処理段2300Aまたは2300Bと同じである。図12を参照すると、第1のファインが用の修正された第2の処理段3000Aが示されている。修正された第2の処理段3000Aは第1のスイッチ3100A、信号再生成器3300A、チャネル推定器3500A、コヒーレント受信機3700A、および第2のスイッチ3900Aを有している。先に述べたように、チャネル推定器3500Aは信号再生成器3300Aおよびコヒーレント受信機3700Aに接続されている。第1のスイッチ3100Aは信号再生成器3300Aに接続されている。ただし、第1の処理段(図11の780A’)はもはや信号再生成器3300Aには接続されず、第1のスイッチ3100Aに接続されている。第1のスイッチ3100Aは図9に示される多段受信機901のスイッチ920と同一であり、まったく同じ態様で動作する。
【0150】
第2のスイッチ3900Aはコヒーレント受信機3900Aの出力に接続されている。フィードバックループは第2のスイッチ3900Aおよび第1のスイッチ3100Aの間に接続されている。
【0151】
動作について説明する。第1のスイッチ3100Aは、当初、トラフィックビット80A(すなわちトラフィック信号の第1推定値)を第1のスイッチ3100Aを介して第2の処理段3000Aに送る。信号再生成器3300A、チャネル推定器3500Aおよびコヒーレント受信機3700Aは先に説明したのと同様に動作する。すなわち、コヒーレント受信機はトラフィックビット3950A(これはデジタルトラフィック信号の第2推定値を表す)を試製する。第2のスイッチ3900Aはトラフィックビット3950Aをフィードバックループを介して第1のスイッチ3100Aに送る。第2のスイッチ3900Aはトラフィックビット3950Aが第3の処理段2500Aに送られるのを阻止する。
【0152】
第1のスイッチ3100Aは、第1の処理段780A’からのトラフィックビット80Aが第2の処理サン3000Aに入力されるのを阻止し、トラフィックビット3950Aを信号再生成器3300Aに送る。信号再生成器3300A、チャネル推定器3500Aおよびコヒーレント受信機3700Aは先に説明したのと同様に動作する。すなわち、コヒーレント受信機はトラフィックビット3950B(すなわちデジタルトラフィック信号の第3推定値)を生成する。トラフィックビット3950Bは第2の処理段3000Aの入力にフィードバックされさらに多くのトラフィックビット3950C(すなわちトラフィック信号の第4の推定値)を生成するための繰り返しに用いられるか、あるいは、第3の処理段2500Aに送られる。N回の繰り返しののち、第2スイッチ3900Aはトラフィックビット3950Nを第3の処理段2500Aに供給する。(そしてトラフィックビット3950Nが第2の処理段3000Aの入力に供給されるのを阻止する)。第3の処理段2500Aはつぎに先に述べたのと同様に複数のエネルギレベル2600Aを生成する。繰り返しの回数Nは典型的には3または4である。
【0153】
第2のフィンガ用の修正された第2の処理段は上述の修正された第2の処理段3000Aと同一であり、まったく同じ態様で動作する。第2のフィンガも複数のエネルギレベル2600Bを生成する。
【0154】
複数のエネルギレベル2600A、2600Bの各々は対応するフィンガから復号器部1080’に供給される。復号器部1080’は、つぎに、上述と同様にデジタルトラフィック信号のさらに他の推定値を生成する。
【0155】
この発明のさらに他の変更ももちろん可能である。この発明の第7の好ましい実施例によれば、図13に示すように多段受信機1300が提供される。多段受信機1300は受信器・復調器部1010、検出器部1320および復号器部1380を有している。受信器・復調器部1010は検出器部1320に接続されている。検出器部1320は復号器部1380に接続されている。
【0156】
受信器・復調器1380は図10の対応部分と同一であり、アンテナ310’’’、受信器320’’、2個の復調器410A,410Bおよび2個のブロックバッファ740A、740Bを有している。アンテナ310’’’は受信器320’’に接続されている。受信器320’’は復調器410A、410Bに接続されている。復調器410A、410Bはそれぞれブロックバッファ740A、740Bに接続されている。先に説明したように、受信器320’’は単一の受信器サブセクションを有する。ただし、複数のアンテナ310’’’を用いた場合には、アンテナ310’’’1個について1個ずつの多数の受信器サブセクションを用いる。
【0157】
動作を説明する。受信器サブセクションはデータサンプル325A’’、325B’’を生成し、これらデータサンプルはそれぞれ復調器410A、410Bに送られる。また先に説明したように、復調器410A、410Bが、対応する複数の復調サンプル730A’、730B’をそれぞれ含む複素値デジタル信号を生成する。復調サンプル730A’、730B’はそれぞれブロックバッファ740A、740Bに送られ、ここで、復調サンプル730A’および730B’の組がバッファリングされる。ブロックバッファ740Aが1組の復調サンプル730A’を保持すると、この復調サンプルの組が検出器部1320に送られる。同様に、ブロックバッファ740Bが1組の復調サンプル730B’を保持すると、この復調サンプルの組が検出器部1320に送られる。
【0158】
検出器部1320は第1の検出器サブセクション1322A、第2の検出器サブセクション1322Bおよび共通の検出器サブセクション1322Cを有する。第1の検出器サブセクション1322Aは第1の処理段1310Aおよび第2の処理段1350Aを有する。これら2個の処理段は共通検出器サブセクション1322Cを介して相互接続されている。第1の検出器サうセクション1322Aは、ブロックバッファ740Aに接続された修正された非コヒーレント受信機1390Aを有する。第1の検出器サブセクション1322Aの第2の処理段1350Aは、修正されたコヒーレント受信機1040Aに接続されたチャネル推定器830Aを有する。チャネル推定器830Aおよび修正されたコヒーレント受信器1040Aはブロックバッファ740Aに接続されている。
【0159】
同様に、第2の検出器サブセクション1322Bは第1の処理段1310Bおよび第2の処理段1350Bを有する。これら2個の処理段は共通検出器サブセクション1322Cを介して相互接続されている。第1の検出器サうセクション1322Bは、ブロックバッファ740Bに接続された修正された非コヒーレント受信機1390Bを有する。第2の処理段1350Bは、修正されたコヒーレント受信機1040Bに接続されたチャネル推定器830Bを有する。チャネル推定器830Bおよび修正されたコヒーレント受信器1040Bはブロックバッファ740Bに接続されている。
【0160】
共通検出器サブセクション1322Cは直列に接続された加算器1330、決定モジュール1332および信号再生成器1334を有している。加算器1330は修正された非コヒーレント受信機1390Aに接続され、特定の期間だけ入力の各々を遅延されるための遅延要素を具備している。決定モジュール1332はソフト決定データ生成器、逆インターリーバおよび復号器(例えばビタビ復号器)を有している。信号再生成器1334は図10の信号再生成器810A、810Bと同一であり、したがって、符号化器、インターリーバおよびマッパを有している。信号再生成器1334はチャネル推定器830A、830Bにウォルシュ符号1340を供給する。
【0161】
動作を説明する。復調器410A、410Bからそれぞれ出力された復調サンプル730A’、730B’は、第1検出器サブセクションおよび第2検出器サブセクションの第1の処理段における修正された非コヒーレント受信機1390A、1390Bにそれぞれ送られる。修正された非コヒーレント受信機1390A、1390Bは単にウォルシュ変換回路と平方・加算回路とを有する。そして、この非コヒーレント受信機1390A、1390Bは、対応する復調サンプル730A’、730B’からエネルギ値1342A、1342Bの組を出力し、このエネルギ値は共通検出器サブセクション1322Cの加算器1330に送られる。
【0162】
加算器1330は、複数の(この例では1個)修正された非コヒーレント受信機1390A、1390Bから受信したすべてのエネルギ値を整合させるために、経路別にエネルギ地1342A、1342Bを遅延させる。加算器1330は、つぎに、適切に遅延されたエネルギレベル1342A、1342Bを、それらに関連する直交符号(またはインデックスシンボル)に応じて、一緒に加算し、結合されたエネルギ値1336のグループを生成する。
【0163】
結合されたエネルギ値1336は加算器1330から決定モジュール1332に送られる。決定モジュール1332のソフト決定データ生成器は、通常では、シングル・マキシマ距離生成器またはデュアル・マキシマ距離生成器を用いて、結合されたエネルギ値1336をソフト決定データに変換する。決定モジュール1332の逆インターリーバはつぎにソフト決定データを逆インターリーブする。最後に、決定モジュール1332の復号器が逆インターリーブされたソフト決定データをトラフィックデータビット1338に復号し、これを信号再生成器1334に供給する。
【0164】
信号再生成器1334内の符号化器は、送信機内の符号化器に用いられたのと同一のアルゴリズムを用いて、トラフィックデータビット1338を符号化する。そして信号再生成器1334内のインターリーバは決定モジュール1332の逆インターリーバにより実行された操作と逆の操作を行う。最後に、信号再生成器1334内のまぱが符号化されインターリーブされたトラフィックデータビットからウォルシュ符号1340を生成する。
【0165】
共通検出器サブセクション1322Cの信号再生成器1334により生成されたウォルシュ符号1340は、送信信号s(k)の第1の推定値である。この推定値は図10の非コヒーレント受信機790A、790Bにより生成された推定値のどれよりも優れたものである。なぜなら、送信データに関する決定が行われる前に、多重経路のエネルギが推定に基づき加算器1330により付加されているからである。
【0166】
ウォルシュ符号1340は信号再生成器1334からチャネル推定器830A、830Bに送られる。チャネル推定器830A、830Bは図10のものと同一であり、まったく同じ態様で動作する。すなわち、チャネル推定器830A、830Bはウォルシュ符号1340およびそれぞれの復調サンプル730A’、730B’からそれぞれサンプル840A’、840B’を生成する。第1検出器サブセクション1322Aから生成されるサンプル840A’はチャネル情報信号gA(k)の第1の推定値を表す。同様に、第2検出器サブセクション1322Bから生成されるサンプル840B’はチャネル情報信号gB(k)の他の第1の推定値を表す。
【0167】
サンプル840A’、840B’はチャネル推定器830A、830Bからそれぞれ修正されたコヒーレント受信機1040A、1040Bに送られる。修正されたコヒーレント受信機1040A、1040Bは図10のものと同一であり、まったく同一の態様で操作する。すなわち、修正されたコヒーレント受信機1040A、1040Bは、サンプル840A’のそれぞれの組および復調サンプル730A’、730B’のそれぞれの組を用いて、エネルギレベル1042A、1042Bのそれぞれの組を生成する。
【0168】
エネルギレベル1042A、1042Bは修正されたコヒーレント受信機1040A、1040Bからそれぞれ復号器部1380へ送られる。復号器処理段1380は加算器1360、ソフト決定データ生成器794’、逆インターリーバ1082および復号器1100を有している。ソフト決定データ生成器794’は加算器1360および逆インターリーバ1082に接続される。逆インターリーバ1082は復号器1100に接続される。復号器1100は典型的にはビタビ復号器である。
【0169】
復号器部1380は、加算器1360に遅延要素を装備する必要が内点をのぞけば、図10の復号器部1080と同一である。これは、共通検出器サブセクション1322Cの加算器1330は種々の多重経路に応じた信号の整合をすでに整えられているからである。
【0170】
動作について説明する。エネルギレベル1042A、1042Bは修正されたコヒーレント受信機1040A、1040Bからそれぞれ加算器1360に送られる。加算器1360は、つぎに、エネルギレベル1042A、1042Bを、それらに関連する直交符号(またはインデックスシンボル)に応じて、一緒に加算し、結合されたエネルギ値1070のグループを生成する。結合されたエネルギ値1070は加算器1360からソフト決定モデータ生成器794’に送られる。ソフト決定データ生成器794’は図10のものと同一であり、まったく同じ態様で操作する。すなわち、ソフト決定データ生成器794’は、通常では、シングル・マキシマ距離生成器540またはデュアル・マキシマ距離生成器610を用いて、結合されたエネルギ値1070をソフト決定データ1075に変換する。
【0171】
ソフト決定データ1075はソフト決定データ生成器794’から逆インターリーバ1082に送られる。逆インターリーバ1082は図10のものと同一でありまったく同じ態様で動作する。すなわち、逆インターリーバ1082がソフト決定データ1075からデータシンボル1090を生成する。データシンボル1090は逆インターリーバ1082から復号器1100、通常ではビタビ復号器に送られる。復号器1100はデータシンボル1090をトラフィックデータビット1110に復号する。
【0172】
図13は2つのフィンガを示しているが、多段受信機1300のビットエラー性能を向上させるために3個以上のフィンガを用いても良いことは容易に理解できるであろう。
【0173】
この発明の他の変形も可能である。例えば、第3世代CDMAにおいては、移動局がパイロット信号を送信する送信機を用いると考えられる。パイロット信号は振幅変化(すなわちフェージング)および位相変化に関するチャネル情報を基地局に供給する。
【0174】
この結果、この発明のだい4の実施例(図10)に示される非コヒーレント受信機790A、790B、および、この発明の第5および第6の実施例で用いられる第1の処理段780A’および780B’の非コヒーレント受信機(図11,)図12)はコヒーレント受信機に置き換えられる。同様に、この発明の第7の実施例の修正された非コヒーレント受信機1390A、1390B(図13)もコヒーレントのものに置き換えられる。
【0175】
置き換えるコヒーレント受信機は、適宜、当技術分野でよく知られているコヒーレント復調手法を用いて、復調サンプル730A、730Bをトラフィックビットまたはエネルギ値のいずれかに変換する。
【0176】
この発明のさらに他の変更も可能である。図10に示すように、多段受信機1000で用いられる受信器部1010の復調器410A、410Bは省略することができる。受信機320’’は単にブロックバッファ740A、740Bに接続される。ブロックバッファ740A、740Bは受信機320’’からの処理済受信信号のサンプル325A’’、325B’’をバッファリングする。
【0177】
検出器部1022の検出器サブセクション1022A、1022Bの第1の処理段780A、780Bにおける非コヒーレント受信機790A、790Bは、以前の受信器部1010の対応する復調器410A、410Bとそれぞれ同一の復調器を設けられる。代替的に、対応する第1の処理段がコヒーレント受信機を用いるならば、第1の処理段の各々のコヒーレント受信機は以前の受信器部1010の対応する復調器と同一の複登記をそれぞれ有する。
【0178】
さらに、対応する第2の処理段がもはや信号生成器を用いずに信号再変調器をもちいる。信号再変調器は図10の信号再生成器と同様である。ただし、信号再変調器は対応するマッパに接続された対応する変調器を有する。
【0179】
さらに、検出器部1020の検出器サブセクション1022A,1022Bの対応する第2の処理段1030A、1030Bにおいて、修正されたコヒーレント受信機1040A、1040Bは、以前の受信器部1010の対応する復調器410A、410Bとそれぞれ同一の変調器を具備する。
【0180】
当業者は、同様な変更が図11の処理段780A’、2300A、2500A、780B’、2300B、2500Bや、図12の処理段3000Aや、図13の処理段1322A、1322B、1322Cにも適用可能であることは容易に理解できるであろう。
【0181】
また、この発明はCDMA通信システムに限定されるものではなく任意の種類の通信システム、例えば狭帯域通信、TDMA、FDMA等に採用できることは容易に理解できる。さらに、好ましい実施例においてはデジタル信号を用いているので、検出器はデジタル信号処理(DSP)手法を用いて実装できることに留意されたい。
【0182】
当業者にとってはこの発明についてさらに多くの変更が可能であり、この発明は、特許請求の範囲の記載にのみ制約される。
【0183】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、エラービット性能を向上させシステム容量を増大させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 CDMA通信ネットワークにおいて移動局が用いる従来の送信機の構成を示すブロック図である。
【図2】 CDMA通信ネットワークにおいて基地局が用いる従来のシングル・マキシマ受信機の構成を示すブロック図である。
【図3】 図2のシングル・マキシマ受信機により用いられるシングル・マキシマ距離生成器である。
【図4】 CDMA通信ネットワークにおいて基地局が用いる従来のデュアル・マキシマ受信機の構成を示すブロック図である。
【図5】 この発明の第1の好ましい実施例に従った、改善した多段受信機の構成を示すブロック図である。
【図6】 図5に示される通常の非コヒーレント受信機の構成を示すブロック図である。
【図7】 図5に示される信号再生成器の構成を示すブロック図である。
【図8】 この発明の第2の好ましい実施例に従った、改善した多段受信機の構成を示すブロック図である。
【図9】 この発明の第3の好ましい実施例に従った、改善した多段決定フィードバック受信機の構成を示すブロック図である。
【図10】 この発明の第4の好ましい実施例に従った、レーク受信機構成の改善した多段受信機の構成を示すブロック図である。
【図11】 この発明の第5の好ましい実施例に従った、レーク受信機構成の改善した多段受信機の構成を示すブロック図である。
【図12】 この発明の第6の好ましい実施例に従った、改善した多段受信機の第2段の構成を示すブロック図である。
【図13】 この発明の第7の好ましい実施例に従った、レーク受信機構成の改善した多段受信機の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
100 送信機
120 符号化器部
130 変調・送信器部
150 符号化器
150’ 符号化器
170 インターリーバ
170’ インターリーバ
190 マッパ
190’ マッパ
210 変調器
230 送信器
310’’ アンテナ
410’’ 復調器
420’’ ウォルシュ変換回路
425’’ 複素変換器出力信号
430’’ 平方・加算回路
550’’ 逆インターリーバ
560’’ 復号器
700 多段受信機
705 受信器・変調器部
710 受信器
740 ブロックバッファ
750 検出器・復号器部
760 検出器・復号器段
780 第1段
790 非コヒーレント受信器
794 ソフト決定データ生成器
800 第2段
801 多段受信機
810 信号再生成器
810‘ 信号再生成器
830 チャネル推定器
830’ チャネル推定器
850 コヒーレント受信器
850‘ コヒーレント受信機
900 第3段
901 多段決定フィードバック受信機
910 第2段
920 スイッチ
930 信号再生成器
940 チャネル推定器
1000 多段受信機
1010 受信器・復調器部
1010’ 受信器・復調器部
1020 検出器部
1080 復号器部
1080’ 復号器部
1300 多段受信機
1320 検出器部
1380 復号器部
2000 多段受信機
2100 検出器部
Claims (24)
- 受信器部から供給された少なくとも1つの受信信号からトラフィック信号を復元し、上記少なくとも1つの受信信号の各々が、上記トラフィック信号に基づいて符号化されて所定の伝送チャネルを介して伝送される送信信号の多重経路の1つに対応する多段受信機であって、
上記受信信号の各々に対して設けられ、上記受信器部に接続可能な第1の処理段であって、対応する上記受信信号から上記トラフィック信号の第1の推定値を生成する、第1の処理段と、
上記受信信号の各々に対して設けられ、対応する上記第1の処理段に接続され、上記受信器部に接続可能な第2の処理段であって、上記トラフィック信号の対応する上記第1の推定値と、対応する上記受信信号とから、上記トラフィック信号が、対応する所定の値を有する尤度を表す値の組を生成する、第2の処理段と、
少なくとも2つの上記第2の処理段に接続された最終処理段であって、上記第2の処理段の各々からの値の組を結合して上記トラフィック信号の改善された推定値を生成する、最終処理段と、を有する多段受信機。 - 上記第2の処理段の各々が、対応する上記受信信号をバッファリングし、遅延し、上記トラフィック信号の対応する上記第1の推定値を対応する上記受信信号に整列させる、請求項1記載の多段受信機。
- 上記第2の処理段の各々が、
対応する上記第1の処理段に接続された信号再生成器であって、上記トラフィック信号の対応する上記第1の推定値から送信信号の推定値を生成する、信号再生成器と、
上記信号再生成器と接続され上記受信器部と接続可能なチャネル推定器であって、上記送信信号の推定値と対応する上記受信信号とからチャネルの位相を推定する、チャネル推定器と、
上記チャネル推定器に接続され上記受信器部に接続可能なコヒーレント受信機であって、上記チャネルの推定位相を用いて対応する上記受信信号をコヒーレントに検出して上記値の組を供給するコヒーレント受信機と、を有する、請求項1記載の多段受信機。 - 上記チャネル推定器の各々が、対応する上記受信信号をバッファリングし、遅延させ、上記送信信号の対応する上記推定値を対応する上記受信信号に整列させる、請求項3記載の多段受信機。
- 上記コヒーレント受信機の各々が、対応する上記受信信号をバッファリングし、遅延させ、対応する上記推定されたチャネル位相を対応する上記受信信号に整列させる、請求項3記載の多段受信機。
- 上記第1の処理段の各々が非コヒーレント受信機を含む、請求項1記載の多段受信機。
- 上記第1の処理段の各々がコヒーレント受信機を含む、請求項1記載の多段受信機。
- 上記値がエネルギ値である、請求項1記載の多段受信機。
- 上記第1の処理段が対応する上記受信信号を復調する復調器を含む、請求項1記載の多段受信機。
- 上記信号再生成器が直列に接続された符号化器、逆インターリーバおよびマッパを有する、請求項3記載の多段受信機。
- 上記信号再生成器が、上記マッパに接続された変調器を有し、上記コヒーレント受信機が対応する上記受信信号を復調する復調器を有する、請求項10記載の多段受信機。
- 上記最終処理段が、直列に接続された加算器、ソフト決定データ生成器、逆インターリーバおよび復号器を有する、請求項1記載の多段受信機。
- 上記加算器が、対応する上記第2の処理段から受信する値の組の各々に対して制御可能な遅延量を加えるように動作する、請求項12記載の多段受信機。
- 受信器部から供給された複数の受信信号からトラフィック信号を復元し、上記複数の受信信号が、それぞれ、上記トラフィック信号に基づいて符号化されて所定の伝送チャネルを介して伝送される送信信号の多重経路の1つに対応する多段受信機において、
上記受信信号の各々に対して設けられ、上記受信器部に接続可能な第1の処理段であって、対応する上記受信信号から上記トラフィック信号の第1の推定値を生成する、第1の処理段と、
上記受信信号の各々に対して設けられ、対応する上記第1の処理段に接続され、上記受信器部に接続可能な第2の処理段であって、上記トラフィック信号の対応する上記第1の推定値と、対応する上記受信信号とから、上記トラフィック信号が、対応する所定の値を有する尤度を表す値の組を生成する、第2の処理段と、
少なくとも2つの上記第2の処理段に接続された最終処理段であって、上記第2の処理段の各々からの値の組を結合して上記トラフィック信号の改善された推定値を生成する最終処理段と、を有する多段受信機。 - 上記第2の処理手段の各々が、上記トラフィック信号の対応する上記第2の推定値を上記第2の処理段に上記第2の処理段を介して制御可能な回数だけ繰り返しフィードバックする手段を有する、請求項14記載の多段受信機。
- 受信器部から供給された少なくとも1つの受信信号からトラフィック信号を復元し、上記少なくとも1つの受信信号の各々が、上記トラフィック信号に基づいて符号化されて所定の伝送チャネルを介して伝送される送信信号の多重経路の1つに対応する多段受信機であって、
上記受信信号の各々に対して設けられ、上記受信器部に接続可能な第1の処理段であって、対応する上記受信信号から、上記トラフィック信号が、対応する所定の値を有する尤度を表す値の組を生成する、第1の処理段と、
上記第1の処理段の各々に接続される共通処理段であって、上記第1の処理段の各々からの値の組を結合して上記トラフィック信号の第1の推定値を生成する、共通処理段と、
上記受信信号の各々に対して設けられ、上記共通処理段に接続され上記受信器部に接続可能な第2の処理段であって、上記トラフィック信号の第1の推定値と対応する上記受信信号とから、上記トラフィック信号が対応する所定の値を有する尤度を表す値の組を生成する、第2の処理段と、
少なくとも2つの上記第2の処理段に接続された最終処理段であって、上記第2の処理段の各々からの値の組を結合して上記トラフィック信号の改善された推定値を生成する、最終処理段と、を有する多段受信機。 - 上記共通処理段は、直列に接続された、加算器、決定モジュールおよび信号再生成器を有する、請求項16記載の多段受信機。
- 上記決定モジュールが、直列に接続されたソフト決定データ生成器、逆インターリーバおよび復号器を有する、請求項17記載の多段受信機。
- 受信器部から供給された第1の復調信号からトラフィック信号を検出する検出器であって、
上記第1の復調信号を受け取って、この第1の復調信号から、上記トラフィック信号の第1の推定値を生成するための第1段と、
上記第1段に接続された第2段であって、上記第1の復調信号と上記トラフィック信号の第1の推定値とを受け取って、これら第1の復調信号とトラフィック信号の第1の推定値とから、上記トラフィック信号の第2の推定値を生成する、第2段とを有し、当該第2段が、
上記第1段に接続され、上記第1段からのトラフィック信号の第1の推定値を第2の復調信号に再生成する信号再生成器と、
上記信号再生成器に接続され、上記第2の復調信号および上記第1の復調信号からチャネル情報信号を生成するチャネル推定器と、
上記チャネル推定器に接続され、上記第1の復調信号をコヒーレントに受け取り、上記第1の復調信号および上記チャネル情報信号を用いて上記トラフィック信号の第2の推定値を生成するコヒーレント受信機とを有し、さらに、当該第2段は、
入力部と、出力部と、フィードバック手段とを有し、当該フィードバック手段は、上記トラフィック信号の第3の推定値を生成するために、上記出力部からのトラフィック信号の第2の推定値が上記入力部へフィードバックするのを許容する、トラフィック信号検出器。 - 上記第2段は、上記第1の復調信号をバッファリングし、遅延して、上記トラフィック信号の第1の推定値を上記第1の復調信号に適切に同期させる、請求項19記載のトラフィック信号検出器。
- 上記第1段は非コヒーレント受信機である、請求項19記載のトラフィック信号検出器。
- 上記チャネル推定器が、上記第1の復調信号をバッファリングし、第1の所定時間だけ遅延させて、上記第2の復調信号を上記第1の復調信号に適切に同期させ、さらに、上記コヒーレント受信機が、上記第1の復調信号をバッファリングし、第2の所定時間だけ遅延させて、上記チャネル情報信号を上記第1の復調信号に同期させる、請求項19記載のトラフィック信号検出器。
- 上記第1段はコヒーレント受信機である、請求項19記載のトラフィック信号検出器。
- 上記フィードバック手段は、上記トラフィック信号の第4の推定値を生成するために、上記出力部からのトラフィック信号の第3の推定値も上記入力部へフィードバックするのを許容する、請求項19記載のトラフィック信号検出器。
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