JP4459568B2 - マルチ荷電ビームレンズおよびそれを用いた荷電ビーム露光装置 - Google Patents

マルチ荷電ビームレンズおよびそれを用いた荷電ビーム露光装置 Download PDF

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Description

本発明は、半導体集積回路等の微小デバイスの露光に用いられる電子ビーム露光装置やイオンビーム露光装置等の荷電ビーム露光装置に関し、特に、複数の荷電粒子線を用いてパターン描画を行う荷電ビーム露光装置および該装置に用いられるマルチ荷電ビームレンズに関するものである。
半導体デバイス等の微小デバイスの生産において、マスクを用いずに複数本の荷電ビームで同時にパターンを描画するマルチ荷電ビーム露光システムの提案がなされている。
このシステムによるマルチ荷電ビーム露光装置においてはマルチ荷電ビームレンズのレンズ数により荷電ビームの本数が決まるため、レンズ数がスループットを決定する大きな要因となる。このためレンズの小型化および高密度化を進めながら如何にレンズ性能を高めていくかが、マルチ荷電ビーム露光装置の性能向上における重要なファクターのひとつである。
電子レンズには電磁型と静電型がある。静電型は、磁界型に比べて、コイルコア等を設ける必要がなく構成が容易であるので、小型化に有利であると言える。ここで、静電型の電子レンズ(静電レンズ)に関する主な従来技術を以下に示す。
非特許文献1は、マイクロメカニクス技術により作製した電極をSiの結晶異方性エッチングにより作製したV溝とファイバとを陽極接合することで、静電単一レンズである3枚の電極からなる3次元構造体を形成することを開示している。Siには、メンブレン枠とメンブレンと該メンブレンに電子ビームが通過する開口を設ける。
また、非特許文献2は、陽極接合法を利用してSiとパイレックスガラスが複数積層して接合された構造体を開示するもので、アライメントされたマイクロカラム用電子レンズを作製する。
また、非特許文献3は、レンズ開口配列を有する3枚電極でアインツェルレンズ配列にした構成を開示する。このように構成した静電型レンズでは、一般的に3枚の電極のうち中央の電極に電圧を印加し、他の2枚を接地することでレンズ作用を得ることができる。
A.D. Feinerman等(J. Vac. Sci. Technol. A 10(4), p611, 1992) K.Y. Lee等(J. Vac. Sci. Technol. B12 (6), p3425, 1994) Sasaki(J. Vac. Sci. Technol. 19, 963 (1981))
しかしながら、従来の静電型電子レンズの絶縁体と電極とを単純に交互に重ね合わせた構成には、以下の課題がある。
すなわち、電極が絶縁体にとって背後電極となる構成であり、また、絶縁体と真空領域と電極との境界からなる三重点における電界電子放出による電子の発生、絶縁体表面における二次電子なだれ現象などにより、絶縁体表面における沿面放電が生じやすい。この沿面放電により、電子レンズの動作電圧の低下や、動作信頼性の低下が生じる可能性がある。
本発明は、以上の背景に鑑みてなされたものであり、より沿面放電の生じにくい高性能で信頼性の高いマルチ荷電ビームレンズの提供を目的とする。
上記目的を達成するため本発明のマルチ荷電ビームレンズは、荷電ビームを通す複数の開口を有する少なくとも3枚の基板が間に絶縁体を挟んで積み重ねられているマルチ荷電ビームレンズであって、前記少なくとも3枚の基板電圧印加部と絶縁部とを備え、前記少なくとも3枚の基板は、一つの基板における前記絶縁部と他の基板の前記絶縁部が、前記絶縁体を上下方向から接した状態で挟んで積み重ねられており、前記絶縁部によって、一つの基板における前記電圧印加部と前記絶縁体が絶縁されていることを特徴とする。
本発明によれば、前記電圧印加部と前記絶縁体が絶縁されるように、表面が酸化物材料からなる絶縁部を介して前記電圧印加部と前記絶縁体が接続されているため、電圧印加部と絶縁体とを電気的に分離(絶縁)することができ、上述した三重点を減少もしくは解消させることができる。また、背後電極構成ともならない。これにより、絶縁体表面で起こる沿面放電を低減することができ、高い耐電圧特性を持った高性能で信頼性の高いマルチ荷電ビームレンズを提供することができる。また、このマルチ荷電ビームレンズを荷電ビームの露光装置に用いることで、信頼性の高い露光装置を提供することができる。
以下、図面を参照しながら本発明の実施例を説明する。
[第1の実施例]
図1は、本発明の一実施例に係るマルチ荷電ビームレンズの構造を模式的に示す断面図である。このマルチ荷電ビームレンズ100は、3枚の電極基板110a、110b、110cを絶縁体160を介して配置した構造を有する。3枚の電極基板110a、110b、110cにはそれぞれ開口部130a、130b、130c、電圧印加部140a、140b、140c、絶縁部150a、150b、150c、組み立て用溝120a、120b、120cが形成されており、これらの溝120a、120b、120c間に絶縁体160を配置することにより、3枚の電極基板110a、110b、110cが互いに位置決めされる。この実施例では、上部電極基板の電圧印加部140a、中間電極基板の電圧印加部140b、下部電極基板の電圧印加部140cのうち上部電極基板電圧印加部140aと下部電極基板電圧印加部140cとに同一電位が与えられる。
ここで、各電極基板の絶縁体160と接している部位(この場合は溝120a、120b、120cのエッジ部分)と電圧印加部140a、140b、140cは絶縁部150a、150b、150cを介して配置されており、絶縁体160の表面で起こる沿面放電を低減することができる。
中間電極基板の電圧印加部分140bには、図1に示すように、典型的には、上部電極基板の電圧印加部分140aおよび下部電極基板の電圧印加部分140cの電位に対して負の電位が与えられる。
この実施例では、マルチ荷電ビームレンズ100は、3枚の電極基板で構成されているが、電極基板の枚数は、3枚に限られるものではなく、他の枚数であってもよい。
次に、図2を参照しながら図1に示す各電極基板110a、110b、110cの作製方法を説明する。まず、図2(a)に示す工程でシリコンウエハ201を用意し、シリコンウエハ201の表面にレジストをスピンコート等により塗布し、その後、露光工程および現像工程によってレジストをパターニングし、マスク202を形成する。次いで、図2(b)に示す工程で、SF6ガス等のエッチングガスを使用したドライエッチング(異方性エッチング)により、シリコンウエハ201にレンズ開口230と組み立て用の溝220を形成する。その後、図2(c)に示す工程で、レジストを除去する。次いで、図2(d)に示す工程で、シリコンウエハ表面の熱酸化により二酸化シリコンからなる絶縁層250を形成する。
次に、図2(e)に示す工程で、スパッタリングにより少なくともシリコンウエハ201のレンズ開口230の内壁とその周辺部分、好ましくは、シリコンウエハ201の全面(レンズ開口230の内壁を含む)に金を成膜して、これにより導電体膜203を形成する。さらに、図2(f)に示す工程で、シリコンウエハ両面にレジストをスピンコート等により塗布し、その後露光工程および現像工程によってレジストをパターニングし、マスク204を形成する。次に、図2(g)に示す工程で、塩素やアルゴン等を用いた反応性イオンエッチングによりエッチングを行う。その後、図2(h)に示す工程で、レジストを除去し、電圧印加部140、レンズ開口130、組み立て用の溝120および絶縁部150を有する電極基板110を得る。
以上の工程により得られた電極基板の組み立て用溝120に絶縁体160(図1)を配置し、さらに電極基板110を重ねていくことで図1に示したマルチ荷電ビームレンズ100を得ることができる。
なお、3枚以上の電極基板でマルチ荷電ビームレンズを構成する場合においても、上記と同様の方法を適用してマルチ荷電ビームレンズを作製することができる。
なお、図1に示す模式的な断面図においては、4つの開口部からなる、4つの電子レンズが示されているが、電子レンズは、1次元又は2次元において設計仕様に応じた個数だけ配置されうる。典型的なマルチ荷電ビームレンズにおいては、数100〜数1000個の電子レンズが2次元状に配置されうる。
次に上記の方法により製造され得るマルチ荷電ビームレンズを用いた電子ビーム露光装置(描画装置)について説明する。なお、以下の例は荷電ビームとして電子ビームを採用した露光装置であるが、本発明は、イオンビーム等の他の種類の荷電ビームを用いた露光装置にも同様に適用できる。
図3は本発明により製造され得るマルチ荷電ビームレンズを用いた電子ビーム露光装置の要部概略図である。図3において、1は、複数の電子源像を形成し、その電子源像から電子ビームを放射するマルチソースモジュールで、マルチソースモジュール1は、3×3に配列されていて、その詳細については後述する。
21、22、23、24は磁界レンズアレイであって、3×3に配列された同一形状の開孔を有する磁性体円板MDを間隔を置いて上下に配置し、共通のコイルCCによって励磁したものである。その結果、各開口部分が各磁界レンズMLの磁極となり、設計上レンズ磁界を発生させる。
各マルチソースモジュール1の複数の電子源像は、磁界レンズアレイ21、22、23、24の対応する4つの磁界レンズ(ML1、ML2、ML3、ML4)によって、ウエハ4上に投影される。そして、ひとつのマルチソースモジュールからの電子ビームがウエハに照射するまでに、その電子ビームに作用する光学系をカラムと定義する。すなわち、本実施例は、9カラム(col.1〜col.9)の構成である。
この時、磁界レンズアレイ21と磁界レンズアレイ22の対応する2つの磁界レンズで、一度、像を形成し、次にその像を磁界レンズアレイ23と磁界レンズアレイ24の対応する2つの磁界レンズでウエハ4上に投影している。そして、磁界レンズアレイ21、22、23、24のそれぞれの励磁条件を共通コイルで個別に制御することにより、各カラムの光学特性(焦点位置、像の回転、倍率)のそれぞれを略一様に言い換えれば同じ量だけ調整することができる。
3は、マルチソースモジュール1からの複数の電子ビームを偏向させて、複数の電子源像をウエハ4上でX、Y方向に変位させる主偏向器である。
5は、ウエハ4を載置し、光軸AX(Z軸)と直交するXY方向とZ軸回りの回転方向に移動可能なステージであって、ステージ基準板6が固設されている。
7は、電子ビームによってステージ基準板6上のマークが照射された際に生じる反射電子を検出する反射電子検出器である。
次に、図4は、ひとつのカラムの詳細図である。同図を用いてマルチソースモジュール1およびマルチソースモジュール1からウエハ4の照射される電子ビームの光学特性の調整機能について説明する。
101は、電子銃が形成する電子源(クロスオーバ像)である。この電子源101から放射される電子ビームは、コンデンサーレンズ102によって略平行な電子ビームとなる。本実施例のコンデンサーレンズ102は、3枚の開口電極からなる静電レンズである。
103は、開孔が2次元配列して形成されたアパーチャアレイ、104は、同一の光学パワーを有する静電レンズが2次元配列して形成されたレンズアレイ、105、106は、個別に駆動可能な静電の8極偏向器が2次元配列して形成された偏向器アレイ、107は、個別に駆動可能な静電のブランカーが2次元配列して形成されたブランカーアレイである。本発明によるマルチ荷電ビームレンズは104のレンズアレイを形成する。
図5を用いて各機能を説明する。コンデンサーレンズ102(図4)からの略平行な電子ビームは、アパーチャアレイ103によって複数の電子ビームに分割される。分割された電子ビームは、対応するレンズアレイ104の静電レンズを介して、ブランカーアレイ107の対応するブランカー上に、電子源の中間像を形成する。
この時、偏向器アレイ105、106は、ブランカーアレイ107上に形成される電子源の中間像の位置(光軸と直交する面内の位置)を個別に調整する。また、ブランカーアレイ107で偏向された電子ビームは、図4のブランキングアパーチャAPによって遮断されるため、ウエハ4には照射されない。一方、ブランカーアレイ107で偏向されない電子ビームは、図4のブランキングアパーチャAPによって遮断されされないため、ウエハ4には照射される。
図4に戻り、マルチソースモジュール1で形成された電子源の複数の中間像は、磁界レンズアレイ21と磁界レンズアレイ22の対応する2つの磁界レンズを介して、ウエハ4に投影される。
この時、複数の中間像がウエハ4に投影される際の光学特性のうち、像の回転と倍率は、ブランカーアレイ上の各中間像の位置を調整できる偏向器アレイ105、106で調整でき、焦点位置は、カラム毎に設けられたダイナミックフォーカスレンズ(静電もしくは磁界レンズ)108、109で調整できる。
次に本実施例のシステム構成図を図6に示す。同図において、ブランカーアレイ制御回路41は、ブランカーアレイ107を構成する複数のブランカーを個別に制御する回路、偏向器アレイ制御回路42は、偏向器アレイ104、105を構成する偏向器を個別に制御する回路、D_FOCUS制御回路43は、ダイナミックフォーカスレンズ108、109を個別に制御する回路、主偏向器制御回路44は、主偏向器3を制御する回路、反射電子検出回路45は、反射電子検出器7からの信号を処理する回路である。これらのブランカーアレイ制御回路41、偏向器アレイ制御回路42、D_FOCUS制御回路43、主偏向器制御回路44、反射電子検出回路45は、カラムの数(col.1〜col.9)と同じだけ装備されている。
磁界レンズアレイ制御回路46は、磁界レンズアレイ21、22、23、24のそれぞれの共通コイルを制御する回路、ステージ駆動制御回路47は、ステージの位置を検出する不図示のレーザ干渉計と共同してステージ5を駆動制御する制御回路である。主制御系48は、上記複数の制御回路を制御し、電子ビーム露光装置全体を管理する。
[第2の実施例]
この実施例は、絶縁層で覆われた半導体部が絶縁体と接している構造を採用した具体例を提供する。図7は、本発明の第2の実施例に係るマルチ荷電ビームレンズの構造を模式的に示す断面図である。
このマルチ荷電ビームレンズ700は、3枚の電極基板710a、710b、710cを絶縁体780を介して配置した構造を有する。3枚の電極基板710a、710b、710cにはそれぞれ開口部730a、730b、730c、電圧印加部740a、740b、740c、絶縁部750a、750b、750c、組み立て用溝720a、720b、720c、半導体部760a、760b、760c、絶縁層770a、770b、770cが形成されており、これらの溝720a、720b、720c間に絶縁体780を配置することにより、3枚の電極基板710a、710b、710cが互いに位置決めされる。
この実施例では、上部電極基板の電圧印加部740a、中間電極基板の電圧印加部740b、下部電極基板の電圧印加部740cのうち上部電極基板電圧印加部740aと下部電極基板電圧印加部740cとに同一電位が与えられる。
ここで、各電極基板の絶縁体780と接している部位(この場合は溝720a、720b、720cのエッジ部分)と電圧印加部740a、740b、740cは絶縁部750a、750b、750c、半導体部760a、760b、760c、絶縁層770a、770b、770c、を介して配置されており、絶縁体780の表面で起こる沿面放電を低減することができる。
中間電極基板の電圧印加部分740bには、図7に示すように、典型的には、上部電極基板の電圧印加部分740aおよび下部電極基板の電圧印加部分740cの電位に対して負の電位が与えられる。
この実施例では、マルチ荷電ビームレンズ700は、3枚の電極基板で構成されているが、電極基板の枚数は、3枚に限られるものではなく、他の枚数であってもよい。
次に、図8を参照しながら図7に示す各電極基板710a、710b、710cの作製方法を説明する。まず、図8(a)に示す工程でシリコン層801、803、二酸化シリコン層802からなるSOIウエハ800を用意する。次に、図8(b)に示す工程で、レジストをスピンコート等により塗布し、露光工程および現像工程によってレジストをパターニングし、マスク804を形成する。次いで、図8(c)に示す工程で、SF6ガス等のエッチングガスを使用したドライエッチング(異方性エッチング)により、シリコン層801にレンズ開口830と組み立て用の溝821を形成し、レジストを除去する。その後、図8(d)に示す工程で、裏側のシリコン層803にレジストをスピンコート等により塗布し、露光工程および現像工程によってレジストを表側のパターンと位置合わせしながらパターニングし、マスク805を形成する。
さらに、図8(e)に示す工程で、SF6ガス等のエッチングガスを使用したドライエッチング(異方性エッチング)により、シリコン層803に組み立て用の溝822を形成し、レジストを除去する。次に、図8(f)に示す工程で、フッ酸などによるウエットエッチングにて二酸化シリコン層802の露出している部分を除去し、さらにシリコン表面を熱酸化法により酸化することで半導体部860を覆う絶縁層870を形成する。次いで、図8(g)に示す工程で、レジストをスピンコート等により塗布し、露光工程および現像工程によってレジストをパターニングし、犠牲層806を形成した後、両面からスパッタ等により金を成膜し導電体膜807を形成する。その後、図8(h)に示す工程で、有機溶媒の中で超音波洗浄を行うことで犠牲層806とその上の導電体膜を除去し、電圧印加部740を形成し、電極基板710を得る。
以上の工程により得られた電極基板の組み立て用溝に絶縁体を配置し、さらに電極基板を重ねていくことで図7に示したマルチ荷電ビームレンズ700を得ることができる。
なお、3枚以上の電極基板でマルチ荷電ビームレンズを構成する場合においても、上記と同様の方法を適用してマルチ荷電ビームレンズを作製することができる。
なお、図7に示す模式的な断面図においては、4つの開口部からなる、4つの電子レンズが示されているが、電子レンズは、1次元又は2次元において設計仕様に応じた個数だけ配置されうる。典型的なマルチ荷電ビームレンズにおいては、数100〜数1000個の電子レンズが2次元状に配置されうる。
またこの実施例では、構造的な強度をある程度保ったまま、図7の電圧印加部740a、740b、740cの厚みを薄くすることが可能であり、開口部730a、730b、730cのアスペクト比を小さくできることから、より製造が容易なマルチ荷電ビームレンズを得ることができる。
ここで例示的に説明したマルチ荷電ビームレンズも、第1の実施例と同様に、図3に例示的に示す電子ビーム露光装置のような荷電ビーム露光装置に適用することができ、そのような荷電ビーム露光装置は半導体デバイス等のデバイスの製造に好適である。
上述の実施例によれば、絶縁体表面で起こる沿面放電を低減することができ、高い耐電圧特性を持った高性能で信頼性の高いマルチ荷電ビームレンズを提供することができる。また、このマルチ荷電ビームレンズを荷電ビームの露光装置に用いることで、信頼性の高い露光装置を提供することができる。
[第3の実施例](デバイスの生産方法)
次に上記説明した電子ビーム露光装置を利用したデバイスの生産方法の実施例を説明する。
図9は微小デバイス(ICやLSI等の半導体チップ、液晶パネル、CCD、薄膜磁気ヘッド、マイクロマシン等)の製造のフローを示す。ステップ1(回路設計)では半導体デバイスの回路設計を行う。ステップ2(EBデータ変換)では設計した回路パターンに基づいて露光装置の露光制御データを作成する。一方、ステップ3(ウエハ製造)ではシリコン等の材料を用いてウエハを製造する。ステップ4(ウエハプロセス)は前工程と呼ばれ、上記用意した露光制御データが入力された露光装置とウエハを用いて、リソグラフィ技術によってウエハ上に実際の回路を形成する。次のステップ5(組み立て)は後工程と呼ばれ、ステップ4によって作製されたウエハを用いて半導体チップ化する工程であり、アッセンブリ工程(ダイシング、ボンディング)、パッケージング工程(チップ封入)等の工程を含む。ステップ6(検査)ではステップ5で作製された半導体デバイスの動作確認テスト、耐久性テスト等の検査を行う。こうした工程を経て半導体デバイスが完成し、これが出荷(ステップ7)される。
図10は上記ウエハプロセスの詳細なフローを示す。ステップ11(酸化)ではウエハの表面を酸化させる。ステップ12(CVD)ではウエハ表面に絶縁膜を形成する。ステップ13(電極形成)ではウエハ上に電極を蒸着によって形成する。ステップ14(イオン打込み)ではウエハにイオンを打ち込む。ステップ15(レジスト処理)ではウエハに感光剤を塗布する。ステップ16(露光)では上記説明した露光装置によって回路パターンをウエハに焼付露光する。ステップ17(現像)では露光したウエハを現像する。ステップ18(エッチング)では現像したレジスト像以外の部分を削り取る。ステップ19(レジスト剥離)ではエッチングが済んで不要となったレジストを取り除く。これらのステップを繰り返し行うことによって、ウエハ上に多重に回路パターンが形成される。
本実施例の製造方法を用いれば、従来は製造が難しかった高集積度の微小デバイスを低コストに製造することができる。
本発明の第1の実施例に係るマルチ荷電ビームレンズの構造を説明する図である。 図1のマルチ荷電ビームレンズを構成する各電極基板の作製方法を説明する図である。 図1のレンズを用いた電子ビーム露光装置の要部概略を示す図である。 図3の装置のカラム毎の電子光学系を説明する図である。 図3の装置のマルチソースモジュールの機能を説明する図である。 図3に示す電子ビーム露光装置のシステムの構成を説明する図である。 本発明の第2の実施例に係るマルチ荷電ビームレンズの構造を説明する図である。 図7のマルチ荷電ビームレンズを構成する各電極基板の作成方法を説明する図である。 デバイスの製造プロセスのフローを説明する図である。 図9におけるウエハプロセスを説明する図である。
符号の説明
100 マルチ荷電ビームレンズ
110a、b、c 電極基板
130a、b、c 開口部
140a、b、c 電圧印加部
150a、b、c 絶縁部
160 絶縁体
201 シリコンウエハ
202 マスク
203 導電体膜
204 マスク
220 組み立て用溝
230 レンズ開口
250 絶縁部
1 マルチソースモジュール
21、22、23、24 磁界レンズアレイ
3 主偏向器
4 ウエハ(被露光基板)
5 ステージ
6 ステージ基準板
101 電子源
102 コンデンサーレンズ
103 アパーチャアレイ
104 レンズアレイ
105、106 偏向器アレイ
107 ブランカーアレイ
108、109 ダイナミックフォーカスレンズ
41 ブランカーアレイ制御回路
42 偏向器アレイ制御回路
43 D_FOCUS制御回路
44 主偏向制御回路
45 反射電子検出回路
46 磁界レンズアレイ制御回路
47 ステージ駆動制御回路
48 主制御系
700 マルチ荷電ビームレンズ
710a、b、c 電極基板
720a、b、c 組み立て用溝
730a、b、c 開口部
740a、b、c 電圧印加部
750a、b、c 絶縁部
760a、b、c 半導体部
770a、b、c 絶縁層
780 絶縁体
800 SOIウエハ
801 シリコン層
802 二酸化シリコン層
803 シリコン層
804 マスク
805 マスク
806 犠牲層
807 導電体膜
808 電圧印加部
810 電極基板
821 組み立て用溝
822 組み立て用溝
830 レンズ開口
860 半導体部
870 絶縁層
MLA 磁界レンズアレイ
ML 磁界レンズ
MD 磁性体円板
CC 共通コイル

Claims (3)

  1. 荷電ビームを通す複数の開口を有する少なくとも3枚の基板が間に絶縁体を挟んで積み重ねられているマルチ荷電ビームレンズであって、
    前記少なくとも3枚の基板電圧印加部と絶縁部とを備え、
    前記少なくとも3枚の基板は、一つの基板における前記絶縁部と他の基板の前記絶縁部が、前記絶縁体を上下方向から接した状態で挟んで積み重ねられており、
    前記絶縁部によって、一つの基板における前記電圧印加部と前記絶縁体が絶縁されていることを特徴とするマルチ荷電ビームレンズ。
  2. 荷電ビームを用いて被露光基板を露光する荷電ビーム露光装置であって、
    荷電ビームを放射する荷電粒子源と、
    前記荷電粒子源の中間像を複数形成する第1の電子光学系と、
    前記第1の電子光学系によって形成される複数の中間像を被露光基板上に投影する第2の電子光学系と、
    前記被露光基板を位置決めする位置決め装置とを有し、
    前記第1の電子光学系が、請求項に記載のマルチ荷電ビームレンズを用いたものであることを特徴とする荷電ビーム露光装置。
  3. 請求項に記載の荷電ビーム露光装置を用いてデバイスを製造することを特徴とするデバイス製造方法。
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