JP4439701B2 - 船外機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本願発明は、吸気弁および排気弁の作動特性を機関回転数に応じて変更するバルブ作動特性可変機構を有する内燃機関を備えた船外機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、船外機の内燃機関においても高出力化が進められており、例えば、1気筒当たり複数の吸・排気弁を設けることにより、吸排気効率を向上させて出力を増大することが行われている(特開平8−93585号公報参照)。また、車両用の内燃機関において、高出力化および低燃費化のために、吸・排気弁の作動特性を、内燃機関の回転域に応じて変更するバルブ作動特性可変機構が実用化されている。このバルブ作動特性可変機構は油圧式のものであり、その作動部に供給される油圧が油圧制御弁により制御されるようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、船外機では、内燃機関の低回転でのトローリング状態や、高回転での巡航状態など、異なる回転域でそれぞれ連続運転されることが多い。しかしながら、従来の船外機では、吸気弁および排気弁の作動特性であるリフト量および開弁期間は内燃機関の全回転域において同じであるため、特定の回転域、例えば低回転域(または高回転域)で高出力特性を有するリフト量および開弁期間が、前記特定の回転域とは異なる回転域、例えば高回転域(または低回転域)では最適なものとならないことに起因して、高回転域(または低回転域)での出力の低下や燃費の悪化を招来していた。
【0004】
そこで、高出力化および低燃費化のために、前述の車両用のバルブ作動特性可変機構を採用することが考えられるが、コンパクトな内燃機関がエンジンカバー内の狭い空間に収容される船外機においては、油路の簡素化および制御弁のメンテナンス性等が問題となる。
【0005】
本願発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、請求項1ないし請求項4記載の発明は油圧式のバルブ作動特性可変機構により高出力化および低燃費化が可能であり、しかも油路の簡素化および油圧制御弁のメンテナンス向上が可能な船外機を提供することを共通の目的とする。そして、請求項3記載の発明は、さらに、軸受精度の向上およびオイルフィルタのメンテナンス向上を図ることを目的とし、請求項4記載の発明は、さらに、油圧制御弁の組付け性の向上を図ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
請求項1記載の発明は、上下方向を指向したクランク軸と該クランク軸を回転自在に支持する軸受部とを収容するクランク室を有する機関本体であって、該機関本体の取付壁部にてマウントケースに取り付けられた機関本体と、燃焼室に開口する吸気口および排気口をそれぞれ開閉する吸気弁および排気弁と、該吸気弁および該排気弁を開閉作動する動弁機構とを有する内燃機関を備えた船外機において、前記吸気弁および前記排気弁の少なくとも一方は1気筒当たり複数個設けられ、前記動弁機構は、該複数個の吸気弁または排気弁の少なくとも1つの吸気弁または排気弁の作動特性を、機関回転数に応じて変更する油圧式のバルブ作動特性可変機構を有し、該バルブ作動特性可変機構に作動油を供給する作動油路が、前記内燃機関により駆動されるオイルポンプから吐出された潤滑油を前記軸受部および前記動弁機構に供給する潤滑油路から分岐し、シリンダブロックに固定されて前記内燃機関の上壁部の一部を構成すると共に前記クランク室から突出する前記クランク軸が貫通するアッパシールカバーが設けられ、該アッパシールカバーには、作動油の油圧を制御する油圧制御弁が設けられ、該油圧制御弁は、前記潤滑油路から分岐する前記作動油路への作動油の分岐部に設けられることを特徴とする船外機である。
【0007】
この請求項1記載の発明によれば、1気筒に複数設けられた吸気弁または排気弁のうちの少なくとも1つの吸気弁または排気弁は、バルブ作動特性可変機構により、機関回転数に応じてその作動特性が変更されるので、異なる機関回転域において、例えば高出力化および低燃費化の観点から最適な作動特性を設定できる。また、油圧制御弁は、マウントケースへの取付面を有する取付壁部以外の機関本体の壁部としての、シリンダブロックに固定されて内燃機関の上壁部の一部を構成すると共にクランク室から突出するクランク軸が貫通するアッパシールカバーに設けられるため、内燃機関を取り外すことなく油圧制御弁のメンテナンスができ、しかも、アッパシールカバーは上壁部であるため、油圧制御弁のメンテナンスが一層容易になる。
【0008】
さらに、クランク軸の軸受部および動弁機構へ潤滑油を供給する潤滑油路から分岐する作動油路の分岐部であるアッパシ−ルカバーに油圧制御弁が設けられるため、油圧制御弁からの作動油路の長さを短くできる。その結果、オイルポンプから分岐部に至るまで、潤滑用の潤滑油の油路と作動油の油路を共用できる部分が長くなり、潤滑油路および作動油路の配置が簡素化されるうえ、作動油路の形成に伴うコストアップを抑制することができる。また、アッパシ−ルカバーに油圧制御弁を予め取り付けて一体化することにより、それらをユニット化し、機関本体への油圧制御弁の組付け性を向上させることができる。
【0009】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の船外機において、前記機関本体には、前記潤滑油路の一部分を構成する本体油路と該本体油路を流れる潤滑油が流通するオイルフィルタとが設けられ、前記分岐部は前記オイルフィルタの下流の前記潤滑油路に位置するものである。
【0010】
この請求項2記載の発明によれば、作動油は、オイルフィルタにより異物等が取り除かれた清浄な潤滑油であるため、油圧制御弁およびバルブ作動特性可変機構に潤滑油中に混入した異物が侵入することがなく、それらの良好な作動が長期に渡って維持できるので、この点でもメンテナンスが容易になる。
【0011】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の船外機において、前記機関本体は、前記クランク室の一部を形成するシリンダブロックおよびクランクケースを有し、前記軸受部は、前記シリンダブロックとベアリングキャップとにより構成され、前記オイルフィルタは、前記機関本体の前壁部を形成する前記クランクケースに設けられるものである。
【0012】
この請求項3記載の発明によれば、ベアリングキャップを使用しているため、軸受部における潤滑油の漏れ量を正確に設定できることから軸受精度が向上すると共に、軸受部の剛性の確保が容易になる。また、オイルフィルタが、機関本体の前壁部を形成するクランクケースに設けられるため、オイルフィルタが、船外機の前部においてクランクケースの前面に位置することになって、オイルフィルタの脱着作業が容易になり、そのメンテナンスが容易になる。
【0013】
請求項4記載の発明は、請求項3記載の船外機において、前記シリンダブロックはディープスカート部を有し、前記本体油路を構成する油路のうち、前記クランクケースに設けられたケース油路が、前記アッパシールカバーに設けられたカバー油路を介して前記シリンダブロックに設けられたブロック油路と接続されることを特徴とする。
【0014】
この請求項4記載の発明によれば、油圧制御弁を予めカバーに取り付けて一体化することにより、油圧制御弁とカバーとをユニット化することができて、機関本体における油圧制御弁の組付け性が向上する。
【0015】
この明細書において、「前後左右」は、特に断らない限り、船外機が搭載される船体の「前後左右」を意味するものとする。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本願発明の実施例を図1ないし図10を参照して説明する。
図1は、本願発明の実施例である船外機の概略全体図であり、船外機1は、上下方向を指向したクランク軸24(図2参照)を有する内燃機関2を備える。内燃機関2の後述する機関本体3は、マウントケース4に支持され、該マウントケース4の下端部には、オイルパン5と、該オイルパン5を収納するようにされたエクステンションケース6とが結合される。エクステンションケース6の上部にはアンダカバー7が結合され、アンダカバー7の上端部には内燃機関2を覆うエンジンカバー8が結合されて、アンダカバー7およびエンジンカバー8により機関本体3が収納されるエンジンルームが形成される。そして、エクステンションケース6の下端部には、前後進切換装置15を収納するギヤケース9が結合される。
【0017】
また、船外機1のマウントケース4に固定されたスイベル軸(図示されず)がスイベルケース10に左右に回動自在に枢支され、スイベルケース10は、船体11に一体に固定されたスターンブラケット12の上部に固定されたチルト軸13に上下に揺動自在に枢支される。これによって、船外機1は、スイベル軸のまわりに水平方向に回動できるとともに、チルト軸13のまわりに上下方向に傾動できる。
【0018】
さらに、クランク軸24の下端に駆動軸14が一体に結合され、駆動軸14はエクステンションケース6内を下方へ延びてギヤケース9内に達し、駆動軸14の下端はギヤケース9内の前後進切換装置15を介して、プロペラ17が取り付けられたプロペラ軸16に連結される。それゆえ、内燃機関2の動力は、クランク軸24、駆動軸14、前後進切換装置15およびプロペラ軸16を経由してプロペラ17に伝達され、プロペラ17が回転駆動される。
【0019】
図2を参照して、内燃機関2についてさらに説明すると、内燃機関2は、V型6気筒水冷式のSOHC型の4サイクル内燃機関であり、その機関本体3は、クランクケース20と、シリンダブロック21と、各バンクのシリンダヘッド22およびヘッドカバー23と、後述するアッパシールカバー26と、後述するロアシールカバー27とから構成される。そして、これらクランクケース20、シリンダブロック21、シリンダヘッド22およびヘッドカバー23は、船体11の前方から後方に向かって順次組み付けられて一体化されている。なお、機関本体3は、機関本体3の輪郭を形成する壁部を有し、該壁部とは、機関本体3の上端面を形成する上壁部、その下端面を形成する下壁部、および上壁部および下壁部以外の壁部であって前後左右の端面を含む側端面を形成する側壁部を意味する。
【0020】
シリンダブロック21の1対のバンクは、平面視で、後方に向かって開いたV字を形成しており、各バンクは上下方向にクランク軸24に沿って配列された3つの気筒25(シリンダ)から構成される。さらに、シリンダブロック21は、その左右の側壁部が、クランク軸24の回転軸線を超えて前方に延びて、該回転軸線よりもクランクケース20寄りにクランクケース20との合わせ面Sを有するディープスカート部を構成する、いわゆるディープスカート型のシリンダブロックである。そのため、シリンダブロック21の上壁部および下壁部には、クランク軸24が貫通する孔を有するアッパシールカバー26およびロアシールカバー27が、合わせ面Sと同一平面で、シリンダブロック21とクランクケース20とにボルト結合される。それゆえ、クランクケース20は、その上壁部および下壁部で、アッパシールカバー26およびロアシールカバー27にそれぞれボルト結合され、その左右の側壁部でシリンダブロック21にボルト結合されており、これらシリンダブロック21、両シールカバー26,27およびクランクケース20によりクランク室28が形成される。
【0021】
また、各バンクのシリンダヘッド22には、気筒25毎に、該気筒25に摺動自在に嵌合されたピストン29との間に形成される燃焼室30に開口する1対の吸気口31を有する吸気ポートと、該燃焼室30に開口する1対の排気口32を有する排気ポートとが設けられる。そして、シリンダヘッド22の各気筒25に対応する部分には、1対の吸気口31をそれぞれ開閉する1対の吸気弁33と、1対の排気口32をそれぞれ開閉する1対の排気弁34とが設けられ、さらに燃焼室30の中央に臨んで、収容筒35に収容された点火栓36が装着される。
【0022】
ピストン29は、コンロッド37を介してクランク軸24に連結され、クランク軸24が往復動するピストン29により回転駆動される。クランク軸24の4箇所のジャーナル部は、それぞれシリンダブロック21と該シリンダブロック21に取り付けられるベアリングキャップ38とにより、プレーンベアリングを介して支持され、これによってクランク軸24がシリンダブロック21に回転自在に支持される。それゆえ、クランク軸24の軸受部は、シリンダブロック21とベアリングキャップ38とから構成される。さらに、アッパシールカバー26およびロアシールカバー27の各孔を貫通するクランク軸24と両シールカバーとの間の密封をするために、各孔の周壁面にはオイルシール39,40が装着される。
【0023】
クランク室28の一部を形成するアッパシールカバー26から上方に突出するクランク軸24の上端部には、アッパシールカバー26に隣接して第1駆動プーリ41およびその上方に第2駆動プーリ42が結合される。第1駆動プーリ41と、両バンクのシリンダヘッド22にそれぞれ回転自在に支持されて上下方向を指向する1対のカム軸50の上端部にそれぞれ結合された1対の第1従動プーリ43と、アイドラプーリ44とに渡ってタイミングベルト45が巻き掛けられ、両バンクのカム軸50が、クランク軸24の1/2の減速比でタイミングベルト45を介して回転駆動される。一方、第2駆動プーリ42と、交流発電機48の回転軸の上端に結合された第2従動プーリ46とに渡って駆動ベルト47が巻き掛けられ、回転軸がクランク軸24により駆動ベルト47を介して回転駆動される。
【0024】
各バンクにおいて、シリンダヘッド22およびヘッドカバー23により形成される動弁室49内には、上下方向を指向するカム軸50、該カム軸50と平行に配置されたロッカ軸54,55、および該ロッカ軸54,55に揺動自在に支持されてカム軸50に設けられたカム51,52,53により揺動されるロッカアームから構成される動弁機構M1が収納され、さらに動弁機構M1には、機関回転数に応じて1対の吸気弁33の作動特性、この実施例ではリフト量および開弁期間を変更するバルブ作動特性可変機構M2が設けられる。
【0025】
図3〜図5を併せて参照すると、各カム軸50には、気筒25毎に、1対の排気カム51と、両排気カム51の間に位置する1対の低速用吸気カム52と、両低速用吸気カム52の間に位置する1つの高速用吸気カム53とが設けられる。各低速用吸気カム52は、比較的小さい突出量でかつ比較的小さい作動角を有するノーズ部と、ベース円部とから構成される。高速用吸気カム53は、低速用吸気カム52のそれよりも大きい突出量でかつ大きい作動角を有するノーズ部と、ベース円部とから構成される。また、各排気カム51は、所定量の突出量および作動角を有するノーズ部と、ベース円部とから構成される。
【0026】
カム軸50の後方に位置する吸気ロッカ軸54には、両低速用吸気カム52および高速用吸気カム53にそれぞれ対応する位置に、第1,第2吸気ロッカアーム56,57および第3吸気ロッカアーム58が、その中央部においてそれぞれ揺動自在に支持される。そして、第1,第2吸気ロッカアーム56,57の一端部には、弁バネ59によって閉弁方向に付勢される吸気弁33の先端に当接するタペットネジ60がそれぞれ進退自在に設けられ、第1〜第3吸気ロッカアーム56,57,58の他端部には、両低速用吸気カム52および高速用吸気カム53にそれぞれ摺接する第1〜第3ローラ61,62,63が多数のコロ64a,64b,64cを介して支持される。また、第3吸気ロッカアーム58は、バネを有する弾発付勢手段65(図2参照)により、第3ローラ63が高速用吸気カム53に摺接するように付勢されている。
【0027】
図4および図5を参照すると、吸気ロッカ軸54と第1,第2吸気ロッカアーム56,57の前記一端部との間、そして吸気ロッカ軸54と第3吸気ロッカアーム58の一端部との間には、これら三者の連結および連結解除を切換可能とする油圧式の作動部である連結切換機構M3が設けられる。連結切換機構M3は、第1,第3吸気ロッカアーム56,58を連結可能な連結ピストン66と、第2,第3吸気ロッカアーム57,58を連結可能な連結ピン67と、連結ピストン66および連結ピン67の移動を規制する規制部材68と、連結ピストン66、連結ピン67および規制部材68を連結解除側に付勢する戻しバネ69とを備えている。なお、70は、規制部材68の突出位置を規定する止め輪である。
【0028】
連結ピストン66は第1吸気ロッカアーム56に摺動可能に嵌合され、連結ピストン66の一端と第1吸気ロッカアーム56との間に油圧室71が形成され、油圧室71に通じる連通路72が、第1吸気ロッカアーム56に設けられる。さらに、吸気ロッカ軸54の内部には、後述する作動油路に連通する吸気側供給油路96が形成され、吸気側供給油路96は第1吸気ロッカアーム56の揺動状態にかかわらず、連通路72を介して油圧室71に常時連通している。
【0029】
連結ピストン66の他端に一端が当接する連結ピン67は、第3吸気ロッカアーム58に摺動可能に嵌合され、また連結ピン67の他端に当接する有底円筒状の規制部材68は、第2吸気ロッカアーム57に摺動可能に嵌合される。戻しバネ69は、第2ロッカアームと規制部材68との間に、圧縮状態で装着されている。
【0030】
また、連結切換機構M3において、油圧室71の作動油が低油圧になると、連結ピストン66、連結ピン67および規制部材68は戻しバネ69の弾発力で連結解除側に移動し、この状態では連結ピストン66および連結ピン67の当接面は第1,第3吸気ロッカアーム56,58間にあり、連結ピン67および規制部材68の当接面は第2,第3吸気ロッカアーム57,58間にあって、第1〜第3吸気ロッカアーム56,57,58は連結解除状態にある。油圧室71に高油圧の作動油が供給されると、連結ピストン66、連結ピン67および規制部材68は戻しバネ69の弾発力に抗して連結側に移動し、連結ピストン66が第3吸気ロッカアーム58に嵌合し、連結ピン67が第2吸気ロッカアーム57に嵌合して、第1〜第3吸気ロッカアーム56,57,58は一体に連結された連結状態になる。
【0031】
したがって、バルブ作動特性可変機構M2は、両低速用吸気カム52、高速用吸気カム53、第1〜第3吸気ロッカアーム56,57,58および連結切換機構M3から構成される。
【0032】
一方、カム軸50の後方に位置する排気ロッカ軸55には、両排気カム51にそれぞれ対応する位置に、第1,第2排気ロッカアーム73,74が、その中央部においてそれぞれ揺動自在に支持される。そして、第1,第2排気ロッカアーム73,74の一端部には、弁バネ75によって閉弁方向に付勢される排気弁34の先端に当接するタペットネジ76がそれぞれ進退自在に設けられ、第1,第2排気ロッカアーム73,74の他端部には、両排気カム51にそれぞれ摺接する第1,第2ローラ77,78が多数のコロを介して支持される。
【0033】
また、図2を参照すると、一端に1対の吸気口31が設けられた各吸気ポートの他端には、燃料噴射弁が設けられた吸気マニホルドの下流端が接続され、燃焼用の空気が、エンジンカバー8の空気取入口8aからエンジンカバー8内のダクト79、吸気消音器80、スロットルボディ81、吸気共鳴装置82、吸気マニホルドおよび吸気ポートを経由して、各燃焼室30に前記燃料噴射弁から噴射された燃料と共に供給される。
【0034】
一方、一端に1対の排気口32が設けられた各排気ポートの他端には、排気マニホルドの上流端が接続され、各燃焼室30からの燃焼ガスが、排気ポート、排気マニホルド、排気管83、エクステンションケース6およびギヤケース9を経由して排出口から、水中に排出される。
【0035】
クランク室28の一部を形成するロアシールカバー27から下方に突出するクランク軸24の下端部には、フライホイール84がボルト結合され、フライホイール84の下面には、円筒状のスプラインピース85のフランジ部がボルト結合されて、スプラインピース85の内周面に形成されたスプラインに、駆動軸14の上端部がスプライン結合される。フライホイール84は、ロアシールカバー27、シリンダブロック21の下壁部の一部およびクランクケース20の下壁部の一部を上壁とし、オイルポンプ86のポンプボディ86aを下壁として形成されるフライホイール室87に収納される。
【0036】
機関本体3の下端面を形成する下壁部のうち、シリンダブロック21の下壁部およびクランクケース20の下壁部とが、ポンプボディ86aを挟んでマウントケース4に、複数のボルトによりポンプボディ86aと共に結合される。したがって、この実施例では、機関本体3の下壁部が取付壁部となっている。
【0037】
次に、図6〜図10を併せて参照して、内燃機関2の潤滑系統について説明する。図6および図7に図示されるように、フライホイール室87の下方に隣接して配置されるトロコイド型のオイルポンプ86は、ポンプボディ86aと該ポンプボディ86aにネジ止めされるポンプカバー86bと、スプラインピース85に一体に結合されてクランク軸24により駆動されるインナロータ86cと、該インナロータ86cと当接して回転するアウタロータ86dとを備える。両ロータ86c,86dは、該ポンプボディ86aとポンプカバー86bとで形成される空間内に配置されて、両ロータ86c,86d間に複数のポンプ室86eが形成される。
【0038】
ポンプボディ86aには吸入ポート86fおよび吐出ポート86gが形成され、吸入ポート86fには、吸入管88(図2参照)の上端が接続され、吸入管88はオイルパン5内で下方に延びて、その下端にストレーナ89(図10参照)が接続される。吐出ポート86gの流出口86hは、図2または図8に図示されるように、クランクケース20に設けられてその下端面に開口するケース油路90の流入口90aに接続され、該ケース油路90の上端部に位置する流出口90bは、アッパシールカバー26との合わせ面にて開口する。そして、ケース油路90の途中には、機関本体3の前壁部を形成するクランクケース20の前面に設けられた取付座20aに取り付けられたオイルフィルタ91が設けられ、ケース油路90を流れる潤滑油はオイルフィルタ91を流通することにより、潤滑油中に混入している異物が取り除かれて、清浄な潤滑油となる。
【0039】
図9に図示されるように、ケース油路90は、アッパシールカバー26に設けられてクランクケース20との合わせ面にて開口するカバー油路92の流入口92a(図2も参照)に接続され、アッパシールカバー26のシリンダブロック21との合わせ面にて開口するカバー油路92の流出口92bは、シリンダブロック21のV字の谷部を形成する部分、すなわち両バンクの気筒25が交差する部分に設けられてアッパシールカバー26との合わせ面にて開口するブロック油路93(図10参照)の流入口に接続される。
【0040】
図10を参照すると、シリンダブロック21に設けられたこのブロック油路93は、前記流入口を有して上下方向に直線状に延びる主油路93aと、主油路93aから分岐して、クランク軸24の4箇所の軸受部にそれぞれ連通する4つのジャーナル油路93bと、主油路93aの下部から分岐してオリフィス95を経てシリンダヘッド22との合わせ面にて開口し、シリンダヘッド22に設けられてシリンダブロック21との合わせ面にて開口する1対のヘッド油路94にそれぞれ連通する1対の流出油路93cとからなる。そして、クランク軸24の前記軸受部に供給された潤滑油の一部は、クランク軸24の内部に設けられた油孔を経由してクランクピンの外周面から流出して、クランクピンとコンロッド37の大端部との連結部を潤滑する。したがって、ブロック油路93は、クランク軸24の前記軸受部および前記連結部からなるクランク軸24の摺動部に潤滑油を供給する油路である。
【0041】
シリンダヘッド22に設けられた一対のヘッド油路94は、それぞれ、各バンクにおいて吸気ロッカ軸54の内部に設けられた吸気側供給油路96にオリフィス97を経て接続され、また排気ロッカ軸55の内部に設けられた排気側供給油路98に接続される。ヘッド油路94から吸気側供給油路96に供給された潤滑油は、その一部が、後述する油圧制御弁の取付座の入口ポート101と出口ポート102の遮断時に、連結切換機構M3の油圧室71に低油圧の作動油として供給され、その残りが吸気ロッカ軸54と第1〜第3吸気ロッカアーム56,57,58との摺動部に潤滑用として供給される。
【0042】
一方、ヘッド油路94から排気側供給油路98に供給された潤滑油は、その一部が、カム軸50のジャーナル部を回転自在に支持する軸受部に潤滑用として供給され、その残りが、排気ロッカ軸55と第1,第2排気ロッカアーム73,74との摺動部に潤滑用として供給される。それゆえ、1対のヘッド油路94は動弁機構M1に潤滑油を供給する油路であり、吸気側供給油路96は各吸気ロッカアーム56,57,58の摺動部に潤滑油を供給する油路であり、排気側供給油路98は、各排気ロッカアーム73,74の摺動部およびカム軸50の摺動部に潤滑油を供給する油路である。ここで、両オリフィス95,97は、動弁機構M1の潤滑に必要な潤滑油量を規定するためのものである。
【0043】
それゆえ、ケース油路90、カバー油路92、ブロック油路93およびヘッド油路94は、それぞれ、機関本体3を構成するクランクケース20、アッパシールカバー26、シリンダブロック21およびシリンダヘッド22に設けられる油路であることから、本体油路を構成する。そして、この実施例では、本体油路が潤滑油路となっている。なお、クランク軸24の摺動部を潤滑し終えた潤滑油、および動弁機構M1を潤滑し終えた潤滑油は、戻し油路を経由してオイルパン5に落下する。
【0044】
図9および図10を参照すると、機関本体3の上部壁の一部を構成するアッパシールカバー26には、バルブ作動特性可変機構M2の連結切換機構M3に対して作動油を供給する作動油路の一部を構成するカバー作動油路99が設けられる。カバー作動油路99は、アッパシールカバー26に取り付けられる油圧制御弁であるスプール弁100(図9には図示されず)を介してカバー油路92と連通および遮断される。すなわち、アッパシールカバー26の上面に設けられた取付座26aに取り付けられるスプール弁100は、機関回転数に応じて制御装置からの駆動信号に応じて駆動されて、取付座26aに設けられた入口ポート101、出口ポート102およびドレンポート103の連通および遮断を行う。このスプール弁100は、予めアッパシールカバー26に取り付けられて、両者が一体化されてユニット化することが可能であり、このユニット化によりアッパシールカバー26をシリンダブロック21およびクランクケース20に結合することで、カバー油路92がケース油路90およびブロック油路93を接続され、しかもスプール弁100を備えた後述する作動油路が完結する。なお、スプール弁100は、電磁弁により制御されるパイロット油圧で駆動される油圧式のもの、またはリニアソレノイド等の電磁駆動手段で駆動される電磁式のものである。
【0045】
具体的には、アッパシールカバー26のシリンダブロック21との合わせ面にて開口するカバー作動油路99の流出口99aは、シリンダヘッド22に設けられてアッパシールカバー26との合わせ面にて開口するブロック作動油路104の流入口に接続され、図10に図示されるように、ブロック作動油路104は、シリンダブロック21の内部で1対の分岐作動油路105に分岐する。両分岐作動油路105は、シリンダヘッド22との合わせ面にて開口し、シリンダヘッド22に設けられてシリンダブロック21との合わせ面にて開口する1対のヘッド作動油路106にそれぞれ連通し、両ヘッド作動油路106は、オリフィス107を経て両バンクの吸気側供給油路96にそれぞれ接続される。ここで、カバー作動油路99、ブロック作動油路104、1対の分岐作動油路105および1対のヘッド作動油路106は、連結切換機構M3に作動油を供給する作動油路を構成する。
【0046】
そして、機関回転数が所定回転数よりも低い低回転域では、クランク室28内に開放するドレンポート103とカバー作動油路99に連通する出口ポート102とが、スプール弁100のグルーブを介して連通され、カバー油路92に連通する入口ポート101と出口ポート102との連通がスプール弁100のランドにより遮断されて、作動油路の作動油がクランク室28に放出されるため、作動油路の作動油は低油圧となり、したがって連結切換機構M3の油圧室71の作動油も低油圧となるが、ヘッド油路94を経由して供給される潤滑油によりその低油圧に保たれる。また、機関回転数が前記所定回転数以上の高回転域では、入口ポート101と出口ポート102とが、スプール弁100のグルーブを介して連通され、出口ポート102とドレンポート103との連通がスプール弁100のランドにより遮断されて、作動油路にはカバー油路92の潤滑油が供給されて、高油圧の作動油が油圧室71に供給される。なお、オリフィス107は、出口ポート102がドレンポート103と連通したときに、吸気側供給油路96の作動油が必要以上に流出するのを防止するためのものである。
【0047】
したがって、入口ポート101と出口ポート102が連通するとき、カバー油路92の一部の潤滑油が作動油路に流れるため、入口ポート101、出口ポート102およびドレンポート103が設けられた取付座26aが、カバー油路92からカバー作動油路99、すなわち作動油路が分岐する分岐部を構成する。
【0048】
次に、バルブ作動特性可変機構M2の動作について説明する。
内燃機関2が運転されて、機関回転数が低回転域にあるとき、制御装置からの駆動信号によりスプール弁100は出口ポート102とドレンポート103と連通させるため、連結切換機構M3の油圧室71の作動油が低油圧となり、連結切換機構M3の連結ピストン66および規制部材68は戻しバネ69の弾発力で図5に図示される連結解除位置を占める。そのため、第1〜第3吸気ロッカアーム56,57,58は相互に切り離され、1対の吸気弁33は、両低速用吸気カム52にそれぞれ第1,第2ローラ61,62を摺接させた第1,第2吸気ロッカアーム56,57により開閉される。このとき高速用吸気カム53に第3ローラ63を摺接させた第3吸気ロッカアーム58は、吸気弁33の作動には無関係に空動する。このとき、1対の排気弁34は、両排気カム51にそれぞれ第1,第2ローラ77,78を摺接させた第1,第2排気ロッカアーム73,74により開閉される。それゆえ、内燃機関2の低回転域では、1対の吸気弁33は、低回転域に適した小リフト量および小開弁期間で開弁されて、高い体積効率が得られるため、低回転域で高出力を得ることができる。
【0049】
機関回転数が高回転域に移行すると、制御装置からの駆動信号によりスプール弁100は出口ポート102と入口ポート101とを連通させるため、連結切換機構M3の油圧室71の作動油が高油圧となり、連結ピストン66、連結ピン67および規制部材68は戻しバネ69の弾発力に抗して連結位置に移動し、第1〜第3吸気ロッカアーム56,57,58が一体的に連結されるため、高速用吸気カム53に第3ローラ63を摺接させた第3吸気ロッカアーム58の揺動が、それと一体に連結された第1,第2吸気ロッカアーム56,57に伝達されて、1対の吸気弁33が開閉される。このとき、両低速用吸気カム52のノーズ部は、それぞれ第1,第2吸気ロッカアーム56,57の第1,第2ローラ61,62から離れて空動する。このとき、1対の排気弁34は、低回転域のときと同様に、両排気カム51の作動特性により開閉される。それゆえ、内燃機関2の高回転域では、1対の吸気弁33は、高回転域に適した大リフト量および大開弁期間で開弁されて、高い体積効率が得られるため、高回転域で高出力を得ることができる。
【0050】
一方、潤滑系統についてみると、内燃機関2が運転されてクランク軸24によりオイルポンプ86が駆動されると、オイルパン5から吸入管88および吸入ポート86fを介してポンプ室86eに吸入されて、吐出ポート86gから吐出された潤滑油は、図10に図示されるように、ケース油路90に圧送され、オイルフィルタ91を通って清浄な潤滑油とされた後、カバー油路92を経由してブロック油路93に流入する。ブロック油路93の潤滑油は、ジャーナル油路93bからクランク軸24の軸受部に供給されて、該軸受部を潤滑する。そして、クランク軸24の軸受部に供給された潤滑油の一部はクランクピンとコンロッド37の大端部との連結部を潤滑する。
【0051】
また、ブロック油路93からヘッド油路94に送られた潤滑油の一部は、吸気側供給油路96に流入して、吸気側供給油路96から各吸気ロッカアーム56,57,58の吸気ロッカ軸54との摺動部に供給されて、該摺動部を潤滑すると共に、吸気側供給油路96に流入した潤滑油の一部が連結切換機構M3の油圧室71に流入して、低回転域で油圧室71を低油圧の潤滑油で満たす。同様に、該ヘッド油路94に送られた潤滑油の残りは、排気側供給油路98に流入して、その一部がカム軸50の軸受部に供給されて、該軸受部を潤滑し、その残りは、排気側供給油路98から各排気ロッカアーム73,74の排気ロッカ軸55との摺動部に供給されて、該摺動部を潤滑する。
【0052】
次に、前述のように構成された実施例の作用および効果について説明する。
各気筒25の1対の吸気弁33は、バルブ作動特性可変機構M2により、低回転域では小リフト量および小開弁期間で開弁され、高回転域では大リフト量および大開弁期間で開弁されるように、機関回転数に応じてその作動特性が変更されるので、異なる機関回転域において、それぞれ出力が向上し、したがって燃費を改善することができる。また、スプール弁100は、マウントケース4へ取り付けられる下壁部以外の機関本体3の上壁部であるアッパシールカバー26に設けられるため、内燃機関2を取り外すことなくスプール弁100のメンテナンスができ、しかも、上壁部であるため、スプール弁100のメンテナンスが一層容易になる。
【0053】
さらに、クランク軸24の軸受部および動弁機構M1へ潤滑油を供給する潤滑油路から分岐する作動油路の分岐部に、スプール弁100が設けられるため、スプール弁100からのカバー作動油路99、ブロック作動油路104、1対の分岐作動油路105および1対のヘッド作動油路106から構成される作動油路の長さを短くできる。その結果、オイルポンプ86から分岐部に至るまで、潤滑用の潤滑油の油路と作動油の油路を共用できる部分が長くなり、ケース油路90、カバー油路92、ブロック油路93およびヘッド油路94から構成される潤滑油路および作動油路の配置が簡素化されるうえ、作動油路の形成に伴うコストアップを抑制することができる。
【0054】
作動油路を流れる作動油は、オイルフィルタ91が設けられたケース油路90よりも下流に位置するカバー油路92から分岐部において分岐した油路の潤滑油であるので、オイルフィルタ91により異物等が取り除かれた清浄な潤滑油となっている。その結果、スプール弁100およびバルブ作動特性可変機構M2に潤滑油中に混入した異物が侵入することがなく、それらの良好な作動が長期に渡って維持でき、この点でもメンテナンスが容易になる。
【0055】
オイルフィルタ91は、機関本体3の前壁部を形成するクランクケース20の前面に取り付けられるため、オイルフィルタ91が、船外機1の前部においてクランクケース20の前面に位置することになって、オイルフィルタ91の脱着作業が容易になり、そのメンテナンスが容易になる。
【0056】
ベアリングキャップ38を使用しているため、軸受部における潤滑油の漏れ量を正確に設定できることから軸受精度が向上すると共に、軸受部の剛性の確保が容易になる。
【0057】
分岐部が設けられるアッパシールカバー26の取付座26aにスプール弁100を予めカバーに取り付けて一体化することにより、スプール弁100とアッパシールカバー26とをユニット化することができて、機関本体3におけるスプール弁100の組付け性が向上する。
【0058】
さらに、クランク軸24の上端部が貫通する孔を有するアッパシールカバー26にドレンポート103が設けられるため、出口ポート102とドレンポート103とがスプール弁100により連通されたとき、作動油路の作動油が、ドレンポート103からクランク室28に放出されて、クランク室28に収容されたクランク軸24の摺動部やピストン29の摺動部等に潤滑油として供給できる。
【0059】
以下、前述した実施例の一部の構成を変更した実施例について、変更した構成に関して説明する。
前記実施例では、バルブ作動特性可変機構M2は、低回転域で1対の吸気弁33を開閉作動させるものであったが、低回転域で、1対の吸気弁33の一方を開閉作動させ、他方を休止させて閉弁状態に保つバルブ作動特性可変機構であってもよく、これによって、低回転域で燃焼室30内にスワールを生じさせて、燃焼性を向上させることができる。また、バルブ作動特性可変機構M2は吸気弁33のみに設けられたが、バルブ作動特性可変機構M2は、吸気弁33および排気弁34に設けられてもよく、また排気弁34のみに設けられてもよい。
【0060】
前記実施例では、潤滑油路は、機関本体3に設けられる本体油路からなるものであったが、機関本体3以外の部材、例えばマウントケース4に、潤滑油路の一部を設けることもできる。また、内燃機関2はV型気筒機関であったが、直列気筒の内燃機関であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の実施例である船外機の概略全体図である。
【図2】図1の船外機の、概ねクランク軸の回転軸線と右側のバンクの気筒の中心線とを含む鉛直平面での要部断面図である。
【図3】ヘッドカバーを外したときのシリンダヘッドの要部後面図である。
【図4】吸気ロッカアームの、図3のIV矢視図である。
【図5】図4のV−V線断面図である。
【図6】オイルポンプの下面図である。
【図7】図6のVII−VII線断面図である。
【図8】クランクケースの前面図である。
【図9】アッパシールカバーの上面図である。
【図10】潤滑油および作動油の油路の説明図である。
【符号の説明】
1…船外機、2…内燃機関、3…機関本体、4…マウントケース、5…オイルパン、6…エクステンションケース、7…アンダカバー、8…エンジンカバー、9…ギヤケース、10…スイベルケース、11…船体、12…スターンブラケット、13…チルト軸、14…駆動軸、15…前後進切換装置、16…プロペラ軸、17…プロペラ、
20…クランクケース、21…シリンダブロック、22…シリンダヘッド、23…ヘッドカバー、24…クランク軸、25…気筒、26…アッパシールカバー、26a…取付座、27…ロアシールカバー、28…クランク室、29…ピストン、30…燃焼室、31…吸気口、32…排気口、33…吸気弁、34…排気弁、35…収容筒、36…点火栓、37…コンロッド、38…ベアリングキャップ、39,40…オイルシール、41,42…駆動プーリ、43…従動プーリ、44…アイドラプーリ、45…タイミングベルト、46…従動プーリ、47…駆動ベルト、48…交流発電機、50…カム軸、51…排気カム、52…低速用吸気カム、53…高速用吸気カム、54…吸気ロッカ軸、55…排気ロッカ軸、56,57,58…吸気ロッカアーム、59…弁バネ、60…タペットネジ、61,62,63…ローラ、64a,64b,64c…コロ、65…弾発付勢手段、66…連結ピストン、67…連結ピン、68…規制部材、69…戻しバネ、70…止め輪、71…油圧室、72…連通路、73,74…排気ロッカアーム、75…弁バネ、76…タペットネジ、77,78…ローラ、79…ダクト、80…吸気消音器、81…スロットルボディ、82…吸気共鳴装置、83…排気管、84…フライホイール、85…スプラインピース、86…オイルポンプ、87…フライホイール室、88…吸入管、89…ストレーナ、90…ケース油路、91…オイルフィルタ、92…カバー油路、93…ブロック油路、94…ヘッド油路、95…オリフィス、96…吸気側供給油路、97…オリフィス、98…排気側供給油路、99…カバー作動油路、100…スプール弁、101…入口ポート、102…出口ポート、103…ドレンポート、104…ブロック作動油路、105…分岐作動油路、106…ヘッド作動油路、107…オリフィス、
S…合わせ面、M1…動弁機構、M2…バルブ作動特性可変機構、M3…連結切換機構。
Claims (4)
- 上下方向を指向したクランク軸と該クランク軸を回転自在に支持する軸受部とを収容するクランク室を有する機関本体であって、該機関本体の取付壁部にてマウントケースに取り付けられた機関本体と、燃焼室に開口する吸気口および排気口をそれぞれ開閉する吸気弁および排気弁と、該吸気弁および該排気弁を開閉作動する動弁機構とを有する内燃機関を備えた船外機において、
前記吸気弁および前記排気弁の少なくとも一方は1気筒当たり複数個設けられ、前記動弁機構は、該複数個の吸気弁または排気弁の少なくとも1つの吸気弁または排気弁の作動特性を、機関回転数に応じて変更する油圧式のバルブ作動特性可変機構を有し、
該バルブ作動特性可変機構に作動油を供給する作動油路が、前記内燃機関により駆動されるオイルポンプから吐出された潤滑油を前記軸受部および前記動弁機構に供給する潤滑油路から分岐し、
シリンダブロックに固定されて前記内燃機関の上壁部の一部を構成すると共に前記クランク室から突出する前記クランク軸が貫通するアッパシールカバーが設けられ、
該アッパシールカバーには、作動油の油圧を制御する油圧制御弁が設けられ、
該油圧制御弁は、前記潤滑油路から分岐する前記作動油路への作動油の分岐部に設けられることを特徴とする船外機。 - 前記機関本体は、前記潤滑油路の一部分を構成する本体油路と該本体油路を流れる潤滑油が流通するオイルフィルタとが設けられ、前記分岐部は前記オイルフィルタの下流の前記潤滑油路に位置することを特徴とする請求項1記載の船外機。
- 前記機関本体は、前記クランク室の一部を形成するシリンダブロックおよびクランクケースを有し、前記軸受部は、前記シリンダブロックとベアリングキャップとにより構成され、前記オイルフィルタは、前記機関本体の前壁部を形成する前記クランクケースに設けられることを特徴とする請求項2記載の船外機。
- 前記シリンダブロックはディープスカート部を有し、前記本体油路を構成する油路のうち、前記クランクケースに設けられたケース油路が、前記アッパシールカバーに設けられたカバー油路を介して前記シリンダブロックに設けられたブロック油路と接続されることを特徴とする請求項3記載の船外機。」
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