JP4412768B2 - Strip scraper device - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば抄紙機のドライヤパートに用いられるカンバス等の様に、ループ状の経路を循環して走行する無端帯状体の表面に付着する紙粉等の付着物を、運転中に連続的に除去する帯状体のスクレーパ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図7は抄紙機のドライヤパート40の一般的な構成を示している。
【0003】
同図7において、ドライヤパート40は上、下2段に分かれて紙の進行方向に多数配設されたドライヤ41の群で構成されており、抄紙機の運転速度や生産される紙種により、ドライヤ41の本数が決められる。また、最近の高速抄紙機においては数群のドライヤパートにより成っている。
【0004】
ドライヤ41は生産される紙巾に応じた長さの円筒状部材で構成され、その内部は加圧蒸気等により加熱されているため、ドライヤ41の表面は均一で適当な高温に保たれている。
【0005】
上段および下段の各ドライヤ41には、各々の群毎に適当に配置された多数のガイドロール42a、42bを介して、無端帯状体のカンバス43が一定の張力を保って、ドライヤ41の回転周速と同速度で循環走行している。
【0006】
一方、図中に破線で示すように、連続して走行する紙44が図示省略の前工程で連続的に紙層形成された後プレスパートで機械的に脱水され、図示のドライヤパート40に導入される。
【0007】
ドライヤパート40に導入された紙44は、各ドライヤ41の表面と接触し、その上方をカンバス43で覆われて押圧力を受け、ドライヤ41の回転周速と同速度で順次各ドライヤ41を経由して走行しながら乾燥される。
【0008】
ドライヤパート40で十分に乾燥された紙44はカレンダ45において、紙44表面の平滑化および艶出しを行い、ワインダ46でロール紙50として規定量巻き取られ、次工程に向けて搬出される。
【0009】
前記一連の工程中、図示のドライヤパート40において、カンバス43は乾燥過程の紙44と強い押圧力を保って接触しながら走行するので、紙44の表面から剥離する製紙原料中に混入していたピッチやタール、又は乾燥過程の紙44の表面から生じる紙粉等(以下、付着物と総称する)が付着することが避けられず、しかも、カンバス43は循環走行しているので、付着物の量が時間の経過とともに増大し、カンバス43の表面上に堆積することになる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
前記した様にドライヤパート40においてカンバス43に堆積した付着物は、時として乾燥途上の紙44に付着して紙44の品質を悪くしたり、紙切れの原因になるなど多大な悪影響を及ぼすこととなる。
【0011】
したがって、カンバス43を連続して使用するためには、運転中に紙44に接する面から周期的に付着物を除去するか、または、付着させない対策が必要であり、このために従来用いられている付着物の付着防止方法の一つとして、運転中のカンバス43の表面に、例えば、シリコンベース等の液体状の剥離剤を噴霧して、乾燥過程の紙44の表面からカンバス43表面への付着物の転移、付着を界面化学的に困難にするものがある。
【0012】
しかしながらこの方法では、前記シリコンベース等の剥離剤は薬品コストが高く、また、付着物の強力な付着力が勝ることがしばしばあり、その効果は不十分であった。
【0013】
また、他の方法として、例えば図7のPの位置において、図8、図9に示すようにカンバス43の走行する方向に直角に桁47を設け、この桁47に適当な間隔で柔軟な紐状のロープ48を取り付け、同ロープ48に金網スクレーパ49を接続してその自由端がカンバス43の走行方向に沿ってはためく様にしたものがある。
【0014】
ここで金網スクレーパ49は金属製で可撓性のある金網状のものであり、これを走行するカンバス43の表面に接触させ、自重による押圧力を与えることによりカンバス43の表面に付着する付着物を掻き取り、金網スクレーパ49の網目に捕捉するものである。
【0015】
しかしながらこの形式のものでは、金網スクレーパ49の網目に略所定量の付着物が捕捉されると抄紙機の運転を停止し、金網スクレーパ49を取り外して清掃を行った後に再度取付ける操作が必要であり、これに多大の時間と労力を要し、また、使用後の金網スクレーパ49には付着物が強固に付着、堆積しており、これのクリーニングにも多くの労力を要することとなるので、これらの作業が抄紙機の稼働率低下を招くことになる。
【0016】
さらに、この金網スクレーパ49は、これを図7に示すような機械配列に組み込む場合においては、下段ドライヤ41群に対応するカンバス43に対しては上向きの配列となるために設置できないという欠点がある。
【0017】
本発明は、以上のような従来例における不具合を解消し、カンバス等の様に循環して走行する無端帯状体に付着する付着物を、運転中に自動的に、そして確実、かつ効果的に除去する様にした帯状体のスクレーパ装置を提供することを課題とするものである。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明は前記した課題を解決すべくなされたもので、その第1の手段として、抄紙機のドライヤパートに用いられるカンバス等の様に循環走行する帯状体の表面に付着する付着物を除去する帯状体のスクレーパ装置において、帯状体の走行方向に対して直行方向に延ばしてレールを配置し、同レールに案内されて帯状体の全巾を横切って往復走行する走行部と、同走行部に設けられ帯状体表面と接触係合するブレードを含むスクレーパ装置を設け、前記ブレードは、カンバスとの接触面を走行部の走行方向に曲がる曲面で形成した帯状体のスクレーパ装置を提供するものである。
【0019】
すなわち、本発明の第1の手段によれば、帯状体表面と接触係合するブレードを設けた走行部等よりなるスクレーパ装置を、同帯状体の走行方向に直行して延ばしたレールで案内して往復走行させることにより、スクレーパ装置のブレードと帯状体表面を接触係合させ、同帯状体表面に付着堆積した付着物を適切、かつ効果的に掻き取り除去し、しかも前記帯状体表面と接触係合するブレードは、その接触面を、帯状体を横切って往復走行する走行部の走行方向に曲がる曲面で形成しているので、ブレードと帯状体との間に不必要な引掛かりなどなく、相互の移動はスムーズに行われ、所期の付着物掻き取りは適切に行われ、また、ブレードの裏側等に付着物が堆積する様なこともなく円滑に機能し、これらが相俟って操業の効率向上を図るようにしたものである。
【0020】
また、本発明は第2の手段として、前記第1の手段において、前記走行部は、ブレードの押し付け力を設定する手段と、ブレードを付勢するばねの張力を加減する調整手段を設けた帯状体のスクレーパ装置を提供するものである。
【0021】
すなわち、本発明の第2の手段によれば、前記帯状体表面と接触係合するブレードは、この接触係合のためのブレードの押し付け力を設定する手段、およびブレードを付勢するばね張力の調整手段と共働して、適切なブレード押し付け力の設定と共に、条件変化等に即応して付勢力の調整を容易になし得、操業の効率向上を図るようにしたものである。
【0022】
また、本発明は第3の手段として、前記第1又は第2の手段において、前記走行部は、帯状体の走行方向に対して可逆回転自在にブレードを枢支した枢支機構と、同走行方向に対する逆方向への回転力を付勢する調整ばねを設けた帯状体のスクレーパ装置を提供するものである。
【0023】
すなわち、本発明の第3の手段によれば、前記帯状体表面と接触係合するブレードは、更に枢支機構により帯状体の走行方向に対して可逆回転自在に枢支され、かつ同帯状体の走行方向と逆方向への回転力を調整ばねにより付勢されているので、同枢支機構と調整ばねとの共働により、帯状体の走行方向と逆方向へ付勢と回転で帯状体と接触係合を維持されたブレードが、同帯状体とブレードとの係合接触面に異物混入等により異常な負荷がかかると、調整ばねの付勢力が負けて帯状体の走行と同方向へ逃がすことが出来るので、この種の異常事態に適切な対応となり、ブレード等を含むスクレーパ装置の致命的な破損に至ることなく、操業の効率向上を図るようにしたものである。
【0026】
更にまた、本発明は第4の手段として、前記第1、第2又は第3の何れかの手段において、前記ブレードの設置位置の下流側直近位置に、同ブレードで帯状体から掻き取られた付着物を収容するセーブオールを設けた帯状体のスクレーパ装置を提供するものである。
【0027】
すなわち、本発明の第4の手段によれば、前記帯状体表面と接触係合するブレードによって帯状体から掻き取られた付着物は、同ブレードの設置位置の下流側直近位置にセーブオールを設けているので、同セーブオールに的確に補足され、飛散、分散することなく機能して、操業の効率向上を図るようにしたものである。
【0028】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の一形態を図1乃至図6に基づいて説明する。
図1は本実施の形態に係るスクレーパ装置の平面を、図2は図1の正面を、図3は図1のA−A断面を、図4は図3の要部に当たるブレードユニットの断面詳細を、図5は図4に示したブレードユニットの正面詳細を、また、図6はブレードの詳細を示している。
【0029】
本実施の形態に係るスクレーパ装置は、例えば前記した図7に示すドライヤパート40のB部のような位置、即ち、循環走行するカンバス43の比較的平坦な場所に設置し、且つ、その下流に付着物の捕集器のセーブオール等を設置する空間が確保される場所に設置されている。
【0030】
抄紙機のドライヤパート40を循環走行するカンバス43を挟んで、その両側に並行して設けられたフレーム1a、1b間に取り付けられた梁2の上、下面にレール3a、3bが固定されている。
【0031】
5は走行部の基本部分を構成する固定板で、その四隅に車軸を介して車輪4を配置し、同車輪4のうち上方の一対をレール3aに、下方の一対をレール3bに係合案内され、同レール3a、3bに沿って移動する様になっている。
【0032】
固定板5の左右にはガイド6が固定されており、これに移動板7が摺動可能に緩嵌され、移動板7には左右一対の案内軸8a、8bが、その上端と下端を固定されている。
【0033】
移動板7の上端中央部には、ねじ軸9が回転自在に固定されており、同ねじ軸9は固定板5に固定された座10とねじによって噛合している。
そして、ねじ軸9の最上端に取り付けられたハンドル11を左右に回転させることにより、移動板7が左右のガイド6にガイドされて、上下に移動し、後述のブレード35をカンバス43に押し付ける力を設定する手段を構成している。
【0034】
また、移動板7に固定された案内軸8a、8bには、スライドベアリング39を介して、摺動可能にスライドフレーム12が取付けられており、同スライドフレーム12の中央前方には後述のアーム33、ブレードホルダ34、ブレード35、調整ばね37等でなるブレードユニット13がピン24によって回転可能に連結されている。
【0035】
また、移動板7に固定されたブラケット14には、一対の調整ねじ15が配設されており、同ブラケット14、調整ねじ15等により調整ねじ15の下端とスライドフレーム12の間に取り付けられた一対のばね16の張力を加減する調整手段を構成している。
【0036】
したがって、ブレードユニット13はスライドフレーム12を介して、その張力を加減されるばね16によって支持されることになる。
【0037】
また、スライドフレーム12の最下面中央部には、車輪4と同方向にカムフォロア26が、ブラケット27に回転自在に取付けられており、フレーム1a、1bの内側には、各々外側に向うほどその高さが高くなったカム28a、28bが取付けられている。
【0038】
前記固定板5、これに設置された左右のガイド6、移動板7を始めブレードユニット13等を含めて総称されるスクレーパ装置30が走行部を構成して左右のカンバス43の側端に向って移動すると、カムフォロア26がカム28a、28bの真上に位置するように配列され設定されており、ブレードユニット13がカンバス43の側端に至ると、カム28a、28bによりカムフォロア26を介してブレードユニット13を上方に持上げる構成になっている。
【0039】
固定板5の上下方向の略中央部において、同固定板5の左右に固定されたフック17には各々チェーン18が固定されており、チェーン18は両側のフレーム1a、1b上に配設された、スプロケット19a、19bとループ状に噛合している。
【0040】
一方のスプロケット19aは駆動装置25の駆動軸に固定されており、他方のスプロケット19bは、フレーム1bに固定されているブラケット20に設けられたスライド軸受21に回転自在に取り付けられている。そして調整ねじ22によってスライド軸受21を前後に移動させ、チェーン18の張力を調整することができる。
【0041】
梁2に固定された支柱の先端にはオーバラン検出スイッチ31および待機位置検出スイッチ32a、32bが設置されており、この両スイッチに反応すべく固定板5の上端中央部には検出端子29が固定してある。
【0042】
カンバス43の下流側には、スクレーパ装置30の設置位置から適当な間隔をおいて、しかし、出来るだけ接近したいわゆる直近位置にセーブオール23が配置され、同セーブオール23はフレーム1a、1bに固定されている。
【0043】
なお、前記ブレードユニット13を構成する細部構造について、特に図4、図5を用いて説明すると、これらの図に示す様に、アーム33はカンバス43の走行方向に対して可逆的に回転自在となる様にピン24によってスライドフレーム12に取付けられている。
【0044】
また、アーム33の下端には、ブレードホルダ34が固定され、さらにブレードホルダ34には、前記カンバス43の巾方向に接触面を延ばし同カンバス43の表面と接触係合するブレード35がボルトによって固定されている。
【0045】
アーム33の上端には、調整ボルト36が設けられており、調整ボルト36の先端とスライドフレーム12の下端間に取付けられた調整ばね37のばね張力を調整可能に構成されている。
【0046】
すなわち、調整ボルト36によって調整ばね37に張力を与えると、アーム33はピン24を中心に図で時計方向、すなわちカンバス43の走行に抗する方向へ回転をするので、スライドフレーム12に固定されたストッパ38によって、アーム33を下端背面から支持して位置決めをする構成となっている。
【0047】
なお、図6にはブレード35の詳細をその正面と断面で示すが、同ブレード35はカンバス43との接触面をスクレーパ装置30がレール3a、3bに沿って移動する方向に、適当な大きさの曲率をもった曲面形状になっている。
【0048】
前記の様に構成された本実施の形態における作用等の詳細について説明すると、まずスクレーパ装置30は、運転前には常に駆動装置25側に待機しているように設定されている。
【0049】
スクレーパ装置30を運転するために、先ず、図示省略のコントローラにおいて、運転速度(スクレーパ装置30がカンバス43を横断して走行する速度)および待機時間(スクレーパ装置30が1往復して、次に1往復するまでの時間)を設定する。
【0050】
次いで、スタートスイッチを“ON”にするとスクレーパ装置30は所定の運転速度で走行するカンバス43の表面の付着物を掻き取りながら、フレーム1b側に移動する。
【0051】
スクレーパ装置30がカンバス43の側端まで移動すると、その下端に設けられているカムフォロア26がカム28bに接触し、次いで、カム28bがカムフォロア26を介してスライドフレーム12を上に押し上げ、ブレード35がカンバス43の表面より高い位置になる。
【0052】
そして、待機位置検出スイッチ32bが作用して駆動装置25が逆転を始め、スクレーパ装置30はスタート位置に向け移動を始める。
【0053】
このとき、カンバス43の側端でカムフォロア26がカム28bから外れ、ブレード35の先端がカンバス43表面に所定の押圧力で接触し、付着物を掻き取りながら移動し、スタート位置に達すると待機位置検出スイッチ32aが作用して停止する。その後、先に設定した待機時間だけ休止し、同待機時間の経過後再び同様の運転を自動的に行うことになる。
【0054】
なお、前記カムフォロア26とカム28a、28bとんお接触に際しては、スライドフレーム12と案内軸8a、8bの摺動面にはスライドベアリング39を挿入してあるため、このスライドベアリング39が機能してスムースな作動を可能にしている。
【0055】
また、各待機位置検出スイッチ32a、32bの外側に設けてあるオーバラン検出スイッチ31は安全の為のスイッチであり、もしも、待機位置検出スイッチが機能しなかったとき、このオーバラン検出スイッチ31の作用で停止する。
【0056】
次にブレード35のカンバス43上への押付け力の調整について説明すると、まず、図3に示すハンドル11を右または左に廻し、ブレード35の先端がカンバス43の表面に接した状態で図4に示すように下端と移動板7のスライドフレーム12の間隙(C)が基準値(通常15mm程度)になるように設定する。
【0057】
通常はこの状態でばね16に適度な張力が作用し、ブレード35の先端がカンバス43に適当な押圧力を保って接触するように設定されているが、状況により押付力を上げたい場合は間隙(C)が大きくなる方向にハンドル11を操作し、逆に押付け力を弱くしたい場合には間隙(C)が小さくなるようにハンドル11を操作する。
【0058】
なお、更にハンドル操作の範囲を越えて、押付け力を変えたい場合には、調整ねじ15を調整して、ばね16の張力を加減して押付け力を変更することができる。
【0059】
すなわち、ブレード35の先端はカンバス43の表面に対し常にばね16を介して接しており、高速で走行するカンバス43の凹凸や振動に対しスムーズに対応して、常に一定の押圧力で付着物を掻き取ることができる。
【0060】
また、図4に示す様に、ブレード35の先端部には走行するカンバス43からの摩擦力によってカンバス43の走行方向に回転力が作用するため、これに打ち勝つ反力を、調整ボルト36で調整ばね37の張力を調整して得ている。
【0061】
いま、カンバス43とブレード35の接触係合部に大きめな異物が混入すること等により、ブレード35の先端部に異常な力が負荷されたときには、アーム33は図中に曲線矢印で示す方向である反時計方向に回転しようとし、これに伴い調整ばね37は伸び、復元力が作用する。
【0062】
しかしながら、この異常な負荷が大きく、より回転力が大きい場合には、調整ばね37は徐々に伸び、最大伸張点、即ち、調整ばね37の上端支持点が下端支持点とピン24のセンターを結ぶ線を越えると調整ばね37のばね長さは逆に短くなり、アーム33の回転を助長する方向に作用する。
【0063】
すなわち、カンバス43からの一定値以上の異常な作用力に対しては、ブレード35が自動的に跳ね上がり、アーム33は図4の一点鎖線で示す位置まで、回転して停止し、カンバス43やその他の装置を破損に至らしめることはない。
【0064】
なお、ブレード35は図6に示すように、同ブレード35がカンバス43に接し、レール3a、3b沿って移動する方向に曲率を設けているため、引掛かりなどがなく、スムースに移動することができる。
【0065】
しかも、この曲率を設けた結果、ブレード35とカンバス43の密着状の接触部が短くなり、カンバス43の表面から剥離された付着物はブレード35の接触部の両側からカンバス43の走行に伴って下流側にスムーズに流れ、その下流直近位置に配置したセーブオール23内に捕捉される。
【0066】
即ち、ブレード35の先端に適当な曲率を保つことにより、ブレード35の裏側に付着物が堆積することがなく、同付着物は容易、確実に下流側で補集し処理することができる。
【0067】
なお、本装置は上段のカンバス43に対してのみならず、下段のカンバス43に対しても、ばね16を圧縮ばねに変更するなど、少しの仕様変更で設置することができ、その場合は、通常セーブオール23は不要となる。
【0068】
以上、本発明を図示の実施の形態について説明したが、本発明はかかる実施の形態に限定されず、本発明の範囲内でその具体的構造に種々の変更を加えてよいことはいうまでもない。
【0069】
【発明の効果】
以上、請求項1に記載の発明によれば、抄紙機のドライヤパートに用いられるカンバス等の様に循環走行する帯状体の表面に付着する付着物を除去する帯状体のスクレーパ装置において、帯状体の走行方向に対して直行方向に延ばしてレールを配置し、同レールに案内されて帯状体の全巾を横切って往復走行する走行部と、同走行部に設けられ帯状体表面と接触係合するブレードを含むスクレーパ装置を設け、前記ブレードは、カンバスとの接触面を走行部の走行方向に曲がる曲面で形成して前記帯状体のスクレーパ装置を構成しているので、帯状体表面と接触係合するブレードを設けた走行部等よりなるスクレーパ装置を、同帯状体の走行方向に直行して延ばしたレールで案内して往復走行させることにより、スクレーパ装置のブレードは、帯状体表面に付着堆積した付着物を適切、かつ効果的に掻き取り除去し、また、前記ブレードは、カンバスとの接触面を走行部の走行方向に曲がる曲面で形成して帯状体のスクレーパ装置を構成しているので、前記帯状体表面と接触係合するブレードは、ブレードと帯状体との間に不必要な引掛かりなどなく、相互の接触移動はスムーズに行われて所期の付着物掻き取りは適切に行われ、また、ブレードの裏側等に付着物が堆積する様なこともなく円滑に機能し、これらが相俟って操業の効率を向上する好適な帯状体のスクレーパ装置を得ることが出来たものである。
【0070】
また、請求項2に記載の発明によれば、前記請求項1の発明において、前記走行部は、ブレードの押し付け力を設定する手段と、ブレードを付勢するばねの張力を加減する調整手段を設けて帯状体のスクレーパ装置を構成しているので、前記帯状体表面と接触係合するブレードは、この接触係合のためのブレードの押し付け力を設定する手段、およびブレードを付勢するばね張力の調整手段が共働して、適切なブレード押し付け力の設定を行い得ると共に、操業条件変化等に即応して付勢力の調整を容易になし得、操業の効率を向上する好適な帯状体のスクレーパ装置を得ることが出来たものである。
【0071】
また、請求項3に記載の発明によれば、前記請求項1又は2に記載の発明において、前記走行部は、カンバスの走行方向に対して可逆回転自在にブレードを枢支した枢支機構と、同走行方向に対する逆方向への回転力を付勢する調整ばねを設けて帯状体のスクレーパ装置を構成しているので、前記帯状体表面と接触係合するブレードは、枢支機構により帯状体の走行方向に対して可逆回転自在に枢支されると共に同帯状体の走行方向に抗する回転力を調整ばねにより付勢され、これにより帯状体と接触係合を維持されたブレードは、同帯状体とブレードとの係合接触面に異物混入等により異常な負荷がかかった場合には、調整ばねの付勢力に勝って帯状体の走行と同方向へ回転して逃がすことが出来るので、この種の異常事態に適切な対応となり、ブレード等を含むスクレーパ装置の致命的な破損に至ることなく、操業の効率を向上する好適な帯状体のスクレーパ装置を得ることが出来たものである。
【0073】
更にまた、請求項4に記載の発明によれば、前記請求項1、2又は3の何れかに記載の発明において、前記ブレードの設置位置の下流側直近位置に、同ブレードでカンバスから掻き取られた付着物を収容するセーブオールを設けて帯状体のスクレーパ装置を構成しているので、前記帯状体表面と接触係合するブレードによって帯状体から掻き取られた付着物は、同ブレードの設置位置の下流側直近位置に設けたセーブオールに的確に補足され、飛散、分散する心配もなく、操業の効率を向上する好適な帯状体のスクレーパ装置を得ることが出来たものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態に係る帯状体のスクレーパ装置の平面図である。
【図2】図1の正面図である。
【図3】図1のA−A断面図である。
【図4】図3の9要部を部分的に抜粋した拡大図である。
【図5】図4の正面図である。
【図6】図4、図5中の一部であるブレードを抜粋して詳細に示し、(a)は正面図、(b)は(a)のB−B断面図である。
【図7】抄紙機のドライヤパートの一般的な構成を示す説明図である。
【図8】従来の付着物除去手段の一例を示す平面図である。
【図9】図8のC−C断面図である。
【符号の説明】
1a、1b フレーム
2 梁
3a、3b レール
4 車輪
5 固定板
6 ガイド
7 移動板
8a、8b 案内軸
9 ねじ軸
10 座
11 ハンドル
12 スライドフレーム
13 ブレードユニット
14 ブラケット
15 調整ねじ
16 ばね
17 フック
18 チェーン
19a、19b スプロケット
20 ブラケット
21 スライド軸受
22 調整ねじ
23 セーブオール
24 ピン
25 駆動装置
26 カムフォロア
27 ブラケット
28a、28b カム
29 検出端子
30 スクレーパ装置
31 オーバラン検出スイッチ
32a、32b 待機位置検出スイッチ
33 アーム
34 ブレードホルダ
35 ブレード
36 調整ボルト
37 調整ばね
38 ストッパ
39 スライドベアリング
40 ドライヤパート
41 ドライヤ
42a、42b ガイドロール
43 カンバス
44 紙
45 カレンダ
46 ワインダ
47 桁
48 ロープ
49 金網スクレーパ
50 ロール紙[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
In the present invention, for example, a canvas used in a dryer part of a paper machine, for example, a paper powder adhering to the surface of an endless belt that circulates in a loop path and continuously adheres during operation. The present invention relates to a scraper device for strips to be removed.
[0002]
[Prior art]
FIG. 7 shows a general configuration of the
[0003]
In FIG. 7, the
[0004]
The
[0005]
Each of the upper and
[0006]
On the other hand, as shown by the broken line in the figure, the continuously running
[0007]
The
[0008]
The
[0009]
During the series of steps, in the illustrated
[0010]
[Problems to be solved by the invention]
As described above, the deposits deposited on the
[0011]
Therefore, in order to use the
[0012]
However, in this method, the release agent such as the silicon base has a high chemical cost, and the strong adhesion force of the deposit is often superior, and the effect is insufficient.
[0013]
As another method, for example, at the position P in FIG. 7, a
[0014]
Here, the
[0015]
However, in this type, when a substantially predetermined amount of deposits is caught in the mesh of the
[0016]
Further, when this
[0017]
The present invention eliminates the problems in the conventional example as described above, and automatically and reliably and effectively deposits adhering to an endless belt that circulates and travels like a canvas. It is an object of the present invention to provide a scraper device for strips that is to be removed.
[0018]
[Means for Solving the Problems]
The present invention has been made to solve the above-mentioned problems, and as a first means, removes deposits adhering to the surface of a belt-like body that circulates like a canvas used in a dryer part of a paper machine. In the strip scraper device, a rail is disposed extending in a direction perpendicular to the traveling direction of the strip, and a traveling unit that is guided by the rail and reciprocates across the entire width of the strip, and A scraper device is provided that includes a blade that is in contact with and engages with the surface of the belt-shaped body, and the blade provides a belt-shaped scraper device in which a contact surface with the canvas is formed by a curved surface that bends in the traveling direction of the traveling unit. is there.
[0019]
That is, according to the first means of the present invention, a scraper device comprising a running part provided with a blade that contacts and engages the surface of the belt is guided by a rail that extends straight in the running direction of the belt. By reciprocating, the blade of the scraper device and the surface of the belt are brought into contact with each other, and the deposits deposited and deposited on the surface of the belt are scraped and removed appropriately and effectively, and are in contact with the surface of the belt. Since the blade to be engaged is formed with a curved surface that bends in the traveling direction of the traveling unit that reciprocates across the belt-like body, there is no unnecessary catch between the blade and the belt-like body, The mutual movement is performed smoothly, the desired deposit scraping is performed properly, and it functions smoothly without deposits accumulating on the back side of the blade. Improve operational efficiency Those were Unishi.
[0020]
Further, according to the present invention, as the second means, in the first means, the traveling part is provided with a means for setting a pressing force of the blade and an adjusting means for adjusting the tension of a spring for urging the blade. A body scraper device is provided.
[0021]
That is, according to the second means of the present invention, the blade that is brought into contact engagement with the surface of the belt-like body has a means for setting a pressing force of the blade for the contact engagement, and a spring tension for urging the blade. By cooperating with the adjusting means, it is possible to easily adjust the urging force in response to a change in conditions, etc., along with setting an appropriate blade pressing force, thereby improving the efficiency of operation.
[0022]
According to the present invention, as a third means, in the first or second means, the traveling unit is supported by a pivot mechanism that pivotally supports a blade so as to be reversibly rotatable with respect to the traveling direction of the belt-like body. The present invention provides a strip-shaped scraper device provided with an adjustment spring that biases a rotational force in a direction opposite to the direction.
[0023]
That is, according to the third means of the present invention, the blade that contacts and engages the surface of the belt is further pivotally supported by the pivot mechanism so as to be reversibly rotatable with respect to the traveling direction of the belt. Since the rotational force in the direction opposite to the travel direction of the belt is biased by the adjustment spring, the belt-like body is biased and rotated in the direction opposite to the travel direction of the belt by the cooperation of the pivot mechanism and the adjustment spring. If an abnormal load is applied to the contact surface between the belt-like body and the blade due to foreign matter or the like, the urging force of the adjustment spring is lost and the blade is maintained in contact with the blade. Since it can be escaped, it is appropriate to cope with this kind of abnormal situation, and the operation efficiency is improved without causing fatal damage to the scraper device including the blades.
[0026]
Furthermore, as a fourth means of the present invention, in any one of the first, second, or third means, the blade is scraped from the belt-like body at a position closest to the downstream side of the installation position of the blade. The present invention provides a strip-shaped scraper device provided with a save-all for storing deposits.
[0027]
That is, according to the fourth means of the present invention, the deposits scraped off from the belt-like body by the blade contacting and engaging with the surface of the belt-like body are provided with a saveall at a position closest to the downstream side of the installation position of the blade. Therefore, it is accurately supplemented by the Save All, functions without scattering and dispersion, and improves the efficiency of operation.
[0028]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
An embodiment of the present invention will be described with reference to FIGS.
1 is a plan view of the scraper device according to the present embodiment, FIG. 2 is a front view of FIG. 1, FIG. 3 is a cross-sectional view taken along line AA of FIG. 1, and FIG. 5 shows the front details of the blade unit shown in FIG. 4, and FIG. 6 shows the details of the blade.
[0029]
The scraper device according to the present embodiment is installed at a position such as part B of the
[0030]
[0031]
[0032]
[0033]
A
Then, by rotating the
[0034]
A
[0035]
The
[0036]
Therefore, the
[0037]
A
[0038]
The
[0039]
A
[0040]
One sprocket 19a is fixed to the drive shaft of the
[0041]
An
[0042]
On the downstream side of the
[0043]
The detailed structure constituting the
[0044]
A
[0045]
An
[0046]
That is, when tension is applied to the
[0047]
6 shows details of the
[0048]
The details of the operation and the like in the present embodiment configured as described above will be described. First, the
[0049]
In order to operate the
[0050]
Next, when the start switch is turned “ON”, the
[0051]
When the
[0052]
Then, the standby
[0053]
At this time, the
[0054]
When the
[0055]
The
[0056]
Next, the adjustment of the pressing force of the
[0057]
Normally, an appropriate tension is applied to the
[0058]
In addition, when it is desired to change the pressing force beyond the range of the handle operation, the pressing force can be changed by adjusting the adjusting screw 15 to increase or decrease the tension of the
[0059]
In other words, the tip of the
[0060]
Further, as shown in FIG. 4, since the rotational force acts in the traveling direction of the
[0061]
Now, when an abnormal force is applied to the tip of the
[0062]
However, when this abnormal load is large and the rotational force is larger, the
[0063]
That is, the
[0064]
As shown in FIG. 6, since the
[0065]
Moreover, as a result of providing this curvature, the contact portion between the
[0066]
That is, by maintaining an appropriate curvature at the tip of the
[0067]
The apparatus can be installed not only for the
[0068]
Although the present invention has been described with reference to the illustrated embodiment, the present invention is not limited to this embodiment, and it goes without saying that various modifications may be made to the specific structure within the scope of the present invention. Absent.
[0069]
【The invention's effect】
As described above, according to the first aspect of the present invention, in the scraper device for a strip-like body that removes deposits adhering to the surface of the strip-like body that circulates like a canvas used in a dryer part of a paper machine, A rail is arranged extending in a direction perpendicular to the traveling direction of the vehicle, and a traveling part that is guided by the rail and reciprocates across the entire width of the belt-like body, and a contact engagement with the surface of the belt-like body provided in the traveling part A scraper device including a blade is formed , and the blade forms a scraper device of the belt-like body by forming a contact surface with the canvas with a curved surface that curves in the running direction of the running portion. The blade of the scraper device can be reciprocated by guiding a scraper device composed of a traveling unit provided with a blade to be joined with a rail extending straight in the traveling direction of the strip. Material adhering deposit on the strip surface properly and effectively scrape removed, also the blade scraper device of the strip is formed by a curved surface to bend the contact surface with the canvas in the running direction of the running part Therefore, the blade that contacts and engages the surface of the strip does not need to be caught between the blade and the strip, and the mutual contact movement is performed smoothly and the desired deposit The scraper is properly scraped, and functions smoothly without deposits accumulating on the back side of the blade, etc., and these combine to improve the efficiency of operation. I was able to get it.
[0070]
According to a second aspect of the present invention, in the first aspect of the present invention, the traveling portion includes a means for setting a pressing force of the blade and an adjusting means for adjusting the tension of a spring that biases the blade. Since the belt scraper device is provided, the blade that is brought into contact with the surface of the belt has a means for setting a pressing force of the blade for the contact engagement, and a spring tension that biases the blade. The adjustment means can be used together to set an appropriate blade pressing force, and the biasing force can be easily adjusted in response to changes in operating conditions, etc. A scraper device could be obtained.
[0071]
According to a third aspect of the present invention, in the first or second aspect of the present invention, the traveling portion includes a pivot mechanism that pivotally supports a blade so as to be reversibly rotatable with respect to a traveling direction of the canvas. Since the belt-shaped scraper device is provided with an adjustment spring that urges the rotational force in the reverse direction with respect to the traveling direction, the blade that contacts and engages the surface of the belt-like body is A blade that is pivotally supported so as to be reversibly rotatable with respect to the traveling direction of the belt and is energized by an adjustment spring with a rotational force that resists the traveling direction of the belt-like body. When an abnormal load is applied to the engagement contact surface between the strip and the blade due to foreign matter etc., it can overcome the biasing force of the adjustment spring and rotate in the same direction as the travel of the strip, so that it can escape. Appropriate response to this kind of abnormal situation Ri, without leading to catastrophic failure of the scraper device including a blade or the like, in which it was possible to obtain a scraper device of the preferred strip to improve the efficiency of operations.
[0073]
Furthermore, according to the invention described in
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a plan view of a strip scraper device according to an embodiment of the present invention.
FIG. 2 is a front view of FIG. 1;
3 is a cross-sectional view taken along the line AA in FIG.
4 is an enlarged view partially extracting nine main parts of FIG. 3. FIG.
FIG. 5 is a front view of FIG. 4;
6A and 6B are excerpts showing in detail a blade that is a part of FIGS. 4 and 5; FIG. 6A is a front view, and FIG. 6B is a cross-sectional view taken along line BB in FIG.
FIG. 7 is an explanatory diagram showing a general configuration of a dryer part of a paper machine.
FIG. 8 is a plan view showing an example of a conventional deposit removing means.
9 is a cross-sectional view taken along the line CC of FIG.
[Explanation of symbols]
1a, 1b Frame 2
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