JP4410221B2 - 水処理用凝集剤の製造方法及び製造装置 - Google Patents

水処理用凝集剤の製造方法及び製造装置 Download PDF

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Description

本発明は、水中に存在する不純物を凝集化して排除する、水の浄化処理を行うための凝集剤、特に重合ケイ酸を含有する水処理用凝集剤の製造方法及び製造装置に関する。
特公平4−75796 特許第2732067号公報 特開平11−90111 特開平11−349322 特開2000−93704 特開2000−154013 特開2001−70708 特開2003−38908
近時、上水その他の各種用水又は排水中に存在する懸濁物質等を凝集して水中から排除するための凝集剤として、重合ケイ酸(活性シリカ)と金属塩(主として塩化第二鉄)を含む凝集剤が注目されている。従来用いられているPACや硫酸バンドが、処理水中に、アルツハイマー症を招く懸念があるアルミニウムイオンが残留したり、藻類の凝集には効果が薄い等の指摘がなされているためである。
重合ケイ酸と金属塩とを含む水処理用凝集剤の製造方法については、本出願人の出願にかかる「特許文献1」及び「特許文献2」の発明以来、上記「特許文献3」ないし「特許文献8」に見られるように、多くの提案がなされており、これらの提案の多くは、活性シリカ特有のゲル化し易い傾向についての防止(すなわち、保存性の向上)、ならびに、凝集剤製造に至るまでに必要な各種の混合槽等の省略による製造過程の簡略化を目的とするものである。
すなわち、「特許文献3」及び「特許文献4」の提案は、酸性の第二鉄塩水溶液の槽中にアルカリ性のケイ酸ナトリウム水溶液を添加混合して反応重合させる方式を用いることによって、「水ガラス酸性化槽、シリカ重合槽の省略」等により製造工程を簡略化し、かつ、製造した凝集剤をすみやかに使用に供しうるようにすることを目的とするものであり、「特許文献5」及び「特許文献6」の提案は、それに加えて、「鉱酸及びアルカリ剤の使用不要」等による製造簡略化を目的とし、「特許文献7」の提案は、弱酸性のケイ酸水溶液を特定範囲の温度に加熱した状態下において撹拌重合させる方法を用いることによる、製造過程の簡略化を目的とするものである。これらの提案においては、各原料の混合、添加の順序については様々な態様が記載されているが、いずれも、反応槽を用いて、その槽内で酸性溶液とケイ酸ナトリウム水溶液とを混合反応させる点、すなわち、いわゆるバッチ方式である点においては共通している。
上記のようなバッチ方式は、当然のことながら、各原料溶液の貯留槽の外に、混合撹拌用の反応槽を有する装置が必要となり、また、一時に大量の凝集剤を製造する必要がある場合にも対応しうるように、各槽を或る程度大容量のものとしなければならないので、装置全体が大型化することは避け難い。しかも、ケイ酸のゲル化を避けるためには、酸性溶液中へのアルカリ性溶液の添加(又はその逆の添加)は、添加量を慎重に制御しつつ一定の時間をかけて行わなければならないため、作業が煩雑でしかも長時間を要するという難点がある。
水処理用凝集剤の製造方法や製造装置について特に留意しなければならないことは、実際の浄水処理に際しては大量の凝集剤が必要であり、しかも、現実に各地に設置されている浄水施設の規模は、大小様々だということである。例えば、実際の浄水施設は、浄水能力が1日数百トン程度の小規模のものから、1日百万トンを超えるような巨大な浄水場に至るまで多様であり、また、例えば1日の処理能力が1万トン程度の中規模の浄水場では、必要な凝集剤の量は1日当たり1トン前後であるが、1日の処理能力が10万トンの規模の浄水場では、必要な凝集剤の量は1日10トンにも達することになる。
一方、前記の各特許文献で提案されているバッチ式製造方法においては、各文献に記載されている実施例は、いずれも小規模のものであって、実際の浄水施設において必要とされる凝集剤量の製造とはかけ離れている。したがって、たとえ試験管的規模の製造のためには注目すべき方法であっても、トン単位の製造のためには大規模な装置が必要となり、凝集剤の製造場所(製造装置の設置場所)と使用場所との関係をどのように考えるべきかが大きな問題となる。例えば、小規模の浄水場にとって凝集剤製造装置の設置や製造要員の常時配置は困難であり、一方、他所で製造した凝集剤の運搬には、運搬コストや凝集剤のゲル化防止上の困難性があった。この点に、ケイ酸ナトリウムを含む凝集剤の使用意義が注目されながら、現実にはその使用が普及し難い大きな要因の一つが存在していた。
「特許文献8」の発明は、この問題に着目してなされたものである。すなわち、その発明では、酸性溶液とケイ酸ナトリウム水溶液とを混合反応させる際に、反応槽内における混合撹拌方式を用いず、両者を特定以上の速度で衝突させて混合反応させる方式を提案している。例えば、Y字型に形成した筒体を用い、Y字の両上端側の一方からは硫酸、塩酸等の無機酸水溶液を、秒速5m以上の高流速で流入させ、他方からはケイ酸塩水溶液を同じ高流速で流入させて、Y字管内の分岐部で両者を衝突反応させてシリカゾルとし、Y字管の下方側に流出させる。Y字管から流出したシリカゾル混合液は、撹拌熟成槽内で熟成させた後に塩化第二鉄等の金属塩水溶液と混合して凝集剤とするものである。
上記の方法によれば、酸性溶液とケイ酸ナトリウム水溶液とを混合撹拌して反応させる大容量の反応槽の設置を省略しうるため、凝集剤製造装置を小型化することもできるので、例えば製造装置一式をトラック等の運搬車両に積載し、原料槽が設置されている浄水場等に随時出向いて凝集剤の製造を行うことができる。したがって、浄水場等の製造現場に製造装置を設置したり製造要員を配置する必要をなくすことができ、ケイ酸ナトリウムを用いる凝集剤の実用化に大きく寄与することができる。
しかし、上記の「特許文献8」の提案は、Y字型装置内への原料溶液の注入速度を毎秒5m以上という非常な高速としなければならないため、高速注入に適応しうる2台のポンプが必要となる。また、高速注入による2液の衝突混合による重合反応であるから、2液の流量バランスの計測と精密な制御のための機構が必要とならざるをえない。このため、装置の製造コストが高くなることを免れ難いという難点があった。
本発明は、上記の課題を解決し、水処理現場において、必要の都度、必要量の凝集剤をすみやかに製造しうる製造方法及び装置の提供を目的とするものである。
本発明においては、凝集剤製造のための第1の原料液の収容槽に収容されている原料液が、槽の外部に配設された配管によって相互に連結された流出口と流入口を介して、上記配管を通じて循環され、その循環途中において、循環用配管に設けられた流入混合部から、第2の原料液又はさらに第3の原料液が循環流中に添加混合されて、ケイ酸の重合反応が始まり、添加を受けた混合溶液が、前記流入口から再び第1の原料液の収容槽内に戻される。戻された混合液は槽内において第1の原料液収容槽内の原料液と混和した状態となって再び循環に供される。この過程を繰り返すことによって、槽内の溶液は、次第にケイ酸濃度の高いものとなり、凝集剤が製造されるに至る。
本発明の方法の第1の形態においては、請求項1ないし3に記載されているように、2槽の原料液槽が用いられる。すなわち、原料液として、第1の原料液槽に収容された第1の原料液と、第2の原料液槽に収容された第2の原料液が用いられる。第1の原料液としては、金属塩水溶液(例えば塩化第二鉄水溶液)のみを用いる場合と、金属塩水溶液と鉱酸(例えば硫酸)との混合液を用いる場合とがあるが、上記いずれの場合においても、第2の原料液としては、ケイ酸アルカリ水溶液(例えばケイ酸ナトリウム水溶液)が用いられる。
本発明の方法の第2の形態においては、請求項4ないし8に記載されているように、3槽の原料液槽が用いられる。すなわち、原料液として、第1の原料槽に収容された第1の原料液、第2の原料槽に収容された第2の原料液ならびに、第3の原料槽に収容された第3の原料液が用いられる。第1の原料液としては、金属塩水溶液又は鉱酸が用いられ、第2の原料液としては、金属塩水溶液、ケイ酸アルカリ水溶液又は鉱酸のうちの第1の原料液として用いられなかったものが用いられ、第3の原料液としては、金属塩水溶液、ケイ酸アルカリ水溶液又は鉱酸のうちの第1の原料液又は第2の原料液として用いられなかったものが用いられる。
上記第2の形態において、第1の原料液として鉱酸又は金属塩を、第2の原料液として金属塩水溶液又は鉱酸を、第3の原料液としてケイ酸アルカリ水溶液を用いる方法は、金属塩水溶液と鉱酸とが混合された状態においてケイ酸アルカリ水溶液が添加されることになる点においては前記第1の形態と同じである。また、鉱酸が第3の原料液として用いられる方法は、前記第1の形態の方法の実施の後に、pH調節のための原料液(鉱酸)が添加されることになる。
循環用配管内への第2の原料液及び/又は第3の原料液の流入は、請求項12に記載されているように、循環用配管内において前記流入及びその混合部近傍に負圧を生ぜしめ、それによって第2の原料液及び/又は第3の原料液を吸引して混合する方法を用いることができ、或いは、請求項13に記載されているように、循環用配管内において流入混合部の近傍に設けられた撹拌式の混合装置を用いる方法とすることができる。
本発明にかかる水処理用凝集剤の製造装置は、請求項14に記載されているように、第1の原料液の収容槽の外部に、当該槽の流出口と流入口とを連結して第1の原料液を循環させ、かつ、循環途中において第2の原料液又はさらに第3の原料液を管内に流入して混合させるための流入混合部を有する、循環用配管を備えるものである、すなわち、第1の原料液の収容槽と、第2の原料液の収容槽と、或いはさらに第3の原料液の収容槽と、上記第1の原料液の収容槽内の収容液を当該槽から流出させた後に再び当該槽内に流入させる循環用配管とを有し、上記循環用配管には、循環途中において上記第2の原料液の収容槽及び/又は第3の原料液槽内の収容液を配管内に流入して混合させるための流入混合部が設けられている装置である。
本発明にかかる装置の上記流入混合部は、請求項15及び16に記載されているように、上記循環用配管途中の第2の原料及び又は第3の原料の流入混合部近傍において、上記流入原料を吸引流入させる負圧を生ぜしめる内径狭窄部を設ける構成、或いは、第2の原料液又は第3の原料液の流入混合装置として、循環用配管内の上記各原料の流入混合部の近傍に設けられた、撹拌式混合装置を用いることができる。
本発明にかかる装置は、すでに各種原料槽を有する浄水場施設等に随時出向いて本発明方法を実施することができるように、循環用配管を有して車載運搬しうる装置とすることができる。すなわち、請求項17ないし20に記載されているように、第1の原料液の収容槽内の収容液を当該槽から流出させてそれを再び当該槽に流入させるように循環させるための循環用配管を、第1の原料液の収容槽内に挿入して配置しうる二つの端部、すなわち、循環液吸込用端部及び循環液吐出用端部を有するものとし、かつ上記循環用配管には、循環液の循環途中において第2の原料液の収容槽及び/又は第3の原料液の収容槽から供給される原料液を管内に流入させるための流入混合部が設けられ、場合によっては、循環用配管に、先端を第2の原料液収容槽及び/又は第3の原料液収容槽内に挿入配置しうる分岐管を設けた装置とすることができる。
本発明の装置は、上記のとおり、凝集剤製造工場内に設置するほか、浄水場等の凝集剤使用現場に設置することもでき、また、車載して移動しうる装置として構成することもできる。凝集剤使用現場に設置する場合及び車載移動式装置を用いる場合には、すでに浄水場等に設置されている各原料槽をそのまま用いることができ、特に、車載移動式装置を用いる場合には、循環用配管やその分岐管(第2の原料液収容槽及び/又は第3の原料液収容槽に向けられる分岐管)に設けられている開口端部を各原料収容槽内に差し込むことによって、直ちに各槽の流出口や流入口を設定することができる。
したがって、例えば小規模の浄水場等には、各原料の貯留槽のみを設置しておき、一方、各槽に差し込みうる先端部を備えた循環用配管ならびに、ポンプ等の溶液循環用稼動装置を備えた一式の装置を搭載した移動車両を用意し、該車両が、必要に応じて各浄水場に巡回出動しうる態勢をとることができ、それによって、小規模な浄水場が、貯留槽以外の凝集剤製造装置を設置したり、複雑な操作を必要とする製造要員を常に配置してりする必要を回避することができる。
本発明は次の効果を有する。
(1) 金属塩水溶液を含む第1の原料の貯留槽をそのまま混合反応槽として兼用できるので、凝集剤製造のための反応槽、すなわち、酸性の水溶液(金属塩水溶液、又は金属塩水溶液と鉱酸水溶液との混合液)とアルカリ性のケイ酸ナトリウム水溶液とを混合、撹拌して反応させるための特別な反応槽、を設置する必要がないため、装置の構成を簡略化し、かつ小型化することができる。
(2) 原料溶液の循環に必要な装置部分のみを、車載した移動式装置とし、貯留槽が設置されている製造現場に赴いて製造の実施を行うことができるので、特に小規模の浄水場等における凝集剤の製造のためには好適である。
(3) 酸性水溶液とケイ酸ナトリウム水溶液との適切な混合のための複雑な制御装置を用いる必要がないため、この観点からも装置の構成の簡略化とコストの低減を図ることができる。
(4) 使用用途等の必要に応じて鉱酸の使用量を調節し又は省略することができる。
図1の記載を参照して、本発明の一態様を説明する。この実施態様は、二つの原料槽を用い、かつ、前記循環用配管への第2の原料液の流入混合用として、配管内に設けられた内径狭窄部を用いる実施態様の一例である。
図1において、1は収容量200Lの第1原料貯留槽、2は収容量100Lの第2原料貯留槽である。第1原料貯留槽1の流出口1aと流入口1bは配管13によって連結されており、配管13の途中には、循環用ポンプ4、流量調節バルブ10及び流量計5が取り付けられている。更に、配管13には第2原料貯留槽2につながる流入混合部8が設けられている。流入混合部8は、配管14によって第2原料貯留槽の流出口2aと連結されている。配管14の途中には流量調節バルブ11及び流量計6が取り付けられている。16は任意に設置しうる製品貯留槽であり、製品貯留槽16を設置する場合には、配管13に分岐管17を設けて、製品貯留槽16とつなぎ、分岐管17にはバルブ18を設ける。
第2原料流入混合部の断面は、図4に示すように構成されている。すなわち、循環用配管13には内径狭窄部13aが設けられており、この部分での循環流の管内噴出により管内に負圧が生じ、それによって配管14の噴出口から第2原料液が配管13内に吸引されて流入して第1原料液と混合され、その混合液が、配管13内を進行して再び第1原料液収容槽1の流入口1bから第1原料槽内に流入することになる。槽内に流入した混合液は、噴流によってさらに第1原料液と混合状態となり、その混合液が再び流出口1aから循環用配管内に流出され、上記と同様の手順によりさらに第2原料液と混合される。
上記のような循環、混合が繰り返されることによって、第1原料収容槽内の収容液のケイ酸アルカリ溶液の濃度及び混合液全体の重合度は次第に高まるので、所望の重合度に達した時点で液の循環を停止する。なお、循環操作続行中に、必要に応じてバルブ18を開いて循環液の一部を製品貯留槽16に流入させて貯留することもできる。
次に、図2及び図3の記載を参照して、本発明の他の実施の態様を説明する。この実施態様においては、三つの原料槽を用い、かつ、前記循環用配管内への第2の原料液の流入混合用として、図2記載の方法においては配管内に設けられた内径狭窄部を用い、図3記載の方法においては配管内に設けられた撹拌式混合装置が用いられ、また、上記配管内への第3の原料液の流入混合用として、いずれの方法においても配管内に設けられた内径狭窄部を用いる実施態様である。
図2及び図3において、1は収容量200Lの第1原料貯留槽、2は収容量100Lの第2原料貯留槽、3は収容量100Lの第3原料貯留槽である。第1原料貯留槽1の流出口1aと流入口1bは、配管13によって連結されており、配管13の途中には、循環ポンプ4、循環流量調節バルブ10及び流量計5が取り付けられている。さらに、配管13には、第2原料貯留槽2につながる流入混合部8ならびに第3原料貯留槽3につながる流入混合部9が設けられている。流入混合部8は、配管14によって第2原料貯留槽の流出口2aと連結され、流入混合部9は、配管15によって第3原料貯留槽の流出口3aと連結されている。配管14の途中には、図2の方法においては流量調節バルブ11及び流量計6が設けられ、図3の方法においては送給ポンプ19、流量調節バルブ11及び流量計6が設けられている。配管15の途中には、流量調節バルブ12及び流量計7が設けられている。16は任意に設置しうる製品貯留槽であり、製造貯留層16を設置する場合には、配管13に分岐管17を設けて製品貯留層16とつなぎ、分岐管17にはバルブ18を設ける。
図2における流入混合部8及び9ならびに図3における流入混合部9の断面は、図4に示すように構成されている。すなわち、循環用配管13の流入混合部8の部分には内径狭窄部13aが設けられており、この部分での循環流の管内噴出により管内に負圧が生じ、それによって配管14又は15から第2原料液が配管13内に吸引されて流入する。また、図3における第2原料流入混合部8の近傍には、例えば、配管内に配設された複数の螺旋状固定翼又はスクリュー式回転翼等による混合撹拌装置8’が設けられ、配管14に設けられたポンプ19の作動によって配管14から配管13内に流入する第3原料液が、上記混合撹拌装置8’によって、第1原料液と撹拌混合され、その混合液はさらに流入混合部9において第3原料液と混合された後に配管13内を進行して、第1原料液収容槽1の流入口1bから第1原料槽内に流入する。槽内に流入した混合液は拡散等によってさらに第1の原料液と混合状態となり、その混合液が再び流出口1aから循環用配管内に流出され、前記と同様の手順により第2原料液及び第3原料液と混合される。
上記のような循環、混合が繰り返されることによって、第1原料収容槽内の収容液のケイ酸アルカリ溶液の濃度及び混合液全体の重合度は次第に高まるので、所望の重合度に達した時点で液の循環を停止する。なお、循環操作続行中に、必要に応じてバブル18を開いて循環液の一部を製品貯留槽16に流入させて貯留することもできる。
また、上記の混合撹拌装置としては、配管内における液体の混合装置(インラインミキサー)として市販されている装置を用いることができる。
本実施例は、2槽の原料貯留槽を用いた実施例である。原料貯留層1には、ボーメ比重40の塩化第二鉄水溶液(FeCl37%)14,2Lと濃度3.2%の硫酸14.0Lを投入した後、機械撹拌等によって内部を混合した。原料貯留槽2には、SiO濃度4.3%の3号ケイ酸ナトリウム15.4Lをそれぞれ投入した。
バルブ10を開いた後に循環ポンプ4を起動して、配管13内に循環流を生じさせ、流量計5の示度を確認しながら、流量調節バルブ10の開度を加減し、配管13内の流量が毎分40Lになるように調節した。次にバルブ11を開いて、原料貯留槽2内のケイ酸ナトリウム水溶液が、流入混合部8を通じて配管13内に流入するようにし、流量計6の示度を確認しながら、流量調節バルブ11の開度を加減し、ケイ酸ナトリウム水溶液の流量を毎分4Lになるように調節した。上記の循環及び流入を継続し、原料貯留槽2内の原料の残液量が0となった時点で、バルブ11を閉じた。その後も配管13内の循環を継続し、原料貯留槽1内における混合液の重合を進め、5分後にバルブ10を閉じ、ポンプ4を停止して作業を終了した。この操作によって、原料貯留槽1内に50kgの凝集剤が生成したので、その物性を測定したところ、比重は1.16(20℃)であり、成分濃度は、SiO1.4%、Fe5.0%、Si:Feのモル比は0.25:1であった。
以下の各実施例は、3槽の原料貯留槽を用いた実施例である。
第1原料貯留槽1には、ボーメ比重40の塩化第二鉄水溶液(FeCl37%)14.2Lを、第2原料貯留槽2には、SiO濃度4.3%の3号ケイ酸ナトリウム15.4Lを、第3原料貯留槽3には、濃度3.2%の硫酸14.0Lを、それぞれ投入した。バルブ10を開いた後に循環ポンプ4を起動した、配管13内に循環流を生じさせ、流量計5の示度を確認しながら、流量調節バルブ10の開度を加減し、配管13内の流量が毎分40Lになるように調節した。次に、バルブ11及び12を開いて、第2原料貯留槽2内のケイ酸ナトリウム水溶液及び第3原料貯留槽の硫酸が、それぞれ流入混合部8及び9を通じて配管13内に流入するようにし、流量計6及び7の示度を確認しながら、それぞれの流量が、いずれも毎分4Lになるように調節した。上記の循環及び流入を継続し、第2原料貯留槽2内の原料及び第3原料貯留槽3内の残液量が、それぞれ0になった時点で、それぞれバルブ11及び12を閉じた。その後も配管13内の循環を継続し、第1原料貯留層1内における混合液の重合を進め、5分後にバルブ10を閉じ、ポンプ4を停止して作業を終了した。この操作によって、第1原料貯留槽1内に50kgの凝集剤が生成したので、その物性を測定したところ、比重は1.16(20℃)であり、成分濃度は、SiO1.4%、Fe5.0%、Si:Feのモル比は0.25:1であった。
第1原料貯留槽1には、ボーメ比重40の塩化第二鉄水溶液(FeCl37%)23.8Lを、第2原料貯留槽2には、SiO濃度8.8%の3号ケイ酸ナトリウム9.0Lを、第3原料貯留槽3には、濃度10.4%の硫酸6.8Lをそれぞれ投入した後、実施例2と同様の手順で凝集剤の製造操作を行い、50kgの凝集剤を得た。製造された凝集剤の比重は1:29、成分濃度はSiO2.2%、Fe8.0%、SiとFeとのモル比率はSi:Fe=0.25:1であった。
原料貯留槽1には、ボーメ比重40の塩化第二鉄水溶液(FeCl37%)14.2Lを、原料貯留槽2には、濃度3.2%の硫酸14.0Lを、原料貯留槽3には、SiO濃度4、3%の3号ケイ酸ナトリウム15.4Lをそれぞれ投入した。
バルブ10を開いた後に循環ポンプ4を起動して、配管13内の循環流を生じさせ、流量計5の示度を確認しながら、流量調節バルブ10の開度を加減し、配管13内の流量が毎分40Lになるように調節した。次にバルブ11を開いて、原料貯留槽2内の硫酸が、流入混合部8を通じて配管13内に流入するようにし、流量計6の示度を確認しながら、流量調節バルブ11の開度を加減し、硫酸の流量を毎分4Lになるように調節した。次にバルブ12を開いて、原料貯留槽3内のケイ酸ナトリウム水溶液が、流入混合部9を通じて配管13内に流入するようにし、流量計7の示度を確認しながら、流量調節バルブ12の開度を加減し、ケイ酸ナトリウム水溶液の流量を毎分4Lになるように調節した。上記の循環及び流入を継続し、原料貯留槽2内の原料及び原料貯留槽3内の残量液が、それぞれ0となった時点で、それぞれ、バルブ11及び12を閉じた。その後も配管13内の循環を継続し、原料貯留槽1内における混合液の重合を進め、5分後にバルブ10を閉じ、ポンプ4を停止して作業を終了した。この操作によって、原料貯留槽1内に50kgの凝集剤が生成したので、その物性を測定したところ、比重は1.16(20℃)であり、成分濃度はSiO1.4%、Fe5.0%、SiとFeとのモル比率はSi:Fe=0.25:1であった。
原料貯留槽1には、ボーメ比重40の塩化第二鉄水溶液(FeCl−37%)23.8Lを、原料貯留槽2には、濃度10.4%の硫酸6.8Lを、原料貯留槽3には、SiO濃度8.8%の3号ケイ酸ナトリウム9.0Lをそれぞれ投入した。
バルブ10を開いた後に循環ポンプ4を起動して、配管13内の循環流を生じさせ、流量計5の示度を確認しながら、流量調節バルブ10の開度を加減し、配管13内に流量が毎分40Lになるように調節した。次にバルブ11を開いて、原料貯留槽2内の硫酸が、流入混合部8を通じて配管13内に流入するようにし、流量計6の示度を確認しながら、流量調節バルブ11の開度を加減し、硫酸の流量を毎分4Lになるように調節した。次にバルブ12を開いて、原料貯留槽3内のケイ酸ナトリウム水溶液が、流入混合部9を通じて配管13内に流入するようにし、流量計7の示度を確認しながら、流量調節バルブ12の開度を加減し、ケイ酸ナトリウム水溶液の流量を毎分4Lになるように調節した。原料貯留槽2内の原料及び原料貯留槽3内の残液量が、それぞれ0となった時点で、それぞれ、バルブ11及び12を閉じた。上記の循環及び流入を継続し、原料貯留槽1内における混合液の重合を進め、5分後にバルブ10を閉じ、ポンプ4を停止して作業を終了した。この操作によって、原料貯留槽1内に50kgの凝集剤が生成したので、その物性を測定したところ、比重は1.29(20℃)であり、成分濃度はSiO2.2%、Fe8.0%、Si:Feとのモル比は0.25:1であった。
第1原料貯留槽1には、濃度3.4%の硫酸21.9Lを、第2原料貯留槽2にはボーメ比重40の塩化第二鉄水溶液(FeCl37%)1.9Lを、第3原料貯留槽3にはSiO濃度4.4%の3号ケイ酸ナトリウム24.0Lを、それぞれ投入した後、前記実施例と同様の手順で凝集剤の製造操作を行い、50kgの凝集剤を得た。製造された凝集剤の比重は1.04、成分濃度はSiO2.2%、Fe0.7%、SiとFeとのモル比率はSi:Fe=3:1であった。
本発明の水処理用凝集剤製造装置の一実施態様の概略模式図。 本発明の水処理用凝集剤製造装置の他の一実施態様の概略模式図。 本発明の水処理用凝集剤製造装置のさらに他の一実施態様の概略模式図。 図1の製造装置の第2原料吸入孔部8近傍部の拡大断面概略図。
符号の説明
1 第1原料貯留槽
1a 流出口
1b 流入口
2 第2原料貯留槽
2a 流出口
3 第3原料貯留槽
3a 流出口
4 循環ポンプ
5 第1原料流量計
6 第2原料流量計
7 第3原料流量計
8 第2原料流入混合部
8’ 混合撹拌装置
9 第3原料吸入孔部
10 循環流量調節バルブ
11 第2原料流量調節バルブ
12 第3原料流量調節バルブ
13 循環用配管
14 第2原料供給用配管
15 第3原料供給用配管
16 製品貯留槽
17 分岐管
18 バルブ
19 第2原料送給ポンプ

Claims (20)

  1. ケイ酸アルカリ水溶液からなる原料液を含む複数種の原料液を用いる水処理用凝集剤の製造方法において、循環用配管によって、第1の原料液の収容槽から収容液を流出せしめた後に、再びそれを同槽内に循環流入させるようにし、かつ、上記循環の途中において、上記循環用配管内にケイ酸アルカリ水溶液からなる原料液である第2の原料液を流入して第1の原料液と混合させ、上記循環を繰り返すことにより、上記循環用配管内及び上記収容槽内において上記第1の原料液と上記第2の原料液との混合及び重合反応を生ぜしめて凝集剤とすることを特徴とする、水処理用凝集剤の製造方法。
  2. 上記第1の原料液が金属塩水溶液であり、上記第2の原料液がケイ酸アルカリ水溶液であることを特徴とする、請求項1記載の水処理用凝集剤の製造方法。
  3. 上記第1の原料液が金属塩水溶液と鉱酸との混合液であり、上記第2の原料液がケイ酸アルカリ水溶液であることを特徴とする、請求項1記載の水処理用凝集剤の製造方法。
  4. ケイ酸アルカリ水溶液からなる原料液を含む複数種の原料液を用いる水処理用凝集剤の製造方法において、循環用配管によって、第1の原料液の収容槽から収容液を流出せしめた後に、再びそれを同槽内に循環流入させるようにし、かつ、上記循環の途中において、上記循環用配管内に第2の原料液及びさらに第3の原料液を流入して第1の原料液と混合させ、上記循環を繰り返すことにより、上記循環用配管内及び上記収容槽内において上記第1の原料液、上記第2の原料液及び第3の原料液の混合及び重合反応を生ぜしめて凝集剤とし、上記第2又は第3の原料液のいずれかがケイ酸アルカリ水溶液であることを特徴とする、水処理用凝集剤の製造方法。
  5. 上記第1の原料液が金属塩水溶液であり、上記第2の原料液が鉱酸であり、上記第3の原料液がケイ酸アルカリ水溶液であることを特徴とする、請求項4記載の水処理用凝集剤の製造方法。
  6. 上記第1の原料液が金属塩水溶液であり、上記第2の原料液がケイ酸アルカリ水溶液であり、上記第3の原料液が鉱酸であることを特徴とする、請求項4記載の水処理用凝集剤の製造方法。
  7. 上記第1の原料液が鉱酸であり、上記第2の原料液がケイ酸アルカリ水溶液であり、上記第3の原料液が金属塩水溶液であることを特徴とする、請求項4記載の水処理用凝集剤の製造方法。
  8. 上記第1の原料液が鉱酸であり、上記第2の原料液が金属塩水溶液であり、上記第3の原料液がケイ酸アルカリ水溶液であることを特徴とする、請求項4記載の水処理用凝集剤の製造方法。
  9. ケイ酸アルカリ水溶液がケイ酸ナトリウム水溶液であることを特徴とする、請求項2、3、5、6、7又は8記載の水処理用凝集剤の製造方法。
  10. 金属塩水溶液が塩化第二鉄水溶液であることを特徴とする、請求項2、3、5、6、7又は8記載の水処理用凝集剤の製造方法。
  11. 鉱酸が硫酸であることを特徴とする、請求項3、5、6、7又は8記載の水処理用凝集剤の製造方法。
  12. 循環用配管内への第2の原料液及び/又は第3の原料液の流入と混合を、循環用配管内において流入部位の近傍に設けた内径狭窄部に生じせしめた負圧による吸引と混合によって行うことを特徴とする、請求項1ないし請求項8のいずれかに記載の水処理用凝集剤の製造方法。
  13. 循環用配管内への第2の原料液及び/又は第3の原料液の流入と混合を、流入用配管の途中に設けた送給ポンプと、循環用配管内流入部位の近傍に設けた撹拌混合装置によって行うことを特徴とする、請求項1ないし請求項8のいずれかに記載の水処理用凝集剤の製造方法。
  14. ケイ酸アルカリ水溶液からなる原料液を含む複数種の原料液をそれぞれ収容する複数の原料液収容槽を有する水処理用凝集剤製造装置であって、第1の原料液収容槽と、いずれか一方はケイ酸アルカリ水溶液の収容槽である第2の原料液収容槽及び/又は第3の原料液収容槽と、上記第1の原料液収容槽内の収容液を当該槽から流出させた後に再び当該槽内に流入させる循環用配管とを有し、上記循環用配管には、循環途中において上記第2の原料液収容槽及び/又は第3の原料液収容槽内の収容液を、循環用配管内に流入して混合せしめるための流入混合部を設けることを特徴とする、水処理用凝集剤製造装置。
  15. 循環用配管内には、上記各流入混合部の近傍位置に、第2の原料液及び/又は第3の原料液を吸引するための負圧を生ぜしめる内径狭窄部を有することを特徴とする、請求項14記載の水処理用凝集剤製造装置。
  16. 循環用配管内には、上記各流入混合部の近傍位置に、第2の原料液及び/又は第3の原料液と第1の原料液とを撹拌して混合させる装置が設けられていることを特徴とする、請求項14記載の水処理用凝集剤製造装置。
  17. ケイ酸アルカリ水溶液からなる原料液を含む複数種の原料液をそれぞれ収容する複数の原料液収容槽を有する水処理用凝集剤製造装置であって第1の原料液収容槽と、いずれか一方はケイ酸アルカリ水溶液の収容槽である第2の原料液収容槽及び/又は第3の原料液収容槽と、第1の原料液収容槽内の収容液を当該槽から流出させて再び当該槽内に流入させるように循環させるための循環用配管とを有し、上記循環用配管には、前記第1の原料液の収容槽内に挿入配置しうる、循環液吸込用端部及び循環液吐出用端部、ならびに、循環液の循環途中において前記第2の原料液収容槽及び/又は前記第3の原料液収容槽から供給される原料液を管内に流入して混合させるための流入混合部が設けられていることを特徴とする、水処理用凝集剤製造装置。
  18. 上記循環用配管内の流入混合部の近傍において、第2の原料液及び/又は第3の原料液を吸引するための負圧を生ぜしめるための内径狭窄部が設けられていることを特徴とする、請求項17記載の水処理用凝集剤製造装置。
  19. 上記循環用配管内流入混合部の近傍に、第2の原料液及び/又は第3の原料液と第1の原料液とを撹拌によって混合する装置が設けられていることを特徴とする、請求項17記載の水処理用凝集剤製造装置。
  20. 循環用配管が、第2の原料液の流入孔部及び/又は第3の原料液の流入孔部位置から分岐する分岐管を有し、分岐管の先端は、第2原料液の収容槽及び/又は第3原料液の収容槽内に挿入配置しうる原料液吸込用端部として形成されていることを特徴とする、請求項17、18又は19の記載の水処理用凝集剤製造装置。
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