JP4407801B2 - エッジ生成装置、エッジ生成方法およびエッジ生成プログラム - Google Patents

エッジ生成装置、エッジ生成方法およびエッジ生成プログラム Download PDF

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Description

本発明は、エッジ生成装置、エッジ生成方法およびエッジ生成プログラムに関する。
従来、拡大前の画像(以下、拡大前画像とも記載)から構成画素数を増やした拡大画像を生成する際、拡大前画像の画素単位でエッジの位置を検出し、当該エッジの位置を拡大画像の画素に対応させて拡大画像のエッジの領域を形成するとともに、拡大画像の各画素の階調データ(拡大画像の階調データとも記載。以下、同様)を所定の補間処理により生成している。バイリニア法やバイキュービック法等による補間処理では、拡大画像上の注目画素の近隣に位置する拡大前画像における所定領域内の複数の画素の画像データを用いて拡大画像の階調データを生成している。そして、拡大前画像の画素に対応して拡大画像の画素を区分したブロック単位で補間処理を行って拡大画像の階調データを生成するとともに、エッジ部分が鮮鋭となるように、拡大前画像の画像データに基づいてエッジの強調処理、鮮鋭化処理も行っている。
また、画像を拡大する際、注目画素の階調値の変化度合と近隣の画素の階調値の変化度合のうちいずれかが所定の条件に合致すると判断されれば注目画素については同条件が合致するものとして変化度合を評価し、この評価に基づいて複数の補間処理から選択して画素補間を実行することも行われている(例えば、特許文献1参照)。
特許第3045134号公報
拡大前画像の画素単位でエッジの位置を検出する場合、拡大画像のエッジ位置の精度がよくなく、拡大画像のエッジにいわゆるジャギーと呼ばれるギザギザ状の模様が目立っていた。そこで、エッジ位置の精度を向上させ、拡大画像のエッジを精度よく細線で形成して鮮鋭化等の処理を容易にさせたいという希望があった。
また、肌色等の特徴部分について他の部分の画質を維持しながらより良好に表現させたり、エッジ部分についてより良好に鮮鋭化させたりして、画像処理後の画像をより高画質化したいという希望があった。
さらに、エッジの領域を跨いだ複数の画素の画像データを用いて補間処理を行うと、注目画素に対してエッジの領域の向こう側にある画素の画像データが補間処理後の階調データに反映されるため、エッジ部分が平滑化され、ぼやけてしまうという問題があった。特に、ブロック単位で補間処理を行う場合、エッジのあるブロックについて鮮鋭化等の処理を行うと、エッジの領域が存在するブロック(エッジブロックとも記載)とエッジの領域が存在しないブロック(非エッジブロック)との間で色の差が発生してしまうという問題があった。特許文献1に開示された技術でも、エッジの領域を跨いだ複数の画素の画像データが用いられてキュービックコンボリューション補間が行われると、エッジ部分が平滑化されてしまう。そこで、補間処理後でもエッジ部分の鮮鋭さを維持して画質を向上させたいという希望があった。
本発明は、上記課題にかんがみてなされたもので、画像処理後の画質を向上させることが可能なエッジ生成装置、エッジ生成方法およびエッジ生成プログラムの提供を目的とする。
課題を解決するための手段および発明の効果
上記目的を達成するため、本発明は、拡大前画像を表現した画像データから同拡大前画像を拡大した拡大画像のエッジの領域を表すエッジ情報を生成するエッジ生成装置であって、拡大位置取得手段と、向き決定手段と、位置修正手段と、エッジ生成手段とを具備することを特徴とする。
上記拡大位置取得手段により上記拡大画像の各画素の位置に対応させたエッジの位置が取得されると、上記向き決定手段により上記拡大前画像上における各画素の階調データのうち向きを決定する注目エッジの位置を含む所定範囲内の複数画素の階調データから当該注目エッジの向きが決定される。ここで、位置修正手段により、注目エッジの位置は、上記拡大画像上において上記注目エッジの位置と当該注目エッジに近隣するエッジ(近隣エッジとも記載)の位置とを結ぶ方向を上記決定された注目エッジの向きに近づける位置に修正されることが可能とされている。そして、エッジ生成手段により、修正後のエッジの位置を用いられて、上記拡大画像の各画素の位置に対応させて当該拡大画像のエッジの領域を表すエッジ情報が生成される。
すなわち、注目エッジの位置と近隣エッジの位置とを結ぶ方向が上記決定された注目エッジの向きに近づくように注目エッジの位置が修正されるので、エッジ位置の精度が向上する。従って、拡大画像のエッジを精度よく細線で形成して鮮鋭化等の処理を容易にさせることが可能となり、画像処理後の画質を向上させることが可能となる。
上記画像データは、ビットマップデータ、圧縮されたデータ、等、様々なデータ形式とすることができるとともに、YCbCrデータ、RGBデータ、CMYeGデータ、CIE Lab色空間の成分データからなるLabデータ、等、様々なデータとすることができる。同画像データで表現される画像は、複数画素の構成とすることができ、例えば4×4画素、8×8画素のような小画像を表現するものでもよい。
上記所定範囲内の画素は、注目エッジに隣接していても、隣接していなくてもよい。
上記拡大位置取得手段は、上記拡大前画像上で、注目画素とその近隣に位置する画素との画像データの差分を演算し、演算結果に基づいて同注目画素の近隣に存在するエッジの位置を取得してもよい。画像データの差分を演算するという簡易な構成で、エッジの位置を取得することができる。その際、エッジの強度と上記演算結果とに基づいてエッジの位置を取得してもよい。
上記拡大位置取得手段は、上記拡大前画像上で、注目画素を含む所定範囲内の複数画素の階調データに対して所定の差分フィルタを用いた演算を行って同拡大前画像の各画素に対応して階調表現された中間データを生成し、当該中間データに対応するドットマトリクス状の画素上で、注目画素を含む所定範囲内の複数画素の中間データを用いて同中間データを所定値にする位置を決定し、当該位置を上記拡大画像の各画素の位置に対応させたエッジの位置を取得する構成としてもよい。差分フィルタを用いてエッジの位置を検出することにより、簡易な構成で、精度よくエッジの位置を決定することができ、精度よく拡大画像のエッジの領域を表す情報を生成することが可能となる。
上記注目エッジの向きを決定するに階調データが用いられる所定範囲内の複数画素と、上記中間データを生成するために階調データが用いられる所定範囲内の複数画素と、上記中間データを所定値にする位置を決定するために階調データが用いられる所定範囲内の複数画素とは、同じ範囲内の画素でもよいし、異なる範囲内の画素でもよい。注目画素を含む所定範囲内の画素は、注目画素に隣接していてもよいし、注目画素に隣接していなくてもよい。以下も、同様である。
上記所定値は、固定値でもよいし、値に幅があってもよい。
上記差分フィルタをラプラシアンフィルタとするとともに上記所定値を略0とし、上記拡大位置取得手段は、上記中間データに対応するドットマトリクス状の画素上で注目画素を含む所定範囲内の複数画素の位置および中間データに基づいて同中間データを略0にする位置を決定し、当該位置を上記拡大画像の各画素の位置に対応させたエッジの位置を取得してもよい。公知のラプラシアンフィルタを用いてエッジの位置を検出することにより、簡易な構成で精度よくエッジの位置を取得することができ、精度よく拡大画像のエッジの領域を表す情報を生成することができる。
ラプラシアンフィルタは、8方向ラプラシアンフィルタ、4方向ラプラシアンフィルタ、等、を採用することができる。ラプラシアンフィルタを用いるとエッジ位置を高精度で取得することができる点で有用であるが、一次空間微分フィルタ、等の差分フィルタを用いることも可能である。
上記向き決定手段は、上記拡大前画像上で、注目画素を含む所定範囲内の複数画素の階調データを2値化して2値化データを生成し、当該2値化データと、エッジの向きに対応した所定の複数のマッチングパターンと、からエッジの向きを決定する構成としてもよい。簡易な構成で確実にエッジの向きを決定することができ、高速な処理にて確実に拡大画像のエッジを精度よく細線で形成することが可能となる。
上記位置修正手段は、上記拡大画像上において上記注目エッジに近隣する二つのエッジの位置どうしを結ぶ方向が同注目エッジの位置と当該注目エッジに近隣するエッジの位置とを結ぶ方向よりも上記決定された注目エッジの向きに近いとき、同注目エッジの位置と当該注目エッジに近隣するエッジの位置とを結ぶ方向を上記決定された注目エッジの向きに近づける位置に同注目エッジの位置を修正する。すなわち、二つの近隣エッジの位置どうしを結ぶ方向のほうが注目エッジの位置と近隣エッジの位置とを結ぶ方向よりも上記決定された注目エッジの向きに近い場合に注目エッジの位置が修正されるので、エッジ位置の精度がより確実に向上する。従って、より確実に拡大画像のエッジをより滑らかに精度よく細線で形成して鮮鋭化等の処理をより容易に行うことが可能となり、画像処理後の画像の画質をより良好にさせることができる。
その際、二つのエッジの位置どうしを結ぶ直線に近づける位置に上記注目エッジの位置を修正すると、エッジ位置の精度がさらに確実に向上する。従って、さらに確実に拡大画像のエッジをより滑らかに精度よく細線で形成して鮮鋭化等の処理をさらに容易に行うことが可能となり、画像処理後の画像の画質をさらに良好にさせることができる。
上記拡大画像のエッジの位置を当該拡大画像の画素単位とすると、拡大画像の画素単位でエッジの領域が形成されるので、拡大画像のエッジを精度よく細線で形成して鮮鋭化等の処理を容易に行うことが可能であるとともに、エッジのジャギーを少なくさせることが可能となる。その際、エッジ位置を取得するためにエッジ検出用の拡大画像を生成する必要がないので、少ない容量の記憶領域で拡大画像のエッジの領域を表す情報を生成することができる。
上記エッジ生成手段が近隣する拡大画像のエッジどうしを連結して拡大画像のエッジの領域を表すエッジ情報を生成すると、拡大画像のエッジどうしが連結されるので、より確実に、拡大画像のエッジを精度よく細線で形成することが可能となる。
上記拡大位置取得手段は、上記拡大前画像の明るさが表された上記画像データに基づいて上記エッジの位置を取得してもよい。すると、より確実にエッジの位置を精度よく取得することができ、精度よく拡大画像のエッジの領域を表す情報を生成することができる。なお、明るさが表された画像データは、輝度データ、明度データ、RGB各データの平均、等、様々なデータとすることができる。
上記拡大位置取得手段は、上記拡大前画像上で、注目画素を含む所定範囲内の複数画素の階調データに対してガウスぼかしを行う演算を行い、当該ガウスぼかしが行われた画像データに基づいてエッジの位置を取得してもよい。ガウスぼかしを行うことによりノイズが除去されるのでさらに精度が向上し、より滑らかとされたエッジの位置を表す情報を生成することができる。
また、上記拡大前画像上で階調データの修正処理を行う注目画素を含む所定範囲内の複数画素の中から所定の色領域内にある画素の量を表す特徴量を当該複数画素の階調データから求める特徴量取得手段と、
上記注目画素を含む所定範囲内の複数画素の階調データに対して所定のフィルタ演算を行い、同注目画素についてフィルタ処理後の階調データを求めるフィルタ手段と、
上記特徴量に対応する割合で上記注目画素の階調データと上記フィルタ処理後の階調データとを合成して上記注目画素についての上記修正処理後の階調データとすることにより、上記拡大前画像を表現した画像データを修正する合成手段とが設けられてもよい
上記特徴量取得手段により、上記修正処理を行う注目画素を含む所定範囲内の複数画素の中から所定の色領域内にある画素の量を表す特徴量が当該複数画素の階調データから求められる。また、上記フィルタ手段により、上記注目画素を含む所定範囲内の複数画素の階調データに対して所定のフィルタ演算が行われ、同注目画素についてフィルタ処理後の階調データが求められる。そして、上記合成手段により、上記特徴量に対応する割合で上記注目画素の階調データと上記フィルタ処理後の階調データとが合成され、上記注目画素についての上記修正処理後の階調データとされる。
すなわち、所定の色領域内にある画素の量が表された特徴量に対応する割合でフィルタ処理前後の階調データが合成されるので、当該色領域に対して適切な処理が行われる。従って、色領域以外の部分の画質を維持しながら色領域をより良好に表現することができ、画像処理後の画像の画質を向上させることが可能となる。
上記色領域は、画像中で肌色を表現する所定の肌色領域、青空を表現する所定の青色領域、夕日を表現する所定の赤色領域、森を表現する所定の緑色領域、等、画像中の様々な領域とすることができる。上記所定のフィルタ演算は、色領域の種類に対応して行えばよい。例えば肌色領域の場合、所定範囲内の複数画素の階調データを平滑化する平滑フィルタを用いてフィルタ演算を行うと、色として重要な肌色についてより好ましい色を表現することが可能となり、より良好な画質の画像を得ることが可能となる。ガウスぼかしを行うフィルタ演算を行うと、より確実に肌色領域の表現力を向上させ、より確実に高画質の画像を得ることが可能となる。むろん、鮮鋭化処理を行うと好適な色領域の場合には、所定範囲内の複数画素の階調データを鮮鋭化するフィルタ演算を行うと、当該色領域についてより好ましい色を表現することが可能となり、より良好な画質の画像を得ることが可能となる。
簡易な構成として、上記合成手段は、上記注目画素の階調値をh1、当該注目画素の上記フィルタ処理後の階調値をh2、上記特徴量に対応する係数をb1(0≦b1≦1)として、b1×h2+(1−b1)×h1なる演算式により、上記注目画素についての修正処理後の階調データを求めてもよい。むろん、注目画素の階調値h1と当該注目画素についての修正処理後の階調値との相関を線形とする以外にも、非線形とすることも可能である。
上記画像データは、上記画素毎にRGB色空間の各RGBの成分値に対応したRGB別の階調値からなるデータとされ、上記特徴量取得手段は、上記画素毎のR,G,Bの成分値をそれぞれR,G,Bとするとき、{1.732(G−B)/(2R−G−B)}が0.1より大きく0.9より小さく、かつ、G>Bを満たす画素を上記所定の色領域内の画素とする発明によれば、0.1<{1.732(G−B)/(2R−G−B)}<0.9のみならずG>Bも満たす画素を上記所定の色領域内の画素とするので、肌色として良好な色とされた部分のみ当該色領域内の画素とされる。従って、良好な肌色の領域内にある画素の量を表す特徴量を確実に求めて、当該領域以外の画質を維持しながら良好な肌色の領域をさらに良好に表現することができ、画像処理後の画像をさらに高画質化させることが可能となる。
RGB色空間をsRGB規格にも定義されたCIE 1931表色系におけるRGB色空間とすると、さらに良好に色領域を表現することができ、画像処理後の画像の画質をさらに向上させることが可能となる。
上記特徴量取得手段は、上記修正処理を行う注目画素を含む所定範囲内の画素の数に対する上記所定の色領域内にある画素の割合が表された特徴量を当該複数画素の階調データから求め、上記合成手段は、上記特徴量が大きいほど上記フィルタ処理後の階調データの割合を大きくして上記注目画素の階調データと同フィルタ処理後の階調データとを合成して上記注目画素についての上記修正処理後の階調データとする発明によれば、色領域内にある画素の割合を特徴量とするという簡易な構成で、色領域以外の部分の画質を維持しながら色領域をより良好に表現することが可能となる。肌色領域を所定の色領域とする場合、このようにして求められた特徴量が大きいほどフィルタ処理後の階調データの割合を大きくしてフィルタ処理前後の階調データを合成すると、肌色領域をさらに良好に表現することができ、画像処理後の画像をさらに高画質化させることが可能となる。
さらに、上記拡大画像上で階調データの補間処理を行う注目画素の近隣に位置する上記拡大前画像における複数画素の画像データを用いることにより、同注目画素について同補間処理を行って補間処理後の階調データを生成する補間手段と、
上記拡大画像上における各画素の補間処理後の階調データのうちエッジの部分を鮮鋭化する鮮鋭化処理を行う注目エッジの位置を含む所定範囲内の複数画素の階調データに対して、上記拡大前画像の画素数に対応する度合で鮮鋭化する鮮鋭化処理を行う鮮鋭化手段とが設けられてもよい
上記補間後位置取得手段により上記補間後画像の各画素の位置に対応させたエッジの位置が取得されると、上記補間手段により上記補間後画像上で上記補間処理を行う注目画素の近隣に位置する上記補間前画像における複数画素の画像データが用いられて、同注目画素について上記補間処理が行われて補間処理後の階調データが生成される。そして、鮮鋭化手段により、上記補間後画像上における各画素の補間処理後の階調データのうち上記鮮鋭化処理を行う注目エッジの位置を含む所定範囲内の複数画素の階調データに対して、上記補間前画像の画素数に対応する度合で鮮鋭化する鮮鋭化処理が行われる。
すなわち、注目エッジの位置を含む所定範囲内の複数画素の階調データに対して補間前画像の画素数に対応する度合で鮮鋭化されるので、当該複数画素の階調データに対して適切な鮮鋭化処理が行われる。従って、エッジ部分についてより良好に鮮鋭化することができ、画像処理後の画像の画質を向上させることが可能となる。
上記注目画素の近隣に位置する画素は、注目画素に隣接していてもよいし、隣接していなくてもよい。
上記鮮鋭化手段は、第一画素数とされた上記補間前画像に対する鮮鋭化の度合を、当該第一画素数よりも少ない第二画素数とされた上記補間前画像に対する鮮鋭化の度合よりも大きくする構成としてもよい。補間後画像のエッジ部分がより適切に鮮鋭化されるので、画像処理後の画像をより高画質化させることが可能となる。
上記画素数に対応する度合で鮮鋭化する簡易な構成として、上記鮮鋭化手段は、上記所定範囲内の複数画素の階調データに対して鮮鋭化する所定の鮮鋭化演算を行い、鮮鋭化演算後の階調データを求めるとともに、上記補間前画像の画素数に対応する割合で当該所定範囲内の複数画素についてそれぞれ鮮鋭化演算前の階調データと鮮鋭化演算後の階調データとを合成して上記鮮鋭化処理後の階調データとするという構成としてもよい。簡易な構成ながら、画像処理後の画像をより高画質化させることが可能となる。
さらに簡易な構成として、上記鮮鋭化手段は、上記所定範囲内の画素毎の階調値をg3、鮮鋭化演算後の階調値をg4、上記補間前画像の画素数に対応する係数をa3(0≦a3≦1)として、a3×g4+(1−a3)×g3なる演算式により、上記鮮鋭化処理後の階調データを求めてもよい。むろん、鮮鋭化演算前後の階調値g3の相関を線形とする以外にも、非線形とすることも可能である。
上記所定範囲内の画素毎の階調値をg1、鮮鋭化演算後の階調値をg2、当該所定範囲内の複数画素についての階調値の最小値をmin、最大値をmax、平均値をave、上記補間前画像の画素数に対応した所定係数をa1,a2(ただし、0<a1<1<a2)として、
(A)g1が{(1−a1)×min−(1−a2)×ave}/(a2−a1)}より小または以下のとき、
g2=a1×g1+(1−a1)×min
(B)g1が{(1−a1)×min−(1−a2)×ave}/(a2−a1)}以上またはより大、かつ、g1が{(1−a1)×max−(1−a2)×ave}/(a2−a1)}より小または以下のとき、
g2=a2×g1+(1−a2)×ave
(C)g1が{(1−a1)×max−(1−a2)×ave}/(a2−a1)}以上またはより大のとき、
g2=a1×g1+(1−a1)×max
なる演算式を用いても、上記画素数に対応する度合で鮮鋭化することができ、画像処理後の画像をより高画質化させることが可能となる。また、トーンカーブ補正等を行う場合と比べて鮮鋭化処理を高速化させることが可能となるし、各エッジでの階調値の状況に応じた適切な鮮鋭化処理を行うことが可能となる。同演算式を用いて上記所定の鮮鋭化演算を行い、上記補間前画像の画素数に対応する割合で上記所定範囲内の複数画素についてそれぞれ鮮鋭化演算前の階調データと鮮鋭化演算後の階調データとを合成して上記鮮鋭化処理後の階調データとする場合も上記演算式を用いる先鋭化手段の構成に含まれ、画像処理後の画像をさらに高画質化させることが可能となる。
既に階調データの鮮鋭化演算が行われていた画素については既に得られていた鮮鋭化演算後の階調データと新たに得られた鮮鋭化演算後の階調データとを平均し、鮮鋭化処理を行うと、画像処理後の画像の高画質を維持しながら鮮鋭化処理を高速化させることが可能となる。なお、平均には、算術平均(相加平均)、相乗平均等が含まれる。
また、既に注目エッジの位置とされたエッジに隣接するエッジの位置を除いて注目エッジの位置を設定しても、画像処理後の画像の高画質を維持しながら鮮鋭化処理を高速化させることが可能となる。
上記補間手段は、上記注目画素の近隣に位置する上記補間前画像における複数画素のうち当該注目画素に対応する画素との画像データの差異が所定範囲内となる画素の画像データのみを用いて上記補間処理を行って補間処理後の階調データを生成してもよい。補間処理の際に注目画素に対応した画素の画像データとの差異が大きい画素の画像データが用いられないので、実質的にはエッジの領域から注目画素側にある画素の画像データのみを用いた補間処理が行われる。すなわち、補間処理の際に同所定領域のうちエッジの領域を越えた領域の画素の画像データが用いられないので、エッジ部分が平滑化されず、補間処理後でもエッジ部分の鮮鋭さを維持して画質を向上させることが可能となる。
ここで、複数の画素の画像データを参照する補間処理は、バイキュービック法による補間処理、バイリニア法による補間処理、等、様々な処理が考えられる。上記所定領域は、補間処理の種類に応じて、適宜決定すればよい。エッジの領域から注目画素側にある画素が一つとなる場合も、上記補間手段の構成に含まれる。
上記画像データは、上記画像の明るさが表されたデータであってもよい。同画像データの差異は、階調値の差や比、階調値の2乗の差、等、様々なものが考えられる。
上記所定範囲には、境界部分を含めてもよいし、除いてもよい。画像データの差異が所定範囲内か否かは、例えば、同差異と所定の閾値とを対比するにより判断することができる。閾値は、固定値でも、条件に応じて変動する値でもよい。以下も、同様である。
なお、上述した装置は、ある機器に組み込まれた状態で他の方法とともに実施されることもある等、発明の思想としては各種の態様を含むものであって、適宜、変更可能である。また、上記構成に対応した所定の手順に従って処理を進めていくことも可能であるので、本発明は制御方法としても適用可能であり、請求項6〜請求項7にかかる発明も、基本的には同様の作用、効果を有する。さらに、上記処理後の画像データに基づいて印刷を行う印刷装置に対して印刷制御を行う印刷制御装置としても適用可能であるし、同印刷制御装置と印刷装置を備える印刷システムとしても適用可能であり、基本的には同様の作用、効果となる。
本発明を実施しようとする際に、上記装置にて所定の制御プログラムを実行させる場合もある。そこで、請求項8〜請求項9に記載したプログラムでも、基本的には同様の作用、効果を有する。また、同プログラムを記録した媒体が流通し、同記録媒体からプログラムを適宜コンピュータに読み込むことが考えられるので、そのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体としても適用可能であり、基本的には同様の作用、効果を有する。
むろん、請求項3〜請求項5に記載した構成を上記方法やプログラムや記録媒体に対応させることも可能である。
以下、下記の順序に従って本発明の実施形態を説明する。
(1)印刷システムの構成:
(2)エッジ生成装置および画像処理装置の構成の概略:
(3)エッジ生成装置および画像処理が行う処理の詳細:
(3−1)特徴別フィルタ処理:
(3−2)平滑化処理:
(3−3)エッジ情報生成処理:
(3−4)補間処理:
(3−5)エッジ鮮鋭化処理:
(3−6)鮮鋭化画像合成処理:
(4)まとめ:
(1)印刷システムの構成:
図1は、本発明にいうエッジ生成装置および狭義の画像処理装置となるコンピュータ(パーソナルコンピュータ、PC)10、印刷装置(印刷手段)となるカラー印刷可能なインクジェットプリンタ20、等から構成された印刷システムを示している。
本発明では、エッジの位置を修正したり、所定の色領域内にある画素の量を表す特徴量に対応する修正量で画像を修正したり、補間前画像の画素数に対応する度合で鮮鋭化したりすることにより、画像の鮮鋭度を保ちつつ、エッジが滑らかでノイズの少ない高品位な拡大画像を得るようにしている。
PC10では、演算処理の中枢をなすCPU11がシステムバス10aを介してPC全体を制御する。同バス10aには、書き換え不可能な半導体メモリであるROM12、書き換え可能な半導体メモリであるRAM13、CD−ROMドライブ15、フレキシブルディスク(FD)ドライブ16、各種インターフェイス(I/F)17a〜e等が接続され、ハードディスクドライブを介して磁気ディスクであるハードディスク(HD)14も接続されている。RAM13には、一時的に処理前後の画像データ等が格納される。
HD14にはオペレーティングシステム(OS)やアプリケーションプログラム(APL)が記憶されており、実行時にCPU11によって適宜RAM13に転送され、実行される。同HD14には、本発明のエッジ生成プログラムおよび画像処理プログラム、動作設定データ14a、特徴別フィルタデータ14b、フィルタ合成設定データ14c、マッチングパターン14d、等が記憶されている。I/F17a(例えばUSB I/F)にはデジタルカメラ30等を接続可能であり、CRTI/F17bにはカラー画像データに基づいて当該画像データに対応する画像を表示するディスプレイ18aが接続され、入力I/F17cにはキーボード18bやマウス18cが操作用入力機器として接続され、プリンタI/F17eには例えばパラレルI/Fケーブル(シリアルI/Fケーブルも可)を介してプリンタ20が接続されている。
プリンタ20は、カートリッジ25aに装着されたC、M、Ye、K(シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック)のインク(記録剤)を使用して、印刷用紙(印刷媒体)にインクを付着させてドットを形成することにより印刷データに対応する印刷画像を印刷する。むろん、ライトシアン、ライトマゼンタ、ライトブラック、ダークイエロー、無着色インク、等も使用するプリンタを採用してもよいし、CMYeKのいずれかのインクを使用しないプリンタを採用してもよい。また、インク通路内に泡を発生させてインクを吐出するバブル方式のプリンタや、トナーインクを使用して印刷媒体上に印刷画像を印刷するレーザープリンタ等、種々の印刷装置を採用可能である。
本プリンタ20では、CPU21、ROM22、RAM23、通信I/O24、コントロールIC25、ASIC26、I/F27、等がバス20aを介して接続され、CPU21がROM22に書き込まれたプログラムに従って各部を制御する。
通信I/O24はPC10のプリンタI/F17eと接続され、プリンタ20は通信I/O24を介してPC10から送信される色別のラスタデータを受信する。ASIC26は、CPU21と所定の信号を送受信しつつヘッド駆動部26aに対してラスタデータに対応する印加電圧データを出力する。同ヘッド駆動部26aは、同印加電圧データから印刷ヘッドに内蔵されたピエゾ素子への印加電圧パターンを生成し、印刷ヘッドに6色のインクをドット単位で吐出させる。I/F27に接続されたキャリッジ機構27aや紙送り機構27bは、印刷ヘッドを主走査させたり、適宜改ページ動作を行いながら印刷用紙を順次送り出して副走査を行ったりする。
PC10では、OSにプリンタI/F17eを制御するプリンタドライバ等が組み込まれ、OSの一部となって各種の制御を実行する。APLは、OSを介してハードウェアとデータ等のやりとりを行う。プリンタドライバは、APLの印刷機能の実行時に稼働され、プリンタI/F17eを介してプリンタ20と双方向の通信を行うことが可能であり、OSを介してAPLから印刷データを受け取ってラスタデータに変換し、プリンタ20に送出する。
なお、本発明のプログラムは、OS、APL、OSとAPL、のいずれにより構成してもよい。同プログラムを記録した媒体は、HD14以外にも、CD−ROM、FD16a、半導体メモリ、等でもよい。また、通信I/F17dをインターネット網に接続し、所定のサーバから本発明のプログラムをダウンロードして実行してもよい。
(2)エッジ生成装置および画像処理装置の構成の概略:
図2は上記エッジ生成装置を含む広義の画像処理装置U0の構成の概略を模式的に示すブロック図であり、図3は同画像処理装置が行う処理を示すフローチャートである。本装置U0は各部U1〜U7を備え、特徴別フィルタ処理部U2はさらに細分化された各部U21〜U23を備え、エッジ情報生成部U4はさらに細分化された各部U41〜U44を備えている。本発明のエッジ生成装置は少なくともエッジ情報生成部U4から構成され、画像データに対して修正処理を行う意味での画像処理装置は少なくとも特徴別フィルタ処理部U2から構成され、補間処理を行ってエッジの部分を鮮鋭化する意味での画像処理装置は少なくとも各部U41,U5〜U7から構成される。
図3のフローを開始すると、設定値決定部U1により、設定値決定処理を行う(ステップS10。以下、「ステップ」の記載を省略)。
図4は上記設定値決定処理を示すフローチャートであり、図5は上記動作設定データ14aの構造を模式的に示す図である。フローを開始すると、拡大前画像(補間前画像)の画像データD1を入力する(S100)。同画像データD1は、拡大前画像をドットマトリクス状の多数の画素別の階調データ(例えば256階調)で表現するデータであり、拡大前画像の明るさが表されたデータである。本実施形態の画像データは、画素毎にCIE 1931表色系におけるRGB色空間の各RGBの成分値に対応したR(レッド)、G(グリーン)、B(ブルー)別の階調値からなるRGBデータであるとして説明するが、Y(輝度)、Cb(ブルーの色差)、Cr(レッドの色差)からなるYCbCrデータ等であってもよい。
次に、画像データD1を参照して、拡大前画像の画素数Nxyを取得する(S102)。画像データD1を構成する横方向(x方向)の画素数をNx、縦方向(y方向)の画素数をNyとすると、Nx×NyをNxyとすることができる。そして、動作設定データ14aを参照して、画素数Nxyに対応する各種パラメータを取得し(S104)、フローを終了する。同パラメータには、特徴別フィルタ処理を行うための実行パラメータp1、エッジ鮮鋭化処理を行うための傾き値a1,a2、鮮鋭化画像合成処理を行うための合成比率A3がある。同パラメータa1,a2,A3は、拡大前画像の画素数が多くなるほど段階的に大きくなるようにしてある。図5の例では、100万画素以上(より大)とされた画素数(第一画素数の一例)の拡大前画像に対応する鮮鋭化の度合は100万画素より小(以下)とされた画素数(第二画素数の一例)の拡大前画像に対応する鮮鋭化の度合より大きくなるように設定され、30万画素以上(より大)とされた画素数(第一画素数の一例)の拡大前画像に対応する鮮鋭化の度合は30万画素より小(以下)とされた画素数(第二画素数の一例)の拡大前画像に対応する鮮鋭化の度合より大きくなるように設定される。
設定値取得処理が終了すると、詳しくは後述するが、特徴別フィルタ処理部U2により、画像データD1に対して修正処理を行う特徴別フィルタ処理を行う(S20)。
図6は特徴別フィルタ処理部U2が行う処理を模式的に示す図であり、図7はその具体例を模式的に示す図であり、図8は上記特徴別フィルタデータ14bとフィルタ合成設定データ14cの構造を模式的に示す図である。拡大前画像I1を表現した画像データD1は、ドットマトリクス状に配置された画素I1u毎に各RGBの階調値からなる階調データを対応させたデータとされている。特徴量取得部(特徴量取得手段)U21は、修正処理を行う注目画素N1を含む所定領域(所定範囲)R1内の複数画素の中から所定の色領域内にある画素N2の量を表す特徴量C1を当該複数画素の階調データから求める。本実施形態では、注目画素N1を中心とした3×3=9画素を所定領域R1としている。また、所定の色領域を所定の肌色領域として、所定領域R1内で当該肌色領域内にある画素N2の数NC1を特徴量C1としている。
ここで、上記画素毎のRGBの階調値をそれぞれr,g,b(0≦r≦255、0≦g≦255、0≦b≦255)、CIE 1931表色系におけるRGB色空間の各成分値をそれぞれR,G,Bとし、R=r/255、G=g/255、B=b/255とするとき、
H={1.732(G−B)/(2R−G−B)} …(1)
なる演算式を用いてHSV表色系の色相に相当するH値を求め、以下の関係式(2),(3)を同時に満たす画素を上記肌色領域内の画素としている。
0.1<H<0.9 …(2)
G>B …(3)
上記関係式(2)のみを満たす領域を肌色領域とすることもできるが、さらに上記関係式(3)も満たす領域を肌色領域とすることによって、肌色として良好な色とされた部分のみ肌色領域内の画素とされる。従って、良好な肌色を表現する肌色領域内にある画素の量を表す特徴量を確実に求めて、当該肌色領域以外の画質を維持しながら良好な肌色を表現する肌色領域をさらに良好に表現することができ、画像処理後の画像をさらに高画質化させることが可能となる。
図7の例では、画像I1の各画素について上段にRの階調値、中段にGの階調値、下段にBの階調値を示してあり、上記演算式(1)の演算結果であるH値を画像I1の下に示している。ここで、上記関係式(2),(3)をともに満たす画素N2の数は2であるので、特徴量NC1は2とされる。
フィルタ部(フィルタ手段)U22は、注目画素N1を含む所定領域R2内の複数画素の階調データに対して色領域に対応する所定のフィルタ演算を行い、同注目画素N1についてフィルタ処理後の階調データを求め、フィルタ処理後の画像データD2を生成する。ここで、上記特徴別フィルタデータ14bには、複数の色領域のそれぞれに対応するフィルタの情報が格納されている。肌色領域の修正処理を行う場合には、公知のガウスぼかし演算用フィルタF1の情報を特徴別フィルタデータ14bから取得し、当該フィルタF1を用いて所定領域R2内の複数画素の階調データに対してガウスぼかしを行う演算を行い、図7に示すフィルタ処理後の画像データD2を生成する。
なお、所定領域R2は、特徴量を求めるための所定領域R1と同じ範囲でもよいし、異なる範囲でもよい。ここで、所定領域R1,R2を同じ範囲とすると、特徴量はフィルタ処理の際に用いられる範囲の特徴が適切に表された量とされるので、画像中の特徴部分である特徴領域について適切に色を表現することが可能となる。
合成部(合成手段)U23は、特徴量C1に対応する割合b1で注目画素N1の階調データと当該注目画素N1のフィルタ処理後の階調データとを合成して、注目画素N1についての修正処理後の階調データとし、修正処理後の画像データD3を生成する。ここで、上記フィルタ合成設定データ14cには、複数の色領域のそれぞれに対応するフィルタ比率B1(0≦B1≦100)が格納されている。肌色領域については、B1を%単位として、特徴量NC1を所定領域R1の画素数NR1で除した値に所定比率70%を乗じたフィルタ比率B1の情報が対応して格納されている。肌色領域の修正処理を行う場合には、当該フィルタ比率B1の情報をフィルタ合成設定データ14cから取得し、注目画素N1についてフィルタ処理前のRGB毎の階調値h1、当該注目画素N1のフィルタ処理後におけるRGB毎の階調値をh2、当該注目画素N1の合成後におけるRGB毎の階調値をh3、特徴量NC1に対応する係数をフィルタ比率b1(=B1/100、0≦b1≦1)として、
h3=b1×h2+(1−b1)×h1 …(4)
なる演算式により、注目画素N1についての修正処理後の階調値h3を求め、図7に示す修正処理後の画像データD3を生成する。
肌色領域のような特徴部分の色領域内にある画素の量が表された特徴量に対応する割合でフィルタ処理前後の階調データが合成され、当該色領域に対して適切なフィルタ処理が行われるので、特徴部分以外の部分の画質を維持しながら特徴部分をより良好に表現することができる。従って、画像処理後の画像を高画質化させることが可能となる。
なお、フィルタ比率b1は特徴量NC1が大きくなるほど多くなるようにされていることから、特徴量NC1が大きいほどフィルタ処理後の階調データの割合b1を大きくして注目画素についてフィルタ処理前後の階調データを合成して修正処理後の階調データとしている。肌色領域を特徴領域とする場合、特徴量が大きいほどフィルタ処理後の階調データの割合を大きくすると、肌色領域の色の表現力をさらに向上させることができ、画像処理後の画像はさらに高画質化される。
特徴別フィルタ処理後、詳しくは後述するが、平滑化処理部U3により、修正処理後の画像データD3に対して例えばガウスぼかし演算用フィルタを用いて平滑化し、平滑化後の画像データD4を生成する平滑化処理を行う(S30)。その後、詳しくは後述するが、エッジ情報生成部U4により、拡大前画像を表現した平滑化後の画像データD4から拡大前画像を拡大した拡大画像のエッジの領域を表すエッジ情報を生成するエッジ情報生成処理を行う(S40)。
図9はエッジ情報生成部U4が行う処理を模式的に示す図であり、図10は注目エッジの位置を修正する様子を模式的に示す図であり、図11は上記マッチングパターン14d(Prewittフィルタ)の一例を模式的に示す図である。図11において、エッジの向き90度、30度、45度に対応して、それぞれ90度用のマッチングパターンが12種類、30度用のマッチングパターンが16種類、45度用のマッチングパターンが8種類示されている。これらの他、60度用、135度用、180度用、等のマッチングパターンもそれぞれ複数種類用意されている。むろん、マッチングパターンは、図に示したものに限定されない。
画像を拡大する際、エッジ部分の処理によって、拡大後の画像の見栄えがまったく違うものになってしまうし、ジャギーが少ない、拡大エッジ画像を作成することは、画像拡大処理において非常に重要である。本装置は、各部U41〜U44により、ジャギーの少ない、きれいなエッジのラインを作成する。
平滑化後の画像データD4も、ドットマトリクス状に配置された画素毎に各RGBの階調値からなる階調データを対応させたデータとされている。拡大位置取得部(拡大位置取得手段、補間後位置取得手段)U41は、同画像データD4に基づいて、拡大画像I2の各画素I2uの位置に対応させたエッジの位置を表す拡大エッジ位置情報D7を取得する。
具体的には、まず、画像データD4の輝度値Yに基づいてゼロクロス位置Zを算出して取得する。その際、平滑化された拡大前画像上で注目画素を順次移動させながら、同注目画素とその周囲の画素の画像データに対して公知のラプラシアンフィルタを用いた演算を行って拡大前画像の各画素に対応して階調表現された中間データD5を生成する。ラプラシアンフィルタでのエッジ検出では、ゼロクロス位置Zをピクセル以下の単位で求めることができる。なお、輝度値Yは、各RGBの階調値をr,g,bとして、
Y=0.30r+0.59g+0.11b …(5)
なる演算式により算出している。むろん、処理を高速化させるために、各RGBの階調値の平均値(算術平均等)を輝度値Yとしてもよい。
そして、中間データD5に対応するドットマトリクス状の画素上で注目画素を順次移動させながら、同注目画素とその近隣に位置する画素との位置と中間データとに基づいて同中間データを略0にする位置が表されたエッジ位置情報D6、すなわち、ゼロクロス位置Zを取得する。ゼロクロス位置Zは、拡大前画像の画素をxy平面上に置いたとき、拡大前画像の画素よりも細かい単位で拡大前画像の各画素の位置に対応させたエッジの位置を表す座標値とされている。
次に、拡大前画像の画素に対応して拡大画像I2の画素I2uを区分した画素区分I2d(図では3×3画素)毎に拡大画像I2上で注目画素区分を順次移動させながら、同注目画素区分のエッジの位置が表された拡大エッジ位置情報D7を取得する。すなわち、ゼロクロス位置Zが、拡大後のどのピクセルに相当するかを計算し、その位置を拡大後のゼロクロス位置(拡大エッジ位置情報D7)とする。拡大エッジ位置情報D7は、拡大画像の画素I2uをxy平面上に置いたとき、拡大画像の画素I2u単位で拡大画像の各画素I2uの位置に対応させたエッジの位置を表す座標値とされている。
向き決定部(向き決定手段)U42は、拡大前画像上における各画素の階調データのうち向きを決定する注目エッジ(拡大画像I2上では注目エッジN3)の位置を含む所定領域(所定範囲)内の複数画素の階調データから当該注目エッジの向きを決定する。具体的には、まず、拡大前画像上で注目画素を順次移動させながら、注目画素を中心とした3×3画素(所定領域R3内の複数画素)の階調データを2値化して2値化データD8を生成する。次に、2値化データD8と、エッジの向きに対応した3×3のパターンとされた所定の複数のマッチングパターン14dと、からエッジの向きを決定する。
位置修正部(位置修正手段)U43は、拡大画像I2上において注目エッジN3の位置と当該注目エッジN3に近隣するエッジN4,N5の位置とを結ぶ方向を上記決定された注目エッジN3の向きに近づける位置に同注目エッジN3の位置を修正可能である。図9の例では、注目エッジN3を含む所定領域R3内の3×3画素と「30-10フィルタ」のマッチングパターンとがマッチ(一致)したことを示してあり、エッジN3の向きが右下がりに30°であると決定されたことを示している。
図10に示すように、拡大画像I2上において、決定した注目エッジN3の傾きをsl0、注目エッジN3の位置と当該エッジN3に近隣する接続元の近隣エッジN4の位置とを結ぶ直線1の傾きをsl1、注目エッジN3の位置と当該エッジN3に近隣する接続先の近隣エッジN5の位置とを結ぶ直線2の傾きをsl2、近隣エッジN4,N5の位置どうしを結ぶ直線3の傾きをsl3とする。近隣エッジの位置どうしを結ぶ方向の傾きsl3が注目エッジの位置と近隣エッジN4の位置とを結ぶ方向の傾きsl1よりも注目エッジの傾きsl0に近いか、または、同sl3が注目エッジの位置と近隣エッジN5の位置とを結ぶ方向の傾きsl2よりも注目エッジの傾きsl0に近い場合、近隣エッジの位置どうしを結ぶ直線3上に注目エッジの位置を修正する。これにより、注目エッジN3の位置と近隣エッジN4,N5の位置とを結ぶ方向が上記決定された注目エッジN3の向きに近づくように同注目エッジN3の位置が修正される。図9の例では、注目エッジN3の位置が、修正後の注目エッジN6の位置に移動したことを示している。
このようにしてエッジ位置の精度を向上させることができるので、拡大画像のエッジを精度よく細線で形成して鮮鋭化等の処理を容易にさせることが可能となる。
エッジ生成部(エッジ生成手段)U44は、修正後のエッジの位置が表された修正エッジ位置情報D9を用いることにより、拡大画像I2の各画素I2uの位置に対応させて当該拡大画像I2のエッジの領域を表すエッジ情報D11を生成する。具体的には、まず、近隣する拡大画像I2のエッジどうしを同決定したエッジの向きとなるように連結する連結位置情報D10を取得する。連結位置情報D10は、拡大画像のエッジの領域とする画素の位置を表す情報である。マッチングパターンを用いることにより、連結の際にパターンマッチング結果を用いて適切な方向のみ連結することができ、拡大エッジ画像でのエッジを高精細の細線で取得することができる。そして、修正エッジ位置情報D9と連結位置情報D10とを合わせて、エッジ情報D11を生成する。エッジ情報D11は、拡大画像の画素I2uをxy平面上に置いたとき、拡大画像の画素I2u単位で拡大画像の各画素I2uの位置に対応させたエッジの領域を表す座標値の集合とされている。
エッジ情報生成処理後、詳しくは後述するが、補間処理部(補間手段)U5により、拡大画像上で補間処理を行う注目画素の近隣に位置する補間前画像における複数画素の画像データを用いることにより、同注目画素について補間処理を行って補間処理後の階調データからなる画像データD12を生成する補間処理を行う(S50)。その後、詳しくは後述するが、鮮鋭化手段の一部であるエッジ鮮鋭化処理部U6によりエッジ鮮鋭化処理を行い(S60)、同じく鮮鋭化手段の一部である鮮鋭化画像合成処理部U7により鮮鋭化画像合成処理を行って(S70)、フローを終了する。
図12はエッジ鮮鋭化処理部U6が拡大画像I3上で鮮鋭化処理を行う範囲を模式的に示す図であり、図13は同処理部U6が行う処理を模式的に示す図である。上述した設定値決定部U1は、図5で示した動作設定データ14aから、拡大前画像の画素数Nxyに対応する傾き値a1,a2(0<a1<1<a2とされている)を取得している。エッジ鮮鋭化処理部U6は、拡大画像I3上における各画素I3uの補間処理後の階調データのうち鮮鋭化処理を行う注目エッジN7の位置を含む所定領域(所定範囲)R4内の画素I3u毎の階調値をg1(RGB毎)、鮮鋭化演算後の階調値をg2(RGB毎)、当該所定領域R4内の複数画素についての輝度値Y(階調値)の最小値をmin、最大値をmax、平均値(算術平均)をaveとして、
(A)g1がg11より小または以下のとき、
g2=a1×g1+(1−a1)×min
(B)g1がg11以上またはより大、かつ、g1がg12より小または以下のとき、
g2=a2×g1+(1−a2)×ave
(C)g1が以上またはより大のとき、
g2=a1×g1+(1−a1)×max …(6)
ただし、g11={(1−a1)×min−(1−a2)×ave}/(a2−a1)}
g12={(1−a1)×max−(1−a2)×ave}/(a2−a1)}
なる演算式を用いることにより、所定領域R4内の複数画素の階調データに対して拡大前画像(補間前画像)の画素数に対応する度合で鮮鋭化する鮮鋭化処理を行う。輝度値Yは、各RGBの階調値r,g,bから上記演算式(5)を用いて得られる階調値であるが、r,g,bの平均値でもよい。ここで、min、max、aveをRGB毎の階調値としてもよいし、g1、g2を輝度値Yとしてもよい。所定領域R4内の画素毎、RGB毎の階調値g2からなる画像データは、鮮鋭化演算後の画像データD13となる。図13に示すように、上記演算式(6)はg1=min,ave,maxにおいてg2=g1であるとともに、g1=min近辺とg1=max近辺とで緩やかな傾き(傾き値a1<1かつa1>0)とされ、g1=ave近辺で急峻な傾き(傾き値a2>1)とされている。
これにより、補間前画像の画素数に対応する度合で鮮鋭化することができ、画像処理後の画像をさらに向上させることが可能となる。また、上記演算式(6)は一次式の集合であるため、トーンカーブ補正やγ補正を行う場合と比べて処理速度を向上させることができる点で有用である。さらに、上記演算式(6)は所定領域R4内の複数画素についての階調値の平均値aveをそのまま出力階調値にするので、各エッジでの階調値の状況に応じてより適切な鮮鋭化処理を行うことが可能となる。
なお、鮮鋭化を行う所定領域R4は、拡大画像I3上で注目エッジN7を含む画素を中心として、拡大率Mが奇数の場合には横方向(x方向)の画素数Nxおよび縦方向(y方向)の画素数NyをともにM×3とした範囲とし、拡大率Mが偶数の場合にはNx,NyをともにM×3+1とした範囲とすることにしている。
図14は鮮鋭化画像合成処理部U7が拡大画像上で鮮鋭化処理を行う範囲を模式的に示す図である。上述した設定値決定部U1は、図5で示した動作設定データ14aから、拡大前画像の画素数Nxyに対応する合成比率A3(%単位、0≦A3≦100とされている)を取得している。鮮鋭化画像合成処理部U7は、所定範囲内R4の複数画素の階調データに対して鮮鋭化する所定の鮮鋭化演算を行い、鮮鋭化演算後の階調データを求めて鮮鋭化演算後の画像データD4(拡大画像I4を表現)を生成するとともに、所定範囲R4内の画素I3u毎の階調値をg3、鮮鋭化演算後の階調値をg4、鮮鋭化処理後の階調値をg5、拡大前画像(補間前画像)の画素数に対応する係数をa3(=A3/100、0≦a3≦1)として、
g5=a3×g4+(1−a3)×g3 …(7)
なる演算式により、鮮鋭化処理後の階調データを求めて最終的に鮮鋭化処理後の画像データD14(拡大画像I5を表現)を生成し、画像処理を終了する。ここでの階調値g3,g4,g5は輝度値Yとしているが、RGB別の階調値r,g,bでもよい。同画像データD14は、補間前画像の画素数に対応する割合で所定範囲内の複数画素についてそれぞれ鮮鋭化演算前の階調データと鮮鋭化演算後の階調データとが合成されたデータとなる。
注目エッジの位置を含む所定範囲内の複数画素の階調データに対して補間前画像の画素数に対応する度合で鮮鋭化され、当該複数画素の階調データに対して適切な鮮鋭化処理が行われるので、エッジ部分についてより良好な鮮鋭化結果が得られる。従って、画像処理後の画像をさらに高画質化させることが可能となる。
(3)エッジ生成装置および画像処理装置が行う処理の詳細:
以下、本装置が行う処理とともに、動作を詳細に説明していく。
図3のフローを開始すると、拡大前画像の画素数Nxyに対応する各種パラメータを動作設定データ14a(図5)から取得する。
(3−1)特徴別フィルタ処理(図3のS20):
図15のフローを開始すると、特徴量取得部U21によりS200〜S204の処理を行う。以下、図5〜図8を参照して説明する。上記設定値決定処理により上記動作設定データ14aから実行パラメータp1が取得されており、p1が「なし」であればフローを終了し、p1が「あり」であればS202に進む(S200)。すなわち、拡大前画像I1の画素数Nxyが所定の閾値(本実施形態では10万画素)以上またはより大であるときのみ実質的な特徴別フィルタ処理を行う。拡大前画像の画素数が少ないときには画像の特徴領域を別の処理にしたことによる画質の向上が目立たないため、画像の画質をほぼ維持しながら画像処理を高速化させることができる。
S202では、拡大前画像I1上で注目画素N1の位置を設定する。注目画素の位置を設定する順序は、左上の画素から開始して順番に右上の画素までとし、その後一つずつ下の左端の画素から順番に右端の画素までとして、最後に右下の画素としている。以下、各種処理にて注目画素の位置を設定する場合も同様にしているが、注目画素の位置を設定する順序は適宜変更可能である。
次に、注目画素を含む所定領域R1内の3×3画素の中から特徴を満たす画素数(特徴量)NC1を同3×3画素の階調データから求める(S204)。特徴量は、所定の色領域内にある画素の量であり、上述した肌色領域の場合には上記関係式(2),(3)をともに満たす画素の数とする。
その後、フィルタ部U22により、上記特徴別フィルタデータ14bから色領域に対応するフィルタの情報を取得し、RGBの色別に注目画素N1を含む所定領域R2内の3×3画素の階調データに対して色領域に対応するフィルタの情報に従って所定のフィルタ演算を行い、注目画素N1についてフィルタ処理後の階調データを求める(S206)。
S206の処理は、図16のフローに従って行われる。まず、拡大前画像I1上で注目画素の位置を設定する(S300)。なお、S202で設定した注目画素N1をそのままS300の注目画素としてもよく、この場合にはS306の判断処理を行わずにフローを終了するようにすればよい。次に、注目画素とその近隣に位置する所定領域R2の3×3画素の階調値r,g,bを取得する(S302)。rgbのいずれかについて3×3画素の階調値を左上〜右上、左中〜右中、左下〜右下の順にd1〜d9とすると、注目画素の階調値がd5であり、その近隣に位置する8画素の階調値はd1〜d4,d6〜d9である。なお、注目画素が拡大前画像の端部にある場合には、拡大前画像の端部の画素における階調値が拡大前画像の外側にある(折り返されている)ものとして階調値を取得する。以下も、同様である。
そして、色領域に対応するフィルタFを用いてフィルタ演算を行う(S304)。色領域が肌色領域の場合には、図中に示した公知のガウスぼかし演算用フィルタF1を用いてガウスぼかし演算を行う。ここで、フィルタ演算を行うための演算用フィルタFは、参照する3×3画素のそれぞれに対応した係数f1〜f9を有しており、各画素に対応する階調値d1〜d9のそれぞれに同係数を乗じた総和を求めて注目画素のフィルタ演算後の階調値d’を算出するものである。実際には、以下の式のように、同総和に所定係数(kとする)を乗じてフィルタ演算後の階調値d’とする。
d’=kΣfi・di …(8)
後述するラプラシアンフィルタのように係数f1〜f9の合計Σfiが0となるフィルタの場合にはk=1とし、ガウスぼかし演算用フィルタF1のように係数f1〜f9の合計Σfiが0となるフィルタの場合にはk=1/Σfiとする。
その後、拡大前画像の全画素について、フィルタ演算を行ったか否かを判断し(S306)、条件不成立の場合にはS300〜S306を繰り返し、条件成立の場合にはフローを終了する。
その後、合成部U23によりS208〜S212の処理を行う。上記フィルタ合成設定データ14cには、肌色領域について、特徴量NC1を所定領域R1の画素数NR1で除した値に所定比率70%を乗じたフィルタ比率B1(%単位)の情報が対応して格納されている。そこで、色領域が肌色領域の場合、肌色領域に対応するフィルタ比率B1を取得し、特徴量NC1に対応するフィルタ比率b1(=B1/100)を取得する(S208)。次に、RGBの色別に上記演算式(4)を用いて、注目画素N1についてフィルタ処理前後の階調値h1,h2を合成して修正処理後の階調値h3とし、RGB全ての階調値h3からなる画像データD3を生成する(S210)。そして、拡大前画像I1の全画素について、修正処理後の階調データを生成したか否かを判断し(S212)、条件不成立の場合にはS202〜S212を繰り返し、条件成立の場合にはフローを終了する。
以上の処理により、色が肌色等の特定の特徴に対して、平滑化といったフィルタ処理を行うことが可能となる。ここで、適応型のフィルタ処理を行っているので、スムージング、ノイズ除去、等、画像の場所毎に最適な処理を行うことができる。このように、画像中の特徴領域に対して適切な処理が行われるので、特徴領域以外の部分の画質を維持しながら特徴領域をより良好に表現することができ、画像処理後の画像の画質を向上させることが可能となる。
(3−2)平滑化処理(図3のS30):
S30の処理は、図16のフローに従って行われる。まず、修正処理後の画像データD3で表現される拡大前画像上で注目画素の位置を設定し(S300)、注目画素とその近隣に位置する所定領域の3×3画素の階調値r,g,bを取得して(S302)、図中に示した公知のガウスぼかし演算用フィルタF1を用いてガウスぼかし演算を行う(S304)。そして、同拡大前画像の全画素について、ガウスぼかし演算を行ったか否かを判断し(S306)、条件不成立の場合にはS300〜S306を繰り返し、条件成立の場合にはフローを終了する。これにより、修正処理後の画像データD3は、平滑化後の画像データD4に変換される。なお、ガウスぼかし処理を行わなくてもエッジ情報を生成することは可能であるが、ガウスぼかし処理を行うことによりノイズが除去されるのでエッジ位置の精度が向上し、より滑らかとされたエッジの位置を表す情報を生成することができる。
(3−3)エッジ情報生成処理(図3のS40):
図17のフローを開始すると、拡大位置取得部U41によりラプラシアンフィルタ演算処理(S400)とゼロクロス検出処理(S402)を行い、向き決定部U42によりゼロクロス接続処理(S404)を行い、位置修正部U43によりゼロクロス移動処理(S406)を行い、エッジ生成部U44によりエッジ生成処理(S408)を行い、フローを終了する。以下、図9〜図11を参照して説明する。
(3−3−1)ラプラシアンフィルタ演算処理(図17のS400):
S400の処理は、図16のフローに従って行われる。まず、平滑化処理が行われた画像データD4で階調表現される拡大前画像上で注目画素の位置を設定し(S300)、注目画素とその近隣に位置する所定領域(所定範囲)内である3×3画素の輝度値d1〜d9を取得する(S302)。当該所定領域は、上述した所定領域R1,R2と同じ範囲でもよいし、異なる範囲でもよい。輝度値Yは、各RGBの階調値r,g,bから上記演算式(5)等を用いて得られる。
次に、差分フィルタを用いてフィルタ演算を行い、ドットマトリクス状の画素で階調表現された中間データD5を生成する(S304)。本実施形態では、差分フィルタとして、図中に示した公知の8方向ラプラシアンフィルタF3を用いている。なお、図16中に示した公知の4方向ラプラシアンフィルタF4や、同フィルタF3,F4の符号を正負逆にしたラプラシアンフィルタや、一次空間微分フィルタ、非線形差分フィルタ等を用いることも可能である。これらの中のフィルタでは、8方向ラプラシアンフィルタを用いるとエッジ位置を非常に高精度で取得することができ、画像処理後の画像を非常に高画質にさせることが可能となる。
8方向ラプラシアンフィルタF3では、注目画素に対応するフィルタF3の係数f5の周囲にある係数f1〜f4,f6〜f9は全て1とされ、中心にある係数f5は係数f1〜f4,f6〜f9の総和の符号を逆にした−8とされている。すなわち、フィルタF3を用いてフィルタ演算を行うことにより、以下の式のように、注目画素の周囲にある画素の輝度値と注目画素の輝度値との差分の総和を演算してラプラシアンフィルタ演算後の階調データd’とすることになる。
d’=Σ(di−d5) …(9)
ただし、i=1〜4,6〜9である。
そして、平滑化処理が行われた拡大前画像の全画素について、ラプラシアンフィルタ演算を行ったか否かを判断し(S306)、条件不成立の場合にはS300〜S306の処理を繰り返し、条件成立の場合にはフローを終了する。これにより、拡大前画像上で注目画素を順次移動させながら、当該注目画素を含む所定範囲内の複数画素の階調データに対して所定の差分フィルタを用いた演算を行って中間データD5を生成することができる。ラプラシアンフィルタ演算処理を行ってエッジの位置を検出することにより、簡易な構成で精度よくエッジの位置を表す情報を取得することができ、精度よく拡大画像のエッジの領域を表すエッジ情報を生成することができる。
(3−3−2)ゼロクロス検出処理(図17のS402):
図18の処理を開始すると、まず、ゼロクロス位置Zを記憶するバッファ領域をRAM内に確保する(S410)。次に、生成した中間データD5に対応するドットマトリクス状の画素上で注目画素の位置を設定する(S412)。そして、注目画素の中間データと注目画素の右隣(近隣)に位置する画素(右隣画素)の中間データの符号が異なるか否かを判断する(S414)。符号が異ならない場合、注目画素と右隣画素との間にゼロクロスはほとんど存在しないため、S424まで進む。符号が異なる場合、ゼロクロス位置を算出すべきか否かを判断するため、現在位置である注目画素の中間データの絶対値と右隣画素の中間データの絶対値の少なくとも一方が所定の閾値L1以上(またはより大)であるか否かを判断する(S416)。拡大前画像の輝度値が256階調であるとき、中間データの階調値も256階調となり、閾値L1を例えば256階調の略中間値である128等とすればよい。条件成立の場合、S422に進んでゼロクロス位置算出処理を行う。エッジが存在するのは主に両画素間の輝度値の差が大きく、中間データの符号が異なるときであるので、精度よくエッジの位置を表す情報を取得することができ、その結果、精度よく拡大画像のエッジの領域を表す情報を生成することが可能となる。
条件不成立の場合、さらにゼロクロス位置を算出すべきか否かを判断するため、ガウスぼかし処理が行われた拡大前画像上で注目画素を中心とする所定領域(所定範囲)内である3×3画素の輝度値の最大値と最小値の差を求め(S418)、求めた差が所定の閾値L2以上(またはより大)であるか否かを判断する(S420)。ガウスぼかし処理後の拡大前画像の輝度値が256階調であるとき、閾値L2を例えば50等とすればよい。条件成立の場合、S422に進んでゼロクロス位置算出処理を行う。注目画素と右隣画素の輝度値の差が小さいためにラプラシアンフィルタ演算処理を行った結果S416ではゼロクロスを検出することができなくても、注目画素を中心とした3×3画素の輝度値の差が大きいことがあるので、ゼロクロスの検出精度を向上させることができる。すなわち、精度よくエッジの位置を表す情報を取得することができ、精度よく拡大画像のエッジの領域を表す情報を生成することが可能となる。一方、条件不成立の場合、S424に進む。
図19に示すように、ゼロクロス位置算出処理では、まず、拡大前画像から拡大画像への拡大率Mを取得する(S2400)。例えば、ディスプレイに表示した解像度選択欄への操作入力から画像の拡大率を表すパラメータを取得してRAMに格納すればよい。拡大率Mは、横方向(x方向)の画素数をM倍にするとともに縦方向(y方向)の画素数もM倍にすることを意味するものとする。むろん、拡大率としてMx,Myを取得し、横方向の画素数をMx倍にし、縦方向の画素数をMy倍にしてもよい。次に、拡大後の画素の位置をX1、その画素の中間データをY1として、注目画素と隣接画素(S422で本処理が行われる場合には右隣画素)のX1,Y1の関係式Y1=A1・X1+B1のA1,B1を算出する(S2402)。ここで、画素の位置X1は、注目画素と右隣画素の2点について直線の式を求める場合には拡大画像上での横方向のx座標であり、注目画素と下隣画素の2点について直線の式を求める場合には拡大画像上での縦方向のy座標である。注目画素の中間データをLP0、隣接画素の中間データをLP1、拡大前画像上での注目画素の位置をx0とすると、A1,B1は以下の式により算出することができる。
A1=(LP1−LP0)/M …(10)
B1=LP0−A1×(x0×M+M/2) …(11)
さらに、以下の式により拡大画像上のゼロクロス位置Z1を算出する(S2404)。
Z1=−B1/A1 …(12)
ここで、Z1は小数点以下の情報を有する値とされ、拡大前画像の画素よりも細かい単位とされている。そして、拡大前画像の画素の位置に拡大率Mを乗じた値であるので、ゼロクロス位置Z1は拡大前画像の各画素の位置に対応させたエッジの位置を表すエッジ位置情報とされている。
その後、同ゼロクロス位置Z1に基づいて拡大前画像のエッジの位置に対応する拡大画像のエッジの位置Z1’(拡大エッジ位置情報の一種)を取得する(S2406)。同位置Z1’は、以下の式により算出することができる。
Z1’=INT(Z1) …(13)
ここで、INTは小数点以下を切り捨てる関数である。すなわち、Z1’は拡大画像の画素単位で拡大画像のエッジの位置を表す数値情報とされている。
図20の例では、拡大前画像のx=1,y=2に中間データLP0=-125の注目画素51があり、注目画素の右隣であるx=2,y=2に中間データLP1=53の隣接画素52があるとしている。ここで、拡大前画像の画素に対応して拡大画像の画素を区分したブロック54,55中でゼロクロス56がどこに存在するかを上記式(10)〜(12)を用いて求める。なお、拡大前画像の画素51,52に対応してそれぞれ注目ブロック54、隣接ブロック55があるものとする。
図の中段下寄りに示したX1−Y1グラフのように、X1(画素のx座標またはy座標)−Y1(中間データ)平面上での注目画素と隣接画素とを結ぶ直線がX1軸と交差する点(Y1=0となる点)がゼロクロスである。上記例では、ゼロクロス位置はZ1=6.6となる。最後に、上記式(7)を用いると、Z1’=INT(6.6)=6となる。従って、拡大エッジ位置情報57は、隣接ブロック55内の左側にあるx=6,y=7の画素の位置を表す情報となる。
このように、拡大エッジ位置情報は拡大画像のブロックよりも細かい画素単位で画素の位置を表す情報とされる。従って、拡大画像のエッジ位置の精度が向上し、拡大画像のエッジのジャギーは目立たなくなる。
S2406終了後、拡大画像のエッジの位置Z1’に対応する拡大画像上のエッジの座標値(拡大エッジ位置情報の一種)を順番にバッファに記憶し(S2408)、フローを終了する。バッファに格納されたエッジの座標値が、エッジどうしを連結する際に用いられる接続情報(図23の接続情報D15)の一部となる。
上記ゼロクロス位置算出処理が終了すると、図18のS424に進み、注目画素と下隣画素との間で同様の処理を行う。
S424では、注目画素の中間データと注目画素の下隣(近隣)に位置する画素(下隣画素)の中間データの符号が異なるか否かを判断する。符号が異ならない場合にはS434まで進み、符号が異なる場合には、現在位置である注目画素の中間データの絶対値と下隣画素の中間データの絶対値の少なくとも一方が所定の閾値L3(例えば128)以上(またはより大)であるか否かを判断する(S426)。条件成立の場合、S432に進んでゼロクロス位置算出処理を行う。
条件不成立の場合、ガウスぼかし処理が行われた拡大前画像上で注目画素を中心とする3×3画素の輝度値の最大値と最小値の差を求め(S428)、求めた差が所定の閾値L4(例えば50)以上であるか否かを判断する(S430)。条件成立の場合にはS432に進んでゼロクロス位置算出処理を行い、条件不成立の場合にはS434に進む。
S432でゼロクロス位置算出処理を行うと、ガウスぼかし処理が行われた拡大前画像の全画素についてゼロクロス検出処理を行ったか否かを判断する(S434)。条件不成立の場合にはS412〜S434を繰り返し、条件成立の場合にはフローを終了する。これにより、中間データD5に対応するドットマトリクス状の画素上で注目画素を順次移動させながら、当該注目画素を含む所定領域内の複数画素の中間データを用いて同中間データを所定値0にする位置を決定し、当該位置を拡大画像I2の各画素I2uの位置に対応させたエッジの位置を取得することができる。このようにして、ラスタスキャンでのエッジ検出が可能となり、拡大前画像の画素よりも細かい単位で高精度にてエッジの位置を求めることができる。
なお、注目画素の位置を設定する順序は左上の画素から順番に右下の画素までとしているため、座標値が順番にバッファに記憶されるエッジの多くは近隣したものとなる。
(3−3−3)ゼロクロス接続処理(図17のS404):
図21の処理を開始すると、まず、平滑化処理後の拡大前画像上で注目画素の位置を設定する(S440)。次に、拡大画像の画素を区分した所定領域(所定範囲)内である3×3画素のブロック毎に、注目画素の位置に対応する注目ブロックの位置を設定する(S442)。
さらに、図22に示すように、注目画素を中心とした所定領域(所定範囲)内である3×3画素(拡大画像の3×3ブロックに相当)の輝度値(画像データD4’)を2値化して拡大前画像の各画素に対応した2値化データD8を生成する(S444)。同輝度値は、平滑化処理後の画像データD4を構成する各RGBの階調値r,g,bから上記演算式(5)等を用いて得られる。注目画素が拡大前画像の端部にある場合には、拡大前画像の端部の画素における輝度値が拡大前画像の外側にあるものとして2値化データを生成する。本実施形態では、3×3画素の輝度値の最大値と最小値の平均値を閾値L5として、各画素の輝度値が閾値L5以上(またはより大)である場合に2値化データを1とし、閾値L5より小(または以下)である場合に2値化データを−1としている。
その後、拡大画像I2の注目ブロック内に同拡大画像の画素単位とされたゼロクロス、すなわち、エッジが存在するか否かを判断する(S446)。注目ブロック内にエッジが存在しない(対応する拡大画像上のエッジの座標値がバッファに格納されていない)場合、S460まで進む。注目ブロック内にエッジが存在する場合、同注目ブロック内に複数のエッジが存在するか否かを判断する(S448)。複数のエッジが存在する場合には当該エッジどうしを接続することを表す接続情報を作成して順次格納して(S450)S452に進み、エッジが一つしか存在しない場合には即座にS452に進む。
図23に示すように、接続情報D15は、エッジ毎に、当該エッジの位置(xy座標値)が格納されるとともに、当該エッジを基準としたときの接続元の近隣エッジの相対的な位置およびブロックI2dの位置と、接続先の近隣エッジの相対的な位置およびブロックI2dの位置とが格納された情報とされている。同図の例では、xy平面上の座標を(x,y)とし、相対的な座標を(Δx,Δy)で表すと、注目エッジN3を基準としたときの接続元の近隣エッジN4の相対的な位置は(-2,-2)、相対的なブロックの位置は(-1,-1)であり、接続先の近隣エッジN5の相対的な位置は(+3,+1)、相対的なブロックの位置は(+1, 0)である。接続元や接続先の近隣エッジが複数ある場合には、それぞれの近隣エッジについての相対的な位置およびブロックの位置が格納される。従って、S450では、注目ブロック内に存在する複数のエッジの中から順次基準エッジを設定し、基準エッジを基準として注目ブロック内の残りのエッジを接続元または接続先のエッジとして相対的な位置およびブロックの位置を接続情報とすればよい。
なお、接続情報を作成しようとしている基準エッジから見て基準エッジとは別のエッジを接続元にするか接続先にするかについては、例えば、エッジが左上(Δx<0かつΔy<0)、上(Δx=0かつΔy<0)、右上(Δx>0かつΔy<0)、左(Δx<0かつΔy=0)に存在する場合には当該エッジを接続元にし、エッジが右(Δx>0かつΔy=0)、左下(Δx<0かつΔy>0)、下(Δx=0かつΔy>0)、右下(Δx>0かつΔy>0)に存在する場合には当該エッジを接続先にする等すればよい。以下も、同様である。
S452では、注目ブロックの右隣のブロック、左下の隣接ブロック、下隣のブロック、右下の隣接ブロックのいずれかにゼロクロスが存在するか否かを判断し、条件成立の場合にはS454に進み、条件不成立の場合にはS460まで進む。注目ブロックの設定順序は左から右方向を上から下へ向かって繰り返しているので、これらの隣接ブロックは注目ブロックとされておらず、ゼロクロスが存在するか否かを判定する意義がある。本実施形態では、注目ブロックが拡大画像の端部にあり、隣接ブロックが拡大画像外となる場合には、その隣接ブロックについてはゼロクロスが存在しないものとしている。むろん、拡大画像の端部のブロックにおけるエッジが拡大前画像の外側にあるものとしてもよい。
S454では、2値化データD8と、所定の複数のマッチングパターン14d(図11)と、からエッジの向きを決定し、エッジの向きを表す情報を取得する。
2値化データとマッチングパターンとがマッチ(一致)するかどうかは、3×3の各画素の2値化データ(3×3画素の2値化データを左上〜右上、左中〜右中、左下〜右下の順にd1〜d9とする)と、3×3のマッチングパターンの各要素値(3×3のマッチングパターンの各要素値を左上〜右上、左中〜右中、左下〜右下の順にf1〜f9とする)との積の総和S1=Σfi・diを算出し、この総和S1がマッチングパターンの各要素値の絶対値の総和S2=Σ|fi|と等しくなるか否かにより判断する。なお、注目画素の2値化データがd5であり、当該注目画素に対応するマッチングパターンの要素値がf5である。S1=S2となれば拡大前画像のエッジの傾きがマッチングパターンとマッチしたことになり、マッチしたマッチングパターンに対応するエッジの向きを表す情報を取得する。
図22の例では、2値化データD8と図11の「90-1」の90度用マッチングパターンとの総和S1を算出すると、−2となる。「90-1」のパターンにおける各要素の絶対値の総和S2は6であるので、2値化データD6は「90-1」のパターンとマッチしない(一致しない)。一方、2値化データD8と「30-12」の30度用パターンとの総和S1を算出すると、5となる。「30-12」のパターンにおける各要素の絶対値の総和S2は5であるので、2値化データD8は「30-12」のパターンとマッチする。この場合、エッジの向きは30度と決定される。このように、マッチングパターンを用いるという簡易な構成で確実に拡大画像のエッジどうしを連結することができ、確実に拡大画像のエッジを精度よく細線で形成する処理を高速にて行うことが可能となる。むろん、二つの画素値の差(輝度値差、RGB値差、各色値の差、等)が小さくなる方向をエッジの向きに決定してもよいし、近隣する画素のエッジの方向や強度を加味してエッジの向きを決定してもよいし、処理は複雑になるものの、ベクトルの概念を導入してエッジの方向を決定してもよい。それらの組み合わせによりエッジの向きを決定してもよい。
エッジの向きを決定すると、注目ブロック内のエッジと隣接ブロック内のエッジとを結ぶ直線の傾きが、マッチングパターンを用いて決定されたエッジの向きと一致するか否かを判断する(S456)。例えば、各マッチングパターンに対してパターンの角度を含むエッジの向きの許容範囲を設けておき、両ゼロクロスを結ぶ直線の向きが同許容範囲内か否かにより判断する。ここで、拡大画像上におけるxy座標平面での注目ブロック内のエッジの位置を(x1,y1)、隣接ブロック内のエッジの位置を(x2,y2)とするとき、両エッジの位置を通る直線の傾きGは以下の式により算出することができる。
G=(y2−y1)/(x2−x1) …(14)
そして、マッチングパターン別に直線の傾きGの許容範囲の下限値G1と上限値G2とを設けておき、G1≦G≦G2が成立するときに対応するマッチングパターンのエッジの向きと一致していると判断すればよい。
条件成立の場合には、上述した接続情報を作成して順次格納する処理を行い(S458)、S460に進む。条件不成立の場合には、即座にS460まで進む。S460では、全ブロックについてゼロクロス接続処理を行ったか否かを判断し、条件不成立の場合にはS440〜S460を繰り返し、条件成立の場合にはフローを終了する。
このようにして、拡大前画像上で注目画素を順次移動させながら、当該注目画素を含む所定領域内の複数画素の階調データを2値化して2値化データを生成し、当該2値化データと、エッジの向きに対応した所定の複数のマッチングパターンと、からエッジの向きを決定することができる。
(3−3−4)ゼロクロス移動処理(図17のS406):
図24の処理を開始すると、まず、拡大画像上で、当該拡大画像の画素単位とされた注目エッジの位置を設定する(S470)。上記接続情報D15にはエッジ毎の接続情報が順番に格納されているので、例えば、各エッジにエッジ番号を対応させておき、当該エッジ番号に対応させたポインタの値を更新することにより、注目エッジの位置(Xi,Yi)を設定することができる。次に、注目エッジに接続元のエッジと接続先のエッジの両方が存在するか否かを判断する(S472)。この判断処理は、接続情報D15の中に注目エッジに対応する接続元のエッジについての位置およびブロックの位置と接続先のエッジについての位置およびブロックの位置の両方が格納されているか否かをみることにより、行うことができる。接続元のエッジと接続先のエッジの少なくとも一方が存在しない場合、注目エッジは端点または孤立点であるので、S494まで進む。
条件成立の場合、上記S454でマッチングパターンを用いて決定されたエッジの向きから注目エッジの傾きsl0を取得する(S474)。次に、拡大画像I2上において、注目エッジN3の接続元の近隣エッジN4の相対位置(ΔX1,ΔY1)と接続先の近隣エッジN5の位置(ΔX2,ΔY2)を接続情報D15から取得し、注目エッジN3の位置と当該エッジN3の接続元の近隣エッジN4の位置とを結ぶ直線1の傾きsl1、注目エッジN3の位置と当該エッジN3の接続先の近隣エッジN5の位置とを結ぶ直線2の傾きsl2、当該近隣エッジN4,N5の位置どうしを結ぶ直線3の傾きsl3を算出する(S476)。ここで、
ΔX1≠0のとき、sl1=ΔY1/ΔX1 ΔX1=0のとき、sl1=無限大 …(15)
ΔX2≠0のとき、sl2=ΔY2/ΔX2 ΔX2=0のとき、sl2=無限大 …(16)
ΔX2≠ΔX1のとき、sl3=(ΔY2−ΔY1)/(ΔX2−ΔX1)
ΔX2=ΔX1のとき、sl3=無限大 …(17)
である。さらに、sl1〜sl3とsl0との差を算出する(S478)。ここで、
Δsl1=|sl1−sl0| …(18)
Δsl2=|sl2−sl0| …(19)
Δsl3=|sl3−sl0| …(20)
である。そして、Δsl3<Δsl1またはΔsl3<Δsl2が成立するか否かを判断する(S480)。近隣エッジどうしを結ぶ直線の傾きsl3がsl1よりも注目エッジの傾きsl0に近いか、または、同sl3がsl1よりも注目エッジの傾きsl0に近い場合に条件成立となり、S482に進む。条件不成立の場合、S494まで進む。
S482では近隣エッジどうしを結ぶ直線の傾きsl3の絶対値が1以上か否かを判断し、条件成立の場合にはx位置を固定して直線3上の移動位置(Xi,Yi’)を算出し(S484)、条件不成立の場合にはy位置を固定して直線3上の移動位置(Xi’,Yi)を算出する(S486)。図10の例では、sl3=3/5<1であるため、移動前の位置(Xi,Yi)の注目エッジはy位置Yiを固定することになる。近隣エッジどうしを結ぶ直線は、
y=sl3×{x−(Xi+ΔX1)}+(Yi+ΔY1)
であるため、
Xi’=(Xi+ΔX1)−ΔY1/sl3
となる。図23に示した接続情報D15は、エッジiの位置が(Xi+1,Yi)に修正されるとともに、接続元のエッジの位置が(-3,-2)、接続先のエッジの位置が(+2,+1)に修正されることになる。
その後、注目エッジの移動先が同じブロック内であるか否かを判断する(S488)。同じブロック内 であればS492に進み、同じブロック内でなければバッファに記憶可能であるか否かを判断し(S490)、記憶可能であればS492に進み、記憶可能でなければS494まで進む。S492では、注目エッジを移動させ、接続情報D15の内容を更新する。その後、全エッジについてゼロクロス移動処理を行ったか否かを判断し(S494)、条件不成立の場合にはS470〜S494を繰り返し、条件成立の場合にはフローを終了する。
このようにして、拡大画像上において注目エッジに近隣する二つのエッジの位置どうしを結ぶ方向が注目エッジの位置と近隣エッジの位置とを結ぶ方向よりも決定した注目エッジの向きに近いとき、近隣エッジの位置どうしを結ぶ直線に近づける位置に同注目エッジの位置を修正することができる。
(3−3−5)エッジ生成処理(図17のS408):
図25の処理を開始すると、まず、拡大画像上でエッジとされた二画素間の横方向(x方向)の距離差が縦方向(y方向)の距離差以上(またはより大)であるか否かを判断する(S1400)。条件成立の場合にはS1402に進み、条件不成立の場合にはS1410に進む。
S1402では、拡大画像上で横方向の画素の位置を設定する。次に、設定した横方向の位置で、拡大画像のエッジの領域とする縦方向の画素の位置を取得し(S1404)、取得した画素の位置(具体的には、座標値)をエッジの領域とする画素の位置を表す連結位置情報D10としてバッファに格納する(S1406)。そして、次の横方向の画素の位置が存在するか否かを判断する(S1408)。条件成立の場合には横方向の画素の位置を画素単位で順次移動させながらS1402〜S1408を繰り返し、条件不成立の場合にはS1418に進む。
一方、S1410では、拡大画像上で縦方向の画素の位置を設定する。次に、設定した縦方向の位置で、拡大画像のエッジの領域とする横方向の画素の位置を取得し(S1412)、取得した画素の座標値を連結位置情報D10としてバッファに格納する(S1414)。そして、次の縦方向の画素の位置が存在するか否かを判断する(S1416)。条件成立の場合には縦方向の画素の位置を画素単位で順次移動させながらS1410〜S1416を繰り返し、条件不成立の場合にはS1418に進む。
S1418では、連結位置情報D10を含めて、拡大画像のエッジの領域を表すエッジ情報D11を生成し、フローを終了する。このように、簡易な構成で確実に拡大画像のエッジどうしを連結することができ、また、近隣する拡大画像のエッジどうしの間で画素単位毎にエッジの領域とされるので、確実に拡大画像のエッジを精度よく細線で形成することが可能となる。
以上の処理により、パターンマッチングによらず拡大後のエッジ画像を作成するので、任意拡大率に対応可能となる。また、エッジに対して鮮鋭化処理などを行う場合、拡大後のエッジ画像を細線で得ることができるので、エッジに対する処理が少なくてすむ。そして、注目エッジの位置と近隣エッジの位置とを結ぶ方向が決定した注目エッジの向きに近づくように注目エッジの位置が修正されるので、エッジ位置を高精度にし、拡大画像のエッジを精度よく細線で形成して鮮鋭化等の処理を容易にさせることが可能となる。
(3−4)補間処理(図3のS50):
図26の処理を開始すると、補間処理後の拡大画像の階調データを格納するバッファ領域をRAM内に確保したうえで、まず、平滑化処理後(平滑化処理前でもよい)の拡大前画像上で注目画素の位置を設定する(S500)。次に、同拡大前画像上で注目画素を中心とした所定領域(所定範囲)内である3×3画素(拡大画像の3×3ブロックに相当)の輝度値d1〜d9を取得する(S502)。同輝度値は、各RGBの階調値r,g,bから上記演算式(5)等を用いて得られる。そして、当該3×3画素内に拡大前画像よりも細かい単位とされたゼロクロス、すなわち、エッジが存在するか否かを判断する(S504)。同3×3画素内にエッジが存在する(対応する拡大画像上のエッジの座標値がバッファに格納されていない)場合、バイキュービック法による補間処理で階調データを生成してもよいと判定したことになり、バイキュービック処理を行って(S506)、S528に進む。補間処理の中でバイキュービック法による補間処理は鮮鋭度を上げるのに有効な処理であり、エッジ部分でバイキュービック法による補間処理が行われるので鮮鋭度を保つことができる。
同3×3画素内にエッジの領域が存在しない場合、輝度値d1〜d9の中から最大値dmaxと最小値dminを取得し、最大値dmaxと最小値dminとの差(画像データの異なり度合)を求め、求めた差に応じて処理を分岐させ、補間処理の種類を切り換える(S508)。すなわち、所定の閾値L11,L12(0<L11<L12<255、例えばL11=20、L12=150)を用意しておき、求めた差がL11以下(またはより小)のときにバイリニア法による補間処理を行うバイリニア処理を行って(S510)S528に進み、求めた差がL11より大(または以上)かつL12以下(またはより小)のときにS512に進んで選択バイリニア処理またはバイキュービック処理を行い、求めた差がL12より大(または以上)のときにS520に進んで選択バイキュービック処理またはバイキュービック処理を行う。注目ブロックに近隣する画素の階調データに応じて適切な補間処理を行うことが可能となるので、エッジ部分の鮮鋭さを維持して補間処理後の拡大画像を高画質にさせることが可能となる。ここで、参照する画素の数はバイリニア法、バイキュービック法の順に4、16と増えるので、拡大前画像上で注目画素を中心とする3×3画素についての輝度値の最大値と最小値の差が大きくなるほど、階調データを参照する画素の数が増える。輝度値の異なり度合が大きいほど高精度にて補間処理を行う必要があるが、同異なり度合が大きくなるほど補間処理にて参照する画素の数が増えて高精度の補間処理が行われ、同異なり度合が小さくなるほど補間処理にて参照する画素の数が減って高速にて補間処理が行われる。従って、効率よく、高精度にて補間処理を行って高画質の拡大画像を得ることが可能となる。
なお、画像データの異なり度合は、最大値と最小値との組み合わせに基づく値の他、2番目に大きい値と2番目に小さい値との組み合わせに基づく値、これらに中間値も組み合わせた値、等も可能である。
S512では、注目画素の輝度値d5が最大値dmaxまたは最小値dminに近いか否かを判断し、近いと判断した場合には選択バイリニア処理を行って(S514)S528に進み、近いと判断しなかった場合にはS516に進む。この判断処理は、所定の閾値L13,L14(0<L13<128、0<L14<128)を用意しておき、dmax−d5がL13以下(より小)またはd5−dminがL14以下(より小)であるか否かをみることにより行うことができる。注目画素の輝度値が最大値dmaxに近いときには選択バイリニア処理により少なくとも最小値dminを除いて補間処理を行うことによって画像の鮮鋭さを得て画質を向上させ、注目画素の輝度値が最小値dminに近いときには選択バイリニア処理により少なくとも最大値dmaxを除いて補間処理を行うことによって画像の鮮鋭さを得て画質を向上させることができる。
S516では、平滑化処理後の拡大前画像上で注目画素を中心とする所定領域(所定範囲)内である5×5画素にエッジが存在するか否かを判断する。同5×5画素内にエッジが存在する場合、選択バイリニア処理を行って(S514)、S528に進む。これにより、エッジの周囲ではエッジの領域を跨がないように補間処理が行われるので、補間処理後でもエッジ周囲の鮮鋭さが維持され、自然な画質が得られる。条件不成立の場合にはバイキュービック法による補間処理で階調データを生成してもよいと判定したことになり、バイキュービック処理を行って(S518)、S528に進む。
S520でも、注目画素の輝度値d5がdmaxまたはdminに近いか否かを判断し、近いと判断した場合には選択バイキュービック処理を行って(S522)S528に進み、近いと判断しなかった場合にはS524に進む。この判断処理も、dmax−d5がL13以下(より小)またはd5−dminがL14以下(より小)であるか否かをみることにより行うことができる。注目画素の輝度値が最大値dmaxに近いときには選択バイキュービック処理により少なくとも最小値dminを除いて補間処理を行うことによって画像の鮮鋭さを得て画質を向上させ、注目画素の輝度値が最小値dminに近いときには選択バイキュービック処理により少なくとも最大値dmaxを除いて補間処理を行うことによって画像の鮮鋭さを得て画質を向上させることができる。
S524では、平滑化処理後の拡大前画像上で注目画素を中心とする5×5画素にエッジが存在するか否かを判断する。同5×5画素内にエッジが存在する場合、選択バイキュービック処理を行って(S522)、S528に進む。これにより、エッジの周囲ではエッジの領域を跨がないように補間処理が行われるので、補間処理後でもエッジ周囲の鮮鋭さが維持され、自然な画質が得られる。条件不成立の場合にはバイキュービック法による補間処理で階調データを生成してもよいと判定したことになり、バイキュービック処理を行って(S526)、S528に進む。
図27は、上記選択バイキュービック処理を模式的に示す図である。補間処理部U5は、補間処理後の拡大画像I2上で階調データを生成する注目画素N11を順次移動させながら、注目画素N11の近隣に位置する補間処理前の拡大前画像I1における所定領域R5内の複数の画素の画像データを参照して補間処理を行う。バイキュービック法による補間処理を行う場合、注目画素の近隣に位置する拡大前画像の4×4画素の画像データを参照する。図では、便宜上、同4×4画素をP11〜P44と名付けている。補間処理を行う際、所定領域R5内の複数の画素P11〜P44上を画像のエッジの領域が横切っているか否かを平滑化処理後(平滑化処理前でもよい)の拡大前画像の画像データD4に基づいて判断する。そして、横切っていると判断したときには、エッジの領域から注目画素側にある画素の画像データのみを用いて補間処理を行う。
図28に示すように、注目ブロックN12に対応する拡大前画像における対応画素の位置を(X,Y)、注目ブロックN12内での注目画素N11の位置を(x,y)、画像の拡大率をM、s=M/2(ただし、小数点以下切り捨て)とすると、M=3のとき、x=0〜2、y=0〜2、s=1となり、16点の参照画素の位置は以下のように決定される。
x<sかつy<s、すなわち、注目画素が(0,0)のとき、
(X-2,Y-2)〜(X+1,Y+1)
x≧sかつy<s、すなわち、注目画素が(1,0),(2,0)のとき、
(X-1,Y-2)〜(X+2,Y+1)
x<sかつy≧s、すなわち、注目画素が(0,1),(0,2)のとき、
(X-2,Y-1)〜(X+1,Y+2)
x≧sかつy≧s、すなわち、注目画素が(1,1),(1,2),(2,1),(2,2)のとき、
(X-1,Y-1)〜(X+2,Y+2)
このように、注目ブロック内の画素の位置に応じた適切な領域の参照画素が設定される。ここで、対応画素を中心とする5×5画素は、注目画素の近隣に位置する補間処理前の拡大前画像における所定領域R6内の複数の画素であり、注目ブロック内の画素の階調データを生成する際に参照画素とされる可能性のある画素である。
そして、参照画素P11〜P44のRGB毎の階調値(輝度値Yも可)をP11〜P44で表すと、補間処理後の階調値Eは、以下の式(21)により算出することができる。
Figure 0004407801
ただし、バイキュービック法での距離係数dx,dyは、
x<sかつy<sのとき、dx=(x+M−s)/M, dy=(y+M-s)/M
x≧sかつy<sのとき、dx=(x-s)/M, dy=(y+M-s)/M
x<sかつy≧sのとき、dx=(x+M-s)/M, dy=(y-s)/M
x≧sかつy≧sのとき、dx=(x-s)/M, dy=(y-s)/M
である。
なお、参照画素が拡大前画像の端部からはみ出るとき、拡大前画像の端部の画素が外側に向かって連続しているものとして階調値を計算する。また、平滑化処理前の階調値を用いて補間処理後の階調値Eを算出してもよい。
図29に示す選択バイキュービック処理を開始すると、まず、注目ブロックN12内で注目画素N11の位置(x,y)を、(0,0),(0,1)…(2,2)の順に設定する(S530)。次に、注目画素N11の近隣に位置する拡大前画像I1における所定領域R5内の4×4の参照画素P11〜P44を決定する(S532)。さらに、決定した複数の参照画素P11〜P44のそれぞれについて、順次、拡大前画像における階調値P'を取得する(S534)。画像データがRGBデータであれば、RGB別に階調値を取得する。そして、取得した階調値P'について、注目ブロックN12に対応する対応画素の階調値P0との差が所定の閾値L8より大(または以上)であるか否か、すなわち、|P'−P0|>L8が成立するか否かを判断していく(S536)。階調値が256階調であるとき、L8を例えば50等とすればよい。
階調値の差がL8より大きい(所定範囲外)とき、参照画素Pijの階調値を対応画素の階調値P0に置き換えて上記補間処理の演算式(21)に代入する階調値Pijとし(S538)、階調値の差がL8以下(所定範囲内)であるとき、階調値を置き換えることなく参照画素Pijの階調値をそのまま上記演算式(21)に代入する階調値Pijとし、S540に進む。対応画素の階調値との差異が大きい画素の階調値が用いられないので、S536では、注目画素の近隣に位置する所定領域内の複数の画素上を画像のエッジの領域が横切っているか否かを拡大前画像の画像データに基づいて判断していることになる。そして、横切っていると判断したとき、S538で、エッジの領域から注目画素側にある画素の画像データのみを用いて補間処理を行う。
S540では上記判断処理をしていない他の参照画素が存在するか否かを判断し、条件成立の場合にはS534〜S540を繰り返し、条件不成立の場合にはS542に進む。
S542では、階調値の置き換え処理が行われた参照画素の階調値Pijを用いて上記演算式(21)により補間処理後の階調値Eを算出するバイキュービック補間処理を行う。補間処理を行うと、算出した階調値Eをバッファに格納する(S544)。このように、階調値を置き換えるという簡易な構成で、公知の補間処理を利用することができ、注目ブロックに対応する拡大前画像における対応画素との階調値の差異が所定範囲内となる画素の画像データのみを用いて容易に補間処理を行うことができる。
その後、注目ブロック内の全画素について補間処理を行ったか否かを判断し(S546)、条件不成立の場合にはS530〜S546を繰り返し、条件成立の場合にはフローを終了する。
すなわち、補間処理後の画像上で階調データを生成する注目画素の近隣に位置する所定領域内の複数の画素の階調データを参照して補間処理を行う際、同所定領域内の複数の画素のうち注目画素に対応する補間処理前の画像における対応画素との画像データの差異が所定範囲内となる画素の画像データのみを用いた補間処理が行われる。
以上の処理により、補間処理の際に注目ブロックに対応した対応画素の画像データとの差異が大きい画素の画像データが用いられないので、実質的にはエッジの領域から注目画素側にある画素の画像データのみを用いた補間処理が行われる。すなわち、エッジ部分が平滑化されないので、補間処理後でもエッジ部分の鮮鋭さを維持して画質を向上させることが可能となる。また、エッジブロックに鮮鋭化等の処理を行っても、エッジブロックと非エッジブロックとで色の差が出なくなり、この点でも画質を向上させることができる。 むろん、バイリニア法に基づく選択バイリニア処理についても、同様のことが言える。
図26のS528では拡大画像の全画素について拡大画像の各画素に対応した階調データを生成したか否かを判断し、条件不成立の場合にはS500〜S528を繰り返し、条件成立の場合にはフローを終了する。
(3−5)エッジ鮮鋭化処理(図3のS60):
図30の処理を開始すると、まず、鮮鋭化演算後の画像データD13を格納するバッファ領域をRAM内に確保する(S600)。以下、図12と図13を参照して説明する。次に、補間処理後の画像データD12で表現された拡大画像I3上で、当該拡大画像の画素単位とされた注目エッジN7の位置を一つおきに設定する(S602)。上記接続情報D15にはエッジ毎の接続情報が順番に格納されているので、例えば、各エッジにエッジ番号を対応させておき、当該エッジ番号に対応させたポインタの値が偶数または奇数となるように当該ポインタの値を更新することにより、注目エッジの位置(Xi,Yi)を設定することができる。これにより、取得されたエッジの位置の中から注目エッジの位置を順次設定する際、既に注目エッジの位置とされたエッジに隣接するエッジの位置を除いて注目エッジの位置を設定することになる。座標値が順番にバッファに記憶されるエッジの多くは近隣しているので、このような処理を行っても鮮鋭化処理の結果にほとんど差は出ない。従って、画像処理後の画像の高画質を保ちながら鮮鋭化処理の処理速度を向上させることが可能となる。
さらに、注目エッジN7を含む所定領域R4内で注目画素の位置を設定する(S604)。ここで、設定値決定部U1により拡大前画像の画素数Nxyに対応する傾き値a1,a2が動作設定データ14aから取得されており、当該傾き値a1,a2を用いて注目画素の輝度値g1から鮮鋭化演算値g2を算出する(S606)。すなわち、上記演算式(6)に、傾き値a1,a2、所定領域R4内の複数画素についての輝度値Yの最小値min、最大値max、平均値ave、注目画素の輝度値g1を代入し、g2を算出する。ここで、傾き値a1,a2は画素数Nxyが多くなるほど段階的に大きくなるので、画素数Nxyが多くなるほど段階的に補間前画像に対する鮮鋭化の度合が大きくなる。補間後画像のエッジ部分がより適切に鮮鋭化されるので、画像処理後の画像の画質をさらに向上させることが可能となる。
そして、注目画素に対応する鮮鋭化演算値が既にバッファに記憶されているか否かを判断する(S608)。条件成立の場合には今回新たに算出した鮮鋭化演算値g2を注目画素の位置に対応させてバッファに記憶し(S610)、条件不成立の場合には既に記憶されている鮮鋭化演算値と今回新たに算出した鮮鋭化演算値g2とを平均(算術平均等)してその平均値を注目画素の位置に対応させてバッファに記憶する(S612)。鮮鋭化演算値を重複して算出する画素があっても複雑な処理を行う必要がないので、画像処理後の画像の高画質を保ちながら鮮鋭化処理の処理速度を向上させることが可能となる。
その後、所定領域R4内の全画素について鮮鋭化演算値をバッファに記憶する処理を行ったか否かを判断し(S614)、条件不成立の場合にはS604〜S614を繰り返す。条件成立の場合、全エッジについてエッジ鮮鋭化処理を行ったか否かを判断し(S616)、条件不成立の場合にはS602〜S616を繰り返し、条件成立の場合にはフローを終了する。そして、画素別の鮮鋭化演算値からなる画像データが鮮鋭化演算後の画像データD13となる。
このようにして、補間前画像の画素数に対応する度合で鮮鋭化することができ、画像処理後の画像をさらに向上させることが可能となる。
(3−6)鮮鋭化画像合成処理(図3のS70):
図31の処理を開始すると、まず、拡大画像上で注目画素の位置を設定する(S700)。以下、図14を参照して説明する。次に、注目画素に対応する鮮鋭化演算値がバッファに記憶されているか否かを判断し(S702)、条件成立の場合にのみS704の処理を行う。
ここで、設定値決定部U1により拡大前画像の画素数Nxyに対応する合成比率A3(%単位)が動作設定データ14aから取得されており、S704では、合成比率A3から合成比率a3(=A3/100)を取得し、当該合成比率a3を用いて注目画素における補間処理後(鮮鋭化演算前)の階調値g3と鮮鋭化演算値(鮮鋭化演算後の階調値)g4とから合成後(鮮鋭化処理後)の階調値g5を算出する。すなわち、上記演算式(7)に、合成比率a3、鮮鋭化演算前後の階調値g3,g4を代入し、g5を算出する。ここで、合成比率a3は画素数Nxyが多くなるほど段階的に大きくなるので、画素数Nxyが多くなるほど段階的に補間前画像に対する鮮鋭化の度合が大きくなる。その結果、補間後画像のエッジ部分がより適切に鮮鋭化されるので、画像処理後の画像の画質をさらに向上させることが可能となる。
その後、全画素について階調値を合成する処理を行ったか否かを判断し(S706)、条件不成立の場合にはS700〜S706を繰り返す。条件成立の場合、画素毎の鮮鋭化処理後の階調値g5から、例えばRGB毎、画素毎の階調値からなる鮮鋭化処理後の画像データD14を生成し(S708)、フローを終了する。
このようにして、補間前画像の画素数に対応する度合で鮮鋭化することができる。元画像の拡大後画像と、それに対して鮮鋭化を行った画像をブレンドすることで、より破綻のない、自然な拡大鮮鋭化画像を得ることができ、鮮鋭度を保ったまま低解像度の画像を高品位に拡大することができる。従って、画像処理後の画像をさらに向上させることが可能となる。
(4)まとめ:
本発明のエッジ生成装置および画像処理装置と周辺装置は、様々な構成が可能である。例えば、プリンタは、コンピュータと一体化されたものであってもよい。上述したフローについては、コンピュータ本体内で実行する以外にも、一部または全部をプリンタあるいは専用の画像出力装置で実行するようにしてもよい。画像データを構成する多数の画素は、縦横に整然と並んだドットマトリクス状とされる以外にも、様々な構成が考えられる。例えば、正六角形を密に並べたような蜂の巣状に整然と並んだドットマトリクス状の画素から画像データを構成してもよい。
以上説明したように、本発明によると、種々の態様により、画像処理後の画質を向上させることが可能となる。
印刷システムのハードウェア構成の概略を示すブロック図。 広義の画像処理装置U0の構成の概略を模式的に示すブロック図。 広義の画像処理装置が行う処理を示すフローチャート。 設定値決定処理を示すフローチャート。 動作設定データ14aの構造を模式的に示す図。 特徴別フィルタ処理部U2が行う処理を模式的に示す図。 特徴別フィルタ処理部U2が行う処理の具体例を模式的に示す図。 特徴別フィルタデータとフィルタ合成設定データの構造を示す図。 エッジ情報生成部U4が行う処理を模式的に示す図。 注目エッジの位置を修正する様子を模式的に示す図。 マッチングパターンの一例を模式的に示す図。 拡大画像I3上で鮮鋭化処理を行う範囲を模式的に示す図。 エッジ鮮鋭化処理部U6が行う処理を模式的に示す図。 鮮鋭化画像合成処理部が鮮鋭化処理を行う範囲を模式的に示す図。 特徴別フィルタ処理を示すフローチャート。 フィルタ演算処理を示すフローチャート。 エッジ情報生成処理を示すフローチャート。 ゼロクロス検出処理を示すフローチャート。 S422とS432のゼロクロス位置算出処理を示すフローチャート。 拡大エッジ位置情報を取得する様子を模式的に示す図。 ゼロクロス接続処理を示すフローチャート。 2値化データを生成してパターンマッチング処理を行う様子を示す図。 接続情報の構造を模式的に示す図。 ゼロクロス移動処理を示すフローチャート。 エッジ生成処理を示すフローチャート。 補間処理を示すフローチャート。 選択バイキュービック処理を模式的に示す図。 選択バイキュービック処理で参照画素を決定する様子を示す図。 選択バイキュービック処理を示すフローチャート。 エッジ鮮鋭化処理を示すフローチャート。 鮮鋭化画像合成処理を示すフローチャート。
符号の説明
10…パーソナルコンピュータ(PC)、14a…動作設定データ、14b…特徴別フィルタデータ、14c…フィルタ合成設定データ、14d…マッチングパターン、20…インクジェットプリンタ、C1…特徴量、D1…拡大前画像の画像データ、D2…フィルタ処理後の画像データ、D3…修正処理後の画像データ、D4…平滑化後の画像データ、D5…中間データ、D6…エッジ位置情報、D7…拡大エッジ位置情報、D8…2値化データ、D9…修正エッジ位置情報、D10…連結位置情報、D11…エッジ情報、D12…補間処理後の画像データ、D13…鮮鋭化演算後の画像データ、D14…鮮鋭化処理後の画像データ、D15…接続情報、I1…拡大前画像、I1u,I2u,I3u…画素、I2〜I5…拡大画像、I2d…ブロック(画素区分)、N1…注目画素、N2…所定の色領域内にある画素、N3…注目エッジ、N4,N5…近隣エッジ、N6…修正後の注目エッジ、N7…注目エッジ、R1…第一の所定領域(所定範囲)、R2…第二の所定領域(所定範囲)、R3…第三の所定領域(所定範囲)、R4…第四の所定領域(所定範囲)、R5…第五の所定領域(所定範囲)、R6…第六の所定領域(所定範囲)、U0…広義の画像処理装置(エッジ生成装置および狭義の画像処理装置)、U1…設定値決定部、U2…特徴別フィルタ処理部、U21…特徴量取得部(特徴量取得手段)、U22…フィルタ部(フィルタ手段)、U23…合成部(合成手段)、U3…平滑化処理部、U4…エッジ情報生成部、U41…拡大位置取得部(拡大位置取得手段、補間後位置取得手段)、U42…向き決定部(向き決定手段)、U43…位置修正部(位置修正手段)、U44…エッジ生成部(エッジ生成手段)、U5…補間処理部(補間手段)、U6…エッジ鮮鋭化処理部(鮮鋭化手段の一部)、U7…鮮鋭化画像合成処理部(鮮鋭化手段の一部)

Claims (9)

  1. 拡大前画像をドットマトリクス状の画素別の階調データで表現した画像データから同拡大前画像を拡大した拡大画像のエッジの領域を表すエッジ情報を生成するエッジ生成装置であって、
    上記画像データに基づいて、上記拡大画像の各画素の位置に対応させたエッジの位置を取得する拡大位置取得手段と、
    上記拡大前画像上における各画素の階調データのうち向きを決定する注目エッジの位置を含む所定範囲内の複数画素の階調データから当該注目エッジの向きを決定する向き決定手段と、
    上記拡大画像上において上記注目エッジの位置と当該注目エッジに近隣するエッジの位置とを結ぶ方向を上記決定された注目エッジの向きに近づける位置に同注目エッジの位置を修正可能な位置修正手段と、
    修正後のエッジの位置を用いることにより、上記拡大画像の各画素の位置に対応させて当該拡大画像のエッジの領域を表すエッジ情報を生成するエッジ生成手段とを具備し、
    上記位置修正手段は、上記拡大画像上において上記注目エッジに近隣する二つのエッジの位置どうしを結ぶ方向が同注目エッジの位置と当該注目エッジに近隣するエッジの位置とを結ぶ方向よりも上記決定された注目エッジの向きに近いとき、同注目エッジの位置と当該注目エッジに近隣するエッジの位置とを結ぶ方向を上記決定された注目エッジの向きに近づける位置に同注目エッジの位置を修正することを特徴とするエッジ生成装置。
  2. 拡大前画像をドットマトリクス状の画素別の階調データで表現した画像データから同拡大前画像を拡大した拡大画像のエッジの領域を表すエッジ情報を生成するエッジ生成装置であって、
    上記画像データに基づいて、上記拡大画像の各画素の位置に対応させたエッジの位置を取得する拡大位置取得手段と、
    上記拡大前画像上における各画素の階調データのうち向きを決定する注目エッジの位置を含む所定範囲内の複数画素の階調データから当該注目エッジの向きを決定する向き決定手段と、
    上記拡大画像上において上記注目エッジの位置と当該注目エッジに近隣するエッジの位置とを結ぶ方向を上記決定された注目エッジの向きに近づける位置に同注目エッジの位置を修正可能な位置修正手段と、
    修正後のエッジの位置を用いることにより、上記拡大画像の各画素の位置に対応させて当該拡大画像のエッジの領域を表すエッジ情報を生成するエッジ生成手段とを具備し、
    上記位置修正手段は、上記拡大画像上において上記注目エッジに近隣する二つのエッジの位置どうしを結ぶ方向が上記注目エッジの位置と当該注目エッジに近隣するエッジの位置とを結ぶ方向よりも上記決定された注目エッジの向きに近いとき、当該二つのエッジの位置どうしを結ぶ直線に近づける位置に同注目エッジの位置を修正することを特徴とするエッジ生成装置。
  3. 上記拡大位置取得手段は、上記拡大前画像上で注目画素を順次移動させながら、当該注目画素を含む所定範囲内の複数画素の階調データに対して所定の差分フィルタを用いた演算を行って同拡大前画像の各画素に対応して階調表現された中間データを生成し、当該中間データに対応するドットマトリクス状の画素上で注目画素を順次移動させながら、当該注目画素を含む所定範囲内の複数画素の中間データを用いて同中間データを所定値にする位置を決定し、当該位置を上記拡大画像の各画素の位置に対応させたエッジの位置を取得することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のエッジ生成装置。
  4. 上記向き決定手段は、上記拡大前画像上で注目画素を順次移動させながら、当該注目画素を含む所定範囲内の複数画素の階調データを2値化して2値化データを生成し、当該2値化データと、エッジの向きに対応した所定の複数のマッチングパターンと、からエッジの向きを決定することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載のエッジ生成装置。
  5. 上記拡大画像のエッジの位置は、当該拡大画像の画素単位とされ、
    上記エッジ生成手段は、上記拡大画像の画素単位とされた上記修正後のエッジの位置を用いることにより、近隣する同拡大画像のエッジどうしを連結して上記拡大画像のエッジの領域を表すエッジ情報を生成することを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載のエッジ生成装置。
  6. 拡大前画像をドットマトリクス状の画素別の階調データで表現した画像データから同拡大前画像を拡大した拡大画像のエッジの領域を表すエッジ情報を生成するエッジ生成方法であって、
    上記画像データに基づいて、上記拡大画像の各画素の位置に対応させたエッジの位置を取得する拡大位置取得工程と、
    上記拡大前画像上における各画素の階調データのうち向きを決定する注目エッジの位置を含む所定範囲内の複数画素の階調データから当該注目エッジの向きを決定する向き決定工程と、
    上記拡大画像上において上記注目エッジの位置と当該注目エッジに近隣するエッジの位置とを結ぶ方向を上記決定された注目エッジの向きに近づける位置に同注目エッジの位置を修正可能な位置修正工程と、
    修正後のエッジの位置を用いることにより、上記拡大画像の各画素の位置に対応させて当該拡大画像のエッジの領域を表すエッジ情報を生成するエッジ生成工程とを具備し、
    上記位置修正工程では、上記拡大画像上において上記注目エッジに近隣する二つのエッジの位置どうしを結ぶ方向が同注目エッジの位置と当該注目エッジに近隣するエッジの位置とを結ぶ方向よりも上記決定された注目エッジの向きに近いとき、同注目エッジの位置と当該注目エッジに近隣するエッジの位置とを結ぶ方向を上記決定された注目エッジの向きに近づける位置に同注目エッジの位置を修正することを特徴とするエッジ生成方法。
  7. 拡大前画像をドットマトリクス状の画素別の階調データで表現した画像データから同拡大前画像を拡大した拡大画像のエッジの領域を表すエッジ情報を生成するエッジ生成方法であって、
    上記画像データに基づいて、上記拡大画像の各画素の位置に対応させたエッジの位置を取得する拡大位置取得工程と、
    上記拡大前画像上における各画素の階調データのうち向きを決定する注目エッジの位置を含む所定範囲内の複数画素の階調データから当該注目エッジの向きを決定する向き決定工程と、
    上記拡大画像上において上記注目エッジの位置と当該注目エッジに近隣するエッジの位置とを結ぶ方向を上記決定された注目エッジの向きに近づける位置に同注目エッジの位置を修正可能な位置修正工程と、
    修正後のエッジの位置を用いることにより、上記拡大画像の各画素の位置に対応させて当該拡大画像のエッジの領域を表すエッジ情報を生成するエッジ生成工程とを具備し、
    上記位置修正工程では、上記拡大画像上において上記注目エッジに近隣する二つのエッジの位置どうしを結ぶ方向が上記注目エッジの位置と当該注目エッジに近隣するエッジの位置とを結ぶ方向よりも上記決定された注目エッジの向きに近いとき、当該二つのエッジの位置どうしを結ぶ直線に近づける位置に同注目エッジの位置を修正することを特徴とするエッジ生成方法。
  8. 拡大前画像をドットマトリクス状の画素別の階調データで表現した画像データから同拡大前画像を拡大した拡大画像のエッジの領域を表すエッジ情報を生成する機能をコンピュータに実現させるエッジ生成プログラムであって、
    上記画像データに基づいて、上記拡大画像の各画素の位置に対応させたエッジの位置を取得する拡大位置取得機能と、
    上記拡大前画像上における各画素の階調データのうち向きを決定する注目エッジの位置を含む所定範囲内の複数画素の階調データから当該注目エッジの向きを決定する向き決定機能と、
    上記拡大画像上において上記注目エッジの位置と当該注目エッジに近隣するエッジの位置とを結ぶ方向を上記決定された注目エッジの向きに近づける位置に同注目エッジの位置を修正可能な位置修正機能と、
    修正後のエッジの位置を用いることにより、上記拡大画像の各画素の位置に対応させて当該拡大画像のエッジの領域を表すエッジ情報を生成するエッジ生成機能とを実現させ
    上記位置修正機能は、上記拡大画像上において上記注目エッジに近隣する二つのエッジの位置どうしを結ぶ方向が同注目エッジの位置と当該注目エッジに近隣するエッジの位置とを結ぶ方向よりも上記決定された注目エッジの向きに近いとき、同注目エッジの位置と当該注目エッジに近隣するエッジの位置とを結ぶ方向を上記決定された注目エッジの向きに近づける位置に同注目エッジの位置を修正することを特徴とするエッジ生成プログラム。
  9. 拡大前画像をドットマトリクス状の画素別の階調データで表現した画像データから同拡大前画像を拡大した拡大画像のエッジの領域を表すエッジ情報を生成する機能をコンピュータに実現させるエッジ生成プログラムであって、
    上記画像データに基づいて、上記拡大画像の各画素の位置に対応させたエッジの位置を取得する拡大位置取得機能と、
    上記拡大前画像上における各画素の階調データのうち向きを決定する注目エッジの位置を含む所定範囲内の複数画素の階調データから当該注目エッジの向きを決定する向き決定機能と、
    上記拡大画像上において上記注目エッジの位置と当該注目エッジに近隣するエッジの位置とを結ぶ方向を上記決定された注目エッジの向きに近づける位置に同注目エッジの位置を修正可能な位置修正機能と、
    修正後のエッジの位置を用いることにより、上記拡大画像の各画素の位置に対応させて当該拡大画像のエッジの領域を表すエッジ情報を生成するエッジ生成機能とを実現させ、
    上記位置修正機能は、上記拡大画像上において上記注目エッジに近隣する二つのエッジの位置どうしを結ぶ方向が上記注目エッジの位置と当該注目エッジに近隣するエッジの位置とを結ぶ方向よりも上記決定された注目エッジの向きに近いとき、当該二つのエッジの位置どうしを結ぶ直線に近づける位置に同注目エッジの位置を修正することを特徴とするエッジ生成プログラム。
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