JP4386928B2 - インジェクタ - Google Patents
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Description
請求項1に記載のインジェクタは、噴孔を開閉するニードルと、軸方向に伸縮するアクチュエータと、アクチュエータの伸縮に応じて軸方向に進退するピストンとを備え、ピストンの進退に応じて燃料圧が増減される制御室を形成する。また、ニードルは、制御室の燃料圧を開弁方向に受ける第1軸部と、第1軸部の先端側に第1軸部よりも径小に設けられる第2軸部とを有し、第1軸部と第2軸部とが、個別に摺動自在に支持されて軸方向に変位する。そして、このインジェクタは、アクチュエータの伸長によりピストンを前進させて制御室の燃料圧を増圧することで、ニードルに噴孔を開放させる。
以上により、ピストンと第1軸部とを軸方向に直列に配するインジェクタにおいて、ニードルおよびニードルを支持する部材の加工精度を下げて製造工数を低減することができる。
さらに、請求項1に記載のインジェクタは、ピストンを摺動自在に支持する第2スリーブと、ピストンの先端側に配され、ピストンおよび第2スリーブとともにピストンの進退に応じて燃料圧が増減される圧力室を形成するフランジとを備える。また、第2スリーブおよびフランジは、第1スリーブの後端側に配されてボディに遊挿され、制御室は、圧力室と連通することでピストンの進退に応じて燃料圧が増減される。そして、制御室と圧力室との連通路は、フランジおよび第1スリーブとボディとの間に形成される外周室とは隔離され、フランジおよび第1スリーブを貫通している。
また、第1スリーブ、フランジ、および第2スリーブは、ボディに遊挿されて先端側から順次に軸方向に隣り合う。そして、第2スリーブが先端側に付勢されることで、第1スリーブが先端側に付勢されてボディの内部表面に着座している。
請求項2に記載のインジェクタによれば、第2軸部は、第1スリーブよりも先端側でボディに摺動自在に支持されている。
請求項3に記載のインジェクタは、第2スリーブとピストンとを軸方向に互いに逆向きに付勢する第1付勢手段を備える。
これにより、第1付勢手段は、第2スリーブを先端側に付勢することで、第2スリーブおよびフランジを介して第1スリーブをボディの内部表面に着座させることができる。同時に、第1付勢手段は、ピストンを後端側に付勢することで、ピストンを介してアクチュエータに圧縮予荷重を付与することができる。
請求項4に記載のインジェクタは、ニードルに対し閉弁方向に燃料圧を及ぼす燃料が流出入する背圧室を形成する。そして、背圧室は、外周室と連通することで燃料が流出入され、背圧室と外周室との連通路は、フランジに設けられている。
これにより、背圧室に燃料を流出入させることで、背圧室の燃料圧を安定的に略一定値に保つとともに背圧室の容積を迅速に拡縮することができる。このため、ニードルの動作応答性を高めることができる。
請求項5に記載のインジェクタは、ニードルの先端部により噴孔との間が開閉され、ニードルに対し開弁方向に燃料圧を及ぼす燃料が流出入するノズル室を形成し、背圧室は、ノズル室と連通している。
請求項6に記載のインジェクタによれば、背圧室は、第1スリーブ、ニードルおよびフランジにより形成されている。
請求項7に記載のインジェクタによれば、ニードルは、噴孔と反対側の後端面により背圧室の燃料圧を閉弁方向に受ける。
請求項8に記載のインジェクタは、背圧室に収容され、ニードルを閉弁方向に付勢する第2付勢手段を備える。
これにより、ニードルの閉弁動作を迅速化することができる。このため、ニードルの閉弁時の動作応答性を、さらに高めることができる。
請求項9に記載のインジェクタによれば、フランジおよび第1スリーブは、一方が他方に嵌合することで互いに径方向に位置決めされている。
これにより、ニードルのストッパとして機能できる第1スリーブまたはフランジを個別に製造できるので、各々を高精度に加工できる。このため、ストッパ位置を高精度に設定することができる。
請求項10に記載のインジェクタによれば、第2スリーブおよびフランジは、一方が他方に嵌合することで互いに径方向に位置決めされている。
これにより、第2スリーブとフランジとを個別に製造できるので、圧力室を形成する各々の面を高精度に加工できる。このため、圧力室の容積を高精度に設定することができるので、制御室の燃料圧およびニードルのリフトに対する制御精度を高めることができる。
請求項11に記載のインジェクタによれば、第1スリーブ、フランジ、および第2スリーブは、ボディに遊挿されて先端側から順次に軸方向に隣り合う。そして、第1スリーブ、フランジ、および第2スリーブの内で、少なくとも軸方向に隣り合う2つが一体に成形されている。
これにより、部品点数を削減することができる。
なお、第2軸部は、第1スリーブよりも先端側でボディに摺動自在に支持されている。
ここで、第1スリーブ、フランジ、および第2スリーブは、ボディに遊挿されて先端側から順次に軸方向に隣り合う。そして、第2スリーブが先端側に付勢されることで、第1スリーブが先端側に付勢されてボディの内部表面に着座している。
なお、インジェクタは、ニードルの先端部により噴孔との間が開閉され、ニードルに対し開弁方向に燃料圧を及ぼす燃料が流出入するノズル室を形成し、背圧室は、ノズル室と連通している。
さらに、インジェクタは、背圧室に収容され、ニードルを閉弁方向に付勢する第2付勢手段を備える。
実施例1のインジェクタ1の構成を、図1を用いて説明する。
インジェクタ1は、例えば、ディーゼルエンジンのような直噴型のエンジン(図示せず)に搭載され、コモンレールから受け入れた高圧の燃料を、直接、気筒内に噴射供給するものであり、ニードル2をリフト駆動して噴孔3を開放することで燃料を噴射する。また、インジェクタ1は、電圧印加により伸長する圧電素子によりアクチュエータ4が構成され、圧電素子の伸長力をニードル2の駆動力として利用するものである。
実施例1のインジェクタ1は、第1軸部13を摺動自在に支持する第1スリーブ7を備え、第1スリーブ7は、第1内部室17に遊挿されている。また、第2軸部14は、第1スリーブ7よりも先端側でボディ10に摺動自在に支持されている。
これにより、第1、第2軸部13、14が互いに異なる部材により摺動自在に支持されるとともに、第1スリーブ7の外周側に比較的大きいクリアランスが形成される。このため、第1軸部13を支持する第1スリーブ7と第2軸部14を支持するボディ10とは、径方向に互いの相対位置を変えることができる。この結果、ニードル2、第1スリーブ7およびボディ10の第2内部室18の近傍を高精度に加工しなくても、第1、第2軸部13、14の両方の外周側でクリアランスを一定以下に抑えることができるとともに、第1、第2軸部13、14の変位について同軸度を確保することができる。
以上により、ニードル2、第1スリーブ7およびボディ10の加工精度を上げる必要がなくなるので、インジェクタ1の製造工数を低減することができる。
これにより、圧力室27を形成する第2スリーブ8の内周面36やフランジ9の後端面37を高精度に加工できるので、圧力室27の容積を高精度に設定して制御室31の燃料圧およびニードル2のリフトに対する制御精度を高めることができる。
これにより、第2スリーブ8を先端側に付勢して第1スリーブ7をボディ10の内部表面30に着座させるとともに、ピストン6を後端側に付勢してアクチュエータ4に圧縮予荷重を付与することができる。
これにより、背圧室41の燃料圧を安定的に略一定値に保つとともに背圧室41の容積を迅速に拡縮することができるので、ニードル2の動作応答性を高めることができる。
これにより、第1スリーブ7およびフランジ9を高精度に加工できるので、フランジ9をストッパとするニードル2のリフト量を高精度に設定することができる。
これにより、ニードル2の閉弁動作を迅速化することができるので、ニードル2の閉弁時の動作応答性をさらに高めることができる。
実施例1、2のインジェクタ1によれば、第1、第2スリーブ7、8およびフランジ9は全て別体として設けられていたが、第1スリーブ7とフランジ9とを一体に成形してもよく、第2スリーブ8とフランジ9とを一体に成形してもよく、第1、第2スリーブ7、8およびフランジ9を全て一体に成形してもよい(図3参照)。この場合、インジェクタ1の部品点数を削減することができる。
また、実施例1、2のインジェクタ1によれば、アクチュエータ4は圧電素子により構成されていたが、磁界の発生により伸長する磁歪素子によりアクチュエータ4を構成してもよい。
2 ニードル
3 噴孔
4 アクチュエータ
6 ピストン
7 第1スリーブ
8 第2スリーブ
9 フランジ
10 ボディ
13 第1軸部
14 第2軸部
15 弁部(ニードルの先端部)
17 第1内部室(外周室)
19 外周面(第1軸部よりも先端側のニードルの外周面)
23 ノズル室
27 圧力室
28 第1スプリング(第1付勢手段)
30 内部表面(ボディの内部表面)
31 制御室
32 内周面(第1スリーブの内周面)
39 連通路(制御室と圧力室との連通路)
41 背圧室
42 後端面(噴孔と反対側の後端面)
45 連通路(背圧室と外周室との連通路)
47 第2スプリング(第2付勢手段)
Claims (11)
- 噴孔を開閉するニードルと、
軸方向に伸縮するアクチュエータと、
このアクチュエータの伸縮に応じて軸方向に進退するピストンとを備え、
このピストンの進退に応じて燃料圧が増減される制御室を形成し、
前記ニードルは、
前記制御室の燃料圧を開弁方向に受ける第1軸部と、この第1軸部の先端側に前記第1軸部よりも径小に設けられる第2軸部とを有し、
前記第1軸部と前記第2軸部とが、個別に摺動自在に支持されて軸方向に変位し、
前記アクチュエータの伸長により前記ピストンを前進させて前記制御室の燃料圧を増圧することで、前記ニードルに前記噴孔を開放させるインジェクタにおいて、
前記第1軸部を摺動自在に支持する第1スリーブと、
この第1スリーブが内部に遊挿されるボディと、
前記ピストンを摺動自在に支持する第2スリーブと、
前記ピストンの先端側に配され、前記ピストンおよび前記第2スリーブとともに前記ピストンの進退に応じて燃料圧が増減される圧力室を形成するフランジとを備え、
前記制御室は、前記第1スリーブが先端側に付勢されて前記ボディの内部表面に着座することで、前記第1スリーブの内周面、前記第1軸部よりも先端側の前記ニードルの外周面、および前記ボディの内部表面により区画されて形成されて、前記圧力室と連通することで前記ピストンの進退に応じて燃料圧が増減され、
前記第2スリーブおよび前記フランジは、前記第1スリーブの後端側に配されて、前記第1スリーブ、前記フランジ、および前記第2スリーブは、前記ボディに遊挿されて先端側から順次に軸方向に隣り合い、
前記第2スリーブが先端側に付勢されることで、前記第1スリーブが先端側に付勢されて前記ボディの内部表面に着座しており、
前記制御室と前記圧力室との連通路は、前記フランジおよび前記第1スリーブと前記ボディとの間に形成される外周室とは隔離され、前記フランジおよび前記第1スリーブを貫通していることを特徴とするインジェクタ。 - 請求項1に記載のインジェクタにおいて、
前記第2軸部は、前記第1スリーブよりも先端側で前記ボディに摺動自在に支持されていることを特徴とするインジェクタ。 - 請求項1に記載のインジェクタにおいて、
前記第2スリーブと前記ピストンとを軸方向に互いに逆向きに付勢する第1付勢手段を備えることを特徴とするインジェクタ。 - 請求項1ないし請求項3の内のいずれか1つに記載のインジェクタにおいて、
前記ニードルに対し閉弁方向に燃料圧を及ぼす燃料が流出入する背圧室を形成し、
前記背圧室は、前記外周室と連通することで燃料が流出入され、
前記背圧室と前記外周室との連通路は、前記フランジに設けられていることを特徴とするインジェクタ。 - 請求項4に記載のインジェクタにおいて、
前記ニードルの先端部により前記噴孔との間が開閉され、前記ニードルに対し開弁方向に燃料圧を及ぼす燃料が流出入するノズル室を形成し、
前記背圧室は、このノズル室と連通していることを特徴とするインジェクタ。 - 請求項4または請求項5に記載のインジェクタにおいて、
前記背圧室は、前記第1スリーブ、前記ニードルおよび前記フランジにより形成されていることを特徴とするインジェクタ。 - 請求項4ないし請求項6の内のいずれか1つに記載のインジェクタにおいて、
前記ニードルは、前記噴孔と反対側の後端面により前記背圧室の燃料圧を閉弁方向に受けることを特徴とするインジェクタ。 - 請求項4ないし請求項7の内のいずれか1つに記載のインジェクタにおいて、
前記背圧室に収容され、前記ニードルを閉弁方向に付勢する第2付勢手段を備えることを特徴とするインジェクタ。 - 請求項1ないし請求項8の内のいずれか1つに記載のインジェクタにおいて、
前記フランジおよび前記第1スリーブは、一方が他方に嵌合することで互いに径方向に位置決めされていることを特徴とするインジェクタ。 - 請求項1ないし請求項9の内のいずれか1つに記載のインジェクタにおいて、
前記第2スリーブおよび前記フランジは、一方が他方に嵌合することで互いに径方向に位置決めされていることを特徴とするインジェクタ。 - 請求項1ないし請求項8の内のいずれか1つに記載のインジェクタにおいて、
前記第1スリーブ、前記フランジ、および前記第2スリーブは、先端側から順次に軸方向に隣り合い、
前記第1スリーブ、前記フランジ、および前記第2スリーブの内で、少なくとも軸方向に隣り合う2つが一体に成形されていることを特徴とするインジェクタ。
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