JP4378972B2 - Antireflection film, method of manufacturing antireflection film, antireflection member - Google Patents

Antireflection film, method of manufacturing antireflection film, antireflection member Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、低屈折率により反射を防止することができる反射防止膜、またこの反射防止膜を製造する方法、さらにこの反射防止膜を透明支持体に形成することによって得られる、ディスプレイ(CRTディスプレイ、プラズマディスプレイ、液晶ディスプレイ、プロジェクションディスプレイ、ELディスプレイ等)の表示画面表面に適用される反射防止フィルム等の反射防止部材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
反射防止膜は、陰極管表示装置(CRT)、プラズマディスプレイパネル(PDP)、液晶表示装置(LCD)、プロジェクションディスプレイ、エレクトロルミネセンスディスプレイ(ELD)等の様々な表示装置、タッチパネル、光学レンズ、眼鏡レンズ、フォトリソグラフィープロセスにおける反射防止処理、太陽電池パネル表面の反射防止処理等の様々な分野で利用されている。
【0003】
反射防止機能のためには、透明支持体の屈折率よりも低い屈折率を有する層(以下「低屈折率層」という。)を設ける必要がある。この低屈折率層を形成するための低屈折率材料としては、無機材料の場合には、MgF(屈折率1.38)、SiO(屈折率1.46)等を挙げることができ、また有機材料の場合には、パーフルオロ樹脂(屈折率1.35〜1.45)及びこれを用いた微粒子を挙げることができる。通常、MgFによる層は、真空蒸着、スパッタ等の気相法で、SiOによる層は、真空蒸着、スパッタ等の気相法又はゾルゲル法による液相法で形成される。また、パーフルオロ樹脂による層は、液相法で形成されている。一般的に気相法による形成方法は、優れた光学的性質を有する反射防止膜が得られるものの、生産性が低く大量生産に適していない。
【0004】
また、例えば、ディスプレイ等の画像表示パネルの反射防止を目的として上記のような低屈折率材料を用いるにあたっては、ほとんどの場合、ガラス、フィルム等の透明支持体の表面に、透明支持体の屈折率よりも高い屈折率を有する層(以下「高屈折率層」という。)と低屈折率層の2層以上の層を形成することによって、反射防止性能を得ている。そして高屈折率層を形成するための高屈折率材料と、低屈折率材料との屈折率差が大きいほど、反射率の極小値が小さくなることが知られている。従来、透明支持体としてPETフィルム基材(屈折率1.67)を用いた場合には、低屈折率材料としてパーフルオロ樹脂(屈折率1.40)を用いても、低屈折率化の効果は不十分であり、上記の透明支持体と低屈折率層との間に高屈折率層が必要であった。しかしながら、パーフルオロ樹脂よりもさらに低い屈折率を有する材料を得ることができれば、この材料により形成される低屈折率層の1層のみで、反射防止性能を向上させることが期待できる。また反射防止性能以外に帯電防止性能、電磁波遮蔽性能等を付与させる場合には、透明支持体の表面に2層以上の層として多層反射防止層を形成することが必要になるが、この場合にもパーフルオロ樹脂よりも低い屈折率を有する材料を用いることにより、多層反射防止層の設計自由度が拡がり、より優れた反射防止性能を得ることができると期待される。
【0005】
また一方で、低屈折率層の屈折率をさらに低減させるためには、上記既存の材料を用いる以外に、低屈折率材料を構成する粒子間に空隙を形成するなどして、低屈折率層内に空隙を導入する方法が有効である。すなわち空気の屈折率は1.00であり、上記の空隙中に空気を含む低屈折率層は非常に低い屈折率を有する。従来、低屈折率層に微粒子を含ませることにより空隙を形成する方法が提案されている。特公昭60―59250号公報(特許文献1)においては、微細空孔と微粒子状無機物とを有する反射防止層が開示されている。反射防止層は液相法により形成される。微細空孔は、層の塗布後に活性化ガス処理を行い、ガスが層から離脱することにより形成される。また、特開平2−245702号公報(特許文献2)においては、2種類の微粒子を混在させて、膜厚方向にその混合比を変化させた反射防止膜が開示されている。微粒子は、エチルシリケートの熱分解で生じたSiOにより接着している。エチルシリケートの熱分解ではエチル部分の燃焼によって、二酸化炭素と水蒸気も発生する。同公報の第1図に示されているように二酸化炭素と水蒸気が層から脱離することにより、微粒子間に空隙が生じている。また、特開平7−48527号公報(特許文献3)においては、多孔質シリカよりなる無機物微粉末とバインダーを含有する反射防止膜が開示されている。また、特開平9−288201号公報(特許文献4)においては、含フッ素ポリマーからなる微粒子が、特開平11−6902号公報(特許文献5)においては、無機微粒子の周囲にポリマーシェルが設けられている微粒子が、特開平11−326601号公報(特許文献6)においては、シリカ微粒子が、それぞれ層内で2個以上積み重ねられることにより、微粒子間に空隙を形成した反射防止膜が形成されている。
【0006】
しかしながら、一般的に低屈折率層は透明支持体から最も遠い側、すなわち反射防止膜の表面側に設けられるため、低屈折率性に加え、耐摩耗性、防汚性能も併せ持つ必要がある。空隙を導入した低屈折率層の場合には、この層はポーラスになり、しかも薄膜であると機械強度が低下し、その結果、耐摩耗性が低下してしまう。また、かりに空隙内に油性汚れが入り込んだ場合には、汚れ除去性が損なわれ、併せて反射防止性能も低下してしまう。従って、表面層となる低屈折率層を汚れから保護し、耐摩耗性を向上させるために、含フッ素化合物を含むオーバーコート層を低屈折率層の表面に設ける対策が一般によく講じられてきた。
【0007】
しかしながら、粒子間に空隙を有する低屈折率層にオーバーコート層を設けようとすると、オーバーコート層を形成するための塗布液(以下「オーバーコート材料」ともいう。)が低屈折率層内の空隙に侵入し、却って低屈折率層の屈折率が増大してしまう。そこで、特開2000―9907号公報(特許文献7)においては、オーバーコート材料が低屈折率層内の粒子間の空隙に侵入しても、この層の屈折率の上昇を抑制することができるように、比較的屈折率の低い含フッ素化合物を用いてオーバーコート層を設けようとしている。しかしながら、本発明者が研究したところ、上記構成においてオーバーコート材料の侵入に伴い、低屈折率層内の空隙が減少し、それによって屈折率が増大するケースが確認された。また一方で、特開2000―75105号公報(特許文献8)においては、上記オーバーコート材料が低屈折率層内の粒子間空隙に侵入することを抑制するために、オーバーコート材料の高分子量化や、この材料に微粒子を添加すること等が開示されている。また、特開2000―284102号公報(特許文献9)においても同様に、上記材料が特定のパーフルオロアルキルポリエーテル側鎖を有する重合体である場合に滑り性が改善されることが開示されている。また、特開2001―100003号公報(特許文献10)においては、粒子間空隙を有する低屈折率層にポリマー層を積層し、さらにその上にオーバーコート材料を用いてオーバーコート層を積層するようにしている。
【0008】
しかしながら、上記粒子間に空隙を有する低屈折率層に、オーバーコート材料を塗布する従来の手法であっても、この材料が、低屈折率性を司る粒子間空隙に侵入してしまうものである。つまり、オーバーコート層により、耐摩耗性、防汚性の向上は見込めるものの、空隙の減少とともに低屈折率層の屈折率が却って増大してしまうというトレードオフの関係が生じてしまう。また、低屈折率材料の粒子間空隙をできるだけ保持した状態で、低屈折率層の表面のみに耐摩耗性、防汚性確保のためのコーティングができたとしても、このコーティングにより得られるオーバーコート層の厚みは50nm以下と非常に薄くなり、耐摩耗性、防汚性向上の効果は、ごく限定されたものとなる。
【0009】
ところで、パーフルオロ樹脂よりも低い屈折率を有する球形の中空シリカ微粒子が、特開2001−233611号公報(特許文献11)において開示されている。この微粒子は外殻に包囲された空洞(又はキャビティ)を有し、微粒子自体の屈折率は1.30以下にできると記載されている。そのような微粒子をマトリックス形成材料中に分散させて得られるコーティング剤組成物を塗布することにより、低屈折率の透明薄膜を形成できることが示唆されている。上述のように、中空微粒子を使用することにより低屈折率層を形成できること自体は、一般的に知られているが、そのような層を形成するために必要とされる具体的な技術事項は未だに充分ではなく、またこのような技術事項を示唆するような文献等も存在しない。
【0010】
例えば、特開2002−265866号公報(特許文献12)においては、パーフルオロポリエーテル含有有機珪素化合物中に中空シリカゾルを5〜95wt%添加して得られた低屈折率膜が開示されている。一般的に中空粒子の添加量を増加させるに伴い、上記の膜の屈折率は低減することができる。しかしながら粒子充填複合材料の場合には、粒径が等しい(完全な単分散の)球状微粒子を最密充填したときの粒子の最大体積分率は、Horsfieldの充填モデルによると74体積%となり、また単純立方充填すると52体積%となる(例えば、非特許文献1参照。)。通常は、微粒子の粒度分布や、逆に分散不良(2次凝集)等の影響で理論値からは変動するものの、粒子の充填量が40体積%を超えた高充填領域では、分散不良を生じやすくなり、低屈折率膜自体の耐摩耗性、均質性が損なわれてしまう。
【0011】
【特許文献1】
特公昭60−59250号公報(特許請求の範囲等)
【特許文献2】
特開平2−245702号公報(特許請求の範囲、第1図等)
【特許文献3】
特開平7−48527号公報(特許請求の範囲等)
【特許文献4】
特開平9−288201号公報(特許請求の範囲、図1等)
【特許文献5】
特開平11−6902号公報(特許請求の範囲、図1等)
【特許文献6】
特開平11−326601号公報(特許請求の範囲、図1等)
【特許文献7】
特開2000―9907号公報(特許請求の範囲、図1等)
【特許文献8】
特開2000―75105号公報(特許請求の範囲、図1等)
【特許文献9】
特開2000―284102号公報(特許請求の範囲、図1等)
【特許文献10】
特開2001―100003号公報(特許請求の範囲、図1等)
【特許文献11】
特開2001−233611号公報(特許請求の範囲、図1等)
【特許文献12】
特開2002−265866号公報(特許請求の範囲、図1等)
【非特許文献1】
粉体工学便覧、粉体工学会編、日刊工業新聞社、1998年3月30日、第2版1刷発行、p.149−150
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、中空微粒子が低屈折率層内において高充填されており、中空微粒子の内部の空洞によって低屈折率を確保して反射防止を可能とし、また、中空微粒子間の空隙に第2バインダーを充填することによって中空微粒子間の結合を補強して耐摩耗性を向上することができる反射防止膜、この反射防止膜の製造方法、この反射防止膜を用いて製造される反射防止部材を提供することを目的とするものである。
【0013】
また、上記の効果に加えて、第2バインダーに含フッ素化合物や含シリコーン化合物等を含有させることによって防汚性を付与することができる反射防止膜、この反射防止膜の製造方法、この反射防止膜を用いて製造される反射防止部材を提供することを目的とするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に係る反射防止膜は、内部に一つの空洞1を有する略球形の微粒子であって前記空洞1が略球形の外殻9によって完全に包囲されている中空微粒子2を第1バインダー3で相互に結合させることによって形成される低屈折率層4からなる反射防止膜において、低屈折率層4内の中空微粒子2間の空隙5に第2バインダー6を充填して成り、平均粒子径がそれぞれd1,d2,……,dn(ただし、d1>d2>……>dn)の中空微粒子をn種類混合して用いると共に、平均粒子径がdk−1の中空微粒子と平均粒子径がdkの中空微粒子とがdk<0.5×dk−1(k=〜n、2≦n)の関係を有することを特徴とするものである。
【0015】
また請求項2の発明は、請求項1において、中空微粒子2として、屈折率が1.2〜1.45及び平均粒子径が0.5〜200nmのものを用い、この中空微粒子2が内部の空洞1も含めて低屈折率層4全体の40〜95体積%を占めると共に、第1バインダー3、第2バインダー6及び中空微粒子2間の空隙5が残りの60〜5体積%を占めることを特徴とするものである。
【0016】
また請求項3の発明は、請求項1又は2において、中空微粒子2内の空洞1及び中空微粒子2間の空隙5が低屈折率層4内の10〜60体積%を占め、かつ、第2バインダー6が中空微粒子2間の空隙5全体の40体積%以上を占めることを特徴とするものである。
【0017】
また請求項4の発明は、請求項1乃至3のいずれかにおいて、中空微粒子2として1種類以上のものを用いると共に、そのうち少なくとも1種類のものが中空シリカゾルであることを特徴とするものである。
【0019】
また請求項の発明は、請求項1乃至のいずれかにおいて、低屈折率層4に対する第2バインダー6の接触角が0〜70°であることを特徴とするものである。
【0020】
また請求項の発明は、請求項1乃至のいずれかにおいて、第1バインダー3が反応性有機珪素化合物からなるものであることを特徴とするものである。
【0021】
また請求項の発明は、請求項1乃至のいずれかにおいて、第2バインダー6が反応性有機珪素化合物からなるものであることを特徴とするものである。
【0022】
また請求項の発明は、請求項1乃至のいずれかにおいて、第2バインダー6の分子量が100〜5000であることを特徴とするものである。
【0023】
また請求項の発明は、請求項1乃至のいずれかにおいて、第2バインダー6が硬化触媒を含有して成ることを特徴とするものである。
【0024】
また請求項1の発明は、請求項1乃至のいずれかにおいて、第2バインダー6が含フッ素化合物を含有して成ることを特徴とするものである。
【0025】
また請求項1の発明は、請求項1において、第2バインダー6が含フッ素化合物を0.1〜50重量%含有して成ることを特徴とするものである。
【0026】
また請求項1の発明は、請求項1乃至のいずれかにおいて、第2バインダー6がシリコーン化合物を含有して成ることを特徴とするものである。
【0027】
また請求項1の発明は、請求項1乃至1のいずれかにおいて、第2バインダー6がコロイダルシリカを含有して成ることを特徴とするものである。
【0028】
また請求項1の発明は、請求項1乃至1のいずれかにおいて、第2バインダー6が、屈折率が1.2〜1.45及び平均粒子径が0.5〜100nmの微粒子を含有して成ることを特徴とするものである。
【0029】
また請求項1の発明は、請求項1において、第2バインダー6が中空シリカゾルを含有して成ることを特徴とするものである。
【0030】
本発明の請求項16に係る反射防止膜の製造方法は、内部に一つの空洞1を有する略球形の微粒子であって前記空洞1が略球形の外殻9によって完全に包囲されている中空微粒子2を含有する第1バインダー3を透明支持体7の表面に塗布し、これを乾燥させて中空微粒子2を第1バインダー3で相互に結合させることによって低屈折率層4を形成した後に、この低屈折率層4に第2バインダー6を塗布することによって、低屈折率層4内の中空微粒子2間の空隙5に第2バインダー6を充填するものであり、平均粒子径がそれぞれd1,d2,……,dn(ただし、d1>d2>……>dn)の中空微粒子をn種類混合して用いると共に、平均粒子径がdk−1の中空微粒子と平均粒子径がdkの中空微粒子とがdk<0.5×dk−1(k=〜n、2≦n)の関係を有することを特徴とするものである。
【0031】
本発明の請求項1に係る反射防止部材は、請求項1乃至1のいずれかに記載の反射防止膜を透明支持体7の片面又は両面に形成して成ることを特徴とするものである。
【0032】
また請求項1の発明は、請求項1において、透明支持体7が透明樹脂フィルム又は透明樹脂板であることを特徴とするものである。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
【0034】
図1は、本発明に係る反射防止部材の中に含まれる反射防止フィルムの1例を示す断面図である。この反射防止フィルムは、透明支持体7として透明樹脂フィルムを用い、この透明支持体7の表面にハードコート層8を介して低屈折率層4(この低屈折率層4が本発明に係る反射防止膜に相当する)を形成することによって、製造することができる。なお、透明支持体7としては、上記の透明樹脂フィルムのほか、透明樹脂板を用いることができる。また、図1に示す反射防止部材にあっては、透明支持体7の片面にハードコート層8を介して低屈折率層4を形成するようにしているが、透明支持体7の両面にハードコート層8を介して低屈折率層4を形成するようにしてもよく、さらに、透明支持体7の表面にハードコート層8を介することなく直接、低屈折率層4を形成するようにしてもよい。以下においては、図1に基づいて説明することとする。
【0035】
まず、透明支持体7について説明する。透明支持体7としては、種々の有機高分子からなる透明樹脂フィルム又は透明樹脂板を挙げることができる。通常、光学部材として使用される有機高分子は、透明性、屈折率、ヘイズ等の光学特性、さらには耐衝撃性、耐熱性、耐久性等の諸物性の点から、ポリオレフィン系(ポリエチレン、ポリプロピレン等)、ポリエステル系(ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等)、ポリアミド系(ナイロン−6、ナイロン−66等)、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリイミド、ポリビニルアルコール、エチレンビニルアルコール、アクリル、セルロース系(トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース、セロファン等)、シクロオレフィン系、あるいはこれらの有機高分子の共重合体等であり、これらの有機高分子等をフィルム状又は板状に成形することによって、透明樹脂フィルム又は透明樹脂板を製造することができる。
【0036】
また、上記の有機高分子等に、公知の添加剤、例えば、帯電防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤、滑剤、着色剤、酸化防止剤、難燃剤等を含有させたものを使用して、透明支持体7を製造してもよい。
【0037】
さらに透明支持体7は、単層のものであっても、あるいは複数の有機高分子を積層した多層のものであってもよい。透明支持体7の厚みは、特に限定されるものではないが、70〜200μmであることが好ましい。
【0038】
次に、ハードコート層8について説明する。このハードコート層8は、低屈折率層4を形成する前に、透明支持体7の表面にハードコート材料を塗布(塗工)して、これを硬化させることによって形成されるものである。透明支持体7と低屈折率層4との間にハードコート層8を形成しておくと、透明支持体7の表面の硬度を向上させ、鉛筆等の荷重のかかる引っ掻きによる傷を防止し、また、透明樹脂フィルムのように屈曲性のある透明支持体7を用いる場合において、この透明支持体7が屈曲したときに反射防止膜にクラックが発生するのを抑制することができ、反射防止膜の機械的強度を改善することができるものである。
【0039】
上記の効果を得るため、またハードコート層8自体の硬度を向上させるためには、ハードコート材料としては、反応性硬化型樹脂、すなわち熱硬化型樹脂及び/又は電離放射線硬化型樹脂を用いるのが望ましい。
【0040】
熱硬化型樹脂としては、例えば、フェノール樹脂、尿素樹脂、ジアリルフタレート樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アミノアルキッド樹脂、珪素樹脂、ポリシロキサン樹脂等を使用することができる。必要に応じて、架橋剤、重合開始剤、硬化剤、硬化促進剤、溶剤を加えた熱硬化型樹脂を使用することもできる。
【0041】
電離放射線硬化型樹脂としては、1分子中に2個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を含有する多官能性モノマーを主成分とする重合物を用いることができる。多官能性モノマーとしては、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコール(メタ)アクリレート、エチレングリコール(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、3−メチルペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールビスβ−(メタ)アクリロイルオキシプロピネート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリ(2−ヒドロキシエチル)イソシアネートジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ノナエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラデカンエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、10−デカンジオール(メタ)アクリレート、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシジエトキシフェニル)プロパン、1,4−ビス((メタ)アクリロイルオキシメチル)シクロヘキサン、エポキシ変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート等を挙げることができる。多官能性モノマーは、1種類のみを使用しても良いし、2種類以上を併用しても良い。また必要であれば単官能性モノマーと併用して共重合させることもできる。
【0042】
多官能性モノマーの重合反応には、光重合開始剤を用いることが好ましい。光重合開始剤としては、例えば、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、α−アミロキシムエステル、チオキサントン類等を用いることができる。このような光重合開始剤に加えて光増感剤を用いてもよい。光増感剤としては、例えば、n−ブチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルホスフィン、チオキサントンを用いることができる。光重合開始剤を用いる場合において、光重合反応は、透明支持体7の表面にハードコート材料を塗布して、これを乾燥させた後に、紫外線を照射することにより実施することが好ましい。
【0043】
またハードコート層8は、透明支持体7と屈折率が近似していることが好ましい。ハードコート層8の膜厚は、1〜2μm以上であれば十分な強度を得ることができるが、透明性、塗工精度、応力による透明樹脂フィルム等の透明支持体7のカール性の観点から、4〜10μmの範囲が好ましい。
【0044】
また、平均粒径が0.005〜3μmの無機物あるいは有機物の微粒子(充填材)を混合分散させたハードコート材料を用いてハードコート層8を形成することも可能である。さらに、ハードコート層8の表面状態を凹凸化させることで、一般的にアンチグレアと呼ばれる光拡散性処理を施すことができる。なお、上記の充填材は、ハードコート層8の硬度を高くし、多官能性モノマーの硬化収縮を抑制する機能がある。この充填材としては、透明であれば特に限定されるものではないが、無機物の微粒子の具体例としては、二酸化珪素粒子、二酸化チタン粒子、酸化ジルコニウム粒子、酸化アルミニウム粒子、酸化錫粒子、炭酸カルシウム粒子、タルク、硫酸カルシウム粒子等を挙げることができ、また有機物の微粒子の具体例としては、メタクリル酸−メチルアクリレートコポリマー粒子、シリコン樹脂粒子、ポリスチレン粒子、ポリオレフィン粒子、メラミン粒子、ポリフッ化エチレン粒子等を挙げることができる。
【0045】
ハードコート層8の表面には、低屈折率層4を形成する前に上記の光拡散性処理のほか、以下のような表面処理を行うことが好ましい。すなわち表面処理としては、プラズマ放電処理、コロナ処理、フレーム処理のような物理的表面処理や、カップリング剤、酸、アルカリによる化学的表面処理を挙げることができる。このような表面処理を行うことにより、ハードコート層8と低屈折率層4とのぬれ性、密着性を向上させることが可能となるのである。
【0046】
次に、低屈折率層4について説明する。この低屈折率層4は、中空微粒子2を含有する第1バインダー3(これは組成物として用いるので、以下「第1コーティング剤組成物」ともいう。)をハードコート層8の表面(あるいは透明支持体7の表面)に塗布(塗工)して、これを硬化させることによって形成されるものであり、本発明においてはこの低屈折率層4の表面にさらに、第2バインダー6(これも組成物として用いることができるので、以下「第2コーティング剤組成物」ともいう。)を塗布(塗工)して、これを硬化させることによって、反射防止膜を製造するようにしている。
【0047】
低屈折率層4は、反射を防止するためには、屈折率が1.20〜1.50であることが好ましく、1.25〜1.45であることが、より好ましい。低屈折率層4の屈折率を調整する方法については後述する。また、低屈折率層4の厚み(d)は、低屈折率層4の屈折率をnとすると、nd=λ/4(ただし、λ:波長)の式を満たすものであることが好ましい。具体的には、d=50〜400nmであることが好ましく、d=50〜200nmであることが、より好ましい。
【0048】
図2は、第2コーティング剤組成物を塗布する前の低屈折率層4の概略断面図を示すものであり、また図3は、第2コーティング剤組成物を塗布した後の低屈折率層4(つまり、本発明に係る反射防止膜)の概略断面図を示すものである。図2に示すように低屈折率層4は、第1コーティング剤組成物の硬化物として形成されており、略球形の中空微粒子2は、低屈折率層4内において密に充填(高充填)されていると共に、第1バインダー3で相互に結合されている。このときの実際の様子を図4に示す。図4は、第2コーティング剤組成物を塗布する前の低屈折率層4の電子顕微鏡写真(撮影倍率:10万倍)を示すものである。図4により、ハードコート層8の表面に低屈折率層4が形成され、中空微粒子2間に空隙5が存在していることが確認される。そしてこの低屈折率層4の表面に、第2コーティング剤組成物を塗布すると、第1バインダー3のみでは充填しきれなかった上記の中空微粒子2間の空隙5に第2バインダー6が浸透していき、図3に示すように上記の空隙5に第2バインダー6が充填されることによって、反射防止膜が製造されるのである。このときの実際の様子を図5に示す。図5は、第2コーティング剤組成物を塗布した後の低屈折率層4の電子顕微鏡写真(撮影倍率:10万倍)を示すものである。図5により、中空微粒子2間の空隙5に第2バインダー6が密に充填されていることが確認される。つまり、本発明に係る反射防止膜は、第1コーティング剤組成物の硬化物をベースとして、この硬化物の内部の中空微粒子2間の結合が第2バインダー6で補強された構造を有している。以下、第1コーティング剤組成物を構成する第1バインダー3及び中空微粒子2、第2コーティング剤組成物を構成する第2バインダー6について、詳細に説明する。
【0049】
まず、第1バインダー3について説明する。第1バインダー3は、シリコンアルコキシド系であっても、飽和炭化水素、ポリエーテルを主鎖として有するポリマー(UV硬化型樹脂、熱硬化型樹脂)であっても良い。またその中にフッ素原子を含む単位を含有していても良い。具体的には、後述する含フッ素化合物(含フッ素界面活性剤、含フッ素ポリマー、含フッ素エーテル、含フッ素シラン化合物等)である。
【0050】
上記の第1バインダー3のうちシリコンアルコキシド系のものは、SiOゾルの形成に使用する珪素アルコキシドであって、その好ましい例は、RSi(OR´)で表される化合物である。R、R´は炭素数1〜10のアルキル基を表し、m+nは4であり、m及びnはそれぞれ整数である。さらに具体的には、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−iso−プロポキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシシラン、テトラ−sec−ブトキシシラン、テトラ−tert−ブトキシシラン、テトラペンタエトキシシラン、テトラペンタ−iso−プロポキシシラン、テトラペンタ−n−プロポキシシラン、テトラペンタ−n−ブトキシシラン、テトラペンタ−sec−ブトキシシラン、テトラペンタ−tert−ブトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリブトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルエトキシシラン、ジメチルメトキシシラン、ジメチルプロポキシシラン、ジメチルブトキシシラン、メチルジメトキシシラン、メチルジエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン等が挙げられる。
【0051】
上記珪素アルコキシドの加水分解は、この珪素アルコキシドを適当な溶媒中に溶解して行う。使用する溶媒としては、例えば、メチルエチルケトン、イソプロピルアルコール、メタノール、エタノール、メチルイソブチルケトン、酢酸エチル、酢酸ブチル等のアルコール、ケトン、エステル類、ハロゲン化炭化水素、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、あるいはこれらの混合物が挙げられる。上記珪素アルコキシドは上記溶媒中に、珪素アルコキシドが100%加水分解及び縮合したとして生じるSiO換算で0.1重量%以上、好ましくは0.1〜30重量%になるように溶解する。SiOゾルの濃度が0.1重量%未満であると形成されるゾル膜が所望の特性を充分に発揮できず、一方、30重量%を超えると透明均質膜の形成が困難となる。また、本発明においては、以上の固形分以内であるならば、その他の有機物や無機物バインダーを併用することも可能である。
【0052】
また、上記の第1バインダー3のうちUV硬化型樹脂は、下記のようなバインダーポリマー及び光重合開始剤からなるものである。
【0053】
すなわちバインダーポリマーは、飽和炭化水素又はポリエーテルを主鎖として有するポリマーであり、飽和炭化水素を主鎖として有するポリマーであることが好ましい。またバインダーポリマーは、架橋していることが好ましい。飽和炭化水素を主鎖として有するポリマーは、エチレン性不飽和モノマーの重合反応により得ることが好ましい。架橋しているバインダーポリマーを得るためには、2以上のエチレン性不飽和基を有するモノマーを用いることが好ましい。2以上のエチレン性不飽和基を有するモノマーの例には、多価アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル(例、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ジクロヘキサンジアクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート)、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,2,3−シクロヘキサンテトラメタクリレート、ポリウレタンポリアクリレート、ポリエステルポリアクリレート)、ビニルベンゼン及びその誘導体(例、1,4−ジビニルベンゼン、4−ビニル安息香酸−2−アクリロイルエチルエステル、1,4−ジビニルシクロヘキサノン)、ビニルスルホン(例、ジビニルスルホン)、アクリルアミド(例、メチレンビスアクリルアミド)及びメタクリルアミドが含まれる。ポリエーテルを主鎖として有するポリマーは、多官能エポシキ化合物の開環重合反応により合成することが好ましい。
【0054】
2以上のエチレン性不飽和基を有するモノマーの代わり又はそれに加えて、架橋性基の反応により、架橋構造をバインダーポリマーに導入してもよい。架橋性官能基の例には、イソシアナート基、エポキシ基、アジリジン基、オキサゾリン基、アルデヒド基、カルボニル基、ヒドラジン基、カルボキシル基、メチロール基及び活性メチレン基が含まれる。ビニルスルホン酸、酸無水物、シアノアクリレート誘導体、メラミン、エーテル化メチロール、エステル及びウレタンも、架橋構造を導入するためのモノマーとして利用できる。ブロックイソシアナート基のように、分解反応の結果として架橋性を示す官能基を用いてもよい。また、本発明において架橋基とは、上記化合物に限らず上記官能基が分解した結果、反応性を示すものであってもよい。
【0055】
バインダーポリマーの重合反応及び架橋反応に使用する重合開始剤は、上述のように、光重合開始剤である。光重合開始剤の例には、アセトフェノン類、ベンゾイン類、ベンゾフェノン類、ホスフィンオキシド類、ケタール類、アントラキノン類、チオキサントン類、アゾ化合物、過酸化物類、2,3−ジアルキルジオン化合物類、ジスルフィド化合物類、フルオロアミン化合物類や芳香族スルホニウム類がある。アセトフェノン類の例には、2,2−ジエトキシアセトフェノン、p−ジメチルアセトフェノン、1−ヒドロキシジメチルフェニルケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−4−メチルチオ−2−モルフォリノプロピオフェノン及び2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノンが含まれる。ベンゾイン類の例には、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル及びベンゾインイソプロピルエーテルが含まれる。ベンゾフェノン類の例には、ベンゾフェノン、2,4−ジクロロベンゾフェノン、4,4−ジクロロベンゾフェノン及びp−クロロベンゾフェノンが含まれる。ホスフィンオキシド類の例には、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキシドが含まれる。
【0056】
また、含フッ素化合物としては、含フッ素界面活性剤、含フッ素ポリマー、含フッ素エーテルや含フッ素シラン化合物等を用いるのが好ましい。
【0057】
含フッ素界面活性剤としては、親水性部がアニオン性、カチオン性、ノニオン性及び両性のいずれでも良い。含フッ素界面活性剤では、疎水性部を構成する炭化水素の水素原子の一部又は全部がフッ素原子により置換されている。含フッ素ポリマーは、フッ素原子を含むエチレン性不飽和モノマーの重合反応により合成することが好ましい。フッ素原子を有するモノマーを重合して形成されたポリマーにおいて、モノマー単位の具体例としては、フルオロオレフィン類(例えば、フルオロエチレン、ビニリデンフルオライド、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、パーフルオロ−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソール等)、(メタ)アクリル酸の部分又は完全フッ素化アルキルエステル誘導体類、完全又は部分フッ素化ビニルエーテル類、パーフルオロポリエーテル及びその誘導体等であり、これらの中から一つ又は複数のモノマーを任意の比率で組み合わせて共重合により目的のポリマーを得ることができる。また、上記含フッ素モノマーと、フッ素原子を含有しないモノマーとの共重合体を含フッ素ポリマーとして用いてもよい。併用可能なモノマー単位としては、特に限定されるものではないが、例えば、オレフィン類(エチレン、プロピレン、イソプレン、塩化ビニル、塩化ビニリデン等)、アクリル酸エステル類(アクリル酸メチル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸2−エチルヘキシル)、メタクリル酸エステル類(メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、エチレングリコールジメタクリレート等)、スチレン誘導体(スチレン、ジビニルベンゼン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン等)、ビニルエーテル類(メチルビニルエーテル等)、ビニルエステル類(酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、桂皮酸ビニル等)、アクリルアミド類(N−tertブチルアクリルアミド、N−シクロヘキシルアクリルアミド等)、メタクリルアミド類、アクリロ二トリル誘導体等を挙げることができる。また、含フッ素ポリマー中に、滑り性付与のため、ポリオルガノシロキサンを導入することも好ましい。これは、例えば、末端にアクリル基、メタクリル基、ビニルエーテル基、スチリル基等を持つポリオルガノシロキサンと上記のモノマーとの重合によって得られる。フッ素ポリマーとしては、市販されている素材を使用することもできる。市販されているフッ素ポリマーの具体例としては、サイトップ(旭硝子社製)、テフロン(登録商標)AF(デュポン社製)、ポリフッ化ビニリデン、ルミフロン(旭硝子社製)、オプスター(JSR社製)等が挙げられる。
【0058】
含フッ素エーテルは、一般に潤滑剤として使用されている化合物である。含フッ素エーテルの例には、パーフルオロポリエーテル及びその誘導体が含まれる。具体的には、デュポン(株)製の「クライトックス」、ダイキン工業(株)製の「デムナム」、アウジモント社製の「フォンブリン」等が挙げられる。また、これらのパーフルオロポリエーテルの末端にカルボキシル基、ヒドロキシ基、アミノ基、イソシアネート基、アルコキシシリル基、エチレン性不飽和基(アクリロイル、メタクリロイル、アリル、ビニルエーテル等)を持つことも好ましい。含フッ素シラン化合物の具体例としては、パーフルオロアルキル基を含むシラン化合物、例えば、(ヘプタデカフルオロ−1,2,2,2−テトラデシル)トリエトキシシラン、市販品としては、「KBM−7803」、「KP−801M」(以上、信越化学工業(株)製)等が挙げられる。
【0059】
なお、上記の第1バインダーを構成する材料は、第2バインダーを構成する材料として使用することができる。すなわち、第1バインダーと第2バインダーとは、同じ材料で構成されていても、あるいは異なる材料で構成されていてもよい。
【0060】
次に、中空微粒子2について説明する。中空微粒子2は、図2や図3に示すように内部に空洞1を有する略球形の微粒子であり、この中空微粒子2自体が低屈折率(例えば、屈折率:1.20〜1.45)を有している。具体例としては、中空シリカ微粒子等を挙げることができる。上記の空洞1は、略球形の外殻9によって完全に包囲されているので、この空洞1に第1バインダー3や第2バインダー6等の異物が浸入することはない。このことは、図4や図5により確認される。そしてこの空洞1が存在していることによって低屈折率化を図ることができるものであり、また空洞1内への異物の浸入が阻止されていることによって屈折率の増加を防止することができ、反射防止の効果を得ることができるものである。なお、空洞1を1つの微粒子に複数設けて形成される多孔質微粒子を、中空微粒子2と一緒に用いてもよい。
【0061】
具体的には、低屈折率層4の屈折率を低減するためには、次のようにすればよい。すなわち、低屈折率の中空微粒子2(例えば、屈折率:1.20〜1.45)を第1バインダー3に添加して第1コーティング剤組成物を調製し、この第1コーティング剤組成物を用いて低屈折率層4を形成すればよいのである。そうすると、中空微粒子2によって低屈折率層4内において空洞1が確保され、この空洞1によって低屈折率化を図ることができ、反射防止膜としての機能を実現することができるものである。
【0062】
ここで、中空微粒子2としては、屈折率が1.2〜1.45及び平均粒子径が0.5〜200nmのものを用いるのが好ましい。中空微粒子2の屈折率は、低いほど好ましいが、1.2が実質上の下限であり、また1.45を超えると十分な反射防止機能を得ることができないおそれがある。また、中空微粒子2の平均粒子径が200nmよりも大きくなると、製造される反射防止膜においてレイリー散乱によって光が乱反射されて反射防止膜が白っぽく見え、その透過率が低下することがある。逆に中空微粒子2の平均粒子径が0.5nmよりも小さくなると、中空微粒子2の分散性が低下し、第1コーティング剤組成物中で凝集を生じてしまうおそれがある。
【0063】
さらに、上記の屈折率及び平均粒子径を有する中空微粒子2(内部の空洞1も含む)が、低屈折率層4全体の40〜95体積%を占めていると共に、第1バインダー3、第2バインダー6及び中空微粒子2間の空隙5が、残りの60〜5体積%を占めていることが好ましい(請求項2の発明)。一般的に粒径の等しい(完全な単分散の)球状微粒子を最密充填したときの微粒子の、最大体積分率は、Horsfieldの充填モデルによると、0.74となり、幾何学的な関係から、必然的に26体積%粒子間間隙が生じてしまう。従って理想的には、第1コーティング剤組成物において中空微粒子2(すべての粒子径が等しいと仮定する)が74体積%を占め、第1バインダー3が残りの24体積%を占めているとき、低屈折率層4内において中空微粒子2間の空隙5はすべて第1バインダー3で置換され、高充填かつ非常に緻密な低屈折率層4が得られることになる。しかしながら実際には、中空微粒子2は粒度分布を持っており、また中空微粒子2/第1バインダー3の界面のぬれ性不足、ナノサイズの粒子径のため、第1コーティング剤組成物中で凝集等が生じている。そして実際には、第1コーティング剤組成物において中空微粒子2の添加量が40体積%以上であると、この第1コーティング剤組成物によって形成される低屈折率層4中において中空微粒子2の充填不良を生じ、第1バインダー3の未充填に起因する空隙5が中空微粒子2間に生じることになるのである。なお、中空微粒子2が40体積%未満であると、第1バインダー3によって中空微粒子2間を結合すると同時に中空微粒子2間の空隙5を埋めることはできるが、中空微粒子2の量が相対的に少ないために低屈折率化を図ることができないおそれがある。
【0064】
上記のように、中空微粒子2を高充填(40体積%以上)とすることによって生じた低屈折率層4内における中空微粒子2間の空隙5は、この低屈折率層4の強度、耐摩耗性能を著しく低下させることとなる。すなわち、低屈折率の中空微粒子2を添加することによる従来の低屈折率層4の屈折率低減方法は、40体積%以上の中空微粒子2を用いる場合には、耐摩耗性と完全にトレードオフの関係になり、実用上利用困難なものとなる。そして本発明者は、このトレードオフの問題を解決するために、中空微粒子2を高充填する場合において、低屈折率層4中の中空微粒子2間の空隙5に第2バインダー6を充填する方法を発明したのである。
【0065】
なお、中空微粒子2(内部の空洞1も含む)が、低屈折率層4全体の95体積%を超えるような場合には、中空微粒子2間を結合する第1バインダー3等の量が相対的に少なくなり、中空微粒子2間を十分に結合して保持することができなくなるおそれがある。そのため、中空微粒子2が占める体積の上限を低屈折率層4全体の95体積%としている。そうすると、中空微粒子2が占める体積以外の体積は、低屈折率層4全体の60〜5体積%となる。この体積は、第1バインダー3及び第2バインダー6のみで占められる(つまり、中空微粒子2間の空隙5が全く存在しない)のが好ましいが、実際には、中空微粒子2間の空隙5がごくわずか残っている場合がある。しかし、中空微粒子2間の大部分に第2バインダー6が存在しているので、中空微粒子2間のごくわずかの空隙5は、耐摩耗性低下の要因とはならないものである。
【0066】
また、図3に示すように、第2コーティング剤組成物を塗布した後の低屈折率層4において、中空微粒子2内の空洞1及び中空微粒子2間の空隙5が低屈折率層4内の10〜60体積%を占め、かつ、第2バインダー6が中空微粒子2間の空隙5全体の40体積%以上(上限は100体積%未満)を占めていることが好ましい(請求項3の発明)。特に、図3に示す低屈折率層4については、中空微粒子2間の空隙5に第1、第2コーティング剤組成物が完全に充填されており、中空微粒子2内の空洞1が低屈折率層4内の10〜60体積%を占めている。この空洞1によって低屈折率化の効果をさらに高く得ることができるものである。なお、図3においては上述のように、中空微粒子2間の空隙5に第1、第2コーティング剤組成物が完全に充填されているが、完全には充填されていなくてもよい。この場合には空隙5に空気が存在することとなり、このように空気が存在する空隙5によって、低屈折率化を図ることができるからである。また、図3に示す低屈折率層4については、第1、第2コーティング剤組成物が充填されている中空微粒子2間の空隙5全体の40体積%以上を第2バインダー6が占めている。このような割合で中空微粒子2間の空隙5に第2バインダー6を充填することによって、中空微粒子2間の結合をさらに補強して耐摩耗性を向上することができるものである。
【0067】
上記のように、低屈折率層4の屈折率を低減する効果は、低屈折率層4内に空気(空隙5)を含有させることによって得ることができる。しかしながら従来においては、微粒子間に空隙5を設け、そこに空気を存在させることによって屈折率を低減しようとしていた。そのため微粒子間の結合が弱くなり、低屈折率層4の耐摩耗性が著しく低下するのであり、このことは確認されている。よって、従来の技術よりも、本発明のように低屈折率層4内の空隙5は、中空微粒子2や多孔質微粒子等の微粒子内部の空洞1によって形成することとし、微粒子間の空隙5は可能な限り低減するようにした方が、低屈折率化と耐摩耗性を両立する上で好ましいのである。ここで、第1コーティング剤組成物を調製するにあたって、中空微粒子2の添加量を増加させておけば、それに伴って空洞1の量も増加し、低屈折率層4内に多くの空洞1を導入することができ、屈折率をさらに低下して反射防止性能を高めることができるものである。なお、以下において「低屈折率層4内空隙5率」という用語を使用する場合があるが、これは、第2コーティング剤組成物を塗布した後の低屈折率層4全体の体積に対する、中空微粒子2内の空洞1及び中空微粒子2間の空隙5が占める体積の割合を意味するものとする。
【0068】
既述のように、第2コーティング剤組成物を塗布した後の低屈折率層4においては、中空微粒子2内の空洞1及び中空微粒子2間の空隙5が低屈折率層4内の10〜60体積%を占めていること、換言すれば、低屈折率層4内空隙5率が10〜60体積%であることが好ましいとしているが、その理由は次の通りである。すなわち、低屈折率層4内空隙5率が10体積%未満である場合には、屈折率低減効果を高く得ることができないおそれがあるからであり、逆に低屈折率層4内空隙5率が60体積%を超える場合には、空洞1の容積が非常に大きい中空微粒子2や多孔質微粒子が必要となり、これらの微粒子自身の機械的強度等が低下してしまい、実用上好ましくないからである。
【0069】
また、中空微粒子2間の空隙5のうち、第1、第2コーティング剤組成物が充填されていない空隙5は60体積%未満(よって、第1、第2コーティング剤組成物が充填されている空隙5は40体積%以上)であることが好ましい。このように空気が内在する空隙5が中空微粒子2間の空隙5全体の60体積%以上であると、低屈折率層4全体がポーラスになり、耐摩耗性が低下してしまうおそれがある。
【0070】
また、中空微粒子2として1種類以上のものを用いると共に、そのうち少なくとも1種類のものが中空シリカゾル(SiO)であることが好ましい(請求項4の発明)。その理由は、低屈折率層4の屈折率低減の効果をさらに高く得ることができるからである。
【0071】
中空微粒子2は、既述の通り、外殻9によって包囲された空洞1を有する微粒子である。また、中空微粒子2自体の屈折率は1.20〜1.45であることが好ましく、この中空微粒子2の屈折率は特開2001−233611号公報(特許文献11)に開示されている方法によって測定することができる。また、中空微粒子2の平均粒子径は0.5〜200nmであることが好ましい。中空微粒子2の外殻9を構成する材料は、シリカのほか、金属酸化物であることも好ましい。中空微粒子2は、その平均粒子径に比べて外殻9の厚みが薄いものを用いるのが好ましく、また、低屈折率層4中に占める中空シリカ微粒子(内部の空洞1も含む)の体積が多いこと(40体積%以上)が好ましい。このような中空微粒子2は、例えば、特開2001−233611号公報(特許文献11)に開示されており、そこに開示されている中空微粒子2を第1コーティング剤組成物を調製する際に使用することができる。
【0072】
中空微粒子2の外殻9を構成する材料を具体的に挙げると、SiO、SiO、TiO、TiO、SnO、CeO、Sb、ITO、ATO、Al等の単独材料又はこれらの材料のいずれかの組み合わせの混合物の形態の材料である。また、これらの材料のいずれかの組み合わせの複合酸化物であってもよい。なお、SiOは、酸化雰囲気中で焼成した場合に、SiOとなるものが好ましい。
【0073】
また、平均粒子径がそれぞれd1,d2,……,dn(ただし、d1>d2>……>dn)の中空微粒子2をn種類混合して用いると共に、平均粒子径がdk−1の中空微粒子2と平均粒子径がdkの中空微粒子2とがdk<0.5×dk−1(k=〜n、2≦n)の関係を有する。このように、平均粒子径(粒度分布)の異なる複数種類(n種類、nはn≧2を満たす整数)の中空微粒子2を混合して使用する場合において、各種の中空微粒子2を平均粒子径の大きさの順に並べたとき、隣り合う2種類の中空微粒子2の平均粒子径dk、dk−1が上記の関係であれば、平均粒子径dkの中空微粒子2が平均粒子径dk−1の中空微粒子2間の間隙に充填され、複数種類からなる中空微粒子2の最大体積分率が上昇する。つまり、低屈折率層4内において、中空微粒子2間の空隙5が占める体積が減少する。したがって、第1、第2コーティング剤組成物を充填すべき空隙5の量が減少することによって、未充填を防止して耐摩耗性を保持することができると共に、上記空隙5の代わりに中空微粒子2の空洞1が設けられることによって、屈折率のさらなる低減が可能となるものである。なお、隣り合う2種類の中空微粒子2の平均粒子径dk、dk−1が、上記の関係とは逆にdk≧0.5×dk−1という関係であれば、平均粒子径dkの中空微粒子2が平均粒子径dk−1の中空微粒子2間の間隙に充填されにくくなるおそれがある。
【0074】
また、第1バインダー3が反応性有機珪素化合物(シリコンアルコキシド)からなるものであることが好ましい(請求項の発明)。特に、低屈折率層4を構成する中空微粒子2として、中空シリカ微粒子を用いる場合に、反応性有機珪素化合物を第1バインダー3として用いると、中空シリカ微粒子とのぬれ性、分散性が良好となるものである。よって、作業性が向上する上に、第1バインダー3と中空微粒子2が均一に混ざり合うことによって、図2に示す低屈折率層4において、ある箇所の中空微粒子2間の結合が他の箇所の中空微粒子2間の結合よりも弱くなるというようなことがなくなるものである。
【0075】
ここで、反応性有機珪素化合物は、SiOゾルの形成に使用する珪素アルコキシドであって、その好ましい例は、RSi(OR´)で表される化合物である。R、R´は炭素数1〜10のアルキル基を表し、m+nは4であり、m及びnはそれぞれ整数である。さらに具体的には、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−iso−プロポキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシシラン、テトラ−sec−ブトキシシラン、テトラ−tert−ブトキシシラン、テトラペンタエトキシシラン、テトラペンタ−iso−プロポキシシラン、テトラペンタ−n−プロポキシシラン、テトラペンタ−n−ブトキシシラン、テトラペンタ−sec−ブトキシシラン、テトラペンタ−tert−ブトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリブトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルエトキシシラン、ジメチルメトキシシラン、ジメチルプロポキシシラン、ジメチルブトキシシラン、メチルジメトキシシラン、メチルジエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン等が挙げられる。
【0076】
上記珪素アルコキシドの加水分解は、上記珪素アルコキシドを適当な溶媒中に溶解して行う。使用する溶媒としては、例えば、メチルエチルケトン、イソプロピルアルコール、メタノール、エタノール、メチルイソブチルケトン、酢酸エチル、酢酸ブチル等のアルコール、ケトン、エステル類、ハロゲン化炭化水素、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、あるいはこれらの混合物が挙げられる。上記珪素アルコキシドは上記溶媒中に、珪素アルコキシドが100%加水分解及び縮合したとして生じるSiO換算で0.1重量%以上、好ましくは0.1〜30重量%になるように溶解する。SiOゾルの濃度が0.1重量%未満であると形成されるゾル膜が所望の特性が充分に発揮できず、一方、30重量%を越えると透明均質膜の形成が困難となる。また、本発明においては、以上の固形分以内であるならば、その他の有機物や無機物バインダーを併用することも可能である。
【0077】
また、第2バインダー6が反応性有機珪素化合物からなるものであることが好ましい(請求項の発明)。特に、低屈折率層4を構成する中空微粒子2として、中空シリカ微粒子を用いる場合に、反応性有機珪素化合物を第2バインダー6として用いると、中空シリカ微粒子とのぬれ性が良好となり、中空シリカ微粒子間の空隙5に第2コーティング剤組成物が浸入しやすくなるものである。
【0078】
ここで、反応性有機珪素化合物は、SiOゾルの形成に使用する珪素アルコキシドであって、その好ましい例は、RSi(OR´)で表される化合物である。R、R´は炭素数1〜10のアルキル基を表し、m+nは4であり、m及びnはそれぞれ整数である。さらに具体的には、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−iso−プロポキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシシラン、テトラ−sec−ブトキシシラン、テトラ−tert−ブトキシシラン、テトラペンタエトキシシラン、テトラペンタ−iso−プロポキシシラン、テトラペンタ−n−プロポキシシラン、テトラペンタ−n−ブトキシシラン、テトラペンタ−sec−ブトキシシラン、テトラペンタ−tert−ブトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリブトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルエトキシシラン、ジメチルメトキシシラン、ジメチルプロポキシシラン、ジメチルブトキシシラン、メチルジメトキシシラン、メチルジエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン等が挙げられる。
【0079】
上記珪素アルコキシドの加水分解は、上記珪素アルコキシドを適当な溶媒中に溶解して行う。使用する溶媒としては、例えば、メチルエチルケトン、イソプロピルアルコール、メタノール、エタノール、メチルイソブチルケトン、酢酸エチル、酢酸ブチル等のアルコール、ケトン、エステル類、ハロゲン化炭化水素、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、あるいはこれらの混合物が挙げられる。上記珪素アルコキシドは上記溶媒中に、珪素アルコキシドが100%加水分解及び縮合したとして生じるSiO換算で0.1重量%以上、好ましくは0.1〜30重量%になるように溶解する。SiOゾルの濃度が0.1重量%未満であると形成されるゾル膜が所望の特性が充分に発揮できず、一方、30重量%を越えると透明均質膜の形成が困難となる。また、本発明においては、以上の固形分以内であるならば、その他の有機物や無機物バインダーを併用することも可能である。
【0080】
また、低屈折率層4に対する第2バインダー6の接触角が0〜70°であることが好ましい(請求項の発明)。この接触角は、以下のものを意味する。すなわち、第1コーティング剤組成物をハードコート層8の表面(あるいは透明支持体7の表面)に塗布(塗工)して、これを硬化させることによって図2に示すような低屈折率層4を形成し、この低屈折率層4の表面に第2コーティング剤組成物(つまり、第2バインダー6)を滴下したときに測定される接触角を意味する。そして上記の接触角が0〜70°であると、第2バインダー6が低屈折率層4内の中空微粒子2間の空隙5へ容易に浸入し、反射防止膜を緻密な薄膜として製造することができるものである。しかし、上記の接触角が70°を超えると、このような効果を得るのが難しくなる。
【0081】
また、第2バインダー6の分子量(重量平均分子量)が100〜5000であることが好ましい(請求項の発明)。第2バインダー6の分子量が100未満であると、粘度が低下することによって空隙5にとどまらないおそれがあり、また硬化も難しくなるおそれがあり、逆に、第2バインダー6の分子量が5000を超えると、低屈折率層4内の中空微粒子2間の空隙5への浸入が困難になり、反射防止膜を緻密な薄膜として製造することができないおそれがある。
【0082】
また、第2バインダー6が硬化触媒(架橋剤)を含有することが好ましい(請求項の発明)。これによって、第1コーティング剤組成物をハードコート層8の表面(あるいは透明支持体7の表面)に塗布(塗工)してこれを乾燥する際に、縮合反応が促進されて低屈折率層4中の架橋密度が高くなり、低屈折率層4の耐水性及び耐アルカリ性を向上させることができるものである。このような効果を得るためには、硬化触媒としては、金属キレート化合物(例えば、Tiキレート化合物、Zrキレート化合物等)、有機酸等を用いることができる。これらの硬化触媒のうち金属キレート化合物は、4官能アルコキシシランを原料として第1コーティング剤組成物を調製する場合に用いると、特に有効である。
【0083】
また、上記の硬化触媒としては、有機ジルコニウムを用いるのが好ましい。既述の効果をさらに高く得ることができるからである。有機ジルコニウムとしては、特に限定されるものではないが、例えば、一般式ZrO (OR(m,pは0〜4の整数、nは0又は1、2n+m+p=4)で表される。この化学式中のアルコキシル基(OR)の官能基(R)は、1価の炭化水素基であれば、特に限定されるものではないが、炭素数1〜8の1価の炭化水素基であることが好ましい。具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ペプチル基、オクチル基等のアルキル基を例示することができる。また、Rとしては、例えば、Cであるもの(アセチルアセトネート錯体)やCであるもの(エチルアセトアセテート錯体)を挙げることができる。RとRとしては、1つの分子中に同一あるいは異種のものが存在していてもよい。特に有機ジルコニウムとして、Zr(OC、Zr(OC(C)及びZr(OC(C)(C)のうち少なくともいずれかを用いると、低屈折率層4の機械的強度を一層向上させることができるものである。例えば、中空シリカ微粒子に対して(ポリ)シロキサン化合物、例えば、4官能加水分解可能アルコキシシランを縮合して得られるシリコーンレジンの割合が少ない第1コーティング剤組成物を用いて低屈折率層4を形成すると、この低屈折率層4の機械的強度は不足する場合があるが、有機ジルコニウムを添加することによって、低屈折率層4の機械的強度を向上させることができるものである。また、この第1コーティング剤組成物をハードコート層8の表面(あるいは透明支持体7の表面)に塗布(塗工)した後に、これを比較的低温(例えば、100℃)で熱処理をして得られる低屈折率層4は、有機ジルコニウムを添加しない場合において高温(例えば、300℃)で熱処理する場合と同等の強度を有する。つまり、有機ジルコニウムを添加しておけば、低温で熱処理することができ、エネルギーの消費を抑制することができるものである。
【0084】
また、有機ジルコニウムの添加量は、ZrO換算で第1コーティング剤組成物中における固形分(例えば、4官能シリコーンアルコキシドの場合はSiO)全量に対して0.1〜10重量%であることが好ましい。有機ジルコニウムの添加量が0.1重量%未満であると、有機ジルコニウムによる上記の効果を得ることができないおそれがあり、逆に、有機ジルコニウムの添加量が10重量%を超えると、第1コーティング剤組成物がゲル化したり、凝集等が起こったりするおそれがある。
【0085】
また、低屈折率層4に防汚性を付与するために、第2バインダー6の一部又は全てを撥水性、撥油性材料に置き換えても良い。撥水性、撥油性材料としては、一般にワックス系の材料等を挙げることができるが、特に、第2バインダー6が含フッ素化合物を含有することが好ましい(請求項1の発明)。このようにしておくと、第2コーティング剤組成物を塗布して乾燥させた後に、低屈折率層4の表面に残存する含フッ素化合物によって、低屈折率層4の表面を汚れから保護することができ、また、たとえ汚れが付着したとしてもこの汚れを容易に除去することができるものである。さらに、低屈折率層4の表面の摩擦抵抗を低減することができ、耐摩耗性向上の効果も得ることができるものである。
【0086】
なお、従来においては、低屈折率層4の表面を防汚処理するにあたっては、低屈折率層4の表面に含フッ素化合物の単分子層を化学的に結合させて積層することによって行っていた。そのため、防汚性には優れていても、含フッ素化合物の単分子層自体の機械的強度、経時変化特性等に問題があった。しかし、例えば、第2バインダー6が反応性有機珪素化合物からなるものである場合(請求項の発明)には、含フッ素化合物と反応性有機珪素化合物とが架橋反応することによって、第2バインダー6中に含フッ素化合物が取り込まれた状態で、含フッ素化合物が低屈折率層4の表面に残存することとなるので、防汚効果の経時劣化が少なく、かつ、機械的強度に優れた反射防止膜を製造することができるものである。
【0087】
上記の含フッ素化合物としては、一般式R′Si(OR)4−m(ただし、R′はフッ素含有置換基、Rはアルキル基であり、mは置換数である)(m=1〜4)で表される有機珪素化合物を用いることができる。具体的には、CF(CHSi(OCH、CFCF(CHSi(OCH、CF(CF(CHSi(OCH、CF(CF(CHSi(OCH、CF(CF(CHSi(OCH、CF(CF(CHSi(OCH、CF(CF(CHSi(OCH、CF(CF(CHSi(OCH、CF(CF(CHSi(OCH、CF(CF(CHSi(OCH、CF(CHSi(OC、CFCF(CHSi(OC、CF(CF(CHSi(OC、CF(CF(CHSi(OC、CF(CF(CHSi(OC、CF(CF(CHSi(OC、CF(CF(CHSi(OC、CF(CF(CHSi(OC、CF(CF(CHSi(OC、CF(CF(CHSi(OC等を例示することができ、これらを1種類のみ使用したり、あるいは2種類以上を併用したりすることができる。
【0088】
また、第2バインダー6が含フッ素化合物を0.1〜50重量%含有することが好ましい(請求項1の発明)。その理由は、防汚性をさらに高めることができるからである。しかし、含フッ素化合物が0.1質量%未満であると、含フッ素化合物による防汚効果を十分に得ることができないおそれがあり、逆に、含フッ素化合物が50重量%を超えると、第2バインダー6(例えば、反応性有機珪素化合物)中への含フッ素化合物の分散性が低下したり、第2バインダー6の硬化物の架橋密度が低下したり、低屈折率層4に対する第2バインダー6のぬれ性が低下したりすることによって、反射防止膜としての膜質や、耐摩耗性がともに低下してしまうおそれがある。
【0089】
第2バインダー6がシリコーン化合物を含有することが好ましい(請求項1の発明)。このようにしても含フッ素化合物の場合と同様に、低屈折率層4の表面を汚れから保護することができ、また、たとえ汚れが付着したとしてもこの汚れを容易に除去することができるものである。さらに、低屈折率層4の表面の摩擦抵抗を低減することができ、耐摩耗性向上の効果も得ることができるものである。
【0090】
上記のシリコーン化合物としては、下記[化1]で表されるものを用いることができる。[化1]において、Rは、炭素数2〜10の2価炭化水素基であり、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ヘキシレン基、オクチレン基等のアルキレン基、シクロヘキシレン基等のシクロアルキレン基、フェニレン基等のアリーレン基等を例示することができ、特にエチレン基、プロピレン基、フェニレン基が好ましい。Rは、互いに同一又は異種の炭素数1〜10の1価炭化水素基であり、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基等のアルキル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、ビニル基、アリル基、プロペニル基、ブテニル基、ヘキセニル基等のアルケニル基、フェニル基、トリル基等のアリール基、ベンジル基、フェニルエチル基等のアラルキル基等が挙げられ、特にメチル基、エチル基、フェニル基、フェニルエチル基が好ましい。
【0091】
【化1】

Figure 0004378972
【0092】
は、下記[化2]で示される加水分解基である。Rは、炭素数2〜10の2価炭化水素基であり、2価炭化水素基としては、Rと同様のものが例示される。また、Rは、炭素数1〜10の1価炭化水素基であり、Rと同様のものが例示されるが、メチル基であることが好ましい。aは0、1又は2、好ましくは0又は1である。
【0093】
【化2】
Figure 0004378972
【0094】
また、上記の[化1]において、Rは、炭素数1〜10の1価炭化水素基であり、Rと同様のものを挙げることができるが、これはその炭素原子に結合した水素原子の一部又は全部がフッ素原子にて置換されていてもよく、このような置換基として、Rと同様なものが挙げられ、トリフロロプロピル基等を例示することができる。
【0095】
さらに、Rは、R又はRを示し、各Rは互いに同一であっても異なっていてもよいが、nが0の場合、少なくとも1個のRはRである。kは0〜100、好ましくは0〜60、mは0〜100、好ましくは0〜60、nは0〜5である。上述したように、n=0の場合、Rの少なくとも1個はRであり、従って上記の[化1]の化合物は、分子中に少なくとも1個のR(加水分解性基)を含み、またフロロアルキル基を有してもよいシロキサンである。
【0096】
また、第2バインダー6がコロイダルシリカを含有することが好ましい(請求項1の発明)。このようにすると、低屈折率層4内の中空微粒子2間の空隙5へ第2コーティング剤組成物が浸入しやすくなるものである。そうすると、第2コーティング剤組成物を塗布した後の低屈折率層4内において、中空微粒子2間の空隙5に存在していた空気が押し出されると共に、中空微粒子2間の結合が第2コーティング剤組成物によってさらに補強され、耐摩耗性が向上し、コロイダルシリカにより屈折率のさらなる低減が可能となるものである。ここで、コロイダルシリカとしては、平均粒子径が0.5〜100nmのものが、特に好ましい。平均粒子径が0.5nm未満であると、中空微粒子2の分散性が低下するおそれがあり、逆に平均粒子径が100nmを超えると、中空微粒子2間の空隙5に充填されにくくなるおそれがある。
【0097】
なお、コロイダルシリカ自体は、内部に空洞1を有していなくてもよい。このようなコロイダルシリカであっても、第2バインダー6と共存させることによって、形成される反射防止膜の機械的強度を向上させることができ、さらには、表面平滑性と耐クラック性をも改善することができるからである。
【0098】
また、コロイダルシリカの形態としては、特に限定されるものではなく、例えば、粉体状の形態でもゾル状の形態でもよい。コロイダルシリカをゾル状の形態として使用する場合、特に限定されるものではないが、例えば、水分散コロイダルシリカあるいはアルコール等の親水性の有機溶媒に分散したコロイダルシリカを使用することができる。一般にこのようなコロイダルシリカは、固形分としてのシリカを20〜50重量%含有しており、この値からシリカ配合量を決定することができる。
【0099】
ここで、水分散コロイダルシリカを使用する場合には、このコロイダルシリカ中に固形分以外として存在する水は、シラン化合物、例えば、4官能加水分解可能オルガノシランの加水分解に使用することができる。従って、この加水分解の際の水の量には、水分散性コロイダルシリカの水を加算する必要がある。水分散性コロイダルシリカは通常、水ガラスから作られるものであり、市販品を容易に入手して使用することができる。
【0100】
また、有機溶媒分散コロイダルシリカは、上記の水分散コロイダルシリカの水を有機溶媒と置換することによって容易に調製することができる。このような有機溶媒分散コロイダルシリカも、水分散コロイダルシリカと同様に、市販品を容易に入手して使用することができる。有機溶媒分散コロイダルシリカにおいて、コロイダルシリカが分散している有機溶媒の種類は、特に限定されるものではないが、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール(IPA)、n−ブタノール、イソブタノール等の低級脂肪族アルコール類、エチレングリコール、エチレングリコールモノブチルエーテル、酢酸エチレングリコールモノエチルエーテル等のエチレングリコール誘導体、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等のジエチレングリコール誘導体、及びジアセトンアルコール等の親水性有機溶媒を挙げることができ、これらからなる群より選ばれる1種あるいは2種以上を使用することができる。さらに、これらの親水性有機溶媒と併用して、トルエン、キシレン、ヘキサン、ヘプタン酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトオキシム等の1種あるいは2種以上のものを使用することができる。
【0101】
また、第2バインダー6が、屈折率が1.2〜1.45及び平均粒子径が0.5〜100nmの微粒子を含有することが好ましい(請求項1の発明)。その理由は、上記のような平均粒子径を有する微粒子であると、中空微粒子2間の空隙5に容易に充填され、中空微粒子2間の結合を補強して、耐摩耗性をさらに向上させることができるからであり、しかも屈折率が上記のように低ければ、耐摩耗性を保持した状態で、低屈折率層4全体の屈折率をさらに低減することが可能となるからである。上記の屈折率及び平均粒子径を有する微粒子としては、多孔質シリカゾル、中空シリカゾル、MgFゾル等を例示することができる。なお、屈折率が1.2よりも小さい微粒子は入手が困難であり、逆に、屈折率が1.45よりも大きい微粒子を用いると、低屈折率化の効果があまり期待できないおそれがある。また、微粒子の平均粒子径0.5nm未満であると、第2コーティング剤組成物中における分散性が低下するおそれがあり、逆に微粒子の平均粒子径が100nmを超えると、低屈折率層4内の中空微粒子2間の空隙5に充填するのが困難となるおそれがある。
【0102】
また、第2バインダー6が中空シリカゾルを含有することが好ましい(請求項1の発明)。このようにすると、耐摩耗性をさらに向上させることができると共に、低屈折率層4全体の屈折率をさらに低減することができるものである。なお、第2コーティング剤組成物における中空シリカゾルの含有量は1〜60体積%であることが好ましい。1体積%未満であると、第2コーティング剤組成物による低屈折率化の効果が少ないおそれがあり、逆に60体積%を超えると、第2コーティング剤組成物中における中空シリカゾルの分散性が悪化し、低屈折率層4内の中空微粒子2間の空隙5に充填されるのが困難となるおそれがある。
【0103】
そして、本発明に係る反射防止膜を製造するにあたっては、以下のようにして行うことができる。すなわち、既述の第1コーティング剤組成物をハードコート層8(あるいは透明支持体7)の表面にワイヤーバーコーター等で塗布(塗工)する。次に、これを乾燥させて中空微粒子2を第1バインダー3で相互に結合させることによって、図2(図4)に示すような低屈折率層4を形成する。その後、この低屈折率層4の表面に第2コーティング剤組成物をワイヤーバーコーター等で塗布(塗工)する。そして、これを乾燥させることによって、図3(図5)に示すような低屈折率層4内の中空微粒子2間の空隙5に第2バインダー6が密に充填された反射防止膜を製造することができるものである。
【0104】
このようにして得た反射防止膜にあって、内部に空洞1を有する中空微粒子2が低屈折率層4内において高充填されていることによって、低屈折率を十分に確保して反射防止を可能とするものであり、また、中空微粒子2間の空隙5に第2バインダー6を充填することによって、中空微粒子2間の結合を補強して耐摩耗性を向上することができるものである。
【0105】
なお、第1、第2コーティング剤組成物は、一般的なウェットコーティングの塗工方法で塗工することが可能で、液相法(ディップコーティング法、スピンコーティング法、スプレーコーティング法、ロールコーティング法、グラビアロールコーティング法、リバースコーティング法、トランスファーロールコーティング法、マイクログラビアコーティング法、キャストコーティング法、カレンダーコーティング法、ダイコーティング法等)によって、透明支持体7やハードコート層8の表面に塗布(塗工)することができる。また、第1、第2コーティング剤組成物を塗布(塗工)した後においては、加熱乾燥により、低屈折率層4中の溶剤を揮発させ、その後、加熱、加湿、紫外線照射、電子線照射等を行い、低屈折率層4を硬化させるものである。
【0106】
【実施例】
以下、本発明を実施例によって具体的に説明する。
【0107】
透明支持体(透明樹脂フィルム)及びハードコート材料として、以下のものを用いた。
【0108】
・透明樹脂フィルム:PETフィルム、東洋紡績(株)製「A4300」(188μm厚)
・ハードコート材料:アクリル系紫外線硬化型樹脂、大日精化工業(株)製「セイカビームPET−HC15」(有効成分60%)
そして上記の透明樹脂フィルムの表面に上記のハードコート材料をワイヤーバーコーター#10番で塗布し、これを40℃で1分間乾燥させた後に、UV照射(1000mJ/cm)して硬化させることによって、ハードコート層を形成した。
【0109】
参考例1)
テトラエトキシシラン208部(「部」は「重量部」を意味する。以下同じ。)にメタノール356部を加え、さらに水18部及び0.01Nの塩酸水溶液18部を加え、これをディスパーを用いて混合することによって、混合液を得た。この混合液を25℃恒温槽中で2時間攪拌することによって、重量平均分子量を850に調整したシリコーンレジン(A)を得た。
【0110】
次に、低屈折率微粒子として中空シリカIPA(イソプロパノール)分散ゾル(固形分20重量%、平均粒子径60nm、触媒化成工業(株)製)を用い、これをシリコーンレジン(A)に加え、中空シリカ微粒子/シリコーンレジンが縮合固形物換算で体積比50/50となるように配合し、その後、全固形分が1%になるようにメタノールで希釈することによって、第1コーティング剤組成物を調製した。得られたゾル液の屈折率は1.36であった。
【0111】
次に、シリコーンレジン(A)を全固形分が0.5%になるようにメタノールで希釈することによって、第2コーティング剤組成物を調製した。
【0112】
そして、上記のようにして形成したハードコート層の表面に、コロナ処理を施し、まず、第1コーティング剤組成物を膜厚が約100nmになるようにワイヤーバーコーターでコーティング(塗布)した。次に、これを100℃、1時間の条件で乾燥させ、硬化させることによって、低屈折率層を形成した。その後、この低屈折率層の表面に第2コーティング剤組成物を固形分膜厚換算で50nmとなるようにワイヤーバーコーターでコーティング(塗布)した。そして、これを100℃、1時間の条件で乾燥させ、硬化させることによって、反射防止膜を製造した。
【0113】
参考例2)
参考例1において、第1コーティング剤組成物の中空シリカ微粒子/シリコーンレジンが縮合固形物換算で体積比90/10となるように配合した以外は、参考例1と同様にして反射防止膜を製造した。
【0114】
参考例3)
参考例2において、第2コーティング剤組成物に熱硬化型含フッ素ポリマー(JSR株式会社製「JN7215」)を含有させ、第2コーティング剤組成物の全固形分に対し、0.5重量%になるようにMEK(メチルエチルケトン)で希釈したものを使用した以外は、参考例2と同様にして反射防止膜を製造した。
【0115】
参考例4)
参考例1において、第1コーティング剤組成物中の低屈折率微粒子として中空シリカ微粒子とシリカ微粒子メタノール分散品(固形分30重量%、平均粒子径20nm、日産化学(株)製、メタノールシリカゾル、屈折率1.46)を重量比で8:2となるように混合したものを使用した以外は、参考例2と同様にして反射防止膜を製造した。
【0116】
参考例5)
有機ジルコニウム成分(硬化触媒)としてZr(OC(C)をさらに用い、これを第2バインダーコーティング剤組成物の全固形分に対し、ZrO換算固形分で10重量%配合した第2バインダーコーティング剤組成物を用いた以外は、参考例2と同様にして反射防止膜を製造した。
【0117】
参考例6)
フルオロシランカップリング剤(含フッ素化合物)として「TSL8233」(GE東芝シリコーン(株)製)を第2コーティング剤組成物の全固形分に対し、1重量%になるように配合したものを用いた以外は、参考例2と同様にして反射防止膜を製造した。
【0118】
参考例7)
フルオロシランカップリング剤(含フッ素化合物)として「TSL8233」(GE東芝シリコーン(株)製)を第2コーティング剤組成物の全固形分に対し、40重量%になるように配合したものを用いた以外は、参考例2と同様にして反射防止膜を製造した。
【0119】
参考例8)
シリコーンオイル(シリコーン化合物)としてメチルハイドロジェンシリコーンオイル「TSW831」及び硬化触媒として上記シリコーンオイルに対し20重量%の硬化触媒「CW80」(ともにGE東芝シリコーン(株)製)の混合物を、第2コーティング剤組成物の全固形分に対し、1重量%になるように配合したものを用いた以外は、参考例2と同様にして反射防止膜を製造した。
【0120】
参考例9)
シリカ微粒子としてシリカ微粒子メタノール分散品(固形分30重量%、平均粒子径20nm、日産化学(株)製、メタノールシリカゾル、屈折率1.46)を用い、これをシリコーンレジン(A)に加え、シリカ微粒子/シリコーンレジンが縮合固形物換算で体積比50/50となるように配合し、その後、全固形分が0.5%になるようにメタノールで希釈することによって、第2コーティング剤組成物を得た。このようにして得られたゾル液の屈折率は1.36であった。そしてこの第2コーティング剤組成物を用いた以外は、参考例2と同様にして反射防止膜を製造した。
【0121】
参考例10)
低屈折率微粒子として中空シリカIPA(イソプロパノール)分散ゾル(固形分20重量%、平均粒子径60nm、触媒化成工業(株)製)を用い、これをシリコーンレジン(A)に加え、中空シリカ微粒子/シリコーンレジンが縮合固形物換算で体積比50/50となるように配合し、その後、全固形分が0.5%になるようにメタノールで希釈することによって得た、第2コーティング剤組成物を用いた以外は、参考例2と同様にして反射防止膜を製造した。
【0122】
(比較例1)
参考例2における第1コーティング剤組成物のみを膜厚が約100nmになるようにワイヤーバーコーターでコーティング(塗布)した。そしてこれを100℃、1時間の条件で乾燥させ、硬化させることによって、反射防止膜を製造した。
【0123】
(比較例2)
参考例2における中空シリカ微粒子の代わりに、通常のシリカ微粒子(内部に空洞がないもの)メタノール分散品(固形分30重量%、平均粒子径20nm、日産化学(株)製、メタノールシリカゾル)をシリカ微粒子/シリコーンレジンが縮合固形物換算で体積比90/10となるように配合した以外は、参考例2と同様にして反射防止膜を製造した。
【0124】
参考例1〜10及び比較例1、2について、低屈折率層内空隙率(中空微粒子内の空洞及び中空微粒子間の空隙が占める体積の割合)を求め、さらに、この低屈折率層内空隙率に対する第2コーティング剤組成物の充填率を求めた。その結果を表1に示す。なお、上記の低屈折率層内空隙率及び第2コーティング剤組成物の充填率は、低屈折率層(反射防止膜)断面のFE−SEM観察像を用い、その面積分率から算出した。
【0125】
そして、参考例1〜10及び比較例1、2の反射防止膜について、反射率、接触角、油性ペン拭き取り性、指紋拭き取り性、耐摩耗性(スチールウール試験)、密着性(クロスカットテープ試験)を評価した。その結果を表2に示す。なお、各種の物性評価方法を以下に示す。
【0126】
(a)光学特性
反射率測定:透明樹脂フィルムの表面(図1の最下面)をサンドペーパーでこすり、艶消しの黒色塗料を塗布した後、波長550nmの光の入射角5゜での片面の反射率を測定した。この測定には日立製作所(株)製「U−3400」を用いた。
【0127】
(b)防汚性
(b)−1 接触角測定:接触角計〔CA−X型:協和界面科学(株)製〕を用いて、乾燥状態(20℃−65%RH)で直径1.8μlの液滴を針先に作り、これを低屈折率層の表面に接触させて液滴を作った。接触角とは、固体と液体が接する点における液体表面に対する接線と固体表面がなす角で、液体を含む方の角度で定義した。液体には、蒸留水を使用した。
【0128】
(b)−2 油性ペンの拭き取り性:反射防止膜の表面に付着した油性ペンをセルロース製不織布〔ベンコットM−3:旭化成(株)製〕で拭き取り、その取れ易さを目視判定を行った。判定基準を以下に示す。
【0129】
「○」:油性ペンを完全に拭き取ることができる。
【0130】
「△」:油性ペンの拭き取り跡が残る。
【0131】
「×」:油性ペンを拭き取ることができない。
【0132】
(b)−3 指紋の拭き取り性:反射防止膜の表面に付着した指紋をセルロース製不織布〔ベンコットM−3:旭化成(株)製〕で拭き取り、その取れ易さを目視判定を行った。判定基準を以下に示す。
【0133】
「○」:指紋を完全に拭き取ることができる。
【0134】
「△」:指紋の拭き取り跡が残る。
【0135】
「×」:指紋の拭き取り跡が拡がり、拭き取ることができない。
【0136】
(c)機械強度
(c)−1 耐摩耗性:反射防止膜の表面をスチールウール〔ボンスター#0000:日本スチールウール(株)製〕により250g/cm及び500g/cmで10回擦り、傷の有無を目視判定を行った(スチールウール試験)。判定基準を以下に示す。
【0137】
「○」:傷を確認することができない。
【0138】
「△」:数本傷を確認できる。
【0139】
「×」:傷が多数確認できる。
【0140】
(c)−2 密着性:反射防止膜の表面を1mm角100点カット後、粘着セロハンテープ〔ニチバン(株)製工業用24mm巾セロテープ(登録商標)〕による剥離の有無を目視判定を行った(クロスカットテープピール試験)。
【0141】
【表1】
Figure 0004378972
【0142】
【表2】
Figure 0004378972
【0143】
表1にみられるように、参考例1〜10のものはいずれも低屈折率層内空隙率が高く、しかも第2バインダーの充填率が高いことが確認される。よって、参考例1〜10の反射防止膜は、反射防止性能及び耐摩耗性の両方の特性に優れていると考えられる。一方、比較例1のものは低屈折率層内空隙率は高いものの、第2バインダーの充填率が低く、また、比較例2のものは第2バインダーの充填率は高いものの、低屈折率層内空隙率が低いことが確認される。つまり、比較例1の反射防止膜は耐摩耗性が悪く、比較例2の反射防止膜は反射防止性能が悪いと考えられる。
【0144】
上記の事項は、表2にみられるように各種物性試験によって実証された。しかも、含フッ素化合物やシリコーン化合物を用いた参考例3、6〜8の反射防止膜は、防汚性にも優れていることが実証された。
【0145】
すなわち、本発明者が研究の結果、発明した反射防止膜は、屈折率が非常に低く、耐摩耗性に優れ、低屈折率層の剥離がなく、また低屈折率層の表面に、指紋、皮脂、油性マジック、化粧品等の汚れが付着することを防止し、付着しても容易に拭き取ることが可能となるものである。そして、このような反射防止膜を用いることにより、画像表示装置等の表示面における光の反射を格段に防止することができるものと考えられる。
【0146】
【発明の効果】
上記のように本発明の請求項1に係る反射防止膜は、内部に一つの空洞を有する略球形の微粒子であって前記空洞が略球形の外殻によって完全に包囲されている中空微粒子を第1バインダーで相互に結合させることによって形成される低屈折率層内の中空微粒子間の空隙に第2バインダーを充填するので、内部に空洞を有する中空微粒子が低屈折率層内において高充填されていることによって、低屈折率を十分に確保して反射防止を可能とするものであり、また、中空微粒子間の空隙に第2バインダーを充填することによって、中空微粒子間の結合を補強して耐摩耗性を向上することができるものである。
また、平均粒子径がそれぞれd1,d2,……,dn(ただし、d1>d2>……>dn)の中空微粒子をn種類混合して用いると共に、平均粒子径がdk−1の中空微粒子と平均粒子径がdkの中空微粒子とがdk<0.5×dk−1(k=〜n、2≦n)の関係を有するので、平均粒子径dkの中空微粒子が平均粒子径dk−1の中空微粒子間の間隙に充填され、複数種類からなる中空微粒子の最大体積分率が上昇するものである。
【0147】
また請求項2の発明は、中空微粒子として、屈折率が1.2〜1.45及び平均粒子径が0.5〜200nmのものを用い、この中空微粒子が内部の空洞も含めて低屈折率層全体の40〜95体積%を占めると共に、第1バインダー、第2バインダー及び中空微粒子間の空隙が残りの60〜5体積%を占めるので、低屈折率化による反射防止機能をさらに高めることができると共に、耐摩耗性をさらに向上させることができるものである。
【0148】
また請求項3の発明は、中空微粒子内の空洞及び中空微粒子間の空隙が低屈折率層内の10〜60体積%を占め、かつ、第2バインダーが中空微粒子間の空隙全体の40体積%以上を占めるので、低屈折率化による反射防止機能をさらに高めることができると共に、耐摩耗性をさらに向上させることができるものである。
【0149】
また請求項4の発明は、中空微粒子として1種類以上のものを用いると共に、そのうち少なくとも1種類のものが中空シリカゾルであるので、低屈折率層の屈折率低減の効果をさらに高く得ることができるものである。
【0151】
また請求項の発明は、低屈折率層に対する第2バインダーの接触角が0〜70°であるので、第2バインダーが低屈折率層内の中空微粒子間の空隙へ容易に浸入し、反射防止膜を緻密な薄膜として製造することができるものである。
【0152】
また請求項の発明は、第1バインダーが反応性有機珪素化合物からなるものであるので、中空微粒子とのぬれ性、分散性が良好となるものである。
【0153】
また請求項の発明は、第2バインダーが反応性有機珪素化合物からなるものであるので、中空微粒子とのぬれ性が良好となり、中空微粒子間の空隙に第2バインダーが浸入しやすくなるものである。
【0154】
また請求項の発明は、第2バインダーの分子量が100〜5000であるので、低屈折率層内の中空微粒子間の空隙への浸入が容易になり、反射防止膜を緻密な薄膜として製造することができるものである。
【0155】
また請求項の発明は、第2バインダーが硬化触媒を含有するので、縮合反応が促進されて低屈折率層中の架橋密度が高くなり、低屈折率層の耐水性及び耐アルカリ性を向上させることができるものである。
【0156】
また請求項1の発明は、第2バインダーが含フッ素化合物を含有するので、低屈折率層の表面を汚れから保護することができ、また、たとえ汚れが付着したとしてもこの汚れを容易に除去することができるものである。
【0157】
また請求項1の発明は、第2バインダーが含フッ素化合物を0.1〜50重量%含有するので、防汚性をさらに高めることができるものである。
【0158】
また請求項1の発明は、第2バインダーがシリコーン化合物を含有するので、低屈折率層の表面を汚れから保護することができ、また、たとえ汚れが付着したとしてもこの汚れを容易に除去することができるものである。
【0159】
また請求項1の発明は、第2バインダーがコロイダルシリカを含有するので、低屈折率層内の中空微粒子間の空隙へ第2コーティング剤組成物が浸入しやすくなるものである。
【0160】
また請求項1の発明は、第2バインダーが、屈折率が1.2〜1.45及び平均粒子径が0.5〜100nmの微粒子を含有するので、中空微粒子間の空隙に容易に充填され、中空微粒子間の結合を補強して、耐摩耗性をさらに向上させることができると共に、耐摩耗性を保持した状態で、低屈折率層全体の屈折率をさらに低減することが可能となるものである。
【0161】
また請求項1の発明は、第2バインダーが中空シリカゾルを含有するので、耐摩耗性をさらに向上させることができると共に、低屈折率層全体の屈折率をさらに低減することができるものである。
【0162】
本発明の請求項16に係る反射防止膜の製造方法は、内部に一つの空洞を有する略球形の微粒子であって前記空洞が略球形の外殻によって完全に包囲されている中空微粒子を含有する第1バインダーを透明支持体の表面に塗布し、これを乾燥させて中空微粒子を第1バインダーで相互に結合させることによって低屈折率層を形成した後に、この低屈折率層に第2バインダーを塗布することによって、低屈折率層内の中空微粒子間の空隙に第2バインダーを充填するので、内部に空洞を有する中空微粒子が低屈折率層内において高充填されていることによって、低屈折率を十分に確保して反射防止を可能とするものであり、また、中空微粒子間の空隙に第2バインダーを充填することによって、中空微粒子間の結合を補強して耐摩耗性を向上することができるものである。
また、平均粒子径がそれぞれd1,d2,……,dn(ただし、d1>d2>……>dn)の中空微粒子をn種類混合して用いると共に、平均粒子径がdk−1の中空微粒子と平均粒子径がdkの中空微粒子とがdk<0.5×dk−1(k=〜n、2≦n)の関係を有するので、平均粒子径dkの中空微粒子が平均粒子径dk−1の中空微粒子間の間隙に充填され、複数種類からなる中空微粒子の最大体積分率が上昇するものである。
【0163】
本発明の請求項1に係る反射防止部材は、請求項1乃至1のいずれかに記載の反射防止膜を透明支持体の片面又は両面に形成するので、反射防止膜として種々の用途に使用することができるものである。
【0164】
また請求項1の発明は、透明支持体が透明樹脂フィルム又は透明樹脂板であるので、反射防止膜として種々の用途に使用することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の一例を示す反射防止部材の断面図である。
【図2】第2コーティング剤組成物を塗布する前の低屈折率層を示す概略断面図である。
【図3】第2コーティング剤組成物を塗布した後の低屈折率層(反射防止膜)を示す概略断面図である。
【図4】図2の電子顕微鏡写真(撮影倍率:10万倍)を示すものである。
【図5】図3の電子顕微鏡写真(撮影倍率:10万倍)を示すものである。
【符号の説明】
1 空洞
2 中空微粒子
3 第1バインダー
4 低屈折率層
5 空隙
6 第2バインダー
7 透明支持体[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to an antireflection film capable of preventing reflection with a low refractive index, a method for producing the antireflection film, and a display (CRT display) obtained by forming the antireflection film on a transparent support. The present invention relates to an antireflection member such as an antireflection film applied to the display screen surface of a plasma display, a liquid crystal display, a projection display, an EL display, or the like.
[0002]
[Prior art]
Anti-reflection coatings are various display devices such as cathode ray tube display (CRT), plasma display panel (PDP), liquid crystal display (LCD), projection display, electroluminescence display (ELD), touch panel, optical lens, glasses. It is used in various fields such as a lens, an antireflection treatment in a photolithography process, and an antireflection treatment on the surface of a solar cell panel.
[0003]
For the antireflection function, it is necessary to provide a layer having a refractive index lower than that of the transparent support (hereinafter referred to as “low refractive index layer”). As a low refractive index material for forming this low refractive index layer, in the case of an inorganic material, MgF2(Refractive index 1.38), SiO2(Refractive index 1.46) can be mentioned, and in the case of an organic material, perfluororesin (refractive index 1.35 to 1.45) and fine particles using the same can be mentioned. Usually MgF2The layer by is formed by a vapor phase method such as vacuum deposition or sputtering, and SiO 22The layer by is formed by a vapor phase method such as vacuum deposition or sputtering, or a liquid phase method by a sol-gel method. The layer made of perfluoro resin is formed by a liquid phase method. In general, a vapor deposition method can provide an antireflection film having excellent optical properties, but has low productivity and is not suitable for mass production.
[0004]
Further, for example, in the case of using a low refractive index material as described above for the purpose of preventing reflection of an image display panel such as a display, in most cases, the surface of the transparent support such as glass or film is refracted by the transparent support. The antireflection performance is obtained by forming two or more layers having a refractive index higher than the refractive index (hereinafter referred to as “high refractive index layer”) and a low refractive index layer. It is known that the minimum value of the reflectance decreases as the refractive index difference between the high refractive index material for forming the high refractive index layer and the low refractive index material increases. Conventionally, when a PET film substrate (refractive index 1.67) is used as a transparent support, the effect of lowering the refractive index can be achieved even if a perfluoro resin (refractive index 1.40) is used as the low refractive index material. Was insufficient, and a high refractive index layer was required between the transparent support and the low refractive index layer. However, if a material having a refractive index lower than that of the perfluoro resin can be obtained, it is expected that the antireflection performance can be improved with only one low refractive index layer formed of this material. In addition to antireflection performance, when providing antistatic performance, electromagnetic wave shielding performance, etc., it is necessary to form a multilayer antireflection layer as two or more layers on the surface of the transparent support. In addition, by using a material having a lower refractive index than that of perfluororesin, it is expected that the degree of freedom in designing the multilayer antireflection layer will be expanded and better antireflection performance can be obtained.
[0005]
On the other hand, in order to further reduce the refractive index of the low refractive index layer, in addition to using the above-mentioned existing material, by forming voids between the particles constituting the low refractive index material, the low refractive index layer A method of introducing voids into the inside is effective. That is, the refractive index of air is 1.00, and the low refractive index layer containing air in the gap has a very low refractive index. Conventionally, a method for forming voids by incorporating fine particles into a low refractive index layer has been proposed. Japanese Patent Publication No. 60-59250 (Patent Document 1) discloses an antireflection layer having fine pores and fine inorganic particles. The antireflection layer is formed by a liquid phase method. The fine vacancies are formed by performing an activated gas treatment after applying the layer and releasing the gas from the layer. JP-A-2-245702 (Patent Document 2) discloses an antireflection film in which two kinds of fine particles are mixed and the mixing ratio is changed in the film thickness direction. The fine particles are SiO 2 generated by the thermal decomposition of ethyl silicate.2It is adhered by. In the thermal decomposition of ethyl silicate, carbon dioxide and water vapor are also generated by the combustion of the ethyl portion. As shown in FIG. 1 of this publication, carbon dioxide and water vapor are desorbed from the layer, resulting in voids between the fine particles. Japanese Patent Application Laid-Open No. 7-48527 (Patent Document 3) discloses an antireflection film containing an inorganic fine powder made of porous silica and a binder. In JP-A-9-288201 (Patent Document 4), fine particles made of a fluorine-containing polymer are provided. In JP-A-11-6902 (Patent Document 5), a polymer shell is provided around inorganic fine particles. In JP-A-11-326601 (Patent Document 6), two or more silica fine particles are stacked in each layer to form an antireflection film in which voids are formed between the fine particles. Yes.
[0006]
However, in general, since the low refractive index layer is provided on the side farthest from the transparent support, that is, on the surface side of the antireflection film, it is necessary to have wear resistance and antifouling performance in addition to low refractive index properties. In the case of a low refractive index layer into which voids are introduced, this layer becomes porous, and if it is a thin film, the mechanical strength decreases, and as a result, the wear resistance decreases. Further, when oily dirt enters the gap in the scale, the dirt removing property is impaired, and the antireflection performance is also lowered. Therefore, in order to protect the low refractive index layer serving as the surface layer from dirt and improve the abrasion resistance, generally, a measure for providing an overcoat layer containing a fluorine-containing compound on the surface of the low refractive index layer has been often taken. .
[0007]
However, when an overcoat layer is provided on a low refractive index layer having voids between particles, a coating liquid for forming the overcoat layer (hereinafter also referred to as “overcoat material”) is contained in the low refractive index layer. It penetrates into the gap, and on the contrary, the refractive index of the low refractive index layer increases. Therefore, in Japanese Patent Application Laid-Open No. 2000-9907 (Patent Document 7), even if the overcoat material enters the voids between the particles in the low refractive index layer, the increase in the refractive index of this layer can be suppressed. As described above, an overcoat layer is provided using a fluorine-containing compound having a relatively low refractive index. However, as a result of research by the present inventor, it has been confirmed that the voids in the low refractive index layer decrease as the overcoat material penetrates in the above-described configuration, thereby increasing the refractive index. On the other hand, in Japanese Patent Application Laid-Open No. 2000-75105 (Patent Document 8), in order to prevent the overcoat material from entering the interparticle voids in the low refractive index layer, the overcoat material has a high molecular weight. In addition, it is disclosed that fine particles are added to this material. Similarly, Japanese Patent Application Laid-Open No. 2000-284102 (Patent Document 9) discloses that the slipping property is improved when the material is a polymer having a specific perfluoroalkyl polyether side chain. Yes. In Japanese Patent Laid-Open No. 2001-100003 (Patent Document 10), a polymer layer is laminated on a low refractive index layer having interparticle voids, and an overcoat layer is laminated thereon using an overcoat material. I have to.
[0008]
However, even in the conventional method of applying an overcoat material to the low refractive index layer having voids between the particles, the material penetrates into the interparticle voids that control the low refractive index. . That is, although an improvement in abrasion resistance and antifouling property can be expected by the overcoat layer, a trade-off relationship occurs in which the refractive index of the low refractive index layer increases as the voids decrease. In addition, even if a coating for ensuring abrasion resistance and antifouling properties can be formed only on the surface of the low refractive index layer while keeping the inter-particle voids of the low refractive index material as much as possible, the overcoat obtained by this coating can be obtained. The thickness of the layer is as very thin as 50 nm or less, and the effect of improving wear resistance and antifouling properties is very limited.
[0009]
Incidentally, spherical hollow silica fine particles having a refractive index lower than that of perfluororesin are disclosed in Japanese Patent Application Laid-Open No. 2001-233611 (Patent Document 11). It is described that this fine particle has a cavity (or cavity) surrounded by an outer shell, and the refractive index of the fine particle itself can be 1.30 or less. It has been suggested that a transparent thin film having a low refractive index can be formed by applying a coating composition obtained by dispersing such fine particles in a matrix-forming material. As described above, it is generally known that a low refractive index layer can be formed by using hollow fine particles. However, specific technical matters required for forming such a layer are as follows. There are still no documents that suggest such technical matters.
[0010]
For example, JP 2002-265866 A (Patent Document 12) discloses a low refractive index film obtained by adding 5 to 95 wt% of a hollow silica sol in a perfluoropolyether-containing organosilicon compound. In general, as the amount of hollow particles added is increased, the refractive index of the film can be reduced. However, in the case of particle-filled composites, the maximum volume fraction of particles when closely packed with spherical particles of equal particle size (fully monodisperse) is 74% by volume according to the Horsfield packing model, and When filled with simple cubes, the volume is 52% by volume (see, for example, Non-Patent Document 1). Usually, although it fluctuates from the theoretical value due to the particle size distribution of the fine particles and conversely, poor dispersion (secondary agglomeration) etc., poor dispersion occurs in the high filling region where the filling amount of particles exceeds 40% by volume. As a result, the wear resistance and homogeneity of the low refractive index film itself are impaired.
[0011]
[Patent Document 1]
Japanese Patent Publication No. 60-59250 (claims, etc.)
[Patent Document 2]
JP-A-2-245702 (Claims, Fig. 1 etc.)
[Patent Document 3]
JP 7-48527 A (claims, etc.)
[Patent Document 4]
JP-A-9-288201 (Claims, FIG. 1 etc.)
[Patent Document 5]
Japanese Patent Laid-Open No. 11-6902 (Claims, FIG. 1, etc.)
[Patent Document 6]
JP 11-326601 A (Claims, FIG. 1 etc.)
[Patent Document 7]
JP 2000-9907 (Claims, FIG. 1 etc.)
[Patent Document 8]
JP 2000-75105 A (Claims, FIG. 1 etc.)
[Patent Document 9]
Japanese Unexamined Patent Publication No. 2000-284102 (Claims, FIG. 1 etc.)
[Patent Document 10]
JP 2001-100003 A (Claims, FIG. 1 etc.)
[Patent Document 11]
Japanese Patent Laid-Open No. 2001-233611 (Claims, FIG. 1, etc.)
[Patent Document 12]
JP 2002-265866 A (Claims, FIG. 1 and the like)
[Non-Patent Document 1]
Handbook of Powder Engineering, edited by Powder Society of Japan, Nikkan Kogyo Shimbun, March 30, 1998, 2nd edition, 1 edition, p. 149-150
[0012]
[Problems to be solved by the invention]
The present invention has been made in view of the above points, the hollow fine particles are highly filled in the low-refractive index layer, and the anti-reflection by ensuring a low refractive index by the cavity inside the hollow fine particles, An antireflection film that can reinforce the bond between the hollow microparticles by filling the voids between the hollow microparticles with a second binder to improve the wear resistance, a method of manufacturing the antireflection film, and the antireflection film An object of the present invention is to provide an antireflective member manufactured using the above.
[0013]
In addition to the above effects, an antireflection film capable of imparting antifouling properties by containing a fluorine-containing compound or a silicone-containing compound in the second binder, a method for producing the antireflection film, and the antireflection An object of the present invention is to provide an antireflection member manufactured using a film.
[0014]
[Means for Solving the Problems]
  The antireflection film according to claim 1 of the present invention includes substantially spherical fine particles having a single cavity 1 inside, and the hollow fine particles 2 in which the cavity 1 is completely surrounded by a substantially spherical outer shell 9 are formed. In the antireflection film composed of the low refractive index layer 4 formed by bonding with each other with one binder 3, the gap 5 between the hollow fine particles 2 in the low refractive index layer 4 is filled with the second binder 6, A mixture of n kinds of hollow fine particles having average particle diameters of d1, d2,..., Dn (where d1> d2>...> Dn) are used, and hollow fine particles and average particles having an average particle diameter of dk-1. Hollow fine particles having a diameter of dk are dk <0.5 × dk−1 (k =2˜n, 2 ≦ n).
[0015]
The invention of claim 2 uses the hollow fine particles 2 of claim 1 having a refractive index of 1.2 to 1.45 and an average particle size of 0.5 to 200 nm. 40% to 95% by volume of the entire low refractive index layer 4 including the cavity 1 is occupied, and the gap 5 between the first binder 3, the second binder 6 and the hollow fine particles 2 occupies the remaining 60 to 5% by volume. It is a feature.
[0016]
The invention of claim 3 is the invention according to claim 1 or 2, wherein the void 1 between the hollow fine particles 2 and the gap 5 between the hollow fine particles 2 occupy 10 to 60% by volume in the low refractive index layer 4; The binder 6 occupies 40% by volume or more of the entire space 5 between the hollow fine particles 2.
[0017]
The invention of claim 4 is characterized in that, in any one of claims 1 to 3, one or more kinds of hollow fine particles 2 are used, and at least one of them is a hollow silica sol. .
[0019]
  And claims5The invention of claim 1 to claim 14In any of the above, the contact angle of the second binder 6 with respect to the low refractive index layer 4 is 0 to 70 °.
[0020]
  And claims6The invention of claim 1 to claim 15In any of the above, the first binder 3 is made of a reactive organic silicon compound.
[0021]
  And claims7The invention of claim 1 to claim 16In any of the above, the second binder 6 is made of a reactive organic silicon compound.
[0022]
  And claims8The invention of claim 1 to claim 17In any of the above, the molecular weight of the second binder 6 is 100 to 5,000.
[0023]
  And claims9The invention of claim 1 to claim 18In any of the above, the second binder 6 contains a curing catalyst.
[0024]
  Claim 10The invention of claim 1 to claim 19In any of the above, the second binder 6 contains a fluorine-containing compound.
[0025]
  Claim 11The invention of claim 10The second binder 6 contains 0.1 to 50% by weight of a fluorine-containing compound.
[0026]
  Claim 12The invention of claim 1 to claim 19In any one of the above, the second binder 6 contains a silicone compound.
[0027]
  Claim 13The invention of claim 1 to 12In any one of the above, the second binder 6 contains colloidal silica.
[0028]
  Claim 14The invention of claim 1 to 13In any one of the above, the second binder 6 is characterized by containing fine particles having a refractive index of 1.2 to 1.45 and an average particle diameter of 0.5 to 100 nm.
[0029]
  Claim 15The invention of claim 14The second binder 6 includes a hollow silica sol.
[0030]
  According to a sixteenth aspect of the present invention, there is provided a method for producing an antireflection film, which is a substantially spherical fine particle having one cavity 1 therein, and the hollow 1 is completely surrounded by a substantially spherical outer shell 9. After forming the low refractive index layer 4 by applying the first binder 3 containing 2 to the surface of the transparent support 7, drying it and bonding the hollow microparticles 2 with the first binder 3, By applying the second binder 6 to the low refractive index layer 4, the second binder 6 is filled in the voids 5 between the hollow fine particles 2 in the low refractive index layer 4, and the average particle diameters are d1 and d2, respectively. ,..., Dn (where d1> d2>. dk <0.5 × dk−1 ( =2˜n, 2 ≦ n).
[0031]
  Claim 1 of the present invention7The antireflection member according to claim 1 is the first aspect.5The antireflection film according to any one of the above is formed on one side or both sides of the transparent support 7.
[0032]
  Claim 18The invention of claim 17The transparent support 7 is a transparent resin film or a transparent resin plate.
[0033]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Embodiments of the present invention will be described below.
[0034]
FIG. 1 is a cross-sectional view showing an example of an antireflection film included in an antireflection member according to the present invention. In this antireflection film, a transparent resin film is used as the transparent support 7, and the surface of the transparent support 7 is provided with a low refractive index layer 4 (the low refractive index layer 4 is a reflection according to the present invention) via a hard coat layer 8. It can be manufactured by forming (corresponding to a prevention film). In addition to the transparent resin film, a transparent resin plate can be used as the transparent support 7. In the antireflection member shown in FIG. 1, the low refractive index layer 4 is formed on one side of the transparent support 7 via the hard coat layer 8. The low refractive index layer 4 may be formed through the coat layer 8, and the low refractive index layer 4 may be directly formed on the surface of the transparent support 7 without using the hard coat layer 8. Also good. In the following, description will be made based on FIG.
[0035]
First, the transparent support 7 will be described. Examples of the transparent support 7 include transparent resin films or transparent resin plates made of various organic polymers. Usually, organic polymers used as optical members are polyolefin (polyethylene, polypropylene) from the viewpoint of optical properties such as transparency, refractive index, haze, and other physical properties such as impact resistance, heat resistance, and durability. Etc.), polyester (polyethylene terephthalate, polyethylene naphthalate, etc.), polyamide (nylon-6, nylon-66, etc.), polystyrene, polyvinyl chloride, polyimide, polyvinyl alcohol, ethylene vinyl alcohol, acrylic, cellulose (triacetyl) Cellulose, diacetylcellulose, cellophane, etc.), cycloolefin-based, or copolymers of these organic polymers, etc., and by forming these organic polymers into a film or plate, a transparent resin film or transparent A resin plate can be manufactured.
[0036]
In addition, using the above-mentioned organic polymer or the like containing known additives such as antistatic agents, ultraviolet absorbers, plasticizers, lubricants, colorants, antioxidants, flame retardants, etc. The transparent support 7 may be manufactured.
[0037]
Further, the transparent support 7 may be a single layer or a multilayer having a plurality of organic polymers laminated. The thickness of the transparent support 7 is not particularly limited, but is preferably 70 to 200 μm.
[0038]
Next, the hard coat layer 8 will be described. The hard coat layer 8 is formed by applying (coating) a hard coat material to the surface of the transparent support 7 and curing it before forming the low refractive index layer 4. When the hard coat layer 8 is formed between the transparent support 7 and the low refractive index layer 4, the surface hardness of the transparent support 7 is improved, and scratches caused by scratches with a load such as a pencil are prevented. Further, in the case of using a flexible transparent support 7 such as a transparent resin film, it is possible to suppress the occurrence of cracks in the antireflection film when the transparent support 7 is bent. It is possible to improve the mechanical strength.
[0039]
In order to obtain the above effects and to improve the hardness of the hard coat layer 8 itself, a reactive curable resin, that is, a thermosetting resin and / or an ionizing radiation curable resin is used as the hard coat material. Is desirable.
[0040]
As the thermosetting resin, for example, phenol resin, urea resin, diallyl phthalate resin, melamine resin, unsaturated polyester resin, polyurethane resin, epoxy resin, aminoalkyd resin, silicon resin, polysiloxane resin, etc. can be used. . If necessary, a thermosetting resin to which a crosslinking agent, a polymerization initiator, a curing agent, a curing accelerator, and a solvent are added can also be used.
[0041]
As the ionizing radiation curable resin, a polymer mainly composed of a polyfunctional monomer containing two or more (meth) acryloyloxy groups in one molecule can be used. Polyfunctional monomers include 1,4-butanediol di (meth) acrylate, 1,6-hexanediol di (meth) acrylate, neopentyl glycol (meth) acrylate, ethylene glycol (meth) acrylate, and triethylene glycol di (Meth) acrylate, tripropylene glycol (meth) acrylate, dipropylene glycol di (meth) acrylate, 3-methylpentanediol di (meth) acrylate, diethylene glycol bis β- (meth) acryloyloxypropionate, trimethylolethanetri ( (Meth) acrylate, trimethylolpropane tri (meth) acrylate, pentaerythritol tri (meth) acrylate, dipentaerythritol hexa (meth) acrylate, tri (2-hydro (Ciethyl) isocyanate di (meth) acrylate, pentaerythritol tetra (meth) acrylate, nonaethylene glycol di (meth) acrylate, tetradecane ethylene glycol di (meth) acrylate, 10-decanediol (meth) acrylate, 2,2-bis ( Examples include 4- (meth) acryloyloxydiethoxyphenyl) propane, 1,4-bis ((meth) acryloyloxymethyl) cyclohexane, epoxy-modified bisphenol A di (meth) acrylate, and the like. Only one type of polyfunctional monomer may be used, or two or more types may be used in combination. If necessary, it can be copolymerized with a monofunctional monomer.
[0042]
In the polymerization reaction of the polyfunctional monomer, it is preferable to use a photopolymerization initiator. As the photopolymerization initiator, for example, acetophenones, benzophenones, α-amyloxime esters, thioxanthones and the like can be used. In addition to such a photopolymerization initiator, a photosensitizer may be used. As the photosensitizer, for example, n-butylamine, triethylamine, tri-n-butylphosphine, and thioxanthone can be used. In the case of using a photopolymerization initiator, the photopolymerization reaction is preferably carried out by applying a hard coat material to the surface of the transparent support 7 and drying it, and then irradiating with ultraviolet rays.
[0043]
The hard coat layer 8 preferably has a refractive index close to that of the transparent support 7. If the film thickness of the hard coat layer 8 is 1 to 2 [mu] m or more, sufficient strength can be obtained. The range of 4-10 micrometers is preferable.
[0044]
It is also possible to form the hard coat layer 8 by using a hard coat material in which inorganic or organic fine particles (fillers) having an average particle diameter of 0.005 to 3 μm are mixed and dispersed. Furthermore, by making the surface state of the hard coat layer 8 uneven, a light diffusing treatment generally called anti-glare can be performed. In addition, said filler has a function which makes the hardness of the hard-coat layer 8 high, and suppresses the cure shrinkage of a polyfunctional monomer. The filler is not particularly limited as long as it is transparent, but specific examples of inorganic fine particles include silicon dioxide particles, titanium dioxide particles, zirconium oxide particles, aluminum oxide particles, tin oxide particles, calcium carbonate. Particles, talc, calcium sulfate particles, etc., and specific examples of organic fine particles include methacrylic acid-methyl acrylate copolymer particles, silicon resin particles, polystyrene particles, polyolefin particles, melamine particles, polyfluorinated ethylene particles, etc. Can be mentioned.
[0045]
The surface of the hard coat layer 8 is preferably subjected to the following surface treatment in addition to the above light diffusing treatment before the low refractive index layer 4 is formed. That is, examples of the surface treatment include physical surface treatment such as plasma discharge treatment, corona treatment, and flame treatment, and chemical surface treatment with a coupling agent, acid, and alkali. By performing such a surface treatment, the wettability and adhesion between the hard coat layer 8 and the low refractive index layer 4 can be improved.
[0046]
Next, the low refractive index layer 4 will be described. The low-refractive index layer 4 uses the first binder 3 containing the hollow fine particles 2 (which is also referred to as “first coating agent composition” hereinafter) as the surface of the hard coat layer 8 (or transparent). It is formed by coating (coating) on the surface of the support 7 and curing it. In the present invention, the second binder 6 (also this is added to the surface of the low refractive index layer 4). Since it can be used as a composition, it is hereinafter also referred to as “second coating agent composition”).
[0047]
In order to prevent reflection, the low refractive index layer 4 preferably has a refractive index of 1.20 to 1.50, more preferably 1.25 to 1.45. A method for adjusting the refractive index of the low refractive index layer 4 will be described later. The thickness (d) of the low refractive index layer 4 preferably satisfies the formula nd = λ / 4 (where λ is the wavelength) where n is the refractive index of the low refractive index layer 4. Specifically, d = 50 to 400 nm is preferable, and d = 50 to 200 nm is more preferable.
[0048]
FIG. 2 is a schematic cross-sectional view of the low refractive index layer 4 before applying the second coating agent composition, and FIG. 3 shows the low refractive index layer after applying the second coating agent composition. 4 is a schematic sectional view of 4 (that is, the antireflection film according to the present invention). As shown in FIG. 2, the low refractive index layer 4 is formed as a cured product of the first coating agent composition, and the substantially spherical hollow fine particles 2 are densely filled (high filling) in the low refractive index layer 4. And are bonded to each other by the first binder 3. The actual situation at this time is shown in FIG. FIG. 4 shows an electron micrograph (photographing magnification: 100,000 times) of the low refractive index layer 4 before applying the second coating agent composition. FIG. 4 confirms that the low refractive index layer 4 is formed on the surface of the hard coat layer 8 and that voids 5 exist between the hollow fine particles 2. And when the 2nd coating agent composition is apply | coated to the surface of this low-refractive-index layer 4, the 2nd binder 6 osmose | permeates the space | gap 5 between said hollow microparticles 2 which could not be filled only with the 1st binder 3. Then, as shown in FIG. 3, the antireflection film is manufactured by filling the gap 5 with the second binder 6. The actual state at this time is shown in FIG. FIG. 5 shows an electron micrograph (imaging magnification: 100,000 times) of the low refractive index layer 4 after applying the second coating agent composition. FIG. 5 confirms that the second binder 6 is densely filled in the gaps 5 between the hollow fine particles 2. That is, the antireflection film according to the present invention has a structure in which the bond between the hollow fine particles 2 inside the cured product is reinforced by the second binder 6 based on the cured product of the first coating agent composition. Yes. Hereinafter, the first binder 3 and the hollow fine particles 2 constituting the first coating agent composition and the second binder 6 constituting the second coating agent composition will be described in detail.
[0049]
First, the first binder 3 will be described. The first binder 3 may be a silicon alkoxide type or a polymer (UV curable resin, thermosetting resin) having a saturated hydrocarbon or polyether as a main chain. Moreover, you may contain the unit containing a fluorine atom in it. Specifically, it is a fluorine-containing compound (fluorine-containing surfactant, fluorine-containing polymer, fluorine-containing ether, fluorine-containing silane compound, etc.) described later.
[0050]
Of the first binders 3 described above, silicon alkoxides are SiO 2.2Silicon alkoxide used for the formation of sol, a preferred example of which is RmSi (OR ')nIt is a compound represented by these. R and R ′ represent an alkyl group having 1 to 10 carbon atoms, m + n is 4, and m and n are each an integer. More specifically, tetramethoxysilane, tetraethoxysilane, tetra-iso-propoxysilane, tetra-n-propoxysilane, tetra-n-butoxysilane, tetra-sec-butoxysilane, tetra-tert-butoxysilane, tetra Pentaethoxysilane, tetrapenta-iso-propoxysilane, tetrapenta-n-propoxysilane, tetrapenta-n-butoxysilane, tetrapenta-sec-butoxysilane, tetrapenta-tert-butoxysilane, methyltrimethoxysilane, methyltriethoxysilane, methyl Tripropoxysilane, methyltributoxysilane, dimethyldimethoxysilane, dimethyldiethoxysilane, dimethylethoxysilane, dimethylmethoxysilane, dimethylpropoxysilane Dimethyl butoxysilane, methyl dimethoxy silane, methyl diethoxy silane, hexyl trimethoxy silane and the like.
[0051]
The silicon alkoxide is hydrolyzed by dissolving the silicon alkoxide in a suitable solvent. Examples of the solvent used include alcohols such as methyl ethyl ketone, isopropyl alcohol, methanol, ethanol, methyl isobutyl ketone, ethyl acetate and butyl acetate, ketones, esters, halogenated hydrocarbons, aromatic hydrocarbons such as toluene and xylene, Alternatively, a mixture thereof can be mentioned. The silicon alkoxide is SiO generated as a result of 100% hydrolysis and condensation of silicon alkoxide in the solvent.2It dissolves so that it may become 0.1 weight% or more in conversion, Preferably it will be 0.1-30 weight%. SiO2If the concentration of the sol is less than 0.1% by weight, the formed sol film cannot sufficiently exhibit the desired characteristics, while if it exceeds 30% by weight, it becomes difficult to form a transparent homogeneous film. Moreover, in this invention, if it is less than the above solid content, it is also possible to use other organic substance and an inorganic binder together.
[0052]
The UV curable resin of the first binder 3 is composed of the following binder polymer and photopolymerization initiator.
[0053]
That is, the binder polymer is a polymer having a saturated hydrocarbon or polyether as the main chain, and is preferably a polymer having a saturated hydrocarbon as the main chain. The binder polymer is preferably crosslinked. The polymer having a saturated hydrocarbon as the main chain is preferably obtained by a polymerization reaction of an ethylenically unsaturated monomer. In order to obtain a crosslinked binder polymer, it is preferable to use a monomer having two or more ethylenically unsaturated groups. Examples of monomers having two or more ethylenically unsaturated groups include esters of polyhydric alcohols and (meth) acrylic acid (eg, ethylene glycol di (meth) acrylate, 1,4-dichlorohexane diacrylate, pentaerythritol). Tetra (meth) acrylate), pentaerythritol tri (meth) acrylate, trimethylolpropane tri (meth) acrylate, trimethylolethane tri (meth) acrylate, dipentaerythritol tetra (meth) acrylate, dipentaerythritol penta (meth) acrylate , Pentaerythritol hexa (meth) acrylate, 1,2,3-cyclohexanetetramethacrylate, polyurethane polyacrylate, polyester polyacrylate), vinylbenzene and its derivatives (e.g., , 4-divinylbenzene, 4-vinylbenzoic acid-2-acryloyl ethyl ester, 1,4-divinyl cyclohexanone), vinyl sulfones (e.g., divinyl sulfone), acrylamides (e.g., include methylenebisacrylamide) and methacrylamide. The polymer having a polyether as the main chain is preferably synthesized by a ring-opening polymerization reaction of a polyfunctional epoxy compound.
[0054]
In place of or in addition to the monomer having two or more ethylenically unsaturated groups, a crosslinked structure may be introduced into the binder polymer by reaction of a crosslinkable group. Examples of the crosslinkable functional group include an isocyanate group, an epoxy group, an aziridine group, an oxazoline group, an aldehyde group, a carbonyl group, a hydrazine group, a carboxyl group, a methylol group, and an active methylene group. Vinylsulfonic acid, acid anhydride, cyanoacrylate derivative, melamine, etherified methylol, ester and urethane can also be used as a monomer for introducing a crosslinked structure. A functional group that exhibits crosslinkability as a result of the decomposition reaction, such as a block isocyanate group, may be used. In the present invention, the cross-linking group is not limited to the above compound, and may be one that exhibits reactivity as a result of decomposition of the functional group.
[0055]
The polymerization initiator used for the polymerization reaction and crosslinking reaction of the binder polymer is a photopolymerization initiator as described above. Examples of photopolymerization initiators include acetophenones, benzoins, benzophenones, phosphine oxides, ketals, anthraquinones, thioxanthones, azo compounds, peroxides, 2,3-dialkyldione compounds, disulfide compounds , Fluoroamine compounds and aromatic sulfoniums. Examples of acetophenones include 2,2-diethoxyacetophenone, p-dimethylacetophenone, 1-hydroxydimethylphenyl ketone, 1-hydroxycyclohexyl phenyl ketone, 2-methyl-4-methylthio-2-morpholinopropiophenone and 2 -Benzyl-2-dimethylamino-1- (4-morpholinophenyl) -butanone is included. Examples of benzoins include benzoin methyl ether, benzoin ethyl ether and benzoin isopropyl ether. Examples of benzophenones include benzophenone, 2,4-dichlorobenzophenone, 4,4-dichlorobenzophenone and p-chlorobenzophenone. Examples of phosphine oxides include 2,4,6-trimethylbenzoyldiphenylphosphine oxide.
[0056]
As the fluorine-containing compound, it is preferable to use a fluorine-containing surfactant, a fluorine-containing polymer, a fluorine-containing ether, a fluorine-containing silane compound, or the like.
[0057]
As the fluorine-containing surfactant, the hydrophilic part may be any of anionic, cationic, nonionic and amphoteric. In the fluorine-containing surfactant, part or all of the hydrocarbon hydrogen atoms constituting the hydrophobic portion are substituted with fluorine atoms. The fluorine-containing polymer is preferably synthesized by a polymerization reaction of an ethylenically unsaturated monomer containing a fluorine atom. In a polymer formed by polymerizing a monomer having a fluorine atom, specific examples of the monomer unit include fluoroolefins (for example, fluoroethylene, vinylidene fluoride, tetrafluoroethylene, hexafluoroethylene, hexafluoropropylene, perfluoro -2,2-dimethyl-1,3-dioxole, etc.), partially or fully fluorinated alkyl ester derivatives of (meth) acrylic acid, fully or partially fluorinated vinyl ethers, perfluoropolyether and derivatives thereof, etc. One or a plurality of monomers can be combined at any ratio from these to obtain the desired polymer by copolymerization. Moreover, you may use the copolymer of the said fluorine-containing monomer and the monomer which does not contain a fluorine atom as a fluorine-containing polymer. The monomer unit that can be used in combination is not particularly limited. For example, olefins (ethylene, propylene, isoprene, vinyl chloride, vinylidene chloride, etc.), acrylic esters (methyl acrylate, methyl acrylate, acrylic) Ethyl acetate, 2-ethylhexyl acrylate), methacrylic acid esters (methyl methacrylate, ethyl methacrylate, butyl methacrylate, ethylene glycol dimethacrylate, etc.), styrene derivatives (styrene, divinylbenzene, vinyltoluene, α-methylstyrene, etc.) ), Vinyl ethers (such as methyl vinyl ether), vinyl esters (such as vinyl acetate, vinyl propionate, vinyl cinnamate), acrylamides (such as N-tertbutylacrylamide, N-cyclohexylacrylamide) Methacrylamides, and acrylonitrile derivatives. In addition, it is also preferable to introduce polyorganosiloxane in the fluoropolymer for imparting slipperiness. This can be obtained, for example, by polymerization of a polyorganosiloxane having an acryl group, a methacryl group, a vinyl ether group, a styryl group or the like at the terminal and the above monomer. A commercially available material can also be used as the fluoropolymer. Specific examples of commercially available fluoropolymers include Cytop (Asahi Glass), Teflon (registered trademark) AF (DuPont), polyvinylidene fluoride, Lumiflon (Asahi Glass), Opstar (JSR), etc. Is mentioned.
[0058]
The fluorine-containing ether is a compound generally used as a lubricant. Examples of the fluorinated ether include perfluoropolyether and derivatives thereof. Specifically, “Crytox” manufactured by DuPont Co., Ltd., “Demnam” manufactured by Daikin Industries, Ltd., “Vomblin” manufactured by Augmont, and the like. Moreover, it is also preferable to have a carboxyl group, a hydroxy group, an amino group, an isocyanate group, an alkoxysilyl group, an ethylenically unsaturated group (acryloyl, methacryloyl, allyl, vinyl ether, etc.) at the terminal of these perfluoropolyethers. Specific examples of the fluorine-containing silane compound include a silane compound containing a perfluoroalkyl group, such as (heptadecafluoro-1,2,2,2-tetradecyl) triethoxysilane, and “KBM-7803” as a commercially available product. "KP-801M" (manufactured by Shin-Etsu Chemical Co., Ltd.) and the like.
[0059]
In addition, the material which comprises said 1st binder can be used as a material which comprises a 2nd binder. That is, the first binder and the second binder may be made of the same material or different materials.
[0060]
  Next, the hollow fine particles 2 will be described. The hollow fine particles 2 are substantially spherical fine particles having a cavity 1 inside as shown in FIGS. 2 and 3, and the hollow fine particles 2 themselves have a low refractive index (for example, refractive index: 1.20 to 1.45). have. Specific examples include hollow silica fine particles. Since the cavity 1 is completely surrounded by the substantially spherical outer shell 9, foreign matters such as the first binder 3 and the second binder 6 do not enter the cavity 1. This is confirmed by FIG. 4 and FIG. The presence of the cavity 1 can reduce the refractive index, and the entry of foreign matter into the cavity 1 can be prevented to prevent an increase in the refractive index. Thus, an antireflection effect can be obtained. Porous fine particles formed by providing a plurality of cavities 1 in one fine particleTheFor use with hollow fine particles 2AndAlso good.
[0061]
Specifically, in order to reduce the refractive index of the low refractive index layer 4, the following may be performed. That is, hollow fine particles 2 with a low refractive index (for example, refractive index: 1.20 to 1.45) are added to the first binder 3 to prepare a first coating agent composition. Thus, the low refractive index layer 4 may be formed. Then, the cavity 1 is secured in the low refractive index layer 4 by the hollow fine particles 2, and the refractive index can be lowered by the cavity 1, and the function as an antireflection film can be realized.
[0062]
Here, it is preferable to use the hollow fine particles 2 having a refractive index of 1.2 to 1.45 and an average particle diameter of 0.5 to 200 nm. The refractive index of the hollow fine particles 2 is preferably as low as possible, but 1.2 is a practical lower limit. If it exceeds 1.45, there is a possibility that a sufficient antireflection function cannot be obtained. Further, when the average particle diameter of the hollow fine particles 2 is larger than 200 nm, light may be irregularly reflected by Rayleigh scattering in the manufactured antireflection film, and the antireflection film may appear whitish, and the transmittance may be reduced. On the contrary, when the average particle diameter of the hollow fine particles 2 is smaller than 0.5 nm, the dispersibility of the hollow fine particles 2 is lowered, and there is a possibility that aggregation occurs in the first coating agent composition.
[0063]
Furthermore, the hollow fine particles 2 (including the internal cavity 1) having the above refractive index and average particle diameter occupy 40 to 95% by volume of the entire low refractive index layer 4, and the first binder 3 and the second binder 2. It is preferable that the gap 5 between the binder 6 and the hollow fine particles 2 occupy the remaining 60 to 5% by volume (the invention of claim 2). In general, the maximum volume fraction of fine particles when close-packed with spherical particles having the same particle size (completely monodisperse) is 0.74 according to the Horsfield packing model. Inevitably, a 26 volume% intergranular gap is generated. Therefore, ideally, when the hollow fine particles 2 (assuming all the particle diameters are equal) occupy 74% by volume and the first binder 3 occupies the remaining 24% by volume in the first coating agent composition, All the voids 5 between the hollow fine particles 2 are replaced with the first binder 3 in the low refractive index layer 4, and a highly filled and very dense low refractive index layer 4 is obtained. However, in reality, the hollow fine particles 2 have a particle size distribution, and lack of wettability at the interface between the hollow fine particles 2 / first binder 3 and the nano-sized particle size cause aggregation in the first coating agent composition. Has occurred. Actually, when the amount of the hollow fine particles 2 added in the first coating agent composition is 40% by volume or more, the hollow fine particles 2 are filled in the low refractive index layer 4 formed by the first coating agent composition. A defect occurs, and voids 5 resulting from the unfilling of the first binder 3 are generated between the hollow fine particles 2. If the hollow fine particles 2 are less than 40% by volume, the hollow fine particles 2 can be filled with the first binder 3 and simultaneously the gaps 5 between the hollow fine particles 2 can be filled. There is a possibility that a low refractive index cannot be achieved due to the small amount.
[0064]
As described above, the voids 5 between the hollow fine particles 2 in the low refractive index layer 4 generated by the high filling (40% by volume or more) of the hollow fine particles 2 are the strength and wear resistance of the low refractive index layer 4. The performance will be significantly reduced. That is, the conventional method for reducing the refractive index of the low refractive index layer 4 by adding the hollow fine particles 2 having a low refractive index is a trade-off completely with wear resistance when the hollow fine particles 2 of 40 volume% or more are used. This makes it difficult to use practically. And in order to solve this trade-off problem, the present inventor is a method of filling the gap 5 between the hollow fine particles 2 in the low refractive index layer 4 with the second binder 6 when the hollow fine particles 2 are highly filled. Was invented.
[0065]
When the hollow fine particles 2 (including the internal cavities 1) exceed 95% by volume of the entire low refractive index layer 4, the amount of the first binder 3 or the like that bonds the hollow fine particles 2 is relative. There is a risk that the hollow fine particles 2 cannot be sufficiently bonded and held. Therefore, the upper limit of the volume occupied by the hollow fine particles 2 is 95% by volume of the entire low refractive index layer 4. Then, the volume other than the volume occupied by the hollow fine particles 2 is 60 to 5% by volume of the entire low refractive index layer 4. This volume is preferably occupied only by the first binder 3 and the second binder 6 (that is, there are no voids 5 between the hollow fine particles 2), but in reality, the voids 5 between the hollow fine particles 2 are very small. There may be a slight remaining. However, since the second binder 6 is present in a large portion between the hollow fine particles 2, the very few voids 5 between the hollow fine particles 2 do not cause a decrease in wear resistance.
[0066]
Further, as shown in FIG. 3, in the low refractive index layer 4 after applying the second coating agent composition, the cavities 1 in the hollow fine particles 2 and the voids 5 between the hollow fine particles 2 are in the low refractive index layer 4. It is preferable that the second binder 6 occupies 10 to 60% by volume and 40% by volume or more (the upper limit is less than 100% by volume) of the entire space 5 between the hollow fine particles 2 (the invention of claim 3). . In particular, in the low refractive index layer 4 shown in FIG. 3, the first and second coating agent compositions are completely filled in the voids 5 between the hollow fine particles 2, and the cavity 1 in the hollow fine particles 2 has a low refractive index. 10 to 60% by volume in the layer 4 is occupied. This cavity 1 can obtain a higher refractive index effect. In FIG. 3, as described above, the first and second coating agent compositions are completely filled in the gaps 5 between the hollow fine particles 2, but may not be completely filled. In this case, air exists in the gap 5, and thus the refractive index can be lowered by the gap 5 in which air exists. Moreover, about the low refractive index layer 4 shown in FIG. 3, the 2nd binder 6 occupies 40 volume% or more of the whole space | gap 5 between the hollow microparticles 2 with which the 1st, 2nd coating agent composition was filled. . By filling the gap 5 between the hollow fine particles 2 with the second binder 6 at such a ratio, the bond between the hollow fine particles 2 can be further reinforced and the wear resistance can be improved.
[0067]
As described above, the effect of reducing the refractive index of the low refractive index layer 4 can be obtained by including air (void 5) in the low refractive index layer 4. However, conventionally, an attempt has been made to reduce the refractive index by providing voids 5 between fine particles and allowing air to exist there. Therefore, the bond between the fine particles is weakened, and the wear resistance of the low refractive index layer 4 is remarkably lowered. This has been confirmed. Therefore, the voids 5 in the low refractive index layer 4 are formed by the cavities 1 inside the fine particles such as the hollow fine particles 2 and the porous fine particles, as in the present invention, as compared with the conventional technique. A reduction as much as possible is preferable in order to achieve both a low refractive index and wear resistance. Here, in preparing the first coating agent composition, if the amount of the hollow fine particles 2 added is increased, the amount of the cavities 1 is increased accordingly, and many cavities 1 are formed in the low refractive index layer 4. It can be introduced, and the refractive index can be further lowered to improve the antireflection performance. In the following description, the term “the void 5 ratio in the low refractive index layer 4” may be used. This means that the volume of the low refractive index layer 4 after applying the second coating agent composition is hollow. It means the proportion of the volume occupied by the voids 1 between the fine particles 2 and the voids 5 between the hollow fine particles 2.
[0068]
As described above, in the low refractive index layer 4 after applying the second coating agent composition, the cavities 1 in the hollow fine particles 2 and the voids 5 between the hollow fine particles 2 are 10 to 10 in the low refractive index layer 4. It is said that it occupies 60% by volume, in other words, the void ratio 5 in the low refractive index layer 4 is preferably 10 to 60% by volume for the following reason. That is, when the void ratio 5 in the low refractive index layer 4 is less than 10% by volume, the refractive index reduction effect may not be obtained. Conversely, the void ratio 5 in the low refractive index layer 4 may be obtained. Is more than 60% by volume, the hollow microparticles 2 and the porous microparticles having a very large volume of the cavity 1 are necessary, and the mechanical strength and the like of these microparticles themselves are lowered, which is not preferable in practice. is there.
[0069]
Of the voids 5 between the hollow fine particles 2, the voids 5 not filled with the first and second coating agent compositions are less than 60% by volume (thus filling the first and second coating agent compositions). The void 5 is preferably 40% by volume or more. When the void 5 containing air is 60% by volume or more of the entire void 5 between the hollow fine particles 2 as described above, the entire low refractive index layer 4 becomes porous and wear resistance may be reduced.
[0070]
In addition, one or more types of hollow fine particles 2 are used, and at least one of them is a hollow silica sol (SiO 2).2) Is preferable (Invention of Claim 4). This is because the effect of reducing the refractive index of the low refractive index layer 4 can be further enhanced.
[0071]
As described above, the hollow fine particle 2 is a fine particle having the cavity 1 surrounded by the outer shell 9. The refractive index of the hollow fine particles 2 itself is preferably 1.20 to 1.45, and the refractive index of the hollow fine particles 2 is determined by a method disclosed in Japanese Patent Laid-Open No. 2001-233611 (Patent Document 11). Can be measured. Moreover, it is preferable that the average particle diameter of the hollow microparticles 2 is 0.5-200 nm. The material constituting the outer shell 9 of the hollow fine particle 2 is preferably a metal oxide in addition to silica. The hollow fine particles 2 are preferably those having a thickness of the outer shell 9 smaller than the average particle diameter, and the volume of the hollow silica fine particles (including the internal cavity 1) in the low refractive index layer 4 is also preferable. A large amount (40% by volume or more) is preferable. Such hollow fine particles 2 are disclosed in, for example, Japanese Patent Application Laid-Open No. 2001-233611 (Patent Document 11), and the hollow fine particles 2 disclosed therein are used when preparing the first coating agent composition. can do.
[0072]
Specifically, the material constituting the outer shell 9 of the hollow fine particle 2 is SiO 22, SiOxTiO2TiOx, SnO2, CeO2, Sb2O5, ITO, ATO, Al2O3A material in the form of a single material such as or a mixture of any combination of these materials. Further, a composite oxide of any combination of these materials may be used. In addition, SiOxWhen firing in an oxidizing atmosphere, SiO2Is preferred.
[0073]
  In addition, n kinds of hollow fine particles 2 having average particle diameters of d1, d2,..., Dn (where d1> d2>...> Dn) are mixed and used, and hollow fine particles having an average particle diameter of dk-1. 2 and hollow fine particles 2 having an average particle diameter of dk are dk <0.5 × dk−1 (k =2˜n, 2 ≦ n). In this way, when a plurality of types (n types, n is an integer satisfying n ≧ 2) of hollow fine particles 2 having different average particle sizes (particle size distributions) are mixed and used, the various hollow fine particles 2 are average particle sizes. If the average particle diameters dk and dk-1 of the two adjacent types of hollow fine particles 2 are in the above relationship, the hollow fine particles 2 having the average particle diameter dk have the average particle diameter dk-1. The gap between the hollow fine particles 2 is filled, and the maximum volume fraction of the hollow fine particles 2 composed of a plurality of types is increased. That is, the volume occupied by the voids 5 between the hollow fine particles 2 in the low refractive index layer 4 is reduced. Accordingly, by reducing the amount of the gap 5 to be filled with the first and second coating agent compositions, it is possible to prevent unfilling and maintain wear resistance, and to use hollow fine particles instead of the gap 5. By providing the two cavities 1, the refractive index can be further reduced. In addition, if the average particle diameters dk and dk-1 of two types of adjacent hollow microparticles 2 are dk ≧ 0.5 × dk−1 contrary to the above relationship, the hollow microparticles having an average particle diameter dk 2 may be difficult to be filled in the gaps between the hollow fine particles 2 having an average particle diameter dk-1.
[0074]
  Moreover, it is preferable that the 1st binder 3 consists of a reactive organosilicon compound (silicon alkoxide).6Invention). In particular, when hollow silica fine particles are used as the hollow fine particles 2 constituting the low refractive index layer 4, when a reactive organic silicon compound is used as the first binder 3, wettability and dispersibility with the hollow silica fine particles are good. It will be. Therefore, the workability is improved and the first binder 3 and the hollow fine particles 2 are uniformly mixed, so that in the low refractive index layer 4 shown in FIG. This eliminates the weakening of the bond between the hollow fine particles 2.
[0075]
Here, the reactive organosilicon compound is SiO2Silicon alkoxide used for the formation of sol, a preferred example of which is RmSi (OR ')nIt is a compound represented by these. R and R ′ represent an alkyl group having 1 to 10 carbon atoms, m + n is 4, and m and n are each an integer. More specifically, tetramethoxysilane, tetraethoxysilane, tetra-iso-propoxysilane, tetra-n-propoxysilane, tetra-n-butoxysilane, tetra-sec-butoxysilane, tetra-tert-butoxysilane, tetra Pentaethoxysilane, tetrapenta-iso-propoxysilane, tetrapenta-n-propoxysilane, tetrapenta-n-butoxysilane, tetrapenta-sec-butoxysilane, tetrapenta-tert-butoxysilane, methyltrimethoxysilane, methyltriethoxysilane, methyl Tripropoxysilane, methyltributoxysilane, dimethyldimethoxysilane, dimethyldiethoxysilane, dimethylethoxysilane, dimethylmethoxysilane, dimethylpropoxysilane Dimethyl butoxysilane, methyl dimethoxy silane, methyl diethoxy silane, hexyl trimethoxy silane and the like.
[0076]
The silicon alkoxide is hydrolyzed by dissolving the silicon alkoxide in a suitable solvent. Examples of the solvent used include alcohols such as methyl ethyl ketone, isopropyl alcohol, methanol, ethanol, methyl isobutyl ketone, ethyl acetate and butyl acetate, ketones, esters, halogenated hydrocarbons, aromatic hydrocarbons such as toluene and xylene, Alternatively, a mixture thereof can be mentioned. The silicon alkoxide is SiO generated as a result of 100% hydrolysis and condensation of silicon alkoxide in the solvent.2It dissolves so that it may become 0.1 weight% or more in conversion, Preferably it will be 0.1-30 weight%. SiO2If the sol concentration is less than 0.1% by weight, the formed sol film cannot sufficiently exhibit the desired characteristics, while if it exceeds 30% by weight, it becomes difficult to form a transparent homogeneous film. Moreover, in this invention, if it is less than the above solid content, it is also possible to use other organic substance and an inorganic binder together.
[0077]
  The second binder 6 is preferably made of a reactive organosilicon compound.7Invention). In particular, when hollow silica fine particles are used as the hollow fine particles 2 constituting the low refractive index layer 4, when a reactive organic silicon compound is used as the second binder 6, the wettability with the hollow silica fine particles is improved, and the hollow silica fine particles 2 are formed. The second coating agent composition can easily enter the voids 5 between the fine particles.
[0078]
Here, the reactive organosilicon compound is SiO2Silicon alkoxide used for the formation of sol, a preferred example of which is RmSi (OR ')nIt is a compound represented by these. R and R ′ represent an alkyl group having 1 to 10 carbon atoms, m + n is 4, and m and n are each an integer. More specifically, tetramethoxysilane, tetraethoxysilane, tetra-iso-propoxysilane, tetra-n-propoxysilane, tetra-n-butoxysilane, tetra-sec-butoxysilane, tetra-tert-butoxysilane, tetra Pentaethoxysilane, tetrapenta-iso-propoxysilane, tetrapenta-n-propoxysilane, tetrapenta-n-butoxysilane, tetrapenta-sec-butoxysilane, tetrapenta-tert-butoxysilane, methyltrimethoxysilane, methyltriethoxysilane, methyl Tripropoxysilane, methyltributoxysilane, dimethyldimethoxysilane, dimethyldiethoxysilane, dimethylethoxysilane, dimethylmethoxysilane, dimethylpropoxysilane Dimethyl butoxysilane, methyl dimethoxy silane, methyl diethoxy silane, hexyl trimethoxy silane and the like.
[0079]
The silicon alkoxide is hydrolyzed by dissolving the silicon alkoxide in a suitable solvent. Examples of the solvent used include alcohols such as methyl ethyl ketone, isopropyl alcohol, methanol, ethanol, methyl isobutyl ketone, ethyl acetate and butyl acetate, ketones, esters, halogenated hydrocarbons, aromatic hydrocarbons such as toluene and xylene, Alternatively, a mixture thereof can be mentioned. The silicon alkoxide is SiO generated as a result of 100% hydrolysis and condensation of silicon alkoxide in the solvent.2It dissolves so that it may become 0.1 weight% or more in conversion, Preferably it will be 0.1-30 weight%. SiO2If the sol concentration is less than 0.1% by weight, the formed sol film cannot sufficiently exhibit the desired characteristics, while if it exceeds 30% by weight, it becomes difficult to form a transparent homogeneous film. Moreover, in this invention, if it is less than the above solid content, it is also possible to use other organic substance and an inorganic binder together.
[0080]
  The contact angle of the second binder 6 with respect to the low refractive index layer 4 is preferably 0 to 70 ° (claims).5Invention). This contact angle means the following. That is, the first coating agent composition is applied (coated) to the surface of the hard coat layer 8 (or the surface of the transparent support 7) and cured to cure the low refractive index layer 4 as shown in FIG. And the contact angle measured when the second coating agent composition (that is, the second binder 6) is dropped onto the surface of the low refractive index layer 4. And when said contact angle is 0-70 degrees, the 2nd binder 6 penetrate | invades easily into the space | gap 5 between the hollow fine particles 2 in the low-refractive-index layer 4, and manufactures an antireflection film as a precise | minute thin film. It is something that can be done. However, when the contact angle exceeds 70 °, it is difficult to obtain such an effect.
[0081]
  Moreover, it is preferable that the molecular weight (weight average molecular weight) of the 2nd binder 6 is 100-5000.8Invention). If the molecular weight of the second binder 6 is less than 100, there is a possibility that it will not stay in the void 5 due to a decrease in viscosity, and it may be difficult to cure, and conversely, the molecular weight of the second binder 6 exceeds 5000. Then, it becomes difficult to enter the gap 5 between the hollow fine particles 2 in the low refractive index layer 4, and the antireflection film may not be manufactured as a dense thin film.
[0082]
  The second binder 6 preferably contains a curing catalyst (crosslinking agent).9Invention). As a result, when the first coating agent composition is applied (coated) to the surface of the hard coat layer 8 (or the surface of the transparent support 7) and dried, the condensation reaction is promoted to reduce the low refractive index layer. The crosslink density in 4 becomes high, and the water resistance and alkali resistance of the low refractive index layer 4 can be improved. In order to obtain such an effect, a metal chelate compound (for example, a Ti chelate compound or a Zr chelate compound), an organic acid, or the like can be used as the curing catalyst. Among these curing catalysts, the metal chelate compound is particularly effective when used in preparing the first coating agent composition using tetrafunctional alkoxysilane as a raw material.
[0083]
Moreover, it is preferable to use organic zirconium as the curing catalyst. This is because the above-described effects can be further enhanced. The organic zirconium is not particularly limited. For example, the general zirconium ZrOnR2 m(OR1)p(M and p are integers of 0 to 4, n is 0 or 1, 2n + m + p = 4). An alkoxyl group (OR1) Functional group (R1) Is not particularly limited as long as it is a monovalent hydrocarbon group, but is preferably a monovalent hydrocarbon group having 1 to 8 carbon atoms. Specifically, alkyl groups, such as a methyl group, an ethyl group, a propyl group, a butyl group, a pentyl group, a hexyl group, a peptyl group, an octyl group, can be illustrated. R2For example, C5H7O2(Acetylacetonate complex) and C6H9O3(Ethyl acetoacetate complex). R1And R2May be the same or different in one molecule. Especially as organic zirconium, Zr (OC4H9)4, Zr (OC4H9)3(C5H7O2) And Zr (OC4H9)2(C5H7O2) (C6H9O3), The mechanical strength of the low refractive index layer 4 can be further improved. For example, the low refractive index layer 4 is formed using the first coating agent composition having a small ratio of a silicone resin obtained by condensing a (poly) siloxane compound, for example, a tetrafunctional hydrolyzable alkoxysilane, to the hollow silica fine particles. When formed, the mechanical strength of the low refractive index layer 4 may be insufficient, but the mechanical strength of the low refractive index layer 4 can be improved by adding organic zirconium. In addition, after applying (coating) the first coating agent composition to the surface of the hard coat layer 8 (or the surface of the transparent support 7), it is heat-treated at a relatively low temperature (for example, 100 ° C.). The obtained low refractive index layer 4 has the same strength as when heat-treated at a high temperature (for example, 300 ° C.) when no organic zirconium is added. That is, if organic zirconium is added, heat treatment can be performed at a low temperature, and energy consumption can be suppressed.
[0084]
The amount of organic zirconium added is ZrO.2Solid content in the first coating composition in terms of conversion (for example, SiO in the case of tetrafunctional silicone alkoxide)2) It is preferably 0.1 to 10% by weight based on the total amount. If the amount of organic zirconium added is less than 0.1% by weight, the above effect due to organic zirconium may not be obtained. Conversely, if the amount of organic zirconium added exceeds 10% by weight, the first coating The agent composition may be gelled or aggregated.
[0085]
  Further, in order to impart antifouling property to the low refractive index layer 4, a part or all of the second binder 6 may be replaced with a water and oil repellent material. As the water- and oil-repellent materials, generally, wax-based materials and the like can be mentioned, and it is particularly preferable that the second binder 6 contains a fluorine-containing compound.0Invention). In this way, after the second coating agent composition is applied and dried, the surface of the low refractive index layer 4 is protected from dirt by the fluorine-containing compound remaining on the surface of the low refractive index layer 4. In addition, even if dirt is attached, the dirt can be easily removed. Furthermore, the frictional resistance of the surface of the low refractive index layer 4 can be reduced, and the effect of improving the wear resistance can be obtained.
[0086]
  Conventionally, when the surface of the low refractive index layer 4 is subjected to antifouling treatment, a monomolecular layer of a fluorine-containing compound is chemically bonded to the surface of the low refractive index layer 4 and laminated. . Therefore, even though the antifouling property is excellent, there are problems in the mechanical strength, aging characteristics, etc. of the monomolecular layer itself of the fluorine-containing compound. However, for example, when the second binder 6 is made of a reactive organosilicon compound (claims)7In the present invention, the fluorine-containing compound and the reactive organic silicon compound undergo a crosslinking reaction so that the fluorine-containing compound is incorporated into the second binder 6 and the surface of the low refractive index layer 4 is obtained. Therefore, it is possible to produce an antireflection film having little anti-fouling effect over time and excellent mechanical strength.
[0087]
Examples of the fluorine-containing compound include those represented by the general formula R ′mSi (OR)4-m(Where R ′ is a fluorine-containing substituent, R is an alkyl group, and m is the number of substitutions) (m = 1 to 4). Specifically, CF3(CH2)2Si (OCH3)3, CF3CF2(CH2)2Si (OCH3)3, CF3(CF2)2(CH2)2Si (OCH3)3, CF3(CF2)3(CH2)2Si (OCH3)3, CF3(CF2)4(CH2)2Si (OCH3)3, CF3(CF2)5(CH2)2Si (OCH3)3, CF3(CF2)6(CH2)2Si (OCH3)3, CF3(CF2)7(CH2)2Si (OCH3)3, CF3(CF2)8(CH2)2Si (OCH3)3, CF3(CF2)9(CH2)2Si (OCH3)3, CF3(CH2)2Si (OC2H5)3, CF3CF2(CH2)2Si (OC2H5)3, CF3(CF2)2(CH2)2Si (OC2H5)3, CF3(CF2)3(CH2)2Si (OC2H5)3, CF3(CF2)4(CH2)2Si (OC2H5)3, CF3(CF2)5(CH2)2Si (OC2H5)3, CF3(CF2)6(CH2)2Si (OC2H5)3, CF3(CF2)7(CH2)2Si (OC2H5)3, CF3(CF2)8(CH2)2Si (OC2H5)3, CF3(CF2)9(CH2)2Si (OC2H5)3Etc., and only one type of these may be used, or two or more types may be used in combination.
[0088]
  The second binder 6 preferably contains 0.1 to 50% by weight of the fluorine-containing compound.1Invention). The reason is that the antifouling property can be further enhanced. However, if the fluorine-containing compound is less than 0.1% by mass, the antifouling effect due to the fluorine-containing compound may not be sufficiently obtained. Conversely, if the fluorine-containing compound exceeds 50% by weight, the second The dispersibility of the fluorine-containing compound in the binder 6 (for example, a reactive organic silicon compound) is reduced, the crosslinking density of the cured product of the second binder 6 is reduced, or the second binder 6 with respect to the low refractive index layer 4 is reduced. If the wettability is reduced, both the film quality as an antireflection film and the wear resistance may be reduced.
[0089]
  It is preferable that the second binder 6 contains a silicone compound.2Invention). Even in this case, as in the case of the fluorine-containing compound, the surface of the low refractive index layer 4 can be protected from dirt, and even if dirt is attached, the dirt can be easily removed. It is. Furthermore, the frictional resistance of the surface of the low refractive index layer 4 can be reduced, and the effect of improving the wear resistance can be obtained.
[0090]
As said silicone compound, what is represented by the following [Chemical Formula 1] can be used. In [Chemical Formula 1], R1Is a divalent hydrocarbon group having 2 to 10 carbon atoms, alkylene group such as ethylene group, propylene group, butylene group, hexylene group and octylene group, cycloalkylene group such as cyclohexylene group, and arylene group such as phenylene group And ethylene group, propylene group and phenylene group are particularly preferable. R2Are the same or different monovalent hydrocarbon groups having 1 to 10 carbon atoms, specifically, alkyl groups such as methyl, ethyl, propyl, butyl, hexyl, octyl, and decyl groups. Cycloalkyl groups such as cyclohexyl groups, vinyl groups, allyl groups, propenyl groups, butenyl groups, alkenyl groups such as hexenyl groups, aryl groups such as phenyl groups and tolyl groups, aralkyl groups such as benzyl groups and phenylethyl groups, etc. In particular, a methyl group, an ethyl group, a phenyl group, and a phenylethyl group are preferable.
[0091]
[Chemical 1]
Figure 0004378972
[0092]
R3Is a hydrolyzable group represented by the following [Chemical Formula 2]. R6Is a divalent hydrocarbon group having 2 to 10 carbon atoms, and as the divalent hydrocarbon group, R1The same thing is illustrated. R7Is a monovalent hydrocarbon group having 1 to 10 carbon atoms, R2Although the thing similar to is illustrated, it is preferable that it is a methyl group. a is 0, 1 or 2, preferably 0 or 1.
[0093]
[Chemical formula 2]
Figure 0004378972
[0094]
In the above [Chemical Formula 1], R4Is a monovalent hydrocarbon group having 1 to 10 carbon atoms, R2The hydrogen atom bonded to the carbon atom may be partially or entirely substituted with a fluorine atom, and as such substituent, R1The same thing is mentioned, A trifluoropropyl group etc. can be illustrated.
[0095]
In addition, R5Is R3Or R4Each R5May be the same or different from each other, but when n is 0, at least one R5Is R3It is. k is 0 to 100, preferably 0 to 60, m is 0 to 100, preferably 0 to 60, and n is 0 to 5. As described above, when n = 0, R5At least one of R3Therefore, the compound of the above [Chemical Formula 1] has at least one R in the molecule.3It is a siloxane containing (hydrolyzable group) and optionally having a fluoroalkyl group.
[0096]
  The second binder 6 preferably contains colloidal silica.3Invention). In this way, the second coating agent composition can easily enter the voids 5 between the hollow fine particles 2 in the low refractive index layer 4. Then, in the low refractive index layer 4 after the application of the second coating agent composition, air existing in the voids 5 between the hollow fine particles 2 is pushed out, and the bonds between the hollow fine particles 2 are bonded to the second coating agent. It is further reinforced by the composition, wear resistance is improved, and colloidal silica makes it possible to further reduce the refractive index. Here, as the colloidal silica, those having an average particle diameter of 0.5 to 100 nm are particularly preferable. If the average particle size is less than 0.5 nm, the dispersibility of the hollow fine particles 2 may be reduced. Conversely, if the average particle size exceeds 100 nm, the voids 5 between the hollow fine particles 2 may not be filled easily. is there.
[0097]
The colloidal silica itself may not have the cavity 1 inside. Even with such colloidal silica, the coexistence with the second binder 6 can improve the mechanical strength of the formed antireflection film, and also improve the surface smoothness and crack resistance. Because it can be done.
[0098]
The form of colloidal silica is not particularly limited, and may be, for example, a powder form or a sol form. When colloidal silica is used as a sol form, it is not particularly limited. For example, water-dispersed colloidal silica or colloidal silica dispersed in a hydrophilic organic solvent such as alcohol can be used. In general, such colloidal silica contains 20 to 50% by weight of silica as a solid content, and the amount of silica can be determined from this value.
[0099]
Here, when water-dispersed colloidal silica is used, water present in the colloidal silica as a component other than a solid content can be used for hydrolysis of a silane compound, for example, a tetrafunctional hydrolyzable organosilane. Therefore, it is necessary to add water of water-dispersible colloidal silica to the amount of water during the hydrolysis. Water-dispersible colloidal silica is usually made from water glass, and a commercially available product can be easily obtained and used.
[0100]
Further, the organic solvent-dispersed colloidal silica can be easily prepared by replacing the water of the water-dispersed colloidal silica with an organic solvent. Such an organic solvent-dispersed colloidal silica can also be easily obtained and used as a commercial product, like the water-dispersed colloidal silica. In the organic solvent-dispersed colloidal silica, the type of the organic solvent in which the colloidal silica is dispersed is not particularly limited. For example, lower fats such as methanol, ethanol, isopropanol (IPA), n-butanol, and isobutanol. Aromatic alcohols, ethylene glycol, ethylene glycol monobutyl ether, ethylene glycol derivatives such as ethylene glycol monoethyl ether, diethylene glycol, diethylene glycol derivatives such as diethylene glycol monobutyl ether, and hydrophilic organic solvents such as diacetone alcohol, One or two or more selected from the group consisting of these can be used. Furthermore, in combination with these hydrophilic organic solvents, one or more of toluene, xylene, hexane, ethyl heptane acetate, butyl acetate, methyl ethyl ketone, methyl isobutyl ketone, methyl ethyl ketoxime, etc. can be used. .
[0101]
  The second binder 6 preferably contains fine particles having a refractive index of 1.2 to 1.45 and an average particle diameter of 0.5 to 100 nm.4Invention). The reason is that the fine particles having the above average particle diameter can be easily filled in the gaps 5 between the hollow fine particles 2 to reinforce the bond between the hollow fine particles 2 and further improve the wear resistance. This is because if the refractive index is low as described above, it is possible to further reduce the refractive index of the entire low refractive index layer 4 while maintaining wear resistance. Examples of the fine particles having the above refractive index and average particle diameter include porous silica sol, hollow silica sol, MgF2A sol etc. can be illustrated. In addition, it is difficult to obtain fine particles having a refractive index smaller than 1.2. Conversely, if fine particles having a refractive index larger than 1.45 are used, the effect of lowering the refractive index may not be expected. If the average particle diameter of the fine particles is less than 0.5 nm, the dispersibility in the second coating agent composition may be reduced. Conversely, if the average particle diameter of the fine particles exceeds 100 nm, the low refractive index layer 4 It may be difficult to fill the voids 5 between the hollow fine particles 2 inside.
[0102]
  The second binder 6 preferably contains a hollow silica sol.5Invention). In this way, the wear resistance can be further improved and the refractive index of the entire low refractive index layer 4 can be further reduced. In addition, it is preferable that content of the hollow silica sol in a 2nd coating agent composition is 1-60 volume%. If it is less than 1% by volume, the effect of lowering the refractive index by the second coating agent composition may be small. Conversely, if it exceeds 60% by volume, the dispersibility of the hollow silica sol in the second coating agent composition may be low. There is a possibility that it becomes difficult to fill the voids 5 between the hollow fine particles 2 in the low refractive index layer 4.
[0103]
And in producing the anti-reflective film concerning this invention, it can carry out as follows. That is, the aforementioned first coating agent composition is applied (coated) to the surface of the hard coat layer 8 (or the transparent support 7) with a wire bar coater or the like. Next, this is dried and the hollow fine particles 2 are bonded to each other by the first binder 3, thereby forming a low refractive index layer 4 as shown in FIG. 2 (FIG. 4). Thereafter, the second coating agent composition is applied (coated) to the surface of the low refractive index layer 4 with a wire bar coater or the like. Then, by drying this, an antireflection film in which the second binder 6 is densely filled in the gaps 5 between the hollow fine particles 2 in the low refractive index layer 4 as shown in FIG. 3 (FIG. 5) is manufactured. It is something that can be done.
[0104]
In the antireflection film thus obtained, the hollow fine particles 2 having the cavity 1 inside are highly filled in the low refractive index layer 4, thereby sufficiently ensuring a low refractive index and preventing reflection. In addition, by filling the gap 5 between the hollow fine particles 2 with the second binder 6, the bond between the hollow fine particles 2 can be reinforced and the wear resistance can be improved.
[0105]
The first and second coating agent compositions can be applied by a general wet coating application method, such as a liquid phase method (dip coating method, spin coating method, spray coating method, roll coating method). , Gravure roll coating method, reverse coating method, transfer roll coating method, micro gravure coating method, cast coating method, calendar coating method, die coating method, etc.) ). In addition, after applying (coating) the first and second coating agent compositions, the solvent in the low refractive index layer 4 is volatilized by heating and drying, and then heating, humidification, ultraviolet irradiation, and electron beam irradiation are performed. Etc. to cure the low refractive index layer 4.
[0106]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be specifically described by way of examples.
[0107]
The following were used as the transparent support (transparent resin film) and the hard coat material.
[0108]
Transparent resin film: PET film, “A4300” (188 μm thickness) manufactured by Toyobo Co., Ltd.
・ Hard coat material: Acrylic UV curable resin, “Seika Beam PET-HC15” manufactured by Dainichi Seika Kogyo Co., Ltd. (active ingredient 60%)
And after apply | coating said hard-coat material to the surface of said transparent resin film with wire bar coater # 10 and drying this at 40 degreeC for 1 minute, UV irradiation (1000mJ / cm2) And cured to form a hard coat layer.
[0109]
  (referenceExample 1)
  Add 356 parts of methanol to 208 parts of tetraethoxysilane ("parts" means "parts by weight", the same shall apply hereinafter), add 18 parts of water and 18 parts of 0.01N hydrochloric acid aqueous solution, and use a disper. To obtain a mixed solution. This mixture was stirred in a thermostatic bath at 25 ° C. for 2 hours to obtain a silicone resin (A) having a weight average molecular weight adjusted to 850.
[0110]
Next, hollow silica IPA (isopropanol) dispersion sol (solid content 20% by weight, average particle size 60 nm, manufactured by Catalytic Chemical Industry Co., Ltd.) was used as the low refractive index fine particles. The first coating agent composition is prepared by blending silica fine particles / silicone resin so that the volume ratio is 50/50 in terms of condensation solids, and then diluting with methanol so that the total solid content is 1%. did. The obtained sol liquid had a refractive index of 1.36.
[0111]
Next, the second coating agent composition was prepared by diluting the silicone resin (A) with methanol so that the total solid content was 0.5%.
[0112]
Then, the surface of the hard coat layer formed as described above was subjected to corona treatment, and first, the first coating agent composition was coated (applied) with a wire bar coater so as to have a film thickness of about 100 nm. Next, this was dried and cured at 100 ° C. for 1 hour to form a low refractive index layer. Thereafter, the surface of the low refractive index layer was coated (applied) with a wire bar coater so that the second coating composition was 50 nm in terms of solid content film thickness. And this was dried on 100 degreeC and the conditions for 1 hour, and the antireflection film was manufactured by hardening.
[0113]
  (referenceExample 2)
  referenceIn Example 1, except that the hollow silica fine particles / silicone resin of the first coating agent composition was blended so that the volume ratio was 90/10 in terms of condensed solids,referenceAn antireflection film was produced in the same manner as in Example 1.
[0114]
  (referenceExample 3)
  referenceIn Example 2, the second coating agent composition contains a thermosetting fluorine-containing polymer (“JN7215” manufactured by JSR Corporation), and becomes 0.5% by weight based on the total solid content of the second coating agent composition. Except for using the one diluted with MEK (methyl ethyl ketone)referenceAn antireflection film was produced in the same manner as in Example 2.
[0115]
  (referenceExample 4)
  referenceIn Example 1, hollow silica fine particles and silica fine particle methanol dispersion (solid content 30% by weight, average particle size 20 nm, manufactured by Nissan Chemical Industries, Ltd., methanol silica sol, refractive index as low refractive index fine particles in the first coating agent composition 1.46) except that the weight ratio is 8: 2referenceAn antireflection film was produced in the same manner as in Example 2.
[0116]
  (referenceExample 5)
  Zr (OC as an organic zirconium component (curing catalyst)4H9)3(C5H7O2), And this is used with respect to the total solid content of the second binder coating composition.2Except for using a second binder coating composition containing 10% by weight in terms of solid content,referenceAn antireflection film was produced in the same manner as in Example 2.
[0117]
  (referenceExample 6)
  As the fluorosilane coupling agent (fluorine-containing compound), “TSL8233” (manufactured by GE Toshiba Silicone Co., Ltd.) blended so as to be 1% by weight with respect to the total solid content of the second coating agent composition was used. except,referenceAn antireflection film was produced in the same manner as in Example 2.
[0118]
  (referenceExample 7)
  As a fluorosilane coupling agent (fluorine-containing compound), “TSL8233” (manufactured by GE Toshiba Silicone Co., Ltd.) was used so as to be 40% by weight with respect to the total solid content of the second coating agent composition. except,referenceAn antireflection film was produced in the same manner as in Example 2.
[0119]
  (referenceExample 8)
  A mixture of methyl hydrogen silicone oil “TSW831” as a silicone oil (silicone compound) and a curing catalyst “CW80” (both manufactured by GE Toshiba Silicones Co., Ltd.) of 20% by weight with respect to the silicone oil as a curing catalyst is applied to the second coating. Except using what was mix | blended so that it might become 1 weight% with respect to the total solid of an agent composition,referenceAn antireflection film was produced in the same manner as in Example 2.
[0120]
  (referenceExample 9)
  Silica fine particle methanol dispersion (solid content 30% by weight, average particle size 20 nm, manufactured by Nissan Chemical Co., Ltd., methanol silica sol, refractive index 1.46) is used as the silica fine particle, and this is added to the silicone resin (A) and silica. The second coating agent composition is prepared by blending the fine particles / silicone resin so that the volume ratio is 50/50 in terms of condensed solids, and then diluting with methanol so that the total solid content is 0.5%. Obtained. The refractive index of the sol thus obtained was 1.36. And except using this second coating agent composition,referenceAn antireflection film was produced in the same manner as in Example 2.
[0121]
  (referenceExample 10)
  Hollow silica IPA (isopropanol) dispersion sol (solid content 20% by weight, average particle diameter 60 nm, manufactured by Catalyst Kasei Kogyo Co., Ltd.) was used as the low refractive index fine particle, and this was added to the silicone resin (A). The second coating agent composition obtained by blending the silicone resin so as to have a volume ratio of 50/50 in terms of condensation solid, and then diluting with methanol so that the total solid content is 0.5%, Other than usingreferenceAn antireflection film was produced in the same manner as in Example 2.
[0122]
  (Comparative Example 1)
  referenceOnly the first coating agent composition in Example 2 was coated (applied) with a wire bar coater so that the film thickness was about 100 nm. And this was dried on 100 degreeC and the conditions for 1 hour, and was made to harden, and the antireflection film was manufactured.
[0123]
  (Comparative Example 2)
  referenceInstead of the hollow silica fine particles in Example 2, normal silica fine particles (those without cavities inside) methanol dispersion (solid content 30% by weight, average particle size 20 nm, manufactured by Nissan Chemical Co., Ltd., methanol silica sol) are used as silica fine particles. / Except for blending so that the silicone resin has a volume ratio of 90/10 in terms of condensed solids,referenceAn antireflection film was produced in the same manner as in Example 2.
[0124]
  referenceFor Examples 1 to 10 and Comparative Examples 1 and 2, the void ratio in the low refractive index layer (the ratio of the volume occupied by the voids in the hollow fine particles and the voids between the hollow fine particles) was determined, and the void ratio in the low refractive index layer was further determined. The filling rate of the second coating agent composition was determined. The results are shown in Table 1. The porosity in the low refractive index layer and the filling rate of the second coating agent composition were calculated from the area fraction using an FE-SEM observation image of the cross section of the low refractive index layer (antireflection film).
[0125]
  AndreferenceFor the antireflection films of Examples 1 to 10 and Comparative Examples 1 and 2, the reflectance, contact angle, oil pen wiping property, fingerprint wiping property, wear resistance (steel wool test), and adhesion (cross cut tape test) were evaluated. did. The results are shown in Table 2. Various physical property evaluation methods are shown below.
[0126]
(A) Optical characteristics
Reflectance measurement: The surface of the transparent resin film (the lowermost surface in FIG. 1) was rubbed with sandpaper, and after applying a matte black paint, the reflectance of one side at an incident angle of 5 ° of light with a wavelength of 550 nm was measured. . For this measurement, “U-3400” manufactured by Hitachi, Ltd. was used.
[0127]
(B) Antifouling property
(B) -1 Contact angle measurement: Using a contact angle meter [CA-X type: manufactured by Kyowa Interface Science Co., Ltd.], a droplet having a diameter of 1.8 μl is needled in a dry state (20 ° C.-65% RH). A droplet was made by making it first and bringing it into contact with the surface of the low refractive index layer. The contact angle is an angle formed by the solid surface and the tangent to the liquid surface at the point where the solid and the liquid are in contact with each other, and is defined as the angle containing the liquid. Distilled water was used as the liquid.
[0128]
(B) -2 Wipeability of oil-based pen: The oil-based pen attached to the surface of the antireflection film was wiped off with a cellulose nonwoven fabric [Bencot M-3: manufactured by Asahi Kasei Co., Ltd.], and the ease of removal was visually determined. . Judgment criteria are shown below.
[0129]
“◯”: The oil-based pen can be completely wiped off.
[0130]
"△": A trace of wiping off the oil pen remains.
[0131]
“×”: The oil-based pen cannot be wiped off.
[0132]
(B) -3 Fingerprint wiping property: The fingerprint adhering to the surface of the antireflection film was wiped off with a cellulose nonwoven fabric [Bencot M-3: manufactured by Asahi Kasei Co., Ltd.], and the ease of removal was visually determined. Judgment criteria are shown below.
[0133]
“◯”: The fingerprint can be completely wiped off.
[0134]
“Δ”: A fingerprint wiping trace remains.
[0135]
"X": The fingerprint wipe mark spreads and cannot be wiped off.
[0136]
(C) Mechanical strength
(C) -1 Abrasion resistance: The surface of the antireflection film is made of steel wool [Bonster # 0000: manufactured by Nippon Steel Wool Co., Ltd.] at 250 g / cm.2And 500 g / cm2Were rubbed 10 times and visually judged for the presence or absence of scratches (steel wool test). Judgment criteria are shown below.
[0137]
“◯”: The scratch cannot be confirmed.
[0138]
“Δ”: Several scratches can be confirmed.
[0139]
“×”: Many scratches can be confirmed.
[0140]
(C) -2 Adhesiveness: After the surface of the antireflection film was cut at 100 points of 1 mm square, the presence or absence of peeling with an adhesive cellophane tape [Nichiban Co., Ltd., industrial 24 mm width cello tape (registered trademark)] was visually determined. (Cross cut tape peel test).
[0141]
[Table 1]
Figure 0004378972
[0142]
[Table 2]
Figure 0004378972
[0143]
  As seen in Table 1,referenceIt is confirmed that all of Examples 1 to 10 have a high porosity in the low refractive index layer and a high filling rate of the second binder. Therefore,referenceThe antireflection films of Examples 1 to 10 are considered to be excellent in both antireflection performance and wear resistance characteristics. On the other hand, although the thing of the comparative example 1 has a low porosity in a low refractive index layer, the filling rate of a 2nd binder is low, and the thing of the comparative example 2 has a high filling rate of a 2nd binder, but a low refractive index layer It is confirmed that the internal porosity is low. That is, it is considered that the antireflection film of Comparative Example 1 has poor wear resistance, and the antireflection film of Comparative Example 2 has poor antireflection performance.
[0144]
  The above items were verified by various physical property tests as shown in Table 2. In addition, fluorine-containing compounds and silicone compounds were used.referenceIt was demonstrated that the antireflection films of Examples 3 and 6 to 8 were excellent in antifouling properties.
[0145]
That is, as a result of the study by the present inventors, the antireflection film invented has a very low refractive index, excellent wear resistance, no peeling of the low refractive index layer, and fingerprints on the surface of the low refractive index layer, It is possible to prevent dirt such as sebum, oil-based magic, cosmetics and the like from being attached, and even if attached, it can be easily wiped off. By using such an antireflection film, it is considered that light reflection on the display surface of an image display device or the like can be remarkably prevented.
[0146]
【The invention's effect】
  As described above, the antireflective film according to claim 1 of the present invention contains substantially spherical fine particles having one cavity therein, and the hollow fine particles are completely surrounded by the substantially spherical outer shell. Since the second binder is filled in the voids between the hollow fine particles in the low refractive index layer formed by bonding with one binder, the hollow fine particles having cavities therein are highly filled in the low refractive index layer. Therefore, it is possible to prevent reflection by sufficiently securing a low refractive index. Also, by filling the voids between the hollow fine particles with the second binder, the bonding between the hollow fine particles is reinforced to withstand the damage. Abrasion can be improved.
  Further, n kinds of hollow fine particles having average particle diameters of d1, d2,..., Dn (where d1> d2>...> Dn) are used in combination, and hollow fine particles having an average particle diameter of dk-1 are used. Hollow fine particles having an average particle diameter of dk are dk <0.5 × dk−1 (k =2˜n, 2 ≦ n), the hollow fine particles having the average particle diameter dk are filled in the gaps between the hollow fine particles having the average particle diameter dk−1, and the maximum volume fraction of the plural kinds of hollow fine particles is increased. To do.
[0147]
In the invention of claim 2, the hollow fine particles having a refractive index of 1.2 to 1.45 and an average particle diameter of 0.5 to 200 nm are used, and the hollow fine particles including the internal cavity have a low refractive index. Since the entire layer occupies 40 to 95% by volume, and the voids between the first binder, the second binder and the hollow fine particles occupy the remaining 60 to 5% by volume, the antireflection function by lowering the refractive index can be further enhanced. In addition, the wear resistance can be further improved.
[0148]
Further, in the invention of claim 3, cavities in the hollow fine particles and voids between the hollow fine particles occupy 10 to 60% by volume in the low refractive index layer, and the second binder is 40% by volume of the whole voids between the hollow fine particles. Therefore, the antireflection function by lowering the refractive index can be further enhanced, and the wear resistance can be further improved.
[0149]
In the invention of claim 4, since one or more kinds of hollow fine particles are used and at least one of them is a hollow silica sol, the effect of reducing the refractive index of the low refractive index layer can be further enhanced. Is.
[0151]
  And claims5In this invention, since the contact angle of the second binder to the low refractive index layer is 0 to 70 °, the second binder easily penetrates into the voids between the hollow fine particles in the low refractive index layer, and the antireflection film is densely formed. It can be manufactured as a thin film.
[0152]
  And claims6In the invention, since the first binder is made of a reactive organosilicon compound, the wettability and dispersibility with the hollow fine particles are improved.
[0153]
  And claims7In the invention, since the second binder is made of a reactive organosilicon compound, the wettability with the hollow fine particles is improved, and the second binder easily enters the voids between the hollow fine particles.
[0154]
  And claims8In the invention, since the molecular weight of the second binder is 100 to 5000, it is easy to enter the voids between the hollow fine particles in the low refractive index layer, and the antireflection film can be produced as a dense thin film. It is.
[0155]
  And claims9In the invention, since the second binder contains a curing catalyst, the condensation reaction is promoted to increase the crosslink density in the low refractive index layer, and the water resistance and alkali resistance of the low refractive index layer can be improved. It is.
[0156]
  Claim 10Since the second binder contains a fluorine-containing compound, the surface of the low refractive index layer can be protected from dirt, and even if dirt is attached, the dirt can be easily removed. Is.
[0157]
  Claim 11Since the second binder contains 0.1 to 50% by weight of the fluorine-containing compound, the antifouling property can be further improved.
[0158]
  Claim 12In the invention, since the second binder contains a silicone compound, the surface of the low refractive index layer can be protected from dirt, and even if dirt is attached, the dirt can be easily removed. It is.
[0159]
  Claim 13In the invention, since the second binder contains colloidal silica, the second coating agent composition is likely to enter the voids between the hollow fine particles in the low refractive index layer.
[0160]
  Claim 14In the invention, since the second binder contains fine particles having a refractive index of 1.2 to 1.45 and an average particle size of 0.5 to 100 nm, the voids between the hollow fine particles are easily filled, Thus, the wear resistance can be further improved, and the refractive index of the entire low refractive index layer can be further reduced while maintaining the wear resistance.
[0161]
  Claim 15Since the second binder contains a hollow silica sol, the wear resistance can be further improved and the refractive index of the entire low refractive index layer can be further reduced.
[0162]
  According to a sixteenth aspect of the present invention, there is provided a method for producing an antireflection film comprising substantially spherical fine particles having a single cavity therein, wherein the hollow particles are completely surrounded by a substantially spherical outer shell. After the first binder is applied to the surface of the transparent support and dried to form a low refractive index layer by bonding the hollow fine particles to each other with the first binder, the second binder is applied to the low refractive index layer. By applying, the second binder is filled in the voids between the hollow fine particles in the low refractive index layer, so that the hollow fine particles having cavities therein are highly filled in the low refractive index layer, thereby reducing the low refractive index. By sufficiently filling the gap between the hollow fine particles, the bonding between the hollow fine particles is reinforced to improve the wear resistance. It is what it is.
  Further, n kinds of hollow fine particles having average particle diameters of d1, d2,..., Dn (where d1> d2>...> Dn) are used in combination, and hollow fine particles having an average particle diameter of dk-1 are used. Hollow fine particles having an average particle diameter of dk are dk <0.5 × dk−1 (k =2˜n, 2 ≦ n), the hollow fine particles having the average particle diameter dk are filled in the gaps between the hollow fine particles having the average particle diameter dk−1, and the maximum volume fraction of the plural kinds of hollow fine particles is increased. To do.
[0163]
  Claim 1 of the present invention7The antireflection member according to claim 1 is the first aspect.5Since the antireflection film according to any one of the above is formed on one or both surfaces of the transparent support, it can be used for various applications as an antireflection film.
[0164]
  Claim 18In the invention, since the transparent support is a transparent resin film or a transparent resin plate, it can be used for various applications as an antireflection film.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a cross-sectional view of an antireflection member showing an example of an embodiment of the present invention.
FIG. 2 is a schematic cross-sectional view showing a low refractive index layer before applying a second coating agent composition.
FIG. 3 is a schematic cross-sectional view showing a low refractive index layer (antireflection film) after applying a second coating agent composition.
4 shows the electron micrograph of FIG. 2 (imaging magnification: 100,000 times). FIG.
5 shows the electron micrograph of FIG. 3 (imaging magnification: 100,000 times). FIG.
[Explanation of symbols]
1 cavity
2 Hollow fine particles
3 First binder
4 Low refractive index layer
5 gap
6 Second binder
7 Transparent support

Claims (18)

内部に一つの空洞を有する略球形の微粒子であって前記空洞が略球形の外殻によって完全に包囲されている中空微粒子を第1バインダーで相互に結合させることによって形成される低屈折率層内の中空微粒子間の空隙に第2バインダーを充填して成り、平均粒子径がそれぞれd1,d2,……,dn(ただし、d1>d2>……>dn)の中空微粒子をn種類混合して用いると共に、平均粒子径がdk−1の中空微粒子と平均粒子径がdkの中空微粒子とがdk<0.5×dk−1(k=〜n、2≦n)の関係を有することを特徴とする反射防止膜。In a low refractive index layer formed by bonding together hollow particles, each having a substantially spherical fine particle having a single cavity therein, the hollow particle being completely surrounded by a substantially spherical outer shell, with a first binder. The voids between the hollow fine particles are filled with a second binder, and n kinds of hollow fine particles having average particle diameters of d1, d2,..., Dn (d1>d2>...> dn) are mixed. In addition, the hollow fine particles having an average particle diameter of dk-1 and the hollow fine particles having an average particle diameter of dk have a relationship of dk <0.5 × dk−1 (k = 2 to n, 2 ≦ n). Anti-reflective film characterized. 中空微粒子として、屈折率が1.2〜1.45及び平均粒子径が0.5〜200nmのものを用い、この中空微粒子が内部の空洞も含めて低屈折率層全体の40〜95体積%を占めると共に、第1バインダー、第2バインダー及び中空微粒子間の空隙が残りの60〜5体積%を占めることを特徴とする請求項1に記載の反射防止膜。  As the hollow fine particles, those having a refractive index of 1.2 to 1.45 and an average particle diameter of 0.5 to 200 nm are used, and the hollow fine particles include 40 to 95% by volume of the entire low refractive index layer including the internal cavities. The antireflection film according to claim 1, wherein the space between the first binder, the second binder, and the hollow fine particles occupies the remaining 60 to 5% by volume. 中空微粒子内の空洞及び中空微粒子間の空隙が低屈折率層内の10〜60体積%を占め、かつ、第2バインダーが中空微粒子間の空隙全体の40体積%以上を占めることを特徴とする請求項1又は2に記載の反射防止膜。  The voids in the hollow fine particles and the voids between the hollow fine particles occupy 10 to 60% by volume in the low refractive index layer, and the second binder occupies 40% by volume or more of the entire voids between the hollow fine particles. The antireflection film according to claim 1 or 2. 中空微粒子として1種類以上のものを用いると共に、そのうち少なくとも1種類のものが中空シリカゾルであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の反射防止膜。  The antireflection film according to any one of claims 1 to 3, wherein one or more kinds of hollow fine particles are used, and at least one of them is a hollow silica sol. 低屈折率層に対する第2バインダーの接触角が0〜70°であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の反射防止膜。  The antireflection film according to any one of claims 1 to 4, wherein the contact angle of the second binder with respect to the low refractive index layer is 0 to 70 °. 第1バインダーが反応性有機珪素化合物からなるものであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の反射防止膜。  6. The antireflection film according to claim 1, wherein the first binder is made of a reactive organosilicon compound. 第2バインダーが反応性有機珪素化合物からなるものであることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の反射防止膜。  The antireflection film according to claim 1, wherein the second binder is made of a reactive organosilicon compound. 第2バインダーの分子量が100〜5000であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の反射防止膜。  The antireflective film according to any one of claims 1 to 7, wherein the second binder has a molecular weight of 100 to 5,000. 第2バインダーが硬化触媒を含有して成ることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の反射防止膜。  The antireflection film according to claim 1, wherein the second binder contains a curing catalyst. 第2バインダーが含フッ素化合物を含有して成ることを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の反射防止膜。  The antireflection film according to claim 1, wherein the second binder contains a fluorine-containing compound. 第2バインダーが含フッ素化合物を0.1〜50重量%含有して成ることを特徴とする請求項10に記載の反射防止膜。  The antireflection film according to claim 10, wherein the second binder contains 0.1 to 50% by weight of a fluorine-containing compound. 第2バインダーがシリコーン化合物を含有して成ることを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の反射防止膜。  The antireflection film according to claim 1, wherein the second binder contains a silicone compound. 第2バインダーがコロイダルシリカを含有して成ることを特徴とする請求項1乃至12のいずれかに記載の反射防止膜。  The antireflection film according to claim 1, wherein the second binder contains colloidal silica. 第2バインダーが、屈折率が1.2〜1.45及び平均粒子径が0.5〜100nmの微粒子を含有して成ることを特徴とする請求項1乃至13のいずれかに記載の反射防止膜。  The antireflection according to any one of claims 1 to 13, wherein the second binder contains fine particles having a refractive index of 1.2 to 1.45 and an average particle diameter of 0.5 to 100 nm. film. 第2バインダーが中空シリカゾルを含有して成ることを特徴とする請求項14に記載の反射防止膜。  The antireflection film according to claim 14, wherein the second binder contains a hollow silica sol. 内部に一つの空洞を有する略球形の微粒子であって前記空洞が略球形の外殻によって完全に包囲されている中空微粒子を含有する第1バインダーを透明支持体の表面に塗布し、これを乾燥させて中空微粒子を第1バインダーで相互に結合させることによって低屈折率層を形成した後に、この低屈折率層に第2バインダーを塗布することによって、低屈折率層内の中空微粒子間の空隙に第2バインダーを充填するものであり、平均粒子径がそれぞれd1,d2,……,dn(ただし、d1>d2>……>dn)の中空微粒子をn種類混合して用いると共に、平均粒子径がdk−1の中空微粒子と平均粒子径がdkの中空微粒子とがdk<0.5×dk−1(k=〜n、2≦n)の関係を有することを特徴とする反射防止膜の製造方法。A first binder containing hollow spherical fine particles having a single hollow inside, the hollow fine particles being completely surrounded by a substantially spherical outer shell, is applied to the surface of the transparent support and dried. After forming the low refractive index layer by bonding the hollow fine particles to each other with the first binder, the second binder is applied to the low refractive index layer, whereby the voids between the hollow fine particles in the low refractive index layer are formed. The second binder is filled with n hollow fine particles having average particle diameters of d1, d2,..., Dn (where d1>d2>. Antireflection, characterized in that hollow fine particles having a diameter of dk-1 and hollow fine particles having an average particle diameter of dk have a relationship of dk <0.5 × dk−1 (k = 2 to n, 2 ≦ n). A method for producing a membrane. 請求項1乃至15のいずれかに記載の反射防止膜を透明支持体の片面又は両面に形成して成ることを特徴とする反射防止部材。  An antireflection member comprising the antireflection film according to any one of claims 1 to 15 formed on one side or both sides of a transparent support. 透明支持体が透明樹脂フィルム又は透明樹脂板であることを特徴とする請求項17に記載の反射防止部材。  The antireflection member according to claim 17, wherein the transparent support is a transparent resin film or a transparent resin plate.
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