JP4354631B2 - 耳の後ろに取り付ける補聴器装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、耳の後ろに取り付ける補聴器装置に関し、特に外耳道を塞いでしまわない補聴器イヤーチップに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
今日まで補聴器は、様々な聴覚障害の程度を有する使用者の聴力を矯正するために開発されてきた。通常、聴覚障害は、可聴周波数領域の全てにわたって均一に生じるものではない。たとえば、高可聴周波数(おおよそ1,000Hz以上)の音に対する聴力損失は、ある共通の聴覚障害を有する人々に対してより顕著となる一方、低可聴周波数(おおよそ1,000Hz以下)の音に対する聴力損失は、また別の聴覚障害を有する人々に対してより顕著となっている。
【0003】
聴覚障害を有する人々の大多数は、低周波領域では正常あるいは正常に近い聴力を有する軽い聴力損失を有しかつ高周波領域で聴力損失を有する人達である。そのような軽度の聴力損失を有する人々にとって最も聞き取りにくい音は、低振幅高周波音(ソフトで甲高い音)である。
【0004】
聴覚障害を矯正するための伝統的方法は、耳の中に入れられた耳内(ITE)補聴器装置あるいは耳の後ろに取り付けられた耳背面(BTE)補聴器装置のいずれかが採用されていた。ITE補聴器装置は、使用者各個人の耳および外耳道内でぴったりと合うようにオーダーメイドされる。BTE補聴器装置は、耳の後ろの装置と耳内に配置されたイヤーモールドとを連結する可撓性プラスチックチューブを備えている。ITEおよびBTE補聴器装置はともに外耳道を塞いでしまう傾向にあり、ふつうの状態、すなわち装置をつけた状態では、音は直接耳に達することができないようになっている。
【0005】
外耳道のほとんどを完全に閉塞する補聴器装置は、閉鎖効果として知られる問題を生じる。閉鎖効果は、外耳道が閉塞されかつ耳の伝導が妨げられるときに生じた伝導によって高められた音の伝播により引き起こされる。この閉鎖効果により、使用者に聞こえる音は不自然で不快なものとなる。特に、使用者の声が普通よりも不自然に高く聞こえるのである。
【0006】
補聴器装置の中には、イヤーモールドに通気穴をあけて、閉鎖効果を部分的に減らしているものもある。これらの通気穴は、使用者の耳内に配置された装置を介して、いくらか自然な音が聞こえるようにしたものである。通気穴は閉鎖効果を減少させるという点では幾分向上したが、使用者自身の声がひずんでしまうという点は、問題点として残ったままである。
【0007】
前述した問題点をいくらか軽減するものとして、いくつかのBTE補聴器装置には可撓性チューブが設けられた。この可撓性チューブは、外耳道内に延びかつ通常妨げられていない外耳道にあるイヤーモールドにより外耳道内の正しい位置に保持される。これら装置の比較的開放された外耳道により閉鎖効果はいくらか抑えられるが、これらの補聴器は他のいくつかの重要な問題点を有している。たとえば、BTE補聴器は、BTE装置を耳の上に固定するのに剛性を有したプラスチック製のイヤーフックを備えている。このイヤーフックは、耳の後ろに配置された補聴器のケーシングと耳内に延びる可撓性プラスチックチューブを連結するものである。比較的大きくかつ堅いイヤーフックおよびイヤーフックと可撓性チューブとの連結部分は、目立ちかつ美観的に好ましくない。BTE補聴器構成部品は大きいサイズを有しかつ目立つので、体裁をよくするという点では問題のある装置である。
【0008】
可撓性チューブは、特定の使用者のために適切な長さに切って使用することができる。外耳道内に可撓性の補聴器チューブの端部を固定するイヤーモールドは、外耳道内の正しい位置に補聴器チューブを十分に固定し、かつ使用者がジョギングを行った場合にもイヤーモールドが耳から落ちないようにするため、使用者の耳にぴったり合うようにオーダーメイドで作らなければならない。オーダーメイドのイヤーモールドは、装置のコストおよび補聴器を合わせるのにかかる時間を増加させてしまう。
【0009】
補聴器が試験される試用期間中、あるいはイヤーモールドが作られる間に通常使用されるいくつかの外耳道イヤーチップの在庫品がある。これら外耳道イヤーチップ在庫品は、堅い材料で作られたり、硬質ゴムで作られたり、発泡材で作られている。現在、使用できる外耳道イヤーチップの在庫品は、可撓性補聴器チューブの端部を正確な位置に確実に保持するのに問題がある。これら外耳道イヤーチップの在庫品が、耳内にチューブを十分保持するようにぴったりはめられたとき、使用者は通常不快感を感じる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、閉鎖効果を避けるBTE補聴器が有する上記問題点を解決し、高価なオーダーメイドイヤーモールドを用いずに使用でき、美観および快適さを有する装置を提供することが望まれている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、耳の後ろに配置された補聴器ケースと、この補聴器ケースから外耳道に音を伝達する予め成形されたチューブと、を有する補聴器装置に関するものである。予め成形されたチューブとイヤーチップとの組み合わせにより、特別注文で作られたイヤーモールドやイヤーフックを使用することなく、快適かつ確実に補聴器が正しい位置に保持される。
【0012】
本発明の一実施形態によれば、補聴器装置は、補聴器ケース、この補聴器ケースに連結されるよう予め成形された形を有するチューブ、およびイヤーチップを備えている。補聴器ケースは、使用者の耳の後ろにつけられるように形成されかつマイクロホン、演算処理装置、およびケースの出力コネクタに増幅された音を送出するためのスピーカーを備えている。チューブは、ケースの出力コネクタに取り付けられる第1の端部およびイヤーチップに取り付けられる第2の端部を有している。チューブの予め成形された形は、使用者の耳の頂部にわたってケースから延びる第1ベント部および耳の外側から使用者の外耳道内に延びる第2ベント部を備えている。イヤーチップは、外耳道内にぴったり合うように形成される一方、外の音が自身周囲の外耳道を通って耳内に入るように形成されている。
【0013】
本発明の他の実施形態によれば、耳の後ろの補聴器のケースをイヤーチップと連結する補聴器チューブは、約0.9mm以下の内径および約1.6mm以下の外径を有している。このチューブは、好適には65〜85ショアDの硬さを有する材料からなる。
【0014】
本発明の別の実施形態によれば、補聴器ケースは、使用者の耳の後ろにつけられるよう形成されたケース本体、ケース内に形成された電池室、およびケース本体から使用者の外耳道に増幅された音を送出するための補聴器チューブとケース本体とを連結するチューブ取付端部を備えている。ケース本体は、マイクロホン、演算処理装置、およびスピーカーを備えている。チューブ取付端部は、補聴器チューブの端部と当接する端面と、この端面から延設されかつ補聴器チューブの端部に受け入れられるように形成されており、ケース本体の長手軸線に沿った縦軸線を有するニップルと、補聴器チューブの側面と接する側面と、ニップルの縦軸線と実質的に平行な方向に、側面に沿って延在するキーと、を備えている。このキーは、補聴器チューブがケース本体に接続されるとき、ケース本体と補聴器チューブとの適切な位置関係を維持するよう配置されている。
【0015】
本発明のさらに別の実施形態によれば、組立式補聴器のための組立用部品一式は、複数のチューブと、これらチューブの外耳道端部に接続され、かつ外耳道内にぴったり合うように形成される一方、音が自身周囲の外耳道を通過するように形成された複数のイヤーチップと、複数のチューブと連結される異なる音響処理装置を備える複数の耳の後ろにつける補聴器ケースと、を備えている。複数のチューブはそれぞれ、補聴器ケースから使用者の耳の頂部にわたって延びるフック部、耳の頂部から外耳道に延びるラン部、および使用者の外耳道内に延びる外耳道端部を備える予め定められた形を有している。複数のチューブは、それぞれ異なるラン長さあるいは外耳道端部長さを有している。
【0016】
本発明のさらに別の実施形態によれば、耳の後ろにつける補聴器のための組立用部品一式は、増幅器を収容する補聴器ハウジングと、使用者の外耳道内にぴったり合うように形成される一方、音が自身周囲の外耳道を通過するように形成されたイヤーチップと、補聴器ハウジングと連結されるよう形成された第1の端部およびイヤーチップ内に挿入されるよう形成された第2の端部を有する補聴器チューブと、補聴器チューブの第2の端部を外耳道イヤーチップ内に挿入するための挿入具と、を備えている。この挿入具は、第2の端部近傍の補聴器チューブの一部を受け入れるよう形成された細長いリセスを有する細長いホルダである。
【0017】
本発明のさらに別の実施形態によれば、補聴器装置は、人間の外耳道内に挿入されかつ前記外耳道の解剖学的構造と合致するよう適合されたイヤーチップと、音源と接続されるよう適合された第1の端部およびイヤーチップと接続されるよう適合された第2の端部を有するチューブと、を備えている。このチューブは、耳に掛かる部分および外耳道内に延びる部分を有するように形成されている。チューブはまた、耳に掛けたときに外耳道内にイヤーチップを位置決めかつ保持するのに十分な剛性を有するものである。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明を添付した図面に示した好ましい実施形態に基づいてより詳細に説明する。なお、同様の部材には同様の符号を付している。
【0019】
本発明による補聴器装置は、使用者の耳の後ろに位置するように構成される補聴器ケース10と、このケースから使用者の外耳道に音を伝えるためのチューブ12と、使用者の外耳道内にチューブの端を固定するためのイヤーチップ14と、を備えている。チューブ12は、使用者の耳の適切な位置に補聴器を取り付けるのに十分な剛性を有する材料により予め定められた形で形成されている。イヤーチップ14は、図10〜図21および図23〜図29に示すいくつかの異なる形のもののうちいずれのものであっても良い。イヤーチップ14は、チューブ12の一端に取り付けられ、高価なオーダーメイドによる耳孔成型を行わずに快適かつ適切に外耳道内に位置させるためのものである。
【0020】
この装置は、不快感があり、特に目立ち、かつ高価な従来の装置の代わりとして、使用者らが心地よく感じる聴覚障害に加減するのに特に有用になるように構成されている。軽量小型のケース10、剛性および定形を有するチューブ12、および外耳道内にチューブを固定するという特徴を有するイヤーチップ14の組み合わせは、美的に好ましくないイヤーフックの使用や高価で大型のオーダーメイドによるイヤーモールドを用いずに適切かつ確実に使用者の耳に保持される装置を実現するものである。
【0021】
チューブ12は、補聴器ケース10に取り付けられるように形成された第1の端部16と、イヤーチップ14内に挿入されるように形成された第2の端部18とを有している。チューブ12は、図1〜図5に示す定形を有している。チューブ12は、第1の端部16近傍にフック部20を備えている。フック部20は、耳の後ろに位置したケース10から耳と頭の付け根にわたって延設されている。チューブのフック部20は、実質的に図4に示すような曲線を有している。チューブは、フック部20からチューブが外耳道に入るように曲げられている場所まで曲線を描き続ける。チューブが外耳道に入るように曲げられた箇所の直前部には逆曲げ部が設けられ、この逆曲げ部によってチューブが耳輪脚および耳珠を通ったカーブを描くようになっている。チューブ12の下側曲げ部24は、耳の外側から外耳道内に延びる。下側曲げ部24は実質的に、イヤーフック部20を含む平面に対してほぼ垂直な平面内に位置される。
【0022】
フック部20の頂部と、チューブが外耳道に入るように曲げられるチューブ12の下端との間の距離は、“ラン(run)”と呼ばれ、ラン長さLを有している。チューブが外耳道にはいるように曲げられる点と、チューブの第2の端部18との間の距離は、その長さがLで表される“ダック(duck)”と呼ばれるものである。適切なラン長さLおよびその長さがLで表されるダックは、使用者間でわずかに異なる。よって、同じ一般的曲率を有するチューブ12は、二種類以上のラン長さLと二種類以上の長さLであるダックを準備しておくことによって、異なる使用者に対応して異なるサイズを提供できるようにしておくことが望ましい。本発明の好ましい実施形態によれば、ラン長さLは約3.0〜3.45cmとし、長さLであるダックは約1.4〜1.7cmとすることができる。
【0023】
チューブ12は、熱成形あるいは紫外線光成形等の周知の予備成形工程によって上述した形に形成される。チューブは、チューブの第1の端部16で連結部材28を固定し、かつチューブの第2の端部18で蜂蜜すくいのような形をした部材30を固定することによって形成されるのが望ましい。図7〜図9に示す連結部材28および蜂蜜すくいのような形をした部材30は、これらの端部連結部材を形成する型枠内にチューブを置くことによって、チューブ12上に肉盛り成形されるのが望ましい。あるいは、最初に連結部材28および蜂蜜すくいのような形をした部材30を成形し、その後それらをチューブ12に取り付けるようにすることもできる。チューブ12の両端に連結部材を成形した後、成形ワイヤをチューブ内に配置し、これによりチューブを所望の形に曲げることができる。チューブ12を所望の形に曲げたまま加熱し、その後チューブが冷えてワイヤが抜かれるまで保持する。一例として、ピーバックス(PeBax)チューブは約120℃で成形する。
【0024】
本発明の補聴器チューブ12の形状記憶特性を向上させる一つの方法は、チューブを所望の形に形成しかつその形のままで加熱した後に、チューブの電子ビーム放射作用によって行うものである。電子ビームによって確立した架橋は、チューブに、熱に直面したりあるいは長期間使用による変形に対してさえも要求された形の永久的な形状記憶を与えることができる。
【0025】
チューブ12は、外径約1.0〜1.6mmで形成され、好ましくは約1.2mmでありかつ内径約0.5〜0.9mmで形成され、好ましくは約0.7mmである。これは、外径約3.0mmを有する周知の補聴器に使用される可撓性チューブよりも実質的に小さいものである。本発明のチューブの約二倍の太さを有する周知のチューブは非常に目立ってしまう。内管直径とチューブの音響レベル出力との間には相反関係があるが、約0.5mmの内管直径を有するチューブは、心地よさに重きを置いて作られた補聴器として十分な音響レベル出力を備えかつ使用者への聴覚障害を和らげることがわかった。
【0026】
チューブ12の材料は、予め定められた形で形成することができる材料で、外耳道内でイヤーチップ14を保持するのに十分な剛性を有し、耳に取り付けられたときにその形を維持している。チューブ材料の例として、FEPテフロン、ナイロン、PEBAX、シリコーン、ポリウレタン、PTFE(polytetrafluoroethylene)、EVA(ethylvinylacetate)等が挙げられる。チューブ12の材料は、約65〜85のショアD硬さ、好ましくは約72のショアD硬さを有する。チューブ12の相対的な剛性は、イヤーチップを外耳道内で解剖学上の特徴点に押しつけられる位置に維持させるために、チューブがイヤーチップ14にトルクを与えるようにするためのものである。チューブ12でイヤーチップ14にトルクを与えることには、周知のBTE補聴器に使用されている可撓性チューブを越える実質的改良点が備わっている。周知のBTE補聴器では、耳成形体が耳の中でチューブの端部に固定されなければならずかつそのチューブには補聴器装置を保持あるいは支持する力は備わっていなかった。
【0027】
図30は、本発明によるチューブの可撓性を従来のチューブと比較するのに使用した試験体の概略図である。試験した本発明のチューブは、内径0.7mm、外径1.2mm、および硬さ72ショアDを有するPEBAXチューブである。また、試験した従来のチューブは、内径1.9mm、外径3.0mmを有し、ポリ塩化ビニール(PVC)から形成したものである。チューブの1インチ(2.54cm)片について、従来のチューブと本発明のチューブの両方に対して試験を行った。
【0028】
図31に示したように、標準ポリ塩化ビニールでできた可撓性チューブの1インチ片を0.1インチ(2.54mm)湾曲させるのに必要な力は、本発明のより堅固なチューブを湾曲させるのに必要な力よりも小さい。改善されたチューブは従来より細くなっているが、それ故に実質的により見栄えが良いという点で人々の興味を引き、また実質的により剛性を有しているものである。図31に示したように、改善されたチューブを撓ませるのに必要な力は約1.4〜2.1gであり、これは従来の補聴器チューブを撓ませるのに必要な力の二倍から三倍となっている。
【0029】
図5および図6に示した補聴器ケース10は、使用者の耳の後ろにはまりこむ大きさに形成されている。ケース10は、湾曲した下端部34およびチューブの連結部材28と連結される取付端部32を有する。ケースの全長は約2.5cm以下であり、約3.05〜4.3cmの全長を有する標準BTE装置よりも小さいものとなっている。本発明による補聴器ケース10の一例として、おおよそ2.16cm×0.81cm×0.61cmの寸法のものが挙げられる。通常、補聴器ケース10は電子機器および電池を備えており、周知のBTE装置では約2.7〜4.4gの重量を有していたのに対して本発明のものでは約1.25gの重量を有するものとなっている。ケース10が小型化軽量されることにより、周知のBTE装置で使用されている堅くて見栄えが悪いイヤーフックおよび高価なイヤーチップを使用することなく、ケースは予め成形された極小さいチューブ12によって耳の後ろに保持され得る。ケース10の取付端部32にはマイクロホン42が設けられ、ケース10の下端部34には電池室用ドア52が設けられている。
【0030】
ケース10の取付端部32にはニップル36が設けられており、このニップル36を介して、ケース内側のスピーカーからチューブ12内に音が伝達される。ニップル36には、チューブの連結部材28をニップル上に止めるために、環状の保持リング38が設けられている。また、取付端部には、連結部材28に形成されたキー溝46と合致する矩形のキー部材40が設けられている。これらのものは、チューブがケースに取り付けられた際、ケース10とチューブ12との適切な位置関係が確実なものとなるようにするものである。
【0031】
ケース10は、マイクロホン、演算処理装置、およびチューブ12に増幅された音を伝達するためのスピーカーを備える電子機器を収容している。音響増幅装置の一例として圧縮機を備えたものがある。この圧縮機は検出した振幅レベルの関数としてゲインを調整するものであり、1997年1月10日に出願された米国特許出願第 08/781,714 号明細書に記載され、かつこの文献の内容はここに引用することにより本願明細書に組み入れられる。本発明によれば、多重補聴器ケースには、異なる聴覚障害を有する使用者に使用され得るように異なる周波数応答を有する演算処理装置を備えられることが可能である。さらに、このケースは、美観目的あるいは色分け目的のために多種類の色を用意されることが可能である。
【0032】
連結部材28および蜂蜜すくいのような形をした部材30を図7から図9にさらに詳しく図示した。連結部材28には、ケース10のニップル36を受け入れる内腔44が設けられている。内腔44には、ニップルに形成された保持リング38と合致する内部溝が設けられ、これらによりスナップはめあいが与えられている。また、連結部材28には、ケースのキー40を受け入れるように形成されたキー溝46が設けられ、チューブ10がケースに取り付けられるとき、チューブとケースの位置関係が適切なものとなる。
【0033】
蜂蜜すくいのような形をした部材30は、3つの環状リブ48を有する円筒状の部材である。リブ48は、それぞれ角度あるいはテーパのつけられた前面部50を有しており、この前面部50は、蜂蜜すくいのような形をした部材30をイヤーチップ14に簡単に挿入できるようにするものである。連結部材28および蜂蜜すくいのような形をした部材30は、保持リング38を受け入れるのに十分な可撓性を有するが一度正しい位置に設置されたチューブを確実に保持するのに十分な剛性を有する材料から形成されるのが望ましい。約25〜60ショアDの硬さ、好ましくは約40ショアDの硬さを有する材料が、所望の可撓性を有している。
【0034】
図9Aは、蜂蜜すくいのような形をした部材30aを備えたチューブの別の実施形態を示す側断面図である。蜂蜜すくいのような形をした部材30aは、チューブ12の第2の端部上に延びる延長されたスリーブ90を備えている。スリーブ90は、蜂蜜すくいのような形をした部材30aのリブ48から少し離れた位置に拡張された円筒形の肩部92を有している。スリーブ90は、以下のような多くの機能を備えている。(1)イヤーチップ14を取り付けたり、外耳道内にチューブを挿入するのをより簡単にするためにチューブ12を硬化させる機能。(2)チューブ12上の正しい位置にイヤーチップ14が配置されているかどうかを示す視覚示度機能。(3)イヤーチップを取り付ける時に把持するための把持面機能。(4)外耳道内にイヤーチップを押し込むのに指が掛けられる把持面機能。
【0035】
肩部92は、イヤーチップがチューブ12上に完全に取り付けられたときにイヤーチップ14の一端と当接する第1面94を有している。チューブ12上のイヤーチップ14の適切な位置の視覚および触覚示度は、使用者を的確な取付状態へ導くのである。イヤーチップ14の取り付けが不適切であると、イヤーチップが外耳道内でチューブ12から外れてしまうおそれが生ずる。
【0036】
肩部92はまた、第1面94と反対側に第2面96を有している。この第2面96は、イヤーチップ14を取り付ける際に使用者が把持する部分でありかつ使用者の指先あるいは指の爪を掛けて耳の中にイヤーチップとチューブを押し込めるようにしたものである。
【0037】
スリーブ90は、チューブ12に沿って約1.2〜1.5cm、好ましくは約1.27cmの距離で延設されている。この距離は通常、チューブのダック長さLと同じかそれよりも短い。スリーブ90は、美観を保つためにチューブ12と同じかあるいは同様の材料および色から形成されるのが望ましい。しかしながら、使用中、スリーブ90は通常、耳と外耳道内で隠れてしまう。
【0038】
蜂蜜すくいのような形をした部材30,30aあるいはチューブ12と連結されるイヤーチップ14を、図10〜図21および図23〜図29に基づいて説明する。
【0039】
つぼみ型の補聴器イヤーチップ14aを図10および図11に示す。つぼみ型イヤーチップ14aは、音響を伝達するための貫通孔と、チューブ12の蜂蜜すくいのような形をした端部30を受け入れることができるように形成された内側ソケットと、を有する円すい形状部材である。図11に示したように、つぼみ型イヤーチップ14aは、外耳道の天井あるいは上面下に引っかかることによって機能するものである。チューブ12の剛性がつぼみ型イヤーチップ14aをこの位置に保持する。このつぼみ型イヤーチップ14aは特に、上方に傾斜する外耳道あるいは外耳道の天井部面積の狭い使用者に適している。つぼみ型イヤーチップは、このような外耳道内で非常にうまく機能する。本発明の一実施の形態によるつぼみ型イヤーチップは、全長約6.3mmおよび最も幅広の部分で直径約5.6mmを有している。
【0040】
図12〜図15は、中心コア56と、この中心コアから延びる3つの花びら型部材58と、を備える花型イヤーチップ14bを示すものである。各花びら型部材58は、実質的に楕円形状端部60を有している。ほとんどの人々は、外耳道内に第1湾曲部Bを有している。第1湾曲部Bは、一つ以上の花びら型部材58が湾曲部背面に延びかつ湾曲部背面に延びる外耳道内で花型イヤーチップ14bの形を保持するようにして外耳道内の位置を保持させている。図15に示したように、手前側の花びら型部材58aは、奥側の花びら型部材58bを第1湾曲部Bの背面に維持させるわずかな力を与えるものである。花型イヤーチップ14bの外耳道奥側に位置する端部表面には、貫通孔62から半径方向外側に延びる複数のグルーブ54を形成することができる。これら複数のグルーブ54は、イヤーチップを出る音のためにより大きい表面積を有した方がいいが、耳垢の進入を防ぐには表面積を小さくしなければならない。グルーブ54はまた、耳垢が入った場合には貫通孔62から簡単に耳垢を取り除くことができるようにしておかなければならない。
【0041】
図14は、貫通孔62およびチューブ12の蜂蜜すくいのような形をした部材30を受け入れる内側ソケット64を示す花型イヤーチップ14bの断面図である。内側ソケット64は、蜂蜜すくいのような形をした部材30の複数のリブ48を収容するように内部円形グルーブ66で形成されている。
【0042】
花型イヤーチップの別の形態として、図16に示す膜状花型イヤーチップ14cがある。この膜状花型イヤーチップにおいて、花びら型部材58はイヤーチップと同じ材料からなる薄い膜68によって連結されている。膜状花型イヤーチップ14cは、閉塞性を増加させることにより、外耳道を介して通過する周囲の音を減らすことができる。膜状花型イヤーチップ14cによって得られた閉塞性の増加により、いくらかの使用者に対して1〜2kHz周波数範囲でゲインを増加させたりフィードバック振動の発生を減らすことができる。また、膜状花型イヤーチップ14cは、膜68と外耳道表面とが接触することによって保持力が高められている。膜状花型イヤーチップ14cおよび花型イヤーチップ14bは、全長約6.8mmおよびコアの中心から花びら型部材の先端までの長さを約5.4mmとすることができる。
【0043】
イヤーチップの第4実施形態は、図17〜図19に示す、中央本体部72およびテール部74を備えるグッピー(guppie)型イヤーチップ14dである。図18の平面図に示したように、テール部74は丸みのつけられた花びら型部材である。テール部74は、使用者の外耳道内で保持力を備えるため、図19に示す外耳道の耳珠Tの背面に引っかけられるものである。テール部74は、耳珠Tの下面を軽く押さえつけるように柔らかいスプーン状の表面を有している。ここでも、チューブ12の剛性が、グッピー型イヤーチップを外耳道内の適切に方向決めおよび位置決めされた場所に維持させている。
【0044】
イヤーチップの第5実施形態は、図20および図21に示す、中央本体部78および中央本体部から延設された突起80を備える突起型イヤーチップ14eである。突起型イヤーチップ14eは、グッピー型イヤーチップ14dより閉塞性わずかに劣り、またグッピー型イヤーチップと実質的に同じ方法で取り扱われる。一実施形態によるグッピー型あるいは突起型イヤーチップは、全長約14.0mmおよび最も幅広の部分で直径約5.6mmを有している。しかしながら、上述した寸法は、使用することができるイヤーチップ寸法のごくまれな例である。
【0045】
イヤーチップのさらなる実施形態は、図23〜図27に示す、つぼみ型コア100およびつぼみ型コアのほぼ中央からはじまって延設されたスカート部102を備えるドーム型イヤーチップ14fである。このドーム型イヤーチップ14fは、蜂蜜すくいのような形をした部材30,30aを受け入れることができるように形成された内側ソケット104と、音響を伝達するための貫通孔106と、を有している。U字型グルーブ108aは、コア100を横切って延びかつ貫通孔106と交差している。U字型グルーブ108aおよび第2グルーブ108bは、イヤーチップ14fから出る音が通過する横断面積を増加させており、またU字型グルーブ108aおよび第2グルーブ108bには、スカート部102の下方にイヤーチップを通過する4つの通気穴109が設けられている。これらの通気穴109によって、音がイヤーチップを通過できるようになっている。これら通気穴は、閉鎖形のイヤーチップでは省略することもできる。
【0046】
ドーム型イヤーチップ14fはまた、一体に形成され橋型部材の形態を有する耳垢ガード110を備えている。この耳垢ガードは、U字型グルーブ108aと実質的に直交して延びている。耳垢ガード110は、貫通孔106内に耳垢が直接は入り込まないよう、障壁としての役目をするアーチ型部材である。ドーム型イヤーチップ14fは、耳垢ガード110を設けることが望ましいが、耳垢ガードを設けない形態とすることもでき、また図28および図29に示した耳垢フラップを設けたり、従来周知の耳垢ガードを設けることもできる。
【0047】
ドーム型イヤーチップ14fは、スカート部102の大きさを変えて異なるサイズのものを提供することができる。外耳道内の耳珠の下あるいは第1湾曲部の周辺に引っかかるスカート部102を備えたイヤーチップ14fは、グッピー型イヤーチップ14dあるいは花型イヤーチップ14bと同様の機能を果たすことができるものである。
【0048】
図28および図29に示したイヤーチップの最後の実施形態は、耳垢フラップ112を有するつぼみ型イヤーチップ14gである。イヤーチップ14gは、イヤーチップの音声送出孔が中心に位置されT字型を形成する3つのグルーブ114を備えている。耳垢フラップ112は、音声送出孔の上方にわたって延設しかつイヤーチップを閉塞してしまうかもしれない耳垢が音声送出孔内に直接入るのを防止している。フラップ112は、イヤーチップ14gを挿入する時には押されて下がるがその後元の位置に戻ろうとする可撓性を有するものである。音は、フラップが押し下げられた状態であってもイヤーチップのグルーブ114を介してフラップ112の周辺に送出可能となる。耳垢フラップ112あるいは耳垢ガード110は、耳垢による音の遮断を防止することによって補聴器装置の働きを向上させようとする上述のイヤーチップ14のいずれとでも組み合わせることが可能である。
【0049】
多くの異なるイヤーチップが用意されているのは、使用者一人一人で外耳道の形や感じ方が異なるからである。たとえば、外耳道内の第1湾曲部背面領域にかけられる圧力に対して非常に敏感な人たちがいる。このような人たちには、第1湾曲部背面領域に接触することのないグッピー型イヤーチップ14dが最も心地よく感じることができるであろう。さらに、イヤーチップは、使用者らの解剖学的構造における相違を許容するため、異なるサイズのものを用意することが可能である。
【0050】
イヤーチップ14は、目立たない透明あるいは暗い色の弾性材料から形成される。イヤーチップ材料は、シリコーンゴムあるいは他の軟質プラスチックのような軟質エラストマーとすることができる。イヤーチップ材料は、約30ショアAの硬さを有することが望ましい。一方、イヤーチップ14は、発砲材料から形成することができる。特に、発泡性イヤーチップは、高ゲインを必要とする使用者に外耳道の十分な閉鎖性を与えるのに使用できるものである。従来、他のイヤーチップでは、十分な管の閉鎖性を得ることができなかったのである。
【0051】
図22は、チューブ12の蜂蜜すくいのような形をした部材30を挿入具84を使って花型イヤーチップ14bに差し込む状態を示す図である。チューブ12およびイヤーチップ14の両方のサイズが小さく、かつイヤーチップに弾性力があるため、補聴器を組み立てる際にチューブをイヤーチップに手で差し込むことは、いくらかの人々にとって難しい作業となるかもしれない。挿入具84は、一端面88から自身の長手方向に沿って延設される縦スリット86を有する細長い棒状部材である。スリット86は、丸みのつけられた底面を有しかつ蜂蜜すくいのような形をした部材30近傍のチューブ12の一部を収容できる大きさに形成されている。挿入具84は、挿入具の一端面88が蜂蜜すくいのような形をした部材30に当接するまで、棒状部材の縦スリット86内にチューブの一部を位置させることによって、チューブ12をイヤーチップ14に差し込むのを補助するものである。イヤーチップ14の取付作業中、挿入具とチューブが互いに作用し合って、チューブ12は挿入具84によって固定されている。
【0052】
上述した補聴器装置は、使用者への快適さと美観という点において、周知の装置を超越する十分な利点を備えるものである。軽量ケース10、比較的剛性がありかつより細いチューブ12、および快適なイヤーチップ14の組み合わせが、確実かつ快適なフィットを提供している。小さくて目立たず予め成形されたチューブ12は、従来の装置で使用されたイヤーフックおよびチューブの組み合わせとは実質的により異なるものである。
【0053】
本発明は、好ましい実施の形態に基づいて詳細に述べたが、本発明から逸脱することなく、種々の変形および変更実施が可能であることは当業者には明らかなことである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による右耳用の耳背面補聴器の分解斜視図である。
【図2】 図1の補聴器の背面斜視図である。
【図3】 補聴器チューブおよびイヤーチップの側面図である。
【図4】 補聴器チューブおよびイヤーチップの正面図である。
【図5】 使用者の右耳につけられた図1の補聴器の側面図である。
【図6】 補聴器ケースの側面図である。
【図7】 補聴器ケースに連結される補聴器チューブ連結部の端面図である。
【図8】 補聴器チューブ端部コネクタの側面図である。
【図9】 補聴器チューブ端部コネクタの平面図、および補聴器チューブ端部コネクタの他の実施形態の断面図である。
【図10】 つぼみ型イヤーチップの側面図である。
【図11】 正しい位置にチューブの端部を固定するつぼみ型イヤーチップを備えた右耳を正面から見る外耳道の断面図である。
【図12】 花型イヤーチップの斜視図である。
【図13】 花型イヤーチップの端面図である。
【図14】 花型イヤーチップおよびチューブの端部コネクタの側断面図である。
【図15】 正しい位置にチューブの端部を固定する花型イヤーチップを備えた左耳を上から下に向かって見る外耳道の断面図である。
【図16】 薄膜を備えた花型イヤーチップの斜視図である。
【図17】 グッピー型イヤーチップの側面図である。
【図18】 グッピー型イヤーチップの平面図である。
【図19】 正しい位置にチューブの端部を固定するグッピー型イヤーチップを備えた左耳を上から下に向かって見る外耳道の断面図である。
【図20】 突起型イヤーチップの側面図である。
【図21】 突起型イヤーチップの平面図である。
【図22】 挿入具、補聴器チューブ、および花型イヤーチップの分解図である。
【図23】 ドーム型イヤーチップの側面図である。
【図24】 ドーム型イヤーチップの正面図である。
【図25】 ドーム型イヤーチップの別の側面図である。
【図26】 図24および図25のA−A線に沿って描かれたドーム型イヤーチップの断面図である。
【図27】 ドーム型イヤーチップの背面図である。
【図28】 耳垢ガードを備えるつぼみ型チップの別の実施形態の側面図である。
【図29】 図28のつぼみ型チップの正面図である。
【図30】 チューブのベンディングテストを行うためにチューブを設置した状態を示す側面図である。
【図31】 本発明によるチューブと従来の補聴器チューブとを比較するチューブのベンディングテストの結果を示すグラフである。
【符号の説明】
10 補聴器ケース
12 チューブ
14 イヤーチップ
14a つぼみ型イヤーチップ
14b 花型イヤーチップ
14c 膜状花型イヤーチップ
14d グッピー型イヤーチップ
14e 突起型イヤーチップ
14f ドーム型イヤーチップ
14g フラップ付きイヤーチップ
16 第1の端部
18 第2の端部
20 フック部
24 下側曲げ部
28 連結部材
32 取付端部
36 ニップル
38 保持リング
40 キー
42 マイクロホン
44 内腔
46 キー溝
56 中心コア
58 花びら型部材
58a 花びら型部材
58b 花びら型部材
62 貫通孔
68 薄膜
84 挿入具
86 縦スリット
88 一端面
100 コア
102 スカート部
109 通気穴
110 耳垢ガード
112 フラップ
B 第1湾曲部
ラン長さ
ダック長さ
T 耳珠

Claims (18)

  1. 補聴器装置であって、
    使用者の耳の後ろにつけられるよう形成され、マイクロホン、演算処理装置、および自身の出力コネクタに増幅された音を送出するためのスピーカー、を備える補聴器ケースと、
    前記ケースの前記出力コネクタに取り付けるための第1の端部、および第2の端部を有し、前記ケースから使用者の耳の上にわたって延在する第1ベント部および耳の外側から使用者の外耳道内に延在する第2ベント部を有するチューブと、
    前記チューブの第2の端部に接続され、かつ外耳道内にぴったり合うように形成された保持部を備え、該保持部は、外の音がイヤーチップを通り抜けることなしに自身周囲の外耳道を通って耳内に入るように外耳道内に部分的に接触するよう構成されたイヤーチップと、を備えることを特徴とする補聴器装置。
  2. 前記チューブは、前記外耳道イヤーチップを外耳道内に保持しかつ前記ケースを耳の後ろに保持するのに十分な剛性を有することを特徴とする請求項1に記載の補聴器装置。
  3. 前記第1ベント部は実質的に第1平面に配置され、かつ前記第2ベント部は実質的に第2平面に配置されており、該第2平面は前記第1平面にほぼ垂直となっていることを特徴とする請求項1に記載の補聴器装置。
  4. 前記チューブは、約65〜85ショアDの硬さを有する材料から形成されていることを特徴とする請求項1に記載の補聴器装置。
  5. 前記チューブは、約0.9mm以下の内径および約1.6mm以下の外径を有することを特徴とする請求項1に記載の補聴器装置。
  6. 前記補聴器ケースは、電池を含めた重量が1.5g以下であることを特徴とする請求項1に記載の補聴器装置。
  7. 前記ケースは、前記スピーカーから使用者の外耳道に増幅された音を送出するための前記チューブとを連結するためのチューブ取付端部を備え、
    前記チューブ取付端部は、前記チューブの第1端部と当接する端面と、
    前記端面から延設されかつ前記チューブの端部に受け入れられるように形成されており、前記ケースの長手軸線に沿った縦軸線を有するニップルと、
    前記チューブの側面と接する側面と、
    前記ニップルの前記縦軸線と実質的に平行な方向に、前記側面に沿って延在し、前記チューブが前記ケースに接続されるとき、前記ケースと前記チューブとの適切な位置関係を維持するために設けられたキーと、を備えることを特徴とする請求項1に記載の補聴器装置。
  8. 前記チューブの第1端部は、前記ケースのキーを受け入れるように形成されたキー溝および前記ケースのニップルを受け入れるための開口部を有する連結部材を備えていることを特徴とする請求項7に記載の補聴器装置。
  9. 組立式補聴器のための組立用部品一式であって、
    補聴器ケースから使用者の耳の頂部にわたって延びるフック部;前記耳の頂部から外耳道に延びるラン部;および使用者の外耳道内に延びる外耳道端部;を備え、それぞれが異なるラン長さあるいは外耳道端部長さを有した所定形状の複数のチューブと、
    複数のイヤーチップであって、これらチューブの前記外耳道端部に接続され、かつ外耳道内にぴったり合うように形成され、外耳道に部分的に接触するよう構成された保持部を備える一方、音が各イヤーチップを通り抜けることなしに自身周囲の外耳道を通過するように形成された複数のイヤーチップと、
    異なる音響処理装置を備え、前記複数のチューブと連結するための連結端部を有する複数の耳の後ろにつける補聴器ケースと、を備えることを特徴とする組立用部品一式。
  10. 前記複数の外耳道イヤーチップは、つぼみ型イヤーチップ、花型イヤーチップ、膜状型イヤーチップ、グッピー型イヤーチップ、および突起型イヤーチップのうち少なくとも一つを備えることを特徴とする請求項9に記載の組立用部品一式。
  11. 前記複数の外耳道イヤーチップは、異なるサイズで形成されていることを特徴とする請求項9に記載の組立用部品一式。
  12. 補聴器装置であって、
    人間の外耳道内に挿入されかつ前記外耳道の解剖学的構造と合致するよう適合される一方、外の音がイヤーチップを通り抜けることなしに自身周囲の外耳道を通って耳内に入るように外耳道に部分的に接触するように構成された保持部を備えるイヤーチップと、
    音源と接続されるよう適合された第1の端部、および前記イヤーチップと接続されるよう適合された第2の端部を有し、耳に掛かる部分および外耳道内に延びる部分を有するように形成され、耳に掛けたときに外耳道内にイヤーチップを位置決めかつ保持するのに十分な剛性を有するチューブと、を備えることを特徴とする補聴器装置。
  13. 前記イヤーチップは、中心コアから延びる複数の花びら型部材を備えた花型を有し、前記複数の花びら型部材は、外耳道の第1湾曲部周辺にフィットするよう形成されたことを特徴とする請求項12に記載の補聴器装置。
  14. 前記イヤーチップは、中心コアから延びる一つのブレードを備え、前記ブレードは、耳珠背面にフィットするよう形成されたことを特徴とする請求項12に記載の補聴器装置。
  15. 前記イヤーチップは、前記チューブと連結される第1の端部での第1横断面寸法および第2の自由端部での前記第1横断面寸法より大きい第2横断面寸法を有する円すい形状部材であることを特徴とする請求項12に記載の補聴器装置。
  16. 音源を提供する前記チューブの第1の端部に取り付けた耳の後ろにつける補聴器ケースをさらに備えることを特徴とする請求項12に記載の補聴器装置。
  17. 前記補聴器ケースと前記イヤーチップとの間の前記チューブの一部は、使用者の耳の上にわたって延在しかつ耳の後ろで前記補聴器ケースを支持することを特徴とする請求項16に記載の補聴器装置。
  18. 前記イヤーチップは、耳垢ガードを備えることを特徴とする請求項12に記載の補聴器装置。
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