JP4348021B2 - Method for evaluating laser processability of printed wiring boards - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、単層又は多層の配線を有する配線板の加工性評価方法に関し、更に詳しくは、下層導体層上の絶縁層をレーザにより除去して下層導体層上面を露出させる工程でのプリント配線板のレーザ加工性評価方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、主に合成樹脂等によって形成される絶縁層と、この絶縁層の表面に積層接着される金属箔等からなる導体層とで主体が構成されるプリント配線板がある。このプリント配線板は、絶縁層の下面側に積層接着される導体層は下層導体層として、上面側に積層接着される導体層は上層導体層として、それぞれ配線パターンを有して電気的な回路を形成するものであるが、上層導体層は特に必要ではなく、下層導体層のみが絶縁層に積層接着されたものであってもよい。
【0003】
このようなプリント配線板には、絶縁層を形成する合成樹脂等を除去して絶縁層を貫通する穴を穿設するものである。この穴は、例えば、上層導体層と下層導体層とを有するプリント配線板である場合には、上層導体層上面側と絶縁層下面側とを貫通する穴を穿設すると共にこの穴の内面にめっきを施して、該めっきを介して上層導体層と下層導体層とを導通させたりする所謂VIAホールを形成するための穴であってもよく、プリント配線板の種類や穴の用途等は特に限定されないものである。
【0004】
以上のように、プリント配線板には絶縁層を貫通する穴を穿設するのであるが、この時、絶縁層に穿設しようとする穴は、絶縁層の下面側の下層導体層自体まで穿設されることがないようにするもの、すなわち、上記穴の底が下層導体層上面となるように穿設するものであり、このような加工をし易いレーザ加工によってプリント配線板の絶縁層に穴を穿設することがよく行われている。
【0005】
しかしながら、レーザ加工によってプリント配線板の絶縁層を除去して穴を穿設する際、プリント配線板の製造ロット毎に絶縁層の厚みにばらつきがあったり、あるいは、同一のプリント配線板であっても下層導体層が形成する回路の配線パターンによって絶縁層の厚みに部位によるばらつきがあったりした場合、穿設しようとする全ての穴に同一の加工条件でレーザ加工を行っていては、除去される絶縁層の厚みがほぼ一定かあるいはそれ以下となって、下層導体層上の絶縁層が全て除去されずに残ってしまい、穴底が下層導体層上面にまで到達しない穴が生じたりするという問題があるものであって、これに対しては、プリント配線板の絶縁層の厚みを計測して厚み分布を求め、これを予め定めてある判定基準値と比較して良否判定等の評価を行うことが望まれるものであった。
【0006】
また、レーザ加工によってプリント配線板の絶縁層を除去して穴を穿設した際、穿設した穴の穴底面積が所定の面積を有するものでない場合、プリント配線板が所定の性能を有さない惧れがあるという問題があるものであって、これに対しては、絶縁層に穿設した穴の穴底面積を計測し、これを予め定めてある判定基準値と比較して良否判定等の評価を行うことが望まれるものであった。
【0007】
また、レーザ加工によってプリント配線板の絶縁層を除去して穴を穿設する際、絶縁層がガラス等の繊維を含浸した合成樹脂で形成されていて、前記繊維が絶縁層の面内において均一に分布されていない場合、穿設しようとする全ての穴に同一の加工条件でレーザ加工を行っていては、穴を穿設しようとする絶縁層の部位の繊維の粗密状態によって絶縁層を均一に除去することができず、絶縁層に穿設する全ての穴の形状を同一にすることができなかったり、下層導体層上の絶縁層が全て除去されずに残って穴底が下層導体層上面にまで到達しない穴が生じたりするという問題があるものであって、これに対しては、繊維の絶縁層の面内における粗密分布を求め、これを予め定めてある判定基準値と比較して良否判定等の評価を行うことが望まれるものであった。
【0008】
また、レーザ加工によってプリント配線板の絶縁層を除去して穴を穿設する際、絶縁層に例えば銅粉末やガラス繊維といった不純物が含まれている場合、穿設しようとする全ての穴に同一の加工条件でレーザ加工を行っていては、穴を穿設しようとする絶縁層の部位に混入した不純物の有無及びその混入量によって除去される絶縁層の厚みにばらつきが生じて、下層導体層上の絶縁層が全て除去されずに残って穴底が下層導体層上面にまで到達しない穴が生じたりするという問題があるものであって、これに対しては、絶縁層に混入した不純物の有無を検知し、これを予め定めてある判定基準値と比較して良否判定等の評価を行うことが望まれるものであった。
【0009】
また、レーザ加工によってプリント配線板の絶縁層を除去して穴を穿設する際、絶縁層がガラス等の繊維を含浸した合成樹脂で形成されていて、前記繊維が絶縁層の厚み方向において均一に分布されていない場合、穿設しようとする全ての穴に同一の加工条件でレーザ加工を行っていては、穴を穿設しようとする絶縁層を厚み方向に亘って均一に除去することができず、絶縁層に穿設する全ての穴の形状を同一にすることができなかったり、下層導体層上の絶縁層が全て除去されずに残って穴底が下層導体層上面にまで到達しない穴が生じたりするという問題があるものであって、これに対しては、繊維の絶縁層の厚み方向における粗密分布を求め、これを予め定めてある判定基準値と比較して良否判定等の評価を行うことが望まれるものであった。
【0010】
そこで上記問題を解決すべく、プリント配線板にレーザ加工を行う前後において、プリント配線板を抜き取って該プリント配線板を切断・断面研磨し、光学顕微鏡やSEM等による断面観察をすることで、絶縁層の厚み等を計測して評価を行ったりしていた。
【0011】
しかし、このような断面研磨による従来のレーザ加工性評価方法では、上述した計測等による評価をプリント配線板の多くの部位においてできないと共に評価にかかる時間が長く、プリント配線板を破壊する必要があり、プリント配線板の全体を精度良く評価することが困難なものであったため、評価に時間がかからないと共に、プリント配線板の多くの部位において上述したような計測をして分布を求めることができて、プリント配線板を全体にわたって精度良く評価することができる評価方法が望まれるものであった。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、評価にかかる時間を短くすることができると共に、非破壊でプリント配線板の多くの部位において絶縁層の厚み等の分布を求めることができて、これらを評価することが可能となるプリント配線板のレーザ加工性評価方法を提供することを課題とするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明に係るプリント配線板のレーザ加工性評価方法は、下層導体層1上の絶縁層2をレーザLにより除去して下層導体層1上面を露出させる工程でのプリント配線板のレーザ加工性評価方法であって、下層導体層1上面に電磁波rを放射する処理層4を形成し、レーザLによる絶縁層2の除去によって処理層4が露出した時に該処理層4が放射する電磁波rを検出して、絶縁層2を除去するのに要したレーザLのショット数から絶縁層2の厚みtを算出し、判定基準値と比較することにより絶縁層2の厚みt分布を判定することを特徴とするものである。このような構成とすることで、レーザ加工において、絶縁層2を除去するレーザLとは異なる加工対象物(すなわち処理層4)から放射される電磁波rのみを検知することで、プリント配線板3の絶縁層2の厚みt分布を求めてその良否判定等の評価を精度良く行うことができるようになると共に、受光器96にレーザL発振と同等又はより速い応答性を有するものを用いればレーザ加工を行いながらのインライン検査ができるようになって、評価をリアルタイムで行うことや評価で否と判定された場合に即座に再度レーザ加工を行うことが可能となり、また、受光器96が検知する電磁波rは、対象物(すなわち処理層4)が一旦貯えたエネルギーを電磁波rとして等方的に放射するものであるため、該電磁波rを検知する受光器96の受光方向に制約を受け難いと共に、対象物の表面粗度による影響も受けないものである。
【0014】
また、下層導体層1上の絶縁層2をレーザLにより除去して下層導体層1上面を露出させる工程でのプリント配線板のレーザ加工性評価方法であって、下層導体層1上面に電磁波rを放射する処理層4を形成し、レーザLによる絶縁層2の除去によって処理層4が露出した時に該処理層4から放射される電磁波rを検出して、該電磁波rの強度から絶縁層2を除去して形成される穴6の穴底面積Sを算出し、判定基準値と比較することにより絶縁層2に形成される穴6の穴底面積Sの分布を判定することを特徴とするものである。このような構成とすることで、レーザ加工において、絶縁層2を除去するレーザLとは異なる加工対象物(すなわち処理層4)から放射される電磁波rのみを検知することで、プリント配線板3の絶縁層2に形成される穴6の穴底面積Sの分布を求めてその良否判定等の評価を精度良く行うことができるようになると共に、受光器96にレーザL発振と同等又はより速い応答性を有するものを用いればレーザ加工を行いながらのインライン検査ができて評価をリアルタイムで行うことが可能となるものである。
【0015】
また、下層導体層1上の絶縁層2をレーザLにより除去して下層導体層1上面を露出させる工程でのプリント配線板のレーザ加工性評価方法であって、絶縁層2がガラス等の繊維7を含んだ合成樹脂で成形され、レーザLによる絶縁層2の除去時に上記繊維7から放射される電磁波rを検出して、該電磁波rの強度から絶縁層2に含まれる繊維7の含有量を算出し、判定基準値と比較することにより絶縁層2に含まれる繊維7の絶縁層2内粗密分布を判定することを特徴とするものである。このような構成とすることで、レーザ加工において、絶縁層2を除去するレーザLとは異なる加工対象物(すなわち繊維7)から放射される電磁波rを検知することで、プリント配線板3の絶縁層2に含まれる繊維7の絶縁層2面内における粗密分布を求めてその良否判定等の評価を精度良く行うことができるようになると共に、受光器96にレーザL発振と同等又はより速い応答性を有するものを用いればレーザ加工を行いながらのインライン検査ができて評価をリアルタイムで行うことが可能となるものである。
【0016】
また、下層導体層1上の絶縁層2をレーザLにより除去して下層導体層1上面を露出させる工程でのプリント配線板のレーザ加工性評価方法であって、レーザLによる絶縁層2の除去時に絶縁層2から放射される電磁波rを検出して、該電磁波rの強度から絶縁層2内の不純物8の有無等を判定基準値を用いて判定することを特徴とするものである。このような構成とすることで、レーザ加工において、絶縁層2を除去するレーザLとは異なる加工対象物(すなわち不純物8)から放射される電磁波rを検知することで、プリント配線板3の絶縁層2に混入している不純物8の有無及びその混入量を求めてその良否判定等の評価を精度良く行うことができるようになると共に、受光器96にレーザL発振と同等又はより速い応答性を有するものを用いればレーザ加工を行いながらのインライン検査ができて評価をリアルタイムで行うことが可能となるものである。
【0017】
また、下層導体層1上の絶縁層2をレーザLにより除去して下層導体層1上面を露出させる工程でのプリント配線板のレーザ加工性評価方法であって、絶縁層2がガラス等の繊維7を含んだ合成樹脂で成形され、レーザLによる絶縁層2の除去時に上記繊維7から放射される電磁波rの各加工穴における経時変化を検出して、該電磁波rの経時変化から算出される絶縁層2に含まれる繊維7の絶縁層2の厚みt方向の粗密分布を判定基準値と比較することにより判定することを特徴とするものである。このような構成とすることで、レーザ加工において、絶縁層2を除去するレーザLとは異なる加工対象物(すなわち繊維7)から放射される電磁波rを検知することで、プリント配線板3の絶縁層2に含まれる繊維7の絶縁層2の厚みt方向の粗密分布を求めてその良否判定等の評価を精度良く行うことができるようになると共に、受光器96にレーザL発振と同等又はより速い応答性を有するものを用いればレーザ加工を行いながらのインライン検査ができて評価をリアルタイムで行うことが可能となるものである。
【0018】
また、判定基準値に一つの値を用いることが好ましい。このような構成とすることで、レーザ加工を行いながらのインライン検査によって評価をリアルタイムで行うにあたり、判定時間が短くて単純なアルゴリズムでの良否判定等の評価が可能となるものである。
【0019】
また、判定基準値に二つの値を用いることが好ましい。このような構成とすることで、レーザ加工を行いながらのインライン検査によって評価をリアルタイムで行うにあたり、精度が良く、判定時間が短くて単純なアルゴリズムでの良否判定等の評価が可能となるものである。
【0020】
また、レーザ発振器94から発振されるレーザLは透過して且つプリント配線板3から放射される電磁波rは反射するダイクロイックミラー97を上記レーザLの光路上同軸に配置し、該ダイクロイックミラー97で反射した電磁波rを検出することが好ましい。このような構成とすることで、プリント配線板3の絶縁層2を除去するレーザLと同軸で加工対象物から放射される電磁波rを検出することができて、ガルバノミラー93光学系を用いたレーザ加工装置でも、電磁波rを効率良く検出することが可能となる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るプリント配線板3のレーザ加工性評価方法を添付図面に基づいて説明する。
[第1の実施形態]
まず、プリント配線板3について説明する。プリント配線板3は、合成樹脂によって形成される絶縁層2と、この絶縁層2下面に積層接着される銅箔からなる下層導体層1と、絶縁層2上面に積層接着される同じく銅箔からなる上層導体層5とで主体が構成される。上層導体層5と下層導体層1は、それぞれ配線パターンを有して電気的な回路を形成するものであるが、上層導体層5は特に必要とするものではなく、下層導体層1のみが絶縁層2に積層接着されたものであってもよく、更に、これら導体層は銅以外からなるものであってもよい。このようにして主体が構成されるプリント配線板3は、一般的には、主に合成樹脂等からなる基板(特に図示せず)の上面に下層導体層1の下面側を積層接着するものであるが、特にこのように限定されないものである。そして、本実施形態においては、後述するが、下層導体層1上面に電磁波rを放射する処理層4が形成してある。
【0022】
次に、プリント配線板3の絶縁層2を除去するためのレーザ加工に用いるレーザ加工装置について説明する。図2に示すように、絶縁層2を除去するプリント配線板3をX−Yテーブル91上に載置する。X−Yテーブル91は、載置面91aとなる上面が水平となるように配置されて、水平面内の直交する二方向(図中のX方向及びY方向)にそれぞれ移動自在となっており、載置面91aにプリント配線板3を加工面3aを上向きにした状態で載置する。X−Yテーブル91の載置面91aの上方にはf−θレンズ92が配置されると共に、更にその上方にガルバノミラー93が配置され、ガルバノミラー93の側方にはレーザ発振器94が設置される。レーザ発振器94は、プリント配線板3の絶縁層2を除去するレーザLを発振して、側方に配置されたガルバノミラー93に向けてレーザLを照射するものである。そして、レーザ発振器94よりレーザLが照射されるガルバノミラー93は、レーザLを反射してX−Yテーブル91上の目標に照射するもので、鉛直軸回りに回動自在な縦ガルバノミラー93aと、水平軸回りに回動自在な横ガルバノミラー93bとからなる。横ガルバノミラー93bはf−θレンズ92を介してX−Yテーブル91の載置面91aの上方に配置されると共に、縦ガルバノミラー93aは横ガルバノミラー93bの側方に配置されるもので、レーザ発振器94から発振されるレーザLはまず、縦ガルバノミラー93aに向けて発振され、縦ガルバノミラー93aで反射して横ガルバノミラー93bに向けて進行方向を変え、横ガルバノミラー93bで再び反射してf−θレンズ92を介してX−Yテーブル91の載置面91a上の目標に照射されるのであるが、縦ガルバノミラー93aと横ガルバノミラー93bはそれぞれ独立に回動自在としてあると共に、X−Yテーブル91が水平面内の直交する二方向に移動自在としてあるため、レーザLをX−Yテーブル91の載置面91a上のほぼ任意の位置に照射可能となっている。このようにすることで、照射するレーザLをX−Yテーブル91の載置面91a上に任意にスキャンすることができて、レーザ加工の工程を高速化することができるものである。また、レーザ発振器94から縦ガルバノミラー93aに向けて発振されるレーザLの光路の途中にはマスク95が配置されてあり、マスク95のレーザLの透過部形状と同形状の像をX−Yテーブル91の載置面91a上の目標に投影して像転写することが可能となっている。そして更に、後述するが、上記レーザLの波長とは異なる波長の電磁波rを検出する受光器96が設けてあり、レーザ加工中に加工対象であるプリント配線板3より放射される電磁波rが検出可能となっている。
【0023】
上述したようなレーザ加工装置を用いて、プリント配線板3の絶縁層2を除去して穴6を形成するレーザ加工について説明する。なお、該レーザ加工の工程にて形成される穴6は、プリント配線板3の上面側からプリント配線板3の絶縁層2下面側まで貫通させて、穴底61が下層導体層1上面となるようにしたものであって、上層導体層5と下層導体層1とを導通させる所謂VIAホールを形成させるためのものであったり、他の用途のためのものであってもよい。
【0024】
まず、レーザLで絶縁層2を除去するに先だって、除去しようとする絶縁層2の上部の上層導体層5を除去しておく。銅等の金属箔からなる上層導体層5の除去は、通常はレーザ加工ではなく、エッチング液によるエッチング加工等によるものである。これは、レーザLは金属表面で大部分が反射してしまうため、除去されるのに必要なエネルギーを金属が吸収し難いためである。
【0025】
上層導体層5を除去して形成された開口51には絶縁層2上面が露出しており、この絶縁層2にレーザLを照射して除去する。絶縁層2は合成樹脂で形成されるものであるため、金属からなる導体層とは異なり、除去されるのに必要なエネルギーをレーザLから充分吸収することができて、効率良く除去される。このようにして、レーザ加工でプリント配線板3の絶縁層2を除去して穴6を形成するのであるが、この時、プリント配線板3の絶縁層2の厚みtにばらつきがあった場合、穿設しようとする全ての穴6に同一の加工条件でレーザ加工を行っていては、除去される絶縁層2の厚みtがほぼ一定(あるいはそれ以下)となって、下層導体層1上の絶縁層2が全て除去されずに残って穴底61が下層導体層1上面にまで到達しない穴6が生じたり、あるいは、下層導体層1上の絶縁層2が全て除去されたとしても絶縁層2の厚みtが薄かった場合では、過度のレーザエネルギが照射され、加工穴6形状を均一に保てなくなるため、レーザ加工を行う際に、一穴6ごとに絶縁層2を全て除去したか否かを把握することが好ましく、本実施形態においては上述したように、プリント配線板3の下層導体層1上面に電磁波rを放射する処理層4を形成すると共に、レーザ加工中にプリント配線板3より放射される電磁波rが検出可能な受光器96を設けてある。
【0026】
処理層4は、下層導体層1表面(すなわち上面)に酸化処理を施して形成する。本実施形態においては下層導体層1は銅で形成されており、NaOH溶液に下層導体層1を浸漬すると下層導体層1の表面が酸化されてCuOが形成され、このCuO層が処理層4となる。処理層4は、プリント配線板3の絶縁層2を除去するためのレーザLを吸収して貯えたエネルギーにより、処理層4にて化学変化を生じ、前記レーザLとは波長の異なる電磁波rとして放射するものである。従って、レーザ加工で絶縁層2に穴6を形成する際、下層導体層1上の絶縁層2が全て除去されずに残っていれば処理層4からの電磁波rが検出されることはなく、下層導体層1上の絶縁層2が全て除去されて下層導体層1上面に形成された処理層4が露出すれば、レーザLを吸収した処理層4から放射される電磁波rが検出されて、下層導体層1上面が露出したことを検知することができるものである。この時、レーザLとしてCO2レーザLを用いると、CuOからなる処理層4はCO2レーザLのエネルギーの吸収率が高いためエネルギーを吸収して放射される電磁波rの強度は大きいものであり、そのうえ更に、絶縁層2を形成する合成樹脂にエポキシ系樹脂を用いると、レーザ加工中にエポキシ系樹脂から放射される電磁波rの強度は非常に小さいものであるため、下層導体層1上の絶縁層2が全て除去されてレーザLを吸収した処理層4から放射される電磁波rを精度良く検出することができるものである。また、下層導体層1上面に形成する処理層4は、硫化着色処理によって形成するものであってもよい。
【0027】
そして更に、上記レーザ加工におけるレーザLは、所定のエネルギーを最小単位(以下、ショットという)としてレーザ発振器94から発振されるものである。このようにすることで、下層導体層1上の絶縁層2を全て除去するのに要したショット数を算出し、該ショット数より除去した絶縁層2の厚みtに換算することで、プリント配線板3の絶縁層2の厚みt分布を求めることができて、該絶縁層2の厚みt分布を予め定めてある判定基準値と比較することで、プリント配線板3の良否判定が可能となる。この時、一ショット当たりのレーザLのエネルギーが低いほど、一ショットのレーザLで除去される絶縁層2の厚みt(すなわち刻み幅)は薄くなるため、計測する絶縁層2の厚みtの分解能を高めることができる。
【0028】
以上のような構成によれば、レーザ加工において、絶縁層2を除去するレーザLとは異なる加工対象物(すなわちプリント配線板3の絶縁層2に形成された穴底61となる処理層4)から放射される電磁波rのみを検知することで、プリント配線板3の絶縁層2の厚みt分布を求めてその良否判定等の評価を精度良く行うことができるようになると共に、受光器96にレーザL発振と同等又はより速い応答性を有するものを用いればレーザ加工を行いながらのインライン検査ができるようになって、評価をリアルタイムで行うことや評価で否と判定された場合に即座に再度レーザ加工を行うことが可能となるものである。また、受光器96が検知する電磁波rは、対象物(すなわち処理層4)が一旦貯えたエネルギーを電磁波rとして等方的に放射するものであるため、該電磁波rを検知する受光器96の受光方向に制約を受け難いと共に、対象物の表面粗度による影響も受けないものである。
【0029】
なお、プリント配線板3より放射される電磁波rを計測する受光器96としては、例えば、計測すべき電磁波rの波長が紫外線よりも長く可視光よりも短い場合にはマイクロチャンネルプレートフォトマルチプレーヤー等が挙げられ、波長が190nm乃至1100nmの場合にはSiフォトダイオードが、波長が700nm乃至2600nmの場合にはInGaAsフォトダイオードが、波長が赤外線波長の領域の場合にはPbSe光導電素子やInAs光起電力素子,InSb光起電力素子,MCT光導電素子等が挙げられる。
[第2の実施形態]
次に、第2の実施形態を図3に基づいて説明する。本実施形態は上述した第1の実施形態と基本的に同じであるため、主に異なる部分について説明する。
【0030】
上記第1の実施形態においては、プリント配線板3の下層導体層1上面に形成された処理層4から放射された電磁波rを検出して、レーザLで除去した絶縁層2の厚みt(分布)を求めるものであったのに対し、本実施形態においては、プリント配線板3の下層導体層1上面に形成された処理層4から放射された電磁波rの強度を計測して、レーザLで除去した絶縁層2に形成される穴6の穴底面積Sを算出するもので、これより複数の穴底面積Sからプリント配線板3の穴底面積Sの分布を求めて判定基準値と比較,判定するものである。
【0031】
下層導体層1上面に形成された処理層4がレーザ加工におけるレーザLを吸収してから放射する電磁波rの強度は、露出している処理層4の面積、すなわち、絶縁層2に形成された穴底面積Sに応じた強度となるため、その電磁波rの強度より穴底面積Sを算出することができて、穴底面積Sの分布を求めて判定基準値と比較,判定することができる。
【0032】
以上のような構成によれば、レーザ加工において、絶縁層2を除去するレーザLとは異なる加工対象物(すなわちプリント配線板3の絶縁層2に形成された穴底61となる処理層4)から放射される電磁波rのみを検知することで、プリント配線板3の絶縁層2に形成される穴6の穴底面積Sの分布を求めてその良否判定等の評価を精度良く行うことができるようになると共に、受光器96にレーザL発振と同等又はより速い応答性を有するものを用いればレーザ加工を行いながらのインライン検査ができて評価をリアルタイムで行うことが可能となるものである。
[第3の実施形態]
次に、第3の実施形態を図4に基づいて説明する。本実施形態も上述した第1の実施形態と同じ部分については省略し、主に異なる部分について説明する。
【0033】
本実施形態はまず、レーザ加工の対象となるプリント配線板3が第1の実施形態と異なるものであり、更に、第1の実施形態はプリント配線板3の下層導体層1上面に形成された処理層4から放射された電磁波rを検出して、レーザLで除去した絶縁層2の厚みt(分布)を求めるものであったのに対し、本実施形態は、レーザ加工中に絶縁層2に含まれる繊維7が放射する電磁波rの強度を計測して、該繊維7の絶縁層2内粗密分布を求めて判定基準値と比較,判定するものである。
【0034】
本実施形態においてレーザ加工の対象としているプリント配線板3は、主に合成樹脂によって形成される絶縁層2と、この絶縁層2下面に積層接着される銅箔からなる下層導体層1と、絶縁層2上面に積層接着される同じく銅箔からなる上層導体層5とで主体が構成される。上層導体層5と下層導体層1は、それぞれ配線パターンを有して電気的な回路を形成するものであるが、特に上層導体層5は必要としないものであり、下層導体層1のみが絶縁層2に積層接着されたものであってもよく、更に、これら導体層は銅以外の金属からなるものであってもよい。このようにして主体が構成されるプリント配線板3は、一般的には、主に合成樹脂等からなる基板の上面に下層導体層1の下面側を積層接着するものであるが、特にこのように限定されないものである。そして更に、絶縁層2を形成する合成樹脂には、ガラスクロスやアラミドといった繊維7が含まれるものである。
【0035】
このようなプリント配線板3の絶縁層2を除去するには、第1又は第2の実施形態におけるのと同様にレーザ加工装置を用いてプリント配線板3の絶縁層2を除去するのであるが、この時、絶縁層2に含まれる上記繊維7から放射される電磁波rの強度を検知すれば、絶縁層2に含まれる繊維7の絶縁層2面内における粗密分布が求まるものであり、以下に更に詳しく述べる。
【0036】
レーザ加工においてレーザLが絶縁層2に照射され、絶縁層2に含まれる上記繊維7にレーザLが照射されて除去される際にレーザLと異なる波長を有する電磁波rが放射されるが、この繊維7から放射される電磁波rは、絶縁層2を形成する合成樹脂から放射される電磁波rよりも強度が非常に大きく、この時に受光器96が検知する電磁波rの強度はほぼ繊維7から放射される電磁波rの強度にのみ依存し、繊維7から放射される電磁波rの強度は繊維7の粗密に依存する。そこで、レーザ加工によって穴6を形成する際、各ショット毎に受光器96が検知した繊維7から放射される電磁波rの強度を積算して、一穴6を形成する際に繊維7から放射された電磁波rの強度の総和を求めると、絶縁層2の穴6の部位における繊維7の粗密が分かる。そして更に、穴6を形成するのに要するレーザLのショット数が全ての穴6で同じ場合、全ての穴6について、各ショット毎に受光器96が検知した繊維7から放射される電磁波rの強度の総和を求めれば、絶縁層2に含まれる繊維7の絶縁層2面内における粗密分布を求めることが可能となる。
【0037】
以上のような構成によれば、レーザ加工において、絶縁層2を除去するレーザLとは異なる加工対象物(すなわちプリント配線板3の絶縁層2に含まれる繊維7)から放射される電磁波rを検知することで、プリント配線板3の絶縁層2に含まれる繊維7の絶縁層2面内における粗密分布を求めてその良否判定等の評価を精度良く行うことができるようになると共に、受光器96にレーザL発振と同等又はより速い応答性を有するものを用いればレーザ加工を行いながらのインライン検査ができて評価をリアルタイムで行うことが可能となるものである。
[第4の実施形態]
次に、第4の実施形態を図5に基づいて説明する。本実施形態は上述した第3の実施形態と基本的に同じであるため、主に異なる部分について説明する。
【0038】
上記第3の実施形態においては、レーザ加工中に絶縁層2に含まれる繊維7が放射する電磁波rの強度を計測して、該繊維7の絶縁層2内粗密分布を求めて判定基準値と比較,判定するものであるのに対し、本実施形態においては、レーザ加工中に繊維7を含まない絶縁層2内に混入している不純物8が放射する電磁波rの強度を計測して、絶縁層2内の不純物8の有無及びその混入量を判定基準値と比較,判定するものである。
【0039】
本実施形態においてレーザ加工の対象としているプリント配線板3は、主に合成樹脂によって形成される絶縁層2と、この絶縁層2下面に積層接着される銅箔からなる下層導体層1と、絶縁層2上面に積層接着される同じく銅箔からなる上層導体層5とで主体が構成される。上層導体層5と下層導体層1は、それぞれ配線パターンを有して電気的な回路を形成するものであるが、特に上層導体層5は必要としないものであり、下層導体層1のみが絶縁層2に積層接着されたものであってもよく、更に、これら導体層は銅以外の金属からなるものであってもよい。このようにして主体が構成されるプリント配線板3は、一般的には、主に合成樹脂等からなる基板の上面に下層導体層1の下面側を積層接着するものであるが、特にこのように限定されないものである。そして更に、絶縁層2を形成する合成樹脂には、銅粉末やガラス繊維7といった不純物8が混入している惧れのあるものである。
【0040】
このようなプリント配線板3の絶縁層2を除去するには、第1乃至第3の実施形態におけるのと同様にレーザ加工装置を用いてプリント配線板3の絶縁層2を除去するのであるが、この時、絶縁層2に混入している上記不純物8から放射される電磁波rの強度を検知すれば、絶縁層2に混入している不純物8の有無及びその混入量が分かるものであり、以下に更に詳しく述べる。
【0041】
レーザ加工においてレーザLが絶縁層2に照射された際、絶縁層2に混入している上記不純物8にレーザLが照射されると不純物8も合成樹脂と同様に除去されて、この時レーザLと異なる波長を有する電磁波rが放射される。この不純物8から放射される電磁波rの強度は非常に大きく、この時に受光器96が検知する電磁波rの強度はほぼ不純物8から放射される電磁波rの強度にのみ依存する。そこで、レーザ加工によって穴6を形成する際、各ショット毎に受光器96が検知した不純物8から放射される電磁波rの強度を積算して、一穴6を形成する際に不純物8から放射された電磁波rの強度の総和を求めると、絶縁層2の穴6の部位における不純物8の有無及びその混入量が分かるものである。
【0042】
以上のような構成によれば、レーザ加工において、絶縁層2を除去するレーザLとは異なる加工対象物(すなわちプリント配線板3の絶縁層2に混入している不純物8)から放射される電磁波rを検知することで、プリント配線板3の絶縁層2に混入している不純物8の有無及びその混入量を求めてその良否判定等の評価を精度良く行うことができるようになると共に、受光器96にレーザL発振と同等又はより速い応答性を有するものを用いればレーザ加工を行いながらのインライン検査ができて評価をリアルタイムで行うことが可能となるものである。
[第5の実施形態]
次に、第5の実施形態を図5及び図6に基づいて説明する。本実施形態は上述した第3の実施形態と基本的に同じであるため、主に異なる部分について説明する。
【0043】
上記第3の実施形態においては、レーザ加工中に絶縁層2に含まれる繊維7が放射する電磁波rの強度を計測して、該繊維7の絶縁層2内粗密分布を求めて判定基準値と比較,判定するものであるのに対し、本実施形態においては、レーザ加工中に絶縁層2に含まれる繊維7が放射する電磁波rの強度を計測して、該繊維7の絶縁層2の厚みt方向の粗密分布を求めて判定基準値と比較,判定するものである。
【0044】
本実施形態においてレーザ加工の対象としているプリント配線板3は、第3の実施形態におけるのと同じで、絶縁層2を形成する合成樹脂に、ガラスクロスやアラミドといった繊維7が含まれるものである。
【0045】
このようなプリント配線板3の絶縁層2を除去するには、第1乃至第4の実施形態におけるのと同様にレーザ加工装置を用いてプリント配線板3の絶縁層2を除去するのであるが、この時、絶縁層2に含まれる上記繊維7から放射される電磁波rの強度を検知すれば、絶縁層2に含まれる繊維7の絶縁層2の厚みt方向における粗密分布が求まるものであり、以下に更に詳しく述べる。
【0046】
レーザ加工においてレーザLが絶縁層2に照射され、絶縁層2に含まれる上記繊維7にレーザLが照射されて除去される際にレーザLと異なる波長を有する電磁波rが放射されるが、この繊維7から放射される電磁波rは、絶縁層2を形成する合成樹脂から放射される電磁波rよりも強度が非常に大きく、この時に受光器96が検知する電磁波rの強度はほぼ繊維7から放射される電磁波rの強度にのみ依存し、繊維7から放射される電磁波rの強度は繊維7の粗密に依存する。そこで、レーザ加工によって穴6を形成する際、各ショット毎に受光器96が検知した繊維7から放射された電磁波rの強度を検知し、この電磁波rの強度の各加工穴6において経時変化を求めること、すなわち、各ショット毎に受光器96が検知した繊維7から放射された電磁波rの強度を時系列に並べることで、絶縁層2の穴6の部位における繊維7の絶縁層2の厚みt方向の粗密分布が分かるものである。例えば、7ショットのレーザ加工において、各ショットでの電磁波r強度を図7に示すように並べると、穴6の部位における繊維7の絶縁層2の厚みt方向の粗密分布が求まる。なお、一ショット当たりのレーザLのエネルギーが低いほど、一ショットのレーザLで除去される絶縁層2の厚みt(すなわち刻み幅)は薄くなるため、繊維7の絶縁層2の厚みt方向の粗密分布の分解能を高めることができる。
【0047】
以上のような構成によれば、レーザ加工において、絶縁層2を除去するレーザLとは異なる加工対象物(すなわちプリント配線板3の絶縁層2に含まれる繊維7)から放射される電磁波rを検知することで、プリント配線板3の絶縁層2に含まれる繊維7の絶縁層2の厚みt方向の粗密分布を求めてその良否判定等の評価を精度良く行うことができるようになると共に、受光器96にレーザL発振と同等又はより速い応答性を有するものを用いればレーザ加工を行いながらのインライン検査ができて評価をリアルタイムで行うことが可能となるものである。
[第6の実施形態]
次に、第6の実施形態を図8乃至図10に基づいて説明する。本実施形態は上述した第1乃至第5の実施形態において、検出された電磁波rの強度等を比較,判定するための判定基準値として一つの値を用いるものである。
【0048】
例としてまず、第1の実施形態において判定基準値として一つの値を用いる場合について説明する。第1の実施形態は、下層導体層1上の絶縁層2を全て除去するのに要したショット数を算出して該ショット数より除去した絶縁層2の厚みtを求め、これよりプリント配線板3の絶縁層2の厚みt分布を求めて、該絶縁層2の厚みt分布を予め定めてある判定基準値と比較し、良否判定を行うものである。この時、例えば図8に示すように、判定基準値としてショット数の上限値を設け、レーザ加工による穴6の形成時に該上限値を上回るショット数を算出した場合、この穴6の部位における絶縁層2の厚みtが厚いため、良好な穴6の形成ができない(すなわち否である)、というように判定するものである。
【0049】
次に、第3の実施形態において判定基準値として一つの値を用いる場合について説明する。第3の実施形態は、全ての穴6について各ショット毎に受光器96が検知した繊維7から放射される電磁波rの強度の総和を求め、絶縁層2に含まれる繊維7の絶縁層2面内における粗密分布を求めるものである。この時、例えば判定基準値として電磁波rの強度の総和の下限値を設け、レーザ加工による穴6の形成時に該下限値を下回る電磁波rの強度の総和を算出した場合、この穴6の部位における絶縁層2に含まれる繊維7が粗であるため、全ての穴6に一定条件でレーザ加工を行うとすると、この穴6の形成においては、除去に大きなエネルギーを要する繊維7が少ないために絶縁層2を除去するためのレーザLのエネルギーが過剰となり、良好な穴6の形成ができない(すなわち否である)、というように判定するものである。
【0050】
次に、第5の実施形態において判定基準値として一つの値を用いる場合について説明する。第5の実施形態は、一つの穴6について繊維7から放射された電磁波rの強度の経時変化を求めて、絶縁層2に含まれる繊維7の絶縁層2の厚みt方向の粗密分布を求めるものである。この時、例えば図10に示すように、絶縁層2に含まれる繊維7の絶縁層2の厚みt方向の粗密分布を上半部t1と下半部t2とに分けて、図9に示すように判定基準値として、(上半部t1の総和)/(下半部t2の総和)の値の上限値を設け、レーザ加工による穴6の形成時に、絶縁層2に含まれる繊維7の絶縁層2の厚みt方向の粗密分布の(上半部t1の総和)/(下半部t2の総和)が該上限値を越える場合、この穴6の部位における絶縁層2に含まれる繊維7は上半部t1の方が下半部t2よりも密であり、下半部t2がオーバーエッチングされるのでめっきの付き廻りが低減して良好な穴6の形成ができない(すなわち否である)、というように判定するものである。
【0051】
以上のような構成によれば、レーザ加工を行いながらのインライン検査によって評価をリアルタイムで行うにあたり、判定時間が短くて単純なアルゴリズムでの良否判定等の評価が可能となるものである。
[第7の実施形態]
次に、第7の実施形態を図11及び図12に基づいて説明する。本実施形態は上述した第1乃至第5の実施形態において、検出された電磁波rの強度等を比較,判定するための判定基準値として二つの値を用いるものである。
【0052】
例としてまず、第1の実施形態において判定基準値として二つの値を用いる場合について説明する。第1の実施形態は、下層導体層1上の絶縁層2を全て除去するのに要したショット数を算出して該ショット数より除去した絶縁層2の厚みtを求め、これよりプリント配線板3の絶縁層2の厚みt分布を求めて、該絶縁層2の厚みt分布を予め定めてある判定基準値と比較し、良否判定を行うものである。この時、例えば図11に示すように、判定基準値としてショット数の上限値と下限値とを設ける。そして、レーザ加工による穴6の形成時に該上限値を上回るショット数を算出した場合、この穴6の部位における絶縁層2の厚みtが厚いため、良好な穴6の形成ができず(すなわち否であり)、また、該下限値を下回るショット数を算出した場合、この穴6の部位における絶縁層2の厚みtが薄いため、良好な穴6の形成ができない(すなわち否である)、というように判定するものである。
【0053】
次に、第3の実施形態において判定基準値として二つの値を用いる場合について説明する。第3の実施形態は、全ての穴6について各ショット毎に受光器96が検知した繊維7から放射される電磁波rの強度の総和を求め、絶縁層2に含まれる繊維7の絶縁層2面内における粗密分布を求めるものである。この時、例えば判定基準値として電磁波rの強度の総和の上限値と下限値とを設ける。そして、レーザ加工による穴6の形成時に該下限値を下回る電磁波rの強度の総和を算出した場合、この穴6の部位における絶縁層2に含まれる繊維7が粗であるため、全ての穴6に一定条件でレーザ加工を行うとすると、この穴6の形成においては、除去に大きなエネルギーを要する繊維7が少ないために絶縁層2を除去するためのレーザLのエネルギーが必要以上に大きくなり、良好な穴6の形成ができず(すなわち否であり)、また、該上限値を上回る電磁波rの強度の総和を算出した場合、この穴6の部位における絶縁層2に含まれる繊維7が密であるため、除去に大きなエネルギーを要する繊維7が多いために絶縁層2を除去するためのレーザLのエネルギーが不足して、良好な穴6の形成ができない(すなわち否である)、というように判定するものである。
【0054】
次に、第5の実施形態において判定基準値として二つの値を用いる場合について説明する。第5の実施形態は、一つの穴6について繊維7から放射された電磁波rの強度の経時変化を求めて、絶縁層2に含まれる繊維7の絶縁層2の厚みt方向の粗密分布を求めるものである。この時、例えば、絶縁層2に含まれる繊維7の絶縁層2の厚みt方向の粗密分布を上半部t1と下半部t2とに分けて、図12に示すように判定基準値として、(上半部t1の総和)/(下半部t2の総和)の値の上限値と下限値とを設ける。そして、レーザ加工による穴6の形成時に、絶縁層2に含まれる繊維7の絶縁層2の厚みt方向の粗密分布の(上半部t1の総和)/(下半部t2の総和)が該上限値を越える場合、この穴6の部位における絶縁層2に含まれる繊維7は上半部t1の方が下半部t2よりも密であり、偏りがあるために良好な穴6の形成ができず(すなわち否であり)、絶縁層2に含まれる繊維7の絶縁層2の厚みt方向の粗密分布の(上半部t1の総和)/(下半部t2の総和)が該下限値を下回る場合、この穴6の部位における絶縁層2に含まれる繊維7は上半部t1の方が下半部t2よりも粗であり、偏りがあるために良好な穴6の形成ができない(すなわち否である)、というように判定するものである。
【0055】
以上のような構成によれば、レーザ加工を行いながらのインライン検査によって評価をリアルタイムで行うにあたり、精度が良く、判定時間が短くて単純なアルゴリズムでの良否判定等の評価が可能となるものである。
[第8の実施形態]
次に、第8の実施形態を図13及び図14に基づいて説明する。本実施形態は上述した第1乃至第7の実施形態のレーザ加工装置において、レーザ発振器94から発振されるレーザLは透過させて且つ絶縁層2から放射される電磁波rは反射するダイクロイックミラー97を上記レーザLの光路上に配置したものである。
【0056】
レーザ加工時に加工対象物、すなわち、絶縁層2に形成される穴6の穴底61に露出する処理層4や穴6の内側壁に位置する繊維7等、から放射される電磁波rは、穴6の上方に受光器96を配置して検知するのが最も効率がよいが、受光器96を穴6の上方(すなわちX−Yテーブル91の載置面91aの上方)に設置することは、レーザLの光路上に設置することになるため、好ましくない。そこで、レーザ加工時に加工対象物から放射される電磁波rを効率良く検出する方法として、本実施形態では、プリント配線板3の絶縁層2を除去するレーザLの光路上同軸に、電磁波rは反射するがレーザLは透過させるダイクロイックミラー97を設置するものである。
【0057】
図13に示すように、レーザLの光路上にダイクロイックミラー97を45°傾けて設置すると共に、ダイクロイックミラー97の側方に受光器96を設置する。このようにすることで、受光器96をX−Yテーブル91の載置面91aの上方に設置することなく、且つ、レーザLの光路にほとんど影響を及ぼすことなく、レーザ加工時に加工対象物から放射される電磁波rを受光器96にて効率良く検出することが可能となり、第1乃至第7の実施形態におけるようにガルバノミラー93を用いたレーザ加工装置でレーザ加工をする場合でも、レーザ加工の速度を低減させることなく、絶縁層2に穿設する一穴6毎の検査が可能となる。
【0058】
また、加工対象物から放射される電磁波rを反射させるためダイクロイックミラー97一枚を45°傾けてレーザLの光路上同軸に設置した場合、ダイクロイックミラー97を透過する際の屈折によってレーザLの光路が若干ずれるが、図13に示すように、電磁波rを反射させるためダイクロイックミラー97aとは別の同厚みのダイクロイックミラー97b一枚を逆向きに45°傾けてレーザL光路上に設置すると、ダイクロイックミラー97bを透過する際の屈折によってレーザLの光路が逆にずれて、レーザLの光路のずれが元に戻るものである。
【0059】
以上のような構成によれば、プリント配線板3の絶縁層2を除去するレーザLと同軸で加工対象物から放射される電磁波rを検出することができて、ガルバノミラー光学系を用いたレーザ加工装置でも、電磁波rを効率良く検出することが可能となる。
【0060】
【発明の効果】
上記のように本発明の請求項1記載の発明にあっては、下層導体層上の絶縁層をレーザにより除去して下層導体層上面を露出させる工程でのプリント配線板のレーザ加工性評価方法であって、下層導体層上面に電磁波を放射する処理層を形成し、レーザによる絶縁層の除去によって処理層が露出した時に該処理層が放射する電磁波を検出して、絶縁層を除去するのに要したレーザのショット数から絶縁層の厚みを算出し、判定基準値と比較することにより絶縁層の厚み分布を判定したので、レーザ加工において、絶縁層を除去するレーザとは異なる加工対象物(すなわち処理層)から放射される電磁波のみを検知することで、プリント配線板の絶縁層の厚み分布を求めてその良否判定等の評価を精度良く行うことができるようになると共に、受光器にレーザ発振と同等又はより速い応答性を有するものを用いればレーザ加工を行いながらのインライン検査ができるようになって、評価をリアルタイムで行うことや評価で否と判定された場合に即座に再度レーザ加工を行うことが可能となり、また、受光器が検知する電磁波は、反射された電磁波ではなく対象物(すなわち処理層)が一旦貯えたエネルギーを電磁波として等方的に放射するものであるため、該電磁波を検知する受光器の受光方向に制約を受け難いと共に、対象物の表面粗度による影響も受けないものである。
【0061】
また請求項2記載の発明にあっては、下層導体層上の絶縁層をレーザにより除去して下層導体層上面を露出させる工程でのプリント配線板のレーザ加工性評価方法であって、下層導体層上面に電磁波を放射する処理層を形成し、レーザによる絶縁層の除去によって処理層が露出した時に該処理層から放射される電磁波を検出して、該電磁波の強度から絶縁層を除去して形成される穴の穴底面積を算出し、判定基準値と比較することにより絶縁層に形成される穴の穴底面積の分布を判定したので、レーザ加工において、絶縁層を除去するレーザとは異なる加工対象物(すなわち処理層)から放射される電磁波のみを検知することで、プリント配線板の絶縁層に形成される穴の穴底面積の分布を求めてその良否判定等の評価を精度良く行うことができるようになると共に、受光器にレーザ発振と同等又はより速い応答性を有するものを用いればレーザ加工を行いながらのインライン検査ができて評価をリアルタイムで行うことが可能となるものである。
【0062】
また請求項3記載の発明にあっては、下層導体層上の絶縁層をレーザにより除去して下層導体層上面を露出させる工程でのプリント配線板のレーザ加工性評価方法であって、絶縁層がガラス等の繊維を含んだ合成樹脂で成形され、レーザによる絶縁層の除去時に上記繊維から放射される電磁波を検出して、該電磁波の強度から絶縁層に含まれる繊維の含有量を算出し、判定基準値と比較することにより絶縁層に含まれる繊維の絶縁層内粗密分布を判定したので、レーザ加工において、絶縁層を除去するレーザとは異なる加工対象物(すなわち繊維)から放射される電磁波を検知することで、プリント配線板の絶縁層に含まれる繊維の絶縁層面内における粗密分布を求めてその良否判定等の評価を精度良く行うことができるようになると共に、受光器にレーザ発振と同等又はより速い応答性を有するものを用いればレーザ加工を行いながらのインライン検査ができて評価をリアルタイムで行うことが可能となるものである。
【0063】
また請求項4記載の発明にあっては、下層導体層上の絶縁層をレーザにより除去して下層導体層上面を露出させる工程でのプリント配線板のレーザ加工性評価方法であって、レーザによる絶縁層の除去時に絶縁層から放射される電磁波を検出して、該電磁波の強度から絶縁層内の不純物の有無等を判定基準値を用いて判定したので、レーザ加工において、絶縁層を除去するレーザとは異なる加工対象物(すなわち不純物)から放射される電磁波を検知することで、プリント配線板の絶縁層に混入している不純物の有無及びその混入量を求めてその良否判定等の評価を精度良く行うことができるようになると共に、受光器にレーザ発振と同等又はより速い応答性を有するものを用いればレーザ加工を行いながらのインライン検査ができて評価をリアルタイムで行うことが可能となるものである。
【0064】
また請求項5記載の発明にあっては、下層導体層上の絶縁層をレーザにより除去して下層導体層上面を露出させる工程でのプリント配線板のレーザ加工性評価方法であって、絶縁層がガラス等の繊維を含んだ合成樹脂で成形され、レーザによる絶縁層の除去時に上記繊維から放射される電磁波の経時変化を検出して、該電磁波の経時変化から算出される絶縁層に含まれる繊維の絶縁層の厚み方向の粗密分布を判定基準値と比較することにより判定したので、レーザ加工において、絶縁層を除去するレーザとは異なる加工対象物(すなわち繊維)から放射される電磁波を検知することで、プリント配線板の絶縁層に含まれる繊維の絶縁層の厚み方向の粗密分布を求めてその良否判定等の評価を精度良く行うことができるようになると共に、受光器にレーザ発振と同等又はより速い応答性を有するものを用いればレーザ加工を行いながらのインライン検査ができて評価をリアルタイムで行うことが可能となるものである。
【0065】
また請求項6記載の発明にあっては、上記請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の発明の効果に加えて判定基準値に一つの値を用いたので、レーザ加工を行いながらのインライン検査によって評価をリアルタイムで行うにあたり、判定時間が短くて単純なアルゴリズムでの良否判定等の評価が可能となるものである。
【0066】
また請求項7記載の発明にあっては、上記請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の発明の効果に加えて判定基準値に二つの値を用いたので、レーザ加工を行いながらのインライン検査によって評価をリアルタイムで行うにあたり、精度が良く、判定時間が短くて単純なアルゴリズムでの良否判定等の評価が可能となるものである。
【0067】
また請求項8記載の発明にあっては、上記請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の発明の効果に加えてレーザ発振器から発振されるレーザは透過して且つプリント配線板から放射される電磁波は反射するダイクロイックミラーを上記レーザの光路上同軸に配置し、該ダイクロイックミラーで反射した電磁波を検出したので、プリント配線板の絶縁層を除去するレーザと同軸で加工対象物から放射される電磁波を検出することができて、ガルバノミラー光学系を用いたレーザ加工装置でも、電磁波を効率良く検出することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態のレーザ加工における断面図である。
【図2】本発明のレーザ加工において使用するるレーザ加工装置の概略斜視図である。
【図3】本発明の第2の実施形態のレーザ加工における断面図である。
【図4】本発明の第3の実施形態のレーザ加工における断面図である。
【図5】本発明の第4の実施形態のレーザ加工における断面図である。
【図6】本発明の第5の実施形態のレーザ加工における断面図である。
【図7】同上の実施形態の絶縁層に含まれる繊維の絶縁層の厚み方向の粗密分布図である。
【図8】本発明の第6の実施形態において、絶縁層の厚み分布を判定する判定基準値として一つの値を用いる場合の説明図である。
【図9】同上の実施形態において、絶縁層に含まれる繊維の絶縁層の厚み方向の粗密分布を判定する判定基準値として一つの値を用いる場合の説明図である。
【図10】同上の実施形態におけるプリント配線板の断面図である。
【図11】本発明の第7の実施形態において、絶縁層の厚み分布を判定する判定基準値として二つの値を用いる場合の説明図である。
【図12】同上の実施形態において、絶縁層に含まれる繊維の絶縁層の厚み方向の粗密分布を判定する判定基準値として二つの値を用いる場合の説明図である。
【図13】本発明の第8の実施形態のレーザ加工における断面図である。
【図14】同上の実施形態の他例のレーザ加工における断面図である。
【符号の説明】
1 下層導体層
2 絶縁層
3 プリント配線板
3a 加工面
4 処理層
5 上層導体層
51 開口
6 穴
7 繊維
8 不純物
91 X−Yテーブル
91a 載置面
92 f−θレンズ
93 ガルバノミラー
93a 縦ガルバノミラー
93b 横ガルバノミラー
94 レーザ発振器
95 マスク
96 受光器
97 ダイクロイックミラー
L レーザ
S 穴底面積
r 電磁波
t 絶縁層の厚み[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a method for evaluating the workability of a wiring board having a single-layer or multi-layer wiring, and more specifically, a printed wiring in a step of removing an insulating layer on a lower conductor layer with a laser to expose an upper surface of the lower conductor layer. The present invention relates to a method for evaluating laser workability of a plate.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, there is a printed wiring board mainly composed of an insulating layer mainly formed of a synthetic resin or the like and a conductor layer made of a metal foil or the like laminated and adhered to the surface of the insulating layer. This printed wiring board has an electrical circuit having a wiring pattern, with the conductor layer laminated and bonded to the lower surface side of the insulating layer as the lower layer conductor layer, and the conductor layer laminated and bonded to the upper surface side as the upper layer conductor layer. However, the upper conductor layer is not particularly necessary, and only the lower conductor layer may be laminated and bonded to the insulating layer.
[0003]
In such a printed wiring board, a hole that penetrates the insulating layer is formed by removing a synthetic resin or the like that forms the insulating layer. For example, in the case of a printed wiring board having an upper conductor layer and a lower conductor layer, this hole is formed with a hole penetrating the upper conductor layer upper surface side and the insulating layer lower surface side and on the inner surface of this hole. It may be a hole for forming a so-called VIA hole in which plating is performed and the upper conductor layer and the lower conductor layer are made conductive through the plating. It is not limited.
[0004]
As described above, a hole that penetrates the insulating layer is drilled in the printed wiring board. At this time, the hole to be drilled in the insulating layer is drilled to the lower conductor layer itself on the lower surface side of the insulating layer. In other words, the bottom of the hole is made to be the upper surface of the lower conductor layer, and the insulating layer of the printed wiring board is formed by laser processing that facilitates such processing. It is common practice to drill holes.
[0005]
However, when the insulating layer of the printed wiring board is removed by laser processing and the hole is drilled, the thickness of the insulating layer varies between printed wiring board production lots, or the same printed wiring board is used. If the wiring pattern of the circuit formed by the lower conductor layer causes variations in the thickness of the insulating layer depending on the location, it is removed if all holes to be drilled are laser processed under the same processing conditions. The thickness of the insulating layer becomes almost constant or less, and all the insulating layer on the lower conductor layer remains without being removed, resulting in a hole where the hole bottom does not reach the upper surface of the lower conductor layer. There is a problem, and for this, the thickness distribution of the insulating layer of the printed wiring board is measured to obtain the thickness distribution, and this is compared with a predetermined criterion value for determining pass / fail etc. It was those which it is desired to perform the valence.
[0006]
Further, when a hole is formed by removing the insulating layer of the printed wiring board by laser processing, if the hole bottom area of the hole does not have a predetermined area, the printed wiring board has a predetermined performance. There is a problem that there is a fear that there is a problem, measure the hole bottom area of the hole drilled in the insulating layer, and compare this with a predetermined criterion value to determine pass / fail It was desired to evaluate the above.
[0007]
Further, when the insulating layer of the printed wiring board is removed by laser processing and the hole is drilled, the insulating layer is formed of a synthetic resin impregnated with fibers such as glass, and the fibers are uniform in the plane of the insulating layer. If all the holes to be drilled are laser processed under the same processing conditions, the insulating layer can be made uniform by the density of fibers in the insulating layer part to be drilled. Cannot be removed and the shape of all the holes drilled in the insulating layer cannot be made the same, or the insulating layer on the lower conductor layer is not completely removed and the hole bottom remains in the lower conductor layer. There is a problem that a hole that does not reach the upper surface is generated, and for this, the density distribution in the surface of the insulating layer of the fiber is obtained, and this is compared with a predetermined criterion value. Hope to evaluate pass / fail It was intended to be.
[0008]
Also, when holes are drilled by removing the insulating layer of the printed wiring board by laser processing, if the insulating layer contains impurities such as copper powder or glass fiber, it is the same for all holes to be drilled If the laser processing is performed under the above processing conditions, the presence or absence of impurities mixed in the portion of the insulating layer where the hole is to be drilled and the thickness of the insulating layer to be removed vary depending on the mixed amount, so that the lower conductor layer There is a problem that a hole in which the upper insulating layer is not completely removed and the bottom of the hole does not reach the upper surface of the lower conductor layer is generated. It is desired to detect the presence / absence and compare it with a predetermined criterion value to evaluate the quality.
[0009]
Further, when the insulating layer of the printed wiring board is removed by laser processing and the hole is drilled, the insulating layer is formed of a synthetic resin impregnated with fibers such as glass, and the fibers are uniform in the thickness direction of the insulating layer. If the holes are not distributed, the insulating layer from which the holes are to be drilled can be uniformly removed in the thickness direction if all the holes to be drilled are laser processed under the same processing conditions. The shape of all holes formed in the insulating layer cannot be made the same, or the insulating layer on the lower conductor layer remains without being removed and the bottom of the hole does not reach the upper surface of the lower conductor layer. There is a problem that holes are generated, and for this, the density distribution in the thickness direction of the insulating layer of the fiber is obtained, and this is compared with a predetermined criterion value such as pass / fail judgment It ’s something you want to do Was Tsu.
[0010]
Therefore, in order to solve the above-mentioned problem, before and after performing laser processing on the printed wiring board, the printed wiring board is extracted, the printed wiring board is cut and subjected to cross-sectional polishing, and the cross-section is observed with an optical microscope, SEM, etc. The thickness of the layer was measured and evaluated.
[0011]
However, in the conventional laser workability evaluation method by such cross-sectional polishing, the evaluation by the above-described measurement and the like cannot be performed at many parts of the printed wiring board, and the evaluation takes a long time, and the printed wiring board needs to be destroyed. Since it was difficult to accurately evaluate the entire printed wiring board, it took less time to evaluate and the distribution could be obtained by measuring as described above in many parts of the printed wiring board. Therefore, an evaluation method capable of accurately evaluating the printed wiring board throughout is desired.
[0012]
[Problems to be solved by the invention]
The present invention has been made in view of the above points, and the object of the present invention is to reduce the time required for evaluation, and to provide a non-destructive thickness of an insulating layer in many parts of a printed wiring board. It is an object of the present invention to provide a method for evaluating the laser workability of a printed wiring board that can determine the distribution of the printed wiring board and evaluate them.
[0013]
[Means for Solving the Problems]
In order to solve the above problems, the method for evaluating laser workability of a printed wiring board according to the present invention includes a step of removing the
[0014]
Also, there is provided a method for evaluating the laser workability of a printed wiring board in the step of removing the
[0015]
Also, there is provided a method for evaluating the laser workability of a printed wiring board in a process of removing the insulating
[0016]
In addition, a method for evaluating the laser workability of a printed wiring board in the process of removing the insulating
[0017]
Also, there is provided a method for evaluating the laser workability of a printed wiring board in a process of removing the insulating
[0018]
Moreover, it is preferable to use one value for the determination reference value. With such a configuration, when the evaluation is performed in real time by the in-line inspection while performing the laser processing, it is possible to evaluate the pass / fail judgment with a simple algorithm with a short determination time.
[0019]
Moreover, it is preferable to use two values for the criterion value. With such a configuration, when performing evaluation in real time by in-line inspection while performing laser processing, it is possible to evaluate pass / fail judgment with a simple algorithm with high accuracy and a short determination time. is there.
[0020]
A
[0021]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, a laser workability evaluation method for a printed
[First Embodiment]
First, the printed
[0022]
Next, a laser processing apparatus used for laser processing for removing the insulating
[0023]
Laser processing for removing the insulating
[0024]
First, before the insulating
[0025]
The upper surface of the insulating
[0026]
The
[0027]
Further, the laser L in the laser processing is oscillated from a
[0028]
According to the above configuration, in laser processing, an object to be processed that is different from the laser L for removing the insulating layer 2 (that is, the
[0029]
The
[Second Embodiment]
Next, a second embodiment will be described based on FIG. Since this embodiment is basically the same as the first embodiment described above, different parts will be mainly described.
[0030]
In the first embodiment, the electromagnetic wave r radiated from the
[0031]
The intensity of the electromagnetic wave r emitted after the
[0032]
According to the above configuration, in laser processing, an object to be processed that is different from the laser L for removing the insulating layer 2 (that is, the
[Third Embodiment]
Next, a third embodiment will be described with reference to FIG. In this embodiment, the same parts as those of the first embodiment described above are omitted, and different parts are mainly described.
[0033]
In the present embodiment, first, the printed
[0034]
In this embodiment, the printed
[0035]
In order to remove the insulating
[0036]
In the laser processing, when the laser L is irradiated to the insulating
[0037]
According to the configuration as described above, in the laser processing, the electromagnetic wave r radiated from the processing object (that is, the
[Fourth Embodiment]
Next, a fourth embodiment will be described with reference to FIG. Since the present embodiment is basically the same as the above-described third embodiment, different parts will be mainly described.
[0038]
In the third embodiment, the intensity of the electromagnetic wave r radiated from the
[0039]
In this embodiment, the printed
[0040]
In order to remove the insulating
[0041]
When the laser L is irradiated to the insulating
[0042]
According to the above configuration, in laser processing, an electromagnetic wave radiated from a processing object different from the laser L that removes the insulating layer 2 (that is, the
[Fifth Embodiment]
Next, a fifth embodiment will be described with reference to FIGS. Since the present embodiment is basically the same as the above-described third embodiment, different parts will be mainly described.
[0043]
In the third embodiment, the intensity of the electromagnetic wave r radiated from the
[0044]
The printed
[0045]
In order to remove the insulating
[0046]
In the laser processing, when the laser L is irradiated to the insulating
[0047]
According to the configuration as described above, in the laser processing, the electromagnetic wave r radiated from the processing object (that is, the
[Sixth Embodiment]
Next, a sixth embodiment will be described with reference to FIGS. This embodiment uses a single value as a determination reference value for comparing and determining the intensity of the detected electromagnetic wave r in the first to fifth embodiments described above.
[0048]
As an example, first, a case where one value is used as a determination reference value in the first embodiment will be described. In the first embodiment, the number of shots required to remove all of the insulating
[0049]
Next, a case where one value is used as the determination reference value in the third embodiment will be described. 3rd Embodiment calculates | requires the sum total of the intensity | strength of the electromagnetic waves r radiated | emitted from the
[0050]
Next, a case where one value is used as the determination reference value in the fifth embodiment will be described. 5th Embodiment calculates | requires the time-dependent change of the intensity | strength of the electromagnetic wave r radiated | emitted from the
[0051]
According to the configuration as described above, when an evaluation is performed in real time by an in-line inspection while laser processing is performed, it is possible to perform an evaluation such as pass / fail determination using a simple algorithm with a short determination time.
[Seventh Embodiment]
Next, a seventh embodiment will be described with reference to FIGS. This embodiment uses two values as determination reference values for comparing and determining the intensity and the like of the detected electromagnetic wave r in the first to fifth embodiments described above.
[0052]
As an example, first, a case where two values are used as determination reference values in the first embodiment will be described. In the first embodiment, the number of shots required to remove all of the insulating
[0053]
Next, a case where two values are used as determination reference values in the third embodiment will be described. 3rd Embodiment calculates | requires the sum total of the intensity | strength of the electromagnetic waves r radiated | emitted from the
[0054]
Next, a case where two values are used as determination reference values in the fifth embodiment will be described. 5th Embodiment calculates | requires the time-dependent change of the intensity | strength of the electromagnetic wave r radiated | emitted from the
[0055]
According to the configuration as described above, when performing evaluation in real time by in-line inspection while performing laser processing, it is possible to evaluate pass / fail judgment with a simple algorithm with high accuracy and a short determination time. is there.
[Eighth Embodiment]
Next, an eighth embodiment will be described with reference to FIGS. In this embodiment, in the laser processing apparatuses of the first to seventh embodiments described above, a
[0056]
The electromagnetic wave r radiated from the object to be processed at the time of laser processing, that is, the
[0057]
As shown in FIG. 13, a
[0058]
Further, when one
[0059]
According to the above configuration, the electromagnetic wave r radiated from the workpiece can be detected coaxially with the laser L that removes the insulating
[0060]
【The invention's effect】
As described above, in the invention according to
[0061]
The invention of
[0062]
The invention according to
[0063]
According to a fourth aspect of the present invention, there is provided a laser workability evaluation method for a printed wiring board in a step of removing an insulating layer on a lower conductor layer with a laser to expose the upper surface of the lower conductor layer, Since the electromagnetic wave radiated from the insulating layer is detected when the insulating layer is removed, and the presence / absence of impurities in the insulating layer is determined from the intensity of the electromagnetic wave using the determination reference value, the insulating layer is removed in the laser processing. By detecting electromagnetic waves radiated from workpieces (that is, impurities) that are different from lasers, the presence or absence of impurities mixed in the insulating layer of the printed wiring board and the amount of such contamination are evaluated, and evaluations such as pass / fail judgment are performed. In addition to being able to perform with high accuracy, if an optical receiver with a response equal to or faster than laser oscillation is used, in-line inspection can be performed while laser processing is performed, and evaluation is performed. One in which it is possible to perform in real-time.
[0064]
The invention according to
[0065]
In addition, in the invention according to
[0066]
In the invention according to
[0067]
In the invention according to
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a cross-sectional view in laser processing according to a first embodiment of the present invention.
FIG. 2 is a schematic perspective view of a laser processing apparatus used in laser processing of the present invention.
FIG. 3 is a cross-sectional view in laser processing according to a second embodiment of the present invention.
FIG. 4 is a cross-sectional view in laser processing according to a third embodiment of the present invention.
FIG. 5 is a cross-sectional view in laser processing according to a fourth embodiment of the present invention.
FIG. 6 is a cross-sectional view in laser processing according to a fifth embodiment of the present invention.
FIG. 7 is a density distribution diagram in the thickness direction of an insulating layer of fibers included in the insulating layer according to the embodiment;
FIG. 8 is an explanatory diagram in the case where one value is used as a determination reference value for determining the thickness distribution of an insulating layer in the sixth embodiment of the present invention.
FIG. 9 is an explanatory diagram in the case where one value is used as a determination reference value for determining the density distribution in the thickness direction of the insulating layer of the fibers included in the insulating layer in the embodiment.
FIG. 10 is a cross-sectional view of a printed wiring board in the embodiment.
FIG. 11 is an explanatory diagram in the case where two values are used as determination reference values for determining the thickness distribution of an insulating layer in the seventh embodiment of the present invention.
FIG. 12 is an explanatory diagram in the case where two values are used as determination reference values for determining the density distribution in the thickness direction of the insulating layer of fibers included in the insulating layer in the embodiment.
FIG. 13 is a cross-sectional view in laser processing according to an eighth embodiment of the present invention.
FIG. 14 is a cross-sectional view in laser processing of another example of the embodiment described above.
[Explanation of symbols]
1 Lower conductor layer
2 Insulating layer
3 Printed wiring board
3a Machined surface
4 treatment layers
5 Upper conductor layer
51 opening
6 holes
7 Fiber
8 Impurities
91 XY table
91a Mounting surface
92 f-θ lens
93 Galvano mirror
93a Vertical galvanometer mirror
93b Horizontal galvanometer mirror
94 Laser oscillator
95 mask
96 Receiver
97 Dichroic Mirror
L Laser
S Hole bottom area
r electromagnetic wave
t Insulation layer thickness
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