JP4290967B2 - 無線ＬＡＮネットワークＱｏＳ制御システム、基地局、端末、ＱｏＳ制御方法およびプログラム - Google Patents
無線ＬＡＮネットワークＱｏＳ制御システム、基地局、端末、ＱｏＳ制御方法およびプログラム Download PDFInfo
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は無線ＬＡＮネットワークＱｏＳ（Quality of Service）制御システム、無線ＬＡＮ基地局、無線ＬＡＮ端末及び無線ＬＡＮネットワークＱｏＳ制御方法に関する。
【０００２】
【従来の技術】
無線ＬＡＮ （ＬｏｃａｌＡｒｅａ Ｎｅｔｗｏｒｋ） アクセスポイント（無線ＬＡＮ基地局）からＱｏＳを受けるにあたって、使用する端末（ＰＣ）毎にＱｏＳがされているものがほとんどである。
【０００３】
一方、特許文献１には、ユーザ毎にＱｏＳを提供することが開示されている。また、ポリシーサーバと連携して、ＱｏＳの自動構築を行う技術が、特許文献２、特許文献３等に開示されている。
【０００４】
【特許文献１】
特開２０００−０９２１２３号
【特許文献２】
特開２０００−２０９２６７号
【特許文献３】
特開２００２−０３１２０７号
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献１は、パケットに特別なユーザ情報を付加しなければならず、汎用性が無くなるという課題があった。
【０００６】
また、特許文献２、特許文献３等に開示されている技術は、ＩＰネットワーク内部のＱｏＳ制御を行うことを目的としており、無線ＬＡＮアクセスポイントと無線ＬＡＮ端末間でのＱｏＳを開示するものではない。
【０００７】
【課題を解決するための手段】
本発明の無線ＬＡＮネットワークのＱｏＳ制御システムは、無線ＬＡＮ基地局と、該無線ＬＡＮ基地局と接続される１つ又は複数の無線ＬＡＮ端末とを含む無線ＬＡＮネットワークのＱｏＳ制御システムにおいて、前記無線ＬＡＮ基地局は、前記無線ＬＡＮネットワークのユーザが前記無線ＬＡＮ端末から認証要求を行う場合に、記録されたユーザの認証情報に基づいて認証要求がされたユーザの認証を行い、前記無線ＬＡＮ端末を識別するための情報と記録された該認証要求がされたユーザのＱｏＳ内容とを前記無線ＬＡＮ基地局に対して通知するサーバに、通信ネットワークを介して接続され、前記無線ＬＡＮ基地局は、前記無線ＬＡＮ端末から受信した、無線ＬＡＮ端末を識別するための情報が前記サーバから通知されたものと一致する場合に、前記サーバから通知されたＱｏＳの優先度情報に従ってパケットの優先度を決定する優先制御を行い、前記無線ＬＡＮ端末は前記無線ＬＡＮ基地局を介して受信した前記サーバから通知されたＱｏＳの優先度情報に従って優先制御を行い、前記サーバは、前記無線ＬＡＮネットワークのユーザ毎の認証情報を記憶し、前記無線ＬＡＮネットワークのユーザが前記無線ＬＡＮ端末から前記無線ＬＡＮ基地局を介して認証要求を行う場合に、前記無線ＬＡＮ端末を識別するための情報と該ユーザのユーザ情報を通知する認証サーバと、ユーザ毎にＱｏＳ内容を記憶し、該認証サーバから通知されたユーザ情報に該当するＱｏＳ内容を、前記無線ＬＡＮ端末を識別するための情報と共に前記無線ＬＡＮ基地局に対して通知するポリシーサーバとから構成される無線ＬＡＮネットワークＱｏＳ制御システムである。
【０００８】
本発明の無線ＬＡＮ基地局は、無線ＬＡＮ基地局と、該無線ＬＡＮ基地局と接続される１つ又は複数の無線ＬＡＮ端末とを含む無線ＬＡＮネットワークの無線ＬＡＮ基地局において、
前記無線ＬＡＮ基地局は、サーバに通信ネットワークを介して接続され、前記無線ＬＡＮネットワークのユーザが前記無線ＬＡＮ端末から認証要求を行う場合に、前記サーバから通知された無線ＬＡＮ端末を識別するための情報とＱｏＳ内容とを受け取る手段と、該受け取った無線ＬＡＮ端末を識別する情報が前記無線ＬＡＮ端末から受信したものと一致するかを検出する手段と、該一致した場合に前記サーバから通知されたＱｏＳの優先度情報に従ってパケットの優先度を決定する優先制御を行う手段を有することを特徴とする無線ＬＡＮ基地局である。
【００１０】
本発明の無線ＬＡＮネットワークのＱｏＳ制御方法は、無線ＬＡＮ基地局と、該無線ＬＡＮ基地局と接続される１つ又は複数の無線ＬＡＮ端末とを含む無線ＬＡＮネットワークのＱｏＳ制御方法において、前記無線ＬＡＮ基地局と通信ネットワークを介して接続されるサーバが、前記無線ＬＡＮネットワークのユーザが前記無線ＬＡＮ端末から認証要求を行う場合に、記録されたユーザの認証情報に基づいて認証要求がされたユーザの認証を行い、前記無線ＬＡＮ端末を識別するための情報と記録された該認証要求がされたユーザのＱｏＳ内容とを前記無線ＬＡＮ基地局に対して通知する第１の過程と、前記無線ＬＡＮ基地局が、前記無線ＬＡＮ端末から受信した、無線ＬＡＮ端末を識別するための情報が前記サーバから通知されたものと一致する場合に、前記サーバから通知されたＱｏＳの優先度情報に従ってパケットの優先度を決定する優先制御を行う第２の過程と、前記無線ＬＡＮ端末が、前記無線ＬＡＮ基地局を介して受信した前記サーバから通知されたＱｏＳの優先度情報に従って優先制御を行う第３の過程と、を備えた無線ＬＡＮネットワークＱｏＳ制御方法である。
【００１１】
本発明の無線ＬＡＮ基地局のＱｏＳ制御プログラムは、１つ又は複数の無線ＬＡＮ端末が無線ＬＡＮネットワークで無線ＬＡＮ基地局と接続され、無線ＬＡＮネットワークのユーザが前記無線ＬＡＮ端末から認証要求を行う場合に、記録されたユーザの認証情報に基づいて認証要求がされたユーザの認証を行い、前記無線ＬＡＮ端末を識別するための情報と記録された該認証要求がされたユーザのＱｏＳ内容とを通知するサーバが、通信ネットワークで前記無線ＬＡＮ基地局と接続されてなる無線ＬＡＮネットワークにおける、無線ＬＡＮ基地局のＱｏＳ制御プログラムにおいて、前記無線ＬＡＮ端末から認証要求を受信したときに、無線ＬＡＮ基地局に関する情報を付加して前記サーバに送信する第１処理と、前記サーバにより認証要求がされたユーザの認証がされなかった場合に前記サーバから送信された認証が失敗したことを示す情報を、前記無線ＬＡＮ端末に送信する第２の処理と、前記サーバにより認証要求がされたユーザの認証がされた場合に、前記サーバから送信された無線ＬＡＮ端末を識別するための情報で規定された無線ＬＡＮ端末について、前記サーバから通知されたＱｏＳの優先度情報に従ってパケットの優先度を決定する優先制御を行う第３の処理と、を含む無線ＬＡＮ基地局のＱｏＳ制御プログラムである。
【００１２】
本発明の無線ＬＡＮ端末のＱｏＳ制御プログラムは、１つ又は複数の無線ＬＡＮ端末が無線ＬＡＮネットワークで無線ＬＡＮ基地局と接続され、無線ＬＡＮネットワークのユーザが前記無線ＬＡＮ端末から認証要求を行う場合に、記録されたユーザの認証情報に基づいて認証要求がされたユーザの認証を行い、前記無線ＬＡＮ端末を識別するための情報と記録された該認証要求がされたユーザのＱｏＳ内容とを通知するサーバが、通信ネットワークで前記無線ＬＡＮ基地局と接続されてなる無線ＬＡＮネットワークにおける、無線ＬＡＮ端末のＱｏＳ制御プログラムにおいて、前記無線ＬＡＮ基地局に対して認証要求を送信する第１処理と、前記サーバにより認証要求がされたユーザの認証がされた場合に、前記サーバから通知されたＱｏＳの優先度情報に従って優先制御を行う第２の処理と、を含む無線ＬＡＮ端末のＱｏＳ制御プログラムである。
【００１３】
本発明においては、無線ＬＡＮにて接続された端末を操作するユーザが認証サーバにログインすることにより、該端末の無線ＬＡＮパケットに対して、あらかじめ利用者毎に定められたＱｏＳを行うことを可能とする。これにより、使用する端末が変わっても、同じ利用者がログインすれば、常に同じＱｏＳを受けられるようになる。
【００１４】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について図面を用いて詳細に説明する。
【００１５】
図１は本発明の無線ＬＡＮネットワークＱｏＳ制御システムの一実施形態を示すブロック図である。
【００１６】
図１において、１０１はＩＰ (Internet Protocol) ネットワークであり、ＬＡＮ (Local Area Network)，ＷＡＮ (Wide Area Network)，インターネット等のＩＰパケットのネットワークを意味する。１１２及び１１３は無線ＬＡＮアクセスポイントであり、１４１，１４２は無線ＬＡＮアクセスポイント（無線ＬＡＮ基地局）１１２，１１３により提供される無線ＬＡＮネットワークである。無線ＬＡＮアクセスポイント１１２，１１３はＱｏＳ（Quality of Service）機能とＩＰネットワーク１０１とのＩＰパケットのブリッジも提供する。
【００１７】
Ｗｅｂサーバ１２１は、ＩＰネットワーク１０１，無線ＬＡＮネットワーク１４１，１４２を介して無線ＬＡＮ端末１５１〜１５３の利用者１６１〜１６３に対してＷｅｂサービスを提供する。Ｅｍａｉｌサーバ１２２は、ＩＰネットワーク１０１，無線ＬＡＮネットワーク１４１，１４２を介して無線ＬＡＮ端末１５１〜１５３の利用者１６１〜１６３に対してメールサービスを提供する。
【００１８】
認証サーバ１２３は、利用者１６１〜１６３毎の認証情報を記憶し、利用者１６１〜１６３が無線ＬＡＮ端末１５１〜１５３から認証要求を行うと、無線ＬＡＮ端末を識別できるＩＰアドレス，ＭＡＣアドレス等の識別情報と利用者情報を含む端末利用者識別情報をポリシーサーバ１２４へ通知する。
【００１９】
ポリシーサーバ１２４は、利用者毎に優先制御を行うＱｏＳ内容を記憶し、通知された端末利用者識別情報の利用者に該当するＱｏＳ内容を無線ＬＡＮアクセスポイント１１２，１１３に対して、無線ＬＡＮ端末を識別できる情報とＱｏＳ内容を含めた端末識別ＱｏＳ情報として通知する。
【００２０】
交換制御部１３１は、ＩＰネットワーク１０１，無線ＬＡＮネットワーク１４１，１４２を介して無線ＬＡＮ端末１５１〜１５３に対して、音声，ビデオによる通話機能を提供する。尚、無線ＬＡＮ端末１５１〜１５３が各端末同士でダイレクトに通話が可能であれば、交換制御部１３１は無くても良い。
【００２１】
ＶｏＩＰ端末及びＧＷ（Gate Way）部１３２は各無線ＬＡＮ端末のＶｏＩＰクライアントと図示されない、公衆網とのゲートウェイ機能を提供する。
【００２２】
無線ＬＡＮネットワーク１４１，１４２に収容される無線ＬＡＮ端末１５１〜１５３は、Ｗｅｂアクセスや、Ｅｍａｉｌのクライアント機能、及びＶｏＩＰによる音声，ビデオ通話機能を有する。
【００２３】
図２に図１に示した無線ＬＡＮアクセスポイント１１２、１１３の一構成例を示す。
【００２４】
上段のＬＡＮ Ｉ／Ｆ部２１１，送信制御部２１２，受信制御部２１３，バッファ２１４はＩＰネットワーク側の制御部分で、下段のＬＡＮ Ｉ／Ｆ部２１１，送信制御部２１２，受信制御部２１３，バッファ２１４は無線ＬＡＮ側の制御部分である。
【００２５】
ＬＡＮ Ｉ／Ｆ部２１１はＩＰネットワーク２０１とのメディア変換を行う。送信制御部２１２及び受信制御部２１３はパケット送受信制御を行う。同様に無線ＬＡＮ Ｉ／Ｆ部２２１は無線ＬＡＮネットワークとのメディア変換を行い、送信制御部２２２及び受信制御部２２３はパケットの送受信制御を行う。
【００２６】
バッファ２１４は、ＩＰネットワーク１０１に対して送信するパケットを一時的に蓄積するバッファであり、優先キュー２１４Ａと非優先キュー２１４Ｂとを有する。バッファ２２４は、無線ＬＡＮネットワーク１４１又は１４２に対して送信するパケットを一時的に蓄積するバッファであり、各々優先キュー２２４Ａと非優先キュー２２４Ｂとを有する。
【００２７】
優先制御部２３１は受信制御部２１３，２２３で受信したパケットを、パケットにセットされている宛先に基づき、ＩＰネットワーク向けのバッファ２１４あるいは無線ＬＡＮネットワーク向けのバッファ２２４に振り分ける。この際、ポリシー受信部２３２からのポリシーに基づき、各パケットの優先度を決定し、優先キュー２１４Ａ又は２２４Ａか非優先キュー２１４Ｂ又は２２４Ｂにパケットを振り分ける。
【００２８】
ポリシー受信部２３２はポリシーサーバ１２４からのポリシーを優先制御部２３１へ支持すると共に、無線ＬＡＮ Ｉ／Ｆ２２１を経由して無線ＬＡＮ端末１５１〜１５３に対して、ポリシーを配布する。
【００２９】
図３に、図１に示した無線ＬＡＮ端末１５１〜１５３の一構成例を示す。
【００３０】
無線ＬＡＮ Ｉ／Ｆ３１１は無線ＬＡＮネットワーク１４１又は１４２とのメディア変換を行い、送信制御部３１２，受信制御部３１３はパケットの送受信制御を行う。
【００３１】
バッファ３１４は、無線ＬＡＮネットワーク１４１又は１４２に対して送信するパケットを一時的に蓄積するバッファであり、優先キュー３１４Ａと非優先キュー３１４Ｂを有する。
【００３２】
優先制御部３２２は情報処理ユニット３３１で生成したパケットをポリシー受信部３２１からのポリシーに基づき、各パケットの優先度を決定し、優先キューか非優先キューにパケットを振り分ける。
【００３３】
ポリシー受信部３２１はポリシーサーバ１２４からのポリシーを優先制御部３２２へ指示する。
【００３４】
情報処理ユニット３３１は、ＶｏＩＰ処理部３３１Ａ及びデータ処理部３３１Ｂで構成される。ＶｏＩＰ処理部３３１Ａは、マイクスピーカ３０１，ビデオカメラ３０２，ディスプレー３０３を使って、音声及びビデオによる通話を制御する。データ処理部３３１Ｂはディスプレー３０３、キーボードマウス３０４を使って、利用者の操作に基づき、Ｅｍａｉｌクライアントサービス、Ｗｅｂブラウジングサービス等のデータ系サービスを提供する。
【００３５】
（動作の説明）
以下図４、図８及び図９のフローチャートを用いて上記構成の無線ＬＡＮネットワークＱｏＳ制御システムの動作について説明する。
【００３６】
図１〜図３を用いて説明した無線ＬＡＮネットワークＱｏＳ制御システムにおいて、利用者１６１〜１６３が無線ＬＡＮ端末１５１〜１５３を起動させた後（ステップＳ２１）、無線ＬＡＮ端末１５１〜１５３を使いＱｏＳを受けるに当たって、無線ＬＡＮ端末１５１〜１５３にあらかじめ記憶されるか、利用者１６１〜１６３により無線ＬＡＮ端末１５１〜１５３のキーボードマウス３０４を用いて入力された認証情報４０１を（ステップＳ２２）、自端末の情報を付加し認証要求４０２として無線ＬＡＮアクセスポイント１１２，１１３へ送信し（ステップＳ２２）、起動されている無線ＬＡＮアクセスポイント１１２，１１３では認証要求４０２を受け（ステップＳ１１、ステップＳ１２）、さらにアクセスポイント情報を付加し認証要求４０３として認証サーバ１２３へ送信することにより、ＱｏＳの開始を要求する（ステップＳ１３）。
【００３７】
利用者１６１〜１６３が利用するたびに認証情報４０１を入力するようにしておけば、普段利用しているものとは異なる無線ＬＡＮ端末を使う場合でも（例えば、利用者１６１が無線ＬＡＮ端末１５２や１５３を使う場合でも）常に同じ認証情報４０１を使うため、認証要求４０２，４０３も利用者が同じであるため、常に同じ内容が送信される。
【００３８】
認証サーバ１２３は無線ＬＡＮ端末１５１〜１５３から無線ＬＡＮアクセスポイント１１２〜１１３を経由しての認証要求４０３を受け取り、認証が可能であると、該端末を識別できるＩＰアドレス，ＭＡＣアドレス等の識別情報と利用者情報を含む、端末利用者識別情報４０４をポリシーサーバ１２４へ通知する。
【００３９】
ポリシーサーバ１２４は通知された端末利用者識別情報４０４の利用者に該当するＱｏＳ内容を無線ＬＡＮアクセスポイント１１２，１１３に対して、無線ＬＡＮ端末を識別できる情報とＱｏＳ内容とを含めた端末識別ＱｏＳ情報４０５として通知する。
【００４０】
一方、認証サーバ１２３は、認証ができないときには無線ＬＡＮアクセスポイント１１２，１１３へ認証失敗４０７を通知する。
【００４１】
無線ＬＡＮアクセスポイント１１２，１１３は端末識別ＱｏＳ情報４０５又は認証失敗４０７をポリシー受信部２３２で受け取り（ステップＳ１４）、端末識別ＱｏＳ情報４０５を受けた場合は端末識別情報とＱｏＳ内容をペアーにして記憶し、優先制御部２３１に対して、制御の指示をかける。ポリシー受信部２３２でＱｏＳ情報４０５のアクセスポイント情報を取得し、アクセスポイントの内容に従って端末情報に規定された端末のＱｏＳ制御を行う（ステップＳ１５、Ｓ１７）。認証失敗４０７を受けた場合は、無線ＬＡＮ端末に対して無線ＬＡＮ Ｉ／Ｆ２２１を経由して認証失敗４０７を送信し（ステップＳ１８）、ＱｏＳ動作不許可として通常のＬＡＮサービスを行う（ステップＳ１９）。
【００４２】
また、ＱｏＳ情報４０６を端末識別情報に該当する無線ＬＡＮ端末に対して無線ＬＡＮ Ｉ／Ｆ２２１を経由して送信する（ステップＳ１６）。無線ＬＡＮ端末１５１〜１５３は、無線ＬＡＮアクセスポイント１１２，１１３からＱｏＳ情報４０６又は認証失敗４０７をポリシー受信部３２１で受信し（ステップＳ２４）、端末識別ＱｏＳ情報４０５を受けた場合はＱｏＳ内容を記憶すると共に、優先制御部３２２に対して、制御の指示をかける。ポリシー受信部３２１でＱｏＳ情報４０６の端末情報を取得し、端末情報の内容に従って端末情報に規定された端末のＱｏＳ制御を行う（ステップＳ２５、Ｓ２７）。認証失敗４０７を受けた場合は、利用者に対してＱｏＳ不可を通知し（ステップＳ２８）、ＱｏＳ動作不許可として通常のＬＡＮサービスを行う（ステップＳ２９）。以上で、無線ＬＡＮにおけるＱｏＳの認証動作が完了する。次に、実際のＱｏＳ動作について、更に図４を参照しながら説明する。
【００４３】
利用者１６１〜１６３は、利用者とパスワード情報（例えば利用者：太郎、パスワード：ＸＹＺ）を含む認証情報４０１を無線ＬＡＮ端末１５１〜１５３に入力する。
【００４４】
無線ＬＡＮ端末１５１〜１５３は、認証情報４０１に、無線ＬＡＮ端末のＩＰアドレス、ＭＡＣアドレス、ＱｏＳを提供する優先機能，パケットを圧縮したりパッキングしてマルチキャスト等の手段で効率良く送信するパケット圧縮機能等の有無の情報、及び端末が有するＱｏＳの提供が必要なプロトコル，ＣＯＤＥＣ等の情報を付加して、認証要求４０２として無線ＬＡＮアクセスポイント１１２，１１３に送信する。
【００４５】
無線ＬＡＮアクセスポイント１１２，１１３は、認証要求４０２に、アクセスポイントのＩＰアドレス、ＭＡＣアドレス、優先制御やパケット圧縮等のＱｏＳ機能の有無を付加して、認証要求４０３として認証サーバ１２３へ送信する。なお、無線ＬＡＮアクセスポイント１１２，１１３のポリシー受信部２３２は記録部を有しており、認証要求４０２の無線ＬＡＮ端末のＩＰアドレス、ＭＡＣアドレス等の端末情報が記録され、ポリシーサーバから端末識別ＱｏＳ情報４０５を受けたときに端末情報どうしが一致するかどうかの判断を行い、一致したときに優先制御を行う。
【００４６】
認証サーバ１２３は、認証要求４０３の利用者とパスワード等により、該利用者がＱｏＳを受ける資格があるかを判定し、資格がある場合には、ポリシーサーバ１２４に対して、受け取った認証要求４０３の内容を、端末利用者認証要求情報４０４として送信し、無線ＬＡＮアクセスポイント１１２，１１３、無線ＬＡＮ端末１５１〜１５３に対するポリシーの配布を要求する。また、該利用者がＱｏＳを受ける資格がないと判明した場合には、認証サーバ１２３は認証失敗４０７を無線ＬＡＮアクセスポイント１１２，１１３経由で無線ＬＡＮ端末１５１〜１５３に送り、利用者１６１〜１６３に対して、無線ＬＡＮのＱｏＳが受けられないことを表示などの手段により通知すると共に、無線ＬＡＮ端末１５１〜１５３及び無線ＬＡＮアクセスポイント１１２，１１３に対して、該無線ＬＡＮ端末に対して、ＱｏＳを行わないようにポリシー受信部２３２，３２１を構成する。
【００４７】
ＱｏＳを受ける資格がある場合には、ポリシーサーバ１２４が、ポリシーデータベースの設定内容に基づき、ＱｏＳにおける、優先制御やパケット圧縮機能等の各々に対する許可，不許可の情報、及びＱｏＳを許可するプロトコルの種類（例：Ｈ．３２３，ＳＩＰ）やＣＯＤＥＣの種類（例：Ｇ．７１１，Ｇ．７２９ａ，Ｈ．２６３）を端末識別ＱｏＳ情報４０５として送信する。これを受けた無線ＬＡＮアクセスポイントは、ポリシー受信部２３２をＱｏＳが適用できるように構成し、無線ＬＡＮ端末に対して、ＱｏＳ情報４０６を転送する。
【００４８】
これを受けた無線ＬＡＮ端末１５１〜１５３は、ポリシー受信部３２１をＱｏＳが適用できるように構成する。また、利用者１６１〜１６３に対して、表示などの手段により、ＱｏＳが受け得ることを通知してもよい。なお、無線ＬＡＮ端末１５１〜１５３のポリシー受信部３２１は記録部を有しており、各無線ＬＡＮ端末のＩＰアドレス、ＭＡＣアドレス等の端末情報が記録され、ポリシーサーバから端末識別ＱｏＳ情報４０６を受けたときに、端末情報どうしが一致するかどうかの判断を行い一致したときに優先制御を行う（すなわち、端末識別ＱｏＳ情報４０６に含まれる各無線ＬＡＮ端末のＩＰアドレス、ＭＡＣアドレス等の端末情報が正しいかどうかの判断を行い、端末情報が正しいときに優先制御を行う）。なお、この判断は無線ＬＡＮ基地局で端末情報の一致の可否の判断が行われている場合は必ずしも行わなくても良い。
【００４９】
以上のような認証動作が完了すると、図５に示すように、利用者１６１や１６２と利用者１６３との間でＨ．３２３によるＶｏＩＰの通信や、利用者１６１とＶｏＩＰ端末・ＧＷ（ゲートウェイ）１３２間のＳＩＰなどによるＶｏＩＰの通信は、無線ＬＡＮアクセスポイント１１２，１１３により、Ｈ．３２３やＳＩＰ等のプロトコルあるいはＣＯＤＥＣの情報をチェックし、ポリシーサーバ１２４からＱｏＳが許可されたものに合致するので、優先のサービスや、パケット圧縮のサービスを適用する。
【００５０】
また、利用者１６３からのＥｍａｉｌサーバ１２２の通信は一般的にはＳＭＴＰやＰＯＰのプロトコルなので、ポリシーサーバ１２４からのＱｏＳが許可されていないため、非優先（図５中太線で示す）となる。
【００５１】
同様に、利用者１６１からＷｅｂサーバ１２１に対するＷｅｂブラウジングサービスも、一般的にはＨＴＴＰのプロトコルのため、ポリシーサーバ１２４からのＱｏＳが許可されていないため、非優先（図５中太線で示す）となる。
【００５２】
（他の実施形態）
図６は本発明の無線ＬＡＮネットワークＱｏＳ制御システムの他の実施形態を示すブロック図である。図６において、図１と同一構成部については同一符号を付する。
【００５３】
本実施形態では、図１の実施形態における認証サーバ１２３の制御を一般的なＶｏＩＰ（Voice over Internet Protocol）対応の交換機が有している端末あるいは利用者のログイン制御部５２３により代行し、ポリシーサーバ１２４の制御を交換機が有しているユーザＤＢ（データベース）５２４により代替するものである。その他の構成については、図１と同等である。
【００５４】
次に、図６に示した無線ＬＡＮネットワークＱｏＳ制御システムの動作例を図７、図１０及び図１１を用いて説明する。
【００５５】
図６に示した無線ＬＡＮネットワークＱｏＳ制御システムの動作も、図４、図８及び図９に示した実施形態の動作と同様であり、ログイン情報６０１は認証情報４０１、ログイン要求６０２は認証要求４０２、ログイン要求６０３は認証要求４０３、端末利用者識別情報６０４は端末利用者識別情報４０４、端末識別ＱｏＳ情報６０５は端末識別ＱｏＳ情報４０５、ＱｏＳ情報６０６はＱｏＳ情報４０６、認証失敗６０７は認証失敗４０７に対応し、情報内容や要求内容も同様である。図１０、図１１において、ステップＳ３１〜Ｓ３９、ステップＳ４１〜Ｓ４９はステップＳ１１〜Ｓ１９、ステップＳ２１〜Ｓ２９に対応する。
【００５６】
本実施形態では、認証サーバやポリシーサーバの機能を交換機が有する機能で代替することができるため、機器のコスト削減，運用の簡略化、及びそれに伴う人件費の削減等の効果が得られる。
【００５７】
一般的に無線ＬＡＮアクセスを提供する事業者は、無線ＬＡＮサービスを提供するための認証サーバを有しているため、その認証サーバに無線ＬＡＮのＱｏＳ情報を扱い、ポリシーサーバに対する、端末ユーザ識別情報を送信する機能を付加することにより、ポリシーサーバを新たに構築することなく、効率よくシステムを組むことができる。
【００５８】
以上説明した無線ＬＡＮアクセスポイント（基地局）と無線ＬＡＮ端末の一方又は両方は、図１２に示すようなコンピュータで構成することができる。ＣＰＵ２６は前述した図８、図９、図１０、又は図１１のフローを記述したプログラム（ここではディスク装置２４にプログラムが保存されている。）に基づいて、処理を行う。キーボード２１は認証情報等のデータを入力する入力手段、ＣＲＴ２２はＱｏＳの可否を示す表示手段となる。２５はデータバス等のバス、２７はＬＡＮ Ｉ／Ｆ部又は無線ＬＡＮ Ｉ／Ｆ部である。キーボード等から入力されたデータはＤＲＡＭ等のメモリ２３又はＭＯ、ハードディスク等のディスク装置２４等の記憶手段に記憶される。
【００５９】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明によれば、無線ＬＡＮを介したＱｏＳ制御は、無線ＬＡＮにて接続された端末を操作する利用者が認証サーバにログインすることにより、端末の無線ＬＡＮパケットに対して、あらかじめユーザ毎に定められたＱｏＳを行うことを可能とすることにより、使用する端末が変わっても、同じ利用者が同じ認証情報を使ってログインすれば、常に同じＱｏＳを受けられるようになるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の無線ＬＡＮネットワークＱｏＳ制御システムの一実施形態を示すブロック図である。
【図２】図１に示した無線ＬＡＮアクセスポイントの一構成例を示すブロック図である。
【図３】図１に示した無線ＬＡＮ端末の一構成例を示すブロック図である。
【図４】図１に示した無線ＬＡＮネットワークＱｏＳ制御システムの動作を示すフローチャートである。
【図５】図１に示した無線ＬＡＮネットワークＱｏＳ制御システムの動作を示すブロック図である。
【図６】本発明の無線ＬＡＮネットワークＱｏＳ制御システムの他の実施形態を示すブロック図である。
【図７】図６に示した無線ＬＡＮネットワークＱｏＳ制御システムの動作を示すフローチャートである。
【図８】無線ＬＡＮアクセスポイントの動作を示すフローチャートである。
【図９】無線ＬＡＮ端末の動作を示すフローチャートである。
【図１０】無線ＬＡＮアクセスポイントの動作を示すフローチャートである。
【図１１】無線ＬＡＮ端末の動作を示すフローチャートである。
【図１２】無線ＬＡＮアクセスポイント、無線ＬＡＮ端末をコンピュータで構成した場合のブロック図である。
【符号の説明】
１０１ ＩＰネットワーク
１１２，１１３ 無線ＬＡＮアクセスポイント
１２１ Ｗｅｂサーバ
１２２ Ｅｍａｉｌサーバ
１２３ 認証サーバ
１２４ ポリシーサーバ
１３１ 交換制御部
１３２ ＶｏＩＰ端末及びＧＷ（Gate Way）部
１４１，１４２ 無線ＬＡＮネットワーク
１５１〜１５３ 無線ＬＡＮ端末
１６１〜１６３ 利用者（ユーザ）
【発明の属する技術分野】
本発明は無線ＬＡＮネットワークＱｏＳ（Quality of Service）制御システム、無線ＬＡＮ基地局、無線ＬＡＮ端末及び無線ＬＡＮネットワークＱｏＳ制御方法に関する。
【０００２】
【従来の技術】
無線ＬＡＮ （ＬｏｃａｌＡｒｅａ Ｎｅｔｗｏｒｋ） アクセスポイント（無線ＬＡＮ基地局）からＱｏＳを受けるにあたって、使用する端末（ＰＣ）毎にＱｏＳがされているものがほとんどである。
【０００３】
一方、特許文献１には、ユーザ毎にＱｏＳを提供することが開示されている。また、ポリシーサーバと連携して、ＱｏＳの自動構築を行う技術が、特許文献２、特許文献３等に開示されている。
【０００４】
【特許文献１】
特開２０００−０９２１２３号
【特許文献２】
特開２０００−２０９２６７号
【特許文献３】
特開２００２−０３１２０７号
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献１は、パケットに特別なユーザ情報を付加しなければならず、汎用性が無くなるという課題があった。
【０００６】
また、特許文献２、特許文献３等に開示されている技術は、ＩＰネットワーク内部のＱｏＳ制御を行うことを目的としており、無線ＬＡＮアクセスポイントと無線ＬＡＮ端末間でのＱｏＳを開示するものではない。
【０００７】
【課題を解決するための手段】
本発明の無線ＬＡＮネットワークのＱｏＳ制御システムは、無線ＬＡＮ基地局と、該無線ＬＡＮ基地局と接続される１つ又は複数の無線ＬＡＮ端末とを含む無線ＬＡＮネットワークのＱｏＳ制御システムにおいて、前記無線ＬＡＮ基地局は、前記無線ＬＡＮネットワークのユーザが前記無線ＬＡＮ端末から認証要求を行う場合に、記録されたユーザの認証情報に基づいて認証要求がされたユーザの認証を行い、前記無線ＬＡＮ端末を識別するための情報と記録された該認証要求がされたユーザのＱｏＳ内容とを前記無線ＬＡＮ基地局に対して通知するサーバに、通信ネットワークを介して接続され、前記無線ＬＡＮ基地局は、前記無線ＬＡＮ端末から受信した、無線ＬＡＮ端末を識別するための情報が前記サーバから通知されたものと一致する場合に、前記サーバから通知されたＱｏＳの優先度情報に従ってパケットの優先度を決定する優先制御を行い、前記無線ＬＡＮ端末は前記無線ＬＡＮ基地局を介して受信した前記サーバから通知されたＱｏＳの優先度情報に従って優先制御を行い、前記サーバは、前記無線ＬＡＮネットワークのユーザ毎の認証情報を記憶し、前記無線ＬＡＮネットワークのユーザが前記無線ＬＡＮ端末から前記無線ＬＡＮ基地局を介して認証要求を行う場合に、前記無線ＬＡＮ端末を識別するための情報と該ユーザのユーザ情報を通知する認証サーバと、ユーザ毎にＱｏＳ内容を記憶し、該認証サーバから通知されたユーザ情報に該当するＱｏＳ内容を、前記無線ＬＡＮ端末を識別するための情報と共に前記無線ＬＡＮ基地局に対して通知するポリシーサーバとから構成される無線ＬＡＮネットワークＱｏＳ制御システムである。
【０００８】
本発明の無線ＬＡＮ基地局は、無線ＬＡＮ基地局と、該無線ＬＡＮ基地局と接続される１つ又は複数の無線ＬＡＮ端末とを含む無線ＬＡＮネットワークの無線ＬＡＮ基地局において、
前記無線ＬＡＮ基地局は、サーバに通信ネットワークを介して接続され、前記無線ＬＡＮネットワークのユーザが前記無線ＬＡＮ端末から認証要求を行う場合に、前記サーバから通知された無線ＬＡＮ端末を識別するための情報とＱｏＳ内容とを受け取る手段と、該受け取った無線ＬＡＮ端末を識別する情報が前記無線ＬＡＮ端末から受信したものと一致するかを検出する手段と、該一致した場合に前記サーバから通知されたＱｏＳの優先度情報に従ってパケットの優先度を決定する優先制御を行う手段を有することを特徴とする無線ＬＡＮ基地局である。
【００１０】
本発明の無線ＬＡＮネットワークのＱｏＳ制御方法は、無線ＬＡＮ基地局と、該無線ＬＡＮ基地局と接続される１つ又は複数の無線ＬＡＮ端末とを含む無線ＬＡＮネットワークのＱｏＳ制御方法において、前記無線ＬＡＮ基地局と通信ネットワークを介して接続されるサーバが、前記無線ＬＡＮネットワークのユーザが前記無線ＬＡＮ端末から認証要求を行う場合に、記録されたユーザの認証情報に基づいて認証要求がされたユーザの認証を行い、前記無線ＬＡＮ端末を識別するための情報と記録された該認証要求がされたユーザのＱｏＳ内容とを前記無線ＬＡＮ基地局に対して通知する第１の過程と、前記無線ＬＡＮ基地局が、前記無線ＬＡＮ端末から受信した、無線ＬＡＮ端末を識別するための情報が前記サーバから通知されたものと一致する場合に、前記サーバから通知されたＱｏＳの優先度情報に従ってパケットの優先度を決定する優先制御を行う第２の過程と、前記無線ＬＡＮ端末が、前記無線ＬＡＮ基地局を介して受信した前記サーバから通知されたＱｏＳの優先度情報に従って優先制御を行う第３の過程と、を備えた無線ＬＡＮネットワークＱｏＳ制御方法である。
【００１１】
本発明の無線ＬＡＮ基地局のＱｏＳ制御プログラムは、１つ又は複数の無線ＬＡＮ端末が無線ＬＡＮネットワークで無線ＬＡＮ基地局と接続され、無線ＬＡＮネットワークのユーザが前記無線ＬＡＮ端末から認証要求を行う場合に、記録されたユーザの認証情報に基づいて認証要求がされたユーザの認証を行い、前記無線ＬＡＮ端末を識別するための情報と記録された該認証要求がされたユーザのＱｏＳ内容とを通知するサーバが、通信ネットワークで前記無線ＬＡＮ基地局と接続されてなる無線ＬＡＮネットワークにおける、無線ＬＡＮ基地局のＱｏＳ制御プログラムにおいて、前記無線ＬＡＮ端末から認証要求を受信したときに、無線ＬＡＮ基地局に関する情報を付加して前記サーバに送信する第１処理と、前記サーバにより認証要求がされたユーザの認証がされなかった場合に前記サーバから送信された認証が失敗したことを示す情報を、前記無線ＬＡＮ端末に送信する第２の処理と、前記サーバにより認証要求がされたユーザの認証がされた場合に、前記サーバから送信された無線ＬＡＮ端末を識別するための情報で規定された無線ＬＡＮ端末について、前記サーバから通知されたＱｏＳの優先度情報に従ってパケットの優先度を決定する優先制御を行う第３の処理と、を含む無線ＬＡＮ基地局のＱｏＳ制御プログラムである。
【００１２】
本発明の無線ＬＡＮ端末のＱｏＳ制御プログラムは、１つ又は複数の無線ＬＡＮ端末が無線ＬＡＮネットワークで無線ＬＡＮ基地局と接続され、無線ＬＡＮネットワークのユーザが前記無線ＬＡＮ端末から認証要求を行う場合に、記録されたユーザの認証情報に基づいて認証要求がされたユーザの認証を行い、前記無線ＬＡＮ端末を識別するための情報と記録された該認証要求がされたユーザのＱｏＳ内容とを通知するサーバが、通信ネットワークで前記無線ＬＡＮ基地局と接続されてなる無線ＬＡＮネットワークにおける、無線ＬＡＮ端末のＱｏＳ制御プログラムにおいて、前記無線ＬＡＮ基地局に対して認証要求を送信する第１処理と、前記サーバにより認証要求がされたユーザの認証がされた場合に、前記サーバから通知されたＱｏＳの優先度情報に従って優先制御を行う第２の処理と、を含む無線ＬＡＮ端末のＱｏＳ制御プログラムである。
【００１３】
本発明においては、無線ＬＡＮにて接続された端末を操作するユーザが認証サーバにログインすることにより、該端末の無線ＬＡＮパケットに対して、あらかじめ利用者毎に定められたＱｏＳを行うことを可能とする。これにより、使用する端末が変わっても、同じ利用者がログインすれば、常に同じＱｏＳを受けられるようになる。
【００１４】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について図面を用いて詳細に説明する。
【００１５】
図１は本発明の無線ＬＡＮネットワークＱｏＳ制御システムの一実施形態を示すブロック図である。
【００１６】
図１において、１０１はＩＰ (Internet Protocol) ネットワークであり、ＬＡＮ (Local Area Network)，ＷＡＮ (Wide Area Network)，インターネット等のＩＰパケットのネットワークを意味する。１１２及び１１３は無線ＬＡＮアクセスポイントであり、１４１，１４２は無線ＬＡＮアクセスポイント（無線ＬＡＮ基地局）１１２，１１３により提供される無線ＬＡＮネットワークである。無線ＬＡＮアクセスポイント１１２，１１３はＱｏＳ（Quality of Service）機能とＩＰネットワーク１０１とのＩＰパケットのブリッジも提供する。
【００１７】
Ｗｅｂサーバ１２１は、ＩＰネットワーク１０１，無線ＬＡＮネットワーク１４１，１４２を介して無線ＬＡＮ端末１５１〜１５３の利用者１６１〜１６３に対してＷｅｂサービスを提供する。Ｅｍａｉｌサーバ１２２は、ＩＰネットワーク１０１，無線ＬＡＮネットワーク１４１，１４２を介して無線ＬＡＮ端末１５１〜１５３の利用者１６１〜１６３に対してメールサービスを提供する。
【００１８】
認証サーバ１２３は、利用者１６１〜１６３毎の認証情報を記憶し、利用者１６１〜１６３が無線ＬＡＮ端末１５１〜１５３から認証要求を行うと、無線ＬＡＮ端末を識別できるＩＰアドレス，ＭＡＣアドレス等の識別情報と利用者情報を含む端末利用者識別情報をポリシーサーバ１２４へ通知する。
【００１９】
ポリシーサーバ１２４は、利用者毎に優先制御を行うＱｏＳ内容を記憶し、通知された端末利用者識別情報の利用者に該当するＱｏＳ内容を無線ＬＡＮアクセスポイント１１２，１１３に対して、無線ＬＡＮ端末を識別できる情報とＱｏＳ内容を含めた端末識別ＱｏＳ情報として通知する。
【００２０】
交換制御部１３１は、ＩＰネットワーク１０１，無線ＬＡＮネットワーク１４１，１４２を介して無線ＬＡＮ端末１５１〜１５３に対して、音声，ビデオによる通話機能を提供する。尚、無線ＬＡＮ端末１５１〜１５３が各端末同士でダイレクトに通話が可能であれば、交換制御部１３１は無くても良い。
【００２１】
ＶｏＩＰ端末及びＧＷ（Gate Way）部１３２は各無線ＬＡＮ端末のＶｏＩＰクライアントと図示されない、公衆網とのゲートウェイ機能を提供する。
【００２２】
無線ＬＡＮネットワーク１４１，１４２に収容される無線ＬＡＮ端末１５１〜１５３は、Ｗｅｂアクセスや、Ｅｍａｉｌのクライアント機能、及びＶｏＩＰによる音声，ビデオ通話機能を有する。
【００２３】
図２に図１に示した無線ＬＡＮアクセスポイント１１２、１１３の一構成例を示す。
【００２４】
上段のＬＡＮ Ｉ／Ｆ部２１１，送信制御部２１２，受信制御部２１３，バッファ２１４はＩＰネットワーク側の制御部分で、下段のＬＡＮ Ｉ／Ｆ部２１１，送信制御部２１２，受信制御部２１３，バッファ２１４は無線ＬＡＮ側の制御部分である。
【００２５】
ＬＡＮ Ｉ／Ｆ部２１１はＩＰネットワーク２０１とのメディア変換を行う。送信制御部２１２及び受信制御部２１３はパケット送受信制御を行う。同様に無線ＬＡＮ Ｉ／Ｆ部２２１は無線ＬＡＮネットワークとのメディア変換を行い、送信制御部２２２及び受信制御部２２３はパケットの送受信制御を行う。
【００２６】
バッファ２１４は、ＩＰネットワーク１０１に対して送信するパケットを一時的に蓄積するバッファであり、優先キュー２１４Ａと非優先キュー２１４Ｂとを有する。バッファ２２４は、無線ＬＡＮネットワーク１４１又は１４２に対して送信するパケットを一時的に蓄積するバッファであり、各々優先キュー２２４Ａと非優先キュー２２４Ｂとを有する。
【００２７】
優先制御部２３１は受信制御部２１３，２２３で受信したパケットを、パケットにセットされている宛先に基づき、ＩＰネットワーク向けのバッファ２１４あるいは無線ＬＡＮネットワーク向けのバッファ２２４に振り分ける。この際、ポリシー受信部２３２からのポリシーに基づき、各パケットの優先度を決定し、優先キュー２１４Ａ又は２２４Ａか非優先キュー２１４Ｂ又は２２４Ｂにパケットを振り分ける。
【００２８】
ポリシー受信部２３２はポリシーサーバ１２４からのポリシーを優先制御部２３１へ支持すると共に、無線ＬＡＮ Ｉ／Ｆ２２１を経由して無線ＬＡＮ端末１５１〜１５３に対して、ポリシーを配布する。
【００２９】
図３に、図１に示した無線ＬＡＮ端末１５１〜１５３の一構成例を示す。
【００３０】
無線ＬＡＮ Ｉ／Ｆ３１１は無線ＬＡＮネットワーク１４１又は１４２とのメディア変換を行い、送信制御部３１２，受信制御部３１３はパケットの送受信制御を行う。
【００３１】
バッファ３１４は、無線ＬＡＮネットワーク１４１又は１４２に対して送信するパケットを一時的に蓄積するバッファであり、優先キュー３１４Ａと非優先キュー３１４Ｂを有する。
【００３２】
優先制御部３２２は情報処理ユニット３３１で生成したパケットをポリシー受信部３２１からのポリシーに基づき、各パケットの優先度を決定し、優先キューか非優先キューにパケットを振り分ける。
【００３３】
ポリシー受信部３２１はポリシーサーバ１２４からのポリシーを優先制御部３２２へ指示する。
【００３４】
情報処理ユニット３３１は、ＶｏＩＰ処理部３３１Ａ及びデータ処理部３３１Ｂで構成される。ＶｏＩＰ処理部３３１Ａは、マイクスピーカ３０１，ビデオカメラ３０２，ディスプレー３０３を使って、音声及びビデオによる通話を制御する。データ処理部３３１Ｂはディスプレー３０３、キーボードマウス３０４を使って、利用者の操作に基づき、Ｅｍａｉｌクライアントサービス、Ｗｅｂブラウジングサービス等のデータ系サービスを提供する。
【００３５】
（動作の説明）
以下図４、図８及び図９のフローチャートを用いて上記構成の無線ＬＡＮネットワークＱｏＳ制御システムの動作について説明する。
【００３６】
図１〜図３を用いて説明した無線ＬＡＮネットワークＱｏＳ制御システムにおいて、利用者１６１〜１６３が無線ＬＡＮ端末１５１〜１５３を起動させた後（ステップＳ２１）、無線ＬＡＮ端末１５１〜１５３を使いＱｏＳを受けるに当たって、無線ＬＡＮ端末１５１〜１５３にあらかじめ記憶されるか、利用者１６１〜１６３により無線ＬＡＮ端末１５１〜１５３のキーボードマウス３０４を用いて入力された認証情報４０１を（ステップＳ２２）、自端末の情報を付加し認証要求４０２として無線ＬＡＮアクセスポイント１１２，１１３へ送信し（ステップＳ２２）、起動されている無線ＬＡＮアクセスポイント１１２，１１３では認証要求４０２を受け（ステップＳ１１、ステップＳ１２）、さらにアクセスポイント情報を付加し認証要求４０３として認証サーバ１２３へ送信することにより、ＱｏＳの開始を要求する（ステップＳ１３）。
【００３７】
利用者１６１〜１６３が利用するたびに認証情報４０１を入力するようにしておけば、普段利用しているものとは異なる無線ＬＡＮ端末を使う場合でも（例えば、利用者１６１が無線ＬＡＮ端末１５２や１５３を使う場合でも）常に同じ認証情報４０１を使うため、認証要求４０２，４０３も利用者が同じであるため、常に同じ内容が送信される。
【００３８】
認証サーバ１２３は無線ＬＡＮ端末１５１〜１５３から無線ＬＡＮアクセスポイント１１２〜１１３を経由しての認証要求４０３を受け取り、認証が可能であると、該端末を識別できるＩＰアドレス，ＭＡＣアドレス等の識別情報と利用者情報を含む、端末利用者識別情報４０４をポリシーサーバ１２４へ通知する。
【００３９】
ポリシーサーバ１２４は通知された端末利用者識別情報４０４の利用者に該当するＱｏＳ内容を無線ＬＡＮアクセスポイント１１２，１１３に対して、無線ＬＡＮ端末を識別できる情報とＱｏＳ内容とを含めた端末識別ＱｏＳ情報４０５として通知する。
【００４０】
一方、認証サーバ１２３は、認証ができないときには無線ＬＡＮアクセスポイント１１２，１１３へ認証失敗４０７を通知する。
【００４１】
無線ＬＡＮアクセスポイント１１２，１１３は端末識別ＱｏＳ情報４０５又は認証失敗４０７をポリシー受信部２３２で受け取り（ステップＳ１４）、端末識別ＱｏＳ情報４０５を受けた場合は端末識別情報とＱｏＳ内容をペアーにして記憶し、優先制御部２３１に対して、制御の指示をかける。ポリシー受信部２３２でＱｏＳ情報４０５のアクセスポイント情報を取得し、アクセスポイントの内容に従って端末情報に規定された端末のＱｏＳ制御を行う（ステップＳ１５、Ｓ１７）。認証失敗４０７を受けた場合は、無線ＬＡＮ端末に対して無線ＬＡＮ Ｉ／Ｆ２２１を経由して認証失敗４０７を送信し（ステップＳ１８）、ＱｏＳ動作不許可として通常のＬＡＮサービスを行う（ステップＳ１９）。
【００４２】
また、ＱｏＳ情報４０６を端末識別情報に該当する無線ＬＡＮ端末に対して無線ＬＡＮ Ｉ／Ｆ２２１を経由して送信する（ステップＳ１６）。無線ＬＡＮ端末１５１〜１５３は、無線ＬＡＮアクセスポイント１１２，１１３からＱｏＳ情報４０６又は認証失敗４０７をポリシー受信部３２１で受信し（ステップＳ２４）、端末識別ＱｏＳ情報４０５を受けた場合はＱｏＳ内容を記憶すると共に、優先制御部３２２に対して、制御の指示をかける。ポリシー受信部３２１でＱｏＳ情報４０６の端末情報を取得し、端末情報の内容に従って端末情報に規定された端末のＱｏＳ制御を行う（ステップＳ２５、Ｓ２７）。認証失敗４０７を受けた場合は、利用者に対してＱｏＳ不可を通知し（ステップＳ２８）、ＱｏＳ動作不許可として通常のＬＡＮサービスを行う（ステップＳ２９）。以上で、無線ＬＡＮにおけるＱｏＳの認証動作が完了する。次に、実際のＱｏＳ動作について、更に図４を参照しながら説明する。
【００４３】
利用者１６１〜１６３は、利用者とパスワード情報（例えば利用者：太郎、パスワード：ＸＹＺ）を含む認証情報４０１を無線ＬＡＮ端末１５１〜１５３に入力する。
【００４４】
無線ＬＡＮ端末１５１〜１５３は、認証情報４０１に、無線ＬＡＮ端末のＩＰアドレス、ＭＡＣアドレス、ＱｏＳを提供する優先機能，パケットを圧縮したりパッキングしてマルチキャスト等の手段で効率良く送信するパケット圧縮機能等の有無の情報、及び端末が有するＱｏＳの提供が必要なプロトコル，ＣＯＤＥＣ等の情報を付加して、認証要求４０２として無線ＬＡＮアクセスポイント１１２，１１３に送信する。
【００４５】
無線ＬＡＮアクセスポイント１１２，１１３は、認証要求４０２に、アクセスポイントのＩＰアドレス、ＭＡＣアドレス、優先制御やパケット圧縮等のＱｏＳ機能の有無を付加して、認証要求４０３として認証サーバ１２３へ送信する。なお、無線ＬＡＮアクセスポイント１１２，１１３のポリシー受信部２３２は記録部を有しており、認証要求４０２の無線ＬＡＮ端末のＩＰアドレス、ＭＡＣアドレス等の端末情報が記録され、ポリシーサーバから端末識別ＱｏＳ情報４０５を受けたときに端末情報どうしが一致するかどうかの判断を行い、一致したときに優先制御を行う。
【００４６】
認証サーバ１２３は、認証要求４０３の利用者とパスワード等により、該利用者がＱｏＳを受ける資格があるかを判定し、資格がある場合には、ポリシーサーバ１２４に対して、受け取った認証要求４０３の内容を、端末利用者認証要求情報４０４として送信し、無線ＬＡＮアクセスポイント１１２，１１３、無線ＬＡＮ端末１５１〜１５３に対するポリシーの配布を要求する。また、該利用者がＱｏＳを受ける資格がないと判明した場合には、認証サーバ１２３は認証失敗４０７を無線ＬＡＮアクセスポイント１１２，１１３経由で無線ＬＡＮ端末１５１〜１５３に送り、利用者１６１〜１６３に対して、無線ＬＡＮのＱｏＳが受けられないことを表示などの手段により通知すると共に、無線ＬＡＮ端末１５１〜１５３及び無線ＬＡＮアクセスポイント１１２，１１３に対して、該無線ＬＡＮ端末に対して、ＱｏＳを行わないようにポリシー受信部２３２，３２１を構成する。
【００４７】
ＱｏＳを受ける資格がある場合には、ポリシーサーバ１２４が、ポリシーデータベースの設定内容に基づき、ＱｏＳにおける、優先制御やパケット圧縮機能等の各々に対する許可，不許可の情報、及びＱｏＳを許可するプロトコルの種類（例：Ｈ．３２３，ＳＩＰ）やＣＯＤＥＣの種類（例：Ｇ．７１１，Ｇ．７２９ａ，Ｈ．２６３）を端末識別ＱｏＳ情報４０５として送信する。これを受けた無線ＬＡＮアクセスポイントは、ポリシー受信部２３２をＱｏＳが適用できるように構成し、無線ＬＡＮ端末に対して、ＱｏＳ情報４０６を転送する。
【００４８】
これを受けた無線ＬＡＮ端末１５１〜１５３は、ポリシー受信部３２１をＱｏＳが適用できるように構成する。また、利用者１６１〜１６３に対して、表示などの手段により、ＱｏＳが受け得ることを通知してもよい。なお、無線ＬＡＮ端末１５１〜１５３のポリシー受信部３２１は記録部を有しており、各無線ＬＡＮ端末のＩＰアドレス、ＭＡＣアドレス等の端末情報が記録され、ポリシーサーバから端末識別ＱｏＳ情報４０６を受けたときに、端末情報どうしが一致するかどうかの判断を行い一致したときに優先制御を行う（すなわち、端末識別ＱｏＳ情報４０６に含まれる各無線ＬＡＮ端末のＩＰアドレス、ＭＡＣアドレス等の端末情報が正しいかどうかの判断を行い、端末情報が正しいときに優先制御を行う）。なお、この判断は無線ＬＡＮ基地局で端末情報の一致の可否の判断が行われている場合は必ずしも行わなくても良い。
【００４９】
以上のような認証動作が完了すると、図５に示すように、利用者１６１や１６２と利用者１６３との間でＨ．３２３によるＶｏＩＰの通信や、利用者１６１とＶｏＩＰ端末・ＧＷ（ゲートウェイ）１３２間のＳＩＰなどによるＶｏＩＰの通信は、無線ＬＡＮアクセスポイント１１２，１１３により、Ｈ．３２３やＳＩＰ等のプロトコルあるいはＣＯＤＥＣの情報をチェックし、ポリシーサーバ１２４からＱｏＳが許可されたものに合致するので、優先のサービスや、パケット圧縮のサービスを適用する。
【００５０】
また、利用者１６３からのＥｍａｉｌサーバ１２２の通信は一般的にはＳＭＴＰやＰＯＰのプロトコルなので、ポリシーサーバ１２４からのＱｏＳが許可されていないため、非優先（図５中太線で示す）となる。
【００５１】
同様に、利用者１６１からＷｅｂサーバ１２１に対するＷｅｂブラウジングサービスも、一般的にはＨＴＴＰのプロトコルのため、ポリシーサーバ１２４からのＱｏＳが許可されていないため、非優先（図５中太線で示す）となる。
【００５２】
（他の実施形態）
図６は本発明の無線ＬＡＮネットワークＱｏＳ制御システムの他の実施形態を示すブロック図である。図６において、図１と同一構成部については同一符号を付する。
【００５３】
本実施形態では、図１の実施形態における認証サーバ１２３の制御を一般的なＶｏＩＰ（Voice over Internet Protocol）対応の交換機が有している端末あるいは利用者のログイン制御部５２３により代行し、ポリシーサーバ１２４の制御を交換機が有しているユーザＤＢ（データベース）５２４により代替するものである。その他の構成については、図１と同等である。
【００５４】
次に、図６に示した無線ＬＡＮネットワークＱｏＳ制御システムの動作例を図７、図１０及び図１１を用いて説明する。
【００５５】
図６に示した無線ＬＡＮネットワークＱｏＳ制御システムの動作も、図４、図８及び図９に示した実施形態の動作と同様であり、ログイン情報６０１は認証情報４０１、ログイン要求６０２は認証要求４０２、ログイン要求６０３は認証要求４０３、端末利用者識別情報６０４は端末利用者識別情報４０４、端末識別ＱｏＳ情報６０５は端末識別ＱｏＳ情報４０５、ＱｏＳ情報６０６はＱｏＳ情報４０６、認証失敗６０７は認証失敗４０７に対応し、情報内容や要求内容も同様である。図１０、図１１において、ステップＳ３１〜Ｓ３９、ステップＳ４１〜Ｓ４９はステップＳ１１〜Ｓ１９、ステップＳ２１〜Ｓ２９に対応する。
【００５６】
本実施形態では、認証サーバやポリシーサーバの機能を交換機が有する機能で代替することができるため、機器のコスト削減，運用の簡略化、及びそれに伴う人件費の削減等の効果が得られる。
【００５７】
一般的に無線ＬＡＮアクセスを提供する事業者は、無線ＬＡＮサービスを提供するための認証サーバを有しているため、その認証サーバに無線ＬＡＮのＱｏＳ情報を扱い、ポリシーサーバに対する、端末ユーザ識別情報を送信する機能を付加することにより、ポリシーサーバを新たに構築することなく、効率よくシステムを組むことができる。
【００５８】
以上説明した無線ＬＡＮアクセスポイント（基地局）と無線ＬＡＮ端末の一方又は両方は、図１２に示すようなコンピュータで構成することができる。ＣＰＵ２６は前述した図８、図９、図１０、又は図１１のフローを記述したプログラム（ここではディスク装置２４にプログラムが保存されている。）に基づいて、処理を行う。キーボード２１は認証情報等のデータを入力する入力手段、ＣＲＴ２２はＱｏＳの可否を示す表示手段となる。２５はデータバス等のバス、２７はＬＡＮ Ｉ／Ｆ部又は無線ＬＡＮ Ｉ／Ｆ部である。キーボード等から入力されたデータはＤＲＡＭ等のメモリ２３又はＭＯ、ハードディスク等のディスク装置２４等の記憶手段に記憶される。
【００５９】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明によれば、無線ＬＡＮを介したＱｏＳ制御は、無線ＬＡＮにて接続された端末を操作する利用者が認証サーバにログインすることにより、端末の無線ＬＡＮパケットに対して、あらかじめユーザ毎に定められたＱｏＳを行うことを可能とすることにより、使用する端末が変わっても、同じ利用者が同じ認証情報を使ってログインすれば、常に同じＱｏＳを受けられるようになるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の無線ＬＡＮネットワークＱｏＳ制御システムの一実施形態を示すブロック図である。
【図２】図１に示した無線ＬＡＮアクセスポイントの一構成例を示すブロック図である。
【図３】図１に示した無線ＬＡＮ端末の一構成例を示すブロック図である。
【図４】図１に示した無線ＬＡＮネットワークＱｏＳ制御システムの動作を示すフローチャートである。
【図５】図１に示した無線ＬＡＮネットワークＱｏＳ制御システムの動作を示すブロック図である。
【図６】本発明の無線ＬＡＮネットワークＱｏＳ制御システムの他の実施形態を示すブロック図である。
【図７】図６に示した無線ＬＡＮネットワークＱｏＳ制御システムの動作を示すフローチャートである。
【図８】無線ＬＡＮアクセスポイントの動作を示すフローチャートである。
【図９】無線ＬＡＮ端末の動作を示すフローチャートである。
【図１０】無線ＬＡＮアクセスポイントの動作を示すフローチャートである。
【図１１】無線ＬＡＮ端末の動作を示すフローチャートである。
【図１２】無線ＬＡＮアクセスポイント、無線ＬＡＮ端末をコンピュータで構成した場合のブロック図である。
【符号の説明】
１０１ ＩＰネットワーク
１１２，１１３ 無線ＬＡＮアクセスポイント
１２１ Ｗｅｂサーバ
１２２ Ｅｍａｉｌサーバ
１２３ 認証サーバ
１２４ ポリシーサーバ
１３１ 交換制御部
１３２ ＶｏＩＰ端末及びＧＷ（Gate Way）部
１４１，１４２ 無線ＬＡＮネットワーク
１５１〜１５３ 無線ＬＡＮ端末
１６１〜１６３ 利用者（ユーザ）
Claims (5)
- 無線ＬＡＮ基地局と、該無線ＬＡＮ基地局と接続される１つ又は複数の無線ＬＡＮ端末とを含む無線ＬＡＮネットワークのＱｏＳ制御システムにおいて、
前記無線ＬＡＮ基地局は、前記無線ＬＡＮネットワークのユーザが前記無線ＬＡＮ端末から認証要求を行う場合に、記録されたユーザの認証情報に基づいて認証要求がされたユーザの認証を行い、前記無線ＬＡＮ端末を識別するための情報と記録された該認証要求がされたユーザのＱｏＳ内容とを前記無線ＬＡＮ基地局に対して通知するサーバに、通信ネットワークを介して接続され、
前記無線ＬＡＮ基地局は、前記無線ＬＡＮ端末から受信した、無線ＬＡＮ端末を識別するための情報が前記サーバから通知されたものと一致する場合に、前記サーバから通知されたＱｏＳの優先度情報に従ってパケットの優先度を決定する優先制御を行い、
前記無線ＬＡＮ端末は前記無線ＬＡＮ基地局を介して受信した前記サーバから通知されたＱｏＳの優先度情報に従って優先制御を行い、
前記サーバは、前記無線ＬＡＮネットワークのユーザ毎の認証情報を記憶し、
前記無線ＬＡＮネットワークのユーザが前記無線ＬＡＮ端末から前記無線ＬＡＮ基地局を介して認証要求を行う場合に、前記無線ＬＡＮ端末を識別するための情報と該ユーザのユーザ情報を通知する認証サーバと、ユーザ毎にＱｏＳ内容を記憶し、該認証サーバから通知されたユーザ情報に該当するＱｏＳ内容を、前記無線ＬＡＮ端末を識別するための情報と共に前記無線ＬＡＮ基地局に対して通知するポリシーサーバとから構成される無線ＬＡＮネットワークＱｏＳ制御システム。 - 請求項１記載の無線ＬＡＮネットワークＱｏＳ制御システムにおいて、前記認証サーバ又は前記ポリシーサーバはＶｏＩＰ（Ｖｏｉｃｅ ｏｖｅｒ Ｉｎｔｅｒｎｅｔ Ｐｒｏｔｏｃｏｌ）対応の交換機に主装置として含まれることを特徴とする無線ＬＡＮネットワークＱｏＳ制御システム。
- 無線ＬＡＮ基地局と、該無線ＬＡＮ基地局と接続される１つ又は複数の無線ＬＡＮ端末とを含む無線ＬＡＮネットワークの無線ＬＡＮ基地局において、
前記無線ＬＡＮ基地局は、サーバに通信ネットワークを介して接続され、
前記無線ＬＡＮネットワークのユーザが前記無線ＬＡＮ端末から認証要求を行う場合に、前記サーバから通知された無線ＬＡＮ端末を識別するための情報とＱｏＳ内容とを受け取る手段と、
該受け取った無線ＬＡＮ端末を識別する情報が前記無線ＬＡＮ端末から受信したものと一致するかを検出する手段と、
該一致した場合に前記サーバから通知されたＱｏＳの優先度情報に従ってパケットの優先度を決定する優先制御を行う手段を有することを特徴とする無線ＬＡＮ基地局。 - 無線ＬＡＮ基地局と、該無線ＬＡＮ基地局と接続される１つ又は複数の無線ＬＡＮ端末とを含む無線ＬＡＮネットワークのＱｏＳ制御方法において、
前記無線ＬＡＮ基地局と通信ネットワークを介して接続されるサーバが、前記無線ＬＡＮネットワークのユーザが前記無線ＬＡＮ端末から認証要求を行う場合に、記録されたユーザの認証情報に基づいて認証要求がされたユーザの認証を行い、前記無線ＬＡＮ端末を識別するための情報と記録された該認証要求がされたユーザのＱｏＳ内容とを前記無線ＬＡＮ基地局に対して通知する第１の過程と、
前記無線ＬＡＮ基地局が、前記無線ＬＡＮ端末から受信した、無線ＬＡＮ端末を識別するための情報が前記サーバから通知されたものと一致する場合に、前記サーバから通知されたＱｏＳの優先度情報に従ってパケットの優先度を決定する優先制御を行う第２の過程と、
前記無線ＬＡＮ端末が、前記無線ＬＡＮ基地局を介して受信した前記サーバから通知されたＱｏＳの優先度情報に従って優先制御を行う第３の過程と、を備えた無線ＬＡＮネットワークＱｏＳ制御方法。 - １つ又は複数の無線ＬＡＮ端末が無線ＬＡＮネットワークで無線ＬＡＮ基地局と接続され、無線ＬＡＮネットワークのユーザが前記無線ＬＡＮ端末から認証要求を行う場合に、記録されたユーザの認証情報に基づいて認証要求がされたユーザの認証を行い、前記無線ＬＡＮ端末を識別するための情報と記録された該認証要求がされたユーザのＱｏＳ内容とを通知するサーバが、通信ネットワークで前記無線ＬＡＮ基地局と接続されてなる無線ＬＡＮネットワークにおける、無線ＬＡＮ基地局のＱｏＳ制御プログラムにおいて、
前記無線ＬＡＮ端末から認証要求を受信したときに、無線ＬＡＮ基地局に関する情報を付加して前記サーバに送信する第１処理と、
前記サーバにより認証要求がされたユーザの認証がされなかった場合に前記サーバから送信された認証が失敗したことを示す情報を、前記無線ＬＡＮ端末に送信する第２の処理と、
前記サーバにより認証要求がされたユーザの認証がされた場合に、前記サーバから送信された無線ＬＡＮ端末を識別するための情報で規定された無線ＬＡＮ端末について、前記サーバから通知されたＱｏＳの優先度情報に従ってパケットの優先度を決定する優先制御を行う第３の処理と、を含む無線ＬＡＮ基地局のＱｏＳ制御プログラム。
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