JP4275199B2 - 作業機のブーム制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、高所作業車やクレーン車などのような作業機の駆動を制御する、作業機のブーム制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
高所作業車やクレーン車などのような作業機は、ブーム部をテレスコピックにはめ合わせた伸縮ブームを備える。伸縮ブームは、伸縮シリンダにより伸縮駆動され、起伏シリンダにより起伏駆動される。これらの駆動は、ブーム制御装置の操作入力部のレバーを倒すことで行われる。
【0003】
例えば、伸縮ブームの先端を垂直に上昇させる場合、操作者は、上昇を示す側にレバーを倒す。ブーム制御装置は、レバーが倒された量であるレバーの操作量と、伸縮ブームの現在の位置とから、伸縮ブームの先端を垂直方向に上昇させるために必要な起伏角度と伸縮量とを、幾何学的に算出する。
【0004】
伸縮ブームの現在位置は、ブーム制御装置の検出部で検出される。検出部は、伸縮ブームの起伏角度を検出するブーム起伏角センサと、伸縮ブームの伸縮長を検出するブーム長センサとを備える。ブーム制御装置は、これらのセンサの検出結果を用いて、伸縮ブームの伸縮長と起伏角度とを算出する。また、ブーム制御装置は、伸縮ブームの伸縮長と起伏角度との算出を周期的に行う。つまり、制御周期T毎にこれらの算出を行う。
【0005】
ブーム制御装置は、算出した伸縮量と起伏角度とに基づいて、伸縮ブームを伸縮駆動する伸縮シリンダの油圧回路と、伸縮ブームを起伏駆動する起伏シリンダの油圧回路とを制御して、伸縮ブームの先端を垂直駆動する。
【0006】
ブーム制御装置は、このような制御により、目標位置に向かって伸縮ブームの先端を直線的に駆動する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来の作業機のブーム制御装置には、次のような欠点がある。つまり、検出部のブーム起伏角センサとして振り子装置を用いた場合、振り子のふらつきにより、現在位置の検出に誤差が発生する。また、振り子装置のふらつきを防ぐために、フィルタ回路を挿入すると、このフィルタ回路による遅延が発生し、検出結果が直ちに伝わらない。
【0008】
例えば、図12(a)に示すように、伸縮ブーム101の実際の位置が位置101Aにあるとき、ブーム起伏角センサによる誤差のために、伸縮ブーム101が位置101Bにあると判断されたとき、ブーム制御装置は、位置101Bに基づいて、レバーの操作量Vzを、伸縮長成分VZLと起伏角度成分VZθとに分解する。そして、ブーム制御装置は、この成分に応じて、起伏シリンダの油圧回路と伸縮シリンダの油圧回路とを制御する。
【0009】
しかし、伸縮ブーム101の実際の位置は、位置101Aにある。このために、図12(b)に示すように、位置101Aにある伸縮ブーム101を、伸縮長成分VZLと起伏角度成分VZθとに応じて駆動すると、伸縮ブーム101の先端は、方向Hに移動し、垂直方向に上昇しない。
【0010】
このように、センサの誤差、特に、ブーム起伏角センサの誤差により、伸縮ブーム101の先端が目標軌跡に沿って移動しない。つまり、図13に示すように、伸縮ブーム101の目標軌跡111に対して、実際の軌跡は、例えば、軌跡112のようなってしまう。そして、伸縮ブーム101の先端が点b2にあるとき、ブーム制御装置が、この点b2で垂直方向に上昇するような伸縮長と起伏角度とを算出して、伸縮ブーム101を駆動すると、目標軌跡111から外れた軌跡となってしまう。さらに、伸縮ブームの先端が軌跡112から軌跡113に沿って移動し、点b3で垂直方向に上昇するような起伏角度と伸縮長とを算出する場合も同様である。
【0011】
つまり、振り子装置を用いたブーム起伏角センサにより現在位置を算出すると、目標とする軌跡111から外れてしまうという欠点がある。
【0012】
この発明の目的は、このような欠点を除き、伸縮ブームの先端を直線的に駆動する際、目標軌跡に沿った移動を可能にする、作業機のブーム制御装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
その目的を達成するため、請求項1の発明は、伸縮ブームを伸縮駆動する伸縮駆動部と、伸縮ブームを起伏駆動する起伏駆動部とを備える作業機を制御する、作業機のブーム制御装置において、検出部からの信号を受けて伸縮ブーム先端の現在位置を算出する現在位置演算部により伸縮ブーム先端の現在位置を調べる現在位置出力部と、伸縮ブーム先端を目標位置に移動させるときに、移動速度および移動方向が入力される操作入力部と、伸縮ブーム先端の目標位置を基準にして、操作入力部からの移動速度および移動方向に応じた目標速度ベクトルを算出する目標速度出力部と、目標速度出力部からの目標速度ベクトルに応じて、伸縮駆動部と起伏駆動部とを制御する制御出力演算部と、制御開始時には、現在位置出力部が調べた伸縮ブーム先端の現在位置を初期の目標位置として目標速度出力部に出力し、制御中は目標速度出力部からの目標速度ベクトルを用いて前回周期で到達するとされた伸縮ブーム先端の目標位置を周期的に算出して目標速度出力部に出力する目標位置演算部とを備えることを特徴とする。
【0014】
請求項2の発明は、伸縮ブームを伸縮駆動する伸縮駆動部と、伸縮ブームを起伏駆動する起伏駆動部と、伸縮ブームを旋回駆動する旋回駆動部とを備える作業機を制御する、作業機のブーム制御装置において、検出部からの信号を受けて伸縮ブーム先端の現在位置を算出する現在位置演算部により伸縮ブーム先端の現在位置を調べる現在位置出力部と、伸縮ブーム先端を目標位置に移動させるときに、移動速度および移動方向が入力される操作入力部と、伸縮ブーム先端の目標位置を基準にして、操作入力部からの移動速度および移動方向に応じた目標速度ベクトルを算出する目標速度出力部と、目標速度出力部からの目標速度ベクトルに応じて、伸縮駆動部、起伏駆動部および旋回駆動部を制御する制御出力演算部と、制御開始時には、現在位置出力部が調べた伸縮ブーム先端の現在位置を初期の目標位置として目標速度出力部に出力し、制御中は目標速度出力部からの目標速度ベクトルを用いて前回周期で到達するとされた伸縮ブーム先端の目標位置を周期的に算出して目標速度出力部に出力する目標位置演算部とを備えることを特徴とする。
【0015】
請求項3の発明は、伸縮ブームを伸縮駆動する伸縮駆動部と、伸縮ブームを起伏駆動する起伏駆動部と、伸縮ブームを旋回駆動する旋回駆動部と、伸縮ブームの先端に設けられたバケットを、旋回駆動部による旋回方向に対して所定の位置関係を保って首振り駆動する首振り駆動部とを備える作業機を制御する、作業機のブーム制御装置において、検出部からの信号を受けて伸縮ブーム先端の現在位置を算出する現在位置演算部により伸縮ブーム先端およびバケットの現在位置を調べる現在位置出力部と、伸縮ブーム先端を目標位置に移動させるときに、移動速度および移動方向が入力される操作入力部と、伸縮ブーム先端の目標位置を基準にして、操作入力部からの移動速度および移動方向に応じて、目標速度ベクトルおよび首振り速度を算出する目標速度出力部と、目標速度出力部からの目標速度ベクトルに応じて、伸縮駆動部、起伏駆動部、旋回駆動部および首振り駆動部を制御する制御出力演算部と、制御開始時には、現在位置出力部が調べた伸縮ブーム先端の現在位置およびバケットの現在の首振り位置を、初期の目標位置として目標速度出力部に出力し、制御中は目標速度出力部からの目標速度ベクトルおよび首振り速度を用いて前回周期で到達するとされた伸縮ブーム先端の目標位置を周期的に算出して目標速度出力部に出力する目標位置演算部とを備えることを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】
次に、この発明の実施の形態を、図面を用いて説明する。
【0017】
[発明の実施の形態1]
図1は、この発明の実施の形態1に係る、作業機のブーム制御装置を示すブロック図である。実施の形態1では、この発明が図2,3に示す高所作業車の伸縮ブーム3を駆動制御するブーム制御装置に適用されている。伸縮ブーム3は、旋回台2に設置され、さらに、旋回台2は、高所作業車の車体1に設置されている。そして、伸縮駆動部としての油圧回路および伸縮シリンダが、伸縮ブーム3を伸縮駆動し、起伏駆動部としての油圧回路および起伏シリンダが、伸縮ブーム3を起伏駆動する。旋回駆動部としての油圧回路および油圧モータが旋回台2を旋回駆動する。
【0018】
このような作業機を制御する、図1のブーム制御装置は、操作入力部11と、目標速度出力部12と、制御出力演算部13と、目標位置演算部14と、検出部15と、現在位置演算部16と、リセット信号発生部17とを備える。実施の形態1では、現在位置出力部が検出部15と現在位置演算部16とを備える。
【0019】
操作入力部11は、高所作業車のバケット4に設置されている。操作入力部11は、水平移動を入力するための水平操作レバーと、垂直移動を入力するための垂直操作レバーと、各アクチュエータを駆動するためのそれぞれの操作レバーとを備える。これらの操作レバーは、バケット4内の操作者により操作される。例えば、バケット4を上昇する場合、操作者が上昇を示す側に垂直操作レバーを倒す。この垂直操作レバーの操作により、操作入力部11は、垂直操作レバーが倒された量および方向を示す操作量Vzを出力する。つまり、操作入力部11は、移動速度と移動方向とを操作量Vzとして出力する。同じように、他の操作レバーが操作されると、この操作レバーの操作量が出力される。
【0020】
また、操作入力部11として、次のものでもよい。操作入力部11は、兼用操作レバーと選択スイッチとを備える。そして、選択スイッチの切り替えにより、兼用操作レバーを水平操作レバーや垂直操作レバーとして使用可能にする。
【0021】
目標速度出力部12は、それぞれの制御周期Tで次の演算をする。つまり、目標速度出力部12は、操作入力部11からの操作量Vzを受け取る。この操作量Vzは、バケット4の垂直上昇速度に対応するベクトル量である。また、目標速度出力部12は、目標位置演算部14からの目標位置である
(目標伸縮長Lr、目標起伏角度θr)
を受け取る。目標速度出力部12は、受け取ったデータを用いて、図4に示すように、目標起伏角度θrに沿う軸方向の速度(目標伸縮速度VLr)と、この軸方向に対して直角方向の速度(目標起伏速度Vθr)を算出する。このとき、目標速度出力部12は、
【数1】
【数2】
の式を用いる。
【0022】
こうして、目標速度出力部12は、目標位置演算部14からの目標位置を基準にして、目標伸縮速度VLrと目標起伏速度Vθrとを算出する。
【0023】
制御出力演算部13は、目標速度出力部12からの目標伸縮速度VLrに応じた制御出力を生成し、この制御出力を、伸縮シリンダを駆動する油圧回路に送る。また、制御出力演算部13は、目標速度出力部12からの目標起伏速度Vθrに応じた制御出力を生成し、この制御出力を、起伏シリンダを駆動する油圧回路に送る。これにより、伸縮シリンダが目標伸縮速度VLrに応じた速度(目標速度ベクトル)で、伸縮ブーム101を伸縮駆動し、起伏シリンダが目標起伏速度Vθrに応じた速度(目標速度ベクトル)で伸縮ブーム101を起伏駆動する。
【0024】
目標位置演算部14は、それぞれの制御周期Tで次の演算をする。つまり、目標位置演算部14は、目標速度出力部12からの目標伸縮速度VLrと目標起伏速度Vθrとから、目標位置として、
(目標伸縮長Lr、目標起伏角度θr)
を算出する。このとき、目標位置演算部14は、
【数3】
【数4】
の積分式を用いて、目標伸縮長Lrと目標起伏角度θrとを算出する。ここで、
値θr0:目標起伏角度θrの初期値
値Lr0:目標伸縮長Lrの初期値
である。つまり、目標位置演算部14は、
【数5】
として、目標位置を演算する。
【0025】
目標位置演算部14は、リセット信号発生部17からリセット信号を受け取ると、現在位置演算部16からの現在位置を、初期値としてセットする。また、リセット信号を受け取らないで、次の制御周期Tに入ると、目標位置演算部14は、前回算出した目標位置を、初期値としてセットする。つまり、目標位置演算部14は、
【数6】
として、目標位置を演算する。
【0026】
検出部15は、伸縮ブーム3の伸縮長Lを検出するブーム長センサと、伸縮ブーム3の起伏角度θを検出するブーム起伏角センサとを備える。この実施の形態1では、ブーム起伏角センサとして、振り子装置を用いた振り子式センサが用いられている。そして、検出部15は、これらのセンサの検出結果を示す信号を出力する。
【0027】
現在位置演算部16は、それぞれの制御周期Tで次の演算をする。つまり、現在位置演算部16は、検出部15からの検出結果を受け取ると、同一時点、例えば、それぞれの制御周期Tの始まりで、ブーム長センサおよびブーム起伏角センサの検出結果を取り出して、伸縮ブームの現在位置とする。つまり、現在位置演算部16は、ある時点でのバケット4の現在位置を、
(伸縮長L、起伏角度θ)
で表す。現在位置演算部16は、こうして現在位置を算出する。
【0028】
リセット信号発生部17は、単独操作した後の次の水平操作レバーまたは垂直操作レバーが操作された時点で、リセット信号を出力する。この後、水平操作レバーまたは垂直操作レバーが一旦中立位置に戻されたとき、また、水平操作レバーまたは垂直操作レバーが再度操作されたときには、リセット信号発生部17は、リセット信号を出力しない。
【0029】
また、リセット信号発生部17は、次のようなときにリセット信号を出力してもよい。つまり、リセット信号発生部17は、単独操作した後の次の水平操作レバーまたは垂直操作レバーが操作された時点で、リセット信号を出力する。この後、水平操作レバーまたは垂直操作レバーが一旦中立位置に戻された後、再度操作されたとき、リセット信号発生部17は、リセット信号を出力する。
【0030】
さらに、リセット信号発生部17は、次のようなときにリセット信号を出力してもよい。つまり、操作入力部11として、兼用操作レバーと選択スイッチとを備えるものが用いられた場合、選択スイッチが操作されたとき、リセット信号発生部17は、リセット信号を出力する。
【0031】
次に、実施の形態1の動作について説明する。
【0032】
バケット4内の操作者がバケット4を上昇するとき、上昇を示す側に垂直操作レバーを倒す。垂直操作レバーの操作により、操作入力部11は、垂直操作レバーが倒された量を示す操作量Vzを出力する。
【0033】
垂直操作レバーが操作されると、リセット信号発生部17がリセット信号を目標位置演算部14に送る。目標位置演算部14は、リセット信号を受け取ると、目標位置をリセットする。つまり、目標位置演算部14は、検出部15と現在位置演算部16とが算出した現在位置
(現在伸縮長L0、現在起伏角θ0)
を初期位置として用いる。このとき、
【数7】
の中で、目標速度が未算出の状態であるので、目標位置演算部14は、現在位置
(現在伸縮長L0、現在起伏角θ0)
を目標位置とする。目標速度出力部12は、目標位置演算部14が演算した目標位置を基準にして、操作入力部11からの操作量Vzを分解して、
【数8】
【数9】
を算出する。制御出力演算部13は、目標速度出力部12からの目標速度に応じて、制御出力を出力する。
【0034】
これにより、伸縮ブーム3は、現在位置を基準にして、バケット4の垂直駆動を開始する。
【0035】
次の制御周期Tでは、次の制御が行われる。つまり、目標位置演算部14は、目標速度出力部12からの目標伸縮速度VLrと目標起伏速度Vθrとを用いて、目標位置とし、(目標伸縮長Lr、目標起伏角度θr)
を算出する。つまり、目標位置演算部14は、
【数10】
【数11】
の式を用いて、目標伸縮長Lrと目標起伏角度θrとを算出する。目標速度出力部12は、目標位置演算部14が演算した目標位置を基準にして、操作入力部11からの操作量Vzを分解し、
【数12】
【数13】
を算出する。制御出力演算部13は、目標速度出力部12からの目標速度に応じて、制御出力を出力する。
【0036】
これにより、伸縮ブーム3は、目標位置演算部14が演算した目標位置を基準にして、バケット4を垂直駆動する。
【0037】
以下、同じような演算により、バケット4を垂直駆動する。
【0038】
このようにして、実施の形態1により、目標位置演算部14が演算した目標位置を基準にして、次の目標速度を演算するので、検出部15の検出誤差、特に起伏角度の検出誤差の影響を防ぐことができる。
【0039】
[発明の実施の形態2]
図5は、この発明の実施の形態2に係る作業機のブーム制御装置を示すブロック図である。実施の形態2では、先に説明した実施の形態1とは、目標位置演算部19だけが相違し、その他は同様である。以下の説明では、この相違する点だけを説明し、重複する部分については、図面に同一の参照番号を付けて説明を省略する。
【0040】
目標位置演算部19は、実施の形態1の目標位置演算部14の演算に加えて、次の演算をする。目標位置演算部19は、検出部15と現在位置演算部16とにより算出される現在位置
(現在伸縮長L、現在起伏角度θ)
と、自身が算出した目標位置
(目標伸縮長Lr、目標起伏角度θr)
との位置誤差をそれぞれの制御周期Tで調べる。そして、位置誤差が、あらかじめ設定された許容位置誤差より大きくなると、目標位置演算部19は、
【数14】
を算出して、新たな目標位置とする。
【0041】
このように、目標位置演算部19が目標位置を修正するので、目標位置が現在位置から設定範囲以上に離れることを防止することができる。
【0042】
なお、許容位置誤差は、補正可能な出力の上限値とする。さらに、許容位置誤差の±符号は、発生した誤差の増減に応じて、同じように選択する。
【0043】
なお、実施の形態1,2では、伸縮ブーム101の垂直駆動の場合について、述べたが、垂直に限らず、伸縮ブーム101の先端を直線的に移動させるブーム制御装置に対して、この発明が適用可能である。
【0044】
また、実施の形態1,2では、高所作業車にこの発明を適用したが、クレーン車のように伸縮ブームを備える作業機であれば、この発明の適用が可能である。
【0045】
[発明の実施の形態3]
図6は、この発明の実施の形態3に係る、作業機のブーム制御装置を示すブロック図である。実施の形態3では、この発明が図2,3に示す高所作業車の伸縮ブーム3を駆動制御するブーム制御装置に適用されている。
【0046】
実施の形態3のブーム制御装置は、操作入力部21と、目標速度出力部22と、制御出力演算部23と、目標位置演算部24と、検出部25と、現在位置演算部26と、リセット信号発生部27とを備える。実施の形態3では、現在位置出力部が検出部25と現在位置演算部26とを備える。
【0047】
操作入力部21は、高所作業車のバケット4に設置されている。操作入力部21は、水平移動を入力するための水平操作レバーと、垂直移動を入力するための垂直操作レバーと、各アクチュエータを駆動するためのそれぞれの操作レバーとを備える。これらの操作レバーは、バケット4内の操作者により操作される。例えば、バケット4を移動する場合、操作者が移動を示す側に垂直操作レバーおよび水平操作レバーを倒す。この垂直操作レバーおよび水平操作レバーの操作により、操作入力部21は、垂直操作レバーおよび水平操作レバーが倒された量および方向を示す操作量Vrを出力する。つまり、操作入力部21は、移動速度と移動方向とを操作量Vrとして出力する。
【0048】
また、操作入力部21として、次のものでもよい。操作入力部21は、兼用操作レバーと選択スイッチとを備える。そして、選択スイッチの切り替えにより、兼用操作レバーを水平操作レバーや垂直操作レバーとして使用可能にする。
【0049】
目標速度出力部22は、それぞれの制御周期Tで次の演算をする。つまり、目標速度出力部22は、操作入力部21からの操作量Vrを受け取る。この操作量Vrは、バケット4の移動速度に対応するベクトル量である。また、目標速度出力部22は、目標位置演算部24からの目標位置である
(目標伸縮長Lr、目標起伏角度θr、目標旋回角度φr)
を受け取る。目標速度出力部22は、受け取ったデータを用いて、図7に示すように、目標起伏角度θrに沿う軸方向の速度(目標伸縮速度VLr)と、この軸方向に対して直角方向の速度(目標起伏速度LrVθr)と、目標旋回角度φrに沿う方向の速度(目標旋回速度LrVφr)とを算出する。このとき、目標速度出力部22は、目標位置演算部24からの目標位置を基準にして、目標伸縮速度VLr、目標起伏速度LrVθrおよび目標旋回速度LrVφrを算出する。
【0050】
制御出力演算部23は、目標速度出力部22からの目標伸縮速度VLrに応じた制御出力を生成し、この制御出力を、伸縮シリンダを駆動する油圧回路に送り、目標速度出力部22からの目標起伏速度LrVθrに応じた制御出力を生成し、この制御出力を、起伏シリンダを駆動する油圧回路に送る。また、制御出力演算部23は、目標速度出力部22からの目標旋回速度LrVφrに応じた制御出力を生成し、この制御出力を、油圧モータを駆動する油圧回路に送る。これにより、伸縮シリンダが目標伸縮速度VLrに応じた速度(目標速度ベクトル)で、伸縮ブーム101を伸縮駆動し、起伏シリンダが目標起伏速度LrVθrに応じた速度(目標速度ベクトル)で伸縮ブーム101を起伏駆動する。また、油圧モータが目標旋回速度LrVφrに応じた速度(目標速度ベクトル)で伸縮ブーム101を旋回駆動する。
【0051】
目標位置演算部24は、それぞれの制御周期Tで次の演算をする。つまり、目標位置演算部24は、目標速度出力部22からの目標伸縮速度VLr、目標起伏速度LrVθrおよび目標旋回速度LrVφrから目標位置として、
(目標伸縮長Lr、目標起伏角度θr、目標旋回角度φr)
を算出する。このとき、目標位置演算部24は、
【数15】
【数16】
【数17】
の積分式を用いて、目標伸縮長Lr、目標起伏角度θrおよび目標旋回角度φrを算出する。ここで、
値θr0:目標起伏角度θrの初期値
値Lr0:目標伸縮長Lrの初期値
値φr0:目標旋回角度φrの初期値
である。つまり、目標位置演算部24は、
【数18】
として、目標位置を演算する。
【0052】
目標位置演算部24は、リセット信号発生部27からリセット信号を受け取ると、現在位置演算部26からの現在位置を、初期値としてセットする。また、リセット信号を受け取らないで、次の制御周期Tに入ると、目標位置演算部24は、前回算出した目標位置を、初期値としてセットする。つまり、目標位置演算部24は、
【数19】
として、目標位置を演算する。
【0053】
検出部25は、伸縮ブーム3の伸縮長Lを検出するブーム長センサと、伸縮ブーム3の起伏角度θを検出するブーム起伏角センサと、伸縮ブーム3の旋回角度φを検出するブーム旋回角センサとを備える。この実施の形態1では、ブーム起伏角センサとして、振り子装置を用いた振り子式センサが用いられている。そして、検出部25は、これらのセンサの検出結果を示す信号を出力する。
【0054】
現在位置演算部26は、それぞれの制御周期Tで次の演算をする。つまり、現在位置演算部26は、検出部25からの検出結果を受け取ると、同一時点、例えば、それぞれの制御周期Tの始まりで、ブーム長センサ、ブーム起伏角センサおよびブーム旋回角センサの検出結果を取り出して、伸縮ブームの現在位置とする。つまり、現在位置演算部26は、ある時点でのバケット4の現在位置を、
(伸縮長L、起伏角度θ、旋回角度φ)
で表す。現在位置演算部26は、こうして現在位置を算出する。
【0055】
リセット信号発生部27は、単独操作した後の次の水平操作レバーまたは垂直操作レバーが操作された時点で、リセット信号を出力する。この後、水平操作レバーまたは垂直操作レバーが一旦中立位置に戻された後、再度操作されたとき、また、水平操作レバーまたは垂直操作レバーが再度操作されたときには、リセット信号発生部27は、リセット信号を出力しない。
【0056】
また、リセット信号発生部27は、次のようなときにリセット信号を出力してもよい。つまり、リセット信号発生部27は、単独操作した後の次の水平操作レバーまたは垂直操作レバーが操作された時点で、リセット信号を出力する。この後、水平操作レバーまたは垂直操作レバーが一旦中立位置に戻された後、再度操作されたとき、リセット信号発生部27は、リセット信号を出力する。
【0057】
さらに、リセット信号発生部27は、次のようなときにリセット信号を出力してもよい。つまり、操作入力部21として、兼用操作レバーと選択スイッチとを備えるものが用いられた場合、選択スイッチが操作されたとき、リセット信号発生部27は、リセット信号を出力する。
【0058】
この実施の形態3により、伸縮ブーム3の3次元的な移動に際して、目標位置演算部24が演算した目標位置を基準にして、次の目標速度を演算するので、検出部25の検出誤差、特に起伏角度の検出誤差の影響を防ぐことができる。
【0059】
[発明の実施の形態4]
図8は、この発明の実施の形態4に係る作業機のブーム制御装置を示すブロック図である。実施の形態4の高所作業車は、実施の形態1に使用された作業車に対して、さらに次の機能が付加されたものである。つまり、バケット4は首振り駆動部44により、伸縮ブーム3の旋回方向と所定の位置関係を保って、図10の矢印201方向に首振り駆動されるようになっている。このような高所作業車には、バケット4を水平直線方向に自動的に移動させる作動制御装置30が設けられている。この作動制御装置30は以下のように構成されている。
【0060】
バケット4上には、操作部34の移動操作レバー34Aが上方に向けて突設され、この移動操作レバー34Aは360°の範囲内で傾動可能となっている。この移動操作レバー34Aを所望の方向に傾動させることにより、この傾動方向にてバケット4を移動させたい水平直線移動方向が選択され、また、この移動操作レバー34Aの傾動量により、希望する移動速度が選択されるようになっている。そして、この移動方向および移動速度に関連する信号が操作部34から演算部35に出力されるようになっている。
【0061】
具体的には、操作部34は、平面視において直交する方向への移動操作レバー34Aの操作変位量をそれぞれ独立的に検出する2基のポテンショメータを備えており、これら2基のポテンショメータの各出力信号(Sx,Sy)を操作レバー16のバケット4に対する傾動方向および傾動量に関連する信号として、演算部35に出力するようになっている。
【0062】
また、操作部34は、実施の形態1と同じ垂直操作レバーが設けられている。この操作レバーにより、バケット4が上下方向に駆動される。
【0063】
高所作業車には、伸縮ブーム3の起伏角度θ1を検出するブーム起伏角センサ31(例えば重力式角度計)、伸縮ブーム3の長さLを検出するブーム長センサ32、バケット4の伸縮ブーム3に対する首振り角度θ3を検出するバケット首振り角センサ33が設けられている。そして、これら各センサ31,32,33からの信号が演算部35に出力されるようになっている。
【0064】
演算部35は、移動操作レバー34Aのバケット4に対する傾動方向および傾動量に関連する信号たる2基のポテンショメータの出力Sx,Syを受け取り、これら両信号Sx,Syから、次の演算式に基づき移動操作レバー34Aのバケット4に対する傾動方向角度θ4を演算する。
【0065】
【数20】
さらに、演算部35は、この傾動方向角度θ4と首振り角センサ33からの信号θ3とから、平面視における伸縮ブーム3と移動操作レバー34Aとの成す角(以下「移動方向角度α」という)を算出する。
【0066】
また、移動操作レバー34Aの傾動量S、つまり移動速度信号は、上記出力Sx,Syに基づいて、以下の式(21)により算出される。
【0067】
【数21】
次に、演算部35は、上述のようにして得られた伸縮ブーム3に対する移動操作レバー34Aの移動方向角度α、ブーム長センサ32からのブーム長さ信号L、およびブーム起伏角センサ31からの起伏角度θ1の信号を用いて、バケット4を作業対象物Aに沿って水平直線移動させ、かつ、バケット4を伸縮ブーム3と同角度で逆方向に首振りさせるに必要な、ブーム長さL、ブーム起伏角度θ1および移動方向角度αの、各変化速度比を算出する。
【0068】
この算出は、下記の3変数を含む二つの連立方程式(22),(23)から算出する。
【0069】
【数22】
【数23】
このようにして求められたブーム伸縮速度、ブーム起伏速度、傾動方向角速度(これはバケット4の首振り角度の変化速度に対応する。)の変化速度の速度比に演算部35内で上記の如く算出される移動操作レバー34Aの傾動量Sを速度指令信号として乗じ、実際に移動させるブーム伸縮速度VL、ブーム起伏速度Vθ1および傾動方向角速度Vαを求める。
【0070】
なお、伸縮ブーム3の旋回角θ2は、前述したようにバケット4の首振り角θ3と反対方向に同量だけ動くように関連させるものであるから、この伸縮ブーム3の旋回角θ2の角速度Vθ2は、
【数24】
として求められる。
【0071】
演算部35において求められた速度信号VL,Vθ1,VαおよびVθ2は、起伏駆動部41、伸縮駆動部42、旋回駆動部43および首振り駆動部44に操作信号として伝達されるのであるが、各駆動部41,42,43および44の駆動方向(起伏駆動部41にあっては起仰方向か倒伏方向か、伸縮駆動部42にあっては伸長方向か短縮方向か、旋回駆動部43および首振り駆動部44にあっては左旋回方向か右旋回方向か)の決定は、次の如くして演算部35内において決定される。
【0072】
移動方向角度α、すなわち平面視における伸縮ブーム3と移動操作レバー34Aの傾動方向との成す角度α(この角度αは、前述したように、移動操作レバー34Aのバケット4に対する傾動方向角度θ4と、首振り角センサ14からの信号θ3とから求められる。)から、平面視において伸縮ブーム3に対する移動操作レバー34Aの傾動方向が、伸縮ブーム3の伸縮方向を基準にして左側に傾動操作されているか右側に傾動操作されているかを判別すると共に、伸縮ブーム3の伸縮方向に直交する方向を基準にして前方(伸縮ブーム3の伸長方向)に傾動操作されているか後方(伸縮ブーム3の短縮方向)に傾動操作されているかを判別し、これらの判別結果により、下記のように対応づけて各駆動部41,42,43および44の駆動方向を決定する。
【0073】
左側傾動操作判別時…首振り駆動部44を左旋回駆動し、旋回駆動部43を左旋回駆動する。
【0074】
右側傾動操作判別時…首振り駆動部44を右旋回駆動し、旋回駆動部43を右旋回駆動する。
【0075】
前方傾動操作判別時…伸縮駆動部42を伸長駆動し、起伏駆動部41を倒伏駆動する。
【0076】
後方傾動操作判別時…伸縮駆動部42を短縮駆動し、起伏駆動部41を起仰駆動する。
【0077】
そして、演算部35内で、速度信号VL,Vθ1,VαおよびVθ2の信号を、この決定結果に基づき対応する各駆動部41,42,43および44へ指向させるのである。
【0078】
演算部35は、上記の演算と共に、実施の形態1のブーム制御装置と同じような演算をする。つまり、ブーム起伏角センサ31、ブーム長センサ32およびバケット首振り角センサ33からの信号に基づいて、ブーム起伏速度Vθ1、ブーム伸縮速度VL、旋回の角速度Vθ2および傾動方向角速度Vαを算出する。演算部35は、これらの速度を、起伏駆動部41、伸縮駆動部42、旋回駆動部43および首振り駆動部44に操作信号として伝達する。
【0079】
以降の各制御周期Tでは、演算部35は、バケット4内の各操作レバーの操作量に基づいて、最初の伸縮ブーム3およびバケット4の位置を基準として、目標位置としてブーム起伏速度Vθ1、ブーム伸縮速度VL、旋回の角速度Vθ2および傾動方向角速度Vαを算出する。演算部35は、算出した値を操作信号として起伏駆動部41、伸縮駆動部42、旋回駆動部43および首振り駆動部44に伝達する。
【0080】
次に、かかる構成よりなる高所作業車の作動制御装置の作用について説明する。
【0081】
図10に示すように、まず、高所作業車を適当な位置に停車させてアウトリガを伸ばして接地させ、作業中に伸縮ブーム3が倒れないようにする。そして、手動操作で各駆動部41,42,43,44等により、伸縮ブーム3を伸縮,旋回あるいは起伏させて、バケット4を作業対象物Aに対し所望の高さまで移動させる。実施の形態4の作業対象物Aは鉛直方向に沿う壁のようなものであり、バケット4の側面4aが作業対象物Aに平行に沿っている。この状態から、移動操作レバー34Aを操作し、例えば図10中矢印方向(作業対象物Aに沿う方向)へ所望量傾動させ、バケット4の水平直線移動させたい方向および速度を選択する。この移動操作レバー34Aの操作により、手動操作から自動操作に切り換えられる。そして、その選択信号Sx,Syおよび首振り角度θ3の信号が演算部35に入力され、前述のように移動方向角度αが算出されると共に、ブーム起伏角センサ11およびブーム長センサ12の信号(起伏角度θ1,ブーム長さL)が演算部35に入力される。
【0082】
そして、この演算部35により、起伏角度θ1、ブーム長さL、移動方向角度αの値を用いて式(22),(23)を満足するように演算され、伸縮ブーム3の伸縮、起伏、旋回の速度比が求められ、速度指令信号に応じて、伸縮ブーム3の伸縮速度VL、起伏角速度Vθ1およびバケット4の首振り角速度Vαが算出され、さらに、バケット4の首振り角速度Vαに応じて伸縮ブーム3の旋回角速度Vθ2が算出される。そして、この速度信号が各駆動部41,42,43,44に入力され、この駆動部41,42,43,44にて伸縮ブーム3およびバケット4が駆動される。この駆動中には、各センサ31,32,33からの信号により、演算部35で補正制御が行われ、適正な値で伸縮ブーム3等が駆動される。このようにして、自動的に所望の方向および速度で、バケット4が作業対象物Aに沿って水平直線方向に移動される。
【0083】
以降の各制御周期Tでは、演算部35は、各操作レバーの操作量に基づいて、目標位置としてブーム起伏速度V、ブーム伸縮速度、旋回の角速度および傾動方向角速度を算出する。演算部35は、算出した値を操作信号として起伏駆動部41、伸縮駆動部42、旋回駆動部43および首振り駆動部44に伝達する。
【0084】
これにより、前回の目標位置を基準にして、各駆動部41,42,43,44が駆動される。この駆動に際して、例えば重力式角度計のようなブーム起伏角センサ31の検出誤差の影響を除くことができる。
【0085】
なお、実施の形態4では、伸縮ブーム3の旋回方向と所定の位置関係を保って、バケット4の首振り駆動をしたが、旋回方向と逆方向にバケット4の首振り駆動をしてもよい。
【0086】
[発明の実施の形態5]
図11は、この発明の実施の形態5に係る作業機を示すブロック図である。実施の形態5の高所作業車は、実施の形態1に使用された作業車に対して、さらに次の機能が付加されたものである。つまり、実施の形態5の高所作業車は、伸縮ブーム3の先端に水平面内で揺動可能なバケット4を平衡保持している。バケット4は、アクチュエータ61により揺動駆動される。
【0087】
実施の形態5の高所作業車は、制御装置50を備える。制御装置50には、伸縮ブーム3の旋回角度を検出する旋回角センサ51が接続されている。制御装置50は、旋回角センサ51からの信号により、バケット4の揺動を自動的に制御する。このとき、制御装置50は、伸縮ブーム3の旋回角度と等しい角度に、かつ、伸縮ブーム3の旋回方向と逆の方向へ、バケット4を揺動させる制御をする。
【0088】
また、制御装置50は、最初に伸縮ブーム3と壁面とを直角に位置させ、バケット4の前面と壁面とが平行になるようにする。制御装置50は、この位置を伸縮ブーム3の基準点とする。そして、制御装置50は、上記の演算と共に、実施の形態1のブーム制御装置と同じような演算をする。つまり、ブーム起伏角センサ、ブーム長センサおよび旋回角センサ51からの信号に基づいて、ブーム起伏速度、ブーム伸縮速度、ブーム旋回速度およびアクチュエータ61に対する制御信号を算出する。制御装置50は、これらの速度に応じて伸縮ブーム3を駆動し、制御信号に応じてバケット4の揺動をする。
【0089】
以降の各制御周期Tでは、制御装置50は、バケット4内の操作レバーの操作量に基づいて算出した目標位置を基準にして、目標伸縮速度、目標起伏速度、目標旋回速度および制御信号を算出する。そして、制御装置50は、算出したこれらの速度および制御信号に応じて伸縮ブーム3およびバケット4を制御する。
【0090】
これにより、例えば、重力式角度計のようなブーム起伏角センサの検出誤差の影響を除くことができる。
【0091】
【発明の効果】
以上、説明したように、請求項1の発明は、従来技術のように、現在位置を基準にして目標速度を算出する代わりに、移動速度および移動方向に応じた目標速度ベクトルを算出し、この後、この目標速度ベクトルを用いて算出した目標位置を基準にして、目標速度ベクトルを算出する。これにより、現在位置出力部の誤差の影響を受けないで、目標とする軌跡に沿って、基準点から直線的に伸縮ブームの先端を、2次元的に移動させることができる。
【0092】
請求項2の発明は、従来技術のように、現在位置を基準にして目標速度を算出する代わりに、移動速度、移動方向および旋回方向に応じた目標速度ベクトルを算出し、この後、この目標速度ベクトルを用いて算出した目標位置を基準にして、目標速度ベクトルを算出する。これにより、現在位置出力部の誤差の影響を受けないで、目標とする軌跡に沿って、基準点から直線的に伸縮ブームの先端を、3次元的に移動させることができる。
【0093】
請求項3の発明により、伸縮ブーム先端に設けられたバケットを含む制御を可能にする。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1を示すブロック図である。
【図2】実施の形態1に用いられる高所作業車を示す図である。
【図3】実施の形態1に用いられる高所作業車を示す図である。
【図4】実施の形態1による速度の算出を説明するための図である。
【図5】この発明の実施の形態2を示すブロック図である。
【図6】この発明の実施の形態3を示すブロック図である。
【図7】実施の形態3による速度の算出を説明するための図である。
【図8】この発明の実施の形態4を示すブロック図である。
【図9】実施の形態4の動作を説明するための図である。
【図10】実施の形態4の動作を説明するための図である。
【図11】この発明の実施の形態5を示す作業機を示す図である。
【図12】従来の制御の様子を示す図である。
【図13】従来の制御の様子を示す図である。
【符号の説明】
11 操作入力部
12 目標速度出力部
13 制御出力演算部
14 目標位置演算部
15 検出部
16 現在位置演算部
Claims (3)
- 伸縮ブームを伸縮駆動する伸縮駆動部と、伸縮ブームを起伏駆動する起伏駆動部とを備える作業機を制御する、作業機のブーム制御装置において、
検出部からの信号を受けて伸縮ブーム先端の現在位置を算出する現在位置演算部により伸縮ブーム先端の現在位置を調べる現在位置出力部と、
伸縮ブーム先端を目標位置に移動させるときに、移動速度および移動方向が入力される操作入力部と、
伸縮ブーム先端の目標位置を基準にして、操作入力部からの移動速度および移動方向に応じた目標速度ベクトルを算出する目標速度出力部と、
目標速度出力部からの目標速度ベクトルに応じて、伸縮駆動部と起伏駆動部とを制御する制御出力演算部と、
制御開始時には、現在位置出力部が調べた伸縮ブーム先端の現在位置を初期の目標位置として目標速度出力部に出力し、制御中は目標速度出力部からの目標速度ベクトルを用いて前回周期で到達するとされた伸縮ブーム先端の目標位置を周期的に算出して目標速度出力部に出力する目標位置演算部とを備えることを特徴とする、作業機のブーム制御装置。 - 伸縮ブームを伸縮駆動する伸縮駆動部と、伸縮ブームを起伏駆動する起伏駆動部と、伸縮ブームを旋回駆動する旋回駆動部とを備える作業機を制御する、作業機のブーム制御装置において、
検出部からの信号を受けて伸縮ブーム先端の現在位置を算出する現在位置演算部により伸縮ブーム先端の現在位置を調べる現在位置出力部と、
伸縮ブーム先端を目標位置に移動させるときに、移動速度および移動方向が入力される操作入力部と、
伸縮ブーム先端の目標位置を基準にして、操作入力部からの移動速度および移動方向に応じた目標速度ベクトルを算出する目標速度出力部と、
目標速度出力部からの目標速度ベクトルに応じて、伸縮駆動部、起伏駆動部および旋回駆動部を制御する制御出力演算部と、
制御開始時には、現在位置出力部が調べた伸縮ブーム先端の現在位置を初期の目標位置として目標速度出力部に出力し、制御中は目標速度出力部からの目標速度ベクトルを用いて前回周期で到達するとされた伸縮ブーム先端の目標位置を周期的に算出して目標速度出力部に出力する目標位置演算部とを備えることを特徴とする、作業機のブーム制御装置。 - 伸縮ブームを伸縮駆動する伸縮駆動部と、伸縮ブームを起伏駆動する起伏駆動部と、伸縮ブームを旋回駆動する旋回駆動部と、伸縮ブームの先端に設けられたバケットを、旋回駆動部による旋回方向に対して所定の位置関係を保って首振り駆動する首振り駆動部とを備える作業機を制御する、作業機のブーム制御装置において、
検出部からの信号を受けて伸縮ブーム先端の現在位置を算出する現在位置演算部により伸縮ブーム先端およびバケットの現在位置を調べる現在位置出力部と、
伸縮ブーム先端を目標位置に移動させるときに、移動速度および移動方向が入力される操作入力部と、
伸縮ブーム先端の目標位置を基準にして、操作入力部からの移動速度および移動方向に応じて、目標速度ベクトルおよび首振り速度を算出する目標速度出力部と、
目標速度出力部からの目標速度ベクトルに応じて、伸縮駆動部、起伏駆動部、旋回駆動部および首振り駆動部を制御する制御出力演算部と、
制御開始時には、現在位置出力部が調べた伸縮ブーム先端の現在位置およびバケットの現在の首振り位置を、初期の目標位置として目標速度出力部に出力し、制御中は目標速度出力部からの目標速度ベクトルおよび首振り速度を用いて前回周期で到達するとされた伸縮ブーム先端の目標位置を周期的に算出して目標速度出力部に出力する目標位置演算部とを備えることを特徴とする、作業機のブーム制御装置。
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